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振動解析による構造体の非破壊検査装置
説明

振動解析による構造体の非破壊検査装置

【課題】本発明は、不良(5)を含む可能性がある構造体(4)の非破壊検査装置(1)である。
【解決手段】前記構造体の表面の種々の点において前記構造体によって発せられる振動波の測定手段(3)を備え、検査すべき前記構造体上に接着することができるフレキシブルハウジング(2)内に前記測定手段(3)が組み込まれる装置に関する。本発明の適用分野は、構造体の完全性の検査が重要であるあらゆる工業部門、特に航空機産業に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造内に不良が存在することにより生じる異常振動を判定するために構造によって発生する振動波を測定する手段を備える振動解析による構造の非破壊検査装置に関するものである。測定手段は、被検査構造の表面上に接着することができるフレキシブルハウジング内に組み込まれる。本発明は航空機の構造体の非破壊検査(NDI)に応用されるが、自動車、鉄道、造船、または原子力など加工部品の完全性の検査が重要である全ての工業部門において用いることができる。
【背景技術】
【0002】
航空機の利用および保守の範囲内では、構造体を構成する部品を損傷させることなく、クラックまたは亀裂によって構造体が損傷しているかどうかを判定することができる検査方法を用いることが必要である。用いる手法は非破壊検査(NDI)という名称のもとにまとめられる。当該工業分野はこれらのNDI手法の性能の向上を要求しているため、NDI手法は多数存在し常に進化している。航空輸送および土木工学の分野では、安全上の必要性およびコスト削減政策の双方を満足させるより高性能なNDI手法が常に求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって本発明は特に、航空機が飛行中である時に航空機の構造体内で発生する異常振動を検出することを目的とする。これらの振動は、航空機の構造体を構成する材料の中でのたとえば亀裂またはクラックの出現など構造体の中での不良の出現を示唆するものである場合がある。
【0004】
たとえばX線ラジオグラフィまたは磁気誘導による検査手段が存在するが、これら手段は、ある構造体の不良を検出することはできるが、航空機構造体の場合、飛行機を固定せずに実施することは難しくまた不適切である。
【0005】
また、亀裂の出現を検査するための目視検査手段も存在するが、一般的に、不良がもっと発達しやすい構造体は、複雑な固定要素または可動構造など接近が困難な構造体である。これらの手段では、亀裂が、作業者が直接接近できる表面まで到達する時しか亀裂を検出するができず、また目視検査手段では、構造体について有効な予知保全を行うことができない。
【0006】
これらの手段は全て、検査装置を使用して飛行機の重要部分の点検を行うにあたり航空機が地上で固定されることを必要とする。そのため、比較的長い検査時間と、有資格作業の立会が必須であり、その結果、比較的高い保守コストが生じる。
【0007】
本装置の設計者が知る限り、たとえば、航空機構造体などの構造体の状態をその全使用期間にわたり検査することができ、特に飛行中の航空機構造体の良好性の全体的診断を行うことができる高性能な手段は現在のところ存在しない。
【0008】
本発明は、構造体の振動挙動を局部的に測定することにより、前記構造体の全使用期間にわたってその構造の良好性を監視することができるそのような検査に適合した装置を提供する。
【0009】
そのような装置について解決すべき課題は
−被検査構造体に接近可能であるか否かに関わらずそれら構造体の表面上に容易に貼付することができるようにされ、きわめて軽量および小型であり、かつその作動に必要な電力が少ない非破壊検査手段を提供すること、
−可能な限り早期に不良の出現を検出することにより予知保全を行うため、被検査構造体の使用期間中これらの構造体上に常時設置するのに適し、その結果、作業の日程を組み、より低コストで修理を行うことができ、構造体について最大の安全性が保証される検査手段を提供すること、
−検査の自動的管理が可能であり、作業者の仕事を最大限に低減して保守コストを低減するために、構造体の良好性について完全な診断を行うことができる検査手段を提供すること、
である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的のため、本発明は、不良を含む可能性がある構造体の非破壊検査装置を提供する。本発明によれば、前記装置は、前記構造体の表面の種々の点において前記構造体によって発せられる振動波の測定手段を備え、検査すべき前記構造体上に接着されるようになっているフレキシブルハウジング内に前記測定手段が組み込まれる。
【0011】
前記振動波測定手段は、構造体の表面における振動波のマップを生成することができる一式のマイクロセンサを含む。
【0012】
検出が求められる最小寸法を有する不良が存在することにより生じる振動波の振動を検出することができるようマイクロセンサの寸法および配置が決定される。
【0013】
本発明によれば、検出手段は行列のマトリクス状に編成された圧電マイクロセンサであり、前記マイクロセンサは、前記構造体から発せられた前記振動波を電気信号に変換する。
【0014】
本発明によれば、本装置は、前記検出および測定手段を記録メモリに接続するインタフェース電子機器を備え、有利には一体型検査装置が作製されるよう前記インタフェース電子機器および前記メモリも前記フレキシブルハウジング内に組み込まれる。
【0015】
各マイクロセンサは、構造体から発せられる振動波を電気信号に変換するために、2つの導電プレートの間に配置された圧電ブレードの格子を含み、前記ブレードの端部は導電接着材により前記プレートに固設され、2つのプレートのうちの一方は前記フレキシブルハウジングに固設され、前記2つのプレート自体も前記インタフェース電子機器に接続される。
【0016】
検査装置は、マイクロセンサにより測定された振動波を基にして構造体内に不良が存在することにより生じる振動波を自動的求めるためのマイクロプロセッサシステムなどの演算システムを備える。
【0017】
演算システムがフレキシブルハウジング内に組み込まれない実施形態では、前記検査装置は、メモリ内に記録された振動波を表す電気信号を、ワイヤレスリンク、無線、赤外線を使用して、前記演算システムに送信するための送信手段を含む。
【0018】
演算システムがフレキシブルハウジング内に組み込まれる別の実施形態では、前記演算システムは、前記インタフェースと記録メモリとの間に接続される。
【0019】
演算システムの一実施形態では、演算システムは、単数または複数の構造体の基準振動波の少なくとも1つのマップを含むメモリと、検査装置から送信される電気信号を振動波に変換する演算手段と、基準振動波に対する、マイクロセンサによって測定された前記振動波の微分解析およびスペクトル解析手段とを有する。
【0020】
特定の実施形態によれば、微分解析手段は、基準振動波とマイクロセンサによって測定された振動波の間の微分値が閾値を超えたという事実に特徴的な状態信号Sを生成する手段を含む。
【0021】
別の特定の実施形態によれば、前記スペクトル解析手段は、基準振動波の周波数表示に対する、マイクロセンサによって測定された振動波の周波数表示が、前記構造体内に不良が存在することにより発生する異常振動波のスペクトル線を含むという事実に特徴的な状態信号S’を生成する手段を含む。
【0022】
上で説明した実施形態によれば、生成された状態信号SおよびS’は演算システムによりアラーム手段に送信されるか、検査システムの記録メモリ内に記録され、次に、ワイヤレス、無線または赤外線リンクを使用してアラーム手段に送信される。
【0023】
アラーム手段はたとえば表示手段ならび光および/または音による指示装置を含む。
【0024】
圧電ブレードは低周波振動波および高周波振動波を検出するようになされているのが有利である。
【0025】
検査装置は、前記マイクロセンサの少なくとも一行または一列が、構造体の振動の効果により少なくとも一行または少なくとも一列のマイクロセンサにより発生する電気エネルギーを保存し検査装置に電源を供給するための電流の形態の電気エネルギーを再現するようになっている電気エネルギー蓄積装置に接続されるような電源供給システムを含むのが有利である。
【0026】
本発明のその他の特徴および長所は添付の図面を参照して行う以下の説明を読むことにより、よりよく理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】被検査構造の表面を覆う本発明の一実施形態による圧電マイクロセンサの格子を備える検査装置であってそれ自身も塗装層に覆われている装置の断面概略図である。
【図2】2つのプレート間に配置された圧電ブレードの格子を備える図1の圧電マイクロセンサであってフレキシブルハウジングに組み込まれたマイクロセンサの部分断面概略図である。
【図3】検査装置の一実施形態を示す同装置の上面の概略図である。
【図4】遠隔地に配置された演算システムに電気信号を送信する作動位置にある図3の検査装置の一実施形態の概略図である。
【図5A】ブレートの格子を得るためのUVフォトリソグラフィの一技術例の種々のステップの概略図である。
【図5B】ブレートの格子を得るためのUVフォトリソグラフィの一技術例の種々のステップの概略図である。
【図5C】ブレートの格子を得るためのUVフォトリソグラフィの一技術例の種々のステップの概略図である。
【図6】フレキシブルハウジングに組み込まれたブレードの格子の断面概略図である。
【図7】飛行機の飛行中に記録された信号の送信位置にある、地上にある飛行機の構造体の表面上に配置された検査装置網の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
飛行機の通常動作中、特に飛行中は、種々のエネルギー発生源により飛行機の種々の構造が振動励起される。たとえば推進装置の圧力波は、応答が構造体に特有な前記構造体の振動モードを励起する。たとえば、これらの構造内に亀裂または不規則性など構造上の異常が発生した結果、構造が変化すると、構造の振動応答が変化する。対応する振動が励起源の構造振動に重畳される。振動発生源の時間的およびスペクトル分析により振動特性を抽出することおよび不良発生の原因となる可能性のある異常モードの存在を検出することができる。一般的に、振動構造に特徴的な信号には2つのカテゴリがある。すなわち、ある不動位置の周囲の構造のマクロ変位量(マクロスコピックなスケールでの変形)を表す0KHzからおおむね25KHzまでの低周波数帯内の低周波振動波と、構造を構成する材料の内部のミクロスコピックなスケールでの変位量(ミクロスコピックな変形)を表すおおむね20KHzから数MHzまでの帯内の高周波である。
【0029】
低周波振動波を解析することにより力学的原因による不良の存在を検出することができる一方、高周波振動波を解析することにより亀裂など小寸法の不良、さらには通常は進行性の腐食に関連する不良の発生開始を検出するともに、これらの不良の進行を追跡することができる。
【0030】
図1に、構造体内に不良が存在することにより発生する振動波を検出し測定するための本発明による構造体4の非破壊検査装置を示す。
【0031】
同装置は、前記構造体により構造体の表面の種々の点で発生される振動波の測定手段3が組み込まれたフレキシブルハウジング2を備える。フレキシブルハウジング2はたとえば、構造体の形状に合わせて装置を被検査構造体の表面上に固定することができる可塑材料で作製される。
【0032】
検査装置1のフレキシブルハウジングは接着材により被検査構造体4の表面に固設される。
【0033】
この装置は、亀裂が発生する可能性がある構造体の重要な部位に固定されるのが好ましい。本装置は、航空機上では、たとえばエルロンの固定部位、胴体を構成するパネルの接続部位、たとえばエンジンの固定要素など重要な固定要素のところに位置する重要であるとみなされる部位上に配置することができる。
【0034】
この検査装置1は、同検査装置1に被覆されるようになるたとえば塗装層とすることができる被覆層5を受け入れる構成になっているのが有利である。
【0035】
測定手段は、好ましくは行および列のマトリックス状に編成された圧電マイクロセンサ3の格子を含む。各マイクロセンサは、それが配置されている構造体から受信する振動波を電気信号に変換することができる。
【0036】
図2は格子のマイクロセンサのうちの1つの断面概略図である。マイクロセンサは一式の圧電ブレード6を備える。前記一式のブレードは2つの導電プレート8、9間に配設される。
【0037】
各ブレードの端部は導電性接着材7により2つの導電プレート8、9に固設され、この2つのプレートのうちの一方は、被検査構造体の一部位の表面を覆うようになっているフレキシブルハウジング2に固設される。
【0038】
被検査構造体が振動すると、圧電ブレードは、マイクロセンサが設置されている構造体の点と同じ周波数で振動する。ブレードは変形することにより圧電効果により帯電する。ブレードの端部に接続された2つの導電プレート8、9により、電荷によりブレード上に発生した電気信号を回収することが可能である。
【0039】
図3は本発明の1つの特定な実施形態による検査装置の上面概略図であり、ここではたとえば行3lおよび列3cのマトリックス状に編成された圧電マイクロセンサ3の56の格子を含むほぼ長方形の形状を有する。また本装置は、マイクロセンサ3の格子を記録メモリ11に接続するインタフェース電子機器10を備えるのが有利である。電子機器10およびメモリ11は、有利には一体型の検査装置が実現されるよう、フレキシブルハウジング2に組み込まれるのが好ましい。
【0040】
各マイクロセンサのプレート8、9が収集する電気信号はインタフェース電子機器10に送信されるが、電子機器は前記電気信号の増幅手段を含むのが好ましい。増幅された信号は次に記録メモリ11に送られる。インタフェース電子機器10は、図3に示す装置の実施形態におけるマイクロセンサの行の端部に配設される。別の実施形態ではインタフェース電子機器をマイクロセンサの列の端部に配設することができるが、本発明の範囲内では、マイクロセンサとインタフェース機器との間における他の相対装置も可能である。
【0041】
各マイクロセンサ3は、マイクロセンサがある場所における構造体の振動に関する情報をもたらすが、マイクロセンサを分布させることにより前記構造体の表面における振動波のマッピングを得ることができ、その結果、マイクロセンサの位置に応じて、振動波の局所的変化をもたらす構造体の不良の位置を求めることができる。
【0042】
不良の位置を正確に求めるために、マイクロセンサ間のピッチは検出する最小の不良の寸法よりも小さな値に設定して、不良の位置の識別が可能になるようにするとともにマイクロセンサの格子が局所的に損傷した場合でも、格子の損傷部位の周囲に位置するマイクロセンサにより、発生する可能性がある不良に充分に近い部位の監視が常に可能になるようにして不良が実際に検出されるようにする。
【0043】
本発明の特定の実施形態では、マイクロセンサ3から発信された電気信号のインタフェース電子機器10への転送モードはインターライン転送モードである。各マイクロセンサラインの上に保存ライン23が配置される。信号は一時的にこの保存ライン23内に保存される。次に保存ラインの内容がパラレルモードによりインタフェース電子機器10に転送される。次に電気信号がシリアルで記録メモリ11側に回収される。
【0044】
電気信号の転送モードの一変形形態では、電気信号を直接インタフェース電子機器10に送信するよう、各マイクロセンサが直接アドレスされる。
【0045】
マイクロセンサ3によって測定された電気信号を自動的に処理するために、検査装置は、測定した振動波に特徴的な電気信号をデジタル値に変換し、マイクロセンサにより測定された振動波から構造体内に不良が存在することにより生じる振動波を求めるための、図4に概略図を示すような演算システム13をさらに備える。演算システムはたとえばマイクロプロセッサシステムである。
【0046】
図4に示す本発明の好ましい実施形態では、演算システムはフレキシブルハウジング2に組み込まれていないため、装置は、無線または赤外線ワイヤレスリンクを使用することにより記録メモリ11内に記録された電気信号を演算システム13に送信するための、図3において符号12を付した送信手段を含む。これらの送信手段はたとえば、フレキシブルハウジングに組み込まれ好ましくはある固定された周波数であって、振動を表す電気信号を送信しても、検査装置以外の装置による他のデータの送信に干渉しないよう選択された周波数で作動するトランスポンダを含む。
【0047】
演算システムは、記録メモリからのアナログ電気信号をデジタル値に変化するためのアナログ/デジタル変換器を含むのが好ましい。次にこれらのデジタル値は、検出された振動と発生した電荷との間の関係を確立する理論モデルまたは実験モデルが組み込まれるのが有利である演算手段により振動波に変換される。
【0048】
マイクロセンサによって測定された振動波から、構造体内に不良が存在することによって生じる振動の変化を求めるために、本システムは、マイクロセンサによって測定された振動波と基準振動波の間の振幅および周波数の比較試験を行うための解析手段を含む。そのため、演算システムは構造体の基準振動波のマップのデータベースが記録されているメモリを含む。基準マッピングは、検査装置によってカバーされる部位の挙動に対するあらかじめ決められた比較モデルを構成するものである。このマップは基準構造体上であらかじめ設定することができる。基準構造体とは、たとえばその製造ラインの出口にあって全ての品質認定ステップに合格した構造体のように、不良を含まないと判断された構造体を意味する。解析手段が基準振動波と測定された振動波の間の振幅の比較試験を行って、基準振動波と測定振動波の間で求められた微分値が閾値を超えると、解析手段により状態信号Sが生成される。
【0049】
この振幅における比較はスペクトル解析で補完されることが有利である。たとえば、解析手段は、基準振動波の周波数表示と測定振動波の周波数表示を比較することにより振動の周波数表示を得るために測定振動波のフーリエ変換を最初に行い、次に解析手段により、構造体内に不良が存在することにより発生する振動波に相当するスペクトル線が抽出され、解析手段は第2状態信号S’を生成する。
【0050】
スペクトル解析により、検出した不良の性状を識別ができるのが有利である。通常、振動スペクトルは一式の輝線を含む。不良に相当する輝線を容易に同定し、検出した不良の種類に従って分類するために、スペクトル構成のライブラリも演算システムのメモリ内に登録される。
【0051】
状態信号SおよびS’、ならびに不良の性状、不良の寸法および不良の位置など全ての情報は演算システムから、たとえば情報を表示するための表示画面22およびオペレータにメンテナンスを知らせるための光および/または音による指示装置20を含むアラーム手段14に送信される。
【0052】
メモリ11内に記録されている電気信号の演算システムへの送信は、たとえば飛行機のフライトの終了時に自動的に行われるようプログラムすることができる。またこの送信はメンテナンスオペレータが飛行機の点検時に検査装置に問い合わせることにより手動で行うこともできる。
【0053】
本発明の別の実施形態では、演算システム13がフレキシブルハウジング2に直接組み込まれ、インタフェース電子機器10と記録メモリ11の間に接続される。この実施形態では、演算システム13はインタフェース電子機器10から電気信号を直接受信し、状態信号SおよびS’ならびに不良に関する情報のみを記録メモリ11に送信する。オペレータは点検時、装置に問い合わせ、無線または赤外線ワイヤレスリンクを使用して、検査装置のメモリに記録されている状態信号および情報をアラーム手段14にダウンロードする。
【0054】
構造体のリアルタイム検査では、検査装置はたとえば飛行機が地上にはいなくなった時に起動されるようプログラムされ、次に、時間の経過にともないマップを作成するよう、所定の時間中、たとえば5分毎など一定の間隔で測定を行う。このように、検査装置により、部品から発せられる振動波の界の変化を求めるための時間の経過にともなう被監視部位のマッピングが可能になる。
【0055】
ブレードの格子はマイクロエレクトロニクスの分野において既知の手法により作製される。ブレードの格子はたとえばUVフォトリソグラフィの手法により得ることができる。図5A、5Bおよび5Cはフォトリソグラフィの手法によるブレードの実施例を示す。圧電フィルム17がケイ素またはガラスタイプの硬質基板16上に配置され、フィルム17の厚さは数十ナノメートルから数十ミクロンとすることができる。たとえば樹脂19のような感光フィルムは圧電フィルム上に配置され、マスク18を通してUV照射を受ける。図5Bは、現像溶媒の浴に浸漬され金属化された後のユニットを示す図である。このとき圧電フィルム17の表面は、圧電フィルムの表面上に付着された金属ゾーンと樹脂ゾーンとを含む。
【0056】
樹脂ゾーンは溶媒浴内で消滅しながら表面に付着された金属を除去することにより、必要とする金属モチーフを圧電フィルム17の表面上に残し、これらのモチーフがドライエッチングステップでマスクを構成する。付着金属は圧電フィルム17のエッチングレートよりもはるかに遅いエッチングレートを有するため、エッチング時間およびエッチング速度を管理し、金属マスクを通してドライエッチングを行うことにより、一定間隔で配置されたブレードの格子が作製される。ブレードの幅は数十ナノメートルから数ミクロンとすることができ、ブレード間のピッチは数十ナノメートルから数ミクロンとすることができる。
【0057】
このようにして得られたブレードの格子を2つのプレート8、9の間に配置し、次に、マイクロセンサ3を作製するためにこの格子をフレキシブルハウジング2内に組み込むために、固定した第1導電プレート8を導電接着材7によりブレードの格子上に配置する。次に、レーザによるアブレーションにより硬質基板16を除去することができる。次に、導電接着材7によりブレードの格子が第2プレート9に固定される。最終ステップでは接着材によりユニットをフレキシブルハウジング2に固定する。
【0058】
図6は、このようにして得られた2つの導電プレート8、9の間にサンドイッチ状にはさまれた圧電ブレードの格子17の断面図である。このようにして作製されたマイクロセンサは、次に、たとえば図3に示すようなマイクロセンサの格子を作製するために等間隔に配置される。圧電ブレードを作製するために使用する材料はたとえばジルコン酸チタン酸鉛(PZT)タイプの圧電材料のフィルム17である。圧電ブレード6は、高い圧電係数、ならびに、材料が圧電性を失い装置がその動作に達する温度領域で作動できるような温度である充分に高いキュリー温度を有する材料から作製されるのが好ましい。
【0059】
圧電ブレードは、不動位置の周囲の構造体のマクロシフトにより発生する低周波振動波および材料の内部マイクロシフトにより発生する高周波も受信するようになされている。
【0060】
フレキシブルハウジングに組み込まれたその他の全ての電子構成部品は、ケイ素またはガラスなど硬質基板上でのマイクロ製造技術であってここでは可塑性基板に移植された製造技術を基にして作製される。マイクロ製造プロセス中に用いられる温度はプラスチック基板を破壊する可能性があり、したがってこの温度では構成部品をフレキシブル基板上に直接作製することはできない。この技術的問題を解決するために現在提案されている解決方法の1つは、まず、ガラス上に付着させた基板上に構成部品を作製するというものである。保護の役割を果たす別のガラス層が可溶性接着材により構成部品上に固定され、次に、レーザアブレーションにより、硬質基板がスタック部分から取り除かれる。次に構成部品がプラスチック基板に押圧され、永久接着材によりこの基板に固定され、ガラス保護部分が取り除かれる。
【0061】
本装置の特定の実施形態によれば、検査装置の厚さは50μm以下であり、一辺が約10×10cmの表面を有する。各マイクロセンサの大きさは100μm程度であり、2つのマイクロセンサ間の距離は10μm程度である。
【0062】
図7は飛行機15の構造体の表面上に配設された本発明による複数の検査装置の格子を含む概略図である。飛行機は地上にあり、検査装置網は、飛行機の一回のフライトまたは複数回のフライトの間に記録された信号を、ここでは表示画面および音による指示装置20を持つたとえばコンピュータを含むアラーム手段14に接続された演算システム13に送信する状態にある。
【0063】
本装置は、圧電マイクロセンサの自己電源供給システムを含むのが有利であり、たとえば装置の少なくとも一行または一列のマイクロセンサが、構造体の振動の効果により少なくとも一行または少なくとも一列のマイクロセンサにより発生する電気エネルギーを保存するようになっている電気エネルギー蓄積装置21に接続される。この蓄積装置は、検査装置に電源を供給するための電流の形態の電気エネルギーを再現する。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明は、航空機の構造体の検査という範囲内で説明したが、たとえば自動車、鉄道、造船または核など他の工業セクタにおける不良の存在を検出するために振動励起の発生源を受ける構造体を監視しなければならない場合にもその都度用いることができる。
【符号の説明】
【0065】
1 検査装置
2 フレキシブルハウジング
3 マイクロセンサ
4 被検査構造体
5 被覆層
6 圧電ブレード
7 導電接着材
8 (第1)導電プレート
9 (第2)導電プレート
10 インタフェース電子機器
11 記録メモリ
12 送信手段
13 演算システム
14 アラーム手段
15 飛行機
16 硬質基板
17 圧電フィルム
18 マスク
19 樹脂
20 指示装置
21 蓄積装置
22 表示画面(手段)
23 保存ライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
不良(5)を含む可能性がある構造体(4)の非破壊検査装置(1)において、前記構造体の表面の種々の点において前記構造体によって発せられる振動波の測定手段を備え、検査すべき前記構造体上に接着されるようになっているフレキシブルハウジング(2)内に前記測定手段が組み込まれることを特徴とする装置。
【請求項2】
振動波測定手段(3)が、構造体(4)の表面における振動波のマップを生成することができる一式のマイクロセンサ(3)を含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
検出が求められる最小寸法を有する不良(5)が存在することにより生じる振動波の振動を検出することができるようマイクロセンサ(3)の寸法および配置が決定されることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記一式のマイクロセンサが、行および列のマトリクス状に編成された圧電マイクロセンサ(3)の格子を含み、前記マイクロセンサが前記振動波を電気信号に変換することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項5】
さらに前記装置が、前記マイクロセンサ(3)を記録メモリ(11)に接続するインタフェース電子機器(10)を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項6】
一体型検査装置が作製されるよう前記電子機器(10)および前記メモリ(11)が前記フレキシブルハウジング(2)内に組み込まれることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項7】
前記インタフェース電子機器(10)がマイクロセンサの行の端部またはマイクロセンサの列の端部に配設されることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項8】
各マイクロセンサが、圧電効果により帯電する2つの導電プレート(8、9)の間に配置された一式の圧電ブレード(6)を含み、前記ブレードの端部が導電接着材(7)により前記プレートに固設され、2つのプレートのうちの一方が前記フレキシブルハウジング(2)に固設され、前記ブレード(6)上の電荷により発生した電気信号を前記インタフェースに送信するために前記2つのプレート(8、9)が前記インタフェース電子機器(10)に接続されることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項9】
検査装置が、前記マイクロセンサ(3)により測定された振動波を基にして構造体内に不良(5)が存在することにより生じる振動波の変化を求めるためのマイクロプロセッサシステムなどの演算システム(13)を備えることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項10】
前記演算システム(13)がフレキシブルハウジング(2)内に組み込まれず、前記検査装置が、メモリ(11)内に記録された振動波を表す電気信号を、有線リンクまたはワイヤレスリンク、無線、赤外線を使用して、前記演算システム(13)に送信するための送信手段(12)を含むことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項11】
前記演算システム(13)が前記フレキシブルハウジング(2)内に組み込まれ、前記インタフェース電子機器(10)と前記記録メモリ(11)との間に接続されることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項12】
演算システム(13)が、単数または複数の構造体の基準振動波の少なくとも1つのマップを含むメモリと、マイクロセンサにより生成された電気信号を振動波に変換する演算手段と、基準振動波に対する前記振動波の微分解析およびスペクトル解析手段とを有することを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項13】
基準構造体に関して基準振動波の前記少なくとも1つのマップがあらかじめ設定されることを特徴とする請求項12に記載の検査装置。
【請求項14】
基準振動波の前記少なくとも1つのマップがモデリングによりあらかじめ設定されることを特徴とする請求項12に記載の検査装置。
【請求項15】
前記微分解析手段が、基準振動波とマイクロセンサによって測定された振動波の間の微分値が閾値を超えたという事実に特徴的な状態信号Sを生成する手段を含むことを特徴とする請求項12から14のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項16】
前記スペクトル解析手段が、基準振動波の周波数表示に対する、マイクロセンサによって測定された振動波の周波数表示が、前記構造体内に不良が存在することにより発生する異常振動波のスペクトル線を含むという事実に特徴的な状態信号S’を生成する手段を含むことを特徴とする請求項12から14のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項17】
前記状態信号SおよびS’が前記演算システムによりアラーム手段(14)に送信されることを特徴とする請求項10、12から16のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項18】
生成された前記状態信号が、前記演算システムに接続された前記記録メモリ(11)内に記録され、次に、有線、ワイヤレス、無線または赤外線リンクを使用してアラーム手段に送信されることを特徴とする請求項11から16のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項19】
前記アラーム手段(14)が表示手段(22)ならびに光および/または音による指示装置(20)を含むことを特徴とする請求項17または18に記載の検査装置。
【請求項20】
前記圧電ブレードが0KHzからおおむね25KHzの周波数帯における低周波振動波を検出することができることを特徴とする請求項1から19のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項21】
前記圧電ブレードがおおむね25KHzから数MHzの周波数帯における高周波振動波を検出することができることを特徴とする請求項1から20のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項22】
前記圧電ブレード(6)が高い圧電係数を有する材料で作製されることを特徴とする請求項1から21のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項23】
格子の前記ブレードが等間隔に配置されることを特徴とする請求項1から22のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項24】
前記検査装置の厚さが50μm以下であることを特徴とする請求項1から23のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項25】
前記マイクロセンサの少なくとも一行または一列が、構造体の振動の効果により少なくとも一行または少なくとも一列のマイクロセンサにより発生する電気エネルギーを保存し検査装置に電源を供給するための電流の形態の電気エネルギーを再現するようになっている電気エネルギー蓄積装置(21)に接続されるような圧電マイクロセンサの自己電源供給システムを含むことを特徴とする請求項1から24のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項26】
検査装置(1)の前記フレキシブルハウジング(2)が接着材により、被検査構造体(4)の表面に固設されることを特徴とする請求項1から25のいずれか1項に記載の検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2009−537835(P2009−537835A)
【公表日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−511473(P2009−511473)
【出願日】平成19年5月16日(2007.5.16)
【国際出願番号】PCT/EP2007/054759
【国際公開番号】WO2007/135057
【国際公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【出願人】(501446228)エアバス・フランス (93)
【Fターム(参考)】