説明

持続性血糖降下剤の投与方法

本発明は、血糖降下剤および/またはGLP−1アゴニストの投与に関する方法および医薬組成物に関し、ここで、血糖降下剤の平均最大血漿濃度(Cmax)および/または濃度曲線下面積(AUC)値を増加するおよび/または維持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、持続性血糖降下剤を投与するための方法および医薬組成物ならびにGLP−1活性を有する化合物および/またはGLP−1アンタゴニストを用いた治療計画に関する。
【背景技術】
【0002】
血糖降下剤は、血中グルコース濃度を低下させるために、I型およびII型糖尿病の治療に用いられうる。インスリン分泌促進ペプチドは、糖尿病の治療のための可能な治療薬として関与している。インスリン分泌促進ペプチドには、限定されるものではないが、インクレチンホルモン、例えば、胃抑制ペプチド(GIP)およびグルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)、ならびにそのフラグメント、変種、および/またはコンジュゲートが含まれる。インスリン分泌促進ペプチドには、例えば、エキセンジン(exendin)3およびエキセンジン4も含まれる。GLP−1は、食物摂取に応じて腸のL細胞により分泌された36個のアミノ酸長インクレチンホルモンである。GLP−1は、生理学的およびグルコース依存性手法においてインスリン分泌を刺激し、胃内容排出を抑制し、食欲を減退させ、B細胞の増殖を刺激することを示している。非臨床実験において、GLP−1は、グルコース依存性インスリン分泌に重要な遺伝子の転写を刺激することによりおよびβ細胞新生を促進することにより持続性β細胞反応能を促進する(Meierら.Biodrugs.2003;17(2):93−102)。
【0003】
健常人において、GLP−1は、末梢にてグルコース吸収の増加をもたらす膵臓によるグルコース依存性インスリン分泌を刺激することにより食後血中グルコース濃度を制御するという重要な役割を果たす。GLP−1はまた、肝臓でのグルコース産生の減少をもたらす、グルカゴン分泌を抑制する。さらに、GLP−1は、胃内容排出を遅らせ、食物摂取を遅らせる小腸運動を遅くする。
【0004】
II型糖尿病(T2DM)を伴う人々において、正常なGLP−1の食後の上昇は、見られないかまたは低下する(Vilsboll T,ら,Diabetes.2001.50;609−613)。したがって、外因性GLP−1、インクレチンホルモン、またはインクレチン模倣薬を投与するための一の理論的根拠は、食事関連インスリン分泌を増加させ、グルカゴン分泌を減少させ、および/または胃腸運動を遅くするために、外因性GLP−1を促進するか、置換するかまたは補完することである。天然GLP−1は、非常に短い血中半減期(5分未満)を有する。したがって、現在、糖尿病の治療的処置として天然GLP−1を体外から投与することは実現不可能である。エクセナチド(Byetta(登録商標))などの商業上利用可能なインクレチン模倣薬は、T2DMを伴う患者に同時投与する場合(5μgまたは10μg BID)、空腹時および食後グルコース濃度を低下させることにより血糖コントロールを改善する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Meierら.Biodrugs.2003;17(2):93−102
【非特許文献2】Vilsboll T,ら,Diabetes.2001.50;609−613
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、血糖降下剤の平均濃度曲線下面積(AUC)値を維持するか、あるいは改善することにより、治療効果を維持しながら注入の回数を減らす、血糖降下剤の投与方法に対する要求が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1の実施態様において、それを必要とするヒトにおけるGLP−1活性を促進するための方法であって、少なくとも1種のGLP−1活性を有するポリペプチドを含む組成物を該ヒトに投与することを含み、ここで、該ポリペプチドが、少なくとも約0.6nMの該ポリペプチドの最大血漿濃度および少なくとも約3.5nMx1週間にわたる日数である該ポリペプチドの濃度曲線下面積値を提供するところの、方法が提供される。
【0008】
本発明の別の実施態様において、それを必要とするヒトにおけるGLP−1活性を促進するための方法であって、少なくとも1種のGLP−1アゴニストを含む組成物を該ヒトに投与することを含み、ここで、該少なくとも1種のGLP−1アゴニストが、少なくとも約21.2pMの該少なくとも1種のGLP−1アゴニストの最大血漿濃度および少なくとも約149pMx1週間にわたる日数である該少なくとも1種のGLP−1アゴニストの濃度曲線下面積値を提供するところの、方法が提供される。
【0009】
定義
本明細書に用いられる「GLP−1アゴニスト」は、限定されるものではないが、インクレチンホルモンおよび/またはそのフラグメント、変種および/またはコンジュゲートならびにインクレチン模倣薬および/またはそのフラグメント、変種および/またはコンジュゲートを含む、少なくとも1のGLP−1活性を刺激しうるおよび/または有しうる任意の化合物または組成物を意味する。
【0010】
本明細書に用いられる「インクレチンホルモン」は、インスリン分泌を促進するかあるいはそのレベルまたはインスリンを上昇させる任意のホルモンを意味する。インクレチンホルモンの一例は、GLP−1である。GLP−1は、食物摂取に応じて腸L細胞により分泌されるインクレチンである。健常個体において、GLP−1は、末梢にてグルコース吸収の増加をもたらす膵臓によりグルコース依存性インスリン分泌を刺激することにより食後血中グルコース濃度を調節するのに重要な役割を果たす。GLP−1はまた、肝臓でのグルコース産生の減少をもたらす、グルカゴン分泌を抑制する。さらに、GLP−1は、胃内容排出時間を遅らせ、食物吸収を遅らせる小腸運動を遅くする。GLP−1は、グルコース依存性インスリン分泌に関与する遺伝子の転写を刺激することによりおよびβ細胞新生を促進することにより持続性β細胞反応能を促進する(Meier,ら.Biodrugs 2003;17(2):93−102)。
【0011】
本明細書に用いられる「GLP−1活性」は、限定されるものではないが、血中および/または血漿グルコースの低下、グルコース依存性インスリン分泌の刺激あるいはインスリン濃度の上昇、グルカゴン分泌の抑制、フルクトサミンの低下、脳へのグルコース輸送および代謝の増加、胃内容排出の遅延、ならびにβ細胞反応能、および/または新生を含む、1つまたは複数の天然に存在するヒトGLP−1の活性を意味する。これらの活性のいずれかおよびGLP−1活性に付随する他の活性は、GLP−1活性を有する組成物またはGLP−1アゴニストにより直接的または間接的に引き起こされうる。一例として、GLP−1活性を有する組成物は、グルコース依存性インスリン産生を直接的または間接的に刺激しうる一方、インスリン産生の刺激は、哺乳動物における血漿グルコース濃度を間接的に低下させうる。
【0012】
本明細書に用いられる「インクレチン模倣薬」は、インスリン分泌を促進するかあるいはインスリン濃度を上昇させうる化合物である。インクレチン模倣薬は、哺乳動物において、インスリン分泌を刺激し、β細胞新生を増加し、β細胞アポトーシスを抑制し、グルカゴン分泌を抑制し、胃内容排出を遅らせ、満腹を誘導しうる。インクレチン模倣薬には、限定されるものではないが、エキセンジン3およびエキセンジン4を含むが、それらに限定されず、任意のフラグメントおよび/または変種および/またはコンジュゲートを含む、GLP−1活性を有する任意のポリペプチドが含まれうる。
【0013】
本明細書に用いられる「血糖降下剤」は、任意の化合物または血中グルコースを低下させうる化合物を含む組成物を意味する。血糖降下剤には、限定されるものではないが、インクレチンホルモンまたはインクレチン模倣薬、GLP−1および/またはそのフラグメント、変種および/またはコンジュゲートを含む、任意のGLP−1アゴニストが含まれうる。他の血糖降下剤には、限定されるものではないが、インスリン分泌を増加する薬剤(例えば、スルホニル尿素系(SU)およびメグリチニド)、GLP−1分解を抑制する薬剤(例えば、DPP−IV阻害剤)、グルコース利用を増加する薬剤(例えば、グリタゾン系、チアゾリジンジオン系(TZD)および/またはpPARアゴニスト)、肝臓グルコース産生を減少させる薬剤(例えば、メトホルミン)、およびグルコース吸収を遅らせる薬剤(例えば、α−グルコシダーゼ阻害薬)が含まれる。スルホニル尿素系の例として、限定されるものではないが、アセトヘキサミド、クロルプロパミド、トラザミド、グリピザイド、グリクラジド、グリベンクラミド(グリブリド)、グリキドン、およびグリメピリドが含まれる。グリタゾン系の例として、限定されるものではないが、ロシグリタゾンおよびピオグリタゾンが含まれる。
【0014】
「ポリヌクレオチド(群)」は、一般に、RNAまたはDNAが修飾されえないかあるいはRNAまたはDNAが修飾されうる任意のポリリボヌクレオチドまたはポリデオキシリボヌクレオチドをいう。「ポリヌクレオチド(群)」には、限定されるものではないが、一本鎖および二本鎖DNA、一本鎖および二本鎖領域または一本鎖、二本鎖および三本鎖領域、一本鎖および二本鎖RNAの混合物であるDNA、ならびに一本鎖および二本鎖領域の混合物であるRNA、一本鎖または、より一般には、二本鎖、または三本鎖領域、または一本鎖および二本鎖領域の混合物でありうるDNAおよびRNAを含むハイブリッド分子が含まれうる。さらに、本明細書に用いられる「ポリヌクレオチド」は、RNAまたはDNAまたはRNAおよびDNA両方を含む三本鎖領域をいう。かかる領域のストランドは、同一分子からまたは異なる分子からなりうる。領域には、1種または複数の分子の全てが含まれうるが、より一般には、いくつかの分子の領域のみに関与しうる。三重らせん領域の分子の1つは大抵、オリゴヌクレオチドである。本明細書に用いられる、「ポリヌクレオチド(群)」なる語には、1種または複数の修飾塩基を含む上記のDNAまたはRNAも含まれる。したがって、安定性および他の理由で修飾された骨格を有するDNAまたはRNAは、本明細書に表される「ポリヌクレオチド(群)」である。そのため、2例だけ挙げると、イノシンなどの異常な塩基、またはトリチル化塩基などの修飾塩基を含むDNAまたはRNAは、本明細書に用いられる、ポリヌクレオチドである。当業者に既知の多数の有用な目的を持つDNAおよびRNAに対し種々の修飾が行われていることは明らかであろう。本明細書に用いられる「ポリヌクレオチド(群)」なる語は、かかるポリヌクレオチドの化学的、酵素的または代謝的に修飾された形態、ならびに例えば、単純細胞および複合型細胞を含む、DNAおよびRNA特性のウイルスおよび細胞の化学形態を包含する。「ポリヌクレオチド(群)」はまた、オリゴヌクレオチド(群)と一般的に呼ばれる短ポリヌクレオチドを包含する。
【0015】
「ポリペプチド」は、ペプチド結合または修飾ペプチド結合、すなわち、ペプチドアイソスターにより相互に結合する2種または複数のアミノ酸を含む任意のペプチドまたはタンパク質をいう。「ポリペプチド」は、ペプチド、オリゴペプチドまたはオリゴマーと一般的に呼ばれる、短鎖ならびにタンパク質と一般的に呼ばれる、長鎖両方をいう。ポリペプチドは、20個の遺伝子をコードしたアミノ酸以外のアミノ酸を含有しうる。「ポリペプチド」には、翻訳後プロセシングなどの自然過程、または当業者によく知られている化学修飾技法のいずれかにより修飾されたアミノ酸配列が含まれる。かかる修飾は、基本書およびより詳細なモノグラフ、ならびに大量の研究文献によく記載されている。ペプチド骨格、アミノ酸側鎖およびアミノまたはカルボキシル末端を含む、ポリペプチドのどこかで修飾が起こる。同種の修飾が、所定のポリペプチド中の複数の部位で同一または種々の頻度で存在しうることは明らかであろう。また、所定のポリペプチドは、多様の修飾を含有しうる。ポリペプチドは、ユビキチン化の結果として分岐してもよく、分岐の有無に関わらず環化してもよい。環状、分岐および分岐環状ポリペプチドは、翻訳後自然過程をもたらしうるかまたは合成法により製造されうる。修飾には、アセチル化、アシル化、ADPリボシル化、アミド化、フラビンの共有結合、ヘム部の共有結合、ヌクレオチドまたはヌクレオチド誘導体の共有結合、脂質または脂質誘導体の共有結合、ホスファチジルイノシトールの共有結合、架橋結合、環化、ジスルフィド結合形成、脱メチル化、共有結合架橋形成、システイン形成、ピログルタミン酸形成、ホルミル化、γ−カルボキシル化、グリコシル化、GPIアンカー形成、ヒドロキシル化、ヨード化、メチル化、ミリストイル化、酸化、タンパク質分解プロセシング、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノイレーション(selenoylation)、硫酸化、アルギニン化などのタンパク質へのアミノ酸の転移RNA介在付加、およびユビキチン化が含まれる。例えば、PROTEINS−STRUCTURE AND MOLECULAR PROPERTIES,2nd Ed.,T.E.Creighton,W.H.Freeman and Company,New York,1993およびWold,F.,Posttranslational Protein Modifications:Perspectives and Prospects,pgs.1−12 in POSTTRANSLATIONAL COVALENT MODIFICATION OF PROTEINS,B.C.Johnson,Ed.,Academic Press,New York,1983;Seifter,ら,「Analysis for protein modifications and nonprotein cofactors」,Meth.Enzymol.(1990)182:626−646およびRattan,ら,「Protein Synthesis: Posttranslational Modifications and Aging」,Ann NY Acad Sci(1992)663:48−62を参照。
【0016】
本明細書に用いられる「変種」は、目的ポリヌクレオチドまたはポリペプチドとはそれぞれ異なるが、本質的特性は有するポリヌクレオチドまたはポリペプチドである。ポリヌクレオチドの典型的変種は、ヌクレオチド配列において別の、目的ポリヌクレオチドとは異なる。変種のヌクレオチド配列の変化は、目的ポリヌクレオチドによってコードされるポリヌクレオチドのアミノ酸配列を変えても変えなくてもよい。ヌクレオチド変化は、下記の目的配列によってコードされるポリペプチドにおいてアミノ酸置換、付加、欠失、融合および切断をもたらしうる。ポリペプチドの典型的変種は、アミノ酸配列において、別の、目的ポリペプチドとは異なる。一般に、目的ポリペプチドおよび変種の配列が、全体的に極めて類似し、多くの領域において、同一であるように違いが限定される。変種および目的ポリペプチドは、アミノ酸配列において、任意の組み合わせにおける1つまたは複数の置換、付加、欠失により異なる。置換または挿入されたアミノ酸残基は、遺伝情報によりコードされるものであってもなくてもよい。ポリヌクレオチドまたはポリペプチドの変種は、対立遺伝子多型などの自然に生じるものであってもよく、または自然に生じることが知られていない変種であってもよい。ポリヌクレオチドおよびポリペプチドの自然に生じない変種は、突然変異技法によりまたは直接合成法により作製されうる。変種には、限定されるものではないが、1つまたは複数のアミノ酸側基の化学的修飾を有するポリペプチドまたはそのフラグメントも含まれる。化学的修飾には、限定されるものではないが、化学的部分の付加、新しい結合の作製、および化学的部分の除去が含まれる。アミノ酸側基での修飾には、限定されるものではないが、リジン−ε−アミノ基のアシル化、アルギニン、ヒスチジン、またはリジンのN−アルキル化、グルタミン酸またはアスパラギン酸のカルボン酸基のアルキル化、およびグルタミンまたはアスパラギンの脱アミド化が含まれる。末端アミノ基の修飾には、限定されるものではないが、des−アミノ、N−低級アルキル、N−ジ−低級アルキル、およびN−アシル修飾が含まれる。末端カルボキシ基の修飾には、限定されるものではないが、アミド、低級アルキルアミド、ジアルキルアミド、および低級アルキルエステル修飾が含まれる。さらに、1つまたは複数の側基、または末端基は、当該分野のタンパク質化学者に既知の保護基により保護されうる。
【0017】
本明細書に用いられる「フラグメント」は、ポリペプチドに関して用いる場合、完全な天然ポリペプチドのアミノ酸配列と全部ではないが一部同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドである。フラグメントは、「独立」であってもよく、または単一のより大きいポリペプチド中の単一連続領域として一部または領域を形成するより大きいポリペプチド内に含まれうる。一例として、天然GLP−1のフラグメントは、1〜36番目の天然アミノ酸の7〜36番目のアミノ酸を含むであろう。さらに、ポリペプチドのフラグメントはまた、自然に生じる部分配列の変種であってもよい。例えば、天然GLP−1の7〜30番目のアミノ酸を含むGLP−1のフラグメントはまた、その部分配列内のアミノ酸置換を有する変種であってもよい。
【0018】
本明細書に用いられる「コンジュゲート」または「コンジュゲートされた」は、相互に結合する2種の分子をいう。例えば、第1ポリペプチドは、第2ポリペプチドと共有結合または非共有結合しうる。第1ポリペプチドは、化学リンカーにより共有結合してもよく、または第2ポリペプチドに遺伝的に結合してもよく、ここで、第1および第2ポリペプチドは、共通ポリペプチド骨格を共有する。
【0019】
本明細書に用いられる「直列に配列している」は、同一分子の一部として相互に隣接する2種または複数のポリペプチドをいう。それらは、共有結合または非共有結合のいずれかであってもよい。2種または複数の直列に配列しているポリペプチドは、同一ポリペプチド骨格の一部を形成しうる。直列に配列しているポリペプチドは、順または逆方向を有していてもよくおよび/または他のアミノ酸配列により分離されてもよい。
【0020】
本明細書に用いられる、血中または血漿グルコースを「低下させる」または「低下させること」は、血糖降下剤の投与後患者の血液中で観測された血中グルコース量の低下をいう。血中または血漿グルコースの低下は、対照群に対する個体当たりのまたは平均変化として測定および評価されうる。さらに、血中または血漿グルコースの平均的低下は、基準値からの平均変化としておよび/またはプラセボを投与された対象間の血中または血漿グルコースの平均変化と比較した平均変化として治療対象群について測定および評価されうる。
【0021】
本明細書に用いられる「GLP−1活性を促進すること」は、天然GLP−1に付随する任意および全ての活性の増加をいう。一例として、GLP−1活性の促進は、対象への少なくとも1種のGLP−1活性を有するポリペプチドの投与後に測定され、GLP−1活性を有するポリペプチドの投与前の同対象におけるGLP−1活性を比較しうるかまたはプラセボを投与する第2対象と比較しうる。
【0022】
本明細書に用いられる「血中グルコースの上昇に付随する疾患」には、限定されるものではないが、I型およびII型糖尿病、耐糖能異常、高血糖症、およびアルツハイマー病が含まれる。
【0023】
本明細書に用いられる「併用」または「併用すること」は、同一患者に対する2種または複数の化合物の投与をいう。かかる化合物の併用は、同時またはほぼ同時(例えば、同一時刻内)であってもよく、あるいはお互いが数時間または数日中内であればよい。例えば、第1化合物は1週間に1回投与されうる一方、第2化合物は毎日併用される。
【0024】
本明細書に用いられる「最大血漿濃度」または「Cmax」は、哺乳動物に対する基質の投与後の哺乳類の血漿中の基質(例えば、GLP−1活性を有するポリペプチドまたはGLP−1アゴニスト)の最も高い観測濃度を意味する。
【0025】
本明細書に用いられる「濃度曲線下面積」または「AUC」は、時間に対する血漿中基質濃度のプロットにおける曲線下面積である。AUCは、時間間隔中の瞬間濃度の積分の指標とすることができ、質量x時間/容量の単位を有し、nMx日数などの分子濃度x時間としても表されうる。AUCは、典型的には、台形法により算出される(例えば、線形、線形対数)。AUCは通常、時間間隔0〜無限大で得られ、他の時間間隔は(例えば、AUC(t1,t2)(式中:t1およびt2は、間隔の開始時間と終了時間である))と示される。したがって、本明細書に用いられる「AUC0−24時間」は24時間にわたるAUCをいい、「AUC0−4時間」は4時間にわたるAUCをいう。
【0026】
本明細書に用いられる「加重平均AUC」は、AUCを算出する時間にわたる時間間隔で割ったAUCである。例えば、加重平均AUC0−24時間は、24時間で割ったAUC0−24時間を表すであろう。
【0027】
本明細書に用いられる「信頼区間」または「CI」は、測定または試験が対応する所定の確率p(式中:pは90%または95%CIをいう)となる区間であり、算術平均、幾何平均、または最小二乗平均のいずれか近くを算出する。本明細書に用いられる「幾何平均」は、累乗法を介して逆変換された自然対数変換値の平均値であり、最小二乗平均は、幾何平均であってもなくてもよいが、母数効果を用いる分散分析(ANOVA)モデルから算出される。
【0028】
本明細書に用いられる「変動変数(CV)」は、分散の指標であり、平均値に対する標準偏差の比率として定義される。上記算出値に100を掛けることによりパーセンテージ(%)として記録される(%CV)。
【0029】
本明細書に用いられる「Tmax」は、哺乳動物に対する基質の投与後の哺乳動物の血漿中基質の最大濃度に達する観測時間をいう。
【0030】
本明細書に用いられる「血中または血漿半減期」は、通常の生物学的過程により哺乳動物の血清または血漿から代謝または排出される哺乳動物に投与された基質の量を半分にするのに要する時間をいう。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】II型糖尿病を伴う対象における配列番号1の薬物動態プロファイル 時間(時間)ごとの血漿濃度(nM ELISA)の平均(95%)プロットを示す。
【図2】2型糖尿病を伴う対象における注入部位(腹部、脚および腕)および投与量ごとの配列番号1濃度−暴露のボックスプロット(AUC(0−Inf))を示す。
【図3】配列番号1の配列を示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明の1の態様において、ヒトにおけるGLP−1活性を促進する方法であって、少なくとも1種のGLP−1活性を有するポリペプチドを含む組成物を該ヒトに投与することを含み、該ポリペプチドが、少なくとも約0.6nMの該ポリペプチドの最大血漿濃度および少なくとも約3.5nMx1週間にわたる日数である該ポリペプチドの濃度曲線下面積値を提供するところの、方法が提供される。当該分野にて理解されるように、種々の方法は、血液、血漿および/または他の組織中の活性化合物濃度などの薬物動態データを収集し、測定し、評価するために用いられうる。当該分野にも理解されるように、種々の方法は、限定されるものではないが、血液および/または血漿および/または他の組織中のグルコース、インスリン、C−ペプチド、グルカゴンおよび他のバイオマーカー濃度などの種々の薬物動態データを収集し、測定し、評価するために用いられうる。本発明にしたがって、少なくとも1種のGLP−1活性を有するポリペプチドは、GLP−1アゴニストでありうる。GLP−1アゴニストは、インクレチンホルモンおよび/またはそのフラグメント、変種および/またはコンジュゲートならびにインクレチン模倣薬および/またはそのフラグメント、変種および/またはコンジュゲートからなる群より選択されうる。ヒトGLP−1および/またはそのフラグメント、変種および/またはコンジュゲートがインクレチンホルモンに含まれる。
【0033】
本発明の1の実施態様は、限定されるものではないが、GLP−1またはそのフラグメント、変種、および/またはコンジュゲートでありうるポリペプチドを含む。本発明のGLP−1フラグメントおよび/または変種および/またはコンジュゲートは、典型的には、少なくとも1種のGLP−1活性を有する。GLP−1またはそのフラグメント、変種、および/またはコンジュゲートは、ヒト血清アルブミンを含みうる。ヒト血清アルブミンは、GLP−1あるいはそのフラグメントおよび/または変種と結合しうる。ヒト血清アルブミンは、注入前に化学リンカーを介してインクレチンホルモン(GLP−1など)および/またはインクレチン模倣薬(エキセンジン3およびエキセンジン4)および/またはそのフラグメントおよび/または変種と結合しうるかあるいはインビボで天然ヒト血清アルブミンと化学結合しうる(例えば、その全体を出典明示により本明細書の一部とする、米国特許第6,593,295号および米国特許第6,329,336号を参照)。あるいは、ヒト血清アルブミンは、GLP−1および/またはそのフラグメントおよび/または変種あるいはエキセンジン3またはエキセンジン4および/またはそのフラグメントおよび/または変種などの他のGLP−1アゴニストと遺伝的に結合しうる。ヒト血清アルブミンと遺伝的に結合するGLP−1およびそのフラグメントおよび/または変種の例は、以下のPCT出願:WO 2003/060071、WO 2003/59934、WO 2005/003296、WO 2005/077042(それらは、その全体を出典明示により本明細書の一部とする)にて提供される。
【0034】
GLP−1活性を有するポリペプチドは、少なくとも1種のヒトGLP−1のフラグメントおよび/または変種を含みうる。2種のヒトGLP−1の天然フラグメントは、配列番号2で表される。
【化1】

(式中:37番目のXaaはGly(以下、「GLP−1(7−37)」と表す)、または−NH(以下、「GLP−1(7−36)」と表す)である)。GLP−1フラグメントには、限定されるものではないが、ヒトGLP−1の7〜36番目のアミノ酸(GLP−1(7−36))を含むかあるいはそれからなるGLP−1分子が含まれうる。GLP−1またはそのフラグメントの変種には、限定されるものではないが、野生型GLP−1または配列番号2に示されるGLP−1の天然フラグメントにおける1、2、3、4または複数のアミノ酸置換が含まれうる。GLP−1またはGLP−1フラグメントの変種には、限定されるものではないが、野生型GLP−1の8番目のアラニンに対するアラニン残基類似体の置換が含まれ、かかるアラニンは、グリシンに変異する(以下、「A8G」と表す)(例えば、その全体を出典明示により本明細書の一部とする、米国特許第5,545,618号に開示される変種を参照)。
【0035】
いくつかの態様において、少なくとも1種のGLP−1のフラグメントおよび変種は、GLP−1(7−36(A8G))を含み、ヒト血清アルブミンに遺伝的に結合する。さらなる実施態様において、本発明のポリペプチドは、ヒト血清アルブミンまたはその変種のN末端またはC末端に結合したGLP−1および/またはそのフラグメントおよび/または変種の1、2、3、4、5、または複数の直列に配列している分子を含む。他の実施態様は、アルブミンまたはその変種のN末端またはC末端に結合したかかるA8Gポリペプチドを有する。ヒト血清アルブミンのN末端に結合した2種の直列に配列しているGLP−1(7−36)(A8G)フラグメントおよび/または変種の一例として、配列番号1が含まれ、図3で表される。別の態様において、少なくとも1種のGLP−1のフラグメントおよび変種は、ヒト血清アルブミンに直列および遺伝的に結合した少なくとも2種のGLP−1(7−36(A8G))を含む。少なくとも2種のGLP−1(7−36(A8G))は、ヒト血清アルブミンのN末端で遺伝的に結合しうる。少なくとも1種のGLP−1活性を有するポリペプチドは、配列番号1を含みうる。
【0036】
GLP−1(7−37)の変種は、例えば、GLP−1(7−37)OHの22番目によく見られるグリシンがグルタミン酸に置換されているGLP−1変種を指定するGlu22−GLP−1(7−37)OH;GLP−1(7−37)OHの8番目によく見られるアラニンおよび22番目によく見られるグリシンが各々、バリンおよびグルタミン酸に置換されているGLP−1化合物を指定するVal−Glu22−GLP−1(7−37)OHとして表されうる。GLP1の変種の例として、限定されるものではないが、
【表1−1】


【表1−2】

が含まれる。
【0037】
GLP−1の変種にはまた、限定されるものではないが、1つまたは複数のアミノ酸側基の化学的修飾を有するGLP−1またはGLP−1フラグメントが含まれうる。化学的修飾には、限定されるものではないが、化学的部分の付加、新しい結合の作製、および化学的部分の除去が含まれる。アミノ酸側基での修飾には、限定されるものではないが、リジン−ε−アミノ基のアシル化、アルギニン、ヒスチジン、またはリジンのN−アルキル化、グルタミン酸またはアスパラギン酸のカルボン酸基のアルキル化、およびグルタミンまたはアスパラギンの脱アミド化が含まれる。末端アミノ基の修飾には、限定されるものではないが、des−アミノ、N−低級アルキル、N−ジ−低級アルキル、およびN−アシル修飾が含まれる。末端カルボキシ基の修飾には、限定されるものではないが、アミド、低級アルキルアミド、ジアルキルアミド、および低級アルキルエステル修飾が含まれる。さらに、1つまたは複数の側基、または末端基は、当該分野のタンパク質化学者に既知の保護基により保護されうる。
【0038】
GLP−1フラグメントまたは変種にはまた、1個または複数のアミノ酸が該フラグメントまたは変種のGLP−1(7−37)OHのN末端および/またはC末端に付加しているポリペプチドが含まれうる。アミノ酸がN末端またはC末端に付加しているGLP−1におけるアミノ酸は、GLP−1(7−37)OHにおける対応するアミノ酸と同一番号で示される。例えば、2個のアミノ酸をGLP−1(7−37)OHのN末端に付加することにより得られたGLP−1化合物のN末端アミノ酸は5番目であり;1個のアミノ酸をGLP−1(7−37)OHのC末端に付加することにより得られたGLP−1化合物のC末端アミノ酸は38番目である。したがって、GLP−1(7−37)OHにあるように、これらのGLP−1化合物両方における、12番目はフェニルアラニンによって占められ、22番目はグリシンによって占められる。N末端に付加されたアミノ酸を有するGLP−1の1−6番目のアミノ酸は、GLP−1(1−37)OHの対応する位置のアミノ酸と同一でありうるかまたはその同類置換でありうる。C末端に付加されたアミノ酸を有するGLP−1の38−45番目のアミノ酸は、グルカゴンまたはエキセンジン4の対応する位置のアミノ酸と同一でありうるかまたはその同類置換でありうる。
【0039】
本発明の別の態様において、少なくとも1種のGLP−1活性を有するポリペプチドを含む組成物を、1日に1回〜1ヵ月に1回ヒトに投与し、1日に1回、2日に1回、3日に1回、7日に1回、14日に1回、4週に1回および/または1ヵ月に1回投与してもよい。別の態様において、少なくとも1種のGLP−1活性を有するポリペプチドを含む組成物の第1投与量および第2投与量を、ヒトに投与する。第1および第2投与量は同一であってもよく、または異なっていてもよい。少なくとも1種のGLP−1活性を有するポリペプチドの各投与量は、該少なくとも1種のGLP−1活性を有するポリペプチドの約0.25μg〜約1000mgを含みうる。投与量は、限定されるものではないが、該少なくとも1種のGLP−1活性を有するポリペプチドの0.25μg、0.25mg、1mg、3mg、6mg、16mg、24mg、48mg、60mg、80mg、104mg、20mg、400mg、800mg、最大約1000mgまで含みうる。
【0040】
本発明の別の態様において、少なくとも1種のGLP−1活性を有するポリペプチドを含む組成物は、GLP−1活性を有するポリペプチドの少なくとも約0.6nM〜約319nMの最大血漿濃度およびGLP−1活性を有するポリペプチドの少なくとも約3.5〜約1936nMx1週間にわたる日数の濃度曲線下面積値を提供する。ある場合には、GLP−1活性を有するポリペプチドの血中半減期は、約4〜約7日である。別の態様において、GLP−1活性を有するポリペプチドのTmax値は、約1〜約5日である。ある場合には、少なくとも1種のGLP−1活性を有するポリペプチドを含む組成物は、該少なくとも1種のGLP−1活性を有するポリペプチドの約8nM〜約54nMの最大血漿濃度および該少なくとも1種のGLP−1活性を有するポリペプチドの約29nMx日数〜約245nMx1週間にわたる日数のAUC(1週)値を提供する。別の態様において、該少なくとも1種のGLP−1活性を有するポリペプチドを含む組成物は、該少なくとも1種のGLP−1活性を有するポリペプチドの約8nM〜約54nMの最大血漿濃度および該少なくとも1種のGLP−1活性を有するポリペプチドの少なくとも約99nMx日数〜約637nMx単回投与後の日数の単回投与後のAUC(0−∞)値を提供する。
【0041】
本発明にしたがって、少なくとも1種のGLP−1活性を有するポリペプチドを含む組成物を投与された任意のヒトは、高血糖症、耐糖能異常、および/またはT2DMでありうる、糖尿病に罹患しうる。少なくとも1種のGLP−1活性を有するポリペプチドが該ヒトにおける血漿グルコースを低下させ、T2DMを伴うヒトの集団サンプルにおける少なくとも1種のGLP−1活性を有するポリペプチドを含む組成物の投与後のプラセボと比較する場合に、血漿グルコースのAUC0−24時間の加重平均が、約1週間にわたり有意に低下する方法もまた提供される。プラセボを投与した対象における変化と比較する場合に基準値からの変化として測定されうる、血漿グルコースの平均AUC0−24時間は、T2DMを伴うヒトの集団サンプルにおける少なくとも1種のGLP−1活性を有するポリペプチドを含む該組成物の少なくとも1回の投与量の投与後の少なくとも1週間にわたり95%信頼区間(−32.4,−7.8)で約20mg/dL〜95%信頼区間(−76.6,−21.4)で少なくとも約49mg/dLまたはそれ以上まで低下しうる。血漿グルコースの低下は、用量依存性でありうる。さらに、該少なくとも1種のGLP−1活性を有するポリペプチドは、該ヒトにおける血漿グルコースを低下させ、空腹時血漿グルコースは、T2DMを伴うヒトの集団サンプルにおける少なくとも1種のGLP−1活性を有するポリペプチドを含む組成物の投与後に、約1週間にわたり有意に低下しうる。平均空腹時血漿グルコースは、プラセボと比較した基準値からの変化として測定すると、95%信頼区間(−25.9,+11.2)で約7mg/dL〜95%信頼区間(−75.4,−26.0)で約50.7mg/dLまたはそれ以上までT2DMを伴うヒト集団において低下しうる。平均空腹時血漿グルコースは、基準値からの変化として測定すると、95%信頼区間(−16.5,+8.2)で約4mg/dL〜95%信頼区間(−54.1,−15.6)で約35mg/dLまたはそれ以上まで低下しうる。さらに、食後血漿グルコース(平均AUC0−4時間)は、T2DMを伴うヒトの集団サンプルにおける少なくとも1種のGLP−1活性を有するポリペプチドを含む組成物の少なくとも1回の投与量の投与後に少なくとも1週間にわたり基準値と比較すると、95%信頼区間(−27.2,+14.9)で約6mg/dL〜95%信頼区間(−64.7,−40.8)で約53mg/dLまたはそれ以上まで低下しうる。少なくとも1種のGLP−1活性を有するポリペプチドを含む組成物の少なくとも1回の投与量の投与後に少なくとも2週間にわたり少なくとも約34μM/Lまで低下する、該ヒトのプラセボと比較した基準値からの変化として、GLP−1活性を有するポリペプチドが、血漿フルクトサミンを低下する方法がまた提供される。GLP−1活性を有する本発明のポリペプチドは、ヒトの脚、腕、または腹部に皮下投与されうる。
【0042】
限定されるものではないが、II型糖尿病を含む、血中グルコースの上昇に付随する疾患を治療するための医薬の製造における少なくとも1種のGLP−1活性を有するポリペプチドの使用であって、該ポリペプチドが投与のために処方され、少なくとも約0.6nMの該ポリペプチドの最大血漿濃度および少なくとも約3.5nMx1週間にわたる日数である該ポリペプチドの濃度曲線下面積値を提供するところの、使用がまた、本明細書にて提供される。
【0043】
別の実施態様において、ヒトにおけるGLP−1活性を促進する方法であって、少なくとも1種のGLP−1アゴニストを含む組成物を該ヒトに投与することを含み、該少なくとも1種のGLP−1アゴニストは、少なくとも約21.2pM〜約51.6pMまたはそれ以上の該少なくとも1種のGLP−1アゴニストの最大血漿濃度および少なくとも約149pMx日数〜約361pMx1週間にわたる日数である該少なくとも1種のGLP−1アゴニストの濃度曲線下面積値を提供するところの、方法が提供される。1の態様において、GLP−1アゴニストは、少なくとも約1.4nMの該少なくとも1種のGLP−1アゴニストの最大血漿濃度および少なくとも約8nMx1週間にわたる日数である該少なくとも1種のGLP−1アゴニストの濃度曲線下面積値を提供する。GLP−1アゴニストは、インクレチンホルモンおよび/またはそのフラグメント、変種および/またはコンジュゲートならびにインクレチン模倣薬および/またはそのフラグメント、変種および/またはコンジュゲートからなる群より選択される。別の態様において、少なくとも1種のGLP−1アゴニストの血中半減期は、約4〜約7日である。該少なくとも1種のGLP−1アゴニストのTmaz値は約1日〜約5日である。
【0044】
本発明の1の態様において、少なくとも1種のGLP−1アゴニストで治療を受けるヒトは、高血糖症および/または糖尿病に罹患しうる。ヒトはT2DMに罹患しうる。
【0045】
別の実施態様において、該GLP−1アゴニストを含む組成物が、ヒトにおける血漿グルコースを低下させ、ヒトの血漿グルコースのAUC0−24時間の加重平均が、該少なくとも1種のGLP−1アゴニストを含む組成物の投与後に約1週間にわたり臨床的および統計的に有意に低下する方法が提供される。該ヒトのプラセボと比較した基準値からの変化として測定された血漿グルコースのAUC0−24時間の加重平均は、少なくとも1種のGLP−1アゴニストを含む組成物の少なくとも1回の投与量の投与後に、少なくとも1週間にわたり少なくとも約5mg/dL、10mg/dL、15mg/dLおよび/または20mg/dLまで低下しうる。他の態様において、GLP−1アゴニストを含む組成物は、ヒトにおける血漿グルコースを低下し、ヒトの空腹時血漿グルコースは、少なくとも1種のGLP−1アゴニストを含む組成物の投与後に約1週間にわたり低下される。別の態様において、GLP−1アゴニストを含む組成物が、ヒトにおける血漿グルコースを低下し、食後血漿グルコースが、少なくとも1種のGLP−1アゴニストを含む組成物の少なくとも1回の投与量の投与後に低下される方法が提供される。
【0046】
本発明の別の態様において、GLP−1アゴニストを含む組成物は、7日に1回投与される。あるいは、GLP−1アゴニストを含む組成物は、1日に1回、2日に1回、3日に1回、2週に1回、4週に1回および/または1ヵ月に1回投与されうる。GLP−1アゴニストは、限定されるものではないが、皮下注入、筋肉注入、静脈注入、粘膜、経口、および/または吸入を含む、当該分野にて既知の複数の経路により投与されうる。本発明の別の態様において、GLP−1アゴニストを含む組成物は、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)リガンド、チアゾリジンジオン(例えば、グリタゾン系)、メトホルミン、インスリン、およびスルホニル尿素からなる群より選択される1種または複数の化合物をさらに含む。別の態様において、少なくとも1種のGLP−1アゴニストをペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)リガンド、チアゾリジンジオン、DPP−IV阻害剤、メトホルミン、インスリン、およびスルホニル尿素からなる群より選択される1種または複数の化合物と併用する工程を含む方法が提供される。少なくとも1種のGLP−1アゴニストを含む組成物は、少なくとも1種のGLP−1活性を有するポリペプチドに加えて1種または複数のこれらの化合物を有しうる。さらに、それを必要とするヒトにおける血中グルコース濃度を低下する方法であって、少なくとも1種のGLP−1アゴニストを含む組成物を該ヒトに投与することを含み、該ヒトが、グルコースを制御するための食事をしているところの、方法が提供される。
【0047】
本発明はまた、限定されるものではないが、II型糖尿病を含む、血中グルコースの上昇に付随する糖尿病の治療のための医薬の製造における少なくとも1種のGLP−1アゴニストの使用であって、該少なくとも1種のGLP−1アゴニストが投与のために処方され、少なくとも約21.2pMの少なくとも1種のGLP−1アゴニストの最大血漿濃度および少なくとも約149pMx1週間にわたる日数である少なくとも1種のGLP−1アゴニストの濃度曲線下面積値を提供するところの、使用を提供する。
【0048】
本発明は、本明細書に記載のGLP−1およびGLP−1活性を有するポリペプチドを用いる、限定されるものではないが、II型糖尿病を含む、血中グルコースの上昇に付随する疾患の治療方法を提供する。本明細書に記載の各治療方法における投与のために処方される医薬の製造におけるGLP−1アゴニストおよびGLP−1活性を有するポリペプチドの使用がまた提供される。また、GLP−1活性を有するポリペプチドおよび/またはGLP−1アゴニストを含むヒトにおけるGLP−1活性を促進することができる医薬組成物が提供され、本明細書に記載の方法および使用のために処方される。
【0049】
当業者であれば、本明細書に記載の薬物動態(例えば、限定されるものではないが、Cmax、AUC、Tmax、血中半減期)および薬力学的(例えば、限定されるものではないが、血清、血漿および血中グルコース濃度)パラメータを測定および算出する種々の方法を理解するであろう。さらに、当業者であれば、統計比較の種々の方法(例えば、限定されるものではないが、基準値〜治療後の変化の比較および/または治療群間の比較)および/または本明細書に記載の薬物動態および薬力学的パラメータを理解するであろう。さらに、当業者であれば、薬物動態、薬力学的および他の臨床データを収集および分析する種々の他の方法を理解するであろうし、用いることができる。
【実施例】
【0050】
以下の実施例は、本発明の種々の非限定的な態様を説明するものである。以下の実施例について、特に明記しない限り、配列番号1は、2.8%マンニトール、4.2%トレハロース二水和物、0.01%ポリソルベート80、20mM pH7.2のリン酸緩衝液を含む凍結乾燥形態から25mg/mLとして処方された。配列番号1を含む組成物は、各投与量の必要に応じて注射用水で希釈された。
【0051】
実施例1
これは、健常対象の腹部に皮下投与された配列番号1を含む医薬組成物(0.25mg〜104mg)の単純盲検、プラセボ対照、漸増用量試験であった。
【0052】
39人の健常男性および女性対象が試験に参加した。健常対象の5つのコホートは、以下のように腹部に皮下注入された配列番号1を含む医薬組成物の投与量を段階的に増加させながら、2週間受けた:コホート1(0.25mg+1mg);コホート2(3mg+6mg);コホート3(16mg+24mg);コホート4(48mg+60mg);およびコホート5(80mg+104mg)。コホート1−4の内、6人の対象は、活性化合物を受けるように無作為に選択され、2人の対象は、プラセボを受けるように無作為に選択された。コホート5の内、5人の対象は、活性化合物を受けるように無作為に選択され、2人の対象は、プラセボを受けるように無作為に選択された。したがって、29人の対象は積極的治療を受け、10人の対象はプラセボを受けた。配列番号1を含む医薬組成物への暴露は、試験した投与量範囲にわたって用量に比例するより大きい手法にて増加した。配列番号1の半減期は、2〜4日の範囲のTmaxを有する、全投与量について約7日であった。
【0053】
活性化合物を受けた健常対象における薬物動態パラメータは、表1に要約される。プラセボを受けた対象の薬物動態データは、要約されていない。AUC(Wk1)は、第1投与後の1週にわたる第1投与の時間から算出された時間曲線に対する濃度下面積を表す。AUC(Wk2)は、第2投与後の1週にわたる第2投与の時間から算出された時間曲線に対する濃度下面積を表す。Cmax(Wk1)は、第1投与後の1週にわたる第1投与の時間からの最大観測濃度を表す。Cmax(Wk2)は、第2投与後の1週にわたる第2投与の時間からの最大観測濃度を表す。
【表2】

【0054】
実施例2
これは、T2DMを伴う対象における単純盲検、プラセボ対照、反復投与試験であった。44人の男性および女性対象が試験に参加した。対象は、食事制限またはメトホルミン、スルホニル尿素、またはメトホルミンもしくはスルホニル尿素の組み合わせの服用にいずれかであった。試験開始前にメトホルミンおよび/またはスルホニル尿素を服用する対象は、第1投与の2週前にこれらの治療から除外された。対象は、以下のように2週間週に1回腹部の皮下注入によりプラセボまたは配列番号1を含む医薬組成物のいずれかを無作為に選択された:コホート1(9mg+9mg;4人プラセボ、14人活性);コホート2(16mg+16mg;5人プラセボ、12人活性);コホート3(32mg+32mg;5人プラセボ、14人活性)。40人の対象は、積極的治療を無作為に選択され、14人の対象は、プラセボを無作為に選択された。
【0055】
53人の対象は試験を完了した。コホート2において積極的治療を受けるように無作為に選択された1人の対象は、第2投与量(16mg)の投与前に試験から除外した。コホート2において積極的治療を受けるように無作為に選択された第2対象は、第1投与量(16mg)のみ受けた。該第2対象は、薬物動態分析に含まれなかった。3人の対象は誤った投与がされた(2人のプラセボ対象およびコホート3における積極的治療を受けるように無作為に選択された1人の対象(32mg))。誤った投与がされた対象は、任意の薬物動態分析に含まれなかった。
【0056】
配列番号1の半減期は、全投与量について約4〜6日であった。Tmaxは、明確な用量依存性を伴わない投与後約1〜約5日の範囲であった。薬物動態パラメータは、活性化合物を受けた対象について図1および表2に要約される。プラセボを無作為に選択された対象は、図1または表2に含まれていない。
【表3】

【0057】
実施例3
実施例2に記載の対象の薬物動態プロファイルは、該実施例において提供される。対象は、以下のように2週間週に1回投与されるプラセボまたは配列番号1を含む医薬組成物の皮下注入を受けた:コホート1(9mg+9mg;4人プラセボ、14人活性);コホート2(16mg+16mg;5人プラセボ、12人活性);コホート3(32mg+32mg;5人プラセボ、14人活性)。対象は、1日目および8日目に投与された。配列番号1のT2DMを伴う対象におけるグルコースおよびフルクトサミンに対する効果を評価した。T2DMを伴う対象は、食事制限またはメトホルミン、スルホニル尿素、またはメトホルミンもしくはスルホニル尿素の組み合わせの服用のいずれかであり、第1投与の2週前からこれらの治療から除外した。空腹時および24時間グルコースプロファイルを、基準値ならびに第1および第2投与の24時間後に評価した。フルクトサミンを、基準値ならびに投与後13日目、21日目および最終追跡(56日目または63日目)調査で評価した。
【0058】
正確な無作為化治療を受けた全対象は、薬物動態分析に含まれていた。コホート2における1人の対象は、1日目に正確に投与されたが、第2投与前に除外された。該対象は、8日目の前に収集されたデータについての薬物動態分析に含まれ、投与8日目の後のPD要約から除外された。プラセボを受けるように無作為に選択および半分投与された、2人の対象は、全ての薬力学的分析から除外された。コホート3における32mgの活性化合物を無作為に選択された1人の対象は、誤った投与がされ、全ての薬物動態分析から除外された。
【0059】
全ての投与レベルにて、24時間の加重平均グルコースおよび空腹時血漿グルコース(PPG)濃度の臨床的および統計的に有意な低下を観測した。グルコースデータを表3に示す。
【表4】

【0060】
フルクトサミンの著しい低下は、投与後13日目および21日目の全ての投与レベルで見られた。低下は、配列番号1の予測半減期によって最終追跡調査(56日目および63日目)にて期待されないであろう。プラセボ対象と比較する場合の活性化合物を受けたT2DMを伴う対象におけるフルクトサミンの比較は、表4に要約される。
【表5】

【0061】
実施例4
これは、健常被験者およびT2DMを伴う対象における非盲検、無作為化、単回投与試験であった。62人の男性および女性対象が試験に参加した。T2DMを伴う対象は、食事制限、メトホルミン服用またはチアゾリジンジオン服用のいずれかであり、試験にわたってその前治療を続けた。T2DMを伴う対象は、16mg(腹部(N=8);腕(N=7);または脚(N=7))または64mg(腹部(N=8);腕(N=8);または脚(N=8))の1回の投与量として皮下注入により配列番号1を含む医薬組成物を受けた。健常被験者は、腹部の皮下注入により16mg(N=8)または64mg(N=8)のいずれかの活性化合物を受けた。したがって、16人の健常で、正常な被験者は、活性化合物を受け、T2DMを伴う46人の対象は、活性化合物を受けた。
【0062】
T2DM対象において、暴露は、全ての注入部位にわたって同程度であり、比例する以上に中程度の形で増加した。暴露は、健常対象とT2DM対象との間で同程度であった。濃度プロファイルおよびボックスプロットAUCは、各々、図1および2に表される。薬物動態パラメータは、表5に要約される。AUC(Wk1)は、投与後1週間にわたる投与時間から算出された時間曲線に対する濃度下面積を表す。AUC(0−∞)は、配列番号1の排出速度に基づく無限時間に推定された投与量の時間からの時間曲線に対する濃度下面積を表す。16mgの投与レベルを受ける6人の対象について、利用可能なデータは、配列番号1の排出速度の予測を可能にしなかった。したがって、無限時間に対する外挿は可能ではなく、AUC(0−∞)はこれらの対象について算出されなかった。
【表6】

【0063】
実施例5
実施例4に記載の対象の薬力学的プロファイルは、該実施例にて提供される。配列番号1を含む医薬組成物の単回投与の薬力学的プロファイルは、該試験にて調査され、配列番号1のT2DMを伴う対象におけるグルコース、インスリン、グルカゴン、およびC−ペプチドに対する効果を含んでいた。T2DMを伴う対象は、食事制限、メトホルミン服用またはチアゾリジンジオン服用のいずれかであり、試験にわたってその前治療を続けた。対象は、以下のように単回投与量の配列番号1を含む医薬組成物を受けた:実施例4に記載されるように、16mgまたは64mgの単回投与量は、16人の健常で、正常な被験者の腹部の皮下注入(複数でも可)により投与されたかまたは46人のT2DMを伴う対象の腕、脚、または腹部に投与された。空腹時グルコースは、朝食前に48時間後の投与量を評価した。食後(4時間)グルコースプロファイルは、朝食後4時間にわたる48時間後の投与量を評価した。
【0064】
グルコースの低下は、投与される各投与量について注入部位にわたって一致した。食後グルコース(4時間加重平均グルコース)および空腹時血漿グルコース(FPG)の臨床的および統計的に有意な低下は、64mg投与量で観測された。グルコースデータを表6に示す。
【表7】

【0065】
本出願が優先権を主張する任意の特許出願はまた、ある刊行物および参考文献について上記されるようにその全体を出典明示により本明細書の一部とする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトにおけるGLP−1活性を促進する方法であって、少なくとも1種のGLP−1活性を有するポリペプチドを含む組成物を該ヒトに投与し、該ポリペプチドが、少なくとも0.6nMの該ポリペプチドの最大血漿濃度および少なくとも約3.5nMx1週にわたる日数である該ポリペプチドの濃度曲線下面積値を提供するところの、方法。
【請求項2】
該少なくとも1種のGLP−1活性を有するポリペプチドが、少なくとも1種のGLP−1アゴニストを含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
該少なくとも1種のGLP−1アゴニストが、インクレチンホルモンおよび/またはそのフラグメント、変種および/またはコンジュゲートならびにインクレチン模倣薬および/またはそのフラグメント、変種および/またはコンジュゲートからなる群より選択される、請求項2記載の方法。
【請求項4】
該少なくとも1種のGLP−1活性を有するポリペプチドが、少なくとも1種のヒト血清アルブミンと結合したヒトGLP−1のフラグメントおよび/または変種を含む、請求項1記載の方法。
【請求項5】
該少なくとも1種のGLP−1のフラグメントおよび変種が、GLP−1(7−36(A8G))を含む、請求項4記載の方法。
【請求項6】
少なくとも1種のGLP−1のフラグメントおよび変種が、ヒト血清アルブミンと遺伝的に結合する、請求項5記載の方法。
【請求項7】
少なくとも1種のGLP−1のフラグメントおよび変種が、ヒト血清アルブミンに直列および遺伝的に結合する少なくとも2種のGLP−1(7−36(A8G))を含む、請求項6記載の方法。
【請求項8】
少なくとも2種のGLP−1(7−36(A8G))が、ヒト血清アルブミンのN末端で遺伝的に結合する、請求項7記載の方法。
【請求項9】
該少なくとも1種のGLP−1活性を有するポリペプチドが、配列番号1を含む、請求項1記載の方法。
【請求項10】
該少なくとも1種のGLP−1活性を有するポリペプチドを含む組成物が、7日に1回該ヒトに投与される、請求項1記載の方法。
【請求項11】
該少なくとも1種のGLP−1活性を有するポリペプチドを含む組成物が、14日に1回該ヒトに投与される、請求項1記載の方法。
【請求項12】
該少なくとも1種のGLP−1活性を有するポリペプチドを含む組成物が、4週に1回該ヒトに投与される、請求項1記載の方法。
【請求項13】
該少なくとも1種のGLP−1活性を有するポリペプチドを含む組成物が、1ヵ月に1回該ヒトに投与される、請求項1記載の方法。
【請求項14】
該少なくとも1種のGLP−1活性を有するポリペプチドを含む組成物の第1投与量および第2投与量が、該ヒトに投与される、請求項1記載の方法。
【請求項15】
該少なくとも1種のGLP−1活性を有するポリペプチドを含む組成物の第1投与量および第2投与量が同一である、請求項14記載の方法。
【請求項16】
該少なくとも1種のGLP−1活性を有するポリペプチドを含む組成物の第1投与量が、少なくとも1種のGLP−1活性を有するポリペプチドの約0.25mg〜約1000mgを含む、請求項14記載の方法。
【請求項17】
該少なくとも1種のGLP−1活性を有するポリペプチドを含む組成物の第2投与量が、少なくとも1種のGLP−1活性を有するポリペプチドの約0.25mg〜約1000mgを含む、請求項14記載の方法。
【請求項18】
該少なくとも1種のGLP−1活性を有するポリペプチドを含む組成物が、少なくとも1種のGLP−1活性を有するポリペプチドの少なくとも約0.6nM〜約319nMの最大血漿濃度および少なくとも1種のGLP−1活性を有するポリペプチドの少なくとも約3.5nMx日数〜約1936nMx1週間にわたる日数の濃度曲線下面積値を提供するところの、請求項1記載の方法。
【請求項19】
該少なくとも1種のGLP−1活性を有するポリペプチドを含む組成物が、少なくとも1種のGLP−1活性を有するポリペプチドの少なくとも約8nM〜約54nMの最大血漿濃度および少なくとも1種のGLP−1活性を有するポリペプチドの少なくとも約29nMx日数〜約245nMx1週間にわたる日数のAUC(1週)値を提供するところの、請求項1記載の方法。
【請求項20】
該少なくとも1種のGLP−1活性を有するポリペプチドを含む組成物が、少なくとも1種のGLP−1活性を有するポリペプチドの少なくとも約8nM〜約54nMの最大血漿濃度および少なくとも1種のGLP−1活性を有するポリペプチドの少なくとも約99nMx日数〜約637nMx1週間にわたる日数の単回投与後のAUC(0−∞)値を提供するところの、請求項1記載の方法。
【請求項21】
該少なくとも1種のGLP−1活性を有するポリペプチドの血中半減期が、約4日〜約7日である、請求項1記載の方法。
【請求項22】
該少なくとも1種のGLP−1活性を有するポリペプチドのTmax値が、約1日〜約5日である、請求項1記載の方法。
【請求項23】
該ヒトが高血糖症に罹患している、請求項1記載の方法。
【請求項24】
該ヒトが糖尿病に罹患している、請求項1記載の方法。
【請求項25】
該ヒトがII型糖尿病に罹患している、請求項23記載の方法。
【請求項26】
該少なくとも1種のGLP−1活性を有するポリペプチドが、該ヒトの血漿グルコースを低下させ、ヒトのプラセボと比較した場合の基準値からの変化として測定された血漿グルコースのAUC0−24時間の加重平均が、少なくとも1種のGLP−1活性を有するポリペプチドを含む組成物の投与後に約1週間にわたり臨床的および統計的に有意に低下するところの、請求項25の方法。
【請求項27】
該ヒトのプラセボと比較した場合の基準値からの変化として測定された血漿グルコースのAUC0−24時間の加重平均が、少なくとも1種のGLP−1活性を有するポリペプチドを含む組成物の少なくとも1回の投与量の投与後に少なくとも1週間にわたり少なくとも約20mg/dLまで低下するところの、請求項26記載の方法。
【請求項28】
該少なくとも1種のGLP−1活性を有するポリペプチドが、該ヒトにおける血漿グルコースを低下させ、該ヒトのプラセボと比較した場合の基準値からの変化として測定された空腹時グルコースが、少なくとも1種のGLP−1活性を有するポリペプチドを含む組成物の投与後に約1週間にわたり臨床的および統計的に有意に低下するところの、請求項25記載の方法。
【請求項29】
該ヒトのプラセボと比較した場合の基準値からの変化として測定された該空腹時血漿グルコースが、少なくとも1種のGLP−1活性を有するポリペプチドを含む組成物の少なくとも1回の投与量の投与後に少なくとも1週間にわたり少なくとも約7.0mg/dLまで低下するところの、請求項28記載の方法。
【請求項30】
該ヒトの基準値からの変化として測定された空腹時血漿グルコースが、少なくとも1種のGLP−1活性を有するポリペプチドを含む組成物の少なくとも1回の投与量の投与後に少なくとも1週間にわたり少なくとも約4mg/dLまで低下するところの、請求項25記載の方法。
【請求項31】
該少なくとも1種のGLP−1活性を有するポリペプチドが、該ヒトにおける血漿グルコースを低下させ、該ヒトの基準値からの変化として測定された食後血漿グルコースのAUC0−4時間が、少なくとも1種のGLP−1活性を有するポリペプチドを含む組成物の少なくとも1回投与量の投与後に少なくとも1週間にわたり少なくとも約6.0mg/dLまで低下するところの、請求項25記載の方法。
【請求項32】
該少なくとも1種のGLP−1活性を有するポリペプチドが、該ヒトにおけるフルクトサミンを低下させ、該ヒトのプラセボと比較した基準値からの変化として血漿フルクトサミンが、少なくとも1種のGLP−1活性を有するポリペプチドを含む組成物の少なくとも1回の投与量の投与後に少なくとも2週間にわたり少なくとも約34μM/Lまで低下するところの、請求項25記載の方法。
【請求項33】
GLP−1活性を有するポリペプチドが、該ヒトの脚、腕、または腹部に皮下投与される、請求項25記載の方法。
【請求項34】
ヒトにおけるGLP−1活性を促進する方法であって、少なくとも1種のGLP−1アゴニストを含む組成物を該ヒトに投与することを含み、該少なくとも1種のGLP−1アゴニストが、少なくとも約21.2pMの少なくとも1種のGLP−1アゴニストの最大血漿濃度および少なくとも約149pMx1週間にわたる日数である少なくとも1種のGLP−1アゴニストの濃度曲線下面積値を提供するところの、方法。
【請求項35】
該少なくとも1種のGLP−1アゴニストが、少なくとも約1.4nMの少なくとも1種のGLP−1アゴニストの最大血漿濃度および少なくとも約8nMx1週間にわたる日数である少なくとも1種のGLP−1アゴニストの濃度曲線下面積値を提供するところの、請求項34記載の方法。
【請求項36】
該少なくとも1種のGLP−1アゴニストが、インクレチンホルモンおよび/またはそのフラグメント、変種および/またはコンジュゲートならびにインクレチン模倣薬および/またはそのフラグメント、変種および/またはコンジュゲートからなる群より選択される、請求項34記載の方法。
【請求項37】
少なくとも1種のGLP−1アゴニストの血中半減期が、約4日〜約7日である、請求項34記載の方法。
【請求項38】
少なくとも1種のGLP−1アゴニストのTmax値が、約1日〜約5日である、請求項34記載の方法。
【請求項39】
該ヒトが高血糖症に罹患している、請求項34記載の方法。
【請求項40】
該ヒトが糖尿病に罹患している、請求項34記載の方法。
【請求項41】
該ヒトがII型糖尿病に罹患している、請求項40記載の方法。
【請求項42】
該少なくとも1種のGLP−1アゴニストが、該ヒトの血漿グルコースを低下させ、該ヒトの血漿グルコースのAUC0−24時間の加重平均が、該少なくとも1種のGLP−1アゴニストを含む組成物の投与後に約1週間にわたり臨床的および統計的に有意に低下するところの、請求項34記載の方法。
【請求項43】
該少なくとも1種のGLP−1アゴニストが、該ヒトの血漿グルコースを低下させ、該ヒトにおける空腹時血漿グルコースが、少なくとも1種のGLP−1アゴニストを含む組成物の投与後に約1週間にわたり臨床的および統計的に有意に低下するところの、請求項34記載の方法。
【請求項44】
該少なくとも1種のGLP−1アゴニストが、該ヒトの血漿グルコースを低下させ、該ヒトの食後血漿グルコースが、少なくとも1種のGLP−1アゴニストを含む組成物の投与後に約1週間にわたり臨床的および統計的に有意に低下する、請求項34記載の方法。
【請求項45】
該少なくとも1種のGLP−1アゴニストを含む組成物が、1日に1回、2日に1回、3日に1回、7日に1回、4週に1回、および1ヵ月に1回からなる群より選択される投与計画で投与される、請求項34記載の方法。
【請求項46】
少なくとも1種のGLP−1活性を有するポリペプチドを含む、ヒトにおけるGLP−1活性を促進しうる医薬組成物であって、該ポリペプチドが、少なくとも約0.6nMのポリペプチドの最大血漿濃度およびヒトに投与すると、少なくとも約3.5nMx1週間にわたる日数であるポリペプチドの濃度曲線下面積値を提供するところの、医薬組成物。
【請求項47】
少なくとも1種のGLP−1アゴニストを含む、ヒトにおけるGLP−1活性を促進しうる医薬組成物であって、該少なくとも1種のGLP−1アゴニストが、少なくとも約21.2pMの少なくとも1種のGLP−1アゴニストの最大血漿濃度および少なくとも約149pMx1週間にわたる日数である少なくとも1種のGLP−1アゴニストの濃度曲線下面積値を提供するところの、医薬組成物。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公表番号】特表2010−503697(P2010−503697A)
【公表日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−528440(P2009−528440)
【出願日】平成19年9月12日(2007.9.12)
【国際出願番号】PCT/US2007/078226
【国際公開番号】WO2008/033888
【国際公開日】平成20年3月20日(2008.3.20)
【出願人】(591002957)スミスクライン・ビーチャム・コーポレイション (341)
【氏名又は名称原語表記】SMITHKLINE BEECHAM CORPORATION
【Fターム(参考)】