説明

振動発生装置

【課題】 音楽の再生音に合わせて、振動を発生させることができる振動発生装置を提供する。
【解決手段】 複数の楽器の音が混在したアナログの音楽情報D0からバンドパスフィルターによって、ベースの再生音の音域に対応する音データD2aとドラムの再生音の音域に対応する音データD2bが抽出される。音データD2aが所定のレベル以上となるデータ区間Ta1,Ta2,Ta3,・・・の期間内に低域の周波数の駆動パルスP1を発生させ、音データD2bが所定のレベル以上となるデータ区間Tb1,Tb2,Tb3,・・・の期間内に高域の周波数の駆動パルスP2を発生させる。この2つの周波数の駆動パルスで振動機構部で振動体を共振させ、音楽の再生音に合わせて振動を発生する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音楽情報に合わせたリズムで振動を発生することができる振動発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
以下の特許文献1には、携帯電話の着信時にメロディーを音として発生するとともに、着信メロディーに対応させた振動を発生する振動源駆動装置が開示されている。
【0003】
この振動源駆動装置は、ローパスフィルターによって、音楽信号から低域成分を抽出し低域成分の信号で振動を発生させるというものである。振動を発生する機構としては、低域成分の信号を増幅器で増幅してDCモータを駆動する。DCモータの回転軸にウエイトが偏心して設けられて、回転軸が回転することで振動が発せられる。あるいは、バイブレーションスピーカを使用し、音楽信号の低域成分で振動が発せられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−121079号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されている振動源駆動装置は、音楽信号の低域成分を使用して振動を発生するものである。そのため、携帯電話の着信メロディーのように伴奏や打楽器の音を伴わない単純な音階から成る音楽データを音源として使用する場合には、音楽信号から低音域を抽出することで、再生音楽に合わせた振動を発生させることが可能かもしれない。しかし、実際のライブ音楽を録音した音楽情報のように、複数の楽器の音データが混在する音楽情報を音源にした場合には、その低域成分を抽出しても、複数の楽器の音データの低域成分が混在したままであるため、音楽の再生音に合わせたリズムを振動で効果的に発生させることは難しい。
【0006】
また、振動発生源がDCモータであると、音楽情報の細かなリズムに追従させた振動を発生させるのが困難である。
【0007】
さらに、特許文献1には、音楽の再生音と振動とを同じバイブレーションスピーカから発生することも記載されている。この方法は、携帯電話の着信メロディーのような単調なメロディーを音源としたときは可能かもしれないが、複数の楽器の音データが混在する音楽情報を音源とした場合に、複数の楽器の音が混在している音楽再生音に合わせて振動でリズムを与えることは難しい。
【0008】
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、ライブ音楽を録音した音楽情報のように、複数の楽器の音データが混在する音楽情報を音源にした場合であっても、例えばドラムなどの打楽器やベースなどの音データのリズムに合わせた振動を発生させることが可能な振動発生装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、所定の質量を有する振動体と、前記振動体を支持する弾性支持部材と、前記振動体に振動力を与える駆動部とを有する振動機構部、および前記振動機構部を駆動する駆動回路部とが設けられた振動発生装置において、
前記駆動回路部は、複数の楽器の音データが混在した音楽情報からいずれかの楽器の音データを抽出する音データ抽出部と、抽出された音データからレベルが所定値以上または所定値を超えるデータ区間を抽出する区間抽出部と、前記振動体を固有振動数で駆動しまたは固有振動数に近似した振動数で駆動するための一定の周波数の駆動パルスを、抽出されたデータ区間に出力させるパルス変換部、とを有することを特徴とするものである。
【0010】
本発明の振動発生装置は、複数の楽器の音データが混在している音楽情報から、いずれかの楽器の音データを抽出し、この音データのレベルを検知して振動を発生させている。そのため、例えばライブの音楽を録音して得られた伴奏や打楽器の音が含まれている音楽情報から、ドラムやベースなど所定の楽器のデータを取り出してその楽器の発音に対応させた振動を発生させることができる。
【0011】
また、いずれかの楽器の音データから抽出されたデータ区間に、振動体を固有振動数または固有振動数に近い振動で駆動させるための一定の周波数の駆動パルスを発生しているため、選択された楽器の音データに合わせて、振動駆動部において、キレの良い大きな振動を発生させることが可能である。
【0012】
本発明は、前記音楽情報がアナログ情報であり、前記音データ抽出部が、いずれかの楽器に相当する周波数の音データを抽出するバンドパスフィルターである。あるいは、前記音楽情報がディジタル情報であり、前記音データ抽出部が、いずれかの楽器に相当する音データであるディジタルデータを抽出するディジタル処理部である。
【0013】
本発明は、前記振動機構部は、前記振動体が複数の固有振動数で振動するものであり、前記音データ抽出部で、前記音楽情報から複数の楽器の音データが個別に抽出され、前記パルス変換部では、前記振動体を異なる固有振動数で駆動しまたは異なる固有振動数に近似した振動数で駆動するための複数の駆動パルスが用意されて、異なる音データから得られる複数のデータ区間中に、各データ区間ごとに相違する駆動パルスが出力されるものとして構成できる。
【0014】
上記振動発生装置では、ライブ音楽を録音して得られた音楽情報から例えばドラムとベースなど複数種類の楽器の音データを抽出して、楽器毎に異なる周波数のパルスで振動を発生することができ、ライブ音楽などに合わせたリズムを振動で与えることが可能である。
【0015】
この場合に、異なる周波数の駆動パルスを発生している複数のデータ区間が重なったときに、いずれか一方の周波数の駆動パルスを選択して前記振動機構部に与える選択部が設けられているものとすることができる。
【0016】
あるいは、異なる周波数の駆動パルスを発生している複数のデータ区間が重なったときに、いずれか一方の周波数の駆動パルスを時刻を遅らせて前記振動機構部に与える選択部が設けられているものとすることができる。
【0017】
本発明は、前記振動機構部は、前記振動体が複数の固有振動数で振動するものであり、前記パルス変換部では、1つの音データから得られるデータ区間中に、異なる周波数の駆動パルスを混在させて出力させるものとして構成できる。
【0018】
上記振動発生装置では、例えばシンバルやホルンなどの楽器の音データに対応する振動に余韻を付けるなどして、多様なリズムで振動を発生させることができる。
【0019】
本発明は、前記振動機構部では、前記弾性支持部材の変形方向に応じて、前記振動体が異なる固有振動数で振動するものが好ましい。
【0020】
ただし、本発明は複数の振動機構部が備えられて、それぞれの振動駆動部において、振動体が異なる固有振動数で振動するものとして構成することもできる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の振動発生装置は、ライブ演奏を録音した音楽情報などのように複数の楽器の音データが混在している音楽情報から、いずれかの楽器の音データを抽出してその音データに対応したリズムなどを振動で表現することができる。
【0022】
また、複数の固有振動数で動作する振動機構部を使用することで、例えばベースとドラムなど、複数種類の楽器に対応する音データに基づいて複数種類の振動を発生させることができる。
【0023】
また、音データに対応するデータ区間に、振動体を固有振動数またはこの固有振動数に近似した振動数で駆動する駆動パルスを発生させることで、常にキレのよい、大きな振動を発生することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施の形態の振動発生装置を搭載した携帯用音響機器の説明図、
【図2】本発明の実施の形態の振動発生装置に用いられる振動機構部の分解斜視図、
【図3】図2に示す振動機構部の振動体と弾性支持部材を示す底面図、
【図4】図3のIV−IV線の断面図、
【図5】弾性支持部材の拡大平面図、
【図6】磁気駆動部の磁石の配置を示す説明図、
【図7】本発明の実施の形態の振動発生装置に用いられる駆動回路部のブロック図、
【図8】図7の駆動回路部に含まれている変換回路の構成例を示すブロック図、
【図9】駆動回路部の動作を示す波形図、
【図10】変換回路の動作を説明する波形図、
【図11】パルス変換回路の他の動作例を示す波形図、
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1に示す携帯用音響機器1は、ケースの表示に画面2が設けられ、その上部にスピーカを備えた発音部3が設けられている。携帯用音響機器1のケースの側部に、音声出力部4が設けられ、この音声出力部4にイヤホーン5が接続される。音楽情報は、発音部3に設けられたスピーカとイヤホーン5のいずれかから再生される。
【0026】
携帯用音響機器1のケースの内部に、振動機構部6とこの振動機構部6を駆動する駆動回路部7が内蔵されている。
【0027】
図2ないし図6に振動機構部6の一例が示されている。この振動機構部6は、2つの固有振動数を有して振動動作を行うことができる。
【0028】
図2に示すように、振動機構部6は、筐体10と、振動体20と、振動体20を保持する支持体30と、筐体10の内部で振動体20および支持体30を支持する弾性支持部材33とを有している。筐体10と振動体20との間には、磁気駆動部40が設けられている。
【0029】
図2に示すように、筐体10は、底板部11と、底板部11から直角に折り曲げられてX方向に対向する一対の固定板部12,12と、底板部11から直角に折り曲げられてY方向に対向する一対の磁石支持板部13,13とが一体に形成されている。
【0030】
振動体20は、磁芯21と、磁性ヨーク22とを有している。磁芯21は、磁性金属材料で板状に形成されており、その周囲に、磁気駆動部40を構成するコイル41が設けられている。コイル41は、細い銅線が磁芯21の周囲に多重に巻かれて構成されている。
【0031】
磁性ヨーク22は、磁芯21と同じ磁性金属材料で形成されている。磁性ヨーク22は、中央部に凹部22bが形成され、凹部22bを挟んでY方向の両側に上向きの接続面22a,22aが形成されている。磁芯21が磁性ヨーク22の上に重ねられると、コイル41の下半分が凹部22bに収納され、磁芯21のコイル41から突出する突出部の下向きの接続面21a,21aが、磁性ヨーク22の接続面22a,22aに重ねられて接続されて、接着剤などで固定されている。
【0032】
振動体20を支持する支持体30は、板ばね材料を折り曲げて形成されている。例えば筐体10は鉄系などの磁性材料の板材で形成され、支持体30は、ステンレスなどの非磁性金属板で形成されている。支持体30は、支持底部31と、支持底部31から直角に折り曲げられてY方向に対向する一対の対向板部32,32とを有している。それぞれの対向板部32,32には、X方向に向けて細長く形成された開口部32a,32aが形成されている。
【0033】
図3と図4に示すように、支持体30に振動体20が搭載される。図2に示すように、磁芯21には、前記接続面21a,21aよりもさらにY方向に突出する突出端部21b,21bが一体に形成されており、突出端部21b,21bが、対向板部32,32の開口部32a,32aに嵌合して、振動体20が、支持体30に位置決めされて固定されている。
【0034】
支持体30には、X方向の両側において、支持底部31から連続する弾性支持部材33,33が一体に形成されている。
【0035】
図2と図3に示すように、支持底部31からX方向の一方へ突出する弾性支持部材33と、X方向の他方へ突出する弾性支持部材33は、Y−Z面を挟んで互いに面対称構造である。
【0036】
図5に拡大して示すように、弾性支持部材33は、中間板部34を有している。図4に示すように、中間板部34は、支持体30の支持底部31のX方向に向く側部からZ方向の上向きに直角に折り曲げられて形成されている。図5では、中間板部34のY方向の長さ寸法がWで示されている。
【0037】
弾性支持部材33では、前記中間板部34からX方向の外側に間隔を空けた位置に挟持部35が設けられている。図4に示すように、挟持部35に、前記中間板部34と平行な保持板部35aと、保持板部35aに対向するように曲げられた弾性保持片35bとが一体に形成されている。図5に示すように、保持板部35aと弾性保持片35bとで、筐体10の固定板部12が挟まれる。このとき、保持板部35aが固定板部12の内面12aに密着し、弾性保持片35bが固定板部12の外面12bに弾圧されて、挟持部35が固定板部12に固定される。
【0038】
図5に示すように、中間板部34の外面34aと保持板部35aの内面35cは互いに平行であり、その間に、第1の弾性変形部36が設けられている。第1の弾性変形部36は、支持体30を構成している板ばね材によって、中間板部34および保持板部35aと一体に形成されている。
【0039】
第1の弾性変形部36は、2つの変形板部36a,36bを有している。変形板部36a,36bは、Z方向の幅寸法よりもY方向の長さ寸法が大きい帯板形状である。変形板部36a,36bは、板厚方向がX方向に向けられて、幅方向がZ方向へ向けられ、長手方向がY方向に向けられている。
【0040】
変形板部36aの基部は、基部曲げ部36cを介して中間板部34と連続しており、変形板部36bの基部は、基部曲げ部36dを介して保持板部35aと連続している。変形板部36aの先部と変形板部36bの先部は、中間曲げ部36eを介して連続している。
【0041】
変形板部36aと変形板部36bは、主にX方向に曲げ歪みを発生し、その曲率方向はY方向である。基部曲げ部36cと基部曲げ部36dおよび中間曲げ部36eは、折り曲げの中心線がZ方向へ向けられており、主にX方向に曲げ歪みを発生する。
【0042】
第1の弾性変形部36は、変形板部36a,36bのそれぞれの曲げ歪みおよび基部曲げ部36c,36dと中間曲げ部36eのそれぞれの曲げ歪みによって、X方向へ第1の弾性係数を有して弾性変形する。第1の弾性変形部36にX方向への曲げ歪みを与えるのに要する曲げ応力は小さく、第1の弾性係数は比較的小さい値である。第1の弾性変形部36のX方向の歪みによって、振動体20およびこれを搭載した支持体30が、X方向へ第1の固有振動数によって振動可能である。
【0043】
このときの振動体20のX方向への振動の第1の固有振動数は、振動体20および支持体30の合計の質量と前記第1の弾性係数とで決まる。第1の弾性係数が比較的小さい値であるため、第1の固有振動数は比較的低い。
【0044】
図5に示すように、弾性支持部材33では、中間板部34の両端部において、支持体30の支持底部31をX方向に切り込む切欠き部37,37が形成されている。図5では、切欠き部37,37の切り込み深さ寸法がDで示されている。支持底部31を構成する板ばね材であって、切欠き部37,37で挟まれた範囲、すなわち図5において幅寸法Wと切り込み深さ寸法Dで挟まれた部分の板ばね材が変形板部38となっている。変形板部38は、振動体20を構成する磁性ヨーク22の下面22cに対して、接着剤などによって固定されていない。変形板部38とこの変形板部38から折り曲げられている前記中間板部34とで第2の弾性変形部39が構成されている。
【0045】
振動体20および支持体30が、Z方向へ振動するときに、第2の弾性変形部39が弾性変形する。第2の弾性変形部39の主な変形部は変形板部38であり、振動体20および支持体30のZ方向の移動に対して、変形板部38がZ方向へ曲げ歪みを発生する。このとき、中間板部34と変形板部38との曲げ境界部にも曲げ歪みが発生する。
【0046】
第2の第2の弾性変形部39の主な変形部である変形板部38は、幅方向であるY方向に長く、曲げられたときの曲率方向であるX方向の寸法が短い。そのため、振動体20と支持体30がZ方向へ振動して第2の弾性変形部39が曲がるときの第2の弾性係数は、第1の弾性変形部36のX方向での第1の弾性係数に比べてきわめて高い値になる。振動体20および支持体30がZ方向へ振動する際の第2の固有振動数は、振動体20および支持体30の質量と第2の弾性係数とで決まる。第2の固有振動数は、第1の固有振動数よりも高い。
【0047】
切欠き部37,37の切り込み深さDを変化させると、変形板部38のX方向の長さ寸法が変化し、第2の弾性係数が変化する。よって切り込み深さDを変えることで、振動体20および支持体30の第2の方向であるZ方向への第2の固有振動数を調整することができる。
【0048】
図2に示すように、筐体10にはY方向に対向する対を成す磁石支持板部13,13が設けられている。一方の磁石支持板部13の内面に、コイル41と共に磁気駆動部40を構成する磁界発生部材42aが固定され、他方の固定板部12の内面に、同じくコイル41と共に磁気駆動部40を構成する磁界発生部材42bが固定されている。
【0049】
図6(A)に示すように、一方の磁界発生部材42aは、上側に位置する上部磁石43aと、底板部11側に位置する下部磁石44aとを有している。上部磁石43aと下部磁石44aは共に、Z方向の幅寸法よりもX方向の長さ寸法が大きい細長形状である。上部磁石43aの中心O1は、図6(A)において、左側に位置し、下部磁石44aの中心O2は、図6(A)において、右側に位置している。上部磁石43aは、磁芯21の突出端部21bに対向する面がN極に着磁され、下部磁石44aは、突出端部21bに対向する面がS極に着磁されている。
【0050】
振動体20に外力が作用しておらず、振動体20が弾性支持部材33,33によって中立姿勢に支持されているとき、磁芯21の突出端部21bの中心O0は、前記中心O1と中心O2に対してX方向において中間点に位置し、Z方向において中間点に位置している。
【0051】
図6に示す磁界発生部材42aと対向している他方の磁界発生部材42bは、X−Z面を挟んで、前記磁界発生部材42aと面対称構造である。磁界発生部材42bは、前記上部磁石43aと面対称の上部磁石43bと、前記下部磁石44aと面対称の下部磁石44bを有している。なお、図2には下部磁石44bが図面に現れていない。磁界発生部材42bの上部磁石43bは、磁芯21の突出端部21bに対向する面がS極に着磁され、下部磁石44bは、突出端部21bに対向する面がN極に着磁されている。すなわち、対向する上部磁石43aと上部磁石43bの表面が互いに逆の磁極であり、対向する下部磁石44aと下部磁石44bの表面が互いに逆の磁極である。
【0052】
振動機構部6は2つの共振モードを有している。1つの共振モードは、振動体20と支持体30がX方向へ振動するときの第1の固有振動数による振動である。第2の共振モードは、振動体20と支持体30がZ方向へ振動するときの第2の固有振動数による振動である。前述のように、第2の固有振動数は第1の固有振動数よりも十分に高い。
【0053】
振動機構部6を第1の共振モードで駆動するときは、コイル41に対して、第1の固有振動数に一致する第1の周波数またはこれに近い周波数の第1の駆動パルスP1が与えられる。このときに、磁芯21の突出端部21bの表面の磁極がN極またはS極に変わる周波数が、第1の固有振動数に一致しまたは第1の固有振動数に近い値となる。
【0054】
コイル41に通電されて磁芯21の突出端部21bが磁極として機能すると、図6(B)に示すように、突出端部21bの中心O0に対して中心O1,O0,O2が並ぶ直線方向へ駆動力Fが作用する。駆動信号が第1の周波数またはこれに近い周波数のときは、駆動力FのX方向の分力Fxによって、振動体20と支持体30がX方向へ第1の共振モードで共振する。
【0055】
振動機構部6を第2の共振モードで駆動するときは、コイル41に対して、第2の固有振動数に一致する第2の周波数またはこれに近い周波数の第2の駆動パルスP2が与えられる。このとき、駆動力FのZ方向の分力Fzによって、振動体20と支持体30がZ方向へ第2の共振モードで共振する。
【0056】
例えば、第1の固有振動数が150〜200Hz程度に設定され、第2の固有振動数が400〜600Hz程度に設定される。
【0057】
振動機構部6は、図1に示す携帯用音響機器1のケースの内面に固定されているため、携帯用音響機器1を保持している手に、第1の固有振動数の振動または第2の固有振動数の振動を感じさせることができる。
【0058】
図7に示す駆動回路部7では、オーディオアンプ51から得られる音楽情報D0が音源として使用される。この音楽情報D0は、CDやメモリに記録されたデータを復元して再生した情報、またはラジオ電波から受信した情報などであり、ライブの音楽演奏を再現するアナログ情報である。この音楽情報D0は、打楽器、弦楽器、木管楽器、金管楽器、電子楽器などの複数の楽器の実際の演奏音を再現したものであり、複数の楽器の演奏音が混在している。以下においては、実際の楽器ごとの演奏音を音データと呼ぶ。
【0059】
図7に示すように、駆動回路部7に、音楽情報D0を増幅する増幅回路53が設けられており、この増幅回路53で増幅された音楽情報D0の再生音がスピーカ54から出力される。この再生音は、図1に示す携帯用音響機器1のケースに設けられた発音部3から外部に発せられる。なお、ケースに設けられた音声出力部4にイヤホーンが接続されたときは、発音部3から再生音が出力されずに、イヤホーン5から再生音が発せられる。
【0060】
駆動回路部7では、増幅回路53に与えられるのと同じアナログの音楽情報D0が、音データ抽出部である2つのバンドパスフィルター55a,55bに同時に与えられる。第1の音データ抽出部であるバンドパスフィルター55aには、電圧増幅回路56a、第1の区間抽出部である電圧比較回路57aおよび第1のパルス変換部であるパルス変換回路58aが順に接続されている。第2の音データ抽出部であるバンドパスフィルター55bには、電圧増幅回路56b、第2の区間抽出部である電圧比較回路57bおよび第2のパルス変換部であるパルス変換回路58bが順に接続されている。
【0061】
パルス変換回路58aとパルス変換回路58bは共に選択部である選択回路60に接続され、選択回路60にスイッチ部として機能するトランジスタ65が接続される。図2ないし図6に示した振動機構部6のコイル41とダイオード66とが並列に接続されており、この並列部に電源電圧が与えられ、前記トランジスタ65のスイッチ機能によって、コイル41に駆動電流が断続的に与えられる。
【0062】
図7に示す駆動回路部7の各ブロックは、それぞれが個別の回路部として構成されていてもよいし、それぞれのブロックが、マイクロコンピュータのCPUにおいてソフトウエアに基づいて実行されてもよい。この場合には、オーディオアンプ51から得られたアナログの音楽情報D0がディジタル値に変換されてCPUに与えられる。あるいは、バンドパスフィルター55a,55bが音楽情報D0をアナログ処理するものであり、バンドパスフィルター55a,55bからの出力がディジタル値に変換されてCPUに与えられて、電圧増幅回路56a,56b以下に相当する処理が行われてもよい。
【0063】
次に、図9の波形図に基づいて、駆動回路部7の動作を説明する。
オーディオアンプ51から得られるアナログの音楽情報D0には、複数の楽器の音データが混在している。実施の形態では、音楽情報D0に、ベースの音を再生する音データ、ドラムの音を再生する音データ、トランペットの音を再生する音データ、エレキギターの音を再生する音データなどが含まれている。
【0064】
図7に示すバンドパスフィルター55a,55bは、共に一定の周波数帯の音データを抽出するものである。一方のバンドパスフィルター55aによって、音楽情報D0からベースの音域を含む帯域幅の音データD1aが抽出され、他方のバンドパスフィルター55bによって、音楽情報D0からドラムの音域を含む帯域の音データD1bが抽出される。
【0065】
バンドパスフィルター55a,55bは、抽出する音域および帯域幅を可変して設定できるように、プログラマブルなフィルターを使用することが好ましい。これにより、音データD1bとして比較的高音域の音を発するスネアドラムの帯域の音データを抽出したり、音データD1bとして比較的低音域の音を発するバスドラムの帯域の音データを抽出することができる。
【0066】
また、ベースの音データやドラムの音データに限られず、それ以外の楽器の音データ、例えばトランペットの帯域の音データやエレキギターの帯域の音データを抽出することも可能である。
【0067】
バンドパスフィルター55aで抽出された音データD1aは電圧増幅回路56aで増幅され、バンドパスフィルター55bで抽出された音データD1bは電圧増幅回路56bで増幅される。図9には、音データD1a,D1bが増幅された増幅データD2a,D2bの波形が示されている。電圧比較回路57aでは、ベースの音域の音データD1aを増幅した増幅データD2aと参照電圧S1とが比較されて比較データD3aが得られる。比較データD3aは、増幅データD2aのうちの参照電圧S1よりも高い電圧となるデータ区間Ta1,Ta2,Ta3,・・・を抽出したものである。同様に、電圧比較回路57bでは、ドラムの音域の音データD1bを増幅した増幅データD2bと参照電圧S2とが比較されて比較データD3bが得られる。比較データD3bは、増幅データD2bのうちの参照電圧S2よりも電圧が高いデータ区間Tb1,Tb2,Tb3,・・・を抽出したものである。
【0068】
第1のパルス変換部であるパルス変換回路58aと、第2のパルス変換部であるパルス変換回路58bはマルチバイブレータなどで構成されている。
【0069】
パルス変換回路58aは発振回路を内蔵しており、この発振回路では基礎発振パルスが分周されて一定の周波数の第1の駆動パルスP1が生成される。第1の駆動パルスP1は、振動機構部6を第1の共振モードで駆動することのできる周波数に設定されている。すなわち、第1の駆動パルスP1は、振動体20をX方向へ向けて第1の固有振動数、または第1の固有振動数に近似した振動数で振動させることができる周波数に設定されている。
【0070】
パルス変換回路58aでは、図9に示すように、比較データD3aで抽出されたデータ区間Ta1,Ta2,Ta3,・・・の区間内に、一定の周期の第1の駆動パルスP1が出力され、これが第1の駆動信号D4aとなる。
【0071】
パルス変換回路58bに内蔵された発振回路で、基礎発振パルスが分周されて第2の駆動パルスP2が生成される。第2の駆動パルスP2は、振動機構部6を第2の共振モードで駆動することのできる周波数に設定されている。すなわち、第2の駆動パルスP2は、振動体20をZ方向へ向けて第2の固有振動数、または第2の固有振動数に近似した振動数で振動させることができる周波数に設定されている。
【0072】
パルス変換回路58bでは、図9に示すように、比較データD3bで抽出されたデータ区間Tb1,Tb2,Tb3,・・・の区間内に、一定の周期の第2の駆動パルスP2が出力され、これが第2の駆動信号D4bとなる。
【0073】
図8に示すように、選択部である選択回路60は、第1の駆動信号D4aを保持するメモリ61aと、第2の駆動信号D4bを保持するメモリ61bと、メモリ61aに保持された第1の駆動信号D4aとメモリ61bに保持された第2の駆動信号D4bとを比較する比較判定部62とを有し、比較判定部62から複合駆動信号D5が得られる。
【0074】
比較判定部62では、ベースの音域の音データD1aから得られた第1の駆動信号D4aと、ドラムの音域の音データD1bから得られた第2の駆動信号D4bとが時間的に重複したときに、いずれか一方を選択する。この実施の形態では、比較判定部62において高い周波数の駆動パルスP2が優先されて選択される。なお、第1の駆動信号D4aと第2の駆動信号D4bとが時間的に重複しないときは、第1の駆動信号D4aと第2の駆動信号D4bがそのまま比較判定部62を通過する。
【0075】
さらに詳しく説明すると、図10(A)に示すように、第2の駆動信号D4bでは、データ区間Tb1,Tb2,Tb3,・・・の期間中に第2の駆動パルスP2が出力している。図10(B)に示すように、第1の駆動信号D4aは、データ区間Ta1,Ta2,Ta3,・・・の期間中に第1の駆動パルスP1が出力している。データ区間Tb1,Tb2,Tb3,・・・とデータ区間Ta1,Ta2,Ta3,・・・が時間的に重複しないときは、第2の駆動信号D4bと第1の駆動信号D4aが、そのまま複合駆動信号D5に含まれる。
【0076】
図10(C)に示すように、データ区間Tb1,Tb2,Tb3,・・・とデータ区間Ta1,Ta2,Ta3,・・・が時間的に重複するときは、複合駆動信号D5に、重複時間に限って、高い周波数の第2の駆動パルスP2が優先されて出力され、第2の駆動パルスP2が与えられているデータ区間およびその前後の短時間の区間は、低い周波数の第1の駆動パルスP1が出力されない。
【0077】
図7に示すように、選択回路60から得られる複合駆動信号D5は、トランジスタ65に与えられ、複合駆動信号D5に含まれる第1の駆動パルスP1と第2の駆動パルスP2のタイミングおよび周期に合わせて振動機構部6のコイル41に駆動電流が与えられる。
【0078】
振動機構部6は、第1の駆動パルスP1で駆動されるとき、振動体20がX方向へ比較的低い周波数の第1の固有振動数またはこれに近似した振動数で駆動され、第2の駆動パルスP2で駆動されるときは、振動体20がZ方向へ比較的高い周波数の第2の固有振動数またはこれに近似した振動数で駆動される。
【0079】
第1の駆動信号D4aの第1の駆動パルスP1で駆動されるとき、データ区間Ta1,Ta2,Ta3,・・・の区間で比較的周波数の低い振動が発生し、これが携帯用音響機器1のケースに与えられる。このケースを保持している手に対し、音楽情報D0の再生音のベースが演奏されるタイミングに合わせて低い周波数の振動がリズミカルに与えられる。
【0080】
第2の駆動信号D4bの第2の駆動パルスP2で駆動されるとき、データ区間Tb1,Tb2,Tb3,・・・の区間で比較的周波数の低い振動が発生し、これが携帯用音響機器1のケースに与えられる。このケースを保持している手に対し、音楽情報D0の再生音のドラムが演奏されるリズムに合わせて高い周波数の振動がリズミカルに与えられる。
【0081】
さらに、図10(C)に示すように、データ区間Tb1,Tb2,Tb3,・・・と、データ区間Ta1,Ta2,Ta3,・・・が時間的に重複するときは、高い周波数の第2の駆動パルスP2による駆動が優先されるため、ケースを保持している手に対して、ベースの演奏タイミングに合わせた振動と、ドラムの演奏リズムに合わせた振動とが同時に与えられているように感じさせることが可能である。
【0082】
この振動発生装置では、振動機構部6が第1の固有振動数またはそれに近い振動数で駆動され、また第2の固有振動数またはそれに近い振動数で駆動されるために、振動機構部6からキレのよい大きな振動を得ることができる。また、高い周波数の第2の固有振動数によって、ケースを保持する手に対して高い周波数の軽快なリズムの振動を与えることができ、低い周波数の第1の固有振動数によって、ケースを保持する手に対して低い周波数の重厚な振動を与えることができ、2種類の楽器に対応したことなる感触の振動を発生することができる。
【0083】
また、図8に示す選択回路60によって、第1の駆動パルスP1と第2の駆動パルスP2とを選択するタイミングを種々に設定することができる。
【0084】
例えば、図10(A)(B)に示すように、第1の駆動パルスP1を含むデータ区間Ta1,Ta2,Ta3,・・・と、第2の駆動パルスP2を含むとデータ区間Tb1,Tb2,Tb3,・・・とが時間的に重複したときに、データ区間Ta1,Ta2,Ta3,・・・と、データ区間Tb1,Tb2,Tb3,・・・のいずれかの時間をわずかに遅延させることで、データ区間Ta1,Ta2,Ta3,・・・と、データ区間Tb1,Tb2,Tb3,・・・との重複を無くし、または重複する時間をなるべく短くするように設定することができる。
【0085】
データ区間Ta1,Ta2,Ta3,・・・、またはデータ区間Tb1,Tb2,Tb3,・・・を短時間だけ遅延させても、スピーカ54から発せられる再生音との振動とがわずかな時間ずれるだけであり、この程度の時間のずれは人の手でほとんど感じることはない。
【0086】
次に、図11に示す例では、バンドパスフィルターによって、音楽情報D0から音データD2cが抽出される。図11(A)に示す音データD2cは、例えばシンバルまたはトロンボーンやホルンなどのように、音の発生時間が比較的長く且つ音響的な余韻を含む楽器の音域を含む帯域から抽出されたものである。駆動回路部7では、音データD2cのみが抽出されてもよいし、音データD2cとベースやドラムなどの他の楽器の音域の音データが一緒に抽出されてもよい。
【0087】
電圧比較回路において、増幅された音データD2cと参照電圧S3とが比較され、図11(B)に示すように、参照電圧S3よりも電圧が高いデータ区間Tcを示す比較データD3cが得られる。そして、図11(C)に示すように、パルス変換回路では、データ区間Tcの期間内に第1の駆動パルスP1と第2の駆動パルスP2を混在させて出力させる。これにより、1つのデータ区間Tc内において、振動機構部6の振動体20を、第1の固有振動数と第2の固有振動数とを混在させた周波数で駆動することができる。
【0088】
例えば、図11(C)に示すように、データ区間Tcの最初に高い周波数の第2の駆動パルスP2を発生させ、データ区間Tcの後半に低い周波数の駆動パルスP1を発せさせることで、シンバルまたはトロンボーンやホルンなど音の再生に合わせて、最初に細かな衝撃が与えられ、その後に低い周波数の余韻が続くような振動を発生させることができる。
【0089】
また、図7に示す駆動回路部7では、オーディオアンプ51から得られるアナログの音楽情報D0からバンドパスフィルター55a,55bを使用して、異なる音データが抽出されているが、音源としてライブの音楽の再生音をディジタル化したデータベース、例えばCDやメモリに記録されているデータベースを使用することができる。この場合には、音データ抽出部によって、それぞれの楽器に対応する音域のディジタルデータがディジタル処理部において抽出され、さらに、一定の音量レベルを超えたデータ区間が抽出され、パルス変換回路でデータ区間内に、駆動パルスP1または駆動パルスP2が発せられる。
【0090】
なお、前記実施の形態では、振動体20を振動させるための駆動部として磁気駆動部40が使用されているが、この駆動部は圧電素子などの磁気駆動以外の駆動方式を使用したものであってもよい。この場合、振動体20は必ずしも磁性金属材料で形成する必要はない。
【0091】
また振動機構部6は、携帯用音響機器1のケースに限られず、ゲーム装置のケース、リモートコントローラのケース、またはイヤホーンなどに搭載することができる。
【符号の説明】
【0092】
1 振動発生装置
10 筐体
20 振動体
21 磁芯
22 磁性ヨーク
30 支持体
33 弾性支持部材
36 第1の弾性変形部
39 第2の弾性変形部
40 磁気駆動部
41 コイル
42a,42b 磁界発生部材
55a,55b バンドパスフィルター(音データ抽出部)
57a,57b 電圧比較回路(区間抽出部)
58a,58b パルス変換回路(パルス変換部)
60 選択回路(選択部)
D0 音楽情報
D1a,D1b 音データ
P1 第1の駆動パルス
P2 第2の駆動パルス
Ta1,Ta2,Ta3,・・・ データ区間
Tb1,Tb2,Tb3,・・・ データ区間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の質量を有する振動体と、前記振動体を支持する弾性支持部材と、前記振動体に振動力を与える駆動部とを有する振動機構部、および前記振動機構部を駆動する駆動回路部とが設けられた振動発生装置において、
前記駆動回路部は、複数の楽器の音データが混在した音楽情報からいずれかの楽器の音データを抽出する音データ抽出部と、抽出された音データからレベルが所定値以上または所定値を超えるデータ区間を抽出する区間抽出部と、前記振動体を固有振動数で駆動しまたは固有振動数に近似した振動数で駆動するための一定の周波数の駆動パルスを、抽出されたデータ区間に出力させるパルス変換部、とを有することを特徴とする振動発生装置。
【請求項2】
前記音楽情報がアナログ情報であり、前記音データ抽出部が、いずれかの楽器に相当する周波数の音データを抽出するバンドパスフィルターである請求項1記載の振動発生装置。
【請求項3】
前記音楽情報がディジタル情報であり、前記音データ抽出部が、いずれかの楽器に相当する音データであるディジタルデータを抽出するディジタル処理部である請求項1記載の振動発生装置。
【請求項4】
前記振動機構部は、前記振動体が複数の固有振動数で振動するものであり、前記音データ抽出部で、前記音楽情報から複数の楽器の音データが個別に抽出され、前記パルス変換部では、前記振動体を異なる固有振動数で駆動しまたは異なる固有振動数に近似した振動数で駆動するための複数の駆動パルスが用意されて、異なる音データから得られる複数のデータ区間中に、各データ区間ごとに相違する駆動パルスが出力される請求項1ないし3のいずれかに記載の振動発生装置。
【請求項5】
異なる周波数の駆動パルスを発生している複数のデータ区間が重なったときに、いずれか一方の周波数の駆動パルスを選択して前記振動機構部に与える選択部が設けられている請求項4記載の振動発生装置。
【請求項6】
異なる周波数の駆動パルスを発生している複数のデータ区間が重なったときに、いずれか一方の周波数の駆動パルスを時刻を遅らせて前記振動機構部に与える選択部が設けられている請求項4記載の振動発生装置。
【請求項7】
前記振動機構部は、前記振動体が複数の固有振動数で振動するものであり、前記パルス変換部では、1つの音データから得られるデータ区間中に、異なる周波数の駆動パルスを混在させて出力させる請求項1ないし3のいずれかに記載の振動発生装置。
【請求項8】
前記振動機構部では、前記弾性支持部材の変形方向に応じて、前記振動体が異なる固有振動数で振動する請求項4ないし7のいずれかに記載の振動発生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−56309(P2013−56309A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−196756(P2011−196756)
【出願日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】