説明

排水処理方法及び排水処理装置

【課題】薬品成分を含有する排水の処理において、残留TOC濃度の低い回収水を経済的に回収しうる排水処理方法及び排水処理装置を提供することを課題としている。
【解決手段】製造工程から排出される排水のうち、高濃度の有機性薬品を含有する排水を高濃度排水処理ラインへ導入し、低濃度の有機性薬品を含有する排水を低濃度排水処理ラインへ導入し、前記高濃度排水処理ラインでは、排水中の有機物を微生物によって処理する生物処理工程と、物理化学的酸化分解工程が実施され、前記低濃度排水処理ラインでは、未生物処理水である排水を、微生物によって処理する生物処理工程が実施されることを特徴とする排水処理方法と、排水処理装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生産工程から排出される排水を処理する排水処理方法及び排水処理装置に関し、特には、例えば、半導体デバイスや液晶などフラットパネルディスプレイなど各種の電子工業製品の製造工場から排出される排水処理方法及び排水処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスなどの電子部品やフラットパネルディスプレイなどの製造工場では、その製造工程で、IPA(イソプロピルアルコール)、メタノール、アセトン、TMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)、DMSO(ジメチルスルホキシド)、フェノール、酢酸、界面活性剤など有機性薬品や、無機系薬品など、種々の薬品が使用されている。
これらの製造工程では、各製造工程の処理毎にそれぞれ異なる薬品が使用されるため、各工程から排出される排水中に含まれる薬品の成分も異なる。
【0003】
また、各工程において薬品処理を行った後には純水による洗浄を行うため、洗浄後の薬品を含む洗浄水も排水として排出される。この洗浄水の排水は、薬品処理工程直後の初期洗浄においては高濃度の薬品が含まれているが、何度も洗浄を繰り返していく場合、後工程の洗浄において排出される洗浄水中の薬品は非常に低濃度になる。
【0004】
従って、製造工程から排出される排水は、排出される工程によって、成分やその濃度が相違する排水が排出されることになる。
【0005】
上記のような電子工業製品の製造工場から排出される排水を処理して、洗浄水などとして再利用するため、従来から種々の排水処理の方法が検討されている。
無機系薬品を含有する排水は、通常イオン交換処理などでイオンを吸着除去する処理が行われる(非特許文献1)。
【0006】
有機性薬品を含有する排水を処理する方法として、例えば、生物処理によって排水中の有機物を分解する生物処理方法(非特許文献1)や、紫外線やオゾンなどを照射して酸化分解する方法などが知られている(特許文献1)。
【0007】
非特許文献1に記載の生物処理は、好気性生物により排水中の有機物を生物化学的反応で分解し、ろ過することで回収水として回収するもので、経済的に排水処理が行えるという利点がある。
一方、排水中の有機物濃度が高い場合、例えば、排水中の全有機炭素(以下、TOCという)濃度が、数10mg/L以上である高濃度の有機性薬品を含有する排水を処理する場合、高濃度の有機物を含有する排水処理に適した生物処理法(活性汚泥、流動床、固定床、膜分離活性汚泥法)では生物代謝物が生成されるため、排水中の有機物が全て分解されても、さらに数mg/Lの生物代謝物としての有機物が排水中に残留してしまう。
【0008】
前記生物処理後の排水はすでに微生物によって分解処理が行われているため、生物代謝物としての有機物を処理するため、重ねて生物的処理を行っても有効に有機物の分解ができないという問題があった。
【0009】
そこで、特許文献1に記載のように、生物処理後の後処理として、紫外線照射やオゾン添加による処理などの非生物的な分解処理(物理化学的酸化分解処理)が行われている。
紫外線照射やオゾン添加による分解処理は、紫外線ランプやオゾン発生器などから紫外線やオゾンを発生させ排水と反応させることで排水中の有機物を酸化分解するもので、生物処理した後の残留TOCも効果的に分解することができる。
【0010】
しかし、このような物理化学的酸化分解処理は、前記のように紫外線ランプやオゾン発生器などの酸化分解するための手段が必要であり大きなエネルギーを必要とし、前記生物処理よりもコストがかかる処理である。従って、酸化分解による処理を行う排水の量が増えると、排水処理全体のコストが増加するという問題があった。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】神鋼パンテツク(株)、神鋼パンテツク技報Vol.39 No.2、p.49−55(1996/3)
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2007−69204号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上記従来の問題点に鑑み、本発明は、薬品成分を含有する排水の処理において、残留TOC濃度の低い回収水を経済的に回収しうる排水処理方法及び排水処理装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
排水処理方法に係る本発明は、製造工程から排出される排水のうち、高濃度の有機性薬品を含有する排水を高濃度排水処理ラインへ導入し、低濃度の有機性薬品を含有する排水を低濃度排水処理ラインへ導入し、前記高濃度排水処理ラインでは、排水中の有機物を微生物によって処理する生物処理工程と、物理化学的酸化分解工程が実施され、前記低濃度排水処理ラインでは、未生物処理水である排水を、微生物によって処理する生物処理工程が実施されることを特徴としている。
【0015】
さらに、排水処理方法に係る本発明は、前記低濃度排水処理ラインでは、該生物処理工程を実施する前に、排水中の有機物濃度を測定し、該有機物濃度が所定の濃度よりも高い場合には、該排水の少なくとも一部を前記高濃度排水処理ラインの物理化学的酸化分解工程へ導入することが好ましい。
【0016】
さらに、排水処理方法に係る本発明は、前記製造工程から排出される排水のうち、無機系薬品を含有する排水を無機系排水処理ラインへ導入し、該無機系排水処理ラインでは、排水中のイオンを除去することが好ましい。
【0017】
また、排水処理方法に係る本発明は、前記イオン除去処理工程で処理された排水を前記低濃度排水処理ラインの前記生物処理工程で処理することが好ましい。
【0018】
さらに、排水処理方法に係る本発明は、前記高濃度排水処理ラインでは、排水を逆浸透膜によって透過処理を行う逆浸透膜処理工程が実施され、該逆浸透膜処理工程で処理された排水を前記物理化学的酸化分解工程で処理することが好ましい。
【0019】
また、排水処理方法に係る本発明は、前記物理化学的酸化分解工程が、紫外線またはオゾンによって酸化分解を行うことが好ましい。
【0020】
尚、本発明でいう未生物処理水とは、微生物によって排水中の有機物を分解するための生物処理を行っていない水をいう。
【0021】
また、排水処理装置に係る本発明は、製造工程から排出される有機性薬品を含有する排水のうち、高濃度の有機性薬品を含有する排水を高濃度排水処理ラインへ導入し、低濃度の有機性薬品を含有する排水を低濃度排水処理ラインへ導入する導入手段を備えた排水処理装置であって、前記高濃度排水処理ラインは、排水を微生物によって処理する生物処理手段と、物理化学的酸化分解手段を備え、前記低濃度排水処理ラインは、排水を生物によって処理する生物処理装置を備えていることを特徴としている。
【0022】
さらに、排水処理装置に係る本発明は、前記低濃度排水処理ラインは、該生物処理装置に排水を導入する前の排水中の有機物濃度を測定する測定装置と、該測定装置によって測定された有機物濃度が所定の濃度よりも高い場合に、該排水の少なくとも一部を前記高濃度排水処理ラインの前記物理化学的酸化分解手段へ導入するバイパスラインとを備えていることが好ましい。
【発明の効果】
【0023】
本発明の処理方法では、高濃度の有機性薬品を含有する排水と低濃度の有機性薬品を含有する排水をそれぞれ別の処理ライン(高濃度排水処理ラインおよび低濃度排水処理ライン)に導入し排水処理がなされるため、高濃度排水処理ラインにおける物理化学的酸化分解工程で処理する排水の量が減るとともに、低濃度排水処理ラインでは、物理化学的酸化分解に比べて経済的な生物処理工程で排水を処理するため、全体として省エネルギー且つ低コストで排水中の有機物の分解処理をすることができる。
さらに低濃度排水処理ラインの生物処理工程では、未生物処理水である排水を処理するため、有機物の分解が効率よく行える。
また、前記物理化学的酸化分解工程の前に生物によって排水処理を行う生物処理工程を設けたため、生物処理を行うことで排水中の有機物を低濃度にしてから物理化学的酸化分解を行うため、物理化学的酸化分解処理のエネルギーコストを低くできる。
【0024】
尚、ここでいう高濃度の有機性薬品を含有する排水とは、排水中に含まれるTOCが約10mg/L以上、好ましくは30mg/L以上である排水をいう。
また、低濃度の有機性薬品を含有する排水とは、排水中に含まれるTOCが約10mg未満である排水をいう。
【0025】
また、本発明の排水は生産工場などの各生産工程から排出された排水そのものであってもよく、あるいは、生産工程から排出された排水になんらかの処理を施して前記各濃度になるように調整された排水であってもよい。
【0026】
さらに、低濃度排水処理ラインで行われる生物処理工程を実施する前に排水中の有機物濃度を測定し、該有機物濃度が所定の濃度よりも高い場合には、該排水の少なくとも一部を前記高濃度排水処理ラインの物理化学的酸化分解工程へ導入するため、生物処理工程で処理できない高濃度の有機性薬品が低濃度排水処理ラインに混入した場合でも、安定した有機物の分解処理を行うことができ残留TOC濃度の低い回収水を得ることができる。
【0027】
本発明の排水処理方法に、無機系薬品を含有する排水を処理する無機系排水処理ラインでの処理を含み、且つ該無機系排水処理ラインでは、排水中のイオンを除去するイオン除去処理工程が実施される場合には、無機系薬品を含有する排水を前記高濃度の有機性薬品を含有する排水とは別の処理工程において処理することができるため、前記物理化学的酸化分解工程で処理する排水の量を増やすことなく、無機系薬品を含有する排水の処理も行うことができる。
【0028】
また、前記イオン除去処理工程で処理された排水を前記生物処理工程で処理する場合には、無機系薬品を含有する排水中に有機物が含まれていた場合にも、物理化学的酸化分解に比べて経済的な生物処理によって除去できる。
【0029】
また、前記高濃度排水処理ラインにおいて、排水を逆浸透膜処理工程によって処理してから前記酸化分解工程で処理した場合には、酸化分解する有機物がより少なくなり、酸化分解工程でのエネルギーをさらに低くすることができる。
【0030】
本発明の排水処理方法において、物理化学的酸化分解手段として紫外線またはオゾンを使用した場合には、排水中の有機物を確実に分解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の排水処理装置及び方法を示す概略フロー図。
【図2】本発明の排水処理装置及び方法を示す概略フロー図。
【図3】実施例の排水処理方法を示す概略フロー図
【図4】比較例の排水処理方法を示す概略フロー図
【図5】比較例の排水処理方法を示す概略フロー図
【図6】生物活性炭処理装置へ流入する積算TOC量と差圧の関係を示すグラフ
【図7】生物活性炭処理装置へ流入するTOC濃度と処理可能な継続時間を示すグラフ
【発明を実施するための形態】
【0032】
<第一実施形態>
以下、図1に基づき本発明の第一の実施形態の排水処理装置および排水処理方法について説明する。
先ず、排水処理装置について説明する。
図1は、本実施形態の排水処理装置についての概略フロー図である。
図中の符号1が排水処理装置を示している。
本実施形態の排水処理装置1は、高濃度の有機性薬品を含有する排水が導入される高濃度排水処理ライン10と、低濃度の有機性薬品を含有する排水が導入される低濃度排水処理ライン20とを備えている。
【0033】
さらに、本実施形態の排水処理装置1は、無機系薬品を含む排水を処理する無機系排水処理ライン30を備えている。
【0034】
排水処理装置1は、前記各処理ラインへ排水を導入する導入ライン(図示せず)を備えている。
【0035】
前記高濃度排水処理ライン10は、物理化学的酸化分解処理装置として排水に紫外線を照射して酸化分解を行う紫外線酸化分解処理装置11を備えている。
さらに前記高濃度排水処理ライン10は、生物処理装置12と、該生物処理装置12で処理された排水を濾過するろ過処理装置13と、前記紫外線酸化分解処理装置11に導入する前に排水を逆浸透膜にて処理する逆浸透膜処理装置14とを備えている。
【0036】
前記紫外線酸化分解処理装置11は、紫外線を照射する手段として紫外線ランプを備えており、前記逆浸透膜処理装置で透過水として分離された排水を処理装置に導入し、該排水に紫外線を照射して排水中の有機物を酸化分解する。尚、紫外線酸化分解処理装置に廃水を供給する際に、排水に過酸化水素等の酸化剤を添加するのが好ましい。
【0037】
紫外線酸化分解処理装置11としては、紫外線ランブを備えた公知の紫外線酸化分解装置が使用できるが、例えば、排水を貯留する排水槽内に紫外線ランプを挿入して貯留槽内の排水に紫外線を照射するものや、筒状の排水管内に紫外線ランプを差し込み、排水管内に排水を流通させながら紫外線を照射するものなどが使用できる。
紫外線ランプも公知のものが使用できるが、波長185から365nm、好ましくは185から254nmのものが適している。
【0038】
前記生物処理装置12は、活性汚泥処理装置、流動床式生物処理装置、固定床式生物処理装置、膜分離活性汚泥処理装置などの公知の生物処理装置であり、該生物処理装置内に排水を通水することで、前記微生物によって排水中の有機物を分解するものである。尚、微生物は、好気性微生物や嫌気性微生物等の各種微生物が挙げられ、高濃度の有機性薬品を含有する排水の成分によって、使用される微生物や装置を適宜選択することができる。
【0039】
前記生物処理装置の12の後段に設けられた前記ろ過処理装置13は、装置内に精密ろ過膜あるいは限外ろ過膜が備えられ、前記生物処理装置12から流失した微生物などをろ過することで排水中から除去できる。
前記逆浸透膜処理装置14は装置内に逆浸透膜を備えており、該逆浸透膜に排水を加圧接触させることによって排水が濃縮水と透過水に分離され、透過水を前記紫外線酸化分解処理装置11へ導入する。
濃縮水は、蒸留したあと回収水として回収され、蒸留により残存した固形物(塩類等)は別途廃棄等される。尚、濃縮水は、排水処理して系外に放流してもよい。
【0040】
前記低濃度排水処理ライン20には生物処理装置としての生物活性炭処理装置21が備えられている。
該生物活性炭処理装置21は、好気性微生物等の有機物を分解する微生物を担持させた粒状活性炭を充填した充填層を備え、該充填層に排水を導入し、充填層内で排水中の有機物を微生物によって分解する。
【0041】
前記無機系排水処理ライン30は、イオン除去処理装置31を備えている。該イオン除去処理装置31は、イオン交換樹脂が充填された充填塔を備えており、該充填塔に排水を通水することで、イオン交換樹脂と排水が接触し、排水中のイオンがイオン交換樹脂に吸着されて、除去される。
【0042】
前記該イオン除去処理装置31で処理された排水は、前記低濃度排水処理ライン20に備えられた前記生物活性炭処理装置21へ導入される。
【0043】
本実施形態に係る排水処理装置1には、前記紫外線酸化分解処理装置11および前記生物活性炭処理装置21で処理された排水を回収水として回収する回収槽15を備えている。
【0044】
次に、本実施形態の排水処理装置において実施される排水処理方法について説明する。
図1に示すように、排水処理装置1には、半導体デバイスや液晶フラットディスプレイの製造工程から排出された排水が導入される。
【0045】
製造工程の各工程毎に排水は集められる。通常、各製造工程で使用される薬品の種類は決まっているため、排水が集められる工程によって排水が有機性薬品を高濃度に含有する排水か、有機性薬品を低濃度で含有する排水か、無機系薬品を含有する排水かを判別し、前記高濃度排水処理ライン10、低濃度排水処理ライン20または無機系排水処理ライン30のいずれかに排水を導入する。
【0046】
この時の判断基準としては、排水中に含まれるTOCが約10mg/L以上である排水であれば、高濃度の有機性薬品含有排水と判断する。
また、排水中に含まれるTOCが10mg/L未満である排水は、低濃度の有機性薬品含有排水と判断する。
また、無機系薬品含有排水にはTOC濃度として10mg/L未満程度の微量の有機物が混入されていてもよい。
【0047】
高濃度排水処理ライン10へ導入された排水は、まず前記生物処理装置12で微生物によって排水中の有機物が分解処理される。この生物処理装置12によって処理された排水は、前記ろ過処理装置13によって前記生物処理装置12から流失した微生物などが除去される。
さらに、排水は前記逆浸透膜装置14で濃縮水と透過水に分離されて、有機物がさらに除去された透過水として回収された排水を、前記紫外線酸化分解処理装置11へ導入する。
濃縮水は、有機物や塩類等が含有されているため、蒸留あるいは逆浸透膜ろ過などによってさらに濃縮分離してから水分を回収してもよい。
【0048】
前記のようにTOCが約10mg/L以上含まれている高濃度の有機性薬品含有排水は、生物処理装置12を経ることで排水中のTOC濃度が約5mg/Lから約10mg/L程度になり、また、前記ろ過処理装置13および逆浸透膜装置14での処理によって、例えば、約1mg/Lにまで低下する。
【0049】
このようにTOC濃度が約1mg/Lまで低下した状態で排水は前記紫外線酸化分解処理装置11へ導入される。
前記紫外線酸化分解処理装置11へ導入された排水に、紫外線を照射し、排水中の有機物を酸化分解する。このときの紫外線ランプの消費電力1.1kWh/m3、処理時間約20分程度で処理を行うことが好ましい。
【0050】
このように、紫外線酸化処理装置11に導入された時点では、排水のTOC濃度はかなり低下しているため、紫外線を短時間照射することで排水中の有機物の分解を行うことができる。
【0051】
一方、低濃度排水処理ライン20へ導入された排水は、前記生物活性炭処理装置21上方から排水を下向流で通水し活性炭に担持された微生物によって排水中の有機物が分解された処理水が、装置下方から回収水として回収される。
この生物活性炭処理装置21で処理された排水のTOC濃度は約0.3mg/L以下になり、回収水として回収可能な程度までTOC濃度は低下する。
【0052】
低濃度排水処理ライン20には低TOC濃度の排水が導入されるため通常の処理の範囲では前記生物活性炭処理装置21のみの処理でも十分に処理が可能である。
また、低濃度排水処理ライン20では生物活性炭処理21で処理される前には特に前処理されておらず、すなわち生物活性炭処理装置21へは生物処理を経ていない未生物処理水である排水が導入されることになり、生物活性炭処理装置による生物処理で効果的に有機物を分解することができる。
【0053】
さらに、無機系排水処理ライン30に導入された排水は、前記イオン除去処理装置31に導入されて、排水中のイオンを除去される。
イオン除去処理装置31によってイオンを除去された排水は、前記低濃度排水処理ライン20の生物活性炭処理装置21に導入される。
このように無機系薬品含有排水も生物活性炭処理装置21で処理することにより、有機物がわずかに含まれている場合でも、確実に有機物を処理することができる。
【0054】
上記のように紫外線酸化処理を行うのが、全排水のうち高濃度に有機性薬品を含有する排水だけであるため、運転コストの高い紫外線処理を行う処理量が少なくて済み、省エネルギーとなり経済的である。
さらに、紫外線処理を行う排水も、事前に生物処理を行うことで排水中の有機物濃度が低下しているため、少ない紫外線照射量でも低TOC濃度の回収水を得ることができる。
【0055】
一方、低濃度に有機性薬品を含有する排水や、無機系薬品を含有する排水については、紫外線照射よりも低コストの生物活性炭による有機物の分解除去を行うことによって、運転コストの高い紫外線処理を行う処理量を減らすことができ、且つ省エネルギーで低コストでの排水処理ができる。
さらに低濃度排水処理ラインの生物活性炭処理装置では、未生物処理水を処理するため効果的に排水中の有機物を分解することができる。
【0056】
<第二実施形態>
次に、図2に基づき本発明の第二の実施形態の排水処理装置および排水処理方法について説明する。
本実施形態の排水処理装置1は、上記第一実施形態の排水処理装置と同様の構成の高濃度有機排水処理ライン10および低濃度有機排水処理ライン20を備えている。
また、無機系排水処理ライン30も同様に備えられている。
【0057】
図2に示すように低濃度有機排水処理ライン20の生物活性炭処理装置21に排水を導入する前の排水導入管21aには排水のTOC濃度を測定できる濃度測定手段22が設けられている。
また、前記生物活性炭処理装置21へ排水を導入する導入管21aにはバルブ23と、前記高濃度排水処理ライン10の紫外線酸化分解処理装置11へ導入する導入管と接続されたバイパスライン40が設けられている。該バイパスライン40にもバルブ40aが設けられている。
【0058】
本実施形態の排水処理装置1での排水処理方法は、まず、上記第一実施形態と同様に製造工程の各工程毎に集められた排水を前記高濃度排水処理ライン10、低濃度排水処理ライン20または無機系排水処理ライン30のいずれかに導入する。
【0059】
低濃度排水処理ライン20に導入された排水は生物活性炭処理装置21へ導入される前に、前記濃度測定手段22によって排水中のTOC濃度が測定される。
【0060】
測定されたTOC濃度が、前記生物活性炭処理装置21で処理可能な濃度を超えていた場合には、導入管21aのバルブ23が閉まると同時に前記バイパスライン40のバルブ40aが開かれ、排水は該バイパスライン40を通って前記高濃度排水処理ライン10の酸化分解処理装置11へ導入される。
一方、測定されたTOC濃度が、前記生物活性炭処理装置21で処理可能な濃度である場合には、前記導入管21aのバルブ23が開けられ、同時にバイパスライン40のバルブ40aは閉められ、排水は通常どおり導入管21aを通り生物活性炭処理装置21へ導入される。
尚、生物活性炭処理装置で処理可能なTOC濃度とは、使用する生物活性炭処理装置の処理能力に応じて所定の濃度を設定することができる。
この所定濃度の適切な範囲は使用する生物活性炭処理装置によって変わるが、一般的な装置において、通水12時間に1回の逆洗浄頻度を上限とし、5mg/Lから10mg/Lの範囲で設定することが好ましい。
【0061】
通常、製造工程から排出される排水は処理によって排水中の有機物濃度などが判別できるが、なんらかの事情で、低濃度排水処理ラインに有機物濃度が高い排水が混入することがあっても、生物活性炭処理装置21へ導入する前にTOC濃度を測定することで、生物活性炭処理装置21へ負荷をかけることが防止できると同時に、確実に低TOC濃度の回収水を得ることができる。
【0062】
尚、低濃度排水処理ライン20からバイパスライン40を介して高濃度排水処理ライン10へ振り分ける排水の量は、全部でもよくあるいはその一部をバイパスライン40へ、残りの排水は通常のとおり生物活性炭処理装置21へ導入してもよい。要は、生物活性炭処理装置21において処理できる範囲の有機物量を超える量の有機物を含む排水は高濃度排水処理ライン10へ導入されればよい。
排水の振り分ける量を調整するには、導入管21aとバイパスライン40のバルブ23、40aの開閉状態を調整すればよい。
【0063】
また、前記濃度測定手段22で排水のTOC濃度を測定するタイミングとしては、常時測定してもよく、あるいは定期的に測定するようにしてもよい。
【0064】
さらに、上記第二実施形態では、低濃度排水処理ライン20から高濃度排水処理ライン10へ排水の流れを振り分ける手段として、バルブ23、40aを使用したが、これに限定されるものではなく、自動弁で切り替えたり、専用の移送ポンプを設けて必要時に稼働させるなどの公知の振り替え手段を使用することができる。
【0065】
尚、上記第一および第二実施形態では、無機系排水処理ライン30を設けて、無機系の薬品を別途処理したが、このような無機系排水処理ライン30を別途設けることは任意である。
例えば、低濃度排水処理ライン20にイオン除去処理装置を設けて、低濃度に有機性薬品を含有する排水と無機系の薬品を含有する排水を同時に処理することもできる。
【0066】
また、上記第一および第二実施形態のように無機系排水処理ライン30に、イオン除去処理装置以外に、精密ろ過膜や限外ろ過膜などのろ過装置や、逆浸透膜装置、あるいは電気透析装置など、他のイオン除去処理手段が設けられていてもよい
【0067】
さらに、上記第一および第二実施形態のように無機系薬品を含有する排水をイオン除去処理装置31による処理をした後に、排水を生物活性炭処理装置21で処理することも条件ではない。
但し、このように生物活性炭処理装置21へ導入することで、無機系薬品を含有する排水中にわずかに有機性の薬品が含有していても除去できる。
さらに、低濃度排水処理ライン20の生物活性炭処理装置21とは別に無機系排水処理ライン30に生物活性炭処理装置を設けて、無機系排水処理ライン30の生物活性炭処理装置で処理した後の排水を回収水として回収してもよい。
【0068】
また、上記第一および第二実施形態では、半導体デバイスや液晶フラットディスプレイの製造工程から排出された排水を各工程毎に集めて直接各処理工程へ導入する場合について説明したが、排水になんらかの処理を施して前記各濃度になるように調整してから、本発明の処理方法あるいは処理装置で処理してもよい。
あるいは、高濃度の有機性薬品を含有する排水の量が多い場合に、その一部を低濃度の有機性薬品を含有する排水へ混合することで、高濃度排水処理ラインで処理する排水量を調整してもよい。
但し、低濃度排水処理ラインへ導入する排水には生物処理が施された排水が混入していないことが好ましい。生物処理された排水が混入している場合には、同じく生物処理の一種である生物活性炭処理での有機物分解能力が低下するためである。
【0069】
さらに、上記第一および第二実施形態では、ろ過処理装置として精密ろ過膜を備えたろ過処理装置を使用したが、ろ過処理装置としては、このほか、限外ろ過膜や凝集ろ過など、その公知のろ過手段から選択できる。あるいは、前記ろ過処理装置を低濃度排水処理ラインや、無機系排水処理ラインに設けてもよく、ろ過処理装置を設けなくてもよい。
【0070】
また、上記第一および第二実施形態では、高濃度排水処理ラインに逆浸透処理装置を設け、排水を濃縮水と透過水に分離したが、このような逆浸透処理装置を設けることは必須ではない。
あるいは逆浸透処理装置を低濃度排水処理ラインや、無機系排水処理ラインに設けてもよい。
【0071】
さらに、上記第一および第二実施形態では、物理化学的に酸化分解をする手段として紫外線酸化分解処理装置を使用したが、酸化分解する手段としては、このほかオゾンによる酸化分解処理を行う手段や、その他の物理化学的酸化分解手段を用いてもよい。
【実施例】
【0072】
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0073】
(実施例)
実施例として、前記第一実施形態と同様の排水処理装置を用い、図3に示すような処理フローで排水処理を行った。
すなわち、まず、高濃度処理排水ラインにはTOC濃度が約120mg/Lの高濃度有機性排水を導入し、生物処理装置(本実施例では固定床生物処理装置を使用)、ろ過処理装置(本実施例ではMF膜を使用した装置を使用)、逆浸透処理装置(RO装置)へ順次導入し、高濃度有機性排水のRO処理水を得た。この時のRO処理水のTOC濃度は約1.1mg/Lであった。
尚、排水は液晶製造工程からの排水であり、主に、DMSO(ジメチルスルホキシド)、TMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)、IPA(イソプロピルアルコール)などを含む排水である。
それぞれの製造工程で行われる処理によって排水中の成分や濃度は異なるため、工程毎に排水を回収し、前記実施形態で示したように高濃度有機性排水、低濃度有機性排水および無機系排水として振り分けた。
【0074】
次に、前記RO処理水を酸化分解処理装置へ導入した。酸化分解処理装置としては、1kWの高圧紫外線ランプ(東芝ライテック製)を使用した酸化槽300Lの紫外線酸化分解処理装置を使用して、HRT(水理学的滞留時間)20分、900L/hで前記RO処理水の酸化分解処理を行った。
尚、紫外線酸化分解処理装置に導入する前に、酸素消費量の4倍量の過酸化水素を添加した。
紫外線酸化分解処理における排水単位容積当たりの紫外線照射電力は1.1kWh/m3であった。
この後、回収した回収水のTOC濃度は約0.22mg/Lまで低下していた。
【0075】
無機系排水はイオン除去処理装置(本実施例ではイオン交換装置、(株)神鋼環境ソリューション社製を使用)で処理した。該イオン除去処理装置での処理後のTOC濃度は2.3mg/Lであった。
さらに、該イオン除去処理後の無機系排水と、TOC濃度約3.5 mg/Lの低濃度有機性排水とをそれぞれ140L/hで混合し、280L/hの処理量で生物活性炭処理装置で処理を行った。
【0076】
該生物活性炭処理装置としては、固定床下向流式Bio−ACカラム(300mmφ×3.8mH)、活性炭(140L、粒径1.3〜1.6mm 球状活性炭)を使用し、HRT=30分、280L/hでの処理条件で処理を行った。
生物活性炭処理における排水単位容積当たりの消費電力は0.2kWh/m3であった。この後、回収した回収水のTOC濃度は約0.24mg/Lまで低下していた。
【0077】
(比較例1)
比較例1として、前記実施例の排水処理装置の紫外線酸化分解処理装置に代えて、生物活性炭処理装置を備えた排水処理装置で、前記実施例と同様の高濃度有機性排水、低濃度有機性排水および無機系排水を、図4に示すようなフローで処理した。
すなわち、高濃度有機性排水は前記実施例と同様に生物処理装置、ろ過処理装置、逆浸透処理装置へ順次導入し、高濃度有機性排水のRO処理水を得た。この時のRO処理水のTOC濃度は約1.1mg/Lであった。
次に、前記RO処理水を前記生物活性炭処理装置へ280L/hで導入し、HRT=30分の処理条件で処理を行った。その結果、生物活性炭処理装置で処理された処理水のTOC濃度は1.0mg/Lと高く、回収して再利用できなかった。
生物活性炭処理における排水単位容積当たりの消費電力は0.2kWh/m3であった。
一方、無機系排水および低濃度有機性排水はそれぞれ上記実施例と同様の処理を行い、得られた回収水のTOC濃度は約0.24mg/Lであった。
この無機系排水および低濃度有機性排水の処理における生物活性炭処理の排水単位容積当たりの消費電力は0.2kWh/m3であった。
【0078】
(比較例2)
比較例2として、前記比較例1の排水処理装置の2つの生物活性炭処理装置に代えて、実施例と同様の紫外線酸化分解処理装置を1つ備えた排水処理装置で前記実施例と同様の高濃度有機性排水、低濃度有機性排水および無機系排水を処理する図5に示すようなフローで処理を行った
すなわち、高濃度有機性排水は前記実施例1と同様に生物処理装置、ろ過処理装置、逆浸透処理装置へ順次導入し、高濃度有機性排水のRO処理水を得た。この時の高濃度有機性排水のTOC濃度は約1.1mg/Lであった。
次に、未処理の低濃度有機性排水および前記実施例と同様にイオン除去処理した後の無機系排水を、前記高濃度有機性排水のRO処理水と混合して、前記実施例と同様に前記紫外線酸化分解処理装置へ導入し、300L/h、HRT=28分の処理条件で処理を行った。
比較例2の排水単位容積当たりの装置全体の消費電力は3.3kWh/m3であった。
【0079】
以上の結果より、実施例は各比較例と比べて、処理装置全体の消費電力が少なく、且つ回収した処理済排水中のTOC濃度も低いことがわかる。
すなわち、実施例と比較例2で処理する総排水水量がそれぞれ同量(例えば総量3000m3/日)である場合、表1に示すように、実施例では1500kWh/日となり、比較例2の9900kWh/日に比べ消費電力量が抑制されている。
【0080】
【表1】

【0081】
(生物活性炭処理装置における処理能力)
次に前記実施例の生物活性炭処理装置における処理能力についての検討を行った。
試験の結果、生物活性炭装置において、処理するTOC量が増加してくると、生物活性炭層の微生物量が加速度的に増加するため、差圧(生物活性炭層の圧力損失)も加速度的に増加するとともに微生物の処理効率も低下することが判明した。
この差圧が0.15kg/cm2を超えると処理効率の低下が著しかった。
前記実施例で使用した生物活性炭処理装置を用いて、生物活性炭処理装置へ流入されるTOC量(積算量)と差圧の関係を測定した結果を図6のグラフに示す。
図6のグラフから、TOC量が増加するに従い差圧が高くなることがわかり、差圧0.15kg/cm2以下で生物活性炭処理装置を稼動するためには、生物活性炭処理装置の活性炭単位容積当たりの積算流入TOC量が180g/m3以下で稼動する必要がある。
【0082】
さらに、HRTが45分となる処理量において、180g/m3で前記生物活性炭処理装置を稼動するための排水中のTOC濃度と通水時間との関係を図7にグラフとして示した。
図7から判るように排水中のTOC濃度が10mg/Lより低ければ、12時間稼動しても生物活性炭処理装置は性能を維持できる。
一方、排水中のTOC濃度が10mg/L以上となった場合には生物活性炭処理装置で処理を続けると12時間未満で差圧が0.15kg/cm2を超え、処理効率の低下が始まる。
この場合には、前記第二実施形態で説明したように、低濃度排水処理ラインからバイパスラインなどの振り分け手段を介して高濃度排水処理ラインへ振り分けて、紫外線酸化分解処理装置で処理するようにすることが好ましい。
【符号の説明】
【0083】
1:排水処理装置、
10:高濃度排水処理ライン、
11:紫外線酸化分解処理装置、
12:生物処理装置、
13:ろ過処理装置、
14:逆浸透膜処理装置、
15:回収装置、
20:低濃度排水処理ライン、
21:生物活性炭処理装置、
22:濃度測定手段、
23:バルブ、
30:無機系排水処理ライン、
31:イオン除去処理装置、
40:バイパスライン、
40a:バルブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製造工程から排出される排水のうち、高濃度の有機性薬品を含有する排水を高濃度排水処理ラインへ導入し、低濃度の有機性薬品を含有する排水を低濃度排水処理ラインへ導入し、前記高濃度排水処理ラインでは、排水中の有機物を微生物によって処理する生物処理工程と、物理化学的酸化分解工程が実施され、前記低濃度排水処理ラインでは、未生物処理水である排水を、微生物によって処理する生物処理工程が実施されることを特徴とする排水処理方法。
【請求項2】
前記低濃度排水処理ラインでは、該生物処理工程を実施する前に、排水中の有機物濃度を測定し、該有機物濃度が所定の濃度よりも高い場合には、該排水の少なくとも一部を前記高濃度排水処理ラインの物理化学的酸化分解工程へ導入する請求項1に記載の排水処理方法。
【請求項3】
前記製造工程から排出される排水のうち、無機系薬品を含有する排水を無機系排水処理ラインへ導入し、該無機系排水処理ラインでは、排水中のイオンを除去するイオン除去処理工程が実施される請求項1または請求項2に記載の排水処理方法。
【請求項4】
前記イオン除去処理工程で処理された排水を前記低濃度排水処理ラインの前記生物処理工程で処理する請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の排水処理方法。
【請求項5】
前記高濃度排水処理ラインでは、排水を逆浸透膜によって透過処理を行う逆浸透膜処理工程が実施され、該逆浸透膜処理工程で処理された排水を前記物理化学的酸化分解工程で処理する請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の排水処理方法。
【請求項6】
前記物理化学的酸化分解工程が、紫外線またはオゾンによって酸化分解を行う請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の排水処理方法。
【請求項7】
製造工程から排出される有機性薬品を含有する排水のうち、高濃度の有機性薬品を含有する排水を高濃度排水処理ラインへ導入し、低濃度の有機性薬品を含有する排水を低濃度排水処理ラインへ導入する導入手段を備えた排水処理装置であって、
前記高濃度排水処理ラインは、排水を微生物によって処理する生物処理手段と、物理化学的酸化分解手段を備え、
前記低濃度排水処理ラインは、排水を生物によって処理する生物処理装置を備えていることを特徴とする排水処理装置。
【請求項8】
前記低濃度排水処理ラインは、該生物処理装置に排水を導入する前の排水中の有機物濃度を測定する測定装置と、
該測定装置によって測定された有機物濃度が所定の濃度よりも高い場合に、該排水の少なくとも一部を前記高濃度排水処理ラインの前記物理化学的酸化分解手段へ導入するバイパスラインとを備えている請求項7記載の排水処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−212520(P2011−212520A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−80739(P2010−80739)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000192590)株式会社神鋼環境ソリューション (534)
【Fターム(参考)】