説明

排ガス浄化触媒の性能を評価する装置

【課題】リーンからストイキまたはリッチ、あるいはその逆に切り替えられた時に、評価対象の触媒を通過する前のガス雰囲気が、迅速に、かつ触媒の横断面の全体にわたって均一に置換されるコンパクトな装置を提供する。
【解決手段】一端1a側から排ガスまたは模擬排ガスが導入される排ガス導入管1と、排ガス導入管よりも大きい径を有し、内部に排ガス浄化触媒3が収容される触媒収容管2と、排ガス導入管の他端1bと触媒収容管の一端2aとを接続する管接続部4と、排ガス導入管、管接続部および触媒収容管の外側に配置された加熱部5を備える。触媒収容管または管接続部の内部の排ガス浄化触媒から排ガス導入管側に間隔をあけた位置において、排ガス浄化触媒に対向して配置された、複数の通気孔を有する円形の多孔整流板7を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のエンジン等の内燃機関の排気系に備えられる排ガス浄化触媒の性能を評価する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の装置は、一般的に、図10に示すように、一端側から排ガスまたは模擬排ガスが導入される排ガス導入管20と、排ガス導入管20よりも大きい径を有し、内部に排ガス浄化触媒21が収容される触媒収容管22と、排ガス導入管20の他端と触媒収容管22の一端とを接続するテーパ管23を備えている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
そして、この装置を用いて排ガス浄化触媒の性能評価が行われる場合には、通常、内燃機関からの排ガスと同様の成分を含む模擬排ガスが使用される。模擬排ガスは、例えば、NO、CO、HC、HO等の、内燃機関の排ガスに含まれる各種の成分を排ガスにおける濃度と同様の濃度になるように窒素ガスと混合したものであり、この場合、模擬排ガスが実際の排ガス温度と同様の温度状態にされるとともに、評価すべき触媒が所定の温度まで加熱され、触媒において吸着反応が行われるようになっている。
【0004】
また、NO吸蔵還元触媒は、流入する排ガスの空燃比がリーンのときにNOを捕捉(吸蔵)する一方、流入する排ガスの空燃比がストイキまたはリッチのときに捕捉(吸蔵)したNOを還元する。
そして、NO吸蔵還元触媒を備えた内燃機関は、リーンで運転を行い、この触媒の排ガス浄化性能が低下した場合に、運転状態を空燃比がストイキまたはリッチとなるように切り替えることで、リーン排ガス中のNOの浄化を行っている。
【0005】
こうして、NO吸蔵還元触媒を備えた内燃機関では、リーンと、ストイキまたはリッチとの切り替えが最適に制御されることによって、排ガス中のNOの低減が図られており、この場合、特に、リーンからストイキまたはリッチへの切り替えが迅速かつ効率的に行われると、NOの浄化効率が向上し、低燃費も実現される。
【0006】
それに対応して、従来の性能評価装置においても、評価対象がNO吸蔵還元触媒の場合、排ガス導入管20から触媒収容管22内にリーン模擬排ガスと、ストイキまたはリッチ模擬排ガスとが一定のタイミングで交互に導入されて、触媒21の性能の評価が行われる。この場合、触媒21の性能評価の精度を上げるためには、リーン模擬排ガスからストイキまたはリッチ模擬排ガスへの切り替え、またはその逆の切り替えに対応して、触媒21を通過する前のガス雰囲気をいかに素早く、かつ触媒の横断面の全体にわたって均一に置換できるかということが、重要となる。
【0007】
しかし、性能評価装置においては、排ガス導入管20は触媒収容管22よりも小径であるから、図10に示すように、排ガス導入管20から触媒収容管22内に放出される模擬排ガスGの流速は、触媒収容管22の中心から半径方向に遠ざかるにつれて次第に低速になる。その結果、リーン模擬排ガスからストイキまたはリッチ模擬排ガスへの切り替え、またはその逆の切り替えがなされるとき、触媒収容管22内の中央部ではガス雰囲気が比較的迅速に置換されるが、触媒収容管22の内壁付近ではガス雰囲気がなかなか置換されない。これは、触媒の径、よって触媒収容管22の径が大きくなるほど、顕著になる。
【0008】
そして、通常、評価対象の触媒は触媒収容管の入口からさほど離れていない位置に配置されるので、リーンからストイキまたはリッチ、あるいはその逆に切り替えられた時に、触媒を通過する前のガス雰囲気が、迅速に、かつ触媒の横断面の全体にわたって均一に置換されず、特に、これは評価対象の触媒の径が大きくなるほど顕著になり、その結果、性能評価を正確に行えないという問題を生じていた。
【0009】
この場合、テーパ管を長くして、排ガス導入管の出口から触媒までの距離を大きくすることが考えられるが、それに対応して加熱部のサイズを大きくする必要がある等、装置全体のサイズの増大並びにコスト高を招来し、さらには、リーンからストイキまたはリッチへの切り替え、またはその逆の切り替え後、切り替えられたガス雰囲気が触媒に到達するまでに時間がかかり、これは有効な解決策ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特許第4194581号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、本発明の課題は、リーンからストイキまたはリッチ、あるいはその逆に切り替えられた時に、評価対象の触媒を通過する前のガス雰囲気が、迅速に、かつ触媒の横断面の全体にわたって均一に置換されるコンパクトな装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、本発明は、排ガス浄化触媒の性能を評価する装置であって、一端側から排ガスまたは模擬排ガスが導入される排ガス導入管と、前記排ガス導入管よりも大きい径を有し、内部に前記排ガス浄化触媒が収容される触媒収容管と、前記排ガス導入管の他端と前記触媒収容管の一端とを接続する管接続部と、前記排ガス導入管、前記管接続部および前記触媒収容管の外側に配置された加熱部と、を備えたものにおいて、前記触媒収容管または前記管接続部の内部の前記排ガス浄化触媒から前記排ガス導入管側に間隔をあけた位置において、前記排ガス浄化触媒に対向して配置された、複数の通気孔を有する円形の多孔整流板を備えたことを特徴とする装置を構成したものである。
【0013】
上記構成において、好ましくは、前記多孔整流板は、同心円状に配列された同一形状の前記複数の通気孔を有しており、あるいは、前記多孔整流板の表面が、中央の円形領域とその外側の少なくとも1つの環状領域に区分され、一の前記領域に属する前記通気孔はすべて同一形状を有するとともに、前記領域が前記多孔整流板の中心から遠ざかるほど、当該領域に属する前記通気孔の開口面積が大きくなっている。また好ましくは、前記通気孔は、スリット状であり、あるいは、前記多孔整流板は、メッシュ板またはハニカム板からなっている。
【0014】
上記構成において、前記管接続部は、一端が前記排ガス導入管の他端に接続され、前記排ガス導入管との接続部から末広がり状にのびた後、他端が前記触媒収容管の一端に接続されたテーパ管状をなしていてもよく、この場合、前記管接続部の内部に、粒状の石英またはセラミックからなる不活性材が充填されていてもよい。
あるいは、前記管接続部は、前記触媒収容管の内径に対応する直径を有し、前記触媒収容管の一端開口を封閉する円板状をなし、さらに、その中央には、前記排ガス導入管の内径に対応する直径の円形開口が設けられ、前記円形開口に前記排ガス導入管の他端が接続されていてもよい。
【0015】
また、上記構成において、前記排ガス導入管が、ベンチュリー管またはオリフィス管またはスタティックミキサーからなっていること、あるいは、前記排ガス導入管の内部が、部分的にハニカム構造になっていることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、多孔整流板によって、装置内における、排ガス導入管の出口から排ガス浄化触媒に至る空間が、排ガス導入管の出口から多孔整流板に至る第1の空間と、多孔整流板から排ガス浄化触媒に至る第2の空間の2つの空間に区分けされる。そして、排ガス導入管の出口から放出された排ガスまたは模擬排ガスの一部は、多孔整流板の通気孔を直接通過するが、残りの一部は多孔整流板に一旦跳ね返され、それによって第1の空間内に乱流が発生する。この乱流により、排ガス導入管の出口から放出された排ガスまたは模擬排ガスは、第1の空間の中央部だけでなく周縁部にも均一に行き渡り、その後、多孔整流板の通気孔を通って、多孔整流板の全体にわたってほぼ一様な流速で第2の空間内に放出される。
【0017】
こうして、リーン模擬排ガスからストイキまたはリッチ模擬排ガスへの切り替え、またはその逆の切り替え時に、評価対象の触媒を通過する前のガス雰囲気が迅速に、かつ触媒の横断面の全体にわたって均一に置換され、それによって、性能評価の精度が向上する。
なお、本発明は、排ガス浄化触媒の性能を評価する装置だけでなく、内燃機関の排気系に取り付けられる排ガス浄化装置にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の1実施例による、排ガス浄化触媒の性能を評価する装置の概略構成を示す縦断面図である。
【図2】本発明の別の実施例による、排ガス浄化触媒の性能を評価する装置の図1に類似の縦断面図である。
【図3】図1の装置における、排ガスまたは模擬排ガスの流入状態を示す縦断面図である。
【図4】多孔整流板の構造を例示する平面図である。
【図5】多孔整流板の構造を例示する平面図である。
【図6】排ガス導入管の構造を例示する縦断面図とそれぞれの矢印方向から見た平面図である。
【図7】本発明の別の実施例による、排ガス浄化触媒の性能を評価する装置の概略構成を示す縦断面図である。
【図8】リーン模擬排ガスからリッチ模擬排ガスへの切り替え後の時間経過につれての触媒直前のガス濃度の変化をプロットしたグラフである。
【図9】リーン模擬排ガスとリッチ模擬排ガスの切り替えを繰り返した場合の、触媒直前のガス濃度の変化をプロットしたグラフである。
【図10】従来の触媒性能評価装置の概略構成と、模擬排ガスの流入状態を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施例について説明する。図1は、本発明の1実施例による、排ガス浄化触媒の性能を評価する装置の概略構成を示す縦断面図である。
図1に示すように、本発明による排ガス浄化触媒の性能を評価する装置は、一端1a側から排ガスまたは模擬排ガスが導入される排ガス導入管1と、排ガス導入管1よりも大きい径を有し、内部に排ガス浄化触媒3が収容される触媒収容管2と、排ガス導入管1の他端1bと触媒収容管2の一端とを接続する管接続部4と、排ガス導入管1、管接続部4および触媒収容管2の外側に配置された加熱部5を備えている。
【0020】
管接続部4は、この実施例では、一端4aが排ガス導入管1の他端1bに接続され、排ガス導入管1との接続部から末広がり状にのびた後、他端4bが触媒収容管2の一端2aに接続されたテーパ管状をなしている。
【0021】
排ガス浄化触媒3は、予め外部においてホルダー6に取り付けられた後、ホルダー6に保持された状態で、触媒収容管2内に挿入され、触媒収容管2内の所定の位置に配置される。
【0022】
本発明による装置は、また、触媒収容管2の内部の排ガス浄化触媒3から排ガス導入管1側に間隔をあけた位置において、排ガス浄化触媒3に対向して配置された、複数の通気孔を有する円形の多孔整流板7を備えている。
この実施例では、多孔整流板7は、触媒収容管2の入口近傍において、触媒収容管内を上下に仕切るように取り付けられるが、その代わりに、図2に示すように、ホルダー6の前端開口部に取り付けられていてもよい。
また、多孔整流板7は、この実施例のように触媒収容管2の内部に配置されていてもよいし、管接続部4の内部において、管接続部内を上下に仕切るように取り付けられていてもよい。
【0023】
本発明によれば、多孔整流板7によって、装置内の、排ガス導入管1の出口1cから排ガス浄化触媒3に至る空間が、排ガス導入管1の出口1cから多孔整流板7に至る第1の空間8と、多孔整流板7から排ガス浄化触媒3に至る第2の空間9の2つの空間に区分けされる。
そして、図3に示すように、排ガス導入管1の出口1cから放出された排ガスまたは模擬排ガスGの一部は、多孔整流板7の通気孔を直接通過するが、残りの一部は多孔整流板7に一旦跳ね返され、それによって第1の空間8内に乱流が発生する。この乱流により、排ガス導入管1の出口1cから放出された排ガスまたは模擬排ガスGは、第1の空間8の中央部だけでなく周縁部にも均一に行き渡り、その後、多孔整流板7の通気孔を通って、多孔整流板7の全体にわたってほぼ一様な流速で第2の空間9内に放出される。
【0024】
多孔整流板6の通気孔の大きさ、個数および配列パターンについては、上記の多孔整流板7の作用効果が達成される構成となっていれば特に限定されない。
例えば、図4Aに示すように、多孔整流板7に、同一形状の複数の通気孔10が同心円状に設けられていてもよいし、図4Bに示すように、多孔整流板7の表面が、中央の円形領域11aとその外側の少なくとも1つの環状領域11bに区分され、一の領域11a;11bに属する通気孔12a;12bは全て同一形状を有するとともに、当該領域11a;11bが多孔整流板7の中心から遠ざかるほど、当該領域11a;11bに属する通気孔12a;12bの開口面積が大きくなるような構成であってもよい。
【0025】
また、例えば、図5Aに示すように、多孔整流板7が、スリット状の通気孔13を有していてもよいし、あるいは、多孔整流板7が、図5Bに示すようにハニカム板からなっていてもよいし、また、図5Cに示すようにメッシュ板からなっていてもよい。
【0026】
また、図示はしないが、この実施例のように管接続部4がテーパ管状をなしている場合、管接続部4の内部に、粒状の石英またはセラミックからなる不活性材が充填されていてもよい。この不活性材によって、触媒収容管内に導入される模擬排ガスがより均一化される。
【0027】
本発明の別の好ましい実施例によれば、図6に示すように、排ガス導入管1は、オリフィス管(図6A参照)またはベンチュリー管(図6B参照)またはスタティックミキサー(図6E参照)からなっている。あるいは、排ガス導入管1の内部は、部分的にハニカム構造14を有している(図6C参照)。あるいは、排ガス導入管1は、内部に、軸方向に平行に並べられた複数本のサブパイプ15を備えている(図6D参照)。
それによって、排ガス導入管1を短くすることができ、それによって加熱部5のサイズを小さくして、装置のさらなるコンパクト化とコストダウンを図ることが可能になる。
【0028】
こうして、本発明によれば、触媒性能評価装置を従来例よりもコンパクト化、低廉化することができるとともに、リーン模擬排ガスからストイキまたはリッチ模擬排ガスへの切り替え、またはその逆の切り替え時に、評価対象の触媒を通過する前のガス雰囲気が迅速に、かつ触媒の横断面の全体にわたって均一に置換され、それによって、性能評価の精度が向上する。
【0029】
図7は、本発明の別の実施例による排ガス浄化触媒の性能を評価する装置の概略構成を示す縦断面図である。この実施例は、図1に示した実施例と管接続部の構成が異なるだけである。したがって、図7中、図1に示した構成要素と同じものについては同一番号を付して詳細な説明を省略する。
図7を参照して、この実施例では、管接続部4’は、触媒収容管2の内径に対応する直径を有し、触媒収容管2の一端開口を封閉する円板状をなしており、その中央には、排ガス導入管の内径に対応する直径の円形開口16が設けられ、この円形開口16に排ガス導入管1の他端1bが接続されている。
この実施例においても、図1に示した実施例の場合と同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0030】
次に、本発明による触媒性能評価装置の作用効果を確認するための幾つかの実験を行った。
(実施例)
図4Aに示した多孔整流板7を備え、図1と同じ構成を有する装置を製作し、実施例とした。なお、実験はいずれも触媒収容管2から触媒3を取り外した状態で行った。
なお、この装置の主要部の寸法は、以下のとおりである。
排ガス導入管1の内径=10mm
触媒収容管2の内径=58mm
排ガス導入管1の出口1cから多孔整流板7までの距離d1=31mm
多孔整流板7から触媒前面までの距離d2=20mm
多孔整流板7から触媒収容管2の下端までの長さd4=170mm
さらに、多孔整流板7の前方に距離d3=10mm隔てた、管中央の位置(図1中の点P1)と、管壁面付近の位置(図1中の点P2)に、ガス濃度を測定すべく、高速FID分析計を配置した。
(比較例)
実施例の装置から多孔整流板7を取り外したものを比較例とした。
【0031】
[実験1]
実施例の装置において、模擬排ガス(Nガスを30リットル/分)にリーン模擬排ガスとして、Nガスを6リットル/分の割合で導入していた状態から、リッチ模擬排ガス(Cを1.2%含むNガス、6リットル/分)に切り替え、切り替え後の時間経過につれての、点P1および点P2のガス濃度の変化を測定した。
また、比較例の装置についても同様の条件下で測定を行った。
【0032】
実験結果を図8のグラフに示す。図8のグラフから、実施例の装置では、リーン模擬排ガスからリッチ模擬排ガスへの切り替えに際し、触媒を通過する前のガス雰囲気が迅速に、かつ触媒収容管2の中央部から管壁面にわたって均一に置換されることがわかった。
【0033】
[実験2]
実施例の装置において、模擬排ガス(Nガスを30リットル/分)にリーン模擬排ガス(Nガス、6リットル/分)とリッチ模擬排ガス(Cを1.2%含むNガス、6リットル/分)とを、前者が0.7秒間、後者が0.4秒間となる割合で交互に切り替えて導入しながら、点P2のガス濃度の変化を測定した。
また、比較例の装置についても同様の条件下で測定を行った。
【0034】
測定結果を図9のグラフに示す。図9のグラフから、実施例の装置では、リーン模擬排ガスとリッチ模擬排ガスとの切り替えに際し、触媒を通過する前のガス雰囲気が迅速に置換されることがわかった。
【符号の説明】
【0035】
1 排ガス導入管
2 触媒収容管
3 排ガス浄化触媒
4 管接続部
5 加熱部
6 ホルダー
7 多孔整流板
8 第1の空間
9 第2の空間
10 通気孔
11a、11b 領域
12a、12b 通気孔
13 通気孔
14 ハニカム構造
15 サブパイプ
16 円形開口
20 排ガス導入管
21 排ガス浄化触媒
22 触媒収容管
23 テーパ管
G 模擬排ガスまたは排ガス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
排ガス浄化触媒の性能を評価する装置であって、
一端側から排ガスまたは模擬排ガスが導入される排ガス導入管と、
前記排ガス導入管よりも大きい径を有し、内部に前記排ガス浄化触媒が収容される触媒収容管と、
前記排ガス導入管の他端と前記触媒収容管の一端とを接続する管接続部と、
前記排ガス導入管、前記管接続部および前記触媒収容管の外側に配置された加熱部と、を備えたものにおいて、
前記触媒収容管または前記管接続部の内部の前記排ガス浄化触媒から前記排ガス導入管側に間隔をあけた位置において、前記排ガス浄化触媒に対向して配置された、複数の通気孔を有する円形の多孔整流板を備えたことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記多孔整流板は、同心円状に配列された同一形状の前記複数の通気孔を有していることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記多孔整流板の表面が、中央の円形領域とその外側の少なくとも1つの環状領域に区分され、一の前記領域に属する前記通気孔はすべて同一形状を有するとともに、前記領域が前記多孔整流板の中心から遠ざかるほど、当該領域に属する前記通気孔の開口面積が大きくなっていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記通気孔は、スリット状であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記多孔整流板は、メッシュ板またはハニカム板からなっていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記管接続部は、一端が前記排ガス導入管の他端に接続され、前記排ガス導入管との接続部から末広がり状にのびた後、他端が前記触媒収容管の一端に接続されたテーパ管状をなしていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の装置。
【請求項7】
前記管接続部は、前記触媒収容管の内径に対応する直径を有し、前記触媒収容管の一端開口を封閉する円板状をなし、さらに、その中央には、前記排ガス導入管の内径に対応する直径の円形開口が設けられ、前記円形開口に前記排ガス導入管の他端が接続されていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
排ガス導入管は、ベンチュリー管またはオリフィス管またはスタティックミキサーからなっていることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
前記排ガス導入管の内部は、部分的にハニカム構造になっていることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図10】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−242149(P2012−242149A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−110098(P2011−110098)
【出願日】平成23年5月17日(2011.5.17)
【出願人】(594207610)株式会社ベスト測器 (13)
【Fターム(参考)】