説明

挿入薬剤を光活性化する手段により核酸をブロックする装置。

【課題】 挿入薬剤を光活性化する手段により核酸をブロックする装置を提供する。
【解決手段】 本発明の装置は、(A)核酸と感光性の挿入薬剤を含むサンプル(M)を収納するハウジング(1)と、(B)前記サンプル(M)に向けて発光するLED(L1,L2,L3,L10,L20,L30)とを有する。前記LEDにより、前記挿入薬剤を光活性化して、前記挿入薬剤を前記核酸の少なくとも一部に共有結合させる。前記ハウジング(1)は、貫通孔(2)を具備する壁(1a)を有する。前記貫通孔(2)に、前記サンプルMと液状の前記挿入薬剤を含むマイクロ遠心分離チューブ(3)が、一部挿入される。前記LEDが、前記ハウジング(1)内に搭載され、前記LEDは、前記マイクロ遠心分離チューブ(3)の方向に向けて発光する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED(発光ダイオード)を用いて、挿入薬剤(intercalting agent:DNAの積み重なった塩基間に挿入される薬剤)を光活性化することにより、核酸をブロック(無効に)する(blocking nucleic acids)装置に関し、特にマイクロ遠心分離チューブ(試験管)が挿入されるハウジングを有する装置に関する。このマイクロ遠心分離チューブは、液状の挿入薬剤と核酸とを混合したサンプルを有する。このハウジング内には、マイクロ遠心分離チューブに向けて発光するLEDが搭載されている。更に、本発明は、核酸を研究する分子生物学の装置の分野である。
【背景技術】
【0002】
核酸を検出することに基づく分子生物学は、診断の分野と環境微生物学の分野(食品産業と医薬産業等の品質制御)の両方において、生存細胞又はウィルス(感染能力があるか病原性である)を区別することは、非常に重要である。あらゆるマトリックスにおいて、例えば、診断サンプルと環境サンプルの両方において、あるいは天然物あるいは人工物において、死亡器官の核酸と生存器官の核酸とが存在する。これらの領域において、既存の方法よりも核酸を速く検出できるようにするために、核酸を検知する技術は極めて重要である。それは、例えばウィルスの検出においては、実際唯一できることである。
【0003】
数年前までは、核酸の研究に基づく解析技術は、生存器官と死亡器官の両方に含まれる全核酸(DNA又はRNA)の研究に基づいている。この非選択的な(両方の)検出が、セクタ内のDNAの増幅に基づいた技術の適用性を条件付ける。例えば診断の品質やその制限を条件付けてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】WO2009/055810
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Vesper et al., 2008 in "Quantifying funfal viability in air and water samples using quantitative PCR after treatment with propidium monoazide (PMA)",
【0006】
今日、自由な即ちアクセス可能な核酸(死亡器官に対応する核酸と考えられる)を、光活性化可能な挿入薬剤で中性化することに基づく新たな方法は、この問題を解決してきた。ある露光条件においては、この挿入薬剤は、光活性化され、(死亡)核酸と共有結合すると、それらは検出目標としては有効ではなくなる。
【0007】
所定のアジ化物、例えばPMA(Propidium monoazide)とEMA(Ethidium monoazide)を光活性化可能な挿入薬剤として用いることにより、反応混合物が高電圧のハロゲンランプに晒されたときには、死亡細胞の核酸を中性化できる事が見出された(Nogva et al., 2003; Rudi et al., 2005; Nocker, A., et al 2006; Pisz et al., 2007; Vesper et al., 2008)。更に最新の研究では、同一条件では、PMAは、EMAよりも、より有効であることが見出された(Nocker et al, 2006; Flekna et al, 2007)。
【0008】
挿入薬剤の選択にも関わらず、今日多くの場合、中性化処置は、650W以上のハロゲンランプにサンプルを2−5分間露光する。しかし露光(照射)によりサンプルが加熱され、サンプルの損傷を回避するために、サンプルの冷却システムを作動させなければならない為に、露光は重要な問題である。今日までこの冷却は、サンプルの予冷却と氷浴の使用で行っていた。これの処置により、かなりの負荷が実験室レベルのプロセスにかかる。温度制御は、常に一定とはならないため、サンプルの汚染のリスクが増える。その理由は、サンプルを含むマイクロ遠心分離チューブは、抗菌していない水−氷の流体に接触しているからである。この種の技術を利用する作業者は、市販の設備ではない特定の装置を用いて対処しなければならない。
【0009】
それ以外には、この種の挿入薬剤は、400−500nmの光でのみ光活性化される(Bolton, P. H., and Kearns, D.R., 1978)。この周波数は、現在使用されているハロゲンランプの放射周波数のほんの一部である。その為光活性化プロセスそのものは、効率的ではなくなる。
【0010】
従って、標準の露光条件と最大の熱効率と効率的な照射システムで機能する市販の装置が必要である。
【0011】
感光性挿入薬剤の手段により核酸をブロックすることは、現在開発中の技術である。今日幾つかの感光性挿入薬剤があるが、これらは、もともとバクテリア用に開発されたものである。それらは、あらゆる種類の微生物、例えばバクテリア、archaea、ウィルス、原生動物(protozoa)、他の構造物(例えば線虫卵)に、理論的に適用可能ではある。更に微生物のみならず、あらゆる環境サンプル(例えば水、土壌、食料)あるいは医薬品サンプルもその対象に入る。その為1個の処理手順のみでは不可能である。これは従来の分子微細生物学にも現在でも当てはまり、PMAのような薬剤の使用は、あらゆるタイプのサンプルと微生物に対し展開される複数の処理手順を必要とする。
【0012】
光活性化反応は、試薬の濃度と光量(これは時間とパワーの関数である)に依存する。更に光活性化反応は、アッセイの対象物を変えない熱条件の下で行わなければならない。例えば、好冷の微生物に対しては温度上昇は最低にしなければならない。一般的な生物学的なサンプルに対しは、安定性と均一性を確保するような恒温状態が必要である。
【0013】
中性に近いpH状態とPMAにおいては、吸収率の最大値は、470nmの時であり、その吸収率は減少する振幅カーブを描く。青光を発光するあるLEDモデルの放射周波数に完全に適合しなければならない。今日のLEDは、可視周波数の大部分を連続的ではないがカバーし、更に紫外線周波数をもカバーしている。光生物化学の実験室と産業界規模のプロセスにおいては、それらは、光品質とその性能効率により、最も論理的な選択肢である。
【0014】
特許文献1は、青光を発光する手段特にLEDを用いて、上記の光活性化を実行することを提案している。上記の出願は微生物判別機(microorbanism discriminator)を開示する。この微生物判別機は、低量の光でサンプルを培養するハウジングを有し、そのハウジング内に配置されたインジェクタを有し、これにより挿入薬剤(例えばPMA)をこのサンプルに与える。この装置は、更に照射器を有し青光をサンプルの方向に放射する。
特許文献1には、ハウジングと照射器の間でサンプルを移送するベースを含むような発明はなく、更に全ての実施例においては、特許文献1の微生物判別装置は、前記ベースを含む。それは培養ハウジングと照射器が2つの別々のユニットになっているからである。この特許文献1は、1つの装置で、光活性化のプロセス全体を実行することができず、かつサンプルと挿入薬剤を液状で混合する装置を提案していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
微生物の検査手順は多くのステップを含む。そのステップの多くは、液体の試薬の測定に基づき、サンプルは等浸透圧の溶液で分解することにより処理される。この方法においては、多くの刊行物に記載された解析は、非特許文献1と特許文献1に記載されたものを除いて、サンプルの処理と液状のPMAの測定とマイクロ遠心分離チューブ内の処理に基づいており、これらはLEDによるものではない。その為、この種の解析の装置は、作業支持部材として遠心分離チューブを含む。
【0016】
本発明の目的は、上記の従来技術を改善することである。即ち、1つの装置内で、遠心分離チューブ内のサンプルと液状の挿入薬剤の混合物を光活性化する事である。
【課題を解決するための手段】
【0017】
挿入薬剤を光活性化する手段により核酸をブロックする装置は、
(A)核酸と感光性の挿入薬剤(PMA,EMA)を含むサンプル(M)を収納するハウジングと、
(B)前記サンプル(M)に向けて発光するLEDと
を有する。
前記LEDにより、前記挿入薬剤を光活性化して、前記挿入薬剤を前記核酸の少なくとも一部に共有結合させる。
【0018】
本発明の装置は、特許文献1に記載したのとは異なり、本発明の装置のハウジングは、貫通孔を具備する壁を有し、貫通孔に、前記サンプルMと液状の前記挿入薬剤を含むマイクロ遠心分離チューブが、一部挿入される。LEDが、前記ハウジング内に搭載され、このLEDが、前記マイクロ遠心分離チューブの方向に向けて発光する。
【0019】
高出力のLEDのエミッタは、開口から光を放出するが、絶対的な意味で低パワーの装置である。その為、いくつかの装置を組み合わせる必要がある。この為必要な光強度で最大の露出表面を全面的に照射する。LEDによる被照射体(マイクロ遠心分離チューブ)の熱の影響を最小にしながら、被照射体とLEDとの間の距離を最小にする。
【0020】
その結果、一実施例では、ハウジングの壁は、複数の貫通孔を有し、この貫通孔に、マイクロ遠心分離チューブが、一部挿入される。複数個のLEDがハウジング内に搭載される。このLEDが、マイクロ遠心分離チューブのそれぞれの部分の方向に向けて発光する。LEDは、マイクロ遠心分離チューブ1個につき少なくとも1個配置される。
【0021】
一実施例では、複数のLEDは、複数個の第1LEDを有し、各第1LEDは、前記マイクロ遠心分離チューブの先端部に隣接して配置され、マイクロ遠心分離チューブの長手方向軸に一致する方向に向けて、発光する。
【0022】
PMAのような挿入薬剤で生物サンプルを処理する装置は、光学装置の最適な光学性能を確保して、放射効率を最大にしなければならない。同時にオペレータは、測定対象物に適合できる熱的に安定した環境を得るよう、光量を調整しなけらばならない。
【0023】
最適な光学性能を確保するために、本発明の装置は複数のLEDを有する。これらは、手動と自動の両方の調整手段で光量が調整される。上記の熱的に安定した環境は、装置内に配置された換気システム(ファン)で達成される。これによりサンプルを冷やす。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】一連のマイクロ遠心分離チューブ3が支持部材4に保持され、装置のハウジング1内に一部挿入された状態の本発明の装置の斜視図。
【図2】マイクロ遠心分離チューブ3を具備した支持部材4が装置から取り外された状態を示す図1に類似する図。
【図3】支持部材4が取り外されて、マイクロ遠心分離チューブ3が見える状態にある図1の装置の内部の斜視図。
【図4】図1のラインIV−IVに沿った本発明の装置の断面図。
【図5】本発明の装置の内部に搭載された構成要素の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
挿入薬剤を光活性化する手段により核酸をブロックする装置は、
(A)核酸と感光性挿入薬剤を含むサンプル(M)を収納するマイクロ遠心分離チューブ3がそれぞれ挿入される12個の貫通孔2が形成された上壁1aを有する平行四面体のハウジング1と、
(B)ハウジング1内に搭載され、前記マイクロ遠心分離チューブ3のそれぞれの部分に向けて様々な方向から発光する複数のLED(L1,L2,L3,L10,L20,L30)と、を有する。
このLEDにより、前記挿入薬剤を光活性化して、前記挿入薬剤を前記核酸の少なくとも一部に共有結合させる。
【0026】
前記LED(L1,L2,L3,L10,L20,L30)は、400−500nmの波長範囲の青光を放射する。
【0027】
前記ハウジング1は、2つの部品で形成される。前記2個の部品は、互いに結合して、平行四面体を形成する。前記2個の部品の内の一方の部品は、上壁1aと大きい側壁1b,1cを有する。前記2個の部品の内の他方の部品は、底壁1dと小さい側壁1e、1fとを有し、前記底壁1dは、前記ハウジング1の2つの部品が結合された時には、前記上壁1aの反対側にくる。
【0028】
図1,2において、本発明の装置は支持部材4を有する。この支持部材4は、複数のマイクロ遠心分離チューブ(又は試験管)3を保持するためのものである。支持部材4は、それがハウジング1の上壁1aに隣接して配置された時に、各マイクロ遠心分離チューブ3を前記複数の貫通孔2のそれぞれに配置し、挿入と取り出しを行えるようにしている。
【0029】
図1,2において、支持部材4は複数の貫通孔5が形成されるボード4aを有する。その貫通孔5の直径は、マイクロ遠心分離チューブ3の開口部近傍の外径よりも小さいか、あるいは開口を閉じるストッパー6の直径よりも小さい(その為図では貫通孔5はストッパー6に隠れて見えない)。各マイクロ遠心分離チューブ3は、貫通孔5に挿入され、ストッパー6の下側外径に嵌る。貫通孔5は、ハウジング1の上壁1aの貫通孔2と同様な位置に分布して形成されている。同図において、6個の孔からなる2つの列(合計12個の貫通孔)が形成され、貫通孔5と貫通孔2は、ボード4aがハウジング1の上壁1aの近傍に配置された時に、整合する。言い換えると、マイクロ遠心分離チューブ3が、貫通孔2を介してハウジング1に導入された時に、支持部材4によりその場所に保持される。
【0030】
前記支持部材4は、ボード4aの長手方向エッジb1,b2からそれぞれ伸びる2つの側壁4b,4cを有する。前記支持部材4はU字型の横方向断面を有する。ボード4aがハウジング1の上壁1a近傍に配置されると、支持部材4の2つの側壁4b,4cは、前記ハウジング1の2つの大きな側面1b,1cのそれぞれ1つの領域に隣接する。即ち、支持部材4がハウジング1で支持される。或いは一実施例では、支持部材4がハウジング1に着脱可能に取り付けられるように、小さな力で押しつけれれる。
【0031】
図4において、前記ボード4aの長手方向エッジb1,b2から前記長手方向エッジb1,b2の反対側にある自由端b3,b4までの前記側壁4b,4cの長さ(即ち、側壁4b,4cの高さ)は、マイクロ遠心分離チューブ3よりも長い。マイクロ遠心分離チューブ3は前記支持部材4のボード4aの貫通孔5を貫通する。前記支持部材4が、前記自由端b3,b4により平坦な表面上に支持された時には、前記マイクロ遠心分離チューブ3の先端部3aは、前記平坦な表面P1,P11(又はL1,L10)には接触しない。
【0032】
図5において、複数のLEDは、横一列あたり3個のマイクロ遠心分離チューブ3が上下に6列に配列して配置される。つまり、各列にL1,L2,L3とL10,L20,L30がそれぞれ示されているが、これはそれぞれの列のLED群の1つを示すためのものであり、例えばL1は各縦列の各LEDのそれぞれを表す。
【0033】
図4において、本発明の装置は、以下に記載のLEDを有する。即ち、2列に並んだ複数個の第1LED(L1,L10)と、2列に並んだ複数個の第2LED(L2,L20)と、2列に並んだ複数個の第3LED(L3,L30)とを有する。
前記各第1LED(L1,L10)は、前記マイクロ遠心分離チューブ3の先端部3aに隣接して配置され、前記マイクロ遠心分離チューブ3の長手方向軸に一致する方向に向けて、発光する。
前記各第2LED(L2,L20)は、前記各マイクロ遠心分離チューブ3の第1側面壁3bに隣接して配置され、横方向から第1側面壁3bに向けて、発光する。前記第
前記各第3LED(L3,L30)は、前記各マイクロ遠心分離チューブ3の第2側面壁3cに隣接して配置され、横方向から前記側面壁3cに向けて、発光する。前記第2側面壁3cは前記第1側面壁3bの反対側にある。
【0034】
上記のLEDの配列により、サンプルMが入っている各マイクロ遠心分離チューブ3の一部は均一に照射され、各マイクロ遠心分離チューブ3内にサンプルMが配置され(特に先端3aを有するマイクロ遠心分離チューブ3の縦方向の3番目のもの)、その結果サンプルMに含まれる全ての挿入薬剤が感光(photoactivated)される。
【0035】
本発明の装置は電子システムを含む。この電子システムは、LED(L1,L2,L3,L10,L20,L30)がプリント回路基板PCB(P1,P2,P3,P10,P20,P30)に搭載され、更にそれらを電気的に接続する電子/電気回路を具備する。図4,5においては、LEDの1列あたり6個のPCBがある。
【0036】
図4,5は、3個のPCB(P1,P2,P3が一方の側に、そしてPCB(P10,P20,P30)が他方の側に配置されて、それぞれマイクロ遠心分離チューブ3の2列の1つに関連付けられ、そしてそれらがそれぞれの支持要素S1,S2に如何に搭載されるかを示している。その結果、LED(L1,L2,L3,L10,L20,L30)が、マイクロ遠心分離チューブ3から所定距離離れて配置される。その距離は、最小距離の要件に適合し、LEDによるサンプルMに対する熱の影響を最小にするのに必要な距離である。
【0037】
図3,5において、電源8とプラグ9は電気システムに接続されて、電源8は、プラグ9に外部ネットワークから入る動作電源を供給する。
【0038】
この電子システムは、LED(L1,L2,L3,L10,L20,L30)の動作を制御して、様々な動作パラメータを調整する。この動作パラメータは、例えばレーザーの放射時間と放射モードと光学強度である。
【0039】
図示はしていないが、本発明の装置は、電子システムに接続される手動制御装置を有し、ユーザがLEDの動作を手動で制御できる。この様な制御は、手動あるいは自動的に行うこともできる。
【0040】
図3,5において、本発明の装置は、ハウジング1の内側に搭載されるファン7による換気システムを有する。このファン7は、LED(L1,L2,L3,L10,L20,L30)の方を向いて、LEDを冷却し所定の安定環境におく。
【0041】
以上の説明は、本発明の一実施例に関するもので、この技術分野の当業者であれば、本発明の種々の変形例を考え得るが、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。特許請求の範囲の構成要素の後に記載した括弧内の番号は、図面の部品番号に対応し、発明の容易なる理解の為に付したものであり、発明を限定的に解釈するために用いてはならない。また、同一番号でも明細書と特許請求の範囲の部品名は必ずしも同一ではない。これは上記した理由による。用語「又は」に関して、例えば「A又はB」は、「Aのみ」、「Bのみ」ならず、「AとBの両方」を選択することも含む。特に記載のない限り、装置又は手段の数は、単数か複数かを問わない。
【符号の説明】
【0042】
1 ハウジング
2 貫通孔
3 マイクロ遠心分離チューブ
4 支持部材
4a ボード
5 貫通孔
6 ストッパー
7 ファン
8 電源
9 プラグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
挿入薬剤を光活性化する手段により核酸をブロックする装置において、
(A)核酸と感光性の挿入薬剤を含むサンプル(M)を収納するハウジング(1)と、
(B)前記サンプル(M)に向けて発光するLED(L1,L2,L3,L10,L20,L30)と、
を有し、
前記LEDにより、前記挿入薬剤を光活性化して、前記挿入薬剤を前記核酸の少なくとも一部に共有結合させ、
前記ハウジング(1)は、貫通孔(2)が形成された壁(1a)を有し、
前記貫通孔(2)に、前記サンプルMと液状の前記挿入薬剤を含むマイクロ遠心分離チューブ(3)が、一部挿入され、
前記LEDが、前記ハウジング(1)内に搭載され、
前記LEDは、前記マイクロ遠心分離チューブ(3)の方向に向けて発光する
ことを特徴とする核酸をブロックする装置。
【請求項2】
前記ハウジング(1)の壁(1a)は、複数の貫通孔(2)を具備し、
前記貫通孔(2)に、前記サンプルMと液状の前記挿入薬剤を含むマイクロ遠心分離チューブ(3)が、一部挿入され、
複数個の前記LED(L1,L2,L3,L10,L20,L30)が、前記ハウジング(1)内に搭載され、
前記LEDは、前記マイクロ遠心分離チューブ(3)のそれぞれの部分(3a)方向に向けて発光し、
前記LEDは、前記マイクロ遠心分離チューブ(3)1個当たり少なくとも1個ある
ことを特徴とする請求項1記載の核酸をブロックする装置。
【請求項3】
前記複数のLEDは、複数個の第1LED(L1,L10)を有し、
前記各第1LED(L1,L10)は、前記マイクロ遠心分離チューブ(3)の先端部(3a)に隣接して配置され、前記マイクロ遠心分離チューブ(3)の前記先端(3a)に向けて、発光する
ことを特徴とする請求項2記載の核酸をブロックする装置。
【請求項4】
前記複数のLEDは、複数個の第2LED(L2,L20)と複数個の第3LED(L3,L30)を更に有し、
前記各第2LED(L2,L20)は、前記各マイクロ遠心分離チューブ(3)の第1側面壁(3b)に隣接して配置され、横方向から前記側面壁(3b)に向けて、発光し、
前記各第3LED(L3,L30)は、前記各マイクロ遠心分離チューブ(3)の第2側面壁(3c)に隣接して配置され、横方向から前記側面壁(3c)に向けて、発光し、
前記第2側面壁(3c)は前記第1側面壁(3b)の反対側にある
ことを特徴とする請求項3記載の核酸をブロックする装置。
【請求項5】
前記第2LED(L2,L20)と前記第3LED(L3,L30)は、前記マイクロ遠心分離チューブ(3)の前記側面壁(3b,3c)の方向に向けて、発光する
ことを特徴とする請求項4記載の核酸をブロックする装置。
【請求項6】
(C)支持部材(4)を更に有し、
前記支持部材(4)は、前記複数のマイクロ遠心分離チューブ(3)を支持し、
前記支持部材(4)が前記ハウジング(1)の壁(1a)に隣接して配置された時には、前記マイクロ遠心分離チューブ(3)は、前記複数の貫通孔(2)のそれぞれの孔内に配置される
ことを特徴とする請求項2記載の核酸をブロックする装置。
【請求項7】
前記壁(1a)は、前記ハウジング(1)の上方壁であり、
前記支持部材(4)は、複数の貫通孔(5)が形成されたボード(4a)を有し、 前記貫通孔(5)の直径は、前記マイクロ遠心分離チューブ(3)の開口近傍の領域の外径又は、前記開口を閉じるストッパー(6)の直径よりも小さく、
前記各マイクロ遠心分離チューブ(3)は、そこに一部が挿入されると、前記貫通孔(5)内に適合し、
前記貫通孔(5)は、前記ハウジング(1)の壁(1a)の貫通孔(2)と整合して形成され、
前記ボード(4a)が、前記貫通孔(2)を含む壁(1a)の領域に配置されると、
前記貫通孔(5)は、前記貫通孔(2)と整合する
ことを特徴とする請求項6記載の核酸をブロックする装置。
【請求項8】
前記ハウジング(1)は、平行四面体の形状をしており、
前記支持部材(4)は、長手方向エッジ(b1,b2)からそれぞれ伸びる2つの側壁(4b,4c)を有し、
前記支持部材(4)は、U字型の横方向断面を有し、
前記支持部材(4)の2つの側壁(4b,4c)は、前記ボード(4a)が前記ハウジング(1)の上壁(1a)に配置されると、前記ハウジング(1)の2つの大きな側面(1b,1c)のそれぞれ1つの領域に隣接する
ことを特徴とする請求項7記載の核酸をブロックする装置。
【請求項9】
前記ボード(4a)の長手方向エッジ(b1,b2)から前記長手方向エッジ(b1,b2)の反対側にある自由端(b3,b4)までの前記側壁(4b,4c)の距離は、前記マイクロ遠心分離チューブ(3)の長手方向部分よりも長く、
前記マイクロ遠心分離チューブ(3)の長手方向部分は、前記支持部材(4)のボード(4a)の貫通孔(5)を通り、
前記支持部材(4)が、前記自由端(b3,b4)により平坦な表面上に支持された時には、前記マイクロ遠心分離チューブ(3)の先端部(3a)は、平坦な表面には接触しない
ことを特徴とする請求項8記載の核酸をブロックする装置。
【請求項10】
(D)電子システムを更に有し、
前記電子システムは、前記プリント回路基板(P1,P2,P3,P10,P20,P30)上に搭載された前記LED(L1,L2,L3,L10,L20,L30)を有し、更にそれらの間を接続する電子回路を有する
ことを特徴とする請求項1−9のいずれかに記載の核酸をブロックする装置。
【請求項11】
前記プリント回路基板(P1,P2,P3,P10,P20,P30)は、搭載要素(S1,S2)に搭載され、
前記LED(L1,L2,L3,L10,L20,L30)は、前記マイクロ遠心分離チューブ(3)から所定距離離れて配置されている
ことを特徴とする請求項10記載の核酸をブロックする装置。
【請求項12】
前記電子システムは、前記LED(L1,L2,L3,L10,L20,L30)の動作を制御する
ことを特徴とする請求項10記載の核酸をブロックする装置。
【請求項13】
前記LED(L1,L2,L3,L10,L20,L30)は、400−500nmの波長範囲の青光を放射する
ことを特徴とする請求項1−12のいずれかに記載の核酸をブロックする装置。
【請求項14】
(E)ファン(7)を有する換気システムを有し、
前記ファン(7)は、前記LED(L1,L2,L3,L10,L20,L30)に面して、前記ハウジング(1)内に配置される
ことを特徴とする請求項1−13のいずれかに記載の核酸をブロックする装置。
【請求項15】
前記ハウジング(1)は、2つの部品で形成され、
前記2個の部品は、互いに結合して、平行四面体を形成し、
前記2個の部品の内の一方の部品は、前記上壁(1a)と前記側壁(1b,1c)を有し、
前記2個の部品の内の他方の部品は、底壁(1d)と則壁(1e、1f)とを有し、
前記底壁(1d)は、前記ハウジング(1)の2つの部品が結合された時には、前記上壁(1a)の反対側にある
ことを特徴とする請求項8記載の核酸をブロックする装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−507951(P2013−507951A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−534789(P2012−534789)
【出願日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際出願番号】PCT/IB2010/002696
【国際公開番号】WO2011/051774
【国際公開日】平成23年5月5日(2011.5.5)
【出願人】(512106573)インスツルメンツ ユティリス ディ ラボラトリ ゲニウル、 エスエル (1)
【Fターム(参考)】