説明

持ち運び可能な小型浄水器

【課題】細菌等で汚染された水から汚染物を除去し、超軟水とし、しかもコーヒーやお茶として飲むと非常に美味しい飲料水とすることができる持ち運び可能な小型浄水器を提供する。
【解決手段】水の前濾過装置3と、該前濾過装置で濾過した水を除菌する除菌フィルター5と、該除菌フィルターで濾過した浄水を、軟水化する陽イオン交換樹脂6と、該陽イオン交換樹脂を通過した軟水をバイオセラミックス8を通過させるように構成することにより、持ち運び可能な小型浄水器とした。この浄水器で得た軟水を、コーヒーやお茶として飲むと非常に美味しい飲料水となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、細菌等で汚染された水から汚染物を除去し、飲料に適した超軟水とすることができ、しかも持ち運び可能な小型浄水器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
日本から海外旅行に行く人は多いが、長期間の海外旅行で日本人が一番困るのは飲料水の問題である。外国で生水をそのまま飲むと、下痢の恐れがあることから、生水をそのまま飲むことは行われていない。また、外国の水を沸かしてコーヒーやお茶として飲んでも、美味しくない。
【0003】
更に、例えば、中国旅行をして、硬水のお湯で洗顔したり、髪を洗ったりすると、肌が荒れたり、髪がバサバサになることから、女性から大変嫌われている。
【0004】
外国旅行に持ち運びできる細菌、ウィルス等を除去する浄水器があれば便利であるが、従来、このような浄水器は知られていない。このような浄水器は、RO膜を必要とするが、RO膜を使用して飲用に適する水とする浄水器で、持ち運び可能なほど、小型化することはできなかったからである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は、細菌等で汚染された水から汚染物を除去し、超軟水とし、しかもコーヒーやお茶として飲むと非常に美味しい飲料にすることができる持ち運び可能な小型浄水器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため本発明者は、鋭意研究の結果、RO膜のような除菌フィルターを通過させた浄水を、陽イオン交換樹脂を通過させることによって、完全な軟水(超軟水)となり、この軟水を更にバイオセラミックスを通過させると、コーヒーやお茶として飲むと非常に美味しい水となることを見出し、本発明に到達した。
【0007】
即ち本発明は、被処理水の前濾過装置と、該前濾過装置で濾過した水を除菌する除菌フィルターと、該除菌フィルターで濾過した浄水を、軟水化する陽イオン交換樹脂と、該陽イオン交換樹脂を通過した軟水を通過させるバイオセラミックスと、を具備したことを特徴とする。
【0008】
前記除菌フィルターとしては、病原菌だけでなくウィルスも除去できることから、逆浸透膜濾過装置であるのが好ましい(請求項3)。前記逆浸透膜濾過装置の濃縮水を、第2の逆浸透膜濾過装置で濾過すると、水の処理量が多くできることから好ましい(請求項4)。
河川水等を濾過する場合は、前記前濾過装置及び前記除菌フィルターは、ポンプで加圧して被処理水を濾過する(請求項5)。
【発明の効果】
【0009】
以上、述べた如く、本発明によれば、外国旅行等に容易に持ち運び可能で、この浄水器を使用すれば、安心して外国で生水をそのまま飲用することができる。しかも、除菌出来るだけでなく、コーヒー等として飲むと、非常に美味しくなる。更に、この水で洗顔したり、髪を洗うと、肌や髪が滑らかになることから、女性から大変喜ばれる。
【0010】
超軟水をバイオセラミックスを通過させた水を使用すると、コーヒー等が美味しくなるのは、この水が人間の体の機能を高めるためと考えられている。
【0011】
本発明の装置を小型で持ち運び可能にできたのは、バイオセラミックスを使用することにより、ミネラル水とする石を不要としたことにある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施例を示すフロー図である。
【図2】本発明の浄水器の(A)概略正面図、(B)概略斜視図、(C)概略使用状態の斜視図、である。
【図3】本発明の浄水器を旅行バックに入れた状態の(A)起てた状態の斜視図、(B)寝かした状態の斜視図、である。
【符号の説明】
【0013】
1・・・・・・被処理水収容器(バケツ)
2・・・・・・ホース
3・・・・・・前濾過装置
4・・・・・・ポンプ
5・・・・・・逆浸透膜濾過装置(RO膜)
6・・・・・・軟水化容器
7・・・・・・第2段の逆浸透膜濾過装置(RO膜)
8・・・・・・バイオセラミックスを収容した容器
10・・・・・・旅行用バック
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に、本発明の実施の形態を説明する。
【0015】
図1は、本発明の一実施例を示すフロー図である。
水道水の水圧が、3.5Kgより大きい場合はポンプは不用である。ポンプ無しで、水道水はRO膜を通過させることができる。
【0016】
水道水の水圧が、3.5Kg以下の場合又は河川水等を使用する場合は、ポンプを使用する。この実施例では、DC12Vで10Kgの圧力が出るポンプを使用している。ポンプの電源は、AC100V50hz/60hz、AC200V50hz又は車のバッテリーからでも使用可能であるが、旅行用としては、主として外国で使用されていることから、AC200Vとするのが好ましい。この実施例では、AC200Vを公知の方法によりDC12Vにしている。
【0017】
図2(C)に示すように、ポンプを駆動して、バケツ(被処理水収容器)1に入れた水をホース2から吸い込む。ホース2の先端には、中央が開口した吸盤(図示せず)が固定され、この吸盤がバケツ1に吸着固定されている。このようにして、ホース2がバケツ1から外れないようにしている。
【0018】
バケツ2から吸い込んだ水は、図1に示すように、粗ゴミを除去する活性炭を充填したフィルター(前濾過装置)3で濾過されて不溶物を除去する。
【0019】
前濾過装置3で濾過された水は、第1段の逆浸透膜濾過装置(RO膜)5で濾過する。逆浸透膜濾過装置5によって、細菌等の全ての不純物が除去される。尚、前濾過装置3及び逆浸透膜濾過装置5,7は、ポンプ4で加圧して濾過している。
【0020】
第1段の逆浸透膜濾過装置5で濾過された水は、陽イオン交換樹脂を充填した軟水化容器6に送られる。
第1段の逆浸透膜濾過装置5を通過しなかった濃縮水は、第2段の逆浸透膜濾過装置(RO膜)7で濾過され、第1段の逆浸透膜濾過装置5で濾過された浄水と一緒に軟水化容器6に送られる。
【0021】
軟水化容器6には、陽イオン交換樹脂が充填されている。浄水をこの陽イオン交換樹脂を充填した軟水化容器6を通過させることにより、硬水の水から完全な超軟水の水に変化する。
【0022】
軟水化容器6を通過した軟水は、バイオセラミックスを充填した容器8に送られる。バイオセラミックス8を通過した水は、生水として飲用できる飲料水となり、飲料水出口11から取り出す。
【0023】
逆浸透膜濾過装置5,7を通過した純水は、不純物を含んでいないので、人体に悪いと言われているが、バイオセラミックスを通過することにより、この問題も解消される。
【0024】
しかしながら、逆浸透膜濾過装置(RO膜)5,7と軟水化容器6との間に、純水をミネラル水とするミネラル抽出容器を設けても良い。しかしながら、旅行用としては、その分大型になるので好ましくない。また、ミネラル水としない方が、コーヒー等の本来の味を引き立たせることから、好ましい。
【0025】
第2段の逆浸透膜濾過装置7を通過しなかった濃縮水は、ドレンノズル(ドレン)9から排出される。
【0026】
上記実施例では、逆浸透膜濾過装置を2段に連結したが、1段であっても差し支えない。しかしながら、上記のように2段とすることにより、水の処理量を多くすることができる。この実施例では、逆浸透膜濾過装置を2段に連結しているので、1時間当り、30リットルの飲料水が得られる。
【0027】
上記実施例では、除菌フィルターとして、逆浸透膜濾過装置を使用したが、水道水にはウィルス(塩素で死滅)が入っていないので、水道水を使用する場合は、他の除菌フィルターでも差し支えない。しかしながら、井戸水とか河川水には、ウィルスが含まれているので、安全のため、逆浸透膜濾過装置を使用するのが好ましい。更に、逆浸透膜濾過装置を通過させた水の方が、コーヒー等の味を更に高めるので、この点からも、逆浸透膜濾過装置を使用するのが好ましい。
【0028】
図2から明らかなように、この実施例の本発明の装置は、高さ30cm、横幅23cm、奥行38cmになっている。従って、非常に小型であるので、図3に示すように、旅行用バック10に容易に収容できる。
本発明の浄水器は、主として海外旅行用として使用されるが、キャンプ用、家庭用としても好適に使用できる。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明の浄水器は、小型で持ち運び可能で、外国で生水をそのまま飲めるだけでなく、この水を使用すると、コーヒーやお茶が非常に美味しくなると共に、この水で洗顔、洗髪すると、肌や髪が滑らかになることから、海外旅行者に大量に普及することが期待される。










【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理水の前濾過装置と、該前濾過装置で濾過した水を除菌する除菌フィルターと、該除菌フィルターで濾過した浄水を、軟水化する陽イオン交換樹脂と、該陽イオン交換樹脂を通過した軟水を通過させるバイオセラミックスと、を具備したことを特徴とする持ち運び可能な小型浄水器。
【請求項2】
前記除菌フィルターが、逆浸透膜濾過装置である請求項1に記載の浄水器。
【請求項3】
前記逆浸透膜濾過装置の濃縮水を、第2の逆浸透膜濾過装置で濾過する請求項1又は2に記載の浄水器。
【請求項4】
前記前濾過装置及び前記除菌フィルターを、ポンプで加圧して被処理水を濾過する請求項1〜3のいずれかに記載の浄水器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−107031(P2013−107031A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−253364(P2011−253364)
【出願日】平成23年11月19日(2011.11.19)
【出願人】(511080306)株式会社テクノシステム (5)
【Fターム(参考)】