持ち運び可能構造体のまたはそれに関連する改良
保管状態と組立状態との間で変形可能である持ち運び可能構造体(1)は、基部(4)と、1つまたは複数の側部(5)と、弾性フレーム(2)と、1つまたは複数の間隔保持部材(6)とを有する。基部(4)および1つまたは複数の側部(5)は可撓性材料を含む。弾性フレーム(2)は、基部(4)と1つまたは複数の側部(5)との接合部分に位置される。弾性フレーム(2)は、組立状態において基部(4)に適合する形状を形成するように可撓性材料に接続される。1つまたは複数の間隔保持部材(6)は、組立状態において持ち上げる形で1つまたは複数の側部(5)の可撓性材料を支持し、それにより、基部(4)および1つまたは複数の側部(5)の可撓性材料によって境界を画されるコンテナが形成される。持ち運び可能構造体(1)が保管状態を取ることを可能にするために、弾性フレーム(2)および1つまたは複数の間隔保持部材(6)が折り畳み可能となっており、保管状態では、弾性フレーム(2)および1つまたは複数の間隔保持部材(6)が折り畳まれることにより、持ち運び可能構造体(1)を保管状態から組立状態へ移行させるためのエネルギーが形成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は持ち運び可能構造体(portable structure)に関する。詳細には、この持ち運び可能構造体は保管状態と組立状態との間で変形可能である。さらに、本発明は、このような持ち運び可能構造体を保管する方法および組み立てる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばテントなどの持ち運び可能構造体が当技術分野ではよく知られている。テントは、改良されるたびに、必要となる構成要素の接続または組立てが軽減される傾向があり、それにより、持ち運び式構造体の組立てがより簡単かつ迅速になる。テント構成を開示している従来技術の一例として、(特許文献1)に開示されている弾性フレームおよびテントがある。詳細には、(特許文献1)は、可撓弾性基部リングと、着脱自在に取り付けられる頂部カバーを有する可撓弾性頂部リングとを含むフレームを開示している。この頂部リングは、可撓弾性アーチ部材の外側周囲に頂部リングを取り付けるための、対蹠的に対向する一対のフェルール・コネクタを含んでいる。頂部リングは、それぞれの端部のところで基部リングおよび頂部リングに固定される2つの管状スリーブ部材によって基部リングから離間される。したがって、この特定の開示では、具体的には、基部リングおよび頂部リングは、それらがテントのそれぞれの部品に取り付けられる前に一体となるように接合されなければならない。また、このとき、2つの管状スリーブ部材を離間した位置で2つのリングに取り付ける必要がある。最終的に、テントを組立状態にするために、さらにアーチ部材を頂部リングに取り付ける必要がある。
【0003】
したがって、持ち運び可能構造体の組立てを迅速化および単純化するためには、持ち運び可能構造体の組立ての時間効率を上げて単純化するのを可能にするような、改良された持ち運び可能構造体が必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第4,569,362号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上述したような従来技術に付随する欠点を有さない持ち運び可能構造体を提供することを目的とし、本発明により、持ち運び可能構造体の組立てを単純化および迅速化することが可能となる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
それに応じて、1態様において、本発明は、保管状態と組立状態との間で変形可能な持ち運び可能構造体を提供し、この持ち運び可能構造体は、
可撓性材料を含む基部および1つまたは複数の側部と;
基部と1つまたは複数の側部との接合部分に位置され、組立状態において基部に適合する形状を形成するように上記可撓性材料に接続される弾性フレームと;
組立状態において、基部および1つまたは複数の側部の可撓性材料によって境界を画されるコンテナを形成するために、持ち上げる形で1つまたは複数の側部の可撓性材料を支持する1つまたは複数の間隔保持部材とを備え;
持ち運び可能構造体が保管状態を取ることを可能にするために、弾性フレームが曲げ可能であり、かつ、1つまたは複数の間隔保持部材が折り畳み可能となっており、保管状態においては、弾性フレームが曲げられていること、および間隔保持部材が折り畳まれていることの少なくとも一方により、持ち運び可能構造体を保管状態から組立状態へ移行させるためのエネルギーが形成されることを特徴とする。
【0007】
好適には、持ち運び可能構造体は、第1の弾性フレームから離間されるように位置されて持ち運び可能構造体の1つまたは複数の側部を支持する第2の弾性フレームを有する。この第2の弾性フレームは、第1の弾性フレームを基準にして、1つまたは複数の側面の遠位端のところに位置されてよい。さらに、好適には、持ち運び可能構造体は、第1の弾性フレームまたは他の弾性フレーム(複数可)から離間されるように位置されて持ち運び可能構造体の1つまたは複数の側部を支持する第3の、すなわちその次の弾性フレーム部材を有する。好適には、この(これらの)弾性フレームは連続している。別法として、この(これらの)弾性フレームは、1つまたは複数の接続される弾性フレーム部材を有していてもよい。第1、第2、第3および/またはその次の弾性フレームは、曲げられたときに曲げられていない形状、すなわち直線形状に自然に戻ろうとする、ばね鋼、コイルばね鋼(coiled spring steel)、螺旋状に巻かれたばね鋼(spirally−wound spring steel)、ガラス繊維、可撓性プラスチック材料、プレストレスト材料または他の任意の材料のうちの任意の1つまたは複数から作られてよい。好適には、第1の弾性フレームは、可撓性材料によって形成される1つまたは複数のポケットまたはループの中に設けられる。さらに、第2、第3および/またはその次の弾性フレームも、可撓性材料によって形成される1つまたは複数のポケットまたはループの中に設けられてよい。好適には、それぞれのポケット(複数可)は連続して可撓性材料(複数可)を囲んでいる。
【0008】
最も好適には、持ち運び可能構造体は垂直軸に対する断面が円形、三角形、正方形または多角形である。理想的には、弾性フレームは、それぞれの断面形状が円形、三角形、正方形または多角形となるように成形され得る。
【0009】
最も好適には、垂直軸を基準にした、持ち運び可能構造体の直径、有効径、すなわち断面を横断する最も長い距離は、第1の弾性フレームから第2およびその次の弾性フレームへといくにしたがって減少していき、それにより切頂形の持ち運び可能構造体が形成される。好適には、持ち運び可能構造体は、対蹠関係にあることが好ましい少なくとも2つの間隔保持部材を有する。最も好適には、等間隔に配置される4つの離間手段が設けられる。1つまたは複数の間隔保持部材は、持ち運び可能構造体の側部材料に動作可能に接続されてよい。好適には、1つまたは複数の間隔保持部材は、曲げられたときに曲げられていない形状、すなわち直線形状に自然に戻ろうとする、ばね鋼、コイルばね鋼、螺旋状に巻かれたばね鋼、ガラス繊維、可撓性プラスチック材料、プレストレスト材料または他の任意の材料のうちの任意の1つまたは複数から作られる。1つまたは複数の間隔保持部材は、可撓性材料によって形成される1つまたは複数のポケットの中に設けられる。
【0010】
好適には、可撓性材料は、織物、プラスチック材料、ポリ塩化ビニル(PVC)および/またはポリエチレン(PE)、あるいは他の適当な材料のうちの1つまたは複数によって形成される。この材料は好適には耐久性および耐水性を有する。
【0011】
この持ち運び可能構造体は、汎用の水コンテナ、水遊び用プール、ベビーサークルまたはボールプールの形態の持ち運び可能構造体を形成していてよい。
基部および1つまたは複数の側部を有するこの持ち運び可能構造体は、持ち運び可能構造体を部分的または全体的に覆う頂部をさらに有することができる。この頂部は着脱可能で基部および1つまたは複数の側部から分離していてよい。また、この着脱可能な頂部は、組立状態と保管状態との間で変形可能であるフレームを有していてよい。別法として、頂部は基部および1つまたは複数の側部と一体であってもよい。いずれの場合も、好適には、頂部は、持ち運び可能構造体を日光から遮るために設けられるシェードである。
【0012】
任意選択で、1つまたは複数の側部は、持ち運び可能構造体の内側に人ひとりが出入りすることができる1つまたは複数の開口部を有していてよい。
有利には、持ち運び可能構造体は、組立状態および保管状態の両方においてそのすべての構成要素が備え付けられるように構成される。また、持ち運び可能構造体は、構成要素を取り付けたり取り外したりすることなく、または膨張させることなく組立状態および保管状態になることができる一体型の持ち運び可能構造体を形成するように構成される。
【0013】
本発明は、第2の態様では、本発明による持ち運び可能構造体を保管する方法を提供し、この方法は、
組立状態にある持ち運び可能構造体を用意する工程と;
側部の頂部と側部の底部を1つにまとめるために1つまたは複数の側部を半分に折り畳む工程であって、1つまたは複数の間隔保持部材によって生じる抵抗力に逆らいながら、1つまたは複数の間隔保持部材を折り畳むことにより平坦な構造体を形成する工程と、
最初に折り畳むことにより、弾性フレーム(複数可)によって生じる抵抗力に逆らいながら、弾性フレーム(複数可)をコイル状に巻き、次いで、すべての弾性フレームが一体にまとまるまで弾性フレームを小さなコイル状または曲げられた状態となるようにまとめる工程と、
それによって持ち運び可能構造体を保管状態にする工程とからなる。
【0014】
別の態様では、本発明は、本発明による持ち運び可能構造体を組み立てる方法を提供し、この方法は、
保管状態にある持ち運び可能構造体を用意する工程と;
弾性フレームが有する戻ろうとする力(returning force)の影響を受けて、コイル状/曲げられた状態から展開することにより弾性フレームを伸ばす/広げる工程と;
1つまたは複数の離間手段が有する戻ろうとする力の影響を受けて、1つまたは複数の側部を広げて側部の頂部と側部の底部とを離間させる工程と;
その結果として持ち運び可能構造体を組立状態にする工程とからなる。
【0015】
好適には、弾性フレームは少なくとも2回巻かれることによりコイル状となる(すなわち、一体にまとめられる)。
ここで、本発明を十分に開示するために、添付図面を参照しながら単に例としていくつかの実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明による持ち運び可能構造体を示す斜視図。
【図2】本発明による、水遊び用プールの形態の持ち運び可能構造体を示す斜視図。
【図3】本発明による持ち運び可能水コンテナを示す斜視図。
【図4】本発明による持ち運び可能水コンテナの別の実施形態を示す斜視図。
【図5】本発明による持ち運び可能ボールプールを示す斜視図。
【図6】本発明による持ち運び可能構造体の別の実施形態を示す斜視図。
【図7】本発明による持ち運び可能ベビーサークルを示す斜視図。
【図8A】組立状態と保管状態との間の、図1の持ち運び可能構造体の作業の状態を示した概略図。
【図8B】組立状態と保管状態との間の、図1の持ち運び可能構造体の作業の状態を示した概略図。
【図8C】組立状態と保管状態との間の、図1の持ち運び可能構造体の作業の状態を示した概略図。
【図8D】組立状態と保管状態との間の、図1の持ち運び可能構造体の作業の状態を示した概略図。
【図8E】組立状態と保管状態との間の、図1の持ち運び可能構造体の作業の状態を示した概略図。
【図8F】組立状態と保管状態との間の、図1の持ち運び可能構造体の作業の状態を示した概略図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、全体として参照符号1で示されている組立状態にある本発明による持ち運び可能構造体を示している。詳細には、持ち運び可能構造体1は、参照符号Aで示されている垂直軸に対して直交する円形断面を有している。
【0018】
持ち運び可能構造体1は、基部フレーム2(第1の弾性フレーム)、頂部フレーム3(第2の弾性フレーム)、基部パネル4および側部パネル5(1つまたは複数の側部)を備える。したがって、持ち運び可能構造体1は、その最も広い意味では、頂部が開いたポットまたはコンテナを画定している。側部パネル5には、図1に示すように基部フレーム2と頂部フレーム3とを確実に離間させるためのスペーサ6が設けられている。基部フレーム2は連続しており、コイルばね鋼から作られている。基部フレーム2は、基部パネル4と側部パネル5との接合部分に設けられており、側部パネルおよび/または基部パネル4の材料で形成されている円形ポケット内に配置される。見た目のよい構成となるように、また、物体が基部フレーム2に接触するのを防止するために、ポケットはばね鋼を完全に閉じ込めていることが好ましい。基部フレーム3もやはり連続しており、コイルばね鋼から作られている。基部フレーム3は、側部パネル5を作っている材料で形成された円形ポケット内に設けられ、見た目および機能的には材料内に完全に閉じ込められることがやはり好ましい。基部フレーム2および頂部フレーム3は共に可撓性であり、共にコイル状に巻くことが可能/曲げ可能である。基部フレーム2および頂部フレーム3は、組み立てられた持ち運び可能構造体1の頂部または基部に適合する二次元形状を形成する。図1に示すように、この二次元形状は円形である。基部フレーム2および頂部フレーム3は共に弾性である。図1に示した本発明では4つのスペーサ6(間隔保持部材)が設けられており、これらは側部パネル5上で動作可能である。スペーサ6により、組み立てられた持ち運び可能構造体にある程度の奥行きがもたらされ、それに伴いある程度の容積が形成される。スペーサ6はコイルばね鋼から作られており、持ち運び可能構造物1の基部パネル4を基準にした相対的な軸方向に延在している。スペーサ6は、側部パネル5が折り畳むのを防止するために側部パネル5を支持して維持するように設けられる。また、スペーサ6は通常は半分に折り畳み可能であり、それにより、持ち運び可能構造体1を保管する作業の際に側部パネル5の頂縁部7と底縁部8とを一体にまとめることが可能となる。好適には、スペーサ6は等間隔に配置される。さらに、スペーサ6は側部パネルの材料によって形成される長手方向ポケットの中に配置され、側部パネル5を折り畳むのを可能にするためにそれらのポケットの中で屈曲され得る。
【0019】
有利なことに、基部フレーム2および頂部フレーム3を曲げてスペーサ6を持ち運び可能構造体1の組立状態から屈曲させることが可能であることから、それにより持ち運び可能構造体が保管状態を取ることが可能となる。この保管状態では、弾性フレームが曲げられていることおよび/または間隔保持部材が折り畳まれていることにより、持ち運び可能構造体を保管状態からその組立状態へ移行させるためのエネルギーが形成される。
【0020】
持ち運び可能構造体は、持ち運び可能構造体が液体を保持するためのものである場合は、液体の漏洩させないような適切な材料から作られていることが好ましい。詳細には、基部パネル4および側部パネルは材料の複数の部片から作られてよい。
【0021】
有利には、本発明は、組立状態および保管状態の両方においてそのすべての構成要素が備え付けられているような持ち運び可能構造体1を提供する。したがって、持ち運び可能構造体を組み立てる必要はなく、伸ばして広げたり、またはコイル状に巻いて折り畳んだりする、持ち運び可能構造体を変形させる1つの作業工程のみで持ち運び可能構造体の保管状態と組立状態とを切り替えることができる。
【0022】
図2は構造体10の形態の持ち運び可能構造体1を示している。このプールは空の状態で示されているが、好適には水で満たされ得る。当然のことではあるが、基部パネル4用および側部パネル5用に選択される材料は耐久性および耐水性の両方を有する材料である。このプールは基本的に子供用に設計されている。プール10は図1に関連して説明したすべての器具を有しており、共通の特徴を示すのに同じ参照符号が使用されている。
【0023】
図3は本発明による持ち運び可能水コンテナを示している。この形態では、ここで図1に関連して説明した持ち運び可能構造体が持ち運び可能水コンテナ20として作られている。図1に関連して説明したすべての特徴が含まれることから、共通の特徴を示すのに同じ参照符号が使用されている。この持ち運び可能水コンテナ20は、前の実施形態に加えて、水21で満たされた状態で示されている。詳細には、本発明による持ち運び可能構造体1は、最大で頂部フレーム3の領域まで、大量の水を収容するのに適している。
【0024】
図4は、部分的なカバー22をさらに含む図3の実施形態を示している。カバー22にはそれ自体のフレーム23が備え付けられており、このフレーム23はカバー22の材料によって形成されるポケットの中に配置される。フレーム23は、持ち運び可能水コンテナ20のためのシェードまたはカバーを形成している材料24に対する支持体を形成している。この実施形態では、カバー22は1つの追加の器具の部分として示されている。しかしながら、一部の実施形態では、持ち運び可能水コンテナ20、または実際には本発明による任意の持ち運び可能構造体は、一体型の頂部またはカバーを有していてよい。好適には、カバー22もやはり保管のために折り畳んだりおよび/もしくはコイル状に巻いたりすることができる。
【0025】
図5は持ち運び可能構造体の別の実施形態を示しており、ここではこの構造体はボールプール30である。やはりこのボールプールも図1に関連して説明した持ち運び可能構造体に基づいており、共通の特徴を示すのに同じ参照符号が使用されている。したがって、図5は、ボールプールを作るために使用される本発明の持ち運び可能構造体を示している。具板的には、図5はコイルばね鋼6Bの少なくとも一部分を囲んでいるポケット6Aを詳細に示しており、これらは一体となってスペーサ6を形成する。このボールプールはベビーサークルまたは遊び小屋を作るために種々のボールを詰め込むことができる。
【0026】
1つまたは複数の側部すなわち側部パネル5によりこのコンテナに奥行きがもたらされる。当然のことではあるが、コンテナのこの奥行きは、想定される特定の使用の個々の要求に適合するように変更され得る。ある状況では、より奥行きのあるコンテナ、すなわち図6の実施形態に示されるような高さのある壁をもつ構造体を支持してそれに強度をもたらすために、第3の(または、その次の)弾性フレームを有することが望ましい場合もある。この実施形態では、第3の弾性フレーム3bが基部フレーム2と頂部フレーム3との間のほぼ真ん中に設けられている。第3のフレーム3bの直径は基部フレーム2の直径よりも小さく、また頂部フレーム3の直径は第3のフレーム3bの直径よりも小さいことから、持ち運び可能構造体1は切頂形となっている。持ち運び可能構造体の形状をその中心に向かって切頂形にすることにより構造体がより安定するようになり、側壁(複数可)の頂部に重みが加えられても倒れにくくなる。スペーサ部材6は基部フレーム2から頂部フレーム3まで延びている。各スペーサ部材6は単一部品の可撓性材料で形成されてよく、または、第3のフレーム3bの位置またはその付近で互いに接合される2つの部品の可撓性材料から形成されてもよい。
【0027】
図7は、持ち運び可能ベビーサークル40の形態である、本発明による持ち運び可能構造体の別の実施形態を図示している。この構造体は、図1の実施形態と同様に、基部リング2、頂部リング3、側部パネル4および基部パネル4を有する。加えて、この構造体はベビーサークルの屋根を形成するための頂部パネル4bを有しており、側部パネル5には、子供ひとりがベビーサークル41の内側に出入りできるように入口開口部41が形成されている。開口部41には、開口部41を閉めるのに使用され得るカーテン42が備え付けられている。好適には、カーテン42は側部パネル5と同じ材料で形成される。スペーサ部材6は側部パネル5の縫い付けポケットの中に配置される。このベビーサークルを組み立てたり折り畳むのは前の実施形態と同様の作業で行われる。
【0028】
好適には、持ち運び可能水コンテナ、水遊び用プール、ベビーサークル、ボールプール、またはそれらの類似物のいずれかの形態である構造体は、適切な材料の複数のセグメントから製造され得る。これらのセグメントは、それぞれのセグメントの間に防水シールを形成するように一体に溶接されてよく、あるいは他の方法で接合されてもよい。構造体の材料部品が構築された後、弾性フレーム部材および/またはスペーサが挿入されてよく、あるいは他の方法で材料に結合されてもよい。
【0029】
図8Aから8Fは前の実施形態の持ち運び可能構造体を保管する方法の概略図であり、これらは特に図1の構造体に基づいて示されている。図8Aは組立状態にある持ち運び可能構造体1を示している。図8Fは保管状態にある持ち運び可能構造体1を示している。保管/組立手順における作業の種々の状態が図8Bから8Eまでに示されている。図1から7までに説明した特徴と共通の特徴を示すのに同様の参照符号を使用している。図8Aに示した組立状態から始まり、側部パネル5が半分に折り畳まれ、側部パネル5の頂縁部7と側部パネル5の底縁部8が一体にまとめられる。この際、スペーサ6によって生じる抵抗力に逆らいながらスペーサ6を折り畳むことにより図8Bに示すような平坦な構造体9ができる。次に、図8Bの平坦な構造体9が、まず図8Cに示されるように折り畳まれ、次いで基部フレーム2および頂部フレーム3によって生じる抵抗力に逆らいながら小さなコイル状となるようにまとめられ、最終的にすべてのフレーム2,3が図8Eに示すように一体にコイル状に巻かれる。図8Eのコイル状に巻かれた持ち運び可能構造体は、次に、図8Fに示されるように、参照符号1’で示された持ち運び可能構造体の保管状態を形成するように再び平坦にされる。
【0030】
逆に、基部フレーム2および頂部フレーム3を組立状態における位置に戻す場合には、コイル状に巻かれた基部フレーム2および頂部フレーム3は、図8Fに示した保管状態から始まり、基部フレーム2および頂部フレーム3が有する戻ろうとする力の影響を受けてコイル状から展開されることによって、伸ばされなければならない。持ち運び可能構造体1’を伸ばす工程は図8Dおよび8Eに示されており、これにより最終的に図8Cに示されるような平坦な構造体9が形成される。側部パネル5の頂縁部7と底縁部8とを一体に保持しているグリップを解放することで、スペーサ6の元の状態に戻ろうとする力により側部パネル5が広がり、その結果、スペーサ6が有する蓄積された力(stored force)の影響を受けて持ち運び可能構造体1が再び組立状態となる。
【0031】
持ち運び可能構造体の1つまたは複数の側部および頂部または基部の材料を形成するのに種々の材料が使用され得ることが、当業者には理解されよう。当然のことではあるが、水を入れるための構造体の場合、この材料は耐水性を有することになる。材料は、また、通常の使用時に不用意に破れるのを防止するために耐久性と強度を有していなければならない。例として挙げた材料以外にも、必要とされる強度特性、耐久性特性および耐水性特性を有する種々の材料が選択され得る。
【0032】
持ち運び可能構造体の形状は図1に示した軸Aを基準とした断面形状によって画定される。当然のことではあるが、通常の使用時に持ち運び可能構造体の基部が床上に置かれることを意図するものである場合、この軸Aは垂直軸となる。基部の代わりに頂部が設けられる場合でも、やはりこの軸は垂直となる。また、この持ち運び可能構造体の断面は規則的または不規則的な任意の形状であってよく、いずれの場合も同様の方式で機能する。錯誤回避のために詳述するならば、詳細には、断面形状が円形である場合、持ち運び可能構造体は1つの連続する側部パネルを有すると考えられる。しかしながら、側部パネルが単一部品の材料のみで形成される必要があるというわけではない。当然のことではあるが、断面形状ごとに必要となる側部パネルの数は変わってくる。言うまでもなく、側部パネルおよび基部パネルは適切な材料からなる複数の部品によって形成されてよい。また、側部パネルおよび/または基部パネルは、透明な材料、半透明の材料および/または不透明の材料のセグメントを組み合わせることによって形成されてよい。
【0033】
別法として、本発明の水を収容ための持ち運び可能構造体は、水の密度より低い1つ材料からなる1つまたは複数の部分を含む1つまたは複数の側部を有することができる。この(これらの)1つまたは複数の部分は側部を浮かせるのを補助するために設けられるものである。詳細には、1つの材料からなる1つまたは複数の部分は、基部から離れた1つまたは複数の側部の上側縁部のところに設けられてよく、および/または、1つまたは複数の側部のそれぞれの上側縁部と下側縁部との間に離間するように設けられてもよい。1つの材料からなる1つまたは複数の部分は、構造体の1つまたは複数の側部を構造体内に収容されている水面より上に持ち上げる効果を有しており、使用時に水を入れたり出したりするときに水が流れ出るのを完全に防止するように働く。
【0034】
プール、水コンテナ、ベビーサークルおよびボールプールの形態の持ち運び可能構造体を説明してきた。これらの構造体はすべて、持ち運び構造体が1つの平面上に置かれ、かつ、基部パネルがあることにより側部パネルによって画定されるコンテナに底部が備え付けられる場合のもの、すなわち上向きのポットまたはコンテナ、として作られている。しかしながら、持ち運び可能構造体は逆さにして使用されてもよく、材料からなる基部を必要としない、頂部パネルによって形成される屋根と側部とを有するプレイハウスとなることができる。
【0035】
本発明のすべての実施形態において、保管状態と組立状態との間で行われる作業手順は単純かつ迅速なものであり、好適には、外付けの特徴を接続したりする必要がない。
【技術分野】
【0001】
本発明は持ち運び可能構造体(portable structure)に関する。詳細には、この持ち運び可能構造体は保管状態と組立状態との間で変形可能である。さらに、本発明は、このような持ち運び可能構造体を保管する方法および組み立てる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばテントなどの持ち運び可能構造体が当技術分野ではよく知られている。テントは、改良されるたびに、必要となる構成要素の接続または組立てが軽減される傾向があり、それにより、持ち運び式構造体の組立てがより簡単かつ迅速になる。テント構成を開示している従来技術の一例として、(特許文献1)に開示されている弾性フレームおよびテントがある。詳細には、(特許文献1)は、可撓弾性基部リングと、着脱自在に取り付けられる頂部カバーを有する可撓弾性頂部リングとを含むフレームを開示している。この頂部リングは、可撓弾性アーチ部材の外側周囲に頂部リングを取り付けるための、対蹠的に対向する一対のフェルール・コネクタを含んでいる。頂部リングは、それぞれの端部のところで基部リングおよび頂部リングに固定される2つの管状スリーブ部材によって基部リングから離間される。したがって、この特定の開示では、具体的には、基部リングおよび頂部リングは、それらがテントのそれぞれの部品に取り付けられる前に一体となるように接合されなければならない。また、このとき、2つの管状スリーブ部材を離間した位置で2つのリングに取り付ける必要がある。最終的に、テントを組立状態にするために、さらにアーチ部材を頂部リングに取り付ける必要がある。
【0003】
したがって、持ち運び可能構造体の組立てを迅速化および単純化するためには、持ち運び可能構造体の組立ての時間効率を上げて単純化するのを可能にするような、改良された持ち運び可能構造体が必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第4,569,362号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上述したような従来技術に付随する欠点を有さない持ち運び可能構造体を提供することを目的とし、本発明により、持ち運び可能構造体の組立てを単純化および迅速化することが可能となる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
それに応じて、1態様において、本発明は、保管状態と組立状態との間で変形可能な持ち運び可能構造体を提供し、この持ち運び可能構造体は、
可撓性材料を含む基部および1つまたは複数の側部と;
基部と1つまたは複数の側部との接合部分に位置され、組立状態において基部に適合する形状を形成するように上記可撓性材料に接続される弾性フレームと;
組立状態において、基部および1つまたは複数の側部の可撓性材料によって境界を画されるコンテナを形成するために、持ち上げる形で1つまたは複数の側部の可撓性材料を支持する1つまたは複数の間隔保持部材とを備え;
持ち運び可能構造体が保管状態を取ることを可能にするために、弾性フレームが曲げ可能であり、かつ、1つまたは複数の間隔保持部材が折り畳み可能となっており、保管状態においては、弾性フレームが曲げられていること、および間隔保持部材が折り畳まれていることの少なくとも一方により、持ち運び可能構造体を保管状態から組立状態へ移行させるためのエネルギーが形成されることを特徴とする。
【0007】
好適には、持ち運び可能構造体は、第1の弾性フレームから離間されるように位置されて持ち運び可能構造体の1つまたは複数の側部を支持する第2の弾性フレームを有する。この第2の弾性フレームは、第1の弾性フレームを基準にして、1つまたは複数の側面の遠位端のところに位置されてよい。さらに、好適には、持ち運び可能構造体は、第1の弾性フレームまたは他の弾性フレーム(複数可)から離間されるように位置されて持ち運び可能構造体の1つまたは複数の側部を支持する第3の、すなわちその次の弾性フレーム部材を有する。好適には、この(これらの)弾性フレームは連続している。別法として、この(これらの)弾性フレームは、1つまたは複数の接続される弾性フレーム部材を有していてもよい。第1、第2、第3および/またはその次の弾性フレームは、曲げられたときに曲げられていない形状、すなわち直線形状に自然に戻ろうとする、ばね鋼、コイルばね鋼(coiled spring steel)、螺旋状に巻かれたばね鋼(spirally−wound spring steel)、ガラス繊維、可撓性プラスチック材料、プレストレスト材料または他の任意の材料のうちの任意の1つまたは複数から作られてよい。好適には、第1の弾性フレームは、可撓性材料によって形成される1つまたは複数のポケットまたはループの中に設けられる。さらに、第2、第3および/またはその次の弾性フレームも、可撓性材料によって形成される1つまたは複数のポケットまたはループの中に設けられてよい。好適には、それぞれのポケット(複数可)は連続して可撓性材料(複数可)を囲んでいる。
【0008】
最も好適には、持ち運び可能構造体は垂直軸に対する断面が円形、三角形、正方形または多角形である。理想的には、弾性フレームは、それぞれの断面形状が円形、三角形、正方形または多角形となるように成形され得る。
【0009】
最も好適には、垂直軸を基準にした、持ち運び可能構造体の直径、有効径、すなわち断面を横断する最も長い距離は、第1の弾性フレームから第2およびその次の弾性フレームへといくにしたがって減少していき、それにより切頂形の持ち運び可能構造体が形成される。好適には、持ち運び可能構造体は、対蹠関係にあることが好ましい少なくとも2つの間隔保持部材を有する。最も好適には、等間隔に配置される4つの離間手段が設けられる。1つまたは複数の間隔保持部材は、持ち運び可能構造体の側部材料に動作可能に接続されてよい。好適には、1つまたは複数の間隔保持部材は、曲げられたときに曲げられていない形状、すなわち直線形状に自然に戻ろうとする、ばね鋼、コイルばね鋼、螺旋状に巻かれたばね鋼、ガラス繊維、可撓性プラスチック材料、プレストレスト材料または他の任意の材料のうちの任意の1つまたは複数から作られる。1つまたは複数の間隔保持部材は、可撓性材料によって形成される1つまたは複数のポケットの中に設けられる。
【0010】
好適には、可撓性材料は、織物、プラスチック材料、ポリ塩化ビニル(PVC)および/またはポリエチレン(PE)、あるいは他の適当な材料のうちの1つまたは複数によって形成される。この材料は好適には耐久性および耐水性を有する。
【0011】
この持ち運び可能構造体は、汎用の水コンテナ、水遊び用プール、ベビーサークルまたはボールプールの形態の持ち運び可能構造体を形成していてよい。
基部および1つまたは複数の側部を有するこの持ち運び可能構造体は、持ち運び可能構造体を部分的または全体的に覆う頂部をさらに有することができる。この頂部は着脱可能で基部および1つまたは複数の側部から分離していてよい。また、この着脱可能な頂部は、組立状態と保管状態との間で変形可能であるフレームを有していてよい。別法として、頂部は基部および1つまたは複数の側部と一体であってもよい。いずれの場合も、好適には、頂部は、持ち運び可能構造体を日光から遮るために設けられるシェードである。
【0012】
任意選択で、1つまたは複数の側部は、持ち運び可能構造体の内側に人ひとりが出入りすることができる1つまたは複数の開口部を有していてよい。
有利には、持ち運び可能構造体は、組立状態および保管状態の両方においてそのすべての構成要素が備え付けられるように構成される。また、持ち運び可能構造体は、構成要素を取り付けたり取り外したりすることなく、または膨張させることなく組立状態および保管状態になることができる一体型の持ち運び可能構造体を形成するように構成される。
【0013】
本発明は、第2の態様では、本発明による持ち運び可能構造体を保管する方法を提供し、この方法は、
組立状態にある持ち運び可能構造体を用意する工程と;
側部の頂部と側部の底部を1つにまとめるために1つまたは複数の側部を半分に折り畳む工程であって、1つまたは複数の間隔保持部材によって生じる抵抗力に逆らいながら、1つまたは複数の間隔保持部材を折り畳むことにより平坦な構造体を形成する工程と、
最初に折り畳むことにより、弾性フレーム(複数可)によって生じる抵抗力に逆らいながら、弾性フレーム(複数可)をコイル状に巻き、次いで、すべての弾性フレームが一体にまとまるまで弾性フレームを小さなコイル状または曲げられた状態となるようにまとめる工程と、
それによって持ち運び可能構造体を保管状態にする工程とからなる。
【0014】
別の態様では、本発明は、本発明による持ち運び可能構造体を組み立てる方法を提供し、この方法は、
保管状態にある持ち運び可能構造体を用意する工程と;
弾性フレームが有する戻ろうとする力(returning force)の影響を受けて、コイル状/曲げられた状態から展開することにより弾性フレームを伸ばす/広げる工程と;
1つまたは複数の離間手段が有する戻ろうとする力の影響を受けて、1つまたは複数の側部を広げて側部の頂部と側部の底部とを離間させる工程と;
その結果として持ち運び可能構造体を組立状態にする工程とからなる。
【0015】
好適には、弾性フレームは少なくとも2回巻かれることによりコイル状となる(すなわち、一体にまとめられる)。
ここで、本発明を十分に開示するために、添付図面を参照しながら単に例としていくつかの実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明による持ち運び可能構造体を示す斜視図。
【図2】本発明による、水遊び用プールの形態の持ち運び可能構造体を示す斜視図。
【図3】本発明による持ち運び可能水コンテナを示す斜視図。
【図4】本発明による持ち運び可能水コンテナの別の実施形態を示す斜視図。
【図5】本発明による持ち運び可能ボールプールを示す斜視図。
【図6】本発明による持ち運び可能構造体の別の実施形態を示す斜視図。
【図7】本発明による持ち運び可能ベビーサークルを示す斜視図。
【図8A】組立状態と保管状態との間の、図1の持ち運び可能構造体の作業の状態を示した概略図。
【図8B】組立状態と保管状態との間の、図1の持ち運び可能構造体の作業の状態を示した概略図。
【図8C】組立状態と保管状態との間の、図1の持ち運び可能構造体の作業の状態を示した概略図。
【図8D】組立状態と保管状態との間の、図1の持ち運び可能構造体の作業の状態を示した概略図。
【図8E】組立状態と保管状態との間の、図1の持ち運び可能構造体の作業の状態を示した概略図。
【図8F】組立状態と保管状態との間の、図1の持ち運び可能構造体の作業の状態を示した概略図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、全体として参照符号1で示されている組立状態にある本発明による持ち運び可能構造体を示している。詳細には、持ち運び可能構造体1は、参照符号Aで示されている垂直軸に対して直交する円形断面を有している。
【0018】
持ち運び可能構造体1は、基部フレーム2(第1の弾性フレーム)、頂部フレーム3(第2の弾性フレーム)、基部パネル4および側部パネル5(1つまたは複数の側部)を備える。したがって、持ち運び可能構造体1は、その最も広い意味では、頂部が開いたポットまたはコンテナを画定している。側部パネル5には、図1に示すように基部フレーム2と頂部フレーム3とを確実に離間させるためのスペーサ6が設けられている。基部フレーム2は連続しており、コイルばね鋼から作られている。基部フレーム2は、基部パネル4と側部パネル5との接合部分に設けられており、側部パネルおよび/または基部パネル4の材料で形成されている円形ポケット内に配置される。見た目のよい構成となるように、また、物体が基部フレーム2に接触するのを防止するために、ポケットはばね鋼を完全に閉じ込めていることが好ましい。基部フレーム3もやはり連続しており、コイルばね鋼から作られている。基部フレーム3は、側部パネル5を作っている材料で形成された円形ポケット内に設けられ、見た目および機能的には材料内に完全に閉じ込められることがやはり好ましい。基部フレーム2および頂部フレーム3は共に可撓性であり、共にコイル状に巻くことが可能/曲げ可能である。基部フレーム2および頂部フレーム3は、組み立てられた持ち運び可能構造体1の頂部または基部に適合する二次元形状を形成する。図1に示すように、この二次元形状は円形である。基部フレーム2および頂部フレーム3は共に弾性である。図1に示した本発明では4つのスペーサ6(間隔保持部材)が設けられており、これらは側部パネル5上で動作可能である。スペーサ6により、組み立てられた持ち運び可能構造体にある程度の奥行きがもたらされ、それに伴いある程度の容積が形成される。スペーサ6はコイルばね鋼から作られており、持ち運び可能構造物1の基部パネル4を基準にした相対的な軸方向に延在している。スペーサ6は、側部パネル5が折り畳むのを防止するために側部パネル5を支持して維持するように設けられる。また、スペーサ6は通常は半分に折り畳み可能であり、それにより、持ち運び可能構造体1を保管する作業の際に側部パネル5の頂縁部7と底縁部8とを一体にまとめることが可能となる。好適には、スペーサ6は等間隔に配置される。さらに、スペーサ6は側部パネルの材料によって形成される長手方向ポケットの中に配置され、側部パネル5を折り畳むのを可能にするためにそれらのポケットの中で屈曲され得る。
【0019】
有利なことに、基部フレーム2および頂部フレーム3を曲げてスペーサ6を持ち運び可能構造体1の組立状態から屈曲させることが可能であることから、それにより持ち運び可能構造体が保管状態を取ることが可能となる。この保管状態では、弾性フレームが曲げられていることおよび/または間隔保持部材が折り畳まれていることにより、持ち運び可能構造体を保管状態からその組立状態へ移行させるためのエネルギーが形成される。
【0020】
持ち運び可能構造体は、持ち運び可能構造体が液体を保持するためのものである場合は、液体の漏洩させないような適切な材料から作られていることが好ましい。詳細には、基部パネル4および側部パネルは材料の複数の部片から作られてよい。
【0021】
有利には、本発明は、組立状態および保管状態の両方においてそのすべての構成要素が備え付けられているような持ち運び可能構造体1を提供する。したがって、持ち運び可能構造体を組み立てる必要はなく、伸ばして広げたり、またはコイル状に巻いて折り畳んだりする、持ち運び可能構造体を変形させる1つの作業工程のみで持ち運び可能構造体の保管状態と組立状態とを切り替えることができる。
【0022】
図2は構造体10の形態の持ち運び可能構造体1を示している。このプールは空の状態で示されているが、好適には水で満たされ得る。当然のことではあるが、基部パネル4用および側部パネル5用に選択される材料は耐久性および耐水性の両方を有する材料である。このプールは基本的に子供用に設計されている。プール10は図1に関連して説明したすべての器具を有しており、共通の特徴を示すのに同じ参照符号が使用されている。
【0023】
図3は本発明による持ち運び可能水コンテナを示している。この形態では、ここで図1に関連して説明した持ち運び可能構造体が持ち運び可能水コンテナ20として作られている。図1に関連して説明したすべての特徴が含まれることから、共通の特徴を示すのに同じ参照符号が使用されている。この持ち運び可能水コンテナ20は、前の実施形態に加えて、水21で満たされた状態で示されている。詳細には、本発明による持ち運び可能構造体1は、最大で頂部フレーム3の領域まで、大量の水を収容するのに適している。
【0024】
図4は、部分的なカバー22をさらに含む図3の実施形態を示している。カバー22にはそれ自体のフレーム23が備え付けられており、このフレーム23はカバー22の材料によって形成されるポケットの中に配置される。フレーム23は、持ち運び可能水コンテナ20のためのシェードまたはカバーを形成している材料24に対する支持体を形成している。この実施形態では、カバー22は1つの追加の器具の部分として示されている。しかしながら、一部の実施形態では、持ち運び可能水コンテナ20、または実際には本発明による任意の持ち運び可能構造体は、一体型の頂部またはカバーを有していてよい。好適には、カバー22もやはり保管のために折り畳んだりおよび/もしくはコイル状に巻いたりすることができる。
【0025】
図5は持ち運び可能構造体の別の実施形態を示しており、ここではこの構造体はボールプール30である。やはりこのボールプールも図1に関連して説明した持ち運び可能構造体に基づいており、共通の特徴を示すのに同じ参照符号が使用されている。したがって、図5は、ボールプールを作るために使用される本発明の持ち運び可能構造体を示している。具板的には、図5はコイルばね鋼6Bの少なくとも一部分を囲んでいるポケット6Aを詳細に示しており、これらは一体となってスペーサ6を形成する。このボールプールはベビーサークルまたは遊び小屋を作るために種々のボールを詰め込むことができる。
【0026】
1つまたは複数の側部すなわち側部パネル5によりこのコンテナに奥行きがもたらされる。当然のことではあるが、コンテナのこの奥行きは、想定される特定の使用の個々の要求に適合するように変更され得る。ある状況では、より奥行きのあるコンテナ、すなわち図6の実施形態に示されるような高さのある壁をもつ構造体を支持してそれに強度をもたらすために、第3の(または、その次の)弾性フレームを有することが望ましい場合もある。この実施形態では、第3の弾性フレーム3bが基部フレーム2と頂部フレーム3との間のほぼ真ん中に設けられている。第3のフレーム3bの直径は基部フレーム2の直径よりも小さく、また頂部フレーム3の直径は第3のフレーム3bの直径よりも小さいことから、持ち運び可能構造体1は切頂形となっている。持ち運び可能構造体の形状をその中心に向かって切頂形にすることにより構造体がより安定するようになり、側壁(複数可)の頂部に重みが加えられても倒れにくくなる。スペーサ部材6は基部フレーム2から頂部フレーム3まで延びている。各スペーサ部材6は単一部品の可撓性材料で形成されてよく、または、第3のフレーム3bの位置またはその付近で互いに接合される2つの部品の可撓性材料から形成されてもよい。
【0027】
図7は、持ち運び可能ベビーサークル40の形態である、本発明による持ち運び可能構造体の別の実施形態を図示している。この構造体は、図1の実施形態と同様に、基部リング2、頂部リング3、側部パネル4および基部パネル4を有する。加えて、この構造体はベビーサークルの屋根を形成するための頂部パネル4bを有しており、側部パネル5には、子供ひとりがベビーサークル41の内側に出入りできるように入口開口部41が形成されている。開口部41には、開口部41を閉めるのに使用され得るカーテン42が備え付けられている。好適には、カーテン42は側部パネル5と同じ材料で形成される。スペーサ部材6は側部パネル5の縫い付けポケットの中に配置される。このベビーサークルを組み立てたり折り畳むのは前の実施形態と同様の作業で行われる。
【0028】
好適には、持ち運び可能水コンテナ、水遊び用プール、ベビーサークル、ボールプール、またはそれらの類似物のいずれかの形態である構造体は、適切な材料の複数のセグメントから製造され得る。これらのセグメントは、それぞれのセグメントの間に防水シールを形成するように一体に溶接されてよく、あるいは他の方法で接合されてもよい。構造体の材料部品が構築された後、弾性フレーム部材および/またはスペーサが挿入されてよく、あるいは他の方法で材料に結合されてもよい。
【0029】
図8Aから8Fは前の実施形態の持ち運び可能構造体を保管する方法の概略図であり、これらは特に図1の構造体に基づいて示されている。図8Aは組立状態にある持ち運び可能構造体1を示している。図8Fは保管状態にある持ち運び可能構造体1を示している。保管/組立手順における作業の種々の状態が図8Bから8Eまでに示されている。図1から7までに説明した特徴と共通の特徴を示すのに同様の参照符号を使用している。図8Aに示した組立状態から始まり、側部パネル5が半分に折り畳まれ、側部パネル5の頂縁部7と側部パネル5の底縁部8が一体にまとめられる。この際、スペーサ6によって生じる抵抗力に逆らいながらスペーサ6を折り畳むことにより図8Bに示すような平坦な構造体9ができる。次に、図8Bの平坦な構造体9が、まず図8Cに示されるように折り畳まれ、次いで基部フレーム2および頂部フレーム3によって生じる抵抗力に逆らいながら小さなコイル状となるようにまとめられ、最終的にすべてのフレーム2,3が図8Eに示すように一体にコイル状に巻かれる。図8Eのコイル状に巻かれた持ち運び可能構造体は、次に、図8Fに示されるように、参照符号1’で示された持ち運び可能構造体の保管状態を形成するように再び平坦にされる。
【0030】
逆に、基部フレーム2および頂部フレーム3を組立状態における位置に戻す場合には、コイル状に巻かれた基部フレーム2および頂部フレーム3は、図8Fに示した保管状態から始まり、基部フレーム2および頂部フレーム3が有する戻ろうとする力の影響を受けてコイル状から展開されることによって、伸ばされなければならない。持ち運び可能構造体1’を伸ばす工程は図8Dおよび8Eに示されており、これにより最終的に図8Cに示されるような平坦な構造体9が形成される。側部パネル5の頂縁部7と底縁部8とを一体に保持しているグリップを解放することで、スペーサ6の元の状態に戻ろうとする力により側部パネル5が広がり、その結果、スペーサ6が有する蓄積された力(stored force)の影響を受けて持ち運び可能構造体1が再び組立状態となる。
【0031】
持ち運び可能構造体の1つまたは複数の側部および頂部または基部の材料を形成するのに種々の材料が使用され得ることが、当業者には理解されよう。当然のことではあるが、水を入れるための構造体の場合、この材料は耐水性を有することになる。材料は、また、通常の使用時に不用意に破れるのを防止するために耐久性と強度を有していなければならない。例として挙げた材料以外にも、必要とされる強度特性、耐久性特性および耐水性特性を有する種々の材料が選択され得る。
【0032】
持ち運び可能構造体の形状は図1に示した軸Aを基準とした断面形状によって画定される。当然のことではあるが、通常の使用時に持ち運び可能構造体の基部が床上に置かれることを意図するものである場合、この軸Aは垂直軸となる。基部の代わりに頂部が設けられる場合でも、やはりこの軸は垂直となる。また、この持ち運び可能構造体の断面は規則的または不規則的な任意の形状であってよく、いずれの場合も同様の方式で機能する。錯誤回避のために詳述するならば、詳細には、断面形状が円形である場合、持ち運び可能構造体は1つの連続する側部パネルを有すると考えられる。しかしながら、側部パネルが単一部品の材料のみで形成される必要があるというわけではない。当然のことではあるが、断面形状ごとに必要となる側部パネルの数は変わってくる。言うまでもなく、側部パネルおよび基部パネルは適切な材料からなる複数の部品によって形成されてよい。また、側部パネルおよび/または基部パネルは、透明な材料、半透明の材料および/または不透明の材料のセグメントを組み合わせることによって形成されてよい。
【0033】
別法として、本発明の水を収容ための持ち運び可能構造体は、水の密度より低い1つ材料からなる1つまたは複数の部分を含む1つまたは複数の側部を有することができる。この(これらの)1つまたは複数の部分は側部を浮かせるのを補助するために設けられるものである。詳細には、1つの材料からなる1つまたは複数の部分は、基部から離れた1つまたは複数の側部の上側縁部のところに設けられてよく、および/または、1つまたは複数の側部のそれぞれの上側縁部と下側縁部との間に離間するように設けられてもよい。1つの材料からなる1つまたは複数の部分は、構造体の1つまたは複数の側部を構造体内に収容されている水面より上に持ち上げる効果を有しており、使用時に水を入れたり出したりするときに水が流れ出るのを完全に防止するように働く。
【0034】
プール、水コンテナ、ベビーサークルおよびボールプールの形態の持ち運び可能構造体を説明してきた。これらの構造体はすべて、持ち運び構造体が1つの平面上に置かれ、かつ、基部パネルがあることにより側部パネルによって画定されるコンテナに底部が備え付けられる場合のもの、すなわち上向きのポットまたはコンテナ、として作られている。しかしながら、持ち運び可能構造体は逆さにして使用されてもよく、材料からなる基部を必要としない、頂部パネルによって形成される屋根と側部とを有するプレイハウスとなることができる。
【0035】
本発明のすべての実施形態において、保管状態と組立状態との間で行われる作業手順は単純かつ迅速なものであり、好適には、外付けの特徴を接続したりする必要がない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
保管状態と組立状態との間で変形可能な持ち運び可能構造体であって、
可撓性材料からなる基部および1つまたは複数の側部と、
前記基部と1つまたは複数の側部との接合部分に位置され、組立状態において該基部に適合する形状を形成するように可撓性材料に接続される弾性フレームと、
組立状態において、前記基部および1つまたは複数の側部の可撓性材料によって境界を画される水を入れるためのコンテナを形成するために、持ち上げる形で前記1つまたは複数の側部の可撓性材料を支持する1つまたは複数の間隔保持部材とを備え、
持ち運び可能構造体が保管状態を取ることを可能にするために、前記弾性フレームが曲げ可能であり、かつ、前記1つまたは複数の間隔保持部材が折り畳み可能となっており、保管状態においては、該弾性フレームが曲げられていること、および該間隔保持部材が折り畳まれていることの少なくとも一方により、持ち運び可能構造体を保管状態から組立状態へ移行させるためのエネルギーが形成されることを特徴とする持ち運び可能構造体。
【請求項2】
前記第1の弾性フレームから離間されるように位置されて、前記持ち運び可能構造体の1つまたは複数の側部を支持する第2の弾性フレームを有する、請求項1に記載の持ち運び可能構造体。
【請求項3】
前記第2の弾性フレームが、前記第1の弾性フレームを基準にして前記1つまたは複数の側部の遠位端のところに位置される、請求項2に記載の持ち運び可能構造体。
【請求項4】
前記第1の弾性フレームおよび他の弾性フレームの少なくとも一方から離間されるように位置されて、前記持ち運び可能構造体の1つまたは複数の側部を支持する第3の、すなわちその次の弾性フレームを有する、請求項2または3に記載の持ち運び可能構造体。
【請求項5】
前記弾性フレームが連続している、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の持ち運び可能構造体。
【請求項6】
前記弾性フレームが1つまたは複数の接続された弾性フレーム部材からなる、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の持ち運び可能構造体。
【請求項7】
前記第1、第2、第3およびその次の弾性フレームの少なくともいずれかが、曲げられたときに曲げられていない形状、すなわち直線形状に自然に戻ろうとする、ばね鋼、コイルばね鋼、螺旋状に巻かれたばね鋼、ガラス繊維、可撓性プラスチック材料、プレストレスト材料および他の任意の材料のうちの任意の1つまたは複数から作られる、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の持ち運び可能構造体。
【請求項8】
前記第1の弾性フレームが、前記可撓性材料によって形成される1つまたは複数のポケットおよびループの一方の中に設けられる、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の持ち運び可能構造体。
【請求項9】
前記第2、第3およびその次の弾性フレームの少なくともいずれかが、前記可撓性材料によって形成される1つまたは複数のポケットおよびループの一方の中に設けられる、請求項2乃至8のいずれか1項に記載の持ち運び可能構造体。
【請求項10】
前記ポケットのそれぞれが連続しており、前記弾性フレームの少なくとも1つを囲んでいる、請求項8または9に記載の持ち運び可能構造体。
【請求項11】
前記持ち運び可能構造体の垂直軸に対する断面が円形、三角形、正方形および多角形のいずれかである、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の持ち運び可能構造体。
【請求項12】
前記弾性フレームの少なくとも1つが、断面形状が円形、三角形、正方形および多角形のいずれかとなるように成形される、請求項11に記載の持ち運び可能構造体。
【請求項13】
垂直軸を基準にした、前記持ち運び可能構造体の直径、有効径、すなわち断面を横断する最も長い距離が、前記第1の弾性フレームから第2およびその次の弾性フレームに向かって減少していき、切頂形の持ち運び可能構造体が形成される、請求項1乃至12のいずれか1項に記載の持ち運び可能構造体。
【請求項14】
少なくとも2つの間隔保持部材を有する、請求項1乃至13のいずれか1項に記載の持ち運び可能構造体。
【請求項15】
前記間隔保持部材が対蹠関係にある、請求項14に記載の持ち運び可能構造体。
【請求項16】
等間隔に配置される4つの間隔保持部材を有する、請求項1乃至15のいずれか1項に記載の持ち運び可能構造体。
【請求項17】
前記1つまたは複数の間隔保持部材が、前記持ち運び可能構造体の側部材料に動作可能に接続される、請求項1乃至16のいずれか1項に記載の持ち運び可能構造体。
【請求項18】
前記1つまたは複数の離間手段が前記可撓性材料によって形成される1つまたは複数のポケットの中に設けられる、請求項17に記載の持ち運び可能構造体。
【請求項19】
前記1つまたは複数の間隔保持部材が、曲げられたときに曲げられていない形状、すなわち直線形状に自然に戻ろうとする、ばね鋼、コイルばね鋼、螺旋状に巻かれたばね鋼、ガラス繊維、可撓性プラスチック材料、プレストレスト材料および他の任意の材料のうちの任意の1つまたは複数から作られる、請求項1乃至18のいずれか1項に記載の持ち運び可能構造体。
【請求項20】
前記可撓性材料が、織物、プラスチック材料、ポリ塩化ビニル(PVC)およびポリエチレン(PE)の少なくとも一方、および他の適当な材料のうちの1つまたは複数によって形成される、請求項1乃至19のいずれか1項に記載の持ち運び可能構造体。
【請求項21】
前記材料が耐久性および耐水性を有する、請求項20に記載の持ち運び可能構造体。
【請求項22】
前記持ち運び可能構造体が、汎用の水コンテナ、水遊び用プール、ベビーサークルおよびボールプールのいずれかの形態の持ち運び可能構造体を形成する、請求項1乃至21のいずれか1項に記載の持ち運び可能構造体。
【請求項23】
前記持ち運び可能構造体が、基部および1つまたは複数の側部を有する場合に、該持ち運び可能構造体を部分的または全体的に覆う頂部をさらに有する、請求項1乃至22のいずれか1項に記載の持ち運び可能構造体。
【請求項24】
前記頂部が着脱可能であり、前記基部および1つまたは複数の側部に対して分離している、請求項23に記載の持ち運び可能構造体。
【請求項25】
前記着脱可能な頂部が、組立状態と保管状態との間で変形可能であるフレームを有する、請求項24に記載の持ち運び可能構造体。
【請求項26】
前記頂部が前記基部および1つまたは複数の側部と一体である、請求項23に記載の持ち運び可能構造体。
【請求項27】
前記頂部が、前記持ち運び可能構造体を日光から遮るために設けられたシェードである、請求項23乃至26のいずれか1項に記載の持ち運び可能構造体。
【請求項28】
前記1つまたは複数の側部が、前記持ち運び可能構造体の内側に人ひとりが出入りすることができる1つまたは複数の開口部を有する、請求項1乃至27のいずれか1項に記載の持ち運び可能構造体。
【請求項29】
前記持ち運び可能構造体が、組立状態と保管状態との両方においてそのすべての構成要素が備え付けられるように構成される、請求項1乃至28のいずれか1項に記載の持ち運び可能構造体。
【請求項30】
前記持ち運び可能構造体が、構成要素を取り付けられたり取り外されたりすることなく組立状態および保管状態になることができる一体型の持ち運び可能構造体を形成するように構成される、請求項1乃至29のいずれか1項に記載の持ち運び可能構造体。
【請求項31】
前記1つまたは複数の側部が、水の密度より低い材料からなる1つまたは複数の部分を有する、請求項1乃至30のいずれか1項に記載の持ち運び可能構造体。
【請求項32】
前記材料からなる1つまたは複数の部分が、前記基部から離れて前記1つまたは複数の側部の上側縁部のところに設けられる、請求項31に記載の持ち運び可能構造体。
【請求項33】
前記材料からなる1つまたは複数の部分が、前記1つまたは複数の側部のそれぞれの上側縁部と下側縁部との間に離間するように設けられる、請求項31または32に記載の持ち運び可能構造体。
【請求項34】
請求項1乃至33のいずれか1項に記載の持ち運び可能構造体を保管する方法であって、
組立状態にある前記持ち運び可能構造体を用意する工程と、
前記側部の頂部と側部の底部を1つにまとめるために前記1つまたは複数の側部を半分に折り畳む工程であって、前記1つまたは複数の間隔保持部材によって生じる抵抗力に逆らいながら、前記1つまたは複数の間隔保持部材を折り畳むことにより平坦な構造体を形成する工程と、
最初に折り畳むことにより、前記弾性フレームによって生じる抵抗力に逆らいながら、前記弾性フレームをコイル状に巻きまたは曲げ、次いで、すべての前記フレームが一体にまとまるまで前記弾性フレームを小さなコイル状または曲げられた状態となるようにまとめる工程と、
それによって前記持ち運び可能構造体を保管状態にする工程とからなる方法。
【請求項35】
請求項1乃至33のいずれか1項に記載の持ち運び可能構造体を組み立てる方法であって、
保管状態にある前記持ち運び可能構造体を用意する工程と、
前記弾性フレームが有する戻ろうとする力の影響を受けて、コイル状または曲げられた状態から展開することにより前記弾性フレームを伸ばす工程と、
前記1つまたは複数の間隔保持部材が有する戻ろうとする力の影響を受けて、前記1つまたは複数の側部を広げて前記側部の頂部と前記側部の底部とを離間させる工程と、
その結果として前記持ち運び可能構造体を組立状態にする工程とからなる方法。
【請求項36】
前記弾性フレームが少なくとも2回巻かれることによりコイル状となる/一体にまとめられる、請求項34または35に記載の方法。
【請求項1】
保管状態と組立状態との間で変形可能な持ち運び可能構造体であって、
可撓性材料からなる基部および1つまたは複数の側部と、
前記基部と1つまたは複数の側部との接合部分に位置され、組立状態において該基部に適合する形状を形成するように可撓性材料に接続される弾性フレームと、
組立状態において、前記基部および1つまたは複数の側部の可撓性材料によって境界を画される水を入れるためのコンテナを形成するために、持ち上げる形で前記1つまたは複数の側部の可撓性材料を支持する1つまたは複数の間隔保持部材とを備え、
持ち運び可能構造体が保管状態を取ることを可能にするために、前記弾性フレームが曲げ可能であり、かつ、前記1つまたは複数の間隔保持部材が折り畳み可能となっており、保管状態においては、該弾性フレームが曲げられていること、および該間隔保持部材が折り畳まれていることの少なくとも一方により、持ち運び可能構造体を保管状態から組立状態へ移行させるためのエネルギーが形成されることを特徴とする持ち運び可能構造体。
【請求項2】
前記第1の弾性フレームから離間されるように位置されて、前記持ち運び可能構造体の1つまたは複数の側部を支持する第2の弾性フレームを有する、請求項1に記載の持ち運び可能構造体。
【請求項3】
前記第2の弾性フレームが、前記第1の弾性フレームを基準にして前記1つまたは複数の側部の遠位端のところに位置される、請求項2に記載の持ち運び可能構造体。
【請求項4】
前記第1の弾性フレームおよび他の弾性フレームの少なくとも一方から離間されるように位置されて、前記持ち運び可能構造体の1つまたは複数の側部を支持する第3の、すなわちその次の弾性フレームを有する、請求項2または3に記載の持ち運び可能構造体。
【請求項5】
前記弾性フレームが連続している、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の持ち運び可能構造体。
【請求項6】
前記弾性フレームが1つまたは複数の接続された弾性フレーム部材からなる、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の持ち運び可能構造体。
【請求項7】
前記第1、第2、第3およびその次の弾性フレームの少なくともいずれかが、曲げられたときに曲げられていない形状、すなわち直線形状に自然に戻ろうとする、ばね鋼、コイルばね鋼、螺旋状に巻かれたばね鋼、ガラス繊維、可撓性プラスチック材料、プレストレスト材料および他の任意の材料のうちの任意の1つまたは複数から作られる、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の持ち運び可能構造体。
【請求項8】
前記第1の弾性フレームが、前記可撓性材料によって形成される1つまたは複数のポケットおよびループの一方の中に設けられる、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の持ち運び可能構造体。
【請求項9】
前記第2、第3およびその次の弾性フレームの少なくともいずれかが、前記可撓性材料によって形成される1つまたは複数のポケットおよびループの一方の中に設けられる、請求項2乃至8のいずれか1項に記載の持ち運び可能構造体。
【請求項10】
前記ポケットのそれぞれが連続しており、前記弾性フレームの少なくとも1つを囲んでいる、請求項8または9に記載の持ち運び可能構造体。
【請求項11】
前記持ち運び可能構造体の垂直軸に対する断面が円形、三角形、正方形および多角形のいずれかである、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の持ち運び可能構造体。
【請求項12】
前記弾性フレームの少なくとも1つが、断面形状が円形、三角形、正方形および多角形のいずれかとなるように成形される、請求項11に記載の持ち運び可能構造体。
【請求項13】
垂直軸を基準にした、前記持ち運び可能構造体の直径、有効径、すなわち断面を横断する最も長い距離が、前記第1の弾性フレームから第2およびその次の弾性フレームに向かって減少していき、切頂形の持ち運び可能構造体が形成される、請求項1乃至12のいずれか1項に記載の持ち運び可能構造体。
【請求項14】
少なくとも2つの間隔保持部材を有する、請求項1乃至13のいずれか1項に記載の持ち運び可能構造体。
【請求項15】
前記間隔保持部材が対蹠関係にある、請求項14に記載の持ち運び可能構造体。
【請求項16】
等間隔に配置される4つの間隔保持部材を有する、請求項1乃至15のいずれか1項に記載の持ち運び可能構造体。
【請求項17】
前記1つまたは複数の間隔保持部材が、前記持ち運び可能構造体の側部材料に動作可能に接続される、請求項1乃至16のいずれか1項に記載の持ち運び可能構造体。
【請求項18】
前記1つまたは複数の離間手段が前記可撓性材料によって形成される1つまたは複数のポケットの中に設けられる、請求項17に記載の持ち運び可能構造体。
【請求項19】
前記1つまたは複数の間隔保持部材が、曲げられたときに曲げられていない形状、すなわち直線形状に自然に戻ろうとする、ばね鋼、コイルばね鋼、螺旋状に巻かれたばね鋼、ガラス繊維、可撓性プラスチック材料、プレストレスト材料および他の任意の材料のうちの任意の1つまたは複数から作られる、請求項1乃至18のいずれか1項に記載の持ち運び可能構造体。
【請求項20】
前記可撓性材料が、織物、プラスチック材料、ポリ塩化ビニル(PVC)およびポリエチレン(PE)の少なくとも一方、および他の適当な材料のうちの1つまたは複数によって形成される、請求項1乃至19のいずれか1項に記載の持ち運び可能構造体。
【請求項21】
前記材料が耐久性および耐水性を有する、請求項20に記載の持ち運び可能構造体。
【請求項22】
前記持ち運び可能構造体が、汎用の水コンテナ、水遊び用プール、ベビーサークルおよびボールプールのいずれかの形態の持ち運び可能構造体を形成する、請求項1乃至21のいずれか1項に記載の持ち運び可能構造体。
【請求項23】
前記持ち運び可能構造体が、基部および1つまたは複数の側部を有する場合に、該持ち運び可能構造体を部分的または全体的に覆う頂部をさらに有する、請求項1乃至22のいずれか1項に記載の持ち運び可能構造体。
【請求項24】
前記頂部が着脱可能であり、前記基部および1つまたは複数の側部に対して分離している、請求項23に記載の持ち運び可能構造体。
【請求項25】
前記着脱可能な頂部が、組立状態と保管状態との間で変形可能であるフレームを有する、請求項24に記載の持ち運び可能構造体。
【請求項26】
前記頂部が前記基部および1つまたは複数の側部と一体である、請求項23に記載の持ち運び可能構造体。
【請求項27】
前記頂部が、前記持ち運び可能構造体を日光から遮るために設けられたシェードである、請求項23乃至26のいずれか1項に記載の持ち運び可能構造体。
【請求項28】
前記1つまたは複数の側部が、前記持ち運び可能構造体の内側に人ひとりが出入りすることができる1つまたは複数の開口部を有する、請求項1乃至27のいずれか1項に記載の持ち運び可能構造体。
【請求項29】
前記持ち運び可能構造体が、組立状態と保管状態との両方においてそのすべての構成要素が備え付けられるように構成される、請求項1乃至28のいずれか1項に記載の持ち運び可能構造体。
【請求項30】
前記持ち運び可能構造体が、構成要素を取り付けられたり取り外されたりすることなく組立状態および保管状態になることができる一体型の持ち運び可能構造体を形成するように構成される、請求項1乃至29のいずれか1項に記載の持ち運び可能構造体。
【請求項31】
前記1つまたは複数の側部が、水の密度より低い材料からなる1つまたは複数の部分を有する、請求項1乃至30のいずれか1項に記載の持ち運び可能構造体。
【請求項32】
前記材料からなる1つまたは複数の部分が、前記基部から離れて前記1つまたは複数の側部の上側縁部のところに設けられる、請求項31に記載の持ち運び可能構造体。
【請求項33】
前記材料からなる1つまたは複数の部分が、前記1つまたは複数の側部のそれぞれの上側縁部と下側縁部との間に離間するように設けられる、請求項31または32に記載の持ち運び可能構造体。
【請求項34】
請求項1乃至33のいずれか1項に記載の持ち運び可能構造体を保管する方法であって、
組立状態にある前記持ち運び可能構造体を用意する工程と、
前記側部の頂部と側部の底部を1つにまとめるために前記1つまたは複数の側部を半分に折り畳む工程であって、前記1つまたは複数の間隔保持部材によって生じる抵抗力に逆らいながら、前記1つまたは複数の間隔保持部材を折り畳むことにより平坦な構造体を形成する工程と、
最初に折り畳むことにより、前記弾性フレームによって生じる抵抗力に逆らいながら、前記弾性フレームをコイル状に巻きまたは曲げ、次いで、すべての前記フレームが一体にまとまるまで前記弾性フレームを小さなコイル状または曲げられた状態となるようにまとめる工程と、
それによって前記持ち運び可能構造体を保管状態にする工程とからなる方法。
【請求項35】
請求項1乃至33のいずれか1項に記載の持ち運び可能構造体を組み立てる方法であって、
保管状態にある前記持ち運び可能構造体を用意する工程と、
前記弾性フレームが有する戻ろうとする力の影響を受けて、コイル状または曲げられた状態から展開することにより前記弾性フレームを伸ばす工程と、
前記1つまたは複数の間隔保持部材が有する戻ろうとする力の影響を受けて、前記1つまたは複数の側部を広げて前記側部の頂部と前記側部の底部とを離間させる工程と、
その結果として前記持ち運び可能構造体を組立状態にする工程とからなる方法。
【請求項36】
前記弾性フレームが少なくとも2回巻かれることによりコイル状となる/一体にまとめられる、請求項34または35に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図8E】
【図8F】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図8E】
【図8F】
【公表番号】特表2011−510876(P2011−510876A)
【公表日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−544802(P2010−544802)
【出願日】平成21年1月23日(2009.1.23)
【国際出願番号】PCT/IB2009/000109
【国際公開番号】WO2009/095757
【国際公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【出願人】(510200657)プライム オナー ディベロップメント リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】PRIME HONOUR DEVELOPMENT LIMITED
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月23日(2009.1.23)
【国際出願番号】PCT/IB2009/000109
【国際公開番号】WO2009/095757
【国際公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【出願人】(510200657)プライム オナー ディベロップメント リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】PRIME HONOUR DEVELOPMENT LIMITED
【Fターム(参考)】
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