説明

捩り剛性調整装置及びこの捩り剛性装置を用いた変速機の試験装置

【課題】トーションバーのような長い棒部材を用いることなく、捩り剛性を調整できる捩り剛性調整装置を提供する。
【解決手段】捩り剛性調整装置20は、回転軸21と、回転軸に回転可能に支持される回転部材30と、回転軸に固定されてこれより径方向に延びる板ばね部材40と、回転部材の板ばね部材側の端面に突設されて板ばね部材に係止して回転部材の回転を回転軸に伝達する係止部材50とを備え、回転部材の回転は係止ピンが板ばね部材に係止して伝達されるとともに、板ばね部材40に生じる曲げ剛性が捩り剛性となって回転軸に付与される。この捩り剛性調整装置は、変速機のシフトフィーリングを試験する試験装置に使用するのに適している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、捩り剛性調整装置及びこの捩り剛性装置を用いた変速機のシフトフィーリングを試験する変速機の試験装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車に搭載される手動変速機は、一般的にエンジンにより回転駆動される入力軸と、この入力軸と平行に配置され出力軸を介して駆動車輪に連結されるカウンタ軸と、この入力軸及びカウンタ軸に設けられ同期切換機構を介してこの両軸を選択的に連結する複数の変速歯車対とを備え、シフトレバーのセレクト操作及びシフト操作をすることで所望の変速歯車対が形成される。このような手動変速機の開発段階においては、シフトレバーの良好なシフトフィーリングを得ることができるように、変速歯車対及び同期切換装置を構成する各部品の仕様が設定され、シフトフィーリングの試験が行われる。特許文献1には、手動変速機のシフトフィーリングを試験するためのシフトフィーリング評価装置が開示されている。このシフトフィーリング評価装置は、手動変速機の入力軸にクラッチを介して入力側モータを取り付けるとともに出力軸に出力側モータを取り付け、さらに出力軸にトルクセンサを取り付けている。このシフトフィーリング装置においては、変速操作をするときには、出力側モータの駆動を出力軸に入力し、このときのトルクセンサで検出される軸トルクの検出信号を演算手段に出力し、所定の関係式からシフトフィーリングを評価するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−102145号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のシフトフィーリング評価装置を用いて手動変速機のシフトフィーリングを試験するときには、手動変速機を搭載する車両に応じた捩り剛性を出力側モータから出力軸に付与したうえで試験を行うことが求められる。上記のシフトフィーリング評価装置において、このような捩り剛性を与えるためには、出力側モータと出力軸との間にトーションバーを設ければよい。しかし、このような変速機のシフトフィーリング評価装置のトーションバーでは、テストされる車両の動力伝達系の捩り剛性に合わせて捩り剛性を調整するのに長さを変更する必要があり、変速機と出力側モータとの間の距離を変更しなければならないので調整に手間がかかった。また、トーションバーの長さが長くなると、変速機と出力側モータをベンチテストを実施するベンチ上に搭載できなくなることがあった。そこで、本発明はこのような問題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このために、請求項1の発明による捩り剛性調整装置は、回転軸と、回転軸に回転可能に支持される回転部材と、回転軸に固定されてこれより径方向に延びる板ばね部材と、回転部材の板ばね部材側端面に突設され板ばね部材に係止して回転軸と回転部材の間で回転力を伝達する係止部材とを備えたことを特徴とする。
【0006】
前項に記載の捩り剛性調整装置において、板ばね部材を回転軸に着脱可能に固定するのが好ましい。
【0007】
前各項に記載の捩り剛性調整装置において、係止部材を回転軸の径方向に位置調整可能に設けるのが好ましい。
【0008】
前各項に記載の捩り剛性調整装置において、係止部材を一対にして、板ばね部材との間の隙間が調整可能となるように回転部材に設けるのが好ましい。
【0009】
また、変速機の出力軸に駆動機により回転される駆動軸を同軸的に連結し、駆動機により出力軸を駆動した状態で変速機の操作レバーをシフト操作するときのシフトフィーリングを試験する変速機の試験装置は、前各項に記載の捩り剛性調整装置の回転軸及び回転部材の何れか一方を変速機の出力軸を連結し、回転軸及び回転部材の他方に駆動軸を連結したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
上述のように、請求項1の発明によれば、捩り剛性調整装置は、回転軸と、回転軸に回転可能に支持される回転部材と、回転軸に固定されてこれより径方向に延びる板ばね部材と、回転部材の板ばね部材側端面に突設されて板ばね部材に係止して回転軸と回転部材の間で回転力を伝達する係止部材とを備えたので、係止部材に係止される板ばね部材により回転軸と回転部材の間の回転力が伝達され、回転軸と回転部材の間の捩り剛性は板ばね部材の曲げ剛性により与えられるので、板ばね部材の曲げ剛性を調整することにより軸線方向の長さを変えることなく捩り剛性を調整することができる。
【0011】
板ばね部材を回転軸に着脱可能に固定するようにした請求項2に記載の発明によれば、曲げ剛性の異なる複数の板ばね部材を用意し、これを交換することにより捩り剛性を調整することができる。
【0012】
係止部材を回転軸の径方向に位置調整可能に設けるようにした請求項3に記載の発明によれば、係止部材の径方向位置を調整して係止部材が板ばね部材に当接する位置を変えることにより曲げ剛性を変更することで、板ばね部材を変えることなく捩り剛性を調整することができる。
【0013】
係止部材を一対にして、板ばね部材との間の隙間が調整可能となるように回転部材に設けるようにした請求項4に記載の発明によれば、回転軸と回転部材との間で回転を伝達する場合における係止部材と板ばね部材との間の遊びから生じるガタを調整することができる。
【0014】
また、請求項5に記載の発明によれば、変速機の出力軸に駆動機により回転される駆動軸を同軸的に連結し、駆動機により出力軸を駆動した状態で変速機の操作レバーをシフト操作するときのシフトフィーリングを試験する変速機の試験装置は、前各項に記載の捩り剛性調整装置の回転軸及び回転部材の何れか一方に変速機の出力軸を連結し、回転軸及び回転部材の他方に駆動軸を連結するようにしているので、変速機の出力軸に捩り剛性を付与するときに、出力軸と駆動軸との間にトーションバーを設けたときと比べて装置の全長を長くする必要がない。また、上述した各請求項に応じた効果から、変速機の出力軸と駆動機により回転される駆動軸との間の距離を変更することなく変速機を搭載する車両の駆動力伝達系に応じた捩り剛性を得られるように調整したうえで、駆動機から変速機の出力軸に捩り剛性を付与することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の捩り剛性調整装置を用いた変速機の試験装置の概略図である。
【図2】(a)は捩り剛性調整装置の側面図であり、(b)は(a)のA−A線における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る捩り剛性調整装置及びこの捩り剛性調整装置を用いた変速機の試験装置の一実施形態を図面を用いて説明する。図1に示すように、変速機の試験装置10は、変速機11の出力軸12にモータ(駆動機)14により回転される駆動軸15を同軸的に連結し、モータ14により出力軸12を駆動した状態で変速機11の操作レバー13をシフト操作するときのシフトフィーリングを試験するためのものであり、変速機11とモータ14は試験装置のベンチB上に設置されている。変速機11の出力軸12とモータ14により駆動される駆動軸15との間には、捩り剛性調整装置20が設けられている。また、モータ14と捩り剛性調整装置20との間にはフライホイールよりなる慣性回転体16が設けられている。慣性回転体16は、モータ14の回転の変動をテストされる変速機11が搭載される車両の車体重量に合わせて抑制するためのものであり、慣性回転体16の一端側はモータ14の出力軸14aに連結され、慣性回転体16の他端側に連結された駆動軸15はそのフランジ15aを介して捩り剛性調整装置20に連結されている。
【0017】
捩り剛性調整装置20は、モータ14により回転駆動される駆動軸15と変速機11の出力軸12の間の捩り剛性を付与するためのものであり、回転軸21と、回転軸21に回転可能に支持される回転部材30と、回転軸21に固定されてこれより径方向に延びる板ばね部材40と、回転軸21側となる回転部材30の一端面に立設され板ばね部材40と係合されて、後述する回転部材30の回転を回転軸21に伝達する係止ピン(係止部材)50とを備えている。
【0018】
捩り剛性調整装置20の回転軸21は、一端側に一体的に固定されたフランジ22が変速機11の出力軸12の先端に連成されたフランジ12aに同軸的に連結されており、他端側に径が細く形成された縮径部23に軸受け31を介して円盤形をした回転部材30を回転可能に支持している。回転軸21の軸方向の中間部には、径方向に貫通するスリット24が形成されており、このスリット24には、径方向の両側に延びる板ばね部材40が挿通されてボルト41により固定されている。
【0019】
回転部材30は、一端面側に形成した円形凹部30aに上述した回転軸21の縮径部23が軸受け31を介して嵌挿されて、回転軸21に回転可能に支持されるとともに、他端面側がモータ14により回転される駆動軸15に連結されている。回転部材30には板ばね部材40側の一端面に複数のねじ孔32(32a〜32d)が形成されており、これらのねじ孔32には板ばね部材40に係止することで回転部材30の回転を回転軸21に伝達するための係止ピン(係止部材)50が着脱可能に螺着されている。各ねじ孔32は、円周方向に所定間隔を設けた位置で対をなして形成されているとともに、これら対をなしたねじ孔32、32は、径方向に対称となる位置で対をなして形成されている。
【0020】
回転部材30の各ねじ孔32のうち、図2(b)に示す回転部材30の上端側及び下端側で円周方向に対をなして形成された各ねじ孔32a、32aは、螺合された係止ピン50、50が板ばね部材40に当接する位置に形成されている。図2(b)において上端側及び下端側の各ねじ孔32a、32aより中心側に形成された各ねじ孔32b、32bは、同様に、螺合される係止ピン50、50が板ばね部材40に当接する位置に形成されている。また、図2(b)に示す回転部材30の左端側及び右端側で円周方向に対をなして形成された各ねじ孔32c、32cは、螺合される係止ピン50、50が板ばね部材40との間で隙間が生じる位置に形成されている。左端側及び右端側のねじ孔32c、32cより中心側に形成された各ねじ孔32d、32dは、螺合される係止ピン50、50が板ばね部材40との間で隙間が生じる位置に形成されている。
【0021】
板ばね部材40は所定の曲げ剛性を有した菱形の鋼板よりなり、この実施形態では回転軸21の径方向の両側に延びるようにして回転軸21のスリット24にボルト41により着脱可能に固定されている。この板ばね部材40をスリット24に挿通した際に生じる隙間は、シムを挿入することにより実質的に0となるようにして、ボルト41により締結される。変速機11を搭載する車両の特性に応じた捩り剛性が得られるように、この実施形態では2枚の板ばね部材40が回転軸21のスリット24内に重ねて挿入されているが、板ばね部材40の数や厚さまたは材質を変更して曲げ剛性を変更すれば、回転軸21に付与する捩り剛性を変更することができる。
【0022】
係止ピン50は、板ばね部材40に係止して回転部材30の回転を回転軸21に伝達するためのものであり、本実施形態では4本の係止ピン50が回転部材30の各ねじ孔32のうち図2(b)に示す上端側と下端側のねじ孔32aに着脱可能に螺合して突設されている。4本の係止ピン50は、板ばね部材40における回転軸21の径方向の両側で、板ばね部材40を両側を挟む位置に突設されている。係止ピン50は、螺合させるねじ孔32の位置を変更することで回転部材30に位置調整可能に固定される。すなわち、係止ピン50は図2(b)に示す上端側及び下端側よりも中心側の各ねじ孔32bに螺合して固定されたときは、回転部材30から回転軸21への回転にねじ孔32aに螺合させたときより高い捩り剛性を付与することになる。また、係止ピン50は、図2(b)に示す左端側及び右端側の各ねじ孔32cに螺合して固定されたときには、ねじ孔32aに螺合させたときと同様に回転部材30から回転軸21への回転に比較的低い捩り剛性を付与することができるとともに、係止ピン50と板ばね部材40との間の遊びによって生じるガタがあることで、回転部材30から回転軸21への回転に係止ピン50が板ばね部材40に係止する際に生じるガタによる衝撃を付与することができる。また、係止ピン50は図2(b)に示す左端側及び右端側より中心側の各ねじ孔32dに螺合して固定されたときは、回転部材30から回転軸21への回転にねじ孔32cに螺合させたときより高い捩り剛性を付与するとともに、係止ピン50と板ばね部材40との間の遊びによって生じるガタがあることで、回転部材30から回転軸21への回転に係止ピン50が板ばね部材40に係止する際に生じるガタによる衝撃を付与することができる。
【0023】
このように、係止ピン50は、回転軸21の径方向に位置調整可能となるように回転部材30に突設されているので、係止ピン50の回転軸21における径方向位置を調整して係止ピン50が板ばね部材40に当接する位置を変えることにより曲げ剛性を変更することで、板ばね部材40を変えることなく捩り剛性を調整することができる。なお、本実施形態では、係止ピン50は、回転軸21の径方向に2段階に位置調整可能としているが、回転部材30に回転軸21の径方向に多数のねじ孔32を形成することで多段階に位置調整可能とすれば、さらに細かく捩り剛性を調整することが可能となる。
【0024】
また、係止ピン50は、板ばね部材40との間の隙間の有無を調整可能となるように回転部材30に突設されているので、係止ピン50の板ばね部材40との間の隙間の有無を調整して係止ピン50と板ばね部材40との間の遊びから生じるガタの有無を調整することができる。なお、本実施形態では、係止ピン50は、板ばね部材40との間の隙間の有無を調整可能としているが、回転部材30に回転軸21の周方向における多数のねじ孔32を形成して係止ピン50と板ばね部材40との間の隙間を多段階に調整可能とすれば、係止ピン50と板ばね部材40との間の遊びから生じるガタの量を細かく調整することが可能となる。
【0025】
上記のように構成した変速機の試験装置10を用いた変速機11のシフトフィーリングの試験について説明する。この変速機の試験装置10においては、モータ14を駆動させると、その回転が慣性回転体16及び捩り剛性調整装置20を介して変速機11の出力軸12に伝達され、変速機11の操作レバー13をセレクト操作及びシフト操作をして変速機11のシフトフィーリングを試験する。このとき、捩り剛性調整装置20においては、モータ14の駆動により回転部材30が回転すると、係止ピン50が板ばね部材40に係止して回転部材30の回転が回転軸21に伝達される。回転部材30の回転が回転軸21に伝達されるときに、回転軸21には係止ピン50が板ばね部材40に係止して回転軸21を回転させるときに生じる捩り剛性が付与される。また、回転部材30のねじ孔32aに螺合させている係止ピン50を、回転軸21の中心側のねじ孔32bに螺合させると、ねじ孔32aに螺合させたときと比べて回転軸21に付与される捩り剛性を高くすることができる。また、係止ピン50をねじ孔32cまたは32dに螺合させると、ねじ孔32aに螺合させたときと比べて同じまたは高い捩り剛性を付与することができ、さらに、板ばね部材40と係止ピン50との間の遊びによって生じるガタを付与することができる。なお、回転部材30に上述したねじ孔32c、32dに螺合させた係止ピン50と板ばね部材40との間の隙間と異なる隙間を生じる位置にねじ孔を形成しておき、これらねじ孔に係止ピン50を螺合させれば、回転軸21に付与するガタの量を変更することが可能である。また、回転軸21に付与する捩り剛性を調整するときには、板ばね部材40の数、厚さまたは材質等を変更して板ばね部材40の曲げ剛性を変更することで回転軸21に入力される捩り剛性を調整するようにしてもよい。さらに、係止ピン50の本体とそのねじ部を偏心させ、ねじ部をロックナットにより任意の角度で回転部材30に固定できるようにすれば、係止ピン50と板ばね部材40との間の隙間を連続的に調整することが可能である。
【0026】
このように、この捩り剛性調整装置20を用いた変速機の試験装置10は、変速機11を搭載する車両の動力伝達系に応じた捩り剛性を調整して付与することができるとともに、同車両の動力伝達系のガタに応じて変速機11の出力軸12に付与されるガタの量を調整して付与することができる。また、変速機の試験装置10に用いられる捩り剛性調整装置20は、回転軸21と、回転軸21に回転可能に支持される回転部材30と、回転軸21に固定されてこれより径方向の両側に延びる板ばね部材40と、回転部材30の板ばね部材40に突設されて板ばね部材40に係止してモータ14により回転する回転部材30の回転を回転軸21に伝達する係止ピン50を備えたので、係止ピン50に係止される板ばね部材40により回転部材30の回転が回転軸21に伝達され、回転部材30と回転軸21との間の捩り剛性は板ばね部材40の曲げ剛性により与えられるので、板ばね部材40の曲げ剛性を調整することにより軸線方向の長さを変えることなく捩り剛性を調整することができる。これにより、変速機11の出力軸12に捩り剛性を付与するときに、出力軸12とモータ14により回転される駆動軸15との間にトーションバーのような長い棒部材を用いて捩り剛性を付与するときと比べて変速機の試験装置10を小型にすることができる。
【0027】
また、この捩り剛性調整装置20は、板ばね部材40を回転軸21に着脱可能に固定するようにしているので、板ばね部材40の数や厚さまたは材質を変更して曲げ剛性を変えることで、変速機11の出力軸とモータ14の駆動軸15との間の距離を変更することなく、変速機11を搭載する車両の駆動伝達系に応じた捩り剛性となるように調整することが可能である。
【0028】
また、この捩り剛性調整装置20は、係止ピン50を回転軸21の径方向に位置調整可能に設けるようにしているので、係止ピン50の径方向位置を調整して係止ピン50が板ばね部材40に当接する位置を変えることにより、変速機11の出力軸とモータ14の駆動軸15との間の距離を変更することなく、また、板ばね部材40の数、厚さまたは材質を変更することなく、板ばね部材40に生じる曲げ剛性を変更することで回転軸21に付与する捩り剛性を調整することができる。
【0029】
また、この捩り剛性調整装置20は、係止ピン50を板ばね部材40を挟む両側で一対にして、板ばね部材40との間の隙間が調整可能となるように回転部材30に設けるようしているので、回転部材30から回転軸21に回転を伝達する際に、係止ピン50と板ばね部材40との間の遊びから生じるガタを調整することができる。
【0030】
上述した変速機の試験装置10の実施形態においては、変速機11の出力軸12に捩り剛性調整装置20の回転軸21のフランジ22を連結し、モータ14により回転する駆動軸15に回転部材30を連結しているが、本発明はこれに限られるものでなく、変速機11の出力軸に回転部材30を連結し、モータ14により回転する駆動軸15に回転軸21を連結するようにしてもよく、このようにしたときにも上述したのと同様の作用効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0031】
10…変速機の試験装置、11…変速機、12…出力軸、14…駆動機(モータ)、15…駆動軸、20…捩り剛性調整装置、21…回転軸、30…回転部材、40…板ばね部材、50…係止部材(係止ピン)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸と、
前記回転軸に回転可能に支持される回転部材と、
前記回転軸に固定されてこれより径方向に延びる板ばね部材と、
前記回転部材の前記板ばね部材側端面に突設され前記板ばね部材に係止して前記回転軸と前記回転部材の間で回転力を伝達する係止部材とを備えたことを特徴とする捩り剛性調整装置。
【請求項2】
請求項1に記載の捩り剛性調整装置において、
前記板ばね部材を前記回転軸に着脱可能に固定したことを特徴とする捩り剛性調整装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の捩り剛性調整装置において、
前記係止部材を前記回転軸の径方向に位置調整可能に設けたことを特徴とする捩り剛性調整装置。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか1項に記載の捩り剛性調整装置において、
前記係止部材を一対にして、前記板ばね部材との間の隙間が調整可能となるように前記回転部材に設けたことを特徴とする捩り剛性調整装置。
【請求項5】
変速機の出力軸に駆動機により回転される駆動軸を同軸的に連結し、前記駆動機により前記出力軸を駆動した状態で前記変速機の操作レバーをシフト操作するときのシフトフィーリングを試験する変速機の試験装置において、
請求項1〜4の何れか1項に記載の捩り剛性調整装置の前記回転軸及び前記回転部材の何れか一方に前記変速機の出力軸を連結し、
前記回転軸及び前記回転部材の他方に前記駆動機の駆動軸を連結したことを特徴とする変速機の試験装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−149455(P2011−149455A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−9354(P2010−9354)
【出願日】平成22年1月19日(2010.1.19)
【出願人】(592058315)アイシン・エーアイ株式会社 (490)
【Fターム(参考)】