掃除具
【課題】容易にシート体を取付けることができ、低コストな掃除具を提供することを目的とする。
【解決手段】掃除具は、上カバー26と下カバー27とを嵌合して形成される本体と、脱着自在のシート体24とから形成される。本体には第1開口31と第2開口33とが隣接する2つの外壁に形成され、その中間に位置するコーナー部に中間部分29が形成されている。又、シート体は平面視十字形状で構成され、使用時には両端部が第1開口31と第2開口33とに差し込むだけで取付できる。更に、開口の幅よりもシート体24の中央部の幅が長いので、使用時にシート体24が更に開口内に移動して外れるようなことはない。又、部品点数が2点であり、低コストの掃除具を提供することができる。
【解決手段】掃除具は、上カバー26と下カバー27とを嵌合して形成される本体と、脱着自在のシート体24とから形成される。本体には第1開口31と第2開口33とが隣接する2つの外壁に形成され、その中間に位置するコーナー部に中間部分29が形成されている。又、シート体は平面視十字形状で構成され、使用時には両端部が第1開口31と第2開口33とに差し込むだけで取付できる。更に、開口の幅よりもシート体24の中央部の幅が長いので、使用時にシート体24が更に開口内に移動して外れるようなことはない。又、部品点数が2点であり、低コストの掃除具を提供することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は掃除具に関し、特に台所の加熱器具等や洗面所等に付着した汚れを手を汚すことなく簡単に落とすことができる清掃具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図15は特許文献1に記載されている従来の清掃具の概略構造を示した平面図であり、図16は図15に示したXVI−XVIラインの断面図である。
【0003】
これらの図を参照して、ピンセット型の清掃具61は、先端部の払拭シート62を挟持するための挟持部68a及び68bを有する1対の挟持アーム65a及び65bと、挟持アーム65a及び65bの基端部と一体に連結され、挟持アーム65a及び65bの先端から前方に延出する弾性部材66とから構成されている。更に、払拭シート62は、弾性部材66の先端部を覆うように装着され、その状態で弾性部材66と挟持アーム65a及び65bとの間に弾力的に挟持されている。
【0004】
これによって、清掃中に清掃具61を一時的に手から放した場合であっても、挟持アーム65a及び65bが開いて払拭シート62が脱落することはない。又、払拭シート62は、弾性部材66の弾力により対象部位に押し付けて摺擦することにより汚れ落としを行うので、高い清掃効率が得られる。
【特許文献1】特開2001−87196号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような従来の清掃具では、挟持アームと弾性部材の2つの部品を組み合わせながら払拭シートを取付けなければならず、非常に煩わしい。更に、部品点数が3点であり生産コストがかかる。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、容易に払拭シートを取付けることができ、低コストの掃除具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、掃除具であって、少なくとも第1開口と第2開口とがその外壁に形成されている本体と、清掃機能を有し、外壁のうち、第1開口と第2開口との間の中間部分を覆うように取付けられ、その両端部を第1開口及び第2開口の各々に脱着自在に差し込むことによって本体に一体的に保持されるシート体とを備えたものである。
【0008】
このように構成すると、本体とシート体とによってのみ掃除具が構成される。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、第1開口と第2開口とは、隣接する二つの外壁に形成され、中間部分は、外壁の各々の接続部分によって構成されるコーナー部を含むように形成されたものである。
【0010】
このように構成すると、シート体はコーナー部を覆うように取付けられる。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明の構成において、第1開口及び第2開口の少なくとも一方の高さは前記シート体の厚さにほぼ等しく形成されたものである。
【0012】
このように構成すると、シート体の本体への保持状態が安定する。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、第1開口と第2開口とは同一外壁に形成され、中間部分は外壁の一部を含むように形成されたものである。
【0014】
このように構成すると、外壁面に沿ってシート体は保持される。
【0015】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、本体はほぼ直方体形状を有し、第1開口は本体の第1の側壁に形成され、第2開口は本体の第1の側壁に対向する第2の側壁に形成され、中間部分は第1の側壁及び第2の側壁に接続する底壁を含むように形成されたものである。
【0016】
このように構成すると、底壁面に沿ってシート体は保持される。
【0017】
請求項6記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の発明の構成において、中間部分の摩擦係数は本体の他の部分の摩擦係数より大きく設定されたものである。
【0018】
このように構成すると、使用時におけるシート体と中間部分との間の摩擦力が増加する。
【0019】
請求項7記載の発明は、請求項1から請求項6のいずれかに記載の発明の構成において、シート体の両面には研磨剤が塗布されたものである。
【0020】
このように構成すると、シート体の本体に接触する部分の摩擦力が増加する。
【0021】
請求項8記載の発明は、請求項1から請求項7のいずれかに記載の発明の構成において、シート体は各々の平面視が矩形状の先端部、中央部及び後端部を順次接続した平面視十字状を有すると共に、先端部及び前記後端部の前記中央部に接続する接続部分の幅は同一であり、第1開口には先端部が差し込まれ、第2開口には後端部が差し込まれ、中央部の接続部分を含む部分の幅は、第1開口の幅及び前記第2開口の幅より大きく形成されたものである。
【0022】
このように構成すると、先端部及び後端部が第1開口及び第2開口に完全に差し込まれると、第1開口及び第2開口の縁に中央部が当接する。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように、請求項1記載の発明は、本体とシート体とによってのみ掃除具が構成されるので、簡易な構成となり、更に、汚れに応じてシート体を取り替えることができるため使い勝手が良い。
【0024】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、シート体がコーナー部を覆うように取付けられるので、コーナー部を介してシート体に力を加えやすくなる。
【0025】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明の効果に加えて、シート体の本体への保持状態が安定するので、使用時にシート体が本体から外れる虞が少なくなる。
【0026】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、外壁面に沿ってシート体は保持されるので、清掃面に対して同時に接するシート体の面積が拡大する。
【0027】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、底壁面に沿ってシート体は保持されるので、清掃面に対して同時に接するシート体の面積が拡大する。
【0028】
請求項6記載の発明は、請求項1から請求項5記載のいずれかに記載の発明の効果に加えて、使用時におけるシート体と中間部分との間の摩擦力が増加するので、シート体の使用時における本体に対するずれが減少する。
【0029】
請求項7記載の発明は、請求項1から請求項6記載のいずれかに記載の発明の効果に加えて、シート体の本体に接触する部分の摩擦力が増加するので、シート体の使用時における本体に対するずれが減少すると共に、シート体の汚れ除去効果がより発揮される。
【0030】
請求項8記載の発明は、請求項1から請求項7記載のいずれかに記載の発明の効果に加えて、先端部及び後端部が第1開口及び第2開口に完全に差し込まれると、第1開口及び第2開口の縁に中央部が当接するので、シート体はそれ以上第1開口及び第2開口内に移動しないため、取り付け状態が安定する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
図1はこの発明の第1の実施の形態による掃除具の外観形状を上方側からみた斜視図であり、図2はこの発明の第1の実施の形態による掃除具の外観形状を下方側からみた斜視図である。
【0032】
これらの図を参照して、掃除具21は、マウス形状の本体23と、本体23の先端部に脱着自在に取付けられた清掃機能を有するシート体24とから構成されている。
【0033】
図3は図1に対応した図であって、掃除具からシート体を取外した状態の本体の外観形状を示した斜視図であり、図4は図2に対応した図であって、掃除具からシート体を取外した状態の本体の外観形状を示した斜視図であり、図5は掃除具のシート体の概略構造を示した斜視図である。
【0034】
これらの図を参照して、本体23はポリプロピレンの射出成形により形成され、上カバー26と下カバー27とを嵌合して一体的に構成されている。本体23は全体として正面視略矩形形状で形成されており、持ちやすいように隅角部なしで構成されている。第1開口31(幅W1、高さH1)と第2開口33(幅W2、高さH2)は隣接する2つの外壁に形成される。つまり、下カバー27の前壁の上方側に正面視矩形形状の第1開口31が形成され、下カバー27の底壁の前方側に正面視矩形形状の第2開口33が形成されている。更に、第1開口31と第2開口33とが形成される外壁の接続部分に当たる曲面状のコーナー部分が中間部分29となる。又、下カバー27の内部であって第2開口33の後方側の縁に、シート体24を補助的に保持する複数の突起体35が形成されている。尚、突起体35は必ずしも必要とするものではないが、後述するようにシート体24の抜け止め効果を奏するため好ましいものである。
【0035】
図5を参照して、シート体24は厚さTが一定の研磨シートを平面視十字形状に打抜くことで形成されている。研磨シートはナイロン素材で形成され、水酸化アルミニウムや酸化アルミニウムからなる研磨剤を、スプレーでナイロン素材に吹き付けて形成される。シート体24は、上述のように、全体として平面視十字形状であり、平面視矩形形状の先端部37、中央部38及び後端部39を順次接続したように構成されている。先端部37の中央部38に接続する部分の幅A1と後端部39の中央部38に接続する部分の幅A2はほぼ同一で、中央部38の幅Bは先端部37の幅A1及び後端部39の幅A2よりも大きく形成されている。更に、第1開口31に差し込まれる先端部37の幅L1は、第2開口33に差し込まれる後端部39の幅L2よりも小さくなるように形成されている。
【0036】
尚、シート体24の素材は、上記以外に不織布、ウレタンスポンジ、セルローススポンジ、サンドペーパーであってもよい。又、後述するように、これらの素材は除去しようとする汚れの種類に応じて取り替えて使用することもできる。
【0037】
次に図1から図5を参照して、本体23に対するシート体24の装着方法について説明する。
【0038】
本体23にシート体24を取付ける際には、まず、第1開口31に直交するようにシート体24の先端部37を差し込み、次に中央部38を中間部分29に沿うように曲げ、この状態で第2開口33にシート体24の後端部39を斜め方向に差し込む。そのため、第1開口31の高さH1とシート体24の先端部37の厚みTは略等しく、更に、第1開口31の幅W1は先端部37の幅A1よりやや大きく設定されている。又、第2開口33の高さH2はシート体24の後端部39の厚みTの約2倍に設定され、第2開口33の幅W2は後端部39の幅A2と略等しく設定されている。これによって、シート体24の装着が容易となると同時に、本体23による保持状態が安定し、使用時にシート体24が本体23から外れる虞が少なくなる。尚、第2開口33の縁の内部には上述のように突起体35が形成されているため、挿入されたシート体24の後端部39に対して抜け止め効果を発揮する。
【0039】
更に、中央部38の幅Bは、第1開口31及び第2開口33の幅W1及びW2より大きく形成されているので、使用時にずれることはない。つまり、先端部37及び後端部39が第1開口31及び第2開口33に完全に差し込まれると、第1開口31及び第2開口33の縁に中央部38が当接する。これによって、シート体24はそれ以上第1開口31及び第2開口33内に移動しないため、取付状態が安定する。従って、本体23の第1開口31及び第2開口33にシート体24を差込むだけでよいので手軽である。又、部品点数が本体23とシート体24の2点であり、低コストの掃除具を提供することができる。更に、シート体24は組み替え式になっており、汚れに合わせて上述の種類のシートを選択することで、効率的に汚れを落とすことができる。
【0040】
次に掃除具21の使用状態について説明する。
【0041】
図6は図1で示したVI−VIラインから見た図に対応し、掃除具の使用状態を示した図であり、図7は図1で示したVII−VIIラインの断面図に対応し、掃除具の使用状態を示した図である。
【0042】
これらの図を参照して、使用に際しては、本体23を指で掴みシート体24の中央部38が清掃面43に接しやすいように本体23を清掃面43に対して傾斜させて使用する。この状態で、清掃面43上に付着した汚れ44をシート体24によって擦るように除去する。汚れ44を落とす際に、コーナー部である中間部分29に本体23を介して力が加わるため清掃効果が高まると共に本体23の他の部分よりも中間部分29のシート体24にかかる摩擦力が増加する。その結果、シート体24の使用時における本体23に対するずれが減少する。又、シート体24は上述のように研磨剤が塗付されているので、シート体24の本体23に接触する部分の摩擦力がさらに増大し、シート体24の使用時における本体23に対するずれがさらに減少する。これによって、使用時にはシート体24に力を強く加えることが可能となると共に、シート体24が外れないという効果的な仕組みとなる。尚、この実施の形態では、中間部分29の表面は他の部分の表面と同一仕上げであるが、中間部分29の表面のみ凹凸を付けたり、ざらつかせたりして摩擦抵抗を大きくするようにすれば、シート体24の保持状態が更に安定する。
【0043】
図8はこの発明の第2の実施の形態による掃除具のシート体の正面図である。
【0044】
図を参照して、この実施の形態にあっては、シート体24の形状が正面視略六角形形状である。掃除具21の本体23については先の第1の実施の形態によるものと同一であるため、ここでの説明は繰り返さない。又、シート体24の材質については、先の第1の実施の形態によるものと同一のものを使用することができる。差込部47a及び47bは、本体の第1開口31又は第2開口33に差し込むことができる部分であって、それ以外の部分の残存部48がシート体24の中間部分29になる。従って、差込部47a及び47bの幅が、第1開口31及び第2開口33の幅W1及びW2と略等しくなることになる。つまり、シート体24の差込部47aと残存部48との境界線の部分及び差込部47bと残存部48との境界線の部分の各々が第1開口31及び第2開口33の縁に当接する。その結果、シート体24の残存部48はそれ以上第1開口31及び第2開口33内に移動しないため、取付状態が安定し、使用時にずれない構造となる。又、2点鎖線で示したように、シート体24は同一形状で連続的に大きなシートから打抜くことができるため、生産するときに歩留まりがよい形状となり、生産コストが少なくてすむ。
【0045】
図9はこの発明の第3の実施の形態による掃除具のシート体の正面図である。
【0046】
図を参照して、この実施の形態にあっては、シート体24の形状が正面視菱形形状である。掃除具21の本体については、先の第1の実施の形態によるものと同一であるため、ここでの説明は繰り返さない。又、シート体24の材質については、先の第1の実施の形態によるものと同一のものを使用することができる。差込部47a及び47bと第1開口31及び第2開口33の関係ついては、先の第2の実施の形態によるものと略同一であるため、ここでの説明は繰り返さない。尚、本体23にシート体24を装着した時、シート体24の残存部48に対向する2つの角49a,49bができるので、隅を清掃しやすくなる。又、第2の実施の形態と同様に2点鎖線で示したように、生産するときに歩留まりがよい形状となり、更に生産コストが少なくてすむ。
【0047】
図10はこの発明の第4の実施の形態による掃除具の底面図であり、図11は図10で示したXI−XIラインから見た図であり、図12は図10で示したXII−XIIラインの断面図である。
【0048】
これらの図を参照して、この実施の形態にあっては、ポリプロピレンの射出成形よりなる略直方体形状の本体23と、本体23の底壁50に脱着自在に取付けられたシート体24とから構成されている。本体23の上壁に取手51が取付けられ、第1開口31と第2開口33とが同一底壁50に形成されている。従って、第1開口31と第2開口33との間の底壁50の部分が中間部分29となる。第1開口31及び第2開口33の形状の各々は、先の第1の実施の形態の第2開口33によるものと略同一形状であるため、ここでの説明は繰り返さない。更に、シート体24の形状は、第1開口31及び第2開口33に差し込まれる部分の先端部37の長さと後端部39の長さが略等しいこと以外は、先の第1の実施の形態によるものと同一であるため、ここでの説明は繰り返さない。
【0049】
次に、この実施の形態による掃除具の使用方法について説明する。
【0050】
まず、この掃除具を使用するとき、第1開口31にシート体24の先端部37を差し込み、第2開口33にシート体24の後端部39を差し込む。その結果、シート体24の中央部38は平坦な中間部分29に沿うことになる。これによって、清掃面43に対して中央部38の大部分が同時に接することになり、シート体24の接触面積が拡大するので、一度に清掃できる面が拡大する。又、取手51が取付けられているので、掃除しやすくなる。
【0051】
図13は図11に対応した図であって、この発明の第5の実施の形態による掃除具の側面図であり、図14は図12に対応した図であって、この発明の第5の実施の形態による掃除具の断面図である。
【0052】
これらの図を参照して、この実施の形態にあっては、ポリプロピレンの射出成形よりなる略直方体形状の本体23と、本体23の底壁50と側壁53a及び53bの下方側に脱着自在に取付けられたシート体24とから構成されている。本体23の上壁に取手51が取付けられ、第1開口31は本体23の側壁53aに形成され、第2開口33は本体23の側壁53aに対向する側壁53bに形成されている。従って、第1開口31と第2開口33との間の底壁50が中間部分29となる。第1開口31及び第2開口33の形状の各々は、先の第1の実施の形態の第2開口33によるものと略同一であるため、ここでの説明は繰り返さない。更に、シート体24の形状は、第1開口31及び第2開口33に差込まれる部分の先端部37の長さと後端部39の長さとが略等しいこと以外は、先の第1の実施の形態によるものと同一であるため、ここでの説明は繰り返さない。
【0053】
次に、この実施の形態による掃除具の使用方法について説明する。
【0054】
まず、この掃除具を使用するとき、中央部38を底壁50に被せ、その状態で第1開口31にシート体24の先端部37を差し込み、第2開口33にシート体24の後端部39を差し込む。その結果、シート体24の中央部38は平坦な中間部分29の全面に沿うことになる。これによって、清掃面43に対して接するシート体24の部分が、底壁50を覆う中央部38の全面に更に拡大するので、一度に清掃できる面が拡大する。又、側壁53a及び53bと底壁50の接続部分に当たる2つのコーナー部があるので、細かい面や隅を清掃することができる。更に、取手51が取付けられているので、清掃しやすくなる。
【0055】
尚、上記の各実施の形態では、シート体を装着する開口が第1開口又は第2開口の2つ形成されているが、3つ以上形成されていてもよい。
【0056】
又、上記の各実施の形態では、本体の素材はポリプロピレンであるが、ポリエチレン、ABS、アクリル樹脂等の他の樹脂でもよい。
【0057】
更に、上記各実施の形態では、シート体には研磨剤が塗布されているが、研磨剤はなくても良い。この場合、本体に接触する部分の摩擦力が増加するような物質を付加すればより好ましい。
【0058】
更に、上記の各実施の形態では、シート体の形状が平面視十字形状、正面視六角形形状及び正面視菱形形状で構成されているが、単なる矩形形状等の他の形状であっても良い。この場合、第1開口及び第2開口の縁にシート体の中央部が当接し、シート体が第1開口及び第2開口内にそれ以上移動しない形状であればより好ましい。
【0059】
更に、上記の第4及び第5の実施の形態では、本体が直方体形状であるが、第1開口及び第2開口間のシート体を保持する面が、少なくともほぼ平坦面を有する形状であれば他の形状でもよい。
【0060】
更に、上記の第5の実施の形態では、本体が直方体形状であり、開口を側壁に形成し、中間部分を底壁に対応させているが、開口の一方を第1の側壁に形成し、開口の他方を底壁に形成しても良い。この場合、中間部分はこの第1の側壁と底壁に隣接する第2の側壁とし、第2の側壁を中央部として両端部を開口の各々に差し込める形状のL字状のシート体とすれば良い。そうすると、使用時に中央部の一部に角ができるため狭いスペースの清掃にも対応できることになり使い勝手が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】この発明の第1の実施の形態による掃除具の外観形状を上方側からみた斜視図である。
【図2】この発明の第1の実施の形態による掃除具の外観形状を下方側からみた斜視図である。
【図3】図1に対応した図であって、掃除具からシート体を取外した状態の本体の外観形状を示した斜視図である。
【図4】図2に対応した図であって、掃除具からシート体を取外した状態の本体の外観形状を示した斜視図である。
【図5】図1で示した掃除具のシート体の概略構造を示した斜視図である。
【図6】図1で示したVI−VIラインから見た図に対応し、掃除具の使用状態を示した図である。
【図7】図1で示したVII−VIIラインの断面図に対応し、掃除具の使用状態を示した図である。
【図8】この発明の第2の実施の形態による掃除具のシート体の正面図である。
【図9】この発明の第3の実施の形態による掃除具のシート体の正面図である。
【図10】この発明の第4の実施の形態による掃除具の底面図である。
【図11】図10で示したXI−XIラインから見た図である。
【図12】図10で示したXII−XIIラインの断面図である。
【図13】図11に対応した図であって、この発明の第5の実施の形態による掃除具の側面図である。
【図14】図12に対応した図であって、この発明の第5の実施の形態による掃除具の断面図である。
【図15】従来の掃除具の概略構造を示した平面図である。
【図16】図15で示したXVI−XVIラインの断面図である。
【符号の説明】
【0062】
21…掃除具
23…本体
24…シート体
29…中間部分
31…第1開口
33…第2開口
37…先端部
38…中央部
39…後端部
50…底壁
53…側壁
尚、各図中の同一符号は同一又は相当部分を示す。
【技術分野】
【0001】
この発明は掃除具に関し、特に台所の加熱器具等や洗面所等に付着した汚れを手を汚すことなく簡単に落とすことができる清掃具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図15は特許文献1に記載されている従来の清掃具の概略構造を示した平面図であり、図16は図15に示したXVI−XVIラインの断面図である。
【0003】
これらの図を参照して、ピンセット型の清掃具61は、先端部の払拭シート62を挟持するための挟持部68a及び68bを有する1対の挟持アーム65a及び65bと、挟持アーム65a及び65bの基端部と一体に連結され、挟持アーム65a及び65bの先端から前方に延出する弾性部材66とから構成されている。更に、払拭シート62は、弾性部材66の先端部を覆うように装着され、その状態で弾性部材66と挟持アーム65a及び65bとの間に弾力的に挟持されている。
【0004】
これによって、清掃中に清掃具61を一時的に手から放した場合であっても、挟持アーム65a及び65bが開いて払拭シート62が脱落することはない。又、払拭シート62は、弾性部材66の弾力により対象部位に押し付けて摺擦することにより汚れ落としを行うので、高い清掃効率が得られる。
【特許文献1】特開2001−87196号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような従来の清掃具では、挟持アームと弾性部材の2つの部品を組み合わせながら払拭シートを取付けなければならず、非常に煩わしい。更に、部品点数が3点であり生産コストがかかる。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、容易に払拭シートを取付けることができ、低コストの掃除具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、掃除具であって、少なくとも第1開口と第2開口とがその外壁に形成されている本体と、清掃機能を有し、外壁のうち、第1開口と第2開口との間の中間部分を覆うように取付けられ、その両端部を第1開口及び第2開口の各々に脱着自在に差し込むことによって本体に一体的に保持されるシート体とを備えたものである。
【0008】
このように構成すると、本体とシート体とによってのみ掃除具が構成される。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、第1開口と第2開口とは、隣接する二つの外壁に形成され、中間部分は、外壁の各々の接続部分によって構成されるコーナー部を含むように形成されたものである。
【0010】
このように構成すると、シート体はコーナー部を覆うように取付けられる。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明の構成において、第1開口及び第2開口の少なくとも一方の高さは前記シート体の厚さにほぼ等しく形成されたものである。
【0012】
このように構成すると、シート体の本体への保持状態が安定する。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、第1開口と第2開口とは同一外壁に形成され、中間部分は外壁の一部を含むように形成されたものである。
【0014】
このように構成すると、外壁面に沿ってシート体は保持される。
【0015】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、本体はほぼ直方体形状を有し、第1開口は本体の第1の側壁に形成され、第2開口は本体の第1の側壁に対向する第2の側壁に形成され、中間部分は第1の側壁及び第2の側壁に接続する底壁を含むように形成されたものである。
【0016】
このように構成すると、底壁面に沿ってシート体は保持される。
【0017】
請求項6記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の発明の構成において、中間部分の摩擦係数は本体の他の部分の摩擦係数より大きく設定されたものである。
【0018】
このように構成すると、使用時におけるシート体と中間部分との間の摩擦力が増加する。
【0019】
請求項7記載の発明は、請求項1から請求項6のいずれかに記載の発明の構成において、シート体の両面には研磨剤が塗布されたものである。
【0020】
このように構成すると、シート体の本体に接触する部分の摩擦力が増加する。
【0021】
請求項8記載の発明は、請求項1から請求項7のいずれかに記載の発明の構成において、シート体は各々の平面視が矩形状の先端部、中央部及び後端部を順次接続した平面視十字状を有すると共に、先端部及び前記後端部の前記中央部に接続する接続部分の幅は同一であり、第1開口には先端部が差し込まれ、第2開口には後端部が差し込まれ、中央部の接続部分を含む部分の幅は、第1開口の幅及び前記第2開口の幅より大きく形成されたものである。
【0022】
このように構成すると、先端部及び後端部が第1開口及び第2開口に完全に差し込まれると、第1開口及び第2開口の縁に中央部が当接する。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように、請求項1記載の発明は、本体とシート体とによってのみ掃除具が構成されるので、簡易な構成となり、更に、汚れに応じてシート体を取り替えることができるため使い勝手が良い。
【0024】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、シート体がコーナー部を覆うように取付けられるので、コーナー部を介してシート体に力を加えやすくなる。
【0025】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明の効果に加えて、シート体の本体への保持状態が安定するので、使用時にシート体が本体から外れる虞が少なくなる。
【0026】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、外壁面に沿ってシート体は保持されるので、清掃面に対して同時に接するシート体の面積が拡大する。
【0027】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、底壁面に沿ってシート体は保持されるので、清掃面に対して同時に接するシート体の面積が拡大する。
【0028】
請求項6記載の発明は、請求項1から請求項5記載のいずれかに記載の発明の効果に加えて、使用時におけるシート体と中間部分との間の摩擦力が増加するので、シート体の使用時における本体に対するずれが減少する。
【0029】
請求項7記載の発明は、請求項1から請求項6記載のいずれかに記載の発明の効果に加えて、シート体の本体に接触する部分の摩擦力が増加するので、シート体の使用時における本体に対するずれが減少すると共に、シート体の汚れ除去効果がより発揮される。
【0030】
請求項8記載の発明は、請求項1から請求項7記載のいずれかに記載の発明の効果に加えて、先端部及び後端部が第1開口及び第2開口に完全に差し込まれると、第1開口及び第2開口の縁に中央部が当接するので、シート体はそれ以上第1開口及び第2開口内に移動しないため、取り付け状態が安定する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
図1はこの発明の第1の実施の形態による掃除具の外観形状を上方側からみた斜視図であり、図2はこの発明の第1の実施の形態による掃除具の外観形状を下方側からみた斜視図である。
【0032】
これらの図を参照して、掃除具21は、マウス形状の本体23と、本体23の先端部に脱着自在に取付けられた清掃機能を有するシート体24とから構成されている。
【0033】
図3は図1に対応した図であって、掃除具からシート体を取外した状態の本体の外観形状を示した斜視図であり、図4は図2に対応した図であって、掃除具からシート体を取外した状態の本体の外観形状を示した斜視図であり、図5は掃除具のシート体の概略構造を示した斜視図である。
【0034】
これらの図を参照して、本体23はポリプロピレンの射出成形により形成され、上カバー26と下カバー27とを嵌合して一体的に構成されている。本体23は全体として正面視略矩形形状で形成されており、持ちやすいように隅角部なしで構成されている。第1開口31(幅W1、高さH1)と第2開口33(幅W2、高さH2)は隣接する2つの外壁に形成される。つまり、下カバー27の前壁の上方側に正面視矩形形状の第1開口31が形成され、下カバー27の底壁の前方側に正面視矩形形状の第2開口33が形成されている。更に、第1開口31と第2開口33とが形成される外壁の接続部分に当たる曲面状のコーナー部分が中間部分29となる。又、下カバー27の内部であって第2開口33の後方側の縁に、シート体24を補助的に保持する複数の突起体35が形成されている。尚、突起体35は必ずしも必要とするものではないが、後述するようにシート体24の抜け止め効果を奏するため好ましいものである。
【0035】
図5を参照して、シート体24は厚さTが一定の研磨シートを平面視十字形状に打抜くことで形成されている。研磨シートはナイロン素材で形成され、水酸化アルミニウムや酸化アルミニウムからなる研磨剤を、スプレーでナイロン素材に吹き付けて形成される。シート体24は、上述のように、全体として平面視十字形状であり、平面視矩形形状の先端部37、中央部38及び後端部39を順次接続したように構成されている。先端部37の中央部38に接続する部分の幅A1と後端部39の中央部38に接続する部分の幅A2はほぼ同一で、中央部38の幅Bは先端部37の幅A1及び後端部39の幅A2よりも大きく形成されている。更に、第1開口31に差し込まれる先端部37の幅L1は、第2開口33に差し込まれる後端部39の幅L2よりも小さくなるように形成されている。
【0036】
尚、シート体24の素材は、上記以外に不織布、ウレタンスポンジ、セルローススポンジ、サンドペーパーであってもよい。又、後述するように、これらの素材は除去しようとする汚れの種類に応じて取り替えて使用することもできる。
【0037】
次に図1から図5を参照して、本体23に対するシート体24の装着方法について説明する。
【0038】
本体23にシート体24を取付ける際には、まず、第1開口31に直交するようにシート体24の先端部37を差し込み、次に中央部38を中間部分29に沿うように曲げ、この状態で第2開口33にシート体24の後端部39を斜め方向に差し込む。そのため、第1開口31の高さH1とシート体24の先端部37の厚みTは略等しく、更に、第1開口31の幅W1は先端部37の幅A1よりやや大きく設定されている。又、第2開口33の高さH2はシート体24の後端部39の厚みTの約2倍に設定され、第2開口33の幅W2は後端部39の幅A2と略等しく設定されている。これによって、シート体24の装着が容易となると同時に、本体23による保持状態が安定し、使用時にシート体24が本体23から外れる虞が少なくなる。尚、第2開口33の縁の内部には上述のように突起体35が形成されているため、挿入されたシート体24の後端部39に対して抜け止め効果を発揮する。
【0039】
更に、中央部38の幅Bは、第1開口31及び第2開口33の幅W1及びW2より大きく形成されているので、使用時にずれることはない。つまり、先端部37及び後端部39が第1開口31及び第2開口33に完全に差し込まれると、第1開口31及び第2開口33の縁に中央部38が当接する。これによって、シート体24はそれ以上第1開口31及び第2開口33内に移動しないため、取付状態が安定する。従って、本体23の第1開口31及び第2開口33にシート体24を差込むだけでよいので手軽である。又、部品点数が本体23とシート体24の2点であり、低コストの掃除具を提供することができる。更に、シート体24は組み替え式になっており、汚れに合わせて上述の種類のシートを選択することで、効率的に汚れを落とすことができる。
【0040】
次に掃除具21の使用状態について説明する。
【0041】
図6は図1で示したVI−VIラインから見た図に対応し、掃除具の使用状態を示した図であり、図7は図1で示したVII−VIIラインの断面図に対応し、掃除具の使用状態を示した図である。
【0042】
これらの図を参照して、使用に際しては、本体23を指で掴みシート体24の中央部38が清掃面43に接しやすいように本体23を清掃面43に対して傾斜させて使用する。この状態で、清掃面43上に付着した汚れ44をシート体24によって擦るように除去する。汚れ44を落とす際に、コーナー部である中間部分29に本体23を介して力が加わるため清掃効果が高まると共に本体23の他の部分よりも中間部分29のシート体24にかかる摩擦力が増加する。その結果、シート体24の使用時における本体23に対するずれが減少する。又、シート体24は上述のように研磨剤が塗付されているので、シート体24の本体23に接触する部分の摩擦力がさらに増大し、シート体24の使用時における本体23に対するずれがさらに減少する。これによって、使用時にはシート体24に力を強く加えることが可能となると共に、シート体24が外れないという効果的な仕組みとなる。尚、この実施の形態では、中間部分29の表面は他の部分の表面と同一仕上げであるが、中間部分29の表面のみ凹凸を付けたり、ざらつかせたりして摩擦抵抗を大きくするようにすれば、シート体24の保持状態が更に安定する。
【0043】
図8はこの発明の第2の実施の形態による掃除具のシート体の正面図である。
【0044】
図を参照して、この実施の形態にあっては、シート体24の形状が正面視略六角形形状である。掃除具21の本体23については先の第1の実施の形態によるものと同一であるため、ここでの説明は繰り返さない。又、シート体24の材質については、先の第1の実施の形態によるものと同一のものを使用することができる。差込部47a及び47bは、本体の第1開口31又は第2開口33に差し込むことができる部分であって、それ以外の部分の残存部48がシート体24の中間部分29になる。従って、差込部47a及び47bの幅が、第1開口31及び第2開口33の幅W1及びW2と略等しくなることになる。つまり、シート体24の差込部47aと残存部48との境界線の部分及び差込部47bと残存部48との境界線の部分の各々が第1開口31及び第2開口33の縁に当接する。その結果、シート体24の残存部48はそれ以上第1開口31及び第2開口33内に移動しないため、取付状態が安定し、使用時にずれない構造となる。又、2点鎖線で示したように、シート体24は同一形状で連続的に大きなシートから打抜くことができるため、生産するときに歩留まりがよい形状となり、生産コストが少なくてすむ。
【0045】
図9はこの発明の第3の実施の形態による掃除具のシート体の正面図である。
【0046】
図を参照して、この実施の形態にあっては、シート体24の形状が正面視菱形形状である。掃除具21の本体については、先の第1の実施の形態によるものと同一であるため、ここでの説明は繰り返さない。又、シート体24の材質については、先の第1の実施の形態によるものと同一のものを使用することができる。差込部47a及び47bと第1開口31及び第2開口33の関係ついては、先の第2の実施の形態によるものと略同一であるため、ここでの説明は繰り返さない。尚、本体23にシート体24を装着した時、シート体24の残存部48に対向する2つの角49a,49bができるので、隅を清掃しやすくなる。又、第2の実施の形態と同様に2点鎖線で示したように、生産するときに歩留まりがよい形状となり、更に生産コストが少なくてすむ。
【0047】
図10はこの発明の第4の実施の形態による掃除具の底面図であり、図11は図10で示したXI−XIラインから見た図であり、図12は図10で示したXII−XIIラインの断面図である。
【0048】
これらの図を参照して、この実施の形態にあっては、ポリプロピレンの射出成形よりなる略直方体形状の本体23と、本体23の底壁50に脱着自在に取付けられたシート体24とから構成されている。本体23の上壁に取手51が取付けられ、第1開口31と第2開口33とが同一底壁50に形成されている。従って、第1開口31と第2開口33との間の底壁50の部分が中間部分29となる。第1開口31及び第2開口33の形状の各々は、先の第1の実施の形態の第2開口33によるものと略同一形状であるため、ここでの説明は繰り返さない。更に、シート体24の形状は、第1開口31及び第2開口33に差し込まれる部分の先端部37の長さと後端部39の長さが略等しいこと以外は、先の第1の実施の形態によるものと同一であるため、ここでの説明は繰り返さない。
【0049】
次に、この実施の形態による掃除具の使用方法について説明する。
【0050】
まず、この掃除具を使用するとき、第1開口31にシート体24の先端部37を差し込み、第2開口33にシート体24の後端部39を差し込む。その結果、シート体24の中央部38は平坦な中間部分29に沿うことになる。これによって、清掃面43に対して中央部38の大部分が同時に接することになり、シート体24の接触面積が拡大するので、一度に清掃できる面が拡大する。又、取手51が取付けられているので、掃除しやすくなる。
【0051】
図13は図11に対応した図であって、この発明の第5の実施の形態による掃除具の側面図であり、図14は図12に対応した図であって、この発明の第5の実施の形態による掃除具の断面図である。
【0052】
これらの図を参照して、この実施の形態にあっては、ポリプロピレンの射出成形よりなる略直方体形状の本体23と、本体23の底壁50と側壁53a及び53bの下方側に脱着自在に取付けられたシート体24とから構成されている。本体23の上壁に取手51が取付けられ、第1開口31は本体23の側壁53aに形成され、第2開口33は本体23の側壁53aに対向する側壁53bに形成されている。従って、第1開口31と第2開口33との間の底壁50が中間部分29となる。第1開口31及び第2開口33の形状の各々は、先の第1の実施の形態の第2開口33によるものと略同一であるため、ここでの説明は繰り返さない。更に、シート体24の形状は、第1開口31及び第2開口33に差込まれる部分の先端部37の長さと後端部39の長さとが略等しいこと以外は、先の第1の実施の形態によるものと同一であるため、ここでの説明は繰り返さない。
【0053】
次に、この実施の形態による掃除具の使用方法について説明する。
【0054】
まず、この掃除具を使用するとき、中央部38を底壁50に被せ、その状態で第1開口31にシート体24の先端部37を差し込み、第2開口33にシート体24の後端部39を差し込む。その結果、シート体24の中央部38は平坦な中間部分29の全面に沿うことになる。これによって、清掃面43に対して接するシート体24の部分が、底壁50を覆う中央部38の全面に更に拡大するので、一度に清掃できる面が拡大する。又、側壁53a及び53bと底壁50の接続部分に当たる2つのコーナー部があるので、細かい面や隅を清掃することができる。更に、取手51が取付けられているので、清掃しやすくなる。
【0055】
尚、上記の各実施の形態では、シート体を装着する開口が第1開口又は第2開口の2つ形成されているが、3つ以上形成されていてもよい。
【0056】
又、上記の各実施の形態では、本体の素材はポリプロピレンであるが、ポリエチレン、ABS、アクリル樹脂等の他の樹脂でもよい。
【0057】
更に、上記各実施の形態では、シート体には研磨剤が塗布されているが、研磨剤はなくても良い。この場合、本体に接触する部分の摩擦力が増加するような物質を付加すればより好ましい。
【0058】
更に、上記の各実施の形態では、シート体の形状が平面視十字形状、正面視六角形形状及び正面視菱形形状で構成されているが、単なる矩形形状等の他の形状であっても良い。この場合、第1開口及び第2開口の縁にシート体の中央部が当接し、シート体が第1開口及び第2開口内にそれ以上移動しない形状であればより好ましい。
【0059】
更に、上記の第4及び第5の実施の形態では、本体が直方体形状であるが、第1開口及び第2開口間のシート体を保持する面が、少なくともほぼ平坦面を有する形状であれば他の形状でもよい。
【0060】
更に、上記の第5の実施の形態では、本体が直方体形状であり、開口を側壁に形成し、中間部分を底壁に対応させているが、開口の一方を第1の側壁に形成し、開口の他方を底壁に形成しても良い。この場合、中間部分はこの第1の側壁と底壁に隣接する第2の側壁とし、第2の側壁を中央部として両端部を開口の各々に差し込める形状のL字状のシート体とすれば良い。そうすると、使用時に中央部の一部に角ができるため狭いスペースの清掃にも対応できることになり使い勝手が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】この発明の第1の実施の形態による掃除具の外観形状を上方側からみた斜視図である。
【図2】この発明の第1の実施の形態による掃除具の外観形状を下方側からみた斜視図である。
【図3】図1に対応した図であって、掃除具からシート体を取外した状態の本体の外観形状を示した斜視図である。
【図4】図2に対応した図であって、掃除具からシート体を取外した状態の本体の外観形状を示した斜視図である。
【図5】図1で示した掃除具のシート体の概略構造を示した斜視図である。
【図6】図1で示したVI−VIラインから見た図に対応し、掃除具の使用状態を示した図である。
【図7】図1で示したVII−VIIラインの断面図に対応し、掃除具の使用状態を示した図である。
【図8】この発明の第2の実施の形態による掃除具のシート体の正面図である。
【図9】この発明の第3の実施の形態による掃除具のシート体の正面図である。
【図10】この発明の第4の実施の形態による掃除具の底面図である。
【図11】図10で示したXI−XIラインから見た図である。
【図12】図10で示したXII−XIIラインの断面図である。
【図13】図11に対応した図であって、この発明の第5の実施の形態による掃除具の側面図である。
【図14】図12に対応した図であって、この発明の第5の実施の形態による掃除具の断面図である。
【図15】従来の掃除具の概略構造を示した平面図である。
【図16】図15で示したXVI−XVIラインの断面図である。
【符号の説明】
【0062】
21…掃除具
23…本体
24…シート体
29…中間部分
31…第1開口
33…第2開口
37…先端部
38…中央部
39…後端部
50…底壁
53…側壁
尚、各図中の同一符号は同一又は相当部分を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
掃除具であって、
少なくとも第1開口と第2開口とがその外壁に形成されている本体と、
清掃機能を有し、前記外壁のうち、前記第1開口と前記第2開口との間の中間部分を覆うように取付けられ、その両端部を前記第1開口及び前記第2開口の各々に脱着自在に差し込むことによって前記本体に一体的に保持されるシート体とを備えた、掃除具。
【請求項2】
前記第1開口と前記第2開口とは、隣接する二つの外壁に形成され、
前記中間部分は、前記外壁の各々の接続部分によって構成されるコーナー部を含むように形成される、請求項1記載の掃除具。
【請求項3】
前記第1開口及び前記第2開口の少なくとも一方の高さは前記シート体の厚さにほぼ等しく形成される、請求項2記載の掃除具。
【請求項4】
前記第1開口と前記第2開口とは同一外壁に形成され、前記中間部分は前記外壁の一部を含むように形成される、請求項1記載の掃除具。
【請求項5】
前記本体はほぼ直方体形状を有し、
前記第1開口は前記本体の第1の側壁に形成され、
前記第2開口は前記本体の第1の側壁に対向する第2の側壁に形成され、
前記中間部分は前記第1の側壁及び前記第2の側壁に接続する底壁を含むように形成される、請求項1記載の掃除具。
【請求項6】
前記中間部分の摩擦係数は前記本体の他の部分の摩擦係数より大きく形成される、請求項1から請求項5記載の掃除具。
【請求項7】
前記シート体の両面には研磨剤が塗布される、請求項1から請求項6のいずれかに記載の掃除具。
【請求項8】
前記シート体は各々の平面視が矩形状の先端部、中央部及び後端部を順次接続した平面視十字状を有すると共に、前記先端部及び前記後端部の前記中央部に接続する接続部分の幅は同一であり、
前記第1開口には前記先端部が差し込まれ、前記第2開口には前記後端部が差し込まれ、
前記中央部の前記接続部分を含む部分の幅は、前記第1開口の幅及び前記第2開口の幅より大きく形成される、請求項1から請求項7のいずれかに記載の掃除具。
【請求項1】
掃除具であって、
少なくとも第1開口と第2開口とがその外壁に形成されている本体と、
清掃機能を有し、前記外壁のうち、前記第1開口と前記第2開口との間の中間部分を覆うように取付けられ、その両端部を前記第1開口及び前記第2開口の各々に脱着自在に差し込むことによって前記本体に一体的に保持されるシート体とを備えた、掃除具。
【請求項2】
前記第1開口と前記第2開口とは、隣接する二つの外壁に形成され、
前記中間部分は、前記外壁の各々の接続部分によって構成されるコーナー部を含むように形成される、請求項1記載の掃除具。
【請求項3】
前記第1開口及び前記第2開口の少なくとも一方の高さは前記シート体の厚さにほぼ等しく形成される、請求項2記載の掃除具。
【請求項4】
前記第1開口と前記第2開口とは同一外壁に形成され、前記中間部分は前記外壁の一部を含むように形成される、請求項1記載の掃除具。
【請求項5】
前記本体はほぼ直方体形状を有し、
前記第1開口は前記本体の第1の側壁に形成され、
前記第2開口は前記本体の第1の側壁に対向する第2の側壁に形成され、
前記中間部分は前記第1の側壁及び前記第2の側壁に接続する底壁を含むように形成される、請求項1記載の掃除具。
【請求項6】
前記中間部分の摩擦係数は前記本体の他の部分の摩擦係数より大きく形成される、請求項1から請求項5記載の掃除具。
【請求項7】
前記シート体の両面には研磨剤が塗布される、請求項1から請求項6のいずれかに記載の掃除具。
【請求項8】
前記シート体は各々の平面視が矩形状の先端部、中央部及び後端部を順次接続した平面視十字状を有すると共に、前記先端部及び前記後端部の前記中央部に接続する接続部分の幅は同一であり、
前記第1開口には前記先端部が差し込まれ、前記第2開口には前記後端部が差し込まれ、
前記中央部の前記接続部分を含む部分の幅は、前記第1開口の幅及び前記第2開口の幅より大きく形成される、請求項1から請求項7のいずれかに記載の掃除具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2008−183169(P2008−183169A)
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−18690(P2007−18690)
【出願日】平成19年1月30日(2007.1.30)
【出願人】(000222141)東洋アルミエコープロダクツ株式会社 (106)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年1月30日(2007.1.30)
【出願人】(000222141)東洋アルミエコープロダクツ株式会社 (106)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]