説明

掃引ビームスポット及び汎用キャリッジを備えた走査型治療レーザー

【解決手段】 本発明はあらゆるタイプの光学素子を搭載しうる汎用キャリッジを備えた走査型レーザー装置である。キャリッジは入射レーザービームに対して実質的に同軸の軸の周りを回転するため、光学素子を通るレーザーエネルギーが360°回転し掃引される。望ましい実施形態では光学素子としてロッドレンズが使用され、結果として大きな円状のビームスポットが得られる。前記装置で様々な波長及びパルス周波数のレーザー源を使用してもよいし、複数の装置をより大きな範囲を走査するために組み合わせてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はレーザー光を利用した医療及びカイロプラクティック装置に関する。より具体的に、本発明はビームスポットを掃引する走査型ヘッドを組み込んだ治療レーザー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
低レベルレーザー治療(Low level laser therapy:LLLT)は様々な疾患の治療において低レベルレーザーエネルギーを利用する治療方法である。LLLTは創傷治癒を高め、浮腫を軽減し、様々な病因の疼痛を緩和するものであり、用途として、脂肪吸引術後の炎症及び疼痛を軽減するのに成功している。LLLTは、また脂肪吸引術後でだけではなく術中にも使用され、細胞間脂肪を細胞間隙に遊離させることによって脂肪の除去を促進する。LLLTはまた損傷した筋肉及び腱の治療及び修復、及び毛髪成長刺激のためにも使用される。
【0003】
LLLT治療は即時に検知できる治療組織の温度上昇や肉眼的に明らかな組織構造変化を生じさせない程度のエネルギー線量率を有する。結果的に治療された組織及び周辺の組織は加熱されず損傷されない。レーザー治療には多数の変数があり、レーザービームの波長、レーザービームに影響された範囲、レーザーエネルギー、パルス周波数、治療期間、及び組織特性を含む。各治療の成功はこれらの変数の関係及び組み合わせに依存する。例えば、脂肪吸引はある波長及び治療持続時間を使用するレジメンで進められてもよいし、一方疼痛は異なる波長及び治療持続時間を使用するレジメンにて治療され、炎症は第3のレジメンにて治療されてもよい。各治療法に対して特定の装置が当該技術分野において知られている。
【0004】
レーザー治療はまた毛髪の成長を止める又は無用な毛髪を除く除毛剤としても使用される。しかしながら、これらの装置は比較的高いレベルのレーザーエネルギーを使用しており、熱によって不快な毛包を破壊する。Millerによる米国特許第5,630,811号明細書は無用な毛髪を除くのに使用されるレーザーの発展について記載している。
【0005】
破壊的な結果を生む高レベルレーザーエネルギーのためレーザーは毛髪除去にだけに使用できるという以前から受け入れられていた考えとは対照的に、LLLTは近年、育毛方法としても認められている。育毛を促進する低レベルレーザー治療の生物刺激効果を利用するように設計されたある装置がスイス、ジュネーブのInca Asset Management S.A.に譲渡された国際出願第WO02098509号に記載されている。この特許出願は天蓋又はヘルメットを記載しており、このヘルメットは美容室のヘアードライヤーとして使用されるヘルメットに似ている。前記装置は台上に支えられ、患者の頭上に位置づけされる。4分の1周ほど前後に回転できるように、ヘルメット様装置が天蓋内に置かれる。
【0006】
前記発明はレーザー刺激及び休止の交互の周期を必要とする。これはヘルメット内部の2直線上に配列した数個のバンド状レーザーダイオードの形成によって得られる。ヘルメットが前後に振れるとレーザーダイオードからの光が患者の頭皮にまんべんなく掃引される。前記の2つの線は相殺されるので、へルメットが回転すると頭皮は十分に光に照らされる。天蓋の前面の制御パネルはヘルメットの回転及びレーザーダイオードの活性化を制御するのに使用される。別の実施形態には、多数のダイオードがヘルメットの内部にあるので、頭皮全体が照らされ回転する天蓋は必要ないという記載がある。レーザーダイオードの活性化が制御することで前記発明によって必要とされる刺激と休止の交互の周期が得られる。この発明の主な欠点は回転ヘルメットを得るための機械的必要性である。もう1つの欠点は多数のレーザーダイオードを使用するコストである。
【0007】
育毛の他の方法が知られており、光照射ダイオード(light−emitting diode:LED)、マッサージ、ホルモン刺激薬剤の適用による毛胞刺激という方法がある。例えば、Carlgrenによる米国特許第6,666,878号明細書はLEDの並んだ列を持つヘルメットを開示し、そのヘルメットは治療される頭皮の範囲の上を繰り返し動く光の帯をつくる。長時間繰り返しヘルメットを装着する不快感に加えて、この装置には頭皮を治療する多数のLEDが必要であり特別な頭の形状に対して治療範囲が制限されるという欠点があり、結果的にむらのある毛髪の成長を得る。
【0008】
Pearlらによる米国特許第6,497,719号明細書に記載されたもう1つの装置は櫛を組み合わせたレーザーを使用する。櫛の溝が遮えぎるもののない軌道を作り、レーザービームが使用者の頭皮に達する。しかしながら、各々の治療が比較的長く多くの治療が必要なので、手持ち式レーザーを使用するのは難しい。使用者の腕は要求された時間内にレーザーを持つのに疲れてしまう。これは治療の正確性と持続時間を制限する。
【0009】
もう1つの手持ち式レーザーが前記発明者の米国特許第6,013,096号明細書に記載される。この特許はレーザーからのビームを患者の皮膚に運ぶ赤色半導体レーザーと光学部品を内蔵する手持ち式筐体を記載する。単純なタイミング回路が提供され、これはレーザービームが棒から放出される時間の長さを制御する。光学装置によって放出された光線は患者の皮膚に線を作るが、患者の皮膚に作用する光線の形状を本願においてビームスポットと呼ぶ。
【0010】
私達の米国特許第6,746,473号明細書もまた参照され、その特許は一回の処置で複数の種類の問題に対する患者の治療をするため、異なる特長を持つ2つもしくはそれ以上のレーザービームを放出する装置を記載する。前記特許出願は複数のレーザーエネルギー源及び光学部品を内蔵し、レーザー源から患者へレーザービームを向ける手持ち式の棒を記載する。制御電子が当該技術分野においてはパルス頻度又はパルス幅として知られているパルス繰り返し率のようなパラメーターを変化させるために提供される。光学部品もまたレーザーアウトプットのビームの形状を選択するために提供され、それは結局ビームスポットを決定する。
【0011】
治療者があまり手を動かさずに又は多数の光源を使用せずに、患者のある場所に大きなビームスポットを加えることができると都合がよいだろうということがわかっていた。例えば、大きなビームスポットを使用すると、治療者は脂肪吸引術を受ける患者のほぼ全ての部分にエネルギーを加えることが可能であり、必要な時間患者の上に手でレーザーを前後に動かさなくてもよい。最小の数のレーザーを使用し毛髪の治療を受ける患者のほぼ全ての場所にエネルギーを加えることもまた望ましい。
【0012】
したがって、本発明の目的は比較的大きなビームスポットを掃引する走査ヘッドを組み込んだレーザー治療装置を提供することである。本発明の特定の目的は掃引ビームスポットを有する治療レーザー装置を提供し、損傷した筋及び腱、術後炎症、疼痛を治療し、及び脂肪吸引を促進する低レベルレーザー治療を提供することである。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は光学素子のあらゆるタイプを搭載しうる汎用キャリッジを持つ走査型レーザー装置である。キャリッジは入射レーザービームに実質的に同軸である軸の周りを回転するため、光学素子を通るレーザーエネルギーが360°回転し掃引される。望ましい実施形態では光学素子としてロッドレンズが使用され、結果として大きな円状のビームスポットが得られる。前記装置で様々な波長及びパルス周波数のレーザー源を使用してもよいし、複数の装置をより大きな範囲を走査するために組み合わせてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1はレーザー装置の模式図を図示し、電源12、少なくとも1つのレーザーエネルギー源11、レーザー制御13、走査ヘッド14、及びスキャナー制御15を含む。より望ましい実施形態において、レーザー制御13及びスキャナー制御15が制御手段17に組み込まれる。電源は電池によって提供されるもののように望ましくは直流電流を提供するが、代わりに交流電流で従来の建物のコンセントの電源(例:120V)によって提供されその後直流に変換されるようなものであってもよい。電源12を走査ヘッド14に内蔵してもよいし、電源に連結する電気ケーブルを使用し走査ヘッドとは別に配置してもよい。レーザー制御13はレーザーエネルギー源11に連結していて、レーザー光を発する時間を制御するオン/オフのスイッチとして作動するが、パルス周波数を制御するというような他の機能をまた持ってもよい。レーザー制御13の他の機能、スキャナー制御15、及び制御手段17について下記に言及する。
【0015】
レーザー源11から放射されるレーザービーム19の方向を走査ヘッド14の方へ定める。図2参照。望ましい実施形態において、走査ヘッドはレーザービーム19を通す空洞紡錘管20を有する。回転するキャリッジ18はレーザービーム19が入射する光学素子を持つ。望ましい実施形態において、レーザービーム19、紡錘管20及びキャリッジ18は実質的に同軸である。図3参照。
【0016】
望ましい実施形態において、レーザー光が光学素子に衝突すると光学素子が光線を発する。ロッドレンズ33が光学素子として望ましいが、プリズム又は他の光学素子又はそれらの組み合わせでも十分である。レーザービーム19が光学素子に衝突した時に光線が発生する。キャリッジ18が回転するにつれて前記光線も回転し、この光線は実質的に回転する円の直径となり明瞭な円状のビームスポットをつくる。キャリッジが360°回転すると前記光線もまた完全な円を掃引する。電子回路またはコンピューター化された制御手段を使用しキャリッジを自動的に非常に早く回転させることが可能であり、レーザービームによって患者の皮膚上に実質的な円状のビームスポットをつくるようである。図2及び5参照。しかしながら前記の形状は、実際は走査光直径がヒトの目にはほとんど知覚できない動きの速度で、ある場所からある場所へ掃引する結果得られるものである。光線が長いほど、ビームスポットは大きくなる。
【0017】
キャリッジは駆動アセンブリとともに回転する。駆動アセンブリは望ましくは主駆動ギア82であり、副駆動ギア83に結合する。副駆動ギアは主駆動モーター25によって駆動される。キャリッジ18は主駆動ギア82が回転するとともに軸の周りを回転する。このようにレーザーエネルギー源11からのレーザービームが空洞紡錘管20を通り光学素子に衝突し、その光学素子がレーザービームを光線へと屈折させ、その光線が前記回転と組み合わさって円状のビームスポットとして現れる。駆動アセンブリはまたスキャナー制御15から受信するシグナルに従いマイクロマニピュレーターによって制御されてもよく、そのスキャナー制御15は望ましくは制御手段17に組み込まれている。望ましくは当該技術分野において周知のように制御手段17はさらに様々な個々の回路で構成されるものである。さらなる形態においては、制御手段17は様々なモードで作動するようにプログラムされたマイクロプロセッサーである。
【0018】
レーザー光の方向を手持ち式の棒状の道具を使用して患者の望ましい場所の方へ向けてもよい。図5参照。望ましい実施形態において、前記棒は内部の空洞を規定する長い空洞管を含む筐体である。望ましい実施形態では、レーザーエネルギー源11を筐体の内部空洞に搭載するが、しかしながら、レーザーエネルギー源を遠隔設置し、レーザー光をファイバー光学素子によって筐体へ伝導することも可能である。前記筐体は必要に応じてレーザー光の方向を定めることができるいかなる形を取ってよく、例としては管状、T字状、実質的に円状、又は長方形状である。筐体は電源(例えば乾電池)を含んでもよいし、電源を遠隔設置し電気ケーブルによって電力を供給してもよい。走査ヘッドを各筐体に完全に収容してもよいし、各筐体の端に別に取り付けてもよい。
【0019】
患者の皮膚上の治療領域のあらゆる望ましい軌道を得るのに必要な作動様式で走査ヘッド14を動かすようにスキャナー制御15をまたプログラムしてもよい。さらにスキャナー制御15をレーザーアウトプットが他の場所よりもある場所に多く放射されるようにプログラムすることも可能であり、その結果ある場所はもう1つの場所よりもよりよく治療されるだろう。走査場所は重なってもよい。これは本発明を使用した独立型装置において、例えば1もしくはそれ以上のレーザー源を使用した低レベルレーザー治療を提供する独立型レーザー装置において特に有用であり、このことは同時審査中の米国特許出願第10/976,581号に記載されていて、この出願はこの参照によって本願明細書に組み込まれ下記に記載される。本発明はあらゆる特別にプログラムされた作動モードに制限されるものではなく、しかし実施例として次の作動モードが利用可能である。
1.走査ヘッドを一連の定められた場所に移動させ各場所にあらかじめセットされた時間留まらせるようにプログラムする。刺激を必要とする患者の特定の位置に合わせるためユーザーが前記場所をインプットしてもよい。
2.反復走査中に作動レーザーダイオードを変えることによって波長を周期的に変化させる。これによって複数の波長で患者を刺激できる。
3.ビーム形状光学の焦点位置を変え、患者上により小さな又はより大きなスポットサイズをつくる。
4.レーザー電源を変化させる。
【0020】
手持ち式装置と反対に、装置を独立型設定で作動させてもよい。例えば本装置を壁のような支持構造によって支えてもよいし、又は床又は診察台の上に置かれる持ち運びのできる台によって支えてもよい。この独立型装置によって筐体を動かさずにレーザービームを患者に走査することができる。図6は本発明の持ち運び可能な床に置かれる例を示す。2つの筐体42及び43は各々コネクター44及び45でアーム41と連結している。コネクターは硬くてもよいが、望ましくは筐体をあらゆる望ましい位置に動かすことができるように柔軟性があってもよい。レーザーの位置をさらに制御するためにアーム41を連結してもよい。アーム41は車輪47を持つ台46に取り付けられ、装置をあらゆる望ましい位置に移動させ、その後治療が行われている間実質的に静置させることが可能である。これは特に診察台に横になった又は車椅子に座った患者に都合がよい。制御手段17を筐体に電気的に連結し図6に示されているようにアーム41に備えつける。しかしながら前記制御手段を他の場所に備えつけることもでき、又はラジオ周波数又は当該技術分野で知られた他の方法を使用するリモートコントロールとして作動させることもできる。
【0021】
図8は壁に備えつけたアーム51に取り付けられた3つの筐体アセンブリ50を示す。アーム51は、あらゆる望ましい位置に動き、その後治療が行われている間実質的に静置することができるように当該技術分野において知られている方法で壁52に取り付けられている。アームがレーザーの位置をさらに制御するために連結していてもよい。制御手段17は筐体に電気的に連結し図10に示されているように壁に備えつけられる。しかしながら前記制御手段は他の場所に備えつけることもでき、又はラジオ周波数又は当該技術分野で知られた他の方法を使用するリモートコントロールとして作動させることもできる。アセンブリ50はそれがあらゆる望ましい位置に移動させることができるように当該技術分野で周知の方法でアーム51に取り付けられている。同様に筐体53、54、55は前記アセンブリに取り付けられているので各々を望ましい位置に移動させることができる。
【0022】
レーザー光が望ましくない位置に反射又は屈折するのを妨げるために遮蔽物が使用されてもよい。図8参照。前記遮蔽物は放射線を遮断する適切な場所に取り付けられる。例えば、遮蔽物61はアセンブリに取り付けられていてもよく、1もしくはそれ以上の筐体に取り付けられてもよいし、患者に着用されてもよい。図11は患者の頭で反射又は屈折する可能性のあるレーザー光を遮断する遮蔽物61を図示する。それは天蓋またはヘルメットのような形状であり望ましくはアセンブリ50に取り付けられレーザー光が天蓋から逃げないように筐体53、54、55は遮蔽物61を貫通する。遮蔽物は遮蔽する場所に合うように他の形状を取ってもよい。例えば、遮蔽物は患者の上体幹を遮蔽するため長方形又は半円柱形でもよい。
【0023】
図8は育毛のための低レベルレーザー放射の用途を図示する。患者71は薄毛でありレーザーアセンブリ50を彼の頭上に配置する。治療中患者は楽に座ったままでいてもよく又は診察台上に横になっていてもよく、患者を治療するのに治療者の介入は必要ない。望ましい実施形態において、制御手段17によって各筐体53、54、55の方向を定め、患者の頭皮への望ましいレーザー出力とともに望ましい各走査パターン73、74、75を伝達する。前記レーザー光の性質のため、前記患者のいかなる存在している髪を通して治療することが可能で、そのため髪又は頭皮に接触してレーザーのための軌道から髪を取り除く必要はない。
【0024】
最も低レベルのレーザー治療は約630nmと約670nmの間のスペクトルの赤色領域の単一波長において有効であることが証明されている。しかしながらLLLTは可視光、近赤外線、近紫外線領域を通して有効でありうることが示されている。レーザーダイオードは利用できるスペクトルのある限られた部分だけしか網羅していないものが現在利用可能であるので、他のレーザーエネルギー源が使用される。最大の利益を得るため2もしくはそれ以上の異なる波長にて患者を刺激することが望ましい。当業者は低レベルレーザー治療に使用するための様々なレーザーエネルギー源が当該技術分野で周知であるということに気付くであろう。それらは632nm波長を持つヘリウム−ネオンレーザー及び600〜800nmの間の広範囲の波長を持つ半導体ダイオードレーザーを含む。望ましい実施形態におけるレーザーエネルギー源は半導体レーザーダイオードであり、それは可視光スペクトルの赤色範囲の光をつくり、約635nmの波長を持つ。他の適した波長は他の特定の応用に対して使用される。望ましい実施形態は単一レーザーエネルギー源11を持つものとして記載されるが、2もしくはそれ以上のレーザーエネルギー源を持ってもよいだろう。これらのレーザー源はレーザーアセンブリの中にてお互いに接していてもよいし個々に支持構造についていてもよい。多数のLLLTのレジメンが紫外線または赤外線レーザー光を含む一方で、可視光のエネルギースペクトルの少なくとも1つのレーザービームを使用することは好都合であり、結果として操作者はレーザー光を見ることができ、それを作用させる時治療される患者の体及び範囲が簡単に規定できる。
【0025】
異なる治療レジメンは異なるワットのダイオードを必要とする。望ましいレーザーダイオードは各電源の1ワット以下を使用し同時に脂肪吸引を促進し、術後炎症や術後疼痛を治療し、同様に毛髪を回復させる。様々な他のワット数のダイオードをまたあるレジメンに望ましいレーザーエネルギーを得るのに使用してもよい。本発明の利点はより高い電源のレーザーを必要とせずにより大きな治療範囲を得ることができるということである。
【0026】
レーザー制御13は、望ましくは制御手段17に組み入れられ、放射するレーザー光の各パルスの持続時間及びパルス周波数を制御する。パルスがない時、レーザー光の連続したビームが発生する。0から100,000Hzもしくはそれ以上のパルス周波数を患者組織に対する望ましい効果を得るのに使用してもよい。LLLTレジメンの目標は、短いが十分に標的組織に電圧を加え周辺の組織には熱による損傷を与えないパルス幅を使用してレーザーエネルギーを標的組織に運ぶことである。
【0027】
本発明の望ましい実施形態であると現在考えられているものを図示し記載したが、本発明の要旨の範囲を越えることなく様々な変化と改良がなされてもよく同等のものが関連要素の代替になってもよいことが当業者に理解されるだろう。したがって本発明は本発明を実施するために熟慮された最良の様式として開示された特定の実施形態に制限されるものではなく、しかし本発明は補正された請求項の範囲に入る全ての実施形態を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】図1は本発明の望ましい実施形態の模式図である。
【図2】図2は本発明の望ましい実施形態の斜視図である。
【図3】図3はa及びb軸に沿って分解組立図で示した、望ましい実施形態の走査ヘッドの斜視図である。
【図4】図4はプリズムを持つ汎用キャリッジの図である。
【図4a】図4aはプリズムホルダー及びプリズムの分解組立図である。
【図5】図5は患者上にビームスポットを作る、本発明の望ましい実施形態の棒に搭載した例を図示したものである。
【図6】本発明の望ましい実施形態の持ち運び可能で床に支えられている例を図示したものである。
【図7】図7は本発明の望ましい実施形態の壁に取り付けられた例を図示したものである。
【図8】図8は遮蔽物を使用する本発明の例を図示したものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザービームを発生させる少なくとも1つのレーザーエネルギー源を有するレーザー装置であって、
a)前記レーザービームが入射する光学素子を搭載する回転可能なキャリッジを有し、
前記キャリッジが回転するにつれて前記レーザービームがビームスポットを掃引するように構成されている
レーザー装置。
【請求項2】
請求項1記載の装置において、前記キャリッジは前記レーザービームと実質的に同軸である軸の周りを回転するものである。
【請求項3】
請求項1記載の装置において、この装置は、さらに、前記キャリッジを回転させる手段を有するものである。
【請求項4】
請求項1記載の装置において、この装置は、さらに、前記キャリッジを回転させる駆動アセンブリを有するものである。
【請求項5】
請求項1記載の装置において、前記光学素子は光線生成光学素子である。
【請求項6】
請求項1記載の装置において、前記光学素子はプリズムである。
【請求項7】
請求項1記載の装置において、前記光学素子はロッドレンズである。
【請求項8】
請求項1記載の装置において、この装置は、さらに、前記キャリッジの動きを制御するスキャナー制御を有するものである。
【請求項9】
請求項1記載の装置において、少なくとも1つのレーザーエネルギー源は半導体ダイオードである。
【請求項10】
請求項9記載の装置において、前記キャリッジは実質的に前記半導体ダイオードと同軸である軸の周りを回転するものである。
【請求項11】
請求項1記載の装置において、前記レーザーエネルギー源は可視領域に波長を有するレーザービームを発生させるものである。
【請求項12】
請求項1記載の装置において、前記レーザーエネルギー源は赤色領域に波長を有するレーザービームをつくるものである。
【請求項13】
請求項1記載の装置において、この装置は、さらに、前記レーザービームのパルス周波数を制御するためのレーザー制御を有するものである。
【請求項14】
請求項1記載の前記装置において、この装置は、さらに、前記キャリッジを内蔵する手持ち式の棒を有するものである。
【請求項15】
請求項1記載の前記装置において、この装置は、さらに、前記キャリッジを内蔵する独立型支持構造を有するものである。
【請求項16】
請求項1記載の装置において、この装置は、さらに、
a)前記レーザービームと実質的に同軸である空洞紡錘管を有し、その中を通って前記レーザービームが光学素子に運ばれる走査ヘッドを有するものである。
【請求項17】
請求項16記載の装置において、この装置は、さらに、前記キャリッジを回転させる手段を有するものである。
【請求項18】
請求項16記載の装置において、この装置は、さらに、前記キャリッジを回転させる駆動アセンブリを有するものである。
【請求項19】
請求項18記載の装置において、前記駆動アセンブリは
a)主駆動ギア
b)副駆動ギア
c)前記主駆動ギアを前記副駆動ギアに協働させ前記キャリッジを回転させるモーターをさらに有するものである。
【請求項20】
請求項16記載の装置において、前記光学素子はプリズムである。
【請求項21】
請求項16記載の装置において、前記光学素子はロッドレンズである。
【請求項22】
請求項16記載の装置において、この装置は、さらに、前記光学素子の動きを制御するスキャナー制御を有するものである。
【請求項23】
請求項16記載の装置において、少なくとも1つのレーザーエネルギー源が半導体ダイオードである。
【請求項24】
請求項16記載の装置において、前記レーザーエネルギー源は可視領域に波長を有するレーザービームを発生させるものである。
【請求項25】
請求項16記載の装置において、前記レーザーエネルギー源は赤色領域に波長を有するレーザービームを発生させるものである。
【請求項26】
請求項16記載の装置において、この装置は、さらに、前記レーザービームのパルス周波数を制御するためのレーザー制御を有するものである。
【請求項27】
請求項16記載の装置において、この装置は、少なくとも2つのレーザーエネルギー源、可視レーザービームを放射する少なくとも1つの前記エネルギー源を有するものである。
【請求項28】
請求項16記載の装置において、この装置は、さらに、キャリッジを内蔵する手持ち式の棒を有するものである。
【請求項29】
請求項16記載の装置において、この装置は、さらに、キャリッジを内蔵する独立型支持構造を有するものである。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図4a】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2009−534102(P2009−534102A)
【公表日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−506591(P2009−506591)
【出願日】平成19年4月20日(2007.4.20)
【国際出願番号】PCT/US2007/009609
【国際公開番号】WO2007/124021
【国際公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【出願人】(508313002)セラピー プロダクツ、インク. (2)
【Fターム(参考)】