説明

授乳カバー

頂縁、底縁、ならびに第1側縁および第2側縁を有する布を含み、上記布の頂縁にストラップが結合され、別のストラップを用いて複数のDリングが上記布の頂縁に結合され、上記布の頂縁に芯が縫合されてなる授乳カバーが記載される。上記芯は、芯の第1端に結合された第1エンドキャップおよび芯の第2端に結合された第2エンドキャップを有し、上記芯は、着用時に布を外向きに湾曲させて観察領域を提供する。

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は衣料品に関し、さらに詳しくは授乳カバーに関する。
【背景】
【0002】
新生児はしばしば母親の母乳で育てられ、それは母親とその乳児との間の親密かつ個人的なきずなを作る経験であり得る。母乳の授乳中に、母親は一般的に自分の胴体の上部を露出し、公共の場または通行の多い場所にいる場合、それは彼女を居心地悪く感じさせることがある。授乳する母親の露出部分(例えば胴体上部、胸部等)を覆うための従来の解決策は幾つかの限界を有し、しばしば嵩張り、不快であり、危険であり、または取り扱いにくい。
【0003】
一部の従来の解決策では、大きいタオルまたは小さいシートが使用され、それらは嵩張り、一般的に重い非透湿性素材から作られる。これらのタイプの素材はしばしば、着用するには暖かすぎ、母親および乳児の体温が上昇し、結果的に授乳がしにくく、または心地悪く感じるようになる。さらに、重く、嵩張り、または非透湿性の素材はまた、窒息の危険性を引き起こし、または授乳する乳児の過熱の原因になるかもしれない。
【0004】
従来の授乳カバーはまた、着用しにくく、または着用したときに固定しにくいので、問題がある。授乳する新生児を覆うようにカバー、覆布(ラップ;wrap)、またはシートを母親の肩にまとい、または掛けると、乳児の可視性がしばしば遮断される。さらに、乳児の動きは、カバー、覆布、またはシートを所定の位置に滑り込ませるか、または完全に離落させることがある。従来の技術では、母親とその新生児との間の可視性が不明瞭になり、授乳中に母親が新生児を観察または監視することを妨げる。位置決め、掛止、および他のファクタが、従来のカバー、覆布、およびシートによって妨げられるか、または悪影響を受けることがあり得る。さらに、母親が、従来のカバー、覆布、またはシートを所定の位置に固定しかつ維持しながら、これらの要素を管理する能力は、物理的に制限される。
【0005】
かくして、必要とされるものは、従来の技術の制限なしに授乳中に乳児を覆うための解決策である。
【0006】
本発明は、添付の図面と共に以下の詳細な説明から容易に理解されるであろう。図中、同様の符号は同様の構造要素を示す。
【詳細な説明】
【0007】
本発明の実施形態または実施例は、装置、システム、またはプロセスとして実現することを含め、多くのやり方で実現することができる。1つまたはそれ以上の実施例の詳細な説明を、添付の図面と共に下に提供する。詳細な説明は、そのような実施例に関連して提供するが、いずれの特定の実施例にも限定されない。範囲は特許請求の範囲によって限定されるが、多数の代替物、変形例、および均等物が含まれる。完全な理解をもたらすために、多数の特定の詳細を以下の説明で記載する。これらの詳細は実施例として提供するものであり、提供する説明は、これらの特定の詳細の一部または全部を使用することなく、特許請求の範囲に従って実現するために使用することができる。分かり易くするために、実施例に関係する技術分野で公知の技術的材料は、説明を不必要に曖昧にすることを回避するために、詳細には記述しない。
【0008】
可視性を妨げることなく位置固定を可能にする、縁に縫付または縫合された(「縫合された」)芯を有するカバー、覆布(ラップ;wrap)、布(ファブリック;fabric)またはシート(「シート」)を含む授乳カバーが記載される。さらに、芯の各端に設けられたエンドキャップは、芯と芯が中に配置された縫合ポケットとの間の摩耗を回避するように保護強化をもたらす。着用したときに、授乳カバーは、母親が乳児を観察または監視するための窓を提供する一方で、授乳する乳児、および母親の露出した胴体を覆う。より詳細に下述する授乳カバーは、日光、風、雨等のような他の環境因子から乳児を保護もできる。一部の実施例では、下述する授乳カバーは、授乳していないが、代わりにBaby Bjorn(登録商標)等のようなおんぶ紐または揺りかご内で運搬される乳児を遮蔽するために使用することもできる。換言すると、下で種々の実施例で記載する授乳カバーは、母親およびその子供を種々のタイプの自然および人工環境因子および状態から保護するために使用することができる。提示する実施例の種々の代替的実現および変形を使用することができ、本書に提示する説明、寸法、または他の例示的詳細に限定されない。
【0009】
図1は例示的な授乳カバーの正面図を示す。ここで、授乳カバー100はシート101、ストラップ102、D形リングストラップ104、上部頂縁ステッチ106、下部頂縁ステッチ108、左縁ステッチ110、右縁ステッチ112、底縁ステッチ114、およびポケットステッチ116〜120を含む。ストラップ102はさらに側部ステッチ122〜124およびテーパ縁126を含む。D形リングストラップ104もまた側部ステッチ128〜130および1つまたはそれ以上のD形リング132を含む。一部の実施例では、D形リングストラップ104は、ストラップ102を固定するために使用される1つまたはそれ以上のD形リング132により実現することができる。ストラップ102は、D形リングストラップ104に直接または間接に繋着、滑合、縛結、または他の方法で結合することによって固定することができる。他の実施例では、D形リングストラップ104は、O形リング、H形ブラケット等を含め、他のタイプの固定リングまたはブラケットにより実現することができる。授乳カバー100はまた、芯ポケット134およびポケットステッチ136〜138をも含む。ポケット134は、図4A〜4Cに関連して下で詳述する芯を保持するために使用される。
【0010】
再び図1を参照すると、芯は、芯ポケット134内に配置されたときに授乳カバー100の着用者から外向きに延びる、ある長さの材料とすることができる。芯は、シート101の頂縁から「外向きに湾曲する」、可撓性であるが半剛性のストリップまたはある長さの材料とすることができる。湾曲したときに、芯はシート101の頂縁を着用者から遠ざけて保持し、かくして着用者と下にいる乳児との間の可視性を維持するための開口またはアパーチャが提供される。芯は、木材、プラスチック、ナイロン、金属、複合材料、またはその他を含め、天然または合成材料から作ることができる。さらに、芯は、静止位置に固定されたときに、シート101の頂縁がシート101の面から遠ざかる方向に延びることを可能にする曲率半径に形成される。換言すると、芯は、曲率を達成するために力または圧力を加える必要無く、持続する湾曲形状を提供する材料記憶を持つことができる。
【0011】
一部の実施例では、シート101は、綿、羊毛、絹、デニム、ポリエステル、ナイロン、および種々のタイプの混紡を含め、天然または合成繊維から作られた任意のタイプの布(ファブリック;fabric)を用いて実現することができる。さらに、シルクスクリーニング、刺繍法、またはパターンもしくはデザインを布の織りに取り込むなど、任意のタイプの技術を用いて、種々のタイプのデザインをシート101に配することができる。他のタイプの布およびデザインを使用することができ、授乳カバー100は提示する実施例に限定されない。シート101に使用される材料のタイプに関係なく、授乳カバー100は、乳児および母親の親密かつ人目につかない授乳経験をもたらすべく、授乳する母親の胴体上部を覆うように配置することができる。さらに、芯ポケット134内に配置され、かつポケットステッチ136〜138によって境界を定められる芯は、縦軸線140に略直角の平面上で授乳カバー100から外向きに突出する完全または部分的半球形支持体を提供するために使用することができる。換言すると、母親が授乳カバー100を立位に着用する場合、芯ポケット134内の芯(図示せず)は、頂縁の中心位置を外向きに、母親から遠ざかる方向に延出させることができる。母親の胴体上部は覆われた状態に維持され、授乳中の乳児は外部から見えないように遮蔽され、シート101は授乳中に望ましくない人目からの不透明な保護を達成する。授乳カバー100は、上述とは異なる方法で実現することができ、提示する実施例に限定されない。
【0012】
図2Aは例示的な授乳カバーの背面図を示す。ここで、授乳カバー200もまた、シート101、ストラップ102、D形リングストラップ104、上部頂縁ステッチ106、下部頂縁ステッチ108、左縁ステッチ110、右縁ステッチ112、底縁ステッチ114、およびポケットステッチ116〜120を含む。ストラップ102はさらに、側部ステッチ122〜124およびテーパ縁126を含む。D形リングストラップ104もまた側部ステッチ128〜130および1つまたはそれ以上のD形リング132を含む。ポケットステッチ136〜138ならびに上部頂縁ステッチ106および下部頂縁ステッチ108によって境界を定められる芯ポケット134も設けられる。ポケットは、シート101の隅部に縫合することのできるポケット布202を用いることによって、設けることができる。ポケット布202は、右縁ステッチ112および底縁ステッチ114によって所定の位置に縫合することができる。右縁ステッチ112から底縁ステッチ114まで延びるポケット布202の対角縁もまた縫合することができるが、ポケットステッチ116と120との間には非縫合部が開いた状態に残され、かくして着用者が物を取り出しかつ収納するためのポケットが作成される。ポケットステッチ116〜120は、瓶、よだれかけ、手ぬぐい、おしゃぶり、ベビー服、授乳用具等を含め、授乳する母親のために様々な物を保持するために使用することのできる、ポケットの縁を提供する。さらに、授乳カバー200の裏面または「内側」表面にポケット布202を使用して、ポケットステッチ116〜120によって境界を定められるポケットを配置することは、授乳する母親が上述したような物を取り出し、または収納することを可能にする。他の実施形態では、ポケット布202は異なる方法で実現することができ、図示する実施例に限定されない。
【0013】
図2Bは別の例示的な授乳カバーの背面図を示す。ここで、同じくシート101、ストラップ102、D形リングストラップ104、上部頂縁ステッチ106、下部頂縁ステッチ108、左縁ステッチ110、右縁ステッチ112、底縁ステッチ114、およびポケットステッチ116〜120を含む授乳カバー210が示される。ストラップ102はさらに、側部ステッチ122〜124およびテーパ縁126を含む。D形リングストラップ104もまた側部ステッチ128〜130および1つまたはそれ以上のD形リング132を含む。ポケットステッチ136〜138ならびに上部頂縁ステッチ106および下部頂縁ステッチ108によって境界を定められる芯ポケット134も設けられる。代替的に、図2Aに関連して図示しかつ上述したものとは異なるタイプのポケットをもたらすポケット布212およびポケットステッチ214〜218が示される。一部の実施例では、ポケット布212は、シート101と同一または異なるタイプの材料を用いて形成することができる。例えば、テリークロス材をポケット布212に使用することができ、それは着用者(すなわち授乳する母親)の露出した皮膚との摩耗を最小化する軟質素材をもたらす。他の実施例では、ポケットを形成するために、異なるタイプの材料をポケット布212に使用することができる。さらに、ポケット布212は、シート101の異なる領域または外側に配置することができる。例えば、ポケット布212はシート101の内側に、しかし左利きまたは右利きの母親に適応するように異なる隅に、配置することができる。さらに、異なるサイズのポケット布212をシート101に縫合し、種々の大きさの物品を保持するために、より小さいまたはより大きいサイズのポケットを設けることができる。一部の実施例では、ポケット布212は、着用者が授乳しながら物品を安全な位置に置くことを可能にする、留め金または他の品目を使用して閉じられる、安全なポケットを設けるように構成することができる。
【0014】
ここで、ポケット212は、水平方向に構成され縦軸線140に直角な平面内に存する開口を持つポケットを提供する。ポケットステッチ214〜218によって境界を定められ、ポケット布212の頂縁を開いた状態に残され、図2Aに関連して上述したような物を着用者が収容しかつ取り出すことを可能にするポケットが形成される。他の実施例では、異なるタイプのポケットを実現することができ、図示しかつ説明した実施例に限定されない。ポケット布212には多数の他の形状、大きさ、布タイプ、および位置を使用することができ、授乳カバー210は、図示しかつ上述したポケット例に限定されない。さらに、授乳カバー210および記載した要素は改変することができ、上述した実施例に限定されない。
【0015】
図3は着用されたときの例示的な授乳カバーの代替的正面図を示す。ここで、シート101、ストラップ102、D形リングストラップ104、上部頂縁ステッチ106、下部頂縁ステッチ108、左縁ステッチ110、右縁ステッチ112、底縁ステッチ114、およびポケットステッチ116〜120を含む授乳カバー300が示される。ストラップ102は、側部ステッチ122〜124およびテーパ縁126をさらに含む。D形リングストラップ104もまた側部ステッチ128〜130および1つまたはそれ以上のD形リング132を含む。ポケットステッチ136〜138ならびに上部頂縁ステッチ106および下部頂縁ステッチ108によって境界を定められる芯ポケット134も設けられる。一部の実施例では、ストラップ102は、結び目を用いて、またはストラップ部302で示すようにD形リング132の間にストラップ102を通すことによって、D形リングストラップ104に固定することができる。一部の実施例では、ストラップ102は、テーパ縁126またはストラップ102のいずれかに張力が加えられたときに固定されかつピンと張るD形リング132に通すことができる。ストラップ102は、肩幅が広いか狭い、もしくは首が太いか細い着用者に適応するように、または授乳カバー300によって提供される所望の被覆範囲を補償するように、D形リング132を用いて長さを調整することができる。他の実施例では、授乳カバー300は異なる方法で固定することができ、図示しかつ説明した実施例に限定されない。
【0016】
着用されたときに、授乳カバー300は、授乳する母親およびその子供のために、望ましくない人目に対する遮蔽および保護を提供する。ストラップ102は、D形リング132を用いてD形リングストラップ104に固定されたときに、下にいる授乳する子供の上に垂れ下がり、または覆いかぶさる。芯ポケット134内の芯は、授乳カバー300を母親の首および胴体上部から遠ざかるように延ばし、乳児がその中で安定しかつ母親に見える状態を維持するポケットを提供する。さらに、母親は、授乳中に母親の腕の中に抱えられるか、おんぶ紐(例えばBaby Bjorn(登録商標))内に支持されるか、または人目、日光、天候、風、または乳児に悪影響を及ぼす他の環境因子からの保護を保証する他の方法で所定の位置に保持された、下にいる乳児を保護するための日除けとして授乳カバー300を着用することもできる。
【0017】
図4Aは例示的芯を示す。ここで、縁404〜406を持つ芯402が示される。一部の実施例では、芯402は木材、竹、およびその他のような天然素材を用いて形成することができる。他の実施例では、芯402は、プラスチック、ナイロン、鋼、金属、複合材料(例えばテフロン(登録商標)、ケブラー(登録商標)およびその他)のような合成材料を用いて形成することができる。芯402に使用される材料は耐久性、軽量、防水性、または耐水性とすることができ、芯ポケット134(図1、図2A〜2B、図3)内に配置されたときに水分の蓄積またはカビの発生を防止するように形成することができる。芯402は、ポケット134内に配置されたときに、授乳カバー100(図1、図2A〜2B、図3)の上縁を着用者から外向きに湾曲させるように使用される、湾曲または準半球形をもたらす任意の材料から形成することができる。一部の実施例では、湾曲の程度(すなわち曲率半径)は、所望の可視性の量に応じて、異なる着用者のために調整またはカスタマイズすることができる。換言すると、より大きい領域の可視性を希望する場合、芯402は、より大きい長さおよび曲率半径を用いて形成することができる。形成されるときに、芯402は静止位置で湾曲またはカーブ形状を維持する。さらに、形成されたカーブとは反対方向に芯402を湾曲またはカーブさせるように力が加えられる場合、芯402は破断することなく湾曲させることを可能にする材料から形成することができる。ここで、縁404〜406は芯402内の材料の個々の繊維またはより糸を露出させることがある。シート101と接触して配置されたときに(すなわちポケット134内に配置されたとき)、縁404〜406はシート101の布を摩耗させ、結果的にシート101の摩損または切傷を引き起こすだけでなく、芯402を所定の場所から滑出させるかもしれない。エンドキャップ(図4B〜4Cに関連して下でさらに詳述する)を芯402にかぶせることにより、摩耗および切傷を防止または最小限に止めることができ、結果的に、授乳カバー100がその上縁に沿って着用者から遠ざかるように外向きに湾曲する能力が持続される。他の実施例では、芯402は、上述したものとは異なる性質および材料特性を持つ異なる材料から形成することができる。
【0018】
図4Bは例示的なエンドキャップを示す。ここで、開口414およびポート416を持つエンドキャップ412が示される。一部の実施例では、芯402(図4A)を開口414内に配置し、エンドキャップ412の反対側の内面と接触するまで挿し込むことができる。エンドキャップ412は縁404〜406の上にかぶせられ、授乳カバー100のポケット134(図1)内に配置されたときに、シート101の損耗または切傷を防止する、非磨耗性の実質的に平滑な表面を提供することができる。さらに、エンドキャップ412は、縁404〜406がポケット134の損耗または切傷を生じることを防止し、かつ痛み、負傷、または両方の原因になる着用者の露出した皮膚表面内に縁404〜406が押し込まれることをも防止するために、使用することができる。さらに、エンドキャップ412は、芯402の粗雑な縁が子供の皮膚、目、または四肢に押し込まれるのを防止することによって、下で保護されている乳児の保護をも提供することができる。ポート416は、エンドキャップ412内を観察するための窓またはアパーチャを提供する。ポート416は、芯402がエンドキャップ412内に完全にまたは部分的に挿入されたかどうかを決定するために使用することができる。一部の実施例では、ポート416は、芯402の外縁が開口414の内面と接触することによってシールを提供する場合に、エンドキャップ412内の過度の圧力を緩和するためにも使用することができる。一部の実施例では、エンドキャップ412の形状は、シート101への摩耗、損耗、または切傷を防止するために、平滑な丸みを帯びた表面を提供するように形成される。他の実施例では、異なる形状および大きさをエンドキャップ412に使用することができ、上に示した実施例に限定されない。例えば丸みを帯びたまたは半球形の形状をエンドキャップ412に使用することができる。他の実施例では、ポケット134の内張りまたは内面に引掻傷、摩耗、損耗、または切傷をもたらさない、安全かつ実質的に平滑な表面を提供する、方形または略矩形の形状をエンドキャップ412に使用することができる。エンドキャップ412は、デザイン、形状、および寸法が異なるように実現することができる。他の実施例を使用することができ、図示しかつ説明した実施例に限定されない。
【0019】
図4Cは例示的な芯およびエンドキャップを示す。ここで、芯402の断面が示され、エンドキャップ412が縁404にかぶせられる。一部の実施例では、芯402および縁404の粗面によって生じる摩耗、損耗、または切傷から布(すなわちシート101(図1))を保護するために、エンドキャップ412が縁404にかぶせられる。縁404は、芯402がより長い全長の材料から切り出されるときに形成することができる。ここで、芯402はエンドキャップ412内に挿入され、縁404がポート416内に見えるときに、完全に配置されている。一部の実施例では、縁404をエンドキャップ412内に完全に挿入し、シート101およびポケット134の布を摩耗、切傷、または損耗することのない、平滑な端部表面をもたらすことができる。他の実施例では、縁404をエンドキャップ412内に部分的に挿入することができ、挿入の程度は、ポート416を用いて芯402がエンドキャップ412内にどれだけ奥まで進んだかを観察することによって、制御することができる。他の実施例では、エンドキャップ412は、芯402の一部として形成することができ、かくして縁404が省略され、シート101の摩耗、損耗、または切傷を防止する平滑な一体的表面がもたらされる。さらに別の実施例では、エンドキャップ412を異なる方法で芯402全体または上に挿入することができ、図示しかつ説明した実施例に限定されない。
【0020】
一部の実施例では、エンドキャップ412および芯402は成形、接続、接着、縫付、縫合、または他の方法で(すなわち直接または間接的に)一体に結合することができる。例えば、エンドキャップ412および芯402は、糸、ひも、または他の合成もしくは天然繊維を使用して、エンドキャップ412を芯402に固定するように縫付けることができる。合成または天然繊維(図示せず)は、エンドキャップ412の側面のポート416から入り、芯402の材料を通過して、エンドキャップ412の反対側の側面に位置する別のポートから抜け出ることができる。エンドキャップ412を芯402に結合するために使用される合成、天然、または他の連結材は、上述したような記憶形状を提供する任意のタイプの合成または天然材料から構成することができる。別の実施例として、エンドキャップ412は芯402に結合されるが、熱、溶剤、または結果的にエンドキャップ412と芯402の融着を物質的または分子的に生じる他の材料を加えることによって、一体に溶着することができる。同様に、種々のタイプの接着剤または接着性材料を塗布して、エンドキャップ412を芯402に結合することもできる。さらに、芯402は、両端に配置されるエンドキャップ412と共に形成することができる。換言すると、エンドキャップ412は、同一または異なる材料を使用して、芯402の一部として形成することができる。さらに別の実施例として、異なるコネクタを使用してエンドキャップ412を芯402に結合することができる。
【0021】
一部の実施例では、コネクタは、エンドキャップ412および芯402の両方を一緒に固定するためにエンドキャップ412および芯402に圧入貫通させることのできる、任意のタイプの天然または合成繊維から構成される、「プラグ」、「バー」またはレールとすることができる。コネクタはまた、エンドキャップ412を芯402に機械的または構造的に結合するために使用される、任意のタイプの中間材とすることもできる。芯402およびエンドキャップ412は、単一の一体片として形成するか、または上述したような技術を用いて結合される複数の異なる部片を用いることによって形成することができる。さらに、芯402およびエンドキャップ412を結合するための任意のタイプの技術を使用することができ、上に提示した実施例に限定されない。エンドキャップ412を芯402に固定するための他のタイプおよび技術を使用することができ、上記実施例に限定されない。
【0022】
前述の実施例は明確な理解のために記載したものであるが、付属の特許請求の範囲内で特定の変化または改変を実施することができる。したがって、本発明の実施例は、制限としてではなく、例証とみなすべきであり、かつ本書に掲げた詳細に限定されず、付属の特許請求の範囲および均等物の範囲内で改変することができる。特許請求の範囲で、要素および/またはステップは、請求項に明示的に記載しない限り、特定の操作の順序を暗示するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】例示的な授乳カバーの正面図を示す。
【図2A】例示的な授乳カバーの背面図を示す。
【図2B】別の例示的な授乳カバーの背面図を示す。
【図3】例示的な授乳カバーの着用時の別の正面図を示す。
【図4A】例示的な芯を示す。
【図4B】例示的なエンドキャップを示す。
【図4C】例示的な芯およびエンドキャップを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カバーであって、
頂縁、底縁、ならびに第1側縁および第2側縁を有する布であって、前記布の前記頂縁にストラップが結合され、かつ別のストラップを用いて前記布の前記頂縁に複数のD形リングが結合されてなる前記布と、
前記布の前記頂縁内に縫合された芯であって、前記芯の第1端に結合された第1エンドキャップおよび前記芯の第2端に配置された第2エンドキャップを有し、着用時に観察領域を提供するように前記布を外向きに湾曲させる前記芯と、
を含むカバー。
【請求項2】
前記第1エンドキャップを前記第1端に縫付けることによって、前記第1エンドキャップが前記第1端に結合される、請求項1に記載のカバー。
【請求項3】
前記第2エンドキャップを前記第2端に縫付けることによって、前記第2エンドキャップが前記第2端に結合される、請求項1に記載のカバー。
【請求項4】
前記第1エンドキャップを前記芯に縫合することによって、前記第1エンドキャップが前記第1端に結合される、請求項1に記載のカバー。
【請求項5】
前記第2エンドキャップを前記芯に縫合することによって、前記第2エンドキャップが前記第2端に結合される、請求項1に記載のカバー。
【請求項6】
前記頂縁に沿って位置するシートのポケット内に前記芯が配置された、請求項1に記載のカバー。
【請求項7】
前記第1エンドキャップおよび前記第2エンドキャップが平滑な外面を有する、請求項1に記載のカバー。
【請求項8】
前記第1エンドキャップおよび前記第2エンドキャップが、前記芯の前記第1端および前記第2端上に非磨耗性外面を提供する、請求項1に記載のカバー。
【請求項9】
授乳カバーであって、
複数の縁を有するシートであって、第1ストラップの基端が前記複数の縁の1つの縁に縫合され、かつ第2ストラップの別の基端が前記1つの縁に縫合され、着用時に前記第1ストラップの末端および前記第2ストラップの別の末端が、一体に結合されるように構成されてなる前記シートと、
前記1つの縁内に縫合されたポケット内に配置され、前記縁を補強し、かつカバーに湾曲形状を提供する芯であって、前記芯の第1端に第1エンドキャップが配置され、かつ前記芯の第2端に第2エンドキャップが配置され、前記第1エンドキャップおよび前記第2エンドキャップが前記芯の前記第1端および前記第2端にそれぞれ結合されてなる前記芯と、
を含む授乳カバー。
【請求項10】
前記第1エンドキャップおよび前記第2エンドキャップが、接着剤を用いて、前記芯の前記第1端および前記第2端にそれぞれ結合される、請求項9に記載の授乳カバー。
【請求項11】
前記第1エンドキャップおよび前記第2エンドキャップが、ファイバを用いて、前記芯の前記第1端および前記第2端にそれぞれ結合される、請求項9に記載の授乳カバー。
【請求項12】
前記第1エンドキャップおよび前記第2キャップを前記芯に溶着することによって、前記第1エンドキャップおよび前記第2エンドキャップが、前記芯の前記第1端および前記第2端にそれぞれ結合される、請求項9に記載の授乳カバー。
【請求項13】
前記第1エンドキャップおよび前記第2エンドキャップが、コネクタを用いて、前記芯の前記第1端および前記第2端にそれぞれ結合される、請求項9に記載の授乳カバー。
【請求項14】
授乳カバーであって、
頂縁、底縁、ならびに第1側縁および第2側縁を有する覆布であって、前記覆布の頂縁に第1ストラップおよび第2ストラップが結合され、前記覆布の着用時に、前記第1ストラップおよび前記第2ストラップが一体に結合されてなる前記覆布と、
前記シートの前記頂縁の近くに配置された略水平ポケット内に配置された芯であって、前記芯の第1端に結合された第1エンドキャップおよび前記芯の第2端に結合された第2エンドキャップを有し、前記覆布の着用時に着用者と前記覆布との間にギャップが提供されるように外向きに湾曲する前記芯と、
を含む授乳カバー。
【請求項15】
前記第1エンドキャップが前記芯に溶着するように熱を加えることによって、前記第1エンドキャップが前記第1端に結合される、請求項14に記載の授乳カバー。
【請求項16】
前記第2エンドキャップが前記芯に溶着するように熱を加えることによって、前記第2エンドキャップが前記第2端に結合される、請求項14に記載の授乳カバー。
【請求項17】
前記第1エンドキャップがコネクタを用いて前記第1端に結合される、請求項14に記載の授乳カバー。
【請求項18】
前記第2エンドキャップがコネクタを用いて前記第2端に結合される、請求項14に記載の授乳カバー。
【請求項19】
前記第1エンドキャップが前記芯の一部として形成される、請求項14に記載の授乳カバー。
【請求項20】
前記第2エンドキャップが前記芯の一部として形成される、請求項14に記載の授乳カバー。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【公表番号】特表2010−501739(P2010−501739A)
【公表日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−525534(P2009−525534)
【出願日】平成18年10月4日(2006.10.4)
【国際出願番号】PCT/US2006/039062
【国際公開番号】WO2008/024122
【国際公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願人】(508091591)ベベ オ レ,エルエルシー (3)
【Fターム(参考)】