説明

振動型駆動装置

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、振動体に移動体を加圧接触させて駆動力を得る振動型駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】振動型駆動装置(振動型モータ)は、電気−機械エネルギ変換素子を接合した弾性部材からなる振動体に移動体を加圧接触させ、上記変換素子に交流電圧を印加して振動体に進行性振動波を発生させることにより、移動体を摩擦駆動するものである。
【0003】図7には、従来の振動型モータを示している。ベース101に固定されたリング状のステータ(振動体)102、弾性体121の下面に、コネクタ110およびフレキシブル基板111を通じて通電される電気−機械エネルギ変換素子122を接合し、弾性体121の上面に摩擦部材123を接着して構成されている。ロータ(移動体)103の上面にはゴム板107を介して加圧ばね106の外周部が取り付けられており、加圧ばね106の内周部は出力軸104に焼嵌めされたディスク105に取り付けられている。
【0004】出力軸104は、ベース101に固定された外輪と、出力軸104の外周に嵌合した内輪とを有する一対のころがり軸受181,182によって回転自在に支持される。ディスク105はころがり軸受182の内輪に当接している。一方、ころがり軸受181の内輪は、ロータ103をステータ102に適切な力で加圧接触させるための加圧ばね106の変位量分だけ、ディスク105ところがり軸受182の内輪とともに出力軸104をステータ102側へ押し込んだ状態で、出力軸104の溝に装着したスナップリング109と係合している。
【0005】これにより、図6に示すように、軸受182では、ディスク105によって内輪に加圧バネ106の加圧力と同方向の予圧がかけられて軸受182内の径方向がたが排除される。一方、軸受181では、スナップリング109によって内輪に加圧バネ106の加圧力と反対方向の予圧力がかけられて軸受182内の径方向がたが排除される。こうして、各軸受181,182の径方向がたがなくなることにより、出力軸104の径方向のぶれも抑えられる。
【0006】ここで、加圧ばねの加圧反力をF、軸受181の予圧力をP1、軸受182の予圧力をP2とすると、これらの3つの力には、F=P1−P2という関係が成立する。
【0007】このことから分かるように、軸受181は加圧反力と軸受182の予圧力の和を予圧力として受けるため、その予圧力は軸受182の予圧力に比較して極端に大きくなる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】通常、軸受の疲れ寿命は、軸受荷重の3乗に反比例する。このため大きな予圧力を受ける軸受181の疲れ寿命は軸受182に比べて極端に短い。さらに、振動型モータは低速度での使用が多く、軸受の転動体と軌道面との間に油膜が形成されにくいため、軸受の転動体荷重を通常よりも小さくとる必要がある。
【0009】モータが発生し得るトルクは、ステータとロータ間の最大摩擦力に依存する。この摩擦力はロータ、ステータ間の摩擦係数と、加圧力によって決定されるから、最大トルクを大きくする場合には、加圧力を増すことが有効である。
【0010】しかしながら従来のモータでは、加圧力をすべて軸受181が負担するため、軸受寿命を短くせずに加圧力を増すにはさらに定格荷重の大きい軸受を使用しなければならず、軸受が大きくなり、しかも高価となる。
【0011】そこで、本願発明は、軸受寿命ひいては駆動装置としての寿命を延ばすとともに、定格荷重の小さな軸受を使用して安価で省スペースを図れる振動型駆動装置を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、請求項1に記載のように、振動が励起される振動体と、この振動体に接触して駆動される振動体と、この移動体と出力軸とを連結するとともに、前記移動体と前記振動体とを加圧接触させる加圧部材と、前記出力軸を回転自在に支持する複数の軸受部材と前記加圧部材による加圧反力を前記出力軸を介して前記複数の軸受部材に配分するためのバネ力を備えた部材を有することを特徴とする振動型駆動装置とするものである。第2の発明は、請求項2に記載のように、上記第1の発明で、前記加圧反力を、前記複数の軸受部材の内部予圧力として用いることを特徴とする
【0013】すなわち、複数の軸受部材に同一方向の与圧力がかかるように構成して加圧部材による加圧反力を複数の軸受部材に負担させるだけでなく、バネ力を備えた部材により前記複数の軸受部材に対して加圧反力が適切な割合で配分するように調整することが可能となり、前記複数の軸受部材の軸受部材の寿命を略等しくすることができ、振動型駆動装置の長寿命化を実現できるようにしている。
【0014】第3の発明は、請求項3に記載のように、振動が励起される振動体と、この振動体に接触して駆動される振動体と、この移動体と出力軸とを連結するとともに、前記移動体と前記振動体とを加圧接触させる加圧部材と、前記出力軸を回転自在に支持する複数の軸受部材とを有し、前記加圧反力を、前記複数の軸受部材に対し、これら各軸受部材の定格荷重の比に応じて分担させることを特徴とする振動型駆動装置とするものである第4の発明は、請求項4に記載のように、上記第1から第3のいずれかの発明で、前記複数の軸受部材が、ころがり軸受であることを特徴とする。第5の発明は、請求項5に記載のように、上記第4の発明で、前記加圧反力を、前記複数のころがり軸受に対し、これら各ころがり軸受の軌動面と転動体との接触面圧が等しくなるように分担させることを特徴とする。第3、第5の発明では、各軸受部材がほぼ等しい寿命となるような条件にすることができ、振動型駆動装置の長寿命化を図ることができ
【0015】第6の発明は、請求項6に記載のように、上記第4又は第5の発明で、前記複数のころがり軸受の各内輪と前記出力軸とが、前記出力軸への前記加圧反力の作用方向に一体的に移動可能に結合していることを特徴とする。第7の発明は、請求項7に記載のように、上記第4から第6のいずれかの発明で、前記複数のころがり軸受が、前記加圧手段を挟んで前記出力軸の軸方向両側に配置されていることを特徴とする。
【0016】第8の発明は、請求項8に記載のように、上記第1又は第2の発明で、前記複数の軸受部材が複数のころがり軸受であり、前記複数のころがり軸受のうち所定のころがり軸受の内輪と前記出力軸とが前記出力軸への前記加圧反力の作用方向に一体的に移動可能に結合しており前記所定のころがり軸受の内輪と他のころがり軸受の内輪との間に前記バネ力を備えた部材が配設れていることを特徴とする。第9の発明は、請求項9に記載のように、上記第8の発明で、前記バネ力を備えた部材のバネの変位を、前記各ころがり軸受に、前記加圧反力をこれら各ころがり軸受の定格荷重の比に応じて分担させるよう設定したことを特徴とする。第10の発明は、請求項10に記載のように、上記第8の発明で、前記バネ力を備えた部材のバネの変位を、前記各ころがり軸受の軌動面と転動体との接触面圧が等しくなるよう設定したことを特徴とする。
【0017】第11の発明は、請求項11に記載のように、上記第4又は第5の発明で、前記複数のころがり軸受の転動体前記出力軸の外周に形成された軌動溝部を転動することを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)図1には、本願発明の第1実施形態である振動型駆動装置を示している。ベース1に固定されたリング状の金属製ステータ(振動体)2は、弾性体21の下面に、コネクタ10およびフレキシブル基板11を通じて通電される電気−機械エネルギ変換素子22を接合し、弾性体21の上面に摩擦部材23を接着して構成されている。ロータ(移動体)3の上面にはゴム板7を介して加圧ばね6の外周部が取り付けられており、加圧ばね6の内周部は出力軸4に焼嵌めされたディスク5に取り付けられている。
【0019】出力軸4は、ベース1に固定された外輪と、出力軸4の外周に嵌合した内輪とを有する一対の深溝玉軸受(ころがり軸受)81,82によって回転自在に支持される。
【0020】各軸受81,82の内輪は、ロータ3をステータ2に適切な力で加圧接触させるための加圧ばね6の変位量分だけ、ディスク5と出力軸4とをステータ2側へ押し込んだ状態で、出力軸4における各軸受81,82の下側に形成された溝に装着されたスナップリング9と係合している。これにより、加圧ばね6から出力軸4への加圧反力の作用方向に対して、出力軸4と各軸受81,82の内輪とが一体的に移動可能となる。なお、ディスク5は軸受82の内輪および外輪から離れている。
【0021】また、軸受82の内輪とこれに係合するスナップリング9との間には、ウェーブワッシャ12が介在している。このウェーブワッシャ12の変形量は、上記加圧反力を軸受81と軸受82の定格荷重の比に比例配分した場合の反力成分が軸受82の内輪に作用する変形量に設定されている。
【0022】このように各軸受81,82の内輪に出力軸4およびスナップリング9を介して加圧反力を作用させることにより、それぞれが負担する反力成分が軸受81,82内の予圧力として用いられることになる。こうして、各軸受81,82の径方向がたがなくなることにより、出力軸4の径方向のぶれも抑えられる。
【0023】ここで、各軸受81,82の予圧力の関係について図5を用いて詳しく説明する。図5は、各軸受81,82を模式的に示しており、ロータ3、ステータ2、加圧ばね6は省略してある。
【0024】加圧反力Fは、出力軸4に対し上向きの力として作用しており、この加圧反力Fは2つの軸受81,82によって負担され、各軸受81,82の予圧力はそれぞれP1、P2となっている。
【0025】ここで、予圧力P2は、加圧時の各軸受81,82の内輪の軸方向の移動量の差と外輪の相対位置と出力軸4に施した2つのスナップリング9,9の間隔で決まるウェーブワッシャ12の変形量に対するバネ力に等しい。
【0026】各軸受81,82の予圧力P1,P2の方向が等しく、加圧反力Fと同じ方向であるので、軸受81の予圧力P1は加圧反力の大きさから軸受82の予圧力P2を差し引いた値となる。結果として、加圧反力Fを2つの軸受81,82に予圧力として分散させることができる。
【0027】ところで、玉軸受の疲れ寿命は、次式で表わされることが経験的に知られている。
【0028】L∝(C/P)3ただし、L;寿命、C;軸受の基本動定格荷重、P;軸受荷重複数の軸受を用いる場合、最短の軸受寿命が、駆動装置の寿命となるため、各軸受がほぼ等しい寿命となるような条件にすることで、駆動装置の長寿命化が図れる。このためには、上の式から各軸受81,82の定格荷重Cと軸受荷重Pの比が等しくなるように加圧反力Fを各軸受81,82の定格荷重の比に比例配分して各軸受荷重(予圧力)とすればよい。
【0029】本実施形態では、加圧反力Fを比例配分した軸受荷重を発生させるためのウェーブワッシャ12の変形量を与えるようにスナップリング9間の間隔および軸受外輪の位置を定めればよい。
【0030】また、軸受が静止しているときやきわめて低速回転している場合に、軸受の軌道面と転動体の接触面圧が大きいと軌道面や転動体に永久変形を生じ、使用できなくなるおそれがある。
【0031】このため、軸受の基本静低格荷重C0 と軸受への静荷重P0 の比f=C0 /P0で表わされる安全係数fを等しくするうように、加圧反力を各軸受の定格荷重の比に比例配分して各軸受荷重とすればよい。
【0032】また厳密には、軌道面と転動体の接触面圧は軸受荷重に対して比例関係にはないから、軌道面と転動体の接触面圧が各軸受で等しくなるように軸受荷重を配分してもよい。
【0033】(第2実施形態)図2は、本発明の第2実施形態である振動型駆動装置を示している。ベース1に固定されたリング状の金属製ステータ(振動体)2は、弾性体21の下面に、コネクタ10およびフレキシブル基板11を通じて通電される電気−機械エネルギ変換素子22を接合し、弾性体21の上面に摩擦部材23を接着して構成されている。ロータ(移動体)3の上面にはゴム板7を介して加圧ばね6の外周部が取り付けられており、加圧ばね6の内周部は出力軸4に焼嵌めされたディスク5に取り付けられている。
【0034】出力軸4は、ベース1における加圧ばね6およびディスク5を挟んだ位置に固定された外輪と、出力軸4の外周に嵌合した内輪とを有する一対の深溝玉軸受(ころがり軸受)81,82によって回転自在に支持される。
【0035】軸受81の内輪は、ロータ3をステータ2に適切な力で加圧接触させるための加圧ばね6の変位量分だけ、ディスク5と出力軸4とをステータ2側へ押し込んだ状態で、出力軸4における軸受81の下側に形成された溝に装着されたスナップリング9と係合している。また、軸受82の内輪は、ウェーブワッシャ12を挟んでディスク5の上面に当接している。これにより、加圧ばね6から出力軸4への加圧反力の作用方向に対して、出力軸4と各軸受81,82の内輪とが一体的に移動可能となる。
【0036】ウェーブワッシャ12の変形量は、上記加圧反力を軸受81と軸受82の定格荷重の比に比例配分した場合の反力成分が軸受82の内輪に作用する変形量に設定されている。
【0037】本実施形態においても、2つの軸受81,82に、加圧反力を定格荷重の比に比例配分した同方向の予圧力を与えることによって、加圧反力を軸受81,82が均等に負担することになり、駆動装置の長寿命化が実現できる。
【0038】また、2つの軸受81,82を加圧ばね6およびディスク5(つまりはロータ3、ステータ2)を挟む位置に設けたことによって、軸受間距離を大きくでき、出力軸4のラジアル荷重に対する剛性を大きくできる。
【0039】(第3実施形態)図3には、本発明の第3実施形態である振動型駆動装置を示している。ベース1に固定されたリング状の金属製ステータ(振動体)2は、弾性体21の下面に、コネクタ10およびフレキシブル基板11を通じて通電される電気−機械エネルギ変換素子22を接合し、弾性体21の上面に摩擦部材23を接着して構成されている。ロータ(移動体)3の上面にはゴム板7を介して加圧ばね6の外周部が取り付けられており、加圧ばね6の内周部は出力軸4に焼嵌めされたディスク5に取り付けられている。
【0040】出力軸4は、ベース1に固定された外輪と、出力軸4の外周に嵌合した内輪とを有する一対の深溝玉軸受(ころがり軸受)81,82によって回転自在に支持される。
【0041】軸受81の内輪は、ロータ3をステータ2に適切な力で加圧接触させるための加圧ばね6の変位量分だけ、ディスク5と出力軸4とをステータ2側へ押し込んだ状態で、出力軸4の外周に接着されている。また、軸受81の内輪と軸受82の内輪との間には、圧縮コイルばね32が所定量圧縮された状態で挟持されている。圧縮コイルばね12の圧縮量は、上記加圧反力を軸受81と軸受82の定格荷重の比に比例配分した場合の反力成分が軸受82の内輪に作用する変形量に設定されている。
【0042】本実施形態においても、2つの軸受81,82に、加圧反力を定格荷重の比に比例配分した同方向の予圧力を与えることによって、加圧反力を軸受81,82が均等に負担することになり、駆動装置の長寿命化が実現できる。
【0043】また、本実施形態では、圧縮ばね32の両端を軸受内輪で支持し、一方の軸受内輪は出力軸4と接着しているため、出力軸4にスナップリングをはめる溝などを加工することなく、安価に長寿命化が可能となる。
【0044】(第4実施形態)図4は、本願発明の第4実施形態である振動型駆動装置を示している。ベース1に固定されたリング状の金属製ステータ(振動体)2は、弾性体21の下面に、コネクタ10およびフレキシブル基板11を通じて通電される電気−機械エネルギ変換素子22を接合し、弾性体21の上面に摩擦部材23を接着して構成されている。ロータ(移動体)43は、加圧ばね部43aおよびディスク部43bを一体に有している。そして、ロータ43のディスク部43bは、出力軸44をベース1の下方から挿入した上で適当な加圧力が得られる変位分押し込んだ状態で出力軸44に接着されている。
【0045】出力軸44は、出力軸44の外周に形成された軌動溝44a内を転動する転動体を有する出力軸44と一体の一対の軸受(ころがり軸受)81,82によって回転自在に支持される。軸受81の外輪はベース1に固定され、軸受82の外輪は圧縮ばね42を介してベース1に保持されている。軸受82の外輪は、ベース1に対して圧縮ばね42により押し下げられている。
【0046】圧縮ばね42の圧縮量は、加圧ばね部45aの加圧反力を軸受81と軸受82の定格荷重の比に比例配分した場合の反力成分が軸受82の内輪に作用する変形量に設定されている。
【0047】本実施形態においても、2つの軸受81,82に、加圧反力を定格荷重の比に比例配分した同方向の予圧力を与えることによって、加圧反力を軸受81,82が均等に負担することになり、駆動装置の長寿命化が実現できる。
【0048】また、本実施形態では、部品点数が少なく、さらに軸受内輪を有する軸受と出力軸との嵌合がたによる出力軸の振れ回りも少ないため、安価で、組立性の良い、長寿命な駆動装置とすることができる。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本願発明によれば、複数の軸受部材に同一方向の与圧力がかかるように構成して加圧部材による加圧反力を複数の軸受部材に負担させるだけでなく、バネ力を備えた部材により前記複数の軸受部材に対して加圧反力が適切な割合で配分するように調整することが可能となり、前記複数の軸受部材の軸受部材の寿命を略等しくすることができ、振動型駆動装置の長寿命化を実現できる。
【0050】また、各軸受部材の負担分配を各軸受部材の定格荷重の比に比例配分したり、軸受軌道面と転動体との接触面圧を等しくするように配分したりすれば、さらなる軸受部材および振動型駆動装置の長寿命化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態である振動型駆動装置の断面図である。
【図2】本発明の第2実施形態である振動型駆動装置の断面図である。
【図3】本発明の第3実施形態である振動型駆動装置の断面図である。
【図4】本発明の第3実施形態である振動型駆動装置の断面図である。
【図5】上記第1実施形態の軸受部の模式図である。
【図6】従来の振動型駆動装置の軸受部の模式図である。
【図7】従来の振動型駆動装置の断面図である。
【符号の説明】
1 ベース
2 ステータ
3,43 ロータ
4,44 出力軸
5 ディスク
6 加圧ばね
7 ゴム
81,82 軸受
9 スナップリング
10 コネクタ
11 フレキシブル基板
12 ウェーブワッシャ
32 圧縮コイルばね
42 圧縮ばね

【特許請求の範囲】
【請求項1】 振動が励起される振動体と、この振動体に接触して駆動される振動体と、この移動体と出力軸とを連結するとともに、前記移動体と前記振動体とを加圧接触させる加圧部材と、前記出力軸を回転自在に支持する複数の軸受部材と前記加圧部材による加圧反力を前記出力軸を介して前記複数の軸受部材に配分するためのバネ力を備えた部材を有することを特徴とする振動型駆動装置。
【請求項2】 前記加圧反力を、前記複数の軸受部材の内部予圧力として用いることを特徴とする請求項1に記載の振動型駆動装置。
【請求項3】 振動が励起される振動体と、この振動体に接触して駆動される振動体と、この移動体と出力軸とを連結するとともに、前記移動体と前記振動体とを加圧接触させる加圧部材と、前記出力軸を回転自在に支持する複数の軸受部材とを有し、前記加圧反力を、前記複数の軸受部材に対し、これら各軸受部材の定格荷重の比に応じて分担させることを特徴とする振動型駆動装置。
【請求項4】 前記複数の軸受部材が、ころがり軸受であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の振動型駆動装置。
【請求項5】 前記加圧反力を、前記複数のころがり軸受に対し、これら各ころがり軸受の軌動面と転動体との接触面圧が等しくなるように分担させることを特徴とする請求項4に記載の振動型駆動装置。
【請求項6】 前記複数のころがり軸受の各内輪と前記出力軸とが、前記出力軸への前記加圧反力の作用方向に一体的に移動可能に結合していることを特徴とする請求項4又は5に記載の振動型駆動装置。
【請求項7】 前記複数のころがり軸受が、前記加圧手段を挟んで前記出力軸の軸方向両側に配置されていることを特徴とする請求項4から6のいずれかに記載の振動型駆動装置。
【請求項8】 前記複数の軸受部材が複数のころがり軸受であり、前記複数のころがり軸受のうち所定のころがり軸受の内輪と前記出力軸とが前記出力軸への前記加圧反力の作用方向に一体的に移動可能に結合しており、前記所定のころがり軸受の内輪と他のころがり軸受の内輪との間に前記バネ力を備えた部材が配設されていることを特徴とする請求項又はに記載の振動型駆動装置。
【請求項9】 前記バネ力を備えた部材のバネの変位を、前記各ころがり軸受に、前記加圧反力をこれら各ころがり軸受の定格荷重の比に応じて分担させるよう設定したことを特徴とする請求項8に記載の振動型駆動装置。
【請求項10】 前記バネ力を備えた部材のバネの変位を、前記各ころがり軸受の軌動面と転動体との接触面圧が等しくなるよう設定したことを特徴とする請求項8に記載の振動型駆動装置。
【請求項11】 前記複数のころがり軸受の転動体が、前記出力軸の外周に形成された軌動溝部を転動することを特徴とする請求項4又は5に記載の振動型駆動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【特許番号】特許第3397609号(P3397609)
【登録日】平成15年2月14日(2003.2.14)
【発行日】平成15年4月21日(2003.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平8−348569
【出願日】平成8年12月26日(1996.12.26)
【公開番号】特開平10−191667
【公開日】平成10年7月21日(1998.7.21)
【審査請求日】平成14年6月6日(2002.6.6)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【参考文献】
【文献】特開 平7−143766(JP,A)
【文献】特開 平6−121561(JP,A)
【文献】特開 昭62−178178(JP,A)
【文献】米国特許3531070(US,A)
【文献】米国特許3666219(US,A)
【文献】米国特許4531700(US,A)
【文献】米国特許5600196(US,A)