説明

持続性放出マルチ微粒子状経口医薬形態

アルコール溶液中での活性成分の放出改変を維持することが可能であり、乱用の試みを防止することが可能である、放出改変マルチ微粒子状医薬形態である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、経口投与を目的とする、医薬活性成分(AP)の放出改変(modified-release)医薬形態であって、少なくとも1種類のAPを含有し、アルコール溶液中でAPの放出改変を維持することが可能である、すなわち、アルコールの存在下で急速過量放出(rapid dose dumping)を受けない医薬形態のものである;さらに、それらは乱用防止手段(anti-misuse means)を含有する。
【0002】
考慮されるAPは医薬および/または獣医学的AP、例えば、麻酔剤、鎮痛剤または麻薬のカテゴリーに分類されるものである。これらのAPの乱用は薬物中毒関連挙動を生じ得る。
【0003】
本発明は、より特定すると、上記段落において目的とされるタイプの医薬形態であって、複数のリザーバ微粒子を含むものに関する。本発明は、さらにより特定すると、投与中にアルコールを消費しないように助言される医薬形態に関する。
【0004】
本発明が目指す目的は、それらを乱用しようとする試みを防止するように設計されたマルチ微粒子状(multimicroparticulate)医薬形態の改善であって、その改善は患者が大容量のアルコール溶液の存在下で急速過量放出を受けることを阻止することからなる。
【0005】
本発明は上述の医薬形態の調製方法にも関する。
【背景技術】
【0006】
薬物を投与するための放出改変医薬形態の利点は周知である。それらは、特には、治療上の要求が満たされることがより完全に保証されることを可能にするが、それはAPの有用な血漿濃度を即時放出形態の場合よりも長期間維持することができるためである。さらに、それらはAPの血漿濃度のピークの高さおよび数を制限することを可能とし、これは薬物の毒性を低下させ、および/またはそれらの副作用を減少させる。放出改変医薬形態の利点は、これに関連して、狭い治療ウィンドウを有する活性成分で特に顕著である。さらに、これらの系は、それらの作用の持続期間の増加のため、1日の摂取回数を制限することを可能とし、これは患者に対する拘束を減少させ、治療のコンプライアンスを改善する。
【0007】
従って、薬物の作用を長期化するための系が求められ、この目的に関する参考文献は多数存在する。これに関しては、Buri、Puisieux、DoelkerおよびBenoitによる研究、Formes Pharmaceutiques Nouvelles [Novel Pharmaceutical Forms], Lavoisier 1985, p. 175-227が参考になる。
【0008】
しかしながら、放出改変(またはMR)医薬形態の投与と平行してのアルコールの消費は、加速され、潜在的に危険なAPの放出を患者において導き得るものと思われる。アヘン系鎮痛剤のようなAPでは、高用量のAPの急速すぎる放出に続く副作用および付随するアルコールの消費が深刻な結果を導き、それは、時折、患者の生命予後を危険な状態にし得る。
【0009】
従って、放出改変形態は、理想的には、アルコール溶液中でのAPの偶発的な加速放出を阻止することができなければならない。
【0010】
さらに、放出改変形態は、現実的な公衆衛生の問題を引き起こす、特定の活性成分、例えば、アヘン剤の意図的な乱用を阻止することができなければならない。
【0011】
意図的な乱用は、主として、薬物中毒および薬物依存の場合に直面する。これら2つの場合、経口固形薬物を乱用する意図を有する個人は、一般には、急速に作用する生成物を得るため、放出改変形態からのAPの抽出にそれら自体を適用する。
【0012】
MR医薬形態は以下の意図的な乱用の3つの方法を妨げなければならない。
1.即時放出粉末として予め配合された形態の吸入または経口投与。
2.MR形態から抽出されたAPを含有する、小容量の液体の非経口注射。
3.溶解された形態のAPを含有する飲料の経口投与。
【0013】
2)および3)の場合では、固形経口薬物からの液体形態の製造は、一般には、目的とするAPの、水相または有機相での、抽出からなる工程を含む。この抽出には、一般には、粉砕が先行する。
【0014】
1)吸入による、または2)注射による投与方法は、それらがAPの効果を強調し、体内におけるその急速な吸収を促進することを可能にする方法であるため、薬物中毒者に特に適するものである。粉砕によって得られる粉末は鼻を介して吸引し、または水に溶解して注射するとき、APの望ましい効果、薬物を摂取した感覚または陶酔感が非常に急速に、激化された様式で現れる。
【0015】
方法3)も特に深刻な乱用を構成し、これは若年層に影響を及ぼし、鎮痛性AP、特には、モルヒネおよびアヘン誘導体に関する。非常にアルコール度数の高い飲料およびアヘン鎮痛剤、特には、オキシコドンを用いて、僅かな操作で、アヘン鎮痛剤を抽出することが可能であり、次にそれを薬物中毒者が吸収することができる。
【0016】
固形経口薬物の乱用は、処方箋に従って迅速に嚥下する代わりに、薬物を噛んだ後に嚥下し、従って、胃内での緩徐崩壊の工程を迂回し、過量放出につながる場合にも観察することができる。
【0017】
従って、APの吸収を長期化および/または遅延させることを可能とする放出プロフィールに加えて、MR放出形態はAPの意図的または非意図的な乱用を阻止することを可能としなければならない。特には、MR形態は以下の4つの必須特性を同時に有さなければならない。
a)例えば、偶発的に薬物をアルコール飲料と共に吸収した患者において生じ得るような、アルコール溶液中でのAPの加速放出を生じてはならず;
b)例えば、APの吸収を阻止するため、即時放出粉末の形態に粉砕することが困難でなければならず;
c)小容量の液体中に抽出することが困難であり、従って、APの非経口注射が阻止されなければならず;
d)アルコールであるかないかにかかわらず、飲料中でのAPの大規模可溶化につながることがなく、従って、長期の接触時間の後でさえ、APのIR形態での経口投与が阻止されなければならない。
【0018】
特には意図的または非意図的な乱用から生じ得る、アルコールの存在下での大規模な過量放出を回避するため、未公開出願FR0650566は、アルコールの存在下での偶発的過量放出を阻止(resist)することが可能であり、特には、持続性放出医薬形態を大用量のアルコールと同時に摂取した患者におけるインビボでのこの過量放出によって生じる事故に直面する保健専門家の先入観に応答するための、マルチ微粒子状医薬形態を記載する。これらの放出改変形態は、大容量のアルコール溶液(50〜900ml)中でさえAPの放出改変を維持する特性を有する。しかしながら、これらの形態は、特には、おそらくは液体媒体中での抽出が続く、乾燥形態の粉砕によって、それらを乱用しようとする試みを防止するようには設計されていない。
【0019】
出願FR0650566の教示は、それが上述の問題a)に対する最初の解決法を提示するため、相当の進歩を構成する。しかしながら、それは問題b)、c)およびd)に対するいかなる解決法をも提示していない。
【0020】
未公開出願FR0553437は、乱用、特には、意図的乱用を防止するように設計されたマルチ微粒子状医薬形態を記載する。経口薬物の乱用のこれらの不正形態は様々な工程(粉砕、抽出)を含み、該出願は乱用防止手段を含む制御放出性経口形態を記載する。
APの被覆微粒子は粉砕に対する耐性を付与するコーティング層を含み;
加えて、本出願の医薬形態は、液体媒体中でのAPの抽出を不可能ではないにしても非常に困難にする、粘性剤を含有し;
最後に、それらは失活剤を場合により、含有する。
【0021】
これらの形態は小容量(例えば、2.5ml)の水性またはアルコール媒体中での抽出に対する耐性を示す。しかしながら、これらの形態は大容量のアルコール媒体の存在下で生じ得る過量放出を阻止するには適していない。
【0022】
従って、この発明は、上で想起される4つの条件a)、b)、c)およびd)を同時に満たすことを可能にする技術的解決法を提示してはいない。
【0023】
この背景において、第1にアルコール溶液中でのAPの放出改変を維持することが可能であり(非意図的または偶発的乱用)、第2に、意図的な乱用の試みを防止することが可能である、APを経口投与するための放出改変マルチ微粒子状医薬形態に対する必要性が存在することに注意しなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
本発明の目的の1つは、上で想起される仕様を満たす新規経口固形薬物を提供することである。
【0025】
本発明の別の目的は、アルコール溶液中でのAPの放出の著しい加速を生じることがなく、APの乱用を非常に困難にするか、または不可能にさえする手段を有する、新規経口固形薬物を提供することである。
【0026】
本発明の別の目的は、アルコール溶液中でのAPの放出の著しい加速を生じることがない新規経口固形薬物であって、粉砕によるか、または小容量の溶媒中でのAPの抽出後の、その乱用が困難であるか、または不可能にさえなる新規経口固形薬物を提供することである。
【0027】
本発明の別の目的は、以下の特徴を有する新規経口固形薬物を提供することである。
正常な投与条件の下で、これらの経口固形薬物は、例えば12または24時間、治療効果を有し;
APの不正抽出のあらゆる試みが非即時放出形態または、その薬物の摂取の後、血流へのAPの急速吸収が不可能であるような程度まで、使用が困難である抽出生成物を生じる。
【0028】
本発明の別の目的は、含有されるAPの特性の不正乱用を阻止することを可能とし、治療上の背景の外側での経口、経鼻および/または注射(静脈内、皮下、筋肉内等)による投与を困難にする新規経口固形薬物を提供することである。
【0029】
本発明の別の目的は、正常に経過観察される患者に対しては該個人の必要性に従って治療の品質、特には、用量を同時に保証しながら、乱用を阻止することを可能とする新規経口固形薬物を提供することである。
【0030】
本発明の別の目的は、アルコールの存在下での即時AP過量放出を阻止(resist)し、乱用防止手段を含む、経口固形薬物を製造するための方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0031】
定義
本発明の開示の目的上、
放出改変形態またはMR形態は同義であり、以下が含まれる。
リザーバ系、すなわち、APの放出がAPを取り巻くコーティングによって制御される系;
マトリックス、例えば、ポリマー系マトリックス中に緊密に分散されているAPが拡散および/または浸食によって放出される、マトリックス系;
「活性成分」および略語「AP」は単一の活性成分またはいくつかの活性成分の混合物の両者を表す。APは遊離形態であっても、塩、エステル、水和物、溶媒和物、多形、異性体の形態または他の医薬的に許容し得る形態であってもよい;
摂取されるアルコールは様々なアルコール飲料に由来するものであっても、飲料、例えば、ビール、ワイン、カクテル、スピリットに由来するものであっても、それらの混合液に由来するものであってもよい;
インビトロで、「アルコール」という用語は、他に指定されない限り、エタノールを表し、「アルコール溶液」または「アルコール媒体」という用語はエタノールの水溶液を表す;
「リザーバ微粒子」は、APを含み、APの放出改変を可能にする少なくとも1種類のコーティングで個別に被覆微粒子を示す;
「APの微粒子」は、区別することなしに、リザーバ微粒子および/または、必ずしも被覆されているとは限らない、APを含む微粒子を示す;
「粘性剤の微粒子」は、APは除外して、少なくとも1種類の粘性剤、場合により、他の賦形剤を含む微粒子を示す;
「失活剤」は、APと相互作用してそれを非活性化することができる、錯化剤、非活性化または不活性化剤、キレート剤、沈殿剤、あるいはスカベンジャーを示す;
「失活剤の微粒子」は、APは除外して、少なくとも1種類の失活剤、場合により、他の賦形剤を含む微粒子を示す;
「微粒子」は、区別することなしに、単独で採取された、または混合物としての、リザーバ微粒子、非被覆APの微粒子、APの微粒子、粘性剤の微粒子および失活剤の微粒子を示す;
インビトロ溶解プロフィールは、従来用いられる溶解媒体が記載される、欧州薬局方(第5版、§2.9.3)の指示に従って実現する。大量のアルコールを吸収している個体の胃の媒体を模倣するため、エタノール(10体積%〜40体積%に十分な量)を添加することによって溶解媒体を改変する;
「放出改変」という用語は、インビトロでのAPの放出が、0.75時間を上回り、好ましくは1時間を上回り、より優先的には1.5時間を上回る期間にAPの75%が放出されるようなものであることを意味する。放出改変医薬形態は、例えば、即時放出相および持続放出相を含み得る。放出改変は、特には、持続性および/または遅延放出であり得る。放出改変医薬形態はこの分野において周知である;例えば、Remington: The science and practice of pharmacy, 19th edition, Mack publishing Co., Pennsylvania, USAを参照;
「即時放出」は、放出が放出改変型のものではないことを意味し、形態による、比較的短期間でのAPの大部分の放出を示す。APの少なくとも75%が0.75時間、好ましくは、30分で放出される;
2つの溶解プロフィール間の類似性は、CPMP/QWP/604/96(添付文書3)で参照される文献である、欧州医薬品評価機関の文献「放出改変製品の品質」(document 「Quality of modified-release products」 of the European Agency for the evaluation of medicinal products)において定義される類似性因子(similarity factor)f2によって評価する。50〜100のf2値はその2つの溶解プロフィールが類似することを示す;
「凝塊」または「顆粒」は、薬剤Dによって互いに結合する複数の微粒子を含み、場合により、他の賦形剤を含む構造に関し、それらの凝塊または顆粒の直径は、好ましくは、8000μm未満である;
本発明によるマルチ微粒子状経口医薬形態は多数の微粒子からなり、それらのサイズは1ミリメートル未満である。本開示が関わる微粒子の直径は、他に指示されない限り、体積での直径を意味する。これらのマルチ微粒子状形態は、許容し得る医薬形態、例えば、錠剤、ゼラチンカプセル、サシェイ、元に戻される懸濁液のいずれかでも提供することができ、当業者によってそのいずれかに適合させることができる;
「単位形態」という用語は、1用量のAPを含有し、例えば、錠剤、ゼラチンカプセル、サシェイ、元に戻される懸濁液の形態であり得る、医薬形態を意味することが意図される;
「過量放出」または「急速過量放出」という用語は、経口摂取された後のAPの用量の、即時の、または著しく加速された、望ましくない放出を意味することが意図される。
【0032】
発明の簡単な説明
彼らが彼ら自身に課した目標に到達するため、本発明者らは上に列挙される様々な問題に対する解決法を見出し、それらを単一形態に同時に適用しているが、乱用の主要方法に対抗するためには、医薬形態は粉砕が困難でなければならず、そのAPは様々な溶媒中および様々な体積で抽出が困難でなければならないためである。
【0033】
本発明による医薬形態は無害で経済的な物理化学的手段を用いる(これらは、様々な薬局方および登録当局によって賦形剤として認可される、薬理学的に中立の化合物である)。
【0034】
本発明の目的の1つは、大容量のアルコール中に置かれたときに過量放出を阻止する能力を有する新規マルチ微粒子状形態を提供することである;さらに、この形態は、意図的な乱用(粉砕、注射のための抽出)の試みを防止することができる。アルコール誘導過量放出に対するMR医薬形態の耐性を測定するために選択された手法は、エタノールを溶解媒体中に、例えば、10%または40%(v/v)の濃度で導入することによる、MR医薬形態の溶解に対する従来の試験の改変からなる。最終体積の規模のオーダーは50〜900mlである。特定の数のMR医薬形態では、該形態のアルコール飲料との同時投与がAPの放出の望ましくない加速を導くことが観察された。
【0035】
望ましい医薬形態のプロフィールは仕様に適合していなければならず、微粒子のコーティングに依存する。この投与においては、望ましくないタイプの挙動、例えば、
制御不能である溶解プロフィール、特には、プロフィールが微粒子のコーティングによってはもはや完全に制御できない;
APの微粒子の抗粉砕特性の喪失;
アルコールの存在下での過量放出、
で終わることを回避する必要がある。
【0036】
賦形剤、それらの割合およびそれらの使用方法の賢明な選択により、本願の仕様に可能である上に相当する配合物を得られることが発見されているのは本出願人の功績である。
【0037】
換言すると、本発明者らは、異なる性質の賦形剤によって付与される特性の折り合いをつけることができ、これらの賦形剤(コーティング賦形剤、粘性改変賦形剤、失活性賦形剤等)の各々の性質、それらの位置(微粒子中、結合剤中、顆粒中等)およびそれらの含有率の賢明な選択により、初期仕様に相当する配合物を得るためのものである。
【0038】
より具体的には、本発明は、リザーバ型の微粒子を含む経口医薬形態であって、少なくとも1種類のAPの放出が改変され、アルコールの存在下で過量放出を受けることがなく、すなわち、特には大容量の、アルコールの存在下での即時AP過量放出を阻止し、加えて、その組成物および構造がこの形態が含有するAPの乱用の阻止を、特には乱用防止手段により、可能とする経口医薬形態を指向する。特には、乱用防止手段は少なくとも1つの抗粉砕手段を含む。
【0039】
本発明によるこの医薬形態において、
アルコールの存在下でのAP過量放出を阻止する手段は医薬的に許容し得る化合物である少なくとも1種類の薬剤Dを含み、その水和または溶媒和の速度あるいは水和または溶媒和する能力はアルコールを含まない水性媒体中でアルコール溶液中よりも大きく;および
APの少なくとも一部は、APの放出改変を確実なものとし、同時に、APの被覆微粒子に対して、乱用を阻止するため、粉砕に対する耐性を付与する、コーティング層Rを含む被覆微粒子中に含有され;
場合により、少なくとも1種類の粘性剤V;
場合により、少なくとも1種類の失活剤Q。
【0040】
特には、本発明による経口医薬形態で、APの50%の放出の時間は、アルコール溶液中で、アルコールを含まない水性媒体中で測定されるAPの50%の放出の時間と比較して、3倍を上回って減少することはない。
【0041】
本発明は、粉砕およびアルコール抽出による乱用を防止する経口固形医薬形態を得るための方法をも指向する。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】実施例3において調製される微粒子の溶解である。 ■:原型 □:粉砕
【図2】実施例4において調製されるゼラチンカプセルの溶解である。 □:40% EtOH中 ■:0.1N HCl中
【図3】実施例6において調製される錠剤の溶解である。 □:40% EtOH中 ■:0.1N HCl中
【図4】実施例8において調製される錠剤の溶解である。 ■:0.1N HCl中 △:0.1N HCl/EtOH(90/10 v/v)中
【図5】実施例9において調製される錠剤の溶解である。 ■:0.1N HCl中 △:0.1N HCl/EtOH(90/10 v/v)中
【図6】実施例10において調製される錠剤の溶解である。 ■:0.1N HCl中 □:0.1N HCl/EtOH(60/40 v/v)中
【図7】実施例12において調製される錠剤の溶解である。 ▲:0.1N HCl中 □:0.1N HCl/EtOH(80/20 v/v)中 EtOHはエタノールを示す。
【発明を実施するための形態】
【0043】
本発明による経口医薬形態は乱用防止特性を有する;それはリザーバ型の微粒子を含み、水性溶解媒体およびアルコール溶液の両者におけるAPの放出改変を可能にする。
【0044】
APの被覆微粒子
APの放出改変被覆微粒子は、当業者に公知の技術に従って被着される少なくとも1つのコーティング(例えば、少なくとも1種類のポリマーを含む)で各々被覆されている微粒子である。これに関しては、既に言及されている参考文献Buri, et al.: Formes Pharmaceutiques Nouvelles, Lavoisier 1985, p. 175-227が、例えば参考になる。
【0045】
本発明による医薬形態はマルチ微粒子である;それは、特に、コーティングで被覆またはフィルムコートされたAPを含むコアを有するリザーバ微粒子を含む。このAPコア、または、APの微粒子は、
微粉形態の粗製(純粋)AP、および/または
様々な他の成分と混合されたAPのマトリックス顆粒、および/または
APを含有する少なくとも1つの層で被覆された、例えばセルロースまたは糖の、中性支持体のような支持された顆粒、
であり得る。
【0046】
マトリックス顆粒の場合、マトリックスはAP、場合により、他の医薬的に許容し得る賦形剤、例えば、結合剤、表面活性剤、崩壊剤、充填剤またはpH制御剤または調節剤(緩衝剤)を含有する。
【0047】
支持された顆粒の場合、APを含有する層は、場合により、他の医薬的に許容し得る賦形剤、例えば、結合剤、表面活性剤、崩壊剤、充填剤またはpH制御剤もしく調節剤(緩衝剤)を含有する。中性支持体はスクロースおよび/またはサッカロースおよび/またはデキストロースおよび/またはラクトースおよび/またはスクロース/デンプン混合物で構成されるものであり得る。中性支持体はセルロース小球体または医薬的に許容し得る賦形剤のあらゆる他の粒子であってもよい。中性支持体の非限定的な例として、キサンタンガム、グアールガム、リン酸カルシウムまたは炭酸カルシウムの粒子を挙げることができる。
【0048】
有利には、中性支持体は1〜800μm、好ましくは、20〜500μmの平均直径を有する。
【0049】
APの微粒子のコーティング
有利には、APの被覆微粒子は少なくとも1つのコーティング層R、さらに良好には、単一のコーティング層Rを含み、それはAPの放出改変を確実なものとし、同時に、乱用を阻止するため、粉砕に対する耐性を被覆微粒子に付与する。
【0050】
さらにより優先的には、コーティング層Rは、粉砕される場合、APの放出改変がなされた被覆微粒子の少なくとも一部について非即時(すなわち、改変された)放出を維持することを可能とするような方法で設計される。
【0051】
ここで想定される粉砕は、例えば、乱用の犯行者が通常用いる技術に従って行われるあらゆる粉砕、すなわち、特には、乳棒/乳鉢、コーヒーグラインダー、2本のスプーンの間での粉砕、噛む/囓る等であり得る。
【0052】
有利な実施形態の1つによると、コーティングRは、粉砕される場合、APの放出改変のための被覆微粒子の少なくとも40%、好ましくは少なくとも60%、さらにより優先的には少なくとも80%の放出改変を維持することを可能とするような方法で設計される。
【0053】
好ましくは、抗粉砕コーティング層Rは、
消化管の流体中で不溶である、少なくとも1種類のフィルム形成性(コ)ポリマーA1;
消化管の流体中で可溶である、少なくとも1種類の(コ)ポリマーA2;
少なくとも1種類の可塑剤A3;
場合により、少なくとも1種類の表面活性剤および/または1種類の潤滑剤および/または1種類の無機充填剤および/または1種類の有機充填剤A4、
を含む。
【0054】
本発明の、純粋に説明のためのもので、非限定的な優先選択によると、
A1は以下:
セルロースの水不溶性誘導体、好ましくは、エチルセルロースおよび/または酢酸セルロース、
アクリルポリマー、例えば、(メタ)アクリル酸およびアルキル(例えば、メチル)エステルのコポリマー、少なくとも1つの四級アンモニウム基を担持するアクリル酸およびメタクリル酸のエステルのコポリマー(好ましくは、少なくとも1つの、アルキル(メタ)アクリレートおよび塩化トリメチルアンモニオエチルメタクリレートのコポリマー)並びに、より具体的には、商標Eudragit(登録商標)RSおよび/またはEudragit(登録商標)RLで販売される製品、
ポリ(ビニルアセテート)、
並びにそれらの混合物;
を含む群より選択され、
A2は以下:
好ましくは、ポリアクリルアミド、ポリ−N−ビニルアミド、ポリビニルピロリドン(PVP)およびポリ−N−ビニルラクタムを含む群からの、窒素含有(コ)ポリマー、
セルロースの水溶性誘導体、
ポリビニルアルコール(PVA)、
ポリアルキレンオキシド、好ましくは、ポリエチレンオキシド(PEO)、
ポリエチレングリコール(PEG)、
並びにそれらの混合物;
を含む群より選択され、
PVPが特に好ましく;
A3は以下:
セチルアルコールエステル、
好ましくは以下の下位群:アセチル化グリセリド、グリセリルモノステアレート、グリセリルトリアセテート、グリセリルトリブチレート
からの、グリセロールおよびそれらのエステル、
好ましくは以下の下位群:ジブチルフタレート、ジエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート
からの、フタレート、
好ましくは以下の下位群:アセチルトリブチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート、トリブチルシトレート、トリエチルシトレート
からの、シトレート、
好ましくは以下の下位群:ジエチルセバケート、ジブチルセバケート
からの、セバケート、
アジペート、
アゼレート、
ベンゾエート、
植物油、
フマレート、好ましくは、ジエチルフマレート、
マレエート、好ましくは、ジエチルマレエート、
オキサレート、好ましくは、ジエチルオキサレート、
スクシネート、好ましくは、ジブチルスクシネート、
ブチレート、
セチルアルコールエステル、
マロネート、好ましくは、ジエチルマロネート、
ヒマシ油(後者が特に好ましい)、
並びにそれらの混合物;
を含む群より選択され、
A4は以下:
好ましくは、脂肪酸(ステアリン酸および/またはオレイン酸が好ましい)のアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩の下位群からの、アニオン性表面活性剤、
および/または、好ましくは、ポリオキシエチル化油、好ましくは、ポリオキシエチル化水素化ヒマシ油の下位群からの、非イオン性表面活性剤、
ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンコポリマー(ポロキサマー)、
ポリオキシエチル化ソルビタンエステル、
ポリソルベート、
ポリオキシエチル化ヒマシ油誘導体、
ステアレート、好ましくは、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウムまたはステアリン酸亜鉛、
ステアリルフマレート、好ましくは、ナトリウムステアリルフマレート、
グリセロールベヘネート、
タルク、
コロイド状シリカ、
酸化チタン、酸化マグネシウム、
ベントナイト、
微結晶性セルロース、
カオリン、
ケイ酸アルミニウム、
並びにそれらの混合物
を含む群より選択される。
【0055】
本発明の好ましい変形によると、コーティング層Rは以下の成分を含有する。
A1はセルロースの水不溶性誘導体、好ましくは、エチル−セルロースおよび/または酢酸セルロースを含む群より選択され、
A2は以下:
好ましくは、ポリアクリルアミド、ポリ−N−ビニルアミド、ポリビニルピロリドン(PVP)およびポリ−N−ビニルラクタムを含む群からの、窒素含有(コ)ポリマー、
セルロースの水溶性誘導体、
ポリエチレングリコール(PEG)、
並びにそれらの混合物;
を含む群より選択され、
A3は以下:トリエチルシトレート、ジブチルセバケート、植物油、ヒマシ油およびそれらの混合物;
を含む群より選択され、
A4は、好ましくは以下の下位群:
ポリオキシエチル化油、好ましくは、ポリオキシエチル化水素化ヒマシ油、
ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンコポリマー(ポロキサマー)、
ポリオキシエチル化ソルビタンエステル、
ポリソルベート、
ステアレート、好ましくは、マグネシウムステアレート、
並びにそれらの混合物
からの、非イオン性表面活性剤を含む群より選択される。
【0056】
有利には、コーティング層Rの各構成要素A1、A2、A3およびA4について、(合計質量A1+A2+A3+A4の%としての)その質量mは、
A1については、10≦m≦90、好ましくは、15≦m≦80、より優先的には、60≦m≦80;
A2については、2≦m≦50、好ましくは、3≦m≦40、より優先的には、5≦m≦25;
A3については、1≦m≦30、好ましくは、2≦m≦20、より優先的には、5≦m≦15;
A4については、0≦m≦40、好ましくは、0≦m≦30、より優先的には、0≦m≦20、
を支持する。
【0057】
APの被覆微粒子の合計質量に対して、コーティング層Rは、乾燥基準での重量%で表される、以下のような質量分率(fraction by mass)Tpに相当する。Tp≧15;好ましくは30〜60、より優先的には40〜60、さらに良好には45〜55、または約50。
【0058】
好ましくは、APの被覆微粒子は、1000μm以下、好ましくは50〜800μm、より好ましくは100〜600μm、さらに良好には100〜400μmの体積平均直径を有する。微粒子の直径は、他に言及されない限り、体積平均直径である。
【0059】
APの微粒子の製造に用いられる技術は従来の技術、例えば、流動化空気床スプレーコーティング技術、湿式造粒、圧縮成形、押出球状化である。
【0060】
薬剤D
本発明による医薬形態は、医薬的に許容し得る化合物である、少なくとも1種類の薬剤Dを含み、その水和または溶媒和の速度あるいは水和または溶媒和する能力はアルコール溶液中よりもアルコールを含まない水性媒体中で大きい。それは、
アルコール溶液中よりも水中で高い可溶化速度を有する組成物;
水中で可溶であり、アルコール溶液中で不溶である化合物;
または、水中またはアルコール溶液中で不溶であり、アルコール溶液中よりも水中で多く、または迅速に膨潤する化合物、
であり得る。
【0061】
好ましくは、薬剤Dは以下の生成物:
セルロース誘導体、例えば、
メチルセルロース、
(ヒドロキシ)(アルキル)セルロース、(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース)、
カルボキシアルキルセルロース(例えば、カルボキシメチルセルロース)およびそれらの塩、
セルロース(粉末または微結晶性)、
架橋カルボキシアルキルセルロース、架橋カルボキシメチルセルロース(例えば、ナトリウムクロスカルメロース)、
ポリアルキレンオキシド(例えば、ポリエチレンオキシドまたはポリプロピレンオキシド)、
多糖、例えば、
天然デンプン(例えば、トウモロコシ、コムギまたはジャガイモの)または改変デンプン(例えば、ナトリウムグリコレートで改変された)、
アルギネートおよびそれらの塩、例えば、ナトリウムアルギネート、
ポラクリリンカリウム、
グアールガム、
カラゲナン、
プルラン、
ペクチン、
キトサンおよびそれらの誘導体、
並びにそれらの混合物、
タンパク質、例えば、
ゼラチン、
アルブミン、
カゼイン、
ラクトグロブリン、
およびそれらの混合物、
粘土、例えば、ベントナイト、ラポナイトおよびそれらの混合物
の群より選択される。
【0062】
さらにより好ましくは、薬剤Dは以下の生成物:
ヒドロキシアルキルセルロース、(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース)、
メチルセルロース、
カルボキシ(アルキル)セルロースおよびそれらの塩、
グアールガム、
カラゲナン、
並びにそれらの混合物
の群より選択される。
【0063】
薬剤Dは、場合により互いに組み合わされる様々な方法で、本発明による医薬形態に組み込むことができる。それは、以下のもの:
AP(またはAPの非被覆微粒子)のコア、
微粒子の中性支持体中および/または
APを含有し、微粒子の中性支持体上に被着される層中および/または
APを含有する顆粒中;および/または
微粒子のコーティング;および/または
微粒子との混合物、
APの微粒子を含む顆粒、ペレット、錠剤のいずれかの結合相中および/または
または異なるタイプの微粒子中および/または
または異なるタイプの顆粒中;および/または
モノリス形態の外部構成要素のうちの1つ(例えば、ゼラチンカプセルの構成要素、錠剤またはゼラチンカプセルのコーティング)
の構成要素の1つであり得る。
【0064】
本発明の第1実施形態によると、薬剤DはAPのコアまたはAPの非被覆微粒子中に存在する。好ましくは、薬剤Dは、微粒子のコア中に、APのコアの合計質量の5%〜70%、好ましくは、15%〜60%の割合で存在する。
【0065】
本発明の第2実施形態によると、薬剤Dは微粒子のコーティング中に含められる。この場合、薬剤Dは、それ自体の上に、拡散を制御するコーティングの内部または外部にコーティング層を構成することができる。それは、APの放出改変を制御するコーティングの構成要素A1、A2、A3、場合により、A4と混合することもできる。好ましくは、薬剤Dは、コーティング中に、そのコーティングの合計質量の3%〜30%、好ましくは、10%〜20%の割合で存在する。好ましくは、以下の化合物が選択される。ポリマーA1はエチルセルロース、ポリマーA2はPVP、可塑剤A3はヒマシ油、A4はポロキサマーであり、薬剤Dはグアールガム、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびナトリウムカルボキシメチルセルロース並びにそれらの混合物より選択される。
【0066】
第3実施形態によると、薬剤Dは、APの微粒子を含む顆粒またはペレット、あるいは錠剤の結合相中に含められる。これらの顆粒、ペレットまたは錠剤は当業者に公知の技術、例えば、造粒、押出しまたは圧縮によって得られる。薬剤Dは、微粒子との混合物として、その混合物の合計質量の0.5%〜30%w/w、好ましくは、0.5%〜25%w/w、さらにより優先的には、1%〜20%w/wの割合で存在する。
【0067】
第4実施形態によると、薬剤Dは、少なくとも部分的には、微粒子または、好ましくは、APを含有するものとは異なる顆粒の形態にある。例えば、APの被覆微粒子を従来の技術に従って造粒し、薬剤Dの同じサイズで同じ密度の顆粒を別に調製し、それらの顆粒は粘性剤および/または失活剤を含有することもできる(下記参照)。
【0068】
第5実施形態によると、薬剤Dは、微粒子を含有する、ゼラチンカプセルを構成する物質の成分のうちの1つである。
【0069】
第6実施形態によると、薬剤Dは、微粒子を含有するゼラチンカプセルまたは微粒子を含有する錠剤に被着されるコーティング中に含められる。例えば、ゼラチンカプセルはゼラチンをベースとし、そのコーティングはナトリウムカルボキシメチルセルロースおよび/またはヒドロキシエチルセルロースを薬剤Dとして、好ましくは、空のゼラチンカプセルの質量に対して25%w/wの薬剤Dの割合で含有する。
【0070】
第5および第6実施形態の場合、上塗り層をゼラチンカプセルまたは錠剤に被着させることができる。
【0071】
薬剤Dに関して、様々な実施形態を互いに組み合わせることができる。そのような場合、様々な薬剤Dを示される実施形態の各々に組み込むことを想定することが完全に可能である。
【0072】
粘性剤V
粘性剤Vは、以下の溶媒、すなわち水、アルコール、ケトンおよびそれらの混合液のうちの少なくとも1つに可溶である粘性剤より選択され、この、またはこれらの薬剤は、特には注射による、乱用を妨げるため、抽出溶媒の粘度を高めることができる。「水」という用語は、ここでは、あらゆる水性溶媒、例えば、厳密な意味での水または、例えば有機酸(例えば、酢酸)の、あらゆる水溶液、生理食塩溶液、ソーダ水または飲料を意味することが意図される。「アルコール」という用語は、本明細書では、それら自体での、または互いの混合液としての、すべてのアルコールを意味することが意図され、「ケトン」という用語は、それら自体での、または互いの混合液としての、すべてのケトンを意味することが意図される。
【0073】
好ましくは、粘性剤Vは以下のポリマー:
ポリ(メタ)アクリル酸およびそれらの誘導体、および/または
ポリアルキレングリコール(例えば、ポリエチレングリコール)、および/または
ポリアルキレンオキシド(例えば、ポリエチレンオキシド)、および/または
ポリビニルピロリドン、および/または
ゼラチン、および/または
好ましくは、ナトリウムアルギネート、ペクチン、グアール、キサンタン、カラゲナン、ゲランおよびセルロース誘導体(特には、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース)を含む下位群からの、多糖、
並びにそれらの混合物
の群より選択される。
【0074】
有利には、本発明の好ましい変形によると、粘性剤Vは以下より選択される。
ポリアルキレンオキシド(例えば、ポリエチレンオキシド)、および/または
キサンタン、および/または
セルロース誘導体(特には、ヒドロキシプロピルセルロース)、
およびそれらの混合物。
【0075】
本発明の一形態によると、粘性剤Vは、高分子量を有する、例えば、100万g/mol〜800万g/mol、例えば、200万、500万または700万g/molの分子量を有するポリエチレンオキシドである。
【0076】
好ましい形態によると、粘性剤Vは、粘性媒体中で抽出されたAPを捕捉するため、可能性のある抽出に用いられる液体の粘度を高めることができる。この薬剤Vは抽出液の粘度を、例えば、100mPa.s、好ましくは200mPa.s、さらにより優先的には500mPa.s、さらに良好には1000mPa.sを上回って高めることを可能とする。
【0077】
本発明の一変形によると、粘性剤Vは、水相または有機相中の抽出の両者の場合において有効である;例えば、薬剤Vは、抽出液の高粘度(例えば、≧100mPa.s)を、それが水性または有機性であっても、確実なものとするため、親水性および疎水性化合物の混合物である。
【0078】
薬剤Vの量は、2.5mlの抽出液の粘度を100mPa.s以上とするように調整される。
【0079】
いくつかの変形によると、本発明による医薬形態において、少なくとも1種類の粘性剤Vが、
微粒子の内部および/または表面上に、
および/または、遊離状態で、すなわち、微粒子内に含有されず、または微粒子によって支持されずに、
存在する。
【0080】
有利には、粘性剤は、主として、APの微粒子とは異なる微粒子の形態にある。医薬形態が分割形態(ゼラチンカプセル、サシェイ、元に戻される懸濁液)であるとき、粘性剤の微粒子はAPの微粒子のものに匹敵する密度および粒子サイズを有する。例えば、粘性剤Vの微粒子およびAPの微粒子は類似するサイズ分布および類似する密度を有する。従って、特には従来の手段、例えば、ふるい掛けまたは遠心によっては、それらをAPの微粒子から分離することはできない。
【0081】
本発明による医薬形態が、第1に、APの微粒子を含有する顆粒、第2に、場合により薬剤Dと組み合わされた、粘性剤Vを含有する顆粒を含むとき、該顆粒は類似するサイズ分布、類似する密度、類似する形状および類似する色を有することが好ましい。従って、粘性剤および/または薬剤Dを含む顆粒はAPの顆粒と物理的に区別不能であるが、これはあらゆる適切な物理的手段によるそれらの仕分けを妨げるためである。
【0082】
失活剤Q
マルチ微粒子状医薬形態が少なくとも1種類の活性成分の塩または溶液中でイオン化可能な官能基を担持する活性成分を含むとき、本発明の好ましい実施形態は該医薬形態に少なくとも1種類の失活剤Qを添加することからなる。後者は、抽出の試みの最中、それがAPと共に、水性または水性アルコール溶液中で、可溶性の乏しい錯体を形成するように選択される。
【0083】
本発明の目的上、失活剤Qは、医薬形態中に遊離形態、すなわち、非錯化形態で存在する薬剤である。「非錯化」という用語は、固形医薬形態中で失活剤Qと活性成分APの塩の間に錯体または化学的相互作用が存在しないことを示す。
【0084】
APの塩および失活剤Qが同時に溶媒中に存在するとき、例えば、APを抽出しようとする不正の試みの場合、失活剤Qは該溶媒中でAPの塩との錯化または化学的相互作用を誘導することが可能である。本発明の目的上、失活剤Qは、失活剤Qが水および水性溶液、例えば、水−エタノール混合液、アルコール、アルコール飲料、ソーダ水、酢、過酸化水素水溶液およびそれらの混合液より選択される少なくとも1つの通常の溶媒中でAPの塩の錯化を誘導することが可能であるとき、APの塩との「錯化を誘導することが可能である」ものとみなされる。有利には、失活剤Qは2種類以上のこれらの通常の溶媒中でAPの塩の錯化を誘導することが可能である。
【0085】
AP、特には、麻酔剤の捕捉に用いられる失活剤Qは、常用を含めて、無害である。これらは、様々な薬局方および登録当局によって認可される、薬理学的に不活性の生成物である。
【0086】
本発明によるある医薬形態においては、少なくとも1種類の失活剤Qが、
APを含まない微粒子中に、および/または
微粒子上に、および/または
遊離状態で、すなわち、微粒子中に含有されず、または微粒子によって支持されずに、
存在する。
【0087】
好ましくは、本発明による医薬形態において、失活剤Qは少なくとも第2相から分離された第1相に存在し、該第2相は少なくとも1種類のAPの塩を含有する。例えば、医薬形態はAPの塩の微粒子および別個のものである失活剤Qの微粒子を含む。有利には、該微粒子は類似するサイズ分布および類似する密度を有し、ふるい掛けによって互いに分離することは不可能である。
【0088】
好ましくは、失活剤Qは、溶液中でAPと錯体を形成することができるイオンを含有する、塩を含む。これらのイオンは、好ましくは、溶液中でAPのものとは反対の極性の有機イオンである。溶液中で、APがアニオン形態である場合、失活剤Qは有機カチオン、金属カチオンまたはそれらの混合物を含む。同様に、溶液中のAPがカチオン形態にあるとき、失活剤Qは有機アニオンを含む。
【0089】
例えば、有機アニオンを有する以下の塩を挙げることができる。
アニオン性有機塩、例えば、ドデシル硫酸ナトリウムまたはナトリウムドクセート;
アニオン性ポリマー、例えば、(メタ)アクリルコポリマー(例えば、Eudragit(登録商標)SおよびEudragit(登録商標)L)、架橋ポリアクリル酸(例えば、Carbopol)、カルボキシメチルセルロースおよびその誘導体、架橋カルボキシメチルセルロースおよびその誘導体並びに他の多糖(例えば、アルギネート、キサンタンガムまたはアラビアゴム)、アルギネート(スルホネート)プロピレングリコール;
一価または多価塩、例えば、グルクロネート、シトレート、アセテート、カーボネート、グルコネート、スクシネート、ホスフェート、グリセロホスフェート、ラクテート、トリシリケート、フマレート、アジペート、ベンゾエート、サリチレート、タートレート、スルホンアミド、アセスルファム;
ケン化脂肪酸、例えば、酢酸、コハク酸、クエン酸、ステアリン酸、パルミチン酸の塩および自己乳化性グリセリルモノオレエート;
ポリアミノ酸、タンパク質またはペプチド、例えば、アルブミン、カゼイン、グロブリンおよび酵素;
並びにそれらの混合物。
【0090】
別の実施形態において、溶液中でAPのものとは反対の極性のイオンは、金属カチオン、有機カチオンまたはそれらの混合物である。例えば、有機または金属カチオンを含有する以下の塩が挙げられる。
カチオン性塩、例えば、アセスルファム、アセテート、アジペート、ベンゾエート、カーボネート、塩化物、シトレート、フッ化物、フマレート、グルコネート、グルクロネート、グリセロホスフェート、水酸化物、ヨーデート、ヨウ化物、ラクテート、酸化物、ホスフェート、トリシリケート、サリチレート、スクシネート、スルホンアミド、タートレートの形態にある金属Ca、Fe、MgまたはZnのカチオン塩;
有機カチオン性塩、例えば、四級アンモニウム塩、特には、臭化トリメチルテトラデシルアンモニウムまたは塩化ベンゾエトニウム;
カチオン性ポリマー、例えば、キトサンおよび(メタ)アクリルコポリマー(例えば、Eudragit(登録商標)RS、Eudragit(登録商標)RLまたはEudragit(登録商標)E);
ポリアミノ酸、タンパク質またはペプチド;
並びにそれらの混合物。
【0091】
失活剤Qはイオン交換樹脂であってもよく、好ましくは、APがカチオン性であるときに強酸性カチオン交換樹脂、またはAPがアニオン性であるときに強塩基性アニオン交換樹脂であり得る。有利には、そのようなイオン交換樹脂は、APを含有する第2相とは異なる第1相に含有される。
【0092】
本発明の一実施形態において、イオン交換樹脂は、例えば、スチレン/ジビニルベンゼンコポリマーの誘導体である。
【0093】
本発明の一実施形態において、強酸性カチオン交換樹脂は、例えば、スルホン酸スチレン/ジビニルベンゼンコポリマーの誘導体、例えば、Amberlite(登録商標)IRP69、Amberlite(登録商標)IR69F(Rohm and Haas);Amberlite 200、Amberlite 200C(Rohm and Haas)またはDowex 88(Dow)等である。
【0094】
本発明の一実施形態において、強塩基性アニオン交換樹脂は、例えば、四級アンモニウム官能基を担持するスチレン/ジビニルベンゼンコポリマーの誘導体、例えば、Duolite(登録商標)AP143(Rohm and Haas)、Amberlite IRA958、Amberlite IRP67(Rohm and Haas)およびDowex 22(Dow)より選択される。
【0095】
樹脂の形態の失活剤Qは、メタクリル酸およびジビニルベンゼンの架橋コポリマーまたはそれらの塩、例えば、Amberlite(登録商標)IRP88およびAmberlite(登録商標)IRP64(Rohm and Haas)並びにDowex MAC−3(Dow)より選択することもできる。
【0096】
イオン交換樹脂の形態の失活剤Qは、フェノール性ポリアミン、例えば、Amberlite(登録商標)IRP58(Rohm and Haas)より選択することもできる。
【0097】
これらの様々な樹脂の混合物を想定することもできる。
【0098】
本発明の一実施形態によると、イオン交換樹脂の形態の失活剤Qは少なくとも第2相から分離される第1相に存在し、該第2相はAPの塩を含む。例えば、イオン交換樹脂の形態の失活剤Qは、APの塩を含む微粒子とは異なる微粒子に含有される。APの微粒子およびイオン交換樹脂の形態の失活剤Qの微粒子は、それらが類似するサイズ分布および類似する密度を有し、ふるい掛けによってそれらを分離することができないような形態であり得る。
【0099】
本発明の第1の好ましい実施形態において、失活剤Qは以下より選択される。
アニオン性有機塩、例えば、ドデシル硫酸ナトリウムまたはナトリウムドクセート;
カチオン性有機塩、例えば、四級アンモニウム塩、特には、臭化トリメチルテトラデシルアンモニウムまたは塩化ベンゾエトニウム;
APの極性に依存して、強酸性カチオン交換樹脂または強塩基性アニオン交換樹脂。
【0100】
本発明の第2の好ましい実施形態において、失活剤Qは以下より選択される。
APがカチオン性であるとき、強酸性カチオン交換樹脂:Amberlite(登録商標)IRP69、Amberlite(登録商標)IR69F(Rohm and Haas);Amberlite(登録商標)200、Amberlite(登録商標)200C(Rohm and Haas)またはDowex(登録商標)88(Dow)およびそれらの混合物;
APがアニオン性であるとき、強塩基性アニオン交換樹脂:Duolite(登録商標)AP143(Rohm and Haas)、Amberlite(登録商標)IRA958、Amberlite(登録商標)IRP67(Rohm and Haas)およびDowex(登録商標)22(Dow)並びにそれらの混合物。
【0101】
薬剤Qの量は、当業者により、単位形態中に含有されるAPの用量のすべてまたは一部を捕捉するのに必要なイオン電荷の量を算出することによって調整される。失活剤Qの量は、不正使用の場合、溶液中で遊離のAPの残存量が望ましい効果を達成するのに不十分であるために十分なAPを錯化することを可能にするようなものでなければならない。好ましくは、失活剤Qの量は単位用量のすべてのAPを錯化するのに十分なものである。
【0102】
遊離状態の賦形剤
医薬形態は、場合により、1種類以上の医薬的に許容し得る賦形剤を遊離状態で、すなわち、APの微粒子中に含有されず、またはそれらによって支持されずに含有することができ、該賦形剤は粉砕に対するAPの被覆微粒子の耐性に寄与する。
【0103】
好ましくは、粉砕に対するAPの被覆微粒子の耐性に寄与するこれらの賦形剤は以下を含む群より選択される。
ステアリン酸カルシウム;
パルミトステアリン酸グリセリル;
酸化マグネシウム;
ポリアルキレングリコール、例えば、ポリエチレングリコール;
ポリビニルアルコール;
安息香酸ナトリウム;
ステアリン酸;
コーンスターチ;
タルク
コロイド状シリカ;
ステアリン酸亜鉛/マグネシウム;
フマル酸ステアリル;
およびそれらの混合物。
【0104】
医薬形態の説明
好ましくは、水性溶解媒体およびアルコール溶液の両者における少なくとも1種類のAPの放出改変のための本発明による経口医薬形態で、アルコール溶液中でのAPの50%の放出の時間は、
アルコールを含まない水性媒体中で測定されるAPの50%の放出の時間と比較して、3倍を上回って減少することはなく;
好ましくは、アルコールを含まない水性媒体中で測定されるAPの50%の放出の時間と比較して、2倍を上回って減少することはなく;
好ましくは、アルコールを含まない水性媒体中で測定されるAPの50%の放出の時間と比較して、1.5倍を上回って減少することはなく;
好ましくは、上で定義される類似性因子f2に従い、水性媒体中で測定されるものに類似し;
または、アルコール溶液中でのAPの50%の放出の時間はアルコールを含まない水性媒体中でのAPの50%の放出の時間よりもさらに多い。
【0105】
一般には、本発明による医薬形態は以下を含む。
a)少なくともその一部が、コーティングRで個別に被覆微粒子中に含有されるAPであって、コーティングRはAPの放出改変を確実なものとし、APの被覆微粒子の粉砕に対する耐性を同時に付与するAP。コーティング層Rの構成要素A1、A2、A3およびA4は、合計質量A1+A2+A3+A4に対する質量基準のパーセンテージの観点で、上述の必要条件を満たす;
b)単位形態の合計質量の0.5%〜30%w/w、好ましくは0.5%〜25%w/w、さらにより優先的には1%〜20%w/wの割合で存在する、少なくとも1種類の薬剤D;
c)場合により、単位形態あたり2〜400mg、好ましくは5〜200mg、さらにより優先的には10〜100mgの割合で存在する、少なくとも1種類の粘性剤V;
d)場合により、少なくとも1種類の失活剤Qであって、その量が単位形態中に含まれるAPの用量のすべてまたは一部を捕捉するために調整される失活剤Q。
【0106】
好ましい形態によると、失活剤QはAPの微粒子から分離された相または微粒子中に含められる。
【0107】
好ましくは、粘性剤VはAPの微粒子とは異なる微粒子中に含有される。有利には、本発明による医薬形態は粘性剤Vの微粒子およびAPの微粒子を含み、該微粒子は類似するサイズ分布および類似する密度を有し、ふるい掛けによって互いに分離することが不可能である。
【0108】
本発明の実施形態1によると、コーティング層Rは以下の成分を含有する。
A1は、セルロースの水不溶性誘導体、好ましくは、エチルセルロースおよび/または酢酸セルロースを含む群より選択され、
A2は以下:
好ましくは、ポリアクリルアミド、ポリ−N−ビニルアミド、ポリビニルピロリドン(PVP)およびポリ−N−ビニルラクタムを含む群からの、窒素含有(コ)ポリマー、
セルロースの水溶性誘導体、
ポリエチレングリコール(PEG)、
並びにそれらの混合物;
を含む群より選択され、
A3は、トリエチルシトレート、ジブチルセバケート、植物油、ヒマシ油およびそれらの混合物を含む群より選択され;
A4は、非イオン性表面活性剤を含む群、好ましくは、以下の下位群:
ポリオキシエチル化油、好ましくは、ポリオキシエチル化水素化ヒマシ油、
ポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシドコポリマー(ポロキサマー)、
ポリオキシエチル化ソルビタンエステル、
ポリソルベート、
ステアレート、好ましくは、マグネシウムステアレート、
およびそれらの混合物
より選択される。
【0109】
本発明の実施形態2によると、薬剤Dは以下の生成物の群より選択される。
ヒドロキシアルキルセルロース(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース)、
メチルセルロース、
カルボキシ(アルキル)セルロースおよびそれらの塩、
グアールガム、
カラゲナン、
並びにそれらの混合物。
【0110】
本発明の実施形態3によると、粘性剤Vは以下より選択される。
ポリアルキレンオキシド(例えば、ポリエチレンオキシド)、および/または
キサンタン、および/または
セルロース誘導体(特には、ヒドロキシプロピルセルロース)、
およびそれらの混合物。
【0111】
本発明の実施形態3の変形によると、粘性剤Vは、高分子量を有する、例えば、100万g/mol〜800万g/mol、例えば、200万、500万または700万g/molの分子量を有するポリエチレンオキシドである。
【0112】
本発明の実施形態4によると、失活剤Qは以下より選択される。
アニオン性有機塩、例えば、ドデシル硫酸ナトリウムまたはナトリウムドクセート;
カチオン性有機塩、例えば、四級アンモニウム塩、特には、臭化トリメチルテトラデシルアンモニウムまたは塩化ベンゾエトニウム;
イオン交換樹脂、好ましくは、強酸性カチオン交換樹脂または強塩基性アニオン交換樹脂。
【0113】
本発明の実施形態5によると、失活剤Qは以下より選択される。
APがカチオン性であるとき、強酸性カチオン交換樹脂:Amberlite(登録商標)IRP69、Amberlite(登録商標)IR69F(Rohm and Haas);Amberlite 200、Amberlite 200C(Rohm and Haas)またはDowex 88(Dow)およびそれらの混合物;
APがアニオン性であるとき、強塩基性アニオン交換樹脂:Duolite(登録商標)AP143(Rohm and Haas)、Amberlite IRA958、Amberlite IRP67(Rohm and Haas)およびDowex 22(Dow)並びにそれらの混合物。
【0114】
本発明のこれらの実施形態1から5は互いに組み合わせることができる。特には、本発明による医薬形態は、実施形態1および2のコーティング層Rおよび薬剤Dを同時に含む。好ましい変形によると、医薬形態は少なくとも1種類の実施形態3による粘性剤Vをも含む。最後に、医薬形態は実施形態4または5による失活剤Qを含有することができる。
【0115】
当然ながら、当業者に公知の他の従来の成分、例えば、特には、着色料、顔料、保存剤、香料およびそれらの混合物を添加することにより、本発明による最終医薬形態を最適化することができる。
【0116】
好ましい実施形態6によると、本発明による単位医薬形態は以下:
a)少なくともその一部が、コーティングRで個別に被覆された微粒子中に含有されるAPであって、コーティングRはAPの放出改変を確実なものとし、APの被覆微粒子の粉砕に対する耐性を同時に付与するAP。
【0117】
コーティング層Rの各構成要素A1、A2、A3およびA4について、(合計質量A1+A2+A3+A4の%としての)その質量mは;
A1については、10≦m≦90、好ましくは、15≦m≦80、より優先的には、60≦m≦80;
A2については、2≦m≦50、好ましくは、3≦m≦40、より優先的には、5≦m≦25;
A3については、1≦m≦30、好ましくは、2≦m≦20、より優先的には、5≦m≦15;
A4については、0≦m≦40、好ましくは、0≦m≦30、より優先的には、0≦m≦20、
を支持する;
b)少なくとも1種類の薬剤Dが、微粒子との混合物として、単位形態の合計質量の1%〜30%w/w、好ましくは2%〜25%w/w、さらにより優先的には2%〜20%w/wの割合で存在する;
c)少なくとも1種類の粘性剤VがAPの微粒子とは異なる微粒子中に含有される。粘性剤Vは、単位形態あたり2〜400mg、好ましくは5〜200mg、さらにより優先的には10〜100mgの割合で存在する;
d)場合により、少なくとも1種類の失活剤QがAPおよび粘性剤の微粒子とは異なる微粒子に含有される。失活剤Qの量は、単位形態中に含有されるAPの用量のすべてまたは一部を捕捉するために調整される;
e)場合により、圧縮賦形剤
を含む錠剤である。
【0118】
本発明の実施形態7によると、実施形態6の錠剤が少なくとも1種類の失活剤Qを含む。
【0119】
本発明の実施形態6および7に関して、コーティング層Rの構成要素A1、A2、A3およびA4、薬剤D、粘性剤V、場合により、失活剤Qの性質を決定するのに、本発明の実施形態1から5を参照することができる。
【0120】
好ましい実施形態8によると、本発明による単位医薬形態は以下を含むゼラチンカプセルである。
a)少なくともその一部が、コーティングRで個別に被覆微粒子中に含有されるAPであって、コーティングRはAPの放出改変を確実なものとし、APの被覆微粒子の粉砕に対する耐性を同時に付与するAP。
【0121】
コーティング層Rの各構成要素A1、A2、A3およびA4について、(合計質量A1+A2+A3+A4の%としての)その質量mは;
A1については、10≦m≦90、好ましくは、15≦m≦80、より優先的には、60≦m≦80;
A2については、2≦m≦50、好ましくは、3≦m≦40、より優先的には、5≦m≦25;
A3については、1≦m≦30、好ましくは、2≦m≦20、より優先的には、5≦m≦15;
A4については、0≦m≦40、好ましくは、0≦m≦30、より優先的には、0≦m≦20、
を支持する;
b)単位形態の合計質量の0.5%〜20%w/w、好ましくは0.5%〜15%w/w、さらにより優先的には1%〜10%w/wの割合で存在する、少なくとも1種類の薬剤D;
c)場合より、単位形態あたり2〜400mg、好ましくは5〜200mg、さらにより優先的には10〜100mgの割合で存在する、少なくとも1種類の粘性剤V;
d)場合より、単位形態中に含有されるAPの用量のすべてまたは一部を捕捉するためにその量が調整される、少なくとも1種類の失活剤Q。
【0122】
本発明の実施形態9によると、実施形態8のゼラチンカプセルが少なくとも1種類の粘性剤Vを含む。
【0123】
本発明の実施形態10によると、実施形態9のゼラチンカプセルが少なくとも1種類の失活剤Qを含む。
【0124】
有利には、ゼラチンカプセル型の医薬形態は粘性剤Vの微粒子および/または失活剤Qの微粒子を含み、粘性剤Vの微粒子および失活剤Qの微粒子はAPの微粒子とは異なる。
【0125】
好ましくは、ゼラチンカプセル型の医薬形態はAPの微粒子、さらに粘性剤Vの微粒子および/または失活剤Qの微粒子を含み、該微粒子は類似するサイズ分布および類似する密度を有し、ふるい掛けによって互いに分離することが不可能である。
【0126】
本発明の実施形態8、9および10に関して、コーティング層Rの構成要素A1、A2、A3およびA4、薬剤D、粘性剤V、場合により、失活剤Qの性質を決定するのに、本発明の実施形態1から5を参照することができる。
【0127】
活性成分
用いられるAPは、例えば、以下の活性物質のファミリーのうちの少なくとも1つに属し得る。アヘン剤、鎮痛剤(analgesics)、鎮痛剤(antalgics)、鎮咳剤、抗不安剤、ベンゾジアゼピン、食欲抑制剤、抗うつ剤、抗てんかん剤、抗偏頭痛剤、抗パーキンソン剤、バルビツール、睡眠剤、下剤、神経遮断剤、覚醒剤、向神経剤、鎮静剤、アンフェタミン、興奮剤。
【0128】
さらにより具体的には、用いられるAPは以下の化合物より選択される。アセトルフィン、アセチル−α−メチルフェンタニル、アセチルジヒドロコデイン、アセチルメタドール、アルフェンタニル、アリルプロジン、α−セチルメタドール、αメプロジン、αメタドール、α−メチルフェンタニル、α−メチルチオフェンタニル、αプロジン、アニレリジン、アトロピン、ブトルファノール、ベンゼチジン、ベンジルモルフィン、β−ヒドロキシフェンタニル、β−ヒドロキシメチル−3−フェンタニル、β−セチルメタドール、βメプロジン、βメタドール、βプロジン、ベジトラミド、ブプレノルフィン、ジオキサフェチルブチレート、クロニタゼン、シクラゾシン、カンナビス、セトベミドン、コデイン、コカ、コカイン、コドキシム、デゾシン、ジメノキサドール、ジオキサフェチルブチレート、ジピパノン、デソモルフィン、デクストロモラミド、デクストロプロポキシフェン、ジアンプロミド、ジエチルチアムブテン、ジフェノキシン、ジヒドロコデイン、ジヒドロエトルフィン、ジヒドロモルフィン、ジメノキサドール、ジメフェプタノール、ジメチルチアムブテン、ジフェノキシレート、ドロテバノール、エプタゾシン、エトヘプタジン、エチルメチルチアムブテン、エチルモルフィン、エトニタゼン、エクゴニン、エフェドリン、エチルメチルチアムブテン、エトニタゼン、エトルフィン、エトキセリジン、フェンタニル、フレチジン、ヘロイン、ヒドロコドン、ヒドロモルフィノール、ヒドロモルホン、ヒドロキシペチジン、イソメタドン、ケトベミドン、レバロルファン、ロフェンタニル、レボメトルファン、レボモラミド、レボフェナシルモルファン、レボルファノール、メプタジノール、メペリジン、メタゾシン、メタドン、メチルデソルフィン、メチルジヒドロモルフィン、メチルフェニデート、メチル−3−チオフェンタニル、メチル−3−フェンタニル、メトポン、モラミド、モルフェリジン、モルヒネ、ミロフィン、ナルブフィン、ナルセイン、ニコモルフィン、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ナロルフィン、ノルモルフィン、ニココデイン、ニコジコデイン、ニコモルフィン、ノルアシメタドール、ノルコデイン、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ノルモルフィン、ノルピパノン、アヘン、オキシコドン、オキシモルホン、パパベレツム、フェナドキソン、フェノペリジン、プロメドール、プロペリジン、プロピラム、プロポキシフェン、パラ−フルオロフェンタニル、ペンタゾシン、ペチジン、フェナムプロミド、フェナゾシン、フェノモルファン、フェノペリジン、ホルコジン、ピミノジン、ピリトラミド、プロヘプタジン、プロプラノロール、プロペリジン、プロピラム、ラセメトルファン、ラセモラミド、ラセモルファン、レミフェンタニル、スフェンタニル、テバコン、テバイン、チオフェンタニル、チリジン、トリメペリジン、トラマドール並びにそれらの薬理学的に許容し得る塩、エステル、水和物、多形およびそれらの異性体並びにそれらの混合物。
【0129】
さらにより具体的には、用いられる鎮痛性APは、塩酸オキシコドン、硫酸モルヒネ、塩酸オキシモルホン、塩酸ヒドロモルホン、塩酸ヒドロコドンおよび塩酸トラマドールからなる群より選択される。
【0130】
本発明の目的上、「医薬配合物」という表現は広範な意味で理解され、すなわち、特には獣医学的または食養学的配合物が包含される。
【0131】
その態様の別のものによると、本発明は、上で定義される(被覆または非被覆APの;場合により、粘性剤の)複数の微粒子、例えば、少なくとも500、好ましくは1000〜1000000、さらにより優先的には5000〜500000の微粒子を含む配合物を指向する。
【0132】
その態様の別のものによると、本発明はAPの被覆微粒子の複数の集団を含む医薬配合物を指向し、該集団はそれらの放出動力学および/またはそれらが含有するAPによって互いに異なる。
【0133】
有利には、本発明による医薬形態はAPの放出改変微粒子およびAPの即時放出微粒子を含むことができる。
【0134】
限定されることを望むものではないが、それにもかかわらず、本発明による医薬配合物が、APの被覆微粒子を含む500〜500000の微粒子を含む単一の経口1日用量の形態であり得ることで特に有用であることは強調されるべきである。
【0135】
限定されることなしに、本発明による被覆微粒子を含む医薬配合物は、特には、錠剤(有利には、口腔内分散性(orodispersible)または胃内分散性(gastrodispersible))、粉末、懸濁液、シロップ、元に戻される懸濁液用の粉末またはゼラチンカプセルを含む群より選択される医薬形態にある。
【0136】
同じゼラチンカプセル、同じ錠剤または同じ粉末中で、少なくとも2つのタイプの、異なる放出動力学を有するが本発明の特徴的な範囲内に含まれるAPの被覆微粒子を混合することが有利であり得る。
【0137】
一変形によると、医薬形態はモノリス形態(例えば、錠剤)であってもよい。
【0138】
第1変形によると、本発明による医薬形態は、鼻からの吸引によって投与することができ、APの即時放出を伴う乾燥形態に容易に変換することはできない。
【0139】
第2変形によると、本発明による医薬形態は、APの即時放出を伴う注射可能形態に変換することはできない。
【0140】
第3変形によると、本発明による医薬形態は、放出改変AP、場合により、即時放出APを含む。この変形は上述の第1および第2変形と組み合わせることができる。これは、放出改変APおよび即時放出APを含む医薬形態において、放出改変APを鼻からの吸引によって投与することができる乾燥形態または即時放出を伴う注射可能形態に変換できないことを意味する。
【0141】
本発明の目的は上で定義される本発明による医薬形態を得るための方法でもあり、該方法は本質的に以下からなるいくつかの工程に分割される。
a)APの非被覆微粒子を以下:
場合により、1またはそれ以上の薬剤Dまたは医薬的に許容し得る賦形剤を伴う、APの抽出/球状化、および/または;
場合により、1またはそれ以上の薬剤Dまたは医薬的に許容し得る賦形剤を伴う、APの湿式増粒、および/または;
場合により、1またはそれ以上の薬剤Dまたは医薬的に許容し得る賦形剤を伴う、APの圧縮、および/または;
場合により、1またはそれ以上の薬剤Dまたは医薬的に許容し得る賦形剤を伴う、水性または有機溶媒中の分散液または溶液での、中性支持体または薬剤Dの粒子上へのAPの噴霧、および/または;
APの粉末または結晶のふるい掛け;
によって調製する工程、
b)APのリザーバ微粒子を以下:
流動化空気床における、1またはそれ以上の化合物A1、A2およびA3、場合により、1またはそれ以上の化合物A4および/またはDを含有する溶液または分散液の、APの微粒子上への噴霧;APの微粒子は1またはそれ以上の薬剤Dで予め被覆されていてもよく;APの被覆微粒子は、場合により、1またはそれ以上の薬剤Dで被覆することができる;
によって調製する工程、
c)薬物の最終形態を以下:
ゼラチンカプセルまたはサシェイにおける配合には、薬剤D、VおよびQを伴うAPのリザーバ微粒子の造粒および/または抽出/球状化;または
錠剤を得るための、場合により、1またはそれ以上の薬剤D、VおよびQ並びに医薬的に許容し得る賦形剤との、APのリザーバ微粒子の混合;この錠剤は、場合により、コーティングドラムにおいて、薬剤Dおよび/または医薬的に許容し得る賦形剤を含有する1またはそれ以上の層で被覆することができる;または
APのリザーバ微粒子、VおよびQのゼラチンカプセル内での配合;このゼラチンカプセルは、場合により、ドラムまたは流動化空気床において、1またはそれ以上の薬剤Dおよび/または医薬的に許容し得る賦形剤で被覆することができる;または
場合により、1またはそれ以上の薬剤Dおよび/または医薬的に許容し得る賦形剤を伴う、APのリザーバ微粒子、VおよびQのサシェイ内での配合
によって調製する工程。
【0142】
本発明は、疼痛の治療方法であって、上述の医薬形態は後者を必要とする患者に投与することを含む方法にも関する。
【0143】
本発明は、活性成分、特には、鎮痛剤またはアヘン剤の乱用の防止方法であって、上述の医薬形態の使用を含む方法にも関する。
【0144】
本発明を以下の実施例によってより明瞭に説明するが、これらの実施例は説明のためだけに示されるものであり、本発明を明瞭に理解し、それらの調製および/または使用の変形、さらに様々な利点を明らかにすることを可能とする。
【実施例】
【0145】
実施例1:オキシコドンHClの抗粉砕微粒子の本発明による調製
顆粒
1615gのオキシコドンHClを、85gのMethocel E5(ヒプロメロース/Dow)、2052gの脱塩水および1105gのエタノールを含有する溶液に添加する。その混合物を67℃で攪拌する。次に、その溶液を、Glatt GPCG 1.1流動化空気床装置において、50〜180μmでふるい掛けした300gのXantural 180(キサンタンガム/Danisco)の粒子上に噴霧する。次いで、回収された生成物を、80〜300μmを通してふるい掛けする。
【0146】
微粒子
495gの上で調製された顆粒を、次に、Glatt GPCG 1.1流動化空気床装置において、296gのEthocel 20 Premium(エチルセルロース/Dow)、24gのPlasdone K29/32(ポビドン/ISP)、49gのCremophor RH 40(PEG 40−水素化ヒマシ油/BASF)、41gのヒマシ油(Garbit huilerie)、2795gのアセトンおよび1863gのイソプロパノールを含有する溶液でフィルムコートする。
【0147】
コーティングの質量は、オキシコドンHClのMR微粒子の合計質量の45%に相当する。
【0148】
実施例2:未公開出願FR0553437による医薬形態
55gの実施例1において調製された微粒子を、150〜300μmでふるい掛けされた18gのPolyox WSR303(ポリエチレンオキシド/Dow)、粉砕して160〜300μmでふるい掛けした26gのAmberlite IR69F(Rhom & Haas)、0.5gのAerosil 200(コロイド状シリカ/Degussa)および1gのステアリン酸マグネシウムと混合する。
【0149】
405mgのこの混合物をサイズ0のゼラチンカプセルに導入する。
【0150】
このゼラチンカプセルを、40%のエタノールを含有する大容量(500ml)の溶液中に入れ、0.5および1時間攪拌した後の放出パーセンテージを測定する。
【表1】

【0151】
これらの結果は、多量のアルコール溶液の存在下で、放出されるオキシコドンの量が1時間後に比較的多いことを示す。これは患者に危険性をもたらす可能性があり、本出願人がアルコールの存在下で放出がより緩徐である形態を開発しようと求めている理由である。
【0152】
実施例3:オキシコドンHClの微粒子に対する粉砕試験
実施例1において調製した微粒子を1.0%のステアリン酸マグネシウムおよび0.5%のAerosilで潤滑化する。
【0153】
これらの微粒子を、80mgのオキシコドンHClの用量に相当する197mgの割合で、それらのまま(INTACT)または乳棒および乳鉢によって2分間高度に粉砕して(CRUSHED)のいずれかとして、溶解試験(dissolutest)に導入する。
【0154】
900mlの0.1N HCl中での溶解試験(%としてのD)の、無処置および粉砕用量の時間(時間でのt)の関数としての結果を図1に報告する。溶解プロフィールは非常に類似するが、粉砕微粒子の場合、最初の数分の間、放出が僅かにより急速である;その後は、プロフィールは類似する。
【0155】
実施例4:本発明によるゼラチンカプセルの調製
混合
実施例1において調製した55gの微粒子を、150〜300μmでふるい掛けした18gのPolyox WSR303(ポリエチレンオキシド/Dow)、粉砕して160〜300μmでふるい掛けした26gのAmberlite IR69F(Rhom & Haas)、0.5gのAerosil 200(コロイド状シリカ/Degussa)および1gのステアリン酸マグネシウムと混合する。その混合物を15分間ホモジナイズする。
【0156】
ゼラチンカプセル
35個のサイズ0のゼラチンカプセル(白色/白色)に各々405mgの上記混合物を充填する。
【0157】
ゼラチンカプセルのコーティング
次に、上記ゼラチンカプセルを、ゼラチンカプセルあたり16mgの、脱塩水中に6%(m/m)で予め溶解したBlanose 7LF(ナトリウムカルボキシメチルセルロース/Aqualon)で被覆する。
【0158】
900mlの0.1N HClおよび(40% EtOH;60% 0.1N HCl)中での溶解試験を図2に報告する。エタノール溶液中で溶解動力学が相当に遅いことが注目される。
【0159】
実施例5:実施例4のゼラチンカプセルの内容物に対する乱用試験
以下の乱用試験において、実施例4において記述されるゼラチンカプセルの内容物を、まずピル粉砕機(LGSピル粉砕機)によって粉砕し、次に10mlの溶媒と接触させて、周囲温度で120分間攪拌したままにする。
【0160】
次いで、その混合物を、インシュリンシリンジにより、0.45μmフィルターを介して取り出す。回収されたオキシコドンHClの量をHPLCによって分析する。この抽出試験の結果を表1に報告する。
表1
【表2】



【0161】
抽出された量は用量の15%未満である。
【0162】
実施例6:本発明による錠剤の調製
10gの実施例1において調製したオキシコドンの微粒子、160〜300μmでふるい掛けした5gのAmberlite IR69F(Rhom & Haas)、2.5gのPolyox WSR 303、10gのAvicel PH 101(微結晶性セルロース/FMC)、5gのMethocel A15(メチルセルロース/Dow)および0.25gのステアリン酸マグネシウムを混合した後、錠剤に圧縮する。錠剤の質量は655mgである。
【0163】
これらの錠剤の、900mlの0.1N HClおよび(40% EtOH;60% 0.1N HCl)中での溶解の試験を図3に報告する。アルコール媒体中での放出が水性媒体中よりも遅いことが注目される。
【0164】
実施例7:オキシコドンHClの抗粉砕微粒子の本発明による調製
顆粒
1582.7gのオキシコドンHClを、83.3gのPlasdone K29/32(ポビドン/Dow)、2011.1gの脱塩水および1082.9gのエタノールを含有する溶液に添加する。その混合物を67℃で攪拌する。次に、その溶液を、Glatt GPCG 1.1流動化空気床装置において、300gのセルロース球(Asahi−Kasei)の粒子上に噴霧する。その後、回収された生成物を80〜300μmでふるい掛けする。
【0165】
微粒子
次に、上に示されるように調製した450gの顆粒を、Glatt GPCG 1.1流動化空気床装置において、315gのEthocel 20 Premium(エチルセルロース/Dow)、36gのPlasdone K29/32(ポビドン/ISP)、54gのLutrol F−68(ポロキサマー188/BASF)、45gのヒマシ油(Garbit huilerie)、3105gのアセトンおよび2070gのイソプロパノールを含有する溶液でフィルムコートする。コーティングの質量はオキシコドンHClのMR微粒子の合計質量の50%に相当する。
【0166】
実施例8:本発明による錠剤の調製
11gの実施例7において調製されたオキシコドンの微粒子、160〜300μmでふるい掛けされた4gのAmberlite IR69F(Rhom & Haas)、2gのPolyox WSR 303、8gのタルク(Luzenac 00)、4gのMethocel A15(メチルセルロース/Dow)および0.5gのステアリン酸マグネシウムを混合した後、錠剤に圧縮する。錠剤の質量は590mgである。
【0167】
これらの錠剤の、900mlの0.1N HClおよび(10% EtOH;90% 0.1N HCl)中での溶解の試験を図4に報告する。10%のエタノールを含有する媒体中での放出の速度は純粋な水性媒体中で得られるものに匹敵するか、またはそれよりもさらに遅い。
【0168】
実施例9:本発明による錠剤の調製
11gの実施例7において調製されたオキシコドンの微粒子、粉砕して160〜300μmでふるい掛けした4gのAmberlite IR69F(Rhom & Haas)、2gのポリエチレンオキシド(Polyox WSR 303/Sentry)、5gのタルク(Luzenac 00)、2gのメチルセルロース(Methocel A15/Dow)、2gのヒドロキシエチルセルロース(Natrosol 250G/Aqualon)、3gの微結晶性セルロース(Avicel PH200/FMC)および0.5gのステアリン酸マグネシウムを混合した後、錠剤に圧縮する。錠剤の質量は590mgである。
【0169】
これらの錠剤の、900mlの0.1N HClおよび(10% EtOH;90% 0.1N HCl)中での溶解の試験を図5に報告する。10%のエタノールを含有する媒体中での放出の速度は純粋な水性媒体中で得られるものに匹敵するか、またはそれよりもさらに遅い。
【0170】
実施例10:本発明による錠剤の調製
10gの実施例1において調製されたオキシコドンの微粒子、粉砕して160〜300μmでふるい掛けした5gのAmberlite IR69F(Rhom & Haas)、2.5gのポリエチレンオキシド(Polyox WSR 303/Sentry)、10gの微結晶性セルロース(Avicel PH101/FMC)、2.5gのヒプロメロース(Methocel E15/Dow)、2.5gのヒプロメロース(Methocel E5/Dow)および0.25gのステアリン酸マグネシウムを混合した後、錠剤に圧縮する。錠剤の質量は655mgである。
【0171】
これらの錠剤の、900mlの0.1N HClおよび(40% EtOH;60% 0.1N HCl)中での溶解の試験を図6に報告する。
【0172】
実施例11:オキシコドンHClの抗粉砕微粒子の本発明による調製
顆粒
1615gのオキシコドンHClを、85gのポビドン(Plasdone K29/32 /ISP)、2052gの脱塩水および1105gのエタノールを含有する溶液に添加する。その混合物を67℃で攪拌する。次に、その溶液を、Glatt GPCG 1.1流動化空気床装置において、300gのセルロース球(Cellets 90/Pharmatrans)の粒子上に噴霧する。その後、回収された生成物を80〜250μmでふるい掛けする。
【0173】
微粒子
次に、上に示されるように調製した450gの顆粒を、Glatt GPCG 1.1流動化空気床装置において、315gのエチルセルロース(Ethocel 20 Premium/Dow)、54gのポビドン(Plasdone K29/32 /ISP)、27gのPEG40水素化ヒマシ油(Cremophor RH 40/BASF)、54gのヒマシ油(Garbit huilerie)、3105gのアセトンおよび2070gのイソプロパノールを含有する溶液でフィルムコートする。コーティングの質量はオキシコドンHClのMR微粒子の合計質量の50%に相当する。
【0174】
実施例12:本発明による錠剤の調製
55mgの実施例11において調製されたオキシコドンの微粒子、160〜300μmでふるい掛けされた20mgのAmberlite IR69F(Rhom & Haas)、40mgのポリエチレンオキシド(Polyox WSR 303/Sentry)、120mgの微結晶性セルロース(Avicel PH301/FMC)、10mgのメチルセルロース(Methocel A15LV/Dow)、5mgのヒドロキシプロピルセルロース(Klucel HXF/Aqualon)、5mgのステアリン酸マグネシウム、185mgのマンニトール(Pearlitol SD200/Roquette)および25mgの重炭酸ナトリウム(Merck)を混合した後、Korsch XP−1プレスで錠剤に圧縮する。
【0175】
これらの錠剤は、20%v/vエタノール媒体中で、0.1N HCl媒体中よりも遅い放出動力学を有する(図7)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種類の活性成分(AP)の放出改変がなされた、リザーバ型の微粒子を含む経口医薬形態であって、アルコールの存在下での即時AP過量放出を阻止し、かつ乱用防止手段を含む、経口医薬形態。
【請求項2】
前記乱用防止手段が少なくとも1つの抗粉砕手段を含む、請求項1に記載のマルチ微粒子状医薬形態。
【請求項3】
請求項1または2に記載の医薬形態であって、
アルコールの存在下での即時AP過量放出を阻止する手段が医薬的に許容し得る化合物である薬剤Dを含み、その水和または溶媒和の速度あるいは水和または溶媒和する能力がアルコールを含まない水性媒体中でアルコール溶液中よりも大きく;かつ
APの少なくとも一部が、コーティング層Rを含む被覆微粒子中に含有されるものであり、前記コーティング層Rが、APの放出改変を確実なものとし、同時に、APの被覆微粒子に対して、粉砕に対する耐性を付与するものである、
医薬形態。
【請求項4】
APの放出改変がなされたAPの被覆微粒子中に含有されるAPの抽出を阻止することが可能な、少なくとも1種類の粘性剤Vをも含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項5】
水性または水性アルコール溶液中で可溶性の少ない錯体をAPと形成する、少なくとも1種類の失活剤をも含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項6】
薬剤Dが以下の生成物の群:
セルロース誘導体、例えば、
メチルセルロース、
(ヒドロキシ)(アルキル)セルロース、(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース)、
カルボキシアルキルセルロース(例えば、カルボキシメチルセルロース)およびそれらの塩、
セルロース(粉末または微結晶性)、
架橋カルボキシアルキルセルロース、架橋カルボキシメチルセルロース(例えば、ナトリウムクロスカルメロース)、
ポリアルキレンオキシド(例えば、ポリエチレンオキシドまたはポリプロピレンオキシド)、
多糖、例えば、
(例えば、トウモロコシ、コムギまたはジャガイモの)天然デンプンまたは(例えば、ナトリウムグリコレートで改変された)改変デンプン、
アルギネートおよびそれらの塩、例えば、ナトリウムアルギネート、
ポラクリリンカリウム、
グアールガム、
カラゲナン、
プルラン、
ペクチン、
キトサンおよびそれらの誘導体、
並びにそれらの混合物、
タンパク質、例えば、
ゼラチン、
アルブミン、
カゼイン、
ラクトグロブリン、
およびそれらの混合物、
粘土、例えば、ベントナイト、ラポナイト
およびそれらの混合物
より選択される、請求項3、場合により、他の先行する請求項のいずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項7】
薬剤Dが以下の生成物の群:
ヒドロキシアルキルセルロース(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース)、
メチルセルロース、
カルボキシ(アルキル)セルロースおよびそれらの塩、
グアールガム、
カラゲナン、
並びにそれらの混合物
より選択される、請求項6に記載の医薬形態。
【請求項8】
薬剤Dが、以下:
各微粒子の中性支持体;および/または
APを含有し、微粒子の中性支持体上に被着される層;および/または
APを含有する顆粒
のいずれかにおいて、AP(またはAPの非被覆微粒子)のコアの構成要素であり;かつ/または
薬剤DがAPの微粒子のコーティングの構成要素であり;および/または
薬剤Dが微粒子との混合物中に存在し;および/または
薬剤Dがモノリス形態の外部構成要素のうちの1つである、
請求項6または7に記載の医薬形態。
【請求項9】
薬剤DがAPのコア中に、APのコアの合計質量の5%〜70%w/w、好ましくは、15%〜60%w/wの割合で存在する、請求項8に記載の医薬形態。
【請求項10】
薬剤Dが微粒子のコーティング中に、コーティングの合計質量の3%〜30%w/w、好ましくは、10%〜20%w/wの割合で存在する、請求項8または9に記載の医薬形態。
【請求項11】
薬剤Dが微粒子との混合物として、その単位形態の合計質量の0.5%〜30%w/w、好ましくは0.5%〜25%w/w、さらにより優先的には1%〜20%w/wの割合で存在する、請求項8から10のいずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項12】
コーティング層Rが以下:
消化管の流体中で不溶である、少なくとも1種類のフィルム形成性(コ)ポリマーA1;
消化管の流体中で可溶である、少なくとも1種類の(コ)ポリマーA2;
少なくとも1種類の可塑剤A3;
場合により、少なくとも1種類の表面活性剤および/または1種類の潤滑剤および/または1種類の無機充填剤および/または1種類の有機充填剤A4
を含む、請求項3に記載の、場合により、他の先行する請求項いずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項13】
A1が以下を含む群:
セルロースの水不溶性誘導体、好ましくは、エチルセルロースおよび/または酢酸セルロース、
アクリルポリマー、例えば、(メタ)アクリル酸のコポリマーおよびアルキル(例えば、メチル)エステルのコポリマー、少なくとも1つの四級アンモニウム基を有するアクリル酸およびメタクリル酸のエステルのコポリマー(好ましくは、少なくとも1つの、アルキル(メタ)アクリレートのコポリマーおよび塩化トリメチルアンモニオエチルメタクリレートのコポリマー)並びに、より具体的には、商標Eudragit(登録商標)RSおよび/またはEudragit(登録商標)RLで販売される製品、
ポリ(ビニルアセテート)、
並びにそれらの混合物;
より選択され、
A2が以下を含む群:
好ましくはポリアクリルアミド、ポリ−N−ビニルアミド、ポリビニルピロリドン(PVP)およびポリ−N−ビニルラクタムを含む群からの窒素含有(コ)ポリマー、
セルロースの水溶性誘導体、
ポリビニルアルコール(PVA)、
ポリアルキレンオキシド、好ましくは、ポリエチレンオキシド(PEO)、
ポリエチレングリコール(PEG)、
並びにそれらの混合物;
より選択され、
A3が以下を含む群:
セチルアルコールエステル、
好ましくは以下の下位群:アセチル化グリセリド、グリセリルモノステアレート、グリセリルトリアセテート、グリセリルトリブチレートからの、グリセロールおよびそれらのエステル、
好ましくは以下の下位群:ジブチルフタレート、ジエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレートからの、フタレート、
好ましくは以下の下位群:アセチルトリブチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート、トリブチルシトレート、トリエチルシトレートからの、シトレート、
好ましくは以下の下位群:ジエチルセバケート、ジブチルセバケートからの、セバケート、
アジペート、
アゼレート、
ベンゾエート、
植物油、
フマレート、好ましくは、ジエチルフマレート、
マレエート、好ましくは、ジエチルマレエート、
オキサレート、好ましくは、ジエチルオキサレート、
スクシネート、好ましくは、ジブチルスクシネート、
ブチレート、
セチルアルコールエステル、
マロネート、好ましくは、ジエチルマロネート、
ヒマシ油(後者が特に好ましい)、
並びにそれらの混合物;
より選択され、
A4が以下を含む群:
好ましくは、ステアリン酸および/またはオレイン酸が好ましい、脂肪酸のアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩の下位群からの、アニオン性表面活性剤、
および/または、好ましくは以下の下位群からの、非イオン性表面活性剤、
ポリオキシエチル化油、好ましくは、ポリオキシエチル化水素化ヒマシ油、
ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンコポリマー(ポロキサマー)、
ポリオキシエチル化ソルビタンエステル、
ポリソルベート、
ポリオキシエチル化ヒマシ油誘導体、
ステアレート、好ましくは、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウムまたはステアリン酸亜鉛、
ステアリルフマレート、好ましくは、ナトリウムステアリルフマレート、
グリセロールベヘネート、
タルク、
コロイド状シリカ、
酸化チタン、酸化マグネシウム、
ベントナイト、
微結晶性セルロース、
カオリン、
ケイ酸アルミニウム、
並びにそれらの混合物、
より選択される、請求項12に記載の医薬形態。
【請求項14】
A1がセルロースの水不溶性誘導体、好ましくは、エチル−セルロースおよび/または酢酸セルロースを含む群より選択され、
A2が以下:
好ましくは、ポリアクリルアミド、ポリ−N−ビニルアミド、ポリビニルピロリドン(PVP)およびポリ−N−ビニルラクタムを含む群からの、窒素含有(コ)ポリマー、
セルロースの水溶性誘導体、
ポリエチレングリコール(PEG)、
並びにそれらの混合物;
を含む群より選択され、
A3が以下:トリエチルシトレート、ジブチルセバケート、植物油、ヒマシ油およびそれらの混合物
を含む群より選択され;
A4が、好ましくは以下の下位群:
ポリオキシエチル化油、好ましくは、ポリオキシエチル化水素化ヒマシ油、
ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンコポリマー(ポロキサマー)、
ポリオキシエチル化ソルビタンエステル、
ポリソルベート、
ステアレート、好ましくは、ステアリン酸マグネシウム、
並びにそれらの混合物
からの、非イオン性表面活性剤を含む群より選択される、請求項13に記載の医薬形態。
【請求項15】
コーティング層Rの各構成要素A1、A2、A3およびA4について、(合計質量A1+A2+A3+A4の%としての)その質量mが以下の必要条件、
A1については、10≦m≦90、好ましくは、15≦m≦80、より優先的には、60≦m≦80;
A2については、2≦m≦50、好ましくは、3≦m≦40、より優先的には、5≦m≦25;
A3については、1≦m≦30、好ましくは、2≦m≦20、より優先的には、5≦m≦15;
A4については、0≦m≦40、好ましくは、0≦m≦30、より優先的には、0≦m≦20
に従う、請求項12から14のいずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項16】
コーティング層Rが、乾燥基準での重量%で表される、以下のような被覆微粒子の合計質量に対する質量分率Tp:Tp≧15;好ましくは30〜60、さらにより優先的には40〜60、さらに良好には45〜55、または約50に相当する、請求項12から15のいずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項17】
少なくとも1つの粘性剤Vが以下の溶媒:すなわち水、アルコール、ケトンおよびそれらの混合液のうちの少なくとも1つに可溶である粘性剤より選択され、この粘性剤Vは、特には注射による、乱用を妨げるため、抽出溶媒の粘度を高めることができる、請求項4に記載の、場合により、他の先行する請求項のいずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項18】
粘性剤Vが以下のポリマー:
ポリ(メタ)アクリル酸およびそれらの誘導体、および/または
ポリアルキレングリコール(例えば、ポリエチレングリコール)、および/または
ポリアルキレンオキシド(例えば、ポリエチレンオキシド)、および/または
ポリビニルピロリドン、および/または
ゼラチン、および/または
好ましくは、ナトリウムアルギネート、ペクチン、グアール、キサンタン、カラゲナン、ゲランおよびセルロース誘導体(例えば、ヒプロメロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース)を含む下位群からの、多糖、
並びにそれらの混合物
の群より選択される、請求項4に記載の、場合により、他の先行する請求項のいずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項19】
粘性剤Vが以下のポリマー:
ポリアルキレンオキシド(例えば、ポリエチレンオキシド)、および/または
キサンタン、および/または
セルロース誘導体(特には、ヒドロキシプロピルセルロース)、
およびそれらの混合物
の群より選択される、請求項18に記載の医薬形態。
【請求項20】
少なくとも1種類の粘性剤Vが、
微粒子中に、および/または
微粒子上に、および/または
遊離状態で、すなわち、微粒子中に含有されず、またはそれによって支持されずに、
存在する、請求項17から19のいずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項21】
粘性剤Vが、少なくとも部分的に、APの微粒子とは異なるがそれらから分離することはできない微粒子の形態にある、請求項17から20のいずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項22】
薬剤Vの量が、2.5mlの抽出溶媒の100mPa.s以上の粘度が得られるように調整される、請求項17から21のいずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項23】
粘性剤Vが、高分子量を有する、例えば、100万g/mol〜800万g/molの分子量を有するポリオキシエチレンである、請求項17から22のいずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項24】
失活剤Qが、溶液中に抽出されたAPの塩と錯体を形成することができるイオンを含有する塩を含む、請求項5に記載の、場合により、他の先行する請求項のいずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項25】
失活剤Qのイオンが、溶液中のAPのイオンと反対の極性の有機イオンであって、溶液中に抽出されたAPの塩と錯体を形成する、請求項24に記載の医薬形態。
【請求項26】
失活剤Qが少なくとも第2相から分離される第1相中に存在し、前記第2相が少なくとも1種類のAPの塩を含有する、請求項24または25に記載の医薬形態。
【請求項27】
APの塩の微粒子および失活剤Qの微粒子を含む、請求項24から26のいずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項28】
前記微粒子が類似するサイズ分布および類似する密度を有し、ふるい掛けによって互いに分離することが不可能である、請求項27に記載の医薬形態。
【請求項29】
溶液中でAPのイオンとは反対の極性のイオンが有機アニオンである、請求項25に記載の医薬形態。
【請求項30】
失活剤Qが以下:
アニオン性有機塩、例えば、ドデシル硫酸ナトリウムまたはナトリウムドクセート;
アニオン性ポリマー、例えば、(メタ)アクリルコポリマー(例えば、Eudragit(登録商標)SおよびEudragit(登録商標)L)、架橋ポリアクリル酸(例えば、Carbopol)、カルボキシメチルセルロースおよびその誘導体、架橋カルボキシメチルセルロースおよびその誘導体並びに他の多糖(例えば、アルギネート、キサンタンガムまたはアラビアゴム)、アルギネート(スルホネート)プロピレングリコール;
一価または多価塩、例えば、グルクロネート、シトレート、アセテート、カーボネート、グルコネート、スクシネート、ホスフェート、グリセロホスフェート、ラクテート、トリシリケート、フマレート、アジペート、ベンゾエート、サリチレート、タートレート、スルホンアミド、アセスルファム;
ケン化脂肪酸、例えば、酢酸、コハク酸、クエン酸、ステアリン酸、パルミチン酸の塩および自己乳化性グリセリルモノオレエート;
ポリアミノ酸、タンパク質またはペプチド、例えば、アルブミン、カゼイン、グロブリンおよび酵素;
並びにそれらの混合物
を含む群より選択される塩を含む、請求項24から28のいずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項31】
溶液中でAPのイオンとは反対の極性のイオンが、金属カチオン、有機カチオンまたはそれらの混合物である、請求項24または25に記載の医薬形態。
【請求項32】
失活剤Qが以下:
カチオン性塩、例えば、アセスルファム、アセテート、アジペート、ベンゾエート、カーボネート、塩化物、シトレート、フッ化物、フマレート、グルコネート、グルクロネート、グリセロホスフェート、水酸化物、ヨーデート、ヨウ化物、ラクテート、酸化物、ホスフェート、トリシリケート、ホスフェート、サリチレート、スクシネート、スルホンアミド、タートレートの形態にある金属Ca、Fe、MgまたはZnのカチオン塩;
有機カチオン性塩、例えば、四級アンモニウム塩、特には、臭化トリメチルテトラデシルアンモニウムまたは塩化ベンゾエトニウム;
カチオン性ポリマー、例えば、キトサンおよび(メタ)アクリルコポリマー(例えば、Eudragit(登録商標)RS、Eudragit(登録商標)RLまたはEudragit(登録商標)E);
ポリアミノ酸、タンパク質またはペプチド;
並びにそれらの混合物
を含む群より選択される塩を含む、請求項24から28のいずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項33】
失活剤Qがイオン交換樹脂、好ましくは、APがカチオン性であるときに強酸性カチオン交換樹脂、またはAPがアニオン性であるときに強塩基性アニオン交換樹脂の塩である、請求項24から28のいずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項34】
失活剤Qがスチレン/ジビニルベンゼンコポリマーの誘導体である、請求項33に記載の医薬形態。
【請求項35】
失活剤Qがスルホン酸スチレン/ジビニルベンゼンコポリマーの誘導体である、請求項33に記載の医薬形態。
【請求項36】
失活剤Qが四級アンモニウム官能基を担持するスチレン/ジビニルベンゼンコポリマーの誘導体である、請求項33に記載の医薬形態。
【請求項37】
失活剤がメタクリル酸およびジビニルベンゼンの架橋コポリマーまたはそれらの塩である、請求項33に記載の医薬形態。
【請求項38】
イオン交換樹脂がフェノール性ポリアミンである、請求項33に記載の医薬形態。
【請求項39】
失活剤Qが以下:
アニオン性有機塩、例えば、ドデシル硫酸ナトリウムまたはナトリウムドクセート;
カチオン性有機塩、例えば、四級アンモニウム塩、特には、臭化トリメチルテトラデシルアンモニウムまたは塩化ベンゾエトニウム;
APの極性に依存して、強酸性カチオン交換樹脂または強塩基性アニオン交換樹脂
より選択される、請求項24から38のいずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項40】
少なくとも1種類の失活剤Qが、
APを含まない微粒子中に、および/または
微粒子上に、および/または
遊離状態で、すなわち、微粒子中に含有されず、または微粒子によって支持されずに、
存在する、請求項24から39のいずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項41】
失活剤の量が、単位形態中に含有されるAPの用量のすべてまたは一部が錯化されるように調整される、請求項24から40のいずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項42】
少なくとも1種類の賦形剤を遊離状態で、すなわち、APの微粒子中に含有されず、またはそれらによって支持されずに含み、前記賦形剤がAPの被覆微粒子の粉砕に対する耐性に寄与する、先行する請求項のいずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項43】
以下:
a)少なくともその一部が、コーティングRで個別に被覆された微粒子中に含有されるAPであって、コーティングRはAPの放出改変を確実なものとし、APの被覆微粒子の粉砕に対する耐性を同時に付与し、コーティング層Rの各構成要素A1、A2、A3およびA4については、(合計質量A1+A2+A3+A4の%としての)その質量mが以下の必要条件:
A1については、10≦m≦90、好ましくは、15≦m≦80、より優先的には、60≦m≦80;
A2については、2≦m≦50、好ましくは、3≦m≦40、より優先的には、5≦m≦25;
A3については、1≦m≦30、好ましくは、2≦m≦20、より優先的には、5≦m≦15;
A4については、0≦m≦40、好ましくは、0≦m≦30、より優先的には、0≦m≦20;
に従うAP;
b)単位形態の合計質量の0.5%〜30%w/w、好ましくは0.5%〜25%w/w、さらにより優先的には1%〜20%w/wの割合で存在する、少なくとも1種類の薬剤D;
c)場合により、単位形態あたり2〜400mg、好ましくは5〜200mg、さらにより優先的には10〜100mgの割合で存在する、少なくとも1種類の粘性剤V;
d)場合により、少なくとも1種類の失活剤Qであって、その量が単位形態中に含有されるAPの用量のすべてまたは一部を捕捉するために調整され、APの塩を含有する相とは異なる別の相に含まれる失活剤Q
を含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項44】
APの微粒子とは異なる粘性剤Vの微粒子を含む、請求項43に記載の医薬形態。
【請求項45】
粘性剤Vの微粒子およびAPの微粒子を含み、前記微粒子は類似するサイズ分布および類似する密度を有し、ふるい掛けによって互いに分離することが不可能である、請求項43または44に記載の医薬形態。
【請求項46】
コーティング層Rが以下の成分を含有するものであって、
A1は、セルロースの水不溶性誘導体、好ましくは、エチルセルロースおよび/または酢酸セルロースを含む群より選択され、
A2は以下:
好ましくは、ポリアクリルアミド、ポリ−N−ビニルアミド、ポリビニルピロリドン(PVP)およびポリ−N−ビニルラクタムを含む群からの、窒素含有(コ)ポリマー、
セルロースの水溶性誘導体、
ポリエチレングリコール(PEG)、
並びにそれらの混合物;
を含む群より選択され、
A3は、トリエチルシトレート、ジブチルセバケート、植物油、ヒマシ油およびそれらの混合物を含む群より選択され;
A4は、非イオン性表面活性剤を含む群、好ましくは、以下の下位群:
ポリオキシエチル化油、好ましくは、ポリオキシエチル化水素化ヒマシ油、
ポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシドコポリマー(ポロキサマー)、
ポリオキシエチル化ソルビタンエステル、
ポリソルベート、
ステアレート、好ましくは、ステアリン酸マグネシウム、
およびそれらの混合物
より選択される、請求項43から45のいずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項47】
薬剤Dが以下の生成物:
ヒドロキシアルキルセルロース(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース)、
メチルセルロース、
カルボキシ(アルキル)セルロースおよびそれらの塩、
グアールガム、
カラゲナン、
並びにそれらの混合物
の群より選択される、請求項43から46のいずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項48】
粘性剤Vが以下:
ポリアルキレンオキシド(例えば、ポリエチレンオキシド)、および/または
キサンタン、および/または
セルロース誘導体(特には、ヒドロキシプロピルセルロース)、
およびそれらの混合物
より選択される、請求項43から47のいずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項49】
失活剤Qが以下:
アニオン性有機塩、例えば、ドデシル硫酸ナトリウムまたはナトリウムドクセート;
カチオン性有機塩、例えば、四級アンモニウム塩、特には、臭化トリメチルテトラデシルアンモニウムまたは塩化ベンゾエトニウム;
イオン交換樹脂、好ましくは、強酸性カチオン交換樹脂または強塩基性アニオン交換樹脂
より選択される、請求項43から48のいずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項50】
失活剤Qが以下:
APがカチオン性であるとき、強酸性カチオン交換樹脂およびそれらの混合物;
APがアニオン性であるとき、強塩基性アニオン交換樹脂およびそれらの混合物
より選択される、請求項43から49のいずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項51】
以下:
a)少なくともその一部が、コーティングRで個別に被覆された微粒子中に含有されるAPであって、コーティングRはAPの放出改変を確実なものとし、およびAPの被覆微粒子の粉砕に対する耐性を同時に付与し、コーティング層Rの各構成要素A1、A2、A3およびA4については、(合計質量A1+A2+A3+A4の%としての)その質量mは以下の必要条件:
A1については、10≦m≦90、好ましくは、15≦m≦80、より優先的には、60≦m≦80;
A2については、2≦m≦50、好ましくは、3≦m≦40、より優先的には、5≦m≦25;
A3については、1≦m≦30、好ましくは、2≦m≦20、より優先的には、5≦m≦15;
A4については、0≦m≦40、好ましくは、0≦m≦30、より優先的には、0≦m≦20、
に従うAP;
b)少なくとも1種類の薬剤Dは、微粒子との混合物として、単位形態の合計質量の1%〜30%w/w、好ましくは2%〜25%w/w、さらにより優先的には2%〜20%w/wの割合で存在する;
c)単位形態あたり2〜400mg、好ましくは5〜200mg、さらにより優先的には10〜100mgの割合の、APの微粒子とは異なる微粒子中に含有される少なくとも1種類の粘性剤V;
d)場合により、APおよび粘性剤の微粒子とは異なる微粒子に含有される少なくとも1種類の失活剤Q;失活剤の量は、単位形態中に含有されるAPの用量のすべてまたは一部を捕捉するため、イオン電荷の観点で調整される;
e)場合により、圧縮賦形剤
を含む、錠剤単位形態にある、請求項43から50のいずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項52】
少なくとも1種類の失活剤Qを含む、請求項51に記載の医薬形態。
【請求項53】
以下:
a)少なくともその一部が、コーティングRで個別に被覆された微粒子中に含有されるAPであって、コーティングRはAPの放出改変を確実なものとし、およびAPの被覆微粒子の粉砕に対する耐性を同時に付与し、コーティング層Rの各構成要素A1、A2、A3およびA4については、(合計質量A1+A2+A3+A4の%としての)その質量mが;
A1については、10≦m≦90、好ましくは、15≦m≦80、より優先的には、60≦m≦80;
A2については、2≦m≦50、好ましくは、3≦m≦40、より優先的には、5≦m≦25;
A3については、1≦m≦30、好ましくは、2≦m≦20、より優先的には、5≦m≦15;
A4については、0≦m≦40、好ましくは、0≦m≦30、より優先的には、0≦m≦20;
を支持するAP;
b)単位形態の合計質量の0.5%〜20%w/w、好ましくは0.5%〜15%w/w、さらにより優先的には1%〜10%w/wの割合で存在する、少なくとも1種類の薬剤D;
c)場合により、単位形態あたり2〜400mg、好ましくは5〜200mg、さらにより優先的には10〜100mgの割合で、APの微粒子とは異なる微粒子中に含有される少なくとも1種類の粘性剤V;
d)場合により、APおよび粘性剤の微粒子とは異なる微粒子中に含有される少なくとも1種類の失活剤Q;失活剤の量は、単位形態中に含有されるAPの用量のすべてまたは一部を捕捉するため、イオン電荷の観点で調整されること
を含む、ゼラチンカプセル単位形態にある、請求項43から50のいずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項54】
少なくとも1種類の粘性剤Vを含む、請求項53に記載の医薬形態。
【請求項55】
少なくとも1種類の失活剤Qを含む、請求項53または54に記載の医薬形態。
【請求項56】
粘性剤Vの微粒子および/または失活剤Qの微粒子を含み、粘性剤Vの微粒子および失活剤Qの微粒子はAPの微粒子とは異なる、請求項53から55のいずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項57】
APの微粒子並びに、粘性剤Vの微粒子および/または失活剤Qの微粒子をさらに含み、前記微粒子は類似するサイズ分布および類似する密度を有し、ふるい掛けによって互いに分離することが不可能である、請求項53から56のいずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項58】
遊離状態にある賦形剤が以下:
ステアリン酸カルシウム;
グリセリルベヘネート;
パルミトステアリン酸グリセリル;
酸化マグネシウム;
ポリアルキレングリコール、好ましくは、ポリエチレングリコール;
ポリビニルアルコール;
安息香酸ナトリウム;
ステアリン酸;
コーンスターチ;
タルク;
コロイド状シリカ;
ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム;
フマル酸ステアリル;
およびそれらの混合物
を含む群より選択される、請求項42に記載の医薬形態。
【請求項59】
APの被覆微粒子が1000μm以下、好ましくは50〜800μm、より好ましくは100〜600μm、さらに良好には100〜400μmの体積平均直径を有する、先行する請求項のいずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項60】
少なくとも、
粉砕に耐性を有するコーティングで被覆されたAPの微粒子;
イオン交換樹脂;
ポリオキシエチレン;
メチルセルロース、
を含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項61】
少なくとも、
粉砕に耐性を有するコーティングで被覆されたAPの微粒子;
イオン交換樹脂;
ポリオキシエチレン;
メチルセルロース;
ヒドロキシエチルセルロース、
を含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項62】
前記医薬形態がナトリウムカルボキシメチルセルロースを基礎とする薬剤Dで被覆されたゼラチンカプセルの形態にある、請求項53に記載の医薬形態。
【請求項63】
前記医薬形態がヒドロキシエチルセルロースを基礎とする薬剤Dで被覆されたゼラチンカプセルの形態にある、請求項53に記載の医薬形態。
【請求項64】
APの放出改変微粒子およびAPの即時放出微粒子を含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項65】
APの被覆微粒子の複数の集団を含み、前記集団はそれらの放出動力学および/またはそれらが含有するAPによって互いに異なる、先行する請求項のいずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項66】
活性成分が以下のファミリー:アヘン剤、鎮痛剤(analgesics)、鎮痛剤(antalgics)、鎮咳剤、抗不安剤、ベンゾジアゼピン、食欲抑制剤、抗うつ剤、抗てんかん剤、抗偏頭痛剤、抗パーキンソン剤、バルビツール、睡眠剤、下剤、神経遮断剤、覚醒剤、向神経剤、鎮静剤、アンフェタミン、興奮剤より選択される、先行する請求項のいずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項67】
活性成分が以下:アセトルフィン、アセチル−α−メチルフェンタニル、アセチルジヒドロコデイン、アセチルメタドール、アルフェンタニル、アリルプロジン、α−セチルメタドール、αメプロジン、αメタドール、α−メチルフェンタニル、α−メチルチオフェンタニル、αプロジン、アニレリジン、アトロピン、ブトルファノール、ベンゼチジン、ベンジルモルフィン、β−ヒドロキシフェンタニル、β−ヒドロキシメチル−3−フェンタニル、β−セチルメタドール、βメプロジン、βメタドール、βプロジン、ベジトラミド、ブプレノルフィン、ジオキサフェチルブチレート、シクラゾシン、カンナビス、セトベミドン、クロニタゼン、コデイン、コカ、コカイン、コドキシム、デゾシン、ジメノキサドール、ジオキサフェチルブチレート、デソモルフィン、デクストロモラミド、デクストロプロポキシフェン、ジアンプロミド、ジエチルチアムブテン、ジフェノキシン、ジヒドロコデイン、ジヒドロエトルフィン、ジヒドロモルフィン、ジメノキサドール、ジメフェプタノール、ジメチルチアムブテン、ジフェノキシレート、ジピパノン、ドロテバノール、エプタゾシン、エトヘプタジン、エチルメチルチアムブテン、エトニタゼン、エクゴニン、エフェドリン、エチルメチルチアムブテン、エチルモルフィン、エトニタゼン、エトルフィン、エトキセリジン、フェンタニル、フレチジン、ヘロイン、ヒドロコドン、ヒドロモルフィノール、ヒドロモルホン、ヒドロキシペチジン、イソメタドン、ケトベミドン、レバロルファン、ロフェンタニル、レボメトルファン、レボモラミド、レボフェナシルモルファン、レボルファノール、メプタジノール、メペリジン、メタゾシン、メタドン、メチルデソルフィン、メチルジヒドロモルフィン、メチルフェニデート、メチル−3−チオフェンタニル、メチル−3−フェンタニル、メトポン、モラミド、モルフェリジン、モルヒネ、ミロフィン、ナルブフィン、ナルセイン、ニコモルフィン、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ナロルフィン、ノルモルフィン、ニココデイン、ニコジコデイン、ニコモルフィン、ノルアシメタドール、ノルコデイン、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ノルモルフィン、ノルピパノン、アヘン、オキシコドン、オキシモルホン、パパベレツム、フェナドキソン、フェノペリジン、プロメドール、プロペリジン、プロピラム、プロポキシフェン、パラ−フルオロフェンタニル、ペンタゾシン、ペチジン、フェナムプロミド、フェナゾシン、フェノモルファン、フェノペリジン、ホルコジン、ピミノジン、ピリトラミド、プロヘプタジン、プロプラノロール、プロペリジン、プロピラム、ラセメトルファン、ラセモラミド、ラセモルファン、レミフェンタニル、スフェンタニル、テバコン、テバイン、チオフェンタニル、チリジン、トリメペリジン、トラマドール並びにそれらの薬理学的に許容し得る塩、エステル、水和物、多形および異性体並びにそれらの混合物からなる群より選択される、先行する請求項のいずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項68】
鎮痛性APが、塩酸オキシコドン、硫酸モルヒネ、塩酸オキシモルホン、塩酸ヒドロモルホン、塩酸ヒドロコドンおよび塩酸トラマドールからなる群より選択される、先行する請求項のいずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項69】
先行する請求項のいずれか一項に記載の医薬形態を、本質的に以下:
a)APのコア(非被覆微粒子)を以下:
場合により、1またはそれ以上の薬剤Dまたは医薬的に許容し得る賦形剤を伴う、APの抽出/球状化、および/または;
場合により、1またはそれ以上の薬剤Dまたは医薬的に許容し得る賦形剤を伴う、APの湿式増粒、および/または;
場合により、1またはそれ以上の薬剤Dまたは医薬的に許容し得る賦形剤を伴う、APの圧縮、および/または;
場合により、1またはそれ以上の薬剤Dまたは医薬的に許容し得る賦形剤を伴う、水性または有機溶媒中の分散液または溶液での、中性支持体または薬剤Dの粒子上へのAPの噴霧、および/または;
APの粉末または結晶のふるい掛け;
によって調製する工程、
b)APのリザーバ微粒子を以下:
流動化空気床における、1またはそれ以上の化合物A1、A2およびA3、場合により、1またはそれ以上の化合物A4および/またはDを含有する溶液または分散液の、APの微粒子上への噴霧;APの微粒子は1またはそれ以上の薬剤Dで予め被覆されていてもよく;APの被覆微粒子は、場合により、1またはそれ以上の薬剤Dで被覆することができる;
によって調製する工程、
c)薬物の最終形態を以下:
ゼラチンカプセルまたはサシェイにおける配合には、薬剤D、VおよびQを伴うAPのリザーバ微粒子の造粒および/または抽出/球状化;または
錠剤を得るための、場合により、1またはそれ以上の薬剤D、VおよびQ並びに医薬的に許容し得る賦形剤との、APのリザーバ微粒子の混合;この錠剤は、場合により、コーティングドラムにおいて、薬剤Dおよび/または医薬的に許容し得る賦形剤を含有する1またはそれ以上の層で被覆することができる;または
APのリザーバ微粒子、VおよびQのゼラチンカプセル内での配合;ゼラチンカプセルは、場合により、ドラムまたは流動化空気床において、1またはそれ以上の薬剤Dおよび/または医薬的に許容し得る賦形剤で被覆することができる;または
場合により、1またはそれ以上の薬剤Dおよび/または医薬的に許容し得る賦形剤を伴う、APのリザーバ微粒子、VおよびQのサシェイ内での配合
によって調製する工程
からなるいくつかの工程で得るための方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2009−537610(P2009−537610A)
【公表日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−511528(P2009−511528)
【出願日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際出願番号】PCT/EP2007/055069
【国際公開番号】WO2007/135193
【国際公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【出願人】(505437321)フラメル・テクノロジーズ (14)
【Fターム(参考)】