説明

据付装置及び据付方法

【課題】老朽化した橋梁等の上部構造の下面側に施工時荷重を与えることなく、補強部材を設置することが可能な据付装置及び据付方法を提供する。
【解決手段】据付装置1は、基台2と、基台2の上部に昇降可能に設けられる昇降台8と、昇降台8を昇降させる昇降手段9と、昇降台8の上部に設けられるとともに、昇降台8の上昇に追従して互いに接近する方向に移動可能、かつ昇降台8の下降に追従して互いに離間する方向に移動可能な少なくとも一対の移動台14と、移動台14を昇降台8の上部で移動させる状態と昇降台8の上部に固定する状態とに切り替える移動固定手段22とで構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、据付装置及び据付方法に関し、特に、既設の水上構造物の下面側に補強部材を設置するのに有効な据付装置及び据付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、人や車両等の通行のために川や海等を跨いだ状態に設置されている橋梁等を老朽化や腐食等によって補強する場合、人や車両等の通行を許容した状態で橋梁等の上部構造(床版、横桁、縦桁等)を下面側から補強することが行われている。
【0003】
例えば、既設の橋梁等の上部構造の下面側の隣接する2本の縦桁の上部間に複数本の補強桁を設置し、補強桁と上部構造の床版との間に充填材を充填することにより、上部構造を下面側から補強する補強構造を構築している。
【0004】
また、特許文献1には、橋梁構造物の主桁等で構成された橋体の下面及び側面にパネルを設置することにより、橋梁構造物の防食性を向上させるように構成した補強構造が記載されている。
【0005】
特許文献1に記載の補強構造は、橋梁構造物の主桁等で構成された橋体下面に、幅員方向に長く橋軸方向に短いパネルを、短手方向の両端部に形成した凹接合部と凸接合部とを嵌合させるとともに、このパネルの接合部を横断する方向(橋軸方向)に間隔をおいて縦梁を配置し、この縦梁と各パネルの接合部とを固定具で固定し、さらに、パネルに固定した縦梁を直交方向に適宜間隔ごとに配置した横梁に固定し、この横梁を橋梁の主桁の下フランジに支持材によって支持することにより、橋体の下面を覆う下面パネルカバーを構成している。また、橋体の側面に、パネルの上端部を橋梁の路肩部の地覆に固定し、下端部
を下面パネルカバーのパネルの端部に接合し、中間部を橋梁構造物に一端が支持されたフレームに支持することにより、側面パネルカバーを構成している。
【0006】
ところで、既設の橋梁等の上部構造の下面側の隣接する2本の縦桁の上部間に複数本の補強桁を設置する方法では、既設の橋梁にガイドレールを取り付け、ガイドレールにホイストクレーンを取り付け、台船等によって橋梁等の補強部分の下方に搬入した新設の補強桁をホイストクレーンで吊り上げ、ホイストクレーンをガイドレールに沿って移動させることにより、上部構造の下面側の補強部分に設置している。
【0007】
このため、既設の橋梁等にホイストクレーン、ガイドレール等による施工時荷重が作用することになり、既設の橋梁等に悪影響を与えるおそれがある。また、新設の補強桁の設置後に、ホイストクレーン、ガイドレール等を撤去する作業が必要になり、しかも、その作業を、新設の補強桁の設置後に上部構造との間に形成される狭い空間を利用して行わなければならないため、その作業に非常に手間がかかる。
【0008】
また、特許文献1に記載の補強構造は、橋梁構造物の橋体にホイストクレーン等を取り付け、このホイストクレーン等を橋脚等に設けた作業ステージ上で操作することにより、台船等によって橋体の下方に搬入したパネルを吊り上げ、このパネルを作業ステージ上で順次接合しながら、パネル側に取り付けた走行ローラを橋体側に取り付けたガイドレールに沿って走行させることにより、橋体の橋軸の方向に移動させている。このため、橋梁構造物にホイストクレーン、ガイドレール、走行ローラ等による施工時荷重が作用することになり、橋梁構造物に悪影響を与えるおそれがある。さらに、パネルの設置後に、ホイストクレーン、ガイドレール等を撤去する作業が必要になり、しかも、その作業を、パネルの設置後の橋体との間に形成される狭い空間を利用して行わなければならないため、その作業に非常に手間がかかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2004−324230号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みなされたものであって、老朽化した水上構造物に施工時荷重を作用させることなく、老朽化した水上構造物を下面側から補強する補強部材を容易に設置することができる、据付装置及び据付方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記のような課題を解決するために、本発明は、以下のような手段を採用している。
すなわち、本発明は、基台と、該基台の上部に昇降可能に設けられる昇降台と、該昇降台を昇降させる昇降手段と、前記昇降台の上部に設けられるとともに、前記昇降台の上昇に追従して互いに接近する方向に移動可能、かつ前記昇降台の下降に追従して互いに離間する方向に移動可能な少なくとも一対の移動台と、該移動台を前記昇降台の上部で移動させる状態と、前記昇降台の上部に固定する状態とに切り替える移動固定手段とを備えていることを特徴とする。
【0012】
本発明の据付装置によれば、例えば、一対の移動台の上部に2本の補強部材を載置し、昇降手段により昇降台を昇降させることにより、昇降台の下降に追従させて、一対の移動台を互いに離間する方向に移動させ、移動台の上部の2本の補強部材間の間隔を調整することができる。
従って、補強部材を一旦上昇させて、補強部材を下降させながら補強部材間の間隔を拡げるような使い方ができるので、橋梁の上部構造の隣接する2本の縦桁の上部間に2本の補強部材(補強桁)を所定の間隔で設置するような場合に適用できる。
【0013】
また、本発明において、前記昇降手段は、第1アームと第2アームとをX状に交差させるとともに、両アームを交差部を中心として回動可能に連結した昇降アームと、該昇降アームの両アームを回動させるアクチュエータとを備え、前記昇降アームの両アームの上部に前記昇降台が設けられ、前記両アームの回動に追従して前記昇降台が昇降可能に構成されていることとしてもよい。
【0014】
本発明の据付装置によれば、アクチュエータにより、昇降アームの第1アーム及び第2アームを交差部を中心として一方又は他方に回動させることにより、昇降アームの回動に追従して昇降台を昇降させることができる。
【0015】
さらに、本発明において、前記移動固定手段は、前記昇降台に移動可能に支持されるとともに、前記一対の移動台のうちの一方に連結される第1索条と、前記昇降台に移動可能に支持されるとともに、前記一対の移動台のうちの他方に連結される第2索条と、前記第1索条を前記昇降台に固定可能な第1クランプと、前記第2索条を前記昇降台に固定可能な第2索条と、前記第1アームに設けられるとともに、前記第1索条を前記第1アームに固定可能な第3クランプと、前記第2アームに設けられるとともに、前記第2索条を前記第2アームに固定可能な第4クランプとを備え、前記第1クランプ及び前記第2クランプを介して前記第1索条及び前記第2索条を前記昇降台に固定することにより、前記少なくとも一対の移動台が前記昇降台の上部に固定され、前記第3クランプ及び第4クランプを介して前記第1索条及び前記第2索条を前記第1アーム及び前記第2アームに固定することにより、前記両アームの回動に追従して、前記移動台が前記昇降台の上部で互いに接近又は離間する方向に移動することとしてもよい。
【0016】
本発明の据付装置によれば、移動固定手段の第1クランプを介して第1索条を昇降台に固定し、第2クランプを第2索条を介して昇降台に固定することにより、移動台を昇降台の上部に固定することができ、移動台の上部の補強部材間の間隔を固定することができる。また、第3クランプを介して第1索条を第1アームに固定し、第4クランプを介して第2索条を第2アームに固定することにより、両アームの回動に追従して、両索条を介して移動台を互いに接近又は離間する方向に移動させることができ、移動台の上部の補強部材間の間隔を拡げ、又は狭めることができる。
【0017】
さらに、本発明は、水上構造物の上部構造の隣接する2本の縦桁の上部間に少なくとも2本の補強部材を設置する据付方法であって、台船の上部に、基台と、該基台の上部に昇降可能に設けられる昇降台と、該昇降台を昇降させる昇降手段と、前記昇降台の上部に設けられるとともに、前記昇降台の上昇に追従して互いに接近する方向に移動可能、かつ前記昇降台の下降に追従して互いに離間する方向に移動可能な少なくとも一対の移動台と、該移動台を前記昇降台の上部で移動させる状態と、前記昇降台の上部に固定する状態とに切り替える移動固定手段とを備えた据付装置を設置し、該据付装置の前記移動台の上部に前記少なくとも2本の補強部材を載置する工程と、前記台船を前記隣接する2本の縦桁を支持する杭間を通じて、前記2本の補強部材を設置する補強部分の下方に進入させる工程と、前記昇降手段により前記昇降台と一体に前記移動台を上昇させて、前記補強部材を前記2本の縦桁よりも上方の高い位置まで上昇させる工程と、前記昇降手段により前記昇降台を下降させながら、前記移動固定手段により前記移動台を互いに離間する方向に移動させて、前記少なくとも2本の補強部材間の間隔を拡げる工程とを備えていることを特徴とする。
【0018】
本発明の据付方法によれば、まず、移動台の上部に少なくとも2本の補強部材を載置し、台船を隣接する2本の縦桁を支持する杭間を通じて、2本の補強部材を設置する補強部分の下方に進入させ、昇降手段により昇降台と一体に移動台を上昇させて、移動台の上部の2本の補強部材を2本の縦桁よりも上方に位置させ、昇降手段により昇降台と一体に移動台を下降させながら、移動固定手段により移動台を互いに離間する方向に移動させて、移動台の上部の補強部材間の間隔を拡げることにより、補強部材間の間隔を調整することができ、補強部材を隣接する2本の縦桁の上部間に所定の間隔で設置することができる。
【0019】
また、本発明において、前記基台の上部に回転台が回動可能に設けられるとともに、該回転台の上部に前記昇降台が設けられ、前記台船を前記2本の縦桁を支持する杭間を通じて前記補強部分の下方に進入させる際に、前記回転台を回転させることにより、前記2本の補強部材の向きを前記両縦桁と平行となるように調整し、前記昇降手段により、前記両補強部材を前記両縦桁よりも上方の高い位置に上昇させた後に、前記回転台を回転させることにより、前記両補強部材の向きを前記両縦桁と直交するように調整することとしてもよい。
【0020】
本発明の据付方法によれば、補強部材が2本の縦桁を支持する杭間の間隔よりも長い場合には、回転台を回転させて、2本の補強部材の向きを両縦桁と平行となるように調整して、台船を補強部分の下方に進入させ、昇降手段により、両補強部材を両縦桁よりも上方の高い位置に上昇させた後に、回転台を回転させて、両補強部材の向きを両縦桁を直交するように調整することにより、両縦桁間に両補強部材を設置することができる。
【発明の効果】
【0021】
以上、説明したように、本発明の据付装置及び据付方法によれば、例えば、橋梁等の水上構造物の上部構造を下面側から補強する場合に、上部構造の下面側の隣接する2本の縦梁間に2本の補強部材を容易に設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明による据付装置の一実施の形態を示した平面図であって、図2のA−A矢視図である。
【図2】図1の正面図(B−B矢視図)である。
【図3】図2のD−D矢視図である。
【図4】図2のC−C矢視図である。
【図5】本発明による据付方法の一実施の形態を示した平面図であって、補強桁と杭との関係を示した平面図である。
【図6】図5の正面図である。
【図7】図6のA−A線に沿って見た断面図である。
【図8】本発明による据付方法の一実施の形態を示した平面図であって、補強部分への進入前の状態を示した概略平面図である。
【図9】補強部分への進入後の状態を示した概略平面図である。
【図10】図8及び図9の正面図である。
【図11】昇降台と共に移動台を上昇させた状態を示した概略正面図である。
【図12】昇降台と共に移動台を回転させた状態を示した概略正面図である。
【図13】図12の平面図である。
【図14】図12の右側面図である。
【図15】昇降台と共に移動台を下降させた状態を示した概略正面図である。
【図16】図15の平面図である。
【図17】図15の右側面図である。
【図18】昇降台と共に移動台を再上昇させた状態を示した概略図である。
【図19】昇降台と共に移動台を再下降させた状態を示した概略図である。
【図20】本発明による据付装置の他の実施の形態を示した概略図である。
【図21】図20の系統図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
図1〜図4には、本発明による据付装置の一実施の形態が示されている。本実施の形態では、人や車両等の通行のために川や海等を跨いだ状態に設置される老朽化した水上構造物としての既設の橋梁を対象としている。
【0024】
橋梁は、例えば、人や車両等を支持する車道や歩道を備えた床版、床版を支持する主桁(縦桁、横桁)等からなる上部構造と、梁(縦梁、横梁)等からなる下部構造と、上部構造、人、車両、及び下部構造からの荷重を地盤に伝達させる複数本の杭とから構成されている。
【0025】
本実施の形態では、図2に示すように、橋梁の上部構造40の隣接する2本の縦桁41a、41bの上部間に補強部材としての補強桁45a、45b(図5〜図7参照)を設置するのに本発明の据付装置1及び据付方法を適用している。
【0026】
具体的には、図5〜図7に示すように、上部構造40の隣接する2本の縦桁41a、41bを支持する4本の杭42a〜42dによって囲まれる部分(以下、補強部分44という。)の上部間に、2本の補強桁45a、45bを受台48a、48bを介して設置するのに本発明の据付装置1及び据付方法を適用している。
【0027】
各補強桁45a、45bは、図6及び図7に示すように、アーチ状をなすものであって、両端部の下面が先端に向かって順次下方に傾斜する傾斜面46に形成され、この傾斜面46の中央部に各補強桁45a、45bの長手方向に延びる断面三角形状の凹部47が設けられている。
【0028】
各受台48a、48bは、略台形台状をなすものであって、上面が両側から中央に向かって順次下方に傾斜する傾斜面49に形成され、各傾斜面49の中央部に各補強桁45a、45bの長手方向に延びる断面三角形状の凸部50が設けられている。各受台48a、48bは、各補強部分44の各縦桁41a、41bの上部にボルト等を介して固定されている。
【0029】
各補強桁45a、45bは、各補強部分44の縦桁41a、41bの上部間に架け渡し、各補強桁45a、45bの両端の下面側の凹部47と各縦桁41a、41bの上部に固定した各受台48a、48bの上面側の凸部50とを相互に嵌合させることにより、各補強部分44の縦桁41a、41bの上部間に設置される。
【0030】
本実施の形態の据付装置1は、図1〜図4に示すように、基台2と、基台2の上部に回転可能に設けられる回転台3と、回転台3を回転させる回転手段5と、回転台3の上部に昇降可能に設けられる昇降台8と、昇降台8を昇降させる昇降手段9と、昇降台8の上部に移動可能に設けられる移動台14と、移動台14を移動させ、又は昇降台8に固定させる移動固定手段22と、回転台3、昇降台8、及び移動台14の全体を昇降させる補助昇降手段35とを備えている。
【0031】
基台2は、四角形板状をなすものであって、箱形状の台船38の上部にボルト等を介して固定され、この基台2の上部に回転手段5を介して回転台3が回転可能に設けられている。台船38は、橋梁の隣接する2本の杭42a、42b間に進入可能な大きさに形成されている。なお、基台2を介さずに、台船38の上部に直接に回転手段5を介して回転台3を回転可能に設けてもよい。
【0032】
回転手段5は、基台2の上部中央部に円環状に設けられるレール6と、レール6の上部に走行可能に設けられる複数台(本実施の形態では4台)の走行台車7a〜7dと、走行台車7a〜7dをレール6に沿って走行させるアクチュエータ(図示せず)とから構成されている。
【0033】
回転台3は、鋼材を四方枠組みして角環状に形成した枠材3aと、枠材3aの下面側の四隅に設けられる三角形板状の補強板3bから構成され、各補強板3bの下面側にそれぞれ走行台車7a〜7dが設けられている。アクチュエータにより、走行台車7a〜7dをレール6に沿って走行させることにより回転台3を回転させることができる。
【0034】
昇降手段9は、支持軸11の両端に2本のアーム(第1アーム12及び第2アーム13)をX状に交差させた状態でそれぞれ設け、各2本のアーム(第1アーム12及び第2アーム13)を支持軸11を中心として図中矢印方向に回動可能(開閉可能)に連結した昇降アーム10と、昇降アーム10の各2本のアーム(第1アーム12及び第2アーム13)を回動させるアクチュエータ(図示せず)とから構成されている。昇降アーム10の両アーム12、13の下端が、回転台3の上面に設けられた一対の支持レール3cによって図2中左右方向に移動可能に支持されることで両者が逆向きに移動して、第1アーム12及び第2アーム13からなる昇降アーム10が回動可能(開閉可能)となっている。なお、支持レール3cの両端に設けられたストッパー4a〜4bに両アーム12、13の下端が当接することにより昇降アーム10の回動角度(開閉角度)が制限されている。
【0035】
昇降アーム10の両第1アーム12及び第2アーム13の上部には、四角形板状の昇降台8が設けられ、アクチュエータによって、両第1アーム12及び第2アーム13を開閉させて昇降アーム10の全高を調整することで、昇降アーム10に追従して昇降台8を昇降させることができる。
【0036】
昇降台8の上部に設置された移動台14は、第1移動台15と第2移動台18の2つの移動台から構成され、昇降台8の上部中央部に両移動台15、18が設けられている。第1移動台15及び第2移動台18は、後述する移動固定手段22によって互いに接近、又は離間する方向に移動可能、かつ、昇降台8の上部に固定可能に構成されている。第1移動台15及び第2移動台18の上部に上記の補強桁45a、45bがそれぞれ載置される。
【0037】
第1移動台15及び第2移動台18は、長方形板状の本体16、19と、本体16、19の下面側の四隅に設けられる車輪17、20とから構成され、本体16、19の長手方向が昇降台8の幅方向と直交するように、昇降台8の上部中央部に設けられている。
【0038】
移動固定手段22は、図1〜図3に示すように、昇降台8の周囲を囲むように設けられるとともに、昇降台8の周囲を周回可能な第1索条23と、昇降台8の周囲を囲むように設けられるとともに、昇降台8の周囲を周回可能な第2索条24と、昇降台8の下面側に設けられるとともに、第1索条23をクランプして昇降台8に固定可能な第1クランプ26と、昇降台8の下面側に設けられるとともに、第2索条24をクランプして昇降台8に固定可能な第2クランプ27と、昇降手段9の昇降アーム10の第1アーム12の上端に設けられるとともに、第2索条24をクランプして第1アーム12に固定可能な第3クランプ28と、昇降手段9の昇降アーム10の第2アーム13の上端に設けられるとともに、第1索条23をクランプして第2アーム13に固定可能な第4クランプ29と、第1クランプ26、第2クランプ27、第3クランプ28、及び第4クランプ29をそれぞれ開閉させるアクチュエータ(図示せず)とから構成されている。
【0039】
第1索条23は、例えば、ワイヤロープであって、昇降台8の上面側の両端、及び下面側の両端の4箇所に設けられた4つの支持ローラ25a〜25dにより、昇降台8の周囲に周回可能に支持されている。第1索条23は、第2移動台18を貫通した状態で両端が第1移動台15の図1中左右端に連結されている。第1索条23を昇降台8の周囲に周回させることにより、第1索条23に追従して第1移動台15を昇降台8の上部で移動させることができる。
【0040】
第2索条24は、例えば、ワイヤロープであって、昇降台8の上面側の両端、及び下面側の両端の4箇所に設けられた4つの支持ローラ25a〜25dにより、昇降台8の周囲に周回可能に支持されている。第2索条24は、第1移動台15を貫通した状態で両端が第2移動台18の図1中左右端に連結されている。第2索条24を昇降台8の周囲に周回させることにより、第2索条24に追従して第2移動台18を昇降台8の上部で移動させることができる。
【0041】
また、第1クランプ26で第1索条23をクランプして第1索条23を昇降台8に固定し、第2クランプ27で第2索条24をクランプして第2索条24を昇降台8に固定し、第3クランプ28及び第4クランプ29を非クランプ状態とすることにより、第1移動台15及び第2移動台18を昇降台8の上部に固定することができ、両移動台15、18の間隔を固定した状態で、昇降台8の昇降に追従して両移動台15、18を昇降させることができる。
【0042】
さらに、第1クランプ26及び第2クランプ27を非クランプ状態とし、第3クランプ28で第2索条24をクランプして第2索条24を第1アーム12に固定し、第4クランプ29で第1索条23をクランプして第1索条23を第2アーム13に固定することにより、第1移動台15及び第2移動台18を昇降台8の上部で移動可能な状態とすることができ、昇降台8の上昇に追従して両移動台15、18を互いに接近する方向に移動させ、昇降台8の下降に追従して両移動台15、18を互いに離間する方向に移動させることができる。
【0043】
具体的には、昇降手段9の昇降アーム10の第1アーム12及び第2アーム13を閉じる方向に回動させて昇降台8を上昇させると、昇降アーム10の第1アーム12に追従して、第3クランプ28を介して第2索条24が昇降台8の周囲を反時計回りに移動して、第2索条24と一体に第2移動台18が図1及び図2の左方向に移動し、第4クランプ29を介して第1索条23が昇降台8の周囲を時計回りに移動して、第1索条23と一体に第1移動台15が図1及び図2の右方向に移動し、両移動台15、18が互いに接近する方向に移動する。
【0044】
また、昇降手段9の昇降アーム10の第1アーム12及び第2アーム13を開く方向に回動させて昇降台8を下降させると、昇降アーム10の第1アーム12に追従して、第3クランプ28を介して第2索条24が昇降台8の周囲を時計回りに移動して、第2索条24と一体に第2移動台18が図1及び図2の右方向に移動し、第4クランプ29を介して第1索条23が昇降台8の周囲を反時計回りに移動して、第1索条23と一体に第1移動台15が図1及び図2の左方向に移動し、両移動台15、18が互いに離間する方向に移動する。
【0045】
なお、本実施の形態においては、図1〜図3に示すように、第1移動台15及び第2移動台18の長手方向の両端部に対応するように、昇降台8の長手方向の両端部に第1索条23及び第2索条24をそれぞれ設け、各第1索条23及び各第2索条24に対応するように、第1クランプ26、第2クランプ27、第3クランプ28、及び第4クランプ29をそれぞれ設けている。
【0046】
補助昇降手段35は、例えば、油圧ジャッキ36であって、図2及び図4に示すように、回転台3と各走行台車7a7dとの間に介装されている。補助昇降手段35は、昇降手段9による昇降台8の昇降だけでは高さが不足する場合に、その不足分を補うために用いられる。従って、昇降手段9のみで十分な場合には、用いる必要はないものである。
【0047】
次に、本実施の形態の据付方法について説明する。
まず、図8及び図10に示すように、据付装置1の移動固定手段22のアクチュエータにより、第1クランプ26及び第2クランプ27を非クランプ状態とし、第3クランプ28及び第4クランプ29をクランプ状態とする。そして、昇降手段9のアクチュエータにより、昇降アーム10の第1アーム12及び第2アーム13を開閉させることにより、第1アーム12及び第2アーム13に追従して、第1索条23及び第2索条24を昇降台8の周囲を周回させて、第1索条23及び第2索条24に追従して、第1移動台15及び第2移動台18を移動させ、両移動台15、18を昇降台8の中央部に位置決めする。
【0048】
次に、移動固定手段22のアクチュエータにより、第3クランプ28及び第4クランプ29を非クランプ状態とするとともに、第1クランプ26及び第2クランプ27をクランプ状態とすることにより、第1索条23及び第2索条24を第1クランプ26及び第2クランプ27を介して昇降台8に固定し、第1索条23及び第2索条24を介して第1移動台15及び第2移動台18を昇降台8の中央部に固定する。
【0049】
次に、第1移動台15及び第2移動台18を固定したまま、昇降手段9のアクチュエータにより、昇降アーム10の第1アーム12及び第2アーム13を開く方向に回動させて、両アーム12、13に追従して昇降台8を下降端まで下降させ、この状態で、第1移動台15及び第2移動台18の上部に台木51等を介して補強桁45a、45bをそれぞれ載置させる。
【0050】
次に、回転手段5のアクチュエータにより、回転台3を回転させることにより、第1移動台15及び第2移動台18の上部の各補強桁45a、45bの向きを、橋梁の上部構造40の縦桁41a、41bに対して平行となるように調整する。そして、図8に矢印で示すように、台船38を橋梁の隣接する2本の杭42a、42b間に進入させ、図9に示すように、4本の杭42a〜42dによって囲まれた補強部分44の上部構造40の下方に2本の補強桁45a、45bを位置決めする。
なお、図8〜図10においては、移動固定手段22の図示は省略している。また、回転台3を回転させる途中の過程は省略している。
【0051】
次に、図11に示すように、昇降手段9のアクチュエータにより、昇降アーム10の第1アーム12及び第2アーム13を閉じる方向に回動させることにより昇降台8を上昇させ、第1移動台15及び第2移動台18の上部の補強桁45a、45bを隣接する2本の縦桁41a、41bの上部の受台48a、48bよりも上方の高い位置まで上昇させる。なお、昇降アーム10の上昇ストロークが足りない場合には、図2及び図4に示す補助昇降手段35のジャッキ36を作動させる。なお、図11においては、受台48a、48bの図示は省略している。
【0052】
次に、図12〜図14に示すように、回転手段5のアクチュエータにより、回転台3を回転させることにより、回転台3と一体に第1移動台15及び第2移動台18を回転させて、第1移動台15及び第2移動台18の上部の2本の補強桁45a、45bを回転させ、2本の補強桁45a、45bを縦桁41a、41bの上方に両縦桁41a、41bと直交する向きにする。
【0053】
次に、移動固定手段22の各アクチュエータにより、第1クランプ26及び第2クランプ27を非クランプ状態とするとともに、第3クランプ28及び第4クランプ29をクランプ状態とし、昇降アーム10の第1アーム12及び第2アーム13の上端に第3クランプ28及び第4クランプ29を介して第1索条23及び第2索条24を固定する(図2及び図3参照)。
【0054】
次に、図15〜図17に示すように、昇降手段22のアクチュエータにより、昇降アーム10の第1アーム12及び第2アーム13を開く方向に回動させることにより、昇降アーム10に追従して昇降台8を下降させ、昇降台8とともに第1移動台15及び第2移動台18の上部の2本の補強桁45a、45bを下降させる。
【0055】
この場合、昇降アーム10の第1アーム12及び第2アーム13の動きに追従して、第1索条23が昇降台8の周囲を反時計回り移動し、第2索条24が昇降台8の周囲を時計回りに移動し、第1索条23、第2索条に追従して、第1移動台15及び第2移動台18が互いに離間する方向に移動し、両移動台15、18間の間隔が拡げられ、両移動台15、18の上部の2本の補強桁45a、45b間の間隔が拡げられる。
【0056】
そして、昇降台8を下降させながら、両移動台15、18間の間隔を調整し、両移動台15、18の上部の2本の補強桁45a、45b間の間隔を各縦桁45a、45bの上部の受台48a、48b間の間隔(図7参照)に合わせる。
【0057】
そして、2本の補強桁45a、45b間の間隔を各縦桁41a、41bの上部の受台48a、48b間の間隔に合わせた後に、移動固定手段22の各アクチュエータにより、第3クランプ28及び第4クランプ29を非クランプ状態とし、第1クランプ26及び第2クランプ27をクランプ状態とし、第1クランプ26及び第2クランプ27を介して第1索条23及び第2索条24を昇降台8に固定することにより、第1索条23及び第2索条24を介して第1移動台15及び第2移動台18を昇降台8に固定し、2本の補強桁45a、45b間の間隔を固定する。
【0058】
そして、この状態で、昇降手段9のアクチュエータにより、昇降アーム10の第1アーム12及び第2アーム13を開く方向に回動させて、昇降アーム10に追従して昇降台8を下降させることで、昇降台8と共に第1移動台15及び第2移動台18を下降させて、第1移動台15及び第2移動台18の上部の2本の補強桁45a、45bの両端を隣接する2本の縦桁41a、41bの受台48a、48bの上部間に、各補強桁45a、45bの両端の下面側の凹部47と各受台48a、48bの上面側の凸部50とが相互に嵌合するように載置させる(図6、図7参照)。
【0059】
なお、昇降台8を1回下降させただけでは、第1移動台15と第2移動台18との間の間隔(2本の補強桁45a、45b間の間隔)を縦桁41a、41bの上部の受台48a、48b間の間隔に合わせることができない場合には、図18に示すように、移動固定手段22により、両移動台15、18を昇降台8に固定した状態で昇降台8を再上昇させるとともに、図19に示すように、移動固定手段22により、両移動台15、18を移動可能な状態として、昇降台8を再下降させながら、両移動台15、18を互いに離間する方向に移動させることを繰り返すことにより、両移動台15、18間の間隔(補強桁45a、45b間の間隔)を受台48a、48a間の間隔に合わせることができる。
【0060】
そして、上記のような作業を各補強部分44に対して繰り返し行うことにより、各補強部分44の隣接する2本の縦桁41a、41b間にそれぞれ2本の補強桁45a、45bを設置する。そして、各補強部分44の隣接する2本の縦桁41a、41b間に2本の補強桁45a、45bをそれぞれ設置した後に、各補強部分44の2本の補強桁45a、45bと上部構造40の床版との間にそれぞれ充填材を充填することにより、上部構造40の下面側の全体を補強することができる。
【0061】
なお、昇降台8の下降だけでは、下降ストロークが足りない場合には、補助昇降手段35のジャッキ36を作動させて、据付装置1全体を下げることにより、或いは、台船38にバラストを投入して、据付装置1全体を下げることにより、2本の補強桁45a、45bを隣接する2本の縦桁21a、21bの上部の受台48a、48b間に設置する。
【0062】
上記のように構成した本実施の形態の据付装置1及び据付方法にあっては、台船38の上部に据付装置1を設置し、据付装置1の移動台14の第1移動台15及び第2移動台18の上部に2本の補強桁45a、45bを載置し、台船38を橋梁の上部構造40の補強部分44の下方に進入させて、据付装置1を作動させることにより、補強部分44の隣接する2本の縦桁41a、41bの上部間に2本の補強桁45a、45bを設置するように構成したので、施工時荷重を与えることなく、老朽化した橋梁の上部構造40の下面側の隣接する2本の縦桁41a、41bの上部間に補強桁45a、45bを設置することができる。
【0063】
また、補強桁45a、45bを上部構造40の隣接する2本の縦桁41a、41bの上部間に設置するために、ガイドレール、ホイストクレーン等を取り付ける必要がないので、補強桁45a、45bの設置後にガイドレール、ホイストクレーン等を取り外す作業が不要となり、補強桁45a、45bの取付作業に要する手間を大幅に削減することができる。
【0064】
さらに、補強桁45a、45bの全長が隣接する2本の縦桁41a、41bを支持する隣接する2本の杭42a、42b間の間隔よりも大きい場合に、据付装置1の回転台3を回転させて、両補強桁45a、45bの向きを両縦桁41a、41bと平行となるように調整し、この状態で、2本の杭42a、42b間を通して上部構造40の補強部分44の下方に搬入し、その位置において、昇降台8を上昇させて両補強桁45a、45bを両縦桁41a、41bの上方の両縦桁41a、41bと干渉しない位置に位置決めし、回転台8を回転させて、両補強桁45a、45bの向きを縦桁41a、41bと直交するように調整し、この状態で、昇降台8を下降させながら、移動台14の第1移動台15及び第2移動台18に追従して、両補強桁45a、45b間の間隔を拡げることができる。
【0065】
従って、補強桁45a、45bの全長が上部構造40の隣接する2本の縦桁41a、41bを支持する隣接する2本の杭42a、42b間の間隔よりも大きい場合であっても、上部構造40の各補強部分44に容易に補強桁45a、45bを設置することができるので、上部構造40の補強作業に要する手間を大幅に削減することができる。
【0066】
さらに、移動固定手段22のアクチュエータにより、第1クランプ26、第2クランプ27、第3クランプ28、及び第4クランプ29を非クランプ状態又はクランプ状態とすることにより、昇降台8の昇降に追従させて、第1移動台15及び第2移動台18を昇降台8上で互いに接近する方向又は離れる方向に移動させることができるので、両補強桁45a、45bを下降させながら、両補強桁45a、45b間の間隔を拡げることができ、両補強桁45a、45bを隣接する2本の縦桁41a、41bの上部間に容易に設置することができる。
【0067】
なお、前記の説明において、第3クランプ28及び第4クランプ29をクランプ状態とすることにより、昇降アーム10の第1アーム12及び第2アーム13の開閉に追従して、第3クランプ28及び第4クランプ29を介して第1索条23及び第2索条24を周回させ、第2索条23及び第2索条24に追従して第1移動台15及び第2移動台18を互いに接近する方向又は離れる方向に移動させたが、第3クランプ28又は第4クランプ29の何れか一方をクランプ状態とし、何れか他方を非クランプ状態として、第1索条23又は第2索条24の何れか一方を周回させることにより、第1移動台15又は第2移動台18の何れか一方を移動させるように構成してもよい。
【0068】
図20及び図21には、本発明による据付装置の他の実施の形態が示されている。本実施の形態の据付装置1は、移動固定手段22として、ラック30とピニオン31とを用い、ラック30a、30bを昇降アーム10の第1アーム12及び第2アーム13の上端にそれぞれ取り付け、ピニオン31a、31bを第1移動台15及び第2移動台18の車輪17、20にそれぞれクラッチ32a、32bを介して取り付け、各ピニオン31a、31bを各ラック30a、30bに噛合させたものである。
【0069】
本実施の形態の据付装置1によれば、各クラッチ32a、32bをONにして、各移動台15、18の車輪17、20とピニオン31a、31bとをクラッチ32a、32bを介して連結し、この状態で、昇降アーム10の第1アーム12及び第2アーム13を開閉させることにより、第1アーム12及び第3アーム13と一体に各ラック30a、30bを図16中矢印方向に移動させることができ、各ラック30a、30bの移動に追従して各ピニオン31a、31bを回転させて、各移動台15、18を昇降台8上で移動させることができる。
【0070】
また、各クラッチ32a、32bをOFFにして、各移動台15、18の車輪17、20とピニオン31a、31bとのクラッチ32a、32bを介しての連結状態を解除し、各ピニオン31a、31bをフリーの状態とすることにより、昇降アーム10の第1アーム12及び第2アーム13を開閉させて、第1アーム12及び第2アーム13と一体に各ラック30a、30bを移動させても、各ラック30a、30b上で各ピニオン31a、31bがフリーの状態で回転することにより、各移動台15、18を昇降台8の上部に停止させた状態に固定することができる。
【0071】
そして、本実施の形態の据付装置1にあっても、前記実施の形態に示すものと同様の作用効果を奏する。
【0072】
なお、前記各実施の形態においては、昇降台8の上部に一対(第1移動台15及び第2移動台18)の移動台を設けたが、二対以上の移動台を設けて、各対の各移動台にそれぞれ索条を連結するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0073】
1 据付装置
2 基台
3 回転台
3a 枠材
3b 補強板
3c 支持レール
4 ストッパー(4a、4b)
5 回転手段
6 レール
7 走行台車(7a〜7d)
8 昇降台
9 昇降手段
10 昇降アーム
11 支持軸
12 第1アーム
13 第2アーム
14 移動台
15 第1移動台
16 本体
17 車輪
18 第2移動台
19 本体
20 車輪
22 移動固定手段
23 第1索条
24 第2索条
25 支持ローラ(25a〜25d)
26 第1クランプ
27 第2クランプ
28 第3クランプ
29 第4クランプ
30 ラック(30a、30b)
31 ピニオン(31a、31b)
32 クラッチ(32a、32b)
35 補助昇降手段
36 ジャッキ
38 台船
40 上部構造
41 縦桁(41a、41b)
42 杭(42a〜42d)
44 補強部分
45 補強桁(45a、45b)
46 傾斜面
47 凹部
48 受台(48a、48b)
49 傾斜面
50 凸部
51 台木

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台と、該基台の上部に昇降可能に設けられる昇降台と、該昇降台を昇降させる昇降手段と、前記昇降台の上部に設けられるとともに、前記昇降台の上昇に追従して互いに接近する方向に移動可能、かつ前記昇降台の下降に追従して互いに離間する方向に移動可能な少なくとも一対の移動台と、該移動台を前記昇降台の上部で移動させる状態と、前記昇降台の上部に固定する状態とに切り替える移動固定手段とを備えていることを特徴とする据付装置。
【請求項2】
前記昇降手段は、第1アームと第2アームとをX状に交差させるとともに、両アームを交差部を中心として回動可能に連結した昇降アームと、該昇降アームの両アームを回動させるアクチュエータとを備え、
前記昇降アームの両アームの上部に前記昇降台が設けられ、前記両アームの回動に追従して前記昇降台が昇降可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の据付装置。
【請求項3】
前記移動固定手段は、前記昇降台に移動可能に支持されるとともに、前記一対の移動台のうちの一方に連結される第1索条と、前記昇降台に移動可能に支持されるとともに、前記一対の移動台のうちの他方に連結される第2索条と、前記第1索条を前記昇降台に固定可能な第1クランプと、前記第2索条を前記昇降台に固定可能な第2索条と、前記第1アームに設けられるとともに、前記第1索条を前記第1アームに固定可能な第3クランプと、前記第2アームに設けられるとともに、前記第2索条を前記第2アームに固定可能な第4クランプとを備え、
前記第1クランプ及び前記第2クランプを介して前記第1索条及び前記第2索条を前記昇降台に固定することにより、前記少なくとも一対の移動台が前記昇降台の上部に固定され、
前記第3クランプ及び第4クランプを介して前記第1索条及び前記第2索条を前記第1アーム及び前記第2アームに固定することにより、前記両アームの回動に追従して、前記移動台が前記昇降台の上部で互いに接近又は離間する方向に移動することを特徴とする請求項2に記載の据付装置。
【請求項4】
水上構造物の上部構造の隣接する2本の縦桁の上部間に少なくとも2本の補強部材を設置する据付方法であって、
台船の上部に、基台と、該基台の上部に昇降可能に設けられる昇降台と、該昇降台を昇降させる昇降手段と、前記昇降台の上部に設けられるとともに、前記昇降台の上昇に追従して互いに接近する方向に移動可能、かつ前記昇降台の下降に追従して互いに離間する方向に移動可能な少なくとも一対の移動台と、該移動台を前記昇降台の上部で移動させる状態と、前記昇降台の上部に固定する状態とに切り替える移動固定手段とを備えた据付装置を設置し、該据付装置の前記移動台の上部に前記少なくとも2本の補強部材を載置する工程と、
前記台船を前記隣接する2本の縦桁を支持する杭間を通じて、前記2本の補強部材を設置する補強部分の下方に進入させる工程と、
前記昇降手段により前記昇降台と一体に前記移動台を上昇させて、前記補強部材を前記2本の縦桁よりも上方の高い位置まで上昇させる工程と、
前記昇降手段により前記昇降台を下降させながら、前記移動固定手段により前記移動台を互いに離間する方向に移動させて、前記少なくとも2本の補強部材間の間隔を拡げる工程とを備えていることを特徴とする据付方法。
【請求項5】
前記基台の上部に回転台が回動可能に設けられるとともに、該回転台の上部に前記昇降台が設けられ、前記台船を前記2本の縦桁を支持する杭間を通じて前記補強部分の下方に進入させる際に、前記回転台を回転させることにより、前記2本の補強部材の向きを前記両縦桁と平行となるように調整し、前記昇降手段により、前記両補強部材を前記両縦桁よりも上方の高い位置に上昇させた後に、前記回転台を回転させることにより、前記両補強部材の向きを前記両縦桁と直交するように調整することを特徴とする請求項4に記載の据付方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2013−2143(P2013−2143A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−134389(P2011−134389)
【出願日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(000000549)株式会社大林組 (1,758)
【Fターム(参考)】