説明

挿入器用パッキング

【課題】本発明は、挿入ニードルを持つ医療デバイスと、医療デバイスに対して殺菌保護を提供するパッキングとを含むキットに関する。このような医療デバイスは、連続的に投薬を行う、例えばインスリンを患者に連続的に投与する注入デバイスに使用できる。更に詳細には、本発明は、接着面を持つ取り付けパッド及び挿入ニードルを含む挿入器を含む医療デバイスと、医療デバイスに対して殺菌保護を提供する、一部が剛性材料で形成されており、一部が軟質材料で形成されたパッキングとを含むアッセンブリに関する。
【解決手段】剛性材料は、角度をなして位置決めされた剛性に接合された二つの表面、即ち第1及び第2の面(1、2)を含み、これらの面は、医療デバイス(3、4)の二つの側部をカバーし、これらの側部は二つの異なる方向に向いており、取り付けパッドの非接着面は剛性表面によってカバーされていない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、挿入ニードルを持つ医療デバイスと、医療デバイスに対して殺菌保護を提供するパッキングとを含むキットに関する。
【背景技術】
【0002】
挿入ニードルを持つ医療デバイス用一回使用パッケージが周知である。一回使用パッケージは、好ましくは、安価に製造できなければならず、使用者によって開封されるまで、医療デバイスに対して殺菌環境を提供できなければならず、挿入ニードルは、医療デバイスを更に殺菌することなく、患者の皮膚を案内に穿通できる。
【0003】
WO2007/122207には、コーティングが施されたシール部材を含む、皮膚に取り付けることができるデバイス用のパッケージが示されている。アッセンブリは、接着剤取り付け面(31)を持つ、皮膚に取り付けることができるデバイス(10)を含む。このデバイスは、周囲部分を備えた開口部を含むパッケージ(20)内に配置される。パッケージの開口部は、周囲部分(22)に取り外し可能に取り付けられたシール部材(40)で閉鎖され、これによってデバイス用の閉鎖空間を提供する。シール部材は、接着剤に取り外し可能に取り付けられた内面を有する。シール部材は殺菌ガスが透過できる。内面Iは、一部が材料(42、44)によってコーティングされており、これにより、シール部材を接着剤から引き剥がすことができるが、それでも、殺菌ガスはシール部材を透過できる。このようにして、ガス透過性であるがシール部材を接着面から引き剥がすことができるという二つの望ましい特性を持つシール部材が提供される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】WO2007/122207
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、接着面を持つ取り付けパッド及び挿入ニードルを含む挿入器を含む医療デバイスと、医療デバイスに対して殺菌保護を提供する、一部が剛性材料で形成されており、一部が軟質材料で形成されたパッキングとを含むアッセンブリを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のアッセンブリの剛性材料は、角度をなして位置決めされた剛性に接合された二つの表面、即ち第1及び第2の面を含み、これらの面は、医療デバイスの二つの側部をカバーし、これらの側部は二つの異なる方向に向いており、取り付けパッドの非接着面は剛性表面によってカバーされていない。表面が「剛性に接合されている」というのは、これらの表面がヒンジのように接合されている、即ち一方の表面の変位が他方の表面に影響を及ぼすが、材料及び材料の厚さを選択することによって、これらの二つの表面間の可撓性を調節できるということを意味する。取り付けパッドの接着面及び非接着面は互いに反対側に位置決めされる。このことは、取り付けパッドの非接着面が剛性面によってカバーされていない場合、医療デバイスをパッキングから取り外す際に通過する開口部に非接着面が面するということを意味する。
【0007】
一実施例によれば、第2面は、取り付けパッドの接着面に対して接触面を提供する。剛性材料が接触面を提供するということは、剛性材料が接着面と直接的に接触し、使用前に取り外さなければならない保護面を提供するか、或いは接着面と直接的に接触する保護層を剛性材料が支持するかのいずれかであるということを意味する。剛性材料は、通常は、取り付けパッドの接着面の全領域をカバーするが、実際には、接着面又はその保護層と、幾つかの指定された領域又は箇所だけで接触してもよい。
【0008】
一実施例によれば、パッキングには、剛性材料製の側部品が設けられており、これらの側部品は、剛性に接合された二つの表面を連結し、これによって非可撓性構造を形成する。この実施例により、個々のパッキングは、パッキングに作用する外力に容易に耐えることができる。更に、パッキング内に殺菌状態を提供する軟質材料を配置するのが簡単である。
一実施例によれば、パッキングの内部には、医療デバイスと第1面又はパッキングの側部品との間に挿入された離間ピースが設けられている。離間ピースにより、医療デバイスが使用前にパッキング内に配置されているとき、医療デバイスを掴むことができる。
【0009】
一実施例によれば、剛性材料の縁部は、剛性材料の縁部が形成する開口部を取り囲む平らな周囲部分(5)を有し、この周囲部分(5)に、軟質材料製保護シール(10)を取り外し可能に取り付けることができる。剛性材料の縁部が形成する開口部を通して医療デバイスをパッキングから取り出すことができ、パッキング内に再配置できる。
【0010】
一実施例によれば、剛性材料は、一部品をなして型成形される。
【0011】
一実施例によれば、パッキングは、再閉鎖するための手段を含む。
【0012】
パッキングは必ずしも完全に閉鎖していなくてもよいが、使用後に医療デバイスをパッキング内に固定する場合には、或る程度閉鎖しなければならない。この実施例によれば、再閉鎖するための手段は、接着剤手段及び/又は機械的手段を含む。
【0013】
再閉鎖するための手段が接着剤である場合には、再閉鎖するための手段は、軟質材料と周囲部分との間に配置された接着剤又は粘着材料によって提供できる。粘着材料は、周囲部分5に沿って配置されてもよいし、製造中に軟質材料に配置されてもよいし、幾つかの部分をなして配置されてもよい。粘着材料は、例えば、PA(ポリアミド)であってもよい。
【0014】
再閉鎖するための手段が機械的手段である場合には、再閉鎖するための手段は、軟質材料の一つ又はそれ以上の開口部によって提供できる。これらの開口部は、剛性材料の突出部分と対応する。
【0015】
一実施例によれば、医療デバイスの挿入器は、患者の皮膚上に配置されるべきベース部品に取り外し可能に取り付けられており、ベース部品は、リザーバを含む送出部品をベース部品に直接的に取り付けることができるような大きさを備えている。リザーバの容量は、通常は、1ml乃至10mlである。
【0016】
本発明の別の特徴によれば、本発明は、内部に貯蔵された医療デバイスに対して殺菌保護を提供する、一部が剛性材料で形成されており、一部が軟質材料で形成されたパッキングを提供する。剛性材料は、角度をなして位置決めされた剛性に接合された二つの表面、即ち第1及び第2の面を含み、これらの面は、医療デバイスの二つの側部をカバーし、これらの側部は二つの異なる方向に向いており、取り付けパッドの非接着面は剛性表面によってカバーされていない。
【0017】
「上」、「下」、「左」、「右」、「水平」、「垂直」等の相対的な用語、又は同様の用語を使用するとき、これらの用語は、添付図面と関連しており、必ずしも実際の使用情況と関連しない。
【0018】
剛性材料は、挿入ニードルが貫通できず、所与の形状を維持する。
【0019】
軟質材料は、挿入ニードルが貫通でき、例えば殺菌ガスが透過でき、使用者が折り畳んだり曲げたりできる。即ち、軟質材料は、使用中に必ずしも所与の形状を維持しない。
【0020】
様々な図の対応する部品に同様の参照番号を付した添付図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、取り付け部品と組み合わせた挿入器を含む医療デバイスが内部に配置されたパッキングの剛性部品の第1実施例を示す図である。
【図2】図2は、取り付け部品と組み合わせた挿入器を含む医療デバイスが内部に配置されたパッキングの剛性部品の第2実施例を示す図である。
【図3】図3は、パッキングの剛性部品の第1実施例を医療デバイスなしで示す図である。
【図4】図4は、パッキングの剛性部品の第2実施例を医療デバイスなしで示す図である。
【図5】図5は、10個のユニットを互いに梱包する場合にパッキングの第1及び第2の実施例を組み合わせる方法を示す図である。
【図6】図6A及び図6Bは、夫々、パッキングの第1実施例を下方から見た図、及び軟質材料製保護層を設けたパッキングの第1実施例を示す図である。
【図7】図7A及び図7Bは、夫々、パッキングの第2実施例を下方から見た図、及び軟質材料製保護層を設けたパッキングの第2実施例を示す図である。
【図8】図8A及び図8Bは、軟質材料及び剛性材料を組み合わせる方法を示す図、及び蓋をパッキング上で機械的に再閉鎖する実施例を示す図であり、図8Cは、上層・及び第4層・が設けられたパッキングの斜視図である。
【図9】図9A及び図9Bは、カニューレ部品を挿入できるベースプレートに取り付けられた挿入器の形態の医療デバイスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、本発明によるアッセンブリの第1実施例を示す。このアッセンブリは、ベース部品4と組み合わせた挿入器3を含む。ベース部品4には、取り付けパッド及びパッキングが設けられている。挿入器3は挿入ニードルを含み、患者に取り付けられるべきベース部品と組み合わせられる。これを図9A及び図9Bに更に詳細に示す。パッキングの剛性材料だけが図1に示してある。これは、パッキング内部の挿入器を見ることができるようにするため、軟質材料製のカバーが取り外してあるためである。
【0023】
剛性材料は、角度をなして位置決めされた剛性に接合された二つの表面、即ち第1面1及び第2面2で形成されている。パッキングには、更に、二つの連結側部品7、8が設けられており、剛性材料で形成された四つの側部の縁部は、これらの剛性材料の縁部によって形成された開口部を取り囲む平らな周囲部分5を有する。軟質材料製保護シールを周囲部分5に取り外し可能取り付けることができる。周囲部分5の部品6は剛性材料から取り外すことができ、取り外した後にハンドルとして機能する。このハンドルは、軟質材料製保護シールに取り外し可能に取り付けることができる。図1では、ハンドル6は、未だ、軟質材料製保護シールを取り外した、使用前の位置にある。これは、使用中の通常の状態ではないが、パッキングは、パッキングの内部を示すため、保護シールなしで示してある。パッキングの内部には、挿入器3とパッキングの第1面1との間に挿入された離間ピース9が設けられている。離間ピース9により、使用者は、挿入器3を人指し指と親指でつまむように掴むことができる。離間ピース9に対する変形例として、パッキングの剛性材料にフィンガグリップ空間を形成してもよい。即ち、パッキングの断面を第1面1に沿って局所的に大きくし、使用者が一本又は二本の指を医療デバイスの後側に置くことができる場所を形成してもよい。
【0024】
図1では、第2面2は、使用者が例えばクロージング(closing) を置いたり注射箇所を殺菌する際にベース部品を含む挿入器3を置くことができる支持体として機能する。第1面1及び第2面2は、挿入器3及びベース部品4を含むデバイスの二つの側部をカバーし、直立側部1は挿入器3の一つの側部をカバーし、支持側部2はベース部品4の取り付け側をカバーする。この実施例によれば、図1で上方に向いたベース部品4の非接着側は剛性表面によって覆われていないが、ベース部品4を含む挿入器3をパッキングから取り外すことができる前に取り外さなければならない軟質材料によって覆われる。取り付けパッドの非接着側は、接着面とは反対側である。即ち、接着面を下に向けた場合に非接着面は上に向いている。
【0025】
パッキングが剛性材料製の二つの側部1、2を持つため、使用者は、パッキングを一方の手で掴むと同時に医療デバイスを他方の手で取り出すのが容易であり、使用者はパッキングを殺菌がなされていない面に置くことができ、例えば軟質材料製のカバーを取り外した状態でパッキングを下に押し付けることができる。これと同時に、不規則な形状を持つ医療デバイスをパッキングから取り出すのが容易である。
【0026】
第2面は、ベース部品4の取り付けパッドの接着側に対して接触面を提供できる。即ち、取り付けパッドは、ベース部品4及びこれに取り付けられた取り付けパッドをパッキング内に置いた状態で第2面に接着し、第2面は接着面に対して保護層を提供する。別の態様では、取り付けパッドには、接着面に対して保護層を提供する別の剥離層が設けられていてもよい。剥離層は、ベース部品4を含む挿入器3をパッキングから取り出すとき、ベース部品4とともに取り出される。
【0027】
図1に示すアッセンブリのパッキングには、剛性材料製の連結側部品7、8が設けられている。剛性に接合された第1及び第2の表面の連結に使用される剛性材料は、この実施例によれば、第1及び第2の表面が形成されたのと同じ材料であり、実際には、四つの側部1、2、7、8は全て、同じ材料から一部品として型成形される。連結側部品7、8は、剛性に接合された二つの表面1、2を連結し、これによって非可撓性構造のパッキングを形成する。この実施例により、個々のパッキングは、パッキングに加わる外力に容易に耐える。更に、平らな縁部5が平らな表面内にあるため、パッキングの内部に殺菌状態を提供する軟質材料を縁部に沿って置くのが容易である。
【0028】
図1の実施例では、第1連結側部品7には、挿入器3の作用ハンドルを取り囲み、これによって、挿入器3及びベース部品4の周囲にぴったりと嵌着できる突出中空部分が設けられている。第2連結側部品8は、平らな直角三角形形態の平らな表面として形成されており、直角を形成する側部の各々に沿って第1面1及び第2面2の夫々に取り付けられる。第2連結側部品8の内面には、挿入器3がパッキング内にあるとき、この挿入器を所定位置に保持するのを補助する小さな突出部8aが設けられている。この突出部8aは、挿入器3及びこれに取り付けられたベース部品4がパッキングの前縁に向かって移動しないようにする。
【0029】
図2は、本発明によるアッセンブリの第2実施例を示す。このアッセンブリもまた、パッキング及び挿入器3−ベース部品4組み合わせを含む。ベース部品4には取り付けパッドが設けられている。図1におけるのと同様に、パッドの剛性材料だけを図2に示す。
【0030】
第1実施例におけるのと同様に、剛性材料は、角度をなして位置決めされた剛性に接合された二つの表面、即ち第1面1及び第2面2で形成されており、パッキングには、更に、二つの連結側部品7、8が設けられており、剛性材料で形成された四つの側部の縁部には、軟質材料製保護シール10を解放自在に取り付けるための平らな周囲部分5が設けられている。第1実施例と同様に、周囲部分5の部品6は剛性材料から取り外すことができ、ハンドルとして機能できる。このハンドルは軟質材料製保護シール10に取り外し不能に取り付けることができる。図2では、ハンドル6は、軟質材料製保護シール10を取り外した状態で使用前の位置にある。パッキングの内側即ち内面には、第1連結側部品7及び第2連結側部品8に夫々配置された二つの離間ピース9が設けられている。二つの小さな突出部8aが各離間ピース9と向き合って配置されている。これらの向き合って配置された突出部により、挿入器3は良好な位置に保持され、使用者は、挿入器3を人指し指と親指でつまむように掴むことができる。
【0031】
第2面2もまた、第2実施例による医療デバイス用の支持体として機能する。即ち、使用者が例えばクロージングを置いたり注射箇所を殺菌する際に医療デバイスをこの支持体に置くことができる。
【0032】
図2に示すアッセンブリのパッキングにも剛性材料製の側部品7、8が設けられている。剛性に接合された第1面1及び第2面2の連結に使用される剛性材料は、この実施例によれば、第1面1及び第2面2と同じ材料で形成されており、実際には、四つの側部1、2、7、8は全て、同じ材料から一部品として型成形される。連結側部品7、8は、剛性に接合された二つの表面1、2を連結し、これによって非可撓性構造のパッキングを形成する。
【0033】
図2の実施例では、二つの連結側部品7、8は、両方とも、直角を形成する側部の各々に沿って第1面1及び第2面2の夫々に取り付けられる平らな直角三角形形態を持つ平らな表面として形成される。
【0034】
図3及び図4は、第1及び第2の実施例の夫々のパッキングの剛性材料を、パッキングの各々に医療デバイスが配置されていない状態で示す。この図では、各実施例の離間ピース9を見ることができる。
【0035】
図3及び図4は、更に、各実施例の側面図を示し、連結側部品7、8で連結された二つのヒンジ連結された表面1、2を含む構造が、側方から見た場合、三角形輪郭を持つ製品をどのように提供するのかを示す。
【0036】
図5は、第1及び第2の実施例の両方を一包み10個のパケットに梱包する方法を示す。同数のユニットを含む多数のパケットは、周囲からの衝撃に対する抵抗に優れており、貯蔵中に空間をとらない。即ち、大量のパッキングを容易に梱包でき、使用される材料は最少である。
【0037】
図6A及び図6Bは、夫々、本発明によるアッセンブリの第1実施例の平面図及び底面図を示す。これらの図において、パッキングの剛性部品及び軟質部品は接合されており、図6Bから、軟質材料製保護シール10を剛性材料1、2、7、8の周囲部分5に取り付ける方法がわかる。
【0038】
図7A及び図7Bは、夫々、本発明によるアッセンブリの第2実施例の平面図及び底面図を示す。これらの図において、パッキングの剛性部品及び軟質部品は接合されており、図7Bから、軟質材料製保護シール10を剛性材料1、2、7、8の周囲部分5に取り付ける方法がわかる。
【0039】
図8Aは、周囲部分5に沿って通常設けられた、剛性材料製の開口部を覆う様々な層を示す。
I.第1層は剛性材料に最も近い層であり、例えばポリエチレン製の溶融層を含む。この溶融層は、剛性材料の周囲部分5に沿って位置決めされる。
II.第2層は溶融層の上に位置決めされ、例えばポリアミド製の粘着層を含む。この粘着層は、パッキングの製造中、上層の溶接に使用される。
III.第3層は、少なくとも部分的にパッキングの外面を形成する。即ち、この層は上層であり、比較的耐久性がある材料で形成された紙又はプラスチック(例えばPET)のいずれかで形成されている。上層は、周囲部分5及び剛性材料の開口部の両方をカバーする。使用者が上層を引き剥がすとき、溶融層への連結部が壊れ、粘着層の露呈された区分は、パッキングを再閉鎖できるように上層が粘着できる部分を提供する。
IV.第4層は、例えば紙製であり、例えば製造者の名称を示すのに適した表面を提供できる。
【0040】
図8Bは、開封したパッキングを使用後に再閉鎖するための機構を示す。移動中、使用者は必ずしもビン(bin) にアクセスしなくてもよい。このことは、使用者が、非衛生的な使用済みの部品を鞄やポケットに入れて持ち運ぶ必要があり、このため、パッキングを再使用可能にする、好ましくは、特に挿入ニードルが他者と接触しないようにするため、パッキングを再閉鎖する必要が生じるということを意味する。
【0041】
再閉鎖機構は、化学的種類又は機械的種類のいずれであってもよい。再閉鎖が化学的に行われる場合には、再閉鎖機構は、通常は粘着層IIを含む。この粘着層IIは、少なくとも、剛性材料及び/又は軟質材料製保護シール10のいずれかの少なくとも一部に、医療デバイスの使用後に軟質材料製保護シール10を剛性材料に再接合できる位置に配置されており、後にパッキング内に配置される。
【0042】
再閉鎖が機械的に行われる場合には、再閉鎖は、図8Bに示す種類であってもよい。軟質材料製保護シール10を含む蓋即ち上層が、周囲部分5が形成する開口部を覆う。上層には、縁部に沿って一連の穴13が設けられている(図8Bには三つの穴が示してある)。
【0043】
剛性材料製の周囲部分5の一部に線状窪み即ちトレイル(trail) 14が設けられている。機構を閉鎖するとき、上層10の折り畳んだ縁15がこのトレイルに配置される。機構を閉鎖するとき、剛性材料の突出部が上層に形成された穴13を通って突出する。
【0044】
図8Cは、上層III及び第4層IVが設けられたパッキングの斜視図である。上層は軟質材料製保護シール10と対応する。この保護シールは、紙やプラスチック、又は同様の特性を備えた他の材料で形成されていてもよい。
【0045】
図9A及び図9Bは、本発明によるアッセンブリで適切に使用できる医療デバイスを示す。この医療デバイスは、挿入器3及びベース部品4を含む。医療デバイスをパッキングから取り出して使用する前に、挿入器3をベース部品4に取り外し可能に取り付けなければならない。これにより、使用者が挿入器3をベース部品4又はカニューレ部品に接合しなければならない場合の作業をなくす。使用前に挿入器3をベース部品4に取り付けたとき、組み合わせたユニットは比較的大きく、比較的壊れやすい。これは、ベース部品4が患者の皮膚に正しく位置決めされ、カニューレ部品が挿入される前に挿入器3をベース部品4から分離できるためである。本発明によるパッキングは、貯蔵中及び輸送中にこうした分離が起らないようにする。
【0046】
図9A及び図9Bのデバイスは、カニューレ部品の挿入直後の状態を示す。この状態では、挿入器はベース部品4から外されている。ベース部品4は、平らな取り付け面の形態のプレートを含み、このプレートにリザーバ及びポンプの形態の送出手段及び例えば制御手段を置くことができ、これによって使用者は持ち運ぶことができる。
【0047】
挿入器3及びベース部品4は、デンマーク国特許出願第PA200800185号(出願日:2008年2月8日)から周知であり、出典を明示することにより、この出願の図12乃至図19を参照して説明した挿入器及びベース部品は本明細書の開示の一部とされる。
【符号の説明】
【0048】
1 第1面
2 第2面
3 挿入器
4 ベース部品
5 周囲部分
6 ハンドル
7、8 連結側部品
8a 突出部
9 離間ピース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接着面を持つ取り付けパッド及び挿入ニードルを含む挿入器を含む医療デバイスと、
前記医療デバイスに対して殺菌保護を提供する、一部が剛性材料(1、2、7、8、5)で形成されており、一部が軟質材料(10)で形成されたパッキングとを含むアッセンブリにおいて、
前記剛性材料は、角度をなして位置決めされた剛性に接合された二つの表面、即ち第1及び第2の面(1、2)を含み、これらの面(1、2)は、前記医療デバイス(3、4)の二つの側部をカバーし、これらの側部は二つの異なる方向に向いており、取り付けパッドの非接着面は剛性表面によってカバーされていない、ことを特徴とするアッセンブリ。
【請求項2】
請求項1に記載のアッセンブリにおいて、
前記第2面は、前記取り付けパッドの前記接着面に対して接触面を提供する、アッセンブリ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のアッセンブリにおいて、
前記パッキングには、剛性材料製の側部品(7、8)が設けられており、これらの側部品(7、8)は、前記剛性に接合された二つの表面を連結し、これによって非可撓性構造を形成する、アッセンブリ。
【請求項4】
請求項3に記載のアッセンブリにおいて、
前記パッキングの内部には、前記医療デバイスと、前記第1面(1)又は前記パッキングの側部品(7、8)との間に挿入された離間ピース(9)が設けられている、アッセンブリ。
【請求項5】
請求項1乃至4のうちのいずれか一項に記載のアッセンブリにおいて、
前記剛性材料の縁部は、前記剛性材料の前記縁部が形成する開口部を取り囲む平らな周囲部分(5)を有し、この周囲部分(5)に、軟質材料製保護シール(10)を取り外し可能に取り付けることができる、アッセンブリ。
【請求項6】
請求項1乃至5のうちのいずれか一項に記載のアッセンブリにおいて、
前記剛性材料は、一部品をなして型成形される、アッセンブリ。
【請求項7】
請求項1乃至6のうちのいずれか一項に記載のアッセンブリにおいて、
前記パッキングは、再閉鎖するための手段を含む、アッセンブリ。
【請求項8】
請求項7に記載のアッセンブリにおいて、
前記再閉鎖するための手段は、接着手段及び/又は機械的手段を含む、アッセンブリ。
【請求項9】
請求項8に記載のアッセンブリにおいて、
前記再閉鎖するための手段は、前記軟質材料(10)と前記周囲部分(5)との間に配置された接着剤又は粘着材料によって提供される、アッセンブリ。
【請求項10】
請求項8に記載のアッセンブリにおいて、
前記再閉鎖するための手段は、前記軟質材料(10)に設けられた一つ又はそれ以上の開口部(13)によって提供され、これらの開口部(13)は、前記剛性材料製の突出部品と対応する、アッセンブリ。
【請求項11】
請求項1乃至10のうちのいずれか一項に記載のアッセンブリにおいて、
前記医療デバイスの前記挿入器(3)は、患者の皮膚上に配置されるべきベース部品(4)に取り外し可能に取り付けられており、前記ベース部品(4)は、リザーバを含む送出部品を前記ベース部品(4)に直接的に取り付けることができるような大きさを備えている、アッセンブリ。
【請求項12】
内部に貯蔵された医療デバイスに対して殺菌保護を提供する、一部が剛性材料(1、2、7、8、5)で形成されており、一部が軟質材料(10)で形成されたパッキングにおいて、
前記剛性材料は、角度をなして位置決めされた剛性に接合された二つの表面、即ち第1及び第2の面(1、2)を含み、これらの面(1、2)は、前記医療デバイス(3、4)の二つの側部をカバーし、これらの側部は二つの異なる方向に向いており、取り付けパッドの非接着面は剛性表面によってカバーされていない、ことを特徴とするパッキング。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6A】
image rotate

【図6B】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図7B】
image rotate

【図8A】
image rotate

【図8B】
image rotate

【図8C】
image rotate

【図9A】
image rotate

【図9B】
image rotate


【公表番号】特表2012−504000(P2012−504000A)
【公表日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−528354(P2011−528354)
【出願日】平成21年9月28日(2009.9.28)
【国際出願番号】PCT/EP2009/062500
【国際公開番号】WO2010/034830
【国際公開日】平成22年4月1日(2010.4.1)
【出願人】(506324208)ウノメディカル アクティーゼルスカブ (25)
【Fターム(参考)】