説明

排卵周期のモニタリングおよび管理

体液中の特定の検体を検出することにより動物の排卵周期をモニタリングする方法、排卵周期をモニタリングし、そして雌性哺乳類の妊娠可能性を決定するためのコンピュータプログラム製品、装置、データ処理システム及びキットが、開示される。1つの態様において、哺乳類(例えばヒト)の妊娠可能性を、体液中の特定の検体を検出することにより測定又は評価する。本明細書に記載する方法及び装置により検出される特定の検体はホルモン、ホルモン誘導体及びホルモン代謝産物、例えばエストロゲン代謝産物及びプロゲステロン代謝産物を包含する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本出願は、米国仮特許出願第60/729,554号(2005年10月24日出願、Robert GilmourおよびLen Blackwellによる、発明の名称「Ovulation Cycle Monitoring and Management」)からの優先権を主張し、その内容は、本明細書中でその全体が参考として援用される。
【0002】
(分野)
分野は例えば哺乳類排卵周期をモニタリングするための方法、装置、キット及びシステムを包含する。
【背景技術】
【0003】
(背景)
本発明を理解するのに有用であり得る情報が以下に包含される。本明細書に記載する情報の何れも本記載又は請求項の本発明の先行技術又はそれに関連するものであること、及び、特定的又は含蓄的に言及した何れの出版物又は文書も先行技術であることを承認するものでは全く無い。
【0004】
排卵月経周期の潜在的な妊娠可能期間、場合により妊娠可能時期と称されるものは、雌が交接行為から妊娠可能となる期間である。ヒトにおいては、この期間は精子の妊娠可能な寿命を考慮して排卵前6日までに開始し、そして卵子の妊娠可能な寿命を考慮して排卵後1日に終了する。Austin CR,J Reprod Fertil Suppl22:75−89(1975)。合衆国におけるカップルの10%超が妊娠を達成することが困難となっている。Chandra A.,Fam Plann Perspect30:34−42(1998)。これらのカップルの大部分は医療介入を必要とする。しかしながら一部は排卵周期の妊娠可能時期の間に交接を行うこと及びそれを周期の最も妊娠可能な期間に時限させることにより、妊娠を達成しており、そして排卵周期の正確な決定はヒトの妊娠可能性及び不妊の管理において多くの現実的用途を有している。
【0005】
排卵周期のモニタリング及び決定はまた、動物の飼育における妊娠可能性及び生殖の管理においても非常に重要である。牧場及び家畜動物産業のかなりの資源がこれらの動物の生殖及び繁殖の管理に投じられている。動物繁殖業の経済的考慮により、所有者は生殖周期及びどのようにしてそれを管理して操作するかについて、理解することが必要となる。酪農産業においては、例えば、繁殖期の間に妊娠する雌ウシのパーセンテージは農場の利益に直接影響する。馬飼育業においては、発情及び排卵の周期は光周期条件に関連しており、人工照明の使用及び薬品治療などの管理手段を用いることにより、許容できる量の確実性を持って予測することが困難な場合が頻繁であった生殖系に渡る最低限の制御を行おうとする育種者の支援が試みられてきた。動物の発情期/排卵周期の検出、モニタリングおよび調整が生殖管理の影響を大きくすることが理解されている一方で、この領域での改善に対するかなりの要求及び熱検出を最大にすることによる生殖効率の改善の見込みが依然として存在し、受胎率はこれらの業界での大きなチャンスになり得る。本明細書に記載する、特許請求される発明は、この満たされていない要求を取り扱う。
【0006】
排卵周期は多くの研究の対称となってきた。例えば、黄体形成ホルモン(LH)及び卵巣ホルモン、エストラジオール及びプロゲステロンの分泌のパターンが検討されてきた。集団の個々のメンバーの妊娠可能状態にホルモンをどのように相関付けてよいかを含め、大集団の試料でのこれら及び他のホルモンの測定に関する臨床試験が報告されている。これらの試験に伴う1つの問題点は雌の大集団から得られたデータは個体相互間の大きな変動や同じ個体内での周期間の変動を考慮していない。例えば正常な長さの周期(平均28日)を報告している個体女性集団において、一部の個体は極めて短期の周期長を示す場合がある。全周期は20〜21日に、そして極端な例においては更に短い間隔に圧縮され得る。これらの短縮された周期はほんの時たま、或いはより頻繁に生じると考えられる。これらの短縮化された周期の間の妊娠期は極めて早期に生じる。即ち、妊娠可能性を正確にモニタリングする場合の1つの難題は個体間及び特定の個体の周期間の排卵周期の変動に起因している。
【0007】
臨床試験から得られたデータは実験室で測定されており、医師又は健康管理専門家により解釈される。精度及び信頼性の基準を維持するためには、実験室及び診療室が認可されていなければならず、そして、アッセイを実施し、品質管理を維持し、そして、結果を解釈するために十分訓練を受けた担当者を雇用しなければならない。即ち排卵モニタリングアッセイの使用の別の障害は、大部分のアッセイが現時点では高度な実験室機器により、そのような機器の使用に熟練した者により行うことができるのみであるという点である。これは対象にとって不都合であり、高価となる。
【0008】
検体を生理学的状態のバイオマーカーとして測定可能とする種々のイムノアッセイ技法及び検出装置が入手可能である。検体の検出の為に使用される分析系に包含されるものとしては、クロマトグラフィアッセイ系が挙げられる。このようなクロマトグラフィ系はオフィス内診断のためのケア装置の1点として医師及び医療技術者により頻繁に使用されている。イムノクロマトグラフィとして知られている操作法におけるイムノアッセイと組み合わせて使用されるクロマトグラフィ系はアッセイすべき分子に対する抗体に連結されており、コンジュゲートを形成する標識試薬又は粒子の使用を可能にする。次にこのコンジュゲートを試料と混合し、アッセイすべき分子が標本中に存在する場合は、標識試薬連結抗体はアッセイすべき分子に結合し、これによりアッセイすべき分子が存在するという表示を与える。標識試薬又は粒子は色、磁気特性、放射能、別の分子との特異的な反応性、又は、他の物理的又は化学的特性により同定可能であり得る。使用する特定の反応はアッセイすべき分子の性質及び試験すべき試料により変動する。
【0009】
イムノクロマトグラフィアッセイは一般的に、検出すべき検体−抗体複合体の性質及びその複合体を生成するために必要な工程に応じて、「サンドイッチ」型アッセイ及び「競合」アッセイに分類してよい。抗原検出の場合は、サンドイッチイムノクロマトグラフィ操作法では、検出可能な検体を有する試料を検体に対する抗体と混合する。抗体は典型的には移動性であり、そして標識又は試薬、例えば染料添加ラテックス、コロイド状金属ゾル又は放射性同位体に連結される。抗体−検体複合体を含有する混合物を、捕捉領域を含有するクロマトグラフィ媒体の使用により分離する。この捕捉領域は目的の検体に対する固定化抗体を含有する。検体と標識抗体との複合体がクロマトグラフィ媒体上の固定化抗体の領域にまで到達すると、結合が起こり、そして結合した標識抗体が領域内に局在化する。このことは所望の検体の存在を示している。この技法は定性的な結果を得るために使用できる。試験ストリップに対して実施されたサンドイッチイムノアッセイの例はGrubb等への米国特許第4,168,146号;Tom等への米国特許第4,366,241号、Chandler等への米国特許第6,017,767号及び第5,998,220号;及びPiasio等への米国特許第4,305,924号に記載されている。他のイムノアッセイ、例えば側方流動アッセイ系及び分子診断の分野における成分もまた記載されている(M.Surmanian,IVD Technology,October,2004及びW.R.Seitz,“Immunoassay Labels Based on Chemiluminescence and Bioluminescence,”Clinical Biochemistry17:120−126(1984)を参照のこと)。
【0010】
競合イムノアッセイにおいては、固定化された成分が対照として既知量存在し、移動成分は未知量で存在する。未知量の移動成分はその免疫化学的反応特性を妨害しない測定可能な部分の付加によりタグ付けされている同じ成分の既知量で補充される。タグは例えば放射性同位体、発色団、粒子、蛍光団又は酵素を包含できる。固相に免疫化学的に結合したタグ付けされた物質の量は同じ結合部位に関して競合する溶液中の未タグ付き成分の量に依存している。存在する未知成分の量は結合したタグ付き成分の量に反比例している。
【0011】
イムノクロマトグラフィアッセイに加えて酵素系のクロマトグラフィアッセイも使用できる。抗原−抗体反応の代わりに酵素的に触媒された反応を用いる以外は同様の技法が用いられる。酵素的に触媒された反応は検出可能な生成物を頻繁に形成する。
【0012】
側方流動診断試験を含めた膜系の診断試験の代表例は当該分野で知られている。May等への米国特許第5,602,040号及びOsikowicz等への米国特許第5,075,078号を参照のこと。読み取りが通常は光学的に行われる側方流動アッセイ法及び器具類の例は、Rosensteinへの米国特許第5,591,645号;Shuler等への米国特許第5,798,273号;May等への米国特許第5,622,871号;May等への米国特許第5,602,040号;Charlton等への米国特許第5,714,389号;Syへの米国特許第5,879,951号;Valkirs等への米国特許第4,632,901号;Cernyへの米国特許第5,958,790号を参照のこと。例えば試料の受信、コンジュゲートの格納及び放出、及び、試料中の検体の有無に関して試験及び対照系統を担持するなどの、所定の機能をそれぞれ有する数種の異なるパッド又は膜の例は全てKang等への米国特許第5,559,041号、第5,728,587号及び第6,027,943号に記載されている。カーボンブラック免疫化学標識又はレポーター分子を有するパッドはKang等への米国特許第5,252,496号において参照されている。アッセイの他の代表的な例は側方流動ディップスティック試験(Rosensteinへの米国特許第5,591,645号)及び例えばLambotte等への米国特許第5,295,754号、Brown等への米国特許第4,916,056号及びBrown等への米国特許第5,149,622号に記載されているフロースルー試験を包含する。
【0013】
種々の固相試験装置、例えば尿中検体を調べる場合の使用に容易に適合してよいディップスティック及びクロマトグラフィストリップもまた当該分野で知られている。本発明の教示に従った使用に容易に適合できるアッセイの代表例は、例えば、Baker等への米国特許第5,500,350号、Baker等への米国特許第5,604,110号、Stisoへの米国特許第4,999,285号、Friesenへの米国特許第4,861,711号、May等への米国特許第5,602,040号、May等への米国特許第5,622,871号、May等への米国特許第5,656,503号、May等への米国特許第6,187,598号、May等への米国特許第6,228,660号、May等への米国特許第6,818,455号、May等への米国特許出願第2001041368号、May等への米国特許出願第2001008774号、Davis等への米国特許第6,352,862号、Davis等への米国特許出願第2003143755号、Davis等への米国特許出願第2003207465号及びDavis等への米国特許出願第2003219908号に記載されている。
【0014】
排卵のモニタリングの為に開発された自宅用アッセイは黄体形成ホルモン(LH)の尿中レベルをモニタリングするためのサンドイッチアッセイの使用に基づいたものを包含する。LHレベルは排卵の約1日前に最高値に達し、そしてレベルの変化は一般的に、LHの変化の測定がカラーコードの付いた標準化されたチャートの上で人間の眼により可視性となるために十分大きい。
【0015】
しかしながら、検体濃度の変化がそれほど劇的であることは稀であり、このため、データを正確に測定しようとすればより感度の高い機器の使用が必要となる。十分に正確ではないアッセイは特に非専門家による誤解釈を被りやすい。例えば非特許文献1を参照のこと。例えば、単純な目視試験による自宅用試験を用いている女性は、特に自身の卵巣の活動の地震による先入観と試験標示結果とが合致しない場合に他者が試験を異なって解釈すると、試験結果を誤読する可能性がある。絶対的な読み取りによるより定量的なアッセイがこの誤読を防止するためには望ましい。
【0016】
エストロングルクロニド(E1G)及びプレグナンジオールグルクロニド(PdG)の自宅用測定のために卵巣モニターを使用する試みが行われている。参照により本明細書に組み込まれる非特許文献2。この研究においては、卵巣モニタリングの結果をラジオイムノアッセイから得られた結果と比較した。報告によれば、周期の50%において、卵巣モニター試験における尿の偏りが、より信頼性のあるものとして報告されているラジオイムノアッセイと比較してE1Gの上昇開始の同定において最大3日間の遅れをもたらしている。前出469。モニターを使用して得られたE1G値はRIAにより得られたものよりも高値であり、そしてこれはアッセイの必要な感度を得るために必要な比較的大量の尿中の妨害物質及び延長されたインキュベーション時間により生じる偏りに起因するプロフィールの垂直的置き換えに起因するものとして報告されている。前出474。
【0017】
臨床現場において実施されるアッセイの精度に匹敵し、そして簡素かつ便利で費用効率の高い良好な自宅用及びオンサイトの妊娠可能状態アッセイが必要とされている。定量的ストリップの使用は、正確ではあるものの本明細書に記載するもののような定量的ストリップシステムにより与えられる使用機会を有さないという不都合を被っている前出のBlackwell L.F.等の記載したもの(非特許文献2)のようなモニターよりもオンサイト及び自宅用の妊娠可能性管理のためのより柔軟なシステムを提供する。そのようなアッセイはかなりの節約をもたらし、そして、卵巣の活動の正確かつ費用効率的な毎日のモニタリングを可能にする。更に、他のストリップシステムより改善された精度を有する定量的自宅用アッセイキットも必要である。本発明は本明細書においてこれら及び他の要求を取り扱う。
【非特許文献1】Brown JB等のAmerican Journal of Obstetrics&Gynecology,157(4Pt2):1082−9(1987)
【非特許文献2】Blackwell L.F.等、Steroids68:465−476(2003)
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0018】
(簡潔な要旨)
本明細書及び請求項に記載した本発明は多くの属性及び実施形態、例えば限定しないが、本発明の開示において、そして他の箇所において記載、説明又は参照するものを有する。本発明は本発明の開示に含まれる特徴又は実施形態に限定されず、又それらに制約されるものではなく、それらは説明を目的とするのみであり、制限するものではない。
【0019】
雌性動物における排卵周期をモニタリングするのに使用するための方法及び装置が包含される。方法及び装置は例えば雌性動物の妊娠可能性を測定するため、及び妊娠可能性管理を提供するために有用な情報を提供する。
【0020】
1つの態様において、哺乳類(例えばヒト)の妊娠可能性を、体液中の特定の検体を検出することにより測定又は評価する。本明細書に記載する方法及び装置により検出される特定の検体はホルモン、ホルモン誘導体及びホルモン代謝産物、例えばエストロゲン代謝産物及びプロゲステロン代謝産物を包含する。検体は本明細書に記載した免疫学的手段により、又は現在知られているか後に発見される方法により検出できる。
【0021】
排卵周期をモニタリングするのに有用な適当なホルモン代謝産物は尿中グルクロニドを包含する。検出のための特定のホルモン代謝産物はエストロングルクロニド(E1G)、即ちエストロゲン代謝産物、そしてプレグナンジオールグルクロニド(PdG)、即ちプロゲステロン代謝産物を包含する。検体は所望の親和性及び特異性によって結合する結合剤に結合することにより検出できる。適当な結合剤は抗体、例えばエストロングルクロニドに対する抗体及びプレグナンジオールグルクロニドに対する抗体を包含する。
【0022】
1つの実施形態は、(a)雌性対象から体液試料を得る工程;(b)試料をエストロゲン代謝産物と結合可能な第1結合剤及びプロゲステロン代謝産物と結合可能な第2結合剤を有する捕捉要素と接触させる工程;(c)該エストロゲン代謝産物及び該プロゲステロン代謝産物の排出速度を定量する工程;(d)及び該エストロゲン代謝産物及び該プロゲステロン代謝産物の相対排出速度に基づいて該雌性対象の排卵周期の状態を決定する工程;を含む、哺乳類の妊娠可能性を決定する方法に関する。相対排出速度は場合により比として表されていてよい。
【0023】
一部の実施形態においては、結合剤は固相捕捉要素、例えばストリップ、膜等に固定化する。特定の実施形態においては、エストロングルクロニド及びプレグナンジオールグルクロニドをイムノアッセイ手段、例えば限定しないが、本明細書に記載する手順により検出する。更なる特定の実施形態においては、エストロングルクロニド及びプレグナンジオールグルクロニドをイムノアッセイ手段により定量する。
【0024】
1つ、2つ又はそれより多い検体を、単一の体液試験装置、例えば多数の試験ストリップを読み取ることができる装置を用いて、代替的には、2つ以上の異なる検体の検出のための単一ストリップを読み取ることができる装置により、1つのアッセイで評価又は測定することができる。1つの例示的な実施形態では、エストロングルクロニドン対する抗体及びプレグナンジオールグルクロニドに対する抗体を含む単一のストリップが提供される。検体の検出は例えば所定の閾値に基づいた簡素な陽性又は陰性の形式により達成できる。他の実施形態においては、検体の量を定量する。特定の実施形態においては、検体の排出速度を定量的ストリップ/装置の使用により決定する。特定の実施形態では、常磁性粒子がストリップに包埋又は固定化されている固相試験ストリップを使用する。
【0025】
別の態様において、例えばエストロングルクロニド及びプレグナンジオールグルクロニドなどの目的の検体を検出できる検体検出器も提供する。特定の実施形態にでは、検体検出器は携帯用であり、そして自宅又は野外の場所での使用に適している。携帯用であるか否かに関わらず、検出器は電子データベースと連絡していてよい。特定の実施形態は1以上のエストロゲン代謝産物及び/又は1以上のプロゲステロン代謝産物に関する履歴及び他のレベル/排出速度の値を含む電子データベースと連絡している携帯用検出器を包含する。
【0026】
検体検出器の一部の実施形態は側方流動アッセイ形式を利用する。検体検出器の特定の実施形態は検体、例えば限定しないが、エストロングルクロニド及びプレグナンジオールグルクロニドを検出するために常磁性又は超常磁性の粒子を利用する。
【0027】
別の態様において、妊娠可能性モニタリングシステムを提供する。本発明によるモニタリングシステムは試験ストリップに固定された試料容量を提供する試料分注器を有する妊娠可能性モニターを含んでよい。本発明において提供される妊娠可能性モニターの特定の実施形態は試験ストリップへの調節された試料容量を分注する試料分注器を含む。
【0028】
一部の実施形態では、調節された尿容量を計算するためにアルゴリズムを使用する。妊娠可能性モニターの実施形態は試料中の検体の有無を検出するためのセンサ、計算を実施するためのプロセッサ、及び外部のデータベース又は内部の格納データベースに連絡するための手段の1以上を包含してよい。
【0029】
一部の実施形態では、尿由来の特定のホルモン代謝産物の排出速度を決定し、そして特定の検体に関するデータの編集物と比較する。データの編集物は電子データベースの形態であってよく、特定の実施形態では、データの編集物は動物の特定の種に又は特定の個体、又は、個体又は個体群のセット又はサブセットに特に関連するものである。特定のデータベースは種々の選択された条件下で決定されたエストロングルクロニド及びプレグナンジオールグルクロニドの排出速度に関するデータに関する。例えば特定の実施形態では、少なくとも1つのウシ排卵周期に対するエストロングルクロニド及びプレグナンジオールグルクロニドの排出速度を提供する。
【0030】
特定の実施形態では、特定の検体に関する排出速度を決定又は提供するための方法の部分として特定の時間間隔に渡り尿試料を収集する。一部の実施形態では、尿を少なくとも3時間の期間に渡って収集し、そして尿試料の容量を測定し、そして次に収集期間の時間間隔に相当する規格化された容量に調節する。
【0031】
特定の実施形態では、尿試料の容量は代謝産物、例えばエストロゲン代謝産物及び/又はプロゲステロン代謝産物の排出速度を決定するよりも前に規格化する。一部の実施形態では、容量を規格化することは、尿容量の偏りの補正のためのコンピュータアルゴリズムを用いながら排出速度を調節することを含む。
【0032】
別の態様では、雌性動物における妊娠可能性を測定又は定量するため、例えば雌性対象の月経周期内における最適な妊娠可能性に関わる時間枠を決定するため、排卵周期の状態に関して得られた情報を用いる。
【0033】
本明細書に記載した本発明の実施形態は雌性対象のインビトロの妊娠を実施するための最適な妊娠可能性に関わる時間枠を決定するのに有用である。
【0034】
本明細書に記載する他の実施形態は分娩後状態に罹患した、又はそれを有することが疑われる雌性対象のモニタリング及び/又は治療に有用である。
【0035】
本明細書に記載した本発明の実施形態はまた、雌性対象における閉経及び/又は閉経に関連する症状(例えば自然閉経、閉経周辺期、誘導閉経、早期閉経及び閉経後)を検出及び/又は治療するのに有用でもある。
【0036】
本明細書に記載した本発明の実施形態はまた、閉経に伴うホルモン補充物の投与に有用である。
【0037】
本明細書に記載した本発明の実施形態はまた、代謝産物及び/又は検体の測定又は癌の検出に有用である。特定の実施形態では、ホルモン代謝産物を特定の癌の検出のためにモニタリングする(例えば乳癌をモニタリングするエストロゲンレベル)。
【0038】
本発明の実施形態により診断及び/又は治療される他の状態は、不妊に関連する無排卵、原因不明の不妊、閉経症候群(閉経周辺期の月経過多、閉経後出血)、早期閉経、無月経、ホルモン不均衡(特定されず)、リビド低減、慢性疲労、神経質、骨粗鬆症、月経前症候群、排卵出血、機能不全性子宮出血、ホルモン補充療法、外科的閉経症候群、月経過少、過剰刺激卵巣、多嚢胞性卵巣疾患、習慣性流産(現時点で再妊娠)、稽留流産及び切迫流産を包含する。
【0039】
別の態様において、本発明の実施形態は長いシェルフライフを有する検出装置(例えばホルモン測定用ストリップ)を作製する場合に使用される。
【0040】
特定の実施形態では、1以上のホルモン代謝産物を1日以上、又は毎日所望の期間又は回数測定する。排出速度を決定又は分析するため、又は、検体レベルを分析するための1以上の閾値を設定するために、提供されるアルゴリズムを用いてよい。一部の実施形態では、特定の検体に対する排出速度はデータベースに連絡している検体検出装置と連絡しているデータベースに格納されている。
【0041】
本明細書で提供する検体排出速度を決定する1つの方法は、尿容量調節を適用することを含む。特定の実施形態は尿容量の補正を利用する。代替の実施形態においては、例えば、尿容量補正は例えば検体の定量又は検体の排出速度の決定において値を調節するためにアルゴリズムを適用することにより行う。一部の実施形態では、尿試料容量の補正は特定の期間に関連して、又は関連することなく、対象から尿を収集する場合を含め、試料に対して行われる比重決定を参照しながら実施される。一部の実施形態では、尿試料容量補正は、特定の期間に関連して、又は関連することなく、対象から尿を収集する場合を含め、試料の分光分析に基づいて実施される。
【0042】
別の態様において、本発明の方法を実施するのに使用するためのデータ処理システムが提供される。特定の実施形態は、治療管理が必要な1以上の遠隔地在住対象の生理学的状態をモニタリングする方法に関する。
【0043】
1つのデータ処理システムにおいて、中央データ処理システムは1以上の対象モニタリングシステムと連絡し、そしてこれよりデータを受信するように構成されている。各対象モニタリングシステムは対象データの受信、格納及び/又は分析の1以上が可能である。対象をモニタリングする方法の例は、以下:分析用に対象から試料を得る工程;対象モニタリングシステムに付随する検体検出器に試料を接触させる工程;検出装置上で検体に相当する測光信号又は電子活性信号を測定する工程;該対象モニタリングシステムと該中央データ処理システムとの間でデータの交換を行う工程;該対象の履歴及び/又は実時間の生理学的状態の評価データを含むコンピュータプログラム製品アウトプットを生成する工程であって、該コンピュータプログラム製品アウトプットが中央データ処理システムと連絡している工程;1以上の対象モニタリングシステムに由来する該対象データを分析する工程;該コンピュータプログラムにより実施される分析に基づいて対象の状態を決定する工程;及び、同定された対象の状態及び/又は1以上の対象に対する治療管理推奨事項を連絡、送信又は表示する工程により実施できる。
【0044】
特定の実施形態では、対象モニタリングシステムと組み合わせた側方流動アッセイシステムに適する検出装置を用いて、試料に対してアッセイを実施する。対象モニタリングシステムにおいて使用するための検出装置は、特定の検体から生じる測光信号又は電子活性信号を検出できる場合がある。
【0045】
一部の実施形態では、対象データは対象モニタリングシステムから例えば中央データ処理システムに送信されることにより対象の臨床及び/又は生理学的状態を決定する。対象モニタリングシステムから送信された特定の対象データは、対象の臨床又は生理学的状態を決定するために、例えば中央データ処理システムへのデータの送信と実質的に同時に分析される。他の態様では、対象の臨床又は生理学的状態の決定は、コンピュータ実行可能なアルゴリズムを用いた、液容量の偏りに関する容量決定的な調節を伴う又は伴わない体液排出速度のレシオメトリック決定を包含する。
【0046】
一部の実施形態では、方法は例えば中央データ処理システムと連絡している対象又は他の対象の履歴及び実時間の生理学的状態の評価データを含むコンピュータプログラム製品アウトプット(例えばデータベース)の生成を包含する。
【0047】
一部の実施形態では、方法は、例えば中央データベース又はデータ処理システムに、そして例えば医師又は指定された健康管理専門家のコンピュータ又は他のデータ受信装置に、1以上の対象モニタリングシステムから送信された対象データを送信及び/又は分析することを包含する。特定の実施形態では、例えば中央データ格納及び/又は処理システムに1以上の対象モニタリングシステムから送信された対象データを、医師又は指定された健康管理専門家のコンピュータ又は他のデータ受信装置へのその送信と実質的に同時に、送信及び/又は分析することを包含する。
【0048】
一部の実施形態では、方法は個々の対象の臨床及び/又は生理学的状態を同定するためのコンピュータプログラムにより実施される分析に基づいて対象の臨床又は生理学的状態を決定することを包含する。特定の他の実施形態において、プログラムはより広範な対象の群及び/又は集団からの臨床又は生理学的状態の評価データに対して比較する場合の潜在異常を評価する。
【0049】
一部の実施形態では、方法は中央データ格納/処理システム及び/又は該当する対象モニタリングシステムと連絡した少なくとも1の遠隔地在住クライアントを介して各該当する対象に関する同定された対象の臨床及び/又は生理学的状態及び治療管理推奨事項を連絡、送信及び/又は表示することの1以上を含む。
【0050】
一部の実施形態では、方法は個々の履歴データ又は対象集団の履歴データを用いて統計学的比較に基づいて個々の妊娠可能状態評価及び/又は妊娠可能性終点の妊娠可能状態予測の精度を最適化することを含む。一部の実施形態では、方法はより広範な対象の群又は集団からの臨床又は生理学的状態の評価データに対して比較する場合の個々の対象の臨床及び/又は生理学的状態に関連する情報を送信することを含む。
【0051】
一部の実施形態では、方法は中央データ処理システム及び/又は該当する対象モニタリングシステムと連絡している少なくとも1の遠隔地在住クライアントを介して各該当対象に関する同定された対象の臨床及び/又は生理学的状態及び治療管理推奨事項を連絡、送信及び/又は表示することを含む。一部の実施形態では、方法はより広範な対象の群及び/又は集団からの臨床又は生理学的状態の評価データに対して比較する場合の潜在異常を包含する個々の対象の臨床又は生理学的状態及び臨床及び/又は生理学的問題に関連する情報を送信することを含む。
【0052】
別の実施形態では、方法は対象モニタリングシステム上、又はこれを用いた検出に適する検出装置上の試料の分析及び捕捉のために対象から試料を得ることにより実施される。検出装置を評価し、そして1以上の検体に対応する信号を検出装置にて又はこれを用いて測定する。得られた対象データを分析して対象の臨床又は生理学的状態を決定する。対象データは好ましくは短期間内で、例えば中央データ処理システムへの対象データの送信と実質的に同時に対象モニタリングシステムから送信された対象データを分析する等により分析する。中央データ格納又は処理システムと連絡している1以上の対象の履歴及び/又は実時間の生理学的状態の評価データを含むコンピュータプログラム製品アウトプット(例えばデータベース)を生成させる。対象データは1以上の対象モニタリングシステムから、中央データ格納又は処理システムに、そして、医師又は指定された健康管理専門家のコンピュータ又は他のデータ受信/表示装置に送信される。好ましくは、対象データは1以上の対象モニタリングシステムから、中央データ格納又は処理システムに、そして、医師又は指定された健康管理専門家のコンピュータ又は他のデータ受信/表示装置に、短期間内に、例えば実質的に同時に送信される。対象の臨床又は生理学的状態は、より広範な対象集団からの臨床又は生理学的状態の評価データに対して比較する場合の潜在異常を含め、個々の対象の臨床又は生理学的問題を同定するために、コンピュータプログラムにより実施される分析に基づいて決定する。対象の臨床又は生理学的状態、例えば何れかの検出された異常は、対象の妊娠可能性を示すものであってよい。より広範な対象集団からの臨床又は生理学的状態の評価データに対して比較する場合の潜在異常の同定などの、個々の対象の臨床又は生理学的な問題を同定することを含め、1以上の対象の臨床又は生理学的状態をコンピュータプログラムにより実施される分析に基づいて決定する。対象の臨床又は生理学的状態はデータの検討又は分析の実施に基づいて決定してよい。このことは、より広範な対象の群及び/又は集団からの臨床又は生理学的状態の評価データに対して比較する場合の潜在異常の同定を含め、個々の対象の臨床及び/又は生理学的問題の同定を包含し得る。対象の臨床及び/又は生理学的状態は連絡、送信及び/又は表示される。治療管理推奨事項は中央データ格納又は処理システム及び/又は該当する対象モニタリングシステムと連絡している1以上の遠隔地在住対象に対して行うことができる。方法は典型的には例えば1以上の対象モニタリングシステムに連絡し、それからデータを受信するように構成された中央データ処理システムを用いることにより実施され、その場合、各対象モニタリングシステムは対象データの受信、格納及び分析の1以上が可能である。
【0053】
特定の実施形態では、データベースは生理学的データ及び挙動データよりなる群から選択されるデータを含有する。他の実施形態では、データベースは履歴及び実時間の生理学的状態の評価データを含む。他の実施形態では、データベースは履歴及び実時間の妊娠可能状態の評価データを含む。特定の態様において、データベースは履歴及び実時間の尿中代謝産物排出速度に関するデータを含む。特定の他の実施形態では、データベースは尿中代謝産物排出速度に関連するレシオメトリック決定に関する履歴データ及び実時間のデータを含む。更に別の態様において、データベースは履歴及び実時間の例えば尿中グルクロニド排出速度に関するデータを含む。更に別の実施形態では、データベースは尿中代謝産物、血中グルコース測定、体温測定、病気の有無、及び食餌、運動及びストレスに関係する1以上の評価データに関連する生理学的データを含有する。特定の実施形態では、データベースは全般的健康状態、食餌、運動及び服薬;最終測定の日時情報;及び活動養生法の規定された経過に関するデータを含有する。一部の実施形態では、投薬相互作用情報のデータベースは複数の医薬の対象の使用に関連する情報に関するデータベースを対象が照会できるように構成されている。他の実施形態では、投薬相互作用情報のデータベースは、各対象に関する特定の履歴的妊娠可能性データプロフィール及び/又は対象の群及び/又は集団に関する履歴的妊娠可能性プロフィールに関するデータベースを対象が照会できるように構成されている。
【0054】
1つの態様において、アルゴリズムは、より広範な対象の集団、群及び/又は対象からの臨床及び/又は生理学的状態の評価データに対する比較に基づいて対象の臨床及び/又は生理学的状態を評価する。他の態様において、アルゴリズムは対象によりシステムに入力されたデータに適用されるものとしての医師又は他の健康管理専門家の処方に従って対象の排卵変動に対する調節を計算する。別の態様において、アルゴリズムは特定の対象の生殖状態に基づいた特定の妊娠可能性養生法の効力を最適化する。更に別の態様において、アルゴリズムは対象入力データに基づいて対象の自己モニタリング及び妊娠可能性管理養生法に対する自動調節を行うように構成されている。
【0055】
特定の実施形態では、アルゴリズムは対象の妊娠可能性又は排卵周期に影響する可能性がある他の非妊娠可能性適応症に対する併用療法の作用の評価に有用なデータベースを含有する。
【0056】
特定の実施形態では、アルゴリズムは医師又は他の健康管理専門家からの相互作用的インプットが回顧的及び/又は補充的な調節養生法を特定できるようにする。
【0057】
特定の実施形態では、対象の妊娠可能性管理データをモニタリングするのに適する対象モニタリングシステムは、常磁性検体信号を検出することができる。
【0058】
一部の実施形態では、システム連絡を送信機、警報器、受信機、電話、モデム、携帯電話、ケーブル、インターネット接続、ワールドワイドウェブリンク、テレビ、閉回路モニター、コンピュータ、表示画面、留守番電話、ファクシミリ機器又はプリンタを含む群から選択される装置により実施する。
【0059】
本明細書に提供する本発明の多大な利点はそれらの高度な精度、高水準な利用性及び使用し易さである。更に、本明細書に提供する特定の実施形態は極めて安定であり、長いシェルフライフを有する。このことは老化、熱又は湿度、又は他の物理的特性により影響されない非常に安定なプラットホームを与える。診断薬(例えばストリップ)は、結果を得るためには、即時に、並びに、数日又は数ヶ月後に読み取ることができる。即ち特定の実施形態では、女性が旅行中(例えばキャンプ、船旅等)に試験を行い、その後帰宅時に、全ての試験を読み取ることができ、そしてEIG又はPDGのレベルを不在期間全体に渡って観察することができる。このことは、例えば周期、妊娠可能性に関する療法、又はホルモン補充療法をモニタリングするために使用できる。
【0060】
本発明の試験のこの新しい形態は、新規であり、必要性が大きい。使用し易さ及びこの安定性は、コンプライアンスを助長し、現状技術よりも遥かに好都合で効率的なプロトコルを与える。更に別の好都合な点は、手持ち式の読み取り機を使用する場合に使用し易さが更に増強される点である。これにより、結果を医師が受信でき、そして医師の推奨を遠隔地から行うことができるように、都合の良い時に何時でも自己試験を実施することができるようになる。或いは、例えば、推奨事項は、例えば最大妊娠可能性の期間を教示するべく、コンピュータより行ってよい。
【0061】
本明細書に記載する本発明の多大な利点はそれらの高い精度、高水準な利用性及び使用し易さである。更に、本明細書に提供する特定の実施形態は極めて安定であり、長いシェルフライフを有する。このことは老化、熱又は湿度、又は他の物理的特性により影響されない極めて安定なプラットホームを与える。診断薬(例えばストリップ)は、結果を得るためには、即時に、並びに、数日又は数ヶ月後に読み取ることができる。即ち特定の実施形態においては、女性が旅行中(例えばキャンプ、船旅等)に試験を行い、その後帰宅時に、全ての試験を読み取ることができ、そしてEIG又はPDGのレベルを不在期間全体に渡って観察することができる。このことは、例えば周期、妊娠可能性に関する療法、又はホルモン補充療法をモニタリングするのに使用できる。
【0062】
本発明の試験のこの新しい形態は、新規であり、必要性が大きい。使用し易さ及びこの安定性は、コンプライアンスを助長し、現状技術よりも遥かに好都合で効率的なプロトコルを与える。更に別の好都合な点は、手持ち式の読み取り機を使用する場合に使用し易さが更に増強される点である。これにより、結果を医師が受信でき、そして医師の推奨を遠隔地から行うことができるように、都合の良い時に何時でも自己試験を実施することができるようになる。或いは、例えば、推奨事項は、例えば最大妊娠可能性の期間を教示するべく、コンピュータより行ってよい。
【0063】
本明細書及び請求項に記載した本発明のこれら及び他の態様及び実施形態は、出願及び請求項から、そしてその全体に渡って明確化され、その全てはその書面による説明の部分と見なされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0064】
(詳細な説明)
本発明の実施においては当業者の知る分子生物学(例えば組み換え技法)、微生物学、細胞生物学、生化学、核酸化学及び免疫学の種々の従来の技法を使用してよい。そのような技法は文献において詳細に説明されており、そして限定することなく例示すればMOLECULAR CLONING: A LABORATORY MANUAL.,第2版(Sambrook等、1989)及びMOLECULAR CLONING: A LABORATORY MANUAL.,第3版(Sambrook and Russel,2001)、本明細書では総称して個々に“Sambrook”;OLIGONUCLEOTIDE SYNTHESIS(MJ.Gait編、1984);ANIMAL CELL CULTURE(RJ.Freshney編、1987);HANDBOOK OF EXPERIMENTAL IMMUNOLOGY(D.M.Weir&CC.Blackwell編);GENE TRANSFER VECTORS FOR MAMMALIAN CELLS(J.M.Miller&M.P.Calos編、1987);CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY(F.M.Ausubel等編、1987,2001年までの補遺を包含);PCR: THE POLYMERASE CHAIN REACTION,(Mullis等編、1994);CURRENT PROTOCOLS IN IMMUNOLOGY(J.E.Coligan等編、1991);THE IMMUNOASSAY HANDBOOK(D.Wild編、Stockton Press NY,1994);BIOCONJUGATE TECHNIQUES(Greg T.Hermanson編、Academic Press,1996);METHODS OF IMMUNOLOGICAL ANALYSIS(R.Masseyeff,W.H.Albert及びN.A.Staines編、Weinheim: VCH Verlags gesellschaft mbH,1993),Harlow and Lane(1988)ANTIBODIES,A LABORATORY MANUAL.,Cold Spring Harbor Publications,New York及びHarlow and Lane(1999)USING ANTIBODIES: A LABORATORY MANUAL Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY(本明細書では総称して個々にHarlow and Lane),Beaucage等編、CURRENT PROTOCOLS IN NUCLEIC ACID CHEMISTRY John Wiley&Sons,Inc.,New York,2000);及びAgrawal.編、PROTOCOLS FOR OLIGONUCLEOTIDES AND ANALOGS,SYNTHESIS AND PROPERTIES Humana Press Inc.,New Jersey,1993)が包含される。
【0065】
特段の記載が無い限り、以下の用語は、本明細書及び添付請求項において使用する場合には以下の意味を有する。以下、又は明細書中の他の箇所において定義しない用語は、当該分野で知られているその意味を有するものとする。
【0066】
「検体」とは本明細書においては、試験試料中に存在し得る検出すべき物質である。検体は天然に存在する特異的結合メンバー(例えば抗体)が存在するか、又は、特異的結合メンバーを製造できる何れかの物質であってよい。即ち、検体はアッセイにおいて1以上の特異的結合メンバーに結合できる物質である。「検体」とは又、何れかの抗原性物質、ハプテン、抗体及びこれらの組み合わせを包含する。特異的結合対のメンバーとして、検体は、例えば炭水化物の決定への特異的結合対のメンバーとしてのレクチンの使用等、天然に存在する特異的結合相手(対)により検出できる。検体は蛋白質、ペプチド、アミノ酸、ホルモン、ステロイド、ビタミン、薬品(治療目的及び不法目的で投与されるものを包含する)、細菌、ウィルス及び上記物質の何れかの代謝産物又はそれに対する抗体を包含する。このような抗体の製造の詳細、及び特異的結合メンバーとしての使用の適切性は当該分野で良く知られている。当業者であれば又、選択された検体の体液中の「濃度」は絶対的な項として測定される必要は無いことも理解されるものである。検体濃度は例えば体液の同じ試料中に存在する参照検体の濃度に対して相対的な範囲又は比として等、相対的な項として測定してよい。一般的に、実際の濃度に対して相対的な数的データに変換可能である信号を与える様式において検体をアッセイすれば十分であり、その結果、そのようなデータは実際の濃度において有意な変化が起こっているか否かを決定するために周期での異なる段階において得られた同様のデータと比較することができる。従って、以下に示す明細書及び請求項が検体の「濃度」又は「決定」に言及する場合は、この表現は広範に理解されなければならない。
【0067】
本明細書においては、以下のアミノ酸(及びその残基)に対して以下略語を使用することができる:アラニン(Ala、A);アルギニン(Arg、R);アスパラギン(Asn、N);アスパラギン酸(Asp、D);システイン(Cys、C);グリシン(Gly、G);グルタミン酸(Glu、E);グルタミン(Gln、Q);ヒスチジン(His、H);イソロイシン(Ile、I);ロイシン(Leu、L);リジン(Lys、K);メチオニン(Met、M);フェニルアラニン(Phe、F);プロリン(Pro、P);セリン(Ser、S);スレオニン(Thr、T);トリプトファン(Trp、W);チロシン(Tyr、Y);及びバリン(VaL、V)。
【0068】
「アミノ酸配列」という用語はオリゴペプチド、ペプチド、ポリペプチド又は蛋白質の配列、これらの何れかのフラグメント、及び天然に存在する、又は合成の分子、並びに例えばコンピュータと組み合わせた使用に適する上記の電子又は他の表示を指す。
【0069】
本明細書では、測光的な検体信号は、例えば可視光、蛍光及びリン光を含め、当該分野で知られた方法及び手段により可視及び不可視の両方により検出可能なスペクトル波長の透過により特徴付けられる信号を包含する。
【0070】
本明細書では、電子活性である検体信号は電場及び磁場を検出するための当該分野で知られた方法及び手段により検出可能な電場及び磁場の発生により特徴付けられる信号を包含する。代表的な検体信号は例えば磁場における常磁性粒子及び/又は超磁性粒子からの信号を包含する。
【0071】
「抗体」という用語は最も広範な意味において使用し、所望の生物学的活性を示す限り、モノクローナル抗体(完全長モノクローナル抗体、及びアゴニスト及びアンタゴニスト抗体を含む)、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(例えば二重特異性抗体)、抗体フラグメント(例えばFab、F(ab’)及びFv)、及び、抗体誘導体(例えば組み換え又は合成)も包含する。これらの抗体、結合部分又はそのフラグメント、ヒンジ部分又はそのフラグメント、及びエフェクタ領域又はその部分は全て本発明の構成において有用である。
【0072】
「抗体フラグメント」という用語は完全長抗体の一部分を指し、抗原結合又は可変領域を包含する。抗体フラグメントの例はFab、Fab’、F(ab’)及びFvフラグメントを包含する。抗体のパパイン消化は各々が単一の抗原結合部位を有するFabフラグメントと称される2つの同一の抗原結合フラグメント及び残余のFcフラグメントを生成する。ペプシン処理は抗原を交差結合することができる2つの抗原結合フラグメントを有するF(ab’)フラグメント及び残余の他のフラグメント(pFc’と称する)を得る。本明細書においては、抗体に関する「結合フラグメント」とはFv、F(ab)及びF(ab’)フラグメント及びその機能的突然変異体及び類縁体を指す。F(ab’)とも表記されるFabフラグメントもまた、軽鎖の定常ドメイン及び重鎖の第1定常ドメイン(CH1)を含有する。Fab’フラグメントは抗体ヒンジ領域からの1以上のシステインを含む重鎖CH1ドメインのカルボキシル末端における数残基の付加によりFabフラグメントとは異なっており、Fab’−SHは本明細書においては定常ドメインのシステイン残基が遊離のチオール基を有するFab’に関する表記である。F(ab’)フラグメントはF(ab’)ペプシン消化産物のヒンジシステインにおけるジスルフィド結合の切断により生成される。抗体フラグメントの別の化学的カップリングも当該分野で知られている。
【0073】
「結合蛋白質」は抗体、モノクローナル抗体、抗体フラグメント(Fab、Fab’、F(ab’)及びFvフラグメントを包含する)、線状抗体、一本鎖抗体分子、抗体フラグメントから形成された多重特異性抗体、又は他の抗原結合蛋白質を包含し、その何れもキメラ、ヒト化又は他で対象において低免疫原性となるように改変されたものであってよい。
【0074】
「モノクローナル抗体」という用語は本明細書においては、実質的に均質な抗体の集団から得られた抗体を指し、即ち集団を構成する個々の抗体は少量において存在し得る可能な天然に生じる突然変異を除き同一である。モノクローナル抗体は例えばKohler and Milstein,Nature256:495(1975)に初めて記載されたハイブリドーマ法により作製してよく、或いは、例えば当該分野で知られる通り組み換え法により作製してよい。モノクローナル抗体はまたClackson等、Nature352:624−628(1991)並びにMarks等、J.Mol.Biol.222:581−597(1991)に記載の技法を用いてファージ抗体ライブラリから単離してもよい。
【0075】
一般的に、「生物学的に活性な」という用語は特定の機能を有する分子を指す。機能的活性は天然に存在する分子より低値、高値、又は概ね同じであってよい。
【0076】
本明細書においては、「誘導体」という用語はポリペプチド、ポリヌクレオチド又は他の分子の化学的修飾を包含する。本発明に関する場合、「誘導体ポリペプチド」、例えばグリコシル化、peg化又は何れかの同様のプロセスにより修飾されたものは、少なくとも1の活性を保持している。例えば、結合蛋白質の「誘導体」という用語は、例えばポリエチレングリコール分子、糖類、ホスフェート、及び/又は他のこのような分子の1以上の付加により化学的に修飾されている結合蛋白質、変異体又はフラグメントを包含する。ポリペプチドはまた、例えば基準ポリペプチドと相対比較してアミノ酸の置換、欠失又は挿入を有することにより基準ポリペプチドから「誘導され」ていてよい。したがって、ポリペプチドは野生型ポリペプチドから、又は何れかの他のポリペプチドから「誘導され」ていてよい。本明細書においては、ポリペプチドを含め、化合物は、特定の原料から、例えば特定の生物、組織型から、又は、特定のポリペプチド、核酸又は特定の生物又は特定の組織型に存在する他の化合物から、「誘導され」ていてもよい。
【0077】
本明細書においては、「妊娠期」という表現は、精子及び卵子の正常な生存性のために、交接により妊娠が可能である排卵事象に及ぶ、雌性月経周期の間隔を意味するために使用する。
【0078】
本明細書に記載する結合蛋白質に関する「高い親和性」という用語は少なくとも約10−1又は10−1、好ましくは少なくとも約10−1、より好ましくは少なくとも約10−1又はそれより高値、更に好ましくは少なくとも約1010−1又はそれより高値、例えば約1012−1又はそれより高値までの会合定数(Ka)を指す。
【0079】
「指示試薬」は本明細書に記載されるものを含め、本発明において有用な種々のアッセイ形式において使用してよい。「指示試薬」は検体に対する特異的結合メンバーにコンジュゲート(結合)された外的手段により検出することができる測定可能な信号を発生することができる「信号発生化合物」を含む。「特異的結合メンバー」は本明細書においては、特異的結合対のメンバーを意味する。即ちこれは、分子の一方が化学的又は物理的手段を介して第2分子に特異的に結合する2つの異なる分子である。検体に対する特異的結合対の抗体メンバーであることに加えて、指示試薬はまた、何れかのハプテン−抗ハプテン系、例えばビオチン又は抗ビオチン、アビジン、ストレプトアビジン又はビオチン、炭水化物又はレクチン、相補ヌクレオチド配列、エフェクタ又は受容体分子、酵素コファクタ及び酵素、酵素阻害剤又は酵素等を含め、何れかの特異的結合対のメンバーであることもできる。免疫反応性の特異的結合メンバーは、サンドイッチアッセイの場合のように検体か、又は、競合アッセイの場合のように捕捉試薬の何れかに、又は、間接的アッセイの場合のように補助的な特異的結合メンバーに結合することができる、抗体、抗原又は抗体/抗原複合体であることができる。
【0080】
本明細書においては、「インターネット」という用語は「イントラネット」などの「コンピュータネットワーク」という用語を組み込んでおり、そして、インターネットへのアクセスに言及する場合は常時、直接接続されたコンピュータネットワークにも同様にアクセスすることを意味していると理解しなければならない。本明細書においては、「コンピュータネットワーク」という用語は公的にアクセスできるコンピュータネットワーク及びプライベートのコンピュータネットワークを組み込んでおり、そしてモデムダイアルアップ接続も支援すると理解しなければならない。
【0081】
「単離された」分子(例えば、ポリペプチド又はポリヌクレオチド)はその本来の環境の外部に存在するか、又はその本来の環境(例えば天然に存在する場合は天然環境)から取り出されている分子を指す。例えば生存している動物中に存在する天然に存在するポリヌクレオチド又はポリペプチドは単離されていないが、天然系における共存物質(例えば蛋白質、脂質、炭水化物、核酸)の一部又は全てから分離されている同じポリヌクレオチド又はポリペプチドは単離されている。
【0082】
「リガンド」という用語は本明細書においては、抗原、抗体、ハプテン、ホルモン及びその受容体、デオキシリボ核酸、及び、対応する特異的結合物質を与えることができる他の有機物質を指す。
【0083】
治療目的の「哺乳類」はヒト、家畜及び牧場動物、非ヒト霊長類及び動物園、協議用又は愛玩用の動物、例えばイヌ、ウマ、ネコ、ウシ等を含め、哺乳類に分類される何れかの動物を指す。
【0084】
「試料」という用語は本明細書に記載する本発明の方法により試験できる生物学的な試料を包含し、そしてヒト及び動物の体液、例えば歯肉滲出液、汗、皮脂、涙液、膣液、全血液、血清、血漿、脳脊髄液、尿、リンパ液及び呼吸系、腸及び泌尿器系の種々の外部への分泌液、涙液、唾液、乳汁、白血球、骨髄腫等、生物学的な液、例えば細胞培養上澄み、固定組織標本及び固定細胞標本を包含する。例えば本明細書に記載するアッセイ形式を用いて希釈および試験できる何れの物質も本発明の範囲内に包含される。
【0085】
意図される種々の「信号発生化合物」(標識)は発色団、触媒、例えば酵素、発光化合物、例えばフルオレセイン及びローダミン、化学発光化合物、放射性元素、及び直接可能性標識を包含する。酵素の例はアルカリホスファターゼ、セイヨウワサビパーオキシダーゼ、ベータガラクトシダーゼ等を包含する。特定の標識の選択は重要ではないが、自身で、又は、別の物質1つ以上と組み合わせて信号を発生することができる。標識は又、可視性標識、例えばコロイド状金、着色ラテックス粒子、又は不可視性標識、例えば常磁性粒子(PMP)、例えば超常磁性粒子、又は抗体、もしくは認識標識の粒子へのコンジュゲーションを可能とする表面特性を有する他のPMPであることもできる。
【0086】
「治療有効量」という用語は例えば研究者、獣医、医学博士又は医師により探求されている例えば組織、系、動物又はヒトにおける所望の応答を示す対象化合物の量を意味する。「治療」とは、治療的な処置及び予防的又は防止的な対策の両方を指す。治療の必要な者とは、既に状態を有しているもの、並びに状態を防止又は促進すべきか、又はその進行を停止又は緩徐化又はモニタリングすべき者を包含する。
【0087】
1つの態様において、本発明は雌性動物(例えば哺乳類)における排卵周期をモニタリングすることに関する。当業者の知る通り、本発明は方法、コンピュータプログラム製品、装置、データ処理システム又はキットとして具現化してよい。本発明の種々の態様から与えられる情報は、例えば雌性哺乳類の妊娠可能性を測定するのに有用であり、そのことは更に妊娠可能性の増強、又は、受胎防止に有用である。本発明の1つの態様は体液中の特定の検体を検出することにより哺乳類(ヒトを含む)の妊娠可能性を測定することを包含する。
【0088】
血液、歯肉滲出液、糞便物質、乳汁、粘膜、汗、皮脂、涙液、尿、唾液及び膣液を包含する種々の体液を試験してよい。特定の体液が特定の動物種に対して好ましい場合があり、2種以上の体液を分析できる。本明細書に記載する方法、キット及び装置は医学的試験操作法の実施に熟練していない者により好都合に使用できる。一部の実施形態において、それらは携帯可能であるため、自宅用で、又は、特定の動物が位置する環境において使用できる。体液がヒト対象由来である場合、試料は対象自身により、又は別の者により採取できる。或いは、試料は直接の人的関与無く、例えば自動収集装置又は処理の一部として採取される。
【0089】
検体濃度は絶対的な項として、又は相対的な項として、例えば体液の同じ試料中に存在する参照検体の濃度に対して相対的な比として測定してよい。検体は例えば当該分野で知られた免疫学的操作法により検出できる。本発明における目的の検体は例えばホルモン、ホルモン誘導体、及びホルモン代謝産物、例えばエストロゲン代謝産物及びプロゲステロン代謝産物(例えば妊娠可能性を指示するもの)を包含する。
【0090】
検出され得るエストロゲン代謝産物の例は、エストロン3−スルフェート、2−ヒドロキシエストロン、4−ヒドロキシエストロン、2−メトキシエストロン、4−メトキシエストロン、2−メトキシエストロン3−スルフェート、2−メトキシエストロン3−グルクロニド、16アルファ−ヒドロキシエストロン、エストラジオール−17α、エストラジオール17β、16−グルクロニド−エストリオール;エストラジオール−17ベータ3−グルクロニド;エストラジオール−17ベータ3−スルフェート、2−ヒドロキシ−エストラジオール−17β、2−メトキシ−エストラジオール−17β、2−メトキシエストラジオール−17ベータ3−スルフェート、2−メトキシ−エストラジオール−17ベータ3−グルクロニド、6β−ヒドロキシ−エストラジオール−17β、2−メトキシエストラジオール、17−エピエストリオール、2−ヒドロキシエストラジオール、16−ケトエストラジオール、16β−ヒドロエストロン、16−エピエストリオールを包含する。特定の実施形態において、エストロゲン及びその代謝産物は例えばエストラジオール、エストロン、エストリオール、2(OH)エストロン、4ヒドロキシ−エストロン、16α−ヒドロキシエストロン、2−メトキシエストロン及び4−メトキシエストロンを包含する。検出に特に適しているエストロゲン代謝産物はエストロングルクロニドである。
【0091】
特定の実施形態に関する目的の検体はプロゲステロン及びプロゲステロン代謝産物を包含する。プロゲステロンの主な尿中代謝産物は、例えば、5β−プレグナン−3α、20α−ジオールグルクロニドを包含する。プロゲステロンの血漿中代謝産物は、例えば、5β−プレグナン−3α−オール−20−1−(5β−プレグネノロン)及び5α−プレグナン−3α−オール−20−1−(5α−プレグネノロン)を包含する。検出に特に適しているプロゲステロン代謝産物はプレグナンジオールグルクロニド(PdG)である。
【0092】
結合剤
目的の検体は本明細書に記載する結合剤に対して所望の親和性で結合することができる。適当な結合剤は抗体又はそのフラグメント、リガンド及び結合剤の対、受容体等を包含する。特定の実施形態はエストロングルクロニドと結合できる抗体又はそのフラグメントを含む第1結合剤、及び、プレグナンジオールグルクロニドと結合できる抗体又はそのフラグメントを含む第2結合剤を有する。エストロングルクロニド及びプレグナンジオールグルクロニドは例えば結合剤として機能するポリクローナル抗体又はモノクローナル抗体を使用することにより検出してよい。
【0093】
エストロゲン代謝産物の検出に適当な抗体は例えばマウス抗エストロン3グルクロニドモノクローナル抗体(未コンジュゲート、クローンM7021931、Ftzgerald Industries International製);マウス抗エストロンスルフェート(ES)モノクローナル抗体(未コンジュゲート、クローンM56261、Ftzgerald Industries International製);及び抗エストロン3グルクロニドモノクローナル抗体(未コンジュゲート、クローン9.F.25、United States Biological.,Swampscott製、MA01907)を包含する。プロゲステロン代謝産物の検出に有用な代表的な抗体は、例えば、抗プレグナンジオール−3−アルファ−グルクロニドモノクローナル抗体、未コンジュゲート、クローン8.F.233(United States Biological.,Swampscott,MA01907)を包含する。
【0094】
E1Gに対して特に適している抗体は文献に記載されている。例えば、各々参照により本明細書に組み込まれるLewisJG等、Steroids59(4)288−191(1994)及びHendersonK.M.等、Clin Chim Acta.Dec29;243(2):191−203(1995)を参照のこと。PdGに対して特に適している抗体は市販されている(East Coast Biologicals,North Berwick,Maine)。
捕捉要素
本発明は、本明細書に記載するか当該分野で知られたものを含め、検体(例えばホルモン及びホルモン代謝産物)を固定化又は捕捉するための種々の機能的手段を使用してよい。結合剤は1以上の捕捉要素に固定化又は別途結合させてよい。捕捉要素は好ましくは固相に会合させるが、液相の捕捉要素を使用してもよい。適当な捕捉要素は多孔性物質、例えばガラス繊維、膜、紙、ストリップ、パッド等を包含する。適当な膜はナイロン、ニトロセルロース、ポリエステル材料等を包含する。
【0095】
特定の実施形態では、雌性動物の排卵周期をモニタリングするのに特に適している試験ストリップ及びキットが提供される。単一の側方流動ストリップなどの単一のストリップ上に1、2又はそれより多い検体を捕捉してよい。例えば、一部の実施形態では、単一の捕捉要素(例えばストリップ)が1以上の検体を検出できるように、1より多い抗体を単一の捕捉要素に固定化してよい。抗体又は他の結合剤を検出要素にコンジュゲート又は会合させてよい。1つの実施形態において、エストロングルクロニドに対する抗体及びプレグナンジオールグルクロニドに対する抗体を含む単一のストリップが提供される。
【0096】
複数のストリップ(例えば2つ以上のストリップ)に対して試験を実施できる単一の体液試験装置、又は、単一のストリップ上で独立して2以上の検体を検出する装置を用いて行うアッセイを含め、単一のアッセイにおいて1つ以上の検体を測定できる。1つの実施形態はエストロングルクロニド及びプレグナンジオールグルクロニドを検出及び定量するための単一の定量的試験ストリップに関する。2種以上の異なる検体を同じ試料液体中で検出する実施形態においては、各検体の検出のための効率を最大限にするように均衡された反応条件を有することが望ましい。
【0097】
1つの実施形態において、第1検体のためのストリップアッセイは第1検体に対して特異的な抗体を含む検出のための標識された粒子を使用する。ストリップは固定化された検体又はその類縁体を含む検出領域を有する。各標識された粒子は複数の同一の抗体分子を含んでよい。各粒子上の特定の検体に対する生物学的に活性な抗体の量を標準化できる。検出領域における検体又は検体類縁体の濃度は粒子上の抗体の有効濃度(モル濃度)の過剰量でなければならない。試験において使用できる粒子−標識抗体の量は試料中の予測される検体濃度に対して過剰量でなければならない。これらのレベルは、試料中の遊離の検体の存在が粒子上の抗体への遊離の検体の結合の有意なレベルをもたらし、これにより検出領域内の固定化された検体/類縁体への粒子標識の結合を抑制するように調節することができる。平均の粒子は、検出領域における粒子の結合を確保するために十分な数の活性な抗体分子であるが、この結合に対して試料中の検体の存在が限定的な作用を有するような量において有することが望ましい場合がある。従って、本実施形態では、検出領域において粒子が結合することになる程度は試料液体中の検体の濃度に反比例する。
【0098】
ストリップアッセイの特定の実施形態では、液体試料が粒子標識物質に接触してそれを検出領域まで運ぶように、粒子標識抗体を検出領域から上流に配置させる。このアッセイでは、遊離の検体と粒子標識抗体との間の潜在反応が、これらの試薬が検出領域に到達するよりも前に、少なくとも実質的に競合することが好ましい。このアッセイでは、粒子が検出領域の固定化検体/類縁体に結合する程度は、粒子上に残存している残留未複合化抗体の関数である。即ち、検出領域の固定化検体/類縁体の濃度は、それらがこの領域を通過する際に粒子の効率的な捕捉を促進するには高値であることが必要である。又、試料液体中の遊離の検体への粒子標識抗体の先行する結合の効率を高めるためには、粒子上の抗体は検体に対する高い親和性をすることが望ましい。この親和性は、典型的には、少なくとも約10、好ましくは少なくとも約10、より好ましくは少なくとも約1010リットル/モルである。
【0099】
抗体又は抗原は膜上の試験及び対照系列に分注でき、そしてアンカー蛋白質(例えばアビジン、ストレプトアビジン、ビオチン)とカップリングさせてよい。膜はバルク蛋白質(例えばカゼイン、ウシ血清アルブミン)を含有するブロッキング緩衝液を用いてブロックし、その長期間の安定性及び流動特性のために界面活性剤で処理してよい。特定の試薬をストリッピング溶液に添加することにより、より一貫した分注及び結合を確保し、そして試験及び対照系列における親水性を防止してよい(Tween20を極めて低濃度で使用する)。
【0100】
特定の実施形態では、低濃度のアルコールを使用して蛋白質を膜上に沈殿させることにより結合を助けてよい。パッドを親水性にするためには、特にそれがガラス繊維又はポリエステルパッドである場合に、界面活性剤を使用してよい。特定の実施形態では、重合体を添加することによりパッドを硬化させ、そして流量を制御してよい。特定の実施形態では、抗体又は他の生化学的試薬を添加することにより赤血球又はムチンを捕捉してよい。更に別の実施形態では、試料がコンジュゲートパッドに到達するとき所望のpHであるように緩衝成分を使用してよい。
【0101】
化学的及び生物学的な処理を、試料に対して、それが捕捉要素と接触するよりも前の種々の時点において実施できる。そのような処理は例えば、試料から、赤血球を除去すること、又はムチン又は他の干渉成分を除去することを、それが捕捉要素に到達するよりも前に行うことを包含してよい。特定の実施形態では、試料を前処理して試験に使用される抗原部位の利用性を促進するか、或いは干渉成分を除去した後に試料を添加する。
検体検出
本発明は、本明細書に記載するか当該分野で知られたものを含め、検体(例えばホルモン及びホルモン代謝産物)を検出するための種々の機能的手段を使用してよい。検出試薬は検体が検出可能となるように検体又は結合要素と複合体を形成してよい。これらは検体特異的結合分子(例えば抗体)及び種々の可能なレポーター分子、例えば酵素(例えばセイヨウワサビパーオキシダーゼ)、染料、放射性核種、発光基、蛍光基、ビオチン、コロイド状粒子(Reed等への米国特許第7,122,196号及びYguerabide等への米国特許第6,586,193号参照)、金属コロイド、例えばコロイド状金及びセレン、非金属コロイド、ナノ粒子、重合体ビーズ及びラテックスビーズ、カーボンブラック標識(Kang等への米国特許第5,252,496号)及び金属ゾル試薬及びコンジュゲート(Brooks,Jr.等への米国特許第5,514,602号)との間の複合体、並びにリポソーム媒介担体染料分子及び非視覚のレポーター分子又は標識、例えば常磁性粒子の使用を包含してよい。検出要素(例えばコンジュゲート)は可視標識(例えばコロイド状金、コロイド状ラテックス粒子)又は不可視標識(例えば常磁性粒子)に結合した生物学的成分(例えば抗体、抗原、ハプテン)であってよい。レポーター基への結合剤のコンジュゲーションは当業者の知る標準的な方法を用いて達成してよく、そして、多くの市販源(例えばZymed Laboratories,San Francisco,Calif.及びPierce,Rockford,111)から種々のレポーター基へのコンジュゲートを購入してよい。
【0102】
検体の検出は当該分野で知られた標準的なアッセイ技法により達成できる。検体は所定の閾値に基づいた簡素な陽性又は陰性の形式で検出できる。一部の実施形態では、検体の量を定量することが好ましい。これは例えば絶対的な定量又は排出速度の定量であってよい。検体はその検体に相当するストリップ上のバンド強度を測定することにより定量できる。一部の実施形態では、複数の検体を多重のアッセイにおいて検出又は定量する。別の態様において、検体の排出速度は特定の実施形態における定量ストリップの使用により検出する。他の実施形態において、抗体−粒子(例えばナノ粒子)のコンジュゲートは実施せず、むしろナノ粒子と共に抗体又は結合剤が水和することにより結合又は固定化が起こる(参照により本明細書に組み込まれるLin等のWO2005/051295A2、表題「Asymmetrically Branched Polymer Conjugates and Microarray Assays」を参照のこと)。
【0103】
特定の実施形態では、捕捉要素、例えばパッド、膜、試験ストリップ等を常磁性粒子媒介検出と組み合わせて使用する。常磁性粒子は目的の検体に関する磁性の指紋又は署名を与える。
【0104】
常磁性粒子検出アッセイ及びシステムの使用は、常套の免疫検出手段に対して検出の効率及び制度が向上する。生物学的分離の用途においては、コロイド状常磁性粒子標識は磁性ナノ粒子に目的の検体を選択的に連結する抗体の能力を利用している。
検出器
本発明は、本明細書に記載するか当該分野で知られたものを含め、検体(例えばホルモン及びホルモン代謝産物)の検出のための検出器の種々の機能的手段を使用してよい。目的の検体を検出するための検出器は、例えば実験室の設定において、又は自宅又は野外の場所において利用してよい。特定の実施形態は特定の代謝産物の排出速度を測定するための使用が可能な携帯用検出器に関する。他の実施形態では、検出器は携帯用ではない。検出器は、携帯用か否かに関わらず、データベースと連絡していてよい。データベースは電子式、例えばコンピュータ又はインターネット系であってよい。即ち、特定の実施形態では、エストロゲン代謝産物1つ以上及び/又はプロゲステロン代謝産物1つ以上を含め、目的の検体に関する排出速度の履歴値を含む電子データベースと連絡している携帯用検出器を利用する。
【0105】
超常磁性粒子の検出に基づいた生化学的検体の検出、モニタリング及び/又は分析に有用な機器は当該分野で知られている。代表的な機器は、例えば、Quantum Design, San Diego Calif のMagnetic Assay Reader (MAR)並びに別途報告されているものを包含し、例えば参照により全体が本明細書に組み込まれるCatt等へのWO95/13531、Catt等へのEP−A−833145、Simmondsへの米国特許第6,046,585号、Simmondsへの米国特許6,275,031、Simmonds等への米国特許第6,437,563号、LaBorde等への米国特許出願第20040214347号、及びLaBordeへのUS第6,607,922号を参照のこと。超常磁性粒子は典型的にはサンドイッチアッセイ形式において検体に結合する。検出器は例えば検出領域において捕獲された免疫複合体中の磁性粒子の総質量により表示される局所的磁場を測定できる。次に、実験的に確立された検量線により、得られた値を目的の分子の数に補正してよい。代表的な機器は既存のアッセイ形式及び化学的技法、例えば、側方流動膜、DNAアレイ及びディップスティックアッセイに適合可能である。
【0106】
磁性粒子は常套の方法により標的粒子にカップリングすることにより磁性結合複合体試料を形成してよい。標的粒子は例えば原子、個々の分子及び生物学的細胞を包含してよい。磁性結合複合体試料は所定の位置において数個〜数百個の粒子の蓄積物として付着させてよい。
データベース及びシステム
別の態様において、妊娠可能性モニタリングシステムが提供される。本発明はデータベース、ハードウエア及びソフトウエア及び検体をモニタリングするため及び妊娠可能性をモニタリングするためのシステム、例えば本明細書に記載するか当該分野で知られたものの種々の機能的手段を使用してよい。卵巣モニタリングシステムは完全にハードウエアの実施形態、完全にソフトウエアの実施形態、又は、ソフトウエアとハードウエアとの態様を組み合わせた実施形態の形を取ってよい。それらは例えば媒体として具現化されたコンピュータ読み取り可能なプログラムコード手段を有するコンピュータ読み取り可能な保存媒体上のコンピュータプログラム製品として具現化してよい。ハードディスク、CD−ROM、光学的格納装置又は磁気的格納装置を包含する何れかの適当なコンピュータ読み取り可能な媒体を利用してよい。
【0107】
本発明の実施形態は、方法、装置(システム)及びコンピュータプログラム製品のフローチャート図を参照しながら以下に説明する。フローチャート図の各ブロック及びフローチャート図のブロックの組み合わせはコンピュータプログラム命令により実施できる。これらのコンピュータプログラムの命令は汎用コンピュータ、特殊目的コンピュータ又は他の機械製作用のプログラム可能なデータ処理設備にロードしてよく、これらは、検体検出システムと組み合わせて単一の装置としてよく、これにより、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理設備上で実行される命令がフローチャートブロックにおいて特定される機能を実施するための手段を創生するようにしてよい。
【0108】
コンピュータプログラム命令はまた特定の様式において機能するようにコンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理設備に指示することができるコンピュータ使用可能なメモリ中に格納してよく、これにより、コンピュータ使用可能なメモリ中に格納された命令がフローチャートブロックにおいて特定される機能を実施する命令手段を包含する製造物品を形成するようにしてよい。コンピュータプログラム命令はまたコンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理設備上にロードすることによりコンピュータ又は他のプログラム可能な設備上で実施される一連の操作工程がコンピュータ実施プロセスを作製するように誘導し、これにより、コンピュータ又は他のプログラム可能な設備上で実行される命令がフローチャートブロックにおいて特定される機能を実施するための工程を与えるようにしてよい。
【0109】
従って、フローチャート図のブロックは特定された機能を実施するための手段の組み合わせ、特定された機能を実施するための工程の組み合わせ及び特定された機能を実施するためのプログラム命令手段に対応している。フローチャート図の各ブロック及びフローチャート図におけるブロックの組み合わせは特定された機能又は工程を実施する特殊目的ハードウエア系コンピュータシステム又は特殊目的ハードウエア及びコンピュータ命令の組み合わせにより実施できる。
【0110】
本発明を実施するためのコンピュータプログラムはDelphi及びJava(登録商標)などの種々のオブジェクト指向型のプログラミング言語において書いてよい。しかしながら、他のオブジェクト指向型のプログラミング言語、例えばC++及びSmalltalk並びに常套のプログラミング言語、例えばFORTRAN又はCOBOLも本発明の範囲内に意図される。
【0111】
本発明に従って、妊娠可能性管理の必要のある遠隔地在住対象の妊娠可能状態評価データを獲得し、分析し、格納し、そして送信するために提供されるシステムの実施形態を図1において模式的に示す。示すように、複数の遠隔地在住対象モニターシステム(SMS)が連絡リンクを介して中央データ処理システム(CDPS)と直接連絡を樹立するように構成されている。連絡リンクは送信機、警報器、受信機、電話、モデム、携帯電話、ケーブル、インターネット接続、ワールドワイドウェブリンク、テレビ、閉回路モニター、コンピュータ、表示画面、留守番電話、ファクシミリ機器又はプリンタを含む群から選択される装置であることができる。
【0112】
遠隔地在住健康管理提供者の複数の中央処理装置(CPU)が連絡リンクを介してCDPSサーバとの健康管理提供者CPUの連絡を樹立するように構成されている。特定の実施形態では、連絡リンクはインターネット又はイントラネットリンクである。他の実施形態では、連絡リンクは移動電話テキストメッセージサービスである。他の連絡様式も入手可能であれば使用してよい。
【0113】
SMS又はCDPSサーバ又はコンピュータ使用可能な媒体内に具現化されたプログラムコードを実行するように構成されている他の装置は本発明の種々の機能及び種々の操作方法を実施するための手段として操作される。本発明の実施形態は種々のクライアント−サーバ連絡プロトコル、例えば限定しないが、TCP/IPプロトコルなどの特定のプロトコルと共に使用してよい。
【0114】
卵巣周期モニタリング及び妊娠可能性管理に関する数種の実施形態を本明細書において説明する。しかしながら、臨床又は治療の効果を促進又は達成するために生理学的及び/又は生物学的パラメータのモニタリング及び評価が必要である広範な種類の医学的状態に関するアッセイもまた意図される。
【0115】
SMSは対象からデータを収集するための主な手段として、そして、症例管理者又は健康管理提供者のための対象とのインターフェイスとしての手段として作用する。SMSの代表的な特徴は例えば、小型又は携帯性、データ処理能力及びリンク要素との連絡のためのビルトイン又は装着可能な外的手段、体液からのデータ収集能力、健康状態に関する対象提供データに関するデータ収集能力、及び、医療/妊娠可能性の養生法への対象のコンプライアンスのモニタリング能力を包含してよい。SMSはまた、CDPSサーバとの双方向の連絡を可能にするように機能してよい。SMSはまた、収集した対象データを分析し、生又は予め記録された応答及び/又は医師又は健康管理の専門家の指示に基づいた妊娠可能性管理推奨事項を送達するように機能してよい。SMSは特定の時間間隔において、又は実時間においてCDPSサーバに対象データをダウンロードするための能力、メッセージを連絡するための能力、医師又は健康管理提供者への更新、命令及び妊娠可能性管理の養生法、固定又は偶発的な自己モニタリングスケジュール、又はCDPSサーバからの他のフィードバックを提供してよい。
【0116】
SMSを介して収集された対象データは生理学的データ(例えば尿中代謝産物、血中グルコース測定値、体温等)、又は挙動データ(例えば食餌、運動、ストレス、疾患の存在に関係する評価)を包含してよい。特定の実施形態では、収集された対象データは尿中代謝産物データである。特定の実施形態では、SMSは特定の妊娠可能性養生法の効力を最適化するための特定の対象の生殖状態に関連するアルゴリズムを含む。特定の実施形態では、SMSは対象入力データに基づいて対象の自己モニタリング及び妊娠可能性管理養生法に対する自動調節を行うように構成されていてよい。特定の実施形態では、SMSはまた、対象の妊娠可能性又は排卵周期に影響する可能性がある他の非妊娠可能性適応症に対する併用療法の作用を対象が評価することを助けるためのデータベースを含有する。
【0117】
特定の実施形態では、対象は定期的にそのSMS内のデータを記録すること、及びCDPSサーバにデータを送信することに対して責任を負う。他の実施形態では、CDPSサーバへのデータの送信は高度に自動化され、対象からのインプットの必要性は殆ど、又は全く無い。特定の実施形態では、対象は標準的な電話端子にSMSを差し込むことによりシステムを使用し、そしてボタンを押しながらCDPSサーバCPUとの連絡を樹立することができる。各SMSはデータ送信が必要な場合は対象にプロンプトし、そして例えばアラーム駆動タイマーなどの注意喚起装置を用いてデータの送信を開始し、終了する能力を有する。
【0118】
他の実施形態では、SMSはテキスト、グラフィック、ユーザープロンプト及び種々の他の情報を表示するためのユーザーインターフェイスを含有する。特定の他の実施形態では、SMSユーザーインターフェイスはCDPSサーバと対象との間の連絡の主な手段として作用してよい。特定の実施形態で」は、SMSはまた、CDPSサーバへの送信スケジュールを対象に通知し;妊娠可能性に関連する緊急の状態を対象に通知するか、他では医学的注意を迅速に求め;そして過去の性能に基づいて対象に動機付的フィードバックを提供する(例えばデータの記録及びCDPSサーバへのデータの送信についてスケジュール通り実施していることに対して対象に報酬を与える等)ように構成されていてよい。対象の妊娠可能性管理データをモニタリングするための適当なSMSはQuantum Design(San Diego)により製造されている。SMSの他の代表的な特徴は例えば、Simmondsへの米国特許第6,046,585号;Simmondsへの米国特許第6,275,031;Simmonds等への米国特許第6,437,563号;LaBordeへの米国特許第6,607,922号及びLaBorde等への米国特許出願第20040214347号に記載されているもののようなシステム及びサブシステムを包含してよい。SMSの実施形態は例えばディスプレイ、キーボード、検体測定器;内部データ格納、内部格納された妊娠可能性モニタリングアルゴリズム及び/又はソフトウエア、並びにSMSを操作するため、及び、CDPSサーバと連絡するためのデータプロセッサ又はCPUを包含してよい。特定の実施形態では、SMSは対象入力データ及び内部ソフトウエアを使用して例えば尿中代謝産物などの代謝性副生成物の測定により排卵状態を連続的にモニタリングする。
【0119】
一部の実施形態において、SMS検体測定器を用いて妊娠可能状態関連値を記録する場合は、内部ソフトウエアは例えば限定しないが、健康状態、食餌、運動及び服薬を包含する種々の情報について対象を照会してよい。一部の実施形態において、SMS内部ソフトウエアは対象による使用を容易にするためにメニュー主導型であってよい。特定の実施形態において、妊娠可能性モニタリングSMS内に入力されたデータは日時情報と共に格納され、そしてアラーム開始されることができる(例えば対象又はSMSはタスク又は機能を実施するためにプロンプトされることができる)。特定の実施形態において、SMS内部ソフトウエアは入力されたデータを分析し、そして対象に対してその妊娠可能状態及び規定された養生法を連続的に通知する。特定の実施形態において、SMS内部ソフトウエアは対象によりSMSに入力されたデータに適用される通り、医師又は健康管理専門家の処方に従って、対象の排卵変動に対して調節を計算する。
【0120】
特定の実施形態において、SMSの内部ソフトウエアはCDPSサーバを介して症例管理者により構成可能である。症例管理者は対象の妊娠可能性管理意養生法に対し、そして対象の固定された又は偶発的な自己モニタリングスケジュールに対して調節を行うことができる。これらの調節はCDPSサーバへの日常的データ転送の間にSMS内で自動的に行うことができる。妊娠可能性管理を提供することに加えて、SMSは重要な検査のスケジュール予約について対象に想起させるために使用できる。
【0121】
特定の実施形態において、妊娠可能性管理アルゴリズムは医師又は他の健康管理専門家が回顧的及び/又は補助的な調節養生法を特定できるようにする。特定の実施形態において、SMSは投薬相互作用情報のデータベースを含有し、そして、複数の服薬の対象による使用に関連した情報についてデータベースを対象が照会できるように構成されている。特定の実施形態において、SMSは例えば投薬相互作用情報、各対象に関する特定の履歴的妊娠可能性データプロフィール、及び対象の集団に関する履歴的妊娠可能性プロフィールを含有してよい外部データベースと連絡しているように構成されていてよい。特定の実施形態において、対象はSMSとCDPSサーバとの間に連絡が樹立された場合にCDPSサーバ内に位置するデータベースを照会してよい。SMSはまた、対象が他の外部データベースとの連絡を樹立できるように構成されていてもよい。
【0122】
SMSの他の特徴は種々の周辺装置にSMSを接続するための接続スロット;地上通信線電話系統への接続装置;及び周辺装置との連絡のための赤外線ポートを包含してよい。妊娠可能性管理が必要な対象のための追加的なSMSの特徴は参照により全体が本明細書に組み込まれるSimmondsへの米国特許第6,046,585号;Simmondsへの米国特許第6,275,031号;Simmonds等への米国特許第6,437,563;LaBordeへの米国特許第6,607,922号及びLaBorde等への米国特許出願第20040214347号に記載されている。
【0123】
SMSに対する連絡のモダリティはCDPSサーバとの地上通信線電話連絡に限定されない。特定の実施形態において、SMSは限定しないが、種々の連絡技術を用いてCDPSサーバと連絡してよい。例えば、SMSはCDPSサーバと連絡するために無線連絡技術を組み込んでいてよい。特定の実施形態において、SMSはまた、CDPSサーバと連絡するために直接衛星連絡技術を組み込んでいてよい。
【0124】
対象によりSMSに入力されるデータは本明細書において意図する連絡手段を介して中央データ処理システムCDPSに送信される。CDPSサーバはネットワークにおいて配列された1以上のデータ処理装置であってよい。好ましくは、直接連絡接続をSMSとCDPSサーバとの間に樹立する。或いは、間接連絡接続をインターネット又は本明細書に記載する他のネットワークを介してSMSとCDPSサーバとの間に樹立され得る。連絡サーバは好ましくは、クライアント−サーバ連絡の分野の当業者の理解する通り、SMSとCDPSサーバとの間で上下方向の連絡を取り扱うために利用される。CDPSサーバという用語は本明細書においては、対象データを格納及び操作するためのデータベース、並びに他のサーバ機能、例えば限定しないが、ウエブサーバ、アプリケーションサーバ、e−メールサーバ、ファックスサーバ、AVMサーバ等を包含する。
【0125】
特定の実施形態において、CDPSサーバは各対象のSMSから送信されたデータを分析して格納する。このデータはインターネット、イントラネット又は本明細書において記載又は意図する他の様式の連絡を解してデータにアクセスできる認可された症例管理者又は中央専門家が使用可能なものとされる。特に、CDPSサーバは対象SMSから送信されたデータを用いて対象の妊娠可能性の問題を同定して優先順位をつける。これにより症例管理者は緊急の妊娠可能性問題を有する対象又は即座に行動をとる必要のある対象に対して第1にその注意を集中させることができる。特定の実施形態において、CDPSサーバはデータに対しそれがSMSから送信されているときに実時間の分析を実施することにより、迅速な配慮が必要な妊娠可能性関連緊急な状況を同定する。そのような緊急事態が同定されれば、症例管理者による介入を伴うことなく、SMSへのCDPSサーバからの連絡を介して対象は即座に通知を受けることができる。或いは、症例管理者が通知を受けて、そして電話、e−メール、ファックス又は本明細書において意図する他の様式の連絡を解して直接、対象と接触できる。
【0126】
特定の実施形態において、CDPSサーバは対象がCDPSサーバにデータをダウンロードした場合に対象に関する妊娠可能性計画プログラムを症例管理者が変更できることを含む、種々の他の機能を実施する。特定の実施形態において、CDPSサーバは対象との連絡が起こっていることを確認することを症例管理者に想起させるため、及び介入又は医療上の配慮を必要とする状態が解決されていることを確認するための、「カムアップシステム」を包含してよい。特定の実施形態において、CDPSサーバはまた、自動的に対象支給物使用(例えば試験ストリップ、パッド又は他の検出装置)を追跡するように構成されていてよく、そしてこの情報は対象への交換品支給の随時送達を行うために使用してよい。特定の実施形態において、CDPSサーバは対象により利用された医療用支給物の製造者及び販売者と連絡するように構成されていてよい。支給品の対象使用をモニタリングすることにより、医療用支給品が対象に送達できるようにCDPSサーバを介して直接製造者及び販売者に注文を出すことができる。特定の実施形態において、別個の倉庫データベースをCDPSサーバに付加することにより対象データの複雑な分析を支援してよく、そして、対象の妊娠可能性養生法及び投薬用量に対して行う予測的な変更を検討するためにも使用してよい。
【0127】
症例管理者クライアント(CPU)
特定の実施形態において、症例管理者は同じネットワークに接続された症例管理者CPU(CMC)を介してCDPSサーバにアクセスする。CMCは好ましくはCMCとCDPSサーバとの間のインターネット接続上でCDPSサーバと連絡している。特定の実施形態において、データの暗号化を利用してよく、そして他のセキュリティ方法を実施することによりSMSとCDPSサーバとの間、及び、CMCとCDPSサーバ又はSMSとの間で情報を転送してよい。本明細書において示す実施形態の目的のためにCMCとして作用してよい代表的な装置は限定しないが、デスクトップコンピュータ及び携帯用計算装置、例えば携帯端末(PDA)を包含する。特定の実施形態において、CMCは好ましくは中央処理装置、ディスプレイ、ポインティング装置、キーボード、持続性のデータ格納へのアクセス、及びインターネットに接続するためのインターネット接続を包含する。特定の実施形態において、インターネット接続は伝統的な電話回線、ISDNリンク、T1リンク、T3リンクに接続したモデムを介して、ケーブルテレビを介して、イーサネット(登録商標)のネットワークを介して等、行ってよい。特定の実施形態において、インターネット接続は第3者機関、例えば「インターネットサービスプロバイダ」(ISP)を介して行ってよい。特定の実施形態において、インターネット接続はインターネットへのCMCの直接接続により、又は、インターネットに接続された別の装置を介して間接的に行ってよい。後者の場合、CMCは典型的にはローカル又はワイド区域のネットワーク(LAN又はWAN)を介してこの装置に接続される。特定の好ましい実施形態において、CMCとCDPSサーバとの間のデータの転送速度は一万四千四百ボー(14,400ボー)以上である。しかしながら、より低値のデータ転送速度も使用してよい。
【0128】
当該分野で知られる通り、本明細書に列挙するものに限定されること無く、本発明の実施形態を実施するためには種々のプロセッサを利用してよい。カラーディスプレイが好ましいが、白黒ディスプレイ又は標準的な放送又はケーブルテレビのモニターも使用してよい。特定の実施形態において、CMCは好ましくはWindows(登録商標)3.1、Windows(登録商標)95、Windows(登録商標)NT、Unix(登録商標)、Mac/Appleオペレーティングシステム又はOS/2(登録商標)オペレーティングシステムのいずれかを利用する。しかしながら、コンピュータ的な能力を有さない端末、例えばIBM(登録商標)3270端末又はネットワークコンピュータ(NC)又は限定されたコンピュータ能力を有するもの、例えばネットワークPC(NetPC)をクライアントの収容能力においてインターネットにアクセスするために本明細書に示す実施形態に従って利用してよい。
【0129】
特定の実施形態において、症例管理者は複数の対象の妊娠可能状態を検討するためにCMCを介してCDPSサーバにアクセスする。特定の実施形態において、症例管理者は好ましくは、全対象の活動及びその登録された対象に関するデータ、例えばデータ送信履歴、処方の検討、分析及び調節を、CDPSサーバからダウンロードされた情報を介して検討することができる。CMCにより、症例管理者は、即座の配慮が必要な医学的状態を有する対象が最優先に表示される階層構造の問題点指向型の形式を含め、種々の形式において対象データを検討することができる。特定の実施形態において、CMCは症例管理者が又CDPSサーバに格納された特定の対象データを追加、編集及び削除できるようにしてよい。特定の実施形態において、CMCはまた、各SMSと直接インターフェイスで連絡することにより対象に情報を提供し、そして、そこに含まれる条件特異的なソフトウエアを修飾することができる。
システムセキュリティ
特定の実施形態に従って妊娠可能性の管理が必要な遠隔地在住対象の妊娠可能状態評価データをモニタリングするためのシステムへのアクセスは、症例管理者及び他のユーザーにデータを検討及び/又は編集するための特定の枠内の特権を与えるログオンセキュリティを用いて制御してよい。これらの権利は機密の臨床健康データを検討するための能力を特定のユーザーに限定することができ、そして、何れかの臨床データを編集するか対象妊娠可能性関連養生法又は調節アルゴリズムにおける特定の分野を変更する能力を限定するために使用してよい。同様のアクセス制御は種々のレベルにおいて対象の妊娠可能性又は医学的状態を定義するデータに適用してよい。特定の実施形態において、柔軟な構成及び関連するセキュリティは多くのサブシステムに広がる、遠隔地在住対象の妊娠可能状態をモニタリングするためのシステムの要素であってよい。
【0130】
多くの値に関するデフォルト値及び分類はシステムレベルで提供されてよい。デフォルト値は階層的な様式で修飾してよく、そして種々のレベルにおける独自性を可能にするためにユーザーのアクセス権利により部分的には制御されてよい。特定の実施形態において、検出装置は独特の同定数、例えば試験ストリップID番号又はバーコードでコード化してよい。
操作
特定の実施形態において、対象データはSMSからCDPSサーバにより得られる。CDPSサーバは得られたデータを分析することにより緊急の配慮を必要とする妊娠可能状態にある対象を同定する。CDPSサーバはまた、緊急度又は重症度に応じて同定された対象の状態に優先順位をつける。CDPSサーバは症例管理者に対し、CDPSサーバと連絡しているクライアントを介して、優先順に並べられた同定された妊娠可能状態を有する対象の選択可能なリストを表示してよい。特定の実施形態において、CDPSサーバは各々の同定された妊娠可能状態を治療するための選択肢を、クライアントを介して症例管理者に提示してよい。特定の実施形態において、医師処方又は健康管理専門家処方の妊娠可能性養生法又はその変法をSMSから得られた対象データに基づいて実施してよい。特定の実施形態において、妊娠可能性管理情報を直接対象に、又は対象のSMSに、症例管理者により、中央データ処理システムと連絡しているクライアントを介して連絡してよい。
SMSからのデータの獲得
好ましい実施形態において、CDPSサーバがSMSから対象データを獲得すると、妊娠可能性データ分析がアルゴリズムBにより実施されてよい。特定の実施形態において、CDPSサーバに送信されたデータは迅速な配慮が必要な「緊急事態」妊娠可能状態を同定する目的でデータの送信と実質的に同時に分析する。好ましくは、この分析はCDPSサーバとデータを送信しているSMSとの間にまだ連絡が樹立されている間に実施する。緊急状態が同定されない場合は、SMSから得られたデータをCDPSサーバデータベース(データベースB)内に格納して後の分析及び検索に付す。特定の実施形態において、データベースは対象の集団に渡る比較分析用に得られた情報を含有してよい。特定の実施形態において、緊急状態が同定されれば、どのような行動を対象が取るべきかに関する命令がSMSにダウンロードされる。例えば、対象は特定の行動を即座に取るか、又は、即座に医療上の配慮を求めるように命令されてよい。特定の実施形態においては、CDPSサーバは新しい妊娠可能性養生法をSMSに連絡するか、又は、電話、AVM、e−メール、ファクシミリ送信等により対象に連絡してよい。更に、同定された緊急状態に応答して対象の次の行動過程が変更されるように、SMS内又はCDPSサーバ内に格納された妊娠可能性アルゴリズムに対して変更を行ってもよい。更に、変更は対象の固定又は偶発的な自己モニタリングスケジュールに対して行ってもよい。次にSMSから得られたデータをCDPSサーバデータベース内に格納して後の分析及び検索に付す。
対象データの分析
特定の実施形態において、症例管理者に、1以上の妊娠可能状態を解決するための種々の選択肢が提供される。特定の実施形態において、症例管理者に、対象に接触する選択肢が提供されてよい。症例管理者は電話、e−メール、AVM及びファクシミリ送信により対象に接触してよい。症例管理者に、対象のSMS又はCDPSサーバ内の何れかの妊娠可能性養生法又は自己モニタリングスケジュールを調節する選択肢が提供される。症例管理者が対象のSMS内の養生法を調節するように決定した場合、本発明はCDPSサーバと対象SMSとの間に連絡が樹立される次回にCDPSサーバを介してこの修飾を促進する。特定の実施形態において、対象は、症例管理者により行われた修飾を受信するためにSMS及びCDPSサーバの間に連絡を樹立するようにプロンプトされてよい。
【0131】
特定の実施形態において、症例管理者は対象に健康管理提供者の訪問の予定を立てさせる選択肢、又は、専門的な妊娠可能性の医学的インプットを模索する選択肢が提示されてよい。これらの選択肢が選択されれば、本発明は健康管理提供者を訪問するように対象に予定を立てさせること、又は、医療専門家からインプットを得ることを促進する。特定の実施形態において、症例管理者は特定の妊娠可能状態に対して行動は必要ではないことを提示してよく、そして、入手可能なデータを検討した後に特定の対象に関する活動的な状態のリストから同定された妊娠可能状態を除去してよい。特定の実施形態において、操作はCDPSサーバへのSMSからのデータの送信の直後にCDPSサーバにより実施される。
対象への治療情報の連絡
特定の実施形態において、症例管理者はメッセージが対象のSMSにダウンロードされるか、電話、AVM、e−メール及びファクシミリ送信により送信されるように選択及び/又は調整してよく、これは正しい挙動を強化するか、誤適合された挙動を改変するように設計されている。
【0132】
特定の実施形態において、症例管理者は医師又は健康管理専門家の職場訪問の予定を立てるように対象に求めるメッセージを構成してもよく、そして更に又SMS送信スケジュールを改変してよい(これは次回送信の後に影響し得る)。特定の実施形態において、職場訪問予約の予定を立てることに関する特殊メッセージは、指名された専門家との面会予約を取るように対象に求め、その電話番号を示すものである。特定の実施形態において、SMSは予約を取ったかに関して毎日対象に照会し、そして次に予約日がCDPSにアップロードされるように誘導する。予約日が受理された後、SMSは予約が実際に確保されているかどうか確認するように対象に照会することができる。
【0133】
症例管理者が対象の妊娠可能状態又は処方に関する質問を有する場合、症例管理者はユーザーインターフェイスを使用して医療専門家からのインプットを模索してよい。特定の実施形態において、症例管理者は電話、e−メール、AVM及びファクシミリ送信などの種々の方法において対象と連絡してよい。特定の実施形態において、本発明は対象に対して指向されたテキストメッセージ、手紙、ファックス及びe−メールなどのテキスト系連絡に包含させるための予め構成されたテキストを提供する。特定の実施形態において、症例管理者は診療室の担当者又は健康管理に関与する他の提供者との対象の面会予約を促進して追跡するために本発明を利用してよい。対象の面会予約の予定を立てる決定がなされた後、予定された面会予約日時の記録がCDPSサーバにインプットされるまで、周期的なフォローアップを必要とするシステム作業残余を発生させてよい。症例管理者は、対象のSMSを用いることにより予約を取るように対象にプロンプトしてよく、そしてその後、それがなされた後に面会予約日を対象に照会してよい。他の接触方法を使用して対象に面会予約を取るようにプロンプトし、その後、日時に関して症例管理者に通知してよい(例えばe−メール、AVM、電話及びファクシミリ送信による)。特定の実施形態において、SMSはまた面会予約の遵守を評価するために用いてよい。特定の実施形態において、本発明はまた面会予約の遵守(対象がその面会予約を確保しているかどうか)を追跡する。特定の実施形態において、健康管理提供者は面会予約が対象により確保されていることを確認するため、そして、CDPSサーバに関連する実験又は検査のデータを供給するために連絡を送ることができる。CDPSサーバに直接アクセスできない提供者との面会予約遵守を追跡するためには、症例管理者は書簡及び関連のフォローアップ残余を作製することにより、所望により確認及び関連する臨床データを得てよい。
【0134】
特定の実施形態において、現在の対象データセットをより早期のデータと、そして、他の適切な対象のデータと比較するために、パターン分析、多重回帰、時間シリーズ及び他の型の分析を利用した統計学的分析を場合により実施してよい。
【0135】
特定の実施形態において、毎日データを入力し、そしてグラフィックディスプレイを得るためにコンピュータプログラムを使用する。コンピュータプログラムは妊娠可能性モニタリングのためのデータを解釈するためのアルゴリズム、並びに、試験の実施の詳細に関するヘルプにユーザーがアクセスできるためのメニューを有する。プログラムはユーザーモード及びアドバイザーモードを有する。ユーザーモードはユーザーが自身のファイルをアドバイザーにe−メールできるようにし、そしてアドバイザーがそれをアドバイザーコピー内に開き、周期を明確化できるようにする。アドバイザーモードもまたデータベースにアクセスできる。本発明の別の態様は、個体の妊娠可能状態に関してユーザーと中央アドバイザリー設備との間のデータの連絡のためのシステムを包含する。同様に、データ解釈アルゴリズムを有するウエブ系インターフェイス及びクライアントビリングインターフェイスも提供される。
方法
本明細書に記載する本発明は雌性動物(例えば哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、魚類等)における排卵周期状態を決定するため、又は妊娠可能性を測定するために使用してよい。典型的には動物は哺乳類、例えばヒト、家畜動物、非家畜動物、牧場動物(例えばウシ又はウマ)及び愛玩動物である。
【0136】
本明細書に記載するアッセイについては、雌性動物が定期的な月経周期を呈する必要は無い。特定の実施形態において、以前の月経周期からの情報は妊娠可能性のモニタリングにおいては使用しない。本明細書に記載するアッセイは、例えば、正常周期の妊娠の達成又は回避、授乳後の妊娠可能性の回腹、閉経への接近、不妊の管理、ゴナドトロピン療法等に使用できる。
【0137】
特定の実施形態は卵巣周期をモニタリングするのに有用な迅速で非侵襲性の、実験室における正確な試験に関する。本明細書に記載するエストロングルクロニド及びプレグナンジオールグルクロニド試験は卵胞の生育及び黄体の樹立に関する指標である。例えばエストロングルクロニド排出速度が増大すれば、卵胞が生育中であることが高度に確実である。プレグナンジオールグルクロニド排出速度が増大すれば、黄体形成が少なくともある程度まで起こっていることが高度に確実である。月経周期の指標として作用するプレグナンジオールグルクロニドの閾値の範囲が特定の実施形態において使用される。参照により本明細書に組み込まれるVigil,P.等のFertility and Sterility,S167,(1998)及びBlackwell,L.F.等のSteroids,63,5.(1998)に記載されている閾値を使用してよい。
【0138】
特定の実施形態において、エストロングルクロニド及びプレグナンジオールグルクロニドは各々検出又は定量される。他の実施形態において、測定される唯一の検体はプレグナンジオールグルクロニドである。本明細書に記載した大部分の用途において、エストロングルクロニド及びプレグナンジオールグルクロニドが測定すべき最も有用な検体である。しかしながら、他の検体も測定してよい。卵胞刺激ホルモン(FSH)及び黄体形成ホルモン(LH)は上昇するが、卵巣事象が例えば超音波又は機能試験により確認されない場合は、以下の事象は推測されるが照明されない。例えば排卵を伴うことなく黄体形成ホルモン急増/上昇を有する場合がある。また、検出可能な尿中黄体形成ホルモン急増/上昇を有さないが、排卵がなお起こっていることがプレグナンジオールグルクロニド及びエストロングルクロニドの排出パターンにより示される場合もある。
【0139】
他の態様において、尿からの特定のホルモンの代謝産物の排出速度を決定する。1時点以上において得られた排出速度又は他のデータを例えば特定の動物、特定の個体、又は個体のセットから得られたデータの編集物と比較することができる。そのようなデータの編集物は例えば基準曲線又はグラフ、電子データベース等の形態であってよい。特定の検体に関する、特に動物種における、種々の条件下の排出速度のデータ編集物が本明細書において提示される。例えば、ヒト及びウシにおける周期的尿試料から得られたエストロングルクロニド及びプレグナンジオールグルクロニドに関する基準曲線を本明細書において提示する(実施例4及び6;図4、図5、図7A及び図7B参照)。参照により本明細書に組み込まれるBrown,J.B.等、Progr.Biol.CLin.Res.,285,119.(1988)に記載されているヒトにおける基準曲線を利用してよい。
【0140】
種特異的検体データベースは独特であり、特性の動物における排卵周期状態を決定するための正確なデータベースを与える場合に特に適している。例えば、特定の実施形態において、少なくとも1のウシ排卵周期に関するエストロングルクロニド及びプレグナンジオールグルクロニドの排出速度が提供される。ウシエストロゲン代謝産物及びプロゲステロン代謝産物の値のこの編集物もまた電子データベースとして提供される。
【0141】
特定の実施形態において、試料のために使用される体液は尿であり、そしてこれは特定の時間間隔に渡って収集される。適当な時間間隔は、例えば、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、そして最大24時間を包含する。他の時間間隔、例えば上記した時間間隔の画分、又はより大きい時間間隔も使用してよい。一部の実施形態において、尿は少なくとも3時間の期間に渡って収集される。別の実施形態において、尿は少なくとも3時間の期間に渡って収集され、そして尿試料の容量を測定し、次に、収集期間の時間間隔に相当する規格化された容量に調節される。試料容量を規格化する工程は特定の検体の排出速度を定量するよりも前に実施してよい。例えば、特定の実施形態において、尿試料の容量はエストロゲン代謝産物及びプロゲステロン代謝産物に関する排出速度を決定するよりも前に規格化する。
【0142】
特定の実施形態において、尿は少なくとも3時間の期間に渡ってヒト女性から収集され、そして容量は約150ml/hrに等しい規格化された容量に調節される。他の試料容量調節も可能であり、例えばヒト女性からの尿収集を調節すること、及び、約100ml/hr、約200ml/hr、約250ml/hr、約300ml/hr、約350ml/hr、約400ml/hr、約500ml/hr、約1000ml/hr等に等しい規格化された容量に調節することを包含する。別の容量調節又は希釈を行ってもよい。試料容量及び/又は排出速度はコンピュータアルゴリズムにより調節又は規格化してよい。体液(例えば尿、乳汁)を非ヒト雌性動物から収集する場合は、何れの試料容量調節も典型的には動物及び体液に応じたものとなる。
【0143】
特定の実施形態において、エストロゲン代謝産物及びプロゲステロン代謝産物の排出速度はある設定の時間間隔で毎日定量される。適当な時間間隔は例えば、約2〜約4日、約2〜約5日、約2〜約6日、約2〜約7日、約2〜約8日、約2〜約9日、約2〜約10日、約2〜約12日、約2〜約15日、約2〜約20日、約2〜約25日、約2〜約28日、及び、約2〜約30日の間を包含する。
【0144】
別の態様において、排卵周期状態に関して得られた情報を用いて、該雌性対象の月経周期内における最適な妊娠可能性に対する時間枠を決定することを含め、雌性動物における妊娠可能性を測定する。即ち、本発明の種々の態様は該雌性対象のインビトロの妊娠を実施するための最適な妊娠可能性に対する時間枠を決定するために有用である。
【0145】
特定の実施形態において、エストロゲン代謝産物及びプロゲステロン代謝産物の排出速度はある設定の時間間隔で毎日定量される。適当な時間間隔は例えば、約2〜約4日、約2〜約5日、約2〜約6日、約2〜約7日、約2〜約8日、約2〜約9日、約2〜約10日、約2〜約12日、約2〜約15日、約2〜約20日、約2〜約25日、約2〜約28日、及び、約2〜約30日の間を包含する。
【0146】
別の態様においては、排卵周期状態に関して得られた情報を用いて、該雌性対象の月経周期内における最適な妊娠可能性に対する時間枠を決定することを含め、該雌性動物における妊娠可能性を測定する。即ち、本発明の種々の態様は該雌性対象のインビトロの妊娠を実施するための最適な妊娠可能性に対する時間枠を決定するために有用である。
【0147】
特定の実施形態において、1以上のホルモン代謝産物を1日以上、又は毎日、所望の期間中測定する。エストロングルクロニドの統計学的に有意な増大が起こっているかどうかについて、信頼性のある決定を行うために、例えば1時点〜1時点以上においてエストロングルクロニド及びプレグナンジオールグルクロニドの排出速度を分析するために使用するアルゴリズムが本明細書において提供される。アルゴリズムはストリップアッセイから求められたエストロングルクロニド及びプレグナンジオールグルクロニドのレベルを分析するための1以上の閾値を設定するために使用できる。これらの閾値から、臨床検査室において実施される試験と同等の精度で、妊娠可能状態に関する種々の予測を診療地点、自宅又は臨床現場において行うことができる。
【0148】
PdG排出速度閾値は、それが実質的にはこれまで到達又は超過されず、そして介在する月経出血を伴うことなく排卵が後続するPdG排出のレベルを示すことから、実質的に全ての女性に適用されるように決定することができる。特定の実施形態において、これはPdGについて7μmol/24hの排出速度で設定される。この値は黄体期不妊の開始を呈するための閾値として使用される。PdGの排出速度がこの値以上になれば、周期がもはや妊娠可能性ではなくこれ以上の試験は必要ないという判断がなされる(参照により本明細書に組み込まれるBlackwell,L.F.等、Steroids,63,5.(1998)参照)。
【0149】
E1Gの排出速度に関する閾値もまた特定の実施形態において有用である。E1G排出速度の統計学的に有意な上昇及びそれに後続するE1G排出速度の低下は、参照により本明細書に組み込まれるBlackwell,L.F.等、Steroids,57,554(1992)に記載の通り、成長中の卵胞の存在を示し得る。卵胞が成長を開始すれば、それは2つの可能な宿命、即ち継続して排卵に至り、その時点でE1G排出速度の急激な低下が生じるか、又は、閉鎖によるもので、その場合は、やはりE1G排出速度の急激な低下が生じる場合もある。PdG排出速度が所定の閾値以上にまで上昇すると、排卵が起こっている可能性が高いと判断される。このことはPdGについては10μmol/24hと設定され得る所定のレベルをレベルが超過するまで、PdGのモニタリングを継続することにより確認できる。
【0150】
実際には、E1G排出速度の閾値の使用は、E1G排出速度が異なる女性の間ではより変動性が高いため、試験において適用することはより困難となる。また、エストロングルクロニドに変換される卵巣エストラジオールの画分は個体間で変動する。特定の実施形態において、これらの問題は、参照により本明細書に組み込まれるBrown,J.B.及びBlackwell,L.F.のThe Ovarian Monitor.Instruction Manual. Ovulation Method Reference and Research Centre.Melbourne,Australia(ISBN09084820305)(1989)に記載されているとおり、個々の女性に対してE1Gの排出速度を決定し、これを妊娠可能性期の開始のマーカーとして使用することにより無くすことができる。
【0151】
特定の実施形態において、E1G及びPdGの両方に関する排出速度を直列させて測定することにより妊娠可能性スペクトルにおける一般的位置の決定を提供する。E1G及びPdGの両方の排出速度が共に所定の閾値未満である場合、女性が早期の卵胞不妊期にあるか、又は無月経の状態(月経期不在)にあると判定できる。所定のE1G閾値を超過すれば、所定のPdG閾値を超過しない場合には、女性が妊娠期にあると判定できる。この所定のPdG閾値を超過すれば、女性が黄体期不妊期にあり、その周期においてはもはや妊娠できないと判定できる。
【0152】
特定の実施形態において、特定の検体の排出速度を検体モニタリング装置と連絡している中央データベースに格納する。検体モニタリング装置は、例えば有線又は無線の接続を介して中央データベースに連絡していてよい。
【0153】
特定の実施形態において、エストロングルクロニド及びプレグナンジオールグルクロニドの排出速度が共に所定の閾値以下である場合、女性が不妊状態にあると判定できる。エストロングルクロニドの排出における統計学的に有意な上昇が生じるか、又は、排出速度が特定の閾値以上にまで上昇したがプレグナンジオールグルクロニドが特定の閾値以下であれば、女性が潜在的に妊娠可能状態と判定される。プレグナンジオールグルクロニドが閾値レベル以上に上昇すれば、女性が排卵していると判定できる。プレグナンジオールグルクロニド排出速度はまた、黄体の質、黄体期の不全、十分又は短期であるかどうかの指標にもなる。
【0154】
本明細書に記載する検体排出速度を決定する1つの方法は尿容量調節を適用することを含む。特定の実施形態は尿容量の補正を利用する。尿容量補正はインサイチュで尿試料を希釈することにより実施できる。そのような方法では先ずユーザーに対し時限的尿試料を収集する方法を指導する。24時間の期間に渡る検体排出速度が比較のためには有用であり得るが、24時間未満の収集時間も使用してよい。雌性対象(例えばクライアント/ユーザー)は収集時間に従って較正されている容器内に、時期開始時の初回排出は除くが時期終了時の最終排出は包含する全ての尿を収集してよい。次に試料を水(水道水又は蒸留水を提供できる)で希釈して最も近い15分間に対し150ml/hrの収集量とする。即ち、特定の実施形態において、3.5時間収集物を希釈して約525mlとし、そして希釈試料の小区分のみをアッセイ用に保持する必要がある。
【0155】
1つの実施形態において、妊娠可能性モニターは試験ストリップに固定された試料容量を与える試料分注器を含む。別の実施形態において、妊娠可能性モニターは調節された、又は規格化された試料容量を試験ストリップに提供する試料分注器を含む。代替の実施形態において、尿容量補正は、アルゴリズムを適用することにより値を調節し、これにより排出速度を求めることにより行う。アルゴリズムは例えば、コンピュータプログラム又はインターネット系であってよい。例えば、コンピュータプログラムは、システムの使用に関する情報を提供するため、及び毎日データを表示可能とするために、ホームユーザーにより使用され得る。
【0156】
尿容量の変動を補正するためには、尿を規格化する測定を実施することが必要である。1つの実施形態において、これは固定された時間の期間に渡って尿の全てを収集すること、及び全ての尿が収集の時間当たり同じ総容量を有するように一定容量に希釈することにより達成される。動物の場合これは不可能である。従って、これらの場合においては、ホルモン濃度のデータの規格化することができる測定を行う必要がある。
【0157】
そのような測定の1つはクレアチニンである。これはJaffe反応及びそして各日のホルモン濃度を尿中のクレアチニンの量で割ったものにより測定できる。図13はそのような計算によるPdGプロフィールに対するスムージング作用を示す。
【0158】
別の態様において、尿試料容量補正は試料に対して行う比重決定を参照しながら行う。この測定は本明細書に記載するモニタリング装置の任意の成分により行うことができる。試料の比重は試料の屈折率の測定を介して決定する。屈折率を用いて試料の濃度を計算し、これを用いて検体排出速度を計算する。
【0159】
代替法は補正を行うために比重を使用することである。例えば、150ml/hに希釈した尿試料の平均の比重が既知であれば、次に希釈因子を何れかの尿試料に対してその比重に基づいて算出することができる。これを月経周期に対して行い、そして通常の希釈試料と比較した場合のこれに基づいてPdG排出速度を求めた。結果は図14に示す。
酪農関連の操作法
別の態様において、本明細書に記載した排卵周期モニタリング法及び装置は非ヒト動物種に対して使用される。特定の実施形態において、該当する発情期と排卵の周期とを検出、モニタリング又は分析することを含む動物の妊娠可能性状態を決定するための方法が提供される。酪農産業においては、ウシにおいて若雌が二次性徴期(初回排卵)に達した後、又は、分娩後の発情休止期(発情周期が無い期間)の後、発情周期発生期間が開始される。発情周期は若雌すなわち雌性ウシに対して妊娠する機会を約21日毎にもたらす。各発情周期の間、卵胞は波状パターンにおいて発達し、これはホルモン濃度の変化により制御される。更に、黄体(CL)が卵胞の排卵の後に発生する。それが存在している間はこの黄体CLは他の卵胞が排卵されることを抑制する。各発情周期の長さは各直立発情期の間の日数により測定される。
【0160】
発情休止は正常な発情周期を動物が呈さない場合に生じる。これは若雌では二次性徴期に達する前、及び、分娩(分娩)後の雌性ウシにおいて生じる。発情休止期中は、正常な卵胞波が生じるが、直立発情及び排卵は起こらない。従って、発情休止期中は若雌又は雌性ウシは妊娠できない。直立発情、別称直立熱(standing heat)は各発情周期の最も目視し易い兆候である。これは雌性が性的受容性である期間である。ウシにおける発情は通常は約15時間持続するが、6時間未満〜概ね24時間の範囲に変動する場合がある。ウシにおいては、雌が直立し他の動物によるマウンティングを可能にする期間が性的受容期間である。雌性動物は徐々に直立発情に進入する。直立発情の前には神経質で落ち着きが無くなる(例えば雄ウシを探して柵沿いに歩行するか、通常よりも多く啼く)。雄ウシ又は他の雌ウシによりマウンティングされるべく直立する前に、通常は他の動物にマウンティングしようとする。これらの兆候は直立発情が起こるまで進行する。雌ウシが直立発情中である可能性を示す他の兆候は、尾部尖端の粗放性、明確な膣粘液放出及び外陰部膨大である。しかしながら、雌ウシが発情していることの唯一の決定的兆候は他の動物にマウンティングされるべく直立していることである。直立発情の後、存在する排卵卵胞は典型的には排卵し、それが含有している卵を放出する。優性な卵胞の破裂は排卵と称され、そして直立発情開始後24〜32時間に起こる。排卵卵胞からの卵の放出の後、卵は雌性生殖管内に進入し、雌が交尾していれば妊娠する。各直立発情の後、新しい発情周期が開始される。通常周期の動物においては、各直立発情の間の間隔は約21日(図2)のはずであるが、正常な発情周期の長さの範囲は17〜24日である。生殖効率を評価する場合、直立発情の間隔が17〜24日であることを理解することが重要である。次の(期待される)発情期の前の3〜4日は血清中プロゲステロンレベルが急激に低下する。これはPdG排出速度をモニタリングすることにより尿中で明確に観察される。
【0161】
特定の化合物(例えばホルモン、代謝産物等)は本明細書においては以下の通り略記する。E1G−エストロングルクロニド;PdG−プレグナンジオールグルクロニド、PMP−常磁性粒子、MES−2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸、ナトリウム塩、EDC−1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、Mab−モノクローナル抗体、Ab−抗体、BSA−ウシ血清アルブミン、EDTA−エチレンジアミン4酢酸、PEG−ポリエチレングリコール、DCC−ジシクロカルボジイミド、NHS−N−ヒドロキシスクシンイミド、DMF−ジメチルホルムミド、T−試験、C−対照、MAR−磁気試験読み取り機又は磁気試験読み取り、SD−標準偏差、RIA−ラジオイムノアッセイ、ELISA−酵素結合免疫吸着アッセイ、OM−卵巣モニター、LH−黄体形成ホルモン、HMG−ヒト閉経ゴナドトロピン、IU−国際単位、GT−ゴナドトロピン、HCG−ヒト絨毛性ゴナドトロピン、EDO−排卵推定日、ΔT−卵巣モニター送信単位の変化、BIP−基礎不妊パターン。
【0162】
以下の実施例は限定目的ではなく、説明目的に提示する。
【実施例】
【0163】
(実施例1)ポリクローナル抗−PdG213−5抗体−金コンジュゲートの製造
ポリクローナル抗−PdGAb213−5はオクタン酸沈殿とその後の硫酸アンモニウムカットにより部分的に精製した。抗体を10mMリン酸塩緩衝液pH7.4で1/10希釈した。金試料はBritish Biocell Internationalの40nm微小球から作製し、0.02MKCOでpH7.8に調節した。金溶液(10mL)をAbの1/10希釈駅100μL+10mMリン酸塩緩衝液(pH7.4)400μLに添加し、ボルテックス混合し、そして室温で5〜10分間放置した。ブロッキング緩衝液(10mMリン酸塩pH7.4緩衝液中10%BSA300μL)を添加し、溶液を激しくボルテックスしながら混合し、そして10分放置した。次に混合物を1時間6000rpmで遠心分離し、上澄みを廃棄し、沈殿を保存緩衝液(アジドを添加したPBS中2%BSA)1mLで3回洗浄した。コンジュゲートを保存緩衝液1mLに再懸濁した。微小球との抗体のコンジュゲーションは参照により本明細書に組み込まれるHenderson K.and Stewart J.,Reprod.Fertil.Dev,12,183−189(2000)に記載の通り実施した。
【0164】
(実施例2)ヒトにおける妊娠回避および妊娠達成のための方法
妊娠回避
成長中の卵胞はE1Gの毎日の排出速度を増大させることによりその存在をシグナリングする。参照により本明細書に組み込まれるBlackwell,L.F.and Brown J.B.,Steroids,57,544(1992)。排卵はE1G排出速度の最高値および上昇するPdG排出速度により示される。参照により本明細書に組み込まれるBlackwell,L.F.等、Steroids,63,5(1998)。黄体は急速に上昇するPdG排出速度により示される。正常な周期は3つの逐次的な期、即ち(1)E1G及びPdG両方の排出の低速度の継続により示される卵巣が静止期(又は不活性)である場合の可変長の不妊期(I);(2)E1G排出速度の初回の統計学的に有意な上昇があるがPdGの排出速度はなお低値であることにより示される、卵がその生命支援システム(卵胞)中で生育している場合の可変長の妊娠可能期(F);及び(3)7μmol/24hの閾値を超過する急速に上昇するPdG排出速度により示される、卵胞が黄体となる排卵後の固定された長さ(10〜14日)の第2不妊期(IL)よりなる。
【0165】
PdG排出速度が16〜18日後になお上昇していれば妊娠の可能性がある。順序はI、Fそして次にILであるが、排卵が起こり、そしてPdG排出速度が上昇している場合のみである。データは常磁性読み取り機によりストリップから読み取られ、そして読み取り機に格納される。読み取り機はストリップのバンド強度を相当するE1G又はPdG濃度にバンド強度を関連付ける標準曲線又は検量線と比較する。標準曲線は読み取り機に格納され、そして使用されるべきストリップのバッチ同定情報に適用される。ある範囲の標準曲線を典型的には適用する。尿試料が時限性であり、150ml/hrに希釈される場合、排出速度は時限性で希釈された尿試料を用いて樹立された標準曲線から直接得られる。ストリップからの読み取りは読み取り機のCPUに格納され、そして一部のPdGハーフストリップについて下記に示す通り周期日又は日付とともにアレイとして格納される(表1)。ハーフストリップは吸着パッドを有し、そして対照及び捕捉の系統の両方を取り込んでいる。尿及び抗体試薬をウェル内で混合し、そしてストリップをウェルに浸積する。一方、全ストリップを使用する場合は、抗体試薬は典型的にはコンジュゲートパッド上で乾燥し、ストリップを唯一の液体成分として尿中に浸積する。
【0166】
(表1.CPU中に格納されたPdGストリップデータ)
【0167】
【表1】

正常なヒトの月経周期をモニタリングする方法を以下の工程を用いて実施する。(1)出血の初日(又は現在出血している日)を入力する;(2)モニターが第6日に試験を開始すべきことをシグナリングする(周期の最初の5〜6日には妊娠が起こる可能性は殆どない);(3)試験はF(妊娠可能)又はI(不妊)をシグナリングする;(4)Iが示されれば、F(E1G排出速度において統計学的に有意な上昇による)が示されるまで試験を継続し、そして次に5日間中断する。Fがすでに5日間待機していれば、さらに進んで工程5;(5)試験を再開し、ILがシグナリングされるまで継続する(上昇中のPdG排出速度による);(6)次に試験を停止して出血が起こるのを待ち、起こった時点で手順を再開する。
【0168】
「正常」周期には多くの変形例が可能であり、全てが実際に異常ではない。すべては同じ試験システム及び同じ原則によりカバーされ得る。無排卵周期はストリップで測定した場合のE1G及びPdGの何れかの排出速度の上昇がないことを示す。IがFに変化するまで試験し、次に上記した通り継続する。正常な周期の別の変形例は数個の卵胞が潜在的に成長を開始し、そして1つが排卵する前に死滅する場合に起こる(ベースラインを超えたE1G排出速度の変動により示される)。この場合、E1G排出速度は上昇しているが、このあとにPdG排出速度が上昇するまでILが示されることはないため、Fが示されることになる。従って試験は更に多くの日数継続する必要がある。Fがシグナリングされたのち5日間待機することができ、そしてILが次の2日間以内に後続しなかった場合は、さらに5日間待機し、そして再試験をすることを繰り返す。
妊娠達成
正常周期の場合と同様、ただし、「周期中間の」E1Gピークが観察されるまで、そしてこの値からE1G排出速度が低下する日に交接の日程を合わせる。ストリップから測定された排出速度はこれを最も妊娠可能性の高い日(Pk)としてシグナリングする。18日後の試験では妊娠が発見されると考えられる。ストリップから測定したPdG排出速度がなお上昇していれば、妊娠が示され、そして妊娠試験が行われることになる。妊娠が起こっていなかった場合、完全な周期のモニタリングが推奨され、そして低減した妊娠可能性の型が試験により測定されたPdG排出速度の絶対レベルから同定されることになる。
【0169】
(実施例3)初回E1G上昇の同定のためのアルゴリズム
Blackwell L.F.and Brown J.B.,Steroids Nov;57(11):554−62に記載のTriggの追跡信号アルゴリズムの適合である正常周期の初回E1G上昇の同定方法が開発されている。追跡信号アルゴリズムはE1G上昇の予測的検出を与えるために改変されている。方法を実施するには、先ず、4つの開始パラメータを求める。このアルゴリズムのための開始パラメータはi)指数的に平滑化された平均の初期値(ESA(0))、ii)平均の平均偏差の初期値(MAD(0))、iii)予測誤差の初期値(FE(0))及びiv)平滑化された予測誤差の初期値(SFE(0))を包含する。FE(0)及びSFE(0)はゼロ値に設定できる。典型的には、ESA(0)及びMAD(0)はベースライン期がある場合は周期の最初の6ベースライン日から計算する。この場合、追跡信号は6日後に警告を与えることができるのみである。前回の周期から、又は集団平均から、特定の女性に対してESA(0)の値を測定手順における初回E1G排出速度として設定し、そしてMAD(0)を平均値に設定する場合、E1Gデータの毎日の予測分析が与えられる。平滑化定数(α)は6日間の仮説的ベースラインに相当する値において設定される(0.286の値(N=6))。統計学的有意性は後期の日よりもむしろ早期の日にE1G排出速度における初回の統計学的に有意な上昇を認識する方が良いということに基づいてE1Gデータに対して設定する。選択された平滑化定数については、追跡信号0.72がE1G排出の有意な上昇が起こっていることの95%累積確率を表す(参照により本明細書に組み込まれるBatty M,Operation research Quaterly,20:319−325(1969)を参照)。
【0170】
E1Gの初回上昇の同定は図3に示す通りである。ESA(0)値は22.3μmol/24h(E1G排出速度について記録された最初の値)に設定し、そして、MAD(0)はこの女性に関する排卵前周期データの平均値である10.0に設定した。0.85の追跡信号を周期第7日におけるE1Gデータについて計算され、従ってこれを潜在的妊娠可能期間の開始として使用している(95%信頼レベルにおいて初回の統計学的に有意なE1Gの上昇の日)。追跡信号は初日から周期各日について計算しており、したがってアルゴリズムは正確に予想される。ベースライン計算は必要ではない。PdG排出速度の上昇は単にすべての女性に適用される7μmol/24hの閾値との比較により測定する(参照により本明細書に組み込まれるBlackwell,L.F.等、Steroids,63,5(1998))。
【0171】
(実施例4)標準曲線
時限及び希釈ヒト尿試料について使用するためのE1G及びPdGの標準曲線を図4及び5に示す。図4はE1G卵白アルブミンコンジュゲートを噴霧しているストリップから得たE1Gに関する標準曲線である。図5は捕捉物質としてのPdG−BSAをストリップに噴霧しているPdGに関する標準曲線である。ハーフストリップ(コンジュゲートパッドを欠失している)により得られたデータを導入されたE1G又はPdG代謝産物のレベル(24時間当たりの量の単位において)に対してプロットすることにより標準濃度に対するストリップにより得られた信号の関係を示す。即ち、これらは尿中濃度を読み取ることができるストリップを用いて得られた検量線である。両方の曲線の感度は時限尿試料を用いながらE1G及びPdGの月経周期レベルを測定するのに十分である。このようにして得られたE1G及びPdGの排出速度の月経周期プロフィールを図6に示す。
【0172】
(実施例5)E1G及びPdGのヒト月経周期プロフィール
ヒト月経周期プロフィールを図6に示す。次に色強度の読み取りに関するストリップにより月経周期を分析することにより、E1G及びPdGに関する以下の月経周期プロフィールを得た。PdGのデータはE1Gのピークが検出された後に収集するのみとした。この周期について、初回の統計学的に有意なE1G上昇は第11日に観察され、E1Gピーク日は周期第15日であり、排卵後不妊の開始は周期第19日であり、妊娠可能期間は8日となった。
【0173】
(実施例6)ウシ妊娠可能性測定
ヒトデータの場合と同様、相当する標準曲線を乳牛由来の尿試料を用いて得た(図7A及び7B)。E1G及びPdGデータはELISAアッセイを用いて得た。図7AはE1Gの標準曲線を示し、図7BはPdGの標準曲線を示す。
【0174】
ウシの一日当たりE1G及びPdG排出速度プロフィールの雌ウシ由来のものを図8に示す。一日当たりのデータはウシ68から得られたものであり、そして、図はこの期間におけるE1G及びPdGの排出を示している。PdGのデータは前回の周期由来の黄体を示す。これは次回のブリングの4日前に顕著な低下を示す。E1G排出速度はおおむね黄体消滅開始時にピーク値に達するため、両方の信号がこの雌ウシのこの周期においては次回のブリングの約4日前に起こる。
【0175】
図9は二回目に無排卵となった雌ウシ68に関する2つの連続した周期を示す。1回目の周期は上記したものと同様である。これらの周期はすべてクレアチニン排出を用いることにより尿容量の変動について補正してある。明らかに、二回目の周期には有意なE1Gの排出は観察されず、そしてその後のモニタリングでも第45日〜59日にPdGの上昇は観察されず、その無排卵の性質を確認していた。図9はクレアチニン又は比重の何れかにより尿容量に関して補正した場合の尿中のE1G及びPdGのデータから得られたデータの効力を示す。図9において、2個目の黄体(第29日〜45日のPdGレベルの上昇により示される)はE1Gの前回の上昇に起因しており、これは優性な卵胞の存在を示している。初回PdGピーク(第7〜23日)は前回の卵胞から生じており、これはモニタリング開始より前に存在していたはずである。第3周期が期待された場合はPdGの上昇が顕著となる。また、E1Gの上昇は第2周期において顕著となった。即ち、この雌ウシは一部の女性と同様、第3周期では排卵しなかった。
【0176】
次回の発情の予測される発生は第22〜25日および第41〜45日にPdGの極めて急激な減少により示される。即ち、このパラメータは次回発情を予測する場合には有用であるが、一部の周期においてはこのPdGの急激な低下には排卵が後続しない。第45日の後のPdGの上昇がなかったことがこの事実を証明している。尿容量に関する補正を行わない場合、初回周期におけるPdGに関する濃度の生データは発情の予測を可能とはしない(図10)。次回の発情が第11日〜25日のこれらのPdG値から予測できないことは明白である。尿容量の変動に関する補正及び排出速度に近づくパラメータの計算の利点は雌ウシ228に関する図13からも明らかである。この雌ウシに関しては、次回の発情は濃度の生データにおける低下から示され得るが、クレアチニンで補正した後は明らかにより明白となる。
【0177】
ウシに関する代替の操作法は、ストリップを用いて同じ尿試料においてE1G及びPdGの両方を測定し、そして尿容量における変動の影響が消失し得るE1G/PdGを計算することである。この比の影響及び動物のブリング挙動とのその関連を図11に示す。破線は牧場主の報告によるブリング挙動を示す。E1G/PdGのピークとブリングとの間には良好な合致が観察される。しかしながら、ホルモンデータが無排卵を示している第2周期(第25〜60日)においては比からはブリングが予測されなかったが、動物は依然としてブリング挙動を示していたことに留意しなければならない(疑似発情)。プレグナンジオールグルクロニドはまた雌ウシ68に関して図12に示す通り乳汁中にも検出され、尿のデータを反映していた。しかしながらレベルははるかに低値であり、そして、乳汁容量の変動に関する補正は行っていない。
【0178】
最後に、ラテックスビーズコンジュゲートを用いてハーフストリップによる決定の前に尿試料を希釈することの根拠として比重を用いることの影響が図14に示されている。図14は比重による希釈が150ml/収集時間にまで希釈した尿を用いた場合に得られたものと同様のプロフィールを与えることを示している。プロフィールはこれらの標準曲線上でその精度の限界において標準曲線から読み取られる最高の値を除き、同様である。
【0179】
実施した1つの実験において(図示せず)、4匹の雌ウシを試験し、そして4匹の雌ウシ中3匹が交尾により妊娠し、それは21日後にPdGの上昇したレベルにより検出された。即ち、動物の発情/排卵の周期の正確な検出、モニタリング及び調整は生殖管理の有効性を増大することができる。
【0180】
(実施例7)容量調節
クレアチニンに基づいた容量調節によるPdGのプロフィール
尿容量の変動を補正するためには、尿を規格化する測定を実施することが必要である。1つの実施形態において、これは固定された時間の期間に渡って尿の全てを収集すること、及び全ての尿が収集時間当たり同じ総容量を有するように一定容量に希釈することにより達成される。動物の場合これは不可能である。従って、これらの場合においては、尿中のクレアチニンの量との比較によってホルモン濃度データを規格化し得る測定を行う必要がある。これはJaffe反応及びそして各日のホルモン濃度を尿中のクレアチニンの量で割ったものにより測定できる。図13はそのような補正によるPdGプロフィールに対するスムージング作用を示す。全般的プロフィールは尿容量補正を行わなくてもこの雌ウシに関しては認識可能であったが、クレアチニン補正を用いる場合が明確に良好となる。PdG/クレアチニンのほぼ10倍の低下は後続するPdG排出上昇により示されるとおり、第23日付近で起こった次回の発情の予測された開始を示している。
比重に基づく容量補正によるPdGプロフィール
代替法は補正を行うために比重を使用することである。例えば、150ml/hに希釈した尿試料の平均の比重が既知であれば、次に希釈因子を何れかの尿試料に対してその比重に基づいて算出することができる。これを月経周期に対して行い、そして通常時の希釈試料と比較した場合のこれに基づいてPdG排出速度を求めた。結果は図14に示す。図15はPdGの上昇と低下の連続した周期を示し、そして第3周期において雌ウシを交尾させた。PdGは予測された通り上昇したが、21〜24日後に再度低下することはなく、雌ウシ(No.228)が妊娠していることが示された。これは後に獣医師の診断により確認された。図16は同じ尿試料についてハーフストリップ法により得られた測定値と卵巣モニター法により得られた測定値との間のE1G及びPdGに関する排出速度のプロフィールにおける同様性を示している。E1G排出速度の決定に関する卵巣モニターデータとストリップデータとの間の合致は、自宅用ストリップと卵巣モニターによるものとの間の定量的等価性を示していた。
【0181】
(実施例8)コンジュゲートした常磁性粒子の製造
E1GはBollenback等、J of American Chemical Society77:3310−3315(1955)及びConrow&Bernstein,J of Organic Chemistry36:863−70(1971)のスキームに本質的に従って合成し、BSA−E1G捕捉物質の作製のため、およびE1G標準物質のための試薬として使用した。
【0182】
Sigma Chemical Companyより購入したPdG(カタログ番号P−3635)はBSA−PdG捕捉物質の作製のため、およびE1G標準物質のための試薬として使用した。
E1G常磁性粒子(PMP)コンジュゲーションプロトコル
0.1MのMES,pH7.0緩衝役(900μL)中に希釈したカルボキシル修飾磁性ラテックス粒子(PMP)(R00−39Estapor,Merck)の10%懸濁液(10mg、100μL)を一定の振とうを行いながら15分間室温で10mgのEDC(PMP:EDC1:1)で活性化した。次に磁性粒子を強力な磁石で引き下ろし、そして上澄みを廃棄した。次に0.1Mホウ酸塩緩衝液、pH8.2中の活性化ラテックスをマウスモノクローナルE1G抗体(クローン2、IgG2a,κ、プロテインAアフィニティクロマトグラフィにより精製、リン酸塩緩衝食塩水に対して透析、そして凍結乾燥、Canterbury Health Laboratories,Christchurch,New Zealand)の1.0mg/mL溶液1.0mLと反応させた。混合物を回転および超音波処理2分間により十分混合し、次に3時間室温で振とうした。ラテックスを30分間室温で振とうすることにより蒸留水中10%BSA50μLでブロックした。次にコンジュゲートした磁性粒子を再度強力な磁石で引き下ろし、上澄みを廃棄した。ペレットをコンジュゲート希釈液1.0ml内に再懸濁し、10mg/mLのラテックスコンジュゲートを得た。
【0183】
コンジュゲート希釈液は10mMホウ酸塩緩衝液、0.25%デキストラン、0.25%Tween20、1.0%BSA、2mMEDTA4ナトリウム塩、0.15%PEG(MW10,000)、20%スクロース、5%トレハロース、0.095%アジド、pH7.8よりなった。
PdG常磁性粒子コンジュゲーションプロトコル
これはE1G抗体をマウスモノクローナル抗体PdG抗体(クローン1、IgG2bκ、プロテインAアフィニティクロマトグラフィにより精製、水に対して透析、そして凍結乾燥、Canterbury Health Laboratories,Christchurch,New Zealand)と置き換えた以外はE1GPMPコンジュゲートと全く同様に実施した。
E1G捕捉物質
E1G捕捉物質は活性エステル法により合成したBSA−E1Gコンジュゲートとした。活性エステル試薬は乾燥条件下に新しく蒸留したDMF中1:3:1比のDCC:NHS:E1Gを用いて作製した。NHS及びDCCの1.2M保存溶液はDMF中に製造した。NHS保存溶液118μLをDMF41μL中に溶解したE1Gの46.5μモルに添加し、その後、DCC保存溶液41μLを添加した。2時間後、活性エステル試薬を一夜4℃において1%NaHCO2mlに溶解したBSA43mgに穏やかに攪拌しながら滴下することにより、72:1のE1G活性エステル:BSA比とした。次に混合物を質量分析用に0.02%アジ化ナトリウムを含有する30mMの酢酸アンモニウム緩衝液pH5.73中に24時間に渡り(3×1L)透析し、そして次に5分間2500Gで遠心分離し、そして得られた透明な上澄みを白色沈殿から分離した。次に試料(2.5mL)を透析緩衝液で予め平衡化させておいたPD10カラム(カタログ番号17−0851−01、Pharmacia)に通した。全ての試料をカラム内に流した時点で溶離液の収集を開始した(3.5mL)、最終蛋白質濃度は8.4mg/mLであった(クーマシー蛋白質アッセイ)。
【0184】
[BSA−画分、IgG非含有、脂肪酸欠乏、Gibco,カタログ番号30036−578]。
PdG捕捉物質
PdG捕捉物質はE1Gに関して示したものと同じプロトコルに従って合成したBSA−PdGコンジュゲートであり、そして終濃度は7.6mg/mLであった。
【0185】
(実施例9)E1Gアッセイのためのニトロセルロース膜の製造
BSA−E1G捕捉物質を10mMリン酸塩緩衝液pH7.4に対して透析し、同じ緩衝液を用いて2mg/mlに希釈した後に噴霧した。FF60ニトロセルロース膜(35mm、Schleicher&Schuell/Whatman)に試験系統としてBSA−E1Gを、そして、対照系統として同じ緩衝液中のヤギ抗マウスIgG(DCN,CA,USA)0.5mg/mlを噴霧した。試験系統及び対照系統は6mm離して噴霧し、その際試験系統はBiojetディスペンサ(XYZ3050,Biodot,CA,USA)を用いて膜の底部から12mmとした。膜は75μL/cmの比率でストリップし、そして強制気流対流オーブン中で2時間37℃において乾燥した。
PdGアッセイのためのニトロセルロース膜の製造
これはBSA−E1GをBSA−PdG捕捉物質で置き換えた他は上記と同一の操作法を用いて実施した。
【0186】
(実施例10) E1GPMPコンジュゲートパッドの製造
ガラス繊維コンジュゲートパッド(9mm×300mm、カタログ番号GFCP203000,Millipore)を室温で30分間、0.5%カゼイン、0.1%Tween20及び0.2%タウラノール及び0.5%アジドを含有する10mMホウ酸塩緩衝液pH8.0中に浸積することにより前処理した。次にパッドをペーパータオル上に置き、強制気流対流オーブン中、一夜37℃で乾燥した。処理したパッドは乾燥剤と共に密封ホイルパウチ内に保存した。E1GPMPコンジュゲートは、1.5mg/mlの濃度までコンジュゲート希釈液(コンジュゲーションプロトコル参照)中に希釈し、短時間ボルテックスし、そして次に2分間ウォーターバス中で超音波処理することにより製造した。次にコンジュゲートを、Airjetディスペンサ(Biodot,CA,USA)を用いて12μL/cmの比率で乾燥パッド上に噴霧した。噴霧したパッドは強制気流対流オーブン中で2時間37℃において乾燥し、そして乾燥剤と共に密封ホイルパウチ内に保存した。
E1GPMPコンジュゲートパッドの製造
これはE1GPMPをPdGPMPで置き換えた他は上記と同一の操作法を用いて実施した。
試料パッドの製造
CO48セルロース試料パッド(14mm×230mm Millipore)を試料パッド緩衝液(0.2MTris、4.0%Tween20、0.05%アジ化ナトリウム、pH7.6)中、室温で30分間浸積することにより前処理した。吸収剤ペーパータオルでパッドをブロットすることにより過剰な緩衝液を除去し、そして次にパッドを強制気流対流オーブン中で5時間37℃において乾燥し、そして乾燥剤と共に密封ホイルパウチ内に保存した。
試験ストリップの積層、切断及び組立
対照系統を上方に向けながらニトロセルロース膜をバッキングカード(Magna BioSciences,CA,USA)の中央部分上に積層し、その後470セルロースウイックパッド(18mm×300mm、Schliecher&Shuell/Whatmann)をバッキングカードの上端に置き、膜との最終重複を1.5mmとした。PMPコンジュゲートは2mm分だけ膜の下端に重複させ、その後バッキングカードの下端と試料パッドを積層することにより1〜2mmのPMPコンジュゲートパッドの最終重複とした。組み立てたカードをスライサーの中心にピンホールが来るように7.62mmに切断した(Magna BioSciences,CA,USA)。ストリップはそのカセット(Magna BioSciences)内に入れ、そして乾燥剤と共に密封ホイルパウチ内に保存した。
【0187】
(実施例11)E1G標準曲線及びE1G月経周期排出速度
標準物質を製造するためのブランク尿は4歳半の女児より入手し、150mL/hrに等しい排出速度となるように時間希釈した。時間希釈ブランク尿の連続希釈により1〜1000nmol/24hr(又は0.124〜124ng/ml)の範囲に対応した標準物質を製造し、そして次に水で更に1/2に希釈した。標準曲線はカセットのアプリケーションウェル−に標準物質140μLを添加し、そしてMagna BioSciences磁気試験読み取り機で15分後に対照及び試験系統のMAR値を読み取ることにより実施した。標準曲線は対照系統を用いて試験系統に関するMAR読み取り値により割ることにより得た(T/C)。得られた一点標準曲線のデータ及びフィットに関しては、表2及び図17を参照のこと。
【0188】
(表2:E1GMAR標準曲線)
【0189】
【表2】

月経周期に渡るE1Gの1日当たり排出速度を25歳女性により提供された尿試料から測定した。記録された期間に渡り一夜尿試料を毎日収集し、次に水道水で時間希釈して150mL/hrとした。次に時間希釈尿試料を各々更に1/2に希釈した後に140μLをE1Gカセットに添加した。MARの結果はT/Cで表示し、E1G排出速度(nmol/24hr)は相当する標準曲線から計算した。周期の試料はまた、同じ時間希釈尿を用いるが追加の1/2希釈を行うことなく、卵巣モニターE1Gアッセイ系(Blackwell L.F.等、Steroids 68:465−476(2003))により分析した。両方のセットのデータとも、2連で収集し、平均で表した。2つのアッセイ系により測定したE1G平均排出速度の比較については表3を参照のこと(NB:周期の第11及び19日については試料収集が無かった)。
【0190】
(表3:MARシステム及び卵巣モニターにより測定した場合の月経周期E1G排出速度)
【0191】
【表3】

卵巣モニター誘導のE1G排出速度はMAR誘導の値より高値であるため、周期を規格化することにより2システムで得られたホルモン排出速度のパターンを比較できるようにした。これには、完全周期に対する平均のE1G排出速度のデータについて各方法が各個体の周期日の排出速度を差し引かれ、そして次にそれらの値を平均の差の標準偏差で割ることが必要であった(標準の正規変数変換)。規格化されたデータを図18に示す。
【0192】
規格化されたパターンは優れた一致を示している。MARE1G排出速度は有効な参考試験と同様に卵胞の生育及び成熟に関して同じ情報を保有している(Blackwell L.F.等、Steroids 68:465−476(2003))。尿中E1G排出レベルの初回持続上昇の日を妊娠可能な第1日として定義した。その理由は、E1Gは生物学的に活性なエストロゲン、エストラジオールのバイオマーカーであり、そして増大はエストラジオールの発生源である潜在的に排卵している卵胞の選択を示す。MAR及び卵巣モニター試験の両方とも第7日において実験誤差より高値の有意な上昇をもたらした。簡単な計算によりモニターデータに関するベースライン平均は155nmol/24hr、標準偏差が25.3となる。計算はベースライン期間を定義し、そしてこの期間に渡る最高及び最低の排出速度の平均をとることにより行う。例えば、この周期においては、ベースラインは周期第2〜6日よりなる。180及び129nmol/24hrの平均はベースライン期間の排出速度の平均に近似する。標準偏差への近似はベースライン期間における平均と最高の排出速度との間の差により与えられる。値が232nmol/24hrである場合、排出速度が平均+2標準偏差(205nmol/24hr)を超過する初日は第7日である(表2)。MARデータについては、計算によれば平均は8.8nmol/24hr(SD=5.6)となり、即ち、閾値は20nmol/24hrであり、これは明らかに第7日において91.3nmol/24hrのE1G排出速度により超過されており、卵巣内に成長中の卵胞が存在することを示している。第11日の試料は欠失しており、そしてこれは両方のアッセイによるE1G排出のピーク日である可能性が最も高い。
【0193】
(実施例12)PdG標準曲線及びPdG月経周期排出速度
標準物質を製造するためのブランク尿は4歳半の女児より入手し、150mL/hrに等しい排出速度となるように時間希釈した。時間希釈ブランク尿の連続希釈により0.01〜500nmol/24hr(又は1.38〜69,000ng/ml)の範囲に対応した標準物質を製造し、そして次に水で更に1/5に希釈した。標準曲線はカセットのアプリケーションウェル−に標準物質140μLを添加し、そしてMagna BioSciences磁気試験読み取り機で15分後に対照及び試験系統のMAR値を読み取ることにより実施した。標準曲線は対照系統を用いて試験系統に関するMAR読み取り値により割ることにより得た(T/C)。得られた一点標準曲線のデータ及びフィットに関しては、表4及び図19を参照のこと。
【0194】
(表4:PgDMAR標準曲線)
【0195】
【表4】

月経周期の第7〜26日に渡るPdGの1日当たり排出速度を33歳女性により提供された尿試料から測定した。記録された期間に渡り日中の尿試料を毎日収集し、次に水道水で時間希釈して150mL/hrとした。次に時間希釈尿試料を各々更に1/5に希釈した後に140μLをPdGカセットに添加した。MARの結果はT/Cで表し、PdG排出速度(nmol/24hr)は相当する標準曲線から計算した。周期の試料は又、同じ時間希釈尿を用いるが追加の1/2希釈を行うことなく、卵巣モニターE1G試験系(Blackwell L.F.等、Steroids68:465−476(2003)により、そして更にHenderson K.M.等、Clin Chim Acta.Dec29;243(2):191−203(1995)の変法を用いて追加的1/50希釈を行いながらELISAによっても分析した。全ての組のデータを2連で収集し、平均で表したが、例外として3日間のMARデータの場合はT/C値は対照系統を決定するための読み取り機の誤作動により計算することができず、これらの日については、結果は必然的に単一点となっている。3種の異なるアッセイ系により測定したPdG平均排出速度の比較については表5を参照のこと(NB:周期の最初の6日間については試料収集が無かった)。
【0196】
(表5:MARシステム、卵巣モニター及びELISAにより測定した場合の月経周期PdG排出速度)
【0197】
【表5】

卵巣モニター誘導のPdG排出速度はMAR誘導の値より高いため、周期を規格化することにより3システムで得られたホルモン排出速度のパターンを比較できるようにした。これは前回のE1Gデータについて記載したとおり標準の正規変数変換を用いて実施した。規格化されたデータを図20に示す。
【0198】
MARカセットで得られた絶対的なPdG排出速度は低値であるが、プロフィールは方法の実験誤差内で同一である。排卵後のPdGの上昇は全ての場合において第16日には顕著である。卵巣モニターPdG妊娠可能性マーカーは以下の通り設定される。即ち、妊娠可能性の終了をマークするPdG閾値は≧6.3μmol/24hrに設定され(Blackwell L.F.等、Steroids63,5.(1998))、排卵マーカーの生化学的証明は9μmol/24hrに設定され、そして十分な黄体(妊娠支援可能)の証明のためのマーカーは13μmol/24hrに設定される。MARシステムに関して規格化すれば、これはそれぞれ2.2、4.6及び6μmolPdG/24hrの排出速度読み取り値に解釈される。卵巣モニター及びMARシステムの両方につき、これらの3閾値は両システムに対してそれぞれ第16、19及び20日に到達され、例えば、データを規格化すると、2システムは重要なPdG妊娠可能性マーカーの全てにつき同じ日を与えることがわかった。
【0199】
(実施例13)月経周期データへの適用
妊娠可能性期間の開始のマーカーとしてのE1G排出速度
データはMAR試験の結果が参考試験(卵巣モニター又は自宅用ELISAアッセイ)を模倣していることを確認する。即ち、成長中の卵胞の有無及びその成熟までの成長に後続して、E1G排出速度の上昇及び排卵が起こり得、そして黄体の質はPdG排出速度の規模によりモニタリングできる。時間希釈尿試料により、そして、妊娠可能時期の開始に関するTriggの追跡信号により求められる先行するベースラインを超える初回の統計学的に有意な上昇の日(Blackwell L.F.and Brown J.B.、Steroids57:554(1992))からE1G排出の周期中間ピークの後の日までを用いた場合のE1G排出速度について、公になっているRIAデータ(Blackwell L.F.等、Steroids 68:465−476(2003))から20周期について与えられる排卵の予測的警告は図5に示す通りとなった。これは時間希釈尿試料を用いたE1G排出速度のモニタリングから予測されるべき警告であり、そして、おそらくは最長の精子生存時間(>6日)の場合を除き、妊娠を回避するためには十分早期である5.7日(N=20)の平均警告を与える(Austin CR,J Reprod Fertil Suppl 22:75−89(1975))。妊娠のわずか6%のみが3日超の精子生存時間によることが推定されている(Wilcox等、New England J of Medicine333:1517−21(1995))。更に、E1Gに基づいた排卵の短い警告期間の周期を有する女性は、これがより長いE1G上昇の周期を有する女性に与えられる警告の日数である場合よりも、妊娠可能期の開始の十分な警告を有していた可能性が高い。その理由は、このようなE1Gに基づいた排卵の短い警告期間の周期は精子生存期間延長を支援するとは考えにくく、なぜならばエストロゲンの機能の1つは妊娠可能粘液の刺激であり、これがない場合は精子の生存はますます短くなるためである。初回上昇日から推定排卵日を図21に示す。より大規模な研究(Blackwell L.F.and Brown J.B.、Steroids 57:554(1992))によれば、エストロゲン排出速度の初回の統計学的に有意な上昇の検出は6.5±1.4日の切迫した排卵の警告を与えることがわかっている。これらの数値はPMPカセットアッセイにより決定されたE1G排出速度に適用される。
妊娠可能期の終了のマーカーとしてのPdG排出速度
妊娠可能性の終了の何れのマーカーも周期中間のE1G(又はLH)のピーク日よりも前にそれが起こることを正確に説明しているはずがないことは広く受け入れられている。表6に示す通り、RIAで分析された20周期について、PdGの閾値を超えた最も早期の日は周期中間のE1Gピーク排出速度の日の2日後に来ている(Blackwell L.F.等、Steroids 68:465−476(2003))。PdG閾値を使用することは、排卵との時間的関連を超えて伸長する妊娠可能期間の終了を定義するための他のマーカーよりも追加的な利点を有している。尿中PdGの発生源であるプロゲステロンの高い循環系中濃度は不妊粘液の生産の刺激を介して不妊に関連している。実際、これはプロゲステロンのみのミニピルの作用の主な手段の1つである(排卵は周期の50%において防止されるのみであると推定されていた)。更に、排卵前の期間のプレグナンジオール(プロゲステロンとPdGとの間の中間体)の高い循環系中レベルは不妊及び高い自然流産率に関連していることが知られている。最後に、卵巣モニターの経験年数の推定合計4000の女性全体を通して、この閾値マーカーの使用に起因する妊娠がないという事実は、妊娠可能期間の終了を判定するためのその有効性について、最も強い証拠を与えている(Blackwell L.F.等、Steroids 63,5(1998))。E1GピークからPdGカットオフ日の数を図22に示す。
【0200】
MARカセットの再現性が卵巣モニターと合致し得ると仮定すれば、MAR試験による時間希釈尿の使用(例えば水和状態について試料を補正)は公になっているPdG排出速度データにより示されるものと同様の警告を与えることになる。
抗体並びにMARE1G及びPdG標準曲線の位置
最良の結果のためには、測定を標準曲線の動作範囲ないで行うことが必須である。例えば図17に示すE1G標準曲線は標準物質及び試料を1/2に希釈する場合に約1〜100nmol/24hrの排出速度範囲に渡って最適である。しかしながら、月経周期E1G排出速度の正常な範囲は約8〜465nmol/24hrであるため、1/2の追加的希釈を行ったとしても、試験からの信号は標準曲線の低値部分のみを包含することになる。計算によれば、そして実験で確認された点として、E1G標準物質の追加的な1/5希釈及び時間希釈試料は月経周期尿の測定のためのMARカセットからの最適な応答を与えることになる。換言すれば、現在のカセットは2〜40nmol/24hrの範囲に渡って最良に操作されている。
【0201】
MARPdG試験システムにおいて使用されている現在の抗体と同様、最適なPdG標準曲線は0.002〜10μmol/24hrの排出速度範囲に対応している。
【0202】
即ち、現在の抗体はE1G試験のためには時間希釈試料の1/5希釈を、そしてPdG試験のためには1/25希釈を必要とする。
【0203】
通常の周期においてこれらの希釈を回避するためには、正常な月経周期については時間希釈試料の希釈が必要とならないような特徴を有する新しい抗体を作製する必要がある。これは標準的なハイブリドーマ技法又はより低感度の抗体用の他の近代的な抗体作製技法により製造されるクローンをスクリーニングすることにより達成できる。伝統的には、市販の抗体の製造者は最低の可能な検出限界を与えるクローンを選択する。本発明の目的で、クローンはより低感度の特性を有するが、時間希釈、及び恐らくは未希釈の尿試料におけるE1G及びPdGの排出速度の測定のために理想的なクローンが選択され得る。
【0204】
また、既存のE1G及びPdGモノクローナル抗体に対して選択する場合には元々形成されている代替クローンにより望ましい特性が無いか再検討してもよい。上記した通り、クローンが高力価、高親和性の抗体(低検出限界)を与えない場合は、最大の選択性がほぼ常時求められているELISAアッセイでは、通常はそれ以上検討されない。
【0205】
代替の解決法は適切なステロイド類縁体を用いて作製された捕捉物質及び捕捉蛋白質に対するリンカーを用いることにより、より低感度の標準曲線を与える市販の抗体捕捉物質結合対を見出することである。この場合、入手可能なモノクローナル抗体に対するステロイドリンカーコンジュゲートを含め、種々のステロイド誘導体のスクリーニングを行う。同じ抗体を用いた場合であってもそのようなスクリーニングからは異なる感度の標準曲線が得られる場合があることを示す一部証拠が存在する。
【0206】
例えば、E1Gグルコースオキシダーゼコンジュゲートと共に使用した場合のモノクローナル抗体(Wallaceville Animal Research Centre(WARC),Upper Hutt,New Zealand)は、5000nmol/24hrの中間点を有する標準曲線を与えており、これは予め希釈した尿試料で使用するためには感度が低過ぎる。このアッセイ系は本明細書に記載したPMPカセットアッセイよりも250倍低感度であった。8炭素リンカーを有するエストロンBSAコンジュゲートをこの抗体と共に使用した場合、標準曲線はなお低感度となった。一方、同じ抗体は、尿試料中のE1Gの月経周期排出速度を測定するために6−ケトエストロンカルボキシメチル−オキシム及びエストロンヘミスクシネートコンジュゲートと共に使用される(Henderson K.M.等、Clin Chim Acta.Dec 29;243(2):191−203(1995))。従って、正しいリンカーの選択により所望の感度の標準曲線を得ることができる。
【0207】
表面プラズモン共鳴及びE1Gに対するWARCモノクローナル抗体を用いた結合研究によれば、結合は使用する捕捉蛋白質及びリンカーの関数であることが示された。
【0208】
(表6:表面プラズモン共鳴により測定したBSAコンジュゲート結合)
【0209】
【表6】

6−アミノヘキサン酸部分で連結されたBSAE1Gコンジュゲート(BSA−C5−E1G)は、それが最小数のE1G分子/蛋白質及び最低感度の標準曲線を有していたため、最良の結合をもたらした。より低結合のコンジュゲートの多くがより高感度の標準曲線を与えると期待される。
試験の精度
側方流動又はディップスティックアッセイの共通の問題点はコンジュゲートパッドからの着色された試薬の放出の一貫性である。定量的試験の精密さはこの特徴に大きく依存している。コンジュゲート適用、再水和、流量及び放出された粒子の数の変動などの要因が全て組み合わさって精密さを下げる。従って、次の段階では、コンジュゲートパッドをアッセイ系から外し、そしてチューブ又はシリンジ内の凍結乾燥した試料と置き換える。即ち、次にコンジュゲートを再水和させ、尿試料の存在下に再懸濁し、そしてカセットの試料パッドに適用することができる。この方法により、試験の精密さは劇的に向上する。図18及び8に示す通り参考アッセイにより得られる卵巣の活動の関数としての値の変化と平行し、10%未満の変動係数を有する排出速度の獲得は独特である。これらのデータは、例えば図19及び20に示す通り、その態様の全てにおいて、ヒトを含めた哺乳類の生殖生物学へのE1G及びPdGの排出速度の適用に関して存在する大量の文献及び他のデータにアクセスできる(Baird等、Fertility and Sterility71(1):40−49(1999))。
【0210】
疎水性物質とのコンジュゲートの結合を回避し、そして、シリンジ又は関連の装置を使用することにより、女性が時間希釈尿試料を収集し、次いで自動的に試料の小分量を取り出し、そして設定された容量を正確にカセットに適用できるようになる装置を想定することができる。
結果の計算
カセット試験からのアウトプットは試験系統及び1以上の対照系統に局在化する結合した常磁性粒子の磁気強度よりなる。コンジュゲートパッド放出の変動は、単一のホルモンの濃度の反復実験により単純に観察することができ、その場合、それは自身を全般的な大きなストリップ毎の変動又は高度なストリップ毎の反復性とそれに伴う時折の極端な除外値として表示する。変動のこれらの型の両方とも、割合(T/T+C)として、又は、比(T/C)として、対照系統に対するデータを表示することにより部分的に補正できる。即ち、最良フィット線からの大きな偏移及び一点異常を示す標準曲線を回避するために、T対log[ホルモン]の単純なプロットを対照系統補正データの使用で置き換えた。しかしながら、C及び(T+C)は共にホルモン濃度への依存性を示す(例えば標準曲線を示す)ため、log[ホルモン]に対して3つの方法(T、T/C又はT/(T+C))によりプロットした標準曲線の間には有意な差がある。図23はPdGMAR標準曲線補正法に影響する要因を示している。
標準曲線は以下の式:
【0211】
【化1】

への非直線回帰により適合させる。
【0212】
式中Yは最低読み取り値(無限大標準排出速度における)、Yはゼロ排出速度における読み取り値であり、そしてEC50は標準曲線の中間点における排出速度である。
【0213】
E1G又はPdGの標準物質が尿試料と同様に希釈される限り、E1G又はPdGの排出速度は単に、nmol/24hr(E1G)又はμmol/24hr(PdG)において適切な標準曲線から外挿することにより求められる。
【0214】
(実施例14)時間希釈尿試料を用いた容量調節
尿に基づく定量的アッセイは典型的には尿中の検体の濃度と検体の排出速度との間の相違に着目しなければならない。明らかに、単位時間当たりの尿生産速度が大きいほど、検体はより希釈されることになり、これはそれが一定速度で膀胱内に放出される場合でも当てはまる。本発明の方法の重要な利点の1つは、150mL/尿収集時間の一定の排出速度に時間希釈された尿試料において排出速度を決定する点である。時間希釈尿試料の分析は、この方法が水和状態の変動に対して補正を行うという理由のみならず、尿試料間の如何なるマトリックス作用も最小限とされる(それをより一定にすることにより)という理由によっても、可能な最も正確なデータを与える(Blackwell L.F.等、Steroids 68:465−476(2003)参照)。
【0215】
部分補正は初日午前中排尿試料を収集することにより作製できる。この方法は、水分摂取及びエネルギー消費は日中が最も変動するため、尿生産速度は夜間に渡る方がより一定であるという前提に基づいている。しかしながら、本発明者等の研究室における経験によれば、月経周期の持続時間に渡り、早朝尿試料における尿生産速度(mL/hr)の範囲は、因数10のオーダーである。補正の他の手段はクレアチニン濃度で割ることである。この方法はクレアチニンの排出(筋肉質量に関連する)は一定であるという前提に基づいている。しかしながら、クレアチニン排出は年齢に従って減少し、そして栄養状態と共に変動し、そして中等度から重度の運動により影響されることがわかっている。
【0216】
特に不妊患者に対して使用するための最も簡素な操作法は、較正された容器に既知時間に渡る試料を収集(Blackwell L.F.等、Steroids 68:465−476(2003)に記載)し、そして150mL/hrに希釈することである。簡便のために24時間当たりとして表示されるが、収集時間は、3時間程の短時間であってよい。
【0217】
尿容量に対する補正を可能にする化学的特性に基づく新しい方法を開発してよい。
【0218】
(実施例15)排出速度の例示される適用
正確で再現性のあるPMPカセットアッセイが存在すれば、E1G及びPdGの排出速度の適用は多数が可能である。本発明者等は妊娠可能性及び不妊の全ての臨床及び自宅用途の態様においてE1G及びPdGの排出速度を使用するためのプロトコルを開発することを意図している。プロトコルの原理は以下の通りである。
【0219】
E1G排出速度の初回の統計学的に有意な上昇は成長中の卵胞の存在、従って、潜在的な妊娠可能性の開始を示す。
【0220】
卵巣モニターの場合の6.3μmol/24hr又はPMPカセットアッセイの場合のそれと同等であるもののような閾値を超えるPdG排出速度の上昇は妊娠可能性の終了を示す。
【0221】
E1G排出速度の周期中間のピークとそれに後続するPdG排出の速度における僅かな上昇は排卵及び妊娠達成のための交接について最高の妊娠可能性時期を示す。
【0222】
排卵の生化学的証明は9μmol/24hrの卵巣モニターアッセイ相当より高いPdG排出速度の上昇により与えられる。
【0223】
十分な黄体は13μmol/24hrの卵巣モニターアッセイ相当より高いPdG排出速度の上昇により示される。
【0224】
以下の実施例はこれらの試験を妊娠可能性及び不妊の臨床及び個人による管理に組み込んでよい方法の代表例である。考察する実験の大部分は卵巣モニターを用いた自宅モニタリングにより得られている。しかしながら、卵巣モニターのデータにPMPカセットアッセイが実質的に同等であるとすれば、記載したプロトコルはPMP相当分に何れかの閾値を調節することによりPMPカセットアッセイに直接移し変えられる。
1.妊娠の回避−正常周期
尿試料を収集し、最低3時間の収集について時間に従って希釈した(150mL/hr)。尿はE1Gについては50μLの時間希釈尿、PdGについては10μLの時間希釈尿を用いて卵巣モニターにより分析した。結果は単位時間当たりの透過光単位における変化として報告し;E1G試験についてはΔT/20分、そしてPdG試験についてはΔT/5分とした。これは対象自身により自宅で決定される典型的な周期である。E1G排出速度は周期の卵胞期では毎日測定し、そしてE1Gピーク日が判明すれば、測定はPdGに切り替えた。
【0225】
(表7:妊娠回避に関して収集された卵巣モニター周期データ)
【0226】
【表7】

妊娠可能期の開始は見かけ上は第13日であり、その時点でE1Gの排出速度は前回のベースライン平均を超える。これは卵巣アロマターゼの活性の発現を示し、そして、エストロゲン環境により卵が包囲されている優性な卵胞が存在することを示している。この卵胞は排卵において、又は、閉鎖において、その寿命を終えることになる。上昇はベースラインとして5〜12日を取ることにより計算してよい。概ねの平均は(53+98)/2即ち75.5([最低+最高/2])である。概ねの標準偏差は(98−75.5)即ち2.5(最高−平均)である。SDの二倍は45であるため、閾値は(75.5+45)即ち120.5(平均+2SD)となる。この計算された排出速度を超える初日は目視評価と合致して第13日である。ピークE1G日は第16日であり、これは最も妊娠可能性の日として第17日を示している。妊娠可能性の終了は、PdG値がPdG閾値を超えるため第18日である(180ΔT/5分−卵巣モニターPdGチューブのこの組に付き6.3μmol/24hrと同等)。
【0227】
E1G及びPdGのプロフィールが卵巣モニターにより得られたものと平行していたため、同様のアルゴリズムをMARカセットデータに適用できる(図8及び20参照)。MARカセットプラットホーム上の重要な値は前臨床研究において完結させる必要がある。
【0228】
第13日が妊娠可能時期の第1日であることから、上記したデータを第12日後の交接を回避することにより妊娠を回避するために利用できる(Blackwell,L.F.and Brown J.B.,Steroids,57,544(1992))。PdG値がカットオフを超えれば、交接(上記実施例においては第18日)は、次回出血まで周期は不妊であるため、再開してよい。このプロトコルの使用の例は、Brown等、American Journal of Obstetrics and Gynecology−Supplement 165:2008−11(1991)に記載されている。明らかに、本発明は同様の用途に役立つ。
2.連続体(Continuum)を介して進路設定する場合の妊娠の回避
無月経から完全妊娠可能排卵周期までの女性により経験される卵巣の活動の範囲は、連続体と称される(Brown,JB,Scientific Basis and Problems of natural Fertility Regulation,a meeting at the Pontifical Academy of Science in Room(1994))。連続体を経由する進行は初潮に先行する年から初潮後約3年まで、そして分娩後妊娠可能に戻る間にも明確に観察され、その間、連続体を経由する回帰は女性が閉経に近づくに従って経験される。連続体の下端に包含される他の女性(例えば生殖能力が正常より劣る卵巣活動性を有するもの)には、非機能性出血を有する女性及び経口避妊薬の使用後に妊娠可能に戻っている女性が包含される。不全である卵巣活動はまたプロのスポーツ選手及び究極的な身体的又は精神的なストレスが伴っている環境にあるか、体重減少にある他の女性においても共通している。20〜40歳の群内であっても、無ストレス女性における完全排卵周期の発生率は僅か90%である。
【0229】
周期ごとの連続体における女性の位置の変化は予測不能であり;連続体における一部の段階は省略される場合もあり、そして完全排卵周期は何れの時点においても起こりえる。連続体の不妊領域の一次的通過により生じる症状における混乱はNFPにおける未計画妊娠の主な原因の1つである。
【0230】
大部分の自然家族計画方法に関わる問題点はそれらが主に連続体の上端の女性、例えば妊娠可能性の伝統的なパターンを示す定期的排卵周期を有する女性にのみ適合している点である。これらの方法が不規則な周期を有する「他の」女性を考慮すれば、ガイドラインは通常は生涯に渡る長期で過剰な非交接期間及び実際は頻繁に低妊娠可能性が伴う状態がガイドラインには備わっている。
【0231】
妊娠回避のために卵巣モニターを使用する女性の多くは、不規則な周期及び自然家族計画のより伝統的な方法がそれらに対してもたらしている関連問題点が理由となって、それを行っている。計画とは異なる妊娠を既に経験しているこのサブグループの比率は特に高値(50%)である(Brown等、American Journal of Obstetrics and Gynecology−Supplement 165:2008−11(1991))。これらの女性の場合、モニターの魅力は方法が与える安全性であり;ホルモン試験は妊娠可能性のそれらの期間及び連続体内における変化点を精密に定義できるようにする。連続体の期間全体を通じて卵巣モニターを使用するためのガイドラインは極めて直接的である。E1Gレベルが上昇すれば、優勢な卵胞が存在し、妊娠可能性を想定できる。E1Gレベルが低下すれば、周期はPdG試験により排卵について試験しなければならない。PdG閾値が不妊に達すれば、次回月経出血まで安全であると想定してよい。卵巣モニターホルモンアッセイにより決定されるものとしての連続体内の異なる位置について以下に概説する。
【0232】
卵巣活動が完全に不在である場合、E1G及びPdGのレベルは均一に低値のままであり、そして月経は起こらない。明らかに、これは連続体の最低レベルを示しており、そして絶対的不妊と関連している。この状況は永久又は一時的であってよい。
【0233】
E1Gレベルが出血エピソードの間で上昇して下降するように観察されるがPdGレベルは均一に低値である場合、周期は無排卵である。無排卵周期は2つの主要な範疇に分類される。最も一般的な型においては、E1Gレベルが上昇して卵胞が発達したことを示すが、エストロゲンの上昇はLH急増をトリガーするためには不十分であり、そして卵胞は閉鎖により死滅し、これによりE1Gレベルは低下し、エストロゲンの離脱により出血が起こる。他の無排卵周期においては、E1Gレベルは上昇して定常状態に達し、そして値はこの定常値に可変の長さの期間留まる。E1Gの定常レベルは通常の排卵前E1Gピークよりも通常は低値であり、そして、突破口現象として最終的には出血が起こり、例えば延長された期間に渡る循環系中のエストラジオールの上昇したレベルは維持不可能なレベルにまで子宮内膜層の過剰な増殖をもたらす。
【0234】
未破壊の黄体形成した卵胞は連続体の次の段階を示す。これらの周期において、E1Gレベルは上昇して下降するが、完全排卵LHピークを誘発するには低値すぎるエストラジオールレベルを示す。しかしながら、これは卵胞の一部のLH媒介黄体形成を誘発するには十分である。部分的黄体形成はE1G低下後のPdGレベルの最低限の上昇をもたらすが、その最適未満のレベルは卵胞が決して排卵性にならなかったことの証拠を与えている。PdGレベルが2日間以上4.5〜6.3μmol/24hrに上昇すれば、黄体形成未破壊卵胞を有するものとして周期が定義される。
【0235】
上記した無排卵状態の全てが、介在する出血を伴うか伴うことなく、その直後に妊娠可能排卵応答を示すという事実は、連続体内で移動がある場合に女性が直面する困難な点の一部を明らかにしている。
【0236】
短期又は不全な黄体期を有する周期は連続体における次の工程を示している。不全な黄体期とはPdGの値が5μmol/24hrを超えるまで上昇するが、9μmol/24hrの排卵閾値まで到達しないものであり、そして短期の黄体期とはPdG値が9μmol/24hrを超えるが排卵後の段階の持続が11日間以下であるものである。両方の周期が通常の卵胞期を伴っているが、その黄体期が妊娠を支援できないため、周期は不妊である。
【0237】
妊娠可能排卵周期は連続体において最高のレベルを示す。妊娠可能周期は明確なE1Gピークとその後の排卵及び黄体期を特徴としており、これは9μmol/24hrのPdG排出速度を超過し、最低12日間持続する。これらの最小限のレベルにおいては、妊娠率は周期当たり25%となる。より高値のE1G及びPdG値(PdG36μmol/24hr)はより一般的であり、そして、周期当たり70%の妊娠率を伴っている(Brown,JB,Scientific Basis and Problems of natural Fertility Regulation,a meeting at the Pontifical Academy of Science in Room(1994))。エストロゲン類縁体及びゴナドトロピンの投与は更に妊娠可能性を上昇させ、そして過剰排卵を誘発することにより多胎妊娠の可能性を増大させる。このような治療は長期の不妊を有する患者において47%の妊娠率を与えている(Brown,JB,Scientific Basis and Problems of natural Fertility Regulation,a meeting at the Pontifical Academy of Science in Room(1994))。
3.授乳後の妊娠可能性への回復
ホルモン系の避妊が禁忌である場合、家族計画は困難になる。妊娠の機会は完全母乳育児の場合は恐らくは2%未満(Kennedy等、Contraception39:477−96(1989))あるが、妊娠可能性が回腹し、妊娠の機会が増大する時期が存在する。初回分娩後月経出血の前に排卵周期が起こる場合がある。卵巣ホルモンのモニタリングは、妊娠可能性を回復するこの時期を女性が安全に通過する場合の指針となる。以下の期がメルボルン実験に基づいて認識されている(Blackwell,L.F.等、Steroids,63,5.(1998)参照)。
E1Gベースラインの確率:
これは毎日、連続して、E1Gに関する尿試料を7日間の期間に渡り試験することにより行う。モニターデータの適用の経験のある仲介者が結果を通知され、そしてベースラインE1Gレベルが女性に対して確立される。各女性が個体として取り扱われなければならない。
分娩後0〜6ヶ月の間の使用:
E1G排出速度は週2回確認する。E1G排出速度がベースラインレベルより低値である場合は、女性は可変の日数の不妊期にある。E1G排出速度が低値であれば、実験は6〜7日間が経過するよりも前には新しい卵胞が発生しないであろうことを示唆しており、従って、無制限交接のための1週間の安全が示される。E1G排出速度がベースラインより高値にあるか、又は、Billings排卵方法に記載の通り基本的不妊粘液パターン(BIP)における変化がある場合は、毎日のE1G試験を継続する。追加的な試験のための用法をクライアントに進言する仲介者は通知を受けてよい。6ヶ月より早期に妊娠可能に回復する過去の経験がある場合は、E1G排出速度は0〜2ヶ月から週2回確認しなければならず、その後は週3回に増加させる。
分娩後6〜9ヶ月の間の使用:
E1G排出速度は3日毎に確認する。個体のベースライン値以下となった場合は、女性は不妊期にあるが、無制限交接のために可能な自由時間は少なくなる。E1G排出速度がベースラインより高いか、又はBIPに変化があった場合は、毎日E1G試験を継続する。仲介者は追加的な試験を進言することになる(恐らくはインターネット又はリーダーアルゴリズムを介して)。
9ヶ月〜離乳までの使用:
E1G排出速度は2日毎に確認する。ベースラインレベル以下であれば、女性は不妊期にある。E1G排出速度がベースラインより高いか、BIPに変化があれば、毎日E1G試験を継続する。仲介者は追加的な試験を進言することになる。
結果の解釈に関するコメント
I 不妊日:i)ベースライン値以下のE1G排出速度。ii)カットオフ又は閾値を超えたPdG値。
II 妊娠可能日:個体のベースライン値を超えた上昇E1G排出速度及びそれに伴う低PdG排出速度。
【0238】
ベースラインを超えたE1G排出速度の上昇は潜在的妊娠可能期の開始を示す。E1G値はピークに達するまで3〜7日間上昇を続ける。次にそれらは急激に低下する。低下日にPdG測定を開始しなければならない。低下日のPdG排出速度は低値となるが、上昇を続け、そして第3日にはPdGカットオフ値(又は閾値)に接近するか、又はこれを超過する。カットオフに達すれば排卵は既に起こっており、そして妊娠可能期は終了している。周期の残余については更に試験をする必要はない。
【0239】
E1G排出速度が基本的不妊パターン(BIP)における変化を伴わずにベースラインを超えるのは僅か1日のみである。上昇E1G排出速度日は交接に使用できないが、E1Gのベースライン排出速度及び継続中の基本的不妊粘液パターンを伴う翌日は不妊期の回復を示している。
【0240】
E1G排出速度が2日以上そのレベルを超えたままであれば、E1G排出速度の周期中間低下を待ちながら交接を保留することが推奨され、PdG測定をこの日に開始する。PdG排出速度がカットオフまで上昇すれば、排卵が起こっており、そして後期の不妊日が開始しており、そして交接は再開してよい。しかしながら、PdG排出速度がE1G低下後2日又は3日に低値に留まっていれば、E1G排出速度の試験を再開又は継続する。E1G排出速度がベースラインに戻り、そして低値のPdG排出速度を伴いながら3日間ベースラインに留まっていれば、不妊期が回復している。交接は基本的不妊パターンと組み合わせてE1Gベースラインを適用しながら再開することができる。
【0241】
一部の周期においては、PdG排出速度は上昇するが出血開始前にカットオフに到達しない。他の周期においては、カットオフまでのPdGの上昇は緩徐である。E1Gピーク後第4日に交接を再開できるが、ただし、PdG値の明確な上昇が記録されており、そしてカットオフ値の4分の3に達していることが必要である。これは「4分の3カットオフルール」として知られている。しかしながら、このルールを最初に使用する前に、そしてその適用に疑問がある場合は、仲介者に相談しなければならない。
【0242】
卵巣の活動をモニタリングする場合、ステレオタイプのパターンは予測されず、そして女性が何を期待しようともホルモン値を無視することはできず;それらが悪いとはいえない。
例示的適用
4.5ヶ月の間完全母乳栄養のCB。クライアントは自宅でモニタリングを開始し、そしてベースラインが確立した。潜在的妊娠可能に関するアドバイスは上記ガイドラインに基づいて熟練したモニター技術者により行われた。
【0243】
(表8:授乳後妊娠可能性回復のための卵巣モニターの使用(妊娠回避))
【0244】
【表8】

4.妊娠の達成
E1G及びPdG排出速度を測定するための卵巣モニターを使用した良好な受胎の例を以下に示す。
【0245】
E1G排出速度低下の日を交接時限とすることは、妊娠を達成する手段として、困難が経験されている場合には有効である。この女性は自身の尿試料を収集し、交接を行う前に、E1G排出速度の低下の日が確認されるまで待機した。彼女は2回目のこのような周期において受胎を果たした。
【0246】
(表9:妊娠を達成するための卵巣モニターの使用)
【0247】
【表9】

E1Gピーク排出日は第13日であり、唯一の記録された交接活動は第14日に行われている(E1G排出速度が下降した日)。PdG排出速度は次の2日間低値に維持されていたがその後上昇を開始し、第17日には6.3μmol/24hrのモニター閾値に概ね到達した。第20日に得られたPdG値は、PdG排出速度が>13μmol/24hrであったため排卵が起こったこと(生化学的)、及び、黄体期が十分であったことを確認するものであった。第33日に妊娠試験の陽性結果が観察されている。
【0248】
一般的に、受胎を達成することが困難な場合において考えられる最初の治療法は受胎可能な排卵の証拠を得るための月経周期の分析となるはずである。即ち、完全な周期に関するE1G及びPdG排出速度の測定は、患者が排卵中であるか、黄体期が十分であるか、又は、それが短期であるかどうかに関する評価を可能にする。これらの要因の全てが受胎の障壁となる。E1G排出速度が1日当たり平均140%まで上昇して周期中間ピークに達し、そしてその後PdG排出速度が4〜6μmol/24hrを経て上昇し、6.3μmol/24hr(黄体形成)に達し、次に9μmol/24hr(排卵)を経て最終的に13μmol/24hr(十分な黄体期)となり、黄体期の長さが12〜16日(正常な黄体期の長さ)となれば、周期は正常な受胎可能性の排卵のものとなる。次に、臨床介入を更に行う前に、E1G排出速度の低下(極めて劇的である)を用いながら3ヶ月間の交接時限が可能な選択肢となり、そして男性の受胎能不全、又は非内分泌的原因の女性受胎能不全の場合においてそれは受胎を助けるものとなり得る。この時間内に妊娠が起こらない場合は更に治療を模索しなければならない。周期のパラメータの何れかが以上である場合は、臨床的補助が推奨され、そしてモニタリングが好都合である。
5.ゴナドトロピン治療
漸増用量操作法(Brown等、J of Obstetrics&Gynecology of the British Commonwealth 76(4):289−307(1969))を用いたゴナドトロピン療法の性能を支援するためのE1G及びPdG排出速度の適用を本明細書においてSimon Thornton博士(1990)によるMD論文に基づいて記載する。この操作法においては、ゴナドトロピン(HMG)を低用量で投与し、この量を、E1G排出速度の上昇により示される通り卵巣から適切な応答が誘発されるまで、漸増する。
ビリングコード
特定の実施形態において、特定の診断を独特のビリングコードに割り付けるが、これは例えば患者、健康管理提供者又は保険会社に対する診断の電子的送信を可能にするものである。
【0249】
(表10:ビリングコードの割付)
【0250】
【表10】

漸増用量操作法
HMGの初期用量の選択。患者の最初の周期において、開始用量は1日当たり75国際単位(IU)とする。患者が前回の周期を有する場合は、選択する用量は前回満足できる卵胞の発達がもたらしたものと同じものとする。前回の周期において過剰刺激又は刺激亢進があり、周期が撤回された場合は、選択される用量は前回過剰刺激をもたらしたものより低値とする。
【0251】
注射開始時。無月経及び低ゴナドトロピン(GT)レベルを有する患者はプロゲステロン離脱に応答して出血する可能性は低く、従って、注射はベースラインE1G値が実施された直後に開始してよい。内因性GT活性を有する希発月経患者においては、治療周期は自発的又はプロゲステロン誘導の離脱出血の2週間以内に開始する。
【0252】
ベースラインE1G排出速度。ベースラインE1G排出速度試験を実施し、そして値が低値(<100nmol/24hr)である場合は治療を開始してよい。E1G値が>100nmol/24hrである場合は、これは自発的な卵巣の活動又は妊娠の何れかによるものと考えられる。従って妊娠は除外される。患者が最近の周期を有していない場合は、プロゲステロン離脱出血で誘導する。患者が極めて肥満であり、妊娠しておらず、そして最近の周期を有している場合は、E1G値が>100nmol/24hrであっても治療を開始してよい。
【0253】
卵胞期。HMGの注射を開始し、そして4〜5日間毎日行う。毎日のE1G試験をHMG注射の第5日から実施し、HCG注射を行うまで毎日継続する。結果を前週のE1Gベースライン排出速度と比較する。変化がない場合は、HMG用量をHMG注射の第6日に約1.3〜1.5の因数で増大させる。この用量を更に4〜5日間継続し、そして毎日のE1Gモニタリングを継続する。4〜5日後このHMG増量に応答が無かった場合は、HMG用量を再度増大させ、毎日のモニタリングを継続する。約1.3〜1.5の漸増用量段階(75IU、112.5IU、150IU、225IU、300IU)を応答が観察されるまで4〜5日間隔で継続する。E1G排出速度は増大したが200nmol/24hrに達する前に「定常状態」となった場合は、試料を反復使用して「定常状態」を確認する。E1G値が翌日上昇できなかった場合は、HMG用量を増大させる。応答があれば、E1G値が200nmol/24hrに到達するまでHMGを継続する。超音波スキャンを翌日のために準備する。理想的には、膣内超音波スキャンとし、これは本来の腹部による方法と比較して優れた質の卵胞画像化を可能にする。大部分の場合において、単回の超音波スキャンのみで周期を管理することが可能である。超音波スキャンの日に主要卵胞の大きさが<18〜19mmである場合は、主要卵胞が1日当たり約2mm成長しており、HCGを与えるために適切な日が相応に推定される。主要卵胞が<14mmである場合はその後48時間以内に再度スキャンすることによりHCG投与前に存在する卵胞の大きさ及び数について明確な理解を得ることが推奨される。
【0254】
排卵HCG注射。HCGの排卵注射は主要卵胞が18〜19mmに達した時点で投与する。HCGが理想的には投与されるべき日において、E1G排出速度が過剰に急速に上昇(毎日倍加又はほぼ倍加)している場合、E1G値が>750nmol/24hrである場合、又は18mm以上の成熟卵胞が3個より多くが存在している場合には、HCG注射は通常は見合わせる。選択されるHCGの用量はその患者に対し排卵をもたらす最小限の用量とする。これは通常は最終HMG投薬後36時間に投与される。通常の開始用量は3000IU又は5000IUである。交接は通常はHCG投与日の晩、翌日の晩及び早期黄体期における2日毎が推奨される。
【0255】
黄体期、第0日。HCG投与当日(=第0日)、PdG試験を実施することにより早期の黄体形成が起こっているかどうかがわかり、又、黄体期におけるPdGの後の変化のためのベースラインを確立することができる。
【0256】
黄体期、第+3日。E1G及びPdG試験を実施する。試験はE1G及びPdGの考えられる黄体期パターンの良好な指針を与える。E1G値が低下(正常周期パターンと同様)すれば、この周期において過剰刺激は考えにくく、黄体期支援注射(HCG1000IU)は、それが終末に低下していれば第+6日に自信を持って投与できる。
【0257】
黄体期、第+6日。E1G及びPdG試験を両方とも実施する。E1Gが>1000nmol/24hrであるか、患者が疼痛を有している場合は、黄体期支援注射は行わない。PdG値はなお上昇中であるはずである。
【0258】
黄体期、第+9日及び第+12日。保持注射を行っている場合は、必要な試験は排卵を確認(>12.2μmol/24hr)するための第+9日のPdG排出速度試験のみである。排卵が確認されれば、保持注射を第+9日及び第+12日に行い、第+22日に行う妊娠試験までは更に試験を行う必要はない。保持注射を行っていない場合は、E1G及びPdG排出速度試験を第+9日及び第+12日に実施する。両方ともなお高値で上昇中であれば、黄体期支援注射は行わない。しかしながら、E1G又はPdGの排出速度に低下があり、そして患者が疼痛を有していない場合は、1又は2回の期支援注射を第+9日及び第+12日に行う。
【0259】
後期黄体期。患者の好奇心のために第+15、+18及び+21日にPdG排出速度試験を行ってよい。レベルがなお上昇中であれば、これは受胎周期を示唆するものである。しかしながら患者の管理は変更せず、そして予後には特段の価値はない。
【0260】
患者が第+22日までに周期を有さない場合は、妊娠試験を実施する(身体から全ての外因性HCGが除去される第+22日まで待機)。
【0261】
妊娠試験が陽性である場合は、早期のスキャンを計画して胎児数、位置及び生存性を確認する。
【0262】
第2及び連続する周期。受胎が初回周期の間に起こっていなかった場合は、次の時期の後に治療が推奨される。第2治療周期において使用する用量は初回に得られた応答により異なり、従ってHMGの開始用量は初回において良好な応答をもたらしたものとなる。患者のHMGの必要性が決定されれば、それらは通常は周期毎に再現性のあるものとなる。しかしながら疑問があれば次に低値のHMG用量を使用し、前回と同様に用量を漸増する。初回周期に排卵が起こった場合は、同じ用量のHCGを後の周期において使用する。排卵が起こらなかった場合は、HCG用量は排卵が起こるまで次の周期において漸増させる(5000、10,000、20,000IU等)。
【0263】
自宅結果の解釈。GT排卵誘導の自宅モニタリングのためのE1G及びPdGの排出速度試験の使用は、正常周期結果の知識、及び、診療地点モニタリングで起こり得る、可能性のある問題点に依存している。
【0264】
異なるプロトコルを書くことができるが、今回の試験のようにE1G及びPdG排出速度の測定に容易にアクセスできるということは、証明された安全で成功率の高い療法に容易にアクセスできるようにする。
6.PMPの動物の妊娠可能性への適用
全ての酪農家は人工授精プログラムのための発情期を特定するための簡素で安価な方法に関心を持っている。その好ましい液は明らかに乳汁であるが、本発明者等は発情期を検出するための尿中のE1G及びPdGの測定を一部改良した。
【0265】
人の場合と同様、雌ウシのホルモンプロフィールは尿生成速度の一部補正から利益を被っている。図24は尿容量を補正することなくELISAにより得られたPdG尿中プロフィールを示し、図26はクレアチニンにより尿容量を補正した後の同じデータを示す。尿容量に関してデータを補正することによりどの程度プロフィールが変更されたかが注目される。補正後は、プロフィールは極めて急勾配で広いピークに変換される。ブリングが観察される日は尿収集期間の第24日であった。
【0266】
図25はまた、クレアチニン排出について補正したE1Gの尿中排出データを示す。雌ウシの発情期の周期は、黄体期のプロゲステロン生産が卵胞発達および次の周期のエストロゲン生産と明確に重複しているという点において女性とは異なっている。排卵はE1G低下の日の近辺において起こる(ヒトの場合と同様)。これは前回の黄体期からのPdGレベルの低下と一致していることから、尿生産速度の比率に関する補正は雌ウシにおける発情期の検出のためには厳密に必要なわけではない。代わりに、E1G/PdG比を使用できる。E1G及びPdGに対するクレアチニン濃度は共に各々個々の日に関して必然的に同じであるため、単位は効率的に相殺しあい、mol/Lとしてのデータの収集は十分になる−図26参照。図26はどのようにすればE1G/PdG比を使用する場合に発情日をピーク値からの大きな低下の日として容易に予測できるかを示している。
【0267】
PMPカセットを用いて得られた標準曲線は希釈することなくヒトの月経周期で使用するには感度が高すぎるが、雌ウシの尿は有意により低値の濃度で排出される。即ち、PMPカセットで得られた標準曲線は未希釈の雌ウシ尿での使用に適している場合がある。収集の30日間に渡って最低及び最高のPdG濃度(μmol/L)の日はそれぞれ第28日及び8日であった(図8参照)。リットル当たりの単位を用いた尿容量の補正を行っていないため、最高値と最低値との間の比は一般的に補正因子を用いて測定したものよりも高くなり、標準曲線は一般的により広範囲に対応しているはずであり、従って、可能な値の完全な範囲を考慮することができる。例えば、低レベルのPdGを生産して高容量の尿を排出している雌ウシから高レベルのPdGを生産して低容量の尿を排出している雌ウシのレベルまで、測定が可能となるはずである。即ちここで明らかなことは、データがクレアチニンに関して補正(μmolPdG/mmolクレアチニン)される場合、最高vs最低の排出速度に関するPdG比は5.3であるが、尿中の生PdG濃度(μmolPdG/L)に関する最高vs最低に関するPdG比を用いる場合は、比36.9となり、即ち、未補正データ(μmolPdG/L)を測定するための標準曲線は7倍広い範囲を必要とする。
【0268】
PdG含有量に関する2の最も極端な試料を3連で希釈せずPMPカセット上で直接使用し、値を標準曲線から読み取り、やはり3連で収集した等価なELISAデータと比較した。第8日はELISA上で0.06μmol/L、そしてPMPカセット上で0.41μmol/Lの値を示した。第28日はELISA上で0.0165μmol/L、そしてPMPカセット上で0.0177μmol/Lの値を示した。
【0269】
即ち、ELISAデータとPMPカセットデータとの間の合致は雌ウシの発情周期に渡って得られる未希釈尿中のPdG値の究極的な範囲においては例外的であった。PMPカセットを用いて得られた標準曲線の位置は更に希釈することなくヒト試料で使用できるためにはかなり高感度であったが、それらは雌ウシの発情周期に渡って遭遇すると考えられるPdG値の測定には対しては、少なくとも当初は例外的に、十分適していると考えられる。
【0270】
上記より、当然ながら、本発明の特定の実施形態は説明を目的として本明細書に記載しているが、種々の変形を本発明の精神及び範囲を外れることなく行ってよい。従って本発明は添付の請求項による以外には制限されない。
【0271】
本明細書で参照又は言及した全ての特許、特許出願、刊行物、科学文献、ウエブサイト及び他の文書及び資料は本発明が属する技術の当業者の技術水準を示しており、各々のそのような参照された文書及び資料はそれらが参照により全体が本明細書に組み込まれるか、全体が本明細書に記載される場合と同じ程度まで、参照により組み込まれる。更に、本出願の全ての請求項及び優先権出願、例えば限定されないが出願当初の請求項は全体が本明細書に組み込まれ、そして本発明の書面による説明の一部を構成するものとする。出願人はそのような特許、特許出願、刊行物、科学文献、ウエブサイト、電子的に入手できる情報及び他の参照された文書又は資料から得られる全ての材料及び情報を本明細書に物理的に組み込む権利を保有している。出願人は例えば何れかの出願当初の請求項を包含する上記言及した請求項を、書面による説明の何れかの部分を包含する本文書の何れかの部分に物理的に組み込む権利を保有している。
【0272】
本明細書に記載した特定の方法及び組成物は代表的な好ましい実施形態であり、そして例示的であって、本発明の範囲を限定することを意図していない。他の目的、態様及び実施形態は本明細書を検討すれば当業者の知る通りであり、そして請求項の範囲により定義される通り本発明の精神内に包含される。当業者のよく知る通り、本発明の範囲及び精神を外れることなく本明細書に開示した本発明に対して種々の置き換えや変更を行ってよい。本明細書に説明として記載した本発明は適宜、本質的には本明細書において特に開示していない何れかの要素又は限定の不在下に実施してもよい。即ち、例えば、本明細書における各々の場合、本発明の実施形態又は実施例においては、「含む」、「より本質的になる」及び「よりなる」という用語は何れも、本明細書における他の2つの用語と置き換えてよい。更に又、「含む」、「包含する」、「含有する」等という用語は広範囲に限定なく読むべきとする。本明細書に説明のために記載した方法及びプロセスは異なる順序の工程において適宜実施してよく、本明細書又は請求項に示した工程の順序に限定される必要はない。本明細書及び添付請求項において、単数表記のものは特段の記載が無い限り複数も指すものとする。即ち、例えば、「宿主細胞」と言及した場合、そのような宿主細胞の複数(例えば培養物又は集団)を包含する。如何なる状況においても、特許は本明細書に記載した特定の実施例又は実施形態又は方法に限定されると解釈してはならない。如何なる状況においても、特許商標局の何れの審査官又は何れの他の職員により行われる如何なる陳述も、そのような陳述が特定的に、そして無条件又は無制限に出願人の応答書面において明白に承認されない限り、特許を限定するものとは見なさない。
【0273】
使用した用語及び表現は、限定ではなく説明の用語として使用しており、そのような用語及び表現の使用においては報告及び記載した特徴又はその部分と等価な如何なるものも排除しておらず、むしろ、種々の変更が請求項に記載した本発明の範囲内で可能である。即ち、本発明は好ましい実施形態及び任意の特徴により特定的に開示してきたが、本明細書に開示した概念の変更及び改変は当業者により意図されてよく、そしてそのような変更及び改変は添付請求項により定義される本発明の範囲内に包含されると見なされることを、理解しなければならない。
【0274】
本発明は本明細書において広範かつ全般的に記載してある。全般的な開示に属するより狭小範囲の物質種及び下位の属の区分も、同様に本発明の部分を形成する。これには、削除されたものが本明細書において特に言及されたか否かに関わらず、属から如何なる要件も除外する条件付け又は排他的限定を含む本発明の全般的な説明が包含される。
【0275】
他の実施形態は後続の請求項内に包含される。更に、本発明の特徴又は態様がマーカッシュ群の用語において記載されている場合、当業者の知る通り、本発明はマーカッシュ群の何れかの個々のメンバー又はメンバーの下位の群に関しても記載されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0276】
【図1】図1はヒト用途のための妊娠可能性管理システムの模式図である。
【図2】図2は非ヒト用途のための妊娠可能性管理システムの模式図である。
【図3】図3は修飾されたTriggの追跡信号アルゴリズムを用いたE1Gの初回上昇を同定するために使用したRIAデータの例を示す。追跡信号はアルゴリズムが正確に予想されるように、周期の開始(最初の日)から周期の各日について計算した。ベースライン計算は必要ではない。
【図4】図4はE1G卵白アルブミンコンジュゲートが噴霧されたストリップを利用したヒト尿試料中のE1Gの測定に関する標準曲線を示す。
【図5】図5は捕捉物質としてのPdG−BSAが噴霧されたストリップを利用したヒト尿試料中のE1Gの測定に関する標準曲線を示す。
【図6】図6はストリップ上の色強度により測定された尿中ホルモン排出速度に基づいたE1G及びPdGに関する月経周期プロフィールを示す。PdGデータはE1Gピークが検出された後にのみ収集した。
【図7】図7A及び7Bは尿試料中で測定した場合の乳牛におけるE1G及びPdGの測定に関する標準曲線である。E1G及びPdGデータはELISAアッセイにより得た。
【図8】図8は雌ウシ68からの毎日のE1G及びPdG排出速度プロフィールを示す。
【図9】図9は2連続周期に基づいた雌ウシ68からの毎日のE1G及びPdG排出速度プロフィールを示す。これらの周期は全てクレアチニン排出の使用により尿容量の変動について補正している。
【図10】図10はクレアチニンプロフィールに従って尿容量に関する調節を行う前の個体ウシ(雌ウシ68)に関するPdG濃度プロフィールを示す。
【図11】図11は尿容量の変動に関して調節するための動物のブリング(いじめ(bulling))とF1G/PdG比との間の緊密な相関を示している。
【図12】図12は乳汁中で測定(雌ウシ68)において測定したプレグナンジオールグルクロニドの濃度のプロフィールを示す。プロフィールは尿中のデータからのものと同様であるが、乳汁試料由来のPGレベルは遥かに低値であり、そして、乳汁容量の変動についての補正は行っていない。
【図13】図13はクレアチニン測定に基づいた規格化によるPdG濃度プロフィールに対する平滑化作用を示す(Jaffe反応)。
【図14】図14は比重補正に基づいた規格化により側方流動ストリップを用いて得られたPdG排出速度プロフィールに対する平滑化作用を示す。
【図15】図15はクレアチニン補正によるPdGに関するELISAアッセイを用いたPdG測定の使用を介した妊娠の決定を示す。
【図16】図16は同じ尿試料についてハーフストリップ法により得られた測定値と卵巣モニター法により得られた測定値との間のE1G及びPdGに関する排出速度プロフィールの同様性を示している。
【図17】図17はE1GMAR標準曲線を示す。
【図18】図18はMARシステム及び卵巣モニターにより測定された規格化された月経周期のE1G排出速度を示す。
【図19】図19はPdGMAR標準曲線を示す。
【図20】図20はMARシステム及び卵巣モニターにより測定された規格化された月経周期のPdG排出速度を示す。
【図21】図21は初回上昇日〜排卵推定日を示す。
【図22】図22はE1Gピーク〜PdGカットオフ日までの日を示す
【図23】図23はPdGMAR標準曲線補正法に影響する要因を示す。
【図24】図24は周期中の雌ウシにおける尿容量について補正を行わないPdGの尿中排出を示す。
【図25】図25は周期中の雌ウシにおける尿容量について補正を行ったPdGの尿中排出を示す。
【図26】図26は周期中の雌ウシにおける尿容量について補正を行ったE1G及びPdGの尿中排出を示す。
【図27】図27は発情期を検出するための雌ウシにおけるE1G/PdGの尿中排出の比を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳類における妊娠可能性を測定するための方法であって:
哺乳類雌性対象から体液試料を得る工程;
該試料を固相捕捉要素と接触させる工程であって、該捕捉要素は第1結合剤及び第2結合剤を含み、該第1結合剤はエストロゲン代謝産物と結合することができ、該第2結合剤はプロゲステロン代謝産物と結合することができる、工程;
該エストロゲン代謝産物及び該プロゲステロン代謝産物の排出速度を決定する工程;並びに、
該エストロゲン代謝産物及び該プロゲステロン代謝産物の相対排出速度に基づいて該雌性対象の排卵周期状態を決定する工程
を含む方法。
【請求項2】
前記エストロゲン代謝産物がエストロングルクロニドである、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記プロゲステロン代謝産物がプレグナンジオールグルクロニドである、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記エストロゲン代謝産物がエストロングルクロニドであり、前記プロゲステロン代謝産物がプレグナンジオールグルクロニドである、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記第1結合要素がエストロングルクロニドに結合できる抗体を含み、前記第2結合要素がプレグナンジオールグルクロニドに結合できる抗体を含む、請求項4記載の方法。
【請求項6】
エストロングルクロニド及びプレグナンジオールグルクロニドの一方又は両方を、ポリクローナル抗体に結合することにより検出する、請求項5記載の方法。
【請求項7】
エストロングルクロニド及びプレグナンジオールグルクロニドの一方又は両方を、モノクローナル抗体又はその結合フラグメントに結合することにより検出する、請求項5記載の方法。
【請求項8】
前記結合要素が単一の固相膜又はストリップであり、両方の検体を該ストリップへの結合の後に検出する、請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記捕捉要素が単一の側方流動ストリップである、請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記試験ストリップがエストロングルクロニド及びプレグナンジオールグルクロニドと結合する抗体又は抗体フラグメントを含む、請求項9記載の方法。
【請求項11】
試験ストリップ上のエストロングルクロニド及びプレグナンジオールグルクロニドに対する抗体が検出要素と会合することができる、請求項2〜10の何れか1項に記載の方法。
【請求項12】
試験ストリップ上のエストロングルクロニド及びプレグナンジオールグルクロニドに対する抗体が検出要素にコンジュゲートしている、請求項2〜10の何れか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記検出要素が比色ではない、請求項11又は12記載の方法。
【請求項14】
前記検出要素が常磁性体粒子である、請求項11又は12記載の方法。
【請求項15】
前記哺乳類が畜産動物である、請求項1記載の方法。
【請求項16】
前記哺乳類がウシである、請求項1記載の方法。
【請求項17】
前記エストロゲン代謝産物及び前記プロゲステロン代謝産物の排出速度を少なくとも1のウシ排卵周期の過程に渡って決定されるウシエストロゲン代謝産物及びプロゲステロン代謝産物の値の編集物と比較する工程を含む、請求項16記載の方法。
【請求項18】
ウシエストロゲン代謝産物及びプロゲステロン代謝産物の値の前記編集物が電子データベースである、請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記哺乳類がウマである、請求項1記載の方法。
【請求項20】
前記哺乳類がヒトである、請求項1記載の方法。
【請求項21】
前記体液が尿である、請求項1記載の方法。
【請求項22】
前記尿試料の容量を決定することを更に含む、請求項21記載の方法。
【請求項23】
前記体液が一度収集された尿である、請求項21記載の方法。
【請求項24】
前記体液が時間間隔を参照することなく収集された尿である、請求項21記載の方法。
【請求項25】
前記体液が特定の時間期間に渡って収集された尿である、請求項21記載の方法。
【請求項26】
前記体液が特定の時間期間に関わらず収集された尿である、請求項21記載の方法。
【請求項27】
前記エストロゲン代謝産物及び前記プロゲステロン代謝産物の排出速度を定量する前に、前記尿試料の容量を調節する、請求項21記載の方法。
【請求項28】
前記体液が特定の時間期間に関わらず収集された尿であり、前記排出速度が決定されるよりも前に、試料容量調節工程を必要に応じて試料容量調節を行う試料分注装置により実施する、請求項1記載の方法。
【請求項29】
前記体液が特定の時間期間に関わらず収集された尿であり、試料容量調節工程をアルゴリズムに従って実施する、請求項1記載の方法。
【請求項30】
前記体液が特定の時間期間に関わらず収集された尿であり、試料容量調節工程を尿試料のスペクトル分析に基づいたアルゴリズムに従って実施する、請求項1記載の方法。
【請求項31】
前記体液が特定の時間期間に関わらず収集された尿であり、試料容量調節工程を尿試料の比重に基づいたアルゴリズムに従って実施する、請求項1記載の方法。
【請求項32】
前記アルゴリズムがコンピュータアルゴリズムである、請求項29、30又は31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
前記体液が少なくとも3時間の時間期間に渡って収集された尿である、請求項1記載の方法。
【請求項34】
前記体液が少なくとも3時間の時間期間に渡って収集された尿であり、前記容量を規格化された容量に調節する、請求項1記載の方法。
【請求項35】
前記体液が少なくとも3時間の時間期間に渡って収集された尿であり、前記容量を約150ml/hrに等しい規格化された容量に調節する、請求項1記載の方法。
【請求項36】
最適な妊娠可能性のための時間枠を決定する、請求項1記載の方法。
【請求項37】
排卵日を決定する、請求項1記載の方法。
【請求項38】
前記雌性対象のインビトロの妊娠を実施するための最適な妊娠可能性のための時間枠を決定する工程を更に含む、請求項1記載の方法。
【請求項39】
前記容量を調節するための工程が容量を規格化することを含む、請求項32記載の方法。
【請求項40】
排出速度を決定する前に尿容量の偏りの補正のためのアルゴリズムを使用する工程を更に含む、請求項1記載の方法。
【請求項41】
常磁性粒子を有する固相試験ストリップを使用し、各々の前記エストロゲン代謝産物を第1常磁性粒子により検出し、前記プロゲステロン代謝産物を第2常磁性粒子により検出する、請求項1記載の方法。
【請求項42】
前記エストロゲン代謝産物及び前記プロゲステロン代謝産物の量を定量する、請求項1記載の方法。
【請求項43】
前記エストロゲン代謝産物及び前記プロゲステロン代謝産物の閾値量を正又は負の値として検出する、請求項1記載の方法。
【請求項44】
月経周期内の最大妊娠可能性の期間を決定するために使用する、請求項1記載の方法。
【請求項45】
試料を毎日採取し、前記エストロゲン代謝産物及び前記プロゲステロン代謝産物の排出速度を設定時間間隔に対して毎日定量する、請求項1記載の方法。
【請求項46】
排出速度を測定するために携帯用検出器を用いる工程を含む、請求項1記載の方法。
【請求項47】
前記携帯用検出器がプロゲステロン又はプロゲステロン代謝産物の排出速度の履歴値を含むデータベースと連絡している、請求項22記載の方法。
【請求項48】
前記携帯用検出器がエストロゲン又はエストロゲン代謝産物に関する排出速度の履歴値を含むデータベースと連絡している、請求項22記載の方法。
【請求項49】
請求項1の方法を実施するための試験ストリップ。
【請求項50】
エストロゲン代謝産物と結合できる第1結合要素及びプロゲステロン代謝産物と結合できる第2結合要素を含む試験ストリップ。
【請求項51】
前記第1結合要素及び前記第2結合要素が抗体又はそのフラグメントである、請求項42記載の試験ストリップ。
【請求項52】
エストロングルクロニド及びプレグナンジオールグルクロニドを検出及び定量するための定量的試験ストリップ。
【請求項53】
請求項1の方法を実施するためのキットであって、該キットが固相捕捉要素のための容器及び該キットの使用説明書を含み、該捕捉要素が第1結合剤及び第2結合剤を含み、該第1結合剤はエストロゲン代謝産物と結合でき、該第2結合剤はプロゲステロン代謝産物と結合できるキット。
【請求項54】
請求項1の方法を実施するための読み取り機であって、該読み取り機が:
固相捕捉要素のためのホルダー;
測光信号又は電子活性信号を検出するための検出要素;及び、
該測光信号又は電子活性信号を送信及び/又は分析するための手段
を含む読み取り機。
【請求項55】
哺乳類における妊娠可能性を測定するための方法であって:
哺乳類雌性対象から体液試料を得る工程;
該試料を第1結合剤及び第2結合剤と接触させる工程であって、該第1結合剤はエストロゲン代謝産物と結合することができ、該第2結合剤はプロゲステロン代謝産物と結合することができる、工程;
該エストロゲン代謝産物及び該プロゲステロン代謝産物の排出速度を決定する工程;並びに、
該エストロゲン代謝産物及び該プロゲステロン代謝産物の相対排出速度に基づいて該雌性対象の排卵周期状態を決定する工程
を含む方法。
【請求項56】
妊娠可能性モニターであって:
試料分注器;
試料中の少なくとも2の検体の存在を検出するためのセンサ;
計算するためのプロセッサ;
エストロングルクロニド及びプレグナンジオールグルクロニドの排出速度のデータを含む中央データベース又は内部データ格納部への連絡手段;
を含む妊娠可能性モニター。
【請求項57】
請求項1記載の方法の使用に関する情報を提供するため、及び、周期的にデータの表示を可能にするためのホームユーザーのためのコンピュータプログラム。
【請求項58】
エストロングルクロニド及びプレグナンジオールグルクロニドの排出速度の履歴値を含む月経周期の電子データベースと連絡したコンピュータを伴う使用に適する、尿中エストロングルクロニド及びプレグナンジオールグルクロニドの排出速度の表示及び分析のためのコンピュータプログラム製品。
【請求項59】
哺乳類における妊娠可能性を測定するための方法であって:
雌性対象から体液試料を得る工程;
該試料をプロゲステロン代謝産物と結合することができる結合剤を含む捕捉要素と接触させる工程;
該プロゲステロン代謝産物の排出速度を定量する工程;
該プロゲステロン代謝産物の排出速度に基づいて該雌性対象の排卵周期状態を決定する工程
を含む方法。
【請求項60】
哺乳類における妊娠可能性を測定するための方法であって:
雌性対象から体液試料を得る工程;
該試料をエストロゲン代謝産物と結合することができる捕捉要素と接触させる工程;
該エストロゲン代謝産物の排出速度を定量すること;
同じ卵巣周期内で作製されたエストロゲン代謝産物排出速度に対して該エストロゲン代謝産物の排出速度を比較すること;並びに、
該雌の排卵周期状態を決定する工程
を含む方法。
【請求項61】
非ヒト哺乳類における妊娠可能性を測定するための方法であって:
非ヒト雌性対象から体液試料を得る工程;
該試料を捕捉要素と接触させる工程であって、該捕捉要素は第1結合剤及び第2結合剤を含み、該第1結合剤はエストロゲン代謝産物と結合することができ、該第2結合剤はプロゲステロン代謝産物と結合することができる、工程;
該エストロゲン代謝産物及び該プロゲステロン代謝産物の排出速度を定量する工程;
該エストロゲン代謝産物及び該プロゲステロン代謝産物の相対排出速度に基づいて該雌性対象の排卵周期状態を決定する工程
を含む方法。
【請求項62】
1以上の遠隔地在住対象の生理学的状態をモニタリングする方法であって、中央データ処理システムは1以上の対象モニタリングシステムに連絡され、それからデータを受信するように構成されており、各対象モニタリングシステムは対象データの受信、格納及び分析の1以上を行うことができ、下記:
分析用に対象から試料を得る工程;
対象モニタリングシステムに付随する検体検出器に該試料を接触させる工程;
該検出装置上で検体に対応する測光信号又は電子活性信号を測定し、そして1つ以上の分析物を検出する工程;
該対象モニタリングシステムと該中央データ処理システムとの間でデータの交換を行う工程;
該対象の履歴又は実時間の生理学的状態の評価データを含むコンピュータプログラム製品アウトプットを生成する工程であって、該コンピュータプログラム製品アウトプットが中央データ処理システムと連絡している、工程;
1以上の対象モニタリングシステムからの該対象データを分析する工程;
該コンピュータプログラムにより実施される分析に基づいて該対象の状態を決定する工程;並びに、
同定された対象の状態及び1以上の対象に対する治療管理推奨事項を連絡、送信又は表示する工程;
を含む方法。
【請求項63】
治療管理が必要な1以上の遠隔地在住対象の生理学的状態をモニタリングする方法であって、中央データ処理システムは1以上の対象モニタリングシステムに連絡され、それからデータを受信するように構成されており、各対象モニタリングシステムは対象データの受信、格納及び分析の1以上を行うことができ、下記:
分析用に対象から試料を得る工程;
対象モニタリングシステムに付随する検体検出器に該試料を接触させる工程;
該検出装置上で検体に対応する測光信号又は電子活性信号を測定し、そして1つ以上の分析物を検出する工程;
コンピュータ実行可能なアルゴリズムを用いて液容量の偏りに関する容量補正を実施する工程;
1以上の検体の排出速度を定量する工程;
対象モニタリングシステムから中央データ処理システムに情報を送信する工程;
該対象の履歴及び/又は実時間の生理学的状態の評価データを含むコンピュータプログラム製品アウトプットを生成する工程であって、該コンピュータプログラム製品アウトプットが中央データ処理システムと連絡している、工程;
1以上の対象モニタリングシステムからの該対象データを分析する工程;
個々の履歴データ及び/又は対象集団の履歴データによる統計学的比較により個々の妊娠可能状態評価及び/又は妊娠可能性終点の妊娠可能状態予測の精度を最適化する工程;
該コンピュータプログラムにより実施される分析に基づいて該対象の状態を決定する工程;並びに、
該中央データ処理システム及び/又は対象モニタリングシステムと連絡している少なくとも1の遠隔地在住クライアントを介して、同定された対象の状態及び1以上の対象に対する治療管理推奨事項を連絡、送信及び/又は表示する工程;
を含む方法。
【請求項64】
妊娠可能性管理が必要な複数の遠隔地在住対象の妊娠可能性状態をモニタリングする方法であって、中央データ処理システムは複数の該当する対象モニタリングシステムに連絡され、それよりデータを受信するように構成されており、各対象モニタリングシステムは対象データの受信、格納及び分析を行うことができ、下記:
対象に関連する検出装置を同定する工程;
検出装置の同定を確認する工程;
対象に関連する対象モニタリングシステムの同定を確認する工程;
分析用に該対象から体液試料を得る工程;
該対象モニタリングシステム上の検出に適する検出装置上に該試料を捕捉する工程;
該検出装置を評価すること及び該検出装置上の検体からの信号を測定することによりコンピュータプログラム製品A(アルゴリズムA);及び/又はコンピュータプログラム製品B(アルゴリズムB)へのインプットを与える工程;
対象モニタリングシステムから送信された得られた対象データを対象コンピュータCPU及び/又は中央データ処理システムへのその送信と実質的に同時に分析することにより、該コンピュータプログラム製品(アルゴリズムA)により実施された分析に基づいて対象の妊娠可能状態を決定する工程;
該コンピュータプログラム製品A及び/又はコンピュータプログラム製品Bからの妊娠可能状態評価データを含むコンピュータプログラム製品アウトプットA(データベースA)及び/又はコンピュータプログラム製品アウトプットB(データベースB)を生成する工程;
該コンピュータプログラム製品アウトプットA(データベースA)及び/又は該コンピュータプログラム製品アウトプットB(データベースB)を該対象からの追加的な妊娠可能状態評価データの検出及び分析から生じた追加的な妊娠可能状態評価データインプットを用いて更新する工程;
該中央データ処理システムにおける複数の対象モニタリングシステムから対象データを得る工程であって、該対象データは妊娠可能状態評価データを含む、工程;
該中央データ処理システムにおける複数の対象モニタリングシステムから送信された該対象データを、医師又は指定された健康管理専門家のコンピュータへのその送信と実質的に同時に分析する工程;
該コンピュータプログラム製品B(アルゴリズムB)により実施された分析に基づき、そして、より広範な対象集団からの妊娠可能状態評価データに対して比較する場合の潜在異常を含めて、個々の対象の妊娠可能性問題を同定するために、該対象の妊娠可能状態を決定する工程;
該中央データ処理システム及び/又は該当する対象モニタリングシステムと連絡した少なくとも1の遠隔地在住クライアントを介して、各該当する対象に関する同定された対象妊娠可能状態及び妊娠可能性管理推奨事項を連絡、送信及び/又は表示する工程;並びに、
妊娠可能状態及びより広範な対象集団からの妊娠可能状態評価データに対して比較する場合の潜在異常を含めて、個々の対象の妊娠可能性問題に関する情報を送信する工程;
を含む方法。
【請求項65】
治療管理が必要な1以上の遠隔地在住対象の生理学的状態をモニタリングする方法であって、中央データ処理システムは1つ以上の対象モニタリングシステムに連絡され、それよりデータを受信するように構成されており、各対象モニタリングシステムは対象データの受信、格納及び分析を行うことができ、下記:
分析用に該対象から試料を得る工程;
該対象モニタリングシステム上の検出に適する検出装置上に該試料を捕捉する工程;
該検出装置を評価し、また、該検出装置上の検体からの信号を測定する工程;
対象モニタリングシステムから送信された得られた対象データを該中央データ処理システムへのその送信と実質的に同時に分析することにより、該対象の臨床又は生理学的な状態を決定する工程;
該中央データ処理システムと連絡した該対象の履歴及び/又は実時間の生理学的状態の評価データを含むコンピュータプログラム製品アウトプット(データベース)を生成する工程;
該中央データ処理システムにおける1又は複数の対象モニタリングシステムから送信された該対象データを、医師又は指定された健康管理専門家のコンピュータへのその送信と実質的に同時に分析する工程;
該コンピュータプログラムにより実施された分析に基づき、そして、より広範な対象集団からの臨床又は生理学的状態の評価データに対して比較する場合の潜在異常を含めて、個々の対象の臨床又は生理学的問題を同定するために、対象の臨床又は生理学的状態を決定する工程;並びに、
該中央データ処理システム及び/又は該当対象モニタリングシステムと連絡している少なくとも1の遠隔地在住クライアントを介して、より広範な対象集団からの臨床又は生理学的状態評価データに対して比較する場合の潜在異常を含めて、同定された対象の生理学的状態及び治療管理推奨事項を連絡、送信及び/又は表示する工程;
を含む方法。
【請求項66】
前記対象試料が歯肉滲出液、汗、皮脂、膣液、全血液、血清、血漿、脳脊髄液、尿、リンパ液、呼吸器、腸及び泌尿器の管の外部分泌物、涙液、唾液、乳汁又は白血球から選択される、請求項62〜65の何れか1項に記載の方法。
【請求項67】
前記試料が尿を含む、請求項69記載の方法。
【請求項68】
前記検出装置が多孔性物質、ガラス繊維、膜、紙、ストリップ、パッド、ナイロン、ニトロセルロース又はポリエステル物質から選択される固相捕捉要素を含む、請求項62〜65の何れか1項に記載の方法。
【請求項69】
前記検体検出装置が1以上の代謝産物の検出に適する側方流動を含む、請求項68記載の方法。
【請求項70】
前記検出装置が常磁性粒子包埋アッセイ検出パッドを含む、請求項68記載の方法。
【請求項71】
前記検体が測光信号又は電子活性検出信号を生成する、請求項68記載の方法。
【請求項72】
前記電子活性検体を常磁性粒子にコンジュゲートする、請求項68記載の方法。
【請求項73】
前記検体がホルモン又はホルモン代謝産物から選択される、請求項68記載の方法。
【請求項74】
前記検体がエストロゲン、プロゲステロン、テストステロン又はそれらの代謝産物を含む群から選択される、請求項73記載の方法。
【請求項75】
前記検体が尿中ホルモン代謝産物である、請求項74記載の方法。
【請求項76】
前記尿中ホルモン代謝産物がエストロン3−スルフェート、2−ヒドロキシエストロン、4−ヒドロキシエストロン、2−メトキシエストロン、4−メトキシエストロン、2−メトキシエストロン3−スルフェート、2−メトキシエストロン3−グルクロニド、16アルファ−ヒドロキシエストロン、エストラジオール−17α、エストラジオール17β、16−グルクロニド−エストリオール;エストラジオール−17ベータ3−グルクロニド;エストラジオール−17ベータ3−スルフェート、2−ヒドロキシ−エストラジオール−17β、2−メトキシ−エストラジオール−17β、2−メトキシ−エストラジオール−17ベータ3−スルフェート、2−メトキシ−エストラジオール−17ベータ3−グルクロニド、6β−ヒドロキシ−エストラジオール−17β、2−メトキシエストラジオール、17−エピエストリオール、2−ヒドロキシエストラジオール、16−ケトエストラジオール、16β−ヒドロエストロン、16−エピエストリオールを含む群から選択される、請求項75記載の方法。
【請求項77】
前記エストロゲン又はその代謝産物がエストラジオール、エストロン、エストリオール、2(OH)エストロン、4ヒドロキシ−エストロン、16α−ヒドロキシエストロン、2−メトキシエストロン及び4−メトキシエストロンを含む群から選択される、請求項76記載の方法。
【請求項78】
前記エストロゲン代謝産物がエストロングルクロニド(EIG)である、請求項77記載の方法。
【請求項79】
前記プロゲステロン又はプロゲステロン代謝産物が5β−プレグナン−3α、20α−ジオールグルクロニド、5β−プレグナン−3α−オール−20−1−(5β−プレグネノロン)及び5α−プレグナン−3α−オール−20−1−(5α−プレグネノロン)を含む群から選択される、請求項76記載の方法。
【請求項80】
前記プロゲステロン代謝産物がプレグナンジオールグルクロニド(PdG)である、請求項79記載の方法。
【請求項81】
前記分析及び/又は評価をコンピュータ実行可能なアルゴリズムにより実施する、請求項62〜65記載の方法。
【請求項82】
前記データベースが前記中央データ処理システムと連絡した前記対象の履歴又は実時間の生理学的状態評価データを含む、請求項81記載の方法。
【請求項83】
前記データベースが前記中央データ処理システムと連絡した前記対象の履歴又は実時間の妊娠可能性状態の評価データを含む、請求項82記載の方法。
【請求項84】
前記データベースが前記中央データ処理システムと連絡した前記対象の履歴又は実時間の尿中代謝産物排出速度状態評価データを含む、請求項83記載の方法。
【請求項85】
前記データベースが前記中央データ処理システムと連絡した前記対象の履歴又は実時間の尿中グルクロニド排出速度状態評価データを含む、請求項84記載の方法。
【請求項86】
前記対象の臨床又は生理学的状態を、より広範な対象集団及び/又は該個体からの臨床又は生理学的状態評価データとの比較に基づいて決定する、請求項81記載の方法。
【請求項87】
前記連絡を、送信機、警報器、受信機、電話、モデム、携帯電話、ケーブル、インターネット接続、ワールドワイドウェブリンク、テレビ、閉回路モニター、コンピュータ、表示画面、留守番電話、ファクシミリ機器又はプリンタを含む群から選択される装置により実施する、請求項81記載の方法。
【請求項88】
前記データベースが生理学的データ及び挙動データよりなる群から選択されるデータよりなる、請求項81記載の方法。
【請求項89】
前記データが尿中代謝産物データ;血中グルコース測定;体温測定;食餌、運動、ストレス及び疾患の有無に関係する評価データよりなる群から選択される、請求項90記載の方法。
【請求項90】
前記アルゴリズムが特定の対象の生殖状態に基づいた特定の妊娠可能性養生法の効力を最適化する、請求項81記載の方法。
【請求項91】
前記アルゴリズムが対象入力データに基づいて対象の自己モニタリング及び妊娠可能性管理養生法に対する自動調節を行うように構成されている、請求項89記載の方法。
【請求項92】
前記アルゴリズムが前記対象の妊娠可能性又は排卵周期に影響する可能性がある他の非妊娠可能性適応症に対する併用療法の作用の評価に有用なデータベースを含有する、請求項89記載の方法。
【請求項93】
対象の妊娠可能性管理データをモニタリングするのに適する前記SMSが常磁性検体信号を検出することができる、請求項81記載の方法。
【請求項94】
前記データベースが妊娠可能状態関連値、健康状態、食餌、運動及び服薬;最終測定の日時情報;及び活動養生法の規定された経過に関するデータを含有する、請求項81記載の方法。
【請求項95】
前記アルゴリズムが前記対象により前記SMSに入力された前記データに適用されるものとしての医師又は健康管理専門家の処方に従って対象の排卵変動に対する調節を計算する、請求項81記載の方法。
【請求項96】
SMS内で使用するための前記妊娠可能性アルゴリズムが妊娠可能性管理アルゴリズムを包含し、医師又は他の健康管理専門家が回顧的及び/又は補充的な調節養生法を特定できるようにする、請求項81記載の方法。
【請求項97】
投薬相互作用情報の前記データベースが複数の医薬の対象の使用に関連する情報に関するデータベースを対象が照会できるように構成されている、請求項81記載の方法。
【請求項98】
投薬相互作用情報の前記データベースが各対象に関する特定の履歴的妊娠可能性データプロフィール及び/又は対象の集団に関する履歴的妊娠可能性プロフィールに関するデータベースを対象が照会できるように構成されている、請求項81記載の方法。
【請求項99】
雌における分娩後状態を診断及び治療するための方法であって:
哺乳類雌性対象から体液試料を得る工程;
該試料を固相捕捉要素と接触させる工程であって、該捕捉要素がエストロゲン又はエストロゲン代謝産物と結合することができる結合剤を含む、工程;
該エストロゲン又はエストロゲン代謝産物を定量する工程;及び、
該エストロゲン又はエストロゲン代謝産物の量に基づいて該雌性対象における分娩後状態を診断する工程;及び、
検出された該エストロゲン又はエストロゲン代謝産物の量に基づいて該分娩後状態を治療する工程;
を含む方法。
【請求項100】
前記エストロゲン又はエストロゲン代謝産物の量に基づいてホルモン補充物を投与する工程を含む、請求項99記載の方法。
【請求項101】
雌における閉経及び/又は閉経に伴う症状を治療するための方法であって:
哺乳類雌性対象から体液試料を得る工程;
該試料を固相捕捉要素と接触させる工程であって、該捕捉要素がエストロゲン又はエストロゲン代謝産物と結合することができる結合剤を含む、工程;
該エストロゲン又はエストロゲン代謝産物を定量する工程;及び、
検出された該エストロゲン又はエストロゲン代謝産物の量に基づいて該雌性対象における分娩後状態を診断する工程;及び、
検出された該エストロゲン又はエストロゲン代謝産物の量に基づいて閉経及び/又は閉経に伴う症状を治療する工程;
を含む方法。
【請求項102】
前記閉経が自然閉経、閉経周辺期、誘導閉経、早期閉経又は閉経後の1つとして特徴付けられる、請求項101記載の方法。
【請求項103】
哺乳類における癌を検出する方法であって:
哺乳類対象から体液試料を得る工程;
該試料を固相捕捉要素と接触させる工程であって、該捕捉要素がホルモン又はホルモン代謝産物と結合することができる結合剤を含む、工程;
該代謝産物の量又は排出速度を決定する工程;
該ホルモン又はホルモン代謝産物の量又は排出速度を該哺乳類対象が癌を有する確率に関連付ける工程;及び、
該ホルモン又はホルモン代謝産物の量又は排出速度に基づいて該患者に対する治療プロトコルを推奨する工程;
を含む方法。
【請求項104】
前記対象が乳癌を有することが疑われる雌であり、前記ホルモン又はホルモン代謝産物がエストロゲン又はエストロゲン代謝産物である、請求項103に記載の癌を検出する方法。
【請求項105】
哺乳類雌における生殖障害を検出する方法であって:
哺乳類対象から体液試料を得る工程;
該試料を固相捕捉要素と接触させる工程であって、該捕捉要素がホルモン又はホルモン代謝産物と結合することができる結合剤を含む、工程;
該ホルモン又はホルモン代謝産物の量又は排出速度を決定する工程;
該ホルモン又はホルモン代謝産物の量又は排出速度を該哺乳類対象が不妊に関連する無排卵、原因不明の不妊、閉経周辺期の月経過多、閉経後出血、早期閉経、無月経、ホルモン不均衡、リビド低減、慢性疲労、神経質、骨粗鬆症、月経前症候群、排卵出血、機能不全性子宮出血、ホルモン補充療法、外科的閉経症候群、月経過少、過剰刺激卵巣、多嚢胞性卵巣疾患、習慣性流産、稽留流産及び切迫流産から選択される1以上の障害を有する確率に関連付ける工程;及び、
該ホルモン又はホルモン代謝産物の量又は排出速度に基づいて該患者に対する治療プロトコルを推奨する工程;
を含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公表番号】特表2009−512871(P2009−512871A)
【公表日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−537237(P2008−537237)
【出願日】平成18年10月24日(2006.10.24)
【国際出願番号】PCT/IB2006/003925
【国際公開番号】WO2007/049157
【国際公開日】平成19年5月3日(2007.5.3)
【出願人】(508125863)マナワトゥ バイオテック インベストメンツ リミテッド (エムビーアイエル) (1)