説明

挿し口突部形成素材の押圧装置

【課題】金属管の挿し口の外周面に溶接される突部形成素材を、挿し口の軸方向に的確に位置決めできるようにすることである。
【解決手段】鋳鉄管41の挿し口42を、突部形成素材44よりも幅の広い外周溝43が形成され、この外周溝43の底に突部形成素材44が押圧ローラ5で押圧されるものとし、押圧ローラ5の一端側に突部形成素材44の片側の側端面に当接される大径段差部5aを設け、この押圧ローラ5の大径段差部5aで、突部形成素材44を外周溝43の一端側の側壁に押し付ける押し付け手段を設けることにより、鋳鉄管41の挿し口42の外周面に溶接される突部形成素材44を、挿し口42の軸方向に的確に位置決めできるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属管の挿し口の外周に突部を形成する突部形成素材を溶接する際に、突部形成素材を挿し口の外周に押圧する挿し口突部形成素材の押圧装置に関する。
【背景技術】
【0002】
受口内に挿し口を挿入する管継手では、継手を抜け止めするために、受口の内周にロックリングを装着するとともに、挿し口の外周に、ロックリングに係止される環状の挿し口突部を形成している。遠心鋳造される鋳鉄管等の金属管では、遠心鋳造で挿し口突部を一体に形成すると、金型から鋳造された金属管を大径の受口側へ引き抜くときに、挿し口の外周に突出する挿し口突部が金型に引っ掛かるので、挿し口突部を形成する突部形成素材を、後から挿し口の外周に溶接するようにしている(例えば、特許文献1−3参照)。
【0003】
特許文献1に記載されたものは、帯状で外周溝を有する突部形成素材を、周方向に間隔を開けた一対の押圧ローラで金属管の挿し口の外周面に押圧して巻き付けながら、突部形成素材を挿し口の外周面に溶接するようにしている。各押圧ローラの両端部には大径フランジ部と小径フランジ部が設けられており、大径フランジ部を挿し口の端面に当接させて押圧ローラを軸方向に位置決めするとともに、突部形成素材の両側端面を大径フランジ部と小径フランジ部に当接させるように案内して、溶接される突部形成素材を挿し口の軸方向に位置決めするようにしている。
【0004】
特許文献2に記載されたものは、周方向一つ割りのリング状で、外周溝を有する突部形成素材を挿し口の外周に装着し、突部形成素材の外周溝に嵌まり込む環状突部を有する押圧ローラによって挿し口の外周面に押圧しながら、突部形成素材を挿し口の外周面に溶接するようにしている。この押圧ローラの一端側にはフランジ部が設けられており、フランジ部を挿し口の端面に当接させて押圧ローラを軸方向に位置決めするとともに、押圧ローラの環状突部が突部形成素材の外周溝に嵌まり込むように突部形成素材を案内して、溶接される突部形成素材を挿し口の軸方向に位置決めするようにしている。
【0005】
なお、特許文献1、2に記載されたものでは、いずれも突部形成素材の薄肉とされた外周溝の底の部分を溶融させて、挿し口の外周面に溶接するようにしている。また、特許文献1、2に記載されたもののように、溶接される突部形成素材を押圧ローラで挿し口の外周面に押圧する場合は、通常、押圧ローラの周方向位置を固定し、金属管側を回転させながら、突部形成素材を挿し口の外周面に溶接している。
【0006】
特許文献3には、従来技術として、金属管の挿し口の外周面に、突部形成素材よりも幅の広い外周溝を形成し、この外周溝の底に突部形成素材を適宜手段で押圧して、突部形成素材の両側部を全周に渡って溶接する挿し口突部の形成方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平10−26271号公報(図1−3参照)
【特許文献2】特開平10−238665号公報(図1−3参照)
【特許文献3】特開2005−69415号公報(図10−12参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1、2に記載されたものは、それぞれ突部形成素材を押圧する押圧ローラの両端部に設けたフランジ部に、突部形成素材の両側端面を当接させるか、押圧ローラの環状突部を突部形成素材の外周溝に嵌まり込ませることによって、挿し口の外周に溶接される突部形成素材を案内し、突部形成素材を挿し口の軸方向に位置決めするようにしている。しかしながら、遠心鋳造される金属管の外周面は、必ずしも高精度な円筒度が確保されていないので、挿し口の外周面に沿わされる突部形成素材が螺旋状に軸方向にずれることがある。このため、突部形成素材が押圧ローラの両端部のフランジ部の間から逸脱したり、突部形成素材の外周溝から押圧ローラの環状突部が外れたりして、的確な軸方向の位置決めができない問題がある。
【0009】
また、突部形成素材には、溶接時の入熱や冷却によって、長手方向に面内で湾曲する幅方向の反りが生じることがあるので、この幅方向の反りによっても、押圧ローラの両端部のフランジ部の間から逸脱したり、外周溝から押圧ローラの環状突部が外れたりして、的確な軸方向の位置決めができないこともある。特許文献1に記載されたように、帯状の突部形成素材を挿し口の外周面に巻き付けるように曲げるものでは、曲げ変形によっても幅方向の反りが生じる恐れがある。
【0010】
特許文献3に従来技術として記載されたものは、突部形成素材が押圧される挿し口の外周溝の幅が突部形成素材の幅よりも広く形成され、外周から適宜手段で突部形成素材を溝底に押さえ付けるのみであるので、やはり突部形成素材を軸方向に的確に位置決めすることができない。
【0011】
さらに、中大口径の金属管では、鋳放し状態で高精度な円筒度を確保することが難しく、突部形成素材が螺旋状に軸方向にずれやすくなるとともに、金属管の回転に伴って、突部形成素材を押圧する押圧ローラの径方向位置にも微妙なずれが生じる問題もある。また、帯状の突部形成素材を挿し口の外周面に溶接する場合は、突部形成素材を挿し口の外周面に巻き付けながら軸方向位置のずれの補正を行うことは容易ではなく、従来は、手作業で突部形成素材を少しずつ挿し口の外周面に巻き付けながら、軸方向位置のずれの補正を行っていた。
【0012】
そこで、本発明の課題は、金属管の挿し口の外周面に溶接される突部形成素材を、挿し口の軸方向に的確に位置決めできるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を解決するために、本発明は、金属管の挿し口の外周面に、挿し口突部を形成する帯状または周方向一つ割りのリング状の突部形成素材を溶接する際に、前記突部形成素材を押圧ローラで前記挿し口の外周面に押圧する挿し口突部形成素材の押圧装置において、前記挿し口を、前記突部形成素材よりも幅の広い外周溝が形成され、この外周溝の底に前記突部形成素材が前記押圧ローラで押圧されるものとし、前記押圧ローラの一端側に、前記突部形成素材の片側の側端面に当接される大径段差部を設け、前記押圧ローラを挿し口の径方向に加圧する加圧手段と、前記押圧ローラの大径段差部で、前記突部形成素材を前記挿し口の外周溝の一端側の側壁に押し付ける押し付け手段とを設けた構成を採用した。
【0014】
すなわち、金属管の挿し口を、突部形成素材よりも幅の広い外周溝が形成され、この外周溝の底に突部形成素材が押圧ローラで押圧されるものとし、押圧ローラの一端側に突部形成素材の片側の側端面に当接される大径段差部を設け、押圧ローラを挿し口の径方向に加圧する加圧手段と、押圧ローラの大径段差部で、突部形成素材を挿し口の外周溝の一端側の側壁に押し付ける押し付け手段とを設けることにより、挿し口の外周面に沿わされる突部形成素材に螺旋状の軸方向ずれや幅方向の反りが生じても、突部形成素材を強制的に挿し口の外周溝の一端側の側壁に押し付けて、挿し口の外周面に溶接される突部形成素材を、挿し口の軸方向に的確に位置決めできるようにした。
【0015】
前記押し付け手段によって、前記突部形成素材を前記外周溝の前記挿し口の端面側の側壁に押し付けるようにし、前記挿し口の端面と反対側の前記突部形成素材の側部と前記外周溝の側壁との間に、溶接用の隙間が形成されるようにすることにより、突部形成素材の挿し口端面側への移動を外周溝の挿し口端面側の側壁で拘束するとともに、突部形成素材の挿し口端面と反対側の側部を、外周溝の底まで強固に溶接できるようにし、挿し口が受口から抜け出そうとしてロックリングが当たったときの突部形成素材の剥離を防止することができる。すなわち、ロックリングが当たった突部形成素材には、外周溝の挿し口端面側の側壁で拘束された側部を支点として、挿し口端面と反対側の側部を浮き上がらせて剥離させようとするモーメントが作用するが、この挿し口端面と反対側の側部が強固に溶接されるので、突部形成素材の剥離を防止することができる。
【0016】
前記押圧ローラと前記加圧手段との間に弾性部材を介在させ、この弾性部材を介して前記押圧ローラを径方向に加圧することにより、金属管を回転させたときに、挿し口の外周溝の底が偏心等によって変位を生じても、押圧ローラをこの変位に追随させて、突部形成素材を挿し口の外周溝の底に押圧することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る挿し口突部形成素材の押圧装置は、金属管の挿し口を、突部形成素材よりも幅の広い外周溝が形成され、この外周溝の底に突部形成素材が押圧ローラで押圧されるものとし、押圧ローラの一端側に突部形成素材の片側の側端面に当接される大径段差部を設け、押圧ローラを挿し口の径方向に加圧する加圧手段と、押圧ローラの大径段差部で、突部形成素材を挿し口の外周溝の一端側の側壁に押し付ける押し付け手段とを設けたので、挿し口の外周面に溶接される突部形成素材を、挿し口の軸方向に的確に位置決めすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】挿し口突部形成素材の押圧装置の実施形態を示す側面図
【図2】図1の要部を拡大して示す縦断側面図
【図3】図2の一部切欠き平面図
【図4】図2のIV−IV線に沿った断面図
【図5】(a)は図2の押圧ローラで金属管の外周溝に装着した突部形成素材を押圧する状態を示す縦断側面図、(b)は(a)の突部形成素材を溶接した状態を示す縦断側面図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面に基づき、本発明の実施形態を説明する。図1に示すように、この挿し口突部形成素材の押圧装置1は、管台31に横向きに載置された金属管としての鋳鉄管41の挿し口42に設けられた外周溝43の底に、挿し口突部を形成する突部形成素材44を押圧ローラ5で押圧するものである。この突部形成素材44は帯状のものとされ、その長さ方向の一端を予め外周溝43内に溶接された状態で、その一端から外周溝43の底と押圧ローラ5の間に挿入され、鋳鉄管41を回転させることにより、押圧ローラ5で押圧されながら外周溝43内に巻き付けられ、両側部を溶接される。
【0020】
前記管台31には、横向きの鋳鉄管41を載せる一対の平行な回転ローラ32と、鋳鉄管41の挿し口42の端面42aを当接させるストッパ33が設けられており、回転ローラ32を回転装置(図示省略)で回転駆動することにより、ストッパ33で軸方向に位置決めした鋳鉄管41を回転させるようになっている。
【0021】
前記押圧装置1は、基台2の前面側に立設した縦フレーム3に、昇降可能な水平フレーム4を管台31上の鋳鉄管41側に向けて取り付け、この水平フレーム4の下側に、突部形成素材44を挿し口42の外周溝43に押圧する押圧ローラ5を、前後方向に移動可能に取り付けたものである。縦フレーム3は、後面側に設けられたアーム部3aで、基台2の上面に後方へ回動可能に枢着され、下端部を基台2の前面に設けられたストッパ6に当接されて、垂直に立設されるようになっており、管台31に鋳鉄管41をセットするときは、後面側の筋交部3bに連結された傾動シリンダ7によって、図1中に矢印で示すように、後面側へ傾動される。縦フレーム3には、水平フレーム4を昇降させて、押圧ローラ5の高さ位置を鋳鉄管41の直径に応じて調整するとともに、押圧ローラ5を挿し口42の径方向に加圧する加圧手段としての縦向きの昇降シリンダ8が組み込まれている。
【0022】
図2および図3に示すように、前記縦フレーム3に組み込まれた昇降シリンダ8の上端には、連結金具9を介して、後述する水平フレーム4の把持部10を把持する把持具11が取り付けられている。この把持具11は、軸部11aに台座11bをナット11cで固定し、把持部10の貫通孔10aに軸部11aを通して、軸部11aの上端に設けたフランジ11dと、台座11bに当接させた把持部10との間に、弾性部材としてのコイルばね11eを装着したものである。
【0023】
したがって、前記昇降シリンダ8の作動によって昇降される水平フレーム4に、過大な上向きの力が作用したときに、コイルばね11eが縮んで把持部10を台座11bから浮かせ、水平フレーム4を上方へ逃がすことができる。連結金具9には、後述する水平フレーム4の垂直部4aの後面に当接されて、昇降する水平フレーム4をバックアップするバックアップ部材12も取り付けられている。垂直部4aの後面に当接されるバックアップ部材12の先端部には、上方へ逃げる水平フレーム4の垂直部4aが上下方向にスムーズに相対移動するように、低摩擦係数の滑り部材12aが取り付けられている。
【0024】
前記水平フレーム4は、後方の基端側から下方に延出され、左右方向に拡幅された垂直部4aが設けられ、この垂直部4aの後面の下部で左右の2箇所に取り付けられたガイド部材13が、縦フレーム3の前面に取り付けられた上下方向に延びる2本の平行なガイドレール14によって案内されるとともに、垂直部4aの後面の上部で左右の中央部に取り付けられた把持部10が、昇降シリンダ8に取り付けられた把持具11に把持されて、昇降シリンダ8の作動によって昇降する。
【0025】
図3および図4に示すように、前記水平フレーム4の下側には、前後方向に延びる2本の平行なガイドレール15が左右に間隔を開けて取り付けられ、水平フレーム4の先端には、下向きの支持アーム4bが取り付けられている。支持アーム4bの下端部には、軸受16で回転自在に支持されたねじ軸17が、ガイドレール15と平行に後方へ向けて取り付けられ、このねじ軸17に螺合されたローラ支持部材18の支持軸18aに、押圧ローラ5が前後方向へ向けて軸受19で回転自在に支持されている。
【0026】
前記支持アーム4bには、ねじ軸17を回転させるハンドル20と、ねじ軸17の回転をロックするクランプレバー21が取り付けられ、ローラ支持部材18の上面には、水平フレーム4の下側に取り付けられた2本の平行なガイドレール15に案内されるガイド部材22が左右の2箇所に取り付けられている。したがって、ハンドル20でねじ軸17を回転させることにより、押圧ローラ5を支持したローラ支持部材18を前後方向に移動させ、後述するように、押圧ローラ5の大径段差部5aによって、突部形成素材44を外周溝43の側壁に押し付けることができる。また、クランプレバー21を操作することにより、突部形成素材44を外周溝43の側壁に押し付けた押圧ローラ5が、突部形成素材44からの反力で前後方向に逃げるのを防止することができる。
【0027】
図5(a)は、前記押圧ローラ5によって、回転する鋳鉄管41の挿し口42の外周溝43に装着された突部形成素材44を押圧する状態を示す。外周溝43の幅は突部形成素材44の幅よりも広く形成されている。押圧ローラ5の挿し口42の端面42aと反対側の前端側には大径段差部5aが設けられており、押圧ローラ5は、前記昇降シリンダ8の作動で突部形成素材44を外周溝43の底に押圧するとともに、大径段差部5aを突部形成素材44の挿し口42の端面42aと反対側の側端面に当接させて、前記ハンドル20の操作で突部形成素材44を外周溝43の挿し口42の端面42a側の側壁に押し付ける。
【0028】
したがって、前記鋳鉄管41を回転させながら突部形成素材44を外周溝43の底に押圧するときに、外周溝43の底の円筒度の精度不足で突部形成素材44が螺旋状に軸方向にずれたり、溶接されるときの不均一な熱応力等によって突部形成素材44にキャンバが生じたりしても、押圧ローラ5の大径段差部5aで突部形成素材44を外周溝43の挿し口42側の側壁に強制的に押し付けて、溶接される突部形成素材44を的確に軸方向に位置決めすることができる。また、水平フレーム4に取り付けられた押圧ローラ5は、前記加圧手段としての昇降シリンダ8との間に介在させたコイルばね11eを介して径方向に加圧されるので、回転する鋳鉄管41の外周溝43の底が偏心等によって変位を生じていても、この変位に追随させて突部形成素材44を外周溝43の底に押圧することができる。
【0029】
図5(b)は、前記押圧ローラ5で押圧されて軸方向に位置決めされた突部形成素材44を溶接した状態を示す。突部形成素材44は両側部を溶接部45で溶接され、挿し口42の端面42aと反対側の側部の溶接部45は、外周溝43の底まで強固に溶接されている。したがって、図中に一点鎖線で示すように、挿し口42が受口46から抜け出そうとしてロックリング47が当たると、突部形成素材44には、外周溝43の挿し口42の端面42a側の側壁で拘束された側部を支点として、挿し口42の端面42aと反対側の側部を浮き上がらせて剥離させようとするモーメントが作用するが、この反対側の側部が強固に溶接されているので、突部形成素材44の剥離を防止することができる。
【0030】
上述した実施形態では、突部形成素材を帯状のものとしたが、突部形成素材は周方向一つ割りのリング状のものとすることもできる。
【符号の説明】
【0031】
1 押圧装置
2 基台
3 縦フレーム
3a アーム部
3b 筋交部
4 水平フレーム
4a 垂直部
4b 支持アーム
5 押圧ローラ
5a 大径段差部
6 ストッパ
7 傾動シリンダ
8 昇降シリンダ
9 連結金具
10 把持部
10a 貫通孔
11 把持具
11a 軸部
11b 台座
11c ナット
11d フランジ
11e コイルばね
12 バックアップ部材
12a 滑り部材
13 ガイド部材
14、15 ガイドレール
16 軸受
17 ねじ軸
18 ローラ支持部材
18a 支持軸
19 軸受
20 ハンドル
21 クランプレバー
22 ガイド部材
31 管台
32 回転ローラ
33 ストッパ
41 鋳鉄管
42 挿し口
42a 端面
43 外周溝
44 突部形成素材
45 溶接部
46 受口
47 ロックリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属管の挿し口の外周面に、挿し口突部を形成する帯状または周方向一つ割りのリング状の突部形成素材を溶接する際に、前記突部形成素材を押圧ローラで前記挿し口の外周面に押圧する挿し口突部形成素材の押圧装置において、前記挿し口を、前記突部形成素材よりも幅の広い外周溝が形成され、この外周溝の底に前記突部形成素材が前記押圧ローラで押圧されるものとし、前記押圧ローラの一端側に、前記突部形成素材の片側の側端面に当接される大径段差部を設け、前記押圧ローラを挿し口の径方向に加圧する加圧手段と、前記押圧ローラの大径段差部で、前記突部形成素材を前記挿し口の外周溝の一端側の側壁に押し付ける押し付け手段とを設けたことを特徴とする挿し口突部形成素材の押圧装置。
【請求項2】
前記押し付け手段によって、前記突部形成素材を前記外周溝の前記挿し口の端面側の側壁に押し付けるようにし、前記挿し口の端面と反対側の前記突部形成素材の側部と前記外周溝の側壁との間に、溶接用の隙間が形成されるようにした請求項1に記載の挿し口突部形成素材の押圧装置。
【請求項3】
前記押圧ローラと前記加圧手段との間に弾性部材を介在させ、この弾性部材を介して前記押圧ローラを径方向に加圧するようにした請求項1または2に記載の挿し口突部形成素材の押圧装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−169338(P2011−169338A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−31076(P2010−31076)
【出願日】平成22年2月16日(2010.2.16)
【出願人】(000142595)株式会社栗本鐵工所 (566)
【Fターム(参考)】