説明

排ガス浄化システム及び浄化方法

【課題】多様な搭載仕様(形やサイズ、位置)に適合可能、新しいタイプの排ガス浄化、触媒システムを提供する。
【解決手段】セラミックスあるいは耐熱金属を、多孔質フィルターないし触媒担体として使用した排ガスの浄化、触媒システムであって、排ガスの通路となる筐体の内部に、分割された多孔質フィルター及び/又は触媒担体が、排ガスの流れに沿ってそれらが3個以上、直列に配されていることを特徴とする排ガス浄化、触媒システム。
【効果】搭載仕様に応じて、任意に形状、構造及びサイズを適合させることが可能な新規排ガス浄化、触媒システムを構築し、提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排ガス浄化、触媒システム及び排ガスの浄化方法に関するものであり、更に詳しくは、排ガスの通路となる筐体の内部に、分割された多孔質フィルター及び/又は触媒担体が、排ガスの流れに沿ってそれらが3個以上、直列に配されている排ガス浄化、触媒システム及び該システムを利用した排ガス浄化技術に関するものである。本発明は、形状、サイズ、及び位置について、多様な搭載仕様に適合でき、かつ排ガス中のPMを効率良く捕集することができ、しかも、軽量化及びコンパクト化を実現できる新しいタイプの排ガス浄化、触媒システムとして、例えば、自動車等、あるいは非自動車用の建機、農業用車両、船、芝刈り機といった各種エンジンに及び定置式のプラントに使用される、新しいタイプの排ガス浄化システムに関する新技術・新製品を提供するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、自動車等の移動体用には、主に、ハニカム形状の担体、フィルターが使用されている。また、今後、自動車用以外の建機、農業用車両、船、芝刈り機といった各種エンジンに対しても、排ガス規制が施行される見込みである。こうした、非自動車、自動車等を問わず、触媒担体やフィルターの取り付けできる位置やスペースは、限られている。特に、非自動車の場合には、エンジンユニットと浄化システムをセットで販売し、多様な設計の車両に取り付けなければならないことが多い。こうした要求に対して、セラミックハニカムでは、形が決まっているので、多様化する搭載位置やスペースに対応できないし、その他にも、以下のような課題がある。
【0003】
現在のDPFシステムでは、前段に設けた触媒ハニカムで、HC、COといったガスを燃焼させ、その発熱により後段のフィルターに堆積したすすを燃焼(再生)する。このとき、後段のフィルターのすすを燃やすためには、ポスト噴射により、大量の燃料を使用する必要があり、燃費悪化も大きくなる。また、現在のDPFでは、排ガスは、ハニカム内で均一に捕集されているわけではなく、入り口部分で多く、そして、後方にいくに従って、捕集量は少なくなる。すなわち、現在のDPFにおいては、活用されていない部分も多く、過剰な体積のハニカム、そして、貴金属を使用していることになる。
【0004】
更に、押し出しが主流のハニカムでは、ひとつのハニカムで気孔率や気孔サイズを制御、変化させることは困難である。従って、超微粒子を捕集するためには、小さな気孔とする必要があり、その場合、圧力損失が大きくなる。更に、最近の傾向として、エンジン上流側にシステムを配する方向にある。そのため、フィルターには、高い耐熱性が要求されるが、下流側では、それほど高い耐熱性は必要とせず、過剰スペックとなり、コスト高となる。
【0005】
従来の技術として、次のような事例があげられる。例えば、触媒とフィルターの間の排気の温度低下を少なくし、周辺への熱害を少なくして安全性を向上でき、車両搭載性を向上できるディーゼルパティキュレートフィルター装置として、容器本体内の上流側に酸化触媒を設け、下流側にパティキュレートフィルター(DPF)を設け、酸化触媒とフィルターの間に温度センサを設けたDPF装置において、容器本体を触媒側シェルとフィルター側シェルと後方シェルに分割し、後方に延長した拡径部を触媒側シェルに設け、更に、環状の触媒側フランジを拡径部の後端部の外周に設け、センサ取付けボスを拡径部の外周に設け、フィルター側前方フランジをフィルター側シェルの外周に設け、フィルター側シェルの前端部を触媒側シェルの拡径部の内部に挿入するよう嵌合して両フランジを締結する構造にすることが提案されている(特許文献1)。
【0006】
しかし、この種の装置では、前段に設けた触媒ハニカムで、HC、COといったガスを燃焼させ、その発熱により、後段のフィルターに堆積したすすを燃焼(再生)する。このとき、後段のフィルターのすすを燃やすためには、ポスト噴射により、大量の燃料を使用する必要があり、燃費悪化も大きくなる。また、DPFの下流側では、前段で発熱した熱量が伝わらず、温度が十分に上昇しないことがある(温度を十分に上昇させるために大量の燃料を吹くことになる)という問題がある。
【0007】
また、加熱ヒータでフィルターを加熱し、排気ガス中のパティキュレートをフィルターで捕集して焼却処理する排気ガス処理装置として、ケーシング内を仕切板で分割した2つの処理室に多孔質セラミックスのフィルターをそれぞれ積層状態に配置し、一方の処理室を開放して排気ガス中のパティキュレートを捕集し、他方の処理室を閉鎖して僅かな排気ガスを流して捕集したパティキュレートを焼却処理し、ターボチャージャの発電機からの電力を加熱ヒータに供給し、加熱ヒータでフィルターを赤熱し、フィルターで捕集されるパティキュレートを焼却処理する排気ガス処理装置が提案されている(特許文献2)。しかし、この種の装置は、加熱ヒータを用いて強制加熱により再生する方式であるために、燃費悪化が大きい(連続再生型ではない)。また、気孔傾斜や材質が排ガスの流れ方向に対して最適化されていないために、超微粒子の捕集に対しては、圧力損失が大きくなるという欠点がある。
【0008】
また、ディーゼルエンジンの排気中の黒煙等の微粒子固形物(パティキュレート)を除去するセパレート式ディーゼルパティキュレートフィルター装置に関し、フィルターの再生効率を高め、プレヒート時間も短縮でき、フィルターのクラックの発生も確実に防止できるようにするために、排気ガス中のパティキュレートを捕集するフィルターと、捕集したパティキュレートを燃焼させるパティキュレート燃焼手段とを備え、フィルターが複数のフィルター部分に分割されて構成され、排気ガスの流路EXが複数のフィルター部分にそれぞれ導かれるように分割されて形成され、フィルター部分の上流端が互いに対向するように配設されて、フィルター部分の上流端相互間にパティキュレート燃焼手段の発熱部が配設されるように構成した装置が提案されている(特許文献3)。
【0009】
また、セラミックスフォーム等の三次元多孔体を用いた内燃機関の排気フィルターにおいて、排気微粒子をフォーム内に広く拡散させると共に、急加速時の急激なブローオフを防止するために、セラミックスフォームからなるフィルターエレメントは、排気流と平行な面に沿って複数枚のフォーム部材に分割されていて、互いに密接し、各フォーム部材には、多数のスリット状拡散孔が多段に配列された形で貫通形成され、各フォーム部材の拡散孔の位置は、隣接する第1フォーム部材と第2フォーム部材とで少しずれており、互いに重なり合うことがない装置が提案されている(特許文献4)。
【0010】
また、排気ガスの流れ方向に延びる多数の通路を持つ多孔質セラミツク製の単一体フィルターブロックからなり、このブロックを排気流れ方向に見て気孔率の減少する複数区域に分割することにより、フィルター寿命を向上させ、2つの区域からなる排気ガスフィルターであって、このフィルターは排気ガスの主要流れ方向に延びる多数の通路を持つ多孔質セラミツク製の単一体フィルターブロックからなり、排ガスを通路壁通させるため通路が交互に栓により閉鎖されて、中央に設けられる栓によって区分される上流側及び下流側のフィルター区域における通路壁、気孔率は下流側に向け減少され、例えば、夫々70%、50%に設定されている装置が提案されている(特許文献5)。
【0011】
また、他の先行文献には、ガス等の流体との接触面積を大きくした窒化ケイ素質多孔体及びその製造方法として、平均粒子直径が1〜150μmの金属ケイ素粒子100部と、ケイ素酸化物粒子をSiOに換算して0.2〜45部含む混合物を混練し、所定の貫通孔の断面積を有する押出成形体を押出成形後、該押出成形体を窒素中で熱処理して貫通孔の表面から柱状結晶が析出している窒化ケイ素質多孔体を製造して、貫通孔に針状粒子を生成させる方法が提案されている(特許文献6)。しかし、この種の方法では、超微粒子の捕集に重要なのは、壁面に形成された空隙内部への針状結晶であり、その点で、本発明と本質的に異なっている。
【0012】
また、この方法では、焼成温度を1800℃以下と規定しているが、その場合、粒子成長は生じにくくなる。本発明では、粒成長させるために、焼成温度を1800℃以上に高くする必要性があるが、それは、混合物に含まれているケイ素酸化物粒子は、熱処理の過程でバインダー等の有機成分の分解によって形成された炭素成分と反応して一酸化ケイ素の気相を形成し、多孔体の流路内に生成した一酸化ケイ素の気相が残留炭素及び窒素と反応して(還元−窒化反応)窒化ケイ素粒子を生成し、生成した窒化ケイ素粒子は、貫通孔の表面に形成された窒化ケイ素粒子を核として成長し、貫通孔の内側に向けて柱状結晶を形成することによるものと推定される。また、コージエライト針状結晶を層状に形成した内壁を有するハニカム構造体が提案されている(特許文献7)が、内壁に針状結晶を成長させたこの種のセラミックフィルターでは、捕集効率が低いという欠点があった。
【0013】
更に、他の先行文献には、窒化ケイ素粒子、粘土及び酸化物からなる成形体を焼成して窒化ケイ素多孔体とする方法が提案されている(特許文献8)が、この種の方法では、窒化ケイ素粒子を出発原料とするため、製造原価の点で問題があった。一方、金属ケイ素粒子と窒化ケイ素粒子からなる混合粉体を出発原料とする成形体を熱処理して窒化ケイ素多孔体とする方法が提案されている(特許文献9)が、この種の方法では、窒化率が低いため、金属ケイ素が多く残留し、窒化ケイ素の持つ優れた耐熱性、耐食性などを損なう問題がある。
【0014】
また、これに関連したものとしては、多くの事例があり、特に、コージエライトは、融点が1400℃程度と高く、熱膨張係数が極端に小さいので耐熱衝撃性に優れることから、自動車の三元触媒やガスタービン用の燃焼触媒、あるいは高温ガス浄化触媒用など、700℃を超える高温部における触媒の担体として、そのハニカム構造体が用いられていることは公知である(非特許文献1)。ただし、現行のセラミックフィルターで超微粒子を捕集する場合、気孔径を小さくする必要があるが、その場合、圧力損失が大きくなり燃費の悪化を招くという問題がある。
【0015】
【特許文献1】特開2004−263593号公報
【特許文献2】特開平06−221135号公報
【特許文献3】特開平06−2529号公報
【特許文献4】特開平04−342814号公報
【特許文献5】特開昭61−164025号公報
【特許文献6】特開2001−316188号公報
【特許文献7】特開2004−298709号公報
【特許文献8】特開平6−256069号公報
【特許文献9】特開平1−188479号公報
【非特許文献1】日本ガイシ(株),三輪真一,「ディーゼル排気ガス浄化用ハニカムセラミックス」,工業材料,月刊工業新聞社,vol.50,No.13,第22〜26頁,2002年12月号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
非自動車、自動車を問わず、担体やフィルターの取り付けできる位置やスペースは限られている。また、フォークリフト等の非自動車の場合には、エンジンユニットと浄化システムをセットで販売し、多様な設計の車両に取り付けなければならないことも多い。現在、自動車用として広く使用されているセラミックハニカムでは、形が決まっており、また、セラミックスは焼結してしまうと変形しないので、多様な搭載位置、形状、スペースに対応することは困難である。
【0017】
現在のDPFでも、2段に分割したシステムがある。同システムでは、前段に設けた触媒ハニカムで、HC、COといったガスを燃焼させ、その発熱により、後段のフィルターに堆積したすすを燃焼(再生)する。このとき、後段のフィルターのすすを燃やすためには、ポスト噴射により、大量の燃料を使用する必要があり、燃費悪化も大きくなる。
【0018】
また、現在のDPFでは、排ガスはハニカム内で均一に捕集されているわけではなく、入り口部分で多く、そして、後方にいくに従って、捕集量は少なくなる。すなわち、現在のDPFでは、活用されていない部分も多く、過剰な体積のハニカム、そして、貴金属を使用していることになる。
【0019】
排ガスに、含まれるPMの粒度分布は、広く、ナノオーダから10ミクロンレベルまでの粒子が存在する。圧力損失をできるだけ抑え、かつ効率的にPMを捕集するためには、こうした粒度分布に応じて、傾斜状に気孔サイズや率が変化することが望ましい。しかし、現在、押し出し成形により作製されたハニカムが主流であるが、押し出し成形により作製したひとつのハニカムを使って、その気孔率や気孔サイズを制御、変化させることは困難である。また、最近の傾向として、エンジン上流側にシステムを配する方向にある。そのため、フィルターには、高い耐熱性が要求されるが、下流側では、それほど高い耐熱性は必要とせず、過剰スペックとなりコスト高となる。
【0020】
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、上記従来技術における諸問題を解決し得る新しいタイプの排ガス浄化、触媒システムを開発することを目標として鋭意研究を重ねた結果、排ガスの通路となる筐体の内部に、分割された多孔質フィルター及び/又は触媒担体が、排ガスの流れに沿ってそれらが3個以上、直列に配されている構成とすることで所期の目的を達成し得ることを見出し、更に研究を重ねて、本発明を完成するに至った。本発明は、多様な搭載仕様(形状やサイズ、位置)に適合できる、高信頼性の排ガス浄化、触媒システムを提供することを目的とするものである。
【0021】
更に、本発明は、主に曲面で構成される配管、あるいは筺体の内部に、薄厚の多孔質フィルターを複数個、排ガスの流れに沿って、直列に配し、また、筺体は、フレキシブルな蛇腹状の筺体を用いることが可能で、各フィルターには、触媒が担持されており、また、HC燃焼用のハニカムと捕集用のフィルター(プラグタイプ)を交互に配することが可能な新規排ガス浄化、触媒システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段より構成される。
(1)セラミックスあるいは耐熱金属を、多孔質フィルターないし触媒担体として使用した排ガスの浄化、触媒システムであって、排ガスの通路となる筐体の内部に、分割された多孔質フィルター及び/又は触媒担体が、排ガスの流れに沿ってそれらが3個以上、直列に配されていることを特徴とする排ガス浄化、触媒システム。
(2)上記多孔質フィルターと触媒担体が、共にひとつの筐体内に配されている、前記(1)記載の排ガス浄化、触媒システム。
(3)上記多孔質フィルターと触媒担体が、排ガスの流れに沿って交互に配されている、前記(1)又は(2)記載の排ガス浄化、触媒システム。
(4)上記多孔質フィルターは、ハニカム状であって、ガスの通路となるセルの入り口と出口の一方が目閉じ(プラグタイプ)であり、上記触媒担体は、入り口、出口とも開放されたアンプラグタイプである、前記(1)から(3)のいずれかに記載の排ガス浄化、触媒システム。
(5)上記触媒担体の表面に、γアルミナ及び貴金属触媒粒子が担持されている、前記(1)記載の排ガス浄化、触媒システム。
(6)上記多孔質フィルターの表面に、助触媒として、酸素吸蔵・放出能力のあるセリア含有化合物、及び触媒として、貴金属粒子が担持されている、前記(1)記載の排ガス浄化、触媒システム。
(7)上記多孔質フィルターが、窒化ケイ素、サイアロン、炭化ケイ素、ムライト、アルミナ、コージエライト、チタン酸アルミニウムのいずれか、あるいはそれらの混合体でなる、前記(1)記載の排ガス浄化、触媒システム。
(8)上記多孔質フィルターの表面に、基材と同種の針状粒子が形成されている、前記(1)記載の排ガス浄化、触媒システム。
(9)上記多孔質フィルター壁面の厚みが、1ミリ以下、壁面を構成する多孔質部の気孔径の平均値が、5〜50ミクロンの範囲にある、前記(1)記載の排ガス浄化、触媒システム。
(10)上記多孔質フィルターが、窒化ケイ素とイットリア、窒化ケイ素とケイ素のいずれか、あるいは両方でなる混合粉末の成形、焼成体である、前記(1)記載の排ガス浄化、触媒システム。
(11)上記多孔質フィルターが、筐体内部の所定位置に配され、その周囲が耐熱材料により固定されている、前記(1)記載の排ガス浄化、触媒システム。
(12)上記筐体の内面に断熱性及び/又は耐熱性を高めるためのセラミックコーティング膜が形成されている、前記(1)記載の排ガス浄化、触媒システム。
(13)排ガスの上流から下流方向に沿って、多孔質フィルターの気孔サイズが徐々に小さくなるように多孔質フィルターが配されている、前記(1)記載の排ガス浄化、触媒システム。
(14)上記筐体が、フレキシブルな蛇腹状であって、搭載箇所の仕様に応じて形状が変更可能で、多様な搭載仕様に対応できる、前記(1)記載の排ガス浄化、触媒システム。
(15)排ガスの上流近傍から下流に向けて、必要な耐熱性に応じて、種類の異なる多孔質フィルター、触媒担体を配した、前記(1)記載の排ガス浄化、触媒システム。
(16)上記排ガスの上流に近い高温部には、炭化ケイ素あるいは窒化ケイ素が、下流にはコージエライトが配されている、前記(1)記載の排ガス浄化、触媒システム。
(17)上記触媒担体中を排ガスが通過する際に、HC、COの燃焼反応により生じた発熱を利用して、上記触媒担体の両隣に配されたフィルターに捕集されたPMを燃焼させる、前記(1)記載の排ガス浄化、触媒システム。
(18)上記触媒担体中を排ガスが通過する際に、NOの酸化反応により生じたNOを利用して、上記触媒担体の両隣に配されたフィルターに捕集されたPMの燃焼を促進させる、前記(1)記載の排ガス浄化、触媒システム。
(19)多孔質フィルター壁面に設けられた貫通孔から導入された流体が、多孔質フィルター内部を通過し、開放された過程で生じる乱流により、上記多孔質フィルターの内壁面に形成された触媒との接触確率を向上させ、効果的に浄化、触媒反応を進行させる、前記(1)記載の排ガス浄化、触媒システム。
(20)前記(1)から(19)のいずれかに記載の排ガス浄化、触媒システムを搭載した自動車又は非自動車用エンジン部材。
【0023】
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明は、セラミックスあるいは耐熱金属を、多孔質フィルターないし触媒担体として使用した排ガスの浄化、触媒システムであって、排ガスの通路となる筐体の内部に、分割された多孔質フィルター及び/又は触媒担体が、排ガスの流れに沿ってそれらが3個以上、直列に配されている排ガス浄化、触媒システムの点に特徴を有するものである。本発明では、好適には、上記多孔質フィルターろ触媒担体は、共にひとつの筐体内に配され、また、これらは、排ガスの流れに沿って交互に配される。
【0024】
上記多孔質フィルターは、ハニカム状であって、ガスの通路となる、いわゆるセルの入り口と出口の一方が目閉じ(プラグタイプ)であり、上記触媒担体は、入り口、出口とも開放されたアンプラグタイプであることが好ましい。また、上記触媒担体の表面には、γアルミナ及び白金等の貴金属触媒粒子が担持されていることが好ましく、また、多孔質フィルターの表面には、助触媒として、酸素吸蔵・放出能力のあるセリア含有化合物、及び触媒として、貴金属粒子が担持されていることが好ましいが、これらに制限されるものではなく、これらと同等ないし類似の触媒、化合物であれば同様に使用することができる。
【0025】
本発明では、上記多孔質フィルターは、好適には、例えば、窒化ケイ素、サイアロン、炭化ケイ素、ムライト、アルミナ、コージエライト、チタン酸アルミニウムのいずれか、あるいはそれらの混合体から構成されるが、これらに制限されるものではなく、これらと同等ないし類似の材料であれば同様に使用することができる。上記多孔質フィルターの表面には、基材と同種の針状粒子が形成されていることが好ましい。上記多孔質フィルター壁面の厚みは、1ミリ以下であり、そして、壁面を構成する多孔質部の気孔径の平均値は、5〜50ミクロンの範囲であることが好ましいが、これらに制限されるものではなく、これらは、多孔質フィルターの種類、形状及びサイズに応じて任意に設計することができる。
【0026】
次に、上記多孔質フィルターは、好適には、例えば、窒化ケイ素とイットリア、窒化ケイ素とケイ素のいずれか、あるいは両方でなる混合粉末を成形し、焼成することで作製される。そして、上記多孔質フィルターは、筐体内部の所定位置に配され、その周囲が耐熱材料により固定される。この場合、上記筐体の内面に断熱性及び/又は耐熱性を高めるために、必要に応じてZrO等のセラミックコーティング膜が形成されるが、該セラミックコーティング膜の種類、材料等は断熱性、耐熱性を付与できる限り特に制限されない。また、多孔質フィルターは、必要により、排ガスの上流から下流方向に沿って、多孔質フィルターの気孔サイズが徐々に小さくなるように配置し、また、排ガスの上流近傍から下流に向けて、必要な耐熱性に応じて、種類の異なる多孔質フィルター、触媒担体を配置することができる。その場合、例えば、上記排ガスの上流に近い高温部には、好適には、例えば、炭化ケイ素あるいは窒化ケイ素が、そして、下流にはコージエライトが、あるいはそれらと同等ないし類似の材料が配される。
【0027】
上記筐体は、例えば、フレキシブルな蛇腹状であって、搭載箇所の仕様に応じて形状が変更可能で、多様な搭載仕様に対応できる構成にすることが好ましい。本発明では、上記触媒担体を配置することにより、上記触媒担体中を排ガスが通過する際に、HC、COの燃焼反応により生じた発熱を利用して、上記触媒担体の両隣に配されたフィルターに捕集されたPMを燃焼させることができ、また、上記触媒担体中を排ガスが通過する際に、NOの酸化反応により生じたNOを利用して、上記触媒担体の両隣に配されたフィルターに捕集されたPMの燃焼を促進させることができる。
【0028】
また、本発明では、多孔質フィルター壁面に設けられた貫通孔から導入されたガス等の流体が、多孔質フィルター内部を通過し、開放された過程で生じる乱流により、上記多孔質フィルターの内壁面に形成された触媒との接触確率を向上させ、効果的に浄化、触媒反応を進行させることが可能となる。本発明において、上記筐体部としては、例えば、反割り状の金属製筐体を使用することができる。この場合、分割面は、例えば、溶接、あるいはロウ付け等で固定することができる。また、上記多孔質フィルターは、この筐体部に緩衝材あるいは無機系接着剤を介して固定することができる。
【0029】
また、本発明では、上記筐体部を、例えば、蛇腹状等の形状の自由度の大きい材料で構成することができる。その場合、筐体の一部に、金属リングを固定し、該金属リングに接着剤を介して多孔質フィルターを固定することができるが、これらの固定方法及び手段については、特に制限されるものではなく、これらと同等ないし類似の機能を有するものであれば、適宜のものを使用することが可能である。
【0030】
従来、非自動車、自動車等に、フィルターや触媒担体を取り付ける場合、従来材では、それを取り付ける位置やサイズ、スペースが限られており、特に、セラミックハニカムでは、形が決まっているので、多様な搭載位置、形状及びスペース等に対応することは困難であり、その利用が制限されていた。これに対して、本発明の排ガス浄化、触媒システムは、形状の自由度が高いシステムを任意に構築することが可能であることから、多様な搭載位置、形状、スペースに対応することが可能であり、しかも、通常のハニカムを用いた場合に比べて、軽量化が容易であり、また、コンパクトなシステムを任意に構築することが実現できるので、任意の搭載位置、形状及びスペースに適合した排ガス浄化、触媒システムを作製し、提供することができる利点を有する。
【発明の効果】
【0031】
本発明により、次のような効果が奏される。
(1)形状、サイズ、及び位置についての多様な搭載仕様に適合でき、かつ高い信頼性を持つ新しいタイプの排ガス浄化、触媒システムを提供できる。
(2)本発明の排ガス浄化、触媒システムでは、ガス流は均質な流れとならず、ひとつのフィルターを通過後、開放された瞬間に乱流となり、触媒との接触効果が増加する、という特異的な効果が得られる。
(3)多孔質フィルターの入り口部分でPMは多く捕集され、また、気孔分布を排ガスの流れ方向に傾斜状に変化させることができるので、多孔質フィルターの表面を含め、全体を効率良く使ってPMを捕集することが可能となる。
(4)通常のハニカムを用いた場合に比べて、軽量化され、反応も早くなり、また、ガスの流量が増えるので、コンパクトな排ガス浄化、触媒システムとすることができる。
(5)本発明の装置では、従来に比べ全体の温度を均一に上げることができるため、触媒を有効に利用することができ、結果として、高価な貴金属触媒の使用量が減り、低コスト化が実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
次に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
【実施例1】
【0033】
平均粒径が1ミクロン程度の窒化ケイ素粉末及びアルミナ、イットリアが、それぞれ、92:3:5となるように秤量した。該粉末に粉末総重量に対して140wt%の水を配合し、ボールミルにより混合した。その後この混合物を乾燥させ、水分を除去した。該混合粉末100%に粒径70ミクロンのポリエチレン粒子(造孔剤) を外掛で10%、成形助剤として12%のメチルセルロース、1.5%のグリセリン及び15%の水を加えて、加圧ニーダーを使って、約1時間混練して成形組成物を作製した。
【0034】
得られた組成物を、ハニカム成形金型を配した押出成形機を使って、ハニカム成形体とした。次いで、この成形体を窒素雰囲気中1850℃で焼成した。得られたハニカム成形体の外形は、直径50mm、長さ120mm、セル壁の厚さ0.2mmであった(300cpi)。同フィルターを、20mm間隔に切断し、排ガス入出路の端部を交互に眼封じした(いわゆる、プラグタイプ=ウォールフロータイプのセラミックフィルター用である)。これを乾燥後、0.93MPaの窒素雰囲気中、最高1800℃で焼成した。
【0035】
得られた焼結体の気孔部分を観察した結果、約20ミクロンの径を中心値とする気孔の内壁には、径が2から5ミクロン長さ、最長で30ミクロンの針状結晶が成長していることが確認された。同フィルターにはCe系化合物粒子を助触媒として担持後、白金粒子を更に担持した。ここで、Ce化合物は、酸素貯蔵、放出材として機能する。一方、これとは別に、セル厚さが50ミクロン程度で800cpiのハニカムも作製した。サイズは、上記フィルターと同じであったが、これらには目封じ処理はしていない。同ハニカムには、ウォッシュコートによりγアルミナ、及び白金粒子を担持した。ここで、このハニカムは、酸化触媒として機能する。
【0036】
SUS製の半割り状筺体に、上記酸化触媒とフィルターを交互に配置した。これらのフィルターあるいは酸化触媒は、無機系接着剤で筺体と固定した。更に、半割り状筺体を上方より被せ、それらの合せ面を溶接により接合した。形状は、搭載位置に応じて、やや曲がった形状となっている特徴を有していた。
【0037】
得られたDPFを、ベンチ試験に供した。なお、比較例として、同じ容積の一体型のDPFを用いた。両者を比較すると、本発明では、比較例に比べて、低圧損で高い捕集率が得られることが分かった。一体型の場合、フィルターの入り口部分で多くのPMが堆積する傾向があり、逆に、出口近傍では、十分に捕集されていなかった。そのために、圧損が向上したと考えられる。一方、本発明では、各フィルターで、均等にPMが捕集されていることが分かった。
【0038】
上記SUS製半割り筺体の内面の排ガスに曝される部分に、溶射法により、中間層(NiCrAl)及びZrO(ジルコニア)コーティングを施した。このセラミックコーティング膜形成によりSUS製筐体の耐熱性と断熱性を高め、触媒をより活性化することができた。
【実施例2】
【0039】
実施例1と同じ多孔質フィルター、及び酸化触媒を使用し、これらをSUS製リングに取り付け、無機系接着剤で固定した。次いで、これらを、蛇腹上の筺体に溶接により固定した(図2)。これらは、蛇腹筺体で構成されているために、形を変えることが可能であった。次いで、これを実施例1と同じく、ベンチ試験に供し、良好な特性を有していることを確認した。
【実施例3】
【0040】
ムライト粉末に、その総重量に対して140wt%の水を配合し、ボールミルにより混合した。その後この混合物を乾燥させ、水分を除去した。該混合粉末100%に、あらかじめポリエチレンと酸化鉄でなる、粒径70ミクロンの混合物(造孔剤)を外掛で10%、成形助剤として該混合粉末100%に粒径70ミクロンの黒鉛粉末(造孔剤)を外掛で10%、成形助剤として12%のメチルセルロース、1.5%のグリセリン及び15%の水を加えて、加圧ニーダーを使って約1時間混練して成形組成物を作製した。
【0041】
得られた組成物を、ハニカム成形金型を配した押出成形機を使ってハニカム成形体とした。次いで、該ハニカム成形体を大気中1400℃で焼成した。これを用いて、実施例1と同様にして、多孔質フィルター及び酸化触媒を作製し、同様のサイズに切断し、更に筺体内に固定した。これについてベンチ試験を行い、良好な特性を有していることを確認した。
【実施例4】
【0042】
原料粉末として、カオリン、タルク、アルミナ、シリカ粉末を用いた。カオリンは、アルミナ、シリカ、マグネシアを主成分とした複酸化物の総称である。本実施例で用いたカオリン及びタルクの組成は、モル比で、カオリン(Al:SiO:MgO:K=34.69:50.64:0.47:2.59:1.08)、タルク(SiO:MgO=62.85:31.33)の組成である。カオリンは、焼結時に針状結晶を成長させる核となる。原料粉末に対する重量比で0.1〜10wt%添加してスラリーを調整した。充分に攪拌して均一なスラリーを得るために、12時間ボールミルで混合した。
【0043】
これらの粉末に、その総重量に対して140wt%の水を配合し、ボールミルにより混合した。乾燥後、成形助剤として12%のメチルセルロース、1.5%のグリセリン及び15%の水を加えて、加圧ニーダーを使って、約1時間混練して、成形組成物を作製した。得られた組成物を、ハニカム成形金型を配した押出成形機を使って、ハニカム成形体とした。これを大気中1400℃で焼成した。これを実施例1の構造と同一の構造に配置した。このとき、窒化ケイ素フィルターを排気ガスの上流部に配して(4個)、低温側には、コージエライトハニカムを配した(6個)。これについてベンチ試験を行い、良好な特性を有していることを確認した。
【実施例5】
【0044】
実施例4において、原料粉末として、炭化ケイ素及びチタン酸アルミニウムを使って、それ以外は、実施例4と同様にして、同じ構成を有する排ガス浄化・触媒システムを作製した。
【実施例6】
【0045】
実施例1において、PM捕集効率、圧力損失の経時間変化、ならびに排出ガスに含まれるPMの粒子径を測定した。その結果を図3に示す。該データ中において、本発明は、針状粒子形成ハニカムを設けたDPFであり、比較例は、通常のウォールフロータイプのDPFである。DPFをディーゼルエンジンの排気マニホールドとマフラーとを繋ぐ排気管に装着し、ディーゼルエンジンから排出される排気ガスのPM浄化を行なった。その結果、図3に示すように、本発明は、従来品に比べて、高い浄化率、捕集時間を示した。また、本発明によれば、従来のDPFに比べて微粒子のPMが浄化できることが分かった。
【実施例7】
【0046】
実施例1と同様の材料を使い、多孔質フィルターを作製し、大きな気孔率のフィルターが上流側となるよう配管内に配した。そのPM捕集効率、圧力損失の経時間変化を計測した。その結果を図4に示すが、均一な気孔率の多孔質フィルターを使用した場合に比べて、圧損が小さく、捕集効率も向上していることが分かった。これは、上流側では、流速が大きく、空隙を小さくすると圧損のみ上昇するため、比較的大きな空隙とすることが望ましく、下流の流速が小さなところでは、空隙を小さくし、壁面との接触が多い方が効率的であるためと考えられる。
【実施例8】
【0047】
原料粉末として、ケイ素、アルミナ、イットリア混合粉末(配合比82:11:7)を用い、これらの粉末に、その総重量に対して140wt%の水を配合し、ボールミルにより混合した。その後この混合物を乾燥させ、水分を除去した。該混合粉末100%に粒径70ミクロンのポリエチレン粒子(造孔剤)を外掛で10%、成形助剤として12%のメチルセルロース、1.5%のグリセリン及び15%の水を加えて、加圧ニーダーを使って約1時間混練して成形組成物を作製した。
【0048】
得られた組成物を、ハニカム成形金型を配した押出成形機を使って、ハニカム成形体とした。窒素及び大気中、最高600℃で加熱して脱脂処理を行い、次に、約9気圧の窒素雰囲気中で1400℃まで加熱して反応焼結処理を行った。一連の工程で、寸法変化はほぼ0であり、ばらつきもほとんど生じていなかった。反応焼結後、更に焼成温度を高め、1800℃とした。収縮率は8%程度であった。
【0049】
ハニカム成形体の外形は、直径50mm、長さ120mm、セル壁の厚さ0.2mmであった(300cpi)。同フィルターを20mm間隔に切断し、排ガス入出路の端部は交互に眼封じした(いわゆる、プラグタイプ=ウォールフロータイプのセラミックフィルター用である)。これを乾燥後、0.93MPaの窒素雰囲気中、最高1800℃で焼成した。得られた焼結体の気孔部分を観察した結果、約20ミクロンの径を中心値とする気孔の内壁には、径が2から5ミクロン長さ、最長で20ミクロンの針状結晶が成長していることが確認された。このハニカムを使って、実施例1と同様の評価を行い、良好な性能を有していることを確認した。
【産業上の利用可能性】
【0050】
以上詳述したように、本発明は、排ガス浄化、触媒システムに係るものである。従来、非自動車、自動車を問わず、担体やフィルターの取り付けできる位置やスペースは限られていた。また、フォークリフト等の非自動車の場合には、エンジンユニットと浄化システムをセットで販売し、多様な設計の車両に取り付けなければならないことも多い。現在、自動車用として広く使用されているセラミックハニカムでは、形が決まっているので、多様な搭載位置、形状、スペースに対応することは困難である。移動用では、システムの性能だけでなく、搭載方法が簡便で、多様なユニットに適応できることが必要である。
【0051】
本発明によれば、多様な搭載仕様(形状やサイズ、位置)に適合でき、かつ信頼性の高い浄化システムを提供することができる。また、ガス流は均質な流れとならず、ひとつのフィルターを通過後、開放された瞬間に乱流となり触媒との接触効率が増加する。更に、ハニカムの入り口部分でPMは多く捕集されること、及び気孔分布を排ガスの流れ方向に傾斜状に変化させることができるため、フィルターの表面を含め全体を効率良く使って捕集することができる。こうした理由により、本発明では、通常のハニカムを用いた場合に比べて、軽量化され、反応も早くなり、また、ガスの流動体積が増えるので、コンパクトなシステムとすることができる、という従来材にはない利点を有する新しいタイプの排ガス浄化、触媒システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】曲面状の筐体を使ったDPFシステムの構成を示す。
【図2】蛇腹状の筐体としたシステムの構成を示す。
【図3】本発明及び比較例のPM捕集特性を示す。
【図4】本発明及び比較例のPM粒径個数分布を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セラミックスあるいは耐熱金属を、多孔質フィルターないし触媒担体として使用した排ガスの浄化、触媒システムであって、排ガスの通路となる筐体の内部に、分割された多孔質フィルター及び/又は触媒担体が、排ガスの流れに沿ってそれらが3個以上、直列に配されていることを特徴とする排ガス浄化、触媒システム。
【請求項2】
上記多孔質フィルターと触媒担体が、共にひとつの筐体内に配されている、請求項1記載の排ガス浄化、触媒システム。
【請求項3】
上記多孔質フィルターと触媒担体が、排ガスの流れに沿って交互に配されている、請求項1又は2記載の排ガス浄化、触媒システム。
【請求項4】
上記多孔質フィルターは、ハニカム状であって、ガスの通路となるセルの入り口と出口の一方が目閉じ(プラグタイプ)であり、上記触媒担体は、入り口、出口とも開放されたアンプラグタイプである、請求項1から3のいずれかに記載の排ガス浄化、触媒システム。
【請求項5】
上記触媒担体の表面に、γアルミナ及び貴金属触媒粒子が担持されている、請求項1記載の排ガス浄化、触媒システム。
【請求項6】
上記多孔質フィルターの表面に、助触媒として、酸素吸蔵・放出能力のあるセリア含有化合物、及び触媒として、貴金属粒子が担持されている、請求項1記載の排ガス浄化、触媒システム。
【請求項7】
上記多孔質フィルターが、窒化ケイ素、サイアロン、炭化ケイ素、ムライト、アルミナ、コージエライト、チタン酸アルミニウムのいずれか、あるいはそれらの混合体でなる、請求項1記載の排ガス浄化、触媒システム。
【請求項8】
上記多孔質フィルターの表面に、基材と同種の針状粒子が形成されている、請求項1記載の排ガス浄化、触媒システム。
【請求項9】
上記多孔質フィルター壁面の厚みが、1ミリ以下、壁面を構成する多孔質部の気孔径の平均値が、5〜50ミクロンの範囲にある、請求項1記載の排ガス浄化、触媒システム。
【請求項10】
上記多孔質フィルターが、窒化ケイ素とイットリア、窒化ケイ素とケイ素のいずれか、あるいは両方でなる混合粉末の成形、焼成体である、請求項1記載の排ガス浄化、触媒システム。
【請求項11】
上記多孔質フィルターが、筐体内部の所定位置に配され、その周囲が耐熱材料により固定されている、請求項1記載の排ガス浄化、触媒システム。
【請求項12】
上記筐体の内面に断熱性及び/又は耐熱性を高めるためのセラミックコーティング膜が形成されている、請求項1記載の排ガス浄化、触媒システム。
【請求項13】
排ガスの上流から下流方向に沿って、多孔質フィルターの気孔サイズが徐々に小さくなるように多孔質フィルターが配されている、請求項1記載の排ガス浄化、触媒システム。
【請求項14】
上記筐体が、フレキシブルな蛇腹状であって、搭載箇所の仕様に応じて形状が変更可能で、多様な搭載仕様に対応できる、請求項1記載の排ガス浄化、触媒システム。
【請求項15】
排ガスの上流近傍から下流に向けて、必要な耐熱性に応じて、種類の異なる多孔質フィルター、触媒担体を配した、請求項1記載の排ガス浄化、触媒システム。
【請求項16】
上記排ガスの上流に近い高温部には、炭化ケイ素あるいは窒化ケイ素が、下流にはコージエライトが配されている、請求項1記載の排ガス浄化、触媒システム。
【請求項17】
上記触媒担体中を排ガスが通過する際に、HC、COの燃焼反応により生じた発熱を利用して、上記触媒担体の両隣に配されたフィルターに捕集されたPMを燃焼させる、請求項1記載の排ガス浄化、触媒システム。
【請求項18】
上記触媒担体中を排ガスが通過する際に、NOの酸化反応により生じたNOを利用して、上記触媒担体の両隣に配されたフィルターに捕集されたPMの燃焼を促進させる、請求項1記載の排ガス浄化、触媒システム。
【請求項19】
多孔質フィルター壁面に設けられた貫通孔から導入された流体が、多孔質フィルター内部を通過し、開放された過程で生じる乱流により、上記多孔質フィルターの内壁面に形成された触媒との接触確率を向上させ、効果的に浄化、触媒反応を進行させる、請求項1記載の排ガス浄化、触媒システム。
【請求項20】
請求項1から19のいずれかに記載の排ガス浄化、触媒システムを搭載した自動車又は非自動車用エンジン部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−138875(P2007−138875A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−336406(P2005−336406)
【出願日】平成17年11月21日(2005.11.21)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】