説明

授業データ管理装置及び授業データ管理システム

【課題】電子教科書を用いた授業の授業データのうち、各生徒の所望の授業データを簡易に配信する。
【解決手段】授業データ管理装置は、教科書データを用いた授業が記録された授業データを管理し、授業において、教師端末から教科書データの説明開始タイミング情報、及び生徒端末から教科書データの確認タイミング情報を受信する通信部と、教師及び生徒の各個人情報、授業情報、授業データ、並びに説明開始タイミング情報及び確認タイミング情報を保存するデータベースと、確認タイミング情報の受信時から最も近い以前に受信された説明開始タイミング情報を抽出する説明開始起点抽出部と、抽出された説明開始タイミング情報を再生起点として再生可能な授業データのファイルを取得する授業データ取得部とを備える。通信部は、取得された授業データを生徒端末に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子教科書を用いた授業の授業データを効率的に管理する授業データ管理装置及び授業データ管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今のタブレット端末若しくはスマートフォン等の電子機器の著しい高性能化及び低価格化によって、学校等の授業において各教師及び各生徒が上述した電子機器を用いて、画面上に電子教科書を表示して授業を進めるというIT(Information Technology)授業に注目が集まっている。
【0003】
又、ハードディスク等の記録媒体の高容量化、低価格化及びデータの圧縮技術の発展に伴い、映像等の大容量のコンテンツの記録を容易に行うことが出来るようになってきた。
【0004】
この様な背景の下で、IT授業中には、生徒が教師の説明内容を理解できない、或いは説明内容を聞き逃した内容を後で再生して閲覧したいというニーズを満たすために、リアルタイムな授業の内容を電子データとして記録し、授業後に生徒が復習のために視聴するという方法が用いられると考えられる。しかしながら、再度視聴したい部分は生徒それぞれで異なり、各生徒が再確認したい部分のために、各生徒が個々に授業データを記録するのは非効率であるし、授業データの全体を最初から視聴し若しくは自己が視聴したい部分を探して視聴することも非効率である。
【0005】
この様にユーザが視聴したいと考える部分を効率的に再生するための技術として、例えば特許文献1の情報再生サーバ装置、情報再生装置及び情報再生方法が知られている。
【0006】
特許文献1では、或る一定時間に相当する分量を上限として放送中の番組データを常に記録すると共に、離席時に端末からの情報記録指示を基に同番組データの記録を継続する。記録された番組データの再生時においては、情報記録指示を受けた時点からその一定時間ほど遡った分の番組データと、情報記録指示を受けた時点以降に記録された番組データとを、離席時以降の番組データとして再生する。これにより、端末の利用者は、予期できない離席等のために放送中の番組の視聴を中断した場合でも、映像や音声情報の流れを失わずに観賞することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−177962号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1の情報再生方法を上述したIT授業に適用した場合には、中断の時点は、各生徒が教師の授業内容を理解できなくなった時点若しくは後で確認したいと考える時点に相当すると考えられる。中断の時点は、各生徒が理解できなくなった若しくは後で確認したいと考える授業内容に対して教師が説明を開始した時点であるとは限らない。特許文献1の様に或る一定時間に相当する分量を上限として授業データを常に記録した場合であっても、各生徒が理解できなくなった若しくは後で確認したいと考える時点より少し前に遡って授業内容を視聴することはできる。
【0009】
しかしながら、各生徒が後で確認したいと考える時点は生徒毎に異なるため、特許文献1の情報再生方法をIT授業に適用した場合には、各生徒が理解できなくなった若しくは後で確認したいと考える時点は、各生徒が希望する授業内容に対して教師が説明を開始した時点と一致することは困難であると考えられる。
【0010】
本発明は、上述した従来の事情に鑑みてなされたものであり、電子教科書を用いた授業の授業データに対して、教師から入力された授業内容の説明開始時点及び各生徒から入力された授業内容の再視聴の入力時点を効率的に管理し、各生徒の所望の授業データを簡易に配信する授業データ管理装置及び授業データ管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上述した授業データ管理装置であって、教科書データを用いた授業が記録された授業データを管理する授業データ管理装置であって、前記授業において、教師端末から前記教科書データの説明開始タイミング情報、及び生徒端末から前記教科書データの確認タイミング情報を受信する通信部と、前記教師端末及び前記生徒端末を用いる教師及び生徒の各個人情報、前記授業の授業情報、前記記録された前記授業データ、並びに前記通信部により受信された前記説明開始タイミング情報及び前記確認タイミング情報を保存するデータベースと、前記教師及び生徒の各個人情報及び前記授業情報を基に、前記確認タイミング情報の受信時から最も近い以前に受信された前記説明開始タイミング情報を抽出する説明開始起点抽出部と、前記説明開始起点抽出部により抽出された前記説明開始タイミング情報を再生起点として再生可能な前記授業データのファイルを取得する授業データ取得部と、を備え、前記通信部は、前記授業データ取得部により取得された前記授業データを前記生徒端末に送信する。
【0012】
又、本発明は、教師端末と、生徒端末と、前記教師端末及び前記生徒端末の間で教科書データを用いた授業が記録された授業データを管理する授業データ管理装置とを含む授業データ管理装置であって、前記授業データ管理装置は、前記授業において、前記教師端末から前記教科書データの説明開始タイミング情報、及び前記生徒端末から前記教科書データの確認タイミング情報を受信する通信部と、前記教師端末及び前記生徒端末を用いる教師及び生徒の各個人情報、前記授業の授業情報、前記記録された前記授業データ、並びに前記通信部により受信された前記説明開始タイミング情報及び前記確認タイミング情報を保存するデータベースと、前記教師及び生徒の各個人情報及び前記授業情報を基に、前記確認タイミング情報の受信時から最も近い以前に受信された前記説明開始タイミング情報を抽出する説明開始起点抽出部と、前記説明開始起点抽出部により抽出された前記説明開始タイミング情報を再生起点として再生可能な前記授業データのファイルを取得する授業データ取得部と、を備え、前記通信部は、前記授業データ取得部により取得された前記授業データを前記生徒端末に送信する。
【0013】
上述した構成によれば、電子教科書を用いた授業の授業データに対して、教師から入力された授業内容の説明開始時点及び各生徒から入力された授業内容の再視聴の入力時点を効率的に管理し、各生徒の所望の授業データを簡易に配信することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、電子教科書を用いた授業の授業データに対して、教師から入力された授業内容の説明開始時点及び各生徒から入力された授業内容の再視聴の入力時点を効率的に管理し、各生徒の所望の授業データを簡易に配信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】授業データ管理システムのシステム構成の一例を示すシステム構成図
【図2】第1の実施形態の教師端末のハードウェア構成の一例を示すブロック図
【図3】第1の実施形態の生徒端末のハードウェア構成の一例を示すブロック図
【図4】第1の実施形態の授業データ管理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図
【図5】(A)教師端末における説明開始タイミングの入力時刻と生徒端末における確認タイミングの入力時刻とを示したタイムチャート、(B)教師端末における説明開始タイミングの入力時刻と生徒端末における確認タイミングの入力時刻とをテーブル形式で示した説明図
【図6】第1の実施形態における授業データ関連情報をテーブル形式で示した説明図
【図7】第1の実施形態の教師端末、生徒端末、ビデオカメラ及び授業データ管理装置における授業開始時点から授業終了時点までの各動作を説明するシーケンス図
【図8】(A)教師端末の表示画面の例示図、(B)生徒端末の表示画面の例示図
【図9】第1の実施形態の生徒端末及び授業データ管理装置における授業後の各動作を説明するシーケンス図
【図10】第2の実施形態における授業データ関連情報をテーブル形式で示した説明図
【図11】第2の実施形態の生徒端末及び授業データ管理装置において生徒が授業終了後に復習する場合の各動作を説明するシーケンス図
【図12】授業データ全体のうち生徒端末からの確認タイミング情報の入力がなかったデータ区間の授業データの削除を説明するタイムチャート
【図13】無音無操作期間の授業データの削除を説明するタイムチャート
【図14】教師端末においてタイトル(章)又はページの切替時に説明開始タイミングを送信する動作を説明する説明図
【図15】教師端末におけるタイトル(章)又はページの切替に応じて説明開始タイミング情報を送信する動作を説明するフローチャート
【図16】教師端末及び生徒端末の教科書データが一定時間以上異なる場合に確認タイミング情報を保存する動作を説明する説明図
【図17】教師端末及び生徒端末の教科書データが一定時間以上異なる場合に確認タイミング情報を保存する動作を説明するフローチャート
【図18】カメラを有する生徒端末において生徒が一定時間以上フレームアウトしている場合に授業データ管理装置が確認タイミング情報を保存する動作を説明するフローチャート
【図19】授業データ管理システムのシステム構成の他の一例を示すシステム構成図
【図20】(A)授業データ管理システムにおける教師端末のハードウェア構成の他の一例を示すブロック図、(B)教師端末の制御部の内部構成を示すブロック図
【図21】(A)授業データ管理システムにおける生徒端末のハードウェア構成の他の一例を示すブロック図、(B)生徒端末の制御部の内部構成を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0016】
(第1の実施形態)
以下、本発明に係る授業データ管理装置及び授業データ管理システムの実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、授業データ管理システム100のシステム構成の一例を示すシステム構成図である。授業データ管理システム100は、それぞれネットワークNWに接続された教師端末10、複数の生徒端末30−1,30−2,…,30−n、授業データ管理装置50及ビデオカメラ70を含む構成である。授業データ管理システム100において生徒端末の数は1つでも良い。以下、生徒端末の構成及び動作は同様であるため、生徒端末30−1を例示して説明する。
【0017】
授業データ管理システム100を構成する教師端末10及び生徒端末30−1は、例えばPC(Personal Computer)、PDA(personal digital assistant)及びタブレット端末又は電子書籍端末等の電子機器である。
【0018】
なお、本発明は、教師端末10、生徒端末30−1、授業データ管理装置50の様な装置、又は教師端末10、生徒端末30−1、授業データ管理装置50をコンピュータとして動作させるためのプログラムとして表現することも可能である。更に、本発明は、教師端末10、生徒端末30−1、授業データ管理装置50によりそれぞれ実行される各処理(ステップ)を含む各授業データ管理方法として表現することも可能である。即ち、本発明は、装置、方法及びプログラムのうちいずれのカテゴリーでも表現可能である。
【0019】
以下、教師端末10を用いる教師と、及び単一の生徒端末30−1若しくは複数の生徒端末30−1〜30−nを用いる各生徒との間で行われる授業中における教師の音声データ及び当該授業を録音及び録画して授業データとして保存することを「授業データを記録する」と記載する。
【0020】
第1の実施形態の授業データ管理システム100の構成及び動作について、図1〜図9を参照して説明する。なお、図1の授業データ管理システム100においては、ビデオカメラ70が含まれる様に構成されているが、教師端末10がビデオカメラ70の機能を含む様に構成しても良い。
【0021】
(教師端末)
図2は、第1の実施形態の教師端末10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。教師端末10は、図2に示す様に、制御部11、タイマ12、操作部13、メモリ14、出力制御部15、出力部16、記録制御部17、通信部18、操作内容監視部19、RAM20及びROM21を含む構成である。
【0022】
制御部11は、教師端末10に内蔵されるCPU(Central Processing Unit)を用いて構成され、教師端末10の各部の動作を制御する。制御部11の動作の詳細は、図7を参照して後述する。
【0023】
タイマ12は、教師端末10に内蔵されるクロック回路(不図示)を用いて構成され、同クロック回路から与えられるクロックを教師端末10のシステムクロックとしてカウントする。タイマ12によりカウントされたクロック、即ち教師端末10のシステムクロック(時計情報)は、制御部11に出力されている。なお、図2においては、タイマ12と制御部11とは、それぞれ別に構成されるものとして示したが、タイマ12は制御部11の中に含まれる様に構成されても良い。
【0024】
操作部13は、ユーザ(教師)が教師端末10に対する操作を入力するためのユーザインタフェースであり、ユーザ(教師)の操作内容に応じた操作信号を制御部11及び操作内容監視部19にそれぞれ出力する。なお、図2においては、操作部13と操作内容監視部19との間の矢印の図示は省略している。
【0025】
操作部13は、例えば教師端末10がノートPC、タブレット端末、PDA及び電子書籍端末のうちいずれかの電子機器である場合には、電子機器に内蔵されるキーボードにより構成可能である。操作部13は、出力部16がLCD(Liquid Crystal Display)を用いて構成されている場合において出力部16の上に配置され、ユーザ(教師)の指又はスタイラスペン等による入力操作を受け付け可能なタッチパネルを用いて構成されても良い。また、図2において操作部13は教師端末10に含まれる様に構成されているが、操作部13が教師端末10に含まれずに教師端末10に接続されて使用可能とされる場合には操作部13は例えばマウス又は外付けキーボード等を用いて構成されても良い。
【0026】
メモリ14は、教師端末10に内蔵されるハードディスク又はフラッシュメモリを用いて構成され、記録制御部17の制御の下でビデオカメラ70によって記録された授業データを保存する。また、メモリ14は、授業においてユーザ(教師)が出力部16に出力(表示)されている教科書データに対して行った操作の内容(例:色マーカで下線をひく等)である操作データを保存する。
【0027】
更に、メモリ14は、授業においてユーザ(教師)が出力部16の表示画面に表示されている教科書データのページ又はタイトル(章)をタッチ操作もしくは選択操作した場合に、操作内容監視部19から出力された説明開始タイミング情報を保存する。また、メモリ14は、授業に用いられる複数種類の科目の教科書データを保存しても良い。
【0028】
以下、ユーザ(教師)が授業中に教科書データのページ又はタイトル(章)をタッチ操作若しくは選択操作したときのタイマ12の出力時刻を「説明開始タイミング」と記載し、この時刻情報を「説明開始タイミング情報」と記載する。
【0029】
出力制御部15は、教師端末10に内蔵されるCPUを用いて構成され、制御部11からの出力指示(表示指示、音声出力指示)を基に、情報又はデータを出力部16に出力(表示、音声出力)させる様に出力部16を制御する。例えば、出力制御部15は、授業中において教科書データBDを出力部16の表示画面に出力(表示)する(図8(A)参照)。
【0030】
出力制御部15は、図8(A)に示す様に、出力部16の表示画面において授業時間(例えば50分間とし、以下同様とする)に対する現在時刻の相対的な位置を示すタイムシフトバーTB及びマーカMKを出力(表示)する。
【0031】
出力部16は、教師端末10に含まれる又は接続されているLCDの表示素子若しくはスピーカ等の音声出力素子を用いて構成され、例えば教師端末10の表示部として、出力制御部15から出力された信号に応じて、情報若しくはデータを表示する。又は、出力部16は、例えば教師端末10の音声出力部として、出力制御部15から出力された信号に応じて、情報若しくはデータの音声を出力する。
【0032】
なお、以下の各実施形態においては、出力部16の出力形態として、LCD等の表示部に表示する様な構成として説明するが、スピーカ等の音声出力部に出力する様な構成として説明しても良いし、その両方の出力形態を適用しても良い。
【0033】
記録制御部17は、教師端末10に内蔵されるCPUを用いて構成され、授業の記録の開始操作、及び一時停止操作を含む停止操作を可能にビデオカメラ70を制御する。なお、教師端末10がビデオカメラ70の機能を有する場合には、記録制御部17は、ビデオカメラ70の記録機能を含み、記録機能を用いて授業の記録の開始操作、及び一時停止操作を含む停止操作を制御する。
【0034】
通信部18は、ネットワークNWを介してビデオカメラ70、生徒端末30−1及び授業データ管理装置50のうちいずれかと情報若しくはデータの送受信(通信)が可能な通信回路を用いて構成されている。通信部18は、授業中に教師端末10の出力部16において出力(表示)されている教科書データの内容(教科書情報)として、例えば現在の授業で用いられている教科書データの内容は「日本史の12.1章の明治維新」である旨を制御部11から取得して授業データ管理装置50に送信している。なお、通信部18が教科書データの内容(教科書情報)を授業データ管理装置50に送信するタイミングは、予め教師端末10の制御部11の動作において予め設定された所定の周期(例:3分に1回)であるとする。
【0035】
操作内容監視部19は、教師端末10に内蔵されるCPUを用いて構成され、出力部16が表示部として機能している場合においてユーザ(教師)の出力部16に対するタッチ操作及び選択操作を含む授業中における教師端末10に対する操作を監視している。操作内容監視部19は、授業中における教師端末10に対する操作の操作データを、制御部11を介して通信部18に出力する。
【0036】
操作データは、例えばユーザ(教師)が授業中に出力部16に出力(表示)されている教科書データのタイトル(図8(A)参照)をタッチ操作した場合に操作内容監視部19に入力された説明開始タイミング情報を含む。説明開始タイミング情報を含む操作データは、通信部18により授業データ管理装置50に送信される。
【0037】
RAM20は、制御部11、タイマ12、操作部13、出力制御部15、記録制御部17及び操作内容監視部19の各部の動作における各々のワークメモリとして動作する。なお、図2においては、制御部11、タイマ12、操作部13、出力制御部15、記録制御部17及び操作内容監視部19の各部とRAM20との矢印の図示を省略している。
【0038】
ROM21は、教師端末10における制御部11、タイマ12、操作部13、出力制御部15、記録制御部17及び操作内容監視部19の各部の動作が予め規定された各プログラムを記憶している。なお、制御部11、タイマ12、操作部13、出力制御部15、記録制御部17及び操作内容監視部19の各部の動作は、ハードウェア又はソフトウェアで構成することが可能である。特に、これらの各部がソフトウェアにより構成される際には、教師端末10に内蔵されているCPUが当該各部の動作が予め規定されたプログラムをROM21から読み出すことにより、当該各部が動作可能となる。なお、図2においては、制御部11、タイマ12、操作部13、出力制御部15、記録制御部17及び操作内容監視部19の各部とROM21との矢印の図示を省略している。
【0039】
(生徒端末)
図3は、第1の実施形態の生徒端末30−1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。生徒端末30−1は、図3に示す様に、制御部31、タイマ32、操作部33、メモリ34、出力制御部35、出力部36、カメラ部としてのカメラ37、通信部38、RAM39及びROM40を含む構成である。
【0040】
制御部31は、生徒端末30−1に内蔵されるCPUを用いて構成され、生徒端末30−1の各部の動作を制御する。制御部31の動作の詳細は、図7及び図9を参照して後述する。
【0041】
タイマ32は、生徒端末30−1に内蔵されるクロック回路(不図示)を用いて構成され、同クロック回路から与えられるクロックを生徒端末30−1のシステムクロックとしてカウントする。タイマ32によりカウントされたクロック、即ち生徒端末30−1のシステムクロック(時計情報)は、制御部31に出力されている。なお、図3においては、タイマ32と制御部31とは、それぞれ別に構成されるものとして示したが、タイマ32は制御部31の中に含まれる様に構成されても良い。
【0042】
操作部33は、ユーザ(生徒)が生徒端末30−1に対する操作を入力するためのユーザインタフェースであり、ユーザ(生徒)の操作内容に応じた操作信号を制御部31に出力する。
【0043】
操作部33は、例えば生徒端末30−1がノートPC、タブレット端末、PDA及び電子書籍端末のうちいずれかの電子機器である場合には、電子機器に内蔵されるキーボードにより構成可能である。操作部33は、出力部36がLCDを用いて構成されている場合において出力部36の上に配置され、ユーザ(生徒)の指又はスタイラスペン等による入力操作を受け付け可能なタッチパネルを用いて構成されても良い。また、図3において操作部33は生徒端末30−1に含まれる様に構成されているが、操作部33が生徒端末130−1に含まれずに生徒端末30−1に接続されて使用可能とされる場合には操作部33は例えばマウス又は外付けキーボード等を用いて構成されても良い。
【0044】
メモリ34は、生徒端末30−1に内蔵されるハードディスク又はフラッシュメモリを用いて構成され、例えばユーザ(生徒)が授業中に聞き漏らした又は理解できなかったために後で復習して確認したい事項(例:教科書データのタイトル等)をタッチ操作若しくは選択操作した場合に、当該操作の入力時刻(タイマ32の出力)を保存する。また、メモリ34は、授業に用いられる複数種類の科目の教科書データを保存しても良い。
【0045】
以下、ユーザ(生徒)が授業中に聞き漏らした又は理解できなかったために後で復習して確認したい事項をタッチ操作若しくは選択操作して入力したときのタイマ32の出力時刻を「確認タイミング」と記載し、この時刻情報を「確認タイミング情報」と記載する。
【0046】
出力制御部35は、生徒端末30−1に内蔵されるCPUを用いて構成され、制御部31からの出力指示(表示指示、音声出力指示)を基に、情報又はデータを出力部36に出力(表示、音声出力)させる様に出力部36を制御する。例えば、出力制御部35は、授業中において教科書データBDを出力部36の表示画面に出力(表示)する(図8(B)参照)。
【0047】
出力制御部35は、図8(B)に示す様に、出力部36の表示画面において授業時間に対する現在時刻の相対的な位置を示すタイムシフトバーTB及びマーカMKを出力(表示)する。更に、出力制御部35は、出力部36の表示画面に所定形状(例:丸い形状又は四角の形状等)の確認ボタンCBを表示する。この確認ボタンCBが生徒の操作によってタッチ操作若しくは選択操作された場合には、生徒端末30−1の制御部31は、操作部33からの操作信号を基に確認タイミング情報を生成する。生徒端末30−1の通信部38は、制御部31により生成された確認タイミング情報を授業データ管理装置50に送信する。
【0048】
出力部36は、生徒端末30−1に含まれる又は接続されているLCDの表示素子若しくはスピーカ等の音声出力素子を用いて構成され、例えば生徒端末30−1の表示部として、出力制御部35から出力された信号に応じて、情報若しくはデータを表示する。又は、出力部36は、例えば生徒端末30−1の音声出力部として、出力制御部35から出力された信号に応じて、情報若しくはデータの音声を出力する。
【0049】
なお、以下の各実施形態においては、出力部36の出力形態として、LCD等の表示部に表示する様な構成として説明するが、スピーカ等の音声出力部に出力する様な構成として説明しても良いし、その両方の出力形態を適用しても良い。
【0050】
カメラ部としてのカメラ37は、生徒端末30−1に予め接続されたインカメラを用いて構成され、制御部31の制御の下で、生徒が授業中に一定時間フレームアウト、即ち、カメラ37の撮影範囲から離席しているかどうかを常に監視及び判定している。カメラ37によって記録されたデータは、メモリ34に保存されても良いし、授業の終了時に制御部31によって削除されても良い。授業の終了時に削除された場合には、次の授業において制御部31によって改めて記録されるとする。また、カメラ37は、制御部31の制御の下で動作することとして説明しているが、図2の教師端末10と同様に、生徒端末30−1に記録制御部が含まれる様に構成されている場合に、当該記録制御部を介して制御されても良い。
【0051】
通信部38は、ネットワークNWを介して教師端末10及び授業データ管理装置50のうちいずれかと情報若しくはデータの送受信(通信)が可能な通信回路を用いて構成されている。通信部38は、授業中に生徒端末30−1の出力部36において出力(表示)されている教科書データの内容(教科書情報)として、例えば現在の授業で用いられている教科書データの内容は「日本史の12.1章の明治維新」である旨を制御部31から取得して授業データ管理装置50に送信している。なお、通信部38が教科書データの内容(教科書情報)を授業データ管理装置50に送信するタイミングは、予め生徒端末30−1の制御部31の動作において予め設定された所定の周期(例:3分に1回)であるとする。
【0052】
RAM39は、制御部31、タイマ32、操作部33及び出力制御部35の各部の動作における各々のワークメモリとして動作する。なお、図3においては、制御部31、タイマ32、操作部33及び出力制御部35の各部とRAM39との矢印の図示を省略している。
【0053】
ROM40は、生徒端末30−1における制御部31、タイマ32、操作部33及び出力制御部35の各部の動作が予め規定された各プログラムを記憶している。なお、制御部31、タイマ32、操作部33及び出力制御部35の各部の動作は、ハードウェア又はソフトウェアで構成することが可能である。特に、これらの各部がソフトウェアにより構成される際には、生徒端末30−1に内蔵されているCPUが当該各部の動作が予め規定されたプログラムをROM40から読み出すことにより、当該各部が動作可能となる。なお、図3においては、制御部31、タイマ32、操作部33及び出力制御部35の各部とROM40との矢印の図示を省略している。
【0054】
(授業データ管理装置)
図4は、第1の実施形態の授業データ管理装置50のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。授業データ管理装置50は、図4に示す様に、制御部51、タイマ52、データベース60及び通信部65を含む構成である。更に、制御部51は、ユーザ識別部53、授業データ関連情報生成部54、確認タイミング情報保存更新部55、説明開始起点抽出部56、授業データ生成部57、授業データ取得部58及び教科書内容比較部59を含む構成である。更に、データベース60は、記録データ管理DB61、個人情報管理DB62、授業情報管理DB63及び教科書データ管理DB64を含む構成である。
【0055】
制御部51は、授業データ管理装置50に内蔵されるCPUを用いて構成され、授業データ管理装置50の各部の動作を制御する。制御部51を構成する各部の動作を説明する。
【0056】
ユーザ識別部53は、授業データ管理システム100にログインする又はログインしているユーザを、個人情報管理DB62に保存されている個人情報に基づいて識別する。例えばユーザ(教師又は生徒)が授業データ管理システム100にログインする場合には、後述する図9の表示画面D1に示す様に、ユーザ(教師又は生徒)のユーザID及びパスワードの入力が要求され、ユーザ(教師又は生徒)は予め付与された自己のユーザID及びパスワードを入力する。
【0057】
教師端末10から説明開始タイミング情報が送信される場合、及び生徒端末30−1から確認タイミング情報が送信される場合には、各情報と共に各端末のユーザである教師又は生徒のユーザIDも含まれて送信される。ユーザ識別部53は、送信されたユーザIDを基に、送信者であるユーザを教師及び生徒のうちいずれであるかを識別する。
【0058】
授業データ関連情報生成部54は、データベース60に保存されている情報若しくはデータを基に、少なくとも担当教師、授業情報、説明開始タイミング情報及び授業データの各項目を含む授業データ関連情報を生成する。授業データ関連情報生成部54は、教師端末10から送信された授業開始指示(図7のステップS13参照)を受信した後、教師端末10から説明開始タイミング情報が送信される度に図6の授業データ関連情報を生成し、授業終了指示(図7のステップS24参照)を受信した後においては既に生成された授業データ関連情報の内容を更新する。
【0059】
ここで、授業データ関連情報について図6を参照して説明する。図6は、第1の実施形態における授業データ関連情報をテーブル形式で示した説明図である。授業データ関連情報は、図6に示す様に、担当教師、授業情報、説明開始タイミング情報及び授業データの各項目からなる。
【0060】
担当教師は、授業を担当する教師を表し、ユーザIDを含む授業開始指示を基にユーザ識別部53によって識別されたユーザIDに対応する教師を表す。図6の第1行目及び第2行目の各授業データ関連情報では、担当教師はいずれも「教師A」である。
【0061】
授業情報は、担当教師が行う授業の対象クラス(教室)、授業の日付及び授業のカリキュラムを表し、それぞれ授業情報管理DB63に予め保存されている情報である。図6の第1行目及び第2行目の各授業データ関連情報の授業情報では、授業の対象クラスは「1年A組」、授業の日付は「2011年6月15日」及び授業のカリキュラムは「2限目」である。
【0062】
説明開始タイミング情報は、担当教師が授業中に教科書データのページ又はタイトル(章)をタッチ操作(選択操作)したときのタイマ12の出力時刻であって、教師端末10において授業開始指示が入力されたときの時刻(タイマ12の出力時刻)からの経過時間情報を示す。また、ビデオカメラ70により記録された授業データが授業データ生成部57によって説明開始タイミングを再生起点として再生可能に生成された場合には、授業データ関連情報の説明開始タイミング情報の項目は、当該生成された授業データのファイル名が書込まれる。
【0063】
図6の第1行目の授業データ関連情報では、説明開始タイミング情報は「ファイルAの開始から10分25秒」又は「ファイルA−1」である。「ファイルA−1」は、授業データ全体のファイル「ファイルA」の開始から10分25秒経過した時点から再生可能に生成されたファイルである。同図の第2行目の授業データ関連情報では、説明開始タイミング情報は「ファイルAの開始から30分15秒」又は「ファイルA−2」である。「ファイルA−2」は、授業データ全体のファイル「ファイルA」の開始から30分15秒経過した時点から再生可能に生成されたファイルである。なお、ファイルAは、授業データの全体の内容が記録されたデータであるとする。
【0064】
授業データは、教師が授業中に教師端末10に対して行った操作データと授業の内容とが共に記録されたデータのファイル名を表す。図6の第1行目の授業データ関連情報では、授業データは「ファイルA」又は「ファイルA−1」である。同図の第2行目の授業データ関連情報では、授業データは「ファイルA」又は「ファイルA−2」である。
【0065】
確認タイミング情報保存更新部55は、生徒端末30−1から送信された確認タイミング情報を通信部65から取得し、同確認タイミング情報と共に送信された生徒のユーザIDと同確認タイミング情報とを関連付けて記録データ管理DB61に保存する。なお、確認タイミング情報保存更新部55は、生徒端末30−1以外の他の生徒端末から送信された確認タイミング情報と当該他の生徒端末のユーザ(生徒)のユーザIDとを関連付けて記録データ管理DB61に保存する。
【0066】
説明開始起点抽出部56は、個人情報管理DB62の教師及び生徒の各個人情報、授業情報管理DB63の授業情報、並びに生徒端末30−1から送信された授業データ取得要求(図9のステップS38参照)を基に、生徒端末30−1から送信された確認タイミング情報の受信時刻から最も近い以前に受信された説明開始タイミング情報を抽出する。但し、説明開始起点抽出部56は、個人情報管理DB62の教師及び生徒の各個人情報、授業情報管理DB63の授業情報を基に、生徒端末30−1から送信された確認タイミング情報の受信時刻から最も近い以前に受信された説明開始タイミング情報を抽出しても良い。即ち、説明開始起点抽出部56は、授業データ管理装置50が生徒端末30−1から授業データ取得要求を受信しなくても、例えば授業終了指示を教師端末10から受信した後に、生徒端末30−1から送信された確認タイミング情報の受信時刻から最も近い以前に受信された説明開始タイミング情報を抽出しても良い。
【0067】
ここで、授業データ関連情報生成部54、確認タイミング情報保存更新部55及び説明開始起点抽出部56の動作を、図5を参照して説明する。図5(A)は、教師端末10における説明開始タイミングの入力時刻と生徒端末30−1における確認タイミングの入力時刻とを示したタイムチャートである。同図(B)は、教師端末10における説明開始タイミングの入力時刻と生徒端末30−1における確認タイミングの入力時刻とをテーブル形式で示した説明図である。
【0068】
図5(A)において、授業開始時点は「9:50」、即ち教師端末10から送信された授業開始指示の受信時刻(タイマ52の出力)は「9:50」であるとする。授業開始時点から10分25秒経過した「10:00:25」において、教師の説明開始タイミング情報の入力操作によって教師端末10から送信された説明開始タイミング1に対応する説明開始タイミング情報が授業データ管理装置50において受信されたとする。この場合、授業データ関連情報生成部54は、授業データ関連情報の説明開始タイミングの項目に、教師端末10から送信された説明開始タイミング1に対応する説明開始タイミング情報の受信時刻を書き込み(図6参照)、この受信時刻と教師端末10のユーザIDとを説明開始タイミング1に対応する説明開始タイミング情報として記録データ管理DB61に保存する。
【0069】
同様に、授業開始時点から30分15秒経過した「10:20:15」において、教師の説明開始タイミング情報の入力操作によって教師端末10から送信された説明開始タイミング2に対応する説明開始タイミング情報が授業データ管理装置50において受信されたとする。この場合、授業データ関連情報生成部54は、授業データ関連情報の説明開始タイミングの項目に、教師端末10から送信された説明開始タイミング2に対応する説明開始タイミング情報の受信時刻を書き込み(図6参照)、この受信時刻と教師端末10のユーザIDとを説明開始タイミング2に対応する説明開始タイミング情報として記録データ管理DB61に保存する。
【0070】
一方、授業開始時点から25分15秒経過した「10:15:15」において、生徒の確認タイミング情報の入力操作によって生徒端末30−1から送信された確認タイミング1に対応する確認タイミング情報が授業データ管理装置50において受信されたとする。この場合、確認タイミング情報保存更新部55は、生徒端末30−1から送信された確認タイミング1に対応する確認タイミング情報と生徒端末30−1のユーザIDとを関連付けて記録データ管理DB61に保存する。
【0071】
同様に、授業開始時点から28分経過した「10:18:00」において、生徒の確認タイミング情報の入力操作によって生徒端末30−1から送信された確認タイミング2に対応する確認タイミング情報が授業データ管理装置50において受信されたとする。この場合、確認タイミング情報保存更新部55は、生徒端末30−1から送信された確認タイミング2に対応する確認タイミング情報と生徒端末30−1のユーザIDとを関連付けて記録データ管理DB61に保存する。
【0072】
同様に、授業開始時点から40分25秒経過した「10:30:25」において、生徒の確認タイミング情報の入力操作によって生徒端末30−1から送信された確認タイミング3に対応する確認タイミング情報が授業データ管理装置50において受信されたとする。この場合、確認タイミング情報保存更新部55は、生徒端末30−1から送信された確認タイミング3に対応する確認タイミング情報と生徒端末30−1のユーザIDとを関連付けて記録データ管理DB61に保存する。
【0073】
説明開始起点抽出部56は、図5(B)に示す様に、例えば生徒端末30−1から送信された確認タイミング1に対応する授業の内容を取得するための授業データ取得要求を基に、確認タイミング1に対応する確認タイミング情報の受信時刻から最も近い以前に受信された説明開始タイミング情報を抽出する。即ち、説明開始起点抽出部56は、確認タイミング1に対応する確認タイミング情報の受信時刻(10:15:15)から最も近い以前に受信された説明開始タイミング1に対応する説明開始タイミング情報(10:00:25)を抽出する。
【0074】
同様に、説明開始起点抽出部56は、図5(B)に示す様に、例えば生徒端末30−1から送信された確認タイミング2に対応する授業の内容を取得するための授業データ取得要求を基に、確認タイミング2に対応する確認タイミング情報の受信時刻から最も近い以前に受信された説明開始タイミング情報を抽出する。即ち、説明開始起点抽出部56は、確認タイミング2に対応する確認タイミング情報の受信時刻(10:18:00)から最も近い以前に受信された説明開始タイミング1に対応する説明開始タイミング情報(10:00:25)を抽出する。
【0075】
同様に、説明開始起点抽出部56は、図5(B)に示す様に、例えば生徒端末30−1から送信された確認タイミング3に対応する授業の内容を取得するための授業データ取得要求を基に、確認タイミング3に対応する確認タイミング情報の受信時刻から最も近い以前に受信された説明開始タイミング情報を抽出する。即ち、説明開始起点抽出部56は、確認タイミング3に対応する確認タイミング情報の受信時刻(10:30:25)から最も近い以前に受信された説明開始タイミング2に対応する説明開始タイミング情報(10:20:15)を抽出する。
【0076】
授業データ生成部57は、教師端末10から送信された授業開始指示及び授業終了指示の各受信時刻の間に教師端末10から送信された授業データのファイルと、同各受信時刻の間(授業中)に教師端末10から送信された操作データとを関連付けて記録データ管理DB61に保存する。
【0077】
授業データ生成部57は、記録データ管理DB61に保存された授業データ及び操作データを基に、教師端末10から送信された授業開始指示の受信時刻を再生起点として再生可能な授業データのファイルを生成する。なお、授業データ生成部57によって生成された授業データのファイルは、生徒端末30−1において再生された場合に、授業の内容と教師が授業中に教師端末10に対して行った操作データ(タッチ操作等の操作履歴)とが同時に再生されるとし、以下の各実施形態においても同様とする。
【0078】
また、授業データ生成部57は、記録データ管理DB61に保存された授業データのファイルを、説明開始起点抽出部56により抽出された説明開始タイミング情報を再生起点として再生可能な複数の授業データのファイルに分割し、分割された各授業データのファイルを記録データ管理DB61に保存しても良い。
【0079】
例えば、授業データ生成部57は、図5(B)の授業開始指示の受信時刻(9:50:00)から開始される50分間の授業の授業データ(ファイルA)を、説明開始タイミング1に対応する説明開始タイミング情報の受信時刻(10:00:25)を再生起点として再生可能な授業データ(ファイルA−1)と、説明開始タイミング2に対応する説明開始タイミング情報の受信時刻(10:20:15)を再生起点として再生可能な授業データ(ファイルA−2)とに分割する。
【0080】
授業データ取得部58は、授業データ生成部57により生成された授業データのファイル、即ち、説明開始起点抽出部56により抽出された説明開始タイミング情報を再生起点として再生可能に生成された授業データのファイルを取得する。
【0081】
教科書内容比較部59は、タイマ52からの出力を基に、教師端末10及び生徒端末30−1の各出力部(16,36)における表示画面に出力(表示)されている各教科書データの内容を常に又は所定のタイミングで比較する。教科書内容比較部59は、各々の表示画面に出力(表示)されている各教科書データの内容が所定時間以上異なる場合に、所定時間の終了時刻を入力時点とした確認タイミング情報を記録データ管理DB61に保存する。教科書内容比較部59の動作の詳細は、図16を参照して後述する。
【0082】
タイマ52は、授業データ管理装置50に内蔵されるクロック回路(不図示)を用いて構成され、同クロック回路から与えられるクロックを授業データ管理装置50のシステムクロックとしてカウントする。タイマ52によりカウントされたクロック、即ち授業データ管理装置50のシステムクロック(時計情報)は、制御部51に出力されている。なお、図4においては、タイマ52と制御部51とは、それぞれ別に構成されるものとして示したが、タイマ52は制御部51の中に含まれる様に構成されても良い。
【0083】
データベース60の各部は、授業データ管理装置50に内蔵されるハードディスク又はフラッシュメモリを用いて構成され、教師端末10又は生徒端末30−1から送信された情報若しくはデータを保存する。また、データベース60は、授業データ管理システム100において利用可能なメニュー(機能)のプログラム(不図示)を保存している。
【0084】
記録データ管理DB61は、教師端末10から送信された授業データと操作データと授業開始指示に含まれる授業情報とが関連付けられたデータ、ユーザ(教師)のユーザIDと説明開始タイミング情報と授業情報とが関連付けられた情報、並びに、ユーザ(生徒)のユーザIDと確認タイミング情報と授業情報とが関連付けられた情報を保存している。
【0085】
個人情報管理DB62は、授業データ管理システム100のユーザとなる各教師及び各生徒の個人情報(プロファイル情報)、並びに授業データ管理システム100のログインに必要な各教師及び各生徒のユーザID及びパスワードを保存している。教師の個人情報は、例えば教師の氏名、年齢、住所、担当科目、担当クラス等を含む情報である。生徒の個人情報は、例えば生徒の氏名、年齢、住所、所属クラス(教室)等を含む情報である。
【0086】
授業情報管理DB63は、授業データ管理システム100において行われる授業に関する情報を保存している。この情報は、例えばクラス(教室)毎に曜日単位で組み込まれている授業のカリキュラムを含む情報である。また、授業情報管理DB63は、全てのユーザID(生徒ID)に応じた授業データ管理システム100において利用可能な同一のメニューリスト、又は、各ユーザID(生徒ID)に応じて用意された個別のメニューリストを保存している。
【0087】
教科書データ管理DB64は、授業データ管理システム100において行われる授業で用いられる教科書データを、科目ごとに関連付けして保存している。
【0088】
通信部65は、ネットワークNWを介して教師端末10及び生徒端末30−1のうちいずれかと情報若しくはデータの送受信(通信)が可能な通信回路を用いて構成されている。通信部65は、授業中に教師端末10及び生徒端末30−1の各出力部(16,36)において出力(表示)されている各教科書データの内容(教科書情報)として、例えば現在の授業で用いられている教科書データの内容は「日本史の12.1章の明治維新」である旨を受信している。
【0089】
RAM66は、制御部51及びタイマ52の各部の動作における各々のワークメモリとして動作する。なお、図4においては、制御部51及びタイマ52の各部とRAM66との矢印の図示を省略している。
【0090】
ROM67は、授業データ管理装置50における制御部51及びタイマ52の各部の動作が予め規定された各プログラムを記憶している。なお、制御部51及びタイマ52の各部の動作は、ハードウェア又はソフトウェアで構成することが可能である。特に、これらの各部がソフトウェアにより構成される際には、授業データ管理装置50に内蔵されているCPUが当該各部の動作が予め規定されたプログラムをROM67から読み出すことにより、当該各部が動作可能となる。なお、図4においては、制御部51及びタイマ52の各部とROM67との矢印の図示を省略している。
【0091】
(授業開始時点から授業終了時点における授業データ管理システムの動作)
次に、授業開始時点から授業終了時点における授業データ管理システム100の動作を、図7及び図8を参照して説明する。図7は、第1の実施形態の教師端末10、生徒端末30−1、ビデオカメラ70及び授業データ管理装置50における授業開始時点から授業終了時点までの各動作を説明するシーケンス図である。図8(A)は、教師端末10の表示画面の例示図である。同図(B)は、生徒端末30−1の表示画面の例示図である。
【0092】
図7において、教師端末10の通信部18は、ユーザ(教師)からの授業の記録開始指示操作及び授業開始指示操作によって制御部11から出力された授業の記録開始指示及び授業開始指示を取得し、ビデオカメラ70に授業の記録開始指示を送信し(S11−1)、授業データ管理装置50に授業開始指示を送信する(S11−2)。授業データ管理装置50は、授業開始指示の受信時刻(タイマ52の出力)を授業開始時刻であると認識する。図7に図示していないが、授業データ管理装置50は、ステップS11−2において送信された授業開始指示を受信した旨を教師端末10に応答する。
【0093】
ビデオカメラ70は、ステップS11−1において送信された記録開始指示を受信し、ビデオカメラ70において予め設定された記録対象範囲の映像及び音声の各データの記録を開始する(S12)。ビデオカメラ70は、記録を開始した旨の記録開始通知及び記録された授業データを、教師端末10にリアルタイムに送信する(S13)。なお、ビデオカメラ70は、記録された授業データをリアルタイムに教師端末10に送信しても良いし、教師端末10から授業開始指示を受信したときから授業終了指示を受信したときまでに記録された授業データ全体を教師端末10に送信しても良い。
【0094】
教師端末10の操作内容監視部19は、教師が授業中に教師端末10に対して行った操作の操作データの記録を開始し(S14)、記録された授業データと操作データとを関連付けて授業データ管理装置50に送信する(S15)。
【0095】
教師が授業中に教師端末10の出力部16の表示画面に出力(表示)されている教科書データBD(図8(A)参照)のタイトル番号TNである「12.1」、タイトルTLである「明治維新」又は不図示の教科書データのページ(番号)をタッチ操作又は選択操作したとする。この場合、教師端末10の制御部11は、ユーザ(教師)操作の入力を受け付けたときの入力時刻(タイマ12の出力)を、説明開始タイミング情報として通信部18に出力する。通信部18は、制御部11から出力された説明開始タイミング情報とユーザIDとを授業データ管理装置50に送信する(S16)。
【0096】
授業データ管理装置50の通信部65は、ステップS16において送信された説明開始タイミング情報とユーザIDとを受信して制御部51に出力する。制御部51の授業データ関連情報生成部54は、受信された説明開始タイミング情報を含む授業データ関連情報の生成を開始する(S17)。なお、ユーザ識別部53は、ユーザIDを基に、説明開始タイミング情報の送信者である担当教師を識別し、この担当教師を授業データ関連情報の担当教師の項目に書き込む。
【0097】
生徒が授業中に生徒端末30−1の出力部36の表示画面に出力(表示)されている教科書データBD(図8(B)参照)の確認ボタンCB、タイトル番号TLである「12.1」若しくはタイトルTLである「明治維新」、又は不図示の教科書データのページ(番号)をタッチ操作又は選択操作したとする。この場合、生徒端末30−1の制御部31は、ユーザ(生徒)操作の入力を受け付けたときの入力時刻(タイマ32の出力)を、確認タイミング情報として通信部38に出力する。通信部38は、制御部31から出力された確認タイミング情報とユーザIDとを授業データ管理装置50に送信する(S18)。
【0098】
授業データ管理装置50の通信部65は、ステップS18において送信された確認タイミング情報とユーザIDとを受信して制御部51に出力する。制御部51の確認タイミング情報保存更新部55は、受信された確認タイミング情報と生徒端末30−1のユーザIDとを関連付けて記録データ管理DB61に保存する(S19)。なお、ユーザ識別部53は、ユーザIDを基に、確認タイミング情報の送信者である生徒を識別する。
【0099】
ステップS19の後、教師が授業中に教師端末10の出力部16の表示画面に出力(表示)されている教科書データBD(図14(B)参照)のタイトル番号TNである「12.2」、タイトルTLである「西南戦争」又は不図示の教科書データのページ(番号)をタッチ操作又は選択操作したとする。この場合、教師端末10の制御部11は、ユーザ(教師)操作の入力を受け付けたときの入力時刻(タイマ12の出力)を、説明開始タイミング情報として通信部18に出力する。通信部18は、制御部11から出力された説明開始タイミング情報とユーザIDとを授業データ管理装置50に送信する(S20)。
【0100】
授業データ管理装置50の通信部65は、ステップS20において送信された説明開始タイミング情報とユーザIDとを受信して制御部51に出力する。制御部51の授業データ関連情報生成部54は、受信された説明開始タイミング情報を含む授業データ関連情報を更新する(S21)。なお、ユーザ識別部53は、ユーザIDを基に、説明開始タイミング情報の送信者である担当教師を識別し、この担当教師を授業データ関連情報の担当教師の項目に書き込む。
【0101】
生徒が授業中に生徒端末30−1の出力部36の表示画面に出力(表示)されている教科書データの確認ボタン、タイトル番号若しくはタイトル、又は不図示の教科書データのページ(番号)をタッチ操作又は選択操作したとする。この場合、生徒端末30−1の制御部31は、ユーザ(生徒)操作の入力を受け付けたときの入力時刻(タイマ32の出力)を、確認タイミング情報として通信部38に出力する。通信部38は、制御部31から出力された確認タイミング情報とユーザIDとを授業データ管理装置50に送信する(S22)。
【0102】
授業データ管理装置50の通信部65は、ステップS22において送信された確認タイミング情報を受信して制御部51に出力する。制御部51の確認タイミング情報保存更新部55は、受信された確認タイミング情報と生徒端末30−1のユーザIDとを関連付けて記録データ管理DB61に保存する(S23)。
【0103】
ステップS23の後、授業時間の終了時には、教師端末10の通信部18は、ユーザ(教師)からの授業の記録終了指示操作及び授業終了指示操作によって制御部11から出力された授業の記録終了指示及び授業終了指示を取得し、ビデオカメラ70に授業の記録終了指示を送信し(S24−1)、授業データ管理装置50に授業終了指示を送信する(S24−2)。授業データ管理装置50は、授業終了指示の受信時刻(タイマ52の出力)を授業終了時刻であると認識する。図7に図示していないが、授業データ管理装置50は、ステップS24−2において送信された授業終了指示を受信した旨を教師端末10に応答する。
【0104】
ステップS24−2の後、授業データ管理装置50の制御部51は、授業時間の間に記録された授業データ全体と授業情報と同授業時間の間に教師端末10から送信された操作データとを関連付けた記録データを記録データ管理DB61に保存する(S25)。
【0105】
説明開始起点抽出部56は、個人情報管理DB62の教師及び生徒の各個人情報並びに授業情報管理DB63の授業情報を基に、ステップS18及びS22において生徒端末30−1から送信された各確認タイミング情報の受信時刻から最も近い以前に受信された各説明開始タイミング情報を抽出する(S26、図5(A)及び同図(B)参照)。
【0106】
授業データ生成部57は、記録データ管理DB61に保存された記録データと説明開始起点抽出部56により抽出された説明開始タイミング情報とを基に、抽出された説明開始タイミング情報の時刻を再生起点として再生可能な授業データのファイルを生成する(S27)。授業データ生成部57は、ステップS27において生成された授業データのファイルを記録データ管理DB61に保存する。
【0107】
ステップS27の後、授業データ関連情報生成部54は、ステップS27において生成された授業データの項目を含む授業データ関連情報を更新する(S28)。この授業データの項目には、ステップS27において生成された授業データのファイルのファイル名が書き込まれる。
【0108】
授業データ取得部58は、ステップS27において生成された各説明開始タイミング情報を再生起点として再生可能な授業データの各ファイルを記録データDB61から取得し、当該授業データの各ファイルからなる確認リスト(図9の表示画面D3)を生成する(S29)。授業データ取得部58は、ステップS29において生成された確認リストとユーザIDとを関連付けて記録データ管理DB61に保存する。
【0109】
ステップS26〜S29の各処理は、授業データ管理装置50が生徒端末30−1から送信された授業データ取得要求(図9のステップS38参照)を取得した場合に限って行われても良い。
【0110】
(授業後における生徒端末及び授業データ管理装置の動作)
次に、授業後における生徒端末30−1及び授業データ管理装置50の動作を、図9を参照して説明する。図9は、第1の実施形態の生徒端末30−1及び授業データ管理装置50における授業後の各動作を説明するシーケンス図である。なお、図9は、生徒(Xx Yyさん)が復習のために、2011年6月15日に行われた授業の授業データを取得する場合のシーケンス図とする。
【0111】
図9において、生徒端末30−1の通信部38は、表示画面D1においてユーザ(生徒Xx Yyさん)の授業データ管理システム100のログイン操作によって入力されたユーザID及びパスワードを授業データ管理装置50に送信する(S31)。
【0112】
授業データ管理装置50のユーザ識別部53は、ステップS31において送信されたユーザID及びパスワードと、個人情報管理DB62に予め保存されているユーザID及びパスワードとを比較する。ユーザ識別部53は、同一のユーザID及びパスワードが個人情報管理DB62に保存されている場合に、生徒端末30−1の授業データ管理システム100へのログインを許可する。図9には図示していないが、授業データ管理装置50は、授業データ管理システム100のログインが成功した旨を生徒端末30−1に応答する。
【0113】
授業データ管理装置50の授業データ取得部58は、ステップS31において送信されたユーザID(生徒ID)に応じたメニューリストを授業情報管理DB63から取得する(S32)。授業データ管理装置50の通信部65は、ステップS32において取得されたメニューリストを生徒端末30−1に送信する(S33)。
【0114】
生徒端末30−1は、ステップS33において送信されたメニューリストを出力部36の表示画面に表示する(表示画面D2参照)。生徒(Xx Yyさん)が自分のメニューリストからメニュー「確認リストを表示する」をタッチ操作又は選択操作した場合、生徒端末30−1は、生徒(Xx Yyさん)の操作によって制御部31から出力された確認リスト取得要求を授業データ管理装置50に送信する(S34)。
【0115】
授業データ管理装置50の授業データ取得部58は、ステップS34において送信されたユーザID(生徒ID)に応じた確認リストを記録データ管理DB61から取得する(S35)。授業データ管理装置50の通信部65は、ステップS35において取得された確認リストを生徒端末30−1に送信する(S36)。
【0116】
生徒端末30−1は、ステップS36において送信された確認リストを出力部36の表示画面に表示する(表示画面D3参照)。生徒(Xx Yyさん)が自分の2011年6月15日における確認リストから例えば確認リストのうち授業データ「2限目の確認タイミング1」をタッチ操作又は選択操作したとする(S37)。生徒端末30−1は、生徒(Xx Yyさん)の操作によって制御部31から出力された授業データ取得要求を授業データ管理装置50に送信する(S38)。
【0117】
授業データ管理装置50の授業データ取得部58は、ステップS38において送信された授業データ取得要求を基に、授業データ「2限目の確認タイミング1」に対応する授業データのファイルを記録データ管理DB61から取得する(S39)。ステップS39において取得された授業データのファイルは、2011年6月15日に行われた2限目の授業の確認タイミング1の受信時刻から最も近い以前に受信された説明タイミング情報の受信時刻を再生起点として再生可能に生成された授業データのファイルである。授業データ管理装置50の通信部65は、ステップS39において取得された授業データのファイルを生徒端末30−1に送信する(S40)。
【0118】
生徒端末30−1の制御部31は、出力制御部35に、ステップS40において送信された授業データのファイルを実行させ、授業データの内容を出力部36に再生させる(S41、表示画面D4参照)。
【0119】
以上により、第1の実施形態の授業データ管理装置50によれば、電子教科書(教科書データ)を用いた授業の授業データに対して、教師から入力された授業内容の説明開始時点及び各生徒から入力された授業内容の再視聴の入力時点を効率的に管理し、各生徒の所望の授業データを簡易に配信することができる。
【0120】
これにより、授業データ管理システム100を利用可能な生徒は、授業の内容のうち理解できなかった又は聞き漏らした事項を、自分が理解できなくなった又は聞き漏らした時点よりも前であって、当該事項の説明を教師が開始したタイミングから視聴(再生)することができ、効率的な復習を行える。
【0121】
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、生徒(第1の実施形態と同様にXx Yyさんとする)が自分の担任である教師Aの授業の内容を再生して復習したが理解できなかった場合に、他のクラス(教室)の担任である例えば教師Bの同一科目の授業の内容を再生して復習可能とする。
【0122】
第2の実施形態の授業データ管理システムの構成は図1の授業データ管理システム100の構成と同様であるため、説明を省略する。同様に、第2の実施形態の教師端末、生徒端末及び授業データ管理装置の構成は図2〜図4の各教師端末10、生徒端末30−1及び授業データ管理装置50の構成と同様であるため、説明を省略する。また、第2の実施形態の授業データ管理システムの各部について第1の実施形態の授業データ管理システム100と同様に動作するものについては同様の符号を付して説明する。以下、第2の実施形態においては、第1の実施形態と異なる内容について説明する。
【0123】
図10は、第2の実施形態における授業データ関連情報をテーブル形式で示した説明図である。第2の実施形態における授業データ関連情報は、第1の実施形態における授業データ関連情報に、キーワードの項目を更に含む。即ち、第2の実施形態における授業データ関連情報は、図10に示す様に、担当教師、授業情報、説明開始タイミング情報、キーワード及び授業データの各項目を含む。
【0124】
キーワードは、担当教師が行う授業の科目及び当該科目における授業の具体的な説明内容を表し、説明内容の具体的なタイトル又は当該タイトルを識別する記号を表す。図10の第1行目の授業データ関連情報では、キーワードは「日本史 12.1章 明治維新」又は「日本史 12.1章 明治維新」を識別する記号「010−012−001」である。同図の第2行目の授業データ関連情報では、キーワードは「日本史 12.2章 西南戦争」又は「日本史 12.2章 西南戦争」を識別する記号「010−012−002」である。同図の第3行目の授業データ関連情報では、キーワードは「日本史 12.1章 明治維新」又は「日本史 12.1章 明治維新」を識別する記号「010−012−001」である。同図の第4行目の授業データ関連情報では、キーワードは「生物 2.1章 ミトコンドリア」又は「生物 2.1章 ミトコンドリア」を識別する記号「050−002−001」である。図10の授業データ関連情報は、第1の実施形態と同様に、授業データ管理装置50の授業データ関連情報生成部54により生成される。
【0125】
第2の実施形態では、授業データ管理装置50の説明開始起点抽出部56は、第1の実施形態の説明開始起点抽出部56の動作に加え、授業データ管理装置50が授業終了指示を受信した後において、図10の授業データ関連情報を基に、授業の科目と同一のキーワードを有する他の教師の授業データ関連情報における説明開始タイミング情報を抽出する。図10の授業データ関連情報においては、第1行目及び第3行目の授業データ関連情報は共に同一のキーワードを有する。
【0126】
即ち、説明開始起点抽出部56は、授業データ管理装置50が授業終了指示を受信した後において、第1行目の授業データ関連情報のキーワード「日本史 12.1章 明治維新」(若しくはキーワード「010−012−001」)と同一のキーワードを有する第3行目の授業データ関連情報を特定する。更に、説明開始起点抽出部56は、特定された第3行目の授業データ関連情報の説明開始タイミング情報を抽出する。説明開始起点抽出部56により抽出された説明開始タイミング情報は、ファイルXの開始から5分02秒である。
【0127】
(授業終了後における生徒端末及び授業データ管理装置の動作)
次に、授業終了後における生徒端末30−1及び授業データ管理装置50の動作を、図11を参照して説明する。図11は、第2の実施形態の生徒端末30−1及び授業データ管理装置50において生徒が授業終了時に復習する場合の各動作を説明するシーケンス図である。図11の説明において、生徒(Xx Yyさん)の所属するクラスは1年A組とする。
【0128】
図11は、図9のシーケンス図に従って生徒(Xx Yyさん)が図10の第1行目の授業データ関連情報の授業データを説明開始タイミングから再生して復習したが、教師Aの説明では理解できなかったために、教師A以外の他の教師が行った同一科目の授業データを取得する場合のシーケンス図である。図11のシーケンス図は図9のステップS41以降の処理となるが、図11のステップS51の前に、生徒端末30−1の出力部36には、生徒(Xx Yyさん)の確認リストとして、図11の表示画面D5が出力(表示)されているとする。
【0129】
図11において、生徒(Xx Yyさん)が、生徒端末30−1の出力部36に表示画面D5が出力(表示)されている場合において、表示画面D5の2011年6月15日における確認リストから「他の教師の授業」をタッチ操作又は選択操作したとする。生徒端末30−1は、生徒(Xx Yyさん)の操作に応じて制御部31から出力された同一科目における他の教師の授業データ取得要求を授業データ管理装置50に送信する(S51)。なお、ステップS51において送信された同一科目における他の教師の授業データ取得要求は、キーワード「日本史 12.1章 明治維新」又は「010−012−001」が含まれているとする。
【0130】
また、第1の実施形態と同様に、授業データ管理装置50は、生徒端末30−1からの授業データ取得要求が送信されなくても、授業終了指示を教師端末10から受信した後で生徒端末毎に確認リストを生成し、更に同一科目における他の教師の授業データのファイルを含む確認リストを生成しても良い。
【0131】
説明開始起点抽出部56は、個人情報管理DB62の教師及び生徒の各個人情報、記録データ管理DB61の授業データ関連情報並びに授業情報管理DB63の授業情報を参照し(S52,S53)、ステップS51において送信された同一科目における他の教師の授業データ取得要求に対する授業データ関連情報を特定する。
【0132】
具体的には、説明開始起点抽出部56は、ステップS51において送信された同一科目における他の教師の授業データ取得要求に含まれているキーワードと同一のキーワードを有する授業データ関連情報を特定する。図10の授業データ関連情報を用いて具体的に説明すると、説明開始起点抽出部56は、第1行目の授業データ関連情報と同一のキーワードを有する第3行目の授業データ関連情報を特定する。
【0133】
授業データ取得部57は、特定された授業データ関連情報を基に、ステップS51において送信された同一科目における他の教師の授業データ取得要求に対する授業データのファイルを記録データ管理DB61から取得する(S54)。授業データ取得部29は、ステップS54において取得された授業データの各ファイルからなる授業データリストを生成する(S55)。授業データ管理装置50の通信部65は、ステップS55において生成された授業データリストを生徒端末30−1に送信する(S56)。
【0134】
生徒端末30−1は、ステップS56において送信された授業データリストを出力部36の表示画面に表示する。生徒(Xx Yyさん)が自分の2011年6月15日における授業データリストからいずれかの授業データをタッチ操作又は選択操作したとする(S57)。生徒端末30−1は、生徒(Xx Yyさん)の操作に応じて制御部31から出力された授業データ取得要求を授業データ管理装置50に送信する(S58)。
【0135】
授業データ管理装置50の授業データ取得部58は、ステップS58において送信された授業データ取得要求に対する授業データのファイルを記録データ管理DB61から取得する(S59)。ステップS59において取得された授業データのファイルは、図10の第3行目の授業データ関連情報に対応し、2011年6月10日に行われた担当教師Bによる3限目の授業の授業データのファイルXの開始から5分02秒経過した時点を再生起点として再生可能に生成された授業データのファイルである。授業データ管理装置50の通信部65は、ステップS59において取得された授業データのファイルを生徒端末30−1に送信する(S60)。
【0136】
生徒端末30−1の制御部31は、出力制御部35に、ステップS60において送信された授業データのファイルを実行させ、授業データの内容を出力部36に再生させる(S61)。
【0137】
以上により、第2の実施形態の授業データ管理装置50によれば、第1の実施形態の授業データ管理装置50の効果に加え、生徒が自分の担任である教師Aの授業で理解できなかった事項がある場合に他のクラスの担任であって同一科目の授業を受け持った他の教師Bの授業データを効率的に取得し、復習に役立てることができる。
【0138】
第2の実施形態と同様に、以下の各実施形態においても、第1の実施形態と同様に動作する授業データ管理システム100の各部の符号は同様とする。
【0139】
(その他の実施形態1)
図12は、授業データ全体のうち生徒端末30−1からの確認タイミング情報の入力がなかったデータ区間の授業データの削除を説明するタイムチャートである。
【0140】
授業データ管理装置50の授業データ生成部57は、記録データ管理DB61に保存されている確認タイミング情報、ユーザID、授業データ全体のファイル、及び授業情報管理DB63に保存されている授業情報を読み出す。授業データ生成部57は、授業データ全体のうち、当該授業データ全体の授業情報に対応する確認タイミング情報の入力がないデータ区間の有無を判定する。授業データ生成部57は、授業データ全体のうち、当該授業データ全体の授業情報に対応する確認タイミング情報の入力がないデータ区間があると判定した場合に、当該データ区間に相当する授業データを削除する。
【0141】
図12の例では、授業データ全体のうち12.2章の説明内容のデータ区間においてどの生徒端末からも確認タイミング情報の入力がないとする。授業データ生成部57は、確認タイミング情報の入力がないと判定されたデータ区間の授業データ(12.2章の説明内容の授業データ)を削除する。どの生徒端末からも確認タイミング情報の入力がない授業データは各生徒が当該授業データの内容を理解したことになり、復習のために用いられる機会が少ないことになる。これにより、授業データ管理装置50は、データベース60に用いられる授業データの容量を低減することができる。
【0142】
(その他の実施形態2)
図13は、無音無操作期間の授業データの削除を説明するタイムチャートである。授業データ管理装置50の授業データ生成部57は、記録データ管理DB61に保存されている授業データ全体のファイルと操作データとを定期的に読み出し、授業データ全体のデータ区間において無音及び無操作の区間の有無を判定する。ここで、無音とは授業データの音声データの音量レベルが例えば予め設定された所定の閾値よりも小さい場合とし、無操作とは授業データに関連付けられている操作データがないことを表す。
【0143】
授業データ生成部57は、授業データ全体のデータ区間において無音及び無操作のデータ区間があると判定した場合には、当該データ区間に相当する授業データを削除する。図13の例では、12.2章の説明が終了した後、所定時間の間に理解度テストの時間がとられている。この理解度テストの時間は、上述した無音及び無操作のデータ区間に対応する。また、図13においては、理解度テスト時間の後に、教師から12.3章の内容が授業終了時まで説明され、この12.3章の説明内容に対し生徒Bから確認タイミングの入力がなされている。
【0144】
確認タイミング保存更新部55は、授業データ生成部57の無音及び無操作区間のデータの削除に応じて、図13の第1段の記録データの元ファイルの12.3章の説明時に入力された確認タイミング情報を、削除されたデータ区間に応じた時間分修正して更新する。即ち、図13の第2段の記録データの編集後ファイルに示す様に、12.3章の説明時に生徒Bから入力された確認タイミング情報は、同図第1段の記録データの元ファイルにおいて生徒Bから入力された確認タイミング情報と時間的に異なり、無音及び無操作のデータ区間に応じた時間分だけ前倒して修正される。これにより、授業データ管理装置50は、無音及び無操作のデータ区間は生徒の復習に用いられる機会が少ないために削除されることによってデータベース60に用いられる授業データの容量を低減でき、更に無音及び無操作のデータ区間の後に入力された確認タイミング情報も効率的に修正することができる。
【0145】
(その他の実施形態3)
図14は、教師端末10においてタイトル(章)又はページの切替時に説明開始タイミングを送信する動作を説明する説明図である。図15は、教師端末10におけるタイトル(章)又はページの切替に応じて説明開始タイミング情報を送信する動作を説明するフローチャートである。本実施形態では、教師端末10から説明開始タイミング情報を授業データ管理装置50に送信する場合に、教師の主体的な説明開始タイミング情報の入力操作を低減可能とする。
【0146】
図14の矢印の左側における出力部16の表示画面において教師がタイトル番号TN、タイトルTL、又は不図示の教科書データBDのページ(番号)を次のタイトル番号TN、タイトルTL、又は不図示の教科書データBDのページ(番号)に切り替えたとする。この切り替え時に、教師端末10は、教師から説明開始タイミング情報が入力されたとして、次のタイトル番号TN、タイトルTL、又は不図示の教科書データBDのページ(番号)に対応する説明開始タイミング情報を授業データ管理装置50に送信する。
【0147】
具体的には、図15において、教師が出力部16の表示画面においてタイトルTL(明治維新)をタッチ操作し、図14の矢印の右側における出力部16の表示画面に示す様に、次のタイトルTL(西南戦争)に切り替えたとする(S71、YES)。教師端末10は、次のタイトルTL(西南戦争)に切り替えられた時に、次のタイトルTL(西南戦争)における説明開始タイミング情報を授業データ管理装置50に送信する(S72)。
【0148】
上述した各実施形態では、タイトル番号TN、タイトルTL又は不図示の教科書データBDのページ(番号)が切り替えられた時には、教師端末10は次のタイトル番号TN、タイトルTL又は不図示の教科書データBDのページ(番号)に対応する説明開始タイミング情報を送信しない。本実施形態によれば、教師端末10から説明開始タイミング情報を授業データ管理装置50に送信する場合に、教師の主体的な説明開始タイミング情報の入力操作を低減することができる。
【0149】
(その他の実施形態4)
図16は、教師端末10及び生徒端末30−1の教科書データが一定時間以上異なる場合に確認タイミング情報を保存する動作を説明する説明図である。図17は、教師端末10及び生徒端末30−1の教科書データが一定時間以上異なる場合に確認タイミング情報を保存する動作を説明するフローチャートである。本実施形態では、生徒端末30−1から確認タイミング情報が授業データ管理装置50に送信されなくても、授業データ管理装置50は、教師端末10及び生徒端末30−1の各教科書データが一定時間以上異なる場合に、生徒端末30−1が確認タイミング情報を送信したとみなして、確認タイミング情報を保存する。これにより、生徒の主体的な確認タイミング情報の入力操作を低減可能とする。
【0150】
授業データ管理装置50の教科書内容比較部59は、タイマ52からの出力を基に、教師端末10及び生徒端末30−1の各出力部(16,36)における表示画面に出力(表示)されている各教科書データの内容を定期的に比較する。図16に示す様に、同図の矢印の左側の教師端末10の表示画面の教科書データBD(明治維新の内容)と、同図の矢印の右側の生徒端末30−1の表示画面の教科書データBD(因数分解の内容)とが一定時間以上異なっているとする。
【0151】
この場合、教科書内容比較部59は、一定時間の終了時刻を入力時点とした確認タイミング情報を記録データ管理DB61に保存する。即ち、或る科目(例えば日本史)の授業中には教師端末10と生徒端末30−1との間では同一科目の教科書データが用いられることが考えられる。しかしながら、図16に示す様に、生徒端末30−1の表示画面において授業の科目と全く異なる内容の教科書データが出力(表示)されている場合には、生徒は授業についていけなくなっている、理解できなくなっている又は興味を持っていないということになる。上述した各実施形態では、生徒端末30−1から確認タイミング情報が送信されなければならないが、本実施形態では、生徒端末30−1からの主体的な確認タイミング情報の入力操作を不要とし、授業データ管理装置50が生徒端末30−1からの確認タイミング情報の入力操作を支援することができる。
【0152】
本実施形態の授業データ管理装置50の動作の詳細について図17を参照して説明する。図17において、教科書内容比較部59は、教師端末10及び生徒端末30−1からそれぞれ表示画面に出力(表示)されている教科書データBDの内容を取得した場合に(S81、YES)、各教科書データBDの内容が異なっているか否かを判定する(S82)。各教科書データBDの内容が異なっていると判定された場合に(S82、YES)、教科書内容比較部59は、各教科書データBDの内容が異なっていることを認識する(S83)。教科書内容比較部59は、ステップS83において各教科書データBDの内容が異なっていることを認識したときのタイマ52の出力(時計情報)を保持する。
【0153】
教科書内容比較部59は、各教科書データBDの内容が異なっている状態が一定時間以上継続した場合には(S84、YES)、上述したステップS83において各教科書データBDの内容が異なっていることを認識したときのタイマ52の出力(時計情報)を、生徒からの確認タイミング情報の入力時刻として確認タイミング保存更新部55に出力する。確認タイミング保存更新部55は、教科書内容比較部59から出力されたタイマ52の出力を生徒端末30−1からの確認タイミング情報の入力時刻として記録データ管理DB61に保存する(S85)。以上により、本実施形態によれば、生徒端末30−1から確認タイミング情報を授業データ管理装置50に送信する場合に、生徒の主体的な確認タイミング情報の入力操作を低減することができる。
【0154】
(その他の実施形態5)
図18は、カメラ37を有する生徒端末30−1において生徒が一定時間以上フレームアウトしている場合に授業データ管理装置50が確認タイミング情報を保存する動作を説明するフローチャートである。本実施形態も同様に、生徒端末30−1から確認タイミング情報を授業データ管理装置50に送信する場合に生徒の主体的な確認タイミング情報の入力操作を低減する。
【0155】
図18において、生徒端末30−1のカメラ37は、生徒が授業中に一定時間フレームアウト、即ち、カメラ37の撮影範囲から離席しているかどうかを常に監視及び判定している(S91)。生徒が授業中に一定時間フレームアウトしているとカメラ37により判定された場合には(S91、YES)、授業データ管理装置50の通信部65は、生徒端末30−1から送信されたユーザIDとユーザIDに対応する生徒がフレームアウトしている旨とを受信する(S92)。通信部65は、ステップS92においてユーザIDとユーザIDに対応する生徒がフレームアウトしている旨とを受信したときの受信時刻(タイマ52の出力)を確認タイミング保存更新部55に出力する。
【0156】
確認タイミング保存更新部55は、通信部65から出力されたユーザIDとユーザIDに対応する生徒がフレームアウトしている旨とが受信されたときの受信時刻を、生徒端末30−1からの確認タイミング情報の入力時刻として記録データ管理DB61に保存する(S93)。以上により、本実施形態によれば、生徒端末30−1から確認タイミング情報を授業データ管理装置50に送信する場合に生徒の主体的な確認タイミング情報の入力操作を低減することができる。
【0157】
以上、図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種実施の形態の変更例または修正例、更に各種実施の形態の組み合わせ例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0158】
上述した各実施形態では、授業データ管理装置50は、授業データ生成部57によって授業データ全体を、授業中に生徒端末30−1から送信された確認タイミングを再生起点として再生可能に予め分割された結果として生成された授業データを生徒端末30−1に送信していた。授業データ管理装置50は、授業データ生成部57によって授業データ全体及び当該授業データ全体のうち確認タイミングの受信時刻から最も近い以前に受信された説明開始タイミング情報(説明開始タイミング)から再生する授業データを再生する旨の再生指示を、授業中に生徒端末30−1から送信された確認タイミングを再生起点として再生可能な授業データとして生徒端末30−1に送信しても良い。この場合、生徒端末30−1は、授業データ全体のうち、再生指示により指定された説明開始タイミングの時点から授業データを再生する。
【0159】
上述した各実施形態と異なり、教師端末10が授業データ管理装置50の制御部51の機能を含む様に構成されても良い。図19は、授業データ管理システム100bのシステム構成の他の一例を示すシステム構成図である。図20(A)は、授業データ管理システム100bにおける教師端末10bのハードウェア構成の他の一例を示すブロック図である。図20(B)は、教師端末10bの制御部11bの内部構成を示すブロック図である。制御部11bは、第1の実施形態の教師端末10の制御部11の機能に、授業データ管理装置50の制御部51の機能を更に含む様に構成されている。
【0160】
図19の授業データ管理システム100bにおいては、図1の授業データ管理システム100と異なり、授業データ管理装置50が含まれておらず、授業データ管理装置50の制御部51の機能を教師端末10b又は生徒端末30b−1(他の生徒端末も同様とする)が含む様に構成されている。
【0161】
図19においては教科書データ管理DB64が教師端末10といずれの生徒端末とにも保存されていない様に図示されているが、教科書データ管理DB64は教師端末10bが含む様に構成されても良い。
【0162】
また、図19の授業データ管理システム100bにおいて、各生徒端末からの確認タイミング情報は先ず各生徒端末において保存されても良い。図19の授業データ管理システム100bにおいて、各生徒端末も図20の教師端末10bと同様の構成(特に授業データ管理装置50の制御部51の機能)を含む様に構成されても良い(図21参照)。図21(A)は、授業データ管理システム100bにおける生徒端末30b−1のハードウェア構成の他の一例を示すブロック図である。図21(B)は、生徒端末30b−1の制御部11bの内部構成を示すブロック図である。制御部31bは、第1の実施形態の生徒端末30−1の制御部31の機能に、授業データ管理装置50の制御部51の機能を更に含む様に構成されている。
【産業上の利用可能性】
【0163】
本発明は、電子教科書を用いた授業の授業データに対して、教師から入力された授業内容の説明開始時点及び各生徒から入力された授業内容の再視聴の入力時点を効率的に管理し、各生徒の所望の授業データを簡易に配信できる授業データ管理装置及び授業データ管理システムとして有用である。
【符号の説明】
【0164】
10 教師端末
11、31、51 制御部
12、32、52 タイマ
13、33 操作部
14、34 メモリ
15、35 出力制御部
16、36 出力部
17 記録制御部
18、38、65 通信部
19 操作内容監視部
20、39 RAM
21、40 ROM
30−1、30−2、30−n 生徒端末
37 カメラ
50 授業データ管理装置
53 ユーザ識別部
54 授業データ関連情報生成部
55 確認タイミング保存更新部
56 説明開始起点抽出部
57 授業データ分割生成部
58 授業データ取得部
59 教科書データ比較部
60 データベース
61 記録データ管理DB
62 個人情報管理DB
63 授業情報管理DB
64 教科書データ管理DB
70 ビデオカメラ
100 授業データ管理システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
教科書データを用いた授業が記録された授業データを管理する授業データ管理装置であって、
前記授業において、教師端末から前記教科書データの説明開始タイミング情報、及び生徒端末から前記教科書データの確認タイミング情報を受信する通信部と、
前記教師端末及び前記生徒端末を用いる教師及び生徒の各個人情報、前記授業の授業情報、前記記録された前記授業データ、並びに前記通信部により受信された前記説明開始タイミング情報及び前記確認タイミング情報を保存するデータベースと、
前記教師及び生徒の各個人情報及び前記授業情報を基に、前記確認タイミング情報の受信時から最も近い以前に受信された前記説明開始タイミング情報を抽出する説明開始起点抽出部と、
前記説明開始起点抽出部により抽出された前記説明開始タイミング情報を再生起点として再生可能な前記授業データのファイルを取得する授業データ取得部と、を備え、
前記通信部は、前記授業データ取得部により取得された前記授業データを前記生徒端末に送信する授業データ管理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の授業データ管理装置であって、
前記記録された前記授業データを基に、前記受信された前記説明開始タイミング情報を再生起点として再生可能な授業データのファイルを生成する授業データ生成部と、を更に備え、
前記授業データ取得部は、前記授業データ生成部により生成された授業データのファイルを取得する授業データ管理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の授業データ管理装置であって、
前記受信された前記説明開始タイミング情報を再生起点として、前記記録された前記授業データのファイルを再生する旨の再生指示を生成する授業データ生成部と、を更に備え、
前記授業データ取得部は、前記授業データ生成部により生成された前記再生指示及び前記記録された前記授業データのファイルを、前記説明開始タイミング情報を再生起点として再生可能な授業データのファイルとして取得する授業データ管理装置。
【請求項4】
請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の授業データ管理装置であって、
前記教師、前記授業情報、前記説明開始タイミング情報、前記授業のキーワード及び前記授業データ取得部により取得された前記授業データのファイルを関連付ける授業データ関連情報を生成する授業データ関連情報生成部と、を更に備える授業データ管理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の授業データ管理装置であって、
前記説明開始起点抽出部は、前記授業データ関連情報生成部により生成された前記授業データ関連情報を基に、同一の前記授業のキーワードを有する他の教師の授業データの説明開始タイミング情報を抽出する授業データ管理装置。
【請求項6】
請求項2〜5のうちいずれか一項に記載の授業データ管理装置であって、
前記授業データ生成部は、前記データベースに保存された前記授業データのうち、音声データの音量レベルが第1所定レベル以下であって、前記教師端末から送信された前記教師端末の操作データを基に前記教師端末からの操作が第2所定時間以上ない場合に、前記第2所定時間分の前記授業データを削除する授業データ管理装置。
【請求項7】
請求項6に記載の授業データ管理装置であって、
前記第2所定時間分の前記授業データの削除に応じて、前記第2所定時間以降の前記授業データに対して前記生徒端末から送信された前記確認タイミング情報の入力時刻を更新する確認タイミング情報保存更新部と、を更に備える授業データ管理装置。
【請求項8】
請求項1〜7のうちいずれか一項に記載の授業データ管理装置であって、
前記教師端末及び前記生徒端末の各表示画面に表示されている各教科書データの内容を比較する教科書内容比較部と、を更に備え、
前記教科書内容比較部は、各々の前記表示画面に表示されている各教科書データが第3所定時間以上異なる場合に、前記第3所定時間の終了時刻を入力時点とした前記確認タイミング情報を前記データベースに保存する授業データ管理装置。
【請求項9】
請求項1〜8のうちいずれか一項に記載の授業データ管理装置であって、
前記通信部は、前記教師端末から前記教科書データのタイトル又はタイトル番号の選択操作が入力された場合に、前記教師端末から送信された前記説明開始タイミング情報を受信する授業データ管理装置。
【請求項10】
請求項1〜9のうちいずれか一項に記載の授業データ管理装置であって、
前記通信部は、カメラ部を有する前記生徒端末から前記生徒の第4所定時間以上のフレームアウトが検出された場合に、前記生徒端末から前記確認タイミング情報を受信する授業データ管理装置。
【請求項11】
教師端末と、生徒端末と、前記教師端末及び前記生徒端末の間で教科書データを用いた授業が記録された授業データを管理する授業データ管理装置とを含む授業データ管理装置であって、
前記授業データ管理装置は、
前記授業において、前記教師端末から前記教科書データの説明開始タイミング情報、及び前記生徒端末から前記教科書データの確認タイミング情報を受信する通信部と、
前記教師端末及び前記生徒端末を用いる教師及び生徒の各個人情報、前記授業の授業情報、前記記録された前記授業データ、並びに前記通信部により受信された前記説明開始タイミング情報及び前記確認タイミング情報を保存するデータベースと、
前記教師及び生徒の各個人情報及び前記授業情報を基に、前記確認タイミング情報の受信時から最も近い以前に受信された前記説明開始タイミング情報を抽出する説明開始起点抽出部と、
前記説明開始起点抽出部により抽出された前記説明開始タイミング情報を再生起点として再生可能な前記授業データのファイルを取得する授業データ取得部と、を備え、
前記通信部は、前記授業データ取得部により取得された前記授業データを前記生徒端末に送信する授業データ管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2013−11668(P2013−11668A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−143068(P2011−143068)
【出願日】平成23年6月28日(2011.6.28)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】