説明

排気ガス計測装置

【課題】自動車等から排出される排気ガスを定容量採取(CVS)によって採取して分析する排気ガス計測装置に関し、希釈率を低減させることで計測精度を向上させる。
【解決手段】排気ガス計測装置は、排気ガスが導入される本体部14と、一端が本体部14に連通し他端が外気に開放された希釈部16と、本体部14内のガスの一部を一定の割合で採取する定容量採取部20と、採取されたガスの分析を行う分析部22と、本体部14に連通し、排気ガスを一時的に貯留するための空間を形成する可変容積部24を備えている。可変容積部24は、本体部14と連通する上板241と鉛直方向に伸縮自在な側板243と所定の重さの底板242とから構成され、本体部14の圧力が所定の基準値より大きい場合に、底板242が下降して容積部24の容積が拡大するように、該底板242の重さが調整されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動車等から排出される排気ガスを定容量採取(CVS)によって採取して分析する排気ガス計測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の排気ガス中に含まれる各種の成分の排出重量を測定する場合においては、定容量採取装置(Constant Volume Sampler,以下「CVS」と称する)が広く使用されている。特開平7−218399号公報に開示されている技術も、そのようなCVSに関するものである。この公報に開示された技術では、排気ガスが混合気で希釈空気と混合され、サイクロンで除塵され、臨界流量ベンチュリにより混合ガスの定量性が確保される。そして、混合ガスの一部は、サンプル採取ポンプにより採取バッグに採取されて、分析装置へと供給される。このように、CVSは空気で希釈した希釈排気を定容量にすることで、採取バッグへの部分比例採取精度を高く保つことができるので、計測の信頼性を高めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−218399号公報
【特許文献2】特開平11−230871号公報
【特許文献3】特開2001−249065号公報
【特許文献4】特開2000−221123号公報
【特許文献5】実開平5−77752号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、CVSによる排気ガス計測においては、排気の希釈率を下げてガス分析濃度を上げることで、計測精度を向上させることができる。しかしながら、対米FTP試験等の規定走行試験では車両の排気流量が変化する。このため、CVSにおいて排気を常に希釈して定流量に保つためには、CVSの流量設定を試験中の車両最大排気流量よりも大きくする必要がある。このため、車両の高負荷時等を考慮すると、CVSの流量設定を大きくせざるを得ず、希釈に限界が生じてしまい、高精度な計測を行うことができないおそれがあった。
【0005】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、CVSを用いた排気ガス計測において、希釈率を低減させることで計測精度を向上させることのできる排気ガス計測装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、上記の目的を達成するため、排気ガスが導入される本体部と、一端が前記本体部に連通し他端が外気に開放された希釈部と、前記本体部内のガスの一部を一定の割合で採取する採取部と、採取されたガスの分析を行う分析部と、備えた排気ガス計測装置において、
前記本体部に連通し、排気ガスを一時的に貯留するための空間を形成する容積部と、
前記本体部の圧力が所定の基準値より大きい場合に、前記容積部の容積を増大させる容積可変機構と、
を備えることを特徴とする。
【0007】
第2の発明は、上記の目的を達成するため、排気ガスが導入される本体部と、一端が前記本体部に連通し他端が外気に開放された希釈部と、前記本体部内のガスの一部を一定の割合で採取する採取部と、採取されたガスの分析を行う分析部と、備えた排気ガス計測装置において、
所定容量の空間を形成するバッファ部を前記希釈部の途中に備えることを特徴とする。
【0008】
第3の発明は、第2の発明において、
前記バッファ部は、前記希釈部の外気側から該バッファ部へ導入される外気と前記希釈部の本体部側から該バッファ部へ導入される排気ガスとを分離するための分離機構を備えることを特徴とする。
【0009】
第4の発明は、上記の目的を達成するため、排気ガスが導入される本体部と、一端が前記本体部に連通し他端が外気に開放された希釈部と、前記本体部内のガスの一部を一定の割合で採取する採取部と、採取されたガスの分析を行う分析部と、備えた排気ガス計測装置において、
前記本体部に排気を導入するための排気輸送配管と、
前記排気輸送配管の配管長を可変に設定するための配管長可変機構と、
前記希釈部への排気ガスの流入を検知する検知手段と、
前記検知手段によって排気ガスの流入が検知された場合に、前記配管長が長くなるように前記配管長可変機構を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0010】
第5の発明は、上記の目的を達成するため、排気ガスが導入される本体部と、一端が前記本体部に連通し他端が外気に開放された希釈部と、前記本体部内のガスの一部を一定の割合で採取する採取部と、採取されたガスの分析を行う分析部と、備えた排気ガス計測装置において、
前記希釈部の途中に連通するサブ本体部と、
前記サブ本体部内のガスの一部を一定の割合で採取するサブ採取部と、
前記サブ本体部への排気ガスの流入を検知する検知手段と、を更に備え、
前記検知手段によって排気ガスの流入が検知された場合に、前記採取部と前記サブ採取部とを併用して、前記分析部へ供給するガスを採取することを特徴とする。
【0011】
第6の発明は、上記の目的を達成するため、排気ガスが導入される本体部と、一端が前記本体部に連通し他端が外気に開放された希釈部と、前記本体部内のガスの一部を一定の割合で採取する採取部と、採取されたガスの分析を行う分析部と、備えた排気ガス計測装置において、
前記本体部における前記採取部上流側かつ前記希釈部下流側に設けられた絞り弁と、
排気ガスの流量に応じて、前記絞り弁の開度を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
排気ガスの流量が増大すると本体部内の圧力が上昇する。このため、排気ガスが希釈部に逆流して外部へ放出されるおそれがある。第1の発明によれば、本体部の圧力が所定の基準値よりも大きい場合に容積部の容積が拡大されて、排気ガスが一時的に吸収される。このため、本発明によれば、排気ガスが希釈部から外部へ放出される事態を効果的に抑止することができる。これにより、採取部の流量を低く設定することが可能となるので、希釈率を効果的に低減することができる。
【0013】
第2の発明によれば、希釈部の途中にバッファ部が設けられる。このため、本発明によれば、排気流量の増大によって希釈部へ逆流した排気ガスを該バッファ部に溜めることができるので、排気ガスが希釈部から外部へ放出される事態を効果的に抑止することができる。これにより、採取部の流量を低く設定することが可能となるので、希釈率を効果的に低減することができる。
【0014】
第3の発明によれば、バッファ部は、外気側から導入される外気(希釈空気)と本体部側から導入される排気ガスとを分離するための分離機構を備えている。このため、本発明によれば、該バッファ部内で排気ガスと希釈空気とが混合されることが抑制されるので、排気ガス流量の少ない軽負荷時に該バッファ部内の排気ガスを優先的に本体部へ戻すことができる。
【0015】
第4の発明によれば、希釈部へ排気ガスが逆流した場合に、配管長可変機構によって排気輸送配管の長さを長くすることができる。このため、本発明によれば、排気ガスの連続性を保ちつつ、排気ガスが希釈部から外部へ放出される事態を効果的に抑止することができる。
【0016】
第5の発明によれば、排気ガスの流量が増大し、本体部からサブ本体部へ排気ガスが流入した場合に、採取部とサブ採取部とを併用したガス採取が行われる。このため、本発明によれば、各採取部の流量を低く設定することができるので、希釈率を大幅に低減することができる。
【0017】
第6の発明によれば、排気流量に応じて絞り弁の開度が可変に設定される。絞り弁の開度を可変させると採取部の流量が変化する。このため、本発明によれば、絞り弁の開度を制御して最適な採取部の流量を設定することにより、希釈率を効果的に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本実施の形態1の排気ガス計測装置の構成を説明するための図である。
【図2】可変容積部24の詳細構造を示す図である。
【図3】本実施の形態1の排気ガス計測装置の構成の変形例を示す図である。
【図4】可変容積部28の詳細構造を示す図である。
【図5】本実施の形態1の排気ガス計測装置の構成の他の変形例を示す図である。
【図6】本実施の形態2の排気ガス計測装置の構成を説明するための図である。
【図7】固定容量バッファ部40の容量を決定するためのマップを示す。
【図8】固定容量バッファ部40の内部構成を示す図である。
【図9】本実施の形態3の排気ガス計測装置の構成を説明するための図である。
【図10】流路可動部101の構造の一例を示す図である。
【図11】本実施の形態4の排気ガス計測装置の構成を説明するための図である。
【図12】排気流量と採取ルートとの関係を示す図である。
【図13】本実施の形態5の排気ガス計測装置の構成を説明するための図である。
【図14】ベンチュリ流量Fとスリット回転弁60の開度との関係を示す図である。
【図15】臨界条件範囲内でのベンチュリ流量の可変幅の具体例を示す図である。
【図16】本実施の形態の排気ガス計測装置において、スリット回転弁60を絞り限界(全閉)まで可変させた場合の様子を説明するための図である。
【図17】本実施の形態5の排気ガス計測装置の変形例の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面に基づいてこの発明の幾つかの実施の形態について説明する。尚、各図における共通する要素は、重複する説明を省略する。また、以下の実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0020】
実施の形態1.
[実施の形態1の構成]
図1乃至図5を参照して、本発明の実施の形態1の排気ガス計測装置について説明する。図1は、本実施の形態1の排気ガス計測装置の構成を説明するための図である。図1に示すとおり、本実施の形態の計測装置はCVSを基本構造としている。より具体的には、本実施の形態の計測装置は、車両等から排気された排気ガスを該計測装置内へ輸送するための排気輸送配管10を備えている。排気輸送配管10の途中には、排気ガスの温度を所定の温度に調整するための熱交換器12が配置されている。
【0021】
排気輸送配管10の端部は、該計測装置の本体である本体部14に接続されている。排気輸送配管10内の排気ガスは、熱交換器12において所定の温度(例えば100℃)に調整された後に該本体部14へ導入される。本体部14の途中には、導入された排気ガスを希釈するための希釈空気(外気)を導入するための希釈部16が配置されている。希釈部16は、より具体的には、一端が該本体部14に連通され、他端がフィルタ18を介して外気に開放された配管構造を有している。本体部14内の排気ガスは、希釈部16から導入された希釈空気によって希釈された後に下流へ流通する。
【0022】
本体部14の更に下流側には、定容量採取部20が配置されている。定容量採取部20は、流通する排気ガスを所定の定流量に維持しつつ、その排気ガスの一部を採取する。なお、定容量採取部20は、公知のCVSと同様の構造であるため、その詳細な説明は省略する。定容量採取部20によって採取された排気ガスは分析部22へ導入される。分析部22は、排気ガス成分の中の特定成分の排出重量(マスエミッション)等を計測する。
【0023】
次に、本実施の形態の排気ガス計測装置の特徴的構成について説明する。図1に示すとおり、本実施の形態の計測装置は、可変容積部24を備えている。可変容積部24は、配管26を介して本体部14における希釈部16との合流部の上流側に連通している。
【0024】
図2は、可変容積部24の詳細構造を示す図である。この図に示すとおり、可変容積部24は、上板241と底板242と側板243とで立方体に構成されており、配管26は上板241から該可変容積部24の内部へ連通している。また、側板243は蛇腹構造を有しており、固定された上板241を基準に鉛直方向に伸縮自在に構成されている。また、可変容積部24は、本体部14内の圧力Pが所定の圧力P−α(Pは大気圧)よりも小さい場合に底板242が上昇し、P−αよりも大きい場合に底板242が下降するように、該底板242の重さが調整されている。なお、本実施の形態の可変容積部24では、可変容積部24は一辺が63cmの立方体(容積250L)、底板242の重さが1.21kg、α=0.03kPaに設定されている。
【0025】
[実施の形態1の動作]
次に、本実施の形態の動作について説明する。CVSを用いた排気ガス計測では、外気で希釈された排気ガスを定容量(一定流量)に保つことで、高精度な比例採取を可能としている。この際、排気の希釈率を下げるほど、すなわちガス分析濃度を上げるほど計測精度が向上する。このため、希釈率を下げることが計測精度向上の観点から重要となる。
【0026】
しかしながら、規定試験(例えば対米FTP試験)を行う場合においては、車両から排気される排気ガス流量が変化する。このため、当該試験中に常に排気ガスを希釈して定流量を保つためには、CVSの流量設定を試験中の車両最大排気流量よりも大きく設定することが必要となる。
【0027】
つまり、試験中のCVS設定流量Fcvsは定容量であるため、試験中の車両排気流量Fexが多量になるほど本体部14の圧力Pが上昇する。そして、FexがFcvsよりも大きくなり、圧力Pが大気圧Pよりも大きくなると、排気が希釈部16から外部へ放出されてしまう。かかる事態が発生すると、放出された排気を回収できずに計測不能となる上に、希釈空気(バックグラウンド)測定用の採取ライン(図示略)に排気が回り込んでしまう事態や、フィルタ18に排気が流れてしまい多量の水分や熱により性能が低下してしまう事態が発生するおそれがある。このため、従来の計測装置では、CVS設定流量Fcvsを車両最大排気流量に設定することが限界となり、平均希釈率は、例えば対米FTP試験での2Lエンジンクラスの標準的ガソリン車では4(排気を4倍に希釈)程度が限界になってしまう。
【0028】
そこで、本実施の形態の排気ガス計測装置では、可変容積部24を設けることとしている。上述したとおり、可変容積部24は本体部14の圧力Pが所定の圧力(P−α)よりも大きくなると膨張する。このため、Fex>Fcvsとなる高負荷運転が一時的に発生した場合であっても、可変容積部24が排気を吸収することで圧力Pが大気圧Pよりも大きくなることを抑止することができるので、排気が希釈部16から放出される事態を効果的に抑止することができる。また、可変容積部24に吸収された排気は、本体部14の圧力Pが所定の圧力(P−α)よりも小さくなった場合に本体部14へ放出される。このため、吸収された排気を外部に放出することなく、確実に定容量採取部20へ導入させることができる。
【0029】
このように、本実施の形態の排気ガス計測装置によれば、可変容積部24が排気を吸収/放出することにより、試験中の最大排気流量が一時的にCVS設定流量Fcvsを越える事態が許容される。このため、CVS設定流量Fcvsを従来に比して低く設定することができるので、計測精度を効果的に向上させることができる。
【0030】
なお、例えば、本実施の形態の排気ガス計測装置を用いて対米FTP試験(ガソリン車、ストイキ燃焼、2000ccクラス、Cold Phase505sec)を行う場合、従来のCVS設定流量(Fcv=2.4m/min)では希釈率が4であったのに対して、本実施の形態の排気ガス計測装置では、CVS設定流量をFcv=1.2m/minに設定することができるので、希釈率を2に低下させることができる。
【0031】
ところで、上述した実施の形態1の排気ガス計測装置では、希釈部16から外部へ排気ガスが放出されないように、可変容積部24の収縮/膨張のしきい値となる圧力を大気圧P0よりも小さな値(P−α)に設定している。しかしながら、希釈部16から外部への逆流を抑止する手段を設けるのであれば、大気圧Pより大きい値をしきい値にすることも可能となる。
【0032】
図3は、本実施の形態1の排気ガス計測装置の構成の変形例を示す図である。尚、図3において図1と共通する要素は、重複する説明を省略する。図3に示すとおり、本実施の形態の計測装置は希釈部16に逆止弁30を備えている。逆止弁30は、本体部14から希釈部16の外部へ排気が放出されないように、本体部14内の圧力P>(P−0.02)Kpaのときに閉弁し、P<(P−0.02)Kpaのときに開弁するように設定されている。また、本実施の形態の排気ガス計測装置は、図1に示す可変容積部24に替えて可変容積部28を備えている。
【0033】
図4は、可変容積部28の詳細構造を示す図である。この図に示すとおり、可変容積部28は、上板281と底板282と側板283とで立方体に構成されており、配管26は固定された底板282から該可変容積部24の内部へ連通している。また、側板283は蛇腹構造を有しており、固定された底板282を基準に鉛直方向に伸縮自在に構成されている。また、可変容積部28は、本体部14内の圧力Pが所定の圧力(P+γ)よりも小さい場合に上板281が下降し、所定の圧力(P+γ)よりも大きい場合に上板281が上昇するように、該上板281の重さが調整されている。なお、本実施の形態の可変容積部28では、可変容積部24は一辺が63cmの立方体(容積250L)、上板281の重さが1.21kg、γ=0.03kPaに設定されている。
【0034】
このような構成によれば、本体部14の圧力Pが大気圧Pになる直前に逆止弁30が閉弁されるので、希釈部16から排気ガスが外部へ放出される事態を効果的に抑止することができる。このため、可変容積部28の収縮/膨張のしきい値を大気圧P以上の値に設定することもできるので、しきい値設定の自由度を効果的に高めることができる。
【0035】
更に、図5は、本実施の形態1の排気ガス計測装置の構成の他の変形例を示す図である。尚、図5において図1と共通する要素は、重複する説明を省略する。図5に示すとおり、本実施の形態の計測装置は希釈部16に排気検知器32を備えている。排気検知器32は、希釈部16に本体部14から排気ガスが流入したことを検知するための装置であって、レーザー式やセンサ式等の公知の装置を用いることができる。
【0036】
また、図5に示すとおり、本実施の形態の計測装置は可変容積部34およびアクチュエータ部36を備えている。アクチュエータ部36は可変容積部34の容積を可変させるためのアクチュエータであり、排気検知器32の出力信号に基づいて動作する。
【0037】
このような構成によれば、排気検知器32が排気ガスの逆流を検知した場合に、アクチュエータ部36が動作されて可変容積部34が膨張される。これにより、CVS設定流量Fcvsを低く設定しても希釈部16から排気ガスが放出される事態を効果的に抑止することができる。
【0038】
実施の形態2.
[実施の形態2の特徴]
次に、図6乃至図8を参照して、本発明の実施の形態2の排気ガス計測装置について説明する。図6は、本実施の形態2の排気ガス計測装置の構成を説明するための図である。尚、図6において図1と共通する要素は、重複する説明を省略する。
【0039】
図6に示すとおり、本実施の形態の計測装置は希釈部16の途中に固定容量バッファ部40を備えている。また、固定容量バッファ部40の上流側(外気側)には、該固定容量バッファ部40から排気ガスが漏れたか否かを検知するための排気検知器42が設けられている。以下、固定容量バッファ部40の特徴的構成について詳細に説明する。
【0040】
固定容量バッファ部40内には、高負荷時に本体部14から希釈部16へ流入した排気ガスを一時的に蓄えるための空間が形成されている。固定容量バッファ部40の容量は以下の手順で決定される。図7は、固定容量バッファ部40の容量を決定するためのマップを示す。このマップにおいて、点線はCVS設定流量に対する平均希釈率の変化を、実線はCVS設定流量に対する必要なバッファ容量の変化を、それぞれ示している。この図に示すとおり、先ず、想定最低希釈率からCVS設定流量(最低流量)が特定される。そして、特定されたCVS設定流量から必要なバッファ容量(最低容量)が特定される。このマップによれば、例えば、想定最低希釈率を1.2とした場合、CVS設定流量が0.7m/minとなり、必要なバッファ容量が1000Lとなる。
【0041】
このように、固定容量バッファ部40を設けることで、複雑な制御を行うことなく高負荷時の排気を固定容量バッファ部40内に吸収/放出することができる。これにより、CVS設定流量を下げて希釈率を大幅に低下させることができる。また、固定容量バッファ部40には可動部がないため、低故障率、低コスト設計を実現することができる。また、万が一固定容量バッファ部40から外部側へ排気が溢れた場合であっても、排気検知器42によって当該異常を検知して警告することが可能となる。
【0042】
また、固定容量バッファ部40内では、排気と希釈空気とが分離されていることが好ましい。そこで、本実施の形態の固定容量バッファ部40の内部構成としては、以下の3つが考えられる。図8は、固定容量バッファ部40の内部構成を示す図である。先ず、図8中の(A)は、整流板方式を採用した固定容量バッファ部40を示す。この方式では、固定容量バッファ部40の内部空間が整流板401によって並列に複数通路に分離されている。このような構成によれば、本体部14側から該固定容量バッファ部40へ流入した排気ガスは、これらの複数の通路に分離されることにより、一定方向に整流される。このため、排気と希釈空気とが該固定容量バッファ部40内で混ざる事態を効果的に抑制することができる。
【0043】
次に、図8中の(B)は、長流路方式を採用した固定容量バッファ部40を示す。この方式では、固定容量バッファ部40の内部空間が1つの長流路402によって形成されている。このような構成によれば、本体部14側から該固定容量バッファ部40へ流入した排気ガスはこの長流路402内を流通する。このため、排気と希釈空気とが該固定容量バッファ部40内で混ざる事態を効果的に抑制することができる。
【0044】
更に、図8中の(C)は、仕切版方式を採用した固定容量バッファ部40を示す。この方式では、固定容量バッファ部40の内部空間が希釈空気用の空間部403と排気用の空間部404とに仕切られている。そして、2つの空間の仕切り部には、希釈空気用の空間部403から排気用の空間部404への流通のみを可能とする逆止弁405が設けられている。このような構成によれば、希釈空気は該固定容量バッファ部40を介して本体部14へ導入される一方で、排気が希釈空気用の空間部403へ流入することを抑止することができる。これにより、該固定容量バッファ部40内の排気と希釈空気とを完全に分離することができる。
【0045】
実施の形態3.
[実施の形態3の構成]
次に、図9および図10を参照して、本発明の実施の形態3の排気ガス計測装置について説明する。図9は、本実施の形態3の排気ガス計測装置の構成を説明するための図である。尚、図9において図1と共通する要素は、重複する説明を省略する。
【0046】
図9に示すとおり、本実施の形態の計測装置は、排気輸送配管10の途中に流路可動部101を備えている。流路可動部101は、蛇腹構造によって伸縮自在に形成された配管である。また、当該計測装置には、流路可動部101を可動させるためのアクチュエータ44が固定されている。また、当該計測装置は、該希釈部16の途中に排気検知器46を備えている。排気検知器46は、希釈部16に本体部14から排気ガスが流入したことを検知するための装置であって、レーザー式やセンサ式等の公知の装置を用いることができる。上述したアクチュエータ44は、当該排気検知器46の出力信号に基づいて動作する。
【0047】
図10は、流路可動部101の構造の一例を示す図である。この図に示すとおり、流路可動部101は、伸縮自在な配管を多重に折り返した構造を有している。アクチュエータ44は、流路可動部101を構成する多重配管を同時に伸縮させる。これにより、流路可動部101の変位量に対する配管長(体積)の変化量を効果的に増やすことができる。尚、本実施の形態の流路可動部101は、図10に示す構造に限らず、アクチュエータ44の動作によって 配管長(体積)を可変に設定できるのであれば、他の構造を用いることとしてもよい。
【0048】
[実施の形態3の特徴]
次に、本実施の形態3の特徴的動作について説明する。本実施の形態の排気ガス計測装置は、排気の連続性を維持しつつ希釈率を低減できる点に特徴がある。すなわち、本実施の形態の排気ガス計測装置では、排気検知器46によって排気ガスの逆流が検知された場合に、アクチュエータ44が駆動されて流路可動部101が伸び側に可変される。これにより、排気輸送配管10の配管長が長くなるので、排気の連続性を維持しつつ、過剰な排気が希釈部16へ逆流する事態を抑止することができる。
【0049】
また、本実施の形態3の排気ガス計測装置によれば、排気の連続性が維持されているので、流路可動部101の可動によって歪んだ連続排出挙動(連続分析値)を配管長の変位情報に基づいて修正することができる。以下、この修正演算手法について詳細に説明する。
【0050】
先ず、αを排気と希釈空気の混合点から分析部22までの輸送遅れ時間(一定値)、時間tにおける流路可動部101の内部容積(可動部容積)をFvva(t−α)、流路可動部101を除く排気輸送配管10の内部容積(固定部容積)をFvconstとすると、時間tにおける排気輸送配管10の総容積はFvva(t−α)+Fvconstで表される。また、可動部容積の流量(変動流量)をFFva(t−α)、固定部容積の流量(固定流量)をFFex(t−α)とすると、排気輸送配管10の総流量はFFex(t−α)+FFva(t−α)で表される。
【0051】
次に、時間tにおける分析部22の分析値として、CVS設定流量をFFcvs(t)、排気希釈率をFDF(t)、希釈排気濃度をFCconti(t)、流路可動部101の流量をFFva(t)とすると、次式(1)に示す関係が成立する。ここで、β(T)は、該排気輸送配管10の輸送遅れ時間を示している。
【0052】
【数1】

【0053】
上式(1)を満たすβ(T)を演算し次式(2)に代入することで、車両から排出される排気ガスの濃度FCdirectを修正することができる。
Cdirect(T−α−β(T))=FCconti(T)/FDF(T)・・・(2)
【0054】
このように本実施の形態の排気ガス計測装置によれば、排気輸送配管10の容積、混合点での変動流量、輸送遅れ時間、および分析部22の分析値に基づいて、流路可動部101の可動によって歪んだ連続排出挙動(連続分析値)を修正することができる。
【0055】
実施の形態4.
[実施の形態4の構成]
次に、図11および図12を参照して、本発明の実施の形態4の排気ガス計測装置について説明する。図11は、本実施の形態4の排気ガス計測装置の構成を説明するための図である。尚、図11において図1と共通する要素は、重複する説明を省略する。
【0056】
図11に示すとおり、本実施の形態の計測装置は、本体部14が並列に分岐している。より具体的には、本体部14は、本体部141,142,143に分岐している。排気輸送配管10は本体部141に連通し、各本体部は、希釈部16との混合点において、それぞれ整流板50,52を介して連通している。また、各整流板50,52の近傍には、隣接する本体部からの排気の流入を検知するための排気検知器54,56がそれぞれ配置されている。
【0057】
また、図11に示すとおり、定容量採取部20は、各本体部141,142,143の排気を定容量採取するための定容量採取部201,202,203をそれぞれ備えている。また、定容量採取部202,203の採取ラインにはそれぞれ三方弁204,205が設けられている。三方弁204,205は、採取した排気の流出先を分析部22とバイパスラインとの間で切り替える弁であって、排気検知器54,56の出力信号に基づいてそれぞれ動作する。
【0058】
[実施の形態4の特徴]
次に、本実施の形態4の特徴的動作について説明する。本実施の形態の排気ガス計測装置は、各定容量採取部201,202,203のCVS設定流量を低く設定し、排気を段階的に採取する点に特徴がある。すなわち、本実施の形態の排気ガス計測装置では、3つの排気採取ルートを備えている。以下、本体部141および定容量採取部201からなる採取ルートをAルート、本体部142および定容量採取部202からなる採取ルートをBルート、本体部143および定容量採取部203からなる採取ルートをCルートと称する。
【0059】
先ず、排気輸送配管10から導入される排気流量が定容量採取部201のCVS設定流量以下である場合について説明する。この場合に導入された排気は、希釈部16から整流板52,50を介して導入される希釈空気とともにAルートへ流通する。三方弁204,205は、排気検知器54,56によってB,Cルートへの排気の流入を検知した場合を除き、常にバイパスライン側に制御されている。このため、Aルートによって採取された排気のみがサンプルバッグへ採取される。
【0060】
次に、排気輸送配管10から導入される排気流量が定容量採取部201のCVS設定流量よりも大きく、且つ定容量採取部201および202のCVS設定流量の総和以下である場合について説明する。この場合、Aルートから溢れた排気は整流板50を介してBルートへ流通する。三方弁204は、排気検知器54が排気を検知した場合に、流出先を分析部22側へ切り替える。このため、AルートおよびBルートによって採取された排気がサンプルバッグへ採取される。
【0061】
次に、排気輸送配管10から導入される排気流量が定容量採取部201および202のCVS設定流量の総和よりも大きく、且つ定容量採取部201、202および203のCVS設定流量の総和以下である場合について説明する。この場合、Bルートから更に溢れた排気は整流板52を介してCルートへ流通する。三方弁205は、排気検知器56が排気を検知した場合に、流出先を分析部22側へ切り替える。このため、Aルート、Bルート、およびCルートによって採取された排気がサンプルバッグへ採取される。
【0062】
図12は、排気流量と採取ルートとの関係を示す図である。この図では、対米FTP試験(ガソリン車、ストイキ燃焼、2000ccクラス、Cold Phase505sec)を実施した場合の排気流量変化を示しており、最大排気流量が約2.4m/minであることから、定容量採取部201、202および203のCVS設定流量は、0.8m/minに設定されている。
【0063】
この図に示すとおり、排気流量が0.8m/min以下の領域ではAルートによる採取が、排気流量が1.6m/min以下の領域ではAルートに加えてBルートによる採取が、排気流量が2.4m/min以下の領域ではAルートおよびBルートに加えてCルートによる採取が行われる。この例では、平均希釈率を1.7程度まで低減することができる。また、同様の条件で、例えば、採取ルートを2分割した場合には、各採取部のCVS設定流量を1.2m/minに設定することで平均希釈率を2.2程度に、採取ルートを4分割した場合には、各採取部のCVS設定流量を0.6m/minに設定することで平均希釈率を0.6程度に低減することが可能となる。
【0064】
このように、本実施の形態の排気計測装置によれば、排気流量に応じて、採取ルートが段階的に追加されていくので、各採取部のCVS流量設定を小さく設定することができる。このため、希釈率を大幅に低減させて排気の計測精度を向上させることができる。
【0065】
実施の形態5.
[実施の形態5の構成]
次に、図13乃至図17を参照して、本発明の実施の形態5の排気ガス計測装置について説明する。図13は、本実施の形態5の排気ガス計測装置の構成を説明するための図である。尚、図13において図1と共通する要素は、重複する説明を省略する。
【0066】
図13に示すとおり、本実施の形態の計測装置は、本体部14の途中にスリット回転弁60を備えている。スリット回転弁60は、ガスの混合性および温度均一性が促進する多孔絞りタイプの回転弁が好ましい。また、希釈部16には、排気の逆流を検知するための排気検知器62が設けられている。排気検知器62は、排気の逆流を防ぐための安全装置であり、例えば、該排気検知器62が排気を検知した場合にスリット回転弁60の開度を大きくして排気の逆流を抑止する。
【0067】
[実施の形態5の特徴]
次に、本実施の形態5の特徴的動作について説明する。本実施の形態の排気ガス計測装置は、排気流量に連動して定容量採取部20のベンチュリ流量を臨界条件範囲内で可変させる点に特徴がある。臨界条件でのベンチュリ流量Fは、該ベンチュリの上流側の圧力(入口圧力)をPin、入口温度をTin、該ベンチュリの下流側の圧力(出口圧力)をPout、出口温度をTout、係数をkとすると、次式(3)で表される。
【0068】
【数2】

【0069】
上式(3)に示すとおり、臨界条件におけるベンチュリ流量Fは、入口圧力Pinによって変化する。一方、入口圧力Pinは、スリット回転弁60の開度を調整することにより所望の値に可変させることができる。そこで、本実施の形態では、スリット回転弁60の開度を排気流量に連動して可変に設定することで、ベンチュリ流量を臨界条件範囲内で可変させることとする。
【0070】
図14は、ベンチュリ流量Fとスリット回転弁60の開度との関係を示す図である。この図に示すとおり、本実施の形態のスリット回転弁60は、弁開度を全閉/全開にした場合のベンチュリ流量Fが、臨界条件の範囲内の最小流量/最大流量となるように調整されている。このため、排気が希釈部16へ逆流しない範囲で当該スリット回転弁60の開度を絞ることにより、希釈率を効果的に低減することができる。
【0071】
図15は、臨界条件範囲内でのベンチュリ流量の可変幅の具体例を示す図である。この図中に(1)で示すとおり、絞りなし(全開)での排気温度を100℃/大気圧とした場合、入口圧力Pinが61kPaとなるまでスリット回転弁60を絞る場合を考える。この場合、図中(2)に示すとおり、スリット回転弁60を通過するガスは断熱膨張によって、排気露点温度確保での限界温度(52℃)に達する。このような条件でのベンチュリ流量の変化範囲は、この図に示すとおり、上記絞り限界を基準として1.6倍となる。
【0072】
図16は、本実施の形態の排気ガス計測装置において、スリット回転弁60を絞り限界(全閉)まで可変させた場合の様子を説明するための図である。この図に示すとおり、スリット回転弁60の上流側の排気が100℃/大気圧(101.3kPa)である場合を示している。この場合、全閉にされたスリット回転弁60の下流側は、52℃/61kPaの排気となる。このため、この図に示すとおり、Pin/Pout>2.1を満たすように出口圧力Poutを29kPa以下に設定することで、ベンチュリ流量を低下させつつ排気採取を確実に行うことができる。
【0073】
ところで、本実施の形態5の排気ガス計測装置は、上述した実施の形態2および実施の形態4と組み合わせた装置として構成することも可能である。図17は、本実施の形態5の排気ガス計測装置の変形例の構成を示す図である。この図に示す計測装置では、スリット回転弁60を備え、排気流量に応じてベンチュリ流量を可変に設定可能な計測装置と、排気の採取ルートを複数備え、排気流量に応じて、採取ルートが段階的に追加可能な計測装置と、固定容量バッファ部40を備え、希釈部へ逆流した排気を一時的に吸収可能な計測装置と、が組み合わされている。このような構成の計測装置によれば、固定容量バッファ部40の存在によって広範囲の車両条件に対応することが可能となるとともに、ベンチュリ流量或いは採取ルートを制御することにより、希釈率を大幅に低減することが可能となる。
【符号の説明】
【0074】
10 排気輸送配管
12 熱交換器
14 本体部
16 希釈部
18 フィルタ
20 定容量採取部
22 分析部
24 可変容積部
26 配管
28 可変容積部
30 逆止弁
32 排気検知器
34 可変容積部
36 アクチュエータ部
40 固定容量バッファ部
42 排気検知器
44 アクチュエータ
46 排気検知器
50,52 整流板
54,56 排気検知器
60 スリット回転弁
62 排気検知器
101 流路可動部
141 本体部
141,142,143 本体部
201,202,203 採取部
204,205 三方弁
241 上板
242 底板
243 側板
281 上板
282 底板
283 側板
401 整流板
402 長流路
403,404 空間部
405 逆止弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
排気ガスが導入される本体部と、一端が前記本体部に連通し他端が外気に開放された希釈部と、前記本体部内のガスの一部を一定の割合で採取する採取部と、採取されたガスの分析を行う分析部と、備えた排気ガス計測装置において、
前記本体部に連通し、排気ガスを一時的に貯留するための空間を形成する容積部と、
前記本体部の圧力が所定の基準値より大きい場合に、前記容積部の容積を増大させる容積可変機構と、
を備えることを特徴とする排気ガス計測装置。
【請求項2】
排気ガスが導入される本体部と、一端が前記本体部に連通し他端が外気に開放された希釈部と、前記本体部内のガスの一部を一定の割合で採取する採取部と、採取されたガスの分析を行う分析部と、備えた排気ガス計測装置において、
所定容量の空間を形成するバッファ部を前記希釈部の途中に備えることを特徴とする排気ガス計測装置。
【請求項3】
前記バッファ部は、前記希釈部の外気側から該バッファ部へ導入される外気と前記希釈部の本体部側から該バッファ部へ導入される排気ガスとを分離するための分離機構を備えることを特徴とする請求項2記載の排気ガス計測装置。
【請求項4】
排気ガスが導入される本体部と、一端が前記本体部に連通し他端が外気に開放された希釈部と、前記本体部内のガスの一部を一定の割合で採取する採取部と、採取されたガスの分析を行う分析部と、備えた排気ガス計測装置において、
前記本体部に排気を導入するための排気輸送配管と、
前記排気輸送配管の配管長を可変に設定するための配管長可変機構と、
前記希釈部への排気ガスの流入を検知する検知手段と、
前記検知手段によって排気ガスの流入が検知された場合に、前記配管長が長くなるように前記配管長可変機構を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする排気ガス計測装置。
【請求項5】
排気ガスが導入される本体部と、一端が前記本体部に連通し他端が外気に開放された希釈部と、前記本体部内のガスの一部を一定の割合で採取する採取部と、採取されたガスの分析を行う分析部と、備えた排気ガス計測装置において、
前記希釈部の途中に連通するサブ本体部と、
前記サブ本体部内のガスの一部を一定の割合で採取するサブ採取部と、
前記サブ本体部への排気ガスの流入を検知する検知手段と、を更に備え、
前記検知手段によって排気ガスの流入が検知された場合に、前記採取部と前記サブ採取部とを併用して、前記分析部へ供給するガスを採取することを特徴とする排気ガス計測装置。
【請求項6】
排気ガスが導入される本体部と、一端が前記本体部に連通し他端が外気に開放された希釈部と、前記本体部内のガスの一部を一定の割合で採取する採取部と、採取されたガスの分析を行う分析部と、備えた排気ガス計測装置において、
前記本体部における前記採取部上流側かつ前記希釈部下流側に設けられた絞り弁と、
排気ガスの流量に応じて、前記絞り弁の開度を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする排気ガス計測装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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