説明

排ガス浄化装置

【課題】尿素SCRを備えた機械で、休車中であっても尿素水タンク内の尿素水のアンモニア濃度を確実に測定することができる排ガス浄化装置の提供。
【解決手段】本発明は、尿素水タンク19内の尿素水温度を検出する尿素温度センサ24と、尿素温度センサ24における温度検出時間を計測するタイマ15aと、演算部15bに備えられた尿素水温度と尿素水のアンモニアの発生速度との関係マップ15b1とを備え、関係マップ15b1から求められる尿素水温度に対するアンモニア発生速度と、タイマ15aによって計時された温度検出時間とにより尿素水タンク19内の尿素水のアンモニア濃度を演算することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は建設機械等のエンジンを搭載する機械に用いられ、エンジンから排出される排ガスを浄化する尿素SCRシステムの還元剤として用いられる尿素水中のアンモニア濃度を測定可能な排ガス浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ディーゼルエンジンの排ガスに含まれるNOx(窒素酸化物)を浄化するための排ガス浄化装置として、エンジンの排気経路にSCR触媒(選択還元触媒;Selective Catalytic Reduction)を配設し、その上流にNOx還元剤を噴射するインジェクタを設け、NOx還元剤をSCR触媒に供給することで、NOxを還元する排ガス浄化装置が知られている。
【0003】
この排ガス浄化装置においては、NOx還元剤であるアンモニアをSCR触媒に供給するために、有毒ガスであるアンモニアを直接排気中に噴射するのではなく、熱によりアンモニアに分解する特性をもつ尿素水を排気中に噴射し、排ガスの熱により排気経路中でアンモニアを発生させてSCR触媒に供給する手法が広く用いられている。
【0004】
ところで、トラック等において尿素水インジェクタには、噴射で生じる熱による尿素水固化を防ぐため、供給された尿素水の一部を排気中に噴射すると共に、残りの尿素水で尿素水インジェクタを冷却する冷却機構付尿素水インジェクタが採用されている。この冷却システムは冷却により熱を受け取った尿素水が尿素水タンクに戻されるために、尿素水タンク内の尿素水の温度が過度に上昇し、尿素のアンモニアへの分解反応が進み、アンモニアの大気中への飛散や、尿素水ポンプや尿素水インジェクタなどの周辺システムの腐食を助長させる等の懸念がある。そのため、高温になった尿素水温度を下げるために、尿素水タンク内の尿素水の温度が一定値を超えた場合に尿素水の補充を要求する発明が提案されている。(特許文献1)
また、上記のように尿素水の高温化により生じる、空気中へのアンモニアの飛散、尿素水ポンプや尿素水インジェクタなどの周辺システムの腐食等の影響は、いずれも尿素水中のアンモニア濃度の上昇に起因するものである。
【0005】
また、自走風による高温化抑制効果が働かない建設機械等においては、車体温度が高くなりやすい特徴があり、尿素水インジェクタから尿素水タンクへの冷却用の戻り配管がないシステムを採用している場合であっても、尿素水タンク内の尿素水温度が高くなりやすく、さらに油圧機器の新設や改造、エンジン仕切りカバーの損傷等予想しない原因から尿素水が過度に上昇し大量のアンモニアの発生を引き起こすことも懸念されるため、より高精度に尿素水中のアンモニア濃度を推測する必要がある。
【0006】
この尿素水中のアンモニア濃度を測定する手段として、アンモニア濃度を直接測定できるセンサ等を新設する手法があるが、コストや機器の大型化の問題から従来備えられている機器を使用して尿素水中のアンモニア濃度を予測する手段が望まれる。
【0007】
また一般的に尿素水タンクには尿素水の尿素濃度を測定する識別センサが取り付けられているが、この尿素濃度と尿素水中のアンモニア濃度との関係性が低いために、このセンサにより尿素水中のアンモニア濃度を測定することは難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−138705号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1の発明は、尿素水温度が一定値を超えるか否かだけで尿素水中のアンモニア濃度の判断を行っている。しかし、尿素水は、尿素水温度がこの一定値を超えない場合にもアンモニアへの分解反応が徐々に進み、この発生したアンモニアが尿素水中に溶け込んで、アンモニア濃度が上昇していく性質がある。そのため、尿素水温度が一定値以下の場合にも外気温が高温の場所に長期間休車している場合には、尿素水中のアンモニア濃度が高くなることがあり、それにも関わらず作業者に注意を促すことができない事態が生じる。
【0010】
また休車時に温度測定を停止してしまうと、休車時の温度変動を考慮することができず、休車時に尿素水温度が一定値を超えていても、運転時には一定値以下の場合にはアンモニア濃度の異常を知ることができない。
【0011】
本発明は前述したように、尿素水温度が一定値を超えない範囲の条件下に長期間曝される場合、例えば比較的高温の環境下で長期間休車する場合や、休車時に一定値を超えるような高温になりアンモニア濃度が高くなってしまう場合であっても、確実に尿素水中のアンモニア濃度を推定して警告を与えることで、アンモニアの大気中への飛散や周辺システムへの悪影響を防ぐことができるシステムを安価に提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決するため本発明の排ガス浄化装置の請求項1の発明は、尿素SCRを備えたエンジンの排ガス浄化装置において、尿素水タンクと、前記尿素水タンク内の尿素水温度に相関のある温度を検出する温度検出手段と、前記温度検出手段によって検出された前記尿素水温度から尿素水の単位量における単位時間当たりのアンモニアの発生速度を演算するアンモニア発生速度演算手段と、前記温度検出手段における温度検出時間を計測する計時手段と、前記アンモニア発生速度検出手段における前記アンモニア発生速度と前記計時手段によって計時された温度検出時間とにより前記尿素水タンク内の尿素水のアンモニア濃度を演算する濃度演算手段を設けたことを特徴とする。
【0013】
また、請求項2の発明は、前記尿素水タンクの尿素水残量を検出する残量検出手段を備え、前記濃度演算手段は、前記残量検出手段によって検出される尿素水残量に基づき、前記尿素水タンクに尿素水が補充されたことが検出されると、前記尿素水タンクに残留する尿素水のアンモニア濃度と、前記尿素水タンクに補充される尿素水のアンモニア濃度に基づいて、前記尿素水タンク内の尿素水のアンモニア濃度を演算することを特徴とする。
【0014】
また、請求項3の発明は、前記濃度演算手段によって演算される前記アンモニア濃度が所定の値を超えた時に警報を発する警告手段を設けたことを特徴とする。
【0015】
また、請求項4の発明は、前記温度検出手段は、エンジン吸気配管中あるいは吸気口付近に設けられた温度センサであることを特徴とする。
【0016】
また、請求項5の発明は、前記温度検出手段は、エンジンに隣接して配置される熱交換器の近傍に配置され、前記熱交換器を通る空気の吸い込み側の空気温度を測定する温度センサであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように本発明の請求項1、2に記載の排ガス浄化装置によれば、尿素SCRを備えたエンジンの排ガス浄化装置に一般的に備えられている温度検出手段から尿素水タンク内の尿素水のアンモニア濃度を演算できるため、安価に尿素水のアンモニア濃度上昇による弊害を防ぐ対策を講じることができる。また、尿素水温度が一定値を超えない範囲の条件下に機械が長期間曝される場合や、機械の休車時に一定値を超えるような高温になりアンモニア濃度が高くなってしまう場合であっても、確実に尿素水中のアンモニア濃度を推定して警告を与えることで、アンモニアの大気中への飛散や周辺システムへの悪影響を防ぐことができる。また、請求項3に記載のエンジンの排ガス浄化装置によれば、請求項1及び2に加えて、アンモニア濃度が所定の値を超えた場合に作業者に警告を与えることができ、尿素水のアンモニア濃度増加による弊害を防ぐための対応を促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の排ガス浄化装置が適用される油圧ショベル全体図(斜視図)である。
【図2】図1における作業装置を省略した平面図である。
【図3】本発明のシステム構成図である。
【図4】図3の要部構成図である。
【図5】尿素水温度とアンモニア発生速度との関係を示すマップである。
【図6】制御フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の排ガス浄化装置の第1の実施の形態を図1〜図6により説明する。
【0020】
図1は、本発明の排ガス浄化装置が適用される一例としての油圧ショベルの全体斜視図、図2は、図1における作業装置を省略し、上部旋回体の構成図を示す平面図、図3は、本発明の排ガス浄化システムを示すシステム構成図、図4は、図3の要部を示す要部構成図、図5は、尿素水温度とアンモニア発生速度との関係を示すマップ、図6は、制御フローチャートである。図1、図2に示すように油圧ショベルは下部走行体1と、下部走行体1上に不図示の旋回装置を介して旋回可能に設けられる上部旋回体2とから大略構成され、上部旋回体2には、ブーム、アーム、バケットからなる作業装置3と、運転室4と、エンジン等を収容する機械室5と、カウンタウエイト6と、燃料タンク7と、作動油タンク8と、ユーティリティ室9とが設けられる。
【0021】
また、図2に示すように機械室5には、エンジン10と、エンジン10によって駆動され、作業装置3を駆動、制御する油圧機器11と、エンジン10および油圧機器11を冷却するラジエータ、オイルクーラ、インタークーラからなる熱交換器12と、エンジン10から排出される排気ガスを浄化するDPF13、尿素SCR14が収容される。なお、DPF13は、排気ガス中のPM(粒子状物質)を除去し、尿素SCR14は、排気ガス中のNOxを除去するものであり、エンジン10の排気経路中の上流側にDPF13が配置され、下流側に尿素SCR14が配置される。
【0022】
また、機械室5と運転室4との間に設けられるユーティリティ室9には、エンジン10や油圧機器11を制御するコントローラ15と、エンジン10の過給機10aに吸気を導く吸気配管16の吸気取込部17と、吸気配管16の吸気取込部17の近傍に配置されて、吸気温度を測定する吸気温度センサ18と、尿素SCR14に供給されるNOx還元剤となる尿素水を貯蔵する尿素水タンク19と、尿素水タンク19から尿素SCR14に尿素水を供給する尿素水ポンプ20とが収容される。図3に示すように吸気温度センサ18によって検出される吸気温度は吸気温度信号tiとしてコントローラ15に入力される。
【0023】
また、運転室4には、エンジン10、油圧機器11、熱交換器12等の状態を監視する各種センサ(不図示)からの情報を表示するとともに、それらの状態に基づいて各種警告を発するモニタ21が設けられる。
【0024】
また、DPF13と尿素SCRとの間の排気経路中には、DPF13の排気の下流側でかつ、尿素SCR14の上流側に取り付けられ、尿素水を噴射する尿素水インジェクタ22が設けられる。
【0025】
また、熱交換器12の近傍には、熱交換器12を通る冷却風流れの上流側(吸込側)の空気温度を測定する大気温センサ23が設けられ、図3に示すように大気温度信号trがコントローラ15に入力される。
【0026】
また、図3、図4に示すように、尿素水タンク19には、タンク内の尿素水の温度を検出する尿素温度センサ24、タンク内の尿素水の残量を検出する尿素残量センサ25が設けられ、尿素温度センサ24からの尿素温度信号ta、尿素残量センサ25からの尿素水残量信号vnがコントローラ15に入力される。
【0027】
また、コントローラ15は、エンジン10、油圧機器11、尿素水ポンプ18、尿素水インジェクタ22等の制御を行なう不図示の制御部と、入力される各種情報に基づいて、それら状態量の表示、警告を表示する不図示のモニタ制御部とを備えるとともに、図4に示すように、時間の計時を行なうタイマ部15aと、尿素水中のアンモニアの濃度の演算を行な演算部15bと、演算されたアンモニア濃度を記憶する記憶部15cとを備え、以下のようにアンモニア濃度の演算を行なう。
【0028】
なお、本発明における尿素SCRシステムは上述の特許文献1のように尿素水タンク19と尿素水インジェクタ22を繋ぐ配管に尿素水インジェクタ22の冷却を目的とした戻り配管があるシステムでも良い。
【0029】
次に図6を用いて、コントローラ15におけるアンモニア濃度の演算内容を説明する。なお、以下の尿素水中のアンモニア濃度Hnの演算は、エンジン停止時を含めて予め設定された演算周期Δtで行うものであり、タイマ15aは、この時間Δtを計時する。
【0030】
まずステップS0で記憶部15cに記憶された、前回計算時の尿素水アンモニア濃度Hn−1と尿素水残量Vn−1を取得する。次にステップS1で尿素残量センサ25から入力された現在の尿素水残量信号vnから尿素水残量データVnを取得する。
【0031】
ステップS2では、ステップS0にて取得した前回の尿素水残量Vn−1及びステップS1にて取得した現在の尿素水残量データVnから尿素水が補充されたか否かの判断を行う。この判断は前回取得した尿素水残量データVn−1と今回取得した尿素水残量データVnの差に基づいて行なうもので、尿素水残量Vnが増えた場合に尿素水が補充されたと判断する。
【0032】
ステップS2で尿素水が補充されないと判断されたとき(No)には、演算周期Δt間でのアンモニア濃度増加量ΔHを演算する。この演算は、ステップS4で尿素水温度センサ24から尿素水温度データtaを取得し、この取得した尿素水温度データtaから、ステップS5で予め実験等により求めておいた尿素水温度taと尿素水のアンモニア発生速度hsとの関係マップ15b1(図5参照)を用いて、アンモニア発生速度hsを取得し、ステップS6でこの取得したアンモニア発生速度hsと演算周期Δtとの積(ΔH=hs×Δt)を求めることにより行なうものである。この関係マップ15b1は、演算部15bに予め設定されているものである。そして、ステップS7で、ステップS6にて求めたアンモニア濃度増加量ΔHを前回計算時に得た尿素水アンモニア濃度Hn−1に加えて現在の尿素水アンモニア濃度Hnを算出する。(Hn=Hn−1+ΔH)。その後、ステップS8で、この演算された尿素水アンモニア濃度Hnと尿素水残量Vnを記憶部15cに記憶させて前回値を更新し、ステップS9において、演算された尿素水アンモニア濃度Hnが、尿素水タンク19の外部に飛散しても問題なく、また尿素水ポンプ18や尿素水インジェクタ22などの周辺システムに影響を与えないレベルとして予め設定した尿素水アンモニア濃度設定値H1を超えているか否かの判断を行い、超えている場合にはステップS10で運転室4に搭載されたモニタ21に警告を表示し、尿素水の補充や尿素水の交換を作業者に促し、尿素水タンク19内に新たな尿素水を補充したり、また新たな尿素水に交換して尿素水のアンモニア濃度を設定値H1以下に下げることを行なう。
【0033】
また、ステップS2で尿素水が補充されたと判断された場合(YES)には、ステップS3に進み、下記の式(1)により尿素水補充後の尿素水アンモニア濃度Hnを算出する。
【0034】
なお、補充される尿素水は、温度管理がなされた状態で保管されているものであり、アンモニア濃度は、予め設定された濃度H0で管理されるものである。
【0035】
Hn=(H0×(Vn−Vn−1)+Hn−1×Vn−1)/Vn (1)
H0; 初期尿素水アンモニア濃度(補充尿素水)
Hn; 尿素水アンモニア濃度(補充後)
Hn−1;尿素水アンモニア濃度(補充前)
Vn; 尿素水残量(補充後)
Vn−1;尿素水残量(補充前)
その後、ステップS8に進み、上述と同様にこの演算された尿素水アンモニア濃度Hnと尿素水残量Vnを記憶部15c記憶して前回値を更新し、ステップS9において、演算された尿素水アンモニア濃度Hnが、尿素水タンク19の外部に飛散しても問題なく、また尿素水ポンプ18や尿素水インジェクタ22などの周辺システムに影響を与えないレベルとして予め設定された尿素水アンモニア濃度設定値H1を超えているか否かの判断を行い、超えてしまっている場合にはステップS10で運転室4に搭載されたモニタ21に警告を表示し、尿素水の補充や尿素水の交換を作業者に促す。
【0036】
これにより、尿素水温度が一定値以下の場合であっても外気温が比較的高温の場所に長期間休車している場合に、尿素水中のアンモニア濃度の上昇を把握することが可能になり、作業者へ注意を促すことができる。また休車時の尿素水温度の変動をアンモニア濃度の測定に考慮することができ、正確なアンモニア濃度の測定が可能になる。また、特別なセンサ等の測定機器を用いることなく、容易に濃度の測定が可能になる。
【0037】
なお、演算部15bで行なう尿素水中のアンモニア濃度Hnを、尿素水温度taが予め設定した設定温度を超えた時間に基づいて演算することも可能である。
【0038】
その場合、演算部15bには、予め基準となる尿素水温度設定値T1が設定される。そして、尿素水タンク19内の尿素水がこの尿素水温度設定値T1を超えた時間を計時し、上述の図5と同様に、尿素水温度とアンモニア発生速度の関係マップ15b1から、尿素水温度設定値T1におけるアンモニア発生速度hsを求める。そして、このアンモニア発生速度hsに基づき、尿素水温度が尿素水温度設定値T1を超えても、アンモニアが外部に飛散せず、また尿素水ポンプや尿素水インジェクタなどの周辺システムに影響を与えないレベルに尿素水中のアンモニア濃度を抑えられる時間を実験等により求めておき、この時間を温度設定値オーバー時間設定値M1として設定しておく。そして尿素水温度が、尿素水温度設定値T1を超える時間合計を温度設定値オーバー時間Mnとして演算して、この温度設定値オーバー時間Mnが、時間設定値M1に達したか否か基づいてアンモニア濃度の評価を行う。
【0039】
なお、上述の本発明の実施形態として、尿素水の温度を直接、尿素水温度センサ24によって検出したものを示したが、尿素水温度と相関のある吸気温度センサ18によって検出される吸気温度を用いてもよい。また、吸気温度センサ18は、吸気配管中の温度を測定するものでもよい。また、尿素水タンク19を比較的エンジンからの熱影響の少ない、ユーティリティ室9内に設けたが、熱交換器12の空気の吸い込み側に、かつ熱交換器12の近傍に配置し、尿素水の温度を検出する手段として尿素水温度と相関のあるラジエータの吸込み側の温度を検出する大気温センサ23を用いても良い。
【符号の説明】
【0040】
1 下部走行体
2 上部旋回体
3 作業装置
4 運転室
5 機械室
10 エンジン
14 尿素SCR
15 コントローラ
15a タイマ
15b 演算部
15b1 マップ
15c 記憶部
19 尿素水タンク
21 モニタ
24 尿素水温度センサ
25 尿素水残量センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
尿素SCRを備えたエンジンの排ガス浄化装置において、
尿素水タンクと、
前記尿素水タンク内の尿素水温度に相関のある温度を検出する温度検出手段と、
前記温度検出手段によって検出された前記尿素水温度から尿素水の単位量における単位時間当たりのアンモニアの発生速度を演算するアンモニア発生速度演算手段と、
前記温度検出手段における温度検出時間を計測する計時手段と、
前記アンモニア発生速度検出手段における前記アンモニア発生速度と前記計時手段によって計時された温度検出時間とにより前記尿素水タンク内の尿素水のアンモニア濃度を演算する濃度演算手段を設けたことを特徴とする排ガス浄化装置。
【請求項2】
前記尿素水タンクの尿素水残量を検出する残量検出手段を備え、
前記濃度演算手段は、前記残量検出手段によって検出される尿素水残量に基づき、前記尿素水タンクに尿素水が補充されたことが検出されると、
前記尿素水タンクに残留する尿素水のアンモニア濃度と、前記尿素水タンクに補充される尿素水のアンモニア濃度に基づいて、前記尿素水タンク内の尿素水のアンモニア濃度を演算することを特徴とする請求項1に記載の排ガス浄化装置。
【請求項3】
前記濃度演算手段によって演算される前記アンモニア濃度が所定の値を超えた時に警報を発する警告手段を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の排ガス浄化装置。
【請求項4】
前記温度検出手段は、エンジン吸気配管中あるいは吸気口付近に設けられた温度センサであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の排ガス浄化装置。
【請求項5】
前記温度検出手段は、エンジンに隣接して配置される熱交換器の近傍に配置され、前記熱交換器を通る空気の吸い込み側の空気温度を測定する温度センサであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の排ガス浄化装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−40581(P2013−40581A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−178074(P2011−178074)
【出願日】平成23年8月16日(2011.8.16)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】