据え置き型定量噴霧装置、及びこれを用いた小空間への薬液散布方法
【課題】芳香、消臭、殺虫、防虫等の各種有効成分を噴霧する噴霧装置であって、複雑な操作を要することなしに、過剰な噴霧を避けることができ、安全性と使い勝手に優れる、小空間での使用に適した据え置き型定量噴霧装置、及びこれを用いた小空間への薬液散布方法を提供する。
【課題の解決手段】
噴霧手段として、一動作で一定量の噴霧が可能な定量噴霧型ポンプを用いることにより、過剰噴霧の危険性を避け、さらには噴霧の方向を水平方向より上向きに制御する工夫によって、薬液の効果が充分に発揮され、安全性の問題を生じない利便性の高い噴霧装置、及びこれを用いた薬液散布方法の提供が可能となる。
【課題の解決手段】
噴霧手段として、一動作で一定量の噴霧が可能な定量噴霧型ポンプを用いることにより、過剰噴霧の危険性を避け、さらには噴霧の方向を水平方向より上向きに制御する工夫によって、薬液の効果が充分に発揮され、安全性の問題を生じない利便性の高い噴霧装置、及びこれを用いた薬液散布方法の提供が可能となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内小空間に据え置きして使用し、薬液を定量に噴霧する据え置き型定量噴霧装置、及びこれを用いた小空間への薬液散布方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
空間へ芳香剤や消臭剤といった薬剤等を噴霧する方法として、各種噴霧器を利用したものが考案されている。
このうち電気を必要としないタイプの噴霧器の種類としては、エアゾールタイプの噴霧器、トリガータイプの噴霧器、ポンプタイプの噴霧器(ミストスプレーとも言われる)が一般的であり、通常、噴霧器を手に持って噴霧したい方向に向けて、ボタンを押さえたり、トリガーを引いたりする。
【0003】
それぞれのタイプに長所/短所が存在する。通常の家庭での使用の場合、特にトイレや玄関などの小空間で使用する際は、噴霧量と噴霧する方向が重要となる。小空間での噴霧量については、リビングや大型の会議室などの大空間での使用とは異なり、一回操作による噴霧量が少量に限定されることが求められる。ごく一般的なエアゾールタイプの噴霧器では、ボタンを押しているだけ薬剤が噴霧されることから、ともすれば過剰に薬剤が噴霧される恐れもある。トリガータイプの噴霧器にしてもトリガーを引くストロークによって、またポンプタイプの噴霧器についても押し様によっては噴霧量に違いが生ずる。
噴霧量が少ないと薬液の充分な効果が発揮されないのは当然であるが、噴霧量が多すぎると、過剰な噴霧液は床面を汚す危険性があり、また芳香液の場合は香りが強すぎることとなり、殺虫液の場合には、安全性に問題が生じる。このように噴霧の仕方によって噴霧量が一定しないのでは、薬液の安定した効果が期待できない。
また噴霧の方向については、各噴霧器ともに、手に持って噴霧する際は任意の方向に向けて噴霧可能であるが、噴霧器を据え置きにして使用する場合では、据え置いた場所が机上面や床面に近い場合は、各面に薬液が直接付着しないように噴霧方向に注意が必要となる。
またさらに別の視点から見ると、これらの噴霧器は気軽に持ち運びできるものが多いが、その反面、置き場所が固定されていないために、使用後、無意識に適当な場所に放置されがちで、必要時に噴霧器が見つからずに、懸命に探す手間が生じる場合が多々ある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−72150号公報
【特許文献2】特開2003−205021号公報
【特許文献2】実用新案第3094142号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記のような従来の噴霧器が有する問題点を解消すべく鋭意検討したものであり、噴霧量と噴霧の方向を制御することによって、薬液の効果が充分に発揮され、安全性の問題を生ぜず、しかも利便性の高い、小空間での使用に適した据え置き型定量噴霧装置、及びこれを用いた小空間への薬液散布方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決する手段として、一動作で一定量の噴霧が可能な定量噴霧型ポンプを有するポンプ式の噴霧器を用い、この噴霧器を収納容器に収納し、各種方法でノズルの操作部を押し下げることにより、噴霧方向が水平から上向きとなるような、据え置いて使用する噴霧装置を開発するに至った。
【0007】
即ち、本発明は、以下の構成からなる据え置き型定量噴霧装置、及びこれを用いた小空間への薬液散布方法である。
(1)定量噴霧型ポンプを薬液貯蔵部に装着したポンプ式噴霧器を、収納容器に収納してなる据え置き型定量噴霧装置であって、
前記収納容器に備えた作動部を作動させることにより、前記定量噴霧型ポンプを作動させ、一動作で一定量の薬液を一定方向に噴霧させることが出来ることを特徴とする、据え置き型定量噴霧装置。
(2)(1)記載の据え置き型定量噴霧装置であって、前記定量噴霧型ポンプの操作部を、前記作動部を介して押し下げることにより、
該定量噴霧型ポンプを作動させて、一動作で一定量の薬液を水平より上向きに噴霧させることを特徴とする、据え置き型定量噴霧装置。
(3)(1)記載の据え置き型定量噴霧装置であって、前記収納容器内に収納された前記ポンプ式噴霧器2全体を、前記作動部によって一定距離を押し上げ、この作動動作中に該定量噴霧型ポンプの前記操作部を該収納容器内の一定位置に固定しておくことにより、
該定量噴霧型ポンプを作動させて、一動作で一定量の薬液を水平より上向きに噴霧させることを特徴とする、据え置き型定量噴霧装置。
(4)(1)から(3)のいずれか一つの据え置き型定量噴霧装置であって、該ポンプ式噴霧器の薬液貯蔵部の外壁部と該収納容器の内壁部において、お互いに略係合する外壁ガイド部及び内壁ガイド部をそれぞれ設けたことを特徴とする、据え置き型定量噴霧装置。
(5)前記作動部が、足によって操作できるように設計されてなることを特徴とする(1)から(4)のいずれか一に記載の据え置き型定量噴霧装置。
(6)前記作動部が、手によって操作できるように設計されてなることを特徴とする(1)から(4)のいずれか一に記載の据え置き型定量噴霧装置。
(7)前記ポンプ式噴霧器を前記収納容器に収納する際に、該ポンプ式噴霧器を水平方向に対して特定の角度で傾けて前記収納容器内に保持させることにより噴霧方向が調節可能であることを特徴とする(1)から(6)のいずれか一に記載の据え置き型定量噴霧装置。
(8)前記定量噴霧型ポンプにおいて、噴射ノズルの向きを、特定の角度とすることにより、噴霧方向が制御されることを特徴とする(1)から(7)のいずれか一に記載の据え置き型定量噴霧装置。
(9)前記薬液貯蔵部内における薬液の残量を確認するため、前記収納容器の壁面の少なくとも一部に窓部を設けることを特徴とする(1)から(8)のいずれか一に記載の据え置き型定量噴霧装置。
(10)前記薬液貯蔵部に収容される薬液中の薬剤が、殺虫、防虫、害虫忌避、除菌、防カビ、芳香、消臭効果のある薬剤のうち、少なくとも1つを含むことを特徴とする(1)から(9)のいずれか一に記載の据え置き型定量噴霧装置
(11)(1)から(10)のいずれか一に記載の据え置き型定量噴霧装置を用いて、一動作で一定量の薬液を一定方向に噴霧することを特徴とする、小空間への薬液散布方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明では、ポンプ式噴霧器を用いることで、環境にやさしく安全性に優れた構成となり得る。すなわち、ポンプ式噴霧器の中でも、一動作で一定量の噴霧が可能な定量噴霧型ポンプを用いることにより、常に一定の薬液噴霧が可能となり、過剰な噴霧を避けることができ、安全性と使い勝手に優れるものとなった。さらに、本タイプの噴霧器では、エアゾールタイプとは異なり、地球温暖化の原因として懸念される圧縮ガスや耐圧容器も不要であることから、廃棄処理や安全管理の点で問題が少なく、取り扱いも容易でありメリットが大きい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の据え置き型定量噴霧装置の手押し式の実施の形態1例を示す側面断面図である。
【図2】本発明の据え置き型定量噴霧装置の手押し式の実施の形態1例を示す側面外観図である。
【図3】本発明の据え置き型定量噴霧装置の手押し式の実施の形態2例を示す側面断面図である。
【図4】本発明の据え置き型定量噴霧装置の手押し式の実施の形態2例を示す正面断面図である。
【図5】本発明の据え置き型定量噴霧装置の手押し式の実施の形態3例を示す側面断面図である。
【図6】本発明の据え置き型定量噴霧装置の手押し式の実施の形態3例を示す側面外観図である。
【図7】本発明の据え置き型定量噴霧装置の手押し式の実施の形態3例を示す側面断面図である。
【図8】本発明の据え置き型定量噴霧装置の手押し式の実施の形態4例を示す側面断面図である。
【図9】本発明の据え置き型定量噴霧装置の手押し式の実施の形態4例を示す側面外観図である。
【図10】本発明の据え置き型定量噴霧装置の手押し式の実施の形態5例を示す側面断面図である。
【図11】本発明の据え置き型定量噴霧装置の手押し式の実施の形態5例を示す側面外観図である。
【図12】本発明の据え置き型定量噴霧装置の手押し式の実施の形態6例を示す側面断面図である。
【図13】本発明の据え置き型定量噴霧装置における内壁ガイド部と外壁ガイド部の状態の一例を示す要部水平断面図である。
【図14】本発明の据え置き型定量噴霧装置の手押し式の実施の形態6例を示す側面断面図である。
【図15】本発明の据え置き型定量噴霧装置の足踏み式の実施の形態7例を示す側面断面図である。
【図16】本発明の据え置き型定量噴霧装置の足踏み式の実施の形態7例を示す側面断面図である。
【図17】本発明の比較例としてのエアゾール式噴霧器の形態例を示す外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の据え置き型定量噴霧装置において用いられるポンプ式噴霧器では定量噴霧型ポンプを用いることを特徴とする。定量噴霧型ポンプを用いた噴霧装置としては、例えば、特開2003−38990号公報及び特開平10−263444号公報、特開2008−62974号公報等にあるような公知の定量噴霧型ポンプ機構があげられる。
これらに準じ、本発明で用いるポンプ式噴霧器を説明する。
定量噴霧型ポンプ1は噴射ノズル3を有するポンプから構成される。ポンプ内にはシリンダー部材とピストン部材(いずれも図示せず)があり、噴射ノズル3に併設する操作部6を押し下げることにより、連動するピストン部材が働き、シリンダー部材内に圧力がかかり蓄圧され、その圧力が一定に上昇したときに、弁が開き、噴射ノズル3の頂頭あるいは側部にある噴射孔4から一定量の薬液をミスト状に噴出する仕組みである。一般にポンプ式噴霧器2は、蓄圧式と直圧式があり、本発明ではいずれの方式も利用可能であるが、噴霧量のばらつきや霧の状態に差が生じない蓄圧式を採用することが好ましい。
【0011】
本発明のポンプ式噴霧器2の1回の噴霧量としては0.05〜2ccが好ましい。0.05cc未満では、噴霧量が少なすぎて薬液の効果が発揮されず、2ccを超えると、噴霧量が多くなり、噴霧後、床面等に付着し、汚れやすべりの問題が懸念される。本発明では、使用する空間や、薬液の種類、濃度により異なるが、0.1〜1ccの噴霧量が特に好ましい。
【0012】
本発明のポンプ式噴霧器2は、噴霧方向が、好ましくは水平より上向きに噴霧されることを特徴としている。具体的な噴射角度としては、使用する場所の状況に応じて適宜選択できるが、水平面に対して上向きに25°から115°の範囲が好ましい。これらの範囲外の噴射角度の場合、噴射角度が小さすぎると噴霧後、薬液が床面等に付着し、汚れやすべりの問題が懸念される。また噴射角度が大きすぎると噴霧後、使用者の方向への薬液が飛散する恐れがある。ただし薬液の種類によっては、例えば、緑の香りを使用したリラックス効果が期待できるようなアロマスプレーなどの場合は、大きめの噴射角度を設定して、使用者が噴霧ミストに触れるような仕様とすることも可能である。
【0013】
本発明における小空間とは、家庭用トイレ、公衆用トイレでの個室、玄関、ロッカー、押入れ、クローゼットなどの収納空間、浴室等を例示することができる。具体的には、30m3以下、好ましくは10m3以下の容積に適用される。
また、30m3以上の空間であっても、パーソナルスペースとして、使用者一人分の周囲である小空間に散布すると、本発明の据え置き型定量噴霧装置による効果は充分に発揮される。例えば、勉強部屋や職場でのパーティションで区切られた個人のデスクの上などで、気分転換のために、緑の香りである青葉アルコール等のリラックスできる、あるいはストレスを和らげる作用のある香料が調合された芳香剤を、本発明の据え置き型定量噴霧装置にて噴霧することは効果的である。
【0014】
本発明の噴霧装置は、据え置いて使用することを前提にしている。このことから、床面やデスクに据え置き設置する場合は、転倒防止のため、設置面に対してすべり防止の機能を付与したり、重心を下げた安定したデザインが求められる。
すべり防止の機能付与としては、収納容器9の底面基部に設置面との固定補助具10を別途、設けることが望ましい。固定補助具10は底面基部と一体化した複数個の突起部を設けてもよく、あるいは弾性力のある平板状のゴム素材やスチレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ウレタン系エラストマーといった樹脂製のエラストマー素材、さらには粘着シールや各種吸盤具なども固定補助具10として好適である。
また本発明別形態としては、収納容器9をフックや磁石、粘着テープ等で、壁に固定して使用することも可能である。
【0015】
本発明の据え置き型定量噴霧装置では、薬液貯蔵部8に収容される薬液中の薬剤が、殺虫、防虫、害虫忌避、除菌、防カビ、芳香、消臭効果のある薬剤のうち、少なくとも1つを含むことを特徴とし、空間への処理はもちろんのこと、人体や物への処理のいずれにも対応できる。この際、薬液の溶剤としては、汎用性が有り安全な水、または水溶性のアルコール系の極性溶剤、あるいはその両方を併用して使用する。アルコール系の溶剤を単独で、あるいは水と併用することにより、噴霧薬液の乾燥を促進し、噴霧後の床面等での濡れが軽減される利点がある。このようなアルコール系の溶剤としては、エタノールやイソプロパノールが例示され、溶剤臭が少ないという点でエタノールが特に好ましい。
【0016】
次に、本発明の噴霧装置について、実施例をあげ、図面を参照して説明する。
【0017】
実施の形態1
図1および図2の装置は、本発明の据え置き型定量噴霧装置のうち、手押し式で真上に噴霧されるタイプの装置での実施の形態を示した図である。
この据え置き型定量噴霧装置は、ポンプ式噴霧器2と収納容器9からなる。
ポンプ式噴霧器2は定量噴霧型ポンプ1と薬液貯蔵部8を有し、定量噴霧型ポンプ1はキャップ7により薬液貯蔵部8の口筒部(図示せず)に螺着される。
定量噴霧型ポンプ1は噴射ノズル3とポンプからなり、ポンプはシリンダー部とピストン部(図示せず)からなる。
作動部14は、軸部11において収納容器9と回動自在に軸支されている。
さらに作動部14は、噴射ノズル3の径よりも大きく操作部6の径よりも小さい径で開口した開口部5を有しており、作動部14を上げた状態で収納容器9内にポンプ式噴霧器2を設置した後、軸部11を基点として作動部14を降ろすと、作動部14は操作部6に接した状態で保持され、作動部14の開口部5を通して噴射ノズル3が突き出す状態となる。作動部14の端部付近は任意に角度を付けることが可能であり、最端部に設けたレバー15を押し下げることにより、連動して操作部6が押し下げられ、噴射ノズル3の頂頭にある噴射孔4から一定量の薬液がミスト状に噴出される。
収納容器9は、ポンプ式噴霧器2の全体あるいは一部を収納できればよく、ポンプ式噴霧器2の一部分が露出していても問題はない。
また収納容器9の底面基部には、設置面とのすべりを抑える、固定補助具10が設けられている。薬液貯蔵部8は薬液の容量が確認できるように透明あるいは半透明な素材であることが望ましく、具体的にはガラスや、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン等の樹脂が使用可能である。
【0018】
図2は、図1における据え置き型定量噴霧装置の外観図である。
ポンプ式噴霧器2を収納した際も、薬液貯蔵部8における薬液の容量が確認できるように、収納容器9が不透明な素材の際には、収納容器9の少なくとも一部に、薬液貯蔵部8を確認できる窓部16が設けられる。もちろん、窓部16の代わりに、収納容器9の全部をガラスや透明な樹脂素材を用い成形することも可能である。
【0019】
実施の形態2
図3および図4は、本発明の据え置き型定量噴霧装置のうち、手押し式で水平よりも上方の角度で薬液が噴霧されるタイプの装置での実施の形態を示した図である。図3では定量噴霧型ポンプ1の頂頭に操作部6を有しており、図1での噴霧器と同様に作動部14で押し下げることにより、水平よりも上方約30°の角度を持つ噴射ノズル3の噴射孔4から、一定量の薬液をミスト状に噴出させる例である。図1の噴霧器とは噴霧方向が異なるが、ポンプ内のシリンダー部材とピストン部材の仕組みは概ね同じである。
噴射ノズル3の角度は、唯一の噴射角に固定したもの、あるいは可変式に任意の角度に切り替えられるもののいずれのタイプも可能である。
【0020】
実施の形態3
図5から図7は、図1の据え置き型定量噴霧装置の別形態であり、収納容器9の底面における薬液貯蔵部8を設置する面が、水平方向に対して特定の角度で傾いたタイプの装置での実施の形態を示した図である。
この場合、図1において使用したのと同じポンプ式噴霧器2を図5の収納容器9内に保持させるだけで、容易に斜め上方向に噴霧方向が調節されるものであり、図5の場合、水平方向に対して約80°の角度を持って薬液を噴霧することができる例である。この際、ポンプ式噴霧器2のポンプ部に薬液を送るためのディップチューブ18先端が、ポンプ式噴霧器2を傾けた場合でも絶えず液面下に位置するように、ディップチューブ18の下端に錘19をつけるといった工夫が有効である。
【0021】
図7は、図5の据え置き型定量噴霧装置の別形態であり、図3における噴霧装置と同様に、定量噴霧型ポンプ1の頂頭に操作部6を有する構造のポンプを使用したタイプの装置での実施の形態を示した。この場合もポンプ式噴霧器2を図7の収納容器9内に保持させるだけで、容易に斜め上方向へと噴霧方向が調節できるものである。図7の場合、水平方向に対して約25°の角度を持って薬液を噴霧することができる。
【0022】
実施の形態4
図8および図9は、ポンプ式噴霧器2に任意の角度を持たせることが可能なタイプの装置での実施の形態を示した。
図8において、装置全体は、ポンプ式噴霧器2を収納する収納容器9と、その外側に、収納容器9よりも一回り大きく、収納容器9の側面と底面をカバーする収納壁部35の2重構造になっている。軸部11で収納容器9、収納壁部35、作動部14が回動可能に軸支されている。収納壁部35の側面には、軸部11を中心とする半径rの円弧に沿って任意の幅でくりぬかれた傾斜ガイド部21が設けられている。また、収納容器9には、軸部11を基点に収納容器9を傾けた際に、傾斜ガイド部21内に沿って動く突起状のストッパー20を設けている。ストッパー20は、収納容器9を傾けない際はAに位置するが、仮に図8や図9のような任意の角度に傾けた際は、傾斜ガイド部21内をAからBの位置に移動する。Bの位置で固定したい場合、ストッパー20で固定すればよい。ストッパー20による固定の方法は、具体的には、ねじ式で固定する方法や、傾斜ガイド部21に一定の角度ごとに溝を切り、任意の角度でストッパー20を溝にはめ込んで固定するなど各種あるが、本発明では、特定の角度で任意に固定できればその方法は問わない。
【0023】
実施の形態5
図10および図11は、手押し式でドーム形状タイプの装置での実施の形態を示した。
ポンプ式噴霧器2を収納する土台となる下部収納容器23と、ドーム状のカバーとなる上部収納容器22とからなる。
上部収納容器22の頂頭には開口部5があり、開口部5の直径は噴射ノズル3の径よりわずかに大きく設計される。開口部5より下がり、操作部6の頂点と接する筒部を作動部14とする。
この場合、上部収納容器22を上から押さえると、同時に作動部14が押し下がり、操作部6を押し込むこととなり、ポンプ式噴霧器2の噴射ノズル3から薬液が真上に定量噴霧される。
【0024】
実施の形態6
図12および図14は、手押し式の別形態のタイプの装置での実施の形態を示した。
収納容器9の天面には軸部a12で回動自在に軸支された蓋部24が設けられる。該蓋部24には、噴射ノズル3径よりも大きく操作部6の径よりも小さい径の開口部5が設けられている。
収納容器9の底面には、作動部14が軸部b13で回動自在に軸支される。作動部14の端部に設けたレバー15を引き下げることにより、軸部b13を支点として作動部14の上昇と共にポンプ式噴霧器2自体も押し上げられる。操作部6は蓋部24と接しているため、操作部6は該収納容器9内の当初の位置に固定した状態のまま、ポンプ式噴霧器2自体の押し上げにより、ピストン部材が働き、シリンダー部材内に圧力がかかり蓄圧された結果、定量的に薬液が噴射される。
【0025】
この際、作動部14の動作によってポンプ式噴霧器2が不要な回動をすることなくスムーズに押し上げる目的で、図13(A)および(B)のように、収納容器壁33の内壁面に垂直方向に伸びる凸あるいは凹構造の内壁ガイド部30を設け、薬液貯蔵部壁34の外壁側面にも内壁ガイド部30の凸あるいは凹構造に対応する、凹あるいは凸構造の外壁ガイド部31を設けることができる。
なお、この内壁ガイド部30および外壁ガイド部31は、図12や図14の手押し式でポンプ式噴霧器2自体が押し上げる構造においてのみ有効なものではなく、既出の構造において設置することは有効である。特に、図3、図4や図7のように噴射ノズル3の噴射孔4が操作部6に対して側面方向を向いている場合、噴射孔4の設置方向が決まるように、噴射孔4側の内壁ガイド部30および外壁ガイド部31を設計し、他方のガイド部と嵌まりあわない大きさや形状の凹あるいは凸構造にすると、噴射の方向を間違うことのなく、ポンプ式噴霧器2を収納容器9にセットでき有効である。
【0026】
図14は、作動部14の構造以外は図12における装置と同一である。図12との違いは、図14の装置は収納容器9底部に位置する作動部14を水平方向に押し込むことにより噴霧を行う点にある。
作動部14は水平方向に対して傾斜の付いた構造を有しており、薬液貯蔵部8の底面の一部と接する構造となる。さらに作動部14には任意の幅でくりぬかれたガイド部26が設けられており、収納容器9の底面側部に設けた軸部b13をガイド部26の内部に通すことで、作動部14と収納容器9は略連結している。収納容器9の底面奥には押しバネ29が固定されており、さらにその押しバネ29の先端と作動部14が固定されている。
使用者は作動部14の押しボタン25を押し込むことにより、固定ねじはガイド部26の内部に沿ってAからBの位置に来るまで移動するが、その際、作動部14の傾斜に沿ってポンプ式噴霧器2の底面が押し上げられる。そして、図12と同様に、操作部6は蓋部24と接しているため、操作部6は該収納容器9内の当初の位置に固定した状態のまま、ポンプ式噴霧器2自体の押し上げにより、ピストン部材が働き、シリンダー部材内に圧力がかかり蓄圧された結果、定量的に薬液が噴射される。噴射後は押しバネ29の作用により作動部14は元の位置へ戻されることとなる。
【0027】
図12や図14の装置は、収納容器9は壁面に固定して使用される例である。壁面の固定には、釘、ねじ、フックや接着剤、粘着シール、吸盤等の通常の固定手段が用いられる。ただし、収納容器9の底面に設置用の安定した固定手段を設ければ、必ずしも壁面に固定しなくても使用することができる。
【0028】
実施の形態7
図15および図16は、本発明の据え置き型定量噴霧装置のうち、足踏み式で噴霧されるタイプの装置での実施の形態を示した。
図15の装置は、図1の手押し式の噴霧装置を改良し、作動部14を延長しペダル32を設けたものであり、ペダル32を踏む込むことにより、容易に薬液が定量噴霧される。
【0029】
図16は、図15の噴霧装置を改良し、収納容器9の底面における薬液貯蔵部8を設置する面を、水平方向に対して特定の角度で傾けたものである。図16の場合、ポンプ式噴霧器2を収納容器9内に保持させるだけで、容易に斜め上方向に噴霧方向が調節されるものであり、水平よりも上方約95°の角度を持って薬液を噴霧することができる例である。
【実施例1】
【0030】
(エアゾール式噴霧器との比較)
本発明の噴霧装置と従来のエアゾール式噴霧器との比較を行った。
本発明における装置は、既出の図5、図6のタイプの噴霧装置で、定量噴霧型ポンプ1による噴霧器を備えている。エアゾール式噴霧器は、図17に示したようなレバー15を押し下げることにより噴射されるタイプのエアゾールである。いずれのタイプもレバー15を下げた時の噴射角度の中心は約80°に設計されている。
本発明品は1回のレバー操作で、定量0.1ccの薬液が噴射されるが、エアゾール式噴霧器では定量噴射式ではなく、レバー15を押している時間だけ噴霧がなされる。
本発明の噴射装置では容量150mLのポリエチレンテレフタレート樹脂製の薬液貯蔵部8を用い、薬液を充填した。エアゾール式噴霧器は、容量150mLのエアゾール缶36にジメチルエーテル(噴射ガス)と薬液原液が40対60(重量)になるように充填し作製した。各噴霧器の噴射孔の孔径は0.3mmのものを用いた。
薬液の組成は、カキノキ抽出液2.5g、リラックスグリーン系香料(青葉アルコール、青葉アルデヒド配合)2.5gを99度エタノール35mL、精製水15mLに溶解させ芳香・消臭薬液とした。
容積が約10m3の空間の床面中央部に、本発明の噴霧装置とエアゾール式噴霧器とを設置し、かかる芳香・消臭薬液を噴霧・比較した。本発明の噴霧装置ではレバーを1回押し、エアゾール式噴霧器では、実使用を想定して試験者が適当と思われる任意の時間、レバーを押し、噴霧した。
5人の試験者(A〜E)が、両方の噴霧器を用い、同一の空間で噴霧を行い、噴霧1分後の空間の匂いの強度と床面の濡れを調べた結果を表1に示す。
(評価は、○:匂いの強さに問題ない。床面の濡れはない。△:匂いの強さが若干弱い。×:匂いの強さが強すぎる。床面に濡れが認められる。で示した。)
【0031】
【表1】
【0032】
試験の結果、エアゾール式噴霧器では、芳香・消臭薬液を噴霧した際、評価者によっては、匂いの強度が強すぎ、さらに床面の濡れが認められた。このことは、使用者によって、レバーを押す時間が一定しないことが原因すると思われた。これに対し、本発明の噴射装置では、いずれの評価者の使用によっても、匂いの強度及び床面の濡れは認められず、定量噴霧型ポンプによる、一動作で一定量の薬液を噴霧させる効果が大きいことがわかった。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明の据え置き型噴霧装置は、一動作で一定量の噴霧が可能な定量噴霧型ポンプを用いることにより、薬剤の過剰な噴霧を避けることができ、安全性と使い勝手に優れるため、殺虫、防虫、害虫忌避、除菌、防カビ、芳香、消臭等の効果のある様々な分野へ適用可能である。
【符号の説明】
【0034】
1 定量噴霧型ポンプ
2 ポンプ式噴霧器
3 噴射ノズル
4 噴射孔
5 開口部
6 操作部
8 薬液貯蔵部
9 収納容器
10 固定補助具
11 軸部
14 作動部
15 レバー
16 窓部
17 薬液
30 内壁ガイド部
31 外壁ガイド部
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内小空間に据え置きして使用し、薬液を定量に噴霧する据え置き型定量噴霧装置、及びこれを用いた小空間への薬液散布方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
空間へ芳香剤や消臭剤といった薬剤等を噴霧する方法として、各種噴霧器を利用したものが考案されている。
このうち電気を必要としないタイプの噴霧器の種類としては、エアゾールタイプの噴霧器、トリガータイプの噴霧器、ポンプタイプの噴霧器(ミストスプレーとも言われる)が一般的であり、通常、噴霧器を手に持って噴霧したい方向に向けて、ボタンを押さえたり、トリガーを引いたりする。
【0003】
それぞれのタイプに長所/短所が存在する。通常の家庭での使用の場合、特にトイレや玄関などの小空間で使用する際は、噴霧量と噴霧する方向が重要となる。小空間での噴霧量については、リビングや大型の会議室などの大空間での使用とは異なり、一回操作による噴霧量が少量に限定されることが求められる。ごく一般的なエアゾールタイプの噴霧器では、ボタンを押しているだけ薬剤が噴霧されることから、ともすれば過剰に薬剤が噴霧される恐れもある。トリガータイプの噴霧器にしてもトリガーを引くストロークによって、またポンプタイプの噴霧器についても押し様によっては噴霧量に違いが生ずる。
噴霧量が少ないと薬液の充分な効果が発揮されないのは当然であるが、噴霧量が多すぎると、過剰な噴霧液は床面を汚す危険性があり、また芳香液の場合は香りが強すぎることとなり、殺虫液の場合には、安全性に問題が生じる。このように噴霧の仕方によって噴霧量が一定しないのでは、薬液の安定した効果が期待できない。
また噴霧の方向については、各噴霧器ともに、手に持って噴霧する際は任意の方向に向けて噴霧可能であるが、噴霧器を据え置きにして使用する場合では、据え置いた場所が机上面や床面に近い場合は、各面に薬液が直接付着しないように噴霧方向に注意が必要となる。
またさらに別の視点から見ると、これらの噴霧器は気軽に持ち運びできるものが多いが、その反面、置き場所が固定されていないために、使用後、無意識に適当な場所に放置されがちで、必要時に噴霧器が見つからずに、懸命に探す手間が生じる場合が多々ある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−72150号公報
【特許文献2】特開2003−205021号公報
【特許文献2】実用新案第3094142号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記のような従来の噴霧器が有する問題点を解消すべく鋭意検討したものであり、噴霧量と噴霧の方向を制御することによって、薬液の効果が充分に発揮され、安全性の問題を生ぜず、しかも利便性の高い、小空間での使用に適した据え置き型定量噴霧装置、及びこれを用いた小空間への薬液散布方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決する手段として、一動作で一定量の噴霧が可能な定量噴霧型ポンプを有するポンプ式の噴霧器を用い、この噴霧器を収納容器に収納し、各種方法でノズルの操作部を押し下げることにより、噴霧方向が水平から上向きとなるような、据え置いて使用する噴霧装置を開発するに至った。
【0007】
即ち、本発明は、以下の構成からなる据え置き型定量噴霧装置、及びこれを用いた小空間への薬液散布方法である。
(1)定量噴霧型ポンプを薬液貯蔵部に装着したポンプ式噴霧器を、収納容器に収納してなる据え置き型定量噴霧装置であって、
前記収納容器に備えた作動部を作動させることにより、前記定量噴霧型ポンプを作動させ、一動作で一定量の薬液を一定方向に噴霧させることが出来ることを特徴とする、据え置き型定量噴霧装置。
(2)(1)記載の据え置き型定量噴霧装置であって、前記定量噴霧型ポンプの操作部を、前記作動部を介して押し下げることにより、
該定量噴霧型ポンプを作動させて、一動作で一定量の薬液を水平より上向きに噴霧させることを特徴とする、据え置き型定量噴霧装置。
(3)(1)記載の据え置き型定量噴霧装置であって、前記収納容器内に収納された前記ポンプ式噴霧器2全体を、前記作動部によって一定距離を押し上げ、この作動動作中に該定量噴霧型ポンプの前記操作部を該収納容器内の一定位置に固定しておくことにより、
該定量噴霧型ポンプを作動させて、一動作で一定量の薬液を水平より上向きに噴霧させることを特徴とする、据え置き型定量噴霧装置。
(4)(1)から(3)のいずれか一つの据え置き型定量噴霧装置であって、該ポンプ式噴霧器の薬液貯蔵部の外壁部と該収納容器の内壁部において、お互いに略係合する外壁ガイド部及び内壁ガイド部をそれぞれ設けたことを特徴とする、据え置き型定量噴霧装置。
(5)前記作動部が、足によって操作できるように設計されてなることを特徴とする(1)から(4)のいずれか一に記載の据え置き型定量噴霧装置。
(6)前記作動部が、手によって操作できるように設計されてなることを特徴とする(1)から(4)のいずれか一に記載の据え置き型定量噴霧装置。
(7)前記ポンプ式噴霧器を前記収納容器に収納する際に、該ポンプ式噴霧器を水平方向に対して特定の角度で傾けて前記収納容器内に保持させることにより噴霧方向が調節可能であることを特徴とする(1)から(6)のいずれか一に記載の据え置き型定量噴霧装置。
(8)前記定量噴霧型ポンプにおいて、噴射ノズルの向きを、特定の角度とすることにより、噴霧方向が制御されることを特徴とする(1)から(7)のいずれか一に記載の据え置き型定量噴霧装置。
(9)前記薬液貯蔵部内における薬液の残量を確認するため、前記収納容器の壁面の少なくとも一部に窓部を設けることを特徴とする(1)から(8)のいずれか一に記載の据え置き型定量噴霧装置。
(10)前記薬液貯蔵部に収容される薬液中の薬剤が、殺虫、防虫、害虫忌避、除菌、防カビ、芳香、消臭効果のある薬剤のうち、少なくとも1つを含むことを特徴とする(1)から(9)のいずれか一に記載の据え置き型定量噴霧装置
(11)(1)から(10)のいずれか一に記載の据え置き型定量噴霧装置を用いて、一動作で一定量の薬液を一定方向に噴霧することを特徴とする、小空間への薬液散布方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明では、ポンプ式噴霧器を用いることで、環境にやさしく安全性に優れた構成となり得る。すなわち、ポンプ式噴霧器の中でも、一動作で一定量の噴霧が可能な定量噴霧型ポンプを用いることにより、常に一定の薬液噴霧が可能となり、過剰な噴霧を避けることができ、安全性と使い勝手に優れるものとなった。さらに、本タイプの噴霧器では、エアゾールタイプとは異なり、地球温暖化の原因として懸念される圧縮ガスや耐圧容器も不要であることから、廃棄処理や安全管理の点で問題が少なく、取り扱いも容易でありメリットが大きい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の据え置き型定量噴霧装置の手押し式の実施の形態1例を示す側面断面図である。
【図2】本発明の据え置き型定量噴霧装置の手押し式の実施の形態1例を示す側面外観図である。
【図3】本発明の据え置き型定量噴霧装置の手押し式の実施の形態2例を示す側面断面図である。
【図4】本発明の据え置き型定量噴霧装置の手押し式の実施の形態2例を示す正面断面図である。
【図5】本発明の据え置き型定量噴霧装置の手押し式の実施の形態3例を示す側面断面図である。
【図6】本発明の据え置き型定量噴霧装置の手押し式の実施の形態3例を示す側面外観図である。
【図7】本発明の据え置き型定量噴霧装置の手押し式の実施の形態3例を示す側面断面図である。
【図8】本発明の据え置き型定量噴霧装置の手押し式の実施の形態4例を示す側面断面図である。
【図9】本発明の据え置き型定量噴霧装置の手押し式の実施の形態4例を示す側面外観図である。
【図10】本発明の据え置き型定量噴霧装置の手押し式の実施の形態5例を示す側面断面図である。
【図11】本発明の据え置き型定量噴霧装置の手押し式の実施の形態5例を示す側面外観図である。
【図12】本発明の据え置き型定量噴霧装置の手押し式の実施の形態6例を示す側面断面図である。
【図13】本発明の据え置き型定量噴霧装置における内壁ガイド部と外壁ガイド部の状態の一例を示す要部水平断面図である。
【図14】本発明の据え置き型定量噴霧装置の手押し式の実施の形態6例を示す側面断面図である。
【図15】本発明の据え置き型定量噴霧装置の足踏み式の実施の形態7例を示す側面断面図である。
【図16】本発明の据え置き型定量噴霧装置の足踏み式の実施の形態7例を示す側面断面図である。
【図17】本発明の比較例としてのエアゾール式噴霧器の形態例を示す外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の据え置き型定量噴霧装置において用いられるポンプ式噴霧器では定量噴霧型ポンプを用いることを特徴とする。定量噴霧型ポンプを用いた噴霧装置としては、例えば、特開2003−38990号公報及び特開平10−263444号公報、特開2008−62974号公報等にあるような公知の定量噴霧型ポンプ機構があげられる。
これらに準じ、本発明で用いるポンプ式噴霧器を説明する。
定量噴霧型ポンプ1は噴射ノズル3を有するポンプから構成される。ポンプ内にはシリンダー部材とピストン部材(いずれも図示せず)があり、噴射ノズル3に併設する操作部6を押し下げることにより、連動するピストン部材が働き、シリンダー部材内に圧力がかかり蓄圧され、その圧力が一定に上昇したときに、弁が開き、噴射ノズル3の頂頭あるいは側部にある噴射孔4から一定量の薬液をミスト状に噴出する仕組みである。一般にポンプ式噴霧器2は、蓄圧式と直圧式があり、本発明ではいずれの方式も利用可能であるが、噴霧量のばらつきや霧の状態に差が生じない蓄圧式を採用することが好ましい。
【0011】
本発明のポンプ式噴霧器2の1回の噴霧量としては0.05〜2ccが好ましい。0.05cc未満では、噴霧量が少なすぎて薬液の効果が発揮されず、2ccを超えると、噴霧量が多くなり、噴霧後、床面等に付着し、汚れやすべりの問題が懸念される。本発明では、使用する空間や、薬液の種類、濃度により異なるが、0.1〜1ccの噴霧量が特に好ましい。
【0012】
本発明のポンプ式噴霧器2は、噴霧方向が、好ましくは水平より上向きに噴霧されることを特徴としている。具体的な噴射角度としては、使用する場所の状況に応じて適宜選択できるが、水平面に対して上向きに25°から115°の範囲が好ましい。これらの範囲外の噴射角度の場合、噴射角度が小さすぎると噴霧後、薬液が床面等に付着し、汚れやすべりの問題が懸念される。また噴射角度が大きすぎると噴霧後、使用者の方向への薬液が飛散する恐れがある。ただし薬液の種類によっては、例えば、緑の香りを使用したリラックス効果が期待できるようなアロマスプレーなどの場合は、大きめの噴射角度を設定して、使用者が噴霧ミストに触れるような仕様とすることも可能である。
【0013】
本発明における小空間とは、家庭用トイレ、公衆用トイレでの個室、玄関、ロッカー、押入れ、クローゼットなどの収納空間、浴室等を例示することができる。具体的には、30m3以下、好ましくは10m3以下の容積に適用される。
また、30m3以上の空間であっても、パーソナルスペースとして、使用者一人分の周囲である小空間に散布すると、本発明の据え置き型定量噴霧装置による効果は充分に発揮される。例えば、勉強部屋や職場でのパーティションで区切られた個人のデスクの上などで、気分転換のために、緑の香りである青葉アルコール等のリラックスできる、あるいはストレスを和らげる作用のある香料が調合された芳香剤を、本発明の据え置き型定量噴霧装置にて噴霧することは効果的である。
【0014】
本発明の噴霧装置は、据え置いて使用することを前提にしている。このことから、床面やデスクに据え置き設置する場合は、転倒防止のため、設置面に対してすべり防止の機能を付与したり、重心を下げた安定したデザインが求められる。
すべり防止の機能付与としては、収納容器9の底面基部に設置面との固定補助具10を別途、設けることが望ましい。固定補助具10は底面基部と一体化した複数個の突起部を設けてもよく、あるいは弾性力のある平板状のゴム素材やスチレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ウレタン系エラストマーといった樹脂製のエラストマー素材、さらには粘着シールや各種吸盤具なども固定補助具10として好適である。
また本発明別形態としては、収納容器9をフックや磁石、粘着テープ等で、壁に固定して使用することも可能である。
【0015】
本発明の据え置き型定量噴霧装置では、薬液貯蔵部8に収容される薬液中の薬剤が、殺虫、防虫、害虫忌避、除菌、防カビ、芳香、消臭効果のある薬剤のうち、少なくとも1つを含むことを特徴とし、空間への処理はもちろんのこと、人体や物への処理のいずれにも対応できる。この際、薬液の溶剤としては、汎用性が有り安全な水、または水溶性のアルコール系の極性溶剤、あるいはその両方を併用して使用する。アルコール系の溶剤を単独で、あるいは水と併用することにより、噴霧薬液の乾燥を促進し、噴霧後の床面等での濡れが軽減される利点がある。このようなアルコール系の溶剤としては、エタノールやイソプロパノールが例示され、溶剤臭が少ないという点でエタノールが特に好ましい。
【0016】
次に、本発明の噴霧装置について、実施例をあげ、図面を参照して説明する。
【0017】
実施の形態1
図1および図2の装置は、本発明の据え置き型定量噴霧装置のうち、手押し式で真上に噴霧されるタイプの装置での実施の形態を示した図である。
この据え置き型定量噴霧装置は、ポンプ式噴霧器2と収納容器9からなる。
ポンプ式噴霧器2は定量噴霧型ポンプ1と薬液貯蔵部8を有し、定量噴霧型ポンプ1はキャップ7により薬液貯蔵部8の口筒部(図示せず)に螺着される。
定量噴霧型ポンプ1は噴射ノズル3とポンプからなり、ポンプはシリンダー部とピストン部(図示せず)からなる。
作動部14は、軸部11において収納容器9と回動自在に軸支されている。
さらに作動部14は、噴射ノズル3の径よりも大きく操作部6の径よりも小さい径で開口した開口部5を有しており、作動部14を上げた状態で収納容器9内にポンプ式噴霧器2を設置した後、軸部11を基点として作動部14を降ろすと、作動部14は操作部6に接した状態で保持され、作動部14の開口部5を通して噴射ノズル3が突き出す状態となる。作動部14の端部付近は任意に角度を付けることが可能であり、最端部に設けたレバー15を押し下げることにより、連動して操作部6が押し下げられ、噴射ノズル3の頂頭にある噴射孔4から一定量の薬液がミスト状に噴出される。
収納容器9は、ポンプ式噴霧器2の全体あるいは一部を収納できればよく、ポンプ式噴霧器2の一部分が露出していても問題はない。
また収納容器9の底面基部には、設置面とのすべりを抑える、固定補助具10が設けられている。薬液貯蔵部8は薬液の容量が確認できるように透明あるいは半透明な素材であることが望ましく、具体的にはガラスや、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン等の樹脂が使用可能である。
【0018】
図2は、図1における据え置き型定量噴霧装置の外観図である。
ポンプ式噴霧器2を収納した際も、薬液貯蔵部8における薬液の容量が確認できるように、収納容器9が不透明な素材の際には、収納容器9の少なくとも一部に、薬液貯蔵部8を確認できる窓部16が設けられる。もちろん、窓部16の代わりに、収納容器9の全部をガラスや透明な樹脂素材を用い成形することも可能である。
【0019】
実施の形態2
図3および図4は、本発明の据え置き型定量噴霧装置のうち、手押し式で水平よりも上方の角度で薬液が噴霧されるタイプの装置での実施の形態を示した図である。図3では定量噴霧型ポンプ1の頂頭に操作部6を有しており、図1での噴霧器と同様に作動部14で押し下げることにより、水平よりも上方約30°の角度を持つ噴射ノズル3の噴射孔4から、一定量の薬液をミスト状に噴出させる例である。図1の噴霧器とは噴霧方向が異なるが、ポンプ内のシリンダー部材とピストン部材の仕組みは概ね同じである。
噴射ノズル3の角度は、唯一の噴射角に固定したもの、あるいは可変式に任意の角度に切り替えられるもののいずれのタイプも可能である。
【0020】
実施の形態3
図5から図7は、図1の据え置き型定量噴霧装置の別形態であり、収納容器9の底面における薬液貯蔵部8を設置する面が、水平方向に対して特定の角度で傾いたタイプの装置での実施の形態を示した図である。
この場合、図1において使用したのと同じポンプ式噴霧器2を図5の収納容器9内に保持させるだけで、容易に斜め上方向に噴霧方向が調節されるものであり、図5の場合、水平方向に対して約80°の角度を持って薬液を噴霧することができる例である。この際、ポンプ式噴霧器2のポンプ部に薬液を送るためのディップチューブ18先端が、ポンプ式噴霧器2を傾けた場合でも絶えず液面下に位置するように、ディップチューブ18の下端に錘19をつけるといった工夫が有効である。
【0021】
図7は、図5の据え置き型定量噴霧装置の別形態であり、図3における噴霧装置と同様に、定量噴霧型ポンプ1の頂頭に操作部6を有する構造のポンプを使用したタイプの装置での実施の形態を示した。この場合もポンプ式噴霧器2を図7の収納容器9内に保持させるだけで、容易に斜め上方向へと噴霧方向が調節できるものである。図7の場合、水平方向に対して約25°の角度を持って薬液を噴霧することができる。
【0022】
実施の形態4
図8および図9は、ポンプ式噴霧器2に任意の角度を持たせることが可能なタイプの装置での実施の形態を示した。
図8において、装置全体は、ポンプ式噴霧器2を収納する収納容器9と、その外側に、収納容器9よりも一回り大きく、収納容器9の側面と底面をカバーする収納壁部35の2重構造になっている。軸部11で収納容器9、収納壁部35、作動部14が回動可能に軸支されている。収納壁部35の側面には、軸部11を中心とする半径rの円弧に沿って任意の幅でくりぬかれた傾斜ガイド部21が設けられている。また、収納容器9には、軸部11を基点に収納容器9を傾けた際に、傾斜ガイド部21内に沿って動く突起状のストッパー20を設けている。ストッパー20は、収納容器9を傾けない際はAに位置するが、仮に図8や図9のような任意の角度に傾けた際は、傾斜ガイド部21内をAからBの位置に移動する。Bの位置で固定したい場合、ストッパー20で固定すればよい。ストッパー20による固定の方法は、具体的には、ねじ式で固定する方法や、傾斜ガイド部21に一定の角度ごとに溝を切り、任意の角度でストッパー20を溝にはめ込んで固定するなど各種あるが、本発明では、特定の角度で任意に固定できればその方法は問わない。
【0023】
実施の形態5
図10および図11は、手押し式でドーム形状タイプの装置での実施の形態を示した。
ポンプ式噴霧器2を収納する土台となる下部収納容器23と、ドーム状のカバーとなる上部収納容器22とからなる。
上部収納容器22の頂頭には開口部5があり、開口部5の直径は噴射ノズル3の径よりわずかに大きく設計される。開口部5より下がり、操作部6の頂点と接する筒部を作動部14とする。
この場合、上部収納容器22を上から押さえると、同時に作動部14が押し下がり、操作部6を押し込むこととなり、ポンプ式噴霧器2の噴射ノズル3から薬液が真上に定量噴霧される。
【0024】
実施の形態6
図12および図14は、手押し式の別形態のタイプの装置での実施の形態を示した。
収納容器9の天面には軸部a12で回動自在に軸支された蓋部24が設けられる。該蓋部24には、噴射ノズル3径よりも大きく操作部6の径よりも小さい径の開口部5が設けられている。
収納容器9の底面には、作動部14が軸部b13で回動自在に軸支される。作動部14の端部に設けたレバー15を引き下げることにより、軸部b13を支点として作動部14の上昇と共にポンプ式噴霧器2自体も押し上げられる。操作部6は蓋部24と接しているため、操作部6は該収納容器9内の当初の位置に固定した状態のまま、ポンプ式噴霧器2自体の押し上げにより、ピストン部材が働き、シリンダー部材内に圧力がかかり蓄圧された結果、定量的に薬液が噴射される。
【0025】
この際、作動部14の動作によってポンプ式噴霧器2が不要な回動をすることなくスムーズに押し上げる目的で、図13(A)および(B)のように、収納容器壁33の内壁面に垂直方向に伸びる凸あるいは凹構造の内壁ガイド部30を設け、薬液貯蔵部壁34の外壁側面にも内壁ガイド部30の凸あるいは凹構造に対応する、凹あるいは凸構造の外壁ガイド部31を設けることができる。
なお、この内壁ガイド部30および外壁ガイド部31は、図12や図14の手押し式でポンプ式噴霧器2自体が押し上げる構造においてのみ有効なものではなく、既出の構造において設置することは有効である。特に、図3、図4や図7のように噴射ノズル3の噴射孔4が操作部6に対して側面方向を向いている場合、噴射孔4の設置方向が決まるように、噴射孔4側の内壁ガイド部30および外壁ガイド部31を設計し、他方のガイド部と嵌まりあわない大きさや形状の凹あるいは凸構造にすると、噴射の方向を間違うことのなく、ポンプ式噴霧器2を収納容器9にセットでき有効である。
【0026】
図14は、作動部14の構造以外は図12における装置と同一である。図12との違いは、図14の装置は収納容器9底部に位置する作動部14を水平方向に押し込むことにより噴霧を行う点にある。
作動部14は水平方向に対して傾斜の付いた構造を有しており、薬液貯蔵部8の底面の一部と接する構造となる。さらに作動部14には任意の幅でくりぬかれたガイド部26が設けられており、収納容器9の底面側部に設けた軸部b13をガイド部26の内部に通すことで、作動部14と収納容器9は略連結している。収納容器9の底面奥には押しバネ29が固定されており、さらにその押しバネ29の先端と作動部14が固定されている。
使用者は作動部14の押しボタン25を押し込むことにより、固定ねじはガイド部26の内部に沿ってAからBの位置に来るまで移動するが、その際、作動部14の傾斜に沿ってポンプ式噴霧器2の底面が押し上げられる。そして、図12と同様に、操作部6は蓋部24と接しているため、操作部6は該収納容器9内の当初の位置に固定した状態のまま、ポンプ式噴霧器2自体の押し上げにより、ピストン部材が働き、シリンダー部材内に圧力がかかり蓄圧された結果、定量的に薬液が噴射される。噴射後は押しバネ29の作用により作動部14は元の位置へ戻されることとなる。
【0027】
図12や図14の装置は、収納容器9は壁面に固定して使用される例である。壁面の固定には、釘、ねじ、フックや接着剤、粘着シール、吸盤等の通常の固定手段が用いられる。ただし、収納容器9の底面に設置用の安定した固定手段を設ければ、必ずしも壁面に固定しなくても使用することができる。
【0028】
実施の形態7
図15および図16は、本発明の据え置き型定量噴霧装置のうち、足踏み式で噴霧されるタイプの装置での実施の形態を示した。
図15の装置は、図1の手押し式の噴霧装置を改良し、作動部14を延長しペダル32を設けたものであり、ペダル32を踏む込むことにより、容易に薬液が定量噴霧される。
【0029】
図16は、図15の噴霧装置を改良し、収納容器9の底面における薬液貯蔵部8を設置する面を、水平方向に対して特定の角度で傾けたものである。図16の場合、ポンプ式噴霧器2を収納容器9内に保持させるだけで、容易に斜め上方向に噴霧方向が調節されるものであり、水平よりも上方約95°の角度を持って薬液を噴霧することができる例である。
【実施例1】
【0030】
(エアゾール式噴霧器との比較)
本発明の噴霧装置と従来のエアゾール式噴霧器との比較を行った。
本発明における装置は、既出の図5、図6のタイプの噴霧装置で、定量噴霧型ポンプ1による噴霧器を備えている。エアゾール式噴霧器は、図17に示したようなレバー15を押し下げることにより噴射されるタイプのエアゾールである。いずれのタイプもレバー15を下げた時の噴射角度の中心は約80°に設計されている。
本発明品は1回のレバー操作で、定量0.1ccの薬液が噴射されるが、エアゾール式噴霧器では定量噴射式ではなく、レバー15を押している時間だけ噴霧がなされる。
本発明の噴射装置では容量150mLのポリエチレンテレフタレート樹脂製の薬液貯蔵部8を用い、薬液を充填した。エアゾール式噴霧器は、容量150mLのエアゾール缶36にジメチルエーテル(噴射ガス)と薬液原液が40対60(重量)になるように充填し作製した。各噴霧器の噴射孔の孔径は0.3mmのものを用いた。
薬液の組成は、カキノキ抽出液2.5g、リラックスグリーン系香料(青葉アルコール、青葉アルデヒド配合)2.5gを99度エタノール35mL、精製水15mLに溶解させ芳香・消臭薬液とした。
容積が約10m3の空間の床面中央部に、本発明の噴霧装置とエアゾール式噴霧器とを設置し、かかる芳香・消臭薬液を噴霧・比較した。本発明の噴霧装置ではレバーを1回押し、エアゾール式噴霧器では、実使用を想定して試験者が適当と思われる任意の時間、レバーを押し、噴霧した。
5人の試験者(A〜E)が、両方の噴霧器を用い、同一の空間で噴霧を行い、噴霧1分後の空間の匂いの強度と床面の濡れを調べた結果を表1に示す。
(評価は、○:匂いの強さに問題ない。床面の濡れはない。△:匂いの強さが若干弱い。×:匂いの強さが強すぎる。床面に濡れが認められる。で示した。)
【0031】
【表1】
【0032】
試験の結果、エアゾール式噴霧器では、芳香・消臭薬液を噴霧した際、評価者によっては、匂いの強度が強すぎ、さらに床面の濡れが認められた。このことは、使用者によって、レバーを押す時間が一定しないことが原因すると思われた。これに対し、本発明の噴射装置では、いずれの評価者の使用によっても、匂いの強度及び床面の濡れは認められず、定量噴霧型ポンプによる、一動作で一定量の薬液を噴霧させる効果が大きいことがわかった。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明の据え置き型噴霧装置は、一動作で一定量の噴霧が可能な定量噴霧型ポンプを用いることにより、薬剤の過剰な噴霧を避けることができ、安全性と使い勝手に優れるため、殺虫、防虫、害虫忌避、除菌、防カビ、芳香、消臭等の効果のある様々な分野へ適用可能である。
【符号の説明】
【0034】
1 定量噴霧型ポンプ
2 ポンプ式噴霧器
3 噴射ノズル
4 噴射孔
5 開口部
6 操作部
8 薬液貯蔵部
9 収納容器
10 固定補助具
11 軸部
14 作動部
15 レバー
16 窓部
17 薬液
30 内壁ガイド部
31 外壁ガイド部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
定量噴霧型ポンプを薬液貯蔵部に装着したポンプ式噴霧器を、収納容器に収納してなる据え置き型定量噴霧装置であって、
前記収納容器に備えた作動部を作動させることにより、前記定量噴霧型ポンプを作動させ、一動作で一定量の薬液を一定方向に噴霧させることが出来ることを特徴とする、据え置き型定量噴霧装置。
【請求項2】
請求項1記載の据え置き型定量噴霧装置であって、前記定量噴霧型ポンプの操作部を、前記作動部を介して押し下げることにより、
該定量噴霧型ポンプを作動させて、一動作で一定量の薬液を水平より上向きに噴霧させることを特徴とする、据え置き型定量噴霧装置。
【請求項3】
請求項1記載の据え置き型定量噴霧装置であって、前記収納容器内に収納された前記ポンプ式噴霧器全体を、前記作動部によって一定距離を押し上げ、この作動動作中に該定量噴霧型ポンプの前記操作部を該収納容器内の一定位置に固定しておくことにより、
該定量噴霧型ポンプを作動させて、一動作で一定量の薬液を水平より上向きに噴霧させることを特徴とする、据え置き型定量噴霧装置。
【請求項4】
請求項1から3に記載のいずれか一項に記載の据え置き型定量噴霧装置であって、該ポンプ式噴霧器の薬液貯蔵部の外壁部と該収納容器の内壁部において、お互いに略係合する外壁ガイド部及び内壁ガイド部をそれぞれ設けたことを特徴とする、据え置き型定量噴霧装置。
【請求項5】
前記作動部が、足によって操作できるように設計されてなることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の据え置き型定量噴霧装置。
【請求項6】
前記作動部が、手によって操作できるように設計されてなることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の据え置き型定量噴霧装置。
【請求項7】
前記ポンプ式噴霧器を前記収納容器に収納する際に、該ポンプ式噴霧器を水平方向に対して特定の角度で傾けて前記収納容器内に保持させることにより噴霧方向が調節可能であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の据え置き型定量噴霧装置。
【請求項8】
前記定量噴霧型ポンプにおいて、噴射ノズルの向きを、特定の角度とすることにより、噴霧方向が制御されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の据え置き型定量噴霧装置。
【請求項9】
前記薬液貯蔵部内における薬液の残量を確認するため、前記収納容器の壁面の少なくとも一部に窓部を設けることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の据え置き型定量噴霧装置。
【請求項10】
前記薬液貯蔵部に収容される薬液中の薬剤が、殺虫、防虫、害虫忌避、除菌、防カビ、芳香、消臭効果のある薬剤のうち、少なくとも1つを含むことを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の据え置き型定量噴霧装置
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載の据え置き型定量噴霧装置を用いて、一動作で一定量の薬液を一定方向に噴霧することを特徴とする、小空間への薬液散布方法。
【請求項1】
定量噴霧型ポンプを薬液貯蔵部に装着したポンプ式噴霧器を、収納容器に収納してなる据え置き型定量噴霧装置であって、
前記収納容器に備えた作動部を作動させることにより、前記定量噴霧型ポンプを作動させ、一動作で一定量の薬液を一定方向に噴霧させることが出来ることを特徴とする、据え置き型定量噴霧装置。
【請求項2】
請求項1記載の据え置き型定量噴霧装置であって、前記定量噴霧型ポンプの操作部を、前記作動部を介して押し下げることにより、
該定量噴霧型ポンプを作動させて、一動作で一定量の薬液を水平より上向きに噴霧させることを特徴とする、据え置き型定量噴霧装置。
【請求項3】
請求項1記載の据え置き型定量噴霧装置であって、前記収納容器内に収納された前記ポンプ式噴霧器全体を、前記作動部によって一定距離を押し上げ、この作動動作中に該定量噴霧型ポンプの前記操作部を該収納容器内の一定位置に固定しておくことにより、
該定量噴霧型ポンプを作動させて、一動作で一定量の薬液を水平より上向きに噴霧させることを特徴とする、据え置き型定量噴霧装置。
【請求項4】
請求項1から3に記載のいずれか一項に記載の据え置き型定量噴霧装置であって、該ポンプ式噴霧器の薬液貯蔵部の外壁部と該収納容器の内壁部において、お互いに略係合する外壁ガイド部及び内壁ガイド部をそれぞれ設けたことを特徴とする、据え置き型定量噴霧装置。
【請求項5】
前記作動部が、足によって操作できるように設計されてなることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の据え置き型定量噴霧装置。
【請求項6】
前記作動部が、手によって操作できるように設計されてなることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の据え置き型定量噴霧装置。
【請求項7】
前記ポンプ式噴霧器を前記収納容器に収納する際に、該ポンプ式噴霧器を水平方向に対して特定の角度で傾けて前記収納容器内に保持させることにより噴霧方向が調節可能であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の据え置き型定量噴霧装置。
【請求項8】
前記定量噴霧型ポンプにおいて、噴射ノズルの向きを、特定の角度とすることにより、噴霧方向が制御されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の据え置き型定量噴霧装置。
【請求項9】
前記薬液貯蔵部内における薬液の残量を確認するため、前記収納容器の壁面の少なくとも一部に窓部を設けることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の据え置き型定量噴霧装置。
【請求項10】
前記薬液貯蔵部に収容される薬液中の薬剤が、殺虫、防虫、害虫忌避、除菌、防カビ、芳香、消臭効果のある薬剤のうち、少なくとも1つを含むことを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の据え置き型定量噴霧装置
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載の据え置き型定量噴霧装置を用いて、一動作で一定量の薬液を一定方向に噴霧することを特徴とする、小空間への薬液散布方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2013−86083(P2013−86083A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−232321(P2011−232321)
【出願日】平成23年10月22日(2011.10.22)
【出願人】(000207584)大日本除蟲菊株式会社 (184)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月22日(2011.10.22)
【出願人】(000207584)大日本除蟲菊株式会社 (184)
【Fターム(参考)】
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