説明

拡張機能処理装置、拡張機能処理システム及び拡張機能処理プログラム

【課題】複数の画像処理装置で共通に使用可能な拡張機能を提供することを目的とする。
【解決手段】複数の画像処理装置の画像処理に係る機能を拡張する機能を実行する拡張機能処理装置であって、ネットワークを通じて前記画像処理装置から拡張機能の実行要求を受信する受信手段と、前記画像処理装置の拡張機能であって、前記複数の画像処理装置で共通に使用可能な複数の実行手段と、を有し、前記夫々の実行手段は、前記実行要求に応じて前記拡張機能を実行する、拡張機能処理装置。を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、拡張機能処理装置、拡張機能処理システム及び拡張機能処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
MFP(Multifunction Peripheral)やLP(レーザプリンタ)等の画像処理装置において、機能を拡張するために、内部に追加のアプリケーションを導入したり、拡張機能コントローラボックスを設ける方法が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の画像処理装置においては、通常のコントローラに加えて拡張機能コントローラを2個搭載することで、拡張機能の高性能な処理を実現している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、既存の拡張機能コントローラの多くは、MFP又はLPのそれぞれの機種と一対一で接続される。そのため、オフィス等に存在する全てのMFP又はLPを拡張しようとすると、拡張機能コントローラをそれぞれに導入して管理する必要があり、導入やメンテナンスにかかる時間と費用のコストが高いという問題があった。特に、プロジェクタやスマートフォン等の新たなデバイスがオフィスに導入されつつあるが、既存の仕組みでは迅速に対応することが困難であった。
【0005】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、複数の画像処理装置で共通に使用可能な拡張機能を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し目的を達成するため、本発明における拡張機能処理装置は、複数の画像処理装置の画像処理に係る機能を拡張する機能を実行する拡張機能処理装置であって、ネットワークを通じて前記画像処理装置から拡張機能の実行要求を受信する受信手段と、前記画像処理装置の拡張機能であって、前記複数の画像処理装置で共通に使用可能な複数の実行手段と、を有し、前記夫々の実行手段は、前記実行要求に応じて前記拡張機能を実行する。
【0007】
また、本発明における拡張機能処理システムは、画像処理に係る機能を実行する複数の画像処理装置と、前記機能を拡張する機能を実行する拡張機能処理装置とを有する拡張機能処理システムであって、前記画像処理装置は、ネットワークを通じて前記拡張機能処理装置に拡張機能の実行を要求する要求手段と、を有し、前記拡張機能処理装置は、ネットワークを通じて前記画像処理装置から拡張機能の実行要求を受信する受信手段と、前記画像処理装置の拡張機能であって、前記複数の画像処理装置で共通に使用可能な複数の実行手段と、を有し、前記夫々の実行手段は、前記実行要求に応じて前記拡張機能を実行する。
【0008】
また、本発明における拡張機能処理プログラムは、複数の画像処理装置の画像処理に係る機能を拡張する機能を実行する拡張機能処理装置に搭載される拡張機能処理プログラムであって、コンピュータに、ネットワークを通じて前記画像処理装置から拡張機能の実行要求を受信する受信段階と、前記画像処理装置の拡張機能であって、前記複数の画像処理装置で共通に使用可能な複数の実行段階と、を実行させ、前記夫々の実行段階は、前記実行要求に応じて前記拡張機能を実行する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、複数の画像処理装置で共通に使用可能な拡張機能を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態における拡張機能処理装置を有するシステムの概要を表す図。
【図2A】本発明の一実施形態における拡張機能処理装置を有するシステムにおける入力、加工、出力処理の概念を説明するための図。
【図2B】本発明の一実施形態における拡張機能処理装置を有するシステムにおける入力、加工、出力処理の概念を説明するための図。
【図3】本発明の一実施形態における拡張機能処理装置のハードウェア構成図。
【図4】本発明の一実施形態における拡張機能処理装置の機能ブロック図。
【図5A】本発明の一実施形態における拡張機能処理装置の有する機能定義テーブルを表す図。
【図5B】本発明の一実施形態における拡張機能処理装置の有する有効機能テーブルを表す図。
【図6】MFPの機能表示画面の例を表す図。
【図7A】本発明の一実施形態における拡張機能処理装置の登録に係るシーケンスを表す図。
【図7B】本発明の一実施形態における拡張機能処理装置の機能を実行するシーケンスを表す図。
【図7C】本発明の一実施形態における拡張機能処理装置の拡張機能の追加に係るシーケンスを表す図。
【図8】本発明の一実施形態における拡張機能処理装置の有効機能の更新フローを表す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0012】
1.概要
1.1 システムの概要
1.2 入力、加工、出力処理のモジュール化
2.ハードウェア構成
3.機能
4.機能定義テーブル
5.処理フロー
5.1 登録処理フロー
5.2 拡張機能の実行処理フロー
5.3 拡張機能の追加処理フロー
5.4 有効機能の更新処理フロー
【0013】
(1.概要)
(1.1 システムの概要)
はじめに、図1を用いて本発明の一実施形態に係る拡張機能処理装置を有するシステム1の概要を説明する。システム1は、画像処理に係る機能を実行する画像処理装置である、MFP100、LP102、プロダクションプリンタ104、ワイドフォーマットMFP106、プロジェクタ108、スマートフォン110、前記機能を拡張する拡張機能処理装置120、122、拡張機能処理装置120、122の機能を更新するために用いられるPC130、ファイルサーバの機能等を提供するサーバ140、前記装置を接続するネットワーク150、外部のネットワーク160を有し、画像処理装置100ないし110が拡張機能処理装置120又は122を用いて画像処理に係る拡張機能を実行することができる。
【0014】
MFP(Multifunction Peripheral)100は、画像処理に係る機能として、複写機としてだけでなく、ファクシミリ機能、プリンタ機能、スキャナ機能等の機能を有する。MFP100は、MFP100が備える機能に応じて、紙やデータ等により入力された画像データに対して所定の加工を施し、紙やデータで結果を出力する。同様の機能を提供する機器として、レーザプリンタLP102、大量のカラードキュメントを長時間にわたって高速かつ連続的に出力するためプロダクションプリンタ104、ワイドフォーマット用紙へのプリント機能に優れるワイドフォーマットMFP106等がある。これらの画像処理装置もMFP100と同様に、機能に応じて、紙やデータで入力された画像データに所定の加工を施し、主に紙に結果を出力する。
【0015】
プロジェクタ108は、PCやAV機器と接続され、入力された画像入力を拡大してスクリーンに投影する装置である。近年、プロジェクタ108の高機能化が進み、USB又はネットワークに接続され、画像データを直接読み込んでスクリーンに投影できる機種も登場している。
【0016】
スマートフォン110は、PCと同等の性能を有する高機能携帯電話端末である。ネットワークを通じて画像を送受信することができるほか、カメラによって画像データを取得することもできる。また、スマートフォン110はタッチパネルを有し、ユーザからの直感的な入力操作を受け付けることができるのも特徴である。
【0017】
拡張機能処理装置120は、上述の画像処理装置100乃至110が有する画像処理の機能を拡張し、画像処理装置100乃至110のそれぞれが単独で実行できない機能をも実行可能にする。例えば、拡張機能処理装置120は、画像処理装置100乃至110の拡張機能としてOCR機能を提供する。この場合に、画像処理装置100乃至110のいずれかは、スキャナで読み取った原稿を拡張機能処理装置120にOCR処理させ、結果として取得されたテキストデータを、ファイルとしてサーバ140等に出力できるようにする。別の例として、拡張機能処理装置120は、画像処理装置100乃至110の拡張機能として、ファイルサーバからの印刷機能を提供する。この場合に、画像処理装置100乃至110のいずれかは、サーバ140上にあるファイルを指定し、印刷できるようにする。さらに別の例として、拡張機能処理装置120は、画像処理装置100乃至110の拡張機能として、入力されたデータをプロジェクタに出力する機能を提供する。この場合に、画像処理装置100乃至110のいずれかから入力された画像データを、プロジェクタ108に投影できるようにする。このように、OCR機能、ファイルサーバからの印刷機能、プロジェクタへの投影機能は、画像処理装置100乃至110に対して共通して利用できる。このことを可能にするため、拡張機能処理装置120が提供する拡張機能は、画像データの入力、加工、出力の3つの処理に分けられたモジュールの組み合わせによって実現される。入力、加工、出力の各処理の組み合わせにより実現される機能の概要については、次節で詳細に述べる。
【0018】
拡張機能処理装置122は、拡張機能処理装置120と同等の機能を提供し、外部のネットワーク160を経由して接続される。このように、当該拡張機能処理装置122は、例えばTCP/IPを用いたインターネットのような外部ネットワークを経由して接続されてもよい。
【0019】
PC130は、拡張機能処理装置120、122の機能を追加するためにユーザが用いる端末である。入力、加工、出力の3つの処理に分けられたモジュールの追加と、それらの組み合わせによる新しい機能の構成により、機能の追加がなされる。機能の追加処理については後述する。
【0020】
サーバ140は、ファイルサーバ等の機能を有し、拡張機能処理装置120、122からのファイルの入出力処理のために用いられる。
【0021】
ネットワーク150は、例えば社内のネットワークであるイントラネット等のクローズドなネットワークであり、前記画像処理装置100乃至110、拡張機能処理装置120、PC130、サーバ140等の様々な装置が接続される。
【0022】
ネットワーク160は、ネットワーク150と外部のネットワークとを接続する、例えばインターネット等のネットワークである。
【0023】
以上のように、当該システム1において接続される画像処理装置100乃至110は、拡張機能処理装置120、122が提供する拡張機能を共通に使用して、画像処理装置100乃至110の夫々が単独で実行できない機能を実行することができる。また、一部の加工処理をネットワーク150を介して実行させることにより、画像処理装置100乃至110単体ではリソースの問題や強い制約によって実行できなかった機能を実行できるようになる。
【0024】
なお、ネットワーク160に接続される画像処理装置として、図示しないデジタルサイネージ、デジタルカメラ、テレビ会議システム等の装置が含まれてもよい。拡張機能処理装置120は、このような装置に対しても共通で使用できる拡張機能を提供する。
【0025】
(1.2 入力、加工、出力処理のモジュール化)
図2A、図2Bを用いて、入力、加工、出力の3つの処理に分けられたモジュールの組み合わせによって実現される機能について説明する。一般的に、MFP100等において実行される画像処理は、紙の入出力、FAXの入出力、プリンタドライバからの入力によってなされる。すなわち、画像処理のために提供される機能は、これらの入出力をそれぞれ一つ選び、その途中に加工を入れた(不要なら無い場合もある)処理の組み合わせとして提供されている。例えば図2Aは、MFP100において、原稿をスキャナから入力し、ノイズ除去の加工を行い、紙に結果を出力する、コピー機能を表している。また、例えば図2Bは、MFP100において、原稿をPCのプリンタドライバから入力し、拡大縮小の加工を行い、紙に結果を出力する、集約プリント機能を表している。
【0026】
この点に鑑み、拡張機能処理装置120、122は、入力、加工、出力の処理を実行するモジュールを提供し、それらの間で標準的なインターフェースで接続する。例えば、標準的なインターフェースとして、SMB等のファイルとファイル転送プロトコルを用いることができる。そして、これらの組み合わせによって機能を定義する。各モジュールは、新たな処理が必要となった場合に随時追加される。
【0027】
これによって、複数の画像処理装置100乃至110に対して共通で使用できる拡張機能を提供できる。また、新たな入力、出力を備えるデバイスに対して、対応する入力、出力モジュールを追加することで柔軟に対応できる。
【0028】
なお、特許文献2においては、複数の拡張機能処理装置に対応するサーバのアプリケーションを用いて、拡張機能処理装置を制御する方法が記載されている。しかしながら、拡張機能処理装置の機種ごとにサーバのアプリケーションが対応する必要があり、新たなデバイス等への柔軟な対応が困難である問題には対応できていない。
【0029】
(2.ハードウェア構成)
図3は、本発明の一実施形態における拡張機能処理装置120のハードウェア構成の例を表す。拡張機能処理装置120は、CPU300、ROM302、RAM304、HDD306、通信制御部308、通信装置310、表示制御部312、画面表示装置314、入力制御部316、入力装置318、出力制御部320、出力装置322及びバス324を有し、画像処理装置100乃至110に拡張機能を提供する。
【0030】
CPU300は、本発明の一実施形態における拡張機能処理装置120の動作制御を拡張機能処理プログラムにより行うものである。ROM302は、CPU300が実行する拡張機能処理プログラムや、当該装置の動作に必要なプログラム及びデータ等を記憶するためのものである。RAM304は、CPU300のワークエリア等を構成するためのものである。HDD306は、拡張機能処理プログラムや、当該拡張機能処理装置120の動作に必要なプログラム及びデータを記憶するために用いられる。通信制御部308は、通信装置310を介し、ネットワーク150、160を通じて他の装置と通信を行うための通信制御処理を実行する。
【0031】
表示制御部312は、当該拡張機能処理装置120の処理内容に合わせて、画面表示装置314に表示する内容を制御する。入力制御部316は、ユーザからの入力を受け付ける、キーボード、マウス等の入力装置318からの信号を処理する。出力制御部320は、当該拡張機能処理装置120に接続されたプリンタ等の出力装置322に対する出力信号を制御する。バス324は、拡張機能処理装置120を構成する上記装置を相互に接続し、データのやり取りを行うためのものである。
【0032】
上記構成により、本発明の一実施形態における拡張機能処理装置120は、画像処理装置100乃至110からの拡張機能の実行要求を受け付け、拡張機能を実行することができる。
【0033】
なお、HDD306は、テープドライブを含むあらゆる記憶装置であってもよい。
【0034】
また、拡張機能処理装置120は外部からの機能の実行要求に対して応える、いわゆるサーバの構成であってもよい。その場合には、表示制御部312、画面表示装置314、入力制御部316、入力装置318、出力制御部320、出力装置322は省略できる。
【0035】
(3.機能)
図4は、本発明の一実施形態における拡張機能処理装置120の機能ブロックの例を表す。拡張機能処理装置120は、通信手段400、識別手段410、ジョブ制御手段420、記憶手段430、複数の実行手段440、複数の画像入力手段442、複数の画像加工手段444、複数の画像出力手段446、登録手段450、機能追加手段460、有効機能確認手段470を有し、画像処理装置100乃至110に拡張機能を提供する。以下、特に指定がない場合には、MFP100が拡張機能処理装置120を用いて拡張機能を実行する例について説明する。
【0036】
通信手段400は、受信手段402と送信手段404とを有し、ネットワーク150、160を通じて接続された装置との通信を行う。通信手段400は、例えばTCP/IPを用いる。また、通信手段400は、例えばFTP、SMB(Server Message Block)、HTTP、HTTPS又はそれらを拡張したWebDAV(Web-based Distributed Authoring and Versioning)、Web API等を用いる。
【0037】
受信手段402は、画像処理装置100乃至110から拡張機能の実行要求を受信する。また、受信手段402は、前記拡張機能によっては、処理対象となる画像データも受信する。画像データは、実行要求を発した画像処理装置100乃至110以外の装置からも受信され得る。MFP100以外の装置から画像データを受信する例として、例えば先述のファイルサーバからの印刷機能がある。この場合には、画像処理装置100乃至110のいずれかから、ファイルサーバからの印刷機能に係る拡張機能の実行要求を受信し、サーバ140から画像データを受信して、指定された印刷装置で印刷する。
【0038】
送信手段404は、画像処理装置100乃至110から要求された拡張機能の実行結果の出力先に対して、出力命令又は出力データを送信する。例えば、先述のOCR機能の例では、出力先はファイルサーバ140であり、出力データはテキストであり、出力命令はテキストファイルのコピー又は生成である。さらに、先述のプロジェクタに出力する機能の例では、出力先はプロジェクタ108であり、出力データ及び出力要求は、プロジェクタ108に依存する、プロジェクタに入力可能なデータ及び命令である。
【0039】
識別手段410は、通信手段400を通じて通信する通信相手の機種や使用するソフトウェアの種類を識別する。通信相手の機種等を識別することにより、拡張機能を実行する画像処理装置100乃至110からの入力又はサーバ140等への出力のために使用すべきプロトコルやソフトウェアを区別できる。識別手段410は、例えばUPnP(Universal Plug and Play)、Apple社のBonjour又はSMNP(Simple Network Management Protocol)などを用いて識別を行う。
【0040】
ジョブ制御手段420は、受信手段402を通じて受信された拡張機能の実行要求をジョブとして管理し、そのジョブの実行を制御する。ジョブは、この実行要求によって作成され、拡張機能の実行完了により終了する。ジョブ制御手段420は、同時に複数の画像処理装置100乃至110から実行要求があった場合には、必要の応じてジョブをキューイングさせて、全ての処理が効率的に完了するよう制御する。
【0041】
記憶手段430は、機能定義テーブル432と有効機能テーブル434を有し、拡張機能処理装置120内で実行される機能に関する情報を記憶する。
【0042】
機能定義テーブル432は、画像処理装置100乃至110が共通して使用できる機能を定義する。先述の通り、画像処理のために提供される機能は、入力、加工、出力の処理の組み合わせによって実現される。機能定義テーブル432、機能毎に入力、加工、出力の処理内容を定義したものである。画像処理装置100乃至110は、機能定義テーブル432の情報を参照して、所望の機能を実行することできる。画像処理装置100乃至110は、例えば、必要に応じて機能定義テーブル432を参照することができる。画像処理装置100乃至110は、機能定義テーブル432で定義された機能に基づいて、表示メニュー等を更新し、ユーザが利用可能な機能の一覧を表示する。
【0043】
図5Aに、機能定義テーブル432の例を示す。詳細については後述するが、図5Aには、画像処理装置100乃至110が共通で使用できる機能の名前であるメニューの項目と、入力、加工、出力それぞれの処理が記載されている。
【0044】
有効機能テーブル434は、機能定義テーブル432に定義されている機能のうち、それぞれの画像処理装置100乃至110で実行可能な機能の状態(有効、無効、非サポート)を記憶している。有効機能テーブル434は、画像処理装置100乃至110の故障又は消耗品の不足等により、関連する機能の一部が利用できなくなった場合に更新される。また、有効機能テーブル434は、画像処理装置100乃至110の性質上、サポートされない機能を識別するためにも用いられる。したがって、有効機能テーブル434は、拡張機能を利用する画像処理装置100乃至110等によって、常に最新の状態のものが参照され得る。常に最新の状態の有効機能テーブル434を参照するために、例えば状態に変化があった場合に、拡張機能処理装置120から画像処理装置100乃至110等に通知されてもよい。有効機能テーブル434の状態に基づいて、それぞれの画像処理装置100乃至110は、表示メニュー等を通じて利用可能な機能の一覧を更新する。
【0045】
図5Bに、有効機能テーブル434の例を示す。詳細については後述するが、図5Bには、画像処理装置100乃至110と、それぞれが対応する機能名とが対応付けられている。図5Bにおいて、「×」は故障等により一時的に機能が利用不可であることを示し、「−」は、サポートされない機能を示している。例えば、LP102は、スキャナを備えていないため、「Copy」「FAX」「Scan」の機能を実行することはできない。
【0046】
実行手段440は、実行要求を受けた拡張機能に係る、入力、加工、出力のそれぞれの処理を実行する。実行手段440は、拡張機能は対応して複数存在する。すなわち、それぞれの実行手段440は、機能定義テーブル432によって定義される機能のうち一つを実現するために、一連の入力、加工、出力処理を実行する。実行手段440による処理は、ジョブ制御手段420によって制御される。
【0047】
画像入力手段442は、拡張機能の実行に係る画像データの入力処理を行う。より具体的には、画像入力手段442は、機能定義テーブル432で定義される入力元に対して命令して、画像データを読み込む入力モジュールである。よって、入力元となり得るハードウェア又はソフトウェアに対応するため、複数の画像入力手段442が用意され得る。そのため、新たな入力元となり得るハードウェア又はソフトウェアに対応するためには、当該画像入力手段442を新たに追加すればよい。読み込まれた画像データは、先述の標準的なインターフェースを通じて、画像加工手段444へと渡される。画像データの入力元の例として、図5Aの機能定義テーブル432に記載されるもののほか、スマートフォン110に搭載されるカメラ等がある。
【0048】
画像加工手段444は、拡張機能の実行に係る画像データの加工処理を行う。より具体的には、画像加工手段444は、機能定義テーブル432で定義される入力元から受け取った画像データに対して、所定の処理を行う加工モジュールである。よって、加工の種類に応じて、異なる複数の画像加工手段444が用意され得る。そのため、新たな加工を追加するためには、画像加工手段444を追加することで対応できる。加工がなされた画像データは、先述の標準的なインターフェースを通じて、画像出力手段446へと渡される。画像データの加工処理の例として、図5Aの機能定義テーブル432に記載されるもののほか、白紙除去、自動方向判別、減色処理、OCR、ファイルフォーマット変換又はガンマ補正、二値化若しくは二色化を含む色変換等がある。なお、拡張機能によっては、加工処理を行わず、そのままデータを出力する場合がある。この場合の画像加工手段444は、例えば実質的に画像入力手段442から受け取ったデータをそのまま画像出力手段446へと渡す処理のみを実行する。あるいは、画像入力手段442は直接画像出力手段446へとデータを渡してもよい。
【0049】
画像出力手段446は、拡張機能の実行に係る画像データの出力処理を行う。より具体的には、画像出力手段446は、機能定義テーブル432で定義される加工処理がなされた画像データを、所定の出力先に出力する出力モジュールである。よって、出力先となり得るハードウェア又はソフトウェアに対応するため、複数の複数の画像出力手段446が用意され得る。そのため、新たな出力先となり得るハードウェア又はソフトウェアに対応するためには、当該画像出力手段446を新たに追加すればよい。画像データの出力先の例として、図5Aの機能定義テーブル432に記載されるもののほか、デジタルサイネージに係る平面ディスプレイ又はプロジェクタ等がある。
【0050】
登録手段450は、当該拡張機能処理装置120の拡張機能を使用する画像処理装置100乃至110の登録を行う。この登録により、それぞれの画像処理装置100乃至110に対して拡張機能を提供できるようになる。この登録を通じて、画像処理装置100乃至110に対して、拡張機能を利用するために必要な初期情報、例えば機能定義テーブル432や有効機能テーブル434が提供され得る。
【0051】
機能追加手段460は、ユーザがPC130等を用いて当該拡張機能処理装置120の拡張機能を追加するために用いられる。具体的には、ユーザがPC130等から、追加される機能に係る画像入力手段442、画像加工手段444又は画像出力手段446を受信し、これらを利用する新たな実行手段440を定義し、機能定義テーブル432を更新する。詳細なフローについては後述する。
【0052】
有効機能確認手段470は、拡張機能に関連する画像処理装置100乃至110のハードウェア又はソフトウェアの機能が有効かどうかを確認する。機能が有効かどうかを確認するために、有効機能確認手段470は、SNMP等のプロトコルを用いて、各画像処理装置100乃至110に問い合わせる。確認された結果、一部の機能が利用不可能であることが確認されると、その内容が有効機能テーブル434に格納される。
【0053】
以上により、拡張機能処理装置120は、登録された画像処理装置100乃至110が共通して使用できる、入力、加工、出力の処理の組み合わせによって実現される拡張機能を提供できる。また、拡張機能は、入力、加工、出力の処理内容ごとに、ユーザによって追加できる。また、追加された入力、加工、出力の組み合わせを新たに定義することで、新たな拡張機能を追加できる。また、拡張機能に係る各画像処理装置の機能が有効かどうかを確認し、事前に機能の利用可否を確認できる。
【0054】
(4.機能定義テーブル)
ここで、図5Aと図5Bを用いて、機能定義テーブル432と有効機能テーブル434について詳細に説明する。
【0055】
図5Aは、先述の通り、画像処理装置100乃至110が共通して使用できる機能を定義する機能定義テーブル432の例を示している。図5Aは、機能、入力、加工、出力の項目を有する。
【0056】
機能の項目は、入力、加工、出力の処理の組み合わせによって実現される機能の名前を表している。ここで、「機能」の語は、「Copy」、「FAX」等のような、画像処理装置100乃至110のいずれかが単独で実行し得る標準機能と、「OCR」、「FilePrint」のような、拡張機能処理装置120等を用いて処理を行う拡張機能との両方を含む。すなわち、機能定義テーブル432における機能の項目は、標準機能と拡張機能とを含む、画像処理装置100乃至110が実行可能な全ての機能を定義している。
【0057】
入力の項目は、機能に係るデータの入力元を表す。例えば、入力が「スキャナ」である場合には、例えばMFP100のような、機能を実行しようとする装置に備えられたスキャナを用いて紙に印刷されたデータを入力とすることを表す。あるいは、入力が「ファイルサーバ」である場合には、ファイルサーバの機能を有するサーバ140等によって、ファイルとして保存されるデータを入力とすることを表す。ここで、背景がグレーで示されているものは、MFP100の例において、当該入力がMFP100以外の装置によってなされることを示している。
【0058】
加工の項目は、機能に係るデータの加工内容を表す。例えば、加工が「ノイズ除去」である場合には、入力された画像データに対してノイズ除去を行う。あるいは、加工が「OCR」である場合には、入力された画像データに対してOCR処理がなされ、画像データから文字情報が抽出される。ここで、入力の項目と同様、背景がグレーで示されているものは、MFP100の例において、当該加工がMFP100以外の装置以外の装置によってなされることを示している。
【0059】
出力の項目は、機能に係るデータの出力先を表す。例えば、出力が「紙」である場合には、装置に備えられた印字装置によって、加工されたデータが出力される。あるいは、出力が「プロジェクタ」である場合には、データをプロジェクタ108を用いて投影することを表す。ここで、背景がグレーで示されているものは、MFP100の例において、当該出力がMFP100以外の装置によってなされることを示している。
【0060】
これにより、拡張機能の一つである「OCR」においては、MFP100等の「スキャナ」により、紙から読み取られた画像データが、拡張機能処理装置等で「OCR」処理され、ファイルサーバ等に「ファイル」として出力される。また、拡張機能の一つである「SmartPhoneViewer」においては、「ファイルサーバ」から入力されたファイルが、拡張機能処理装置等で「画像変換」され、「スマートフォン」上のブラウザ又はアプリケーションを通じて出力される。このように、画像データの入力元、又は出力先(表示先)として、任意の画像処理装置100乃至110が指定され得る。
【0061】
以上のように、機能定義テーブル432を用いることで、入力、加工、出力の処理の組み合わせによって定義された機能が、画像処理装置100乃至110において共通して利用できる。
【0062】
なお、機能定義テーブル432における入力、加工、出力の各項目は、各処理の内容とともに、各処理を実行する装置の識別情報、例えばアドレス等が共に示されていてもよい。例えば、図5Aの「FilePrint」機能の入力に関しては、サーバ140を表すアドレスが指定されてもよい。
【0063】
また、機能に係る加工の処理は、拡張機能処理装置120以外の画像処理装置100乃至110の加工手段においてなされてもよい。これは、それぞれの画像処理装置100乃至110の加工手段が、拡張機能処理装置120の画像入力手段442と、画像出力手段446とが、標準的なインターフェースを用いて接続されていることで可能となる。これにより、画像処理装置100乃至110が備える加工手段を組み合わせて機能を実現でき、拡張機能処理装置120に画像加工手段444を追加することなく、新たな機能を定義できる。
【0064】
あるいは、機能定義テーブル432の組み合わせによって、画像処理装置100乃至110が従来備えるハードウェア又はソフトウェア処理のみによって新たな機能も登録してもよい。例えば図5Aにおいて、「Printer」の出力を紙でなく内蔵メモリにし、印刷の際に適宜操作を要するよう構成すれば、印刷物の持ち去りを防ぐといったセキュリティを重視した新たな機能を定義できる。この場合には、例えば機能「Printer(セキュリティ)」として、入力「スキャナ」、加工「ノイズ除去」、出力「メモリ」として、機能定義テーブル432に登録される。
【0065】
図5Bは、先述の通り、機能定義テーブル432で定義された機能のうち、それぞれの画像処理装置100乃至110での有効状態を示す、有効機能テーブルの一例である。図5Bは、一部の機能と一部の画像処理装置についてのみ例示するものである。図5Bは、機能と、各画像処理装置の項目を有する。
【0066】
機能は、機能定義テーブル432で定義された機能に対応する。各機能に対し、各画像処理装置の対応可否が、「○」、「−」、「×」で示されている。「○」は、機能を実行可能であることを示す。「−」は、該当する画像処理装置の制約により、もともとその機能を実行できないことを示す。「×」は、該当する画像処理装置の故障又は消耗品の不足により、一時的にその機能を実行できなくなっていることを示す。例えば、LP102は、スキャナを有さないため、「Scan」機能のほか、スキャナを利用する「Copy」、「FAX」機能も利用できない。あるいは、MFP106は、スキャナの故障により、同様に「Scan」、「Copy」、「FAX」機能が利用できなくなっている。図5Bには示されていないが、同様にスキャナを用いる「OCR」、「Scan2Mail」の機能が利用できないよう設定されることもできる。
【0067】
このように、有効機能テーブル434を用いることで、画像処理装置100乃至110において現在有効な機能がわかり、ユーザに対して利用できない機能を予め知らせることが可能になる。
【0068】
図6は、図5A、5Bで示した機能定義テーブル432、有効機能テーブル434の例に基づく、MFP100で表示される機能メニューの例である。ユーザは、機能メニューに表示された機能名の付されたボタンを選択することで、各機能を実行できる。機能メニューの上段には、「Copy」「FAX」等のMFP100の通常機能が登録され、機能メニューの下段には、拡張機能F1として「OCR」が、拡張機能F2として「FilePrint」等が登録されている。図6の例では、拡張機能F5には機能が登録されていない。機能メニュー上に表示する機能は、MFP100のユーザが決定できる。例えば、機能定義テーブル432に定義された機能の中から、有効機能テーブル434で有効となっているもののみを選択し、所望の位置のボタンに登録できてもよい。また、登録済の機能に関して、有効機能テーブル434を通じて使用不可能であることがわかると、表示をグレーアウトして選択できないようにしてもよい。
【0069】
以上のように、機能定義テーブル432、有効機能テーブル434の情報に基づいて、それぞれの情報処理端末100乃至110は、現在利用可能な機能の一覧を生成し、ユーザに対して表示することができる。
【0070】
(5.処理フロー)
次に、図7A乃至7C、図8を用いて、当該拡張機能処理装置120と、拡張機能を実行する画像処理装置100乃至110との間の処理フローを説明する。ここでは、図1におけるネットワーク150に接続された拡張機能処理装置120とMFP100との間でなされる処理フローについて説明する。
【0071】
(5.1 登録処理フロー)
まず、図7Aを用いて、拡張機能処理装置120とMFP100それぞれにおける登録処理フローを説明する。
【0072】
ステップS700において、拡張機能処理装置120は、MFP100によって送出された探索パケットを受信する。探索パケットは、ネットワーク150内でのブロードキャスト又はマルチキャスト等で送信される。
【0073】
ステップS702において、拡張機能処理装置120は、MFP100を登録する。ここで、画像処理装置ごとの機能の有効/無効を管理する有効機能テーブル434において、MFP100のエントリが追加される。
【0074】
ステップS704において、拡張機能処理装置120は、MFP100に登録通知パケットを送信する。
【0075】
ステップS706において、登録通知パケットを受け取ったMFP100は、標準の通信相手として拡張機能処理装置120を登録する。この後、必要に応じて、MFP100は、機能定義テーブル432又は有効機能テーブル434の情報を受信する。
【0076】
以上により、拡張機能処理装置120とMFP100との登録が完了し、MFP100は、拡張機能処理装置120が提供する拡張機能を利用できるようになる。
【0077】
なお、上記ステップにおいて記載していないが、拡張機能処理装置120は、任意のタイミングで、MFP100のハードウェア情報、ソフトウェア情報を取得できる。その結果、有効機能テーブル434内の各機能が有効か無効かの情報が設定される。
【0078】
(5.2 拡張機能の実行処理フロー)
次に、図7Bを用いて、MFP100が拡張機能処理装置120を用いてOCR機能を実行する例について説明する。
【0079】
ステップS720において、拡張機能処理装置120のジョブ制御手段420は、受信手段402を通じてMFP100からの機能の実行要求を受け取る。この実行要求には、機能の実行に必要な設定情報が含まれる。例えばOCR機能の例では、例えば言語種別等の設定情報、出力ファイル名等の情報が含まれる。そして、ジョブ制御手段420は、受け取った実行要求をジョブとして管理し、他のジョブと競合しない適切なタイミングで、実行手段440に機能を実行させる。
【0080】
ステップS722において、実行手段440は、ジョブ制御手段420からの制御により、機能の実行を開始する。この時、先述した機能の実行に必要な情報も同時に受信する。
【0081】
ステップS724において、実行手段440は、画像入力手段442に画像データを入力させるための指示を行う。
【0082】
ステップS726において、画像入力手段442は、画像の入力処理を実行する。
【0083】
ステップS728、S730において、画像入力手段442は、指定された入力元に対して画像データを読み込む処理を実行する。入力元の情報は、機能定義テーブル432で定義されていてもよいし、実行要求時に設定情報として取得されてもよい。OCR機能の例では、入力元はMFP100のスキャナであるため、MFP100に対してスキャン処理を実行するよう命令し、結果として紙の原稿から読み取った画像データを取得する。
【0084】
ステップS732において、画像入力手段442は、入力処理が完了したことを実行手段440に通知する。
【0085】
ステップS734において、実行手段440は、画像加工手段444に、画像入力手段442が取得した画像データを加工させるための指示を行う。
【0086】
ステップS736において、画像加工手段444は、画像データの加工処理を実行し、加工結果を取得する。加工に関する設定情報は、実行要求時に設定情報として取得できる。OCR機能の例では、画像加工手段444は、設定情報等に含まれる言語情報等に基づいて、MFP100でスキャンされた画像データのOCR処理実行し、テキストデータを加工結果として取得する。
【0087】
ステップS738において、画像加工手段444は、加工処理が完了したことを実行手段440に通知する。
【0088】
ステップS740において、実行手段440は、画像出力手段446に画像データを出力させるための指示を行う。
【0089】
ステップS742において、画像出力手段446は、加工結果の出力処理を実行する。する。
【0090】
ステップS744、S746において、画像出力手段446は、所定の出力先へ加工結果を出力する。所定の出力先は、機能定義テーブル432で定義されていてもよいし、実行要求時に設定情報として取得されてもよい。OCR機能の例では、設定情報等に含まれるサーバ140のアドレス及び出力ファイル名に基づいて、加工結果をファイルとして出力する。
【0091】
ステップS748において、画像出力手段446は、出力処理が完了したことを実行手段440に通知する。
【0092】
ステップS750において、実行手段440は、機能の実行が完了したことをジョブ制御手段に通知する。
【0093】
ステップS752において、ジョブ制御手段420は、送信手段404を通じて、MFP100へ機能の実行が完了したことを通知する。
【0094】
ステップS754において、MFP100は、出力結果をプレビューするためにサーバ140に接続する。
【0095】
ステップS756において、サーバ140は、出力結果のプレビューするためのデータを送信する。
【0096】
以上により、拡張機能処理装置120は、画像処理装置100乃至110に対して、共通で使用できる機能を提供することができる。
【0097】
なお、ステップS726、S736、S742等の、機能の実行に必要な処理が、何らかの要因により正しく完了しなかった場合には、その旨の通知が実行手段440及びジョブ制御手段420を通じて画像処理装置100乃至110に通知される。その結果、機能は全く実行されないか、あるいは途中まで処理がなされたまま、要因が解消するまで中断する。
【0098】
また、画像加工手段444に関するステップS730乃至S734は、実行される機能によっては、いかなる加工処理もなされないか、あるいは省略されてもよい。例えば、図5Aにおける「F2:FilePrint」機能のように、ファイルサーバ上のファイルを入力とし、紙に出力するだけの場合、画像データに対する処理はなされず、加工処理は省略される。
【0099】
(5.3 拡張機能の追加処理フロー)
次に、図7Cを用いて、ユーザがPC130を用いて拡張機能処理装置120の機能を更新し、その結果をMFP100に通知する処理について説明する。
【0100】
ステップS780において、ユーザはPC130を用いて、機能モジュールを拡張機能処理装置120に送信する。機能モジュールとは、先述した通り、モジュール化された画像入力手段442、画像加工手段444、画像出力手段446である。ここでの通信には、例えば、ファイル転送が可能なプロトコルが使用される。
【0101】
ステップS782において、拡張機能処理装置120の機能追加手段460は、受信手段402を通じてPC130から受信した機能モジュールについて、自身で使えるプラグインであるか確認を行う。その結果、使えるものであれば、記憶手段430上に画像入力手段442、画像加工手段444、画像出力手段446として保管する。
【0102】
ステップS784において、機能追加手段460は、機能モジュールの追加が完了したことをPC130へと通知する。
【0103】
ステップS786において、ユーザはPC130を用いて、新たな機能の定義を行う。新たな機能の定義は、拡張機能処理装置120に保管されている画像入力手段442、画像加工手段444、画像出力手段446の組み合わせによってなされ得る。
【0104】
ステップS788において、機能追加手段460は、ユーザからの指示に従って、新たな機能を定義する。ユーザからの指示による機能の定義が有効なものであれば、図5Aに例示する機能定義テーブル432の更新を行う。
【0105】
ステップS790において、機能追加手段460は、機能の追加が完了したことをPC130へと通知する。
【0106】
ステップS792において、MFPに代表される画像処理装置100乃至110は、拡張機能処理装置120と接続を行う。この接続は、機能の実行要求時等、画像処理装置100乃至110と拡張機能処理装置120との間で何らかの処理がなされるシーケンスの一部としてなされる。
【0107】
ステップS794において、拡張機能処理装置120の機能追加手段460は、更新された機能定義テーブル432の内容を画像処理装置100乃至110に通知する。
【0108】
ステップS796において、MFPに代表される画像処理装置100乃至110は、受信された新しい機能定義テーブル432の内容に基づいて、図6に例示する機能メニューの更新を行う。
【0109】
以上により、ユーザは、複数の画像処理装置100乃至110に対して個々にに機能拡張を行わなくとも新しい機能を使うことができるようになる。
【0110】
なお、新たな機能の定義に際し、拡張機能処理装置120以外の画像処理装置100乃至110の加工手段が指定されてもよい。これは、それぞれの画像処理装置100乃至110の加工手段が、拡張機能処理装置120の画像入力手段442と、画像出力手段446とが、標準的なインターフェースを用いて接続されていることで可能となる。これにより、画像処理装置100乃至110が備える加工手段を組み合わせて機能を実現でき、拡張機能処理装置120に画像加工手段444を追加することなく、新たな機能を定義できる。
【0111】
(5.4 有効機能の更新処理フロー)
図8を用いて、図5Bに示した拡張機能処理装置120の有効機能テーブル434を更新する処理フローについて説明する。ここでは、一定時間間隔で登録されている全ての画像処理装置100乃至110について更新する例を示す。
【0112】
ステップS800において、処理が開始される。
【0113】
ステップS802において、拡張機能処理装置120の有効機能確認手段470は、有効機能テーブル434の更新を実行する時間かどうかを判定する。実行する時間であればステップS804へと進む。そうでなければ、一定時間後にステップS802を再度実行する。
【0114】
ステップS804において、有効機能確認手段470は、画像処理装置100乃至110の探索を行い、応答があった装置へ、拡張機能テーブル432に定義される機能が実行可能な状態かどうかの問い合わせを行う。
【0115】
ステップS806において、有効機能確認手段470は、問い合わせを行った機器からの応答に応じて、有効機能テーブル434を更新する。
【0116】
ステップS808において、有効機能確認手段470は、有効機能テーブル434において未更新の機器があるかを判定する。未更新の機器がある場合には、ステップS804に戻る。未更新の機器がない場合には、ステップS800に戻る。
【0117】
以上により、一定時間ごとに画像処理装置100乃至110の有効機能を更新し、利用不可能である機能がある場合に事前にユーザに表示することができる。
【符号の説明】
【0118】
100 MFP
120 拡張機能処理装置
400 通信手段
402 受信手段
404 送信手段
410 識別手段
420 ジョブ制御手段
430 記憶手段
432 機能定義テーブル
434 有効機能テーブル
440 実行手段
442 画像入力手段
444 画像加工手段
446 画像出力手段
450 登録手段
460 機能追加手段
470 有効機能確認手段
【先行技術文献】
【特許文献】
【0119】
【特許文献1】特開2007−35049号公報
【特許文献2】特開2009−181345号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像処理装置の画像処理に係る機能を拡張する機能を実行する拡張機能処理装置であって、
ネットワークを通じて前記画像処理装置から拡張機能の実行要求を受信する受信手段と、
前記画像処理装置の拡張機能であって、前記複数の画像処理装置で共通に使用可能な複数の実行手段と、
を有し、
前記夫々の実行手段は、前記実行要求に応じて前記拡張機能を実行する、
拡張機能処理装置。
【請求項2】
前記夫々の実行手段は、前記拡張機能に係る画像の入力を受け付ける画像入力手段と、
前記画像に対する加工処理を行う画像加工手段と、
前記画像を出力する画像出力手段と、
を有する、
請求項1に記載の拡張機能処理装置。
【請求項3】
前記拡張機能を追加するための機能追加手段と、
を有し、
前記機能追加手段は、前記画像入力手段、前記画像加工手段又は前記画像出力手段の何れか一つの手段を追加する、
請求項2に記載の拡張機能処理装置。
【請求項4】
前記機能追加手段は、前記画像入力手段、前記画像加工手段又は前記画像出力手段を随時追加するために用いられる、
請求項3に記載の拡張機能処理装置。
【請求項5】
前記機能追加手段は、前記追加された前記画像入力手段、前記画像加工手段又は画像出力手段を含む新たな実行手段を追加する、
請求項4に記載の拡張機能処理装置。
【請求項6】
前記画像処理装置の画像の入力、加工又は出力処理は、前記画像入力手段、前記画像加工手段又は前記画像出力手段として利用される、
処理に係る機能を利用する、
請求項2乃至5何れか一項に記載の拡張機能処理装置。
【請求項7】
前記画像加工手段は、
白紙除去、自動方向判別、減色処理、OCR、ファイルフォーマット変換又はガンマ補正、二値化若しくは二色化を含む色変換の何れか一つの処理を行う、
請求項2乃至6何れか一項に記載の拡張機能処理装置。
【請求項8】
前記画像処理装置と通信する通信手段と、
前記画像処理装置を識別する識別手段と、
を有し、
前記通信手段は、TCP/IPを用いて前記画像処理装置と通信し、前記通信手段は、FTP、SMB、HTTP、HTTPS又はそれらを拡張したWebDAV、WebAPI若しくはSOAPの何れかを用いて前記画像処理装置と通信し、
前記識別手段は、UPnP、Bonjour又はSMNPの何れかを用いて前記画像処理装置を識別し、前記画像処理装置ごとに利用可能な機能を提供する、
請求項1乃至7何れか一項に記載の拡張機能処理装置。
【請求項9】
画像処理に係る機能を実行する複数の画像処理装置と、前記機能を拡張する機能を実行する拡張機能処理装置とを有する拡張機能処理システムであって、
前記画像処理装置は、
ネットワークを通じて前記拡張機能処理装置に拡張機能の実行を要求する要求手段と、
を有し、
前記拡張機能処理装置は、
ネットワークを通じて前記画像処理装置から拡張機能の実行要求を受信する受信手段と、
前記画像処理装置の拡張機能であって、前記複数の画像処理装置で共通に使用可能な複数の実行手段と、
を有し、
前記夫々の実行手段は、前記実行要求に応じて前記拡張機能を実行する
拡張機能処理システム。
【請求項10】
複数の画像処理装置の画像処理に係る機能を拡張する機能を実行する拡張機能処理装置に搭載される拡張機能処理プログラムであって、コンピュータに、
ネットワークを通じて前記画像処理装置から拡張機能の実行要求を受信する受信段階と、
前記画像処理装置の拡張機能であって、前記複数の画像処理装置で共通に使用可能な複数の実行段階と、
を実行させ、
前記夫々の実行段階は、前記実行要求に応じて前記拡張機能を実行する、
拡張機能処理プログラム。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−105267(P2013−105267A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−247885(P2011−247885)
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】