説明

振子式表示装置

【課題】本発明は、軸着手段を構成する揺動軸を受部材に線接触状に磁着して軸支せしめ
、揺動時における摩擦抵抗を少くしてスム−ズに振動作動を行うことが出来る、振子式表示装置を提供する。
【解決手段】
【0007】フレ−ム1a・1bに軸着手段を介して振子体7a・7bが揺動自在に軸着され、該振子体7a・7bには表示体12が取付け自在とされると共に、同下端部には永久磁石9が取付けられ、該永久磁石9に対向すべくフレ−ム1a・1bに駆動コイル3が配設され、該駆動コイル3に通電して励磁せしめつつ永久磁石9との電磁力により振子体7a・7bを揺動せしめるべく構成されてなる振子式表示装置であって、上記軸着手段は振子体7a・7bに止着された強磁性揺動軸8a・8b・8cと、該揺動軸8a・8b・8cを線接触状に磁着して軸支せしめるべくフレ−ム1a・1bに配設された永久磁石製受部材5a・5b・5cとより構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広告体やディスプレイ、あるいは玩具などに用いられる振子式表示装置に関
する。
【背景技術】
【0002】
従来より、この種の振子式表示装置としては、所要のフレ−ムに軸支孔と揺動軸とより
なる軸着手段を介して振子体が揺動自在に軸着され、該振子体には所要の表示体が取付け
自在とされると共に、同下端部には永久磁石が取付けら、該永久磁石に対向すべくフレ−
ムには駆動コイルが通電自在に配設されたものが知られている(特開2006−7188
5号公報、特開2008−180755号公報参照)。
【0003】
そして、上述のごとく構成された振子式表示装置は、振子体に所要の表示体を取付けた
のち、駆動コイルに通電して励磁せしめつつ、永久磁石との電磁力により軸着する振子体
を所定の振幅でもって慣性的に揺動作動せしめ、これに連動して表示体を同期に揺動せし
めるものとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−71885号公報
【特許文献2】特開2008−180755号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述のごとく構成された従来の振子式表示装置は、表示体を確実に所定の振幅でもって同期等速に揺動せしめ、表示機能を有効に発揮せしめることが出来るものである。
しかしながら、かかる従来の振子式表示装置は、その振子体を軸支孔と揺動軸とよりな
る軸着手段でもって揺動自在に軸支するものであるから、揺動軸は常に軸支孔の内周面に
対して面接触状に接触せしめるものとなり、ひいては、揺動時における摩擦抵抗が大とな
ってスム−ズな揺動作動がしずらいのみならず、構造が複雑となり、その製作が面倒で手
間がかかるものとなっていた。
【0006】
本発明は、上記従来例の課題を解決しようとするもので、軸着手段を構成する揺動軸を
受部材に線接触状に磁着して軸支せしめ、常に揺動時における摩擦抵抗を少くしてスム−
ズに振動作動を行うことが出来るのみならず、構造が簡単で容易に製作することが出来る
、振子式表示装置を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、請求項1記載の発明は、所要のフレ−ムに軸着手段を介し
て振子体が揺動自在に軸着され、該振子体には表示体が取付け自在とされると共に、同下
端部には永久磁石が取付けられ、該永久磁石に対向すべくフレ−ムに駆動コイルが通電自
在に配設され、該駆動コイルに通電して励磁せしめつつ永久磁石との電磁力により振子体
を揺動せしめるべく構成されてなる振子式表示装置において、上記軸着手段は振子体に止
着された強磁性揺動軸と、該揺動軸を線接触状に磁着して軸支せしめるべくフレ−ムに配
設された永久磁石製受部材とより構成されてなることを特徴とする、振子式表示装置を要
旨とするものである。
【0008】
そして、上記請求項1記載の振子式表示装置において、揺動軸は受部材下面に線接触状
に磁着して吊下げ状に軸支され、また、揺動軸は受部材上面に線接触状に磁着して軸支さ
れている。
【発明の効果】
【0009】
本発明による振子式表示装置は、上述のように構成されているから、軸着手段を構成す
る強磁性揺動軸を永久磁石製受部材に線接触状に磁着して軸支せしめることが出来るもの
であって、ひいては、常に揺動時における揺動軸の摩擦抵抗を少なくしてスム−ズに揺動
作動せしめることが出来るものである。また、構造が従来例に比して簡単であり、容易に
、しかも安価に製作することが出来るものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施例を示す分解斜視図である。
【図2】本発明の一実施例の使用状態を示す一部を破断した側面図である。
【図3】本発明の一実施例の使用状態を示す一部を破砕した正面図である。
【図4】本発明の他の実施例を示す分解斜視図である。
【図5】本発明の他の実施例の使用状態を示す一部を破断した側面図である。
【図6】本発明の実施例における軸着手段の変形例を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明を実施するための形態を図面に示す一実施例に基づいて詳細に説明する

【0012】
図1〜図3は本発明の一実施例を示すもので、同図中、1aは後記する振子体7aを吊
下げ状に軸着せしめるフレ−ム、2aは該フレ−ム1aを構成する方形体状の中空基体、
3は該基体2a上の中央部に配設された駆動コイルで、該駆動コイル3は基体2a内に内
蔵された駆動回路基盤(図示略)を介して蓄電池や外部電源により通電して励磁せしめる
ものとされている。4aは上記基体2aの一側に立設された所要の高さを有する直方体状
の受部材用支柱、5aは該支柱4aの上端部にホルダ−6を介して下向き状に横設された
棒状の永久磁石製受部材である。
【0013】
7aは所要の長さを備えた振子体、8aは該振子体7aの上端部に横設された方形なナ
イフエッジ状の強磁性揺動軸で、該揺動軸8aは前記受部材5aの長手方向に沿ってその
下面に線接触状に磁着し、吊下げ状に軸支するものとされている。9は前記駆動コイル3
に対向すべく上記振子体7aの下端部に円形状ホルダ−10aを介して取付けられた円形
状の永久磁石、11は振子体7aの一側に取付けられた表示体用取付け具である。
その他、12は広告体などの表示体を示す。
【0014】
次に、上述のごとく構成された実施例の作動について説明する。
先ず、図2に示すように、揺動軸8aを受部材5aの長手方向に沿ってその下面に線接
触状に磁着して振子体7aを吊下げ状に軸支せしめる。ついで、振子体7aに取付け具1
1を介して所要の表示体12を取付けたのち、駆動コイル3に通電して励磁せしめつつ、
永久磁石9との電磁力により吊下げ状に軸支する振子体7aを所要の振幅でもって慣性的
に揺動作動せしめ、これに連動して表示体12を図3に矢印で示す方向に同期揺動せしめ
るものである。
【0015】
このさい、ナイフエッジ状とされた強磁性揺動軸8aを永久磁石製受部材5aの長手方
向に沿ってその下面に線接触状に磁着して振子体7aを吊下げ状に軸支せしめるものであ
るから、揺動時における揺動軸8aの摩擦抵抗を非常に少くせしめることが出来るもので
あって、ひいては、常に振子体7aをスム−ズに揺動せしめることが出来るものである。
また、振子体7aは揺動軸8aを受部材5aに磁着せしめるという簡単な操作でもって容
易に取付け、また取外すことが出来るのみならず、構造が簡単であり、容易に、しかも安
価に製作することが出来るものである。
【0016】
図4及び図5は他の実施例を示すもので、フレ−ム1bは上面が傾斜面状とされた方形
体状の中空基体2b一側に同幅状の受部材用支柱4bが立設された点、支柱4bの上端部
に開口部13を介して端子14付き受部材5bが上向き状に配設された点、長尺状とされ
た振子体7bの上部にホルダ−15を介して下向きコ字形状とされたナイフエッジ状の揺
動軸8bが下向き状に取付けられると共に、該振子体7bの下端部に帯状ホルダ−10bを介して3個の永久磁石9が所定間隔をおいて取付けられた点が上記実施例と相違し、他の部分は同一であり、同一符号は同一部分を示す。
【0017】
そして、上述のごとく構成された実施例は、図5に示すように、揺動軸8bを開口部1
3より支柱4b内に挿入せしめ、受部材5bの長手方向に沿ってその上面に線接触状に磁
着し、振子体7bを片持支持状に軸支せしめる。次いで、振子体7bに所要の表示体12
を取付けたのち、駆動コイル3に通電して励磁せしめつつ、永久磁石9との電磁力により
片持支持状に軸支する振子体7bを所要の振幅幅でもって慣性的に揺動作動せしめ、表示
体12を同期に揺動せしめるものである。
【0018】
このさい、強磁性揺動軸8bは永久磁石製受部材5b上に線接触状に磁着して振子体7
bを片持支持状に軸支せしめるものであるから、上記実施例と同様に、揺動時における揺
動軸8bの摩擦抵抗を非常に少くせしめて非常にスム−ズに揺動作動せしめることが出来
るのみならず、振子体7bの取付け・取外し作業を非常に簡便に行うことが出来るもので
ある。また、振子体7bにはホルダ−10bを介して3個の永久磁石9が帯状に取付けら
れているから、駆動コイル3の励磁と相まって永久磁石9の電磁力を揺動方向に沿って帯
状に生起せしめることが出来るものであって、ひいては、振子体7bの振幅を非常に大に
せしめることが出来るものである。
なお、受部材5bには端子14が付設されているから、受部材5bを介して通電せしめ
つつ、表示体12に所要のLED素子等の発光体を発光せしめてもよいものである。
【0019】
なお、上記実施例において、強磁性揺動軸8a・8bはナイフエッジ状とされているが
、これに限定されるものではなく、例えば、図6に示すように、揺動軸8cを略偏平丸棒
状に形成せしめると共に、これに対応すべく受部材5cを若干広幅状に形成せしめ、線接
触状に磁着して軸支せしめるべく構成せしめてもよいものであり、他の実施例においても
同様である。また、上記実施例中、揺動軸8bを受部材5b上に磁着して振子体7bを片
持支持状に軸支するものとされているが、これに限定されるものでなく、受部材5bを所
定間隔をおいて並設し、これに揺動軸8bを磁着せしめて振子体7bを両端支持状に軸支
せしめてもよいものである。
【符号の説明】
【0020】
1a・1b フレ−ム
3 駆動コイル
5a・5b・5c 受部材
7a・7b 振子体
8a・8b・8c 振動軸
9 永久磁石
12 表示体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所要のフレ−ムに軸着手段を介して振子体が揺動自在に軸着され、該振子体には表示体
が取付け自在とされると共に、同下端部には永久磁石が取付けられ、該永久磁石に対向す
べくフレ−ムに駆動コイルが通電自在に配設され、該駆動コイルに通電して励磁せしめつ
つ永久磁石との電磁力により振子体を揺動せしめるべく構成されてなる振子式表示装置に
おいて、上記軸着手段は振子体に止着された強磁性揺動軸と、該揺動軸を線接触状に磁着
して軸支せしめるべくフレ−ムに配設された永久磁石製受部材とより構成されてなること
を特徴とする、振子式表示装置。
【請求項2】
揺動軸は受部材下面に線接触状に磁着して吊下げ状に軸支されてなることを特徴とする
、請求項1記載の振子式表示装置。
【請求項3】
揺動軸は受部材上面に線接触状に磁着して軸支されてなることを特徴とする、請求項1
記載の振子式表示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2012−234055(P2012−234055A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−102715(P2011−102715)
【出願日】平成23年5月2日(2011.5.2)
【出願人】(390007526)