説明

振動片のマウント装置及びマウント方法、圧電振動子、並びにこれを備える発振器、電波時計、電子機器

【課題】 振動片のマウント工程において、プラグのステム表面の半田メッキ層を溶融させることなく、インナーリードと振動片のマウント部とを半田接合することが可能な振動片のマウント装置とマウント方法、及びこれらを用いて製造した圧電振動子を提供する。
【解決手段】 プラグのインナーリードに、圧電材料からなる振動片のマウント部を接合する振動片のマウント装置であって、前記プラグを支持するプラグ支持体と、前記プラグ支持体に隣接して配置され、前記振動片を支持する振動片支持体と、前記振動片支持体の上方に配置され、前記インナーリードと前記マウント部に高温ガスを噴射するガス噴射手段と、前記ガス噴射手段と前記プラグ支持体との間に配置され、前記ガス噴射手段から噴射される高温ガスの、前記プラグ支持体側への回り込みを防止する高温ガス遮断手段と、を有する振動片のマウント装置とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動片のマウント装置及びマウント方法、圧電振動子、並びにこれを備える発振器、電波時計、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
時計や発振器、電子機器等の工業製品の製造に不可欠な電子素子として、圧電振動子があり、時刻源やタイミング源あるいは信号の基準源として用いられている。この圧電振動子のパッケージとして、円筒状のシリンダ型パッケージが慣用されている(例えば、特許文献1参照。)。このシリンダ型パッケージの圧電振動子について、図面を参照して説明する。
【0003】
図8は、シリンダ型パッケージ圧電振動子(以下、圧電振動子と略す。)の構成の一例を示す斜視図である。この図8では、圧電振動子の内部構造の説明のため、円筒状のケースが透明体であると仮定して示してある。図9は、圧電振動子のプラグの構成の一例を示す断面図である。
【0004】
図8に示すように、圧電振動子1は、有底円筒状の金属製ケース6内に一対の音叉腕を有する音叉型の水晶振動片2を備えている。この水晶振動片2の基部には一対のマウント部2aが設けられ、一対のリード3のインナーリード3aと電気的に接続されている。この一対のリード3は、気密端子とも呼ばれるプラグ5の環状のステム4内を貫通し、アウターリード3bとなって、図示しない外部の駆動電圧源に接続される。金属製のケース6とプラグ5の環状のステム4とは気密に嵌合されており、ケース6内は水晶振動片2の屈曲振動の妨げにならないように真空状態に保たれている。
【0005】
図9に示すように、プラグ5は、環状のステム4内に貫通するリード3を、絶縁材料であるほう珪酸ガラス7を介して埋め固めて構成させたものである。ステム4は、鉄とニッケルの合金からなっており、その表面は、下地用の銅メッキ層4aが形成された後、錫および鉛からなる半田メッキ層4b(図12参照)が形成されている。尚、メッキ層は、その他に、鉛の代替材料として、銅を添加したSnCuメッキや、更にSnCuメッキ表面に銀メッキを施したものなどが適宜選択される。
【0006】
この圧電振動子1の製造においては、金属製のケース6をプラグ5に嵌合する前の工程で、水晶振動片2の一対のマウント部2aとインナーリード3aとが半田や導電性接着剤によって接合される工程を有する。この工程はマウント工程と呼ばれる。以下に、半田メッキを用いたマウント工程について、図面を参照して説明する。
【0007】
図10及び図11は、マウント工程で用いられる従来の振動片のマウント装置の一例を示す図であり、図10は、振動片の長手方向における断面図、図11は、図10における切断線XI−XIでの断面図である。図10において、符号10は支持台を示しており、この支持台10上にはパイレックスガラスからなる振動片支持体11が設けられている。この振動片支持体11によって、水晶振動片2が所定位置に載置状態で支持される。マウント装置には、支持台10に対して水晶振動片2の長手方向に隣接するように、プラグ支持体であるノッチプレート12が配置されている。
【0008】
図11に示すように、ノッチプレート12の四角形状に切り欠かれたノッチ部13には、プラグ5の径方向が規制されるように支持される。図11においては、プラグ5の外径に対してノッチ部13の幅寸法が比較的大きめに描かれているが、実際にプラグ5が嵌入された状態では、プラグ5の左右の動きが拘束される。プラグ5の左右の動きが拘束されることにより、インナーリード3aが、振動片支持体11上に載置された水晶振動片2のマウント部2aに対して正しく位置決めされる。インナーリード3aがマウント部2aに対して位置決めされた状態で、上方からインナーリード押さえ14によって押圧され、インナーリード3aがマウント部2aに接触する。
【0009】
この状態で、ヒータ15aが内蔵されたノズル15の先端から、水晶振動片2のマウント部2aとインナーリード3aとの接合部分16に向けて、所定温度に加温された例えば窒素ガスが吹き付けられる。これにより、インナーリード3aの表面に予めメッキされた半田が溶融して、その一部がマウント部2a側に流れる。このようにして、マウント部2aとインナーリード3aとの半田接合が行われる。
【特許文献1】特開2002−94354号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
前述した従来の振動片のマウント装置を用いたマウント方法にあっては、次の問題があった。
図11に示すように、ノズル15の先端から吹き出される加温された窒素ガスの一部が、インナーリード押さえ14と振動片支持体11との間に形成される左右の隙間Sを通って、プラグ5の下面とノッチ部13の底面との間に形成される空間部17に流れ込む場合がある。
【0011】
この隙間Sは、図11におけるプラグ5の水平方向の直径寸法部分では、プラグ5の動きが拘束される程度の微小な寸法であるが、直径寸法部分より少し下側の位置では、ノッチ部13の平面状の側面との間で大きめの寸法となる。この大きめの隙間Sが、さらにその下方の空間部17に繋がっている。この空間部17に流れ込む窒素ガスの多くが、プラグ5を構成するステム4の円筒表面を流体力学的に沿うように流れ、ノズル15が設けられている方向とは反対方向にある円筒表面部に集中することとなる。このように、温度の高い窒素ガスがステム4のノズル15とは反対方向にある下部に集中するため、集中部に位置するステム4の半田メッキ層4b(図12参照)が溶け出すという現象が発生することがある。
【0012】
このステム4の半田メッキ層4bが溶融することによる問題点について、図12及び図13を用いて説明する。図12は、図9におけるプラグのマウント工程後のXII円部拡大図であり、(a)は、好ましい正常な状態を示す図、(b)は、好ましくない状態を示す図である。図13は、図9における矢印XIII方向から見たケースへの圧入工程後のプ
ラグの底面図であり、(a)は、好ましい正常な状態を示す図、(b)は、好ましくない状態を示す図である。
【0013】
半田メッキ層4bが溶融すると、さらに、次のような不具合を生じさせる。すなわち、溶け出した半田メッキ層4bの一部が、半径寸法が拡大または縮小する方向に流動するため、ステム4の真円度が低下する。ステム4の真円度が低下してしまうと、その後のケース圧入工程においてプラグ5をケース6に圧入するにあたり、押圧荷重を正常時よりも大きくする必要がある。
【0014】
また、半田メッキ層4bの溶融においては、図12(b)に示すように、ステム4のエッジ部分4eの半田メッキ層4bの一部が、白抜き矢印で示す窒素ガスの流れの方向に沿ってステム4の底面側に移動して凸状部を形成してしまう場合もある。この場合、ケース圧入工程において、底面側の半田メッキ層4bの凸状部分がプラグ5の受け治具に局部的に強く押し付けられることとなり、図13(b)に示すように、ステム4の底部へはみ出してしまう。このはみ出した部分4bbがアウターリード3bと接触してショートの原因となって、発振不良を起こすおそれがあった。
【0015】
なお、図12(a)、図13(a)は、それぞれ半田メッキ層4bが溶融していない正常な状態を示しているが、これらの好ましい正常な状態と好ましくない状態について改めて説明する。図12(a)に示すように、正常な状態の半田メッキ層4bは、マウント工程後であってもその厚みがほぼ均一な状態に保たれている。これに対して図12(b)では、エッジ部分4eにおける半田メッキ層4bが、想像線で示す元の厚みよりも薄くなるとともに、このエッジ部分4eの内径側が盛り上がるように厚くなっている。
【0016】
また、マウント工程で半田メッキ層4bが溶融することなく、正常な状態を保ってケースに圧入されたプラグ5の底面は、図13(a)に示すように、ほぼ線対称かつ点対称の形状となる。ここで、図13(a)で半田メッキ層を示す符号4bが引き出されている上下2箇所の細かな斑点模様を入れた部分は、ケース圧入工程においてプラグ5の受け治具に押し付けられた部分を示している。これら斑点模様入り半田メッキ層4bの間の、左右の模様なしの無地で示された底面の半田メッキ層4bは、プラグ5の受け治具に設けられている一対のアウターリード3bの干渉防止用逃げ溝の位置に配置されたため、圧入時の荷重を受けていない。図13(a)に示すように、正常な状態を保ってケースに圧入されたプラグ5の底面は、ケース圧入時の荷重を受けなかった半田メッキ層4bに対して、荷重を受けた半田メッキ層4bの外径が均一に微小寸法拡大している。また、内径は均一に微小寸法縮小しており、ケース圧入時の荷重が均等に分散されている。
【0017】
これに対して、マウント工程で半田メッキ層4bが溶融し、好ましくない状態でケースに圧入されたプラグ5の底面は、図13(b)に示すように半田メッキ層4bの形状が大きく乱れており、ケース圧入時の荷重が不均一に加わっている。以上説明したように、マウント工程で半田メッキ層4bが溶融することは、圧電振動子製造における後工程及び圧電振動子の製造品質に大きな影響を与える。
【0018】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは振動片のマウント工程において、プラグのステム表面の半田メッキ層を溶融させることなく、インナーリードと振動片のマウント部とを半田接合することが可能な振動片のマウント装置とマウント方法、及びこれらを用いて製造した圧電振動子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は、前記課題を解決するために、以下の構成を採用した。
すなわち、第1の発明に係る振動片のマウント装置は、プラグのインナーリードに、圧電材料からなる振動片のマウント部を接合する振動片のマウント装置であって、前記プラグを支持するプラグ支持体と、前記プラグ支持体に隣接して配置され、前記振動片を支持する振動片支持体と、前記振動片支持体の上方に配置され、前記インナーリードと前記マウント部に高温ガスを噴射するガス噴射手段と、前記ガス噴射手段と前記プラグ支持体との間に配置され、前記ガス噴射手段から噴射される高温ガスの、前記プラグ支持体側への回り込みを防止する高温ガス遮断手段と、を有することを特徴とする。
【0020】
第1の発明に係る振動片のマウント装置によれば、高温ガス遮断手段によって、ガス噴射手段から噴射された高温ガスが、前記プラグ支持体側へ回り込まないように遮断する。つまり、インナーリードの表面に付着している半田を溶融させるためにガス噴射手段から噴射された高温ガスは、前記半田を溶融させる際に、プラグの外周側に回り込もうとする場合がある。このような場合に、前記高温ガス遮断手段によって、高温ガスがプラグの外周に回り込むことが防止される。このため、プラグを構成するステム表面のメッキ層が高温になることを防止でき、該メッキ層が溶け出して変形することを防止できる。
【0021】
第2の発明に係る振動片のマウント装置は、プラグのインナーリードに、圧電材料からなる振動片のマウント部を接合する振動片のマウント装置であって、前記プラグを支持するプラグ支持体と、前記プラグ支持体に隣接して配置され、前記振動片を支持する振動片支持体と、前記振動片支持体の上方に配置され、前記インナーリードと前記マウント部に高温ガスを噴射するガス噴射手段と、前記ガス噴射手段から噴射された高温ガスによって前記プラグの外周が過熱することを防止するプラグ過熱防止手段と、を有することを特徴とする。
【0022】
第2の発明に係る振動片のマウント装置によれば、プラグ過熱防止手段によって、前記プラグの外周が過熱することを防止する。したがって、インナーリードの表面に付着している半田を溶融させるためにガス噴射手段から噴射された高温ガスが、前記半田を溶融させる際に、プラグの外周側に回り込む場合があっても、プラグ過熱防止手段による放熱作用によって、プラグ自体の温度が上昇することを防止する。このため、プラグを構成するステム表面のメッキ層が高温になることを防止でき、該メッキ層が溶け出して変形することを防止できる。
【0023】
また、ガス噴射手段から噴射された高温ガスが、前記半田を溶融させる際に、プラグの外周側に回り込まない場合であっても、インナーリードからの熱伝導によってプラグが加温され、ステム表面のメッキ層が高温となって溶け出して変形することが懸念される。この場合であっても、前記プラグ過熱防止手段による放熱作用によって、プラグ自体の温度が上昇することを防止でき、これにより、ステム表面のメッキ層が高温になることを防止でき、該メッキ層が溶け出して変形することを防止できる。
【0024】
第3の発明に係る振動片のマウント装置は、プラグのインナーリードに、圧電材料からなる振動片のマウント部を接合する振動片のマウント装置であって、前記プラグを支持するプラグ支持体と、前記プラグ支持体に隣接して配置され、前記振動片を支持する振動片支持体と、前記振動片支持体の上方に配置され、前記インナーリードと前記マウント部に高温ガスを噴射するガス噴射手段と、前記ガス噴射手段と前記プラグ支持体との間に配置され、前記ガス噴射手段から噴射される高温ガスの、前記プラグ支持体側への回り込みを防止する高温ガス遮断手段と、前記インナーリードに高温ガスが噴射される際の前記インナーリードからの熱伝導により、前記プラグの外周が過熱されることを防止するプラグ過熱防止手段と、を有することを特徴とする。
【0025】
第3の発明に係る振動片のマウント装置によれば、高温ガス遮断手段によって、高温ガスがプラグ支持体側へ回り込むことを防止する。このため、高温ガスがプラグの外周に回り込むことを防止することができ、もって、プラグを構成するステム表面のメッキ層が高温になることを防止でき、溶け出して変形することを防止できる。また、インナーリードからの伝熱作用によって、プラグが加温されようとする場合であっても、プラグ過熱防止手段による放熱作用によって、プラグ自体の温度が上昇することを防止できる。この意味においても、ステム表面のメッキ層が高温になることを防止でき、該メッキ層が溶け出して変形することを防止できる。
【0026】
第4の発明に係る振動片のマウント装置は、第1または第3の発明に係る振動片のマウント装置において、前記高温ガス遮断手段が、前記プラグ支持体と前記ガス噴射手段との間に配置されたインナーリード押さえに形成され、前記インナーリードを跨ぐ一対の突出部によって構成されることを特徴とする。
すなわち、高温ガス遮断手段は、振動片のマウント装置にそれ専用の機能を持つ機構として新たに設けても良いが、既に備えられているインナーリード押さえを利用して高温ガス遮断手段を構成させるとなお良い。高温ガス遮断手段をインナーリード押さえに一体に構成させることにより、従来の振動片のマウント装置に比べて、部品点数を増やすことなく、容易に、かつ省スペースで高温ガス遮断手段を得ることができる。
【0027】
第5の発明に係る振動片のマウント装置は、第2または第3の発明に係る振動片のマウント装置において、前記プラグ支持体が、前記プラグを嵌入状態で支持するノッチ部を備え、前記プラグ過熱防止手段が、前記ノッチ部の内周面形状を前記プラグの外周面形状に合わせて接触させる放熱手段によって構成されることを特徴とする。
このように構成することにより、高温ガス噴出手段から噴射された高温ガスの影響を受けて、プラグの温度が上昇しようとする場合であっても、プラグの外周面がノッチ部の内周面に面接触して、プラグの熱を積極的にノッチ部側に放散するので、プラグ自体の温度が上昇することを防止できる。
【0028】
第6の発明に係る振動片のマウント装置は、第5の発明に係る振動片のマウント装置において、前記プラグ過熱防止手段が前記放熱手段に加えてさらに、前記ノッチ部の底部に設けられた冷却手段によって構成されることを特徴とする。
このように構成することにより、プラグの温度が上昇しようとするとき、放熱手段と冷却手段双方の作用によってプラグが過熱することを防止でき、より一層、プラグを構成するステム表面のメッキ層が高温になることを防止でき、該メッキ層が溶け出して変形することを防止できる。
【0029】
本発明の第7の発明に係る振動片のマウント方法は、プラグのインナーリードに、圧電材料からなる振動片のマウント部を接合する振動片のマウント方法であって、前記プラグをプラグ支持体に載せ、前記振動片を振動片支持体に載せ、前記インナーリードと前記マウント部とを接触させて固定し、前記プラグと前記振動片との間を前記インナーリードの周囲近傍を除いて遮蔽しながら、前記振動片側から前記プラグ側にガスの流れが向かうように前記マウント部に高温ガスを噴射することを特徴とする。
この第7の発明に係る振動片のマウント方法によれば、第1の発明に係る振動片のマウント装置と同様な効果を奏する。
【0030】
第8の発明に係る振動片のマウント方法は、プラグのインナーリードに、圧電材料からなる振動片のマウント部を接合する振動片のマウント方法であって、前記プラグの外周の下半分がプラグ支持体に接触するように、前記プラグを前記プラグ支持体に載せ、前記振動片を振動片支持体に載せ、前記インナーリードと前記マウント部とを接触させて固定し、前記振動片側から前記プラグ側にガスの流れが向かうように前記マウント部に高温ガスを噴射することを特徴とする。
この第8の発明に係る振動片のマウント方法によれば、第2の発明に係る振動片のマウント装置と同様な効果を奏する。
【0031】
第9の発明に係る振動片のマウント方法は、プラグのインナーリードに、圧電材料からなる振動片のマウント部を接合する振動片のマウント方法であって、前記プラグの外周の下半分がプラグ支持体に接触するように、前記プラグを前記プラグ支持体に載せ、前記振動片を振動片支持体に載せ、前記インナーリードと前記マウント部とを近接させて固定し、前記プラグと前記振動片との間を前記インナーリードの周囲近傍を除いて遮蔽しながら、前記振動片側から前記プラグ側にガスの流れが向かうように前記マウント部に高温ガスを噴射することを特徴とする。
この第9の発明に係る振動片のマウント方法によれば、第3の発明に係る振動片のマウント装置と同様な効果を奏する。
【0032】
第10の発明に係る圧電振動子は、第7乃至第9の発明のいずれかの発明における振動片のマウント方法によってつくられことを特徴とする。
この第10の発明に係る圧電振動子によれば、振動片がマウントされる際に、プラグのステム外周のメッキ層が溶融することなく製造され、プラグをケースに圧入する場合にリードとメッキ層が短絡することもなく製造されるため、信頼性が高く品質の安定した圧電振動子となる。
【0033】
第11の発明に係る発振器は、第10の発明に係る圧電振動子が、発振子として集積回路に電気的に接続されていることを特徴とする。
第12の発明に係る電波時計は、第10の発明に係る圧電振動子が、フィルタ部に電気的に接続されていることを特徴とする。
第12の発明に係る電子機器は、第10の発明に係る圧電振動子が、計時部に備えられていることを特徴とする。
これらの発明に係る発振器、電波時計、電子機器は、第10の発明に係る圧電振動子と同様の効果を奏する。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、プラグのインナーリードに振動片のマウント部を接合する際に、プラグを構成するステム表面のメッキ層が高温になることを防止でき、該メッキ層が溶け出して変形することを防止できる。この結果、プラグのケースのへ圧入をすみやかに行うことができ、また、ステムとアウターリードとがショートすることを未然に防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態である振動片のマウント装置および振動片のマウント方法について、図面を参照しながら説明する。
なお、前述の背景技術の項で説明した、従来の振動片のマウント装置で用いられた構成要素と同一の構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0036】
図1は、本発明に係る振動片のマウント装置の全体概要を説明するための機能的なブロック図である。図2は、本発明に係る振動片のマウント装置において、ワークの搬送とマウントに使用されるマウントプレートの構成を模式的に示す図であり、(a)は上方から見た平面図、(b)は右側面図である。
【0037】
まず、マウントプレートについて図2を参照して簡潔に説明する。このマウントプレート8は、図2(a)及び(b)に示すように、複数の部材の組み合わせで構成される治具である。マウントプレート8は、平板状の金属板からなるベース9の上に、プラグ支持体である1個のノッチプレート22と、これに対向した位置に、振動片支持体ベース10及び振動片支持体11が配置されて構成されている。
【0038】
ノッチプレート22には、振動片支持体11に隣接する側の上面にノッチ形成部22aが形成されている。ノッチ形成部22aには、その詳細を後述する複数のノッチ部21が所定の間隔で形成されている。そして、ノッチ部21は、プラグ5の外周面5aとの間に隙間が形成されないよう、その内周面21aの形状がプラグ5の外周面5aの形状に合致するように形成されている(放熱手段)。ノッチプレート22には、複数個のプラグ5が、ノッチ部21の溝のピッチに合わせて複数整列されるが、図2(a)では、右端に2個、左端に1個のプラグのみを配置し、全体を代表させて描いてある。
【0039】
ノッチプレート22及び振動片支持体ベース10、振動片支持体11を搭載するベース9は、長期の使用においても反りなどが発生することがないように、約3mm以上の厚みを持つ金属板で、かつ、穴加工等の機械加工が一方の面に偏らないように設計されている。ベース9とノッチプレート22及び振動片支持体ベース10との互いの固定は、位置決めピンとねじの併用によるものであり、プラグ5と水晶振動片2の配置関係が最適になるように固定されている。ベース9の具体的な寸法の1例としては、長辺と短辺がそれぞれ略120mmと50mmである。また、ノッチプレート22上のノッチ部のピッチは例えば4mm程度であり、長辺が前記の120mmの場合は、合計22個のプラグの整列が可能になっている。ノッチプレート22、振動片支持体11の詳細な形状とその説明は後述する。
【0040】
続いて振動片のマウント装置の概要について、図1の機能ブロック図を参照して簡潔に説明する。
図1に示すように、マウント装置は、ワーク供給ステーション、加熱ステーション、取出しステーションの3つの処理ステーションを備えている。そしてまた、この3つの処理ステーションでは、上述のマウントプレート8に整列されたワーク(プラグ5及び水晶振動片2)に対して、一括して所定の処理動作が実施される。
【0041】
ワーク供給ステーションでは、まず、図示しないハンドリングロボットを介して複数個の水晶振動片2を把持し、振動片支持体11上の所定箇所に位置決めした状態で所定数を載置する。次いで、所定数のプラグ5を図示しない他のハンドリングロボットを介してノッチ部21に嵌入させる。これにより、プラグ5が左右にずれないようノッチプレート22により支持される。また、プラグ5のステム4の下面5aは、ノッチプレート22の内周面21aと接触し、上下関係が位置決めされる。ただし、この時点では、先に載置された水晶振動片2のマウント部2aと、プラグ5のインナーリード3aとはわずかに接触する程度であり、密着した状態とはなっていない。マウント部2aとインナーリード3aは、次のステーションで確実に密着させる。ここでプラグ5は、予め別途の装置で、キャリアプレートのような保持具に、ノッチプレート22上に形成されたノッチ部21と同一ピッチで整列・保持させておくことが望ましい。これにより、キャリアプレートごと一括して移載できるので、複数のプラグ5を個々に移載するのに比較して、移載のタクトタイムを格段に短縮できる。
【0042】
続いて、マウントプレート8は次の加熱ステーションに搬送される。加熱ステーションには、高温ガス噴射用の第1のノズル15と第2のノズル25、インナーリード押さえ23、プラグ押さえ27、マウントプレート送り機構が備えられている。
水晶振動片2とプラグ5が整列載置されているマウントプレート8は、加熱ステーションに送られてきて所定の位置で停止する。停止直後、マウントプレート8の上方から、インナーリード押さえ23とプラグ押さえ27が動作して、全てのプラグ5のインナーリード3aを押さえ、かつ、全てのプラグ5のステム4の上部を押さえる。
【0043】
本インナーリード押さえ23は、前述のように、一度に22組すべてのインナーリード3aを押さえることができる。そして、このインナーリード押さえ23の下部には、22組のインナーリード3aそれぞれの押さえる部分を跨いで下方に突出する下方突出部26(高温ガス遮断手段:図4及び図5参照)が23箇所備えられている。従って、インナーリード押さえ23が動作した時点で、23箇所の下方突出部26も全て下方の位置に自動的に移動して、すべてのプラグ5は同時に高温ガスから遮断される準備が整うことになる。
【0044】
尚、インナーリード押さえ23及プラグ押さえ27は、バネ性を有する弾性材料で加工されている。これにより、どのプラグ5のインナーリード3aも、そしてプラグ5自体も安定して押さえることが可能になる。更に、特にインナーリード押さえ23は二体もので構成され、バネ性を要求される部分には、熱風により昇温してもバネ性が変化しないコバルト・ニッケル基の高弾性合金やベリリウム銅等の合金材料が用いられている。そして、インナーリード3aと直接接触する部分は、インナーリード3aの半田が付着せず、かつ耐食性と耐熱性に優れたステンレスが用いられる。インナーリード押さえ23とプラグ押さえ27が動作することにより、インナーリード3aと水晶振動片2のマウント部2aは位置決めされ、かつ当接されることで密着状態になる。
【0045】
次に、このようにインナーリード押さえ23とプラグ押さえ27により位置決めされた後、この状態を保ったまま、マウントプレート8とインナーリード押さえ23とプラグ押さえ27が、共に水平に移動する。この水平移動は、マウントプレート送り機構によって一定速度で行われる。水平移動の途中で、マウントプレート8は高温ガス噴射用の第1及び第2のノズルの下を通過する。マウントプレート8上に整列・配置された所定数のインナーリード3aと水晶振動片2のマウント部2aは、第1及び第2のノズルから噴出されたガスにより、マウントプレート8の端に配置されたインナーリード3aとマウント部2aの組から、順次加熱される。マウントプレート8の反対の端までノズルの下を通過した時点で、加熱が終了となる。このようにして、1枚のマウントプレート8上のインナーリード3aと、水晶振動片2のマウント部2aとの全ての組の接合が行われることになる。
【0046】
加熱が終了した時点でマウントプレート8の水平移動は停止し、インナーリード押さえ23とプラグ押さえ27は上昇動作を行い、押さえ力が解除され、マウントプレート8とは分離される。そして、インナーリード押さえ23とプラグ押さえ27とマウントプレート送り機構は、元の位置に復帰して、ワーク供給ステーションから続いて送られて来る次のマウントプレート8に対応する。
【0047】
尚、ここで、加熱時のマウントプレート8の送り速度はおよそ9mm/秒〜6mm/秒程度である。この条件は、プラグ5のリード3のメッキ材料とインナーリード3aの熱容量、熱風の流量等を考慮して調整する。例えば、リード3のメッキが鉛の含有量が約90%程度(重量比)のSnPbメッキ(耐熱半田メッキ)や、Cuの含有率の高いSnCuメッキ等である場合は、固相線温度が高く溶融しにくいので、送り速度をやや低速に調整し、高温ガスの単位面積当りの照射時間を長くする。換言すれば、高温ガスの単位時間当りの照射面積を狭くする。
【0048】
また、マウントプレート8の送りは、間欠移動よりも一定速度で滑らかに移動させることが望ましい。これは、加熱溶融したメッキが、室温まで下がり切らない状態で停止・起動を繰り返すと、インナーリード3aと水晶振動片2のマウントパッド2a間で位置ずれが発生する懸念があるからである。前述のように4mmピッチでプラグが22個整列している場合は、21回の停止・起動が必要となる。しかも、1ピッチ4mm移動する毎に停止する必要があり、頻繁に繰り返される停止・起動による振動の他、機構への負荷も大きく、実用的な方法ではないからである。
【0049】
そしてまた、ノズルから噴射させるガスは、マウント装置が稼動中は、1枚のマウントプレート8上での接合が終了しても噴射を止めることなく出し続け、ガス流量とガス温度を定常状態に保っている。ガス流量は、通常数リットル毎分に設定され、マスフローコントローラーにより精密かつ再現性良く制御されている。また加熱用ヒータは、精密な温度制御を実施している。
【0050】
加熱ステーション内で、インナーリード押さえ23とプラグ押さえ27が上昇し、押さえ力が解除されて分離されたマウントプレート8は、続いて、取出しステーションに送られる。取出しステーションでは、水晶振動片2を接合したプラグ5は、図示しないハンドリングロボット等でノッチプレート22から取出され、例えば次工程の整列用のプレートに並べられる。一方、ワークが取出されたマウントプレート8は、回収用のベルトラインに移され、最初のワーク供給用ステーションに自動的に戻される。ここでも、プラグ5の取出しは、一括して取出すことが可能なように、キャリアプレートに保持させておくと良い。このようにして一連のマウント工程が繰り返し実施される。
【0051】
以下に、図3、図4を参照して、本実施形態に係る振動片のマウント装置について詳細に説明する。以下の図においては、1組のプラグと振動片に絞って図示している。図3は、本発明に係る振動片のマウント装置の要部を説明するための図であり、(a)は、横方向から見た部分断面図、(b)は、(a)に示される切断線b−bにおける部分断面図である。図4は、同マウント装置の要部の外観を示す部分斜視図である。
【0052】
図3及び図4に示すように、本実施形態では、ベース9上に、振動片支持体ベース10が配置される。振動片支持体ベース10のインナーリード3a近傍は、インナーリード3aに加えられた熱を放熱させないようにパイレクスガラスで構成されている。さらに振動片支持体ベース10の上に、金属製の平板状の振動片支持体11を備えており、水晶振動片2を載置状態で支持する。1つの振動片支持体ベース10及び振動片支持体11には、例えば、22個の水晶振動片をその幅方向に所定の間隔で整列支持できるようになっている。
【0053】
水晶振動片2の寸法諸元は、幅が約0.5mm〜0.6mm、全長が約2.0mm〜3.5mm、厚みは、約50μm〜150μmである。水晶振動片2の重量は1mg以下であるため、振動や風などで簡単に動いてしまう。水晶振動片2がこのように、小型・軽量であるため、振動片支持体11は、金属薄板をエッチング処理等で精密に外形加工して、振動片支持体11の水晶振動片2を囲む輪郭と水晶振動片2の隙間を適切な値に設定して、水晶振動片2を確実に保持する必要がある。
【0054】
この振動片支持体ベース10及び振動片支持体11に隣接して、ノッチプレート22が設けられている。ノッチプレート22には、振動片支持体11に隣接する側の上面にノッチ形成部22aが形成されている。ノッチ形成部22aには、U字溝状に形成された22個のノッチ部21が、振動片支持体11に配置された水晶振動片2用の配列ピッチと同間隔で設けられている。
【0055】
ノッチ部21は、前記プラグ5の外周面5aとの間に隙間が形成されないよう、その内周面21aの形状がプラグ5の外周面5aの形状に合致するよう、断面半円状に形成されている。すなわち、これにより、プラグ5からノッチ部21へ熱を積極的に放散する放熱手段が構成される。この場合、プラグ5の外周面5aの形状が円形であるため、ノッチ部21の内周面21aの形状がU字状の断面半円形状に設定されているが、プラグ5の外周面5aの形状が他の形状、例えば、楕円形状あるいは、長方形状であれば、それに対応させて、ノッチ部21の内周面21aの形状も半楕円形状あるいは長方形状に設定される。
【0056】
なお、この実施形態では、ノッチプレート22のノッチ部21にプラグ5を嵌入させた際に、ノッチ部21の内周面21aと前記プラグ5の外周面5aと間に隙間が形成されず、両者が面接触するように、ノッチ部21の内周面形状21aがプラグ5の外周面形状5aに正確に合致するよう設定されているが、必ずしもその必要はない。その場合、両者の間に形成される隙間ができるだけ小さくなるように、ノッチ部21の内周面形状21aをプラグ5の外周面形状5aにほぼ合致するよう設定するのが好ましい。
【0057】
加熱ステーションには、インナーリード押さえ23を備え、インナーリード3aを上方から押し付けることで、インナーリード3aの先端を水晶振動片2のマウント部2aに当接させて、インナーリード3aとマウント部2aを密着させる構成になっている。さらに、加熱ステーションには、プラグ5のステム4を押さえることでノッチプレートの内周面21と密着させてプラグ5の外周面5aの放熱を促すプラグ押さえ27が備えられている。これら2つの押さえ部23及び27は、図示しない上下移動機構に取り付けられており、下方に移動する場合に、適度な荷重を加えることで押さえる動作を行い、上方に戻したときに、荷重による押さえを解除するようになっている。
【0058】
また、前記インナーリード押さえ23の下部であって、前記インナーリード3aから左右外側方向へそれぞれ張り出す部分には、下方突出部26、26が形成されている。左右の下方突出部26は、図3(b)に示すように、それぞれ内側が傾斜するとともに外側が下方に向けてストレート状に延びる台形状に形成されている。これら下方突出部26よって、インナーリード3aよりも外側部分では、インナーリード押さえ23と振動片支持体11との間に隙間が生じないよう、両部材23,11間が塞がれている。つまり、下方突出部26は、前記第1のノズル15及び第2のノズル25から噴射される高温ガスが、前記ノッチプレート22側へ回り込むのを防止する高温ガス遮断手段を構成している。
【0059】
加熱ステーションには、2つの高温ガス噴射ノズルが備えられている。図3(a)及び図4に示すように、第1のノズル15は、振動片支持体11の所定箇所に位置決めされた水晶振動片2のマウント部2aと、ノッチプレート22上のインナーリード3aとの接合部分16に、指向するように配置されている。より具体的には、振動片支持体11の上方、詳しくは、振動片支持体11によって支持される水晶振動片2の上方に配置されている。これらの2つの高温ガス噴射ノズルは、内部にヒータ15aが組み込まれている。第1のノズル15から吹き出される高温ガス(例えば窒素ガス)は、インナーリード3aの先端部および前記接合部分16にあたってインナーリード3aの先端部表面に付着している半田を溶融させ、この溶融させた半田を水晶振動片2のマウント部2aまで流すことによって、インナーリード3aと水晶振動片2とを電気的に接続させる。
【0060】
また、図3(a)及び図4において符号25は補助のために設けられた第2のノズルである。この第2のノズル25も振動片支持体11の上方に配置されているが、後述するように、第1のノズルと同じ鉛直面内には配置されず、ワークには、第2のノズルから噴射される熱風が先に当たる構成になっている。この第2のノズル25から吹き出された窒素ガスは、インナーリード押さえ23に沿って下降し、水晶振動片2とインナーリード3aとの接合部分16に当たる。尚、この第2のノズル25とそれに備えられたヒータ25aの役割は後述する。
【0061】
次に加熱ステーションにおける接合時の状況をより詳細に述べる。第1のノズル15、第2のノズル25の各先端から、それぞれヒータ15a、25aにより加熱された窒素ガスは、一定速度で通過する水晶振動片2側からプラグ5側に向けて噴出される。第1のノズル15から噴出された窒素ガスは、インナーリード3aの先端部、および、水晶振動片2のマウント部2aとインナーリード3aとの接合部分16に直接当たる。また、第2のノズル25から噴出された窒素ガスは、インナーリード押さえ23に沿って下降し、インナーリード3aの先端部および前記接合部分16に当たる。これら加熱された窒素ガスが当たることによって、インナーリード3aの先端部表面に付着している半田が溶融し、この溶融した半田が水晶振動片2のマウント部2aまで流れる。これによって、インナーリード3aと水晶振動片2とが電気的に接続する。
【0062】
このように、ノズル15、25から噴出された窒素ガスは接合部分16等にあたり、その後、プラグ5の下面側に回り込もうとするが、前記インナーリード押さえ23の下部であって、前記インナーリード3aから左右外側方へそれぞれ張り出す部分に設けた下方突出部26,26が、振動片支持体11との間に隙間が生じないよう、両部材23,11間を塞いでいる。このため、接合部分16にあたった後の窒素ガスのプラグ5方向への流れが遮断され、プラグ5の下面側へ回りこむことはない。すなわち、下方突出部26,26は、高温ガスを遮断する機能を有する。
【0063】
また、前述したように、加熱ステーションでまずインナーリード押さえ23とプラグ押さえ27が動作した。このとき同時に、下方突出部も自動的に所定の位置に配置された。即ち、マウントプレート8上のどの位置のプラグも、高温ガスから遮断されている。従って、この状態でノズル15、25の下を通過する場合は、任意のプラグが、ノズルのガスで加熱される前でも、ノズルのガスで加熱中でも、そしてまた、加熱後にノズルから遠ざかる場合でも、高温ガスから遮断されている。
【0064】
また、仮に、インナーリード3a周りの隙間を介して、あるいは、下方突出部26,26と振動片支持体11との間のわずかの隙間を介して、前記窒素ガスがプラグ5の下面側に回り込もうとする場合であっても、前記ノッチ部21の内周面形状をプラグ5の外周面形状に合致させることで、予め、ノッチ部21の内周面21aとプラグ5の外周面5aとの間に隙間が形成されないようにしているので、前記窒素ガスが、プラグ5の下面側へ回り込むのを極力防止することができる。
【0065】
また、プラグ5の周辺にノズル15,25から吹き出された高温ガスがあたることで、プラグ5自体の温度が上がることが懸念されるが、この実施形態では、ノッチ部21の内周面21aをプラグ5の外周面5aに面接触させているので、プラグ5(具体的にはステム4)の熱を、熱伝導性に優れた金属製のノッチプレート22によって積極的に放散することができる。このため、プラグ5の温度が上昇するのを抑えることができる。
【0066】
尚、以上の説明では、高温ガスの噴射ノズルは、第1のノズル15と補助的な第2のノズル25の2本を用いた。通常、2本のノズルは同一鉛直面に配置しない。マウントプレート8が、例えば、右方向に移動する場合で説明する。マウントプレート送り機構が右側に移動を開始すると、最も右側に配列したプラグのインナーリード3aと水晶振動片2、さらにインナーリード押さえ23が、まず第2のノズル25による熱風を受けて、全体的に一定程度の温度まで上昇する。
【0067】
続いて、さらに微小な距離右側に移動した時点で、インナーリード3aと水晶振動片2のマウントパッド2aに指向した第1のノズル15の熱風を受ける。これにより、メッキが溶融し、マウントパッド2a面が十分濡れる。そして、第1のノズル15によりメッキが溶融して接合が行われている時には、1番目のプラグ5と水晶振動片2の組の左側に配列されたプラグ5のインナーリード3aと水晶振動片2及びインナーリード押さえ23の部分が補助の第2のノズル25のガスにより予備加熱されるようになっている。この繰り返しにより、次々と接合が実施される。
【0068】
インナーリード押さえ23の部分まで予備加熱するのは次の理由による。インナーリード押さえ23はインナーリード3aと強く接触して一定荷重でインナーリードを押しつけている。インナーリード3aにガスで供給された熱量は、前記の接触部からインナーリード押さえ23側にも熱流速として熱伝導する。インナーリード3aに比較して、インナーリード押さえ23はその表面積が大きいので、インナーリード3aからみると大きな放熱フィンが接触しているのと同じことになる。インナーリード押さえ23の温度が仮に室温のように低いと、インナーリード押さえ23の方に熱が伝導で伝わってしまい、インナーリード3aの温度の上昇が阻害される。従って、このような事態を避けるために、インナーリード押さえ23も加熱される。2本のノズルに供給する流量やヒータの温度は、このような役割の違いに合わせて条件を設定している。
【0069】
尚、インナーリード押さえ23は、加熱ステーションに設置されて、持続して流動してくるマウントプレート8ごとに加熱される。マウントプレート8の流動のタクトタイムは約10秒〜15秒程度であるので、インナーリード押さえ23の部分の温度が大幅に低下することがなく、所定の温度範囲の中に維持させることができる。対象とするメッキが溶融しやすい物性である場合は、第1のノズル15だけの構成であっても良い。
【0070】
以上の方法で、インナーリード3aと水晶振動子2とをマウントできる。その後、不要なひずみを除去するベーキング工程、および水晶振動子2に対する周波数調整工程を経た後、金属製ケース6にプラグ5を圧入することで、図8に示すような水晶振動子を得ることができる。
【0071】
以上のように、この第1の実施形態の振動片のマウント装置では、インナーリード押さえ23に下方突出部26、26を形成したので、第1のノズル15、第2のノズル25から吹き出された高温ガスが、インナーリード3aの表面に付着している半田を溶融させた後、プラグ5の下面側に回り込もうとするのを極力防止することができる。
この結果、図12(b)で示したような、ステム4のエッジ部分4eの半田メッキ層4bの一部が、高温ガスの流れに沿ってステム4の底部側に移動してしまうといった現象は生じない。また、ケース6をプラグ5に圧入する際に、ステム4の半田メッキ層4bの凸状部分がケース6の端部に押されて、図13(b)に示すように、ステム4の底部へはみ出してしまうといった現象も生じない。
【0072】
なお、前述した第1の実施形態では、第1のノズル15、第2のノズル25から吹き出された高温ガスが、プラグ5の下面側に回り込もうとするのを防止するため、インナーリード押さえ23の下部に下方突出部26を設ける構成要素と、ノッチ部21の内周面21aの形状をプラグ5の外面形状に合致させる構成要素の双方を採用していているが、これに限られることなく、それら構成要素のうちいずれか一方でもよい。
また、前述した第1の実施形態では、ノッチ部21の内周面21aをプラグ5の下面に接触させることで、プラグ5の熱をノッチプレート22によって積極的に放散しているが、さらに、図3(a)及び図3(b)において破線で示すように、ノッチプレート22のノッチ部21の底部に、冷却手段を構成するジャケット部22bを設け、このジャケット部22bに冷却用の媒体を供給することで、プラグ5の熱を、より一層、積極的に放散するようにしてもよい。
【0073】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について、図5を参照して説明する。
図5において、符号30は、本発明の第2の実施形態に係る発振器を示すものである。
発振器30は、上記第1の実施形態の水晶振動子1が発振子として用いられて構成されたものである。
発振器30は、コンデンサなどの電子部品39が実装された基板40を備えている。基板40には、発振器用の集積回路43が実装されており、この集積回路43の近傍に、水晶振動子1が実装されている。そして、これら電子部品39、集積回路43及び水晶振動子1は、不図示の配線パターンによって電気的に接続されている。なお、各構成部品は、不図示の樹脂によりモールドされている。
【0074】
このような構成のもと、水晶振動子1に電圧を印加すると、上述の水晶振動片2が振動し、その振動が、水晶の持つ圧電特性により電気信号に変換されて、集積回路43に電気信号として入力される。この入力された電気信号は、集積回路43によって、各種処理がなされ、周波数信号として出力される。これにより、水晶振動子1が発振子として機能する。
また、集積回路43の構成を、例えばRTC(リアルタイムクロック)モジュール等を要求に応じて選択的に設定することにより、時計用単機能発振器などの他、当該機器や外部機器の動作日や時刻を制御したり、時刻やカレンダーなどを提供したりする機能を付与することができる。
【0075】
以上より、本実施形態における発振器30によれば、上記第1又は第2の実施形態に係る水晶振動子1と同様の効果を奏することができるだけでなく、水晶振動子1が強固に実装されることから、長期にわたって安定した高精度な周波数信号を得ることができる。
【0076】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
本実施形態では、上記第1の実施形態における水晶振動子1を備える電子機器として、携帯情報機器について説明する。
図6において、符号46は、携帯情報機器を示すものであり、図6を参照して、携帯情報機器46の機能的構成について説明する。
【0077】
携帯情報機器46は、電力を供給するための電源部47を備えている。電源部47は、例えばリチウム二次電池からなっている。
電源部47には、各種制御を行う制御部48と、時刻等のカウントを行う計時部51と、外部との通信を行う通信部52と、各種情報を表示する表示部56と、それぞれの機能部の電圧を検出する電圧検出部53と、が並列に接続されている。そして、電源部47によって、各機能部に電力が供給されるようになっている。
【0078】
制御部48は、各機能部を制御して、音声データの送信及び受信、現在時刻の計測や表示など、システム全体の動作制御を行う。また、制御部48は、あらかじめプログラムが書き込まれたROMと、このROMに書き込まれたプログラムを読み出して実行するCPUと、このCPUのワークエリアとして使用されるRAMなどを備えている。
【0079】
計時部51は、発振回路、レジスタ回路、カウンタ回路及びインターフェイス回路などを内蔵する集積回路と、水晶振動子1とを備えている。水晶振動子1に電圧を印加すると、上述の水晶振動子片が振動し、その振動が、水晶の持つ圧電特性により電気信号に変換されて、発振回路に電気信号として入力される。発振回路の出力は2値化され、レジスタ回路とカウンタ回路とにより計数される。そして、インターフェイス回路を介して、制御部48と信号の送受信が行われ、表示部56に、現在時刻や現在日付あるいはカレンダー情報などが表示される。
【0080】
通信部52は、従来の携帯電話と同様の機能を有し、無線部57、音声処理部58、切替部61、増幅部62、音声入出力部63、電話番号入力部66、着信音発生部67及び呼制御メモリ部68を備えている。
無線部57は、音声データ等の各種データを、アンテナを介して基地局と送受信のやりとりを行う。音声処理部58は、無線部57または増幅部62から入力された音声信号を符号化及び復号化する。増幅部62は、音声処理部58または音声入出力部63から入力された信号を所定のレベルまで増幅する。音声入出力部63は、スピーカやマイクロフォンなどからなり、着信音や受話音声を拡声したり、話者音声を集音したりする。
【0081】
また、着信音発生部67は、基地局からの呼び出しに応じて着信音を生成する。切替部61は、着信時に限って、音声処理部58に接続されている増幅部62を着信音発生部67に切り替えることによって、着信音発生部67において生成された着信音が、増幅部62を介して音声入出力部63に出力される。なお、呼制御メモリ部68は、通信の発着呼制御に係るブログラムを格納する。また、電話番号入力部66は、例えば0から9の番号キー及びその他のキーを備えており、これら番号キーなどを押下することにより、通話先の電話番号などが入力される。
【0082】
電圧検出部53は、電源部47によって制御部48などの各機能部に対して加えられている電圧が、所定の値を下回った場合に、その電圧降下を検出して制御部48に通知する。このときの所定の電圧値は、通信部52を安定して動作させるために必要な最低限の電圧としてあらかじめ設定されている値であり、例えば3V程度となる。電圧検出部53から電圧降下の通知を受けた制御部48は、無線部57、音声処理部58、切替部61及び着信音発生部67の動作を禁止する。特に、消費電力の大きな無線部57の動作停止は必須となる。さらに、表示部56に、通信部52が電池残量の不足により使用不能になった旨が表示される。
【0083】
すなわち、電圧検出部53と制御部48とによって、通信部52の動作を禁止し、その旨を表示部56に表示することができる。この表示は、文字メッセージであってもよいが、より直感的な表示として、表示部56の表示面の上部に表示された電話アイコンに、×(バツ)印を付けるようにしてもよい。
なお、携帯情報機器46は、通信部52の機能に係る部分の電源を、選択的に遮断することができる電源遮断部69を備えており、この電源遮断部69によって、通信部52の機能が確実に停止される。
【0084】
以上より、本実施形態における携帯情報機器46によれば、上記第1又は第2の実施形態に係る水晶振動子1と同様の効果を奏することができるだけでなく、水晶振動子1が強固に実装されることから、長期にわたって安定した高精度な計時情報を表示することができる。
【0085】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
本実施形態では、上記第1の実施形態における水晶振動子1を備える電子機器として、電波時計について説明する。
図7において、符号71は、電波時計を示すものである。
【0086】
電波時計71は、時刻情報を含む標準の電波を受信して、正確な時刻に自動修正して表示する機能を備えた時計である。日本国内には、福島県(40kHz)と佐賀県(kHz)に標準の電波を送信する送信所(送信局)があり、それぞれ標準電波を送信している。
40kHzもしくは60kHzのような長波は、地表を伝播する性質と、電離層と地表を反射しながら伝播する性質を併せ持つため、伝播範囲が広く、上記の2つの送信所で日本国内を全て網羅している。
【0087】
図7を参照して、電波時計71の機能的構成について説明する。
アンテナ74は、前記40kHzもしくは60kHzの長波の標準電波を受信する。長波の標準電波は、タイムコードと呼ばれる時刻情報を、前記40kHzもしくはkHzの搬送波にAM変調をかけたものである。
受信された長波の標準電波は、アンプ75によって増幅され、複数の水晶振動子1を有するフィルタ(フィルタ部)80によって濾波、同調される。本実施形態における水晶振動子1は、上記搬送周波数と同一の40kHz及び60kHzの共振周波数を有する水晶振動子部76,79をそれぞれ備えている。
さらに、濾波された所定周波数の信号は、検波、整流回路81により検波復調される。
続いて、波形成形回路84を介してタイムコードが取り出され、CPU85でカウントされる。CPU85では、現在の年、積算日、曜日、時刻等の情報を読み取る。読み取られた情報は、RTC86に反映され、正確な時刻情報が表示される。
【0088】
搬送波は、40kHzもしくは60kHzであるから、水晶振動子部76,79は、前述した音叉型の構造を持つ振動子が好適である。60kHzを例にとれば、音叉型振動片の寸法例として全長が約2.8mm、基部の幅寸法が約0.5mmの寸法で構成することが可能である。
【0089】
以上より、本実施形態における電波時計71によれば、上記第1の実施形態に係る水晶振動子1と同様の効果を奏することができるだけでなく、水晶振動子1が強固に実装されることから、長期にわたって安定して高精度に時刻をカウントすることができる。
【0090】
なお、本発明の技術範囲は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る振動片のマウント装置の全体概要を説明するための機能ブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る振動片のマウント装置において、ワークの搬送とマウントに使用されるマウントプレートの構成を模式的に示す図であり、(a)は上方から見た平面図、(b)は右側面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る振動片のマウント装置の要部を説明するための図であり、(a)は、横方向から見た部分断面図、(b)は、(a)に示される切断線b−bにおける部分断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る振動片のマウント装置の要部の外観を示す部分斜視図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る発振器を示す平面図である。
【図6】本発明の第3の実施形態に係る携帯情報機器を示すブロック図である。
【図7】本発明の第4の実施形態に係る電波時計を示すブロック図である。
【図8】シリンダ型パッケージの圧電振動子の構成の一例を示す斜視図である。
【図9】圧電振動子のプラグの構成の一例を示す断面図である。
【図10】従来の振動片のマウント装置を示す断面図である。
【図11】図10におけるXI―XI線に沿う断面図である。
【図12】図9におけるプラグのマウント工程後のXII円部拡大図であり、(a)は好ましい正常な状態を示す図、(b)は好ましくない状態を示す図である。
【図13】図9における矢印XIII方向から見たケースへの圧入工程後のプラグの底面図であり、(a)は好ましい正常な状態を示す図、(b)は好ましくない状態を示す図である。
【符号の説明】
【0092】
1 水晶振動子(圧電振動子)
2 水晶振動片(振動片)
2a マウント部
3 リード
3a インナーリード
3b アウターリード
4 ステム
5 プラグ
5a プラグ下面
6 ケース
7 ほう珪酸ガラス
8 マウントプレート
9 ベース
10 振動片支持体ベース
11 振動片支持体
15 第1のノズル(ガス噴射手段)
16 接合部分
21 ノッチ部
21a ノッチ部の内周面(放熱手段、過熱防止手段)
22 ノッチプレート(プラグ支持体)
22a ノッチ形成部
22b ジャケット部(冷却手段)
23 インナーリード押さえ
26 下方突出部(高温ガス遮断手段)
30 発振器
43 集積回路
46 携帯情報機器(電子機器)
71 電波時計。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラグのインナーリードに、圧電材料からなる振動片のマウント部を接合する振動片のマウント装置であって、
前記プラグを支持するプラグ支持体と、
前記プラグ支持体に隣接して配置され、前記振動片を支持する振動片支持体と、
前記振動片支持体の上方に配置され、前記インナーリードと前記マウント部に高温ガスを噴射するガス噴射手段と、
前記ガス噴射手段と前記プラグ支持体との間に配置され、前記ガス噴射手段から噴射される高温ガスの、前記プラグ支持体側への回り込みを防止する高温ガス遮断手段と、
を有することを特徴とする振動片のマウント装置。
【請求項2】
プラグのインナーリードに、圧電材料からなる振動片のマウント部を接合する振動片のマウント装置であって、
前記プラグを支持するプラグ支持体と、
前記プラグ支持体に隣接して配置され、前記振動片を支持する振動片支持体と、
前記振動片支持体の上方に配置され、前記インナーリードと前記マウント部に高温ガスを噴射するガス噴射手段と、
前記プラグ支持体に備えられ、前記プラグの外周が過熱することを防止するプラグ過熱防止手段と、
を有することを特徴とする振動片のマウント装置。
【請求項3】
プラグのインナーリードに、圧電材料からなる振動片のマウント部を接合する振動片のマウント装置であって、
前記プラグを支持するプラグ支持体と、
前記プラグ支持体に隣接して配置され、前記振動片を支持する振動片支持体と、
前記振動片支持体の上方に配置され、前記インナーリードと前記マウント部に高温ガスを噴射するガス噴射手段と、
前記ガス噴射手段と前記プラグ支持体との間に配置され、前記ガス噴射手段から噴射される高温ガスの、前記プラグ支持体側への回り込みを防止する高温ガス遮断手段と、
前記プラグ支持体に備えられ、前記プラグの外周が過熱することを防止するプラグ過熱防止手段と、
を有することを特徴とする振動片のマウント装置。
【請求項4】
前記高温ガス遮断手段は、前記プラグ支持体と前記ガス噴射手段との間に配置されたインナーリード押さえに形成され、前記インナーリードを跨ぐ一対の突出部によって構成されることを特徴とする請求項1または請求項3に記載の振動片のマウント装置。
【請求項5】
前記プラグ支持体は、前記プラグを嵌入状態で支持するノッチ部を備え、
前記プラグ過熱防止手段は、前記ノッチ部の内周面形状を前記プラグの外周面形状に合わせて接触させる放熱手段によって構成されることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の振動片のマウント装置。
【請求項6】
前記プラグ過熱防止手段は、さらに、前記ノッチ部の近傍に設けられた冷却手段を有することを特徴とする請求項5に記載の振動片のマウント装置。
【請求項7】
プラグのインナーリードに、圧電材料からなる振動片のマウント部を接合する振動片のマウント方法であって、
前記プラグをプラグ支持体に載せ、
前記振動片を振動片支持体に載せ、
前記インナーリードと前記マウント部とを接触させて固定し、
前記プラグと前記振動片との間を前記インナーリードの周囲近傍を除いて遮蔽しながら、前記振動片側から前記プラグ側にガスの流れが向かうように前記マウント部に高温ガスを噴射することを特徴とする振動片のマウント方法。
【請求項8】
プラグのインナーリードに、圧電材料からなる振動片のマウント部を接合する振動片のマウント方法であって、
前記プラグの外周の下半分がプラグ支持体に接触するように、前記プラグを前記プラグ支持体に載せ、
前記振動片を振動片支持体に載せ、
前記インナーリードと前記マウント部とを接触させて固定し、
前記振動片側から前記プラグ側にガスの流れが向かうように前記マウント部に高温ガスを噴射することを特徴とする振動片のマウント方法。
【請求項9】
プラグのインナーリードに、圧電材料からなる振動片のマウント部を接合する振動片のマウント方法であって、
前記プラグの外周の下半分がプラグ支持体に接触するように、前記プラグを前記プラグ支持体に載せ、
前記振動片を振動片支持体に載せ、
前記インナーリードと前記マウント部とを接触させて固定し、
前記プラグと前記振動片との間を前記インナーリードの周囲近傍を除いて遮蔽しながら、前記振動片側から前記プラグ側にガスの流れが向かうように前記マウント部に高温ガスを噴射することを特徴とする振動片のマウント方法。
【請求項10】
請求項7乃至請求項9のいずれか1項に記載の振動片のマウント方法によってつくられたことを特徴とする圧電振動子。
【請求項11】
請求項10記載の圧電振動子が、発振子として集積回路に電気的に接続されていることを特徴とする発振器。
【請求項12】
請求項10記載の圧電振動子が、フィルタ部に電気的に接続されていることを特徴とする電波時計。
【請求項13】
請求項10記載の圧電振動子を備えることを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−306102(P2007−306102A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−130035(P2006−130035)
【出願日】平成18年5月9日(2006.5.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.パイレックス
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】