説明

拡散コーティング用の自動湿潤マスキング

【課題】加工物の一部にマスキング材を塗布するためのシステムを提供する。
【解決手段】マスキングシステムは、原材料を連続的にブレンドする攪拌機を備えた加圧混合容器と、マスキング材を注入バルブに供給する分配システムと、を含む。電子コントローラは、加工物の一部をコーティングするようシステムを制御する。キャビティの内部に加工物10の一部16だけがあるよう保持する固定治具は、注入バルブの注入ポートと整列可能な入口ポートを含む。加工物の一部上のマスキング材を乾燥させるヒータが位置付けられる。注入バルブから混合容器の再循環ラインがコントローラによって作動されて、マスキング材がマスキングシステムを流れていない時間期間の後にマスキング材を再循環ラインに流すようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、全体的に、タービンブレードのようなガスタービンエンジン構成要素の翼形部の気相拡散コーティングの前に用いることができるマスキング方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
翼形部を有するブレードのようなガスタービンエンジン構成要素は、従来の保護又はボンドコートとしてアルミナイドのようなコーティングを必要とすることが多い。翼形部のような高温ガス環境に曝されるブレードの一部だけがこのような保護を必要とする。根元又はダブテールのようなブレードの残りの部分は、このような保護は必要ではない場合がある。翼形部の残りの部分はこのような保護を必要としないばかりでなく、翼形部の当該部分のコーティングは望ましくない場合がある。
【0003】
タービンブレードは、エンジンの燃焼部分において燃料の燃焼によって生じる高温ガス内に外向きに延びた翼形部セクションを有する。翼形部セクションに対するこのようなガスの高温及び腐食作用に起因して、標準的な技法は、超高温からの遮断及び高温ガスの腐食作用からの環境的保護をもたらす保護コーティングでタービンブレード翼形部の翼形部部分をコーティングすることであった。ブレードの根元又はダブテールは、エンジンのディスク又はロータ部分上のダブテールスロット内に組み付けられる。根元又はダブテールの壁は、ディスク又はロータのダブテールスロットの壁に接触し、タービン翼形部の翼形部部分に施工されるコーティングによって悪化する可能性があるフレッティングを生じやすい。従って、タービンブレードの寿命を最大にするようタービンブレードの種々の部分において所望の特性を得るためには、タービン翼形部のダブテール部に影響を及ぼすことなくタービン翼形部の翼形部部分を適切にコーティングする方法を構築することが必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第6,884,476号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
タービンブレードの所望の部分にコーティングを提供する方法の1つは、タービン翼形部をコーティング装置内に入れる前に、コーティングを必要としないタービンブレードの部分、すなわちダブテールをマスキングすることであった。マスキングは、一般に、有用ではあるが、時間がかかり大きな労力を要するプロセスである。従って、安価で、時間があまりかからず、大きな労力を要することのないマスキング方法及びマスキング装置が求められている。また、マテリアル・ハンドリングが少ないことも品質及びマスクラインの再現性の向上にとって望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
加工物の一部にマスキング材を塗布するための自動湿潤マスキングシステムであって、本システムは、1つ又はそれ以上の加圧混合容器を含み、該混合容器の各々が、マスキング材の原材料を連続的にブレンドするため及び/又は懸濁したスラリー混合物の形態で前記マスキング材を維持するための攪拌機を有する。分配システムは、1つ又はそれ以上の加圧混合容器の下流側で該加圧混合容器に液圧接続され、1つ又はそれ以上の注入バルブに容積的に調量された量のマスキング材を供給するよう動作可能である。電子コントローラは、加工物の一部をマスキング材で自動的にコーティングするようマスキングシステムを制御するために含めることができる。
【0007】
固定治具は、マスキングプロセス中に該固定治具の中空内部又はキャビティの内部に加工物の一部があるように加工物を保持するために含めることができる。マスキングプロセス中に固定治具の中空内部又はキャビティの内部に加工物の一部があるように加工物を保持するための固定治具と、固定治具の上部開口は、キャビティの内部に加工物の一部だけを配置するように使用可能であり、固定治具の1つ又はそれ以上の側部内の1つ又はそれ以上の入口ポートは、マスキング材をキャビティに注入するために1つ又はそれ以上の注入バルブの1つ又はそれ以上の注入ポートそれぞれと整列可能である。
【0008】
1つ又はそれ以上のヒータは、加工物の一部上のマスキング材を乾燥又はフラッシュ乾燥させるよう動作可能に位置付けることができる。
【0009】
1つ又はそれ以上の注入バルブから混合容器のうちの少なくとも1つに液圧的につながった1つ又はそれ以上の制御可能再循環ラインと、コントローラとを含め、マスキング材がマスキングシステムを流れていない時間期間の後にマスキング材を再循環ラインに流すことができる。
【0010】
本システムは更に、1つ又はそれ以上の駆動スライドそれぞれの上に装着することができる1つ又はそれ以上の注入バルブと、マスキングプロセス中に加工物を第1の角度位置で支持するための回転テーブルと、回転テーブルの第2の角度位置にて加工物の一部上のマスキング材を乾燥又はフラッシュ乾燥するよう動作可能に位置付けられた1つ又はそれ以上のヒータとを含むことができる。1つ又はそれ以上の注入バルブは、1つ又はそれ以上のヒータそれぞれから90度離れて位置付けることができる。
【0011】
本システムは更に、1つ又はそれ以上の注入バルブから混合容器のうちの少なくとも1つに液圧的につながった1つ又はそれ以上の制御可能再循環ラインを含むことができ、コントローラは、マスキング材がマスキングシステムを流れていない時間期間の後にマスキング材を再循環ラインに流すよう動作可能である。
【0012】
マスキング材は、アルコールバインダー材料を含むことができ、アルミニウム酸化物と微量のニッケル酸化物及びニッケル粉体を更に含むことができる。
【0013】
本システムは、ガスタービンエンジンブレードの根元又はダブテールにマスキング材を塗布するのに用いることができる。固定治具は、ガスタービンエンジンブレードの根元又はダブテールを固定治具の中空内部又はキャビティの内部にあるようにブレードを保持することができる。固定治具の上部開口は、中空内部又はキャビティの内部にブレードの根元又はダブテールだけを配置するように使用可能である。
【0014】
加工物の一部にマスキング材を塗布する方法は、自動湿潤マスキングシステムを用いることができ、本方法は、1つ又はそれ以上の加圧混合容器の第1の混合容器にマスキング材の原材料を装填する段階と、混合容器の各々において攪拌機を用いてマスキング材の原材料を連続的にブレンドし及び/又は懸濁したスラリー混合物の形態でマスキング材を維持する段階と、マスキング材を1つ又はそれ以上の加圧混合容器から分配システムに液圧的に流す段階と、分配システムからマスキング材を調量し、マスキング材を分配システムから1つ又はそれ以上の注入バルブに液圧的に供給する段階と、加工物の一部を1つ又はそれ以上の注入バルブにより注入されたマスキング材でコーティングする段階と、を含む。
【0015】
本発明の上記の態様及び他の特徴は、添付図面と関連して以下で説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】タービンブレードの斜視図。
【図2】マスキング固定治具に装着された図1に示すタービンブレードの斜視図。
【図3】図2に示すマスキング固定治具に装着されたタービンブレードの根元をマスキングするための自動湿潤マスキングシステムの概略図。
【図4】マスキング材注入バルブ、及び図3に示す自動湿潤マスキングシステムにおいてマスキング固定治具を保持するための回転テーブルの拡大図。
【図5】注入バルブ、及び図4に示す自動湿潤マスキングシステムにおいてマスキング固定治具を保持するための回転テーブルの斜視図。
【図6】図2に示すマスキング固定治具の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1には、ブレードプラットフォーム14から半径方向外向きに延びる冷却孔18を備えた翼形部12を含む例示的なターボファンガスタービンエンジンのタービンブレード10が示される。ブレード10の根元又はダブテール16は、ブレードプラットフォーム14から半径方向内向きに延びる。ブレードは、構成要素の一部がコーティングを必要とするが、他の部分はコーティングするべきではなく、従ってコーティングプロセスの前にマスキングする場合があるという点で、本明細書で開示されるマスキングシステム及び装置を用いることができるガスタービンエンジンの構成要素又は他の加工物の代表的なものである。翼形部12はコーティングを必要とするが、根元又はダブテール16はコーティングするべきではない。
【0018】
図2は、マスキング中のブレード10が取り付けられた固定治具30を示している。マスキング中、スラリーの形態のマスキング材が、箱様固定治具30の中空内部又はキャビティ31に導入されて、ダブテール16をコーティングするが、翼形部12はコーティングしないようにする。固定治具30は、第1及び第2の長い側部32、34と、第1及び第2の短い側部36、38とを含む。固定治具30の上部開口40(図6により詳細に示されている)は、タービンブレード10のダブテール16だけが固定治具30のキャビティ31内に収められて、翼形部12及びブレードプラットフォーム14は固定治具30の外部に維持されてキャビティ31からシールできるように設計されている。固定治具30の上部開口40は、ブレード10の清浄化及び固定のためキャビティ31へのアクセスを可能にする。固定治具30の底壁33によってキャビティ31が閉鎖される。第1及び第2の長い側部32、34それぞれにおける第1及び第2の入口ポート(図6に示す)は、マスキング中にマスキング材をキャビティ31に導入するのに使用される。
【0019】
マスキング材をダブテール16に塗布しダブテール上に固体マスクを形成するための自動湿潤マスキングシステム60が図3に示される。Allen Bradleyにより提供されるもののような電子コントローラ20がマスキングシステム60を電気的に制御し、オペレータステーション22によってオペレータがシステムの始動及び停止を行うことができる。マスキング材又はスラリーを形成するのに使用される原材料は、アルコールバインダー材料と共に、金属及び金属酸化物の粉体を含む。例示的なバインダーは、イソプロピル、メチル、及びエチルアルコールのブレンドである。例示的な粉体には、アルミニウム酸化物と微量のニッケル酸化物及びニッケル粉体が挙げられる。マスキング材の原材料は、空気圧駆動式の第1の混合容器62に手動で又は他の方法で装填され、ここから第1及び第2の遮断バルブ72、74それぞれ並びにこれらの間にある液圧ライン76を通じて空気圧駆動式の第2の混合容器64が満たされる。液圧ライン76のような本システムのスラリー又はマスキング材ラインは通常、ステンレス鋼編組ゴムホースである。
【0020】
混合容器は、マスキング材原材料を共に連続的にブレンドし、適切又は所望の粘度の均一な混合物を形成及び維持するための攪拌機66を含む。スラリー混合物の形態の湿潤マスキング材は、攪拌機66によって懸濁状態に保持され、該攪拌機は、本明細書で示されるように、電気モータ70及びギアボックスにより駆動される回転パドル68を含む。混合容器及び残りの湿潤マスキングシステム60は気密状態であり、バインダーの揮発及び蒸発を阻止する。好適な混合容器は、米国48170ミシガン州プリマス、P.O. Box 701460、Helm Street45677のSealant Equipmentから入手可能なステンレス鋼圧力真空タンクである。
【0021】
第1及び第2の混合容器62、64が満たされた後、マスキング材は、第3の遮断バルブ82によって開閉される第3のライン80を通って容積調量分配システム88に流れる。塗布するためにマスキング材が必要とされるときには、第3の空気圧ラインがマスキング材を分配システム88に輸送する。本明細書で開示される分配システム88は、第1及び第2の容積調量セル90、92を含み、その各々がサーボモータ及び送りネジによって駆動される円筒キャビティを含む。調量セルは、正確な容積のマスキング材を供給及び分配することができる。調量セルは、圧力トランスデューサを収容し、該トランスデューサは、マスキング材を分配する前にマスキング材が存在することを確認する。
【0022】
マスキング材は、第1及び第2の容積調量セル90、92から高圧の第1及び第2の移送ライン99、101を通じて、図4及び5に示される第1及び第2の注入バルブ94、96に移送される。第1及び第2の注入バルブ94、96は、空気圧によって作動及び駆動される第1及び第2の線形アクチュエータ103、105それぞれの第1及び第2の線形スライド100、102上に装着される第1及び第2のマスキング材プレナム95、07を含む。本明細書で示される例示的な自動湿潤マスキングシステム60は、回転テーブル98の両側上に180℃離れて位置付けられた第1及び第2の注入バルブ94、96を含む。
【0023】
第1及び第2のマスキング材プレナム95、07は、第1及び第2の注入ポート104、106を含む。第1及び第2の注入ポート104、106は、マスキング中にブレード10が装着される固定治具30の第1及び第2の入口ポート44、46それぞれと整列される。第1及び第2の容積調量セル90、92がマスキング材で満たされた後、回転テーブル98は、第1及び第2の注入ポート104、106を第1及び第2の入口ポート44、46と整列させる。次いで、第1及び第2の線形スライド100、102が第1及び第2のマスキング材プレナム95、07を固定治具30の第1及び第2の長い側部32、34にクランプする。これにより、第1及び第2の注入バルブ94、96の第1及び第2の注入ポート104、106が第1及び第2の入口ポート44、46に対してシールされる。第1及び第2の注入ポート104、106は、第1及び第2の注入ポート104、106を第1及び第2の入口ポート44、46それぞれにシールするのを助けるために、ゴム又は他の何らかのエラストマー材料から作られたシール107を含む。
【0024】
ブレード10と共に固定治具30が回転テーブル98上に装着されて固定された後、湿潤マスキングシステム60は、近接センサ(本明細書では図示せず)を用いてブレード10を検出し、マスキング材によるブレードの根元又はダブテールのコーティングを開始する。第1及び第2の注入バルブ94、96は、第1及び第2の線形スライド100、102それぞれにより固定治具30の第1及び第2の長い側部32、34に向かって線形的に移動されて、該第1及び第2の長い側部32、34にクランプされる。プロセスのこの時点において、第1及び第2の注入ポート104、106が第1及び第2の入口ポート44、46と整列されて流体連通する。
【0025】
電子コントローラ20は、分配システム88に対して、調量された量のマスキング材を所定又は制御された速度で第1及び第2の容積調量セル90、92から第1及び第2の注入バルブ94、96それぞれに圧送するよう指示する。所定速度は、コントローラ20によって制御される。次いで、電子コントローラ20は、第1及び第2の注入バルブ94、96を開放させ、該第1及び第2の注入バルブ94、96によって第1及び第2の長い側部32、34それぞれの第1及び第2の入口ポート44、46を通じてキャビティ31内にマスキング材が注入される。
【0026】
調量された所定量のマスキング材が第1及び第2の容積調量セル90、92からキャビティに注入された後、ダブテール16がマスキング材でコーティングされる。次に、コントローラ20は、第1及び第2の注入バルブ94、96を閉鎖し、第1及び第2の線形スライド100、102それぞれを用いて固定治具30の第1及び第2の長い側部32、34から離れて第1及び第2の注入バルブ94、96を線形的に後退させる。第1及び第2の注入バルブ94、96がクランプ解除され、第1及び第2の長い側部32、34から十分に離れて後退された後、コントローラ20は、回転テーブル98を第1の角度位置から第2の角度位置まで90度回転させ、第1及び第2の長い側部32、34を第1及び第2のヒータ110、112に提示する。マスキング材は、ヒータによってダブテール16上でフラッシュ乾燥され、次いで、オペレータが固定治具30を回転テーブル98から取り外す。このようにしてダブテールの自動マスキングを完了する。
【0027】
ブレードの間など、マスキング材が塗布されていなかった場合には、マスキングシステム60によってマスキング材が再循環され、マスキング材が乾燥してシステムを閉塞するのを防ぐ。第1及び第2の再循環ライン114、116は、第1及び第2の注入バルブ94、96それぞれから第1の混合容器62に通じている。コントローラ20は、マスキング材がどれほどシステムを流れていないかを制御し、第1及び第2の再循環ライン114、116を開放してそこにマスキング材を流すタイミング、通常はブレードがシステムに装着されていないときを判定する。マスキング材がシステムを流れていない状態の所定時間量を用いて、第1及び第2の再循環ライン114、116を開放し、そこへのマスキング材の流動を開始することができる。マスキング材がシステムを流れていない状態の例示的な所定時間量は、約5分である。
【0028】
例示的な方法で本発明を説明してきた。使用した技術用語は、限定の用語としてではなく、説明の用語の性質のものであることが意図される点を理解されたい。本明細書では本発明の好ましく例示的な実施形態であると考えられるものについて説明してきたが、当業者であれば、本明細書の教示から本発明の他の修正が明らかになる筈であり、従って、全てのこのような修正は、本発明の技術思想及び技術的内に属するものとして特許請求の範囲において保護されることが望まれる。
【0029】
従って、本特許により保護されることを望むものは,特許請求の範囲に記載し且つ特定した発明である。
【符号の説明】
【0030】
10 タービンブレード
12 翼形部
14 ブレードプラットフォーム
16 根元又はダブテール
18 冷却孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工物(10)の一部(16)にマスキング材を塗布するための自動湿潤マスキングシステム(60)であって、
前記マスキング材の原材料を連続的にブレンドするため及び/又は懸濁したスラリー混合物の形態で前記マスキング材を維持するための攪拌機(66)を各々が含む、1つ又はそれ以上の加圧混合容器(62、64)と、
前記1つ又はそれ以上の加圧混合容器(62、64)の下流側で該加圧混合容器(62、64)に液圧接続された分配システム(88)と、
を備え、
前記分配システム(88)が、1つ又はそれ以上の注入バルブ(94、96)に液圧接続されて、該注入バルブ(94、96)に前記マスキング材の調量された容積を供給及び分配するよう動作可能である、自動湿潤マスキングシステム(60)。
【請求項2】
前記加工物の一部を前記マスキング材で自動的にコーティングするよう前記マスキングシステム(60)を制御するための電子コントローラ(20)を更に備える、請求項1に記載の自動湿潤マスキングシステム(60)。
【請求項3】
マスキングプロセス中にその中空内部又はキャビティ(31)の内部に前記加工物(10)の一部があるように前記加工物(10)を保持するための固定治具(30)と、
前記キャビティ(31)の内部に前記加工物(10)の一部だけを配置するように使用可能な前記固定治具(30)の上部開口(40)と、
前記マスキング材を前記キャビティ(31)に注入して前記加工物(10)の一部をコーティングするための1つ又はそれ以上の注入ポート(104、106)と整列可能な、前記固定治具(30)の1つ又はそれ以上の側部(32、34)内の1つ又はそれ以上の入口ポート(44、46)と、
を更に備える、請求項2に記載の自動湿潤マスキングシステム(60)。
【請求項4】
前記加工物の一部上の前記マスキング材を乾燥又はフラッシュ乾燥させるよう動作可能に位置付けられた1つ又はそれ以上のヒータ(110、112)を更に備える、請求項3に記載の自動湿潤マスキングシステム(60)。
【請求項5】
前記1つ又はそれ以上の注入バルブ(94、96)から前記混合容器(62、64)のうちの少なくとも1つに液圧的につながった1つ又はそれ以上の制御可能再循環ライン(114、116)を更に備え、前記コントローラ(20)が、マスキング材がマスキングシステム(60)を流れていない時間期間の後に前記マスキング材を前記再循環ライン(114、116)に流すよう動作可能である、請求項3に記載の自動湿潤マスキングシステム(60)。
【請求項6】
前記1つ又はそれ以上の注入バルブ(94、96)が1つ又はそれ以上の駆動スライド(100、102)それぞれの上に装着され、前記自動湿潤マスキングシステム(60)が更に、マスキングプロセス中に前記加工物(10)を第1の角度位置で支持するための回転テーブル(98)を備え、前記1つ又はそれ以上のヒータ(110、112)が、前記回転テーブル(98)の第2の角度位置にて前記加工物(10)の一部上の前記マスキング材を乾燥又はフラッシュ乾燥するよう動作可能に位置付けられ、前記1つ又はそれ以上の注入バルブ(94、96)が、前記1つ又はそれ以上のヒータ(110、112)それぞれから90度離れて位置付けられる、請求項3に記載の自動湿潤マスキングシステム(60)。
【請求項7】
前記1つ又はそれ以上の注入バルブ(94、96)から前記混合容器(62、64)のうちの少なくとも1つに液圧的につながった1つ又はそれ以上の制御可能再循環ライン(114、116)を更に備え、前記コントローラ(20)が、マスキング材が前記マスキングシステム(60)を流れていない時間期間の後に前記マスキング材を前記再循環ライン(114、116)に流すよう動作可能であり、前記マスキング材が、アルコールバインダー材料及び/又は金属及び金属酸化物の粉体を含む、請求項6に記載の自動湿潤マスキングシステム(60)。
【請求項8】
ガスタービンエンジンブレード(10)の根元又はダブテール(16)にマスキング材を塗布するための自動湿潤マスキングシステム(60)であって、
前記マスキング材の原材料を連続的にブレンドするため及び/又は懸濁したスラリー混合物の形態で前記マスキング材を維持するための攪拌機(66)を各々が含む、少なくとも液圧的に接続され連続的にインラインの第1及び第2の加圧混合容器(62、64)と、
前記第2の加圧混合容器(64)の下流側で該加圧混合容器(64)に液圧接続された分配システム(88)と、
を備え、
前記分配システム(88)が、第1及び第2の注入バルブ(94、96)に液圧接続されて、該第1及び第2の注入バルブ(94、96)に前記マスキング材の調量された容積を供給及び分配するよう動作可能であり、
前記自動湿潤マスキングシステム(60)が更に、
前記根元又はダブテール(16)をマスキング材で自動的にコーティングするよう前記マスキングシステム(60)を制御するための電子コントローラ(20)と、
マスキングプロセス中にその中空内部又はキャビティ(31)の内部にガスタービンエンジンブレード(10)の根元又はダブテール(16)があるように前記ガスタービンエンジンブレード(10)を保持するための固定治具(30)と、
前記中空内部又はキャビティ(31)の内部に前記ブレード(10)の根元又はダブテール(16)だけを配置するように使用可能な前記固定治具(30)の上部開口(40)と、
前記マスキング材を前記中空内部又はキャビティ(31)に注入して前記ブレード(10)の根元又はダブテール(16)をコーティングするための前記第1及び第2の注入バルブ(94、96)それぞれの第1及び第2の注入ポート(104、106)と整列可能な、前記固定治具(30)の第1及び第2の側部(32、34)内の第1及び第2の入口ポート(44、46)と、
前記ブレード(10)の根元又はダブテール(16)上のマスキング材を乾燥又はフラッシュ乾燥させるよう動作可能に位置付けられた第1及び第2のヒータ(110、112)と、
を備える、自動湿潤マスキングシステム(60)。
【請求項9】
前記第1及び第2の注入バルブ(94、96)から前記第1及び第2の混合容器(62、64)のうちの少なくとも1つに液圧的につながった第1及び第2の制御可能再循環ライン(114、116)を更に備え、前記コントローラ(20)が、マスキング材がマスキングシステム(60)を流れていない時間期間の後に前記マスキング材を前記再循環ライン(114、116)に流すよう動作可能であり、前記マスキング材が、アルコールバインダー材料及び/又は金属及び金属酸化物の粉体を含む、請求項8に記載の自動湿潤マスキングシステム(60)。
【請求項10】
前記第1及び第2の注入バルブ(94、96)が第1及び第2の駆動スライド(100、102)それぞれの上に装着され、
前記自動湿潤マスキングシステム(60)が更に、マスキングプロセス中に前記ブレード(10)を第1の角度位置で支持するための回転テーブル(98)を備え、
前記第1及び第2のヒータ(110、112)が、前記回転テーブル(98)の第2の角度位置にて前記ブレード(10)の根元又はダブテール(16)上の前記マスキング材を乾燥又はフラッシュ乾燥するよう動作可能に位置付けられ、前記第1及び第2の注入バルブ(94、96)が、互いから180度離れ且つ前記第1及び第2のヒータ(110、112)それぞれから90度離れて位置付けられ、
前記自動湿潤マスキングシステム(60)が更に、前記第1及び第2の注入バルブ(94、96)から前記第1及び第2の混合容器(62、64)のうちの少なくとも1つに液圧的につながった第1及び第2の制御可能再循環ライン(114、116)を備え、
前記コントローラ(20)が、マスキング材が前記マスキングシステム(60)を流れていない時間期間の後に前記マスキング材を前記再循環ライン(114、116)に流すよう動作可能である、請求項8に記載の自動湿潤マスキングシステム(60)。
【請求項11】
自動湿潤マスキングシステム(60)によって加工物(10)の一部(16)にマスキング材を塗布する方法であって、
1つ又はそれ以上の加圧混合容器(62、64)の第1の混合容器にマスキング材の原材料を装填する段階と、
前記混合容器の各々において攪拌機(66)を用いて前記マスキング材の原材料を連続的にブレンドし及び/又は懸濁したスラリー混合物の形態で前記マスキング材を維持する段階と、
前記マスキング材を前記1つ又はそれ以上の加圧混合容器(62、64)から分配システム(88)に液圧的に流す段階と、
前記分配システム(88)から前記マスキング材を調量し、前記マスキング材を前記分配システム(88)から1つ又はそれ以上の注入バルブ(94、96)に液圧的に供給する段階と、
前記加工物(10)の一部(16)を前記1つ又はそれ以上の注入バルブ(94、96)により注入されたマスキング材でコーティングする段階と、
前記加工物(10)の一部(16)が前記マスキング材でコーティングされた後に、1つ又はそれ以上のヒータ(110、112)を用いて前記加工物の一部上の前記マスキング材を乾燥又はフラッシュ乾燥する段階と、
ある時間期間の間、前記自動湿潤マスキングシステム(60)が作動中であり且つコーティングされていないときに、前記1つ又はそれ以上の注入バルブ(94、96)それぞれから前記混合容器(62、64)の1つにつながる1つ又はそれ以上の再循環ライン(114、116)を開放することによって前記マスキング材を再循環する段階と、
を含む、方法。
【請求項12】
ガスタービンエンジンブレード(10)の根元又はダブテール(16)にマスキング材を塗布する方法であって、
マスキング材の原材料を第1及び第2の加圧混合容器(62、64)に装填する段階と、
前記混合容器(62、64)の各々において攪拌機(66)を用いて前記マスキング材の原材料を連続的にブレンドし及び/又は懸濁したスラリー混合物の形態で前記マスキング材を維持する段階と、
前記マスキング材を前記第1及び第2の加圧混合容器(62、64)から分配システム(88)に液圧的に流す段階と、
前記分配システム(88)から前記マスキング材を調量し、前記マスキング材を前記分配システム(88)から第1及び第2の注入バルブ(94、96)に液圧的に供給する段階と、
前記ブレード(10)を固定治具(30)に装着し、マスキングプロセス中に前記固定治具(30)の中空内部又はキャビティ(31)の内部に前記根元又はダブテール(16)があるように前記前記ブレード(10)を保持する段階と、
前記第1及び第2の注入バルブ(94、96)を用いて前記マスキング材を前記固定治具(30)の中空内部又はキャビティ(31)に注入することにより前記根元又はダブテール(16)をコーティングする段階と、
前記第1及び第2の注入バルブ(94、96)の第1及び第2の注入ポート(104、106)を通り、前記固定治具(30)の第1及び第2の側部(32、34)内の第1及び第2の入口ポート(44、46)それぞれを通って前記中空内部又はキャビティ(31)内に前記マスキング材を注入する段階と、
前記根元又はダブテール(16)がマスキング材でコーティングされた後で且つ前記根元又はダブテール(16)が前記中空内部又はキャビティ(31)内部に依然としてある間、第1及び第2のヒータ(110、112)を用いて前記マスキング材を乾燥又はフラッシュ乾燥する段階と、
ある時間期間の間、前記自動湿潤マスキングシステム(60)が作動中であり且つコーティングされていないときに、前記第1及び第2の注入バルブ(94、96)それぞれから前記混合容器(62、64)の1つにつながる第1及び第2の再循環ライン(114、116)を開放することによって前記マスキング材を再循環する段階と、
を含む、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−47384(P2013−47384A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−180694(P2012−180694)
【出願日】平成24年8月17日(2012.8.17)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】