説明

指向性表示装置用のサブピクセルレイアウト及びサブピクセルレンダリング方法及びシステム

【課題】自動立体画像3次元表示装置またはマルチビュー表示を可能にする指向性表示装置を提供する。
【解決手段】少なくとも2つの画像を同時に提供する指向性表示装置に、特に適合する3つの主要色またはマルチ主要色サブピクセル反復グループのいくつの実施形態のうち、何れか1つを実質的に含む表示パネルで構成される。画像を示す入力画像データは、サブピクセルレンダリング動作を使用する示されたサブピクセルレンダリンググループの内、何れかの1つを利用する装置にレンダリングされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空間光変調器に関する発明で、より詳しくは3次元自動立体画像表示装置(autostereoscopic display apparatus)またはマルチビュー装置(multi-view displey)といった指向性表示装置(directional display apparatus)またはシステムで使用される空間光変調器用サブピクセルレイアウトに関する。本出願は、2007年2月13日出願の米国仮出願60/889,724の利益を要求する。仮出願の全体内容は参考文献として本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
以下において、指向性表示装置は、少なくとも2つ以上の別の画像を同時に提供できる表示装置を意味することとする。指向性表示装置は、各々の画像が別の位置で観察される、少なくとも2つ以上の別の画像を提供する。指向性表示装置の一タイプにおいて、2つの画像ははっきりと分離された画像に見えるように提供される。このような表示装置は、「マルチビューアー(multi-viewer)表示装置」、「マルチビュー(multi-view)表示装置」、または異なる観察者が異なる画像を見ることができるように構成された「マルチユーザー(multi-user)表示装置」と呼ばれてもよい。これは、表示装置の複合的同時使用を可能にする。一方、マルチビュー表示装置は、一人の観察者による使用のために構成されてもよい。
【0003】
指向性表示装置は、また、少なくとも2つ以上の分離された画像が、観察者には1つの画像に混合するように構成されてもよい。人の視野は、各々の目がそれぞれ多少異なる世界の画像を見るように、立体的である。人の脳は、実際の世界で観察される画像における奥行きの感覚を得るために、二つの画像(ステレオカップルと呼ぶ)を互いに混合する。3次元表示装置において、分離された画像はそれぞれの目に提供され、観察者の脳は、画像のステレオカップルを混合して、混合された画像における奥行きの外観を把握する。
【0004】
3次元表示装置は、一般的に立体表示装置(stereoscopic)と自動立体表示装置(autosteroscopic)とに分類される。3次元立体画像表示装置において、使用者は左目及び右目に送られる視野を分離するためにいくつかの種類の視野補助具を着用する。例えば、視野補助具は、画像が色コード化される(例えば、赤色及び緑色)カラーフィルタ、画像が直交する偏光状態にエンコードされる偏光メガネ、またはメガネのシャッターの開口に同期して、画像の時間的シークエンスで視野をエンコードするシャッターメガネがある。一方、3次元自動立体画像表示装置は、観察者が視野補助具を着用する必要がない。自動立体画像表示装置において、各々の視野は空間における制限された領域から見ることが可能である。
【0005】
指向性表示装置の概要
Woodgate et al.の米国特許7,058,252号「光学スイッチング装置(Optical Switching Apparatus)」は指向性表示装置、特に自動立体画像3次元表示装置の技術的特徴及び課題(issue)の包括的な検討に関する内容である。米国特許7,058,252で言及された図面及びコラム1〜8のすべての内容は参考として本明細書に含まれる。一般的に、自動立体画像システムは、表示パネルと少なくとも2つ以上の画像からの光を導く光学ステアリング部材または光学ステアリングメカニズムを含む。光学ステアリングメカニズムは、オプティカルディレクター(Optical director)、パララックスオプティク(parallax optic)、パララックスバリア(parallax barrier)と言及されてもよい。光学ステアリングメカニズムは、左側画像からの光を表示パネルの前面の制限された領域に伝送する。この領域を第1視野ウィンドウという。観察者が左目を第1視野ウィンドウに位置させると、観察者は表示パネル全体にわたって、適切な画像を見る。これと同様に、光学ステアリング部材は右側画像からの光を別の第2視野ウィンドウに伝送する。観察者が右目を第2視野ウィンドウに位置させると、右目画像は表示パネル全体にわたって、観察者に見えることになる。一般的に、両側画像からの光は、各々の方向分布(directional distribution)によって、光学的にステアされる(即ち、誘導される)ように考慮されてもよい。表示装置の視野ウィンドウ面は、表示装置からの距離のうち、側面視野の自由度が最も大きい距離を意味する。
【0006】
図1は、米国特許7,058,252号の図5に示すフラットパネル自動立体画像表示装置10を示す平面図である。表示装置10は、バックライト、行と列とに配置されて、電気的に調整できる画素アレイ(空間光変調器SLMと知られている)、及び光学ステアリングメカニズムとして動作し、画面の前面に取り付けられたパララックスバリアを含む。「空間光変調器」という用語は、液晶表示装置のような光バルブ装置及び電界発光表示装置またはLED表示装置のような発光装置を含む。バックライト60は、LCD入射偏光板64に入射される光62を提供する。光は、TFTLCD基板66を通じて伝えられ、LCD画素面67における行及び列に反復して配置される画素アレイに入射される。赤色画素(68、71、74)、緑色画素(69、72、75)、及び青色画素(70、73)の各々は、個々でコントロールできる液晶層を含み、ブラックマスク76と呼ばれる不透明マスク領域によって分離される。各画素は、透過領域または画素間隙78を含む。画素を通過する光は、LCD画素面74の液晶物質によって、位相変調され、LCDカラーフィルタ基板80上に位置したカラーフィルタによって、色変調される。
【0007】
その後、光は、出射偏光板82を通過して、パララックスバリア84及びパララックスバリア基板86に進む。図1において、パララックスバリア84は、垂直方向に延長された不透明領域によって分離されて垂直方向に延長された透過領域アレイを含む。パララックスバリア84は、光線88に示されるように、交互に配置された画素列(69、71、73、75)からの光を右目側に提供し、光線90に示されるように、中間画素列(68、70、72、74)からの光を左目側に提供する(このような全体光経路パターンは光の方向分布のまた他の例をなす)。観察者は、バリアの間隙92を通じて、下からの画素の光を見ることになる。レンズ状スクリーン(lenticular screen)及び複屈折レンズ(birefringent lenses)のような異なるタイプのオプティカルディレクターまたはパララックスオプティクも3次元表示装置に使われてもよい。
【0008】
続いて、図1を参考にすると、LCD画素面67において行及び列に反復して配置される画素アレイは、ギャップ(gap)によって分離される(一般的にLCDではブラックマスクと定義される)。パララックスバリアは、垂直方向に延長されたスリットのアレイで画素列のピッチの約2倍のピッチを有する。パララックスバリアは、各画素列からの光が視認されることができる角度の範囲を制限して、画面前面の領域に視野ウィンドウを形成する。
【0009】
各画素から視野ウィンドウに伝送される光をステアするために、パララックスバリアのピッチは画素アレイのピッチの2倍より少々小さくする。このような条件は「ビューポイント補正」と知られている。図1において示すタイプの表示装置で、各ステレオカップルの画像の解像度は基本LCDの水平解像度の半分であり、2つの視野が形成される。従って、画素の奇数列(68、70、72、74)の光は、左側視野ウィンドウから視認されることが可能であり、画素の偶数列(69、71、73、75)からの光は、右側視野ウィンドウから視認されることが可能である。左目側の画像データが画面の奇数列に配置され、右目側の画像データが画面の偶数列に配置されると、正確な「正視の(orthoscopic)」位置にいる観察者は全画面にわたる自動立体3次元画像を見るために2つの画像を混合することになる。
【0010】
Kean et al.の米国特許7,154,653号「パララックスバリア及びマルチビュー表示装置(Parallax Barrier and Multiple View Display)」は、マルチユーザー及び3次元表示装置に使われるパララックスバリアの多様な実施形態を開示している。参考として本明細書に組み込まれている米国特許7,154,653のコラム1〜5の背景技術検討部分及び図面は、表示装置によって提供される(例えば、左目及び右目の)色々な画像を誘導する視野ウィンドウまたは視野領域大きさ、視野角をコントロールするために変更されることができるパララックスオプティクの特徴を議論している。パララックスオプティクの機能は、画素を通過する光を一定の出射角度に制限する。それによって、パララックスオプティク構造(例を挙げると、スリットまたは小型レンズ(lenslet)、或いはレンティキュル(lenticule))の特定部分の後方の画素の視野角を定義する。フラットパネル自動立体画像表示装置にあって、視野領域の構造は、典型的に表示ユニットの画素構造と導光光学部材またはパララックスオプティクとの組み合わせによって決定される。
【0011】
米国特許7,154,653号は、図2Aに示された表示装置30を開示する。表示装置30は、自動立体画像3次元表示装置或いは1人または多数の観察者に2つの関係のない画像を提供する装置として使用される二重ビュー指向性表示装置(two view directional display)である。表示装置は、LCD20の構造において空間光変調器を含む。LCD20は画素構造であり、本明細書では少なくとも2つ以上の主要な色サブピクセルが反復するサブピクセルグループを含む表示装置を示す。LCD20は、バックライト(図示せず)から出射されて、サブピクセルを通過する光を変調するために透過モードで動作する。しかし、米国特許7,154,653号では、透過モードまたは反射モードで光を変調したり、表示装置内で光を生成するための(前面パララックスバリア配置の場合)他のタイプの表示装置が使われてもよいと開示している。表示装置30は、また、LCD20前面に配置されたパララックスバリア21を含む。即ち、LCD20と観察者との間に配置される。図2Bに詳細に示されるように、バリア21は、LCD20からの光を通過させない領域(22、23)と、それらの間にLCD20からの光を通過させるスリットとを提供する。領域(22、23)は制限された幅を有し、全てのスリットは同一の最大光透過度を有する。LCD20ののサブピクセル列は、列の長軸方向に垂直な方向に実質的に一定のピッチ(p)を有するように形成されて、方向は、表示装置の一般使用時には水平方向である。バリア21のスリットは、非周期的(non―periodically)に配置され、サブピクセル列の長軸方向に平行に延長され、均等に配置されたスリットを有する、均等に配置されたスリットグループ内に配置される。図2Aは、また、パララックスバリア21のスリットのサイズ及び配置に関して示された実施形態を詳細に示す。
【0012】
図2Aを続いて参考にすると、表示装置30は、表示される2つのビューのための画像データを垂直方向ストライプになるべく交錯するように配置する方式で表示駆動部25によって駆動される。前記表示駆動部25は、各画素列が正確な垂直方向画像スライスを保障するために表示画像を受けて、前記データを交錯することになるように配置されることができる。前記表示駆動部25は、前記表示装置の一部分に形成されるかまたは部分或いは全体がコンピュータまたはマイクロプロセッサのような別の装置に含まれることができる。前記画像は、実際画像であるかまたはコンピュータによって生成された画像であってもよい。前記画像は自動立体画像を成し遂げるかまたは立体的に互いに関係のない画像をなすためのステレオカップルを形成することができる。前記バリア21のスリットは、画素列の中央線またはそれに近接して整列する。表示駆動部25は、各スリットグループとして、最も近い4つの画素列のグループに垂直方向画像スライスを提供する。前記バリア21のスリットは5つの視野領域を定義するために前記LCD20の画素構造を共に形成する。前記各視野領域で、各スリットグループは前記画素領域の観察者に2つの近接した画素列のみが見られるように画素列の可視性(visibility)を制限する。
【0013】
図2Cを参照すると、表示駆動部25は、前記LCD20に画素画像データを提供する。第1及び第2画像スライスは、1つの画像で提供されて、第3及び第4画像スライスは、残り1つの画像で提供される。結局、第1及び第2ビューを形成する前記第1及び第2画像は視野領域D及びBで各々見える。自動立体画像を提供するとき、観察者の左目と右目が前記視野領域B及びDに各々位置すると、画像のステレオスコピック(stereoscopic)の組み合わせ(pair)は、正確に3次元効果を提供する。逆に、観察者の両目が前記視野領域Dに位置すると画像のうちの1つを見ることができるが、別のものは見られない。反対に、両目が視野領域Bに位置すると他の画像を見ることができるが、前記第1画像は見られない。両側面で実際に使われる前記視野領域B及びDは各画像の50%を含んで隣り合った視野領域の間のクロストーク(crosstalk)の発生を減らす。表示装置30は、使用可能な光の50%を使って、各画像は50%のサブピクセルによって表示される。従って、水平解像度は前記LCD解像度の50%である。
【0014】
前記引用された米国特許7,058,252は、また3次元モード及び2次元モードで全部動作可能な表示タイプを開示している。このような表示タイプを「2D3D切り換え可能な(swithcable)表示装置」という。そして、米国特許7,058,252は、このような表示装置の多様な例を検討しているが、図3A及び図3Bに図示されたのがそのうちの1つである。図3Aは、LCD入射偏光板64に入射される光62を提供するバックライト60、LCDTFT基板66、行と列に配置された画素アレイを含むLCD画素面67を含み、LCD対向基板80がこれを後に従う。複屈折レンズ138アレイを含み、等方性レンズマイクロ構造134及びレンズ基板132がこれの後を従う。前記構成要素は指向性表示装置236でグループを作ることができる。前記指向性表示装置236に続き、偏光補正装置146は、水平方向で線形的に偏光された光を伝達し、垂直で偏光された光を遮断する。前記LCD入射偏光板240は、90°角度であって、画素間隙78にあるTN(twisted nematic)層の液晶材料のON状態によって、水平偏光(0°)242で回転する。それによって、ノーマリーホワイトNWモードが提供される。NWモードのON状態では液晶層に電圧が印加されない。電圧は、出力をOFF状態や中間レベルに変えるために認可される。前記複屈折マイクロレンズ138は前記偏光にインデックスマッチされているため、光の指向性に影響を与えない。偏光補正装置146の出力は、水平線形偏光244である。
【0015】
図3Bは、図3Aの前記表示装置の前記方向238により3次元で動作するための構成を示す。この場合、前記偏光補正装置146は、垂直で線形的に偏光された光を伝達するように配置され、水平に偏光された光を遮断する。前記LCD入射偏光板250は、90°角度であって、TN層の液晶材料のON状態によって、水平偏光(0°)242で回転しない。それによって、ノーマリーブラック(NB)モードが提供される。NBモードのON状態では液晶層電圧が印加される。減少された電圧は、出力をOFF状態や中間レベルに変えるために印加される。前記複屈折マイクロレンズ138に入射した偏光状態246は、前記複屈折マイクロレンズ138により指向性が生じることになる。この場合、偏光補正装置146は水平線形偏光状態248を伝達するように構成される。このような方式で3次元モード投光構造が伝達される。
【0016】
3次元表示装置に対する追加的な情報は、参考文献として本明細書に含まれるCRCPressから出版(2006年)された光電子工学ハンドブックのchapter2.6、Dakin and Brown、eds.、Vo1.II、題名「Three―dimensional display system」を参照することができる。
【0017】
前記引用された米国特許7,058,252は、また、図4のマルチユーザー表示装置の実施形態を開示している。図4は、視野窓(408、410、412、414)を提供する複屈折マイクロレンズ表示装置406に対する平面図である。前記窓のサイズは観察者の両側目の間の距離より大きく配置される。前記表示装置406は例えば、自動車の計器盤に使うのに適合する。運転者は、彼の右側目416を窓408に位置させ、彼の左側目418も同じ窓408に位置させる。これと類似に乗客は彼の左側目422と右側目420をまた他の1つの窓414に位置させる。この中で、ビュー表示装置で一部窓(408、412)は、互いに同じ情報を含み、また、他の一部窓(410、414)は、互いに同じ情報を含む。収差デザイン(aberrational design)のために乗客と運転者の間に中間窓(410、412)を有することが便利なこともある。第1画像426と第2画像428が入力されると、画像信号インターレーサー(interlacer)424は、例えば、前記第1画像426を画面の偶数列に、そして前記第2画像428を画面の奇数列に示す。表示装置の光学部材は、前記第1画像426を運転者用窓408に誘導し、第2画像428を乗客用窓414に誘導する。米国特許7,058,252は、色々な観察者が互いに他の窓を見ることができるように視野窓(408、410、412、414)が2D3D切り換え可能な表示装置をより大きくしたのを除いては、2D3D切り換え可能な表示装置と同様の方式で動作する表示装置を開示している。米国特許7,058,252は、このようなマルチビューアー表示装置は、2つの動作モードを有する可能性があることをさらに開示している。第1モードはすべての観察者が同じ画像を見ることによって、第2モードは、色々な観察者が相異する画像を見るようにして、1つの表示装置を同時に多重的な使用が可能にしたことである。
【0018】
Bell et al.の米国特許6、424、323、「表示装置を有する電子装置(Electronic Device Having a Display)」は、また表示装置と表示装置上に画像偏向システムを有する電子装置を開示する。表示装置は画像偏向システムを経て表示される時、視覚の位置により別個に見える、少なくとも2つ以上の独立的な表示画像を供給するように調節される。画像偏向システムの一実施形態は、複数個のレンチクル(lenticle)(lenticuleとも言及される)を含むレンチキュラースクリーンを開示する。前記レンチクルは横切って拡張する。そして、観察者に互いに異なる画像がスクリーンに対して斜めに見えるようにする。このような方式で、一人の使用者は表示装置を水平方向から傾けて互いに異なる画像等を見ることができる。
【0019】
視野ウィンドウ動作問題
「クロストーク」という用語は2つのビュー相互間の光漏れ現象を意味する。例をあげると、左側目の画像が右側目に見えることになる現象及びその反対の場合も同じである。クロストークは3次元表示画像を見る時、視覚的歪曲を発生させる。クロストークのコントロールは、3次元表示装置の開発であって、重要な要素のうちの1つである。評判自動立体画像表示装置において(特に、LCD技術に基づいた表示装置)、窓パフォーマンスの限界は一般的に画素の形状と開口率(aperture ratio)及び光学部材のクォリティーによって決定される。前記引用された米国特許7,058,252は、表示装置から放出される光のアウトプット角の角度は画素間隙の幅と形状及びパララックスオプティクの整列と収差によって決定されると開示する。米国特許7,154,653は、パララックスバリアのスリットの幅を減少させ、クロストーク(例えば、画像間の光漏れ現象)を減少させようとする試みは1つの色のサブピクセルが観察者にさらに多く見えることになるかまたは視野角によって色バランスが変わる色バランスの不均衡を発生させることができるということを追加で開示している。
【0020】
米国特許7,154,653は、側面視野自由度を増加させるためにパララックスの各スリットの下に2つ以上の画素列が配置されることができると開示している。例を挙げると、4つの画素列は各窓ごとに視覚情報が変化する4つの窓を生成することができる。このような表示装置は、観察者の動きにより、「ルックアラウンド(look―around)」形状を与えるだろう。このような方法によって、垂直方向の自由もまた上昇することになる。しかし、このような場合に、表示装置の解像度は基礎パネルの解像度の4分の1で限定される。さらに、パララックスバリアは表示領域から光を遮断する方式に依存するから結果的に輝度及び装置の効率を減少させる。一般的に、本来の表示輝度の20〜40%まで減少させる。
【0021】
米国特許7,154,653は、図2Aに図示されたLCD20は、「白色(white)」画素が色サブピクセルの反復されるグループに分けられる「従来の(conventional)」表示装置タイプのうちの1つとして開示されている。特に、3つの列で構成された各グループの画素列は、赤色、緑色、及び青色のフィルタストリップの供給を受ける。各列のすべての色サブピクセルは同じ色を表わし、列の隣接するカップルは赤色(R)、緑色(G)、及び青色(B)が画面にわたって反復するパターンで、互いに異なる色を表わす。米国特許7,154,653は、たとえこのような配置によって左側及び右側視覚情報から正確な色均衡を得ることができたとしても、両側の各視覚情報は単一色の間隔(spacing)において、実質的な不均衡が存在する。このような不均等な間隔は低い解像度の表示装置から非常によく見えることになる。そして、結果的に画像の質を落とすことになる。また、両側の各視覚情報で色サブピクセルの順序は3つの色サブピクセルが同一に反復するパターンに従わない。このような現象を各白色画素の構成要素の順序に対する「クロッシングオーバー(crossing over)」とし、このようなクロッシングオーバーは予測することが出来ない画像のアーチファクト(artifact)を作る。米国特許7,154,653は、RGBサブピクセルが反復する典型的な構造とは異なる代替サブピクセル配置またはレイアウトの例を追加で開示される。このようなサブピクセル配置の一実施形態は、画像の質を向上させるために白色を供給する画素のサブピクセルの順序において、クロッシングオーバーがなく、両側の各視覚情報の個別色サブピクセルの間隔を減少させる。
【0022】
Harrold et al.の米国特許6,023,315、「空間光変調器及び指向性表示装置(Spatial light modulator and directional Display)」は、画素の行と列を含む液晶空間光変調器を開示する。前記液晶空間光変調器は列のグループに配置される。例えば、自動立体画像3次元表示装置のうちでそれぞれのパララックス生成部材の下に配置される。前記画素は、色画素を形成するセットに配置される。例えば、各セットの前記画素は三角形のような多角形の角頂点に配置される。そして、グループで形成された列に対応して配置される。米国特許6,023,315は、従来のRGB垂直または水平方向ストライプ(stripe)サブピクセル配置、または知らされたRGGBクワッド(quad)サブピクセル配置を有する空間光変調器を3次元表示のための立体画像を提供するために使う時、発生することになる問題点を言及している。例えば、色集積(integraton)のような問題である。このような問題点を緩和するために、米国特許6,023,315は「モザイク細工(tessellations)」と呼ばれるサブピクセルの配置及びサブピクセルのグルーピング対する多様な実施形態を開示している。モザイク細工は、実質的にさらに広い視覚距離の範囲で色集積が起きるように設計したものである。このようないくつかの配置うちの1セットは、赤色、緑色、青色、及び白色サブピクセルを使う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
自動立体画像3次元表示装置またはマルチビュー表示装置といった、少なくとも2つ以上の画像を同時に提供する指向性表示装置に特に適合した3つの主要色または多数の主要色サブピクセル反復グループの幾つかの実施形態の内の1つを実質的に含む表示パネルから構成される表示装置及びシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本明細書は、自動立体画像3次元表示装置またはマルチビュー表示装置といった、少なくとも2つ以上の画像を同時に提供する指向性表示装置に特に適合した3つの主要色または多数の主要色サブピクセル反復グループの幾つかの実施形態の内の1つを実質的に含む表示パネルから構成される表示装置及びシステムを開示する。画像を示す入力画像データは、サブピクセルレンダリング動作を使用する図示されたサブピクセルレンダリンググループの内の1つを利用する装置にレンダリングされる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】パララックスバリア構造を有するフラットパネル自動立体画像表示装置の第1実施形態に対する概略的な平面図である。
【図2A】パララックスバリア構造を有するフラットパネル自動立体画像表示装置の第2実施形態に対する概略図である。
【図2B】図2Aに示すパララックスバリア構造の一部分に対する平面図である。
【図2C】図2Aに示す表示装置において作られる視野ウィンドウに対する概略図である。
【図3A】2D3D切り替え可能な表示装置のダイヤグラム及び2Dモードでの動作時における表示装置を通過する光の流れを示す。
【図3B】2D3D切り替え可能な表示装置のダイヤグラム及び3Dモードでの動作時における表示装置を通過する光の流れを示す。
【図4】少なくとも2人の観察者に視認されるために少なくとも2つの画像を互いに異なる視野ウィンドウに提供するマルチビューアー表示装置のダイヤグラムを示す。
【図5】入力画像信号データの2次元空間グリッドの典型を示す。
【図6】3つの主要色サブピクセルを含む複数個のサブピクセル反復グループの表示パネルに適合した行列配置を示す。
【図7】再構成点及びリサンプル領域を示す図6の表示パネルの主要色平面のためのリサンプル領域アレイを示す。
【図8】図5の2次元空間グリッド上に重ねられた図7のリサンプル領域アレイを示す。
【図9A】3つの主要色サブピクセル及び白色サブピクセルを有するサブピクセル反復グループを示す。
【図9B】3つの主要色サブピクセル及び白色サブピクセルを有するサブピクセル反復グループを示す。
【図10】図5の2次元空間グリッド上に位置する図9Aのサブピクセル反復グループを示し、その上に重ねられる図9Aのサブピクセル反復グループのための主要色リサンプル領域アレイの一部分をさらに示す。
【図11】メタマー(matamer)フィルタリング動作を示すダイヤグラムである。
【図12】メタマーフィルタリング動作の一実施形態に対するフローチャートである。サブピクセルレンダリング動作がメタマーフィルタリング動作の後に続く。
【図13】画素レンダリング動作と併用されるメタマーフィルタリング動作の一実施形態に対するフローチャートである。
【図14A】サブピクセルレンダリング動作を実行する表示装置の2つの実施形態の機能的構成要素を示すブロック図である。
【図14B】サブピクセルレンダリング動作を実行する表示装置の2つの実施形態の機能的構成要素を示すブロック図である。
【図15】表示装置アーキテクチャのブロック図及びサブピクセル反復グループのいくつかの実施形態のうちの一つを含む表示パネルに画像信号を送る単純化された駆動回路の概略的な図である。
【図16A】新しいマルチ主要色サブピクセル反復グループの第1実施形態を含む表示パネルの一部分を示す。
【図16B】指向性表示装置に使われる図16Aの表示パネルによって提供される第1及び第2画像のサブピクセル配置を示す。
【図16C】指向性表示装置に使われる図16Aの表示パネルによって提供される第1及び第2画像のサブピクセル配置を示す。
【図17A】新しいマルチ主要色サブピクセル反復グループの第2実施形態を含む表示パネルの一部分を示す。
【図17B】指向性表示装置に使われる図17Aの表示パネルによって提供される第1及び第2画像のサブピクセル配置を示す。
【図17C】指向性表示装置に使われる図17Aの表示パネルによって提供される第1及び第2画像のサブピクセル配置を示す。
【図18A】新しいマルチ主要色サブピクセル反復グループの第3実施形態を含む表示パネルの一部分を示す。
【図18B】指向性表示装置に使われる図18Aの表示パネルによって提供される第1及び第2画像のサブピクセル配置を示す。
【図18C】指向性表示装置に使われる図18Aの表示パネルによって提供される第1及び第2画像のサブピクセル配置を示す。
【図19A】新しいマルチ主要色サブピクセル反復グループの第4実施形態を含む表示パネルの一部分を示す。
【図19B】指向性表示装置に使われる図19Aの表示パネルによって提供される第1及び第2画像のサブピクセル配置を示す。
【図19C】指向性表示装置に使われる図19Aの表示パネルによって提供される第1及び第2画像のサブピクセル配置を示す。
【図20A】新しい3つの主要色サブピクセル反復グループの第1実施形態を含む表示パネルの一部分を示す。
【図20B】指向性表示装置に使われる図20Aの表示パネルによって提供される第1及び第2画像のサブピクセル配置を示す。
【図20C】指向性表示装置に使われる図20Aの表示パネルによって提供される第1及び第2画像のサブピクセル配置を示す。
【図21A】新しい3つの主要色サブピクセル反復グループの第2実施形態を含む表示パネルの一部分を示す。
【図21B】指向性表示装置に使われる図21Aの表示パネルによって提供される第1及び第2画像のサブピクセル配置を示す。
【図21C】指向性表示装置に使われる図21Aの表示パネルによって提供される第1及び第2画像のサブピクセル配置を示す。
【図22A】新しい3つの主要色サブピクセル反復グループの第3実施形態を含む表示パネルの一部分を示す。
【図22B】指向性表示装置に使われる図22Aの表示パネルによって提供される第1及び第2画像のサブピクセル配置を示す。
【図22C】指向性表示装置に使われる図22Aの表示パネルによって提供される第1及び第2画像のサブピクセル配置を示す。
【図23A】新しい3つの主要色サブピクセル反復グループの第4実施形態を含む表示パネルの一部分を示す。
【図23B】指向性表示装置に使われる図23Aの表示パネルによって提供される第1及び第2画像のサブピクセル配置を示す。
【図23C】指向性表示装置に使われる図23Aの表示パネルによって提供される第1及び第2画像のサブピクセル配置を示す。
【図24A】新しい3つの主要色サブピクセル反復グループの第5実施形態を含む表示パネルの一部分を示す。
【図24B】指向性表示装置に使われる図24Aの表示パネルによって提供される第1及び第2画像のサブピクセル配置を示す。
【図24C】指向性表示装置に使われる図24Aの表示パネルによって提供される第1及び第2画像のサブピクセル配置を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、実装及び実施形態に対して添付された図面に示された例を挙げて詳しく説明する。可能であれば、同一または類似である部分を説明するために、全ての図面にわたって同一の参照符号が使用される。添付図面は、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部分を構成し、例示的な実行及び実施形態を説明する。
【0027】
以下、前記言及された指向性表示装置の表示パネルに適合したサブピクセルの配置またはレイアウトのいくつかの実施形態について検討する。このようなサブピクセル配置は、従来のRGBストライプレイアウトとは区別され、そして、この配置のうちのいくつかは三つの主要色よりさらに多い色を含む。入力画像データが従来の3色「全体画素」RGBフォーマットに特定されている場合、前記入力画像データはこのようなサブピクセル配置を有する表示パネルにレンダリング(ディスプレイ)されるためにサブピクセルレンダリング(SPR)動作によって処理されてもよい。この説明は、先ず、これらのサブピクセル配置の一つを有する表示パネルを含む表示装置に適合したサブピクセルレンダリング動作及びハードウェア構成の概要を提供した後、いくつかの例示的な実施形態を説明する。
【0028】
サブピクセルレンダリング技術の概要
共同所有されたElliott et al.の米国特許7,123,277号、「サブピクセルフォーマットデータの変換(CONVERSION OF A SUB―PIXEL FORMAT DATA TO ANOTHER SUB―PIXEL DATA FORMAT)」は、主要色の第1フォーマットに特定された入力画像を、入力画像の第1フォーマットとは異なった主要色の第2フォーマットを有するサブピクセル反復グループを含む表示パネルに表示するために変換する方法を開示する。米国特許7,123,277号が開示している内容は、参照として本明細書に含まれる。「主要色」という用語は、サブピクセル反復グループに現れるそれぞれの色を意味する。サブピクセル反復グループが表示装置を所望のマトリックス解像度で構成するために表示パネルにかけて反復される場合、表示パネルは実質的にサブピクセル反復グループを有すると言える。この検討において、表示パネルは、「実質的に」サブピクセル反復グループを有すると描写されている。なぜなら、表示パネルの大きさ、製造要素、または制約条件によって、1つまたはそれ以上のパネルのエッジではサブピクセル反復グループが不完全となるためと理解される。加えて、ディスプレイがサブピクセル反復グループを有する場合、左右対称、回転、反射、又はその他のわずかな変更があるとしても(添付された請求項に記載されたサブピクセル反復グループは例示された一実施形態である)、どんなディスプレイでも「実質的に」所定のサブピクセル反復グループを含むといえる。参考として、色画像を形成するために3つ以上の主要サブピクセル色を使用するシステムや装置は、本明細書で「マルチ主要色」の表示システムと言及される。白色サブピクセルを有するサブピクセル反復グループを含む表示パネルにおいて、白色はホワイト(W)または「クリア(clear)」と言及される主要色を表し、RGBWサブピクセルを有するサブピクセル反復グループを含む表示パネルを使う表示システムは、マルチ主要色表示システムである。
【0029】
例えば、入力画像が従来の赤色(R)、緑色(G)、青色(B)に特定されたカラー値の2次元アレイとして特定されると仮定し、入力画像データの第1フォーマットとみなす。各RGBトリプレット(triplet)は、入力画像における画素位置の色を特定する。表示パネルは、入力画像データが表示される第2フォーマット特定された複数個のサブピクセル反復グループを実質的に含む。そのサブピクセル反復グループは、表示パネル上の少なくとも2つの行に配置される少なくとも第1、第2、及び第3主要色のサブピクセルを有し、前記主要色のうち、2つののサブピクセルが「チェッカーボード(checkerboard)パターン」と言及されるパターンに配置される。すなわち、サブピクセル反復グループの第1行で第2主要色サブピクセルは、第1主要色サブピクセルの後に配置され、サブピクセル反復グループ第2行で第1主要色サブピクセルは、第2主要色サブピクセルの後に配置される。米国特許7,123,277号において、サブピクセルは「エミッタ」とも言及されている。
【0030】
入力画像データをサブピクセルレンダリングする動作は、ディスプレイパネル上の各サブピクセルに対する輝度値を提供する。画像を見る観察者から美しく見えるように、第1フォーマットに特定された入力画像をそれとは異なった主要色サブピクセルの第2フォーマットを含む表示パネル上に表示する。米国特許7,123,277号に記載されているように、輝度(luminance)チャンネルによって認識される独立画素としてサブピクセルを使用することによりサブピクセルレンダリングは動作する。これによって、結びついたサブピクセルを「実際の」(または全体)画素の一部分として使用することとは反対に、サブピクセルがサンプル画像再構成点として提供されるようにすることができる。サブピクセルレンダリングの使用によって、入力画像の空間再構成は増加して、表示装置は独立的にアドレスすることが可能となり、表示パネル上の各サブピクセルに輝度値を提供することが可能になる。
【0031】
さらに、サブピクセルレンダリング動作の別の実現可能な望ましい技術的特徴は、レンダリングされる画像の輝度構成要素における高い空間周波数情報が色エラーを発生させる色サブピクセルがエイリアス(alias)しないことを保障することによって、色バランスを維持するということであろう。サブピクセル反復グループにおけるサブピクセルの配置は、前記配置上のサブピクセルレンダリングが相(phase)エラーを減らすことができる空間的アドレス指定能力(spatial addressability)と前記表示装置の水平軸及び垂直軸で変造変調伝達関数(MTF:Moduration Transfer Function)及び高空間周波数解像度との増加を提供すると、サブピクセルレンダリングに適合することができる。サブピクセルレンダリング動作において、表示パネル上にある各主要色に対する複数個のサブピクセルは、主要色平面(例えば、赤色、緑色、及び青色の色平面)となるように集合的に定義されてもよく、各々別個で扱われてもよい。
【0032】
一実施形態でにおいて、サブピクセルレンダリング動作は、一般的に以下のように進行されてもよい。図5に例として示されるように、入力画像データの色画像データ値は、入力画像信号データを表す2次元空間グリッド50として扱われてもよい。前記グリッドの各正方形入力サンプル領域52は、画像の該位置での色を意味する色バリューのRGBトリプレットを表し、これは、RGBトリプレットによって物理的に満たされる領域とほぼ同一の領域である。グリッドの各正方形入力サンプル領域52の中央には、サンプルポイント54がさらに図示されている。
【0033】
図6は、米国特許7,123,277号の図6の表示パネルの一例が図示されている。複数個のサブピクセル反復グループ10を有する表示パネルは、図5の入力画像サンプルグリッド50と同じ次元を有すると仮定する。ここでサブピクセル反復グループの例示を図示している図6及び他の図面において、垂直方向にハッチングされているサブピクセルは赤色で、斜め方向にハッチングされているサブピクセルは緑色であり、水平方向にハッチングされているサブピクセル8は青色である。表示パネル5上の各主要色サブピクセルの位置は、再構成点(またはリサンプル点)と言及されるものから図6の表示パネル5上に位置した図5の空間グリッド50によって表される入力画像を再構成するためのサブピクセルレンダリング動作によって近似される。各再構成点は、リサンプル領域内の中央に位置する。主要色のうちの1つのための複数個のリサンプル領域は、リサンプル領域アレイを含む。図7(米国特許7,123,777号の図9)は、表示パネル5の青色平面のためのリサンプル領域アレイ7の一例を示し、再構成(リサンプル)点17、概略正方形状のリサンプル領域18及び長方形状のリサンプル領域19を示す。
【0034】
米国特許7,123,777号は、一実施形態においてリサンプル領域18がどのように決定されるかを以下のように説明している。各再構成点17は、各サブピクセル(例をあげると、図6のサブピクセル8)の中央に位置して、境界線のグリッドは再構成点の中心から等距離に形成され、各境界線内の領域はリサンプル領域を形成する。以後、一実施形態におけるリサンプル領域は、その領域に最も近い関連した再構成点によって定義されてもよく、隣接する他の再構成点から等距離にある線の集合によって定義される境界線を有する。形成されたグリッドは、タイルパターンを形成する。リサンプル領域の他の実施形態も可能である。例をあげると、タイルパターンに利用でき、これに限定されるわけではないが、正方形、長方形、三角形、六角形、八角形、ダイヤモンド型、互い違いの正方形、互い違いの長方形、互い違いの三角形、互い違いのダイヤモンド型、ペンローズ(Penrose)タイル、菱形(Rhombus)、ゆがんだ菱形など、または少なくとも1つ以上の前記形状の組合せを含むことが可能である。
【0035】
リサンプル領域アレイ7は、図8(米国特許7,123,277号の図20)に示すように、図5の入力画像サンプルグリッド50上に重なっている。各リサンプル領域(18または19)は、入力画像グリッド50(図5)上の少なくとも1つの入力画像サンプル領域52の一部分の上に重なっている。各リサンプル領域の分数のセットが形成されてもよい。一実施形態において、分数の分母はリサンプル領域の関数と解釈されてもよく、分子は少なくともリサンプル領域の一部と重なる各入力サンプル領域のエリア関数と解釈すされてもよい。分数のセットは集合的に画像フィルタを表し、これは、フィルタカーネル(filter kernel)と言及され、また、係数の行列として保存されてもよい。一実施形態において、係数の合計は、実質的に1に等しい。各入力サンプル領域のデータ値は各分数と乗算されて、すべての積は合算されて、前記リサンプル領域の輝度値が得られる。事実上、出力に対する入力の面積の比率は、検査または計算によって決定され、計数としてフィルタカーネルに保存される。フィルタカーネルは、変換式であり、オリジナルデータセットサンプル領域とターゲット表示サンプル領域との重畳領域を決定することによって生成される。重複比率は、フィルタカーネルアレイにおいて使用される係数値を決める。正方形状のリサンプル領域18の場合において、これらの各々は、4つの入力サンプル領域52とオーバーラップする。したがって、各入力サンプル領域52は、リサンプル点17の最終輝度値に対する青データ値の1/4(または0.25)に寄与する。
【0036】
前述のサブピクセルレンダリング動作は、領域リサンプリングと言及される画像処理技術の一例である。サブピクセルレンダリング技術の他のタイプは、バイキュービック(bicubic)フィルタ、シンク(sinc)フィルタ、ウィンドウシンク(windowed―sinc)フィルタ、及びこれの組合せを使用するリサンプリングを含んでもよい。
【0037】
本明細書に説明された実施形態において、計算は、前記3つの色平面に対するリサンプル領域アレイは互いに一致し、入力画像サンプルグリッド50とも一致するということを仮定する。また、リサンプル領域アレイを互いに異なるように配列させることができ、入力画像サンプルグリッド50に対しても異なるように配列させることができる。互いに対するリサンプル領域アレイの位置または入力画像サンプルグリッドに対するリサンプル領域アレイの位置は、リサンプル領域アレイの位相関係(phase relationship)と称される。
【0038】
サブピクセルレンダリング動作は、表示パネルへの情報をそれぞれのサブピクセルレベルでレンダリングするために、「ロジカル画素(logical pixel)」が導入される。ロジカル画素は、近似されたガウス強度分布(Gaussian intensity distribution)を有してもよく、全体画像を生成するために他のロジカル画素とオーバーラップされる。各ロジカル画素は、隣接したサブピクセルの集合であり、ターゲットサブピクセルを有する。ターゲットサブピクセルは、主要色サブピクセルのうちの1つでもあってもよく、ターゲットサブピクセルのために画像フィルタは輝度値の提供に使われる。結果的に、表示パネル上の各サブピクセルは、実際に何回も使用され、1回は、ロジカル画素の中心またはターゲットとして、そして追加の回では別のロジカル画素のエッジ(edge)として使用される。米国特許7,123,277号に開示されたタイプのサブピクセルレイアウトを実質的に含み、7,123,277号及び前述で開示されたサブピクセルレンダリング動作を使用する表示パネルは、従来のRGBストライプ表示装置に比べて、半分のサブピクセル及び半分の数の列駆動部で、ほとんど同じ解像度及びアドレス指定能力(addressability)を達成する。ロジカル画素は、共同所有される米国特許出願2005/0104908、「色表示画素配置及びアドレシング方法(COLOR DISPLAY PIXEL ARRANGEMENTS AND ADDRESSING MEANS)」(米国出願番号10/047995)にさらに開示されており、この出願は参照としてここに組み込まれる。また、参照としてここに組み込まれる2002年のEurodisplay02ダイジェストで公開されたCredelle et al.の「高解像度PenTile Matrix(商標登録)表示装置のMTF(MTF of High Resolution PenTile Matrix(商標登録) Display)」、pp1―4がある。
【0039】
RGBWサブピクセル反復グループを含み、サブピクセルレンダリング動作に関連する、3つの主要色及びマルチ主要色サブピクセル反復グループの例は、共同所有されている以下の米国特許出願公開で開示される。(1)米国特許出願公開番号2004/0051724(米国特許出願番号10/243094)、「4色の配置及びサブピクセルレンダリングのためのエミッタ(FOUR COLOR ARRANGEMENTS AND EMITTERS FOR SUB―PIXEL RENDERING)」、(2)米国特許出願公開番号2003/0128179(米国特許出願番号10/278、352)、「カラーフラットパネルディスプレイサブピクセル配置及び分割された青色サブピクセルを用いるサブピクセルレンダリング用レイアウト(COLOR FLAT PANEL DISPLAY SUB―PIXEL ARRANGEMENTS AND LAYOUTS FOR SUB―PIXEL RENDERING WITH SPLIT BLUE SUB―PIXELS)」、(3)米国特許出願公開番号2003/0128225(米国特許出願番号10/278353)、「カラーフラットパネルディスプレイサブピクセル配置及び増加した変調伝達関数応答を用いるサブピクセルレンダリング用レイアウト(COLOR FLAT PANEL DISPLAY SUB―PIXEL ARRANGEMENTS AND LAYOUTS FOR SUB―PIXEL RENDERING WITH INCREASED MODULATION TRANSFER FUNCTION RESPONSE)」、(4)米国特許出願公開番号2004/0080479(米国特許出願番号10/347001)、「ストライプ表示装置用サブピクセル配置及びそのサブピクセルレンダリング用配置方法及びシステム(SUB―PIXEL ARRANGMENTS FOR STRIPED DISPLAYS AND METHODS AND SYSTEMS FOR SUB―PIXEL RENDERINGS SAME)」、(5)米国特許出願公開番号2005/0225575(米国特許出願番号10/961506)、「高輝度表示装置のための新しいサブピクセルレイアウト及び配置(NOVEL SUBPIXEL LAYOUTS AND ARRANGEMENTS FOR HIGH BIRGHTNESS DISPLAY)」、及び(6)米国特許出願公開番号2005/0225563(米国特許出願番号10/821388)、「高輝度サブピクセルレイアウトのためのサブピクセルレンダリングフィルタ(SUBPIXEL RENDERING FILTERS FOR HIGH BRIGHTNESS SUBPIXEL LAYOUT)」である。前記言及された米国特許出願公開の各々の開示は、参照としてここに組み込まれる。
【0040】
米国特許出願公開2005/0225575、「高輝度表示装置のための新しいサブピクセルレイアウト及び配置(NOVEL SUBPIXEL LAYOUTS AND ARRANGMENTS FOR HIGH BRIGHTNESS DISPLAY)」は、少なくとも1つの白色(W)サブピクセルと複数個の主要色サブピクセルとを有するサブピクセル反復グループを含む複数個の高輝度表示パネル及び表示装置を開示している。様々な実施形態において、前記主要色サブピクセルは赤、青、緑、シアン(cyan)、またはマゼンタ(magenta)を含んでもよい。米国特許出願公開2005/00225563、「高輝度サブピクセルレイアウトのためのサブピクセルレンダリングフィルタ(SUBPIXEL RENERING FILTERS FOR HIGH BRIGHTNESS SUBPIXEL DISPLAY LAYOUT)」は、例えば、RGBWサブピクセル反復グループを含む白色サブピクセルを有するサブピクセル反復グループを実質的に含む表示パネル上に表示するためにソース(入力)画像データをレンダリングするサブピクセルレンダリング技術を開示している。米国特許出願公開2005/0225563からの図5A及び図5Bを複写した本明細書の図9及び図10は、それぞれのRGBWサブピクセル反復グループ(3及び9)を図示しており、それぞれのサブピクセル反復グループは高輝度の表示装置を形成するために実質的に表示パネルにわたって反復されてもよい。RGBWサブピクセル反復グループ9は、2行4列に配置された8つのサブピクセルで構成され、2つの赤色サブピクセル2、緑色サブピクセル4、青色サブピクセル8、及び白色(または、クリア)サブピクセル6を含む。サブピクセル反復グループ9が、各2つのサブピクセルの4つの四分面(four quadrants)を有するとすると、「チェッカーボード」パターンに類似して、赤色及び緑色のサブピクセルは対向する四分面に配置される。シアン、エメラルド(emerald)及びマゼンタを含む他の主要色も考慮される。米国特許出願公開2005/0225563は、このような色の名前は、「赤」、「緑」、「青」、「シアン」、「白」として記述された「実質的な」色のみである。すべてのサブピクセルが最も明るい状態にあるとき、正確な色点(color point)は表示装置上の望ましい白色が得られるように調整されてもよい。
【0041】
米国特許出願公開2005/0225563は、入力画像データが下記のように処理されてもよいことを開示している。(1)必要ならば、従来のRGB入力画像データ(または、sRGB、YCbCrなどのような、他の一般的なフォーマットのうちの1つを有するデータ)をR、G、B、及びWによって定義される色域における色データ値に変換する。このような変換は、別途の輝度(L)の色平面または色チャンネルを生成してもよい。(2)各色平面に対してサブピクセルレンダリング動作を実行する。(3)各色平面をはっきりさせるために「L」(または「輝度」)平面を使用する。
【0042】
従来のRGBフォーマットにおける入力画像データを、図9A及び図9Bに図示された形式のRGBWサブピクセル反復グループを含む表示パネル上にレンダリングするためのサブピクセルレンダリング動作は、一般的に若干の変更と共に米国特許7,123,277号に開示されて図示された原理、及び前述で説明された原理に従う。サブピクセルレンダリングフィルタカーネルは、米国特許7,123,277号に記載された領域リサンプリング原理を使用して構成されることができる。一実施形態において、ユニティ(unity)フィルタは、白色のサブピクセルに入力される輝度データをマッピングするために使われる。すなわち、1つの入力される従来の画像画素からの輝度信号は、サブピクセル反復グループにおける1つの白色サブピクセルの輝度信号に直接マッピングする。白色サブピクセルは、入力画像データの飽和されていない(non―saturated)輝度信号の大部分を再構成し、周囲を取り囲む主要色サブピクセルは色信号情報を供給する。
【0043】
米国特許出願公開2005/0225563は、対向する四分面に配置されるか、または「チェッカーボード」上に配置される赤色及び緑色サブピクセルを有するRGBWサブピクセル反復グループのためのサブピクセルレンダリング動作の実行に関する一般的な情報を開示する。赤色及び緑色の色平面は、領域リサンプル(Area Resample)フィルタの後に続くガウス差ウェーブレット(Difference of Gaussian(DOG) Wavelet)フィルタを使用してもよい。領域リサンプルフィルタは、色のエイリアス(aliasing)を引き起こす空間周波数を除去する。DOGウェーブレットフィルタは、クロスカラー(cross―color)構成要素を利用して、画像をはっきりさせるために使用される。言い換えれば、赤色の色平面は、緑色サブピクセル画像をはっきりさせるために利用され、緑色の色平面は、赤色サブピクセル画像をはっきりさせるために利用される。米国特許出願公開2005/0225563は、これらフィルタの実施形態を以下のように開示する。
【0044】
【表1】

【0045】
青色の色平面は、2×2ボックスフィルタといった複数個のフィルタのうちの1つを使ってリサンプルされてもよい。
0.25 0.25
0.25 0.25
【0046】
または、青色サブピクセルの中心に置かれたボックステント(box−tent)フィルタであってもよい。
0.125 0.25 0.125
0.125 0.25 0.125
【0047】
主要色サブピクセルにおける色信号情報を提供する一実施形態において、各入力画素画像データは2つのサブピクセルにマッピングされる。これによって、領域リサンプリングフィルタを生成するために、入力画像画素を主要色サブピクセルで配置する方法は、様々存在する。図10(米国特許出願公開2005/0225563の図6)は、図9Aに図示されたサブピクセル反復グループを有する表示パネルの赤色の色平面における4つの入力画像画素のサブピクセルへの領域リサンプリングマッピングを示す。図5に示すように、入力画像データは、アレイとして、または入力画像画素の色データ値を表す正方形52のグリッド50として図示される。図10において濃い外郭線で図示された図9Aのサブピクセル反復グループ3は、2つのサブピクセルが実質的にグリッド50上の1つの入力画像画素52の色画像データと一致する配列におけるグリッド50上に重なる。黒色の点15は、サブピクセル反復グループ3の赤色サブピクセル2の中心を表す。赤色の色平面のためのリサンプル領域アレイは、各々の中心が赤色サブピクセル15の中心に一致する様に配置されてダイヤモンド形状を有するリサンプル領域(14及び16)のような赤色リサンプル領域を含む。リサンプル領域(14及び16)の各々は、いくつかの入力画像画素の一部に重なることが分かる。領域リサンプルフィルタのフィルタのためのフィルタ係数の計算は、前述の表1に記載された領域リサンプルフィルタ(Area Resample Filter)の一例である「ダイヤモンド」フィルタと呼ばれるフィルタを生成する。
【0048】
図10は、入力画像画素グリッド及び赤色の色平面のリサンプル領域と共にサブピクセル反復グループの特定の配置を示す。米国特許出願公開2005/0225563は、サブピクセル反復グループまたは各色平面のためのリサンプル領域と共に入力画像画素グリッドの配置、入力グリッドに対向するリサンプル点の位置の選択、及びリサンプル領域の形の1つ以上の態様を開示しており、提供される領域リサンプルフィルタを単純化するために変更されてもよい。このような変更のいくつかの例示は、米国特許出願公開2005/0225563に開示されている。
【0049】
共同所有された国際出願PCT/US06/19657、「メタマーフィルタリングを利用したマルチ主要色サブピクセルレンダリング(MULTIPRIMARY COLOR SUBPIXEL REDNDERING WITH METAMERIC FILTERING)」は、入力画像データをサブピクセルの出力色データ値の調整のためにメタマーを活用するマルチ主要色表示装置にレンダリングするシステム及び方法を開示している。国際出願PCT/US06/19657は、国際特許出願公開WO2006/127555として公開されており、参照としてここに組み込まれる。4つまたはそれ以上の一致しない色プライマリー(primaries)を有するサブピクセルを含むマルチ主要色表示装置において、同じ色バリューを与えることができるプライマリー値に対して多数の組合せがしばしば存在する。言い換えれば、与えられた色相(hue)、彩度(saturation)、及び輝度(brightness)と共に色のために、観察者の目に同じ色の印象を与えることができる4つまたはそれ以上の明度値(intensity value)のセットが1つ以上存在してもよい。その色のためのそれぞれの可能な明度値のセットを「メタマー」と称する。従って、特定のマルチ主要色サブピクセル反復グループを実質的に含む表示装置上のメタマーは、各グループを適用したとき、人の視覚システムによって、認識される所望の色を生じさせる信号が存在するように、少なくとも2つ以上の色サブピクセルグループの組合せ(またはセット)である。メタマーの使用は、画像レンダリング正確度または知覚の改善といった所望の目標を達成するために色プライマリーに関係のある値の調整の自由度を提供する。メタマーフィルタリング動作は、入力画像コンテンツに基づいてもよく、できるだけ多くの所望の効果に応じてサブピクセルデータ値を最適化してもよい。結果的に、サブピクセルレンダリング動作の全体的な結果を向上させることができる。
【0050】
例えば、RGBWシステムにおいて、Wサブピクセルは、R、G、及びBサブピクセルの隣接したグループと共に灰色のためのメタマーである。与えられた色を作るために使われるサブピクセルは、人の視覚システムが色を混合するのに十分に近い隣接したサブピクセルであってもよい。これらの自由度−−メタマーのうちの選択によって提供される自由度と共に類似の色画素のうちからの信号値を選択すること、従って、色サブピクセルの異なるセットの信号値――は、広い(知覚の)レベルで正確な輝度及び色を維持しながら与えられる画像の輝度構成要素がサブピクセルレベルでより忠実に表示可能にする。このような多様なメタマーからの色選択の自由度は、結果的に画像を改善させることができる新しい可能性を生み出す。例えば、高周波エッジの明るい側にWサブピクセルが置かれているときにWサブピクセル値は増加し、高周波エッジの暗い側にWサブピクセルが置かれているときにWサブピクセル値が減少するような方式でメタマーを選択するよう表示装置が設計されることができる。赤色及び緑色サブピクセルカップルが画像における高周波エッジの明るい側に置かれているときに、R及びGサブピクセル値が増加するようにメタマーを選択するようにしてもよい。反対に、赤色及び緑色サブピクセルカップルがエッジの暗い側に置かれているときに、赤色及び緑色サブピクセル値が減少してもよい。
【0051】
国際出願WO2006/127555は、メタマーフィルタリング機能を実行するための少なくとも2つの実施形態を開示している。第1実施形態においては、画像処理パイプラインにおいてメタマーフィルタリング動作がサブピクセルレンダリング動作に先行して、事実上、両動作は結合する。国際出願WO2006/127555において、この方式は、「ダイレクトメタマーフィルタリング」と言及される。第2実施形態においては、メタマーフィルタリング動作は、入力画像画素データを越えて、別個の過程で達成されてもよい。国際出願WO2006/127555において、この方式は「プリコンディショニングメタマーフィルタリング」と言及される。
【0052】
国際出願WO2006/127555は、メタマーの計算に関して、メタマーサブピクセルグループと関連した信号のと間の動的な関係をモデリングできるということをさらに開示している。例えば、特定の色のメタマーと信号との間の実質的に線形的な(linear)関係を見つけることが可能である――これは「すぐ隣接する」メタマー及び信号を計算することを可能にする。このようなモデルは、画像アーチファクト及び色エラーなどのようなエラーを最小化するために、メタマーを含むサブピクセルの明度値を調整するのに利用することができる。そのようなモデルから、輝度データといった特定のデータに応じて画像データを調整する必要があるときは、いつでも明度適合値が表示システムに保存されて採用されることができる。このような調整の例が、以下に説明される。メタマーにおいてプライマリーのうちの1つがある量「a」値によって変わると、1つは、他のプライマリーの各々をある値「am」によって変えてもよい。ここで「m」は各プライマリー毎に異なるメタマー傾斜(metamer slope)である。傾斜値「m」は、色をマルチ主要色システムからCIE XYZ座標に変換する行列M2Xから計算されることができる。例えば、米国特許出願公開2005/0083341及び2005/0083352で検討されているように、マルチ主要色システムのプライマリーの色度(chromaticity)及び明度(luminosity)の測定からこの変換行列を計算するのは該技術分野では知られている。。国際公開WO2006/127555は、特定の表示装置で与えられた主要色のセットのためのメタマー傾斜値「m」を計算する手順を提供する。
【0053】
図11(国際公開WO2006/127555の図11)は、メタマーフィルタリング動作の一実施形態を概略的に示す。入力画像データは、輝度データ1102及び色データ1104と表される。これらデータセットは実質的に空間的に一致する。例えば、輝度データ1102は、画像データ1104の輝度データである。輝度チャンネル1102は、高周波数情報のためにフィルタカーネル1110を利用して、サンプリングされる。このフィルタは、青色―白色(BW)画素カップル1106の中心に位置した3×3領域に適用されることができる。その結果は、ボックス1112の色メタマーの変換に使われるシャープニング(sharpening)値「a」である。輝度チャンネル1102のそれぞれの値1106に対して、色チャンネル1104において、図式化されて示したR、G、B、及びW対応値1108が存在する。RGBW値は、ステップ1112でメタマーが変更される。変更されたメタマー1116は、出力バッファ1114に保存されるか、または次の処理段階を通過する。赤色―緑色(RG)サブピクセルカップルは、同様の方法で処理される(図示せず)が、他のフィルタカーネルを使う。RGサブピクセルカップルの中心の値は、輝度チャンネルからサンプリングされ、フィルタカーネルでコンボルリューション(convolved)される。結果的に、シャープニング値「a」は、RGBW値のために色チャンネルから新しいメタマーを計算するために使われる。計算された新しいメタマーは、出力バッファに保存されるか、または次の処理段階を通過する。図12(国際公開WO2006/127555の図15)は、このような一実施形態を示す。国際公開WO2006/127555は、そこに図示して説明されたフィルタカーネルは、単に例示的なものであり、メタマー間の異なる関係を反映する異なる値を得るために他のフィルタカーネルが採用されてもよいことを開示している(例をあげると、非線形関係、または異なる入力画像データ次元(different input image data dimension)などがある)。
【0054】
国際公開WO2006/127555は、前述の米国出願公開2005/0225563の高輝度レイアウトのためのサブピクセルレンダリング動作といった他のサブピクセルレンダリング(SPR)技術と併用するメタマーフィルタリング動作の使用をさらに検討している。前段階としてメタマーフィルタリング動作を実行するよりも、メタマーフィルタリングとサブピクセルレンダリングとを1つの段階でダイレクトに実行するようにSPR動作を構成することができる。一般的に、領域リサンプリング原理を利用して、シャープニング領域フィルタカーネルは、各色平面に対して計算され、メタマーシャープニングウェーブレットフィルタを生成するために、その色平面に対して領域リサンプリングフィルタから除外される。さらに、詳しい説明は国際公開WO2006/127555で言及される。図13(国際公開2006/127555の図17)は、このような一実施形態を示す。
【0055】
国際公開WO2006/127555は、またそこに含まれたサブピクセル反復グループを示すすべての図面に対して、全てまたは一部の白色サブピクセルをシアン色、黄色、灰色、または他の色に置き換えることによって、追加的なサブピクセルレイアウトが形成してもよいと記載している。さらに、そこで検討された技術は、液晶表示装置(LCD)、反射型液晶表示装置、電界発光表示装置(EL)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、電界エミッタ表示装置(FED)、電気泳動(electrophoretic)表示装置、イリデッセント(iridescent)表示装置(ID)、白熱灯(incandescent)表示装置、ソリッドステート発光ダイオード(LED)表示装置、及び有機発光ダイオード(OLED)表示装置のような透過型、及び非透過型表示パネルを含む全てのディスプレイ技術の範囲を網羅する。
【0056】
サブピクセルレンダリング技術を実行する表示装置構造の概要
図14A及び14Bは、前述された、及びここに引用された共同所有された特許出願及び登録特許に記載されたサブピクセルレンダリング動作を実行する表示装置及びシステムの実施形態の機能的構成要素を示す。図14Aは、太線の矢印線によって表示された表示装置1400のデータ流れと共に表示システム1400を図示している。表示システム1400は、入力ガンマ動作1402、色域マッピング(GMA)動作1404、ラインバッファ1406、SPR動作1408、及び出力ガンマ動作1410を含む。
【0057】
入力回路は、RGB入力データ、または他の入力データフォーマットを表示システム1400に提供する。それから、RGB入力データは、入力ガンマ動作1402に入力されてもよい。そして、動作1402からの出力は、色域マッピング動作1404に進む。典型的に、色域マッピング動作1404は、画像データを受け入れ、前記入力データに対して必要な、または所望の色域マッピング動作を実行する。例えば、画像処理システムがRGBW表示パネルで、レンダリングするためにRGB入力データを入力する場合、表示装置で白色(W)プライマリーを使用するためにマッピング動作が要求されるだろう。この動作は、出力カラースペースにおいて、入力データが1つのカラースペースから異なる個数のプライマリーを有する他のカラースペースに移動する一般的なマルチ主要色表示システムでも要求される場合がある。さらに、GMAは、出力表示空間で、入力色データが「色域の外にある」と考えられる状況を処理するために使われることができる。このような色域マッピング変換を実行しない表示システムでは、GMA動作1404は省略される。マルチ主要色表示装置での使用に適合した色域マッピング動作に対する追加的な情報は、参照としてここに組み込まれる共同所有された米国特許出願公開2005/0083352、2005/0083341、2005/0083344、及び2005/0225562で公開された米国特許出願で見ることができる。
【0058】
続いて、図14Aを参照すると、色域マッピング動作1404からの中間画像データ出力は、ラインバッファ1406に保存される。ラインバッファ1406は、追加的な処理が必要な画像データを前記データが必要なときにサブピクセルレンダリング(SPR)動作1408と共に提供する。例をあげると、前記に開示されて記載された領域リサンプリング原理を実行するSPR動作は、領域リサンプリングを実行するために処理される与えられた画像データポイントを取り囲む画像データの3×3行列を一般的に採用してもよい。従って、近傍のフィルタリング段階を含むサブピクセルレンダリング動作を実行するために、3つのデータラインがSPR1408に入力される。SPR動作1408が終わった後に、画像データは、システムから表示装置に出力される前に、出力ガンマ動作1410に出力されてもよい。入力ガンマ動作1402と出力ガンマ動作1410とは、選択的であってもよいことに注意する。この表示システムの実施形態に対する追加的な情報は、例えば、共同所有された米国特許出願公開2005/0083352に見つけることができる。表示システム1400のデータの流れは、「色域パイプライン」、または「ガンマパイプライン」と言及されることができる。
【0059】
図14Bは、前記参照した国際公開WO2006/127555で検討された技術を採用するマルチ主要色表示装置1422に対するサブピクセルレンダリング入力画像データのための表示システムの一実施形態であるシステムレベルダイヤグラム1420を図示している。機能的構成要素は、図14Aに図示されているものと類似の方法で動作し、類似のものは同一の参照番号を有する。入力画像データは、GMAモジュール1404でマルチ主要色に変換されるRGB、またはYCbCrといった3つの主要色で構成されることができる。表示システム1420で、GMA要素1404は、また、入力画像データ信号の輝度チャンネル、Lを(他のマルチ主要色信号に加えて)計算することができる。表示システム1420において、複数の周辺の画像データ(例えば、画素またはサブピクセル)値を参照することを含むフィルタリング動作として、メタマー計算が実行されてもよい。これら周辺値は、マルチフレームバッファ(multiple frame buffer)のような他の実施形態も可能であるが、一般的にラインバッファ1406によって整理される。表示システム1420は、前記で簡潔に説明したような、そして国際公開WO2006/127555で詳細に説明されたような動作を実行するメタマーフィルタリングモジュール1412を有する。表示システム1420の一実施形態において、メタマーフィルタリング動作1412が、サブピクセルレンダリング(SPR)モジュール1408と結びつき、ラインバッファ1406を共有することが可能である。前述されたように、この実施形態は「ダイレクトメタマーフィルタリング」と呼ばれる。
【0060】
図15は、前述の記載のみまらず、指向性表示装置に関連する後述の技術及びサブピクセル反復グループを実行するために適合した表示システムアーキテクチャ(architecture)の機能的なブロックダイアグラムの代替図を提供する。表示システム1550は、入力画像データを示す入力画像信号を受け入れる。前記信号は、入力画像データが表示装置に合うようにサブピクセルレンダリングされるSPR動作1408に入力される。SPR動作1408は、図14A及び図14Bで図示された表示システムと同様の図面参照番号で参照される。しかし、SPR動作1408は、、以下に検討される指向性表示装置に対して特に適合したサブピクセル反復グループのうちの1つを含む表示パネル上のサブピクセルレンダリング技術を実行するという目的のために以下検討されるいかなるSPR機能への変更を含んでもよいと理解される。
【0061】
続いて、図15を参照すると、表示システムアーキテクチャにおいて、SPR動作1408の出力は、タイミングコントローラー1560に入力されてもよい。図15に図示された機能的構成要素とは異なるように配置された機能的構成要素を有する表示装置アーキテクチャは、ここで意図される指向性表示装置に適合する。例えば、他の実施形態において、SPR動作1408は、タイミングコントローラー1560に包含されてもよく、表示パネル1570内に(特に、LTPSような処理技術を利用して)組み込まれてもよく、または、例えばグラフィックコントローラー内など表示システム1550内の他の所に位置してもよい。図15の表示システム1550の図における機能的ブロックの特定位置はいかなる方式でも位置を制限する意図はない。
【0062】
表示システム1550において、データ及びコントロール信号は、タイミングコントローラー1560から画像信号を表示パネル1570上のサブピクセルに送る駆動回路に出力される。特に、図15は、表示パネル上の適切なサブピクセルに転送される画像信号データを受信するためのデータ駆動部とも言及されるカラム(列)ドライバ1566及びゲート駆動部とも言及されるロウ(行)ドライバ1568を示す。表示パネル1570は、実質的に、2行×8列であり白色(クリア)サブピクセルを含む4つの主要色を有する図17Aのサブピクセル反復グループ1720を含む。反復グループ1720内のサブピクセルは、表示パネル1570のスケールで描かれておらず、便宜のために拡大して図示されていると理解される。拡大図に示されるように、表示パネル1570は、特に図面に図示され、下記において詳しく説明する指向性表示装置に特に適合した他の種類のサブピクセル反復グループを含む。表示パネル1570のために可能な1つの大きさは、水平方向に1920個のサブピクセル(赤色640、緑色640、及び青色サブピクセル640)と960サブピクセルの行とである。このような表示装置は、VGAを表示するために1280×720及び1280×960の入力信号に必要な数のサブピクセルを有する。しかし、表示パネル1570は、あらゆるサイズの表示パネルの代表であると理解される。
【0063】
前述の表示装置のハードウェア実装の多様な態様は、参照としてここに組み込まれる共同所有された米国特許出願公開2005/0212741(米国出願10/807、604)、「相異する大きさのサブ画素を含む液晶表示装置用トランジスタバックプレーン(TRANSISTOR BACKPLANES FOR LIQUID CRYSTAL DISPLAYS COMPRISING DIFFERENT SIZED SUBPIXEL)」、米国特許出願公開2005/0225548(米国出願10/821387)、「ノンストライプ表示システムにおける画像データのサブピクセルレンダリングを向上させるためのシステム及び方法(SYSTEM AND METHOD FOR IMPROVING SUB―PIXEL RENDERING OF IMAGE DATA IN NON―STRIPED DISPLAY SYSTEM)」、及び米国特許出願公開2005/0276502(米国出願10/866447)、「量子化されたシステムにおけるガンマ精密度の増加(INCREASING GAMMA ACCURACY IN QUANTIZED SYSTEM)」で検討されている。ハードウェア実装の考慮事項は、参照として本明細書に組み込まれる国際公開WO2006/108084に公開されている国際出願PCT/US06/12768、「新しいサブピクセル構造を有する表示システムのための効率的なメモリ構造(EFFICIENT MEMORY STRUCTURE FOR DISPLAY SYSTEM WITH NOVEL SUBPIXEL STRUCTURE)」で説明されている。ハードウェア実装考慮事項は、参照として本明細書に組み込まれるElliott et al.の2002年5月にSIDシンポジウムダイジェスト(SID Sysposium Digest)のpp.172―175で公開された「カラーAMLCDサブピクセルアーキテクチャ及びレンダリングアルゴリズムの同時最適化(Co―optimization of Color AMLCD Subpixel Architecture and Rendering algorithm)」でさらに説明される。
【0064】
前述で検討され、さらに後述において検討される技術及びサブピクセル反復グループは、液晶表示装置(LCD)、反射型液晶表示装置、電界発光表示装置(EL)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、電界エミッタ表示装置(FED)、電気泳動(electrophoretic)表示装置、イリデッセント(iridescent)表示装置(ID)、白熱灯表示装置、ソリッドステート発光ダイオード(LED)表示装置、及び有機発光ダイオード(OLED)表示装置のような透過型及び非透過型表示パネルを含む全てのディスプレイ技術の範囲を網羅する。
【0065】
指向性表示装置のためのサブピクセルレイアウト及びサブピクセルレンダリング
以下、少なくとも2つの画像を同時に表示できる指向性表示装置で使われる表示パネルに特に適合したサブピクセル反復グループの実施形態について検討する。背景技術において検討したように、指向性表示装置は、最適のビューポイントから一人の観察者が1つの3次元画像を認識できるように少なくとも2つの画像を表示するように構成されてもよい。指向性表示装置は、1人の観察者が第1及び第2ビューポイントで各画像を見るように、または2人の観察者が第1及び第2ビューポイントで各画像を見るように少なくとも2つの画像を表示するように構成されてもよい。サブピクセル反復グループの実施形態を示す本明細書の様々な図面において、表示パネルの一部分にあるサブピクセル列は、「L」または「R」と図示されている。これは、表示パネルの列のうちのいくつかが、「左側視野」(例えば、3次元表示システムで観察者の左目側)に向かうことになり、他の列は、「右側視野」に向かうことになる。「L」及び「R」のラベリングは、自動立体画像装置での表示パネルの使用をいかなる方式でも制限する意図ではない。ラベリングが意図することは、特定の図面に図示された通り、サブピクセル反復グループを含む表示パネルが指向性表示装置で使われるとき、列の第1半分(前記「R」)列)の光照射は第1ビューポイントから見ることができる第1画像を提供するように指定され、列の第2半分(前記「L」列)の光照射は第2ビューポイントから見ることができる第2画像を提供するように指定されるということである。これら第1及び第2画像は、視野として言及され、各視野の基礎を形成するサブピクセル配置は別個の図面に示される。これは視野において示されるサブピクセル配置は、元の表示パネルを形成するサブピクセルの部分集合として理解される。
【0066】
以下において検討される図示の実施形態のうちのいくつかにおいて、表示パネルの一部分におけるサブピクセルの列は、「L」、「R」、及び「B」と示される。「B」と指定された列は、表示装置の光学ステアリングメカニズム、または光学ステアリング部材によって、左側及び右側視野の両方に向かうように意図される。これら特定の実施形態は、右側及び左側の目の視野が画像の色彩情報を共有する自動立体画像3次元表示装置に適合する。これら特定の実施形態は、第1及び第2画像が同じ色彩情報を共有しないマルチビュー指向性表示装置には適さない場合がある。
【0067】
以下に記載される図示された実施形態の各々において、実施形態のサブピクセル反復グループを実質的に有する表示パネルを含む表示装置は、指向性表示装置のみでの使用に制限されずに、従来の単一画像または2次元モード、または前述した2D3D切り換え可能な表示装置において動作することができる。サブピクセルレンダリング(SPR)動作(例をあげると、図14Aの表示装置1400、または図14Bの表示装置1420のSPR動作1408)は、前記の検討及び本明細書で参照された公開特許及び特許出願文献での検討で説明された領域リサンプリング及びメタマーフィルタリング技術を利用して、2次元モードでの動作の場合、入力が像データを受信して、表示パネル上にある各サブピクセルに対して出力画像データを生成するように構成されてもよい。該技術分野で通常の知識を有する者が、サブピクセルレンダリング動作を実行するための適切なフィルタを製作するために、前述の文献に説明された原理を本明細書に記載されたサブピクセル反復グループに適用できると理解される。従って、以下の検討ではそれに対する詳しい説明は省略する。
【0068】
以下のサブピクセル反復グループの実施形態に対する検討において、行及び列において特定の色順序及び位置に配置されるサブピクセルに対する言及が行われ、例が図示される。図示された配置中のいくつか、または全てにおいて、第1行と第2行とにおけるサブピクセルが交換される場合のように、サブピクセルの行位置は変わることができると理解される。さらに、図示された配置中のいくつか、または全てにおいて、サブピクセル反復グループの第1及び第2行にある色サブピクセルの特定の順序に対する言及は、サブピクセル反復グループが左側または右側に90度回転した配置を網羅すると理解される。
【0069】
1.マルチ主要色サブピクセル反復グループ実施形態
序論として、図16A、図17A、図18A、及び図19Aに示すマルチ主要色サブピクセル反復グループの各実施形態は、主要色として白色(W)を含む。実施形態の各々において、白色サブピクセルは黄色、マゼンタ色、灰青色(grey―blue)、または青緑(シアン)色といった主要色として機能する他の適合した色に代替されると理解される。白色サブピクセルは、また追加的な赤色、緑色、または青色サブピクセルで代替されてもよい。さらに、これら高輝度レイアウトの追加的な実施形態を検討している共同所有された米国特許出願公開2005/0225563に記載されたように、これらの色の名前は、「赤色」、「緑色」、「青色」、「青緑(シアン)色」、及び「白色」のように記載される単に「実質的に」な色である。正確な色点(カラーポイント)は、すべてのサブピクセルが最も明るい状態にあるときに、表示装置上で所望の白色点を得るために調整されることができる。
【0070】
図16Aは、サブピクセル反復グループ1610を実質的に含む表示パネルの一部分を示す。サブピクセル反復グループ1610は、2つの行に配置され、4つの赤色サブピクセル1612、4つの緑色サブピクセル1614、2つの青色サブピクセル1616、及び2つの白色(または、クリア)サブピクセル1618を有する12個のサブピクセルを含む。青色サブピクセル1616及び白色サブピクセル1618は、同じ列に配置され、青色サブピクセル及び白色サブピクセルのストライプを形成する。サブピクセル反復グループを各3つのサブピクセルの4つの四分面を有するものとして見ると、白色サブピクセル1618と青色サブピクセル1616とは対向する四分面の他の行に位置し、解像度の低いチェッカーボードパターンを形成する。赤色サブピクセル1612は、各四分面で緑色サブピクセル1614と対になる。第1行において、行を横ぎる移動が左側から右側であるとき、緑色サブピクセル1614は赤色サブピクセル1612の後に続き、第2行においては、赤色サブピクセル1612が緑色サブピクセル1614の後に続く。このような赤色及び緑色サブピクセルの配置は、より高解像度のチェッカーボードパターンで示される。
【0071】
図16Aに示されるようなサブピクセル反復グループ1610を実質的に含む表示パネルを有する表示装置は、指向性表示装置としても動作することができる。図16Bは、図16Aにおいて、「R」にラベルされたサブピクセルの列1624によって生成された表示1604を示す。表示1604に表示された画像は、2つの行に配置され、2つの赤色サブピクセル1612、2つの緑色サブピクセル1614、1つの青色サブピクセル1616、及び1つの白色サブピクセル1618を含む6つのサブピクセルを含むサブピクセル反復グループ1630上にレンダリングされる。図16Cは、図16Aにおいて、「L」にラベルされたサブピクセルの列1622により生成された表示1602を示す。表示1602に表示された画像は、2つの行に配置され、2つの赤色サブピクセル1612、2つの緑色サブピクセル1614、1つの青色サブピクセル1616、及び1つのの白色サブピクセル1618を含む6つのサブピクセルを含むサブピクセル反復グループ1640上にレンダリングされる。これら特定サブピクセル反復グループ1630及び1640は、前に開示され、共同所有された米国特許出願公開2004/0051724、「4つの色配置及びサブピクセルレンダリングのためのエミッタ(FOUR COLOR ARRANGEMENTS AND EMITTERS FOR SUB―PIXEL RENDERING)」及び国際特許公開WO2006/127555、「メタマーフィルタリングを利用したマルチ主要色サブピクセルレンダリング(MULTIPRIMARY COLOR SUBPIXEL RENDERING WITH METAMERIC FILTERING)」で検討された。従って、図16Aのサブピクセル反復グループ1610を含む表示パネル上で生成される互いに異なる「L」及び「R」画像は、サブピクセル配置1630及び1640を実質的に含む表示パネル上に形成された画像に対して前記明細書で検討されたすべての利点を有する。
【0072】
図17Aは、サブピクセル反復グループ1720を実質的に含む表示パネル1700の一部分を示す。サブピクセル反復グループ1720は、2つの行に配置され、8つの緑色サブピクセル1744、8つの白色(またはクリア)サブピクセル1748、4つの青色サブピクセル1476、及び4つの赤色サブピクセル1742を含む24個のサブピクセルを含む。赤色サブピクセル1742及び青色サブピクセル1746は、同じ列内で互いに交互に配列され、4つの列を形成する。青色及び赤色サブピクセルの列は、緑色及び白色サブピクセルが交互に配置されて列を形成する緑色及び白色サブピクセルの対の間に配置される。各行は、左側から右側に順に交互に2つの赤色サブピクセル1742及び2つの青色サブピクセル1746を含む。第1行では、青色サブピクセル1746が赤色サブピクセル1742を後に続き、第2行では赤色サブピクセル1742が青色サブピクセル1746の後に続いて、赤色及び青色主要色の低解像度チェッカーボードパターンを形成する。対となる緑色及び白色サブピクセルもまた各行で左側から右側に向って順に交互に配置されて、水平に高解像度のチェッカーボードパターンを形成する。緑色(G)及び白色(W)サブピクセルの反復パターンは、サブピクセルの色及び位置を現わす文字を利用した以下の例において、より簡単に見られるだろう。ここで、「x」は、サブピクセル反復グループ1720での青色及び赤色サブピクセルの位置(placeholder)を表わす。
【表2】

【0073】
図17Aは、「R」、「L」、及び「B」と各々ラベルされたサブピクセルの列1724、1722、及び1723を有する。サブピクセル反復グループ1720を実質的に含む表示パネルを有する表示装置が指向性表示装置として動作するとき、交互に並んだ赤色及び青色サブピクセルを含む「B」とラベルされた列1723は、第1(R)及び第2(L)画像の両方に向かうことになる。実施形態において、色プライマリーは、相対的な輝度に基づいて2つの種類に分かれ、相対的に暗いプライマリー、この実施形態における赤色及び青色主要色サブピクセルは左側視野及び右側視野間で共有される。2つの視差分離画像(parallax separated image)間の微細な区別をサポートのために色チャンネルの解像度は非常に低いため、色(chromatic)チャンネルの解像度は非常に低く、視覚的深さまたは距離認識の印象を作る場合、色チャンネルは考慮されないため、人の視覚システムはこのようなことを黙認することができる。ただ、輝度(luminance)チャンネルのみが要求される解像度を有する。従って、より明るい主要色のサブピクセルは、要求される立体画像情報の伝達を担う。さらに、左側視野及び右側視野は、視覚的アーチファクトを生成することなく、これら列の色情報を共有することができる。従って、図17Aに示された実施形態は、特に自動立体画像3次元表示装置及び切り替え可能な2D3D表示装置に適合する。
【0074】
図17Bは、図17Aで「R」とラベルされたサブピクセルの列1724及び「B」とラベルされたサブピクセルの列1723により生成される表示1734を示す。表示1734に表示されている画像は、2つの列に配置され、各々2つの赤色、緑色、青色、及び白色サブピクセルを含む8つのサブピクセルを含むサブピクセル反復グループ1730上でレンダリングされる。図17Cは、図17Aにおいて「L」とラベルされたサブピクセルの列1722及び「B」とラベルされたサブピクセルの列1723により生成される表示1732を示す。表示1732に表示されている画像も、また2つの列に配置され、各々2つの赤色、緑色、青色、及び白色サブピクセルを含む8つのサブピクセルを含むサブピクセル反復グループ1740上でレンダリングされる。第1及び第2表示のサブピクセル反復グループ1730、1740は、前述で引用された共同所有の米国特許出願公開2005/0225575、「高輝度ディスプレイのための新規のサブピクセルレイアウト及び配列(NOVEL SUBPIXEL LAYOUTS AND ARRANGEMENTS FOR HIGH BRIGHTNESS DISPLAY)」及び国際公開WO2006/127555にすでに開示されて検討されている。従って、図17Aのサブピクセル反復グループ1720を含む表示パネル上で生成される区別された「L」及び「R」画像は、サブピクセル配置1730、1740を実質的に含む表示パネル上で生成された画像に関する前記明細書で検討されたすべての利点を有する。
【0075】
第1及び第2(例えば、左側及び右側)視野をレンダリングするために使われるサブピクセルレンダリング動作は、表示パネル1700上のサブピクセルの部分集合(例えば、1723列)が、2つの視野により共有されるという事実を説明するために変更されてもよい。サブピクセルレンダリング動作は、両側視野により共有される列1723の色サブピクセルと対応する色平面に対して2つの分離した表示1734、1732に属する入力画像データに対する寄与度を平均することができる。図17Aに示す実施形態において、サブピクセルレンダリング動作は、赤色及び青色の色平面に対して2つの分離した表示1734、1732に属する入力画像データに対する寄与度の平均を求めることができる。さらに、両側視野内の列にある列のサブピクセルがほとんど同じになるように2つの視野1734、1732の各々に対して選択されたメタマーを調節することが望ましいこともある。1つが他のものより多く選択されるべきであるとすれば、各視野で赤色―緑色の色チャンネルがほとんど重なるようにメタマーを選択することが望ましいことがある。人の視覚システムは、黄色―青色の色チャンネルのエラーより色チャンネルのエラーに一層敏感なためである。図17Aのサブピクセルの配置1720の場合、各表示の赤色の色平面がほとんど同一になるようにセッティングされる。
【0076】
図18Aは、サブピクセル反復グループ1810を実質的に含む表示パネルの一部分を示す。サブピクセル反復グループ1810は、2つの行に配置され、16個の白色(または、クリア)サブピクセル1818、2つの緑色サブピクセル1814、2つの青色サブピクセル1816、2つの赤色サブピクセル1812、及び2つの青緑色(シアン)、エメラルド色、黄色、マゼンタ色、または他の適合した色といった適合した第5の色プライマリーのサブピクセル1817を含む24個のサブピクセルを含む。図18A、図18B、及び図18Cにおいて、第5の色プライマリーサブピクセル1817は、青緑色(シアン)を表し、狭い間隔の水平方向ハッチングで示される。白色サブピクセル1818は、2つの隣り合った列に配置される。赤色サブピクセル1812は、青緑色(シアン)サブ画素1817と交互に2つの列に配置され、緑色サブピクセル1814は、青色サブピクセル1816と交互に2つの列に配置される。
【0077】
図18Aは、各々「R」及び「L」とラベルされた白色サブピクセル1818の列1824、1822を示す。サブピクセル反復グループ1810を実質的に含む表示パネルを有する表示装置が指向性表示装置として動作するとき、表示パネルの「R」とラベルされた列1824は、第1(R)画像に向かい、表示パネルの列1822は、第2(L)画像に向かう。交互に配置された赤色及び青緑色(シアン)のサブピクセルを含む「B」とラベルされた列1825と交互に配置された緑色及び青色のサブピクセルを含む列1823とは、サブピクセル反復グループ1810を実質的に含む表示パネルを有する表示装置が指向性表示装置として動作するとき、第1(R)及び第2(L)画像の両方に向かう。
【0078】
図18Bは、図18Aで「R」とラベルされたサブピクセルの列1824及び「B」とラベルされたサブピクセルの列1823、1825により生成される表示1804を示す。図18Cは、図18Aで「L」とラベルされたサブピクセルの列1822及び「B」とラベルされたサブピクセルの列1823、1825により生成される表示1802を示す。図18Aに図示された実施形態は、特に自動立体画像3次元表示装置及び切り替え可能な2D3D表示装置に適合する。図17A、図17B、及び図17Cに示された実施形態ついて前述で検討されたように、人の視覚システムによって、視覚的深さまたは距離認識の印象を作るために要求される程度の解像度を有する輝度チャンネルであるために、立体画像情報を伝達する責任を有するのは、図18Aの実施形態では優先的に白色サブピクセルである。一方、飽和された主要色サブピクセルは、視覚的アーチファクトを生成することなく画像の色情報を伝達する。
【0079】
各表示1804、1806において表示される画像は、2つの列に配置され、8つの白色サブピクセル1818及び各々2つの赤色、緑色、青色、及び青緑色サブピクセルを含む16個のサブピクセルを含むサブピクセル反復グループ1830上でレンダリングされる。白色サブピクセルは、表示1804にわたって、正方形(square)に配置されていることが分かる。すなわち、隣接する4つの白色サブピクセルの中心を連結した仮想の線が正方形を形成する。サブピクセル反復グループ1830が4つの画素で構成された4つの四分面を有するように見られる場合、飽和された色プライマリーの対は対向する四分面に配置され、チェッカーボードパターンを形成する。図18B及び図18Cに示すタイプの白色サブピクセルの列を有するサブピクセル反復グループは、前述で参照された共同所有された米国出願公開2005/025575及び国際公開WO2006/127555ですでに開示されて検討された。従って、図18Aのサブピクセル反復グループ1810を含む表示パネル上で生成される区別された「L」及び「R」画像は、サブピクセル配置1830を実質的に含む表示パネル上で生成された画像に関する前記明細書で検討されたすべての利点を有する。
【0080】
図19は、サブピクセル反復グループ1910を実質的に含む表示パネルの一部分を示す。サブピクセル反復グループ1910は、実質的に正方形の形態を有して4つの行及び2つの列に配置され、主要色サブピクセルを各2つずつ含む8つのサブピクセルを含む。赤色サブピクセル1912及び青色サブピクセル1916は、交互に配置される緑色サブピクセル1914及び白色サブピクセル1918の行の間に、交互に同一の行に配置される。サブピクセル反復グループ1910における各列は、各主要色サブピクセルを1つ含む。サブピクセル反復グループ1910を含む表示パネルを有する表示装置が従来の2次元モードで動作する場合、4つのサブピクセル(赤色、緑色、青色、及び白色各1つ)は表示情報を表わすために「全体画素(whole pixel)」モードで使われ、サブピクセルレンダリング動作は省略されることができる。サブピクセル反復グループ1910を含む表示パネルを有する表示装置が3次元モードのような指向性表示装置として動作する場合、第1及び第2画像データは、図19Bに示されたような表示1902を生成する「R」とラベルされた列1924の画像データと、図19Cに示されたような表示1904を生成する「L」とラベルされた列1922の画像データとで、列と列とに分解されることができる。
【0081】
図19Bの表示1902と図19Cの表示1904とは、いくつかの類似点がある。データの各行は、2つのサブピクセル行を有する。輝度中心は、赤色―緑色(RG)サブピクセル対1936、または青色―白色(BW)サブピクセル対1938(図19B)のどちらかになるだろう。画像データの各列は、この動作モード(例えば、3次元)では、前述で説明された適切なシャープニングアルゴリズムを伴ったサブピクセルレンダリング動作を利用して、フル(full)解像度を生成することができる。しかし、色情報は、正確な色を得るために、2組または3組の行に分散されるべきであり、これは垂直軸の解像度を制限する。図19Cは、適切な色を達成するために要求されるサブピクセルを示す。その色が生成される入力画像データ画素が緑色―赤色サブピクセル対1926の中心に配置される場合、4つの青色及び白色サブピクセル対1928、1930、1932、1934が色の均衡のために使用される。シャープニングアルゴリズムは、出力画像の水平線の鮮明さを向上させるために使われることができる。サブピクセル反復グループ1910を含む表示パネルにおいて、表示1902、1904において、サブピクセル色は、列に交互に配置されるため、各表示1902、1904で、出力画像の対角線は、表示パネルが従来の2次元モードで動作するときに有するような変調伝達関数(MTF)を有することができる
【0082】
2.3つの色プライマリーを有するサブピクセル反復グループ実施形態
図20Aは、サブピクセル反復グループ2010を実質的に含む表示パネル2000の一部分を示す。サブピクセル反復グループ2010は、2つの行に配置される3つの主要色の6つのサブピクセルを含む。青色サブピクセル2016は、列に配置されて垂直方向にストライプを形成する。各行は、1つの赤色サブピクセル2012及び1つの緑色サブピクセル2014を含む。第1行では緑色サブピクセル2014が赤色サブピクセル2012の後に続き、第2行では、赤色サブピクセル2012が緑色サブピクセル2014の後に続き、チェッカーボードパターンを形成する。1つの行における連続する3つの異なる主要色サブピクセルは、いかなるものでも従来の全体(whole)画素2020として共にグループ化(group)できる。従って、表示パネルは、2次元モードで動作する場合、従来のフルカラー全体画素2020のアレイとして取り扱いされることができる。
【0083】
図20Aは、各々「R」及び「L」とラベルされたサブピクセルの列2024、2022を有する。サブピクセル反復グループ2010を実質的に含む表示パネルを有する表示装置が指向性表示装置として動作する場合、表示パネルの「R」とラベルされた列2024は、第1(R)画像に向かうことになり、表示パネルの「L」とラベルされた列2022は、第2(L)画像に向かう。図20Bは、図20Aで「R」とラベルされたサブピクセルの列2024によって生成された表示2004を示す。表示2004に表示された画像は、2つの行に配置されて、各々2つの赤色、緑色、及び青色サブピクセルを含む6つのサブピクセルを含むサブピクセル反復グループ2030上にレンダリングされる。サブピクセルは、サブピクセル反復グループ2010に対して実質的に同じ位置を占めており、青色サブピクセルの垂直方向ストライプを含む。図20Cは、図20Aで「L」とラベルされたサブピクセルの列2022により生成された表示2002を示す。表示2002に表示された画像も、またサブピクセル反復グループ2030上にレンダリングされる。
【0084】
青色垂直方向ストライプを有するサブピクセル反復グループ2030の多様な変更は共同所有された米国特許7,123,277及び6,903,754ですでに開示されて検討された。従って、図20Aのサブピクセル反復グループ2020を含む表示パネル上で生成される、区別された「L」及び「R」画像は、サブピクセル配置2030を実質的に含む表示パネル上で形成された画像に関連する前記明細書で検討されたすべての利点を有する。特に、図20Aの表示パネル2000が従来の2次元モードで全体画素モードでレンダリングされた画像を表示する(すなわち、全体画素2020を利用してサブピクセルレンダリング技術を利用しない)場合、与えられた解像度(r)を有することになる。指向性表示装置として動作する場合、同じ表示パネルによって生成された第1(R)及び第2(L)画像は、サブピクセルレンダリング動作が各表示の画像データをレンダリングするのに利用されるときと同じ解像度(r)を有することになる。
【0085】
これとは異なって、図20Aの表示パネル2000の赤色サブピクセル2012、緑色サブピクセル2014、及び青色サブ画素2016は、狭いアスペクト比を有するように構成することができる。これは、従来の2次元動作モードで使われる場合、表示パネル2000がパネルの水平方向の解像度を増加させることができるようにする。これによって、2次元モードで画像を表示するためのサブピクセルレンダリングの利点を取り、画像クォリティーを向上させる。
【0086】
図21A、図22A、図23A、及び図24Aは、主要色のうちの2つの色のサブピクセルに比べ、より高い解像度を有する1つの主要色のサブピクセルを含む表示パネルのサブピクセル反復グループの実施形態について検討する。より高い解像度を有するサブピクセルは、サブピクセル反復グループで多数派(majority)サブピクセルと言及される。これら特定の実施形態は、多数派サブピクセルとして緑色サブピクセルを利用する。しかし、他の主要色が多数派サブピクセルとして適合できる場合もある(例えば、特定の表示用途)と理解される。これら実施形態の各々において、多数派サブピクセルは、表示パネル上に垂直または水平方向のストライプを作るためにサブピクセル反復グループ内に配置される。多数派サブピクセルは、対向する四分面のサブピクセル反復グループ内にチェッカーボードパターンと類似の形態に配置される。すなわち、サブピクセル反復グループがN/2個のサブピクセルを有する2つの行にN個のサブピクセルを有する場合、サブピクセル反復グループは、以下に示すように、対向する四分面に同色の少数派(minority)サブピクセルを有するN/4個のサブピクセルの4つの四分面を有するように見られることができる。ここで、P1は、多数派サブピクセルであり、P2及びP3は、2つの少数派主要色サブピクセルである。
P1 P1 P2 P1 P1 P3
P1 P1 P3 P1 P1 P2
【0087】
指向性表示装置が実質的にこれらのサブピクセル反復グループのうちの1つを含む表示パネルを含む場合、第1(R)及び第2(L)表示は、他の2つの主要色サブピクセルに比べてより高い解像度を有する1つの主要色サブピクセルを含むサブピクセル反復グループ上に生成される。図21B、図21C、図22B、図22C、図23B、図23C、図24B、及び図24Cに図示されたこのような多様なサブピクセル反復グループまたはサブピクセル反復グループの多様な応用は、米国特許出願公開2003/0128225(米国出願番号10/278353)、「色フラットパネル表示サブピクセル配置及び増加した変調伝達関数応答を用いるサブピクセルレンダリング用レイアウト(COLOR FLAT PANEL DISPLAY SUB―PIXEL ARRANGEMENTS AND LAYOUTS FOR SUB―PIXEL RENDERING WITH INCREASED MODULATION TRANSFER FUNCTION RESPONSE)」ですでに開示されて、検討された。従って、本明細書の図面に図示されたように第1または第2表示が生成される場合、画像は、そこで開示されたサブピクセル配置を実質的に含む表示パネル上に形成された画像に関して米国特許2003/0128225で検討されたすべての利点を有する。
【0088】
図21Aは、サブピクセル反復グループ2110を実質的に含む表示パネル2100の一部分を示す。サブピクセル反復グループ2110は、4行4列に配置され、4つの赤色サブピクセル2112、8つの緑色サブピクセル2114、及び4つの青色サブピクセル2116を含む16個のサブピクセルを含む。緑色サブピクセル2114は赤色及び青色のサブピクセルに対して垂直軸で半分のアスペクト比を有し、表示パネル2100にわたって、水平方向のストライプを形成するようにいくつかの行に配置される。サブ反復グループを各4つのサブピクセルの4つの四分面で見る場合、赤色及び青色サブピクセルは各四分面で対になり、赤色サブピクセル2112と青色サブピクセル2116との対は対向する四分面の異なる列に配置され、ダブルチェッカーボードパターンができる形状を形成する。四分面のグループ内における3つの主要色の4つのサブピクセル、例えば、赤色2112、2つの緑色2114、青色2116サブピクセルは、従来の全体画素2120で見られることができる。従って、表示パネル2100は、2次元モードで動作する場合には、従来のフルカラー全体画素2120のアレイとして取り扱いされることができる。
【0089】
図21Aは、各々「R」及び「L」とラベルされたサブピクセルの列2124、2122を有する。サブピクセル反復グループ2110を含む表示パネルを有する表示装置が指向性表示装置として動作する場合、「R」とラベルされた列2124は、第1(R)画像に向かい、「L」とラベルされた列2122は、第2(L)画像に向かう。図21Bは、図21Aで「R」とラベルされたサブピクセルの列2124により生成された表示2104を見せる。表示2104に表示された画像は、4つの行に配置され、4つの緑色サブピクセル2114、各々2つの赤色及び青色サブピクセルを含む8つのサブピクセルを含むサブピクセル反復グループ2130上にレンダリングされる。緑色サブピクセル2114は、サブピクセル反復グループ2130上で水平ストライプ形状に配置され、緑色サブピクセル2114は表示2104にわたって、長方形配置を形成する。すなわち、隣り合った4つの緑色サブピクセルの中心を連結する仮想の線は長方形を形成する。サブピクセル反復グループ2130内のサブピクセルは、緑色サブピクセル2116の水平ストライプ及び赤色及び青色サブピクセルのチェッカーボードパターンを含むサブピクセル反復グループ2110に対して、実質的に同じ位置を占める。図21Cは、図21Aで「L」とラベルされたサブピクセルの列2122により生成された表示2102を示す。表示2102に表示された画像もまたサブピクセル反復グループ2130上にレンダリングされる。
【0090】
図21Bを参照すると、右側表示2104を構成する従来のRGB画像データセットの入力は、例えば、入力画像の緑色の部分を全て再構成するために入力緑色画像値を緑色サブピクセル2114に1つ1つ(すなわち、1つの入力画像画素が1つの緑色サブピクセルに)マッピングするように、右側表示2104のサブピクセルの配置にマッピングできる。入力画像データセットの赤色及び青色データ値は、米国特許7,123,277に記載されたサブピクセルレンダリング動作に関して前述で説明されたように、各々赤色及び青色リサンプル領域アレイを構成する赤色サブピクセル2112及び青色サブピクセル2116に再構成される。赤色及び青色の色平面のマッピングを達成するためにいくつかのタイプのフィルタが使用されることができる。1つの方法として、ターゲットの赤色または青色サブピクセルと近接した緑色サブピクセルに対するデータ値を再構成するために使用される入力画像画素に応じて、いくつかの入力画像画素の赤色及び青色データ値の寄与度は、ターゲット赤色または青色サブピクセルに対するデータ値を生成するために使用される。
【0091】
このようなマッピングタイプの一例として、1点鎖線で境界が描かれたロジカル画素2160、2165を図示している図21Bを参照する。重なったロジカル画素2160、2165は、各ロジカル画素内に各々1つの赤色、緑色及び青色サブピクセルの合計3つのサブピクセルで構成されている。このような画像マッピングの例において、各ロジカル画素2160、2165は、各々唯一の緑色サブピクセル2114A、2114Bを含み、隣接するように配置されて重なる他のロジカル画素と赤色サブピクセル及び青色サブピクセル(例をあげると、青色サブピクセル2116A)を共有する。従って、ターゲット青色サブピクセル2116Aは、その上下を緑色サブピクセル2114A、2114Bで囲まれる。ボックスフィルタは、緑色画像データ値を隣接した緑色サブピクセル2114A、2114Bにマッピングするために使用される2つの入力画像画素の青色データ値をマッピングするために使用される。ボックスフィルタ内にある2つの値は、両方とも1/2(0.5)であってもよい。入力画像画素データを赤色サブピクセルのためのデータ値にマッピングするのにも類似の動作が使用される。
【0092】
図22Aは、サブピクセル反復グループ2210を実質的に含む表示パネルの一部を示す。サブ反復画素グループ2210は、2行4列に配置され、2つの赤色サブピクセル2212、4つの緑色サブピクセル2214及び2つの青色サブピクセル2216を含む8つのサブピクセルを含む。緑色サブピクセル2214は、赤色及び青色のサブピクセルに対して水平軸で半分のアスペクト比を有し、表示パネル2200にわたって、垂直方向のストライプを形成する2つの行に配置される。サブ反復グループを各2つのサブピクセルの4つの四分面で見る場合、赤色及び青色サブピクセルは対向する四分面で他の列に配置され、チェッカーボードパターンを形成する。四分面のグループ内で3つの主要色の4つのサブピクセル(例えば、赤色2212、2つの緑色2214、青色2216のサブピクセル)は、従来の全体画素2220として見られる。従って、表示パネル2200は、2次元モードで動作するときには、従来のフルカラー全体画素2220のアレイとして取り扱いされることができる。
【0093】
図22Aは、各々「R」及び「L」とラベルされたサブピクセルの列2224、2222の対を有する。サブピクセル反復グループ2210を含む表示パネルを有する表示装置が指向性表示装置として動作する場合、表示パネルの「R」とラベルされた列2224のカップルは第1(R)画像に向かい、表示パネルの「L」とラベルされた列2222のカップルは第2(L)画像に向かう。図22Bは、図22Aで「R」とラベルされたサブピクセルの列2224の対によって生成された表示2204を示す。表示2204に表示された画像は、2つの行に配置され、2つの緑色サブピクセル2214、各々1つの赤色及び青色サブピクセルを含む4つのサブピクセルを含むサブピクセル反復グループ2230上にレンダリングされる。緑色サブピクセル2214は、サブピクセル反復グループ2230上で垂直ストライプ形状に配置され、緑色サブピクセル2214は、表示2204にわたって、長方形配置を形成する。すなわち、隣り合った4つの緑色サブピクセルの中心を連結する仮想の線は長方形を形成する。複数個のサブピクセルグループ2230を見ると知ることが出来るように、表示2204において、赤色サブピクセル2212は、青色サブピクセル2216の水平ストライプと交互に水平ストライプで配置される。本明細書に開示されて図示された他の実施形態とは対照的に、サブピクセル列2224の対は、第1(R)表示2004に向かう場合、図22Aの表示パネル2220上の赤色及び青色サブピクセルは第1(R)表示2204にわたって、チェッカーボードパターンを形成しない。図22Cは、図22Aで「L」とラベリルされたサブピクセルの列2222の対によって生成された表示2202を示す。表示2202に表示された画像は、サブピクセル反復グループ2240上にレンダリングされる。サブピクセル反復グループ2240は、緑色サブピクセル2214が垂直ストライプに配置されたサブピクセル反復グループ2230と類似している。しかし、赤色及び青色の交互の水平ストライプは反対に配置されている。
【0094】
図22Bを参照すれば、右側表示2204を構成する従来のRGB画像入力データセットは、右側表示2204のサブピクセルの配置にマッピングできる。例えば、入力画像の緑色の部分を全て再構成するために、入力緑色画像値が緑色サブピクセル2214に1つ1つマッピングできる(例えば、1つの入力画像画素が1つの緑色サブピクセルにマッピングできる)。入力画像データセットの赤色及び青色データ値は、各々赤色及び青色リサンプル領域アレイを構成する赤色サブピクセル2212及び青色サブピクセル2216に再構成される。これは米国特許7,123,277に記載されたサブピクセルレンダリング動作に関し、上で説明したのと同様である。赤色及び青色の色平面のマッピングを達成するために、いくつかのタイプのフィルタが使われることができる。一実施形態で、ターゲット赤色または青色サブピクセルと近接した緑色サブピクセルのデータ値を再構成するために使われるいくつかの入力画像画素の赤色及び青色データ値の寄与度は、ターゲット赤色または青色サブピクセルのデータ値を提供するために使われる。
【0095】
第1タイプのマッピングの例として、1点鎖線で境界が描かれたロジカル画素2260を図示している図22Bを参照する。ロジカル画素2260は、各々唯一の緑色サブピクセル2214Aを含む4つのサブピクセルを含む。そして、ロジカル画素2260は、ターゲット赤色サブピクセル2212Aのためのロジカル画素である。3つの入力画像画素は、ターゲット赤色サブピクセル2212Aのデータ値にマッピングできる。3つの入力画像画素は、ターゲット赤色サブピクセル2212Aに隣り合った緑色サブピクセル2214Aにマッピングされる第1入力画像画素、また緑色サブピクセル2214Aの上下の緑色サブピクセル2214B、2214Cにマッピングされる第2及び第3入力画像画素である。テントフィルタは、ターゲット赤色サブピクセル2212Aのデータ値を提供するために、第1、第2、及び第3入力画像画素をマッピングするために使われる。テントフィルタ内にある3つの値は、1/4(0.25)、1/2(0.5)、及び1/4(0.25)であってもよい。入力画像画素データを青色サブ画素のためのデータ値にマッピングすることに類似の動作が使われる。図22Bのターゲット青色サブピクセル2216Aのためのロジカル画素2262を考慮すれば、同じテントフィルタを使い、3つの入力画像画素がターゲット青色2216Aのデータ値にマッピングできる。3つの入力画像画素は、ターゲット青色サブピクセル2216Aに隣り合った緑色サブピクセル2214Dにマッピングされる第1入力画像画素、また緑色サブピクセル2214Dの上下の緑色サブピクセル2214E、2214Fにマッピングされる第2及び第3入力画像画素である。サブピクセルレンダリング動作がこのような実施形態により実行される場合、各ロジカル画素は隣り合って重なるロジカル画素と赤色、または青色サブピクセルを共有すると見ることができる。重なるロジカル画素は、図面が過度に複雑になることを避けるために図22Bでは明確に示さなかった。
【0096】
第2タイプのマッピングの例として、1点鎖線で境界が描かれたロジカル画素2265を図示している図22Cを参照する。ロジカル画素2265は、各々唯一の緑色サブピクセル2214Aを含む3つのサブピクセルを含む。そしてロジカル画素2265は、ターゲット青色サブピクセル2216Aのためのロジカル画素である。2つの入力画像画素は、ターゲット青色サブピクセル2216Aのデータ値を生成するためにマッピングできる。2つの入力画像画素は、ターゲット青色サブピクセル2216Aに隣り合った緑色サブピクセル2214Aにマッピングされる第1入力画像画素、また緑色サブピクセル2214Aの上の緑色サブピクセル2214Bにマッピングされる第2画像画素である。ボックスフィルタは、ターゲット青色サブピクセル2212Aのデータ値を提供するために、第1及び第2入力画像画素の青色データ値をマッピングするために使われる。ボックスフィルタ内にある2つの値は両方とも1/2(0.5)であってもよい。入力画像画素データを赤色サブ画素のためのデータ値にマッピングすることに類似の動作が使われる。同じボックスフィルタを使い、2つの入力画像画素がターゲット赤色2212Bのデータ値を生成するためにマッピングできる。2つの入力画像画素は、ターゲット赤色サブピクセル2212Bに隣り合った緑色サブピクセル2214Bにマッピングされる第1入力画像画素、また緑色サブピクセル2214Bの下の緑色サブピクセル2214Aにマッピングされる第2入力画像画素である。サブピクセルレンダリング動作がこのような実施形態により実行される場合、各ロジカル画素は隣り合って重なるロジカル画素と赤色または青色サブピクセルを共有すると見ることができる。重なるロジカル画素は、図面が過度に複雑になることを避けるために図22Cには明確に示さなかった。
【0097】
図23Aは、サブピクセル反復グループ2310を実質的に含む表示パネル2300の一部を示す。サブ反復画素グループ2310は、4行4列に配置されて、4つの赤色サブピクセル2312、8つの緑色サブピクセル2314、及び4つの青色サブピクセル2316を含む16個のサブピクセルを含む。緑色サブピクセル2314は、赤色及び青色のサブピクセルに対して垂直軸で半分のアスペクト比を有する。そして表示パネル2300にわたって、水平方向のストライプを形成する2つの行に配置される。サブ反復グループを各4つのサブピクセルの4つの四分面で見るとき、赤色サブピクセル2312の対及び青色サブピクセル2316の対は、対向する四分面に配置され、ダブルチェッカーボードパターンを形成する。グループ2320または4つのサブピクセルの四分面は、「全体」画素として取り扱いされることができる。従って、表示パネル2300は、2次元モードで動作する場合には、従来のフルカラー全体画素2320のアレイとして取り扱いされることができる。
【0098】
図23Aに示すサブピクセル反復グループ2310を含む表示パネルを有する表示装置は、指向性表示装置としても動作することができる。図23Bは、図24Aで「R」とラベルされたサブピクセルの列2324により生成された表示2304を示す。表示2304に表示された画像は4行2列に配置され、2つの赤色サブピクセル2312、2つの青色サブピクセル2316及び2つの行の水平ストライプを形成する4つの緑色サブピクセル2314を含む8つのサブピクセルを含むサブピクセル反復グループ2330上にレンダリングされる。表示2304内で、緑色サブピクセル2314の位置は前記表示パネルにわたって、正方形配置を形成する。すなわち、隣り合った4つの緑色サブピクセルの中心を連結する仮想の線は、正方形を形成する。赤色サブピクセル2312及び青色サブピクセル2316は、チェッカーボードパターン内で互いに対角線方向で対向する。
【0099】
図23Cは、図23Aで「L」とラベルされたサブピクセルの列2322により生成された表示2302を示す。表示2302に表示された画像は、また同じサブピクセル反復グループ2330上にレンダリングされる。従って、図23Aのサブピクセル反復グループ2310を含む表示パネル上で生成される区別された「L」及び「R」画像は、そこに説明されたサブピクセルレンダリング動作を利用するサブピクセル配置2330を実質的に含む表示パネル上で形成された画像に対し検討されたすべての利点を有する。さらに、指向性表示システムにサブピクセル反復グループ2310を使うことに関して、図示されるように、緑色サブピクセル2314のアスペクト比の調整は、表示2304、2302での各軸方向の解像度をほぼ同様に維持する。
【0100】
図23Bを参照すると、表示2304(「R」とラベルされた表示)を生成するサブピクセルレンダリング動作中に、表示2304を表す従来のRGB画像入力データはサブピクセル反復グループ2330にマッピングできる。例えば、入力画像の緑色の部分を全て再構成するために、入力緑色画像値が緑色サブピクセル2314に、1つ1つマッピングできる(例えば、1つの入力画像画素が1つの緑色サブピクセルに)。入力画像データセットの赤色及び青色データ値は、各々赤色及び青色リサンプル領域アレイを構成する赤色サブピクセル2312及び青色サブピクセル2316に再構成される。これは米国特許7,123,277に記載されたサブピクセルレンダリング動作に関して、前記において説明したことと同様である。赤色及び青色の色平面のマッピングを達成するために、いくつかのタイプのフィルタが使われることができる。一般的に、このようなフィルタは、ターゲット赤色または青色サブピクセルの近傍にある緑色サブピクセルのためのデータ値を再構成するために使われるいくつかの入力画像画素の赤色または青色データ値の寄与度を利用して、ターゲット赤色または青色サブピクセルのデータ値を提供する。
【0101】
このようなマッピングタイプの一例として、1点鎖線で境界が描かれた隣接しない(NC)ロジカル画素2360、2361を図示している図23Bを参照する。NCロジカル画素は、ターゲット青色サブピクセル2316Aのためのロジカル画素で、6つのサブピクセルで構成される。このような画像マッピング例において、各NCロジカル画素は、各々唯一の第1主要色サブピクセル及びロジカル画素のためのターゲットサブピクセルの1つの第2主要色サブピクセルを含む。第1主要色サブピクセルは、ロジカル画素内に含まれる唯一の緑色サブピクセルであるため、唯一であると言及される。図示された例で、NCロジカル画素は、唯一の緑色サブピクセル2314A及びターゲットサブピクセルの1つの青色サブピクセル2316Aを含む。各NCロジカル画素は、4つの第3主要色サブピクセルをさらに含む。図示された例として、NCロジカル画素は、図面上で別に名前をつけられていない4つの赤色サブピクセルを含む。
【0102】
ターゲット青色サブピクセル2316Aのためのデータ値を提供するために、5つの入力画像画素の青色データ値をマッピングする領域リサンプリングフィルタが使われる。5つの入力画像画素のうちの第1画素は、緑色データ値をターゲットサブピクセルのロジカル画素と関連した唯一の緑色サブピクセルにマッピングするために利用される画像画素である。前記例において、ターゲット青色サブピクセル2316Aのためのロジカル画素は、唯一の緑色サブピクセル2314Aを含む。緑色データ値を緑色サブピクセル2314Aにマッピングするために使われる入力画像画素は、ターゲット青色サブピクセル2316Aのためのデータ値に対する寄与を提供する5つの入力画像画素のうちの第1画素である。第2、第3、第4、及び第5入力画像画素は、第1入力画像画素との相対的な位置に応じて特定される。緑色サブピクセル2314Aは、4つの最も隣接した隣接緑色サブピクセルを有する。これらは、図23Bにおいて、緑色サブピクセル2314Aの上にある緑色サブピクセル2314B、緑色サブピクセル2314Aの下にある緑色サブピクセル2314C、緑色サブピクセル2314Aの各々右側にある緑色サブピクセル2314D、及び左側にある緑色サブピクセル2314Eと呼ばれる。緑色データ値を4つの緑色サブピクセルにマッピングするために使われるそれぞれの入力画像画素の青色データ値は、ターゲット青色サブピクセル2316Aに対する寄与度を提供する。便宜上、緑色データ値を緑色サブピクセル2314Aにマッピングするために使われる入力画像画素は、中心入力画像画素と呼ばれる。ターゲット青色サブピクセル2316Aのデータ値を提供するために使われることができる領域リサンプルフィルタは、5つの値を含む。5つの値は、4つの隣接入力画像画素各々に1/8(0.125)、中心入力画像画素に1/2(0.5)である。入力画像画素データを赤色サブピクセルのためのデータ値でマッピングすることに類似の動作が使われることができる。
【0103】
領域リサンプリングフィルタを利用することは、重なるロジカル画素を提供する。それぞれのロジカル画素は、図23Bに図示される唯一の緑色サブピクセル、1つの赤色または青色ターゲットサブピクセル、及び4つのターゲット主要色でない主要色のサブピクセルを含むNCロジカル画素の構成において、6つのサブピクセルを含む。重なるロジカル画素は、図面が過度に複雑になることを避けるために図23Bには明確に示さなかった。しかし、図23Cは、唯一の緑色サブピクセル2314Fを有し、1点鎖線で境界が描かれたターゲット赤色サブピクセル2312AのためのNCロジカル画素2365、2366を示す。ターゲット青色サブピクセルのためのデータ値を提供する前述で説明されたものと同じ領域リサンプリングフィルタは、ターゲット赤色サブピクセル2312Aのためのデータ値を提供するためにも使われることができる。リサンプリングフィルタは、緑色サブピクセル2314Fのためのデータ値を提供する入力画像画素及び隣り合った4つの緑色サブピクセル2314G、2314H、2314J、2314Kのためのデータ値を提供する4つの入力画像画素を利用する。
【0104】
図24Aは、サブピクセル反復グループ2410を実質的に含む表示パネル2400の一部を示す。サブ反復画素グループ2410は、2行に配置され、8つの緑色サブピクセル2414、2つの赤色サブピクセル2412、及び2つの青色サブピクセル2416を含む12個のサブピクセルを含む。緑色サブピクセル2414は、赤色及び青色のサブピクセルに対して水平軸で半分のアスペクト比を有する。そして幅が狭い緑色サブピクセル対は、表示パネル2400上に隣接した垂直ストライプを形成する。サブ反復グループを各3つのサブピクセルの4つの四分面で見る場合、赤色サブピクセル2412及び青色サブピクセル2416は、対向する四分面の異なる行に配置され、低解像度のチェッカーボードパターンを形成する。
【0105】
図24Aは、「R」、「L」及び「B」と各々ラベルされたサブピクセルの列2424、2422、2423を有する。図面から、緑色サブピクセル列の半分は第1表示に向かい、他の半分は第2表示に向かうことが分かる。赤色及び青色の交代サブピクセルを含む「B」とラベルされた列2423は、サブピクセル反復グループ2410を含む表示パネルを有する表示装置が指向性表示装置として動作するとき、第1(R)及び第2(L)画像全てに向かう。実施形態において、色プライマリーは相対的な輝度によって2つの種類に分かれる。実施形態において、相対的に暗いプライマリの赤色及び青色主要色サブピクセルは、左側及び右側視野間で共有される。両側の視野に向かうことになる列を有する他の実施形態を前述で説明したように、サブピクセル配置は、より明るい主要色のサブピクセルによって表せる輝度チャンネルが所望の立体画像情報を伝達するために適合した解像度を有する人の視覚システムの特徴を利用する。図24Aに図示された実施形態は、特に自動立体画像3次元表示装置及び切り替え可能な2D3D表示装置に適合する。
【0106】
図24Bは、図24Aで「R」とラベルされたサブピクセルの列2424及び「B」とラベルされた列2423により生成された表示2404を示す。表示2404に表示された画像は、2つの行に配置され、垂直方向ストライプを形成する4つの緑色サブピクセル2416、及び各々2つの赤色及び青色サブピクセルを含む8つのサブピクセルを含むサブピクセル反復グループ2430上にレンダリングされる。緑色サブピクセル2414は、表示2404にわたって、正方形配置を形成する。すなわち、隣り合った4つの緑色サブピクセルの中心を連結する仮想の線は、正方形を形成する。赤色サブピクセル2412及び青色サブピクセル2416は、チェッカーボードパターンを形成して対向する四分面に配置される。図24Cは、図24Aにおいて「L」とラベルされたサブピクセルの列2422及び「B」とラベルされた列2423により生成された表示2402を示す。表示2402に表示されたイメージもまたサブピクセル反復グループ2430上にレンダリングされる。
【0107】
左側及び右側表示間を共有するサブピクセルの列を有する前記他の実施形態の検討で指摘されたように、左側及び右側表示をレンダリングのために使われるサブピクセルレンダリング動作は、両側の表示により共有される列2423の色サブピクセルに対応する色平面に対して2つの分離した表示2404、2402に属する入力画像データの寄与度の平均を得ることができる。図24Aに図示された実施形態において、サブピクセルレンダリング動作は、赤色及び青色の色平面に対して2つの分離した表示2404、2402に属する入力画像データの寄与度の平均することができる。
【0108】
図24Cを参照すると、表示2402(「L」とラベルされた表示)を作るサブピクセルレンダリング動作中に、表皮2402を表す従来のRGB画像入力データは、サブピクセル反復グループ2430にマッピングできる。例えば、入力画像の緑色の部分を全て再構成するために入力緑色画像値が緑色サブピクセル2414に1つ1つマッピングできる(例えば、1つの入力画像画素が1つの緑色サブピクセルでマッピングできる)。これはデータを図24Bの右側表示2404と共有することなく、左側表示2402のために実行される。サブピクセルレンダリング動作は、赤色サブピクセル2412及び青色サブピクセル2416を再構成するために赤色及び青色リサンプル領域アレイを利用して、右側表示2404及び左側表示2402のための入力画像赤色及び青色データ値上で実行されることができる。前記サブピクセルレンダリング動作は、米国特許7,123,277に記載されたことに関して上で説明したことと同様である。サブピクセルレンダリング動作の結果は、その後で平均されることができる。サブピクセルレンダリングと平均を得る動作との順序は、動作が交換法則及び分配法則を満たす数学の関数であるため交代されることができる。右側及び左側表示のための2つの主要色平面(例えば、2つの赤色入力データ色平面)の平均を得る段階がサブピクセルレンダリング段階より先に実行されるならば、それはさらに効果的であると証明される(例をあげると、デジタル動作の数を減らすことができる)。
【0109】
赤色及び青色の色平面のマッピングを達成するために、いくつかのタイプのフィルタが使われることができる。一般的に、このようなフィルタは、ターゲット赤色または青色サブピクセルの近傍にある緑色サブピクセルのためのデータ値を再構成するのに使われるいくつかの入力画像画素の赤色または青色データ値の寄与度を利用して、ターゲット赤色または青色サブピクセルのデータ値を提供する。下記の図24Cのターゲット青色サブピクセル2416Aのためのサブピクセルレンダリング動作の例に対する検討は、図23Bのターゲット青色サブピクセル2316Aのためのサブピクセルレンダリング動作の例に対する検討と類似している。ここでは、それに対する詳しい検討は省略する。
【0110】
図24Cは、1点鎖線で境界が描かれた隣接しない(NC)1つのロジカル画素2470、2471を示す。NCロジカル画素は、ターゲット青色サブピクセル2416Aのためのロジカル画素で、6つのサブピクセルで構成される。このような例において、各NCロジカル画素は、各々唯一の第1主要色サブピクセル及びロジカル画素のためのターゲットサブピクセルの1つの第2主要色サブピクセルを含む。第1主要色サブピクセルは、ロジカル画素内に含まれる唯一の緑色サブピクセルであるため、唯一であると言及することができる。図示された例において、NCロジカル画素は、唯一の緑色サブピクセル2414A及びターゲットサブピクセルの1つの青色サブピクセル2416Aを含む。各NCロジカル画素は、4つの第3主要色サブピクセルをさらに含む。図示された例において、NCロジカル画素は、図面上で名前をつけられなかった4つの赤色サブピクセルを含む。
【0111】
ターゲット青色サブピクセル2416Aのためのデータ値を提供するために、5つの入力画像画素の青色データ値をマッピングする領域リサンプリングフィルタが使われる。5つの入力画像画素のうちの第1画素は、緑色データ値をターゲットサブピクセルのロジカル画素と関連した唯一の緑色サブピクセルにマッピングするために利用される画像画素である。前記例において、ターゲット青色サブピクセル2416Aのためのロジカル画素は、唯一の緑色サブピクセル2414Aを含む。緑色データ値を緑色サブピクセル2414Aにマッピングするために使われる記入力画像画素は、ターゲット青色サブピクセル2416Aのためのデータ値に対する寄与を提供する5つの入力画像画素のうちの第1画素である。第1画像画素は、中心画素と言及される。第2、第3、第4及び第5入力画像画素は、第1入力画像画素との相対的な位置に応じて特定される。緑色サブピクセル2414Aは、4つの最も隣接した隣接緑色サブピクセルを有する。図24Cにおいて、緑色サブピクセル2414Aの上にある緑色サブピクセル2414B、緑色サブピクセル2414Aの下にある緑色サブピクセル2414C、緑色サブピクセル2414Aの左側にある緑色サブピクセル2314E、及び表示パネル上に存在する場合は、緑色サブピクセル2414A及び赤色サブピクセル2412Bの右側にある緑色サブピクセル2414Dと呼ばれる。緑色データ値を4つの緑色サブピクセルにマッピングするために使われるそれぞれの入力画像画素の青色データ値は、ターゲット青色サブピクセル2416Aに対する寄与度を提供する。ターゲット青色サブピクセル2416Aのデータ値を提供するために使われることができる領域リサンプルフィルタは、5つの値を含む。5つの値は、4つの隣り合う入力画像画素各々に1/8(0.125)中心入力画像画素に1/2(0.5)である。
【0112】
入力画像画素データを赤色サブ画素のためのデータ値にマッピングするために、類似の動作が使われる。図24Bは、1点鎖線で境界が描かれた1つのNCロジカル画素2460、2461を示す。NCロジカル画素は、ターゲット赤色サブピクセル2412Aのためのロジカル画素で、唯一の緑色サブピクセル2414Fを含む6つのサブピクセルで構成される。ターゲット赤色サブピクセル2412Aのためのデータ値を提供するために、赤色データ値を緑色サブピクセル2414F、2414G、2414H、2414J、2414Kにマッピングするために使われる5つの入力画像画素の赤色データ値をマッピングする領域リサンプリングフィルタが使われる。ターゲット赤色サブピクセル2412Aのデータ値を提供するために使われる領域リサンプルフィルタは、図24Cのターゲット青色サブピクセル2416Aのデータ値を提供するために使われる、前述において説明された同じ領域リサンプルフィルタであってもよい。領域リサンプリングフィルタの利用は、重なるロジカル画素を生成させる。それぞれ隣り合う緑色サブピクセル2414G、2414H、2414J、2414Kは、それを有するロジカル画素の唯一の緑色サブピクセルである。赤色サブピクセル2412及び青色サブピクセル2416は、表示2404、2402の間で共有される。そして、いくつかの重なるロジカル画素の一部分になる。例えば、図24Cの青色サブピクセル2416Aは、1点鎖線で境界に形成されたNCロジカル画素2470、2471のターゲットサブピクセルであり、図24Bの1点鎖線で境界に形成されたNCロジカル画素2460、2461にも含まれる。
【0113】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特徴請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、第1主要色、第2主要色、及び第3主要色サブピクセルを有し、2行6列にマトリクス状に配列される少なくとも12個のサブピクセルを含むサブピクセル反復グループを含む表示パネルと、
前記表示パネル上で各サブピクセルに信号を伝送する駆動回路と、
を含み、
前記サブピクセル反復グループは、前記第1主要色、第2主要色及び第3主要色のうち相対的に輝度が高い第2主要色のサブピクセルから構成される第1グループ及び第2グループと、前記第1主要色、第2主要色及び第3主要色のうち相対的に輝度が低い第1主要色及び第3主要色のサブピクセルから構成される第3グループとを有し、
前記サブピクセル反復グループの各列は、前記第1グループのサブピクセルで構成される第1列、前記第2グループのサブピクセルで構成される第2列、前記第3グループのサブピクセルで構成される第3列の順に行方向に反復して配置されることを特徴とする指向性表示装置。
【請求項2】
前記サブピクセル反復グループ内の前記サブピクセルは、
P2 P2 P1 P2 P2 P3
P2 P2 P3 P2 P2 P1
のように配列され、
P1、P2、及びP3は、各々前記第1、第2、及び第3主要色を示し、前記第1主要色は、緑色であり、前記第2、及び第3主要色は、それぞれ赤色及び青色のいずれか1つであることを特徴とする請求項1に記載の指向性表示装置。
【請求項3】
前記第1主要色のサブピクセルは、前記第2主要色サブピクセル及び第3主要色サブピクセルの水平軸で、アスペクト比が半分であることを特徴とする請求項1に記載の指向性表示装置。
【請求項4】
前記表示パネル上の前記サブピクセルの第1グループから放出された光を第1視野ウィンドウに誘導し、前記表示パネル上の前記サブピクセルの第2グループから放出された光を第2視野ウィンドウに誘導し、前記表示パネル上の前記サブピクセルの第3グループから放出された光を第1及び第2視野ウィンドウに誘導する光学誘導部材をさらに含み、
観察者が左目と右目とを各々前記第1視野ウィンドウ及び第2視野ウィンドウに位置させた際、前記観察者が3次元画像を認識する自動立体画像表示装置であることを特徴とする請求項1に記載の指向性表示装置。
【請求項5】
前記表示装置は、観察者が左目と右目とを各々前記第1視野ウィンドウ及び第2視野ウィンドウに位置させる際、前記観察者が3次元画像を認識する自動立体画像表示装置であることを特徴とする請求項1に記載の指向性表示装置。
【請求項6】
前記表示装置は、観察者が第1画像を前記第1視野ウィンドウから観察し、第2画像を前記第2視野ウィンドウから観察するマルチビュー表示装置であることを特徴とする請求項1に記載の指向性表示装置。
【請求項7】
前記光学誘導部材の動作を少なくとも2つのモードで制御する光方向スイッチング装置をさらに含み、
前記光方向スイッチング装置は、前記第1モードで前記光学誘導れた光を前記第1及び第2視野ウィンドウに誘導するようにし、前記第2モードで、前記光学誘導部材が前記表示パネルが2次元画像を表示するようにすることを特徴とする請求項4に記載の指向性表示装置。
【請求項8】
前記サブピクセル反復グループは、出力表示フォーマットを定義し、
前記表示パネル上に前記出力表示フォーマットでレンダリングするために入力画像データを第1フォーマットで受信する入力画像受信部材と、
表示パネル上の各サブピクセルに対する輝度値を生成するために前記入力画像データにサブピクセルレンダリング動作を実行するサブピクセルレンダリング部材と、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の指向性表示装置。
【請求項9】
前記サブピクセルレンダリング動作は、各サブピクセルのためのリサンプル領域を形成すること及び前記リサンプル領域と重なる前記入力画像データ部分の入力画像データ値を利用して前記輝度値を計算することによって、前記表示パネル上の各サブピクセルに前記輝度値を生成することを特徴とする請求項8に記載の指向性表示装置。
【請求項10】
前記表示パネルは、液晶表示パネル、電界発光表示パネル、プラズマ表示パネル、電界エミッタ表示パネル、電気泳動表示パネル、イリデッセント表示パネル、白熱灯表示パネル、発光ダイオード表示パネル、及び有機発光ダイオード表示パネルの内の何れかの1つであることを特徴とする請求項1に記載の指向性表示装置。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【図17A】
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【図17B】
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【図17C】
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【図18A】
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【図18B】
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【図18C】
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【図19A】
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【図19B】
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【図19C】
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【図20A】
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【図20B】
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【図20C】
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【図21A】
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【図21B】
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【図21C】
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【図22A】
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【図22B】
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【図22C】
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【図23A】
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【図23B】
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【図23C】
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【図24A】
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【図24B】
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【図24C】
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【公開番号】特開2013−57944(P2013−57944A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−200888(P2012−200888)
【出願日】平成24年9月12日(2012.9.12)
【分割の表示】特願2009−549262(P2009−549262)の分割
【原出願日】平成20年2月8日(2008.2.8)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung−ro,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】