説明

排気ファン

【課題】本発明は、印刷装置等の筐体内部において発生した煙を確実に効率よく検知でき、装置筐体内に煙検知器を設置するためのスペースを必要としない排気ファンを提供する。
【解決手段】電子部品を内蔵する筐体から空気を排出するための排気ファンにおいて、前記排気ファンの空気排出側には、該排気ファンから排出された空気を通過させるための通気穴と煙検知センサとを有する煙検知器が、該排気ファンと正面に対向して設けられており、前記排気ファンの空気排出側の前面には、前記煙検知器を覆うようにフードが設けられており、前記フードは、前記排気ファンから排出された空気を外部に通すための開口部を前記煙検知器の正面に有しており、前記フードの開口部の端部は、前記煙検知器に向かって内側に屈曲していることを特徴とする排気ファン。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真装置や印刷装置などの筐体を有する装置に設けられる排気ファンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子部品等が内蔵された筐体を有する装置、例えば電子写真装置や印刷装置においては、その筐体内部において発生した煙を検知する機能が備えられていなかったため、人手による目視に頼るしか方法がなかった。
【0003】
この問題に対処するために、煙検知器を備えた装置が開発されている。例えば、特許文献1では、一定時間以上規定温度を超えた状態が続いたり発煙が生じたりした場合、それを検知して通知する熱センサや煙センサを内部に有する印刷装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−154739号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の発明や関連の発明においては、煙検知器の設置場所を考えるとき、煙は装置内部に広く拡散しやすいために、発煙を監視する部品の近くに煙検知器を設置する必要があった。したがって、監視する部品が複数有る場合はそれに応じて煙検知器も複数個必要になるために、コスト高になるという問題があった。
【0006】
また、装置が小型の省スペース型である場合は、装置内に煙検知器を設置するための空間を確保することが困難であった。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、煙検知器のためのスペースを装置内部に確保することなく、より高い精度で装置内部の煙を検知することが可能な排気ファンを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、電子部品を内蔵する筐体から空気を排出するための排気ファンにおいて、前記排気ファンの空気排出側には、該排気ファンから排出された空気を通過させるための通気穴と煙検知センサとを有する煙検知器が、該排気ファンと正面に対向して設けられており、前記排気ファンの空気排出側の前面には、前記煙検知器を覆うようにフードが設けられており、前記フードは、前記排気ファンから排出された空気を外部に通すための開口部を前記煙検知器の正面に有しており、前記フードの開口部の端部は、前記煙検知器に向かって内側に屈曲していることを特徴とする。
【0009】
また、電子部品を内蔵する筐体から空気を排出するための排気ファンにおいて、前記排気ファンの空気排出側には、該排気ファンから排出された空気を通過させるための通気穴と煙検知センサとを有する煙検知器が該排気ファンと正面に対向して設けられており、前記排気ファンの空気排出側の前面には、該煙検知器を覆うようにフードが設けられており、前記フードは、前記排気ファンから排出された空気を外部に通すための開口部を、前記煙探知器の通気穴の側面側において、該煙検知器の鉛直下向き方向から水平方向までのいずれかの方向で有しており、前記フードの開口部の端部は、前記煙検知器に向かって屈曲しており、前記排気ファンは、前記フードに対して上向きに角度をつけて配置されていることを特徴とする。
【0010】
さらに、本発明は、上記の排気ファンを有することを特徴とする印刷装置である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、装置筐体の内部全体に広がった煙を一箇所に集中させて煙の検知を行うため、煙検知の確実性と効率性を向上させることができる。また、煙検知器を設置するための空間を装置筐体の内部に設ける必要がなくなるため、装置の設計が容易になる。また、煙検知器を複数設ける必要がないので、製造コストを低く抑えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の排気ファンの第1の実施形態とプリンタ装置との統合の一例を示す。
【図2】第1の実施形態の全体構成図を示す。
【図3】第1の実施形態における煙検知器の構成図を示す。
【図4】従来の排気ファンをプリンタに適用した場合の構成例を示す。
【図5】第1の実施形態をプリンタに適用した場合の構成例を示す。
【図6】第1の実施形態を適用した場合のプリンタ全体のエアーフローの図解を示す。
【図7】排気ファン部分のエアーフローの図解を示す。
【図8】煙検知器部分におけるエアーフローの図解を示す。
【図9】煙を検知するシステムの一例を示す。
【図10】煙を検知する際のフローチャートの一例を示す。
【図11】本発明を有するプリンタ装置における各機構の接続関係の一例を示す。
【図12】各機構と制御信号の関係の一例を示す。
【図13】本発明の排気ファンの第2の実施形態の構成を示す。
【図14】第2の実施形態におけるエアーフローの図解を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
これより、本発明の排気ファンの第1の実施形態について図を参照しながら詳細に説明する。
【0014】
まず、図1に示されているのは、本実施形態の排気ファン1をプリンタ装置2に組み込んだ一例である。しかし、排気ファン1が組み込まれるプリンタ装置2の場所は、図1に記載の場所に限られず、状況に応じた適切な箇所に変更可能である。
【0015】
図2を参照しながら、図1のようにプリンタ等の装置に組み込まれる本実施形態の排気ファンについて、これより詳細に説明する。
【0016】
本実施形態の排気ファンは、排気ファン3と支柱4と煙検知器5と開口部を備えたフード6とを有している。支柱4は煙検知器5を支えるための支持部材である。支持部材として本実施形態では支柱4を用いたが、これ以外の形態をした部材を用いることも当然可能である。以下に、各部材の配置について説明する。
【0017】
まず、排気ファン3の4隅に支柱4を4本斜めに立て、その先端に煙検知器5を配置する。このとき、煙検知器5は排気ファン3の正面中央に位置する。また、煙検知器5は、図2の側面断面図に示されているように、後に取り付けられるフード6の開口部の屈曲部分と排気ファン3の空気排出側面の中間位置に配置されることが好ましい。これは、煙検知器5が排気ファン3に近すぎると煙の取り込み量が減少してしまい、遠すぎるとフード6の開口部を塞いでしまうために排気が難しくなってしまうからである。本実施形態では支柱の数を4本としたが、これに限られることはなく、その数は全体の装置構成に応じて適切に変更可能である。
【0018】
次に、煙検知器5の全体を覆うように、排気ファン3の空気排出側の前面にフード6を取り付ける。フード6を設ける目的は、煙を滞留させて煙検知器5への煙の取り込み量を多くすることである。フード6の排気側側面中央部には、排気の為の開口部である排気穴7が設けられている。
【0019】
また、排気穴7の端部には、U字型に内側に曲げられた逆流フィン8が設けられている。これを設けることによって、排気をフード6へ逆流させて、排気に含まれる煙をフード6内部により多く滞留させることが可能となる。このようにして煙をフード6内部に滞留させることで、煙検知器5へ煙を集めて、煙の検知効率を上げることができる。
【0020】
次に、図3を参照しながら、本実施形態における煙検知器5の構成について詳細に説明する。
【0021】
煙検知器5は、ダクト9と煙検知センサとを有しており、ダクト9には空気が通過する通気穴が設けられている。煙検知センサとして本実施形態では、発光素子10と受光センサ11とからなるものを使用しており、さらに、発光素子10として発光LEDを用いている。他にも、発光素子10としては、半導体レーザー素子などを用いることが可能である。
【0022】
通気穴の形状は、空気を取り込む側の入口穴12は大きく、空気を排出する側の出口穴13が小さい形状をしていることが好ましい。すなわち、通気穴が、正面から見た通気穴の横断面積が空気吸入側から空気排出側に向かって減少している形状であることが好ましい。
【0023】
ダクトの穴をこういった形状にするのは、出口穴13付近の空気を凝縮して煙濃度を上げるためである。これによって、煙検知の精度が向上する。本実施形態では、通気穴を、空気吸入側から空気排出側に向かって口径が小さくなっている切頭円錐形状にした(図3中の参照番号14を参照。以下、この通気穴を円錐穴と呼称する)。
【0024】
本実施形態における煙検知センサである発光LED10及び受光センサ11は、円錐穴を挟んで対向するように取り付けられている。また、発光LED10と受光センサ11は、ダクト9の空気排出側に最も近い位置に取り付けられることが好ましい。煙検知の仕組みは、発光LED10と受光センサ11による光の透過率にて検知する方式としている。円錐穴を通過する空気に煙が含まれている場合は、発光LED10の光が阻害されて受光センサ11に届く光が弱くなる。受光センサ11の出力は光の強さと比例するため、この出力値を監視して煙の有無を検知する。
【0025】
本実施形態においては、以上のように、フードの端部に逆流フィンを設けることと、煙検知器の通気穴を排出側に向かって小さくすることを同時に実施しているが、逆流フィンのみを実施しても本発明の特徴である煙の検知精度を向上させる効果を十分に得ることが可能である。したがって、煙探知器の通気穴の形状に関する変更は選択的に実施される。
【0026】
次に、上述の煙検知機能付き排気ファンをプリンタ装置に組み込んだときの詳細な構成について説明する。
【0027】
図4に示されているのは、従来の排気ファン15を備えたプリンタ装置であり、これには煙検知器が設けられていない。従来においては、プリンタ装置に煙検知器を設ける場合、プリンタ装置の内部にそのための空間を必要としていた。それに対し、図5に示されているように、本実施形態の排気ファン16では、プリンタ装置の外部に煙検知部が予め設けられているためプリンタ装置の内部にそのための空間を用意する必要が無く、プリンタ装置の構造設計がし易い。
【0028】
図6から図8では、本実施形態の排気ファンを有するプリンタ装置におけるエアーフローの流れが示されている。
【0029】
全体のエアーフローとしては、図6のように、排気ファン17により、プリンタ装置内部の空気は、矢印18のように排気ファン17に集まって、矢印19のように外部に排出される。
【0030】
図7を参照しながら、排気ファン部におけるエアーフローについて詳細に説明する。プリンタ装置内部の空気(矢印20)が排気ファンによって矢印21のように吸い込まれる。吸い込まれた空気は、矢印24のように外部へ排出されるが、一部は逆流フィンによって矢印22のように内部へ戻されてフード内へ滞留する。滞留した空気は、排気ファンによって矢印23のように煙検知器中央の穴から矢印25のように外部に排出される。このとき、煙検知器のダクトでは、図8に示すように、流入した空気(矢印26)が円錐穴により矢印27のように集められて排出される。
【0031】
以上説明したように、本実施形態は排気ファンに煙検知機能を付加したものである。排気ファンはプリンタ装置内部で温度上昇した空気を排出して装置内部を冷却する働きを担っているため、プリンタ装置には必ず装備されている。排気ファンにはプリンタ装置内部の空気が集められるため、煙が装置内部に拡散しても空気と一緒に排気ファンに集めることが可能なのである。
【0032】
これより、本発明に関連するプリンタ装置と排気ファンとの接続関係の一例について、主な機構部に限定して図11を参照しながら説明する。
【0033】
プリンタ装置は主に、主電源41とコントローラ制御部42とエンジン制御部43と操作パネル44と各種モータ類45と各種センサ類46とヒートロール47又はフラッシュランプ48とを有している。排気ファン49は、プリンタ装置のエンジン制御部43に接続される。主電源41は、コントローラ制御部42とエンジン制御部43とヒートロール47又はフラッシュランプ48とへ電源を供給する。コントローラ制御部42とエンジン制御部43は、各制御の配下の操作パネル44と各種モータ類45と各種センサ類46とへ電源を供給する。コントローラ制御部42は、主電源41と操作パネル44とエンジン制御部43とを制御する。エンジン制御部43は、各種モータ類45と各種センサ類46とヒートロール47又はフラッシュランプ48を制御する。以上説明した接続関係は一例であって、本発明はこれに限定されることはない。
【0034】
これより、上記説明した排気ファンの具体的な動作について詳細に説明する。
【0035】
まず、プリンタ装置内で煙が発生したときの動作について説明する。
【0036】
上述したように、プリンタ装置内で発生した煙は内部で幅広く飛散するが、図6の矢印18のように排気ファン17に集められて矢印19のように排出される。その際、図7のように、排気ファン17に集められた煙は正面吸入(矢印20)から矢印21のように排気ファンに取り込まれる。取り込まれた煙は、そのまま外部に排出される煙(矢印25)と、逆流フィンによって逆流する煙(矢印22)とに分かれる。逆流した煙はフード内に滞留するが排気ファンによって矢印23のように煙検知器側に押し戻される。押し戻された煙(矢印23)は、煙検知器の円錐穴を通って排出(矢印26)される。また、煙検知器に側に押し戻された煙は、図8のように、煙検知器中央に開けられた円錐穴に集められ(矢印27)から外部へ排出(矢印28)される。
【0037】
次に、図9を参照しながら、本実施形態における煙検知のシステムについて説明する。
【0038】
煙検知器29の中央に開けられた円錐穴の空気排出側には、発光LED30と受光センサ32が対向して取り付けられている。煙が無いときは<正常時>のように、発光LED30から照射された光31は容易に受光されて受光センサ32の出力が高くなる。これに対し、煙が有る場合は<煙の発生時>のように、光は煙33に阻害されて受光センサ32まで届かないため受光せず、受光センサ32の出力は低くなるので、このときの受光センサ32の出力値で煙の有無を検知する。この煙の有無検知は制御部で実施される。
【0039】
次に、煙検知後の動作の一例を図10のフローチャートで説明する。しかし、以下のフローチャートも一例であり、規定の数値等は状況に応じて適切に変更可能であることを注意する。
【0040】
まず、動作フローの概要であるが、受光センサの出力を200ms毎にチェックして、その値が閾値である4V以下であれば異常と見なしてアラーム通知する流れとなっている。
【0041】
チェック間隔を200msにした理由は、排気空気には埃やゴミなどが混入されるため、それら一時的な異物の通過時間を考慮してチェック間隔を長くしたことによる。しかし、この値に厳格な取り決めはなく、環境や使用機器にあわせて変えることが可能であることを注意する。
【0042】
また、チェック項目を閾値である4V以下にした理由は、次のことによる。検知対象物である煙は、光の透過率が高いため完全に光を遮断することは少ない。排気空気は煙が無い場合、埃又はゴミなどの異物通過時以外は透過率100%で有るため出力変動はほぼ無いに等しい。よって、4Vまで出力が低下することは明らかな異物の通過と見なすことができるため、この値に設定した。この値も環境や使用機器にあわせて適切に変えることが可能である。
【0043】
また、誤検知を防止するために、検知結果に条件を課す。すなわち、異常値を検知した累計回数に規定値を設定して、その規定値を超えた場合にのみ煙を検知したとしてアラームを出すように条件付けを行う。ただし、1回でも途中で検知がされなかったときは誤動作と見なす方式をとる。ここでは、3秒間煙が発生した場合に異常と見なす設定のため規定値を15回としているが、この値に厳格な取り決めはなく、これは環境や使用機器にあわせて変えることが可能である。
【0044】
以下に、煙検知からアラームまでの流れを順に説明する。
【0045】
<チェック>
受光センサの出力をVk値として、出力値を200ms毎のサンプリングでチェックして出力値比較ルーチンへ渡す。
【0046】
<出力値比較>
Vk値が4Vより大きい場合は正常値と見なして検知加算回数をリセットしてチェックルーチンへ戻す。Vk値が4V以下の場合は異常値と見なして検知回数の加算ルーチンへ渡す。
【0047】
<検知加算>
検知加算回数をnとして、1を加算して検知回数比較ルーチンへ渡す。
【0048】
<検知回数比較>
検知加算回数nが15より小さい場合は正常と見なしてチェックルーチンへ戻す。検知加算回数nが15以上の場合は異常と見なしてアラームルーチンへ渡す。
【0049】
<アラーム処理>
コントローラ制御部へ異常通知を発行する。そして、コントローラ制御部は操作パネルへアラーム表示を行い、主電源へヒートロール又はフラッシュランプへの供給電源の切断を指示する。
【0050】
次に、図12を参照しながら、各機構部と制御信号の関係の一例を説明する。
【0051】
(受光センサの出力50)
受光センサの出力をエンジン制御部へ渡して、200ms毎のチェックを行い閾値4V以下のチェックを行い、その値以下であれば加算、それより大きければリセットを行う。
【0052】
(検知アラーム通知51)
加算回数が15を越えたらコントローラ制御部へアラーム通知を発行する。
【0053】
(アラーム表示52)
コントローラ制御部から操作パネルへアラーム表示を行う。
【0054】
(電源供給停止53)
コントローラ制御部から主電源へヒートロール/フラッシュランプへの供給電源切断を指示する。
【0055】
これより、本発明の排気ファンの第2の実施形態について説明する。
【0056】
ユーザーによっては、プリンタ装置の排気空気を嫌い、排出の方向を変更するよう要望する場合が想定される。このような要求にも、フードの形状変更及び排気ファンの角度変更をすることで、本発明で得られる効果を維持したまま対応することが可能である。
【0057】
図13に、本発明の第2の実施形態を示す。基本的に、その構成は第1の実施形態とほぼ同様であるが、フード56が鉛直下向き方向に排気穴が設けられており、そして排気穴の端部にU字型に内側に屈曲した逆流フィン58が設けられている。これによって、排気をフード56へ逆流させて排気に含まれる煙をフード56内部に滞留させながら、排気空気の流れを下方に変更することが可能である。排気空気は温度が外気より高いために上昇する傾向を有しているので、これを上方向に逃がしてしまわないように、開口部を下向きに配置するのである。また、この穴の方向は本実施形態のような下向きのみに限られることはなく、煙探知器の側面側において垂直下向きの方向から左右水平方向までにおける、いずれかの角度で設けることも可能であり、これでも十分に煙を逃さずにフードの中に循環させることができる。
【0058】
しかし、本実施形態の場合、このままでは下側の排気口から流れ出てしまう煙が多くなるため、これを防止するため、排気ファンをやや上向きに取り付ける。これにより排気口からそのまま流れでる煙を減少させることと、逆流フィン58から戻された煙をより多く煙検知器55側へ流すことができる。傾ける角度はフードの形状により適切に変更すればよいが、93度以上80度以下の範囲が好ましい。本実施形態では、96度の角度で取り付けている。
【0059】
図14に第2の実施形態におけるエアーフローを示す。
【0060】
集められた煙は、正面吸入(矢印59)から矢印60のように排気ファンに取り込まれる。取り込まれた煙はフード67により矢印61のように下方に曲げられて下方向に流れ、逆流フィン68によって矢印62のように排気ファン66側へ戻される。このときに、矢印63のようにそのまま外部へ排出される煙と矢印64のようにフード67内に滞留する煙とに分かれる。滞留した煙は、煙検知器に入り矢印65のように排出されるが、再び逆流フィン68によって、矢印62、矢印63、矢印64及び矢印65の対流を繰り返す。この一連の動作によって煙検知の効率が向上する。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、排気ファンを有する装置であるならば、どのようなものにも適用することが可能である。特には、電子写真装置や印刷装置に好適である。
【符号の説明】
【0062】
1 煙検知機能付き排気ファン
2 プリンタ装置
3 排気ファン
4 支柱
5 煙検知器
6 フード
7 排気穴
8 逆流フィン
9 ダクト
10 発光素子
11 受光センサ
12 入口穴
13 出口穴
14 切頭円錐形状をした通気穴のイメージ図
15 従来の排気ファン(煙検知器が設けられていない)
16 煙検知機能付き排気ファン
17 煙検知機能付き排気ファン
18 装置内部のエアーフロー
19 排気のエアーフロー
20 装置内部のエアーフロー
21 装置内部のエアーフロー
22 煙検知機能付き排気ファン内部のエアーフロー
23 煙検知機能付き排気ファン内部のエアーフロー
24 煙検知機能付き排気ファン内部のエアーフロー
25 煙検知機能付き排気ファン内部のエアーフロー
26 煙検知機能付き排気ファンに集められるエアーフロー
27 煙検知機能付き排気ファンに集められたエアーフロー
29 煙検知器
30 発光LED
31 光
32 受光センサ
33 煙
41 主電源
42 コントローラ制御部
43 エンジン制御部
44 操作パネル
45 各種モータ類
46 各種センサ類
47 ヒートロール
48 フラッシュランプ
49 煙検知機能付き排気ファン
50 受光センサの出力
51 検知アラーム通知
52 アラーム表示
53 電源供給停止
54 排気ファン
55 煙検知器
56 フード
57 支柱
58 逆流フィン
59 プリンタ装置内部のエアーフロー
60 プリンタ装置内部のエアーフロー
61 煙検知機能付き排気ファン内部のエアーフロー
62 煙検知機能付き排気ファン内部のエアーフロー
63 煙検知機能付き排気ファン内部のエアーフロー
64 煙検知機能付き排気ファン内部のエアーフロー
65 煙検知機能付き排気ファン内部のエアーフロー
66 排気ファン
67 フード
68 逆流フィン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品を内蔵する筐体から空気を排出するための排気ファンにおいて、
前記排気ファンの空気排出側には、該排気ファンから排出された空気を通過させるための通気穴と煙検知センサとを有する煙検知器が、該排気ファンと正面に対向して設けられており、
前記排気ファンの空気排出側の前面には、前記煙検知器を覆うようにフードが設けられており、
前記フードは、前記排気ファンから排出された空気を外部に通すための開口部を前記煙検知器の正面に有しており、
前記フードの開口部の端部は、前記煙検知器に向かって内側に屈曲していることを特徴とする排気ファン。
【請求項2】
電子部品を内蔵する筐体から空気を排出するための排気ファンにおいて、
前記排気ファンの空気排出側には、該排気ファンから排出された空気を通過させるための通気穴と煙検知センサとを有する煙検知器が該排気ファンと正面に対向して設けられており、
前記排気ファンの空気排出側の前面には、該煙検知器を覆うようにフードが設けられており、
前記フードは、前記排気ファンから排出された空気を外部に通すための開口部を、前記煙探知器の通気穴の側面側において、該煙検知器の鉛直下向き方向から水平方向までのいずれかの方向で有しており、
前記フードの開口部の端部は、前記煙検知器に向かって屈曲しており、
前記排気ファンは、前記フードに対して上向きに角度をつけて配置されていることを特徴とする排気ファン。
【請求項3】
前記フードの開口部は、前記煙探知器の鉛直下向き方向に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の排気ファン。
【請求項4】
前記煙検知器が有する通気穴は、空気吸入側から空気排出側に向かって正面の横断面積が減少するように形成されており、
前記煙検知センサは、前記通気穴の空気排出側に設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の排気ファン。
【請求項5】
前記ダクトの通気穴は、空気吸入側から空気排出側に向かって口径が小さい切頭円錐形状をなしていることを特徴とする請求項4に記載の排気ファン。
【請求項6】
前記煙検知器は、前記フード開口部の屈曲部分と前記排気ファンの空気排出側面の中間位置に配置されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の排気ファン。
【請求項7】
前記煙検知センサは、発光素子と受光センサとからなることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の排気ファン。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載の排気ファンを有することを特徴とする印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−286593(P2010−286593A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−139150(P2009−139150)
【出願日】平成21年6月10日(2009.6.10)
【出願人】(000232140)NECフィールディング株式会社 (373)
【Fターム(参考)】