説明

排気管支持用ブラケットおよびその製造方法

【課題】中空構造のパイプ状部材を用いて支持用ブラケットを構成する場合において、従来と同等の支持強度を確保しつつ、溶接不良の発生を抑制することができる支持用ブラケットを提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態に係る排気管3の支持用ブラケット1は、フレーム5から排気管3を支持するための支持用部材であり、中空構造のパイプ状部材により構成され、フレーム5(より詳しくは被溶接部6)に対して溶接により固設されるものであって、支持用ブラケット1における被溶接部6に対して溶接される部位である溶接部1dが、該溶接部1dの長さ方向に直交する断面視において略三角形の形状に形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の排気管を支持するための支持用ブラケットの技術に関し、より詳しくは、支持用ブラケットの車体フレームへの溶接部の構造およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車の排気管を支持するための支持用ブラケットは、エンジンから排気管に伝達される振動が車体フレームに伝わるのを防止するべく、以下の示す特許文献1や特許文献2で提案されているような構造が一般的に採用されている。
【0003】
特許文献1および特許文献2に開示されている従来の支持用ブラケットは、中実の棒状部材により構成されており、該支持用ブラケットを車体フレームに対して溶接により固定する構成としている。
そして、支持用ブラケットの途中にゴム等からなる弾性部材を設けることによって、エンジンの振動が車体フレームに伝達されることを防止する構成としている。
このような構成により、車両に対して堅固に支持用ブラケットを取り付けるとともに、車両の振動低減を実現させている。
【0004】
近年、車両の更なる軽量化を図ることを目的として、中空構造のパイプ状部材を用いた構成の支持用ブラケットが採用されるに至っている。
そして従来、車体フレーム等に対して中空構造のパイプ状部材を溶接する場合には、該パイプ状部材を軸心方向視において略半円状に成形して、その略半円状の形状における平面状の部位を車体等に向けて配置するとともに、略半円状の形状における円弧状の部位と前記平面状の部位との境界部近傍のコーナー部を溶接することによって、車体フレーム等に対して支持用ブラケットを堅固に固定する構成としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平7−15404号公報
【特許文献2】特開2006−327555号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、略半円状の断面形状を有する支持用ブラケットでは、円弧状の部位の曲率半径が比較的大きいために、溶接不良が発生しやすい。そのため、溶接品質を満たさず廃棄されるワークが増加して、生産コストの増大を招く一因となっていた。
【0007】
本発明は、斯かる現状の課題を鑑みてなされたものであり、中空構造のパイプ状部材を用いて支持用ブラケットを構成する場合において、従来と同等の支持強度を確保しつつ、溶接不良の発生を抑制することができる支持用ブラケットおよびその製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0009】
即ち、請求項1においては、車体フレームから排気管を支持するための支持用部材であり、中空構造のパイプ状部材により構成され、前記車体フレームに対して溶接により固設される排気管支持用ブラケットであって、該排気管支持用ブラケットにおける前記車体フレームに対して溶接される部位である溶接部が、該溶接部の長さ方向に直交する断面視において略三角形の形状に形成されるものである。
【0010】
請求項2においては、前記溶接部は、前記略三角形の一辺に対応する部位を前記車体フレームに対面させるとともに、前記一辺に隣接する二つの頂部に対応する部位において、前記車体フレームに溶接されるものである。
【0011】
請求項3においては、前記略三角形の形状は、三角形の各辺に対応する部位が、該三角形の外側に向けて円弧状に膨出されるものである。
【0012】
請求項4においては、略円環状の断面形状を有するパイプ状部材を、該パイプ状部材の軸心方向に対して平行な三方に配置される各プレス面によって押圧して、略三角形状の断面形状を有する中空構造の前記溶接部を形成する、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の配管支持用ブラケットの製造方法であって、前記各プレス面の前記パイプ状部材を押圧する部位において、円弧状の凹部を形成しておき、前記パイプ状部材を前記各プレス面によって押圧して前記溶接部を形成する際に、前記溶接部の前記略三角形の形状における各辺部を、三角形の外側に向けて円弧状に膨出させるものである。
【0013】
請求項5においては、前記略三角形状における各頂部と、各頂部に隣接する各辺部に対応する各プレス面と、の間に隙間を設定するものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0015】
請求項1においては、排気管支持用ブラケットを中空構造とする場合において、従来と同等の支持強度を確保しつつ、溶接不良の発生を抑制することができる。
【0016】
請求項2においては、排気管支持用ブラケットを中空構造とする場合において、従来と同等の支持強度を確保しつつ、溶接不良の発生を抑制することができる。
【0017】
請求項3においては、排気管支持用ブラケットを中空構造とする場合において、排気管支持用ブラケットを、座屈させることなく容易に、略三角形状に形成することができる。
【0018】
請求項4においては、排気管支持用ブラケットを中空構造とする場合において、溶接部を、座屈させることなく容易に、略三角形状に形成することができる。
【0019】
請求項5においては、排気管支持用ブラケットを中空構造とする場合において、各頂部の曲率半径をより小さく、かつ、揃えて形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態に係る排気管の支持用ブラケットを示す模式図。
【図2】中空構造のパイプ状部材により構成される排気管の支持用ブラケットを示す模式図、(a)本発明の一実施形態に係る支持用ブラケットを示す模式図、(b)従来の支持用ブラケットを示す模式図。
【図3】中空構造のパイプ状部材により構成する支持用ブラケットの取り付け状況を示す模式図、(a)本発明の一実施形態に係る支持用ブラケット(略三角形状)の取り付け状況を示す模式図、(b)従来の支持用ブラケット(略半円状)の取り付け状況を示す模式図。
【図4】溶接条件による溶接品質の変化を示す模式図、(a)本発明の一実施形態に係る支持用ブラケット(略三角形状)における溶接条件による溶接品質の変化を示す模式図、(b)従来の支持用ブラケット(略半円状)における溶接条件による溶接品質の変化を示す模式図、(c)溶接トーチの狙い位置および隙間の規定状況を示す模式図。
【図5】略三角形状である溶接部を形成するためのプレス装置を示す模式図。
【図6】略三角形状である溶接部の形成方法を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、発明の実施の形態を説明する。
まず始めに、本発明の一実施形態に係る排気管支持用ブラケットの構成について、図1〜図3を用いて説明をする。
図1に示す如く、本発明の一実施形態に係る支持用ブラケット1は、自動車の車体を構成するフレーム5(例えば、サスペンションメンバー等)により排気管3を支持するために、フレーム5から突設される支持用部材である。
【0022】
支持用ブラケット1は、フレーム5に対して溶接により固定される第一部材1aと、排気管3に対して固定される第二部材1bと、第一部材1aと第二部材1bを連結するための部材である連結部材1c等により構成されている。
【0023】
第一部材1aには、該第一部材1aをフレーム5(より詳しくは、フレーム5に形成された被溶接部6)に対して溶接するための部位である溶接部1dを備えており、該溶接部1dを被溶接部6に溶接することにより、フレーム5に対して第一部材1aを堅固に固定する構成としている。
尚、溶接部1dはその長さ方向に向けてビード2を形成する態様で、被溶接部6に対して溶接される。
【0024】
また第一部材1aは、中空構造のパイプ状部材により構成されており、第一部材1aにおける溶接部1dは、図2(a)に示すように、その断面形状を略三角形としている。
また、第一部材1aにおける溶接部1d以外の部位は、その断面形状を略円環状としている。
【0025】
尚、本実施形態でいう「略三角形」とは、三角形における三つの各頂点に相当する部位(以下、頂部7・8・9と呼ぶ)が、三角形の外側に向けて円弧状に膨出されており(即ち、明確な頂点がない)、かつ、三角形における三つの各辺部に相当する部位(以下、辺部10・11・12と呼ぶ)が、三角形の外側に向けて頂部7・8・9の円弧よりも曲率半径の大きな円弧状に膨出されている(即ち、各辺部が直線状ではない)形状であり、三角形ではないが、外観上三角形に似た形状として認識されるような形状を意味している。
【0026】
図1に示す如く、第二部材1bは、排気管3に固定される部位であって、排気管3に付設される支持部材4に対して、ボルト・ナット等を用いて固定される構成としている。また、第二部材1bも、第一部材1aと同様に、中空構造のパイプ状部材により構成されている。
【0027】
連結部材1cは、排気管3から第二部材1bに伝達された振動を、第一部材1aに伝達される前に減衰させるための部位であり、例えば、ゴム等の弾性体からなる弾性部材1eを介して、各部材1a・1bを連結する構成としている。
【0028】
ここで、第一部材1aにおける溶接部1dの形状を、従来の支持用ブラケットにおける溶接部の形状と比較して説明をする。
図2(b)に示す如く、従来の支持用ブラケット21では、溶接部21dの断面形状を略半円状としている。
そして、本実施形態で示す従来の支持用ブラケット21では、その断面形状における幅A2を約13mm程度とし、高さB2を約10mm程度とした場合において、二つのコーナー部27・28の各曲率半径R2を約4R(半径約4mm)程度としている。
そして溶接部21dは、図3(b)に示すように、略半円状の形状のうち平面部29を被溶接部6に対面させた状態で配置され、各コーナー部27・28において、溶接部21dの長さ方向に向けてビード22を形成するようにして、被溶接部6に溶接される。
【0029】
一方、図2(a)に示す如く、本発明の一実施形態に係る支持用ブラケット1では、溶接部1dの断面形状を略三角形状としている。
そして、本実施形態で示す支持用ブラケット1では、従来の支持用ブラケット21と同程度の曲げ強度を確保するように設計がなされており、溶接部1dの略三角形状の断面形状における幅A1を約14mm程度、高さB1を約11mm程度として、三つの頂部7・8・9の各曲率半径R1を約2R(半径約2mm)程度としている。
そして溶接部1dは、図3(a)に示すように、略三角形の一辺に対応する部位である辺部10を被溶接部6に対面させた状態で配置され、各頂部7・8において、溶接部1dの長さ方向に向けてビード2を形成するようにして、被溶接部6に溶接される。
【0030】
このように本発明の一実施形態に係る支持用ブラケット1では、溶接部1dの断面形状を略三角形とすることによって、従来の溶接部21dにおける溶接部位(各コーナー部27・28)の曲率半径R2(本実施形態における従来の支持用ブラケット21では約4mm)に比して、溶接部1dにおける溶接部位(各頂部7・8)の曲率半径R1(本実施形態における支持用ブラケット1では約2mm)の低減を図っている。
【0031】
次に、フレームに対して支持用ブラケット(第一部材)を溶接する際の、溶接条件と溶接品質の関係について、図3および図4を用いて説明をする。
ここでは、図4(c)に示すように、溶接条件を決定するパラメータとして、溶接トーチの狙い位置のズレ量と、被溶接部6に対する各第一部材1a・21aの隙間Dを用いている。
そして、これらの各パラメータを変化させた場合における支持用ブラケット1の溶接品質の変化を図4(a)にまとめており、従来の支持用ブラケット21の溶接品質の変化を図4(b)にまとめている。
尚、図4(a)(b)中における「○印」は、その溶接条件において、各支持用ブラケット1・21の溶接品質が良好(規格内)であることを示しており、「×印」は、溶接品質が不良である(規格外)であることを示している。
【0032】
図4(a)(b)を比較すると、フレーム5の被溶接部6に対して、図3(a)に示すような態様で、本発明の一実施形態に係る支持用ブラケット1を溶接した場合のほうが、図3(b)に示すような態様で従来の支持用ブラケット21を溶接した場合に比して、良好な溶接品質が得られる条件の範囲(図4(a)(b)中に示す斜線部分)が拡大していることが判る。
尚、ここでは、四隅の各点全てが「○印」である範囲を、良好な溶接品質が得られる条件の範囲と規定して、その範囲の面積を比較して溶接品質の評価をしているが、「○印」の点数においても、本発明の一実施形態に係る支持用ブラケット1を用いるほうが、従来の支持用ブラケット21を用いる場合に比して多くなっており、この点からも、支持用ブラケット1を用いることにより、良好な溶接品質を得やすくなることが判る。
【0033】
即ち、本発明の一実施形態に係る支持用ブラケット1を用いれば、溶接トーチの狙い位置が多少ズレたり、あるいは、支持用ブラケット1の配置が多少ズレたりしたときに、そのままの状態で溶接したとしても、良好な溶接品質を得ることができるようになって、溶接不良として廃棄処分等される製品を少なくすることができる。
これは、溶接部1dを略三角形状とすることによって、溶接トーチと溶接部1dの離間距離が従来に比して確保しやすくなるため、溶接トーチから放出されるアークが安定することに起因しているものと考えられる。
【0034】
即ち、本発明の一実施形態に係る排気管3の支持用ブラケット1は、フレーム5から排気管3を支持するための支持用部材であり、中空構造のパイプ状部材により構成され、フレーム5(より詳しくは被溶接部6)に対して溶接により固設されるものであって、支持用ブラケット1における被溶接部6に対して溶接される部位である溶接部1dが、該溶接部1dの長さ方向に直交する断面視において略三角形の形状に形成されるものである。
【0035】
また、本発明の一実施形態に係る支持用ブラケット1において、溶接部1dは、略三角形の一辺に対応する部位である辺部10をフレーム5(より詳しくは、被溶接部6)に対面させるとともに、辺部10に隣接する二つの頂部に対応する部位である頂部7・8において、被溶接部6に溶接されるものである。
このような構成により、排気管3の支持用ブラケット1を中空構造とする場合において、従来と同等の支持強度を確保しつつ、溶接不良の発生を抑制することができる。
【0036】
次に、支持用ブラケット1の製造方法(より詳しくは、支持用ブラケット1における溶接部1dの形成方法)について、図5および図6を用いて説明をする。
支持用ブラケット1(第一部材1a)における、中空構造を有し、略三角形状の断面形状を有する溶接部1dは、図5に示すようなプレス装置31を用いることで、容易かつ精度良く、形成することができる。
【0037】
プレス装置31は、可動型たる上型32と、固定型たる下型33とを備えており、上型32と下型33を型閉めすることによって、溶接部1dを形成するための型が形成される。
【0038】
上型32側の型部32aは、略V字型に各プレス面32b・32cを配置する構成としており、各プレス面32b・32cが、それぞれ溶接部1dの各辺部12・11(図2(a)参照)に対応している。そして、各プレス面32b・32cの各辺部12・11に対応する部位には、それぞれ円弧状の各凹部32d・32eが形成されている。
【0039】
また、下型33側の型部33aには、略平面状のプレス面33bが形成されており、該プレス面33bの辺部10(図2(a)参照)に対応する部位には、円弧状の凹部33cが形成されている。
【0040】
そして、図6に示す如く、このような構成のプレス装置31の所定位置にプレス成形前の略円環状の溶接部1fを配置するとともに、上型32を下降させてプレス成形することによって、略円環状の断面形状の溶接部1fから略三角形状の断面形状の溶接部1dを成形することができる。
【0041】
そして、プレス装置31では、各辺部10・11・12に対応する各プレス面33b・32b・32cに円弧状の各凹部33c・32d・32eが形成されているため、溶接部1dにおける各辺部10・11・12を、略三角形の外側に向けて所定の曲率半径で膨出させた形状として形成することができる。
尚、本実施形態では、溶接部1dの各辺部10・11・12における曲率半径が、約100R(半径約100mm)となるように、円弧状の各凹部33c・32d・32eの曲率半径を調整している。
【0042】
このように、溶接部1dの断面形状を、各辺部10・11・12において所定の曲率半径で外側に向けて膨出させる形状とすることによって、溶接部1dをプレス装置31で成形をするときに、ダイレス加工(即ち、中空構造である溶接部1fの内部に型を設けない加工)としても、各頂部7・8・9や各辺部10・11・12を座屈させることなく、略三角形状の溶接部1dを容易に形成することが可能になる。
【0043】
即ち、本発明の一実施形態に係る支持用ブラケット1において、略三角形の形状は、三角形の各辺に対応する部位である各辺部10・11・12が、該三角形の外側に向けて円弧状(本実施形態ではR100)に膨出されるものである。
【0044】
また、本発明の一実施形態に係る支持用ブラケット1の製造方法は、略円環状の断面形状を有するパイプ状部材(溶接部1f)を、該溶接部1fの軸心方向に対して平行な三方に配置される各プレス面33b・32b・32cによって押圧して、略三角形状の断面形状を有する中空構造の溶接部1dを形成するものであって、各プレス面33b・32b・32cの溶接部1fを押圧する部位において、円弧状の各凹部33c・32d・32eを形成しておき、溶接部1fを各プレス面33b・32b・32cによって押圧して溶接部1dを形成する際に、溶接部1dの略三角形の形状における各辺部10・11・12を、三角形の外側に向けて円弧状に膨出させるものである。
このような構成により、排気管3の支持用ブラケット1を中空構造とする場合において、溶接部1dを、座屈させることなく容易に、略三角形状に形成することができる。
【0045】
また、プレス装置31では、上型32と下型33を型閉めした状態において、各頂部7・8・9・・・に対応する部位に空隙部たる隙間34・34・34を設ける構成としている。
【0046】
例えば、図6に示すように、プレス装置31により略三角形状の溶接部1dを成形するときに、頂部7の周囲に隙間34を設けることによって、頂部7を完全に上型32および下型33の各プレス面32b・33bで拘束してしまわない型構造とすることによって、頂部7をより小さい曲率半径(本実施形態では約R2)で形成するとともに、かつ、頂部7の曲率半径のばらつきを抑制することが可能になる。
尚、ここでは、頂部7を取り上げて説明をしているが、プレス装置31においては、その他の各頂部8・9の周囲においても隙間34と同様の隙間を確保する構成としている。
【0047】
即ち、本発明の一実施形態に係る支持用ブラケット1の製造方法は、略三角形状における各頂部7・8・9と、各頂部7・8・9に隣接する各辺部10・11・12に対応する各プレス面33b・32b・32cと、の間に隙間34・34・34を設定するものである。
このような構成により、排気管3の支持用ブラケット1を中空構造とする場合において、各頂部7・8・9の曲率半径をより小さく、かつ、揃えて形成することができる。
【符号の説明】
【0048】
1 支持用ブラケット
1a 第一部材
1b 第二部材
1d 溶接部
3 排気管
5 フレーム
7 頂部
8 頂部
9 頂部
10 辺部
11 辺部
12 辺部
31 プレス装置
32 上型
32b プレス面
32c プレス面
33 下型
33b プレス面
34 隙間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体フレームから排気管を支持するための支持用部材であり、中空構造のパイプ状部材により構成され、前記車体フレームに対して溶接により固設される排気管支持用ブラケットであって、
該排気管支持用ブラケットにおける前記車体フレームに対して溶接される部位である溶接部が、
該溶接部の長さ方向に直交する断面視において略三角形の形状に形成される、
ことを特徴とする排気管支持用ブラケット。
【請求項2】
前記溶接部は、
前記略三角形の一辺に対応する部位を前記車体フレームに対面させるとともに、
前記一辺に隣接する二つの頂部に対応する部位において、前記車体フレームに溶接される、
ことを特徴とする請求項1記載の排気管支持用ブラケット。
【請求項3】
前記略三角形の形状は、
三角形の各辺に対応する部位が、
該三角形の外側に向けて円弧状に膨出される、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の排気管支持用ブラケット。
【請求項4】
略円環状の断面形状を有するパイプ状部材を、
該パイプ状部材の軸心方向に対して平行な三方に配置される各プレス面によって押圧して、
略三角形状の断面形状を有する中空構造の前記溶接部を形成する、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の配管支持用ブラケットの製造方法であって、
前記各プレス面の前記パイプ状部材を押圧する部位において、
円弧状の凹部を形成しておき、
前記パイプ状部材を前記各プレス面によって押圧して前記溶接部を形成する際に、
前記溶接部の前記略三角形の形状における各辺部を、
三角形の外側に向けて円弧状に膨出させる、
ことを特徴とする排気管支持用ブラケットの製造方法。
【請求項5】
前記略三角形状における各頂部と、
各頂部に隣接する各辺部に対応する各プレス面と、
の間に隙間を設定する、
ことを特徴とする請求項4記載の排気管支持用ブラケットの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−183918(P2012−183918A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−48210(P2011−48210)
【出願日】平成23年3月4日(2011.3.4)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】