説明

振動発電装置

【課題】橋梁等の構造物に生じる振動のエネルギーを効率的に電気エネルギーに変換できる新たな振動発電装置を提供する。
【解決手段】本発明の振動発電装置は、橋梁等の構造物そのものの上下方向の運動を回転運動に変換して発電機を回すのではなく、橋梁等の構造物の振動に共振して大きく運動する錘体の運動エネルギーを電気エネルギーに変換するものである。また錘体の運動エネルギーのうち、上下方向の運動成分のみを被駆動体に伝達してこの被駆動体を上下運動させるので、被駆動体の上下運動を支持する機構に水平方向の運動成分が作用することがなく、摩擦や変形等によって被駆動体の上下方向の運動エネルギーをロスすることがない。被駆動体の上下方向の運動エネルギーを回転運動に変換して増倍した後、ステッピングモータである発電機を回転駆動して発電する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動発電装置に関し、より詳しくは、橋梁等の構造物に生じる振動のエネルギーを効率的に電気エネルギーに変換する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の通行に伴って橋梁等の構造物に生じる振動を活用して発電する技術がいくつか提案されている。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、陸橋と一体に振動する可撓性の水平振動板の表面に圧電素子を設け、陸橋の振動に伴って水平振動板に生じる撓みにより圧電素子を変形させて発電する技術が記載されている。
【0004】
また、下記特許文献2には、橋桁とそれを支持するアーチとの間にリニア発電機を介設し、橋桁に設けた可動子とアーチに設けた固定子との間の上下方向の相対変位によって発電する技術が記載されている。
【0005】
さらに、下記特許文献3には、橋桁の端部をバネ支持するとともに、橋桁と一体に上下動するピストンによりシリンダから作動油を吐出させてタービンを回転させ、このタービンの回転により発電機を駆動して発電する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−15705号公報
【特許文献2】特開2009−243128号公報
【特許文献3】実開平6−47672号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、車両の通行に伴って橋梁等の構造物に生じる振動の振幅は、それほど大きいものではない。
これにより、橋梁等の構造物に生じている振動をそのまま用いて発電する構造の上記特許文献1〜3に記載されている技術では、橋梁等の構造物に生じている振動のエネルギーを効率的に電気エネルギーに変換することができない。
【0008】
そこで本発明の目的は、上述した従来技術が有する問題点を解消し、車両の通行に伴って橋梁等の構造物に生じる振動のエネルギーを効率的に電気エネルギーに変換できる新たな振動発電装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するための請求項1に記載した手段は、
構造物に生じた振動のエネルギーを電気エネルギーに変換する振動発電装置であって、
前記構造物の振動に共振して大きく運動する、前記構造物に弾性支持された錘体と、
前記錘体に駆動されて上下動するように前記構造体に案内支持された被駆動体と、
前記錘体の運動の上下方向成分を前記被駆動体に伝達する運動伝達手段と、
前記被駆動体の上下方向の運動を回転運動に変換する変換機構と、
前記変換機構により生み出された回転運動の回転数を増倍する回転数増倍機構と、
前記回転数増倍機構により回転駆動される発電機と、を備えることを特徴とする。
【0010】
すなわち、請求項1に記載した振動発電装置は、橋梁等の構造物そのものの上下方向の運動を回転運動に変換して発電機を回すのではなく、橋梁等の構造物の振動に共振して大きく運動する錘体の運動エネルギーを電気エネルギーに変換する構造である。
このとき、構造物の振動に共振して大きく運動する錘体の運動エネルギーのうち、上下方向の運動成分のみによって、言い換えると水平方向の運動成分を取り除いて、被駆動体を駆動して上下方向に運動させる。
これにより、被駆動体の上下方向の運動を支持する機構に水平方向の運動成分が作用しないから、摩擦や変形等によって被駆動体の上下方向の運動エネルギーをロスすることがない。
したがって、橋梁等の構造物に生じている振動のエネルギーを、効率よく電気エネルギーに変換することができる。
【0011】
また、請求項2に記載した手段は、請求項1に記載した振動発電装置において、
前記変換機構が、互いに平行に延びる上下一対の水平支軸によってそれぞれ回転自在に支持された上下一対の第1の歯付きプーリと、前記上下一対の第1の歯付きプーリに巻回されて上下方向に延びる部分を有する無端状の第1のタイミングベルトと、この第1のタイミングベルトの上下方向に延びる部分に前記被駆動体を接続する接続手段と、を有することを特徴とする。
【0012】
すなわち、請求項2に記載した振動発電装置における変換機構は、上下一対の第1の歯付きプーリに巻回された第1のタイミングベルトのうち上下方向に延びる部分に、被駆動体を接続する構造である。
これにより、第1のタイミングベルトのうち上下方向に延びる部分が被駆動体の上下動に連動して上下動すると、上下一対の第1の歯付きプーリには正逆両方向の回転が間歇的に生じる。
また、第1のタイミングベルトのうち上下方向に延びる部分に被駆動体の間歇的な上下方向の運動が作用しても、第1のタイミングベルトの歯と第1の歯付きプーリの歯とが互いに噛み合っているので、両者の間に滑りが生じることはなく、被駆動体の上下方向の運動を確実に回転運動に変換することができる。
【0013】
また、請求項3に記載した手段は、請求項2に記載した振動発電装置において、
前記回転数増倍機構が、前記上下一対の第1の歯付きプーリのいずれか一方と一体に回転する、前記上下一対の第1の歯付きプーリより大径な第2の歯付きプーリと、前記発電機の駆動軸と一体に回転する、前記第2の歯付きプーリより小径な第3の歯付きプーリと、前記第2の歯付きプーリと前記第3の歯付きプーリとに巻回された第2のタイミングベルトと、を有することを特徴とする。
【0014】
すなわち、請求項3に記載した振動発電装置における回転数増倍機構は、第1の歯付きプーリに生じた回転運動の回転数を、大径な第2の歯付きプーリと小径な第3の歯付きプーリとによって増倍する構造である。
また、第2の歯付きプーリと第3の歯付きプーリには、無端状の第2のタイミングベルトが巻回されている。
これにより、第1の歯付きプーリに生じた正逆両方向の間歇的な回転運動を、この回転数増倍機構によって増倍しても、第2および第3の歯付きプーリの歯と第2のタイミングベルトの歯との係合により両者の間に滑りが生じることはない。
したがって、第1の歯付きプーリに生じた正逆両方向の間歇的な回転運動の回転数を確実に増倍して発電機を駆動することができる。
【0015】
また、請求項4に記載した手段は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載した振動発電装置において、前記運動伝達手段が、前記錘に接続された第1の球面軸受と、前記被駆動体に接続された第2の球面軸受と、前記第1の球面軸受と前記第2の球面軸受との間で上下方向に延びるロッドと、を有することを特徴とする。
【0016】
すなわち、錘体は構造物の上に弾性支持されているので、その運動には水平方向の運動成分が含まれている。
このとき、錘体と被駆動体を剛体である1本のロッドによって直結すると、錘体の運動に含まれている水平方向の運動成分がそのまま被駆動体にも伝達され、被駆動体の上下方向の案内支持に摩擦が生じて運動エネルギーのロスが生じる。
このとき、請求項4に記載した振動発電装置における伝達手段は、錘体に接続した第1の球面軸受と被駆動体に接続した第2の球面軸受とを上下方向に延びるロッドで接続した構造である。
これにより、錘体の運動に含まれている水平方向の運動は、第1および第2の球面軸受における滑り作用によって遮断されて被駆動体には伝達されない。
したがって、被駆動体の上下方向の案内支持に無駄な摩擦が作用し、被駆動体の運動エネルギーのロスが生じることがない。
【0017】
また、請求項5に記載した手段は、請求項1乃至4のいずれか一項に記載した振動発電装置において、前記発電機がステッピングモータであることを特徴とする。
すなわち、ステッピングモータを発電機として用いると、その構造に起因して、第3の歯付きプーリのわずかな回転によっても確実に発電することができる。
これにより、橋梁等の構造物に生じている振動のエネルギーを効率よく電気エネルギーに変換することができる。
【0018】
また、請求項6に記載した手段は、請求項1乃至5のいずれか一項に記載した振動発電装置において、前記錘体が、前記構造物に生じる振動を制振する動吸振器の構成部品であることを特徴とする。
すなわち、橋梁等の構造物には、その振動を制振するための動吸振器(TMD:Tuned Mass Damper)を設置することがある。
この場合、本発明の振動発電装置は、この動吸振器の錘体を運動エネルギーの供給源として活用できるから、その構成部品の点数を削減して製造コストの低減が図ることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、橋梁等の構造物に生じている振動のエネルギーを効率的に電気エネルギーに変換できる振動発電装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】一実施形態の振動発電装置を示す正面図。
【図2】図1に示した振動発電装置の平面図。
【図3】図1に示した振動発電装置の右側面図。
【図4】図1中のA−A破断線に沿った断面図。
【図5】図1中のB−B破断線に沿った断面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図1乃至図5を参照し、本発明の振動発電装置の一実施形態について詳細に説明する。
なお、以下の説明においては、鉛直方向を上下方向、橋梁等の構造物が延びる方向(図1の正面図において図示左右方向)を左右方向、これらの2つの方向に対して垂直な方向(図2の平面図において図示上下方向)を前後方向と言う。
【0022】
まず最初に図1および図2を参照すると、本実施形態の振動発電装置100は、橋梁等の構造物S上に固定された前後一対のベース板1,1と、これらのベース板1,1の間に前後方向に掛け渡された動吸振器(TMD)10とを備えている。
【0023】
この動吸振器(TMD)10は、前後方向に延びる左右一対のI形鋼11,11からなる架台上に、合計16本のコイルばね12によって、錘体13が固定された厚い鋼板14を弾性支持した構造となっている。
これにより、錘体13は、橋梁等の構造物Sに生じている振動に共振して大きく運動する。
【0024】
一方、動吸振器10の左右の両端には、被駆動体支持機構20、変換機構30、回転数増倍機構40、発電機50がそれぞれ並設されている。
【0025】
被駆動体支持機構20は、図3に示したように、前後一対のベース板1,1の間に掛け渡されて前後方向に延びる基板2と、この基板2上に垂設されて上下方向に延びる前後一対のガイドシャフト21,21を有している。
そして、これらのガイドシャフト21,21にはリニアブッシュ22,22がそれぞれ上下方向に摺動自在に嵌装され、被駆動体23が上下方向に滑らかに往復動できるように案内支持している。
なお、被駆動体23は厚い鋼板から略コ字形に形成された部材であり、ロッド(運動伝達手段)25により動吸振器10に接続されて、錘体13の上下動に連動して上下方向に運動する。
【0026】
ロッド25は、第1の球面軸受26と、第2の球面軸受27と、これらの球面軸受26,27の間で上下方向に延びるロッド本体28とを有している。
第1の球面軸受26は、錘体13を支持している厚板14の左右両端部に固定されたブラケット16に固定されており、かつ第2の球面軸受27は、被駆動体27に固定されている。
ロッド本体28は、その両端部が球面軸受26,27にそれぞれ螺着されている。
【0027】
変換機構30は、被駆動体23の上下方向の運動を回転運動に変換するものであり、基板2に垂設されて互いに平行に延びる左右一対の支持板31,31と、これらの支持板31,31によって支持されて互いに平行に左右方向に延びる上下一対の水平支軸32,33を有している。
上側の水平支軸32により上側の第1の歯付きプーリ34が回転自在に支持され、下側の水平支軸33により下側の第1の歯付きプーリ35が回転自在に支持され、かつこれらの第1の歯付きプーリ34,35には無端状の第1のタイミングベルト36が巻回されている。
第1のタイミングベルト36のうち、第1の歯付きプーリ34,35の間で上下方向に延びる部分には、接続金具(接続手段)37により、被駆動体23の後端部分が接続されている。
これにより、被駆動体23が上下方向に運動すると、第1のタイミングベルト36のうち上下方向に延びる部分もまた上下方向に運動し、したがって第1の歯付きプーリ34,35が正逆両方向に間歇的に回転する。
【0028】
回転数増倍機構40は、第1の歯付きプーリ34の回転運動の回転数を増倍して発電機50に伝達するものであり、第1の歯付きプーリ34より大径で、かつ第1の歯付きプーリ34と一体に回転する第2の歯付きプーリ41を有している。
また、図5に示したように、基板2上に重畳されて固定されている小さな基板3上には、左右一対の支持板42,42が垂設され、左右方向に延びる水平支軸43を回転自在に支持している。
この水平支軸43の先端には、第3の歯付きプーリ44が一体に回転するように固定されている。
第3の歯付きプーリ44の径は、第2の歯付きプーリ41に比較するとかなり小さい。
また、第2および第3の歯付きプーリ41,44には無端状の第2のタイミングベルト45が巻回されている。
これにより、第3の歯付きプーリ44は、第2の歯付きプーリ41、したがって第1の歯付きプーリ34の回転数よりかなり高い回転数で回転する。
【0029】
発電機50は、基板3上に固定されており、かつその回転軸はカップリング51を介して回転数増倍機構40の水平支軸43に連結されている。
これにより、第3の歯付きプーリ44が回転すると発電機50の回転軸が一体に回転し、発電機50が電気エネルギーを生じさせる。
なお発電機50は、PM型ステッピングモータから構成され、第3の歯付きプーリ44の回転数が低い場合でも数ボルトに達する高い電圧の起電力を生じさせる。
また、発電機50が生み出した電気エネルギーは、図示されない蓄電手段に蓄電された後、橋梁等の構造物の照明等に用いられる。
【0030】
次に、上述した本実施形態の振動発電装置100の動作について説明する。
【0031】
橋梁等の構造物Sの上を車両が通過すると、構造物Sには上下方向の振動が生じる。
すると、動吸振器10の錘体13は構造物Sの振動に共振して大きく運動する。
【0032】
一方、被駆動体23は、ロッド25、動吸振器10のブラケット16および厚板14を介して錘体13に接続されている。
これにより、錘体13が大きく運動すると、被駆動体23もまたそれに連動して大きく運動する。
【0033】
ところが、ロッド25には、第1および第2の球面軸受26,27が設けられている。
これにより、錘体13の大きな運動に含まれている水平方向の運動は、第1および第2の球面軸受26,27における滑り作用によって遮断され、被駆動体23には伝達されない。
すると、被駆動体23の滑らかな上下方向の運動を案内支持しているガイドシャフト21,21およびリニアブッシュ22,22は、錘体13の水平方向の運動に起因して水平方向に押動されることはない。
したがって、ガイドシャフト21,21およびリニアブッシュ22,22の間に無駄な摩擦が作用し、被駆動体23の上下方向の運動エネルギーをロスすることがない。
【0034】
他方、被駆動体23の上下方向の運動のエネルギーは、変換機構30によって回転エネルギーに変換される。
このとき、変換機構30を構成する第1の歯付きプーリ34,35と第1のタイミングベルト36とが互いに噛み合っている。
これにより、それらの間に滑りが生じることはなく、被駆動体23の上下方向の運動エネルギーを確実に回転エネルギーに変換することができる。
【0035】
同様に、回転数増倍機構40を構成する大径な第2の歯付きプーリ41および小径な第3の歯付きプーリ44と第2のタイミングベルト45とが互いに噛み合っている。
これにより、それらの間に滑りが生じることはなく、第2の歯付きプーリ41に生じた正逆両方向の間歇的な回転運動の回転数を確実に増倍して発電機50を駆動することができる。
【0036】
さらに発電機50は、ステッピングモータから構成されているので、第3の歯付きプーリ44のわずかな回転を確実に電気エネルギーに変換することができる。
【0037】
すなわち、本実施形態の振動発電装置100は、橋梁等の構造物Sそのものの上下方向の運動を回転運動に変換して発電機50を回すのではなく、橋梁等の構造物Sの振動に共振して大きく運動する錘体13の運動エネルギーを電気エネルギーに変換する構造である。
また、錘体13の運動エネルギーのうち、上下方向の運動成分のみによって、言い換えると水平方向の運動成分を取り除いて、被駆動体23を駆動して上下方向に運動させる構造である。
これにより、被駆動体23の上下方向の運動を案内支持している被駆動体支持機構20が水平方向に押動されて、その構成部品の間に摩擦や変形等が生じることはないから、被駆動体23の上下方向の運動エネルギーをロスすることがない。
したがって、本実施形態の振動発電装置100によれば、橋梁等の構造物Sに生じている振動のエネルギーを効率よく電気エネルギーに変換することができる。
【0038】
さらに、本実施形態の振動発電装置100は、橋梁等の構造物S上に固定される前後一対のベース板1,1の上に、動吸振器(TMD)10、被駆動体支持機構20、ロッド(運動伝達手段)25、変換機構30、回転数増倍機構40、発電機50を、それぞれ一体的に並設した構造となっている。
すなわち、橋梁等の構造物Sの振動に共振して大きく運動する錘体13から発電機構に至るエネルギーの経路が、この振動発電装置100の内部で完結する構造である。
これにより、本実施形態の振動発電装置100は、上記した特許文献2、特許文献3に記載されている装置のように他の構造物によって支持する必要がないから、橋梁等の構造物Sの任意の場所に自在に設置することができる。
【0039】
以上、本発明の振動発電装置の一実施形態について詳しく説明したが、本発明は上述した実施形態によって限定されるものではなく、種々の変更が可能であることは言うまでもない。
例えば、上述した実施形態においては、橋梁等の構造物Sの振動に伴って運動する動吸振器10の錘体13を活用することにより、その構成部品の点数を削減して製造コストの低減を図っている。
これに対して、専用の錘体を用いて振動発電装置を構成することにより、より効率の高い振動発電を達成することができる。
【符号の説明】
【0040】
S 構造物
1 基板
2 基板
3 基板
10 動吸振器
12 コイルばね
13 錘体
14 厚板
16 ブラケット
20 被駆動体支持機構
21 ガイドシャフト
22 リニアブッシュ
23 被駆動体
25 ロッド(運動伝達手段)
26 第1の球面軸受
27 第2の球面軸受
28 ロッド本体
30 変換機構
31 支持板
32,33 水平支軸
34,35 第1の歯付きプーリ
36 第1のタイミングベルト
40 回転数増倍機構
41 第2の歯付きプーリ
42 支持板
43 水平支軸
44 第3の歯付きプーリ
45 第2のタイミングベルト
50 発電機
51 カップリング
100 一実施形態の振動発電装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造物に生じた振動のエネルギーを電気エネルギーに変換する振動発電装置であって、
前記構造物の振動に共振して大きく運動する、前記構造物に弾性支持された錘体と、
前記錘体に駆動されて上下動するように前記構造体に案内支持された被駆動体と、
前記錘体の運動の上下方向成分を前記被駆動体に伝達する運動伝達手段と、
前記被駆動体の上下方向の運動を回転運動に変換する変換機構と、
前記変換機構により生み出された回転運動の回転数を増倍する回転数増倍機構と、
前記回転数増倍機構により回転駆動される発電機と、
を備えることを特徴とする振動発電装置。
【請求項2】
前記変換機構は、
互いに平行に延びる上下一対の水平支軸によってそれぞれ回転自在に支持された上下一対の第1の歯付きプーリと、
前記上下一対の第1の歯付きプーリに巻回されて上下方向に延びる部分を有する無端状の第1のタイミングベルトと、
この第1のタイミングベルトのうち上下方向に延びる部分に前記被駆動体を接続する接続手段と、
を有することを特徴とする請求項1に記載した振動発電装置。
【請求項3】
前記回転数増倍機構は、
前記上下一対の第1の歯付きプーリのいずれか一方と一体に回転する、前記上下一対の第1の歯付きプーリより大径な第2の歯付きプーリと、
前記発電機の駆動軸と一体に回転する、前記第2の歯付きプーリより小径な第3の歯付きプーリと、
前記第2の歯付きプーリと前記第3の歯付きプーリとに巻回された第2のタイミングベルトと、
を有することを特徴とする請求項1に記載した請求項2に記載した振動発電装置。
【請求項4】
前記運動伝達手段は、
前記錘に接続された第1の球面軸受と、
前記被駆動体に接続された第2の球面軸受と、
前記第1の球面軸受と前記第2の球面軸受との間で上下方向に延びるロッドとを有していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載した振動発電装置。
【請求項5】
前記発電機は、ステッピングモータであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載した振動発電装置。
【請求項6】
前記錘体は、前記構造物に生じる振動を制振する動吸振器の構成部品であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに一項に記載した振動発電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−207646(P2012−207646A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−75947(P2011−75947)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(505398952)中日本高速道路株式会社 (94)
【出願人】(391007460)中日本ハイウェイ・エンジニアリング名古屋株式会社 (47)
【出願人】(504182255)国立大学法人横浜国立大学 (429)
【出願人】(000224994)特許機器株式会社 (59)
【出願人】(591132704)スバル興業株式会社 (6)
【出願人】(505160599)株式会社ITM (4)
【出願人】(000142595)株式会社栗本鐵工所 (566)