説明

排ガス酸化触媒

【課題】排ガス中の一酸化炭素、炭化水素の低減効果に優れ、低速走行時における炭化水素吸着量の低下が生じにくく、触媒の硫黄被毒からの回復に優れた排ガス酸化触媒を提供する。
【解決手段】本発明の排ガス酸化触媒は、複数の排ガス流路が形成された触媒基材と、触媒基材の排ガス流路表面に形成された触媒層とを有する排ガス酸化触媒であって、最下面触媒層と、排ガス流路内に露出した最上面触媒層と、最下面触媒層と最上面触媒層との間に位置して設けられた中間触媒層とからなる触媒層が、排ガス流路表面の25%以上を被覆するように設けられ、最下面触媒層は触媒成分として、少なくとも酸素吸蔵剤を含有するが、炭化水素吸着剤は含有しておらず、中間触媒層は触媒成分として、少なくとも金属酸化物担体に担持された触媒金属と、炭化水素吸着剤とを含有し、最上面触媒層は触媒成分として少なくとも酸素吸蔵剤と炭化水素吸着剤とを含有していることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は内燃機関、特にディーゼル機関から排出される排気ガスを浄化するための排ガス酸化触媒に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関から排出される排ガスによる汚染を防止するために、排ガス浄化触媒が使用されており、ディーゼル機関では酸化触媒、窒素酸化物吸蔵還元触媒等が開発されている。
【0003】
酸化触媒は、触媒成分によって排ガス中の一酸化炭素(CO)、未燃焼炭化水素(HC)、可溶性有機成分(SOF)等の有害物質を、二酸化炭素、水等に分解して無害化する。酸化触媒としては、多数の排ガス流路を設けたハニカム状の基材の排ガス流路内に触媒層を形成したものが用いられており、触媒層が酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム等の金属酸化物やこれらの複合体を含むもの、更に白金、パラジウム等の貴金属を含むもの等が知られている(特許文献1、2)。酸化触媒は、低速走行時等のように排気ガス温度が低い場合にはHC等の有害物質を酸化する機能が低いため、低温時にHCを吸着し、排ガス温度が十分に高温となった時点で脱離したHCを酸化処理するための種々の工夫が施されており、HC吸着量をより多くするための層構成としたもの(特許文献3)等が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許公報第5627124号公報
【特許文献2】米国特許公報第5491120号公報
【特許文献3】米国特許公開公報第2010/0180582号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献3に記載されている酸化触媒は、低排ガス温度時のHC吸蔵量をより多くするために、排ガス流路に設ける触媒層を、少なくともモレキュラーシーブを含む最下層、耐火性金属酸化物に担持された貴金属を含むがモレキュラーシーブは含まない中間層、少なくともモレキュラーシーブを含む最表面層の三層で構成されている。しかしながら、特許文献3に記載されている酸化触媒は、低速走行時のHC吸着量の向上を図ることができても、アイドリングなど連続的に低温で走行した場合のHC吸着効果が劣化し易く、しかも排ガス中の硫黄化合物による触媒の硫黄被毒の回復性が必ずしも十分とは言えないため、COの低減効果が満足できるレベルとは言い難いという問題があった。本発明は上記従来の排ガス酸化触媒の課題を解決するためになされたもので、従来の課題を解決することのできる排ガス酸化触媒を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
即ち本発明は、
(1)複数の排ガス流路が形成された触媒基材と、触媒基材の排ガス流路表面に形成された触媒層とを有する排ガス酸化触媒であって、最下面触媒層と、排ガス流路内に露出した最上面触媒層と、最下面触媒層と最上面触媒層との間に位置して設けられた中間触媒層とからなる触媒層が、排ガス流路表面の25%以上を被覆するように設けられ、最下面触媒層は触媒成分として、少なくとも酸素吸蔵剤を含有するが、炭化水素吸着剤は含有しておらず、中間触媒層は触媒成分として、少なくとも金属酸化物担体に担持された触媒金属と、炭化水素吸着剤とを含有し、最上面触媒層は触媒成分として少なくとも酸素吸蔵剤と炭化水素吸着剤とを含有していることを特徴とする排ガス酸化触媒、
(2)中間触媒層が、触媒成分及び/又は含有量の異なる2層以上の層よりなる上記(1)の排ガス酸化触媒、
(3)最上面触媒層は、酸素吸蔵剤と炭化水素吸着剤とともに、更に金属酸化物担体に担持された触媒金属を含有する上記(1)又は(2)の排ガス酸化触媒、
(4)炭化水素吸着剤が、ゼオライトである上記(1)〜(3)のいずれかの排ガス酸化触媒、
を要旨とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の排ガス酸化触媒は、CO、HCの低減効果に優れ、低速走行時におけるHC吸着量の低下が生じにくく、しかも触媒の硫黄被毒からの回復が早く、効果的に排ガス中の有害物質を酸化して無害化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の排ガス酸化触媒の一実施態様を示す縦断面図である。
【図2】触媒層の構成を示す拡大断面図である。
【図3】本発明の排ガス酸化触媒の他の実施態様における触媒層の構成を示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は本発明の排ガス酸化触媒1の一実施態様を示し、この例に示す排ガス酸化触媒1は、複数の排ガス流路2を有する触媒基材3の排ガス流路2の壁面4に、図2に示すように触媒層5を設けた構成となっている。触媒基材3としては、コージェライト、金属、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウム等からなるものが用いられる。触媒基材3としては、通常、筒状体の一方の面から他方の面に貫通する複数の排ガス流路2を有するハニカム筒状のものを用いることができるが、ファイバー状、板状、セラミックフオームなどの多孔質体等であっても良い。
【0010】
触媒層5は図2に示すように、触媒成分として少なくとも、酸素吸蔵剤を含有するが炭化水素吸着剤は含有しない最下面触媒層6、触媒成分として少なくとも、金属酸化物担体に担持された触媒金属と炭化水素吸着剤とを含有する中間触媒層7、少なくとも触媒成分として酸素吸蔵剤と炭化水素吸着剤とを含有する最上面触媒層8の三層の触媒層で構成されている。最下面触媒層6は排ガス流路2の壁面4を被覆するように設けられ、最上面触媒層8は排ガス流路2内に露出して設けられ、中間触媒層7は最下面触媒層6と最上面触媒層8との間に位置して設けられている。
【0011】
各触媒層は、触媒成分を水分散させた触媒層形成用のスラリーを塗布、乾燥、焼成して形成することができる。触媒基材3にスラリーを塗布する方法としては、触媒基材3をスラリー中に浸漬する方法、触媒基材3の排ガス流路2内にスラリーを流し込む方法等が挙げられる。スラリーを触媒基材3に塗布し、乾燥させた後、通常、700℃以下の温度で焼成することで、各触媒層を形成することができる。
【0012】
最下面触媒層6を形成するためのスラリーとしては、触媒成分としての酸素吸蔵剤を水に分散させたものを用いることができる。酸素吸蔵剤としては、酸化セリウム、セリウムとジルコニウムの複合酸化物、これらにLa、Pr、Nd等の元素を添加した化合物等を用いることができるが、セリウムとジルコニウムからなる複合酸化物が好ましい。最下面触媒層6は、炭化水素吸着剤、触媒金属を含有しないスラリーを用いて形成するため、最下面触媒層6中には炭化水素吸着剤は含有しないが、最下面触媒層6上に形成される中間触媒層7から移行した触媒金属が含有されていても良い。最下面触媒層6中に中間触媒層7から移行した触媒金属が含有されている場合、その割合は通常、全触媒金属量の5重量%以下である。
【0013】
中間触媒層7は、最下面触媒層6を形成した触媒基材3の最下面触媒層6上に、触媒金属化合物、触媒金属を担持する金属酸化物担体、炭化水素吸着剤を水に分散させたスラリー、あるいは触媒金属を担持させた金属酸化物担体と、炭化水素吸着剤とを水に分散させたスラリーを塗布し、乾燥、焼成することにより形成することができる。触媒金属は金属酸化物に担持された状態で中間触媒層7中に存在する。中間触媒層7を形成するためのスラリーに用いる触媒金属化合物としては、白金、パラジウム、イリジウム、金、銀等の金属の硝酸塩、酢酸塩、塩化物塩、アンミン塩等が用いられるが、白金硝酸塩、白金アンミン塩、パラジウム硝酸塩が好ましい。金属酸化物担体としては、αアルミナ、γアルミナ等の酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素、酸化チタンやこれらの混合物、複合酸化物等が用いられるが、酸化アルミニウム、酸化アルミニウムを含む混合物や複合酸化物が好ましく、特にγ−アルミナや、γ−アルミナを含む混合物、複合酸化物が好ましい。γ−アルミナとの混合物、複合酸化物中において、その他の金属酸化物の比率が1〜30重量%の範囲となることが好ましい。金属酸化物担体は、平均粒径1〜10μmの粉末を用いることが好ましい。触媒金属化合物と金属酸化物担体とを分散させたスラリーの場合、触媒金属化合物と金属酸化物担体との比率は、両者の合計量に対し、触媒金属化合物が0.2〜5.0重量%の範囲となることが好ましい。炭化水素吸着剤としては、メソポーラス材料、ゼオライト、ゼオライト結晶格子中の珪素やアルミニウムを遷移金属で置換した構造のメタロシリケート等のミクロポーラス材料等を用いることができるが、ゼオライトが好ましい。ゼオライトとしてはBEA、FAU、MFI、FER、CHA型等が挙げられ、一種又は2種以上を併用することができるが、3次元細孔を有するゼオライトが好ましい。炭化水素吸着剤は、排気ガス中に含まれる炭化水素種に応じたトラップ機能を有するものを選択して用いることが好ましい。
【0014】
最上面触媒層8は、酸素吸蔵剤と炭化水素吸着剤とを含有するスラリーを、中間触媒層7の上に塗布、乾燥、焼成して形成することができる。酸素吸蔵剤、炭化水素吸着剤は、最下面触媒層6、中間触媒層7と同様のものを用いることができる。
【0015】
最下面触媒層6、中間触媒層7、最上面触媒層8を形成するために用いるスラリー中には、必要に応じて、バインダーや、無機ファイバー等を配合しても良い。バインダーとしては、通常、金属酸化物担体としての機能も有する酸化アルミニウムが用いられるが、酸化チタン、酸化ケイ素なども用いることができる。無機ファイバーとしてはムライトファイバー、チタニアファイバー、シリカファイバー、繊維状ベーマイト等を用いることができる。
【0016】
上記した例では最下面触媒層6を、触媒基材3の排ガス流路2の壁面4に触媒金属化合物と金属酸化物担体(或いは触媒金属を担持した金属酸化物担体)を含むスラリーを塗布、乾燥、焼成して形成した場合について示したが、最下面触媒層形成用のスラリーを用いて、例えばハニカム筒状等に成形し、乾燥、焼成して触媒基材3と最下面触媒層6とを一体に形成することもできる。
【0017】
上記した例では中間触媒層7を一層とした場合について示したが、図3に示すように中間触媒層7は第一層7a、第二層7bの二層あるいは二層以上の多層構成とすることができる。中間触媒層7を二層以上の多層構成とする場合、各層(第一層7a、第二層7b等)は、触媒金属の種類、含有量の違いや、金属酸化物担体の種類等の異なるスラリーや、触媒金属の種類が同じで含有量が異なるスラリー等を用いて形成することができる。中間触媒層7を触媒金属の種類、金属酸化物担体の種類や含有量等が異なる複数層で構成すると、有害物質の含有割合等の異なる排ガス処理への対応能を向上することができる。
【0018】
本発明の排ガス酸化触媒1は、最上面触媒層8中に酸素吸蔵剤、炭化水素吸着剤ともに、さらに触媒金属を含有していてもよい。触媒金属を含有する場合、触媒金属は金属酸化物担体に担持された状態で含有される。最上面触媒層8中に触媒金属を含有していると、低速走行時におけるHCトラップ機能低下抑制機能が向上するとともに、DPF強制再生時の燃料燃焼特性を向上することができる。
【0019】
本発明の排ガス酸化触媒1における、上記酸素吸蔵剤、炭化水素吸着剤、触媒金属の含有量は、排ガス酸化触媒1の容積(L)に対し、酸素吸蔵剤10〜20g/L、炭化水素吸着剤5〜30g/L、触媒金属0.1〜5.0g/Lが好ましい。酸素吸蔵剤は、最下面触媒層6中に全酸素吸蔵剤量の20〜50重量%、最上面触媒層8中に全酸素吸蔵剤量の50〜80重量%が含有されるように構成することが好ましい。また炭化水素吸着剤は、中間触媒層7中に全炭化水素吸着剤の30〜50重量%、最上面触媒層8中に全炭化水素吸着剤の50〜70重量%が含有されるように構成することが好ましい。また、最上面触媒層8中に、更に触媒金属を含有する場合、触媒金属の含有割合は、全触媒金属量の1〜10重量%とすることが好ましい。
【0020】
本発明の排ガス酸化触媒1は、最下面触媒層6、中間触媒層7、最上面触媒層8からなる触媒層5が、排ガス流路2の排ガス流入口側から排ガス流出口側までに至る全面に設けられていなくても良く、排ガス流路2全長の25%以上の表面に設けられていれば、連続して設けられていても非連続に設けられていても良いが、排ガス流路2全長の30%以上の表面に設けられていることが好ましく、更に好ましくは40%以上、特に50%以上の表面に設けられていることが好ましい。触媒層5は、排ガス流路2の排ガス流入口側から、排ガス流出口側に向かって排ガス流路2の全長の25%以上の表面に設けられていることが好ましく、特に連続して設けられていることが好ましい。触媒層5が排ガス流路2の排ガス流入口側から、排ガス流出口側に向かって排ガス流路2の全長の100%未満の長さに設けられる場合、排ガス流路2の触媒層5が設けられていない部分には、通常、従来公知の触媒層が形成されていれば良く、この場合、最下面触媒層6、中間触媒層7、最上面触媒層8からなる触媒層5が設けられていない部分には、触媒層5における中間触媒層が延長して設けられていても良い。
【実施例】
【0021】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
実施例1
各触媒層を形成するために下記のスラリーを調製した。
1)最下面触媒層形成用スラリー:酸素吸蔵剤として酸化セリウム酸化ジルコニウム複合化合物、酸化アルミニウムを含むスラリー(酸素吸蔵剤63質量%、酸化アルミニウム37質量%)。
2)中間触媒層形成用スラリー:炭化水素吸着剤としてβ−ゼオライト、触媒金属として白金、パラジウム(白金硝酸塩及びパラジウム硝酸塩として添加)、酸化アルミニウムを含むスラリー(炭化水素吸着剤11.2質量%、白金1.6質量%、パラジウム0.8質量%、酸化アルミニウム86.4質量%)。
3)最上面触媒層形成用スラリー:酸素吸蔵剤として酸化セリウム酸化ジルコニウム複合化合物、触媒金属として白金(白金硝酸塩として添加)、炭化水素吸着剤としてβ−ゼオライト、酸化アルミニウムを含むスラリー(酸素吸蔵剤27質量%、炭化水素吸着剤としてβ−ゼオライト45質量%、白金0.1質量%、酸化アルミニウム27.9質量%)。
ハニカム状の触媒基材(NGK製、1L)を、最下面触媒層形成用スラリーに浸漬し、乾燥時付着量が49g/Lとなるようにスラリーを塗布、乾燥した後、500℃で焼成し、最下面触媒層を形成した。次いで最下面触媒層上に、乾燥時付着量が110g/Lとなるように中間触媒層形成用スラリーを塗布、乾燥した後、500℃で焼成し、中間触媒層を形成した。更にこの中間触媒層の上に、乾燥時付着量が50g/Lとなるように最上面触媒層形成用スラリーを塗布、乾燥した後、500℃で焼成し、最上面触媒層を形成し、3層の触媒層を有する排ガス酸化触媒を得た(排ガス流路表面に対する3層の触媒層の割合100%)。
【0022】
実施例2
各触媒層を形成するために下記のスラリーを調製した。
1)最下面触媒層形成用スラリー:酸素吸蔵剤として酸化セリウム酸化ジルコニウム複合化合物、酸化アルミニウムを含むスラリー(酸素吸蔵剤63質量%、酸化アルミニウム37質量%)。
2)中間触媒層形成用スラリー:炭化水素吸着剤としてβ−ゼオライト及びZSM5ゼオライト、触媒金属として白金、パラジウム(白金硝酸塩及びパラジウム硝酸塩として添加)、酸化アルミニウムを含むスラリー(炭化水素吸着剤としてβ−ゼオライト5質量%及びZSM5ゼオライト5質量%、白金1.1質量%、パラジウム0.5質量%、酸化アルミニウム88.4質量%)。
3)最上面触媒層形成用スラリー:酸素吸蔵剤として酸化セリウム酸化ジルコニウム複合化合物、触媒金属として白金(白金硝酸塩として添加)、炭化水素吸着剤としてβ−ゼオライト及びZAM5ゼオライト、酸化アルミニウムを含むスラリー(酸素吸蔵剤27.4質量%、炭化水素吸着剤としてβ−ゼオライト22.5質量%及びZSM5ゼオライト22.5質量%、白金0.1質量%、酸化アルミニウム27.5質量%)。
ハニカム状の触媒基材(NGK製、1L)を、最下面触媒層形成用スラリーに浸漬し、乾燥時付着量が49g/Lとなるようにスラリーを塗布、乾燥した後、500℃で焼成し、最下面触媒層を形成した。次いで最下面触媒層上に、乾燥時付着量が110g/Lとなるように中間触媒層形成用スラリーを塗布、乾燥した後、500℃で焼成し、中間触媒層を形成した。更にこの中間触媒層の上に、乾燥時付着量が60g/Lとなるように最上面触媒層形成用スラリーを塗布、乾燥した後、500℃で焼成し、最上面触媒層を形成し、3層の触媒層を有する排ガス酸化触媒を得た(排ガス流路表面に対する3層の触媒層の割合100%)。
【0023】
実施例3
各触媒層を形成するために下記のスラリーを調製した。
1)最下面触媒層形成用スラリー:酸素吸蔵剤として酸化セリウム酸化ジルコニウム複合化合物、酸化アルミニウムを含むスラリー(酸素吸蔵剤63質量%、酸化アルミニウム37質量%)。
2)中間触媒層形成用スラリー:炭化水素吸着剤としてβ−ゼオライト、触媒金属として白金、パラジウム(白金硝酸塩及びパラジウム硝酸塩として添加)、酸化アルミニウムを含むスラリー(炭化水素吸着剤としてβ−ゼオライト9質量%、白金1.1質量%、パラジウム0.5質量%、酸化アルミニウム89.4質量%)。
3)最上面触媒層形成用スラリー:酸素吸蔵剤として酸化セリウム酸化ジルコニウム複合化合物、炭化水素吸着剤としてβ−ゼオライト、酸化アルミニウムを含むスラリー(酸素吸蔵剤31質量%、炭化水素吸着剤としてβ−ゼオライト36質量%、酸化アルミニウム33質量%)。
ハニカム状の触媒基材(NGK製、1L)を、最下面触媒層形成用スラリーに浸漬し、乾燥時付着量が55g/Lとなるようにスラリーを塗布、乾燥した後、500℃で焼成し、最下面触媒層を形成した。次いで最下面触媒層上に、乾燥時付着量が110g/Lとなるように中間触媒層形成用スラリーを塗布、乾燥した後、500℃で焼成し、中間触媒層を形成した。更にこの中間触媒層の上に、乾燥時付着量が60g/Lとなるように最上面触媒層形成用スラリーを塗布、乾燥した後、500℃で焼成し、最上面触媒層を形成し、3層の触媒層を有する排ガス酸化触媒を得た(排ガス流路表面に対する3層の触媒層の割合100%)。
【0024】
比較例1
酸素吸蔵剤を含有する最下面触媒層を形成することなく、下記触媒金属層形成用スラリー、最上面触媒層形成用スラリーを用いて排ガス酸化触媒を製造した。
1)触媒金属含有層形成用スラリー:触媒金属として白金及びパラジウム(白金硝酸塩、パラジウム硝酸塩として添加)、酸化アルミニウムを含むスラリー(白金1.0質量%、パラジウム0.5質量%、無機担体98.5質量%)。
2)最上面触媒層形成用スラリー:炭化水素吸着剤としてβ−ゼオライト、触媒金属として白金(白金硝酸塩として添加)、酸化アルミニウムを含むスラリー(炭化水素吸着剤としてβ−ゼオライト63.9質量%、白金0.1質量%、酸化アルミニウム36質量%)。
ハニカム状の触媒基材(NGK製、1L)を、触媒金属含有層形成用スラリーに浸漬し、乾燥時付着量が178g/Lとなるようにスラリーを塗布、乾燥した後、500℃で焼成し、触媒金属含有層を形成した。触媒金属含有層の上に、最上面側触媒層形成用スラリーを、乾燥時付着量が60g/Lとなるように塗布、乾燥した後、500℃で焼成し、最上面側触媒層を形成し、2層の触媒層を有する排ガス酸化触媒を得た(排ガス流路表面に対する2層の触媒層の割合100%)。
【0025】
比較例2
炭化水素吸着剤としてβ−ゼオライト、触媒金属として白金及びパラジウム(白金硝酸塩、パラジウム硝酸塩として添加)、酸化アルミニウムを含むスラリー(炭化水素吸着剤としてβ−ゼオライト47.72質量%、触媒金属として白金1.44質量%及びパラジウム0.72質量%、酸化アルミニウム50.12質量%)を、乾燥時付着量が180g/Lとなるようにハニカム状の触媒基材(NGK製、1L)に塗布、乾燥した後、500℃で焼成して触媒層を形成し、触媒金属を含有する1層の触媒層を有する排ガス酸化触媒を得た(排ガス流路表面に対する1層の触媒層の割合100%)。
【0026】
比較例3
各触媒層を形成するために下記のスラリーを調製した。
1)最下面触媒層形成用スラリー:酸化アルミニウム100質量%を含むスラリー(酸素吸蔵剤を含まず)。
2)中間触媒層形成用スラリー:炭化水素吸着剤としてβ−ゼオライト、触媒金属として白金及びパラジウム(白金硝酸塩及びパラジウム硝酸塩として添加)、酸化アルミニウムを含むスラリー(炭化水素吸着剤としてβ−ゼオライト11.2質量%、白金1.6質量%、パラジウム0.8質量%、酸化アルミニウム86.4質量%)。
3)最上面触媒層形成用スラリー:炭化水素吸着剤としてβゼオライト、触媒金属として白金(白金硝酸塩として添加)、酸化アルミニウムを含むスラリー(酸素吸蔵剤を含まず、炭化水素吸着剤としてβ−ゼオライト63.9質量%、白金0.1質量%、酸化アルミニウム36質量%)。
ハニカム状の触媒基材(NGK製、1L)を、最下面触媒層形成用スラリーに浸漬し、乾燥時付着量が49g/Lとなるようにスラリーを塗布、乾燥した後、500℃で焼成し、最下面側触媒層を形成した。次いで最下面触媒層上に、乾燥時付着量が110g/Lとなるように中間触媒層形成用スラリーを塗布、乾燥した後、500℃で焼成し、中間触媒層を形成した。更にこの中間触媒層の上に、乾燥時付着量が50g/Lとなるように最上面触媒層形成用スラリーを塗布、乾燥した後、500℃で焼成し、最上面触媒層を形成し、3層の触媒層を有する排ガス酸化触媒を得た(排ガス流路表面に対する3層の触媒層の割合100%)。
【0027】
比較例4
各触媒層を形成するために下記のスラリーを調製した。
1)最下面触媒層形成用スラリー:酸素吸蔵剤として酸化セリウム−酸化ジルコニウム複合酸化物、酸化アルミニウムを含むスラリー(酸素吸蔵剤63質量%、酸化アルミニウム37質量%)。
2)中間触媒層形成用スラリー:炭化水素吸着剤としてβ−ゼオライト、触媒金属として白金及びパラジウム(白金硝酸塩及びパラジウム硝酸塩として添加)、酸化アルミニウムを含むスラリー(炭化水素吸着剤としてβ−ゼオライト11.2質量%、白金1.6質量%、パラジウム0.8質量%、酸化アルミニウム86.4質量%)。
3)最上面触媒層形成用スラリー:炭化水素吸着剤としてβ−ゼオライト、触媒金属として白金(白金硝酸塩として添加)、酸化アルミニウムを含むスラリー(酸素吸蔵剤を含まず、炭化水素吸着剤としてβ−ゼオライト63.9質量%、白金0.1質量%、酸化アルミニウム36質量%)。
ハニカム状の触媒基材(NGK製、1L)を、最下面触媒層形成用スラリーに浸漬し、乾燥時付着量が49g/Lとなるようにスラリーを塗布、乾燥した後、500℃で焼成し、最下面触媒層を形成した。次いで最下面触媒層上に、乾燥時付着量が110g/Lとなるように中間触媒層形成用スラリーを塗布、乾燥した後、500℃で焼成し、中間触媒層を形成した。更にこの中間触媒層の上に、乾燥時付着量が50g/Lとなるように最上面触媒層形成用スラリーを塗布、乾燥した後、500℃で焼成し、最上面触媒層を形成し、3層の触媒層を有する排ガス酸化触媒を得た(排ガス流路表面に対する3層の触媒層の割合100%)。
【0028】
比較例5
各触媒層を形成するために下記のスラリーを調製した。
1)最下面触媒層形成用スラリー:酸素吸蔵剤として酸化セリウム−酸化ジルコニウム複合酸化物、酸化アルミニウム、触媒金属として白金(白金硝酸塩として添加)、炭化水素吸着剤としてβ−ゼオライトを含むスラリー(炭化水素吸着剤としてβ−ゼオライト47質量%、酸素吸蔵剤29質量%、酸化アルミニウム23.9質量%、白金0.1質量%)。
2)中間触媒層形成用スラリー:触媒金属として白金及びパラジウム(白金硝酸塩及びパラジウム硝酸塩として添加)、酸化アルミニウムを含むスラリー(炭化水素吸着剤を含まず、白金2.4質量%、パラジウム1.2質量%、酸化アルミニウム96.4質量%)。
3)最上面触媒層形成用スラリー:炭化水素吸着剤としてβ−ゼオライト、酸素吸蔵剤として酸化セリウム−酸化ジルコニウム複合酸化物、触媒金属として白金(白金硝酸塩として添加)、酸化アルミニウムを含むスラリー(酸素吸蔵剤37.5質量%、炭化水素吸着剤としてβ−ゼオライト37.5質量%、白金0.1質量%、酸化アルミニウム24.9質量%)。
ハニカム状の触媒基材(NGK製、1L)を、最下面触媒層形成用スラリーに浸漬し、乾燥時付着量が52g/Lとなるようにスラリーを塗布、乾燥した後、500℃で焼成し、最下面触媒層を形成した。次いで最下面触媒層上に、乾燥時付着量が72g/Lとなるように中間触媒層形成用スラリーを塗布、乾燥した後、500℃で焼成し、中間触媒層を形成した。更にこの中間触媒層の上に、乾燥時付着量が81g/Lとなるように最上面触媒層形成用スラリーを塗布、乾燥した後、500℃で焼成し、最上面触媒層を形成し、3層の触媒層を有する排ガス酸化触媒を得た(排ガス流路表面に対する3層の触媒層の割合100%)。
【0029】
比較例6
各触媒層を形成するために下記のスラリーを調製した。
1)最下面触媒層形成用スラリー:酸素吸蔵剤として酸化セリウム−酸化ジルコニウム複合酸化物、酸化アルミニウムを含むスラリー(酸素吸蔵剤63質量%、酸化アルミニウム37質量%)。
2)中間触媒層形成用スラリー:触媒金属として白金及びパラジウム(白金硝酸塩及びパラジウム硝酸塩として添加)、酸化アルミニウムを含むスラリー(炭化水素吸着剤を含まず、白金1.1質量%、パラジウム0.5質量%、酸化アルミニウム98.4質量%)。
3)最上面触媒層形成用スラリー:炭化水素吸着剤としてβ−ゼオライト及びZSM5、酸素吸蔵剤として酸化セリウム−酸化ジルコニウム複合酸化物、触媒金属として白金(白金硝酸塩として添加)、酸化アルミニウムを含むスラリー(酸素吸蔵剤27.4質量%、炭化水素吸着剤としてβ−ゼオライト25質量%及びZSM5ゼオライト20質量%、白金0.1質量%、酸化アルミニウム27.5質量%)。
ハニカム状の触媒基材(NGK製、1L)を、最下面触媒層形成用スラリーに浸漬し、乾燥時付着量が49g/Lとなるようにスラリーを塗布、乾燥した後、500℃で焼成し、最下面触媒層を形成した。次いで最下面触媒層上に、乾燥時付着量が110g/Lとなるように中間触媒層形成用スラリーを塗布、乾燥した後、500℃で焼成し、中間触媒層を形成した。更にこの中間触媒層の上に、乾燥時付着量が67g/Lとなるように最上面触媒層形成用スラリーを塗布、乾燥した後、500℃で焼成し、最上面触媒層を形成し、3層の触媒層を有する排ガス酸化触媒を得た(排ガス流路表面に対する3層の触媒層の割合100%)。
【0030】
比較例7
各触媒層を形成するために下記のスラリーを調製した。
1)最下面触媒層形成用スラリー:バインダーとしてアルミナ100質量%を含むスラリー(酸素吸蔵剤を含まず)。
2)中間触媒層形成用スラリー:触媒金属として白金(白金硝酸塩として添加)、酸化アルミニウムを含むスラリー(炭化水素吸着剤を含まず、白金3.3質量%、酸化アルミニウム97.9質量%)。
3)最上面触媒層形成用スラリー:酸化アルミニウム100質量%を含むスラリー(酸素吸蔵剤、炭化水素吸着剤を含まず)。
ハニカム状の触媒基材(NGK製、1L)を、最下面触媒層形成用スラリーに浸漬し、乾燥時付着量が73g/Lとなるようにスラリーを塗布、乾燥した後、500℃で焼成し、最下面触媒層を形成した。次いで最下面触媒層上に、乾燥時付着量が55g/Lとなるように中間触媒層形成用スラリーを塗布、乾燥した後、500℃で焼成し、中間触媒層を形成した。更にこの中間触媒層の上に、乾燥時付着量が47g/Lとなるように最上面触媒層形成用スラリーを塗布、乾燥した後、500℃で焼成し、最上面触媒層を形成し、3層の触媒層を有する排ガス酸化触媒を得た(排ガス流路表面に対する3層の触媒層の割合100%)。
【0031】
実施例1〜2、比較例1〜6の各排ガス酸化触媒を、700℃のオーブンで50時間熱処理した後、直列4気筒ディーゼルエンジンの排ガス管に搭載した。有機硫黄化合物を500ppm添加した軽油を使用して、300Cで硫黄被毒試験を行った。硫黄の通過量は4.6g/Lに設定した。その後、市販軽油(JIS2)を用い、600℃、15分の強制再生により触媒を回復させた。その後、模擬のECモード試験を実施し、触媒の性能を評価した。結果を表1に示す。
【0032】
【表1】

【0033】
表1に示す結果より、実施例1は比較例1〜5よりもCO転化率が高く、実施例2は比較例5よりCO転化率が高く、本発明の排ガス酸化触媒は、従来のものよりも優れた排ガス浄化効果を有することが確認された。
【0034】
実施例3、比較例7の各排ガス酸化触媒を、700℃のオーブンで50時間熱処理した後、直列4気筒ディーゼルエンジンの排ガス管に搭載した。市販軽油(JIS2)を用い、実際の排ガス中で模擬のモード試験を実施し、CO転化率が50%になる温度(COT50)を測定した。結果を表2に示す。
【0035】
【表2】

【0036】
表2に示す結果より、実施例3の排ガス酸化触媒は、比較例6の排ガス酸化触媒よりもCOT50が低く、優れた排ガス浄化効果を有することが確認された。
【0037】
実施例4
実施例1で用いたと同じ最下面触媒層形成用スラリー、中間触媒層形成用スラリー及び最上面触媒層形成用スラリーを用い、まずハニカム状の触媒基材(NGK製、1L)を、最下面触媒層形成用スラリーに浸漬して、最下面触媒層形成用スラリーの塗布範囲が触媒基材の排ガス流路長の80%となるように塗布、乾燥させた後(乾燥時付着量49g/L)、500℃で焼成して最下面触媒層を形成した。次いでこの上に、中間触媒層形成用スラリーを、塗布範囲が排ガス流路長の100%となるように塗布、乾燥させた後(乾燥時付着量110g/L)、500℃で焼成して中間触媒層を形成した。更にこの上に最上面触媒層形成用スラリーを、塗布長さが排ガス流路長の80%となるように、最下面触媒層形成用スラリーの塗布位置と重なる位置に塗布、乾燥させた後乾燥時付着量50g/L)、500℃で焼成して最上面触媒層を形成し、3層の触媒層を有する排ガス酸化触媒を得た(排ガス流路表面に対する3層の触媒層の割合80%)。
【0038】
実施例5
実施例1で用いたと同じ最下面触媒層形成用スラリー、中間触媒層形成用スラリー及び最上面触媒層形成用スラリーを用い、まずハニカム状の触媒基材(NGK製、1L)を、最下面触媒層形成用スラリーに浸漬して、最下面触媒層形成用スラリーの塗布範囲が触媒基材の排ガス流路長の50%となるように塗布、乾燥させた後(乾燥時付着量49g/L)、500℃で焼成して最下面触媒層を形成した。次いでこの上に、中間触媒層形成用スラリーを、塗布範囲が排ガス流路長の100%となるように塗布、乾燥させた後(乾燥時付着量110g/L)、500℃で焼成して中間触媒層を形成した。更にこの上に最上面触媒層形成用スラリーを、塗布長さが排ガス流路長の50%となるように、最下面触媒層形成用スラリーの塗布位置と重なる位置に塗布、乾燥させた後乾燥時付着量50g/L)、500℃で焼成して最上面触媒層を形成し、3層の触媒層を有する排ガス酸化触媒を得た(排ガス流路表面に対する3層の触媒層の割合50%)。
【0039】
実施例4、実施例5の排ガス酸化触媒について、実施例1と同じ条件で試験した。結果を表3に示す。
【0040】
【表3】

【0041】
表3に示す結果より、実施例4、5の排ガス酸化触媒は、比較例1の排ガス酸化触媒よりもCOの転化率が高く、優れた排ガス浄化効果を有することが確認された。
【符号の説明】
【0042】
1 排ガス酸化触媒
2 排ガス流路
3 触媒基材
4 排ガス流路表面
5 触媒層
6 最下面触媒層
7 中間触媒層
8 最上面触媒層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の排ガス流路が形成された触媒基材と、触媒基材の排ガス流路表面に形成された触媒層とを有する排ガス酸化触媒であって、最下面触媒層と、排ガス流路内に露出した最上面触媒層と、最下面触媒層と最上面触媒層との間に位置して設けられた中間触媒層とからなる触媒層が、排ガス流路表面の25%以上を被覆するように設けられ、最下面触媒層は触媒成分として、少なくとも酸素吸蔵剤を含有するが、炭化水素吸着剤は含有しておらず、中間触媒層は触媒成分として、少なくとも金属酸化物担体に担持された触媒金属と、炭化水素吸着剤とを含有し、最上面触媒層は触媒成分として少なくとも酸素吸蔵剤と炭化水素吸着剤とを含有していることを特徴とする排ガス酸化触媒。
【請求項2】
中間触媒層が、触媒成分及び/又は含有量の異なる2層以上の層よりなる請求項1記載の排ガス酸化触媒。
【請求項3】
最上面触媒層は、酸素吸蔵剤と炭化水素吸着剤とともに、更に金属酸化物担体に担持された触媒金属を含有する請求項1又は2に記載の排ガス酸化触媒。
【請求項4】
炭化水素吸着剤が、ゼオライトである請求項1〜3のいずれかに記載の排ガス酸化触媒。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−245443(P2012−245443A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−117314(P2011−117314)
【出願日】平成23年5月25日(2011.5.25)
【出願人】(590004718)ジョンソン、マッセイ、パブリック、リミテッド、カンパニー (152)
【氏名又は名称原語表記】JOHNSON MATTHEY PUBLIC LIMITED COMPANY
【Fターム(参考)】