説明

排気ガス浄化装置

【課題】担体収納部の内側の水分を効果的に排出すると共に、触媒担持体の配設位置の自由度が低下することを防止できる排気ガス浄化装置を提供する。
【解決手段】排気ガス浄化装置1は、内燃機関6の排気通路に配される。排気ガス浄化装置1は、通電によって加熱する触媒担持体10と、排気通路の一部を構成し、触媒担持体10を収納する担体収納部21とを備える。また、排気ガス浄化装置1は、担体収納部21の上流側に配された上流側配管3と、下流側に配された下流側配管4とを備えている。担体収納部21は、触媒担持体10を保持する側壁部22を備えている。この側壁部22の内側面223は、軸方向と平行に形成され、下流側が低くなるように傾斜している。下流側配管4の接続開口部41は、側壁部22の内側面223のうち最下部211と連続する位置に開口している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関から排出される排気ガスを浄化するためのハイブリッド車両用の排気ガス浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関の排気ガス浄化装置としては、排気通路に排気ガス浄化用の触媒を担持してなる電気加熱式の触媒担持体を配設したものが知られている。該排気ガス浄化装置は、内燃機関により駆動する際、内燃機関の始動前に触媒担持体を予め加熱して触媒を活性状態にしておき、内燃機関始動直後の排気ガス浄化効率を高めることができる。触媒担持体は、ハニカム状に形成されたセラミックスからなる担体に、三元触媒等の触媒を担持して形成されると共に、担体に通電することで加熱するよう構成してある(特許文献1〜特許文献3)。
【0003】
従来の排気ガス浄化装置9において、電気加熱式の触媒担持体90は、図7に示すごとく、排気ガスを流通する排気管91に形成された担体収納部92に配される。この担体収納部92は、同図に示すごとく、排気管の一部を拡径して形成された円筒形状をなしており、筒状の側壁部93によって触媒担持体90を押圧保持している。
【0004】
ところが、内燃機関の排気ガスには水分が含まれているため、排気通路内において結露すると共に滴下して、担体収納部92内に水分95が溜まる場合がある。図7に示すごとく、この水分95に触媒担持体90が浸かった状態で触媒担持体90を加熱すると、触媒担持体90において、水分95に浸かった部分と排気ガスに曝された部分との間に温度差を生じる。これにより、触媒担持体90に熱応力が生じ、触媒担持体90の割れに至るおそれがある。そこで、図8に示すごとく、担体収納部92を傾斜させることにより、水分95が担体保持部92から排出されるよう構成することが考えられる。また、特許文献4には、排気通路において電気加熱式の触媒担持体の上流側と下流側とに水分を貯留するための窪み部を設ける構造が示されている。また、窪み部に変えて、水分を吸着する吸着手段を設ける構造についても示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3385974号公報
【特許文献2】特許第2845004号公報
【特許文献3】特許第3316137号公報
【特許文献4】特開2010−209699号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、担体収納部92を傾斜させる構造においては、その傾斜角度を大きく設定する必要がある。すなわち、図8に示すごとく、担体収納部92と排気管91との間には段差が形成されている。そのため、水分95が段差を乗り越える角度まで担体収納部92を傾斜させる必要があり、傾斜角度が大きくなりやすい。このように、担体収納部の傾斜角度を大きくした場合、担体収納部と連結された上流側配管及び下流側配管が車両の上下方向に向かって突出する。したがって、車両の上下方向に対して大きな配設スペースが必要となり、車両の床下に触媒担持体を配設することが困難となる場合がある。これにより、触媒担持体の配設位置の自由度が低くなりやすい。
【0007】
また、特許文献4に示された窪み部を設けた構造においては、触媒担持体の上流側及び下流側で滴下した水分が触媒担持体側へ流入することを防止できるが、担体収納部において滴下した水分の流入を防止することはできない。また、窪み部に貯留した水分が自動車の走行中の振動等により、触媒担持体側に流入するおそれもある。
また、吸着手段を設けた場合には、排気通路における排気ガスの流通性が悪化し、排気ガスの排気が充分に行えなくなるおそれがある。
【0008】
本発明は従来の問題点に鑑みてなされたものであり、担体収納部の内側の水分を効果的に排出すると共に、触媒担持体の配設位置の自由度が低下することを防止できる排気ガス浄化装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、内燃機関の排気通路に配される排気ガス浄化装置であって、
排気ガス浄化用の触媒を担持すると共に通電によって加熱することができるよう構成された触媒担持体と、
上記排気通路の一部を構成すると共に上記触媒担持体を収納する担体収納部と、
上記排気通路における上記担体収納部の上流側に配された上流側配管と、
上記排気通路における上記担体収納部の下流側に配された下流側配管とを備え、
上記担体収納部は、上記触媒担持体に対する排気ガスの流通方向である軸方向に対して直交する方向から上記触媒担持体を保持する側壁部を備え、
該側壁部の内側面は、上記軸方向と平行に形成されると共に下流側が低くなるように水平方向に対して傾斜しており、
上記担体収納部に対する上記下流側配管の接続開口部は、上記側壁部の上記内側面のうち最下部と連続する位置に開口していることを特徴とする排気ガス浄化装置にある(請求項1)。
【発明の効果】
【0010】
上記排気ガス浄化装置においては、上記担体収納部の上記側壁部の上記内側面は、上記触媒担持体の上記軸方向と平行に形成されると共に、下流側が低くなるように水平方向に対して傾斜している。さらに、上記担体収納部に対する上記下流側配管の接続開口部は、上記側壁部の上記内側面における上記最下部と連続する位置に開口している。すなわち、上記側壁部の上記内側面は、下流側が低くなるよう傾斜すると共に、その下流端である上記最下部に上記接続開口部が開口している。
【0011】
これにより、上記担体収納部に流入した水分は、下流側に傾斜した上記側壁部の上記内側面を伝い、上記接続開口部へと流通する。そして、上記接続開口部から上記下流側配管へと流出する。それゆえ、上記担体収納部に水分が溜まることを防ぎ、上記触媒担持体が水分に浸かることを効果的に防止することができる。
また、上記担体収納部の上記側壁部の上記内側面における上記最下部と連続する位置に上記接続開口部が開口しているため、上記側壁部の上記内側面の水平方向に対する傾斜角を大きくしなくても水分を上記接続開口部へ向かって流通させることができる。それゆえ、上記傾斜角を小さくすることにより、上記触媒担持体における上記軸方向を水平方向に近づけることができる。これにより、上下方向に対する上記上流側配管及び上記下流側配管の突出を抑制し、配設位置の自由度の低下を抑制することができる。
【0012】
上記のごとく、本発明によれば、担体収納部の内側の水分を効果的に排出すると共に、触媒担持体の配設位置の自由度が低下することを防止できる排気ガス浄化装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施例1における、排気ガス浄化装置を示す説明図。
【図2】実施例1における、担体収納部の断面説明図。
【図3】実施例2における、担体収納部の断面説明図。
【図4】実施例3における、担体収納部の断面説明図。
【図5】実施例4における、担体収納部の断面説明図。
【図6】実施例5における、担体収納部の断面説明図。
【図7】背景技術における、排気ガス浄化装置を示す説明図。
【図8】背景技術における、担体収納部の断面説明図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
上記排気ガス浄化装置において、上記下流側配管は上記担体収納部から該担体収納部の上記軸方向に延びており、上記下流側配管の上記接続開口部における最下部は、上記側壁部の内側面における最下部に配置されていることが好ましい(請求項2)。この場合には、上記側壁部と上記下流側配管との間において、水分を効率よく排気通路の下流側へ流通させることができる。また、上記側壁部と上記下流側配管との間における排気ガスの流通方向の変化量を小さくすることができ、効率よく排気ガスを流通することができる。
【0015】
また、上記担体収納部に対する上記上流側配管の接続開口部は、上記側壁部の上記内側面のうち最上部と連続する位置に開口していることが好ましい(請求項3)。この場合には、上記担体収納部内において、浄化前の排気ガスは、上記担体収納部の最上部に連続して配された上記上流側配管から取り込まれる。そして、上記担体収納部の内側を流通し、上記触媒担持体により浄化された排気ガスは、上記担体収納部の最下部に連続して配された上記下流側配管から排出される。そのため、上記担体収納部に流入した排気ガスを、上記触媒担持体の上部から下部にわたる全体に接触させやすくなる。したがって、上記触媒担持体に担持された上記触媒の全体を万遍なく用いて、効果的に排気ガスを浄化することができる。それゆえ、上記排気ガス浄化装置の浄化性能を向上することができる。
【0016】
また、上記上流側配管は上記担体収納部から該担体収納部の上記軸方向に延びており、上記上流側配管の接続開口部における最上部は、上記側壁部の内側面における最上部に配置されていることが好ましい(請求項4)。この場合には、上記側壁部と上記上流側配管との間における排気ガスの流通方向の変化量を小さくすることができ、効率よく排気ガスを流通することができる。
【実施例】
【0017】
(実施例1)
本発明の実施例にかかる排気ガス浄化装置1について、図1及び図2を参照して説明する。
本例に示す排気ガス浄化装置1は、図1及び図2に示すごとく、内燃機関6の排気通路に配されるものである。排気ガス浄化装置1は、排気ガス浄化用の触媒を担持すると共に通電によって加熱することができるよう構成された触媒担持体10と、上記排気通路の一部を構成すると共に触媒担持体10を収納する担体収納部21とを備えている。また、排気ガス浄化装置1は、上記排気通路における担体収納部21の上流側に配された上流側配管3と、上記排気通路における担体収納部21の下流側に配された下流側配管4とを備えている。
【0018】
担体収納部21は、触媒担持体10に対する排気ガスG1の流通方向である軸方向に対して直交する方向から触媒担持体10を保持する側壁部22を備えている。この側壁部22の内側面223は、軸方向と平行に形成されていると共に下流側が低くなるように水平方向に対して傾斜している。担体収納部21に対する下流側配管4の接続開口部41は、側壁部22の内側面223のうち最下部211と連続する位置に開口している。
【0019】
本例の排気ガス浄化装置1について、詳細に説明する。
図1に示すごとく、排気ガス浄化装置1は、内燃機関6及びモータ(図示略)を駆動源として備えるハイブリッド車両に用いられるものである。
排気ガス浄化装置1は、内燃機関6における排気管2内の上記排気通路に配設された電気加熱式の触媒担持体10と、上記排気通路において触媒担持体10の下流側に配設された下流側浄化部5とを有する。
【0020】
電気加熱式の触媒担持体10は、排気ガス浄化用の触媒を担体に担持して構成されている。
上記担体は、略円柱状をなすと共に、その軸方向に排気ガスを流通するよう形成された複数のセルからなるハニカム構造体である。上記担体は、例えばSiCを主成分とする多孔質のセラミックス抵抗体を用いることができる。上記担体の外周側面には、一対の電極12が設けてある。そして、上記担体は、一対の電極12間に通電することにより、上記担体を加熱することができるよう構成してある。
【0021】
触媒担持体10において、上記担体に担持された触媒には、Pt、Rh等からなる三元触媒を用いた。
また、図2に示すごとく、触媒担持体10の外周側面には、担体収納部21の内側面223と当接する絶縁部11を形成してある。絶縁部11は、触媒担持体10と上記排気通路の一部をなす担体収納部21との間を電気的に絶縁してなる。
【0022】
上記排気通路をなす排気管2は、図1及び図2に示すごとく、触媒担持体10を保持する担体収納部21と、この担体収納部21の上流側に配された上流側配管3と、担体収納部21の下流側に配された下流側配管4とを有している。
担体収納部21は、図2に示すごとく、触媒担持体10の外周側面を保持する円筒状の側壁部22と、該側壁部22の上流側に位置する上流側開口端221と上流側配管3の接続開口部31とを接続する上流側径変化部23を有している。側壁部22は、その軸方向が水平方向に対して下流側に傾斜するように配してある。また、担体収納部21は、側壁部22の下流側に位置する下流側開口端222と下流側配管4の接続開口部41とを接続する下流側径変化部24を有している。
【0023】
上流側径変化部23は、図2に示すごとく、上流側開口端221から、接続開口部31に向かって徐々に縮径するように形成してある。また、下流側径変化部24は、同図に示すごとく、下流側開口端222から、接続開口部41に向かって徐々に縮径するように形成してある。この場合には、上流側径変化部23及び下流側径変化部24において、排気ガスG1の流通方向を緩やかに変化させることができる。したがって、排気ガスG1の流通方向を変化させる際の圧損を低減し、排気効率の低下を抑制することができる。
【0024】
上流側配管3は、図1に示すごとく、円筒状のパイプを湾曲させて形成してあり、一端を内燃機関6の排気ポート61と連結してある。上流側配管3の他端は、担体収納部21の上流側径変化部23と連結してあり、排気ポート61から排出される排気ガスG1は、上流側配管3の内側を流通して担体収納部21へと送られる。上流側配管3の他端には、図1及び図2に示すごとく、直線形状をなす直管部34を形成してあり、この直管部34の中心軸線と側壁部22の中心軸線とは、同一直線上に配してある。
【0025】
下流側配管4は、図1に示すごとく、一端を担体収納部21の下流側径変化部24と連結してある。下流側配管4の他端は、下流側浄化部5と連結してあり、電気加熱式の触媒担持体10によって浄化された浄化排気ガスG2は、下流側配管4の内側を流通し下流側浄化部5へと送られる。図1及び図2に示すごとく、下流側配管4の一端には、直線形状をなす直管部43を形成してあり、接続開口部41における最下部42が、担体収納部21の最下部211と連続して配される。また、下流側配管4の直管部43における軸方向は、担体収納部21の側壁部22における軸方向と平行に配されている。
【0026】
すなわち、円筒状をなす側壁部22における中心軸と、この中心軸と交差する鉛直方向の直線とが存在する平面の断面(図2)において、接続開口部41の最下部42と側壁部22の最下部211とは、同一の点(最下点P1)上に配されている。また、側壁部22の内側面223の断面形状における下方に位置する下方輪郭線213と、下流側配管4の内側面の断面形状における下方に位置する下方輪郭線44とは、最下点P1を通過する同一直線上に配されている。
【0027】
図1に示すごとく、下流側配管4の他端に連結された下流側浄化部5は、電気加熱式の触媒担持体10によって浄化された浄化排気ガスG2をさらに浄化するためのものである。下流側浄化部5は、上記排気通路をなす下流側担体収納部51と、この下流側担体収納部51内に配された排気ガス浄化用の触媒を担体に担持した下流側触媒担持体52とからなる。
下流側触媒担持体52の担体は、略円柱状の外形をなすと共に、その軸方向が排気ガスの流通方向となるよう形成された複数のセルからなるハニカム構造体である。本例において、下流側触媒担持体52の担体は、例えばコージェライトを主成分とする多孔質のセラミックス抵抗体を用いることができる。
下流側触媒担持体52は、上記担体の表面全体を三元触媒によって被覆して形成されている。下流側触媒担持体52は、排気ガスG1の熱を利用して加熱するように構成してある。
【0028】
本例においては、電気加熱式の触媒担持体10及び下流側触媒担持体52の上記触媒に三元触媒を用いたが、これに限られるものではなく、酸化触媒等の種々の上記触媒を用いることができる。
また、排気ガス浄化装置1において、電気加熱式の触媒担持体10によって所望の排気ガス浄化性能を得られる場合には、下流側浄化部5を省略してもよい。
【0029】
次に、本例の作用効果について説明する。
本例において、担体収納部21の側壁部22の内側面223は、触媒担持体10の軸方向と平行に形成されると共に、下流側が低くなるように水平方向に対して傾斜している。さらに、担体収納部21に対する下流側配管4の接続開口部41は、側壁部22の内側面223における最下部42と連続する位置に開口している。すなわち、側壁部22の内側面223は、下流側が低くなるよう傾斜すると共に、その下流端である最下部42に接続開口部41が開口している。
【0030】
これにより、担体収納部21に流入した水分Wは、下流側に傾斜した側壁部22の内側面223を伝い、接続開口部41へと流通する。そして、接続開口部41から下流側配管4へと流出する。それゆえ、担体収納部21に水分Wが溜まることを防ぎ、触媒担持体10が水分Wに浸かることを効果的に防止することができる。
また、担体収納部21の側壁部22の内側面223における最下部42と連続する位置に接続開口部41が開口しているため、側壁部22の内側面223の水平方向に対する傾斜角を大きくしなくても水分Wを接続開口部41へ向かって流通させることができる。それゆえ、上記傾斜角を小さくすることにより、触媒担持体10における上記軸方向を水平方向に近づけることができる。これにより、上下方向に対する上流側配管3及び下流側配管4の突出を抑制し、配設位置の自由度の低下を抑制することができる。
【0031】
また、下流側配管4は担体収納部21から該担体収納部21の軸方向に延びており、下流側配管4の接続開口部41における最下部42は、側壁部22の内側面223における最下部211に配置されている。そのため、側壁部22と下流側配管4との間において、水分を効率よく上記排気通路の下流側へ流通させることができる。また、側壁部22と下流側配管4との間における排気ガスG1の流通方向の変化量を小さくすることができ、効率よく排気ガスG1を流通することができる。
【0032】
上記のごとく、本例によれば、担体収納部21の内側の水分Wを効果的に排出すると共に、触媒担持体10の配設位置の自由度が低下することを防止できる排気ガス浄化装置1を提供することができる。
【0033】
(実施例2)
本例は、図3に示すごとく、実施例1に示した排気ガス浄化装置1に対して、上流側配管3の配置を変更した例である。
本例の排気ガス浄化装置1における上流側配管3の直管部34は、同図に示すごとく、その軸方向が担体収納部21の側壁部22の軸方向と同方向となるように配されている。また、直管部34の接続開口部31における最下部33は、担体収納部21の側壁部22における軸線と平行でかつ担体収納部21における最下部211を通る直線上に配してある。すなわち、円筒状をなす側壁部22における中心軸と、この中心軸と交差する鉛直方向の直線とが存在する平面の断面(図3)において、側壁部22の断面形状における下方に位置する下方輪郭線213と、上流側配管3の断面形状における下方に位置する下方輪郭線35とは同一直線上に配されている。その他の構成は実施例1と同様である。
本例においても実施例1と同様の効果を得ることができる。
【0034】
(実施例3)
本例は、図4に示すごとく、実施例1に示した排気ガス浄化装置1に対して、下流側配管4の配置を変更した例である。
本例の排気ガス浄化装置1においては、同図に示すごとく、担体収納部21における側壁部22の軸方向に対して、下流側配管4における直管部43の軸方向を下流側に傾斜するように配してある。
【0035】
すなわち、円筒状をなす側壁部22における中心軸と、この中心軸と交差する鉛直方向の直線とが存在する平面の断面(図4)において、接続開口部41の最下部42と側壁部22の最下部211とは、同一の点(最下点P1)上に配されている。また、側壁部22の内側面223の断面形状における下方に位置する下方輪郭線213と、下流側配管4の内側面の断面形状における下方に位置する下方輪郭線44とは、最下点P1において交わっている。尚、本例において、直管部43の水平方向に対する傾斜角度は、側壁部22の内側面223における傾斜角度よりも大きく設定してある。その他の構成は実施例1と同様である。
本例においても実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
【0036】
(実施例4)
本例は、図5に示すごとく、実施例1に示した排気ガス浄化装置1に対して、上流側配管3における接続開口部31の配設位置を変更した例である。
本例の排気ガス浄化装置1において、担体収納部21に対する上流側配管3の接続開口部31は、同図に示すごとく、側壁部22の内側面223の最上部212と連続する位置に開口している。すなわち、担体収納部21の側壁部22における軸線と、この軸線と交差する鉛直方向の直線とからなる平面の断面(図5)において、上流側配管3の最上部32と担体収納部21の側壁部22における最上部212とは、同一の点である最上点P2上に配されている。また、断面において、側壁部22の内側面223の断面形状における上方に位置する上方輪郭線214と、上流側配管3の内側面の断面形状における上方に位置する上方輪郭線36とは、最上点P2上で交わっている。そして、上流側配管3の直管部34における軸方向は、水平方向となるように配してある。その他の構成は実施例1と同様である。
【0037】
担体収納部21内において、浄化前の排気ガスG1は、担体収納部21の最上部212に連続して配された上流側配管3から取り込まれる。そして、担体収納部21の内側を流通し、触媒担持体10により浄化された排気ガスG1は、担体収納部21の最下部211に連続して配された下流側配管4から排出される。そのため、担体収納部21に流入した排気ガスG1を、触媒担持体10の上部から下部にわたる全体に接触させやすくなる。したがって、触媒担持体10に担持された上記触媒の全体を万遍なく用いて、効果的に排気ガスG1を浄化することができる。それゆえ、排気ガス浄化装置1の浄化性能を向上することができる。
また、本例においても実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
【0038】
(実施例5)
本例は、図6に示すごとく、実施例4に示した排気ガス浄化装置1に対して、上流側配管3の配設角度を変更した例である。
本例の排気ガス浄化装置1においては、同図に示すごとく、上流側配管3における直管部34の軸方向と、担体収納部21の側壁部22の軸方向とが平行となるように配してある。すなわち、円筒状をなす側壁部22における中心軸と、この中心軸と交差する鉛直方向の直線とが存在する平面の断面(図6)において、側壁部22の断面形状における上方に位置する上方輪郭線214と、上流側配管3の断面形状における上方に位置する上方輪郭線36とは、同一直線上に配してある。その他の構成は実施例4と同様である。
【0039】
上流側配管3は担体収納部21から該担体収納部21の軸方向に延びており、上流側配管3の接続開口部31における最上部32は、担体収納部21の側壁部22の内側面223における最上部212に配置されている。そのため、側壁部22と上流側配管3との間における排気ガスG1の流通方向の変化量を小さくすることができ、効率よく排気ガスG1を流通することができる。
また、本例においても実施例4と同様の作用効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0040】
1 排気ガス浄化装置
10 触媒担持体
21 担体収納部
211 最下部
22 側壁部
223 内側面
3 上流側配管
4 下流側配管
41 接続開口部
42 最下部
6 内燃機関
G1 排気ガス
W 水分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関の排気通路に配される排気ガス浄化装置であって、
排気ガス浄化用の触媒を担持すると共に通電によって加熱することができるよう構成された触媒担持体と、
上記排気通路の一部を構成すると共に上記触媒担持体を収納する担体収納部と、
上記排気通路における上記担体収納部の上流側に配された上流側配管と、
上記排気通路における上記担体収納部の下流側に配された下流側配管とを備え、
上記担体収納部は、上記触媒担持体に対する排気ガスの流通方向である軸方向に対して直交する方向から上記触媒担持体を保持する側壁部を備え、
該側壁部の内側面は、上記軸方向と平行に形成されると共に下流側が低くなるように水平方向に対して傾斜しており、
上記担体収納部に対する上記下流側配管の接続開口部は、上記側壁部の上記内側面のうち最下部と連続する位置に開口していることを特徴とする排気ガス浄化装置。
【請求項2】
請求項1に記載の排気ガス浄化装置において、上記下流側配管は上記担体収納部から該担体収納部の上記軸方向に延びており、上記下流側配管の接続開口部における最下部は、上記側壁部の内側面における最下部に配置されていることを特徴とする排気ガス浄化装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の排気ガス浄化装置において、上記担体収納部に対する上記上流側配管の接続開口部は、上記側壁部の上記内側面のうち最上部と連続する位置に開口していることを特徴とする排気ガス浄化装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の排気ガス浄化装置において、上記上流側配管は上記担体収納部から該担体収納部の上記軸方向に延びており、上記上流側配管の接続開口部における最上部は、上記側壁部の内側面における最上部に配置されていることを特徴とする排気ガス浄化装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−237280(P2012−237280A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−108109(P2011−108109)
【出願日】平成23年5月13日(2011.5.13)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】