説明

指紋読み取りセンサ付ICカードとその製造方法

【課題】その厚みが広く普及しているISO国際規格の0.76mmの制限範囲に収まる薄型指紋読み取りセンサ付ICカードを提供する。
【解決手段】指紋センサICチップ11、配線回路パターン及びそれに適宜接続される電子部品を実装したフィルム基板21と指紋センサICチップ11の裏面に接着された金属またはコンポジット材の補強板1が、ICカードのコア基板を構成し、このコア基板を熱可塑性樹脂または紙から構成されるオーバーシート31及びアンダーシート33で挟み、貼り合わせてICカードが形成され、オーバーシート31及びアンダーシート33は、コア基板との間に電子部品を外力から保護する緩衝材の性能を備えた接着用シートを挟み熱圧着により接着される。なお、接着用シートとしては、ウレタンゴムを成分に持つ接着剤等が用いられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、指紋読み取りセンサ付ICカード及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、IC(集積回路)チップを搭載したICカードは、磁気ストライプカードと比較して、情報容量の増大、セキュウリテイ性の向上等の理由により急速に普及している。特に、電磁波を使ってデータを送受信するタイプの所謂非接触型ICカードは、電車等の公共交通手段に導入され、利便性は著しく向上している。
【0003】
このようなICカードは、ISO国際規格に準じたカードサイズ(縦85.6mm,横54mm,厚さ0.76mm)に限りなく近づけることが、カードの保持や携帯の利便性から要求されており、このカードサイズを遵守し、しかも必要なICチップを様々な工夫がなされてきた。特に、高性能、高速処理マイクロプロセッサや電磁波を使ってデータの送受信を行う非接触型ICカードで必須となるアンテナ及び変調器等を薄いICカードの中に設ける工夫や提案は現在も続けられている(特開平10-86569、特開2005-301407)。
【0004】
一方、指紋読み取りセンサ付ICカードとしては、シリコン・ウェハー上に積層された指紋読み取りセンサICチップとフィルム基板の組み合わせとして、当該センサICチップとフィルム基板上の回路との結合用端子部(パッド)をセンサの裏面側に配置し、回路基板への実装を容易にするために、表層部から裏面に通じるバンプ(貫通電極)を設ける方法が提案されている(特開平8-138022)。
【0005】
その他従来の製造方法として図4a示すように、まずシリコン・ウェハー上に指紋センサICチップ11の収量を最大にするように、即ち隙間を最小になるように複数個の前記指紋センサICチップ11を積層する工程(51)、出来上がったウェハー上で、各指紋センサICチップ11の表面にESD(静電気放電破壊)の強度対策となる表面コーティング処理工程(52)、各指紋センサICチップ11はウェハーから切り離され、単体のチップとするダイシング工程(53)、指紋センサICチップ11のパッド14を、パッケージの接続部と金線のワイヤーでボンディングする工程(54)、非常に細い金線と脆弱なボンディング部の保護のためにエポキシ製接着剤等を用いて封止する工程(55)、センサ側面も同様に封止(パッシベーション)処理する工程(56)からなる製造方法も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10-86569、特開2005-301407、特開平8-138022
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特開平8-138022に開示された方法では、製造工程が複雑で、製造コストも高くなり、しかも限られた面積のシリコン・ウェハー上に複数個の指紋読み取りセンサICチップを製造する際に、最大の収量を実現するためには、当該センサICチップの面積が小さいほど有利であるが、この方法ではパッドの面積も大きくなるのでICチップの面積も必然的に大きくなり、センサICチップの収量が減少する等の難点がある。
【0008】
また、図4aに開示された従来の製造方法では、ワイヤーボンディング(54)で、細い金線を張る際に大きな張力が掛からないように一定の高さをもってループを包むように封止剤を盛る必要が生じ、このためこの方法で作られた指紋センサICチップのパッケージでは、ICカードの制限となる厚さ0.76mm以内に収まらない等の難点がある。
【0009】
一方、強度的な面より検討を加えると、センサICチップの接着面積を小さくすることは、接着強度の減少を招来し、ICカードの強度面や製造工程での剥離等の不都合を生ずる。
【0010】
また、厚さ0.76mmに制限されるICカードに搭載可能なセンサICカードチップの厚みは、その値より更に薄くなければならないが、薄ければ薄いほどシリコンの上に積層されたセンサICチップの物理的外力に対する強度は弱くなる。
【0011】
同様に、常に携帯されるICカードは、静電気による放電破壊の危険に晒されているが、指紋を読み取るために直接指に触れるICカード上のセンサICチップは、更に放電破壊の危険性が高い。特に前記センサICチップの積層面に具備される制御回路が放電破壊に対して最も脆弱である。
【0012】
また、指紋による本人確認のセキュリティ上の問題として偽造指紋による不正が多発しており、利用サービスが多岐に亘り、高付加価値化するICカードの場合、この点に対しても対策が講じられなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、上述の事情に鑑み、センサICチップのダイ(立方体としてのICチップの称呼)をパッケージする際、携帯電話等の回路で利用が拡大しているフィルム基板を用い、前記センサICチップが搭載されるICカードを想定して、指紋読み取りセンサチップ上のセンシングエリアを当該開口部から露出させて直接指に触れるようにフィルム基板に開口部を設け、フィルム基板の裏面に指紋読み取りセンサ表層部を接着固定し、前記フィルム基板の裏面にセンサを駆動させるための回路と部品を装備することにより、センサICチップのダイを搭載可能にする薄型ICカードを提供するものである。
【0014】
また、本発明は上述の製造過程において、結合用端子列とフィルム基板の裏面に装備した回路とを接着後に、上記ICチップの側面を封止処理することにより十分な強度を有する薄型指紋読み取りセンサ付ICカードを提供するものである。
【0015】
更に、本発明は上述の製造過程において、結合用端子列とフィルム基板の裏面に装備した回路とを接着後に、上記ICチップの裏面に補強板を貼り付けると共に、ICチップの側面を封止処理することにより十分な強度を有する薄型指紋読み取りセンサ付ICカードを提供するものである。
【0016】
また、本発明は指紋読み取りセンサからのデータを収集、制御し、デジタル化後出力する制御回路部を具備したセンサICチップにおいて、センサICチップ上のフィルム基板に上記制御回路を囲むに十分なサイズの導電パターンを設け、該導電パターンをグランドに接続することにより、制御回路が放電破壊から保護される薄型指紋読み取りセンサ付ICカードを提供するものである。
【0017】
更に、本発明はフイルム基板表面の上記開口部の外周に検知される指を接触させる一定幅の帯状のパターン電極を形成し、検知される指が上記帯状のパターン電極に接触する際に発する信号により検知される指の真偽を判定するようにした薄型指紋読み取りセンサ付ICカードを提供するものである。
【発明の効果】
【0018】
以上、説明したように、本発明によれば指紋センサICチップ11(厚さ約0.2mm)フィルム基板21(厚さ約0.1mm)、オーバーシート31とアンダーシート33(接着用シートを含めそれぞれ約0.15mm)により、当該ICカードの厚みは約0.7mmで形成可能となり、その厚みは広く普及しているISO国際規格の0.76mmの制限範囲に収まる。
【0019】
同時に、当該指紋センサICチップ11の面積を小さくできるので、1枚のシリコン・ウェハーからの収量も多くなる。
【0020】
また、前記フィルム基板21上に放電用の電極としてパターン27を設けることにより指紋センサICチップ11の脆弱部である制御回路部15の破壊を回避できる。
【0021】
更に、当該指紋読み取りセンサ付ICカードに指を押し当てた際に、その指の一部がフィルム基板の表面に設けられた帯状の導電パターン27に直接触れるようにオーバーシートの開口部窓のサイズを調整し、指が触れたときにこのパターンから所定の信号を抽出することにより、指の生体性を接触体の誘電率や静電容量の測定を通じてチェックすることができる。
【0022】
すなわち、本発明によればICカードに指紋読み取りセンサが収納可能となり、そのセンサICチップを静電破壊から保護し、外力からも保護することが可能となり、しかもセキュリティ面では、指の生体であることの検知、破壊が可能となることにより、安全で堅牢なICカードが実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施例を示す指紋読み取りセンサを搭載したICカードの分解斜視図
【図2】同上のICカードにおいて指紋センサICチップの構成を示す模式図
【図3】同上のICカードにおいて指紋センサチップを搭載し、そのパッドを接着するフィルム基板を示す模式図
【図4】(a)従来の指紋センサICチップのパッケージの製造方法を示す流れ図、(b)本願発明による指紋センサICチップを搭載したコア基板の製造方法を示す流れ図
【図5】指紋センサICチップの側面に接着剤を塗布し、フィルム基板と接着することにより、当該ICチップの側面を保護のための封止剤を兼ねる様子を示す図で、(a)は、指紋センサICチップとフィルム基板とを貼り合わせる前の分解斜視図、(b)は、指紋センサICチップとフィルム基板とを貼り合わせた状態を示す図
【図6】指紋センサICチップとフィルムと補強板を貼り合わせることにより、当該ICチップの側面を保護する封止剤を兼ねる様子を示す図で、(a)は、指紋センサICチップとフィルム基板と補強板を貼り合わせる前の分解斜視図、(b)は、指紋センサICチップとフィルム基板と補強板を貼り合わせた状態を示す図
【図7】フィルム基板の指側に、フィルム基板の開口部の周囲に四角い帯状の導電パターンを形成し、この四角い帯状パターンの一部を露出するようにオーバーシートの開口部を広げて、ICカードを形成した際に指がこの帯状パターンに直接触れるように調整することを示す分解斜視図。特に、オーバーシート31は、オーバーシート31がフィルム基板と貼り合わせた際に、四角い帯状の導電パターンが露出している様子を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
指紋センサICチップ11、配線回路パターン及びそれに適宜接続される電子部品を実装したフィルム基板21と指紋センサICチップ11の裏面に接着された金属またはコンポジット材の補強板1が、ICカードのコア基板を構成し、このコア基板を熱可塑性樹脂または紙から構成されるオーバーシート31及びアンダーシート33で挟み、貼り合わせてICカードが形成され、オーバーシート31及びアンダーシート33は、コア基板との間に電子部品を外力から保護する緩衝材の性能を備えた接着用シートを挟み熱圧着により接着される。なお、接着用シートとしては、ウレタンゴムを成分に持つ接着剤等が用いられる。
【実施例1】
【0025】
以下、本発明による指紋認証付きICカードの構造とそれに用いる指紋読み取りセンサのパッケージ方法について図1の本発明に係るICカードの分解斜視図を参照して説明する。
【0026】
本発明に係るICカードのコア基板は指紋センサICチップ11、配線回路パターン及びそれに適宜接続される電子部品を実装したフィルム基板21と指紋センサICチップ11の裏面に接着された金属またはコンポジット材の補強板1で構成される。
【0027】
このコア基板を熱可塑性樹脂または紙から構成されるオーバーシート31及びアンダーシート33で挟み、貼り合わせてICカードが形成される。
【0028】
この実施例ではフィルム基板21には、ポリイミド樹脂(厚さ約0.03mm可能)やガラスエポキシ樹脂基板(厚さ約0.1mm可能)、ポリエステル(厚さ約0.05mm可能)等が材料として使用される。
【0029】
フィルム基板21の下の領域24に前記指紋センサICチップ11をコア基板と接続するための接続端子25を含む配線回路パターン及び必要な部品が搭載される。
【0030】
指紋センサICチップ11は、シリコン・ウェハー上に指紋センサICを積層して構成される。
【0031】
図2は、指紋センサICチップ11の構成を示す模式図であり、指紋センサICは、指の置かれたことを検知したり、それが生体の一部であることを確認するためのセンサ12と、指紋画像を読み取るセンシング領域13と前記センサを駆動し、入力信号をデジタル化して外部に出力制御する制御部15と指紋センサICチップ11が外部と信号の送受信、外部からの電源供給を受ける等の接続端子列(パッド)14とから構成される。
【0032】
この外部接続端子(パッド)14を小さく抑えることにより、例えば指紋センサICチップ11の大きさを約8.5mm(縦)×11mm(横)に抑えることが可能となり、例えば6インチのシリコン・ウェハーの場合、約130個程度の指紋センサICチップ11を製造することが可能となる。
【0033】
図3は、フィルム基板21を示す模式図であって、この図はフィルム基板21の裏面、即ち配線回路パターン及びそれに適宜接続される電子部品が実装される面(以下、部品面と記す)を見たものであり、図3では、簡単のためにコア基板上の外部回路(前記別基板)との通信に必要な接続のみを想定した単純な配線パターンの例になっているが、領域24に指紋の照合に必要な高性能のCPUや指紋の特徴データや指紋画像データを記憶するためのメモリをはじめ、接触型ICカードの外部接続端子や、非接触型ICカードのアンテナ及びその通信制御部を搭載しても良い。
【0034】
また、領域24には指紋センサICチップ11の外部接続端子(パッド)14に接着されるように接続端子23が設けられている。
【0035】
更に、領域24には接触型ICカードの場合は、前記コア基板の配線回路パターン上又は別基板に外部接続用端子との接点を設けることもあり、非接触型ICカードの場合は、前記配線回路パターン上又は別基板にアンテナのパターンや変調回路を具備させることもあり、或いは接触型ICチップと非接触型ICチップの両方を備えるハイブリッドカードとすることもある。
【0036】
なお、前記のように必要な回路部を別基板にする場合は、別基板のフィルム基板21の部品面と同じ面に配置され、電気的に接続される。指紋認証処理に必要なCPUおよびメモリ等、所謂指紋認証機能部は、前記別基板又はフィルム基板21のいずれかに搭載される。
【0037】
一方、フィルム基板21には、前記指紋センサICチップ11の指紋読み取りセンサエリア13と指の検知センサ部12が露出するように開口部22(黒い太枠の内側)が設定されている。
【0038】
オーバーシート31及びアンダーシート33は、コア基板との間に電子部品を外力から保護する緩衝材の性能を備えた接着用シートを挟み熱圧着により接着される。なお、接着用シートとしては、ウレタンゴムを成分に持つ接着剤等が用いられる。
【0039】
次に、本願発明によるコア基板の製造方法の流れを図4bに従って説明すれば、事前に配線回路パターンを形成したフィルム基板21を用意する(61)、その上に搭載される電子部品を半田付けし、以後の加熱処理で前記電子部品が動かないように高温用接着剤で接着する(62)、その後ダイシング(53)された指紋センサICチップ11をそのパッド14とフィルム基板21上の端子部23を重ねて熱圧着する(63)。
【0040】
このとき、両者の接合面に予め半田を盛った状態で熱圧着しても良いし、異方性導電接着フィルム又は異方性導電ペースト又は半田付けを用いて等を用いて比較的低温での圧着も可能である。
【0041】
この段階では、両者の接着強度は接着面が小さいため不十分であり、そこで、指紋センサICチップ11の側面に例えばエポキシ系接着剤を塗布する(64)。両者の接着が強固になると同時に、この接着剤の塗布により当該指紋センサICチップ11の封止処理も担わせることも可能となる。
【0042】
図5は、指紋センサICチップ11の側面に例えばエポキシ系接着剤を塗布した結果、フィルム基板21と接着され、その接着剤41aが、当該ICチップ11の側面の保護のためのパッシベーションとなっている様子を示すものである。
【0043】
このとき、前記接着剤の硬化時間を調整することにより、前記接着剤の硬化前に前記指紋センサICチップ11の背面にも接着剤を滴下し、前記滴下接着剤の中に気泡が混入しないように薄く延ばした後に、金属等の補強板1を指紋センサICチップの背面に貼り合わせ(65)、これにより当該指紋センサICチップ11の外力に対する補強と側面の封止をより完全にすることが可能となる。
【0044】
図6は、前記接着剤の硬化前に前記指紋センサICチップ11の背面にも接着剤を滴下し、当該接着剤の中に気泡が混入しないように薄く延ばした後に、金属製の補強板1を指紋センサICチップ11の背面に貼り合わせることにより、指紋センサICチップ11とフィルム基板21がより強固に接着し、同時に指紋センサICチップ11の背面に金属板1が固定されている様子を示すものである。
【0045】
このとき、41bに示されるように指紋センサICチップ11の側面はより堅牢な封止剤で保護される。
【0046】
前記接着剤の硬化時間は、その成分の配合割合でも調整可能であるし、雰囲気温度の制御でも調整可能である。補強板1としてはステンレス(厚さ約0.1mm)等が考えられる。
【0047】
なお、この実施例では図3のフィルム基板21の配線回路パターンには、開口部22の周囲を四角い帯状のパターン26が設けられている。
【0048】
この帯状のパターンは、指紋センサICチップ11上に積層された放電破壊に最も弱い制御部15を覆うに十分な幅を持ち、このパターンは導電体からなり、グランドに接続されている。
【0049】
すなわち、放電破壊に最も弱い制御部15の上に静電気が放電された場合、この帯状のパターンが放電用の電極となり、静電気をグランドに逃がすことにより制御部15の保護の役割を果たすことが出来る。
【0050】
更に、本発明では検知対象の指の生体性を接触された指の誘電率や静電容量の測定による手段を提案するものである・
【0051】
図7に示したように、フィルム基板21の表面に、開口部22の周囲を検知対象の指が直接触れる程度の幅で帯状のパターン27を形成し、更に帯状のパターン27の一部を露出するようにオーバーシート31の開口部32を更に広げて、ICカードを形成した際に指がこの帯状のパターン27に直接触れるように調製する。
【0052】
この帯状の四角いパターン27は、銅箔などの導電性を有し、表面の劣化を防ぐために金メッキされていても良い。この四角い帯状のパターン27は、貫通電極28を介してフィルム基板21の部品面側に接続され、コア基板上の信号線と接続される。
【0053】
例えば、この信号線から、触れられた指の誘電率または静電容量を計測することにより、触れられた物体が指であるか又は生体以外(例えばシリコンゴムやウレタン製膜で作られた擬似指)の偽の指かを判定できる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、その厚みが広く普及しているISO国際規格の0.76mmの制限範囲に収まる薄型指紋読み取りセンサ付ICカードを提供できる。
【符号の説明】
【0055】
1は指紋センサチップの補強板
11は指紋センサICチップ
12は指の接触を検知するセンサ部
13は指紋の画像を読み取るセンシングエリア
14は指紋センサICチップの外部との接続端子(パッド)列
15は指紋センサICチップの制御回路部
21はフィルム基板(FPC)
22はフィルム基板に設けられた開口部
23はフィルム基板上に設けられた指紋センサICチップの外部との接続端子との接合部
24はフィルム基板上に設けられた配線回路パターン領域
25はフィルム基板上に設けられた外部回路との接続端子列
26はフィルム基板上部部品面側に設けられた指紋センサICチップの制御回路部を保護するための導電パターン
27は検知対象の指の生体性をチェックするための導電パターン
28は導電パターン27をフィルム基板21の部品面側に接続するための貫通電極
31はオーバーシート
32はオーバーシートに設けられた開口部
33はアンダーシート
41aは封止を兼ねて指紋センサICチップとフィルム基板の間に形成された補強用接着層
41bは封止を兼ねて指紋センサICチップとフィルム基板の間に形成された補強用の接着層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
その表層部には指の検知センサ部及び指紋読み取りセンシングエリアが形成されたセンサICチップ上に、フィルム基板を設け、該フィルム基板には検知センサ部及び指紋読み取りセンシングエリアが露出されるように開口部を形成し、一方上記フィルム基板の裏面には上記指紋読み取りセンサ機能を駆動させるための回路及び部品を装備するとともに、該裏面を上記ICチップの表層部に接着固定するようにしたことを特徴とする指紋読み取りセンサ付ICカード。
【請求項2】
上記センサICチップとフィルム基板の裏面に装備した回路との結合用端子列をセンサICチップの表層部に設け、該結合用端子列とフィルム基板の裏面に装備した回路とを接着するようにした請求項1記載の指紋読み取りセンサ付ICカード。
【請求項3】
結合用端子列とフィルム基板の裏面に装備した回路との接着を異方性導電接着フィルム又は異方性導電接着ペースト又は半田付けを用いて行う請求項1記載の指紋読み取りセンサ付ICカード。
【請求項4】
結合用端子列とフィルム基板の裏面に装備した回路とを接着後に、上記ICチップの側面に封止を兼ねた補強用の接着層を形成するようにした請求項3記載の指紋読み取りセンサ付ICカード。
【請求項5】
結合用端子列とフィルム基板の裏面に装備した回路とを接着後に、上記ICチップの裏面に補強板を貼り付けると共に、ICチップの側面に封止を兼ねた補強用の接着層を形成するようにした請求項3記載の指紋読み取りセンサ付ICカード。
【請求項6】
指紋読み取りセンサからのデータを収集、制御し、デジタル化後出力する制御回路部をセンサICチップに装備するとともに、フィルム基板裏面には上記制御回路を覆うに導電パターンを設け、該導電パターンをグランドに接続するようにした請求項1記載の指紋読み取りセンサ付ICカード。
【請求項7】
フイルム基板表面の上記開口部の外周に検知対象の指が直接触れる程度の幅で帯状の導電パターンを形成し、当該指が導電パターンに接触する際に発する信号により検知対象指の真偽を判定するようにした請求項1記載の指紋読み取りセンサ付ICカード。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−53670(P2012−53670A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−195814(P2010−195814)
【出願日】平成22年9月1日(2010.9.1)
【出願人】(509185516)エイエスディ株式会社 (4)
【Fターム(参考)】