説明

排気ガスから粒子を除去する方法、そのための繊維プライおよび粒子フィルタ

ガス透過性フィルタプライ(23)でガス流(22)から粒子(21)を除去する方法が提案される。フィルタプライはプライ厚(5)の方向に、異なる値のパラメータを持つ部分領域(10)を有し、このパラメータが繊維(4)の少なくとも多孔率(7)、繊維直径(8)、またはフィルタプライ(23)の繊維種割合に関係している。この方法ではガス流(22)が部分ガス流(24)に細分され、部分ガス流はそれぞれフィルタプライ(23)のさまざまな部分領域(10)に通される。さらに、この方法に関係した繊維プライ、粒子フィルタ、排気ガス装置および車両が記載されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動内燃機関の排気ガス装置内で利用するのに適した繊維プライ(ply)に関する。さらに、同じ利用のための粒子フィルタが提案される。それに加えて本発明は、ガス透過性フィルタプライで内燃機関の排気ガスから粒子を除去する方法に関する。
【0002】
内燃プロセスの排気ガスから粒子放出を減らすために、セラミック基板で構成される粒子トラップが知られている。粒子トラップが通路を有し、浄化されるべき排気ガスは粒子トラップに流入できる。隣接する通路が交互に閉鎖されており、排気ガスは入口側で通路に流入し、強制的にセラミック壁を通過し、隣接する通路に沿って出口側で流出する。このようなフィルタは衝突する粒子寸法の全幅にわたって約95%の効率を達成する。
【0003】
粒子もしくは煤と添加物および特殊被膜との望ましくない化学的相互作用に加えて、自動車の排気ガスシステム内でこのようなフィルタを確実に再生することはいまなお問題である。粒子トラップの再生が必要であるのは、通流させる通路壁内での微粒子の集積増加に基づいてフィルタを介した圧力損失もしくはフィルタの前の堰止め圧が絶えず上昇してエンジン出力に否定的に作用するからである。再生は一般に粒子トラップもしくはそのなかに集積する粒子を短時間加熱することを含み、煤粒子はガス状成分に変換される。これは例えば、前置された発熱反応(例えば排気ガス管内に付加的に噴射された燃料の酸化:「後燃え」)を利用して排気ガスが短時間、粒子トラップ内に付着した粒子を転換させるのに十分な温度に達することによって達成することができる。しかしながら粒子トラップのこの高い熱負荷は寿命に否定的に作用する。それに加えて、事情によっては、必要な時点にのみこのような熱的再生を開始するために粒子トラップの目詰まり度の監視が必要である。
【0004】
断続的で熱摩耗を促進するこの再生を避けるために、フィルタもしくは粒子トラップを連続的に再生するためのシステムが開発された(CRT:"Continuous regeneration trap(連続再生トラップ)")。このようなシステムでは、粒子は既に200℃より上の温度においてNO2で酸化することによって燃焼される。このために必要なNO2はしばしば、粒子トラップの上流側に配置される酸化触媒によって生成される。しかしその際まさにディーゼル燃料を使った自動車での応用に関して生じる問題として、希望する二酸化窒素(NO2)に転換できる一酸化窒素(NO)は排気ガス中に不十分な割合でしか存在しない。その限りで事情によっては、NOもしくはNO2をもたらす物質もしくは添加物(例えばアンモニア)を加える必要があり、これらが結局、排気ガスシステム内の粒子トラップの連続的再生を可能とする。
【0005】
この基本検討は主として用語「開放フィルタシステム」もしくは「PM触媒」として知られている新しいフィルタ構想をもたらした。これらの開放フィルタシステムは、フィルタ通路の構造上の交互閉鎖を省くことができることを特徴としている。通路壁は少なくとも部分的に多孔質材料で構成され、開放フィルタの流れ通路は方向変換構造および/または案内構造を有する。通路内のこうした組込物もしくはミクロ構造により、流れもしくはそのなかに含まれた粒子は多孔質材料からなる領域へ誘導される。意外なことに、粒子は遮りおよび/または嵌入によって多孔質通路壁の表面および/または内部に付着したままとなることが判明した。これらの作用の同時発生にとって重要なのは、流れる排気ガスの流れ分布における圧力差である。方向変換もしくはミクロ構造によって付加的に局所負圧状況または過圧状況を発生させることができ、前記圧力差が補償されねばならないので、これらの状況は多孔質通路壁によるフィルタ効果をもたらす。
【0006】
粒子トラップは公知の閉鎖形ふるいシステムまたはフィルタシステムとは異なり「開放」されている。なぜならば、流れ止り路が設けられておらず、もしくは各(少なくとも殆どの)通路の横断面が可変ではあるが、しかし結局自由に通流可能でもあるからである。この性質はこのような粒子フィルタの特徴付けにも利用することができ、例えばパラメータ「流れ自由度」が説明に適している。このような「開放」フィルタ要素の十分な説明は例えば独国特許第20117873号明細書、国際公開第02/00326号パンフレット、国際公開第01/92692号パンフレット、国際公開第01/80978号パンフレットの文献から明らかとなり、それらの開示内容はこれでもって完全に本明細書の対象とされ、以下で本発明に関連してこのようなフィルタ要素の詳細な特徴付けにも利用することができる。
【0007】
多孔性通路区域用に好適な材料を用意することは、数多くの要因、特に材料、耐食性、耐熱性、製造適性、フィルタ効率と調整されねばならない。例えば金属製繊維プライも提案されており、これらの繊維プライは自動車製造時に必要な要因の幾つかを満たすために保護筒を装備している。それらは例えば独国特許第10153283号明細書または国際公開第03/038248号パンフレットに述べられている。
【0008】
公知の「開放フィルタシステム」もしくはそこで利用されるフィルタプライは過去において既にきわめて良好な評価を受けている。特に強調すべことは圧力損失が僅かであることと、粒子トラップがふつう高い温度に曝されている内燃機関の比較的近傍にこのようなフィルタシステムを配置することである。それにもかかわらず、公知の粒子フィルタをその浄化作用に配慮してなお一層効率的にする可能性がここで明示されねばならない。さらに、大量生産の枠内でも価格的に手頃に製造することができかつ金属製粒子トラップ内で利用するのに適し、自動車排気ガスシステム内の高い熱負荷および動的負荷に永続的に耐える繊維プライもしくはフィルタプライが提供されねばならない。
【0009】
この課題は、それぞれ独立して記載された装置請求項による繊維プライもしくは粒子フィルタ、並びに独立して記載された方法請求項による粒子除去方法によって解決される。本装置および本方法のその他の有利な実施態様は各従属請求項に記載されている。これに関連して指摘しておくなら、特許請求の範囲に個々に明示された特徴は技術的に有意義な任意の仕方で互いに組合せることができ、本発明のその他の有利な実施態様を示すものである。
【0010】
本発明に係る繊維プライは移動内燃機関の排気ガス装置内で利用するのに適しており、繊維からなる複合体を含む。繊維プライは、繊維プライの一方の面から反対側の面へ延びるプライ厚を有する。繊維プライはパラメータとしての多孔率、繊維直径、繊維種割合の少なくとも1つに基づいて特徴付けることができる。この繊維プライは、前記パラメータの少なくとも1つがプライ厚の方向に可変値を有し、この値の極値が繊維プライの面から離間していることを特徴としている。
【0011】
「繊維」とは縦長要素であり、その繊維長が繊維直径の多数倍である。繊維が互いに結合されて平面プライに形成される。複合体は規則的なものまたは無秩序なものとすることができる。規則的複合体の例は編物、織物、格子である。無秩序な複合体の例は絡合いプライである。繊維は直接的素材結合で存在することができるが、しかし補助手段を介して繊維を接合技術で互いに結合しておくことも可能である。繊維もしくは繊維プライは耐熱耐食性材料からなり、排気ガス装置内の環境条件に永続的に耐えることができる。繊維を説明するための重要な値は繊維長、繊維直径、繊維種割合である。このような繊維において繊維長は好ましくは0.05〜0.4mm[ミリメートル]の範囲内である。繊維直径はふつう0.09mmより小さい範囲内、好ましくは0.015〜0.05mmの範囲内である。繊維相互の配置はなかんずく多孔率によって説明することができる。多孔率とは繊維プライの横断面における自由に通流可能な領域の割合である。多孔率はふつう50%〜90%の範囲内である。繊維からなる複合体は一般に空洞、開口もしくは孔を形成し、それらの最大広がりは0.001〜0.1mmの範囲内であり、除去すべき粒子を考慮して選択することができる。他のパラメータはいわゆる繊維種割合であり、繊維プライを形成するために異なる繊維種ないし繊維形態を利用する場合に繊維がどのような割合で存在するかがこのパラメータで説明される。繊維プライが例えば一方では繊維直径の小さい多数の繊維(Fsmall)と他方では繊維直径の大きい多数の繊維(Flarge)とを有する場合、繊維種割合は(Fsmall+Flarge)に対するFsmallもしくはFlargeの比から生じる。好ましくは繊維種の繊維種割合はプライ厚にわたって少なくとも10%、特に20%の範囲内で変化する。
【0012】
本発明により提案された繊維プライでは、特性パラメータの少なくとも1つがプライ厚の方向に変化し、極値は繊維プライの内部にある。「繊維プライ」とは実際に繊維の複合体のみを意味しており、フィルタプライを製造するための(例えば薄板箔のような)別の材料態様の付加的部材は含まれていない。これはそのような部材が存在し得ないことを意味しているのではなく、そのような部材は可変パラメータを検討するときにのみ検討されない。希望する繊維プライパラメータを設定するために隣り合わせて設けられる各種の繊維もしくは繊維層を有する繊維プライの構成はそのことに左右されない。これは、繊維プライが縁層では中央層とは異なるように構成されていることを特に意味している。
【0013】
「極値」とは検討するパラメータの最大値もしくは最小値のことである。その際好ましいのは、プライ厚の中心もしくは中央に対して実質的に対称に形成される値の変化である。そのことの利点として、繊維プライは両面からのそのフィルタ作用に関して作用が同じとなるよう構成され、それとともに製造技術的観点のもとで一層容易に製造し輸送し継続加工することができる。各極値が実質的に繊維プライの共通横断面平面に配置され、つまりすべての極値が繊維プライの表面から概ね同じ距離を有すると特に好ましい。
【0014】
繊維プライの本発明により提案された実施態様により、繊維プライのさまざまな深さに、通流するガス流もしくはそのなかに伴送された粒子に対して異なる流れ抵抗が用意される。そのことから、ガス流は外的流れ力もしくは圧力差に相応して繊維プライのさまざまな層もしくは深さに流れて進む。この事実はガス流の一層効率的な浄化を行うのに利用することができ、同時に、圧力損失の望ましくない上昇が避けられる。
【0015】
繊維プライの有利な一実施態様によれば、繊維プライが金属繊維を含む。その際好ましくは、アルミニウム、クロム、ニッケルの合金元素の少なくとも1つを成分として有する鉄素材が利用される。この素材自体は好ましくは焼結性でもある。これは、繊維自体が焼結素材から製造され、もしくは焼結法で製造されること、ならびに繊維が互いに接合技術で結合され、ここで焼結法が利用されることを意味している。
【0016】
さらに、繊維プライがプライ厚の方向に複数の部分領域を有し、部分領域内でパラメータの少なくとも1つが一定であることが提案される。換言するならこれは、繊維プライが層状に構成され、このような1つの層の内部において、検討したパラメータが実質的に一定であることを意味する。このような層状に構成された繊維プライは基本的に別の繊維材料も有することができ、層は結局、互いに接合されている。しかし1つの素材で繊維プライを構成することが好ましく、繊維自体もしくはそれらの相互配置は層が形成されるように構成されている。そのことの利点として、一層安定し一層永続的な層の凝集が確保されており、そのことは異なる材料を有する層の場合、もしくは付加的接合素材によって互いに結合された層の場合、必ずしも与えられていない。
【0017】
繊維プライのこのような層状構造において、奇数の部分領域が存在し、中央に配置された部分領域がパラメータの極値を有すると特に有利である。好ましくはこのような繊維プライが3つの部分領域を(場合によって5つの部分領域も)有し、縁層内のパラメータは実質的に同一に選択されており、それとは異なるパラメータ値は中央に配置された部分領域にある。パラメータは個々の部分領域の境界領域で急激にまたは連続的にその値を変えることができる。
【0018】
このような繊維プライもしくはフィルタプライのプライ厚は基本的に3.0mmより小さい範囲内、好ましくは0.1mm〜2.0mmの範囲内にある。移動用途にとって良好な結果は0.3mm〜0.5mmの範囲内のプライ厚を有する繊維プライによって得られ、部分領域は約0.1mmの厚さで形成された。さまざまな部分領域へのプライ厚の分割は行うことができるが、しかし同じ割合で行う必要はない。
【0019】
可変多孔率を有する繊維プライが形成されている場合、極値が最小値であることが特に提案される。換言するならこれは、繊維プライの多孔率が繊維プライの内側領域、特に中央領域で最小であり、つまり通流するガス流にとって最高の流れ抵抗がそこに存在することを意味する。そのことから、繊維プライの完全通流のためにかなりの圧力差が存在しなければならなくなり、一方、縁領域でのガスの通流は低い圧力差において既に起きることができる。さらに、多孔率を低減されたこれらの部分領域は経験的にまず固体もしくは粒子で塞がれ、その後場合によっては粒子がガス状成分に転換され、繊維領域が再生されるまで部分的に閉塞されることを考慮すべきである。それにもかかわらず、繊維フライは通常これらの個所でもなおフィルタ作用を有する。なぜならば、排気ガスもしくはガス流はなお繊維プライの縁層を通流でき、従ってさらに浄化されるからである。
【0020】
繊維プライのプライ厚にわたって繊維直径が可変に形成されている場合、好ましくは極値が最小値であることが提案される。換言するならこれは、繊維プライの内側部分領域には縁層におけるよりも小さな繊維直径を有する繊維が存在することを意味する。試験で判明したように、粒子に対する浄化作用もしくは堆積可能性に関する繊維の効率は繊維直径の減少に伴って上昇する。これは、中央領域に特に高い効率を有する繊維プライがここに存在し、縁領域が低減された効率を有することを意味する。中央領域で利用することのできる繊維は繊維直径が例えば50μm[マイクロメートル]より小さく、もしくは25μmより小さく、縁領域には例えば繊維直径が50μm〜100μmの範囲内の繊維を設けることができる。
【0021】
さらに例えば、繊維プライのプライ厚にわたって繊維種割合を可変に形成することも可能であり、繊維直径の小さい繊維(Fsmall)と繊維直径の大きい繊維(Flarge)が互いに混合されもしくは結合されている。特に好ましくはFsmallは20〜25μm[マイクロメートル]の範囲内の繊維直径を有し、Flargeは35〜45μmの範囲内の繊維直径で実施されている。パラメータとしての繊維種割合の極値はこの場合好ましくはFsmall=約0.3〜0.4対Flarge=約0.7〜0.6の範囲内にある。このような繊維種割合は、プライ厚にわたって実質的に一定に保持されている場合に、粒子分離に関して既に有利な結果を示した。しかしなお他の利点を達成できるのは、繊維種割合が少なくとも1つの縁領域近傍でFsmall=0.0〜0.2対Flarge=1.0〜0.8の範囲内にあるときである。
【0022】
繊維プライの一実施態様によれば、繊維の少なくとも一部がその繊維長にわたって可変な繊維直径を有する。換言するならこれは、異なる構成の繊維で繊維プライを製造しなければならないのではなく、繊維の少なくとも一部がそれ自体、可変な繊維直径を備えていることを意味する。そのことから、可変パラメータを有するこのような繊維プライの製造が、特に大量生産のとき著しく容易となる。
【0023】
これに関連して、繊維直径の値が繊維の中央区域で極値、特に最小値であると特に有利である。換言するならこれは、2つの太い端部と細く実施された中央区域とを有する繊維が用意されることを意味する。これらの繊維を次に互いに配置して1つの複合体を形成することができ、例えば同じ繊維直径を有する繊維区域が互いに隣り合わせて(特に実質的に表面と平行な1つの横断面平面に)配置されており、こうして繊維プライの異なる層が形成される。
【0024】
本発明により提案される粒子フィルタは移動内燃機関の排気ガス装置内で利用するのに適しており、少なくとも1つの繊維プライと少なくとも部分的に構造化された少なくとも1つの箔とを含む。少なくとも1つの繊維プライと少なくとも部分的に構造化された少なくとも1つの箔とは両方でハニカム体の通路を形成し、通路の少なくとも一部は少なくとも1つのハニカム構造を有する。本発明に係る粒子フィルタでは、少なくとも1つの繊維プライが、プライ厚の方向に変化する多孔率、繊維直径の群からの少なくとも1つのパラメータを有する。本発明により先に述べられたような構成の繊維プライを有する粒子フィルタが特に好ましい。
【0025】
この粒子フィルタは好ましくは冒頭に述べたようないわゆる「開放フィルタシステム」であり、前記刊行物の独国特許第20117873号明細書、国際公開第02/00326号パンフレット、国際公開第01/92692号パンフレット、国際公開第01/80978号パンフレットの開示内容は以下の明細書を補足して解説的に引き合いに出すことができる。本発明に係る粒子フィルタの再生には、現在知られている特に連続式、不連続式のあらゆる方法を利用することができるが、しかし好ましいのは「CRT」法による連続式再生である。
【0026】
ハニカム体を有する粒子フィルタの構成は基本的に知られている。実質的に互いに平行に配置された多数の通路が形成され、これらの通路がハニカム体の入口側をハニカム体の出口側に連通させる。浄化されるべき排気ガスは入口面を介して流入し、部分排気ガス流として通路内を流れる。ミクロ構造がハニカム体の内部に圧力差を引き起こし、部分排気ガス流は繊維プライを少なくとも部分的に貫流し、その際に浄化される。このようなハニカム体は好ましくは少なくとも100cpsi、好ましくは150cpsi〜400cpsiの範囲内のセル密度で実施される(cpsi;"cells per square inch";1cpsiは6.4516平方センチメートル当り1通路に相当)。通路は通常それぞれ、構造化された箔の部分領域と繊維プライの部分領域とによって画成される。箔は同様に耐熱耐食性材料からなり、特に金属製である。箔は100μm[マイクロメートル]より小さい箔厚で実施されており、好ましくは反復する(マクロ)構造、例えば波形状を有する。箔も繊維プライも少なくとも部分的に1つのまたは各種の被膜を備えておくことができ、場合によっては触媒活性材料を備えることもできる。箔と繊維プライとの永続的複合体を保証するために箔と繊維プライとは互いに結合され、特にろう付または溶接されている。
【0027】
この粒子フィルタの一実施態様により、少なくとも1つのミクロ構造が、通流するガス流を少なくとも1つの繊維プライへ誘導するように通路内に配置されることが提案される。ミクロ構造はこのために案内面、隆起部、突起等として構成され、それにより圧力差もしくは流入エッジが生じ、通常は通路の内部を層状に流れるガス流が繊維プライの方に偏向させられる。ガス流と一緒に、伴送される粒子も繊維プライの方に誘導され、そこに結局粒子は繊維プライを貫流時もしくは繊維プライと接触時に堆積する。通路、繊維プライもしくは粒子フィルタの内部での粒子の滞留時間は、少なくとも大部分でガス状成分への変換が起きるまで維持される。このため、熱的変換、窒素酸化物での変換もしくは再生を行うことが可能である。
【0028】
特に、粒子フィルタは、ミクロ構造と繊維プライとが隙間を形成しこの隙間が1.5mmより小さい隙間幅を有するように形成されている。有利には隙間幅が約1.0mm、または0.5mm〜0.8mmの範囲内にある。基本的に、1つの通路の内部に複数のミクロ構造を設けることができ、通路の内部でも隣接通路内でも隙間は同一に実施しておく必要がないことを指摘しておく。しかし隙間を設けると、「開放フィルタシステム」が存在すること保証される。従って、通路内を流れるガス流の少なくとも一部は、繊維プライを完全に貫流することなく「バイパス」としてミクロ構造の脇に通される。ミクロ構造の寸法もしくは形状は、繊維プライへの流れの方向変換もしくは繊維プライ内での流れの偏向にかなり影響する。
【0029】
プライ厚の方向に可変パラメータを有する繊維プライの本発明により提案された構成では、排気ガスもしくはガス流の一部が繊維プライを貫流し、こうして隣接通路内に達し、一方別の一部はミクロ構造の脇をさらに通路に沿って流れる。ガス流に対する流れ抵抗が中央に配置された層よりも小さい縁層を有する繊維プライの構成は、この「バイパス」部分ガス流が少なくとも部分的に縁層を貫流し、従って伴送された粒子のやはり一部が繊維に堆積することを可能とする。そのことから、ガス流、特に内燃機関の排気ガスからの粒子、特に煤の除去に関する粒子フィルタの効率が向上する。
【0030】
さらに、本発明に係る粒子フィルタを含む内燃機関排気ガス装置も提案される。内燃機関としては、特に、固体粒子を有する排気ガスを生成するエンジンである。その際、ディーゼル燃料を燃焼させる移動エンジンを特に強調することができる。
【0031】
さらに、前述した種類の粒子フィルタを含む車両も提案される。車両はここでは別の利用分野(芝刈機、チェーンソー等)に比べて好ましい用途として挙げてある。というのも、これに関連する法規定が排気ガスの特に効率的浄化を求めるからである。そのことはまさに乗用車およびトラックに当てはまる。
【0032】
本発明によれば、ガス透過性フィルタプライでガス流から粒子を除去する方法が提案され、フィルタプライはプライ厚の方向に、異なる値のパラメータを持つ部分領域を有する。このパラメータはフィルタプライの繊維の少なくとも多孔率または繊維直径に関係している。この方法においてガス流は部分ガス流に分割され、部分ガス流はそれぞれフィルタプライの異なる部分領域に通される。換言するならこれは、部分ガス流が確かにそれにもかかわらずフィルタプライの1つの部分領域もしくは個々の部分領域を一緒に通流し、しかし結局分割が行われ、部分ガス流の1つがフィルタプライの別の部分領域および/または他の部分領域を通流することを意味する。これでもって特に表現されるのは、各部分ガス流への分離がフィルタプライの面方向ではなくプライ厚方向で行われることである。特にこれは、1つの部分ガス流がガス透過性フィルタプライを完全に通流し、一方、ガス流の別の一部がガス透過性フィルタプライにのみ入り込み、しかし同じ側もしくは面へ再び流出し、フィルタプライを完全には通流しないことを意味する。部分ガス流は例えばそれらの流れ方向、流速、温度、粒子付着量等に関して相違している。
【0033】
既に上で述べたように、部分ガス流がフィルタプライの少なくとも1つの縁層にのみ通され、他の部分ガス流がフィルタプライのすべての部分領域を通流すると特に有利である。付加的になお付記しておくなら、フィルタプライについて本発明に係る種類の繊維プライが考えられているが、しかし別の材料もしくは物質でフィルタプライを構成することも可能であり、これらの材料はやはりプライ厚の方向に前記パラメータの可変値を有し、これらの値の極値はフィルタプライの面から離間して遠く離れている。
【0034】
本方法の他の一実施態様によれば、縁層のみを通流する部分ガス流はフィルタ区間に沿って縁層に通され、このフィルタ区間はフィルタプライのプライ厚に少なくとも一致する。すなわち、フィルタプライを完全には通流しない部分ガス流(「バイパス」)は流路の少なくとも同じ区間を介してフィルタ材料と接触している。既に述べたように、フィルタプライの層もしくは部分領域はその効率に関して区別することができ、ここに述べられたフィルタ区間を保証することによって、縁層でのみフィルタ材料に通されるこの排気ガスに対して少なくとも比例的フィルタ作用が生ぜしめられる。好ましくは、フィルタ区間は隣接する層がそれらの効率または別のパラメータに関して異なるように延長される。フィルタ区間は、圧力差または強制的流れ分布を適切に用意することによって、例えばこのようなガス透過性フィルタプライによって限定される流れ通路内にミクロ構造を特別に構成することによって形成することができる。
【0035】
最後に、各部分ガス流の量決定をフィルタプライ自体によって行うことも提案される。換言するなら、フィルタプライ自体の構成が、部分ガス流への全ガス流の分解を行う手段を有する。これらの手段は繊維プライのパラメータをさまざまに構成することによって実現することができ、つまり内在的とすることもできる。例えば、プライ厚の方向に異なる流れ抵抗もしくは多孔率を有するフィルタプライの構成は、このような量決定もしくは分割を行うことができる。
【0036】
ここに述べた方法は、提案された本発明に係る繊維プライの1つで、もしくは本発明に係る粒子フィルタの提案された構成で、特に良好に実現することができる。
【0037】
本発明と本発明の技術的周辺が以下で図に基づいて詳しく説明される。図は本発明に係る粒子フィルタもしくは本発明に係る繊維プライの特別好ましい実施形態も示しているが、しかし本発明はこれらの実施形態に限定されない
図1は本発明に係る方法に適したフィルタプライを概略的に示す。
図2は本発明に係る繊維プライの実施形態を示す。
図3は本発明に係る繊維プライの他の構成を概略的に示す。
図4は粒子フィルタの実施形態の通路を概略的におよび詳細に示す。
図5は排気ガス装置を備えた車両の概概斜視図である。
図6は粒子フィルタの構造を概略的に示す。
【0038】
図1は予め定められたプライ長29とプライ幅30とを持って通常提供されるフィルタプライ23を概略斜視図で示す。フィルタプライ23は(もしくは繊維プライ1も)2つの面6によって限定され、これらの面は最後にフィルタプライ23のプライ厚5を限定する。ガス透過性フィルタプライ23はこのプライ厚5の方向に複数の部分領域10(10.1,10.2,10.3)を有し、部分領域はフィルタプライ23を説明するパラメータに基づいて相違している。フィルタプライ23を特徴付けるパラメータは、例えば、フィルタプライ23が繊維プライ1として実施されている場合には繊維4の多孔率7または繊維直径8である。
【0039】
細部図から認めることができるように、フィルタプライ23に当たるガス流22が部分的にフィルタプライ23の内側領域に入り込む。全ガス流22が第1部分領域10.1を貫流したのち、ガス流は第2部分領域10.2に衝突する。中央領域に配置されているこの部分領域10.2は、ガス流22の一部が貫流可能でない多孔率および/または繊維直径を有する。従ってこの部分ガス流24.1は第2部分領域10.2への移行部で偏向され、再び第1部分領域10.1内を流れ、フィルタプライ23から流出する。しかし例えば高い流速、僅かな粒子付着量等を有する別の部分ガス流24.2は第2部分領域10.2も貫流する。引き続き部分ガス流24.2は隣接部分領域10.3内に達し、そこを通流し、反対側の面6から再び流出する。第1部分ガス流24.1も第2部分ガス流24.2もフィルタプライ23の少なくとも1つの第1部分領域10.1と接触していた。しかし第1部分ガス流24.1が1つの部分領域10.1のみを通流する間、部分ガス流24.2はすべての部分領域10.1,10.2,10.3を通された。部分ガス流24の量決定はフィルタプライ23自体によって行われた。なぜならば、このフィルタプライは部分領域10内に異なる流れ抵抗を用意し、この異なる流れ抵抗によりガス流22のこのような分割が生じるからである。
【0040】
図2は繊維プライ1の細部を概略的に示す。繊維プライ1を限定する面6の近傍に、第1繊維直径8を有する繊維4が設けられている。中央領域にやはり繊維4が設けられているが、しかしこれらの繊維は別の繊維直径8を有する。さまざまに特徴付けられた繊維4が接合技術で互いに永続的に結合され、無秩序な複合体を形成し、同時に多孔率7が実現される。繊維プライ1のこの細部図の左右にパラメータとしての多孔率7および繊維直径8の値の概略推移がプライ厚5にわたって図示されている。
【0041】
図2の左側に多孔率7の推移が示してある。中央領域、つまり面6から離間して、多孔率7が最小である極値9がある。多孔率7の推移は繊維プライ1の中央層に対して実質的に対称であり、移行部が連続的とされている。
【0042】
同様に図2の右側には繊維直径8の推移がプライ厚5にわたって示してある。細い繊維直径8を有する繊維4が中央領域に設けられ、太い繊維直径8を有する繊維4が縁層に設けられている事実に基づいて、右側に示すような繊維直径8の急激な推移が生じる。極値9はやはり中央領域に形成される。
【0043】
図3はやはり繊維プライ1と特別に拡大された細部とを概略的に示す。この細部が示す繊維プライ1は繊維プライ1の両面6に被膜31を有し、被膜31は当然に繊維4の内側領域にも、またはすべての自由表面にさえ延在することができる。繊維プライ1がここでは繊維4の規則的複合体として構成されており、繊維4は繊維長11にわたって可変な繊維直径8で実施されている。このため繊維4の中央区域12では繊維直径8が極値9に達しており、そのことはやはり右側に図示した推移から概略的に認めることができる。ここに示す例では繊維直径8はそれぞれ面6の近傍で異なるように実施されており、ここでは繊維長11もしくはプライ厚5にわたって繊維直径8の非対称な推移が存在する。繊維4の同種の規則的な方向付けもしくは整列によって、プライ厚5の方向に可変パラメータを有する繊維プライ1の構成を提供する縁層25がやはり形成される。ここに示した構成の繊維4でも、繊維複合体内に一体化される他の繊維4(例えば別の材料、または一定の繊維直径を有するもの)を繊維プライ1の部分領域に設けることも可能である。
【0044】
図4は、移動内燃機関の排気ガス装置内で利用するのに適した本発明に係る粒子フィルタ13の構造を概略部分横断面図で示す。この粒子フィルタ13は、プライ厚5の方向に変化する多孔率および繊維直径の群からの少なくとも1つのパラメータを有する繊維プライ1と、少なくとも部分的に構造化された少なくとも1つの箔14とを含み、繊維プライ1と箔14は両方で多数の通路15を形成する。図示された実施形態において箔14はミクロ構造17を有する。図4の符号「A」における上側部分にこのような通路15の細部が縦断面図として示してある。その下に符号「B」として通路15の概略横断面が示してあり、横断面平面は観察方向を明示して図「A」に書き込まれている。
【0045】
作用様式が以下で詳しく説明される。粒子21を伴送するガス流22、特に排気ガス流は通路15内を流れ、通路15内に突入したミクロ構造17に当たる。これにより、ガス流22が繊維プライ1へ誘導される。繊維プライ1は縁層25と内部中央層とを有する。全ガス流22がなお第1縁層25を貫流する一方、中央層は部分ガス流24に対するそのパラメータ(例えば多孔率および/または繊維直径等)のゆえに、部分ガス流がこの層を貫流しないような流れ抵抗を示す。むしろこの偏向された部分ガス流24はフィルタ区間26に沿って縁領域25内をさらに流れ、最後には再び通路15内に流入して戻る。ガス流22の別の一部はこの中央層を貫流し、それに続く縁層25も貫流し、反対側の面で流出する。ガス流22が繊維プライ1を通流するとき、伴送した粒子21が繊維プライ1の繊維4に堆積し、結局ガス流22が浄化される。
【0046】
隣接通路15内で流れを方向変換させもしくは圧力差を達成するためにミクロ構造17が設けられている。このミクロ構造17は箔14の材料もしくは構造に設けられる突起を含む。純変形加工を利用することができるが、しかしこのようなミクロ構造17を打抜きまたは別の切断法によって作成することも可能であり、一般に穴32が箔14に設けられる。これにより、隣接通路15の流れ技術的な連通も生じ、浄化されるべき排気ガスは再び混合することができる。ここで案内面として示してあるミクロ構造17は繊維プライ1とで隙間18を形成し、この隙間18は予め定められた隙間幅19を有する。ミクロ構造17の構成と繊維プライ1の構成とガス流22の流れ特性はいまやさまざまな部分ガス流24への量的分配を引き起こす。
【0047】
図5は内燃機関3と付属する排気ガス装置2とを含む車両20の概略斜視図を示す。内燃機関3内で生成された排気ガスは優先的流れ方向33で排気ガス装置を通流し、浄化後に周囲に放出される。排気ガス装置2が排気ガス管28を含み、この排気ガス管28中に多数のさまざまな排気ガス処理装置が前後に設けられている。この事例では以下の構成要素の酸化触媒27、粒子フィルタ13、触媒27を順次通流させる。しかし基本的に粒子フィルタ13は公知の排気ガス処理装置のあらゆる組合せに組み込むことができる。酸化触媒27と粒子フィルタ13とのここに示した直列接続は冒頭に述べた「CRT」原理による粒子フィルタの連続再生を特に可能とする。
【0048】
図6はハウジング34とそのなかにあるハニカム体16とを含む粒子フィルタ13の概略正面図を示す。ハニカム体16は繊維プライ1と箔14とから互いに巻回してなる多数の積層体35で形成されている。交互に積層された繊維プライ1と構造化された箔14は、排気ガスが通流可能である通路15を形成する。通路の内部に設けられた(図示しない)ミクロ構造17はガス流22が繊維プライ1内を流れるようにする。
【0049】
ここに述べた本発明は移動内燃機関の排気ガスから粒子の特別効率的な浄化を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明に係る方法に適したフィルタプライの概略図
【図2】本発明に係る繊維プライの実施形態を示す図
【図3】本発明に係る繊維プライの他の構成の概略図
【図4】粒子フィルタの実施形態の通路を示す図
【図5】排気ガス装置を備えた車両の概略斜視図
【図6】粒子フィルタの構造を示す概略図
【符号の説明】
【0051】
1 繊維プライ
2 排気ガス装置
3 内燃機関
4 繊維
5 プライ厚
6 面
7 多孔率
8 繊維直径
9 極値
10 部分領域
11 繊維長
12 区域
13 粒子フィルタ
14 箔
15 通路
16 ハニカム体
17 ミクロ構造
18 隙間
19 隙間幅
20 車両
21 粒子
22 ガス流
23 フィルタプライ
24 部分ガス流
25 縁層
26 フィルタ区間
27 触媒
28 排気ガス管
29 プライ長
30 プライ幅
31 被膜
32 穴
33 流れ方向
34 ハウジング
35 積層体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動内燃機関(3)の排気ガス装置(2)内で利用するのに適した繊維プライ(1)であって、繊維(4)からなる複合体を含み、繊維プライ(1)の一方の面(6)から反対側の面(6)へ延びるプライ厚(5)を有し、繊維プライ(1)をパラメータの多孔率(7)、繊維直径(8)、繊維種割合の少なくとも1つに基づいて特徴付けることができる繊維プライにおいて、前記パラメータの少なくとも1つがプライ厚(5)の方向に可変値を有し、この値の極値(9)が繊維プライ(1)の面(6)から離間していることを特徴とする繊維プライ。
【請求項2】
繊維プライ(1)が金属繊維(4)を含むことを特徴とする請求項1記載の繊維プライ。
【請求項3】
繊維プライ(1)がプライ厚(5)の方向に複数の部分領域(10)を有し、部分領域内でそれぞれパラメータの少なくとも1つが一定であることを特徴とする請求項1又は2記載の繊維プライ。
【請求項4】
奇数の部分領域(10)が存在し、中央に配置された部分領域(10)がパラメータの極値を有することを特徴とする請求項3記載の繊維プライ。
【請求項5】
パラメータが多孔率(7)であり、極値(9)が最小値であることを特徴とする請求項1乃至4の1つに記載の繊維プライ。
【請求項6】
パラメータが繊維直径(8)であり、極値(9)が最小値であることを特徴とする請求項1乃至5の1つに記載の繊維プライ。
【請求項7】
繊維(4)の少なくとも一部がその繊維長(11)にわたって可変な繊維直径(8)を有することを特徴とする請求項1乃至6の1つに記載の繊維プライ。
【請求項8】
中央区域(12)における繊維直径(8)の値が極値であることを特徴とする請求項7記載の繊維プライ。
【請求項9】
移動内燃機関(3)の排気ガス装置(2)内で利用するのに適した粒子フィルタ(13)であって、少なくとも1つの繊維プライ(1)と少なくとも部分的に構造化された少なくとも1つの箔(14)とを含み、繊維プライ(1)と箔(14)とが両方でハニカム体(16)の通路(15)を形成し、通路(15)の少なくとも一部が少なくとも1つのミクロ構造(17)を有する粒子フィルタ(13)において、少なくとも1つの繊維プライ(1)が、プライ厚(5)の方向に変化する多孔率(7)および繊維直径(8)の群からの少なくとも1つのパラメータを有することを特徴とする粒子フィルタ。
【請求項10】
少なくとも1つのミクロ構造(17)が、通流するガス流(22)を少なくとも1つの繊維プライ(1)へ誘導するように通路(15)内に配置されていることを特徴とする請求項9記載の粒子フィルタ。
【請求項11】
ミクロ構造(17)と繊維プライ(1)とが隙間(18)を形成し、この隙間(18)が1.5ミリメートルより小さい隙間幅(19)を有することを特徴とする請求項9又は10記載の粒子フィルタ。
【請求項12】
請求項9乃至11の1つに記載の粒子フィルタ(13)を含む内燃機関(3)の排気ガス装置。
【請求項13】
請求項9乃至11の1つに記載の粒子フィルタ(13)を含む車両。
【請求項14】
異なる値のパラメータを持つ部分領域(10)をプライ厚(5)の方向に有するガス透過性フィルタプライ(23)でガス流(22)から粒子(21)を除去する方法において、このパラメータがフィルタプライ(23)の繊維(4)の少なくとも多孔率(7)または繊維直径(8)に関係しており、ガス流(22)が部分ガス流(24)に分割され、部分ガス流(24)がそれぞれフィルタプライ(23)の異なる部分領域(10)に通されることを特徴とするガス流から粒子を除去する方法。
【請求項15】
1つの部分ガス流(24)がフィルタプライ(23)の少なくとも1つの縁層(25)にのみ通され、他の1つの部分ガス流(24)がすべての部分領域(10)を通流することを特徴とする請求項14記載の方法。
【請求項16】
縁層(25)にのみ接触する部分ガス流(24)が、フィルタプライ(23)のプライ厚(5)に少なくとも一致したフィルタ区間(26)を通流することを特徴とする請求項15記載の方法。
【請求項17】
各部分ガス流(24)の量決定がフィルタプライ(23)自体によって行われることを特徴とする請求項14又は15記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公表番号】特表2008−528847(P2008−528847A)
【公表日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−549878(P2007−549878)
【出願日】平成18年1月6日(2006.1.6)
【国際出願番号】PCT/EP2006/000717
【国際公開番号】WO2006/072606
【国際公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【出願人】(500038927)エミテック ゲゼルシヤフト フユア エミツシオンス テクノロギー ミツト ベシユレンクテル ハフツング (156)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】