説明

掃除機用アタッチメント及び電気掃除機

【課題】電動送風機への水分等の吸引を確実に防止しつつ掃除ができるとともに、使い勝手を向上することが可能な掃除機用アタッチメントを提供する。
【解決手段】アタッチメント11は、下流側風路部材12、上流側風路部材21、駆動ファン41、吸引ファン43、塵分離部51を具備する。下流側風路部材12は、電動送風機が収容された掃除機本体の本体吸込み口に連通される下流側ファン収容部15を備える。収容部15は空気入口17を有する。上流側風路部材21を風路部材12の上流側に連続させる。風路部材21は空気出口29が形成された上流側ファン収容部28を備える。収容部15に収容した駆動ファン41を空気入口から本体吸込み口に至る第1気流で回転させる。収容部28に収容した吸引ファン43をファン41で回転させて、第1気流とは独立して上流側風路部材21を通って空気出口29から排出される第2気流を生成する。空気から塵及び水分を分離して溜める塵分離部51を吸引ファン43の上流側に配設したことを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、掃除機本体の本体吸込み口に連通して使用される掃除機用アタッチメント、及びこのアタッチメントを備える電気掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
掃除機本体に収容された電動送風機が吸込んだ水分に晒されると、電動送風機が故障することがある。このため、一般的な電気掃除機は、水分等(例えば水やジュース等の液体、ミスト、スチーム、及び液体を多く含んだ調理物等)を吸込んでも、支障なく使用できる仕様ではない。
【0003】
これに対して、掃除中に水分等を吸込んでも使用可能な湿式電気掃除機が、従来技術として知られている。この種の湿式電気掃除機は、電動送風機の上流側でかつ掃除機本体に気水分離器と汚水タンクを配設している。気水分離器は、吸込み口体から気水分離器に至る吸込み風路を経由して導入された混合気(汚れと、水分と、空気を含む)を、汚れを含む水分等と空気とに分離して、分離された空気を通過させる。汚水タンクは、気水分離器で分離されて落下する水分等(汚水)を貯留する。したがって、水分等は電動送風機に到達せず、電動送風機には気水分離器で分離された空気が吸込まれる。
【0004】
掃除中、掃除機本体は傾けられることがある。こうした状況では、汚水タンクに溜められた汚水が電動送風機に吸込まれる可能性が高まる。したがって、電動送風機への水分等の不測の吸引を確実に防止できるようにすることが望まれている。
【0005】
又、電気掃除機は、その掃除機本体の移動を伴って掃除をするので、掃除機本体は可能な限りコンパクトに構成することが、使い勝手を向上する上で望まれている。
【0006】
更に、吸込み口体から気水分離器に至る前記吸い込み風路に、掃除中に吸込まれる水分等は、そもそも汚れを含んでいるので、吸込み風路を形成する部材の内面は汚水等により汚される。このため、掃除後に、掃除作業者が前記部材を水洗いして、その内面を清掃する場合、汚される吸込み風路の長さが長いと、水洗いに手間が掛かる。したがって、この点を改善して使い勝手を向上することが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−175122号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
実施形態は、水分等が電動送風機に吸引されることを確実に防止しつつ掃除することが可能であるとともに、使い勝手を向上することが可能な掃除機用アタッチメント、及び電気掃除機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、実施形態の掃除機用アタッチメントは、下流側風路部材、上流側風路部材、駆動ファン、吸引ファン、及び塵分離部を具備する。下流側風路部材は、電動送風機が収容された掃除機本体の本体吸込み口に連通される下流側ファン収容部を備える。下流側ファン収容部は空気入口を有する。上流側風路部材を下流側風路部材の上流側に連続させる。上流側風路部材は空気出口が形成された上流側ファン収容部を備える。下流側ファン収容部に収容した駆動ファンを、空気入口から本体吸込み口に吸込まれる第1気流で回転させる。上流側ファン収容部に収容した吸引ファンを駆動ファンで回転させ、この吸引ファンの回転で、第1気流とは独立して、上流側風路部材を通って空気出口から排気される第2気流を生成する。空気から塵および水分を分離して溜める塵分離部を吸引ファンより上流側に配設したことを特徴としている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1実施形態に係る電気掃除機を示す斜視図である。
【図2】図1の電気掃除機が備えるアタッチメントを示す断面図である。
【図3】第2実施形態に係る電気掃除機が備えるアタッチメントの一部を示す断面図である。
【図4】第3実施形態に係る電気掃除機が備えるアタッチメントの一部を概略的に示す図である。
【図5】第4実施形態に係る電気掃除機が備えるアタッチメントの一部を組立てられた状態で示す断面図である。
【図6】図5の一部を分離させた状態で示す断面図である。
【図7】第5実施形態に係る電気掃除機を示す斜視図である。
【図8】第6実施形態に係る電気掃除機を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、第1実施形態の電気掃除機について、図1及び図2を参照して詳細に説明する。
【0012】
図1は例えばキャニスタ型の電気掃除機全体を示す斜視図であり、この電気掃除機1は、掃除機本体2と、電動送風機3と、本体集塵部例えば集塵フィルタ4と、吸引ホース5と、吸込み風路体例えばアタッチメント11等を備えている。
【0013】
掃除機本体2に、被掃除面である屋内の床面を自在に移動可能とする車輪が取付けられている。掃除機本体2はその前部上面をなすとともに開閉可能な本体蓋2aを有している。掃除機本体2はその内部に、本体蓋2aの真下に本体室(図示しない)を有しているとともに、この本体室の後側、言い換えれば、掃除機本体2に吸込まれてこの本体を通過する気流を基準に本体室の下流側に位置する送風機室(図示しない)が設けられている。送風機室に、電動送風機3、図示しないコードリール装置、及び電動送風機3の運転を制御する制御回路等が収容されている。電動送風機3の図示しない吸気口は本体室に連通されている。
【0014】
掃除機本体2の例えば前面に本体吸込み口2b(図1参照)が設けられている。掃除機本体2の本体室に集塵フィルタ4が配設されている。
【0015】
集塵フィルタ4は、アタッチメント11を用いないで掃除をする場合、例えば吸引ホース5の先端から吸塵して掃除をした場合、又は電気掃除機1に標準装備されている図示しない延長管及び吸込み口体をアタッチメント11に代えて用いて掃除をした場合等に、吸込まれた塵を空気から分離して捕捉するために設けられている。
【0016】
図示の集塵フィルタ4は例えば集塵袋であり、その内側は本体吸込み口2bに連通されている。この集塵フィルタ4は本体蓋2aが開かれた状態で本体室に出し入れ可能である。なお、集塵フィルタ4は集塵袋に制約されず、塵を空気から分離できるものであればよく、又、分離された塵は本体室に溜められるようにすることも可能である。
【0017】
吸引ホース5は、可撓性を有する螺旋状のホース本体5aの一端部に硬質な本体接続管5bを接続し、かつ、ホース本体5aの他端部に手元管部5cを接続して形成されている。
【0018】
ホース本体5aはこれに沿って螺旋状に巻かれた電線(図示しない)を有している。本体接続管5bに図示しない端子ピンが複数取付けられていて、これら端子ピンに前記電線が接続されている。この本体接続管5bは本体吸込み口2bに挿入して掃除機本体2に着脱可能に連結されている。本体吸込み口2bの周りに、前記端子ピンが機械的かつ電気的に接続される図示しないピン受け金具が配設されている。このピン受け金具は前記制御回路に電気的に接続されている。
【0019】
手元管部5cは掃除作業者により把持されるハンドル5dを有している。このハンドル5dに操作パネル5eが設けられている。操作パネル5eは複数の操作釦を有している。各操作釦に前記電線が電気的に接続されている。これら操作釦が押圧操作されることにより、電動送風機3に対する入力調節やその停止等が制御されるようになっている。
【0020】
次に、図1及び図2を参照して掃除機用のアタッチメント11について説明する。
【0021】
このアタッチメント11は、下流側風路部材12と、上流側風路部材21と、吸込み口体31と、駆動ファン41と、吸引ファン43と、塵分離部51を具備している。
【0022】
下流側風路部材12は、下流側風路管13(図1参照)及び下流側ファン収容部15を備えている。
【0023】
下流側風路管13は直管である。下流側風路管13の後端部(下流側端部)は手元管部5cの先端部に着脱可能に嵌合して接続されている。図1中14は手元管部5cに設けられて、手元操作部5cに接続された下流側風路管13の外れ止めをなすロック釦を示している。ロック釦14を押すことにより外れ止めが解除されるので、この解除状態で手元管部5cと下流側風路管13とを分離することが可能である。
【0024】
下流側ファン収容部15は、収容ケース16及び接続筒部18を有している。
【0025】
収容ケース16は、比較的短い円筒形のケースであり、その一端は開口され、この一端開口に対向する壁部16aを有している。この収容ケース16の円筒壁は複数の空気入口17を有している。これら空気入口17は、円筒壁の周方向に沿って一定間隔的で設けられている。
【0026】
接続筒部18は、壁部16aから収容ケース16の外部に向けて突設されている。接続筒部18の壁部16aに連続する端部はテーパ管であり、それ以外は直管部である。接続筒部18の直管部は、下流側風路管13の前端部(上流側端部)に着脱可能に嵌合して接続されている。図1中19は下流側風路管13に接続された接続筒部18の外れ止めをなすロック釦を示している。ロック釦19を押すことにより外れ止めが解除されるので、この解除状態で下流側風路管13と接続筒部18を有した下流側風路部材12とを分離することが可能である。
【0027】
アタッチメント11は、その下流側風路部材12の接続筒部18が下流側風路管13に接続された状態で、吸引ホース5を経由して本体吸込み口2bに連通される。なお、接続筒部18は、手元管部5cに直接接続することも可能であり、この場合でもアタッチメント11は本体吸込み口2bに連通される。したがって、アタッチメント11は、下流側風路管13を省略した構成であっても差し支えない。
【0028】
上流側風路部材21は、第1風路管22と、第2風路管23と、上流側ファン収容部28等を備えている。
【0029】
第1風路管22は直管からなり、その先端(上流側の端)は開口されている。この第1風路管22の長手方向中間部に、通気口24が形成されているとともに、気流ガイド25が設けられている。気流ガイド25は、第1風路管22内を通る含塵空気を通気口24に導くために、この通気口24の下流側近傍を仕切って第1風路管22内に斜めに配設されている。
【0030】
第2風路管23は通気口24より下流側で第1風路管22に連結されている。例えば、第2風路管23の下流側端部23aは第1風路管22の下流側端部に入り込んだ状態で、この第1風路管22の下流側端部に連結されている。第2風路管23の下流側端部23aは上流側風路部材21の出口をなしている。第2風路管23の上流側端部23bは、第1風路管22と略平行であって、通気口24よりも下流側に位置されている。この上流側端部23bの開口部にフィルタ26が取付けられている。
【0031】
上流側ファン収容部28は、収容ケース16より短い円筒形のケースからなり、その一端は空気出口29として開口され、他端に閉鎖端壁28aを有している。この上流側ファン収容部28は収容ケース16の内側に嵌合されて、収容ケース16の下部に図示しない連結手段で連結されている。閉鎖端壁28aは、上流側ファン収容部28の内部を収容ケース16の上部空間に対して仕切っている。
【0032】
仕切られた上部空間に各空気入口17が臨んでいる。これら空気入口17は、下流側風路部材12の中心軸線が延びる方向と直交する方向に開口されている。これに対して上流側ファン収容部28の空気出口29は、前記中心軸線が延びる方向でかつ下方向に開口されている。つまり、空気出口29と空気入口17とは互に異なる方向を向いて開口されている。
【0033】
上流側ファン収容部28は上流側風路部材21に連結されている。この連結のために、例えば複数の連結棒30(図1参照)が、上流側風路部材21の出口部と上流側ファン収容部28とにわたって、空気出口29を横切るように設けられている。この連結によって、上流側風路部材21の出口部をなした第2風路管23の下流側端部23aが、空気出口29の中央部に配設されている。このため、空気出口29は第2風路管23の下流側端部23aの周りに設けられている。又、以上のように連結された上流側風路部材21の第1風路管22と、下流側風路部材12とは、互いの中心軸線が真直ぐ連続するように配設されている。
【0034】
図1に示すように吸込み口体31は、床面清掃に好適なものであって、吸込み口本体32と接続管33を備えている。吸込み口本体32はその下面に吸込み開口32aを有している。接続管33は、吸込み口本体32の後部中央部に、上下方向及び左右方向に回動可能に取付けられている。
【0035】
接続管33は、上流側風路部材21が有した第1風路管22の先端部(上流側端部)22aに着脱可能に嵌合して接続されている。図1中34は上流側風路部材21に接続された接続管33の外れ止めをなすロック釦を示している。ロック釦34を押すことにより外れ止めが解除されるので、この解除状態で上流側風路部材21と接続管33を有した吸込み口体31とを分離することが可能である。
【0036】
駆動ファン41は下流側ファン収容部15に収容されている。吸引ファン43は上流側ファン収容部28に収容されている。
【0037】
これらのファンを支持する駆動軸45が下流側ファン収容部15に配設されている。この駆動軸45は、第1の軸受46と第2の軸受47に回転自在に支持されている。つまり、駆動軸45の一端部は第1の軸受46に支持されている。駆動軸45は第2の軸受47を貫通してこの第2の軸受47に支持されている。
【0038】
第1の軸受46は、複数本の軸受支持棒48により支持されて、接続筒部18の内側中央部に配設されている。第2の軸受47は上流側ファン収容部28の閉鎖端壁28aの中央部に取付けられている。
【0039】
駆動ファン41は、第1の軸受46と第2の軸受47との間に位置して駆動軸45に固定されている。この駆動ファン41は、下流側ファン収容部15を流通する気流によって回転される。
【0040】
吸引ファン43は、第2の軸受47を貫通して上流側ファン収容部28に突出された駆動軸45の端部側部位に固定されている。この吸引ファン43は駆動ファン41の回転によって回転される。吸引ファン43には例えばシロッコファンが用いられ、その吸込み口は、上流側風路部材12の出口部をなした第2風路管23の下流側端部23aの開口に接近し対向されている。
【0041】
塵分離部51は、吸込み口体31から吸い込まれた塵と水分等を空気から分離するもので、吸引ファン43より上流側に配設されている。この塵分離部51は好ましい例として、塵と水分等を空気から遠心分離するダストカップからなる。
【0042】
このダストカップ(塵分離部51)は、合成樹脂により一体に形成された有底円筒状のカップ本体51aと、この本体の上端開口に着脱可能に取付けられたカップ蓋51bを有している。カップ本体51aの上部周壁に、入口52が開けられているとともに、これにカップ本体51aの内側から対向する導風ガイド53が設けられている。カップ蓋51bに嵌合筒部54が形成されている。
【0043】
この塵分離部51は上流側風路部材21の第1風路管22の外側に着脱可能に支持されている。この支持を可能とするために第1風路管22に外周に支持部材55が固定されている。支持部材55は塵分離部51の下部を収容可能な受け円筒部55aを備えている。受け円筒部55aは、底を有していて、上端は開放されている。この受け円筒部55aの内側に、円形の受け部材56と、これを上方に付勢するばね57が設けられている。
【0044】
塵分離部51は以下の手順で第1風路管22の外側に支持される。まず、カップ本体51aの底を受け部材56に斜めに当てて、ばね57に抗して受け部材56を押下げつつ、塵分離部51を第1風路管22と平行となるように操作して、塵分離部51全体を第2風路管23の上流側端部23bの下側に配置させる。次に、この状態で、上流側端部23bに対してカップ蓋51bの嵌合筒部54を位置合わせしてから、塵分離部51を押えている力を解放して、ばね57の力で塵分離部51を押上げる。それにより、嵌合孔54が第2風路管23の上流側端部23bの外周に嵌合されて、塵分離部51が第2風路管23と支持部材55との間に挟持された状態に支持される。なお、こうした支持状態で、カップ本体51aの下端部は受け円筒部55bの内部に入り込んで外れないように保持されている。
【0045】
こうして塵分離部51が第1風路管22の外側に支持された状態では、カップ本体51aの入口52が第1風路管22の通気口24に接近して対向されるので、カップ本体51a内が第1風路管22内と連通される。なお、図2中符号58は、第1風路管22の外面に通気口24を囲んで取付けられた弾性変形可能なシール材、又はカップ本体51aの外面に入口52を囲んで取付けられた弾性変形可能なシール材を示している。このシール材58によって入口52と通気口24との間から外気が吸引されることが防止されている。
【0046】
なお、上流側風路部材21に支持された塵分離部51を外すには、前記支持手順と逆の手順で行えば良い。又、前記構成のアタッチメント11は、電動モータや回路部品等の電気部品、及び電力を供給するための配線等の通電用部品等を備えておらず、アタッチメント11に対して電力は供給されない。
【0047】
次に、図1に示すように吸引ホース5の先端にアタッチメント11を接続した状態で掃除を行う場合を説明する。
【0048】
操作パネル5eでの操作により指定された運転モードで、掃除機本体2内の電動送風機3が駆動される。これに伴い電動送風機3の吸込み力が、吸引ホース5を介してアタッチメント11の下流側風路部材12に波及する。これにより、収容ケース16の空気入口17から外気が吸込まれ、吸込まれた空気は駆動ファン41を通って下流側風路部材12内を吸引ホース5に向けて流通する。こうして空気入口17から本体吸込み口2bに吸込まれる気流(第1気流)によって、駆動ファン41が回転される。つまり、駆動ファン41は、吸込み口体31を経ることなく、アタッチメント11の長手方向中間部から吸込まれた空気の流動エネルギーによって回転される。
【0049】
この駆動ファン41の回転により、その駆動軸45に固定されている吸引ファン43が同時に回転される。回転された吸引ファン43は、その下端の開口から空気を吸込んで周部から外部に排出する。こうして排出された空気は、上流側ファン収容部28でガイドされて、この上流側ファン収容部28の下端に形成された空気出口29を通って外部に放出される。
【0050】
そのため、吸引ファン43は上流側風路部材21の第2風路管23内の空気を吸込み、その吸込み力は、塵分離部51及びこれに連通された第1風路管22を経由して吸込み口体31の吸込み開口32aに波及する。それにより、吸込み開口32aから被掃除面上の塵埃が空気とともに吸込まれる。
【0051】
吸引された含塵空気は、上流側風路部材21の第1風路管22を流通し、通気口24及びカップ本体51aの入口52を通って塵分離部51内に吸込まれる。このとき、含塵空気は、導風ガイド53で導かれ、カップ本体51aの内周面に沿って旋回するように風向きを変えられる。
【0052】
こうして塵分離部51内で含塵空気が旋回されることに伴い、含塵空気中の質量が大きい塵等は空気から遠心分離されて、カップ本体51a内に溜められる。この一方で、塵等から分離された空気は、カップ本体51a内の中央部で反転上昇して、フィルタ26を通って第2風路管23に吸込まれる。この場合、第2風路管23に吸込まれる空気中に含まれる細かな塵は、フィルタ26に捕捉される。そして、第2風路管23を通った空気は吸引ファン43に吸込まれて、既述のように空気出口29から放出される。
【0053】
このように吸引ファン43の回転に伴い生成される気流(第2気流)は、吸込み口体31を通って吸込まれ上流側風路部材21及び塵分離部51を経由して空気出口29から排出される。この第2気流は、空気入口17から掃除機本体2内に吸込まれる第1気流に対して上流側ファン収容部28で仕切られていて、第1気流から独立している。
【0054】
以上のように掃除機本体2の本体吸込み口2bに連通して使用されるアタッチメント11が有する風路は、駆動ファン41を回転させるための第1気流が流通する駆動風路と、駆動ファン41で回転される吸引ファン43により形成される第2気流が流通する吸塵風路とに、上流側ファン収容部28の閉鎖端壁28aを境に分離されている。つまり、吸塵風路は駆動風路に対して独立している。
【0055】
このため、被掃除面に零れた牛乳やジュース又は液体を多く含んだ調理物等の水分等が、以上説明した掃除中に吸引されることがあっても、吸塵風路に吸引された水分等は、吸塵風路に対して独立した駆動風路を流通することがない。これにより、吸塵風路に吸込まれた水分等が、駆動風路を通って掃除機本体2内に吸込まれることが防止される。
【0056】
この場合、塵分離部51から吸引ファン43に吸引される空気は湿気を含んでいる。しかし、この湿気を含んだ空気は既述の掃除のときと同様に空気出口29を通って大気中に放出される。しかも、この放出方向は、空気入口17への外気の吸込み方向(上流側ファン収容部28の中心に向う方向)とは異なっている。具体的には、湿気を含んだ空気は、空気入口17から遠ざかる方向例えば下方向に空気出口29を通って放出される。このため、湿気を帯びて空気出口29から放出された空気が空気入口17に吸込まれることが抑制されるので、こうした湿気も駆動風路を通って掃除機本体2内に吸込まれることがない。
【0057】
したがって、前記構成のアタッチメント11を用いることにより、水分等を吸込んで掃除をすることが可能である。これにより、図示しない標準装備の延長管及び吸込み口体を用いての掃除で、掃除機本体2内の集塵フィルタ4に溜められた塵、及び集塵フィルタ4が濡れて悪臭の発生原因とならないようにできる。
【0058】
以上のように水分等を吸込んだ場合でも、この水分等が掃除機本体2内に吸込まれないので、吸込んだ水分等を原因として電動送風機3等が故障することを防止できる。これにより、耐水性が高い仕様の電動送風機3を用いる必要がないので、電気掃除機1のコストを低減することが可能である。これとともに、吸引された水分等を吸引された空気から掃除機本体2外で分離するので、気水分離器が掃除機本体側に配設された電気掃除機に比較して、掃除機本体2をコンパクトに形成することが可能である。したがって、掃除中等での掃除機本体の移動が容易で使い勝手を向上することができる。
【0059】
その上、水分等が溜まる塵分離部51は、掃除機本体2に内蔵されているのではなく、掃除機本体2外の上流側風路部材21に支持されている。このため、掃除中に掃除機本体2が傾くことがあっても、塵分離部51内の水分等が吸込まれて電動送風機3に到達することがない。同様に、掃除中でのアタッチメント11の傾きや動きで、塵分離部51内の水分等がカップ本体51aの外部に吸出されることがあっても、この水分等は空気出口29を通って下方へ放出されるので、電動送風機3に到達することがない。
【0060】
既述のように吸込み口体31から吸込まれた水分等は、吸塵風路の途中に配設された塵分離部51での既述の遠心分離によって、この塵分離部51のカップ本体51aの内部に溜められる。このため、塵分離部51は、それにフィルタや紙パック等のろ過部材を用いた場合の問題がない。つまり、ろ過部材が水分等に含まれた塵で目詰まりしてろ過性能が低下する恐れがない。これとともに、ろ過部材が濡れて悪臭を発生することもなく、ろ過部材の交換頻度が高まることもない。
【0061】
しかも、カップ本体51aに溜められた水分等は、上流側風路部材21から既述の手順で塵分離部51を外した状態で、カップ蓋51bを開いて、捨てることができる。更に、カップ本体51aは合成樹脂製で耐水性を有しているので、このカップ本体51aに水分等を溜めても何ら問題がなく、カップ本体51aを水洗いすることで、内部に溜められている塵及び水分等を容易に取除くことが可能である。したがって、水分等の廃棄処理が容易で、使い勝手が良区、しかも、塵分離部51を繰り返し使用することができる。
【0062】
又、既述のように塵分離部51は掃除機本体2の外部に配設されているので、塵分離部51に制約されることなく、掃除機本体をコンパクト化することも可能である。
【0063】
更に、水分等が吸引されるに伴って、この水分などが通るアタッチメント11の一部、つまり、吸込み口体31及び上流側風路部材21の第1風路管22は汚される。しかし、吸塵風路に対して分離されている駆動風路及び吸引ホース5の内面は、吸引された水分等によって汚されることがない。このように汚される範囲が限定されるため、アタッチメント11内面の汚れを除去する清掃をする場合に、清掃対象が少ないので、清掃の手間を軽減できる。しかも、アタッチメント11は給電される電気部品を含んでいないので、その風路を水洗いできる。
【0064】
図3は第2実施形態を示している。第2実施形態は以下説明する構成が第1実施形態とは相違しており、それ以外の構成は第1実施形態と同じである。このため、第1実施形態と同一ないしは同様の機能を奏する構成については、第1実施形態と同じ符号を付してその説明を省略する。
【0065】
第2実施形態では、下流側ファン収容部15の収容ケース16が上向き円筒部16bを更に有している。上向き円筒部16bは、壁部16aから上向きに折れ曲がるように設けられていて、好ましくは収容ケース16の円筒壁と同径で、この円筒壁と一体でかつ面一に連続されている。第2実施形態では、複数の空気入口17を、収容ケース16の円筒壁に設けることに代えて、壁部16aにその周方向に沿って一定間隔的で設けている。これら空気入口17に上流側ファン収容部28の閉鎖端壁28aが下方から対向している。したがって、各空気入口17は上向きに開口されており、これに対して上流側ファン収容部28の空気出口29は下向きに開口されている。
【0066】
第2実施形態の掃除機用アタッチメント11及び電気掃除機は、以上説明した以外の構成は図示されない構成を含めて第1実施形態と同じである。したがって、この第2実施形態においても、前記課題が解決されて、水分等が電動送風機に吸引されることを確実に防止しつつ掃除することが可能であるとともに、使い勝手を向上することが可能なアタッチメント11、及び電気掃除機を提供することが可能である。
【0067】
しかも、駆動ファン41を回転させて電動送風機3に吸込まれる第1気流が、空気入口17の上方から下流側ファン収容部15内に吸引されるのに対して、吸塵を行わせる吸引ファン43から吐出される第2気流は、空気出口29を通って下向きに放出される。このため、吸引ファン43から吐出される空気が湿気を帯びていても、それが空気入口17から駆動ファン41に吸込まれることをより確実に防止することが可能である。
【0068】
図4は第3実施形態を示している。第3実施形態は以下説明する構成が第1実施形態とは相違しており、それ以外の構成は第1実施形態と同じである。このため、第1実施形態と同一ないしは同様の機能を奏する構成については、第1実施形態と同じ符号を付してその説明を省略する。
【0069】
第3実施形態では、下流側風路部材12の下端部に下流側ファン収容部15が形成されている。この下流側ファン収容部15の下端は単一の空気入口17をなして下向きに開口されている。上流側風路部材21の上端部に上流側ファン収容部28が形成されている。この上流側ファン収容部28の上端は単一の空気出口29をなして上向きに開口されている。
【0070】
これら下流側ファン収容部15と上流側ファン収容部28とは同じ高さ位置に並べられて連結されている。これとともに、下流側風路部材12及び上流側風路部材21の中心軸線と直交する方向に延びる駆動軸45が、下流側ファン収容部15と上流側ファン収容部28にわたって取付けられている。この駆動軸45を支持する軸受は図示を省略されている。
【0071】
駆動軸45に、下流側ファン収容部15に収容される駆動ファン41と、上流側ファン収容部28に収容される吸引ファン43が夫々固定されている。駆動ファン41は、下流側風路部材12に波及される電動送風機の吸込み力で、下流側ファン収容部15の空気入口17を通って上向きに吸込まれる第1気流によって、回転される。この駆動ファン41の回転により吸引ファン43が回転される。この吸引ファン43より上流側に塵分離部51が設けられていて、この塵分離部51を経由して吸引ファン43の回転で生成された吸込み力が、上流側ファン収容部28の先端部に接続された図示しない吸込み口体に波及される。
【0072】
第3実施形態の掃除機用アタッチメント及び電気掃除機は、以上説明した以外の構成は図示されない構成を含めて第1実施形態と同じである。したがって、この第3実施形態においても、前記課題が解決されて、水分等が電動送風機に吸引されることを確実に防止しつつ掃除することが可能であるとともに、使い勝手を向上することが可能なアタッチメント11、及び電気掃除機を提供することが可能である。
【0073】
しかも、下流側風路部材12と上流側風路部材21とは、同軸配置ではなく位置をずらした状態で連結されている。このため、下流側ファン収容部15への吸気方向と、上流側ファン収容部28からの排気方向が共に上向きであるにも拘らず、吸引ファン43から吐出される空気が湿気を帯びていても、それが空気入口17から駆動ファン41に吸込まれることをより確実に防止することが可能である。
【0074】
図5及び図6は第4実施形態を示している。第4実施形態は以下説明する構成が第2実施形態とは相違しており、それ以外の構成は第2実施形態と同じである。このため、第2実施形態と同一ないしは同様の機能を奏する構成については、第2実施形態と同じ符号を付してその説明を省略する。
【0075】
第4実施形態では、上流側風路部材21が下流側風路部材12に着脱可能に接続されている。
【0076】
そのために、下流側風路部材12が備える下流側ファン収容部15の収容ケース16の先端開口は、ケース端壁16cで塞がれている。ケース端壁16cの周部は空気入口17に下方から対向されている。このケース端壁16cの中央部に第2の軸受47が取付けられている。
【0077】
駆動ファン41が固定された駆動軸45は、第1の軸受46と第2の軸受47とにわたって回転自在に支持されている。駆動軸45は第2の軸受47を貫通して下流側ファン収容部15の外に突出されていて、その突出端に駆動側軸継手61が連結されている。駆動側軸継手61は、図6に示すように爪61aと爪係合溝61bを有している。これら爪61aと爪係合溝61bは夫々複数も設けられるが、図6ではそれぞれ一個のみ図示する。
【0078】
更に、ケース端壁16cの周部に第1結合部62が設けられている。第1結合部62は、複数の係合爪又はマグネット等からなる。
【0079】
上流側風路部材21が備える上流側ファン収容部28の上端は閉鎖端壁28aで閉じられている。閉鎖端壁28aの周部は、空気出口29に上方から対向されている。閉鎖端壁28aの中央部に第3の軸受64が取付けられている。第3の軸受64にはこれを上方方向に貫通して回転軸65が支持されている。回転軸65の下部に上流側ファン収容部28に収容された吸引ファン43が固定されている。
【0080】
上流側ファン収容部28の外に突出され回転軸65の上部に被動側軸継手66が連結されている。被動側軸継手66は、図6に示すように爪66aと爪係合溝66bを有している。これら爪66aと爪係合溝66bは夫々複数も設けられるが、図6では夫々一個のみ図示する。
【0081】
爪66aは駆動側軸継手61の爪係合溝61bに係脱可能であり、同様に爪61aは被動側軸継手66の爪係合溝66bに係脱可能である。これらの係脱が円滑となるように爪61a,66aはともに先細り形状をなしている。
【0082】
更に、収容部端壁28bの周部に第2結合部67が設けられている。第2結合部67は、第1結合部62と同じく複数の係合爪又はマグネット等からなる。第1結合部62と第2結合部67は着脱可能に結合され、その結合によって上流側風路部材21と下流側風路部材12とが上下方向に離れないように接続される。この接続状態で、駆動側軸継手61と被動側軸継手66とは接続されていて、駆動軸45の回転は回転軸65に伝達可能である。
【0083】
第4実施形態の掃除機用アタッチメント及び電気掃除機は、以上説明した以外の構成は図示されない構成を含めて第2実施形態と同じである。したがって、この第4実施形態においても、前記課題が解決されて、水分等が電動送風機に吸引されることを確実に防止しつつ掃除することが可能であるとともに、使い勝手を向上することが可能なアタッチメント11、及び電気掃除機を提供することが可能である。
【0084】
しかも、第4実施形態では、下流側風路部材12に上流側風路部材21が着脱可能に接続されているので、水分等を吸込んだ場合にその水分等で汚される上流側風路部材21を、下流側風路部材12から分離できる。このため、上流側風路部材21及び吸込み口体を、ともに単独の状態にした上で、これらを水洗いできる。したがって、上流側風路部材21及び吸込み口体の内面に付着された汚れを容易に落す際の使い勝手をより向上することが可能である。
【0085】
図7は第5実施形態を示している。第5実施形態は以下説明する構成が第1実施形態とは相違しており、それ以外の構成は第1実施形態と同じである。このため、第1実施形態と同一ないしは同様の機能を奏する構成については、第1実施形態と同じ符号を付してその説明を省略する。
【0086】
第5実施形態の電気掃除機1では、アタッチメント11が標準装備品として使用されている。
【0087】
第5実施形態の電気掃除機1では、掃除機本体2がスチーム出口71を有している。スチーム出口71は例えば掃除機本体2の前面に本体吸込み口2bと並べて設けられている。掃除機本体2内にはスチーム生成装置72が収容されている。スチーム生成装置72は、スチームを生成して、生成されたスチームをスチーム出口71に供給する。スチーム生成装置72は、例えば加熱タンク水を図示しない電気ヒータで加熱することによりスチームを生成し、或いは、100℃以上に熱した容器に水を滴下することによりスチームを生成する。なお、スチーム生成装置72への水の補給は本体蓋2aを開いて行われる。
【0088】
第5実施形態の電気掃除機1では、吸込み口体31にスチーム散布用のノズル73が搭載されている。このノズル73は例えば吸込み口体31の幅方向中央部に配設されていて、吸込み口体31の前方の木床やタイル床等の被掃除面にスチームを噴射する。なお、ノズル73によりスチームを被掃除面に直接噴き付けるのではなく、スポンジやフェルト等からなる拭き部材を吸込み口体31の下面部に取付けて、この拭き部材にスチームをノズル73から噴き付けるようにしてもよい。
【0089】
ノズル73はスチーム出口71にスチーム導管74で連通されている。スチーム導管74は例えば可撓性を有した耐熱性のチューブ等で形成されていて、吸引ホース5及びアタッチメント11に沿って配管されていて、図示しないホルダによって吸引ホース5及びアタッチメント11にこれらから外れないように保持されている。なお、スチーム導管74は着脱可能である。
【0090】
第5実施形態の電気掃除機1は、以上説明した以外の構成は図示されない構成を含めて第1実施形態の電気掃除機と同じである。したがって、この第5実施形態においても、前記課題が解決されて、水分等が電動送風機3に吸引されることを確実に防止しつつ掃除することが可能であるとともに、使い勝手を向上することが可能な電気掃除機1を提供することが可能である。
【0091】
しかも、第5実施形態の電気掃除機1は、スチーム導管74でノズル73とスチーム出口71とを連通させた状態で、スチーム生成装置72によりスチームを発生させながら掃除を行うことができる。これにより、被掃除面に強固に付着している油汚れや塵等を、スチームの噴き付けで被掃除面から容易に分離させ、それを吸込んで掃除することが可能である。
【0092】
この場合、吸込み口体31は被掃除面に噴き付けられたスチーム(水分)の一部を吸込む。スチームを空気から遠心分離することは困難である。しかし、スチームを含んだ空気は、塵分離部51を通過した後に、空気と共に上流側ファン収容部28の空気出口29を通ってアタッチメント11の外部に放出される。これにより、下流側ファン収容部15の空気入口17にスチームが吸込まれないので、下流側風路部材12及び吸引ホース5を通って掃除機本体2内に、吸込み口体31に吸込まれたスチームが吸込まれることがない。
【0093】
したがって、既述のアタッチメント11を用いることによって、スチームによる電動送風機3等への電気的悪影響を防止しつつ、スチームを被掃除面に噴き付けながら掃除することができる。
【0094】
図8は第6実施形態を示している。第6実施形態は以下説明する構成が第1実施形態とは相違しており、それ以外の構成は第1実施形態と同じである。このため、第1実施形態と同一ないしは同様の機能を奏する構成については、第1実施形態と同じ符号を付してその説明を省略する。
【0095】
第6実施形態では、アタッチメント11の吸込み口体31にミスト散布装置81が搭載されている。このミスト散布装置81は、ミスト散布ノズル82と、エアーモータ83、水タンク84と等を備えている。
【0096】
ミスト散布ノズル82は吸込み口体31の幅方向中央部に取付けられている。エアーモータ83は吸込み口体31の幅方向一端部に内蔵されている。エアーモータ83は吸込み口体31を通って上流側風路部材21に吸込まれる空気の一部によって回転されるものである。このエアーモータ83により生成される高圧の空気は、空気導管85によりミスト散布ノズル82に導かれて、このミスト散布ノズル82の先端から床等の被掃除面に噴き付けられるようになっている。
【0097】
水タンク84は吸込み口体31の幅方向他端部に取付けられている。水タンク84はそれへの水の補給を容易化するために吸込み口体31に対してその上方から着脱可能である。この水タンク84の内底部に連通された水管86の先端は、ミスト散布ノズル82内を流通する空気経路に臨んで開口されている。
【0098】
このため、エアーモータ83によってミスト散布ノズル82内を高圧空気が流通するに伴い、霧吹きの原理によって、水タンク84内の水が吸出されてミストとなってミスト散布ノズル82から斜め下方に噴出される。
【0099】
第6実施形態の電気掃除機1は、以上説明した以外の構成は図示されない構成を含めて第1実施形態の電気掃除機と同じである。したがって、この第6実施形態においても、前記課題が解決されて、水分等が電動送風機3に吸引されることを確実に防止しつつ掃除することが可能であるとともに、使い勝手を向上することが可能な電気掃除機1を提供することが可能である。
【0100】
しかも、第6実施形態の電気掃除機1は、吸込み口体31に搭載されたミスト散布装置81を備えているので、この装置により生成したミストを被掃除面に散布し、それにより被掃除面を湿らせることができる。それにより、被掃除面の塵の舞い上がりを抑制しつつ掃除をするこがが可能である。これとともに、吸込み口体31の下面に被掃除面に接する拭き部材を装着した場合は、これが散布されたミストで濡れることによって、被掃除面を水拭きしながら掃除を行うことができる。
【0101】
こうした掃除の際、吸込み口体31は被掃除面に噴き付けられたミスト(水分)の一部を吸込む。ミストを含んだ空気は塵分離部51を通過した後に、空気と共に上流側ファン収容部28の空気出口29を通ってアタッチメント11の外部に放出される。これにより、下流側ファン収容部15の空気入口17にミストが吸込まれないため、下流側風路部材12及び吸引ホース5を通って掃除機本体2内に、吸込み口体31に吸込まれたミストが吸込まれることがない。
【0102】
したがって、既述のアタッチメント11を用いることによって、ミストによる電動送風機3等への電気的悪影響を防止しつつ、ミストを被掃除面に散布しながら掃除をすることができる。
【0103】
以上のようにいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。本発明の新規な実施形態は、その他様々な形態で実施されることが可能であり、発明を逸脱しない範囲で、種々の省略、置換、変更等を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0104】
アタッチメントは電気掃除機に標準装備されるものであってもよい。更に、吸引ホースを経由することなく掃除機本体の本体吸込み口に、アタッチメントを直接接続した実施形態の電気掃除機とすることも可能である。
【0105】
又、アタッチメントが備える駆動ファン及び吸引ファンは、夫々単一であることには制約されず、これらファンを多段に設けて実施することも可能である。この場合、吸引性能の向上を期待できるとともに、小径な駆動ファン及び吸引ファンを使用できるに伴い、下流側ファン収容部及び上流側ファン収容部を小径化できる利点がある。
【0106】
更に、アタッチメントは吸込み口体を備えない構成ででもよい。この場合、吸込み口体は電気掃除機に標準装備される部品であり、そして、この吸込み口体の接続管に、アタッチメント11が備えた上流側風路部材21の第1風路管22の上流側端部22aが着脱可能に接続される。
【符号の説明】
【0107】
1…電気掃除機、2…掃除機本体、2b…本体吸込み口、3…電動送風機、11…アタッチメント、12…下流側風路部材、15…下流側ファン収容部、17…空気入口、21…上流側風路部材、28…上流側ファン収容部、29…空気出口、31…吸込み口体、41…駆動ファン、43…吸引ファン、51…塵分離部(ダストカップ)、71…スチーム出口、72…スチーム生成装置、73…ノズル、74…スチーム導管、81…ミスト散布装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動送風機が収容された掃除機本体の本体吸込み口に連通して使用されるアタッチメントであって、
前記本体吸込み口に連通される下流側ファン収容部を備え、この収容部が空気入口を有している下流側風路部材と、
空気出口が形成された上流側ファン収容部を備えて、前記下流側風路部材の上流側に連続された上流側風路部材と、
前記下流側ファン収容部に収容され、前記空気入口から前記本体吸込み口に吸込まれる第1気流で回転される駆動ファンと、
前記上流側ファン収容部に収容され、前記駆動ファンによって回転されて、前記第1気流とは独立して前記上流側風路部材を通って前記空気出口から排気される第2気流を生成する吸引ファンと、
この吸引ファンより上流側に配設され吸引された空気中から塵および水分を分離して溜める塵分離部と、
を具備することを特徴とする掃除機用アタッチメント。
【請求項2】
前記塵分離部が、前記上流側風路部材の外側に着脱可能で、塵と水分を空気から遠心分離するダストカップであることを特徴とする請求項1に記載の掃除機用アタッチメント。
【請求項3】
前記空気入口と前記空気出口とが互に異なる方向に開口されているとともに、前記下流側ファン収容部が、前記空気出口から排出される第2気流を前記空気入口から遠ざかる方向に導くように形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の掃除機用アタッチメント。
【請求項4】
前記上流側風路部材が前記下流側風路部材に着脱可能であることを特徴とする請求項1から3のうちのいずれか一項に記載の掃除機用アタッチメント。
【請求項5】
前記上流側風路部材に接続された吸込み口体を更に備え、この吸込み口体に、ミスト散布装置が搭載されていることを特徴とする請求項1から4のうちのいずれか一項に記載の掃除機用アタッチメント。
【請求項6】
本体吸込み口を有する掃除機本体と、
この掃除機本体に収容された電動送風機と、
前記本体吸込み口に連通して使用される請求項1から5のうちのいずれか一項に記載の掃除機用アタッチメントと、
を具備することを特徴とする電気掃除機。
【請求項7】
本体吸込み口及びスチーム出口を有する掃除機本体と、
この掃除機本体に収容された電動送風機と、
前記掃除機本体に収容されて前記スチーム出口にスチームを供給するスチーム生成装置と、
前記本体吸込み口に連通して使用される請求項1から4のうちのいずれか一項に記載の掃除機用アタッチメントであって、このアタッチメントの上流側風路部材が接続された吸込み口体を備える前記アタッチメントと、
前記吸込み口体に搭載されたスチーム散布用のノズルと、
このノズルと前記スチーム出口とを連通したスチーム導管と、
を具備することを特徴とする電気掃除機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−66621(P2013−66621A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−208122(P2011−208122)
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(502285664)東芝コンシューマエレクトロニクス・ホールディングス株式会社 (2,480)
【出願人】(503376518)東芝ホームアプライアンス株式会社 (2,436)
【Fターム(参考)】