説明

振動検出装置、ホログラム装置、振動検出装置の振動検出方法、ホログラム装置の記録方法

【課題】ホログラム記録媒体に対するレーザー装置からのレーザービームの照射を振動のレベルに応じて制御することが可能な振動検出装置、ホログラム装置、振動検出装置の振動検出方法、ホログラム装置の記録方法を提供することを目的とする。
【解決手段】記録すべきデータに対応した可干渉性のデータビームと参照ビームとを記録媒体へ入射させデータをホログラムとして記録媒体に記録させるホログラム装置であって、データビーム及び参照ビームに対し非干渉性を有し振動の有無を検出するための振動検出用ビームを記録媒体に入射させる振動検出用ビーム発生部と、入射された後伝播して出射される振動検出用ビームを受光した位置が所定範囲内であるか否かを判別する受光判別部と、所定範囲内でないと受光判別部が判別したときデータビームと参照ビームのうち少なくとも一方の記録媒体への入射を遮断する遮断部と、を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動検出装置、ホログラム装置、振動検出装置の振動検出方法、ホログラム装置の記録方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ディジタルデータがホログラムとして記録されるホログラム記録媒体としては、基板で光感受性樹脂(例えばフォトポリマー)を封止して設けられたものがある。
【0003】
このホログラム記録媒体にディジタルデータをホログラムとして記録させる場合、先ず、レーザー装置からのレーザービームをPBS(Polarization Beam Splitter・偏光ビームスプリッタ)にて2つのレーザービームに分離する。そして、一方のレーザービーム(以下、参照ビームという)と、ディジタルデータが2次元濃淡画像パターンとして形成されたSLM(Spatial Light Modulator・空間光変調器)に他方のレーザービームを照射させることによって当該2次元濃淡画像パターンの情報が反映されたレーザービーム(以下、データビームという)とを、ホログラム記録媒体に所定角度をもって照射させることによって、ディジタルデータがホログラム記録媒体に記録されることとなる。
【0004】
詳述すると、ホログラム記録媒体を構成する光感受性樹脂は、有限数のモノマー(Monomer)を有し、参照ビームとデータビームとからなるレーザービーム(以下、レーザービームと略する)が照射されることにより、当該レーザービームの光量及び照射時間からなるエネルギーに応じてモノマーがポリマー(Polymer)へと変化する。そして、このモノマーがポリマーに変化することにより、レーザービームのエネルギーに応じたポリマーからなる干渉縞が形成されることとなる。よって、この干渉縞がホログラム記録媒体中に形成されることにより、ディジタルデータがホログラムとして記録されたこととなる。その後、モノマーが消費された所へと残ったモノマーが移動(拡散)する。そして、再びレーザービームが照射されることによって、モノマーのポリマーへの変化が繰り返されることとなる。なお、ホログラム記録媒体中において、レーザービームのエネルギーに応じてモノマーがポリマーへと変化するときの様子を模式化した図を図2に示す。
【0005】
また、ホログラム記録媒体に記録させるディジタルデータが大量の場合、参照ビームのホログラム記録媒体への入射角を変えることによって、多数のホログラムを形成するいわゆる角度多重記録を行うことが可能である。例えば、ホログラム記録媒体へ形成された1つのホログラムをページと称し、多数のページからなる多重ホログラムをブックと称するとする。図3は、角度多重記録におけるブックとページとの関係を示した図である。これは、物理的にホログラムが蓄積される状態を示すものではなく、概念的に示したものである。図3において示すように、角度多重記録においては、1つのブックに対し、参照ビームの入射角を変えることによって、例えば10ページのホログラムが形成されることとなる。このように、ホログラム記録媒体へのディジタルデータの記録は、角度多重記録によって、大量のディジタルデータを記録することを可能としている。
【0006】
また、ホログラム記録媒体からディジタルデータを再生する場合、当該ディジタルデータを示す干渉縞に、当該干渉縞が形成されたときと同じ入射角で参照ビームを照射し、当該干渉縞にて回折された参照ビーム(以下、再生ビームという)を、イメージセンサ等で受光する。イメージセンサ等で受光した再生ビームは、前述したディジタルデータを示す2次元濃淡画像パターンとなっている。そして、この2次元濃淡画像パターンからディジタルデータをデコーダ等で復調することにより、ディジタルデータを再生することが可能となる。
【0007】
このように、ホログラム記録媒体からディジタルデータを再生する場合、再生ビームから2次元濃淡画像パターンを再現するため、当該再生ビームは、イメージセンサ等にて2次元濃淡画像パターンが再現可能な一定レベル以上の光量でなければならない。そのため、参照ビームを回折する干渉縞は、再生ビームを一定レベル以上の光量とするため、入射される参照ビームの光量に対する再生ビームの光量の割合を示す回折効率(Diffraction Efficiently)が、所定値以上となる回折効率を有するものでなければならない。尚、この回折効率の所定値とは、再生ビームを一定レベルの光量とする値である。
【0008】
ホログラム記録媒体への多重記録においては、前述したように多数のホログラム、つまり多数の干渉縞を形成することとなる。そのため、この複数のホログラムを示す複数の干渉縞は、非常に狭小な間隔をもって形成される。例えば、レーザービームの波長をλ、レーザービームのホログラム記録媒体への入射角をθr、レーザービームのホログラム媒体からの屈折角をθsとすると、干渉縞の間隔は、λ/│2sin((θr−θs)/2)│で表すことができる。このことから、干渉縞の間隔は、角度が最大(つまり2sin((θr―θs)/2)が最大)で、最小λ/2であることがわかる。そして、例えばレーザービームがヘリウムネオンレーザーである場合、その波長λは633nmであり、干渉縞の間隔は、最小で316.5nmとなり、非常に狭小な間隔であることがわかる。よって、ホログラム記録媒体への角度多重記録においては、非常に厳密な間隔で多数の干渉縞を形成させなければならず、そのため、レーザービームをホログラム記録媒体に正確に照射させることが必要となる。
【0009】
一方、ホログラム記録媒体に形成される干渉縞は、前述したように有限数のモノマーがポリマーに変化することによって形成される。そのため、角度多重記録においてホログラム記録媒体にページが形成される都度、つまり干渉縞が形成される都度、ホログラム記録媒体中のモノマーが徐々に減少することとなる。そのため、ホログラム記録媒体への角度多重記録においては、前述した所定値以上の回折効率を有する多数の干渉縞を形成すべく、レーザービームのホログラム記録媒体への照射時間を徐々に長くするという方法が行われている。
【非特許文献1】“Exposure Schedule for Multiplexing Holograms in Photopolymer Films”、Allen Pu、Kevin Curtis、Demetri Psaltis、[平成18年2月6検索]、インターネット<URL:http:// servlet/GetabsServlet?prog=normal&id=OPEGAR000035000010002824000001&idtype=cvips&gifs=yes>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、このようにレーザービームの照射時間を長くするということは、ホログラムを記録再生するためのシステム、ホログラム記録媒体が外部からの振動を受けた場合、その振動による影響をホログラム記録媒体、システムに設けられたレーザー装置等が受ける可能性が高くなることを表している。そのため、もし、レーザービームの照射中に一定のレベル以上の振動による影響を受けた場合、レーザービームが正確に照射されず干渉縞が形成されないという可能性があった。或いは、レーザービームの照射中において長時間振動の影響を受け続けた場合、前述したような非常に厳密な間隔の干渉縞が形成されないという可能性があった。その結果、ホログラム記録媒体に正確にディジタルデータが記録されず、本来大量のディジタルデータが記録可能であるにも関わらず、その機能が十分に発揮できないという可能性があった。
【0011】
そこで、本発明は、ホログラム記録媒体に対するレーザー装置からのレーザービームの照射を振動のレベルに応じて制御することが可能な振動検出装置、ホログラム装置、振動検出装置の振動検出方法、ホログラム装置の記録方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決するための発明は、振動の有無を検出するための振動検出用ビームを媒体に入射させる振動検出用ビーム発生部と、前記振動検出用ビーム発生部からの前記振動検出用ビームが前記媒体に入射された後、当該媒体内部を伝播して出射される前記振動検出用ビームを受光し、受光した位置が予め定められた範囲内であるか否かを判別する受光判別部と、を有し、前記受光判別部が受光した位置が前記予め定められた範囲内でないと判別したときの判別結果に基づいて、前記媒体と前記振動検出用ビーム発生部のうち少なくとも一方が振動していることを示す信号を出力する、ことを特徴とする。
【0013】
また、記録すべきデータに対応した可干渉性のデータビームと、可干渉性の参照ビームと、をホログラム記録用媒体へ入射させ、前記データをホログラムとして前記ホログラム記録用媒体に記録させるホログラム装置において、前記データビーム及び前記参照ビームに対し非干渉性を有するとともに振動の有無を検出するための振動検出用ビームを、前記ホログラム記録用媒体に入射させる振動検出用ビーム発生部と、前記振動検出用ビーム発生部からの前記振動検出用ビームが前記ホログラム記録用媒体に入射された後、当該ホログラム記録用媒体内部を伝播して出射される前記振動検出用ビームを受光し、受光した位置が予め定められた範囲内であるか否かを判別する受光判別部と、受光した位置が前記予め定められた範囲内でないと前記受光判別部が判別したときの判別結果に基づいて、前記データビームと前記参照ビームのうち少なくとも一方の前記ホログラム記録用媒体への入射を遮断する遮断部と、を有することを特徴とする。
【0014】
また、振動検出装置の振動検出方法であって、振動の有無を検出するための振動検出用ビームを振動検出用ビーム発生部から媒体に入射させ、前記振動検出用ビーム発生部からの前記振動検出用ビームが前記媒体に入射された後、当該媒体内部を伝播して出射される前記振動検出用ビームを受光し、受光した位置が予め定められた範囲内であるか否かを判別し、前記受光判別部が受光した位置が前記予め定められた範囲内でないと判別したとき、前記媒体と前記振動検出用ビーム発生部のうち少なくとも一方が振動していることを示す信号を出力する、ことを特徴とする。
【0015】
更に、記録すべきデータに対応した可干渉性のデータビームと、可干渉性の参照ビームと、をホログラム記録用媒体へ入射させ、前記データをホログラムとして前記ホログラム記録用媒体に記録させるホログラム装置の記録方法であって、前記データビーム及び前記参照ビームに対し非干渉性を有するとともに振動の有無を検出するための振動検出用ビームを、前記ホログラム記録用媒体に入射させ、前記振動検出用ビームが前記ホログラム記録用媒体に入射された後、当該ホログラム記録用媒体内部を伝播して出射される前記振動検出用ビームを受光し、受光した位置が予め定められた範囲内であるか否かを判別し、受光した位置が前記予め定められた範囲内でないと判別したとき、前記データビームと前記参照ビームのうち少なくとも一方の前記ホログラム記録用媒体への入射を遮断する、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ホログラム記録媒体に対するレーザー装置からのレーザービームの照射を振動のレベルに応じて制御することが可能な振動検出装置、ホログラム装置、振動検出装置の振動検出方法、ホログラム装置の記録方法を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本明細書および添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0018】
<<実施形態>>
=== 振動検出装置・ホログラム装置の全体構成 ===
図1、図4を参照しつつ、本発明に係る振動検出装置、ホログラム装置について説明する。図1は、本発明に係る振動検出装置、ホログラム装置の全体構成の一例を示す機能ブロック図である。図4は、図1におけるディスク媒体22に入射されたサーボレーザービーム(振動検出用ビーム)の反射、屈折、透過の一例を示す模式図である。
【0019】
ホログラム装置は、CPU(Central Processing Unit)1(ページ数算出部)、メモリ2、インタフェース3、接続端子4、バッファ5、再生・記録判別部6、エンコーダ7、マッピング処理部8、SLM(Spatial Light Modulator・空間光変調器)9、レーザー装置10、第1シャッター11(遮断部)、第1シャッター制御部12、PBS(Polarization Beam Splitter・偏光ビームスピリッタ)13、第2シャッター14、第2シャッター制御部15、ガルボミラー(Galvo Mirror)16(偏向部)、ガルボミラー制御部17(偏向制御部)、ダイクロックミラー(Dichroic Mirror)18、サーボレーザー装置19(振動検出用ビーム発生部)、スキャナレンズ20、フーリエ変換レンズ(Fourier Transfer Lens)21、26、ディテクタ(Detector)23(サーボ制御部)、ディスク制御部24(サーボ制御部)、ディスク駆動部25(サーボ駆動部)、イメージセンサ27、イメージセンサ制御部28、フィルタ29、デコーダ30、1/2波長板49、DSP(Digital Signal Processor)31(受光判別部・(水平方向・垂直方向)振動量算出部・(水平方向・垂直方法)振動量判別部・期間算出部・期間判別部)、TFF(Toggle flip-flop)32、PSD(Position Sensitive Detector)33(受光判別部)、ADC(Analog Digital Converter。)34(受光判別部)、35(受光判別部)、カップリングコンデンサ36、37、微分回路(DFC:Differentiation Circuit)38((水平方向)変化量算出部)、39((垂直方向)変化量算出部)、基準電圧発生部40、41、比較器(Comparator)42((水平方向)変化量判別部)、43((垂直方向)変化量判別部)、論理和演算回路44、45、第1のタイマ46、第2のタイマ47、第3のタイマ48を有する。尚、本実施形態においては、一方の論理値‘1’は、例えばホログラム装置が動作するための電源電圧を示すものとし、他方の論理値‘0’は、例えば0(V)を示すものとして説明する。
【0020】
インタフェース3は、接続端子4を介して接続される例えばPC(Personal Computer)等のホスト機器(不図示)とホログラム装置とがデータの送受信を行うために介在する。
【0021】
バッファ5は、ディスク媒体22(媒体・ホログラム記録用媒体)に記憶されているデータを再生するためのホスト機器からの再生指示データが記憶される。また、バッファ5は、ホスト機器からのデータをディスク媒体22に記録させるための記録指示データが記憶される。更に、バッファ5は、ディスク媒体22に記録させるデータが記憶される。
【0022】
再生・記録判別部6は、所定のタイミングでバッファ5に再生指示データ又は記録指示データが記録されているか否か判別する。再生・記録判別部6は、バッファ5に再生指示データが記憶されていると判別すると、ホログラム装置にて再生処理を実行するための指示信号をCPU1に送信する。また、再生・記録判別部6は、バッファ5に記録指示データが記憶されていると判別すると、ホログラム装置にて記録処理を実行するための指示信号をCPU1に送信し、ホスト機器からのディスク媒体22に記憶させるデータをエンコーダ7に送信させる。更に、再生・記録判別部6は、ディスク媒体22に記憶させるデータ量の情報をCPU1に送信する。
エンコーダ7は、バッファ5からのデータに対してエンコード処理を行う。
【0023】
マッピング処理部8は、エンコーダ7からのデータを、二次元のデータ配列(例えば縦1280ビット×横1280ビット≒1.6メガビット)に並び替えて単位ページ配列データを形成する。
【0024】
SLM9は、マッピング処理部8にて形成された単位ページ配列データに基づいた2次元濃淡画像パターンを形成する。この2次元濃淡画像パターンとは、例えば単位ページ配列データを構成するデータの一方の論理値に対して‘明’、他方の論理値に対して‘暗’として形成されるものである。SLM9が縦1280ピクセル×横1280ピクセルの2次元濃淡画像パターンを形成可能であるとすると、マッピング処理部8からの約1.6メガビットのデータを、1ビットデータに対して1ピクセルの明又は暗の2次元濃淡画像パターンとして形成することとなる。SLM9は、後述するようにレーザー装置10からのレーザービームが入射されると、当該レーザービームをフーリエ変換レンズ21に反射する。そして、この反射されたレーザービームは、SLM9にて形成された2次元濃淡画像パターンの情報が反映されたレーザービーム(以下、『データビーム』と称する。)となる。尚、図1に示すように、PBS13からのレーザービームが直接的にSLM9に入射される場合に限らない。例えば、第2シャッター14とSLM9との光路上にPBS(不図示)を設けて、そのPBSから分離したレーザービームがSLM9に入射される場合としてもよい。
【0025】
レーザー装置10は、時間的コヒーレンス、空間的コヒーレンスに優れたレーザービームを第1シャッター11に出射する。このレーザー装置10としては、ホログラムをディスク媒体22に形成すべく、例えばヘリウムネオンレーザー、アルゴンネオンレーザー、ヘリウムカドミウムレーザー、半導体レーザー、色素レーザー、ルビーレーザー等が用いられる。
【0026】
CPU1は、ホログラム装置を統括制御する。CPU1は、再生・記録判別部6からの記録指示データに基づく指示信号を受信すると、メモリ2から既にディスク媒体22に形成されているピットに基づくアドレス情報を読出す。そして、CPU1は、サーボレーザー装置19からのレーザービーム(以下、『サーボレーザービーム』と称する。)を、次のアドレス情報を示すディスク媒体22に設けられたピットに照射させるべく、ディスク媒体22を回転させるための指示信号をディスク制御部24に送信する。また、CPU1は、ガルボミラー制御部17によるガルボミラー16の角度調整を実行させるべく、当該ガルボミラー制御部17に指示信号を送信する。
【0027】
さらに、CPU1は、再生・記録判別部6からのデータ量の情報に基づいて、ディスク媒体22に形成されるホログラムの数(つまり、ページ数)を算出する。また、CPU1は、DSP31に記録指示信号を送信し、第2シャッター制御部15に、第2シャッター14を開状態とするための指示信号を送信する。この結果、ディスク媒体22へのホログラム記録が開始される。例えば、再生・記録判別部6からのデータ量の情報が3メガビットであるとすると、SLM9は、前述した約1.6メガビットのデータを2次元濃淡画像パターンに処理可能であるから、CPU1は、3メガビットのデータ量から少なくとも2ページ分のホログラムの数を算出する。そして、例えばディスク媒体22に未だホログラムが形成されていない場合、CPU1は、第1のページ(ディスク媒体22に形成される最初のホログラム)に応じたページデータをDSP31に送信する。そして、CPU1は、後述するDSP31からの判別結果を受信すると、第2シャッター制御部15に第2シャッター14を閉状態とするための指示信号を送信する。この結果、ディスク媒体22へのホログラム記録が終了する。
【0028】
また、CPU1は、再生・記録判別部6からの再生指示データに基づく指示信号を受信すると、ディスク媒体22に形成されている当該指示信号に応じたアドレス情報を示すピットに対して、サーボレーザー装置19からのサーボレーザービームを照射させるべく、ディスク媒体22を回転させるための指示信号をディスク制御部24に送信する。さらに、CPU1は、再生指示データに基づく指示信号を受信すると、第1シャッター制御部12に第1シャッター11を開状態とするための指示信号を送信するとともに、第2シャッター制御部15に第2シャッター14を閉状態とするための指示信号を送信する。また、CPU1は、ガルボミラー制御部17によるガルボミラー16の角度調整を実行させるべく、当該ガルボミラー制御部17に指示信号を送信する。この結果、ディスク媒体22からのホログラム再生が開始される。そして、CPU1は、再生指示データに基づく再生処理において所定時間が経過したと判別すると、第1シャッター制御部12に第1シャッター11を閉状態とするための指示信号を送信する。この結果、ディスク媒体22からのホログラム再生が終了する。なお、CPU1は、イメージセンサ制御部28からの判別結果に基づく信号より再生処理を終了する場合もある。
【0029】
第1シャッター制御部12は、CPU1からの指示信号に基づいて、第1シャッター11を開状態又は閉状態とするための制御を行う。また、第1シャッター制御部12は、イメージセンサ制御部28からの指示信号に基づいて、第1シャッター11を閉状態とするための制御を行う。第1シャッター制御部12は、第1シャッター11を開状態とするとき、第1シャッター11に開状態指示信号を送信する。また、第1シャッター制御部12は、第1シャッター11を閉状態とするとき、第1シャッター11に閉状態指示信号を送信する。
【0030】
第1シャッター11は、TFF32からのハイレベルが入力されると開状態となる。そして、第1シャッターは、TFF32からのハイレベルが入力される期間、開状態となる。また、第1シャッター11は、TFF32からのローレベルが入力されると閉状態となる。第1シャッター11は、TFF32からのローレベルが入力される期間、閉状態となる。更に、第1シャッター11は、第1シャッター制御部12からの開状態指示信号に基づいて開状態となる。或いは、第1シャッター11は、第1シャッター制御部12からの閉状態指示信号に基づいて閉状態となる。第1シャッター11が閉状態となると、レーザー装置10からのレーザービームの1/2波長板49への入射が遮断されることとなる。
【0031】
1/2波長板49は、第1シャッター11が開状態であるときのレーザー装置10からのレーザービームがPBS13へ入射される角度を定めるため、所定の傾きで設けられる。なお、この1/2波長板49の所定の傾きは、レーザービームがPBS13にて2つのレーザービームに分離される際の分離割合を、所望の割合とすべく定められる。
【0032】
PBS13は、1/2波長板49からのレーザービームを2つのレーザービームに分離する。PBS13にて分離された一方のレーザービームは、第2シャッター14に入射される。また、他方のレーザービーム(以下、『参照ビーム』と称する。)は、ガルボミラー16に入射される。
ガルボミラー16は、PBS13からの参照ビームをダイクロックミラー18へ反射する。
【0033】
ガルボミラー制御部17は、CPU1からの指示信号に基づいて、ガルボミラー16にて反射された参照ビームがダイクロックミラー18やスキャナレンズ20を介してディスク媒体22に入射される角度を調整すべく、当該ガルボミラー16の角度を制御する。ディスク媒体22への記録時において、このガルボミラー制御部17によるガルボミラー16の角度調整は、ディスク媒体22に2次元濃淡画像パターンの情報をホログラムとして記録させるために行われる。
【0034】
詳述すると、データビームと参照ビームがディスク媒体22内で干渉されることにより三次元の干渉縞(ホログラム)が形成される。つまり、このディスク媒体22にホログラムが形成されることによって、2次元濃淡画像パターンの情報が記録されたこととなる。また、カルボミラー制御部17は、カルボミラー16の角度を調整、すなわち、参照ビームのディスク媒体22への入射角を変えることでて、角度多重記録を可能としている。以下、ディスク媒体22に形成された1つのホログラムをページと称し、角度多重記録にて多数のページが重なってなる多重記録ホログラムをブックと称する。
【0035】
また、ディスク媒体22からの再生時において、カルボミラー制御部17は、ディスク媒体22に形成されたホログラムに参照ビームを入射させるべくガルボミラー16の角度を制御する。このカルボミラー制御部17による再生時のカルボミラー16の角度調整は、再生させるためのデータに基づいて形成されたホログラムに対して、当該再生させるためのデータがホログラムとして形成されたときの参照ビームの入射角と同じ角度で当該参照ビームをホログラムに入射させるべく実行される。
【0036】
サーボレーザー装置19は、ディスク媒体22に設けられたピットを照射することによって、当該ピットが示すアドレス情報に基づいて、当該ディスク媒体22に形成されたホログラムの位置を検出すべく、サーボレーザービームをダイクロックミラー18に出射する。このサーボレーザー装置19から出射されるサーボレーザービームは、ディスク媒体22に形成されたホログラムに影響ない所定波長のビームである。なお、本実施形態においては、レーザー装置10から出射されるレーザービームに青色レーザービームを使用し、当該青色レーザービームよりも長い波長である赤色レーザービームをサーボレーザービームとして使用するものとする。
【0037】
サーボレーザー装置19からのサーボレーザービームの出射は、例えば、振動検出装置・ホログラム装置が起動開始するとともにサーボレーザービームの出射を開始し、当該振動検出装置・ホログラム装置が起動している間、サーボレーザービームを出射し続けるものである。しかし、サーボレーザー装置19はサーボレーザービームを出射し続けるものとしているが、これに限定するものではない。例えば、ホログラム装置によるディスク媒体22へのデータの記録時には、当該ディスク媒体22は停止状態となる。そのため、サーボレーザービームのピットへの照射が必ずしも必要とされない期間では、サーボレーザー装置19によるサーボレーザービームの照射を停止するようにしても良い。この結果、サーボレーザー装置19のサーボレーザービームの出射に係る負荷を減じることができる。
【0038】
ダイクロックミラー18は、ガルボミラー16にて反射された参照ビームを透過し、当該参照ビームを、スキャナレンズ20に入射させる。また、ダイクロックミラー18は、サーボレーザー装置19から出射されたサーボレーザービームを反射し、当該サーボレーザービームをスキャナレンズ20へ入射させる。
【0039】
スキャナレンズ20は、ダイクロックミラー18からの参照ビームを、ディスク媒体22に確実に照射させるべく当該参照ビームを屈折させる。また、スキャナレンズ20は、ダイクロックミラー18にて反射されたサーボレーザー装置19からのサーボレーザービームを、ディスク媒体22に入射させる。
【0040】
第2シャッター制御部15は、CPU1からの指示信号に基づいて、第2シャッター14を開状態又は閉状態とするための制御を行う。第2シャッター制御部15は、第2シャッター14を開状態とするとき、第2シャッター14に開状態指示信号を送信する。また、第2シャッター制御部15は、第2シャッター14を閉状態とするとき、第2シャッター14に閉状態指示信号を送信する。尚、本実施形態においては、第2シャッター制御部15は、CPU1からの指示信号に基づいて、第2シャッター14を開状態又は閉状態とするための制御を行うべく設けられているがこれに限るものではない。例えば、記録時において、前述したようにCPU1からの記録指示信号を受信したDSP31からの指示信号に基づいて、第2シャッター14を開状態又は閉状態とするための制御を行うように設けても良い。
【0041】
第2シャッター14は、第2シャッター制御部15からの開状態指示信号に基づいて開状態となる。或いは、第2シャッター14は、第2シャッター制御部15からの閉状態指示信号に基づいて閉状態となる。第2シャッター14が閉状態となると、PBS13にて分離された一方のレーザービームのSLM9への入射が遮断されることとなる。尚、第2シャッター14は、SLM9からフーリエ変換レンズ21を介してディスク媒体22へ入射されるデータビームの光路上に設けてもよい。
【0042】
フーリエ変換レンズ21は、SLM9からの前述した2次元濃淡画像パターンの情報が反映されたデータビームを集光しつつ、当該データビームに対して、フーリエ変換を行ってディスク媒体22に入射させる。
【0043】
ディスク媒体22は、データをホログラムとして記憶可能な光感受性樹脂(例えばフォトポリマー・銀塩乳剤・重クロム酸ゼラチン・フォトレジスト等)が用いられ、当該光感受性樹脂をガラス基板(図4(c)(d))で封止して構成されている。ディスク媒体22には、フーリエ変換レンズ21からの2次元濃淡画像パターンを示すフーリエ変換されたデータビームと、スキャナレンズ20からの参照ビームとの干渉からホログラムが形成される。そして、前述したように、ディスク媒体22は、ガルボミラー制御部17によるガルボミラー16の角度調整が行われ、当該角度調整後のガルボミラー16からの参照ビームとデータビームとの干渉によりホログラムが再び形成されることにより角度多重記録が行われブックが形成される。
【0044】
また、ディスク媒体22を構成するガラス基板には、例えば予めウォブル(Wobble)が形成されており、当該ディスク媒体22に形成されるホログラムの位置を定めるためのアドレス情報が、ピットとして当該ウォブルに予め形成されている。そして、スキャナレンズ20から入射されるサーボレーザー装置19からのサーボレーザービームがアドレス情報を示すピットに照射される。アドレス情報を示すピットを照射した後のサーボレーザービームは、ディテクタ23に入射される。
【0045】
また、このサーボレーザービームの一部はディスク媒体22に入射される際、ディスク媒体22を構成するガラス基板の表面にて反射し、また、他の一部はディスク媒体22を透過し、また、他の一部はガラス基板の表面を透過してディスク媒体22内にて反射を繰り返して、ディスク媒体22の端面(図4(b))から出射される。尚、本実施形態においては、ディスク媒体22においてガラス基板を用いているがこれに限るものではない。サーボレーザービームがディスク媒体22内を反射することが可能な、例えば、CD(Compact Disk)等に用いられている反射層(例えばアルミニウム薄膜)にて、ディスク媒体22を構成するよう設けても良い。また、本実施形態においては、ホログラムを記録する媒体として、ディスク媒体22を用いているがこれに限るものではない。例えば、多角形の形状の媒体を用いても良い。本実施形態においてディスク媒体22を用いたのは、ディスク媒体22の端面の形状が、ディスク媒体22内で反射を繰り返して出射されるサーボレーザービームのPSD33による受光を容易とするものだからである。
【0046】
PSD33は、受光面(図4(a))を有し、ディスク媒体22内を反射して端面から出射されたサーボレーザービームの一部が入射される。PSD33は、入射されたサーボレーザービームの径のX方向(図4参照)における位置に応じたアナログ電気信号(X)をカップリングコンデンサ36、ADC34に出力する。また、PSD33は、入射されたサーボレーザービームの径のY方向(図4参照)における位置に応じたアナログ電気信号(Y)をカップリングコンデンサ37、ADC35に出力する。尚、本実施形態においては、図4に示す+Y方向を上、−Y方向を下、+X方向を右、−X方向を左として以下説明する。また、Y方向は、ディスク媒体22のディスク面に対して垂直方向を示し、X方向は、水平方向を示すものとして説明する。そのため、ホログラム装置、ディスク媒体22に振動が発生した場合、PSD33から出力されるアナログ電気信号(X)は、サーボレーザービームのX方向の振動、つまり左右方向における振動の振幅レベルを示していることとなる。また、PSD33から出力されるアナログ電気信号(Y)は、サーボレーザービームのY方向の振動、つまり上下方向における振動の振幅レベルを示すこととなる。
【0047】
カップリングコンデンサ36は、PSD33からのアナログ電気信号(X)の直流分をカットして、アナログ電気信号(X)の交流分(信号成分)を微分回路38に出力する。
【0048】
基準電圧発生部40は、カップリングコンデンサ36からのアナログ電気信号(X)の交流分に予め定められた電圧値を重畳すべく、この予め定められた電圧値を微分回路38に出力する。この予め定められた電圧値とは、後述する微分回路38からの微分結果に応じた電圧値と基準電圧Vref(X)とを比較部42にて比較可能とさせるべく定められる一定レベルの電圧値である。
【0049】
微分回路38は、基準電圧発生部40からの予め定められた電圧値を重畳された、カップリングコンデンサ36からのアナログ電気信号(X)の交流分に対し微分を行い、微分結果を示す電圧を比較器42に出力する。微分回路38から出力される微分結果を示す電圧とは、振動が発生した場合のアナログ電気信号(X)の変化の割合を示すこととなる。つまり、ホログラム装置、ディスク媒体22に左右方向における振動が発生した場合、微分回路38からの微分結果を示す電圧が出力されることによって、振動が発生したことがわかる。また、微分回路38からの微分結果を示す電圧のレベルから、左右方向における振動の振幅レベルの変化の大きさを知ることが可能となる。そのため、微分回路38から出力された微分結果を示す電圧が、例えば0(V)の場合、ホログラム装置、ディスク媒体22は左右方向における振動を受けていないこととなる。
【0050】
比較部42は、微分回路38からの微分結果を示す電圧が入力される。また、比較器42は、DSP31からの基準電圧Vref(X)が入力される。そして、比較部42は、微分回路38からの微分結果を示す電圧が、DSP31からの基準電圧Vref(X)よりもハイレベルである場合、一方の論理値‘1’を論理和演算回路(以下、OR回路と称する)44に出力する。このDSP31から入力される基準電圧Vref(X)は、実験等において左右方向における所定の振幅レベルの振動をホログラム装置、ディスク媒体22に発生させた場合において、ディスク媒体22に形成される干渉縞の間隔が所定値以内(例えば、レーザービームがヘリウムネオンレーザーである場合の最小間隔316.5nmとなることが可能な当該所定の振幅レベルに応じた電圧値である。したがって、微分回路38からの微分結果を示す電圧が、基準電圧Vref(X)よりハイレベルである場合、ディスク媒体22に形成される干渉縞の間隔は、所定値を超してしまうこととなる。尚、比較部42は、微分回路38からの微分結果を示す電圧が、DSP31からの基準電圧Vref(X)よりもローレベルである場合、他方の論理値‘0’をOR回路44に出力する。尚、本実施形態においては、微分結果を示す電圧が基準電圧Vref(X)よりもハイレベルである場合、ディスク媒体22に形成される干渉縞の間隔は所定値を超えるものとして、基準電圧Vref(X)を設けているがこれに限るものではない。例えば、本実施形態における基準電圧Vref(X)よりもローレベルに基準電圧Vref(X)を設けても良い。そうすることによって、より確実に所定値を超えた干渉縞の形成を防止することを可能とすることができる。
【0051】
ADC34は、PSD33からのアナログ電気信号(X)を、当該アナログ電気信号(X)に応じたディジタルデータ(以下、ディジタルデータP(X)という)に変換してDSP31に送信する。このADC34から送信されるディジタルデータP(X)は、前述したように左右方向における振動の振幅レベルを示すこととなる。
【0052】
カップリングコンデンサ37は、PSD33からのアナログ電気信号(Y)の直流分をカットして、アナログ電気信号(Y)の交流分(信号成分)を微分回路39に出力する。
【0053】
基準電圧発生部41は、前述した基準電圧発生部40と同様に、カップリングコンデンサ37からのアナログ電気信号(Y)の交流分に予め定められた電圧値を重畳すべく、この予め定められた電圧値を微分回路39に出力する。この予め定められた電圧値とは、後述する微分回路39からの微分結果に応じた電圧値と基準電圧Vref(Y)とを比較部43にて比較可能とさせるべく定められる一定レベルの電圧値である。
【0054】
微分回路39は、前述した微分回路38と同様に、基準電圧発生部41からの予め定められた電圧値を重畳された、カップリングコンデンサ37からのアナログ電気信号(Y)の交流分に対し微分を行い、微分結果を示す電圧を比較器43に出力する。微分回路39から出力される微分結果を示す電圧とは、振動が発生した場合のアナログ電気信号(Y)の変化の割合を示すこととなる。つまり、ホログラム装置、ディスク媒体22に上下方向における振動が発生した場合、微分回路39からの微分結果を示す電圧が出力されることによって、振動が発生したことがわかる。また、微分回路39からの微分結果を示す電圧のレベルから、上下方向における振動の振幅レベルの変化の大きさを知ることが可能となる。そのため、微分回路39から出力された微分結果を示す電圧が、例えば0(V)の場合、ホログラム装置、ディスク媒体22は上下方向における振動を受けていないこととなる。
【0055】
比較器43は、前述した比較器42と同様に、微分回路39からの微分結果を示す電圧が入力される。また、比較器43は、DSP31からの基準電圧Vref(Y)が入力される。そして、比較部43は、微分回路39からの微分結果を示す電圧が、DSP31からの基準電圧Vref(X)よりもハイレベルである場合、一方の論理値‘1’をOR回路44に出力する。このDSP31から入力される基準電圧Vref(Y)は、実験等において上下方向における所定の振幅レベルの振動をホログラム装置、ディスク媒体22に発生させた場合において、ディスク媒体22に形成される干渉縞の間隔が所定値以内となることが可能な当該所定の振幅レベルに応じた電圧値である。したがって、微分回路39からの微分結果を示す電圧が、基準電圧Vref(Y)よりハイレベルである場合、ディスク媒体22に形成される干渉縞の間隔は、所定値を超してしまうこととなる。尚、比較部43は、微分回路39からの微分結果を示す電圧が、DSP31からの基準電圧Vref(X)よりもローレベルである場合、他方の論理値‘0’をOR回路44に出力する。尚、本実施形態においては、微分結果を示す電圧が基準電圧Vref(Y)よりもハイレベルである場合、ディスク媒体22に形成される干渉縞の間隔は所定値を超えるものとして、基準電圧Vref(Y)を設けているがこれに限るものではない。例えば、本実施形態における基準電圧Vref(Y)よりもローレベルに基準電圧Vref(Y)を設けても良い。そうすることによって、より確実に所定値を超えた干渉縞の形成を防止することを可能とすることができる。
【0056】
ADC35は、前述したADC34と同様に、PSD33からのアナログ電気信号(Y)を、当該アナログ電気信号に応じたディジタルデータ(以下、ディジタルデータP(Y)という)に変換してDSP31に送信する。このADC35から送信されるディジタルデータP(Y)は、前述したように上下方向における振動の振幅レベルを示すこととなる。尚、本実施形態において、ADC35にてPSD33からのアナログ電気信号(X)をディジタルデータP(Y)に変換するときのビット分解能と、前述したADC34にてPSD33からのアナログ信号(X)をディジタルデータP(X)に変換するときのビット分解能とは、同じビット分解能であるものとする。
【0057】
OR回路44は、比較器42若しくは比較器43からのいずれかの出力が一方の論理値‘1’である場合、及び比較器42と比較器43からの出力がともに一方の論理値‘1’である場合、一方の論理値‘1’をDSP31、OR回路45に出力する。
OR回路45は、OR回路44若しくはDSP31からのいずれかの出力が一方の論理値‘1’である場合、及びOR回路44とDSP31からの出力がともに一方の論理値‘1’である場合、一方の論理値‘1’をTFF32に出力する。
【0058】
TFF32は、T端子(トリガー入力)、R端子(リセット端子)、Q端子(出力端子)を有する。TFF32のT端子には、DSP31からのトリガー信号が入力される。TFF32は、DSP31からのトリガー信号が入力されると、例えばハイレベルをQ端子から出力して第1シャッター11を開状態とする。第1シャッター11は、TFF32からのハイレベルが出力されている期間、開状態となる。また、TFF32のR端子にOR回路45からの一方の論理値‘1’が入力されると、TFF32は、例えばローレベルをQ端子から出力して第1シャッターを閉状態とする。第1シャッター11は、TFF32からのローレベルが出力されている期間、閉状態となる。
【0059】
DSP31は、CPU1からの記録指示信号を受信すると、第1のタイマ46の計時をリセットさせ計時をスタートさせる。DSP31は、CPU1からのページデータを受信すると、メモリ(不図示)に予め記憶されている演算プログラムに基づいて、例えば実験等からもとめられたページデータに応じたレーザービーム照射時間Tを算出する。このレーザービーム照射時間Tとは、多重角度記録において、各ページに応じたレーザービームの照射時間を示している。つまり、レーザービーム照射時間Tの期間、レーザービームがディスク媒体22に照射されたとき、ディスク媒体22に形成された干渉縞の間隔は、前述した所定値以内の間隔となる。尚、本実施形態においては、DSP31は、CPU1からのページデータを受信すると、メモリに予め記憶されている演算プログラムに基づいてページデータに応じたレーザービーム照射時間Tを算出しているが、これに限るものではない。例えば、メモリに各ページデータに応じた各レーザービーム照射時間Tをテーブルデータとして予め記憶させておき、CPU1からのページデータを受信すると、当該ページデータに応じたレーザービーム照射時間Tを読み出すように設けても良い。DSP31は、基準電圧Vref(X)を比較器42に出力する。DSP31は、基準電圧Vref(Y)を比較器43に出力する。また、DSP31は、CPU1からの記録指示信号を受信すると、トリガー信号をTFF32に出力する。DSP31は、第1のタイマ46の計時がレーザービーム照射時間Tに達したか否かを判別する。DSP31は、第1のタイマ46の計時がレーザービーム照射時間Tに達したと判別したとき、一方の論理値‘1’をOR回路45に出力する。また、DSP31は、第1のタイマ46の計時がレーザービーム照射時間Tに達したとの判別結果をCPU1に送信する。DSP31は、OR回路44からの一方の論理値‘1’が入力されると、第1のタイマ46の計時をストップさせる。DSP31は、ADC34からのディジタルデータP(X)を受信する都度、ディジタルデータP(X)が所定レベルI(X)以下であるか否かを判別する。DSP31は、ADC34からのディジタルデータP(X)が所定レベルI(X)以下でないと判別したとき、例えばディジタルデータP(X)の立下りで第2のタイマ47をリセットさせて計時をスタートさせる。DSP31は、第2のタイマ47の計時が予め定められた時間t(X)に達したか否かを判別する。尚、この所定レベルI(X)とは、例えば、前述した基準電圧Vref(X)に応じた左右方向における所定の振幅レベルである。つまり、所定レベルI(X)の振幅レベルの振動が干渉縞の形成中(レーザービームの照射中)に発生しても、このとき形成された干渉縞の間隔は、所定値以内の間隔となる。また、DSP31は、ADC35からのディジタルデータP(Y)を受信する都度、ディジタルデータP(Y)が所定レベルI(Y)以下であるか否かを判別する。DSP31は、ADC35からのディジタルデータP(Y)が所定レベルI(Y)以下でないと判別したとき、例えばディジタルデータP(Y)の立下りで第3のタイマ48をリセットさせて計時をスタートさせる。DSP31は、第3のタイマ48の計時が予め定められた時間t(Y)に達したか否かを判別する。尚、この所定レベルI(Y)とは、例えば、前述した基準電圧Vref(Y)に応じた上下方向における所定の振幅レベルである。つまり、所定レベルI(Y)の振幅レベルの振動が干渉縞の形成中(レーザービームの照射中)に発生しても、このとき形成された干渉縞の間隔は、所定値以内の間隔となる。DSP31は、第2のタイマ47の計時が予め定められた時間t(X)に達したと判別し、第3のタイマ48の計時が予め定められた時間t(Y)に達したと判別したとき、第1のタイマ46の計時を再びスタートさせ、TFF32にトリガー信号を出力する。
【0060】
第1のタイマ46、第2のタイマ47、第3のタイマ48は、DSP31からの指示信号に基づいて計時をスタートする。また、第1のタイマ46、第2のタイマ47、第3のタイマ48は、DSP31からの指示信号に基づいて計時をストップする。第1のタイマ46は、前述したように、レーザービームがページデータに応じたレーザービーム照射時間T、ディスク媒体22に照射したか否かをDSP31が判別するために設けられる。第2のタイマ47は、前述したように、ディジタルデータP(X)が所定レベルI(X)以下でないとDSP31が判別したときから予め定められた時間t(X)を計時すべく設けられる。つまり、第2のタイマ47が予め定められた時間t(X)を計時するということは、ディジタルデータP(X)が所定レベルI(X)を超えない時間が時間t(X)続いていることを示している。そのため、左右方向における振動が収まり、当該振動は前述した所定の振幅レベル以下の振動となっていることを示す。よって、左右方向における振動においては、再びレーザービームをディスク媒体22に照射可能な振動レベルであることがわかる。第3のタイマ48は、前述したように、ディジタルデータP(Y)が所定レベルI(Y)以下でないとDSP31が判別したときから予め定められた時間t(Y)を計時すべく設けられる。つまり、第3のタイマ48が予め定められた時間t(Y)を計時するということは、ディジタルデータP(Y)が所定レベルI(Y)を超えない時間が時間t(X)続いていることを示している。そのため、上下方向における振動が収まり、当該振動は前述した所定の振幅レベル以下の振動となっていることを示す。よって、上下方向における振動においては、再びレーザービームをディスク媒体22に照射可能な振動レベルであることがわかる。
【0061】
フーリエ変換レンズ26は、ホログラム再生時において、ホログラム記録媒体22対して第2参照ビームが入射された際に、ホログラム記録媒体22に記録されたホログラムによって回折されたビーム(以下、再生ビームという)が入射される。なお、ホログラム再生時の第2参照ビーム入射角は、その再生対象となるホログラム記録時の第2参照ビームの入射角と同一であることが要求される。そして、フーリエ変換レンズ26は、逆フーリエ変換が施された再生ビームを、イメージセンサ27へと出射する。
【0062】
イメージセンサ27は、フーリエ変換レンズ26からの逆フーリエ変換された再生ビームが照射される。イメージセンサ27は、例えばCCD(Charge Coupled Devices)、或いは、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor) Image Sensor、から構成されており、当該再生ビームから2次元濃淡画像パターンを再現させる。イメージセンサ27は、イメージセンサ制御部28からの指示信号に基づいて、再現された各2次元濃淡画像パターンの明暗を電気信号の強弱に変換し、各2次元濃淡画像パターンの明暗の光量に応じたレベルを有するアナログ電気信号をフィルタ29へ送信する。尚、本実施形態においては、イメージセンサ制御部28においてイメージセンサ27に所定の光量以上の再生ビームが照射された旨が判別された場合、イメージセンサ制御部28は、第1シャッター制御部12に第1シャッター11を閉状態とするための指示信号を送信する。また、SLM9とイメージセンサ27は共に同じ1280ピクセル×1280ピクセルの2次元濃淡画像パターンが形成可能であるものとする。しかし、SLM9とイメージセンサ27は共に同じピクセル数にて設けているがこれに限るものではない。例えばイメージセンサ27のピクセル数をSLM9のピクセル数より多く設けても良い。イメージセンサ27のピクセル数をSLM9のピクセル数より多く設けることによって、フーリエ変換レンズ26からの再生ビームが、イメージセンサ27に確実に照射されることとなり、2次元濃淡画像パターンの再現を確実に行うことが可能となる。また、イメージセンサ制御部28によるイメージセンサ27の所定位置への移動処理が、高精度で要求されることを軽減することが可能となる。
【0063】
フィルタ29は、イメージセンサ27にて再現された2次元濃淡画像パターンの明暗の光量に基づくアナログ電気信号を、2値化処理の分離性を高めるべくフィルタリングを行う。例えば、イメージセンサ27にて再現された2次元濃淡画像パターンは、データビーム・再生ビーム等が受けるノイズなどにより、SLM9にて形成された2次元濃淡画像パターンの明暗に比べ、明確な明暗が再現されない場合がある。そのため、イメージセンサ27にて再現された2次元濃淡画像パターンの明暗に基づくアナログ電気信号のレベルが、‘明’を示すレベルであるか‘暗’を示すレベルであるかが明確でなく、2値化処理が適切に行われない場合がある。そのためフィルタ29によるフィルタリングによって、アナログ電気信号のレベルの補正が行われる。尚、本実施形態においては、フィルタ29とデコーダ30の間に2値化処理部(不図示)を設けられ、フィルタ29からのアナログ電気信号に対し2値化処理が行われる。そして、2値化処理の結果得られたディジタル信号がデコーダ30に送信されるものとして以下説明する。
デコーダ30は、2値化処理部からのディジタル信号に対し、デコード処理を行う。
【0064】
ディテクタ23は、サーボレーザー装置19からのサーボレーザービームが、ディスク媒体22に形成されたアドレス情報を示すピットを照射した後の当該サーボレーザービームが入射される。ディテクタ23は、例えば4分割された光検出器(不図示)から構成され、当該4分割された光検出器が検出するサーボレーザービームの光量情報をディスク制御部24に送信する。また、ディテクタ23は、アドレス情報を示すピットを照射したサーボレーザービームに基づいて、当該アドレス情報をCPU1に送信する。尚、図1においてディテクタ23は、ディスク媒体22を透過したサーボレーザービームを受光するべく設けられているが、これに限るものではない。例えば、ディスク媒体22に形成されたピットを照射したサーボレーザービームが、当該ディスク媒体22にて反射された場合、反射されたサーボレーザービームを受光すべく設けても良い。
【0065】
ディスク制御部24は、ディテクタ23からのサーボレーザービームの光量情報に基づいて、ディスク駆動部25をサーボ制御する。また、ディスク制御部24は、再生(又は記録)時において、CPU1からの指示信号に基づいて、ディスク媒体22の所望のアドレス情報を示すピットにサーボレーザービームを照射させるべく、ディスク媒体22を回転させるための指示信号をディスク駆動部25に送信する。また、ディスク制御部24は、前述したブックがディスク媒体22に形成されたとき、ディスク媒体22の他の位置にホログラムを形成させるべく、当該ディスク媒体22を回転させるための指示信号をディスク駆動部25に送信する。
【0066】
ディスク駆動部25は、ディスク制御部24からの指示信号に基づいて、ディスク媒体22のチルト補正を実行する。また、ディスク駆動部25は、ディスク制御部24からの指示信号に基づいて、ディスク媒体22を回転させる。
【0067】
メモリ2は、CPU1が前述した処理を行うためのプログラムデータが予め記憶されている。また、メモリ2は、前述したCPU1からのディスク媒体22に形成されているピットからのアドレス情報が記憶される。メモリ2は、データを電気消去することによりデータを繰り返し書き込み読み出しできる不揮発性記憶素子で構成される。
【0068】
=== 振動検出装置・ホログラム装置の動作 ===
図1、図5、図6を参照しつつ、本発明に係る振動検出装置、ホログラム装置の動作について説明する。図5は、本発明に係る振動検出装置、ホログラム装置の動作の一例を示すタイミングチャートである。図6は、本発明に係る振動検出装置、ホログラム装置を構成するDSP31の動作の一例を示すフローチャートである。尚、本実施形態においては、ディスク媒体22には、ホログラムが形成されていないもの(つまり、データが記録されていない)として説明する。
【0069】
例えばPC等のホスト機器から接続端子4、インタフェース3を介してバッファ5に記録指示データが記憶されると、再生・記録判別部6は、バッファ5に記録指示データが記憶されていると判別する。そして、再生・記録判別部6は、ホログラム装置にて記録処理を実行するための指示信号をCPU1に送信する。尚、バッファ5には、ディスク媒体22に記録させるデータがホスト機器から送信され、記憶されたものとする。再生・記録判別部6は、ディスク媒体22に記憶させるデータ量の情報をCPU1に送信する。そして、再生・記録判別部6は、バッファ5に記憶されている、ディスク媒体22に記憶させるデータをエンコーダ7に送信する。
【0070】
CPU1は、再生・記録判別部6からの記録指示データに基づく指示信号を受信すると、メモリ2に記憶されているアドレス情報から、ディスク媒体22に既に形成されているホログラムに関するアドレス情報を読み出す。尚、本実施形態においては、前述したとおりディスク媒体22には、未だホログラムが形成されていないので、CPU1は、ディスク媒体22に既に形成されているホログラムに関する情報は無いと判別することとなる。そして、CPU1は、例えば第1のアドレス情報がピットとして形成されているディスク媒体22の位置からホログラムの形成を開始すべく、ガルボミラー制御部17、ディスク制御部24に指示信号を送信する(図5・ディスク制御部24指示信号(t0)。ガルボミラー制御部17指示信号(t0))。また、CPU1は、記録指示データに基づく指示信号を受信すると、DSP31に記録指示信号を送信する。また、CPU1は、第2シャッター制御部15に第2シャッター14を開状態とするための指示信号を送信する。更に、CPU1は、再生・記録判別部6からのデータ量の情報に基づいて、ディスク媒体22に形成されるページ数を算出する。本実施形態においては、例えばデータ量の情報が3メガビットの情報であるものとし、このとき、CPU1は、2ページを算出したものとして説明する。そして、CPU1は、先ず、第1のページ(ディスク媒体22に形成される第1のホログラム)をディスク媒体22に形成すべく、第1のページに応じたページデータをDSP31に送信する(図5・ページデータ(t1))。
【0071】
サーボレーザー装置19は、振動検出装置・ホログラム装置が起動開始するとともに、サーボレーザービームを出射する(図5・サーボレーザー装置)。このサーボレーザービームは、ダイクロックミラー18にて反射されてスキャナレンズ20に入射される。スキャナレンズ20に入射されたサーボレーザービームは、ディスク媒体22に形成されたアドレス情報を示すピットに照射されて、ディテクタ23に入射される。
【0072】
ディテクタ23は、当該ディテクタ23を構成する4分割された光検出器(不図示)に入射された、アドレス情報を示すピットを照射したサーボレーザービームに基づいて、当該アドレス情報をCPU1に送信する。また、ディテクタ23は、4分割された光検出器が検出するサーボレーザービームの光量情報をディスク制御部24に送信する。
【0073】
CPU1は、ディテクタ23からのアドレス情報に基づいて、当該アドレス情報が第1のアドレス情報を示すものであるか否かを判別する。CPU1は、当該アドレス情報が第1のアドレス情報を示すものではないと判別すると、ディスク媒体22を回転させて、第1のアドレス情報を示すピットにサーボレーザービームを照射させるべく、ディスク制御部24に指示信号を送信する。
【0074】
ディスク制御部24は、CPU1からの指示信号に基づいて、ディスク媒体22を回転させるべく指示信号をディスク駆動部25に送信する。また、ディスク制御部24は、ディテクタ23からの光量情報に基づいて、ディスク媒体22のチルト補正をするか否かを判別する。尚、本実施形態においては、ディスク制御部24は、ディテクタ23からの光量情報が示すサーボレーザービームの光量は所定量以上であると判別し、ディスク媒体22のチルト補正をする必要はないと判別したものとして以下説明する。
ディスク駆動部25は、ディスク制御部24からの指示信号に基づいて、ディスク媒体22を回転させる。
【0075】
エンコーダ7は、バッファ5からのデータに対してエンコード処理を行う。
マッピング処理部8は、エンコーダ7からのデータを、二次元のデータ配列に並び替えて単位ページ配列データを形成する。尚、本実施形態においては、マッピング処理部8は、1638400ビット(1280ビット×1280ビット)のデータから単位ページ配列データを形成可能であるものとして説明する。そのため、ホスト機器からのディスク媒体22に記憶させるべきデータが3メガビットである場合、マッピング処理部8は、少なくとも2回、単位ページ配列データを順次形成することとなる。
【0076】
SLM9は、マッピング処理部8にて形成された単位ページ配列データに基づいた2次元濃淡画像パターン(縦1280ピクセル×横1280ピクセル)を形成する。例えば、単位ページ配列データを構成するデータの一方の論理値に対して‘明’、他方の論理値に対して‘暗’として形成する。
【0077】
DSP31は、CPU1からの記録指示信号を受信すると(S101・YES)、第1のタイマ46をリセットさせ計時をスタートさせる(S102)。また、DSP31は、CPU1からのページデータを受信すると(S103・YES)、ページデータに応じたレーザービーム照射時間Tを算出する(S104)。つまり、DSP31においては、先ず、第1のページに応じたレーザービーム照射時間T1(図5・レーザービーム照射時間T1)を算出することとなる。そして、DSP31は、第1のタイマ46の計時がレーザービーム照射時間T1に達したか否かを判別する(S109)。また、DSP31は、基準電圧Vref(X)を比較器42に出力する(S105)。DSP31は、基準電圧Vref(Y)を比較器43に出力する(S106)。そして、DSP31は、第1シャッター11を開状態とするためトリガー信号をTFF32に出力する(S107。図5・トリガー信号(t1))。
【0078】
TFF32は、DSP31からのトリガー信号が入力されると、ハイレベルを出力して第1シャッター11を開状態(ON)とする(図5・第1シャッター(t1))。第1シャッター11は、TFF32からのハイレベルが出力されている期間、開状態となる。そして、第1シャッター11が開状態となることによって、レーザー装置10からのレーザービームが第1シャッター11を介して1/2波長板49に入射される。
1/2波長板49は、所定の傾きに応じた角度にてレーザー装置10からのレーザービームをPBS13に入射させる。
PBS13は、1/2波長板49からのレーザービームを一方のレーザービームと参照ビームに分離して、一方のレーザービームを第2シャッター14に入射させ、参照ビームをガルボミラー16に入射させる。
【0079】
第2シャッター制御部15は、CPU1からの指示信号に基づいて、第2シャッター14に開状態指示信号を送信する(図5・第2シャッター開状態指示信号(t1))。
第2シャッター14は、第2シャッター制御部15からの開状態指示信号に基づいて、開状態(ON)となる(図5・第2シャッター(t1))。第2シャッター14が開状態となることによって、PBS13からの一方のレーザービームがSLM9に入射される。
【0080】
SLM9は、一方のレーザービームが入射されると、一方のレーザービームをSLM9に形成された2次元濃淡画像パターンの情報が反映されたデータビームとしてフーリエ変換レンズ21に反射する。
フーリエ変換レンズ21は、SLM9からのデータビームを集光しつつフーリエ変換を行ってディスク媒体22に入射させる。
【0081】
ガルボミラー制御部17は、CPU1からの指示信号に基づいて、ガルボミラー16にて反射された参照ビームがダイクロックミラー18、スキャナレンズ20を介してディスク媒体22に入射される角度を調整すべく、ガルボミラー16の角度を調整する。尚、このときのガルボミラー制御部17にて角度調整されたガルボミラー16は、前述したように第1のページをディスク媒体22に形成すべく行われることとなる。そして、PBS13からの参照ビームは、ガルボミラー制御部17にて角度調整されたガルボミラー16にて反射されてダイクロックミラー18に入射される。
【0082】
ダイクロックミラー18に入射された参照ビームは、ダイクロックミラー18を透過して、スキャナレンズ20に入射される。尚、サーボレーザー装置19から出射されたサーボレーザービームは、参照ビームと重畳してスキャナレンズ20に入射される。
スキャナレンズ20は、ダイクロックミラー18からの参照ビーム、サーボレーザービームを屈折させ、ディスク媒体22に入射させる。
【0083】
以下、ホログラム装置、ディスク媒体22に振動が発生していない場合について説明する。
【0084】
ディスク媒体22に入射されたサーボレーザービームの一部は、ディスク媒体22内において、ディスク媒体22を構成するガラス基板にて反射を繰り返して、ディスク媒体22の端面から出射してPSD33に入射する。
PSD33は、入射されたサーボレーザービームの径のX方向における位置に応じたアナログ電気信号(X)をカップリングコンデンサ36、ADC34に出力する。また、PSD33は、入射されたサーボレーザービームの径のY方向における位置に応じたアナログ電気信号(Y)をカップリングコンデンサ37、ADC35に出力する。
【0085】
カップリングコンデンサ36は、PSD33からのアナログ電気信号(X)の直流分をカットして、アナログ電気信号(X)の交流分を微分回路38に出力する。同様に、カップリングコンデンサ37は、PSD33からのアナログ電気信号(Y)の直流分をカットして、アナログ電気信号(Y)の交流分を微分回路39に出力する。
【0086】
微分回路38は、基準電圧発生部40からの予め定められた電圧値が重畳されたアナログ電気信号(X)の交流分に対し微分を行い、微分結果を示す電圧を比較器42出力する。尚、このとき、ホログラム装置、ディスク媒体22には、振動が発生していないため、微分回路38の微分結果を示す電圧は、例えば0(V)となる。同様に、微分回路39は、基準電圧発生部41からの予め定められた電圧値が重畳されたアナログ電気信号(Y)の交流分に対し微分を行い、微分結果を示す電圧を比較器43出力する。尚、このとき、ホログラム装置、ディスク媒体22には、振動が発生していないため、微分回路39の微分結果を示す電圧は、例えば0(V)となる。
【0087】
比較器42には、DSP31からの基準電圧Vref(X)が入力され、微分回路38からの微分結果を示す電圧が入力される。そして、比較器42は、微分回路38からの微分結果を示す電圧が、基準電圧Vref(X)よりハイレベルであるか否かを比較する。尚、微分回路38からの微分結果を示す電圧0(V)は、基準電圧Vref(X)よりもローレベルであるため(図5・微分回路38出力t1t2間参照)、比較部42は、他方の論理値‘0’をOR回路44に出力する。同様に、比較器43には、DSP31からの基準電圧Vref(Y)が入力され、微分回路39からの微分結果を示す電圧が入力される。そして、比較器43は、微分回路39からの微分を示す電圧が、基準電圧Vref(Y)よりハイレベルであるか否かを比較する。尚、微分回路39からの微分結果を示す電圧0(v)は、基準電圧Vref(Y)よりもローレベルであるため(図5・微分回路39出力t1t2間参照)、比較部43は、他方の論理値‘0’をOR回路44に出力する。
【0088】
OR回路44は、比較部42、43からの出力がともに他方の論理値‘0’であるため、他方の論理値‘0’をOR回路45、DSP31に出力する。
また、DSP31は、第1のタイマ46の計時がレーザービーム照射時間T1に達していないと判別する間、OR回路45に他方の論理値‘0’を出力する。そのため、OR回路45は、OR回路44、DSP31からの出力がともに他方の論理値‘0’であるため、他方の論理値‘0’をTFF32に出力する。
TFF32は、OR回路45から他方の論理値‘0’が入力されても動作を行わず、前述したように第1シャッター11にハイレベルを出力し続ける。
【0089】
このように、ホログラム装置、ディスク媒体22に振動が発生していない場合、微分回路38からの微分結果を示す電圧は基準電圧Vref(X)よりもローレベルとなり、また、微分回路39からの微分結果を示す電圧は基準電圧Vref(Y)よりもローレベルとなることから、第1シャッター11が閉状態(OFF)とされることなく、ホログラム装置による記録処理が行われることとなる。
【0090】
次に、ホログラム装置、ディスク媒体22に振動が発生した場合について説明する。尚、このとき発生した振動の左右方向における振幅レベルは、図5・t2において示すとおり、微分回路38からの微分結果を示す電圧が、基準電圧Vref(X)よりもハイレベルとなるものとする。
【0091】
前述したようにディスク媒体22に入射されたサーボレーザービームの一部は、ホログラム装置、ディスク媒体22が左右上下方向に振動されている状態(以下、振動状態と略する)において、ディスク媒体22の端面から出力してPSD33に入射する。
【0092】
PSD33は、振動状態において入射されたサーボレーザービームの径のX方向における位置に応じたアナログ電気信号(X)をカップリングコンデンサ36、ADC34に出力する。また、PSD33は、入射されたサーボレーザービームの径のY方向における位置に応じたアナログ電気信号(Y)をカップリングコンデンサ37、ADC35に出力する。尚、このときPSD33から出力されるアナログ電気信号(X)は、前述したように左右方向(図4参照)における振動の振幅レベルを示し、アナログ電気信号(Y)は、前述したように上下方向における振動の振幅レベルを示していることとなる。
【0093】
カップリングコンデンサ36は、PSD33からのアナログ電気信号(X)の直流分をカットして、アナログ電気信号(X)の交流分を微分回路38に出力する。同様に、カップリングコンデンサ37は、PSD33からのアナログ電気信号(Y)の直流分をカットして、アナログ電気信号(Y)の交流分を微分回路39に出力する。
【0094】
微分回路38は、基準電圧発生部40からの予め定められた電圧値が重畳されたアナログ電気信号(X)の交流分に対し微分を行い、微分結果を示す電圧を比較器42出力する。尚、このときの微分結果を示す電圧のレベルは、図5・微分回路38出力(t2)にて示すレベルとなる。同様に、微分回路39は、基準電圧発生部41からの予め定められた電圧値が重畳されたアナログ電気信号(Y)の交流分に対し微分を行い、微分結果を示す電圧を比較器43出力する。尚、このときの微分結果を示す電圧のレベルは、図5・微分回路39出力(t2)にて示すレベルとなる。
【0095】
比較器42は、微分回路38からの微分結果を示す電圧が、DSP31からの基準電圧Vref(X)よりハイレベルであるか否かを比較する。そして、このとき比較器42は、微分回路38からの微分結果を示す電圧が、DSP31からの基準電圧Vref(X)よりハイレベルであると判別して、OR回路44に一方の論理値‘1’を出力する。同様に、比較器43は、微分回路39からの微分結果を示す電圧が、DSP31からの基準電圧Vref(Y)よりハイレベルであるか否かを比較する。そして、このとき比較器43は、微分回路39からの微分結果を示す電圧が、DSP31からの基準電圧Vref(Y)よりローレベルであると判別して、OR回路44に他方の論理値‘0’を出力する。
【0096】
OR回路44は、比較器42からの出力が一方の論理値‘1’であるため、一方の論理値‘1’をOR回路45、DSP31に出力する。
OR回路45は、OR回路44からの出力が一方の論理値‘1’であるため、一方の論理値‘1’をTFF32に出力する。
【0097】
TFF32は、OR回路45からの一方の論理値‘1’が入力されると、ローレベルを第1シャッター11に出力して、第1シャッター11を閉状態(OFF)とする(図5・第1シャッター(t2))。第1シャッター11は、TFF32からのローレベルが出力されている期間、閉状態となる。そのため、レーザー装置10からのレーザービームが1/2波長板49に入射されなくなる。つまり、データビーム、参照ビームがディスク媒体22に入射されなくなり、干渉縞の形成が停止されることとなる。
【0098】
DSP31は、OR回路44からの一方の論理値‘1’が入力されると(S108・YES)、第1のタイマ46の計時をストップさせる(S111)。DSP31は、ADC34からのディジタルデータP(X)を受信する(S112・YES)。そして、DSP31は、ADC34からのディジタルデータP(X)が、所定レベルI(X)以下であるか否かを判別する(S113)。尚、前述したとおりディジタルデータP(X)は、左右方向における振動の振幅レベルを示すものである。そのため、左右方向における振動が発生している場合においては、図5(t2)に示すレベルのディジタルデータP(X)となる。DSP31は、ADC34からのディジタルデータP(X)が所定レベルI(X)以下でないと判別すると(S113・NO)、ディジタルデータP(X)の立下りで第2のタイマ47の計時をスタートさせる(S114)。そして、DSP31は、第2のタイマ47が予め定められた期間t(X)に達したか否かを判別する(S115)。同様に、DSP31は、ADC35からのディジタルデータP(Y)を受信する(S117・YES)。DSP31は、ADC35からのディジタルデータP(Y)が、所定レベルI(Y)以下であるか否かを判別する(S118)。尚、前述したとおりディジタルデータP(Y)は、上下方向における振動の振幅レベルを示すものである。DSP31は、ADC35からのディジタルデータP(Y)が、所定レベルI(Y)以下でないと判別すると(S118・NO)、ディジタルデータP(Y)の立下りで第3のタイマ48の計時をスタートさせる(S119)。そして、DSP31は、第3のタイマ48が予め定められた期間t(Y)に達したか否かを判別する(S120)。DSP31は、第2のタイマ47の計時が予め定められた期間t(X)に達したと判別し(S115・YES)、第3のタイマ48の計時が予め定められた期間t(Y)に達したと判別したとき(S120・YES)、第1のタイマ46を再びスタートさせ(S122)、TFF32にトリガー信号を出力する(S107。図3・トリガー信号(t3))。尚、DSP31は、第2のタイマ47の計時が予め定められた期間t(X)に達するまでに次のディジタルデータP(X)を受信したときは、次のディジタルデータP(X)が所定レベルI(X)以下であるか否かを判別する(S116)。そして、DSP31は、次のディジタルデータP(X)が所定レベルI(X)以下でないと判別すると(S116・NO)、再び次のディジタルデータI(X)の立下りで第2のタイマ47をリセットさせ、計時をスタートさせる(S114)。また、DSP31は、次のディジタルデータP(X)が所定レベルI(X)であると判別すると(S116・YES)、第2のタイマ47の計時を継続する。次のディジタルデータP(Y)についても同様である。尚、ADC34、35からのDSP31に送信されるディジタルデータP(X)・P(Y)は論理値‘1’‘0’の組み合わせで表されるバイナリデータであり、説明の便宜上、図5においては、このバイナリデータに応じたレベルにてディジタルデータP(X)・P(Y)を示したものである。
【0099】
TFF32は、DSP31からのトリガー信号が入力されると、ハイレベルを出力して第1シャッター11を開状態(ON)とする(図5・第1シャッター(t3))。第1シャッター11は、TFF32からのハイレベルが出力されている期間、開状態となる。そのため、レーザー装置10からのレーザービームが1/2波長板49に再び入射される。つまり、データビーム、参照ビームがディスク媒体22に再び入射され、第1のページを示す干渉縞の形成が再び開始されることとなる。そして、図5(t4)に示すホログラム装置、ディスク媒体22に対する振動が発生する期間まで、前述した第1のページを示す干渉縞を形成するための処理が行われることとなる。また、図5(t4)に示すホログラム装置、ディスク媒体22に対する上下方向における振幅レベルの振動が発生した場合においても、図5(t2)に示す振幅レベルの信号が発生した場合と同様の処理が行われることとなる。
【0100】
DSP31は、前述したように第1のタイマ46がスタート・ストップを繰り返すことにより、第1のタイマ46の計時がレーザービーム照射時間T1(図5・T1(a)+T1(b)+T1(c))に達したと判別すると(S109・YES)、OR回路45に一方の論理値‘1’を出力する(S110)。また、DSP31は、第1のタイマ46の計時がレーザービーム照射時間T1に達したと判別したときの判別結果をCPU1に送信する。
【0101】
OR回路45は、DSP31からの出力が一方の論理値‘1’であるため、一方の論理値‘1’をTFF32に出力する。
TFF32は、OR回路45からの一方の論理値‘1’が入力されると、ローレベルを第1シャッター11に出力して、第1シャッター11を閉状態(OFF)とする(図5・第1シャッター(t5))。第1シャッター11は、TFF32からのローレベルが出力されている期間、閉状態となる。
【0102】
CPU1は、DSP31からの判別結果に基づいて、第1のページがディスク媒体22に形成されたと判別し、第2のページ(ディスク媒体22に形成される第2のホログラム)のホログラムをディスク媒体22に形成すべく、前述した記録指示信号をDSP31に再び送信する。また、CPU1は、角度多重記録を実行すべくガルボミラー16の角度を変化させるための指示信号をガルボミラー制御部17に送信する(図5・ガルボミラー制御部17指示信号(t5))。更に、CPU1は、第2のページに応じたページデータをDSP31に送信する。
そして、前述した第1のページをディスク媒体22に記録させるための処理と同様に、第2のページをディスク媒体22に形成する。
【0103】
CPU1は、第2のページがディスク媒体22に形成された後のDSP31からの判別結果を受信すると、再生・記録判別部6からのデータ量の情報に基づいて算出したページ数のホログラムがディスク媒体22に形成されたと判別し、第2シャッター制御部15に第2シャッター14を閉状態とするための指示信号を送信する。
第2シャッター制御部15は、CPU1からの指示信号に基づいて、第2シャッター14に閉状態指示信号を送信する(図5・第2シャッター閉状態指示信号(t7))。
第2シャッター14は、第2シャッター制御部15からの閉状態指示信号に基づいて、閉状態となる(図5・第2シャッター(t7))。
【0104】
このように、第1のタイマ46が第1のページ(又は第2のページ)に応じたレーザービーム照射時間Tを計時するまで、データビーム、参照ビームがディスク媒体22に照射されることとなる。したがって、ホログラム記録媒体には、所定値以下の間隔で干渉縞が形成されることとなる。また、データビーム、参照ビームがディスク媒体22に照射される間に、所定の振幅レベルの振動が生じた場合、微分回路38、39が振動によるPSD33にて検出されるサーボレーザービームの変化を算出することが可能となり、第1シャッターを閉状態とすることが可能となる。また、DSP31にて振動の振幅レベルと、所定の振動の振幅レベルとを比較することによって、ホログラム装置、ディスク媒体22に発生した振動が、所定の振動の振幅レベル以下になったか否かを判別することができる。したがって、ホログラム装置、ディスク媒体22に振動が発生しても、所定値以下の間隔で干渉縞を形成することが可能となる。
【0105】
尚、上述した実施形態によれば、PSD33からのアナログ電気信号(X)(Y)に基づいて、カップリングコンデンサ36、37、微分回路38、39、基準電圧発生部40、41、比較器42、43、OR回路44、45、TFF32のハードウェアを用いることによって、前述したようにレーザービームの制御を行っているがこれに限るものではない。例えば、DSP31にて処理が可能であれば、ADC34、35からのディジタルデータP(X)、P(Y)から前述した処理をソフトウェアで行うことも可能である。
【0106】
上述した実施形態によれば、ディスク媒体22やホログラム装置に振動が生じた場合、厳密な間隔で形成されるべきホログラムに対する当該振動による影響を防止することが可能となる。
【0107】
また、ディスク媒体22やホログラム装置に振動が発生した場合、微分回路38、39からの微分結果を示す電圧をもって効果的にアナログ電気信号(X)の変化の割合を算出することが可能となる。この結果、確実に振動が発生したことを確実に検出し、厳密な間隔でのホログラムの形成が可能となり、振動による誤った間隔によるホログラムの形成を防止することが可能となる。
【0108】
また、ディスク媒体22やホログラム装置に振動が発生し続けている場合の振動の振幅レベルの検出が可能となる。この結果、振動が、厳密な間隔でホログラムを形成するための許容範囲となる振動の振幅レベルとなった場合、ホログラムの形成を許可することが可能となる。
【0109】
また、第1タイマ46がレーザービーム照射時間T1を計時したとき第1シャッター11を閉状態とすることにより、データビームと参照ビームがディスク媒体22へ入射され続けることよって、所定の回折効率を有するホログラムを形成することが可能となる。
【0110】
また、ホスト機器からのデータを、CPU1にて算出されたページ数のホログラムを形成することが可能となり、また、各ホログラムを所定の回折効率を有するホログラムとすることが可能となる。この結果、所定の回折効率を超えるホログラムが、ディスク媒体22に形成されることを防止することができ、モノマーの消費を制御することが可能となる。
【0111】
また、第1シャッター11のみを設けることにより、レーザービームを遮断することが可能となり、シャッターを設けるための費用の軽減や、ホログラム装置の構成の煩雑さを防止することが可能となる。
【0112】
また、サーボレーザービームを用いてチルト補正を行うことが可能となり、チルト補正のための新たなビームを別途設ける必要がなくなり、費用の軽減や、ホログラム装置の構成の煩雑さを防止することが可能となる。
【0113】
また、ディスク媒体22やホログラム装置に振動が生じた場合、当該振動の影響が反映され易いディスク媒体22の端面からのサーボレーザービームを受光することによって、確実に振動が生じたことを検出することが可能となる。
【0114】
更に、上下方向および左右方向における振動の検出が可能となり、厳密な間隔でのホログラムの形成が可能となる。この結果、上下方向および左右方向の振動による誤った間隔によるホログラムの形成を防止することが可能となる。
【0115】
尚、本実施形態においては、ホログラムを形成することが可能なディスク媒体22について記述しているがこれに限るものではない。例えば、市場において流通している映像データ等が記録された媒体(例えばCD(Compact Disk)やDVD(Digital Versatile Disk))の振動を検出すべく設けても良い。この場合、振動を検出するためのレーザービームを出射するレーザー装置を設け、当該レーザー装置からのレーザービームを入射し、媒体内部を伝播して出射されたレーザービームをPSD33にて受光する。そして、PSD33からの振動のレベルを示すアナログ電気信号に基づいて、前述したように、振動の発生、振動が継続しているか否かを判別するように設けても良い。
【0116】
=== その他の実施の形態 ===
以上、ホログラム装置、ディスク媒体22への振動に対する、本発明に係る振動検出装置、ホログラム装置によるレーザービームの制御について説明したが、上記の説明は、本発明の理解を容易とするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得る。
【0117】
<<PSDにて受光するレーザービームのその他の形態>>
本実施形態においては、サーボレーザー装置から出射されるサーボレーザービームを用いて、ディスク媒体22内で反射されたサーボレーザービームをPSD33にて受光しているが、これに限るものではない。
【0118】
図7に示すように、例えば、ディスク媒体22に形成されたホログラムに影響ない所定波長のレーザービームを出射するレーザー装置50を、PSD33が設けられた端面の逆側の端面に別途設ける。そして、このレーザー装置50から出射されるレーザービームを、ディスク媒体22に照射させる。ディスク媒体22内を透過して端面から出力されるレーザービームをPSD33にて受光するように設けても良い。例えば、図7に示すディスク媒体22がディスク媒体22(a)の位置へ振動によって傾くと、レーザー装置50からのレーザービームは、破線で示すようにディスク媒体22(a)中を反射して、PSD33に入射される。そして、振動が発生したときのレーザービームを受光した位置と、振動が発生していないときのレーザービームを受光した位置は異なることとなり、振動の発生及び振動の振幅レベルをアナログ電気信号(X)・(Y)にて検出することが可能となる。
【0119】
<<PSDが受光する位置>>
本実施形態においては、PSD33は、ディスク媒体22の端面から出射されるサーボレーザービームの一部を受光しているが、これに限るものではない。
【0120】
本実施形態においては、ディスク媒体22とディスク駆動部25とは、ディスク媒体22の面(つまり、ディスク媒体を構成するガラス基板の中心)の中央で接続されている。そのため、ホログラム装置、ディスク媒体22にて発生した振動は、ディスク媒体22の端面にて最も大きいレベルの振幅で現れることとなる。よって、微小な振幅レベルの振動であっても、その振動が発生したことを微分回路38、39にて算出可能とすべく、PSD33をディスク媒体22の端面に設けたものである。したがって、ホログラム装置、ディスク媒体22に発生した振動を、PSD33にて検出可能であれば、必ずしも端面に設ける必要はない。例えば、ディスク媒体22にて反射、透過されたレーザービームから振動の検出が可能であれば、反射されたレーザービームを受光可能な位置にPSD33を設けても良いし、透過されたレーザービームを受光可能な位置にPSD33を設けても良い。
【0121】
尚、上述した実施形態及びその他の実施形態においては、ディスク形状又は多角形の形状の媒体に対して振動を検出するための振動検出装置、ホログラム装置について説明したが、これに限るものではない。振動の発生を検出するための上述のレーザー光が内部を伝播される全ての媒体(例えば、カード型の媒体)に対して、本発明に係る振動検出装置、ホログラム装置は適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】本発明に係る振動検出装置、ホログラム装置の全体構成の一例を示す図である。
【図2】レーザービームのエネルギーに応じてモノマーがポリマーへと変化するときの様子を模式化した図である。
【図3】角度多重記録におけるブックとページを模式的に示した図である。
【図4】サーボレーザービームの反射、屈折、透過の一例を示す模式図である。
【図5】本発明に係る振動検出装置、ホログラム装置の動作の一例を示すタイミングチャートである。
【図6】本発明に係る振動検出装置、ホログラム装置を構成するDSP31の動作の一例を示すフローチャートである。
【図7】媒体の端面から端面へ伝播されるレーザー光の様子を示す図である。
【符号の説明】
【0123】
1 CPU 2 メモリ
3 インタフェース 4 接続端子
5 バッファ 6 再生・記録判別部
7 エンコーダ 8 マッピング処理部
9 SLM 10 レーザー装置
11 第1シャッター 12 第1シャッター制御部
13 PBS 14 第2シャッター
15 第2シャッター制御部 16 ガルボミラー
17 ガルボミラー制御部 18 ダイクロックミラー
19 サーボレーザー装置 20 スキャナレンズ
21 フーリエ変換レンズ 22 ディスク媒体
23 ディテクタ 24 ディスク制御部
25 ディスク駆動部 26 フーリエ変換レンズ
27 イメージセンサ 28 イメージセンサ制御部
29 フィルタ 30 デコーダ
31 DSP 32 TFF
33 PSD 34、35 ADC
36、37 カップリングコンデンサ 38、39 微分回路
40、41 基準電圧回路 42、43 比較器
44、45 論理和演算回路 46、47、48 タイマ
49 1/2波長板 50 レーザー装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動の有無を検出するための振動検出用ビームを媒体に入射させる振動検出用ビーム発生部と、
前記振動検出用ビーム発生部からの前記振動検出用ビームが前記媒体に入射された後、当該媒体内部を伝播して出射される前記振動検出用ビームを受光し、受光した位置が予め定められた範囲内であるか否かを判別する受光判別部と、
前記受光判別部が受光した位置が前記予め定められた範囲内でないと判別したときの判別結果に基づいて、前記媒体と前記振動検出用ビーム発生部のうち少なくとも一方が振動していることを示す信号を出力する出力部と、
を有することを特徴とする振動検出装置。
【請求項2】
記録すべきデータに対応した可干渉性のデータビームと、可干渉性の参照ビームと、をホログラム記録用媒体へ入射させ、前記データをホログラムとして前記ホログラム記録用媒体に記録させるホログラム装置において、
前記データビーム及び前記参照ビームに対し非干渉性を有するとともに振動の有無を検出するための振動検出用ビームを、前記ホログラム記録用媒体に入射させる振動検出用ビーム発生部と、
前記振動検出用ビーム発生部からの前記振動検出用ビームが前記ホログラム記録用媒体に入射された後、当該ホログラム記録用媒体内部を伝播して出射される前記振動検出用ビームを受光し、受光した位置が予め定められた範囲内であるか否かを判別する受光判別部と、
受光した位置が前記予め定められた範囲内でないと前記受光判別部が判別したときの判別結果に基づいて、前記データビームと前記参照ビームのうち少なくとも一方の前記ホログラム記録用媒体への入射を遮断する遮断部と、
を有することを特徴とするホログラム装置。
【請求項3】
前記受光判別部の判別結果に応じて、前記受光した位置と、当該受光した位置にて前記受光判別部が受光する前に受光した位置と、の変化量を算出する変化量算出部と、
前記変化量算出部にて算出された変化量が所定変化量未満であるか否かを判別する変化量判別部と、を有し、
前記遮断部は、前記変化量算出部にて算出された変化量が前記所定変化量以上であることを示す前記変化量判別部の判別結果に基づいて、前記データビームと前記参照ビームのうち少なくとも一方の前記ホログラム記録用媒体への入射を遮断する、
ことを特徴とする請求項2に記載のホログラム装置。
【請求項4】
前記受光判別部の判別結果に応じて、前記ホログラム記録用媒体と前記振動検出用ビーム発生部のうち少なくとも一方の振動量を算出する振動量算出部と、
前記振動量算出部にて算出された振動量が所定振動量未満であるか否かを判別する振動量判別部と、を有し、
前記遮断部は、前記振動量算出部にて算出された振動量が前記所定振動量未満であることを示す前記振動量判別部の判別結果に基づいて、前記データビームと前記参照ビームのうち少なくとも一方の前記ホログラム記録用媒体への入射を許可する、
ことを特徴とする請求項2または請求項3の何れかに記載のホログラム装置。
【請求項5】
前記ホログラムを形成可能な基準期間を算出する期間算出部と、
前記データビームと前記参照ビームが前記ホログラム記録用媒体へ入射されている期間の合計期間が、前記基準期間に達したか否かを判別する期間判別部と、を有し、
前記遮断部は、前記合計期間が前記基準期間に達したことを示す前記期間判別部の判別結果に基づいて、前記データビームと前記参照ビームのうち少なくとも一方の前記ホログラム記録用媒体への入射を遮断する、
ことを特徴とする請求項2乃至請求項4の何れかに記載のホログラム装置。
【請求項6】
前記データのデータ量に基づいて、前記ホログラム記録用媒体に形成させるホログラムのページ数を算出するページ数算出部と、
前記参照ビームの前記ホログラム記録用媒体への入射角度を定めるべく、当該参照ビームを偏向する偏向部と、
前記参照ビームの前記入射角度を変化させるべく、前記偏向部の偏向角度を変化させる偏向制御部と、を有し、
前記期間算出部は、前記基準期間を前記ページ数算出部にて算出されたページ数に応じて順次算出し、
前記期間判別部は、前記合計期間が前記基準期間に達したか否かを順次判別し、
前記偏向制御部は、前記ページ数算出部にて算出されたページ数に応じて、前記偏向部の偏向角度を順次変化させ、
前記偏向部は、前記偏向制御部によって順次変化された偏向角度にて前記参照ビームを順次偏向し、
前記合計期間が前記基準値に達したと前記期間判別部が順次判別するまでの期間、前記偏向部にて順次偏向させた前記参照ビームと、前記データビームと、を前記ホログラム記録用媒体に入射させることによって、前記ページ数算出部にて算出されたページ数のホログラムを形成する、
ことを特徴とする請求項5に記載のホログラム装置。
【請求項7】
前記データビームと前記参照ビームは、同一のレーザービームから分離されたものであり、
前記遮断部は、前記レーザービームが分離される直前までの当該レーザービームの光路に設けられる、
ことを特徴とする請求項2乃至請求項6の何れかに記載のホログラム装置。
【請求項8】
前記振動検出用ビームが前記ホログラム記録用媒体を透過または反射したときの当該前記振動検出用ビームに基づいて、前記ホログラム記録用媒体のチルト補正を行うための制御信号を送信するサーボ制御部と、
前記サーボ制御部からの前記制御信号に基づいて、前記ホログラム記録用媒体のチルト補正を行うサーボ駆動部と、を有する、
ことを特徴とする請求項2乃至請求項7の何れかに記載のホログラム装置。
【請求項9】
前記ホログラム記録用媒体は、ディスク媒体であって、
前記受光判別部は、前記振動検出用ビームが前記ホログラム記録用媒体に入射された後、当該ホログラム記録用媒体内を伝播して端面から出射される前記振動検出用ビームを受光する、
ことを特徴とする請求項2乃至請求項8の何れかに記載のホログラム装置。
【請求項10】
前記受光判別部は、前記ディスク媒体のディスク面に対して垂直となる垂直方向位置と、前記ディスク面に対して水平となる水平方向位置と、を判別し、
前記受光判別部の判別結果に応じて、受光した垂直方向位置と、当該受光した垂直方向位置にて前記受光判別部が受光する前に受光した垂直方向位置と、の変化量を算出する垂直方向変化量算出部と、
前記受光判別部の判別結果に応じて、受光した水平方向位置と、当該受光した水平方向位置にて前記受光判別部が受光する前に受光した水平方向位置と、の変化量を算出する水平方向変化量算出部と、
前記垂直方向変化量算出部にて算出された変化量が所定変化量未満であるか否かを判別する垂直方向変化量判別部と、
前記水平方向変化量算出部にて算出された変化量が所定変化量未満であるか否かを判別する水平方向変化量判別部と、
前記受光判別部の判別結果に応じて、前記ディスク媒体と前記振動検出用ビーム発生部のうち少なくとも一方の前記垂直方向位置における振動量を算出する垂直方向振動量算出部と、
前記受光判別部の判別結果に応じて、前記ディスク媒体と前記振動検出用ビーム発生部のうち少なくとも一方の前記水平方向位置における振動量を算出する水平方向振動量算出部と、
前記垂直方向振動量算出部にて算出された振動量が所定振動量未満であるか否かを判別する垂直方向振動量判別部と、
前記水平方向振動量算出部にて算出された振動量が所定振動量未満であるか否かを判別する水平方向振動量判別部と、を有し、
前記遮断部は、
前記垂直方向変化量算出部にて算出された変化量が前記所定変化量以上であることを示す前記垂直方向変化量判別部の判別結果、または、前記水平方向変化量算出部にて算出された変化量が前記所定変化量以上であることを示す前記水平方向変化量判別部の判別結果、の何れかに基づいて、前記データビームと前記参照ビームのうち少なくとも一方の前記ディスク媒体への入射を遮断し、
前記垂直方向振動量算出部にて算出された振動量が前記所定振動量未満であることを示す前記垂直方向判別部の判別結果と、前記水平方向振動量算出部にて算出された振動量が前記所定振動量未満であることを示す前記水平方向判別部の判別結果と、に基づいて、前記データビームと前記参照ビームのうち少なくとも一方の前記ディスク媒体への入射を許可する、
ことを特徴とする請求項9に記載のホログラム装置。
【請求項11】
振動の有無を検出するための振動検出用ビームを振動検出用ビーム発生部から媒体に入射させ、
前記振動検出用ビーム発生部からの前記振動検出用ビームが前記媒体に入射された後、当該媒体内部を伝播して出射される前記振動検出用ビームを受光し、
受光した位置が予め定められた範囲内であるか否かを判別し、
前記受光判別部が受光した位置が前記予め定められた範囲内でないと判別したとき、前記媒体と前記振動検出用ビーム発生部のうち少なくとも一方が振動していることを示す信号を出力する、
ことを特徴とする媒体の振動検出方法。
【請求項12】
記録すべきデータに対応した可干渉性のデータビームと、可干渉性の参照ビームと、をホログラム記録用媒体へ入射させ、前記データをホログラムとして前記ホログラム記録用媒体に記録させるホログラム装置の記録方法であって、
前記データビーム及び前記参照ビームに対し非干渉性を有するとともに振動の有無を検出するための振動検出用ビームを、前記ホログラム記録用媒体に入射させ、
前記振動検出用ビームが前記ホログラム記録用媒体に入射された後、当該ホログラム記録用媒体内部を伝播して出射される前記振動検出用ビームを受光し、
受光した位置が予め定められた範囲内であるか否かを判別し、
受光した位置が前記予め定められた範囲内でないと判別したとき、前記データビームと前記参照ビームのうち少なくとも一方の前記ホログラム記録用媒体への入射を遮断する、
を有することを特徴とするホログラム装置の記録方法。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2007−212221(P2007−212221A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−30917(P2006−30917)
【出願日】平成18年2月8日(2006.2.8)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(501182197)インフェイズ テクノロジーズ インコーポレイテッド (28)
【Fターム(参考)】