説明

指掌押圧具

【課題】本発明は、マッサージ器具、特に指掌押圧による指圧ならびに指および手のひらの血流の改善のための器具に関する。
【解決手段】器具の把持部の通気性を向上させることによって汗の器具への付着を防止できることに着目し、本発明をなした。すなわち本発明は、第1の態様において、一対の支持体11,12と、該支持体11,12間に架設されている、2本以上の弾性把持部13とを備える、指掌押圧具1を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マッサージ器具、特に指掌押圧による指圧、指関節のリハビリ(例えば稼働域の確保、筋力増強など)ならびに指および手のひらの血流の改善のための器具に関する。
【背景技術】
【0002】
手で握り込むことによって指や手のひらを押圧してマッサージする器具として、ウレタンボールのような弾性の器具がある。よりマッサージ効果を高めるために、前記器具表面に突起を設けることも行われている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【非特許文献1】SAMMONS PRESON 1996,11頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような器具を用いてマッサージすると、指掌の血流が改善され、発汗が促される。そうすると、器具表面に汗が付着するため、器具を取り落とす危険が増したり、不衛生の問題が生じる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
そこで本発明者は、鋭意研究の結果、器具の把持部の通気性を向上させることによって汗の器具への付着を防止できることに着目し、本発明をなした。
すなわち本発明は、第1の態様において、一対の支持体と、該支持体間に架設されている、2本以上の弾性把持部とを備える、指掌押圧具を提供する。さらなる態様において、前記弾性把持部は、各々外側に向かってわん曲する。
【0005】
本発明は、さらなる態様において、前記弾性把持部に1個以上の突起を設けた前記指掌押圧具を提供する。
別の態様において、本発明は、1個以上の粒状体が前記弾性把持部に数珠状に保持されていることを特徴とする、上記指掌押圧具も提供する。当該粒状体は、好ましい態様において、それを保持する弾性把持部を中心として回転可能に保持されている。
【発明の効果】
【0006】
弾性把持部を手で握り込むことによって、該把持部が指掌を押圧しながら内側に撓み、握る力を弱めることによって弾性把持部が次第に元の状態へと復帰する。この動作を反復することで、容易に指掌押圧による指圧ならびに指および手のひらの血流の改善をはかることができる。
また、弾性把持部を手で握り込むという動作によって、握力の強化も期待できる。特に、ケガなどにより手の機能を損なった患者のリハビリテーションにおいて、握力の回復のための運動が必要となり、そのような運動に先立って手の血流を改善するマッサージを行うことが効果的であるが、本発明の指掌押圧具を用いることによって、マッサージと握力回復運動を同時に行うことができ、より効果的なリハビリテーションが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】一対の支持体11,12と、該支持体間に架設されている、各々外側に向かってわん曲する弾性把持部13と、該弾性把持部に数珠状に保持された粒状体14を備える、指掌押圧具1を示す斜視図である。
【図2】一対の支持体11,12と、該支持体間に架設されている、各々外側に向かってわん曲する弾性把持部13と、該弾性把持部に数珠状に保持された粒状体14を備える、指掌押圧具1を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明の指掌押圧具1は、一対の支持体11,12と、該支持体間に架設されている、2本以上の弾性把持部13とを備えることを本質的な特徴とする。支持体11,12と弾性把持部13は固定されていればよく、例えば支持体11,12と弾性把持部13とが接合されていても、支持体11,12に弾性把持部13が差し込まれていてもよい。支持体11,12は該支持体間に架設されている弾性把持部13を束ねる機能を有しさえすればいかなるものを用いてもよく、典型的には、金属、プラスチック、木材等である。弾性把持部13は、手で握り込むことによって、弾性把持部13が指掌を押圧しながら内側に撓み、握る力を弱めることによって該把持部13が次第に元の状態へと復帰するものであり、限定されないが典型的には金属、プラスチック等からなる、線条または板状体である。弾性把持部13は、各々外側に向かってわん曲することによって、弾性把持部13が内側に撓む距離を稼ぐことができるうえ、指掌内側の曲線に沿う形状を有し、したがって操作中の取り落としの危険をより減少させることができる。
【0009】
本発明の指掌押圧具1は、ボールのように全体が把持部である指掌押圧具とは異なり、複数の線条または板状の弾性把持部13を備える構造を有するため、弾性把持部13間の空隙が存在し、この空隙の存在によって指掌押圧具1の弾性把持部13の通気性が向上し、したがって指掌からの汗が速やかに蒸散することによって、汗が指掌押圧具13に付着することを防止できる。
【0010】
好ましい形態における本発明の指掌押圧具1は、弾性把持部13に1個以上の突起を設けるか、あるいは1個以上の粒状体14が弾性把持部13に数珠状に保持されていてもよい。突起または粒状体14は、握り込む指掌をより効果的に押圧することができ、本発明の指掌押圧具1の指圧効果をより高めるものである。突起または粒状体14は、弾性把持部13と同一または異なる材料を用いてよく、例えば突起は弾性把持部13と一体であってよく、例えば粒状体14は、弾性把持部13によって保持される石、ウレタン、プラスチック等であってよい。突起または粒状体14は、1つの弾性把持部13につき1個以上、例えば1〜30個、3〜25個または5〜20個であってよい。突起または粒状体14の大きさは、弾性把持部13に設けることができるか、保持できる限り、特に限定されないが、1つの弾性把持部13につき1個以上、例えば1〜30個、3〜25個または5〜20個の突起を設け、あるいは粒状体14を保持できる程度の大きさが好ましい。突起または粒状体14の形状は、弾性把持部13に設けることができるか、保持できる限り、特に限定されないが、球、楕円球、あるいは天然石のような不規則な形状であってもよい。粒状体14は、好ましい態様において、それを保持する弾性把持部13を中心として回転可能に保持されていてもよい。例えば不規則な形状を有する粒状体14が回転することによって、不規則な指掌押圧点が生じ、よりマッサージ効果が高まる。
【符号の説明】
【0011】
1 指掌押圧具
11 支持体
12 支持体
13 弾性把持部
14 粒状体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の支持体と、該支持体間に架設されている、2本以上の弾性把持部とを備える、指掌押圧具。
【請求項2】
弾性把持部が各々外側に向かってわん曲する、請求項1に記載の指掌押圧具。
【請求項3】
弾性把持部に1個以上の突起を設けた、請求項1または2に記載の指掌押圧具。
【請求項4】
1個以上の粒状体が前記弾性把持部に数珠状に保持されている、請求項1または2に記載の指掌押圧具。
【請求項5】
粒状体が、それを保持する弾性把持部を中心として回転可能に保持されている、請求項4に記載の指掌押圧具。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−70982(P2013−70982A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−227357(P2011−227357)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(595155358)
【Fターム(参考)】