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排水弁装置、この排水弁装置を備えた洗浄水タンク装置、及び、この洗浄水タンク装置を備えた水洗大便器
説明

排水弁装置、この排水弁装置を備えた洗浄水タンク装置、及び、この洗浄水タンク装置を備えた水洗大便器

【課題】洗浄水タンクの排水口から便器に供給される洗浄水量のばらつきを防ぐことができる排水弁装置を提供する。
【解決手段】貯水タンクの排水口20を開閉する弁体52と、洗浄水を貯水する貯水領域Aを形成する貯水部86を備えた内側制御筒部材64と、弁体52に係合可能に取り付けられ、弁体52との係合が解除されると下降するように内側制御筒部材64の貯水部内に設けられた大洗浄用フロート部材68と、弁体52が排水口を開放した後、内側制御筒部材64の貯水部内の水位が下降して大洗浄用フロート部材68の自重と浮力との釣り合い位置を通過したとき、大洗浄用フロート部材68が内側制御筒部材の貯水部内の水位と共に下降してフロートと弁体との係合が解除されて弁体の閉弁動作が開始されるように、貯水部内の貯水領域A2における釣り合い位置よりも上方の所定高さ位置から下方の貯水領域を急激に減少させる貯水領域減少手段90と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排水弁装置、この排水弁装置を備えた洗浄水タンク装置、及び、この洗浄水タンク装置を備えた水洗大便器に係り、特に、便器を洗浄する洗浄水を貯える洗浄水タンクの排水弁装置、この排水弁装置を備えた洗浄水タンク装置、及び、この洗浄水タンク装置を備えた水洗大便器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、便器を洗浄する洗浄水を貯える洗浄水タンクの排水弁装置として、例えば、特許文献1に記載されているように、小さな流量で洗浄水を流出させる小穴が形成された貯水部と、この貯水部内の水位の低下に伴って下降するフロートとを備えた排水弁装置が知られている。
このような排水弁装置では、フロートと連結した水平軸部材が排水弁装置本体の突起と係合することにより排水弁の開弁状態が維持されている一方、フロートが下降し、このフロートと連結した水平軸部材と排水弁装置本体の突起との係合が解除されることにより、排水弁の閉弁動作が開始するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】欧州特許第1650366号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような特許文献1に記載されている従来の排水弁装置においては、開弁状態の排水弁が閉弁動作を開始するまでに、貯水部内の水位が下降する速度が極めて遅い速度に設定されているため、洗浄水タンクから便器へ十分な量の洗浄水を供給できるようになっている。
しかしながら、貯水部内の水位が遅い速度で下降する程、その分フロートもゆっくり下降することになる。特に、貯水部の小穴の開口面積を極めて小さく設定した場合には、この小穴からより小さな流量で洗浄水を流出させる程、貯水部内の水位もフロートの自重と浮力との釣り合い位置をゆっくりと通過することになるため、フロートは、その自重と浮力との釣り合い位置においても、簡単に下降し難くなり、フロートと連結した水平軸部材と排水弁装置本体の突起との係合が摩擦等によって簡単に外れ難くなるという問題がある。
また、このようにフロートと連結した水平軸部材と排水弁装置本体の突起との係合が外れにくくなると、この係合が外れるタイミングにもばらつきが生じ易く、洗浄水タンクから便器に排出される洗浄水量や排水終了時の洗浄水タンク内の死水水位(デッドウォーターライン(DWL))もばらつくといった問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、洗浄水タンクの排水口から便器に供給される洗浄水量のばらつきを防ぐことができる排水弁装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明は、便器を洗浄する洗浄水を貯える洗浄水タンクの排水弁装置であって、洗浄水タンクの底面に配置された排水口を開閉する弁体と、この弁体の動きを制御する制御筒であって、洗浄水を貯水する貯水領域を形成する貯水部を備え、この貯水部に貯水された洗浄水を所定の流量で上記洗浄水タンク内へ流出させる開口が形成された上記制御筒と、上記弁体に係合可能に取り付けられて上記制御筒の貯水部内の水位の低下により上記弁体との係合が解除されると下降するように上記制御筒の貯水部内に設けられたフロートと、上記弁体が上記排水口を開放した後、上記制御筒の貯水部内の水位が下降して上記フロートの自重と浮力との釣り合い位置を通過したとき、上記フロートが上記制御筒の貯水部内の水位と共に下降して上記フロートと上記弁体との係合が解除されて上記弁体の閉弁動作が開始されるように、上記貯水部内の貯水領域における上記釣り合い位置よりも上方の所定高さ位置から下方の貯水領域を急激に減少させる貯水領域減少手段と、を有することを特徴としている。
このように構成された本発明においては、制御筒の貯水部内の貯水領域において、貯水領域減少手段により、フロートの釣り合い位置(フロートの自重と浮力との釣り合い位置)よりも上方の所定高さ位置から下方の貯水領域が急激に減少するため、弁体が排水口を開放した後、制御筒の貯水部内の水位が下降してフロートの釣り合い位置を通過する際に、制御筒の貯水部内の水位の下降速度を早めることができる。この結果、制御筒の貯水部内の水位がフロートの釣り合い位置を通過した際に、フロートと弁体との係合を滑らかに解除し、フロートの下降を滑らかに開始することができ、弁体を滑らかに閉弁させることができる。これらの結果、洗浄水タンクの排水口から排出される洗浄水量のばらつきを防ぐことができる。
【0007】
本発明において、好ましくは、上記貯水領域減少手段は、上記制御筒の貯水部内の底部の一部を底上げするように形成された段部であり、この段部の上面は、上記貯水部の底上げ面を形成し、上記釣り合い位置よりも上方に位置している。
このように構成された本発明においては、制御筒の貯水部内の底部の一部を底上げするように形成された段部を制御筒の貯水部の貯水領域減少手段とすることにより、弁体が排水口を開放した後、制御筒の貯水部内の水位が下降し、貯水部内のフロートの釣り合い位置(フロートの自重と浮力との釣り合い位置)よりも上方に位置する貯水部の段部の上面(底上げ面)を通過すると、制御筒の貯水部内の貯水領域が急激に減少するため、貯水部内の水位の下降速度を早めることができる。この結果、貯水部内の水位がさらに下降してフロートの釣り合い位置を通過するときの水位の下降速度を早めることもできるため、フロートと弁体との係合を滑らかに解除してフロートの下降を滑らかに開始することができ、弁体を滑らかに閉弁させることができる。これらの結果、洗浄水タンクの排水口から排出される洗浄水量のばらつきを防ぐことができる。
【0008】
本発明において、好ましくは、上記制御筒の貯水部に形成された開口は、上記貯水部の下方位置にほぼ水平方向にスリット状に延びるように形成され、更に、上記制御筒の開口の一部と連通する所定幅の連通口が形成され且つ上記制御筒の開口の外側に取り付けられる遮蔽部材を有し、この遮蔽部材は、上記制御筒への取付位置を変更することにより、上記制御筒の開口と上記連通口との連通面積を調整して上記制御筒の貯水部から上記洗浄水タンク内へ流出させる洗浄水量を調整可能である。
このように構成された本発明においては、制御筒の貯水部に形成された開口が貯水部の下方位置にほぼ水平方向にスリット状に延びるように形成されているため、遮蔽部材の取付位置を変更して制御筒の開口と遮蔽部材の連通口との連通面積を調整する際に、制御筒の開口から遮蔽部材の連通口を通過するときの上下方向の水圧のばらつきの影響を抑え、制御筒の開口から流出させる洗浄水量のばらつきを抑えることができる。これらの結果、洗浄水タンクの排水口から排出される洗浄水量の総量がばらつくことを防ぐことができる。
【0009】
つぎに、本発明は、上記排水弁装置を備えたことを特徴とする洗浄水タンク装置である。
このように構成された本発明においては、便器を洗浄する洗浄水量のばらつきを防ぐことができる洗浄水タンク装置を提供することができる。
【0010】
つぎに、本発明は、上記洗浄水タンク装置を備えたことを特徴とする水洗大便器である。
このように構成された本発明においては、便器を洗浄する洗浄水量のばらつきを防ぐことができる水洗大便器を提供することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の排水弁装置によれば、洗浄水タンクの排水口から便器に供給される洗浄水量のばらつきを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態による排水弁装置を備えた洗浄水タンク装置が適用された水洗大便器において、便座、便蓋及び洗浄水タンク装置の蓋体を取り外した状態を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態による排水弁装置を備えた洗浄水タンク装置の内部構造を前方斜め上方から見た斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態による排水弁装置を示す分解正面図である。
【図4】本発明の一実施形態による排水弁装置を示す左側面図である。
【図5】図4のV−V線に沿って見た断面図であり、本発明の一実施形態による排水弁装置の小洗浄モード及び大洗浄モードにおける排水開始前の状態を示す。
【図6】図4のV−V線に沿って見た断面図であり、本発明の一実施形態による排水弁装置の小洗浄モードにおける開弁時の状態を示す。
【図7】図4のV−V線に沿って見た断面図であり、本発明の一実施形態による排水弁装置の大洗浄モードにおける開弁時の状態を示す。
【図8】図4のV−V線に沿って見た断面図であり、本発明の一実施形態による排水弁装置の小洗浄モードにおける排水途中の状態を示す。
【図9】図4のV−V線に沿って見た断面図であり、本発明の一実施形態による排水弁装置の小洗浄モードにおける排水終了時の状態を示す。
【図10】本発明の一実施形態による排水弁装置の制御筒を示す斜視図である。
【図11】本発明の一実施形態による排水弁装置の制御筒を示す左側面図である。
【図12】図11のXII−XII線に沿って見た断面図である。
【図13】図4のV−V線に沿って見た断面図であり、本発明の一実施形態による排水弁装置の大洗浄モードにおける排水途中の第1の状態を示す。
【図14】図4のXIV−XIV線に沿って見た断面図であり、本発明の一実施形態による排水弁装置の大洗浄モードにおける排水途中の第1の状態を示す。
【図15】図4のV−V線に沿って見た断面図であり、本発明の一実施形態による排水弁装置の大洗浄モードにおける排水途中の第2の状態を示す。
【図16】図4のXIV−XIV線に沿って見た断面図であり、本発明の一実施形態による排水弁装置の大洗浄モードにおける排水途中の第2の状態を示す。
【図17】図4のV−V線に沿って見た断面図であり、本発明の一実施形態による排水弁装置の大洗浄モードにおける排水途中の第3の状態を示す。
【図18】図4のXIV−XIV線に沿って見た断面図であり、本発明の一実施形態による排水弁装置の大洗浄モードにおける排水途中の第3の状態を示す。
【図19】図4のV−V線に沿って見た断面図であり、本発明の一実施形態による排水弁装置の大洗浄モードにおける排水終了時の状態を示す。
【図20】図4のXIV−XIV線に沿って見た断面図であり、本発明の一実施形態による排水弁装置の大洗浄モードにおける排水終了時の状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
つぎに、添付図面により、本発明の一実施形態による排水弁装置、この排水弁装置を備えた洗浄水タンク装置、及び、この洗浄水タンク装置を備えた水洗大便器について説明する。
まず、図1により、本発明の一実施形態による排水弁装置を備えた洗浄水タンク装置が適用された水洗便器を説明する。
図1は、本発明の一実施形態による排水弁装置を備えた洗浄水タンク装置が適用された水洗大便器において、便座、便蓋及び洗浄水タンク装置の蓋体を取り外した状態を示す斜視図である。
【0014】
図1に示すように、符号1は、サイホン作用を利用してボウル部内の汚物を吸い込んで排水トラップ管路から一気に外部に排出する、いわゆる、サイホン式の水洗大便器であり、この水洗大便器1は、陶器製の便器本体2を備え、この便器本体2には、ボウル部4と、このボウル部4の下部と連通するトラップ管路6がそれぞれ形成されている。
便器本体2のボウル部4の上縁部には、内側にオーバーハングしたリム8と、便器本体2の後方側の内部に形成される導水路(図示せず)から供給される洗浄水を吐水する第1吐水口10が形成され、この第1吐水口10から吐水された洗浄水は、旋回しながら下降してボウル部4を洗浄するようになっている。
【0015】
ボウル部4の下方には、溜水面が鎖線W0で示された溜水部12が形成されている。この溜水部12の下方には、排水トラップ管路6の入口6aが開口し、この入口6aから後方の排水トラップ管路6は排水ソケット(図示せず)を介して床下の排出管(図示せず)に接続されている。
また、ボウル部4の溜水面W0の上方位置には、便器本体2の後方側の内部に形成される導水路(図示せず)から供給される洗浄水を吐水する第2吐水口14が形成され、この第2吐水口14から吐水される洗浄水が溜水部12の溜水を上下方向に旋回させる旋回流を生じさせるようになっている。
【0016】
便器本体2の後方側の上面には、便器本体2に供給する洗浄水を貯水する洗浄水タンク装置16が設けられている。
なお、本実施形態では、上述したサイホン式の水洗大便器に洗浄水タンク装置16を適用した例について説明するが、このようなサイホン式の水洗大便器に限定されず、ボウル部内の水の落差による流水作用で汚物を押し流す、いわゆる、洗い落し式の水洗大便器等の他のタイプの水洗便器にも適用可能である。
【0017】
つぎに、図2により、洗浄水タンク装置16の内部構造について説明する。
図2は、本発明の一実施形態による排水弁装置を備えた洗浄水タンク装置の内部構造を前方斜め上方から見た斜視図である。
図2に示すように、洗浄水タンク装置16は、水洗大便器1を洗浄する洗浄水を貯水する貯水タンク18を備え、この貯水タンク18の底部には、便器本体2の導水路(図示せず)と連通する排水口20が形成され、貯水タンク18内の洗浄水が便器本体2の導水路(図示せず)へと供給されるようになっている。また、貯水タンク18は、便器の種類に応じて、貯水する洗浄水の量が異なっている。
【0018】
図2に示すように、洗浄水タンク装置16の貯水タンク18内には、この貯水タンク18内に洗浄水を供給する給水装置22と、貯水タンク18に貯えられた洗浄水について排水口20を開放して便器本体2の導水路(図示せず)に流出させる排水弁装置24(詳細は後述する)が設けられている。
【0019】
給水装置22は、外部の給水源(図示せず)に接続され貯水タンク18の底部から上方に延びる給水管26と、この給水管26の上端部に取り付けられ、給水管26から給水される洗浄水の貯水タンク18内への吐水と止水を切り替える給水バルブ28と、貯水タンク18内の水位の変動に応じて上下動して給水バルブ28による吐水と止水を切り替えるフロート30とを備えている。
【0020】
給水管26の外周側下端部には、吐水口32が開口し、給水バルブ28からの洗浄水がこの吐水口32から貯水タンク18内に吐水されるようになっている。
給水装置22は、更に、給水バルブ28に接続されたリフィール管34を備え、このリフィール管34の下流端部は、後述する排水弁装置24のオーバーフロー管36の上端開口の上方近傍に位置するように、リフィール管34の一部がオーバーフロー管36又は貯水タンク18内の所定箇所に固定されている。
【0021】
給水装置22においては、後述する排水弁装置24により、貯水タンク18内の洗浄水が便器に排水されると、洗浄水の水位が低下してフロート30が下降し、それにより給水バルブ28が開き、吐水口32からの吐水が開始し、洗浄水タンク装置16の外部の給水源(図示せず)から貯水タンク18内への吐水が開始されるようになっている。
さらに、吐水が継続されて貯水タンク18内の水位が上昇すると、フロート30が上昇し、それにより給水バルブ28が閉じ、吐水口32からの吐水が止水される。これにより、貯水タンク18内の洗浄水の水位が満水時の所定水位に維持されるようになっている。
【0022】
つぎに、図1〜図9を参照して、本発明の一実施形態による排水弁装置24の詳細について説明する。
図3は本発明の一実施形態による排水弁装置を示す分解正面図であり、図4は本発明の一実施形態による排水弁装置を示す左側面図である。つぎに、図5は、図4のV−V線に沿って見た断面図であり、本発明の一実施形態による排水弁装置の小洗浄モード及び大洗浄モードにおける排水開始前の状態を示す。また、図6及び図7は、図4のV−V線に沿って見た断面図であり、本発明の一実施形態による排水弁装置の小洗浄モード及び大洗浄モードにおける開弁時の状態をそれぞれ示す。さらに、図8及び図9は、図4のV−V線に沿って見た断面図であり、本発明の一実施形態による排水弁装置の小洗浄モードにおける排水途中の状態及び排水終了時の状態をそれぞれ示す。ここで、図6〜図8においては、洗浄水の流れを矢印で概略的に示している。
【0023】
排水弁装置24は、図3及び図4に示すように、貯水タンク18の底面に取り付けられ且つ便器本体2の導水路(図示せず)に連通する排水口20を形成する排水口ユニット38と、この排水口ユニット38の上端に取り付けられた排水弁ユニット40を備えている。
【0024】
排水弁装置24の排水口ユニット38は、貯水タンク18の底面18aの所定位置に取り付けられて排水口20を形成する排水口形成部材42を備えている。
この排水口形成部材42の下端部は、貯水タンク18の底面18aを貫き、シール部材44を介して締結部材46によって締結され、排水口形成部材42が貯水タンク18の底面18aに固定されている。
【0025】
また、排水口形成部材42の外周の一部には、オーバーフロー管36が取り付けられるオーバーフロー管取付部48が設けられ、オーバーフロー管36がオーバーフロー管取付部48を介して排水口形成部材42の内部の排水口20と連通するようになっている。
【0026】
さらに、排水口形成部材42は、排水口20の上縁に沿って全周に亘って形成され且つ上方に突出する弁座50を備え、この弁座50と排水弁ユニット40の弁体52が当接することにより、排水口20が閉鎖されるようになっている。
また、排水口形成部材42は、弁座50から外側に向かって所定間隔を置いた位置から排水口形成部材42の上端部54まで上下方向に延びる複数の支柱部56を備え、これらの支柱部56は、周方向に沿って所定間隔を置いて配置されており、隣り合う支柱部56同士の間に排水弁装置24の外側の洗浄水を排水口20へ流入させるための複数の連通口58を形成している。
【0027】
つぎに、図3〜図5に示すように、排水弁装置24の排水弁ユニット40は、弁体52と、この弁体52を保持する弁体保持部材60と、この弁体保持部材60に下端部が取り付けられて上下方向に延びる樹脂製の主軸部材62と、排水口ユニット38の排水口形成部材42の上端部54に取り付けられて弁体52の動きを制御する内側制御筒部材64と、流量調整用の開口64aが形成された内側制御筒部材64の側周壁部64bの外側に取り付けられる遮蔽部材66と、大洗浄モードにおける閉弁動作を開始させる樹脂製の大洗浄用フロート部材68と、小洗浄モードにおける閉弁動作を開始させる樹脂製の小洗浄用フロート部材70及び樹脂製のカム部材72と、これらの部材70,72を支持する樹脂製の支持部材74と、これらの部材60〜74を外側から取り囲む外側制御筒部材76と、主軸部材62の上端部62aに取り付けられて主軸部材62の引き上げ操作による弁体52の開弁操作を操作する操作ワイヤ78と、外側制御筒部材76を上方から保持すると共に操作ワイヤ78の上下動をガイドするガイド部材80と、を備えている。
【0028】
弁体52は、シートパッキン等のシール部材からなり、図3及び図5に示すように、主軸部材62の下端部に取り付けられた弁体保持部材60の上側保持部60aと下側保持部60bとの間に嵌め込まれて固着されている。
また、主軸部材62は、内側制御筒部材64のほぼ中央部に形成されたガイド穴64cに挿入されて軸方向(上下方向)に摺動可能に取り付けられ、弁体52は、この主軸部材62と共に上下動し、排水口20を開閉する排水弁として機能するようになっている。
【0029】
つぎに、図2、図3、及び図5〜図7に示すように、操作ワイヤ78は、ガイド部材80のガイド孔80aを通過した一端部が主軸部材62の上端部62aに取り付けられ、他端部が貯水タンク18の内部に取り付けられたワイヤ巻取り装置82に取り付けられている。このワイヤ巻取り装置82は、貯水タンク18の外部に取り付けられた操作レバー84と連結されており、この操作レバー84を大洗浄又は小洗浄の所定の洗浄モードを実行させる方向に回動操作することにより、この操作レバー84の回動と連動してワイヤ巻取り装置82が作動し、操作ワイヤ78がワイヤ巻取り装置82によって巻き取られ、この巻き取られる操作ワイヤ78により、排水弁ユニット40の主軸部材62が引き上げられ、この主軸部材62と共に弁体保持部材60及び弁体52が上昇するようになっている。
【0030】
例えば、操作レバー84を所定の方向(小洗浄モードを実行する方向)に回動操作すると、ワイヤ巻取り装置82が作動し、操作ワイヤ78が大洗浄モードの場合の最大巻き取り量よりも少ない巻き取り量で巻き取られ、排水弁ユニット40の主軸部材62及び弁体保持部材60がそれぞれの最高高さ位置よりも低い所定の高さ位置まで引き上げられるようになっている。このとき、弁座50に対する弁体52の上昇高さ(ストローク)HがH1となり、洗浄水タンク装置16の排水弁装置24による水洗大便器1の便器本体2への小洗浄モードの排水が開始されるようになっている(図6参照)。
一方、操作レバー84を所定の方向とは反対方向(大洗浄モードを実行する方向)に回動操作すると、ワイヤ巻取り装置82が作動し、操作ワイヤ78が所定の最大量の巻き取り量で巻き取られ、排水弁ユニット40の主軸部材62及び弁体保持部材60がそれぞれの最高高さ位置まで引き上げられるようになっている。このとき、弁座50に対する弁体52の上昇高さ(ストローク)Hが最大高さ(最大ストローク)H2となり(H2>H1)、洗浄水タンク装置16の排水弁装置24による水洗大便器1の便器本体2への大洗浄モードの排水が開始されるようになっている(図7参照)。
【0031】
なお、本実施形態では、一例として、操作レバー84については、使用者が操作レバー84を直接回転操作してワイヤ巻取り装置82を作動させる手動式の操作形態について説明するが、このような形態に限定されず、操作レバー84を回動させるためのモータ等の駆動手段を設け、外部に設定された操作ボタン(図示せず)又は人感センサー(図示せず)からの指令信号によって駆動手段の作動を自動的に制御するような操作形態にしてもよい。
【0032】
つぎに、図3及び図5〜図9に示すように、支持部材74の軸方向の中間部分には、小洗浄用フロート部材70が取り付けられており、支持部材74への小洗浄用フロート部材70の取付位置が軸方向(上下方向)に変更可能となっている。
また、支持部材74の下端部は、詳細は後述する内側制御筒部材64の上下方向に貫く支持部材用取付穴64dに挿入され、支持部材74の上端部は、ガイド部材80の支持部材用取付穴80bに挿入されており、支持部材74がこれらの支持部材用取付穴64d,80bの中で上下方向に摺動可能に保持されている。
【0033】
カム部材72は、支持部材74のヒンジ結合部74aに回動可能に取り付けられるヒンジ部72aと、主軸部材62の上端部62aから下方の所定位置に外方に突出するように形成された係合突起62bと係合可能な係合凹部72bを備えている。
【0034】
大洗浄用フロート部材68は、詳細は後述する内側制御筒部材64の貯水部86内に収容されるフロート本体部68aと、このフロート本体部68aの両側の上端から水平方向に延びる一対のアーム部68bと、これらのアーム部68bのそれぞれの先端部から外側に突出するように形成され且つ内側制御筒部材64の上端部の一対のヒンジ結合孔64eに回動可能に取り付けられる一対のヒンジ突起部68cと、アーム部68bのそれぞれの先端部から下方に所定長さ延びた先端部に形成され且つ主軸部材62の係合突起62bから軸方向下方の所定位置に外方に突出する係合突起62cと係合可能な係合凹部68dを備えている。
【0035】
図3〜図9に示すように、外側制御筒部材76の側周面76aには、上下方向に延びる複数のスリット穴76bが形成されている。これらの外側制御筒部材76のスリット穴76bの下端よりも上方に且つ外側制御筒部材76の外側に貯水されている貯水タンク18内の洗浄水は、スリット穴76bを経て外側制御筒部材76の内部に流入することができるようになっている。
【0036】
また、図5に示すように、排水弁装置24の小洗浄モード及び大洗浄モードにおける排水開始前の状態では、弁体52が弁座50に当接して排水口20が閉止され、貯水タンク18内の水位が満水時の止水水位Wfとなり、外側制御筒部材76の外側に貯水されている貯水タンク18内の洗浄水がスリット穴76bを経て外側制御筒部材76の内部に流入し、大洗浄用フロート部材68及び小洗浄用フロート部材70が水没している状態となっている。
また、カム部材72の係合凹部72bは主軸部材62の係合突起62bよりも上方に位置し、両者72b,62bが係合していない状態となっており、大洗浄用フロート部材68の係合凹部68dも主軸部材62の係合突起62cよりも上方に位置しており、両者68d,62cが係合していない状態となっている。
【0037】
つぎに、図6に示すように、排水弁装置24の小洗浄モードにおける開弁時の状態では、弁体52が弁座50に対してストロークH1で上昇して排水口20が開放されており、外側制御筒部材76の外側に貯水されている貯水タンク18内の洗浄水と外側制御筒部材76の内部の洗浄水が、外側制御筒部材76のスリット穴76b及び排水口形成部材42の連通口58によって連通しているため、貯水タンク18内の水位と外側制御筒部材76の内部の水位が共に満水時の止水水位Wfよりも低い水位W1となり、大洗浄用フロート部材68及び小洗浄用フロート部材70が水没している状態となっている。
また、支持部材74は小洗浄用フロート部材70の浮力により上昇した状態となっている。
さらに、弁体52と共に主軸部材62とその係合突起62bについてもストロークH1で上昇しているため、カム部材72の係合凹部72bが主軸部材62の係合突起62bと係合している状態となっており、主軸部材62及び弁体52の下降動作(閉弁動作)が拘束された状態となっている。一方、大洗浄用フロート部材68の係合凹部68dは、主軸部材62の係合突起62cよりも上方に位置しており、両者68d,62cが係合していない状態となっている。
【0038】
一方、図7に示すように、排水弁装置24の大洗浄モードにおける開弁時の状態では、弁体52が弁座50に対して最大ストロークH2で上昇して排水口20が開放されており、貯水タンク18内の水位が満水時の止水水位Wfよりも低い水位W2となり、外側制御筒部材76の外側に貯水されている貯水タンク18内の洗浄水と外側制御筒部材76の内部の洗浄水が、外側制御筒部材76のスリット穴76b及び排水口形成部材42の連通口58によって連通しているため、大洗浄用フロート部材68は水没しているが、小洗浄用フロート部材70とカム部材72のそれぞれの上方部分は水位W2よりも上方に表出している状態となっている。
また、弁体52と共に主軸部材62とその係合突起62bについても最大ストロークH2で上昇しているため、カム部材72の係合凹部72bが主軸部材62の係合突起62bの下方に位置し、両者72b,62bが係合していない状態となっている。しかしながら、大洗浄用フロート部材68の係合凹部68dは、主軸部材62の係合突起62cと係合している状態となっており、主軸部材62及び弁体52の下降動作(閉弁動作)が拘束された状態となっている。
【0039】
つぎに、図8に示すように、排水弁装置24の小洗浄モードにおける排水途中の状態では、排水口20から便器本体2への排水に伴って、貯水タンク18内の水位と外側制御筒部材76の内部の水位が、図6に示す水位W1よりも低い水位W3まで低下するため、この水位の低下に連動して小洗浄用フロート部材70の浮力が減少し、小洗浄用フロート部材70と支持部材74が下降するようになっている。
また、支持部材74が下降すると、これに連動してカム部材72が、その係合凹部72bと主軸部材62の係合突起62bとの係合を解除する方向(図8の上方)に向ってヒンジ部72aを中心に回動するようになっている。さらに、カム部材72の係合凹部72bと主軸部材62の係合突起62bとの係合が解除されると、主軸部材62及び弁体52が水位の低下と共に下降し、排水弁装置24の小洗浄モードにおける閉弁動作が開始されるようになっている。
なお、大洗浄用フロート部材68の係合凹部68dは、主軸部材62の係合突起62cよりも上方に位置しており、両者68d,62cが係合していない状態となっているため、主軸部材62及び弁体52の下降による閉弁動作が妨げられないようになっている。
【0040】
つぎに、図8において主軸部材62及び弁体52が水位の低下と共にさらに下降すると、図9に示すように、弁体52が弁座50に当接し、排水口20が閉止され、排水弁装置24の小洗浄モードにおける排水が終了するようになっている。また、排水終了時の状態では、貯水タンク18内の水位と外側制御筒部材76の内部の水位が、図8に示す水位W3よりも低い水位W4まで低下し、死水水位(DWL)となるようになっている。
【0041】
つぎに、図10〜図20を参照して、内側制御筒部材64の詳細について説明する。
図10は本発明の一実施形態による排水弁装置の制御筒を示す斜視図であり、図11は本発明の一実施形態による排水弁装置の制御筒を示す左側面図であり、図12は図11のXII−XII線に沿って見た断面図である。
まず、図13は、図4のV−V線に沿って見た断面図であり、本発明の一実施形態による排水弁装置の大洗浄モードにおける排水途中の第1の状態を示し、図14は、図4のXIV−XIV線に沿って見た断面図であり、本発明の一実施形態による排水弁装置の大洗浄モードにおける排水途中の第1の状態を示す。
つぎに、図15は、図4のV−V線に沿って見た断面図であり、本発明の一実施形態による排水弁装置の大洗浄モードにおける排水途中の第2の状態を示し、図16は、図4のXIV−XIV線に沿って見た断面図であり、本発明の一実施形態による排水弁装置の大洗浄モードにおける排水途中の第2の状態を示す。
また、図17は、図4のV−V線に沿って見た断面図であり、本発明の一実施形態による排水弁装置の大洗浄モードにおける排水途中の第3の状態を示し、図18は、図4のXIV−XIV線に沿って見た断面図であり、本発明の一実施形態による排水弁装置の大洗浄モードにおける排水途中の第3の状態を示す。
さらに、図19は、図4のV−V線に沿って見た断面図であり、本発明の一実施形態による排水弁装置の大洗浄モードにおける排水終了時の状態を示し、図20は、図4のXIV−XIV線に沿って見た断面図であり、本発明の一実施形態による排水弁装置の大洗浄モードにおける排水終了時の状態を示す。
ここで、図13〜図20においては、洗浄水の流れを矢印で概略的に示している。
【0042】
まず、図10及び図12に示すように、内側制御筒部材64の貯水部86は、その貯水領域を急激に減少させるための手段(以下「貯水領域減少手段」)として、貯水部86内の底面88の一部を底上げするように形成された段部90を備え、この段部90は、貯水部86内の底面88から上方に延びるように形成された内壁面90aを備え、この段部90の内壁面90aの上端からほぼ水平方向に延びるように形成された上面が底上げ面90bを形成している。
【0043】
つぎに、内側制御筒部材64の貯水部86内に形成されて洗浄水が貯水される貯水領域Aは、この底上げ面90bから上方に且つ内壁面90と平行に延びる内壁面92と、底上げ面90bにおける貯水部86の中央側に形成される中央側内壁面94と、この中央側内壁面94と対向するように形成される外側内壁面96と、隣り合う2つの中央側内壁面94同士を接続するように形成される中間内壁面98と、外側内壁面96同士を接続するように内側制御筒部材64の部分的に円筒状に形成された側周壁部64bの内側周壁面100によって形成されている。
【0044】
すなわち、図10、図12、図14、図16、図18及び図20に示すように、貯水部86内に洗浄水が貯水される貯水領域Aは、貯水部86内の段部90の底上げ面90bと同一の平面を境界面P1として、その境界面P1よりも上方に形成される貯水部86の貯水領域を上方貯水領域A1とし、境界面P1よりも下方に形成される貯水部86の貯水領域を下方貯水領域A2とすると、上方貯水領域A1内の平面視で見た断面積S1が、下方貯水領域A2内の平面視で見た断面積S2よりも大きくなっており、貯水部86内の洗浄水の水位wが下降して境界面P1を通過する前後で貯水部86内の貯水量が急激に減少するようになっている。
【0045】
また、図12、図14、図16、図18及び図20に示すように、内側制御筒部材64の貯水部86内の底上げ面90bは、貯水部86内の大洗浄用フロート部材68の自重Gによる下向きの力と浮力Fによる上向きの力との釣り合い位置に相当する貯水部86内の水位wnよりも上方に位置しており、貯水部86内に貯水された洗浄水による大洗浄用フロート部材68の上向きの浮力Fが大洗浄用フロート部材68の下向きの自重を上回った場合には、大洗浄用フロート部材68が内側制御筒部材64の貯水部86内で上昇し、大洗浄用フロート部材68の上向きの浮力Fが大洗浄用フロート部材68の下向きの自重を下回った場合には、大洗浄用フロート部材68が内側制御筒部材64の貯水部86内で下降するようになっている。
より具体的に説明すると、内側制御筒部材64は、貯水部86内の水位wに応じて大洗浄用フロート部材68の上下動、すなわち、内側制御筒部材64のヒンジ結合孔64eにおける大洗浄用フロート部材68のヒンジ突起部68c(図3参照)を中心とする回動を制御することができるようになっている。
【0046】
また、図10〜図20に示す内側制御筒部材64の側周壁部64bの下方の所定位置には、内側制御筒部材64の貯水部86内の洗浄水を内側制御筒部材64の外部の貯水タンク18内に流出させる流量調整用の開口64aが内側制御筒部材64の側周壁部64bの周方向に沿ってスリット状に延びるように形成されている。この内側制御筒部材64の流量調整用の開口64aは、図11に示すように、内側制御筒部材64の側周壁部64bの周方向に沿って矩形的な開口面積で段階的に変化するように形成されている。
なお、本実施形態では、内側制御筒部材64の流量調整用の開口64aの開口形状がその周方向に沿って矩形的に変化し、流量調整用の開口64aの開口面積が段階的に変化するような形態について説明するが、このような形態に限定されず、流量調整用の開口64aの開口面積を周方向に沿って連続的に変化するような形態であってもよい。
【0047】
また、図10及び図11に示すように、遮蔽部材66の部分的に円環状の壁部66aの内周面には、内側制御筒部材64の側周壁部64bに形成された突起64fに嵌合可能な複数の嵌合凹部66a(図10参照)が形成されている。
さらに、遮蔽部材66の壁部66aには、内側制御筒部材64の側周壁部64bに遮蔽部材66を取り付けた状態で、内側制御筒部材64の流量調整用の開口64aと連通可能な連通口66cが形成されている。この連通口66cの周方向の長さd1は、内側制御筒部材64の流量調整用の開口64aの周方向の長さd2よりも短くなっており、連通口66cの縦方向の長さd3は、流量調整用の開口64aの縦方向の最大長さd4とほぼ等しい長さとなっている。
【0048】
さらに、遮蔽部材66を内側制御筒部材64の側周壁部64bに取り付ける際、内側制御筒部材64の側周壁部64bに対する遮蔽部材66の取付位置について、図10及び図11に示すように、周方向L又は周方向Rにずらすことにより、内側制御筒部材64の突起64fと嵌合させる遮蔽部材66の嵌合凹部66bを変更することができ、内側制御筒部材64の流量調整用の開口64aと遮蔽部材66の連通口66cとが連通する流路の断面積である連通面積S3(図11参照)を変更することができるようになっている。
例えば、内側制御筒部材64の側周壁部64bに対する遮蔽部材66の取付位置を周方向Lにずらす程、内側制御筒部材64の流量調整用の開口64aと遮蔽部材66の連通口66cとが連通する連通面積S3が大きくなり、内側制御筒部材64の側周壁部64bに対する遮蔽部材66の取付位置を周方向Rにずらす程、内側制御筒部材64の流量調整用の開口64aと遮蔽部材66の連通口66cとが連通する連通面積S3が小さくなるようになっている。
また、内側制御筒部材64の流量調整用の開口64aと遮蔽部材66の連通口66cとの連通面積S3を調整する際に、遮蔽部材66の連通口66cを内側制御筒部材64の流量調整用の開口64aに対して水平方向にずらすことにより、内側制御筒部材64の流量調整用の開口64aから遮蔽部材66の連通口66cを通過するときの上下方向の水圧のばらつきの影響を抑え、内側制御筒部材64の流量調整用の開口64aから流出させる洗浄水量のばらつきを抑えることができるようになっている。
【0049】
また、外側制御筒部材76の側周面76aの下方には、その周方向に沿って開口76cが部分的に形成され、内側制御筒部材64に外側制御筒部材76を取り付けた状態では、外側制御筒部材76の開口76cにより、遮蔽部材66の連通口66cと貯水タンク18内とが連通可能となっており、内側制御筒部材64の側周壁部64bに対する遮蔽部材66の取付位置を調整して内側制御筒部材64の開口64aと遮蔽部材66の連通口66cとの連通面積S3を調整した状態で、内側制御筒部材64の貯水部86内の洗浄水を開口64aから遮蔽部材66の連通口66c及び外側制御筒部材76の開口76cを経て貯水タンク18内へ流出させることができるようになっている。
【0050】
つぎに、図13及び図14に示すように、排水弁装置24の大洗浄モードにおける排水途中の第1の状態では、排水口20から便器本体2への排水に伴って、貯水タンク18内の水位と外側制御筒部材76の内部の水位が、図7に示す水位W2よりも低い水位W5まで低下するため、この水位の低下に連動して小洗浄用フロート部材70の浮力が減少し、小洗浄用フロート部材70と支持部材74が下降するようになっている。また、支持部材74が下降すると、これに連動してカム部材72が、その係合凹部72bと主軸部材62の係合突起62bとの係合を解除する方向(図13及び図14の上方)に向ってヒンジ部72aを中心に回動するようになっている。
しかしながら、大洗浄用フロート部材68においては、水位W5が、貯水部86内の大洗浄用フロート部材68の自重Gと浮力Fとの釣り合い位置に相当する貯水部86内の水位wnよりも上方に位置しており、洗浄水による浮力Fが大洗浄用フロート部材68の自重Gを上回り、大洗浄用フロート部材68の係合凹部68dが、主軸部材62の係合突起62cと係合している状態となっており、主軸部材62及び弁体52の下降動作(閉弁動作)が拘束された状態となっているため、排水弁装置24の大洗浄モードにおける閉弁動作は開始されないようになっている。
【0051】
つぎに、図15及び図16に示すように、排水弁装置24の大洗浄モードにおける排水途中の第2の状態では、排水口20から便器本体2への排水に伴って、貯水タンク18内における外側制御筒部材76の外部の水位が、図13及び図14に示す水位W5よりも低い水位W6まで低下する一方、内側制御筒部材64の貯水部86内の水位については、遮蔽部材66の連通口66cと重なる内側筒部材64の流調調整用の開口64aの大きさ(連通面積S3)が排水口形成部材42の連通口58や排水口20の大きさ(開口面積)よりも小さくなるため、内側制御筒部材64の貯水部86内の水位w1の低下速度v1が、貯水タンク18内における外側制御筒部材76の外部の水位W6の低下速度V1よりも遅くなるようになっている。
また、大洗浄用フロート部材68においては、内側制御筒部材64の貯水部86内の水位w1が、貯水部86内の大洗浄用フロート部材68の自重Gと浮力Fとの釣り合い位置に相当する貯水部86内の水位wnよりも上方に位置しており、洗浄水による浮力Fが大洗浄用フロート部材68の自重Gを上回り、大洗浄用フロート部材68の係合凹部68dが、主軸部材62の係合突起62cと係合している状態となっており、主軸部材62及び弁体52の下降動作(閉弁動作)が依然拘束された状態となるようになっている。
【0052】
つぎに、図17及び図18に示すように、排水弁装置24の大洗浄モードにおける排水途中の第3の状態では、排水口20から便器本体2への排水に伴って、貯水タンク18内における外側制御筒部材76の外部の水位が、図15及び図16に示す水位W6よりも低い水位W7まで低下する一方、内側制御筒部材64の貯水部86内の水位が上方貯水領域A1と下方貯水領域A2との境界面P1を通過して大洗浄用フロート部材68の自重Gと浮力Fとの釣り合い位置に相当する貯水部86内の水位wnに達すると、貯水部86内の洗浄水の水位が下降して境界面P1を通過する前後で貯水部86内の貯水量が急激に減少し、内側制御筒部材64の貯水部86の下方貯水領域A2内の水位の低下速度v2が、図15及び図16に示す内側制御筒部材64の貯水部86の上方貯水領域A1内の水位w1の低下速度v1よりも早まるようになっている。
また、大洗浄用フロート部材68においては、貯水部86内の水位が、図15及び図16に示す内側制御筒部材64の貯水部86の上方貯水領域A1内の水位w1から低下し、貯水部86内の大洗浄用フロート部材68の自重Gと浮力Fとの釣り合い位置に相当する貯水部86の下方貯水領域A2の水位wnに達すると、洗浄水による浮力Fが大洗浄用フロート部材68の自重Gを下回り、大洗浄用フロート部材68が、主軸部材62の係合突起62cとの係合を解除する方向(図17及び図18の下方)に回動し、大洗浄用フロート部材68の係合凹部68dと主軸部材62の係合突起62cとの係合が解除され、主軸部材62及び弁体52の下降動作(閉弁動作)が開始されるようになっている。
【0053】
つぎに、図19及び図20に示すように、排水弁装置24の大洗浄モードにおける排水終了時の状態では、内側制御筒部材64の流量調整用の開口64aから貯水タンク18内へ流出に伴って、内側制御筒部材64の貯水部86の下方貯水領域A2内の水位が下降して大洗浄用フロート部材68の浮力がなくなるようになっている。また、貯水タンク18内における外側制御筒部材76の外部の水位は、図17及び図18に示す水位W7よりも低く且つ図9に示す小洗浄モード時の死水水位W4(DWL)よりも低い水位W8まで低下し、この水位W8が死水水位(DWL)となり、弁体52が弁座50に当接し、排水口20が閉止されるようになっている。
【0054】
なお、内側制御筒部材64の貯水部86の貯水領域Aの水位の低下速度については、図11に示すように、遮蔽部材66を周方向Rにずらし、内側制御筒部材64の開口64aと遮蔽部材66の連通口66cとの連通面積S3を調整して小さく設定する程、外側制御筒部材76の外部の水位の低下速度との速度差が大きくなり、主軸部材62及び弁体52の下降動作(閉弁動作)が開始するタイミングが遅延され、排水終了時の貯水タンク18内の死水水位(DWL)が低くなり、大洗浄モード時に貯水タンク18から便器本体2に供給される洗浄水の総量が多く設定されるようになっている。
【0055】
つぎに、図1〜図20を参照して、本発明の一実施形態による排水弁装置、この排水弁装置を備えた洗浄水タンク装置、及び、この洗浄水タンク装置を備えた水洗大便器の動作(作用)を説明する。
まず、図1〜図6、図8及び図9により、本発明の一実施形態による排水弁装置を備えた洗浄水タンク装置により実行される2種類の洗浄モードのうちの小洗浄モードについて説明する。
図5に示すように、排水弁装置24の小洗浄モードにおける排水開始前の状態では、弁体52が弁座50に当接して排水口20が閉止され、貯水タンク18内の水位が満水時の止水水位Wfとなり、外側制御筒部材76の外側に貯水されている貯水タンク18内の洗浄水がスリット穴76bを経て外側制御筒部材76の内部に流入し、大洗浄用フロート部材68及び小洗浄用フロート部材70が水没している。
また、カム部材72の係合凹部72bは主軸部材62の係合突起62bよりも上方に位置し、両者72b,62bが係合していない状態となり、大洗浄用フロート部材68の係合凹部68dも主軸部材62の係合突起62cよりも上方に位置しており、両者68d,62cが係合していない状態となる。
【0056】
つぎに、図2及び図6に示すように、排水弁装置24の小洗浄モードにおける開弁時の状態では、使用者が操作レバー84(図2参照)を所定の小洗浄モードを実行する方向に回動操作すると、ワイヤ巻取り装置82が作動し、操作ワイヤ78が大洗浄モードの場合の最大巻き取り量よりも少ない巻き取り量で巻き取られ、排水弁ユニット40の主軸部材62及び弁体保持部材60がそれぞれの最高高さ位置よりも低い所定の高さ位置まで引き上げられ、排水口20が開放される。このとき、弁座50に対する弁体52の上昇高さ(ストローク)Hが、大洗浄モードの最大ストロークH2よりも低いH1となり、洗浄水タンク装置16の排水弁装置24による水洗大便器1の便器本体2への小洗浄モードの排水が開始される。
【0057】
また、図6に示すように、排水弁装置24の小洗浄モードにおける開弁時の状態では、外側制御筒部材76の外側に貯水されている貯水タンク18内の洗浄水と外側制御筒部材76の内部の洗浄水が、外側制御筒部材76のスリット穴76b及び排水口形成部材42の連通口58によって連通しているため、貯水タンク18内の水位と外側制御筒部材76の内部の水位が共に満水時の止水水位Wfよりも低い水位W1となり、大洗浄用フロート部材68及び小洗浄用フロート部材70が水没している。
また、支持部材74は小洗浄用フロート部材70の浮力により上昇し、弁体52と共に主軸部材62とその係合突起62bについてもストロークH1で上昇しているため、カム部材72の係合凹部72bが主軸部材62の係合突起62bと係合している状態となり、主軸部材62及び弁体52の下降動作(閉弁動作)が拘束された状態となる。
一方、大洗浄用フロート部材68の係合凹部68dは、主軸部材62の係合突起62cよりも上方に位置しており、両者68d,62cが係合していない状態となる。
【0058】
つぎに、図8に示すように、排水弁装置24の小洗浄モードにおける排水途中の状態では、排水口20から便器本体2への排水に伴って、貯水タンク18内の水位と外側制御筒部材76の内部の水位が、図6に示す水位W1よりも低い水位W3まで低下するため、この水位の低下に連動して小洗浄用フロート部材70の浮力が減少し、小洗浄用フロート部材70と支持部材74が下降する。
また、支持部材74が下降すると、これに連動してカム部材72が、その係合凹部72bと主軸部材62の係合突起62bとの係合を解除する方向(図8の上方)に向ってヒンジ部72aを中心に回動する。
さらに、カム部材72の係合凹部72bと主軸部材62の係合突起62bとの係合が解除されると、主軸部材62及び弁体52が水位の低下と共に下降し、排水弁装置24の小洗浄モードにおける閉弁動作が開始される。このとき、大洗浄用フロート部材68の係合凹部68dは、主軸部材62の係合突起62cよりも上方に位置しており、両者68d,62cが係合していない状態となるため、主軸部材62及び弁体52の下降による閉弁動作が妨げられることはない。
【0059】
つぎに、図8において主軸部材62及び弁体52が水位の低下と共にさらに下降すると、図9に示すように、弁体52が弁座50に当接し、排水口20が閉止され、排水弁装置24の小洗浄モードにおける排水が終了する。
また、排水終了時の状態では、貯水タンク18内の水位と外側制御筒部材76の内部の水位が、図8に示す水位W3よりも低い水位W4まで低下し、死水水位(DWL)となる。この小洗浄モード時の死水水位W4(DWL)は、図20に示す大洗浄モード時の死水水位W8(DWL)よりも高くなる。
【0060】
つぎに、図1〜図5、図7及び図10〜図20により、本発明の一実施形態による排水弁装置を備えた洗浄水タンク装置により実行される大洗浄モードについて説明する。
まず、図5に示されるような大洗浄モードにおける排水が開始される前の状態の排水弁装置24においては、上述した図5に示されている小洗浄モードの場合と同様であるため、説明は省略する。
【0061】
つぎに、図7に示すように、排水弁装置24の大洗浄モードにおける開弁時の状態では、使用者が操作レバー84(図2参照)を所定の大洗浄モードを実行する方向に回動操作すると、ワイヤ巻取り装置82が作動し、操作ワイヤ78が所定の最大量の巻き取り量で巻き取られ、排水弁ユニット40の主軸部材62及び弁体保持部材60がそれぞれの最高高さ位置まで引き上げられる。このとき、弁座50に対する弁体52の上昇高さ(ストローク)Hが小洗浄モード時の引き上げ高さH1よりも高い最大高さ(最大ストローク)H2となり(H2>H1)、洗浄水タンク装置16の排水弁装置24による水洗大便器1の便器本体2への大洗浄モードの排水が開始される。
【0062】
また、図7に示すように、排水弁装置24の大洗浄モードにおける開弁時の状態では、弁体52が弁座50に対して最大ストロークH2で上昇して排水口20が開放されており、貯水タンク18内の水位が満水時の止水水位Wfよりも低い水位W2となり、外側制御筒部材76の外側に貯水されている貯水タンク18内の洗浄水と外側制御筒部材76の内部の洗浄水が、外側制御筒部材76のスリット穴76b及び排水口形成部材42の連通口58によって連通しているため、大洗浄用フロート部材68は水没しているが、小洗浄用フロート部材70とカム部材72のそれぞれの上方部分は水位W2よりも上方に表出している。
また、弁体52と共に主軸部材62とその係合突起62bについても最大ストロークH2で上昇しているため、カム部材72の係合凹部72bが主軸部材62の係合突起62bの下方に位置し、両者72b,62bが係合していない状態となる。
一方、大洗浄用フロート部材68の係合凹部68dは、主軸部材62の係合突起62cと係合している状態となり、主軸部材62及び弁体52の下降動作(閉弁動作)が拘束された状態となる。
【0063】
つぎに、図13及び図14に示すように、排水弁装置24の大洗浄モードにおける排水途中の第1の状態では、排水口20から便器本体2への排水に伴って、貯水タンク18内の水位と外側制御筒部材76の内部の水位が、図7に示す水位W2よりも低い水位W5まで低下し、この水位の低下に連動して小洗浄用フロート部材70の浮力が減少し、小洗浄用フロート部材70と支持部材74が下降する。
また、支持部材74が下降すると、これに連動してカム部材72が、その係合凹部72bと主軸部材62の係合突起62bとの係合を解除する方向(図13及び図14の上方)に向ってヒンジ部72aを中心に回動する。
【0064】
一方、図13及び図14に示すように、大洗浄用フロート部材68においては、水位W5が、貯水部86内の大洗浄用フロート部材68の自重Gと浮力Fとの釣り合い位置に相当する貯水部86内の水位wnよりも上方に位置しており、洗浄水による浮力Fが大洗浄用フロート部材68の自重Gを上回り、大洗浄用フロート部材68の係合凹部68dが、主軸部材62の係合突起62cと係合している状態となり、主軸部材62及び弁体52の下降動作(閉弁動作)が拘束された状態となるため、排水弁装置24の大洗浄モードにおける閉弁動作が開始されることはない。
【0065】
つぎに、図15及び図16に示すように、排水弁装置24の大洗浄モードにおける排水途中の第2の状態では、排水口20から便器本体2への排水に伴って、貯水タンク18内における外側制御筒部材76の外部の水位が、図13及び図14に示す水位W5よりも低い水位W6まで低下する一方、内側制御筒部材64の貯水部86内の水位については、遮蔽部材66の連通口66cと重なる内側筒部材64の流調調整用の開口64aの大きさ(連通面積S3)が排水口形成部材42の連通口58や排水口20の大きさ(開口面積)よりも小さくなるため、内側制御筒部材64の貯水部86内の水位w1の低下速度v1が、貯水タンク18内における外側制御筒部材76の外部の水位W6の低下速度V1よりも遅くなる。
また、大洗浄用フロート部材68においては、内側制御筒部材64の貯水部86内の水位w1が、貯水部86内の大洗浄用フロート部材68の自重Gと浮力Fとの釣り合い位置に相当する貯水部86内の水位wnよりも上方に位置しており、洗浄水による浮力Fが大洗浄用フロート部材68の自重Gを上回り、大洗浄用フロート部材68の係合凹部68dが、主軸部材62の係合突起62cと係合している状態となり、主軸部材62及び弁体52の下降動作(閉弁動作)が依然拘束された状態となる。
【0066】
つぎに、図17及び図18に示すように、排水弁装置24の大洗浄モードにおける排水途中の第3の状態では、排水口20から便器本体2への排水に伴って、貯水タンク18内における外側制御筒部材76の外部の水位が、図15及び図16に示す水位W6よりも低い水位W7まで低下する一方、内側制御筒部材64の貯水部86内の水位が上方貯水領域A1と下方貯水領域A2との境界面P1を通過して大洗浄用フロート部材68の自重Gと浮力Fとの釣り合い位置に相当する貯水部86内の水位wnに達するまでに、貯水部86内の洗浄水の水位が下降して境界面P1を通過する前後で貯水部86内の貯水量が急激に減少し、内側制御筒部材64の貯水部86の下方貯水領域A2内の水位の低下速度v2が、図15及び図16に示す内側制御筒部材64の貯水部86の上方貯水領域A1内の水位w1の低下速度v1よりも早まる。
【0067】
また、図17及び図18に示すように、大洗浄用フロート部材68においては、貯水部86内の水位が、図15及び図16に示す内側制御筒部材64の貯水部86の上方貯水領域A1内の水位w1から低下し、貯水部86内の大洗浄用フロート部材68の自重Gと浮力Fとの釣り合い位置に相当する貯水部86の下方貯水領域A2の水位wnに達すると、洗浄水による浮力Fが大洗浄用フロート部材68の自重Gを下回り(F<G)、大洗浄用フロート部材68が、主軸部材62の係合突起62cとの係合を解除する方向(図17及び図18の下方)に回動し、大洗浄用フロート部材68の係合凹部68dと主軸部材62の係合突起62cとの係合が解除され、主軸部材62及び弁体52の下降動作(閉弁動作)が開始される。
【0068】
さらに、図17及び図18に示すように、内側制御筒部材64の貯水部86の貯水領域Aに貯水されている洗浄水は、内側制御筒部材64の流量調整用の開口64aから、これと連通する遮蔽部材66の連通口66cを経て、外側制御筒部材76の開口76cから排水弁装置24の外部の貯水タンク18内へ流出する。
また、主軸部材62及び弁体52の下降動作(閉弁動作)が開始するタイミングを遅延させて、排水終了時の貯水タンク18内の死水水位(DWL)を低く設定し、大洗浄モード時に貯水タンク18から便器本体2に供給される洗浄水の総量を多く設定したい場合には、遮蔽部材66を周方向Rにずらし、内側制御筒部材64の開口64aと遮蔽部材66の連通口66cとの連通面積S3を小さく設定し、外側制御筒部材76の外部の水位の低下速度と内側制御筒部材64の貯水部86の貯水領域Aの水位の低下速度との速度差を大きく設定する。
一方、排水終了時の貯水タンク18内の死水水位(DWL)を高く設定し、大洗浄モード時に貯水タンク18から便器本体2に供給される洗浄水の総量を少なく設定したい場合には、遮蔽部材66を周方向Lにずらし、内側制御筒部材64の開口64aと遮蔽部材66の連通口66cとの連通面積S3を大きく設定し、外側制御筒部材76の外部の水位の低下速度と内側制御筒部材64の貯水部86の貯水領域Aの水位の低下速度との速度差を小さく設定する。
【0069】
つぎに、図19及び図20に示すように、排水弁装置24の大洗浄モードにおける排水終了時の状態では、内側制御筒部材64の流量調整用の開口64aから貯水タンク18内へ流出に伴って、内側制御筒部材64の貯水部86の下方貯水領域A2内の水位が下降して大洗浄用フロート部材68の浮力がなくなる。
また、貯水タンク18内における外側制御筒部材76の外部の水位は、図17及び図18に示す水位W7よりも低く且つ図9に示す小洗浄モード時の死水水位W4(DWL)よりも低い水位W8まで低下し、この水位W8が死水水位(DWL)となり、弁体52が弁座50に当接し、排水口20が閉止される。
【0070】
上述した本発明の第1実施形態による排水弁装置24によれば、内側制御筒部材64の貯水部86内の底面88の一部を底上げするように形成された段部90が内側制御筒部材64の貯水部86の貯水領域Aを急激に減少させるための貯水領域減少手段として機能するため、弁体52が排水口20を開放した後、内側制御筒部材64の貯水部86内の水位wが下降し、内側制御筒部材64の貯水部86内の水位が、貯水部86内の段部90の底上げ面90bと同一の平面である上方貯水領域A1と下方貯水領域A2との境界面P1を通過して大洗浄用フロート部材68の自重Gと浮力Fとの釣り合い位置に相当する貯水部86内の水位wnに達するまでに、貯水部86内の洗浄水の水位が下降して境界面P1を通過する前後で貯水部86内の貯水量が急激に減少し、内側制御筒部材64の貯水部86の下方貯水領域A2内の水位の低下速度v2が、図15及び図16に示す内側制御筒部材64の貯水部86の上方貯水領域A1内の水位w1の低下速度v1よりも早められる。したがって、洗浄水による浮力Fが大洗浄用フロート部材68の自重Gを下回り、大洗浄用フロート部材68が主軸部材62の係合突起62cとの係合を解除する方向(図17及び図18の下方)に滑らかに回動するため、大洗浄用フロート部材68の係合凹部68dと主軸部材62の係合突起62cとの係合を滑らかに解除することができ、主軸部材62及び弁体52の下降動作(閉弁動作)を滑らかに開始することができる。これらの結果、洗浄水タンク装置16の貯水タンク18の排水口20から水洗大便器1の便器本体2に供給される洗浄水量の総量がばらつくことを防ぐことができる。
【0071】
さらに、本実施形態による排水弁装置24によれば、内側制御筒部材64の貯水部86に形成された流量調整用の開口64aが貯水部86の側周壁部64bの下方位置にほぼ周方向にスリット状に延びるように形成されているため、遮蔽部材66の取付位置を変更して内側制御筒部材64の流量調整用の開口64aと遮蔽部材66の連通口66cとの連通面積S3を調整する際に、遮蔽部材66の連通口66cを内側制御筒部材64の流量調整用の開口64aに対して水平方向にずらすことにより、内側制御筒部材64の流量調整用の開口64aから遮蔽部材66の連通口66cを通過するときの上下方向の水圧のばらつきの影響を抑えることができ、内側制御筒部材64の流量調整用の開口64aから流出させる洗浄水量のばらつきを抑えることができる。これらの結果、洗浄水タンク装置16の貯水タンク18の排水口20から水洗大便器1の便器本体2に供給される洗浄水量の総量がばらつくことを防ぐことができる。
【符号の説明】
【0072】
1 水洗大便器
2 便器本体
4 ボウル部
6 トラップ管路
6a 排水トラップ管路の入口
8 リム
10 第1吐水口
12 溜水部
14 第2吐水口
16 洗浄水タンク装置
18 貯水タンク
18a 貯水タンクの底面
20 排水口
22 給水装置
24 排水弁装置
26 給水管
28 給水バルブ
30 フロート
32 吐水口
34 リフィール管
36 オーバーフロー管
38 排水口ユニット
40 排水弁ユニット
42 排水口形成部材
44 シール部材
46 締結部材
48 オーバーフロー管取付部
50 弁座
52 弁体
54 排水口形成部材の上端部
56 支柱部
58 連通口
60 弁体保持部材
62 主軸部材
62a 主軸部材の上端部
62b 主軸部材の係合突起
62c 主軸部材の係合突起
64 内側制御筒部材
64a 流量調整用の開口
64b 側周壁部
64c 主軸部材のガイド穴
64d 支持部材用取付穴
64e ヒンジ結合孔
64f 突起
66 遮蔽部材
66a 壁部
66b 嵌合凹部
66c 連通口
68 大洗浄用フロート部材
68a フロート本体部
68b アーム部
68c ヒンジ突起部
68d 係合凹部
70 小洗浄用フロート部材
72 カム部材
72a カム部材のヒンジ部
72b カム部材の係合凹部
74 支持部材
76 外側制御筒部材
76a 外側制御筒部材の側周面
76b スリット穴
76c 開口
78 操作ワイヤ
80 ガイド部材
80a ガイド孔
80b 支持部材用取付穴
82 ワイヤ巻取り装置
84 操作レバー
86 内側制御筒部材の貯水部
88 内側制御筒部材の貯水部の底面
90 内側制御筒部材の貯水部の段部(貯水領域減少手段)
90a 内側制御筒部材の貯水部の内壁面
90b 内側制御筒部材の貯水部の底上げ面
92 内側制御筒部材の貯水部の内壁面
94 内側制御筒部材の貯水部の中央側内壁面
96 内側制御筒部材の貯水部の外側内壁面
98 内側制御筒部材の貯水部の中間内壁面
100 内側制御筒部材の貯水部の内側周壁面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
便器を洗浄する洗浄水を貯える洗浄水タンクの排水弁装置であって、
洗浄水タンクの底面に配置された排水口を開閉する弁体と、
この弁体の動きを制御する制御筒であって、洗浄水を貯水する貯水領域を形成する貯水部を備え、この貯水部に貯水された洗浄水を所定の流量で上記洗浄水タンク内へ流出させる開口が形成された上記制御筒と、
上記弁体に係合可能に取り付けられて上記制御筒の貯水部内の水位の低下により上記弁体との係合が解除されると下降するように上記制御筒の貯水部内に設けられたフロートと、
上記弁体が上記排水口を開放した後、上記制御筒の貯水部内の水位が下降して上記フロートの自重と浮力との釣り合い位置を通過したとき、上記フロートが上記制御筒の貯水部内の水位と共に下降して上記フロートと上記弁体との係合が解除されて上記弁体の閉弁動作が開始されるように、上記貯水部内の貯水領域における上記釣り合い位置よりも上方の所定高さ位置から下方の貯水領域を急激に減少させる貯水領域減少手段と、
を有することを特徴とする排水弁装置。
【請求項2】
上記貯水領域減少手段は、上記制御筒の貯水部内の底部の一部を底上げするように形成された段部であり、この段部の上面は、上記貯水部の底上げ面を形成し、上記釣り合い位置よりも上方に位置している請求項1記載の排水弁装置。
【請求項3】
上記制御筒の貯水部に形成された開口は、上記貯水部の下方位置にほぼ水平方向にスリット状に延びるように形成され、更に、上記制御筒の開口の一部と連通する所定幅の連通口が形成され且つ上記制御筒の開口の外側に取り付けられる遮蔽部材を有し、この遮蔽部材は、上記制御筒への取付位置を変更することにより、上記制御筒の開口と上記連通口との連通面積を調整して上記制御筒の貯水部から上記洗浄水タンク内へ流出させる洗浄水量を調整可能である請求項1又は2に記載の排水弁装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか1項に記載の排水弁装置を備えたことを特徴とする洗浄水タンク装置。
【請求項5】
上記請求項4記載の洗浄水タンク装置を備えたことを特徴とする水洗大便器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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