説明

排水装置、及び、それを有する洗浄水タンク

【課題】洗浄水タンクから便器に排水される洗浄水の水量を安定化させることができると共に、排水弁による排水口のシール性能を高めることができる排水装置、及び、それを有する洗浄水タンクを提供する。
【解決手段】本発明の排水装置14は、洗浄水タンク12の底部12aに配置された排水口12bを開閉する弁部材30と、上下方向に延びるように弁部材に結合され且つこの弁部材と共に上方に引き上げられることにより弁部材が開弁して排水口から水洗便器1に洗浄水を排出させるオーバーフロー管34と、このオーバーフロー管の外側から支持して上下方向の移動をガイドするガイド部材32と、を有し、オーバーフロー管の外面又はガイド部材の内面の一方には、半径方向に突出した凸部32h,34dが設けられ、他方にはこれらの凸部に係合する凹部32dが設けられていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排水装置、及び、それを有する洗浄水タンクに係わり、特に、便器に洗浄水を供給する洗浄水タンクに設けられる排水装置、及び、それを有する洗浄水タンクに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、水洗便器に洗浄水を供給する洗浄水タンクに設けられる排水装置として、例えば、特許文献1に記載されているように、洗浄水タンクの底面に配置された排水口を開閉する排水弁とこの排水弁に連結されて洗浄水タンク内で上下方向に延びるオーバーフロー管を備え、このオーバーフロー管を上下動させて操作することにより排水弁を開閉させるものが知られている。
このような従来の排水装置においては、洗浄水タンクから便器に排水される洗浄水の水量を安定化させるために、オーバーフロー管の上下動をガイドするガイド管が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平7−8468号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の排水装置においては、オーバーフロー管の上下動をガイドするガイド管を単に設けただけでは、オーバーフロー管がガイド管に対して上下動する際に、オーバーフロー管がその中心軸回りに回転してしまったり、オーバーフロー管がガイド管内で傾いてぶれや片当たり等が生じて大きな摩擦が生じたりもするため、オーバーフロー管のスムーズな上下動の妨げの原因ともなり、オーバーフロー管の動作が不安定になるという課題が未だ残されている。
また、オーバーフロー管の動作が不安定になると、排水弁による洗浄水タンクの排水口の開閉動作も不安定となり、排水弁が開弁している状態では、洗浄水タンクから便器に排水される洗浄水の水量が不安定となり、排水弁が閉弁している状態では、排水弁が垂直方向に対して傾いたりすると、排水弁のシール性能を低下させてしまうという問題もある。
【0005】
そこで、本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、洗浄水タンクから便器に排水される洗浄水の水量を安定化させることができると共に、排水弁による排水口のシール性能を高めることができる排水装置、及び、それを有する洗浄水タンクを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明は、便器に洗浄水を供給する洗浄水タンクに設けられる排水装置であって、洗浄水タンクの底面に配置された排水口を開閉する排水弁と、上下方向に延びるように上記排水弁に結合され且つ上記排水弁と共に上方に引き上げられることにより上記排水弁が開弁して上記排水口から水洗便器に洗浄水を排出させる管部材と、この管部材の外側から支持して上下方向の移動をガイドするガイド部材と、を有し、上記管部材の外面又は上記ガイド部材の内面の一方には、半径方向に突出した凸部が設けられ、他方には上記凸部に係合する凹部が設けられていることを特徴としている。
このように構成された本発明においては、排水弁に結合された管部材の外面、又は、この管部材の外側から支持して上下方向の移動をガイドするガイド部材の内面の一方には、半径方向に突出した凸部が設けられ、他方にはこの凸部に係合する凹部が設けられているため、管部材がガイド部材に対して上下動する際に、管部材又はガイド部材の一方に設けられた凸部と他方に設けられた凹部とが互いに係合した状態となり、管部材の軸線回りの回転を防止することができる。この結果、ガイド部材に対する管部材の上下方向の摺動動作とこの管部材に結合された排水弁の上下方向の開閉動作を安定化させることができるため、排水弁が開弁している状態では、洗浄水タンクから便器に排水される洗浄水の水量を安定化させることができ、排水弁が閉弁している状態では、排水弁が垂直方向に対する傾きを抑えて洗浄水タンクの排水口を確実に閉鎖するため、排水弁のシール性能を高めることができる。
【0007】
本発明において、好ましくは、上記管部材の外面又は上記ガイド部材の内面の一方には周方向に沿って上記凸部が等間隔に少なくとも3つ設けられ、他方には周方向に沿って上記凹部が等間隔に少なくとも3つ設けられている。
このように構成された本発明においては、管部材の外面又はガイド部材の内面の一方には周方向に沿って凸部が等間隔に少なくとも3つ設けられ、他方には周方向に沿って凹部が等間隔に少なくとも3つ設けられているため、管部材がガイド部材に対して上下動する際に、管部材又はガイド部材の一方に等間隔に設けられた少なくとも3つの凸部と他方に設けられた少なくとも3つの凹部とが互いに係合した状態となり、管部材の軸線回りの回転を防止することができると共に、ガイド部材に対する管部材の横ずれを防止することができる。この結果、ガイド部材に対する管部材の上下方向の摺動動作とこの管部材に結合された排水弁の上下方向の開閉動作を安定化させることができるため、排水弁が開弁している状態では、洗浄水タンクから水洗便器に排水される洗浄水の水量を安定化させることができ、排水弁が閉弁している状態では、排水弁が垂直方向に対する傾きを抑えて洗浄水タンクの排水口を確実に閉鎖するため、排水弁のシール性能を高めることができる。
【0008】
本発明において、好ましくは、上記管部材及び上記ガイド部材は、上記凸部と上記凹部が互いに点接触可能に離間し、上記凸部と上記凹部が接触すると、互いに点接触するように構成されている。
このように構成された本発明においては、管部材及びガイド部材が、凸部と凹部が互いに点接触可能に離間し、凸部と凹部が接触すると、互いに点接触するように構成されているため、管部材がガイド部材に対して上下動する際に、管部材とガイド部材との間に生ずる摩擦を低減させることができるため、排水弁が開弁している状態では、洗浄水タンクから水洗便器に排水される洗浄水の水量を安定化させることができ、排水弁が閉弁している状態では、排水弁が垂直方向に対する傾きを抑えて洗浄水タンクの排水口を確実に閉鎖するため、排水弁のシール性能を高めることができる。さらに、凸部と凹部が互いに接触すると、管部材及びガイド部材が、互いに点接触することにより、両部材間の接触部分を極力少なくしているため、寒冷地等の低温下で使用する場合には、両部材間の接触部分が凍結することによる不具合を防止することもできる。
【0009】
本発明において、好ましくは、上記管部材及び上記ガイド部材は、上記ガイド部材の上方の所定位置で上記凸部と上記凹部が接触することにより、互いに点接触するように構成されていると共に、上記ガイド部材の下方の所定位置でも互いに点接触するように構成されている。
このように構成された本発明においては、ガイド部材の上方の所定位置で凸部と凹部が接触することにより、管部材及びガイド部材が互いに点接触するように構成されていると共に、ガイド部材の下方の所定位置でも管部材及びガイド部材が互いに点接触するように構成されているため、管部材がガイド部材に対して上下動する際に、管部材とガイド部材との間に生ずる摩擦を低減させることができると共に、管部材の軸線回りの回転とガイド部材に対する管部材の横ずれを防止することができる。この結果、ガイド部材に対する管部材の上下方向の摺動動作とこの管部材に結合された排水弁の上下方向の開閉動作をより安定化させることができるため、排水弁が開弁している状態では、洗浄水タンクから水洗便器に排水される洗浄水の水量をより安定化させることができ、排水弁が閉弁している状態では、排水弁が垂直方向に対する傾きを抑えて洗浄水タンクの排水口をより確実に閉鎖するため、排水弁のシール性能をより高めることができる。さらに、凸部と凹部が互いにが接触すると、管部材及びガイド部材が、互いに点接触することにより、両部材間の接触部分を極力少なくしているため、寒冷地等の低温下で使用する場合には、両部材間の接触部分が凍結することによる不具合を防止することもできる。
【0010】
本発明において、好ましくは、上記管部材及び上記ガイド部材は、上記ガイド部材の上方の所定位置で上記管部材と上記ガイド部材が互いに点接触する上方接触位置が、上記ガイド部材の下方の所定位置で上記管部材と上記ガイド部材が互いに点接触する下方接触位置と互いに上下方向に対向しない位置に配置されるように構成されている。
このように構成された本発明においては、ガイド部材の上方の所定位置で管部材とガイド部材が互いに点接触する上方接触位置がガイド部材の下方の所定位置で管部材とガイド部材が互いに点接触する下方接触位置と互いに上下方向に対向しない位置に配置されるように管部材及びガイド部材が構成されているため、管部材がガイド部材に対して上下動する際に、ガイド部材に対する管部材の垂直方向に対する横ずれと傾きをより確実に防止することができる。この結果、ガイド部材に対する管部材の上下方向の摺動動作とこの管部材に結合された排水弁の上下方向の開閉動作をより安定化させることができるため、排水弁が開弁している状態では、洗浄水タンクから水洗便器に排水される洗浄水の水量をより安定化させることができ、排水弁が閉弁している状態では、排水弁が垂直方向に対する傾きを抑えて洗浄水タンクの排水口をより確実に閉鎖するため、排水弁のシール性能をより高めることができる。
【0011】
また、本発明は、便器に洗浄水を供給する洗浄水タンクであって、上記排水装置を有することを特徴としている。
このように構成された本発明においては、洗浄水タンクから便器に排水される洗浄水の水量を安定化させることができると共に、排水弁による排水口のシール性能を高めることができる洗浄水タンクを提供することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の排水装置、及び、それを有する洗浄水タンクによれば、洗浄水タンクから便器に排水される洗浄水の水量を安定化させることができると共に、排水弁による排水口のシール性能を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態による排水装置が適用される水洗便器の概略断面図である。
【図2】本発明の一実施形態による排水装置を含む洗浄水タンクの内部構造の一部を上から見た概略平面図である。
【図3】図2のIII−III線に沿って見た断面図である。
【図4】本発明の一実施形態による排水装置を斜め上方より見た斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態による排水装置を示す平面図である。
【図6】図5のVI−VI線に沿って見た断面図である。
【図7】図6のVII−VII線に沿って見た断面図である。
【図8】図5のA部拡大図である。
【図9】図7のB部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面により、本発明の一実施形態による排水装置を説明する。
まず、図1により、本発明の一実施形態による排水装置が適用される水洗便器の一例を説明する。
図1は本実施形態による排水装置が適用される水洗便器の断面図である。
図1に示すように、符号1は水洗便器を示し、この水洗便器1の上部の前方側には、ボウル部2が形成され、後方側の上部には導水路4が、導水路4の下方にはボウル部2と連通する排水トラップ管路6が、それぞれ形成されている。
【0015】
水洗便器1のボウル部2の上縁部にはオーバーハング形状のリム8が形成され、このリム8に導水路4から洗浄水が供給される1つ又は2つの吐水口10aが形成され、洗浄水が旋回しながら下降してボウル部2を洗浄できるようになっている。また、ボウル部2の中心下部には、導水路4から洗浄水が供給される吐水口10bが形成され、この吐水口10bから洗浄水が排水トラップ管路6に向けて吐水されるようになっている。
【0016】
水洗便器1の導水路4の上方には、水洗便器1に供給する洗浄水を貯留する洗浄水タンク12が設けられている。この洗浄水タンク12の底部12aには、水洗便器1の導水路4と連通し洗浄水タンク12内の洗浄水が排水される排水口12bが形成されている。この洗浄水タンク12の内部には、洗浄水タンク12内の洗浄水を水洗便器1に排水する本発明の一実施形態による排水装置14及びその他の種々の機器が設けられている。
【0017】
つぎに、図2〜図7により、洗浄水タンク12内に設けられた本実施形態による排水装置14及びその他の種々の機器について説明する。
図2は本実施形態による排水装置を含む洗浄水タンクの内部構造の一部を上から見た概略平面図であり、図3は図2のIII−III線に沿って見た断面図である。また、図4は、本実施形態による排水装置を斜め上方より見た斜視図であり、図5は本発明の一実施形態による排水装置を示す平面図である。さらに、図6は図5のVI−VI線に沿って見た断面図であり、図7は図6のVII−VII線に沿って見た断面図である。また、図8は図5のA部拡大図であり、図9は図7のB部拡大図である。
なお、図3においては、洗浄水タンク12内の満水時の水位(最高水位)をWL1で示し、洗浄水タンク12内の排水時の最低水位をWL2で示している。
【0018】
図2及び図3に示すように、洗浄水タンク12内には、排水装置14、給水装置16、制御装置18、水位センサ20が設けられている。
まず、給水装置16は、給水管22、給水バルブ24、及び、給水口26を備えている。
給水管22は、第1の給水管22aと第2の給水管22bを備えており、第1の給水管22aの上流側端部は、給水バルブ24に接続され、第1の給水管22aの下流側端部は外部の水道等の給水源(図示せず)に接続されている。
また、第2の給水管22bの上流側端部は、洗浄水タンク12内に向けて差し向けられた給水口26に接続され、第2の給水管22bの下流側端部は、給水バルブ24に接続されている。
【0019】
給水バルブ24は、電磁バルブからなり、洗浄水タンク12内の水位を検知するフロートスイッチからなる水位センサ20の水位検知情報に基づいて制御装置18からの指令により給水バルブ24の開閉動作が制御され、給水装置16の給水口26から洗浄水タンク12内への洗浄水の給水又は止水が切り替えられるようになっている。
【0020】
つぎに、図2〜図7により、本実施形態による排水装置14の詳細について説明する。
排水装置14は、ベース部材28、弁部材30、ガイド部材32、及び、オーバーフロー管34を備えている。
【0021】
まず、ベース部材28は、基部28a、保持部28b、及び、支持部28cを備え、基部28aは、洗浄水タンク12の底部12aの排水口12bに固定され、この中央部が洗浄水タンク12の排水口12bを形成し、水洗便器1の導水路4と連通している。なお、ベース部材28と洗浄水タンク12については、一体に形成してもよい。
つぎに、ベース部材28の保持部28bは、基部28aの四隅から上方に向かって所定長さ延びて各上端部の突起28dが、対向するガイド部材32の基部32aの各保持孔32bにそれぞれ挿入され、ベース部材28の保持部28bがガイド部材32をベース部材28の基部28aに対して所定の上方位置に保持している。
また、ベース部材28の支持部28cは、基部28aの保持部28b同士の間の所定位置から保持部28bと同様に上方に向かって所定長さ延び、保持部28bによってベース部材28の基部28aから所定距離上方の位置に保持されたガイド部材32の基部32aを下側から支持している。
【0022】
つぎに、ガイド部材32は、上下方向にほぼ円筒状に延びるオーバーフロー管34の外側を取り囲むように形成され、洗浄水タンク12内においてベース部材28の基部28aから所定距離上方の位置に固定されている。
また、オーバーフロー管34は、洗浄水タンク12の排水口12bと対向する下端部の下端開口部34aから上方に位置する上端開口部34bにかけてほぼ円筒状に延びている管部材であり、ガイド部材32によって上下方向に摺動可能に保持されている。そして、洗浄水タンク12内の洗浄水の水位が満水時の水位WL1を超えてさらに上昇し、オーバーフロー管34の上端開口部34bの高さ位置を上回ってオーバーフローした際には、このオーバーフローした洗浄水がオーバーフロー管34の上端開口部34bから下端開口部34aを経て洗浄水タンク12の排水口12bから水洗便器1側に排水されるようになっている。
なお、本実施形態では、一例として、オーバーフロー管34が上下方向に摺動することにより、洗浄水タンク12の排水口12bを開閉することができるようになっているような形態について説明しているが、このような形態に限定されず、オーバーフロー管34の代わりに、特に、オーバーフロー管としての機能を備えていない単純な管部材を適用してもよいし、中実の棒部材のようなものを適用してもよい。
【0023】
さらに、オーバーフロー管34は、上端開口部34bから上方に突出する操作レバー取付部34cを備え、オーバーフロー管34を上下動させるための制御装置18の一部であるフック状の操作レバー18aがオーバーフロー管34の操作レバー取付部34cに取り付けられている。
【0024】
ここで、制御装置18は、操作レバー18a、回転軸18b、及び、回転駆動装置18cを備えており、回転駆動装置18cは、回転軸18bを回転させるためのモータ等の駆動装置であり、洗浄水タンク12の上方外側に配置されている。
また、回転軸18は、その基端部が回転駆動装置18cに保持され、この基端部から洗浄水タンク12内の先端部にかけてほぼ水平に延びている。
さらに、回転軸18の先端部には操作レバー18aが固定されており、回転駆動装置18cの駆動により所定の回転角度の範囲内で回転軸18と操作レバー18aが一体に回転し、また、操作レバー18aの回転方向に応じてオーバーフロー管34が上昇又は下降するようになっている。
【0025】
また、本実施形態の排水装置14においては、回転駆動装置18cの作動が開始することにより、排水装置14が作動して排水口12bを開放し、洗浄水タンク12内の洗浄水が排水口12bから水洗便器1に排水されるようになっている。この排水装置14による洗浄水タンク12から水洗便器1への洗浄水の排水動作の開始については、水洗便器1に設けられている便器使用者を検知する人体検知センサ(図示せず)からの信号、或いは、水洗便器1の洗浄操作を指令する操作ボタン(図示せず)を便器使用者が操作した信号が制御装置18に送られて回転駆動装置18cの作動が開始することにより行わるようになっている。
【0026】
また、弁部材30は、オーバーフロー管34の下端部の外周に沿って固着された円環状のシール部材であり、オーバーフロー管34が洗浄水タンク12内で最低位置まで下降した際、オーバーフロー管34の下端部と共に洗浄水タンク12の排水口12bを密閉する排水弁として機能することができるようになっている。
さらに、弁部材30は、オーバーフロー管34の下端部に固定されているため、操作レバー18aの回転方向に応じてオーバーフロー管34と一体的に上昇又は下降するようになっている。
【0027】
ちなみに、図6及び図7に示す本実施形態の排水装置14においては、オーバーフロー管34が洗浄水タンク12内で最低位置まで下降し、弁部材30がオーバーフロー管34の下端部と共に洗浄水タンク12の排水口12bを密閉した状態のオーバーフロー管34と弁部材30について実線で示す一方、オーバーフロー管34と弁部材30が洗浄水タンク12内で最高位置まで上昇した状態のオーバーフロー管34と弁部材30について、鎖線で示している。
また、制御装置18は、回転駆動装置18cの駆動を制御することにより回転軸18と操作レバー18aの回転を制御すると共に、オーバーフロー管34と弁部材30の上下方向の位置や弁部材30が上昇して洗浄水タンク12の排水口12bを開放している開弁時間を制御することにより、洗浄水タンク12の排水口12bから水洗便器1側に排水される洗浄水量を制御するようになっている。
【0028】
さらに、図4〜図7に示すように、オーバーフロー管34は、その外面を周方向に沿って等間隔に4等分した箇所において、この外周面から半径方向外側に突出すると共に上下方向に延びるように形成された凸部34dを備えている。
また、ガイド部材32は、オーバーフロー管34の外側を取り囲むようにガイド部材32の基部32aから上方に筒状に突出する筒状部32cを備え、この筒状部32cの内面には、オーバーフロー管34の外面に形成された各凸部34dと対向するように凹部32dがそれぞれ形成され、これら4つの凹部32dは、筒状部32cの内面の周方向に沿って等間隔に4等分した箇所において内側に凹むと共に、筒状部32cの上端部32eから下端部32fにかけて上下方向に延びている。
さらに、ガイド部材32の筒状部32cの上端部32e及びオーバーフロー管34の上端開口部34bは、洗浄水タンク12内の満水時の水位(止水水位)WL1よりは上方に位置している(図3参照)。
【0029】
また、図5及び図8に示すように、ガイド部材32の各凹部32d内の上端部の内側側面には、対向するオーバーフロー管34の各凸部34dの側面34eに向かって対をなして突出する小突起32gが設けられている。
さらに、ガイド部材32及びオーバーフロー管34の2つの部材を通常の所定位置に組み付けた状態では、図8に示すように、オーバーフロー管34がガイド部材32に対して傾くことなく、ガイド部材32の凹部32dの小突起32gとこれに対向するオーバーフロー管34の凸部34dの側面34eとの間に隙間G1が形成されている。
すなわち、ガイド部材32及びオーバーフロー管34については、これら2つの部材を通常の所定位置に組み付けた状態では、ガイド部材32の凹部32dの小突起32gとこれに対向するオーバーフロー管34の凸部34dの側面34eが互いに点接触可能に所定の間隔(隙間G1)で離間している。これにより、オーバーフロー管34がガイド部材32に対して上下動する際に、垂直方向に対する横ずれや傾きが生じたり、オーバーフロー管34の長手方向の中心軸線回りの回転が生じたりすると、オーバーフロー管34の各凸部34dの両側とこれと対向するガイド部材32の各凹部32dの小突起32gが互いに接触し、ガイド部材32とオーバーフロー管34が互いに点接触して係合するようになっている。
【0030】
なお、本実施形態においては、上述したガイド部材32とオーバーフロー管34が互いに点接触する位置、すなわち、ガイド部材32の凹部32dの小突起32gとこれに対向するオーバーフロー管34の凸部34dの側面34eとが点接触する位置は、図3に示す洗浄水タンク12内の止水水位WL1より上方に位置しているが、これらの点接触する位置については、洗浄水タンク12内の止水水位WL1よりも下方に位置するように設定してもよい。これにより、洗浄水タンク12内の水位が止水水位WL1となる止水状態において、ガイド部材32の凹部32dの小突起32gとオーバーフロー管34の凸部34dの側面34eとの点接触位置を常に水没させることができるため、これらの点接触位置に水垢やスケールが付着することを防ぐことができると共に、ガイド部材32に対するオーバーフロー管34の上下動の不具合を防ぎ、止水不良と排水性能不良を未然に防ぐことができる。
【0031】
さらに、図5、図7、及び、図9に示すように、ガイド部材32の筒状部32cの下端部32f内面の周方向に沿って等間隔に4等分した箇所において半径方向内方に突出する下方突起32hがそれぞれ設けられている。
また、ガイド部材32及びオーバーフロー管34の2つの部材を通常の所定位置に組み付けた状態では、図9に示すように、オーバーフロー管34がガイド部材32に対して傾くことなく、ガイド部材32の下方突起32hとこれに対向するオーバーフロー管34の外周面との間に隙間G2が形成されている。
すなわち、ガイド部材32及びオーバーフロー管34については、これら2つの部材を通常の所定位置に組み付けた状態では、ガイド部材32の下方突起32hとこれに対向するオーバーフロー管34の外周面が互いに点接触可能に所定の間隔(隙間G2)で離間している。これにより、オーバーフロー管34がガイド部材32に対して上下動する際に、垂直方向に対する横ずれや傾きが生じたり、オーバーフロー管34の長手方向の中心軸線回りの回転が生じたりすると、ガイド部材32の下方突起32hとオーバーフロー管34の外周面が互いに接触し、ガイド部材32とオーバーフロー管34が互いに点接触して係合するようになっている。
ここで、ガイド部材32の筒状部32cの下端部32f内面の周方向に沿って等間隔に配置された下方突起32hの位置は、上述したガイド部材32の等間隔に配置された凹部32dの位置とは、互いに上下方向に対向して重なることがないようにずらして配置されている。
【0032】
つぎに、本発明の一実施形態による排水装置の動作(作用)を説明する。
便器使用者が水洗便器1を使用後、排水装置14による洗浄水タンク12から水洗便器1への洗浄水の排水動作の開始する際、水洗便器1に設けられている便器使用者を検知する人体検知センサ(図示せず)からの信号、或いは、水洗便器1の洗浄操作を指令する操作ボタン(図示せず)を便器使用者が操作した信号が制御装置18に送られて回転駆動装置18cの作動が開始する。
そして、回転駆動装置18cが作動すると、回転軸18bと共に操作レバー18aが所定方向に回転し、この操作レバー18aに取り付けられているオーバーフロー管34の操作レバー取付部34cが引き上げられ、オーバーフロー管34がガイド部材32に対して上方に摺動すると共に、オーバーフロー管34の下端部に固着されている弁部材30についても上昇する。
【0033】
また、洗浄水タンク12から水洗便器1へ排水する洗浄水の排水量については、目的や用途に応じて制御装置18が、回転駆動装置18cによる回転軸18bの回転速度や角度を制御し、オーバーフロー管34と弁部材30の上昇速度や下降速度を制御すると共に、弁部材30が洗浄水タンク12の排水口12bを開放している時間を制御する。
【0034】
そして、弁部材30が洗浄水タンク12の排水口12bを開放している間、洗浄水タンク12の排水口12bから洗浄水が水洗便器1の導水路4に排水され、この導水路4内の洗浄水が水洗便器1の各吐水口10a,10bから吐水され、水洗便器1の洗浄が行われる。
【0035】
また、排水装置14の排水が開始され、洗浄水タンク12内の水位が満水時の水位WL1から次第に減少すると、排水装置14のオーバーフロー管34がガイド部材32に対して下方に摺動する共に、オーバーフロー管34の下端部に固着されている弁部材30についても下降する。最終的に洗浄水タンク12内の洗浄水がほぼ空の状態の水位WL2に達すると、排水装置14のオーバーフロー管34と弁部材30が最低位置まで下降し、洗浄水タンク12の排水口12bを閉鎖する。
【0036】
そして、洗浄水タンク12内の水位WL2を検知した水位センサ20からの信号に基づく制御装置18からの指令により、給水装置16の給水バルブ24が開弁し、給水装置16の給水口26から洗浄水タンク12内への洗浄水の給水が行われ、再び洗浄水タンク12内の水位が次第に上昇する。
さらに、洗浄水タンク12内の水位が満水時の水位WL1に達すると、洗浄水タンク12内の水位WL1を検知した水位センサ20からの信号に基づく制御装置18からの指令により、給水装置16の給水バルブ24が閉弁し、給水装置16の給水口26から洗浄水タンク12内への洗浄水の給水が停止される。
なお、本実施形態では、給水装置16の給水口26から洗浄水タンク12内への洗浄水の給水の制御については、一例として、洗浄水タンク12内の洗浄水がほぼ空の状態の水位WL2に達して排水装置14のオーバーフロー管34と弁部材30が洗浄水タンク12の排水口12bを閉鎖した後、洗浄水タンク12内の水位WL2を検知した水位センサ20からの信号に基づく制御装置18からの指令に基づいて、給水装置16の給水バルブ24が開弁し、給水装置16の給水口26から洗浄水タンク12内への洗浄水の給水を行うような形態について説明しているが、このような形態に限定されず、洗浄水タンク12内の水位WL2に関わりなく、排水装置14による洗浄水タンク12の排水口12bの開閉時間や給水装置16の給水開始時間等について直接的に時間制御を行ってもよい。
【0037】
上述した本発明の一実施形態による排水装置14によれば、オーバーフロー管34が、その外面を周方向に沿って等間隔に4等分した箇所において、この外周面から外側に突出すると共に上下方向に延びるように形成された凸部34dを備え、ガイド部材32が、オーバーフロー管34の外側を取り囲むようにガイド部材32の基部32aから上方に筒状に突出する筒状部32cを備え、この筒状部32cの内面には、オーバーフロー管34の外面に形成された各凸部34dと対向するように凹部32dがそれぞれ形成されている。また、ガイド部材32及びオーバーフロー管34を通常の所定位置に組み付けた状態では、ガイド部材32の凹部32dの小突起32gとこれに対向するオーバーフロー管34の凸部34dの側面34eが互いに点接触可能に所定の間隔(隙間G1)で離間、ガイド部材32の下方突起32hとこれに対向するオーバーフロー管34の外周面が互いに点接触可能に所定の間隔(隙間G2)で離間している。このため、排水装置14が作動してオーバーフロー管34がガイド部材32に対して上下動する際に、垂直方向に対する横ずれや傾きが生じたり、オーバーフロー管34の長手方向の中心軸線回りの回転が生じたりしても、オーバーフロー管34の各凸部34dとガイド部材32の凹部32dとが互いに係合した状態となり、オーバーフロー管34の軸線回りの回転を防止することができると共に、ガイド部材32に対するオーバーフロー管34の横ずれを防止することができる。この結果、ガイド部材32に対するオーバーフロー管34の上下方向の摺動動作とこのオーバーフロー管34の下端部の外周に沿って固着された弁部材30の上下方向の開閉動作を安定化させることができるため、弁部材30が開弁して洗浄水タンク12の排水口12bを開放している状態では、洗浄水タンク12から水洗便器1に排水される洗浄水の水量を安定化させることができる。一方、弁部材30が閉弁して洗浄水タンク12の排水口12bを閉鎖している状態では、弁部材30が垂直方向に対する傾きを抑えて洗浄水タンク12の排水口12bを確実に閉鎖するため、弁部材30のシール性能を高めることができる。
【0038】
また、本実施形態による排水装置14によれば、ガイド部材32の各凹部32d内の上端部の内側側面には、対向するオーバーフロー管34の各凸部34dの側面34eに向かって対をなして点接触するように突出する小突起32gが設けられ、オーバーフロー管34の各凸部34dの両側がこれと対向するガイド部材32の各凹部32dの小突起32gによって互いに点接触して係合するようになっていると共に、ガイド部材32の筒状部32cの下端部32f内面の周方向に沿って等間隔に4等分した箇所において、オーバーフロー管34の外周面と点接触するように内方に突出する凸部である下方突起32hがそれぞれ設けられている。また、ガイド部材32及びオーバーフロー管34を通常の所定位置に組み付けた状態では、ガイド部材32の凹部32dの小突起32gとこれに対向するオーバーフロー管34の凸部34dの側面34eが互いに点接触可能に所定の間隔(隙間G1)で離間している。
したがって、オーバーフロー管34がガイド部材32に対して上下動する際に、垂直方向に対する横ずれや傾きが生じたり、オーバーフロー管34の長手方向の中心軸線回りの回転が生じたりしても、オーバーフロー管34の各凸部34dとガイド部材32の各凹部32dの小突起32gがガイド部材32の上方の所定位置で互いに点接触すると共に、オーバーフロー管34の外周面とガイド部材32の下方突起32hがガイド部材32の下方の所定位置で互いに点接触しているため、排水装置14が作動してオーバーフロー管34がガイド部材32に対して上下動する際に、オーバーフロー管34とガイド部材32との間に生ずる摩擦を低減させることができると共に、オーバーフロー管34の軸線回りの回転とガイド部材32に対するオーバーフロー管34の横ずれを防止することができる。
この結果、ガイド部材32に対するオーバーフロー管34の上下方向の摺動動作とこのオーバーフロー管34の下端部の外周に沿って固着された弁部材30の上下方向の開閉動作をより安定化させることができるため、弁部材30が開弁して洗浄水タンク12の排水口12bを開放している状態では、洗浄水タンク12から水洗便器1に排水される洗浄水の水量を安定化させることができる。一方、弁部材30が閉弁して洗浄水タンク12の排水口12bを閉鎖している状態では、弁部材30が垂直方向に対する傾きを抑えて洗浄水タンク12の排水口12bを確実に閉鎖するため、弁部材30のシール性能を高めることができる。さらに、オーバーフロー管34及びガイド部材32を互いに点接触させていることにより、両部材間の接触部分を極力少なくしているため、寒冷地等の低温下で使用する場合には、両部材間の接触部分が凍結することによる不具合を防止することもできる。
【0039】
さらに、本実施形態による排水装置14によれば、オーバーフロー管34の各凸部34dとガイド部材32の各凹部32dの小突起32gがガイド部材32の上方の所定位置で互いに点接触する上方接触位置が、オーバーフロー管34の外周面とガイド部材32の下方突起32hがガイド部材32の下方の所定位置で互いに点接触する下方接触位置と互いに上下方向に対向して重なることがないように、オーバーフロー管34の各凸部34dとガイド部材32の各凹部32d及び下方突起32hが配置されているため、排水装置14が作動してオーバーフロー管34がガイド部材32に対して上下動する際に、垂直方向に対する横ずれや傾きが生じたり、オーバーフロー管34の長手方向の中心軸線回りの回転が生じたりしても、オーバーフロー管34の各凸部34dとガイド部材32の各凹部32dの小突起32gがガイド部材32の上方の所定位置で互いに点接触すると共に、オーバーフロー管34の外周面とガイド部材32の下方突起32hがガイド部材32の下方の所定位置で互いに点接触するため、ガイド部材32の上方及び下方の所定位置でガイド部材32のとオーバーフロー管34を確実に係合させることができ、ガイド部材32に対するオーバーフロー管34の垂直方向に対する横ずれと傾きをより確実に防止することができる。
この結果、ガイド部材32に対するオーバーフロー管34の上下方向の摺動動作とこのオーバーフロー管34の下端部の外周に沿って固着された弁部材30の上下方向の開閉動作をより安定化させることができるため、弁部材30が開弁して洗浄水タンク12の排水口12bを開放している状態では、洗浄水タンク12から水洗便器1に排水される洗浄水の水量を安定化させることができる。一方、弁部材30が閉弁して洗浄水タンク12の排水口12bを閉鎖している状態では、弁部材30が垂直方向に対する傾きを抑えて洗浄水タンク12の排水口12bを確実に閉鎖するため、弁部材30のシール性能を高めることができる。
【0040】
なお、上述した本発明の一実施形態による排水装置においては、一例として、オーバーフロー管34が、その外面を周方向に沿って等間隔に4等分した箇所において、この外周面から外側に突出すると共に上下方向に延びるように形成された凸部34dを備え、ガイド部材32が、オーバーフロー管34の外側を取り囲むようにガイド部材32の基部32aから上方に筒状に突出する筒状部32cを備え、この筒状部32cの内面には、オーバーフロー管34の外面に形成された各凸部34dと対向するように凹部32dがそれぞれ形成されている形態について説明したが、このような形態に限定されず、他の形態についても実施可能である。
【0041】
例えば、本発明の他の実施形態による排水装置として、オーバーフロー管34の各凸部34dやガイド部材32の各凹部32dについて、オーバーフロー管34の外面及びガイド部材32の内面のそれぞれの周方向に沿って等間隔に3等分した箇所又は5つ以上の複数等分した箇所に各凸部34dと各凹部32dを対向するように設けてもよい。
要するに、互いに対向するオーバーフロー管34の各凸部34dとガイド部材32の各凹部32dは、対応するオーバーフロー管34の外面及びガイド部材32の内面の周方向に少なくとも3つ以上等間隔に設けることができる。
【0042】
また、本発明の他の実施形態による排水装置として、オーバーフロー管34の各凸部34dの代わりに凹部を採用し、ガイド部材32の各凹部32dの代わりに凸部を採用し、オーバーフロー管34の凹部とガイド部材32の凸部が互いに対向するようにしてもよい。
さらに、上述した本発明の実施形態におけるガイド部材32の各凹部32dの小突起32gとオーバーフロー管34の凸部34dの側面34eとの点接触、及び、ガイド部材32の下方突起32hとこれに対向するオーバーフロー管34の外周面との点接触については、完全にな点と点同士の接触に限定するものではなく、例えば、所定の微小長さの線同士の接触や、所定の微小面積を有する面同士の接触であってもよい。すなわち、オーバーフロー管34がガイド部材32に対して上下動する際に、オーバーフロー管34がガイド部材32に対する横ずれや傾きが生じてガイド部材32に接触した部分における摩擦を低減させることができ、特に、寒冷地等の低温下で使用する場合には、両部材32,34間の接触部分が凍結することによる不具合を防止することができる程度の接触面積で接触することができる状態であれば、「点接触」に相当する状態とみなすことができる。
【符号の説明】
【0043】
1 水洗便器
2 ボウル部
4 導水路
6 排水トラップ管路
8 リム
10a,10b 吐水口
12 洗浄水タンク
12a 洗浄水タンクの底部
12b 連通口
14 排水装置
16 給水装置
18 制御装置
18a 操作レバー
18b 回転軸
18c 回転駆動装置
20 水位センサ
22 給水管
24 給水バルブ
26 給水口
28 ベース部材
28a ベース部材の基部
28b ベース部材の保持部
28c ベース部材の支持部
28d ベース部材の突起
30 弁部材
32 ガイド部材
32a ガイド部材の基部
32b ガイド部材の保持孔
32c ガイド部材の筒状部
32d ガイド部材の凹部
32e ガイド部材の筒状部の上端部
32f ガイド部材の筒状部の下端部
32g ガイド部材の凹部内の小突起
32h ガイド部材の下方突起
34 オーバーフロー管
34a オーバーフロー管の下端開口部
34b オーバーフロー管の上端開口部
34c オーバーフロー管の操作レバー取付部
34d オーバーフロー管の凸部
34e オーバーフロー管の凸部の側面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
便器に洗浄水を供給する洗浄水タンクに設けられる排水装置であって、
洗浄水タンクの底面に配置された排水口を開閉する排水弁と、
上下方向に延びるように上記排水弁に結合され且つ上記排水弁と共に上方に引き上げられることにより上記排水弁が開弁して上記排水口から水洗便器に洗浄水を排出させる管部材と、
この管部材の外側から支持して上下方向の移動をガイドするガイド部材と、
を有し、上記管部材の外面又は上記ガイド部材の内面の一方には、半径方向に突出した凸部が設けられ、他方には上記凸部に係合する凹部が設けられていることを特徴とする排水装置。
【請求項2】
上記管部材の外面又は上記ガイド部材の内面の一方には周方向に沿って上記凸部が等間隔に少なくとも3つ設けられ、他方には周方向に沿って上記凹部が等間隔に少なくとも3つ設けられている請求項1記載の排水装置。
【請求項3】
上記管部材及び上記ガイド部材は、上記凸部と上記凹部が互いに点接触可能に離間し、上記凸部と上記凹部が接触すると、互いに点接触するように構成されている請求項1又は2に記載の排水装置。
【請求項4】
上記管部材及び上記ガイド部材は、上記ガイド部材の上方の所定位置で上記凸部と上記凹部が接触することにより、互いに点接触するように構成されていると共に、上記ガイド部材の下方の所定位置でも互いに点接触するように構成されている請求項3記載の排水装置。
【請求項5】
上記管部材及び上記ガイド部材は、上記ガイド部材の上方の所定位置で上記管部材と上記ガイド部材が互いに点接触する上方接触位置が、上記ガイド部材の下方の所定位置で上記管部材と上記ガイド部材が互いに点接触する下方接触位置と互いに上下方向に対向しない位置に配置されるように構成されている請求項4記載の排水装置。
【請求項6】
便器に洗浄水を供給する洗浄水タンクであって、
上記請求項1乃至5の何れか1項に記載の排水装置を有することを特徴とする洗浄水タンク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−111863(P2011−111863A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−271941(P2009−271941)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】