説明

排水設備を有するトンネル底部構造の構築方法

【課題】安価かつ効率的に構築することができる排水設備を有するトンネル底部構造の構築方法の提供。
【解決手段】通路2の底部を構成する通路底部コンクリート部6と、貯水槽3の底部を構成する貯水槽底部コンクリート部8とを有する基礎コンクリート体9を場所打ちコンクリートにより一体に形成しておき、通路底部コンクリート部6上に複数のプレキャストコンクリート製の門型ブロック7,7...をトンネル軸方向に連設して通路2を構築した後、平板状の天板部21と、天板部21の一方の側縁より下向きに垂下させた形状の側壁板部35とからなる複数のプレキャストコンクリート製の逆L字型ブロック20,20...を、天板部21の側壁板部とは反対側の端部を門型ブロック7に支持させ、且つ側壁板部35を貯水槽底部コンクリート部8上に立設させた状態にトンネル軸方向に並べて連設し、しかる後、貯水槽3の両端部を閉鎖壁25,25で閉鎖する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トンネルの底部にトンネル内に流入した水を一時的に貯留することができる貯留槽を備えた排水設備を有するトンネル底部構造の構築方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、地中や海底に設置されたトンネルにおいては、トンネル開口部やトンネル内壁より侵入した雨水や湧水等によりトンネル内が冠水するのを防ぐ為、トンネルに隣接した位置に貯水槽を設置し、この貯水槽にトンネル内に侵入した水を一時的に集め、貯水槽に所定の水が貯留された時点でポンプ等の排水手段を用いてトンネル外に排出するようにしたものが提供されている(例えば特許文献1)。
【0003】
このような貯水槽では、トンネルに隣接した位置に掘削により竪穴を形成し、この竪穴内に現場打ち或いはプレキャストコンクリート製のブロックを組み立てることにより貯水槽を構築している。
【0004】
また、近年では、ゲリラ豪雨のように突然に集中豪雨が発生するケースが増加しており、このような集中豪雨に対応できるように大型の貯水槽を設置する必要が増加している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−193800号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上述の如き従来の竪穴を掘削する工法では、貯水槽を設置するための竪穴を掘削するために工期が長期化しコストが嵩むという問題があった。
【0007】
一方、貯水槽をトンネル内の道床下に設置することも考えられるが、道床下には、管理や緊急避難の目的で使用される通路が形成されることが多く、更に貯水槽を設置するスペースを確保することは困難であるという問題がある。
【0008】
また、貯水槽を構築するにあたって現場打ちコンクリートにより構築しようとすれば工期が長期化しコストが嵩むという問題があり、一方、プレキャストコンクリート製のボックスカルバート等により貯水槽を構築する場合、トンネル内はシールド掘削機やそれに関連する機器等が設置されていることにより、貯水槽を構成する部材を搬送するためのスペースに乏しく、作業の効率が悪いという問題があった。
【0009】
本発明は、このような従来の問題に鑑み、安価かつ効率的に構築することができる排水設備を有するトンネル底部構造の構築方法の提供を目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の如き従来の問題を解決し、所期の目的を達成するための請求項1に記載の発明の特徴は、トンネル軸方向に向けた筒状の通路と、該通路に隣接して設置された中空箱状の貯水槽と、該貯水槽に貯留された水をトンネル外に排出する排水手段とを備える排水設備を有するトンネル底部構造の構築方法において、前記通路の底部を構成する通路底部コンクリート部と、前記貯水槽の底部を構成する貯水槽底部コンクリート部とを有する基礎コンクリート体を場所打ちコンクリートにより一体に形成しておき、前記通路底部コンクリート部上に複数のプレキャストコンクリート製の門型ブロックをトンネル軸方向に連設して前記通路を構築した後、平板状の天板部と、該天板部の一方の側縁より下向きに垂下させた形状の側壁板部とからなる複数のプレキャストコンクリート製の逆L字型ブロックを、前記天板部の側壁板部とは反対側の端部を前記門型ブロックに支持させ、且つ前記側壁板部を前記貯水槽底部コンクリート部上に立設させた状態にトンネル軸方向に並べて連設し、しかる後、前記貯水槽の両端部を閉鎖壁で閉鎖することにある。
【0011】
請求項2に記載の発明の特徴は、請求項1の構成に加え、前記基礎コンクリート体は、前記通路底部コンクリート部と前記貯水槽底部コンクリート部とに共用される隔壁部を備え、前記貯水槽底部コンクリート部には、前記隔壁部により前記通路底部コンクリート部と隔てられた貯留用凹部が形成されることにある。
【0012】
請求項3に記載の発明の特徴は、請求項1又は2の何れかの請求項の構成に加え、前記門型ブロック及び逆L字型ブロックを設置した後、門型ブロック及び/又は逆L字型ブロックの外側側壁板部の外側下縁部に現場打ちコンクリートにより固定用コンクリートを打設することにある。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る排水設備を有するトンネル底部構造の構築方法は、上述したように、トンネル軸方向に向けた筒状の通路と、該通路に隣接して設置された中空箱状の貯水槽と、該貯水槽に貯留された水をトンネル外に排出する排水手段とを備える排水設備を有するトンネル底部構造の構築方法において、前記通路の底部を構成する通路底部コンクリート部と、前記貯水槽の底部を構成する貯水槽底部コンクリート部とを有する基礎コンクリート体を場所打ちコンクリートにより一体に形成しておき、前記通路底部コンクリート部上に複数のプレキャストコンクリート製の門型ブロックをトンネル軸方向に連設して前記通路を構築した後、平板状の天板部と、該天板部の一方の側縁より下向きに垂下させた形状の側壁板部とからなる複数のプレキャストコンクリート製の逆L字型ブロックを、前記天板部の側壁板部とは反対側の端部を前記門型ブロックに支持させ、且つ前記側壁板部を前記貯水槽底部コンクリート部上に立設させた状態にトンネル軸方向に並べて連設し、しかる後、前記貯水槽の両端部を閉鎖壁で閉鎖することにより、通路及び貯水槽を構成する大部分をプレキャストコンクリート製のブロックにより構成することにより工期が短縮できコストの低減を図ることができる一方、通路及び貯水槽の底部を現場打ちコンクリートにより予め構築しておくことにより、プレキャストコンクリート製ブロックを小型化でき、トンネル内を効率よく運搬することができる。
【0014】
また本発明は、前記基礎コンクリート体は、前記通路底部コンクリート部と前記貯水槽底部コンクリート部とに共用される隔壁部を備え、前記貯水槽底部コンクリート部には、前記隔壁部により前記通路底部コンクリート部と隔てられた貯留用凹部が形成されることにより、通路に貯水が流入しないようにできるとともに、集中豪雨等に対応可能な貯水量を確保することができる。
【0015】
更に本発明は、前記門型ブロック及び逆L字型ブロックを設置した後、門型ブロック及び/又は逆L字型ブロックの外側側壁板部の外側下縁部に現場打ちコンクリートにより固定用コンクリートを打設することにより、通路及び貯水槽のトンネル幅方向の移動を規制して安定した状態に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明方法により構築される排水設備を有するトンネル底部構造の一例の概略を示す横断面図である。
【図2】同上の排水設備を有するトンネル底部構造の縦断面図である。
【図3】図2中の基礎コンクリート体を示す斜視図である。
【図4】図2中の門型ブロックを示す斜視図である。
【図5】同上の門型ブロックの設置状態を示す側面図である。
【図6】同上の門型ブロック間の接合状態を示す部分拡大断面図である。
【図7】図2中の逆L字型ブロックを示す斜視図である。
【図8】同上の逆L字型ブロックの設置状態を示す側面図である。
【図9】(a)〜(c)は本発明に係る排水設備を有するトンネル底部構造の構築方法の行程を示す断面図である。
【図10】(d)〜(f)は同上の工程を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明の実施の態様を、図面に示した実施例に基づいて説明する。
【0018】
図1、図2は、本発明方法により構築された排水設備を有するトンネル底部構造を有するトンネルの一例を示しており、図中符号Aはトンネル、符号Bは道床部である。
【0019】
このトンネルAは、シールド工法等により円筒状に形成され、道床部Bを挟んで上側には、道路や線路等の交通機関が通され、下側には、貯水設備を有するトンネル底部構造1が構築されている。
【0020】
排水設備を有するトンネル底部構造1は、トンネルAの全長において他の部分より低い位置、即ち、トンネル内に侵入した水が集まりやすい位置に配置されている。
【0021】
このトンネル底部構造1は、トンネル軸方向に向けた通路2と、通路2に隣接して設置された貯水槽3と、貯水槽3に貯留された水をトンネル外に排出するポンプ等の排出手段4とを備えている。
【0022】
通路2は、一般通路5に比べて左右一方に片寄せて配置され、斜めに向けた連絡通路5aを介して一般通路に連結されている。
【0023】
この通路2は、通路底部コンクリート部6と、多数の門型ブロック7,7...とをもって構成され、通路底部コンクリート部6上に門型ブロック7,7...を連接することにより方形筒状に形成されている。
【0024】
通路底部コンクリート部6は、後述する貯水槽底部コンクリート部8とともに基礎コンクリート体9を構成している。
【0025】
基礎コンクリート体9は、現場打ちコンクリートによりトンネル軸方向に連続して一体に形成されている。
【0026】
この通路底部コンクリート部6は、インバートコンクリート10上に配置されたトンネル軸方向に向けた平坦な形状の平坦部11と、トンネル底部より立ち上げた形状の隔壁部12とをもって構成されている。尚、隔壁部12は、貯水槽底部コンクリート部8と共用され、貯水槽底部コンクリート部8の一部も構成するようになっている。
【0027】
門型ブロック7は、図4に示すように、プレキャストコンクリート製のブロックであって、天板部13と、左右の側壁板部14,15とをもって門型に形成されている。
【0028】
左右の側壁板部14,15には、その上端部及び下端部にトンネル軸方向に貫通したPC挿通孔16が形成され、このPC挿通孔16を通してトンネル軸方向全長に亘ってPC緊張材17が挿通され、このPC緊張材17によりトンネル軸方向のプレストレスが導入されることにより各門型ブロック7,7間が接合されるようになっている。
【0029】
PC緊張材17は、図5に示すように、緊張した状態でコッター等の定着具18により門型ブロック7に定着され、各定着具18,18間に配置された部分にプレストレスが導入され、定着具7の他端側にPC緊張材17が連結され、順次プレストレスを付与するととともに互いに連なる各門型ブロック7,7同士を連結している。
【0030】
また、右側壁板部15は、左側壁板部14より高さ方向(上下方向)長さが短く形成され、隔壁部12の上端部に立設されるようになっている。
【0031】
また、右側壁板部15の外側面部には、台座用張り出し部19が突設され、後述する逆L字型ブロック20の天板部21の端部を支持するようになっている。
【0032】
台座用張り出し部19には、上面に平坦な受け部19aが形成され、受け部19aより上向きに突出して固定用ボルト22,22...が間隔を置いて立設されている。尚、固定用ボルト22は、台座張り出し部内に埋設されたアンカーナットに螺合されることにより立設されている。
【0033】
また、互いに隣り合う門型ブロック7,7間には、図6に示すように、互いに対向する端面間に止水材23,23が介在され、更に、接合部の内側縁部は、樹脂材からなるシーリング材24により止水されている。
【0034】
貯水槽3は、貯水槽底部コンクリート部8と、多数の逆L字型ブロック20,20...と、閉鎖壁25,25とを備え、通路2の側壁部を共用することにより中空箱状に形成されている。
【0035】
貯水槽3内は、仕切り板3aにより集水部26、沈砂部27,28及び貯水部29,30に区切られており、図示しない排水管等を通して集水部26に集められた水は、電動で開閉されるゲートを通して沈砂部27,28に移され、仕切り板3aをオーバーフローした水が貯水部29,30に移動するとともに、砂等の堆積物は沈砂部27,28内に沈殿堆積されるようになっている。尚、貯水部29,30は、処理する水質等により使い分けられる。
【0036】
貯水槽底部コンクリート部8には、トンネル底部の形状に沿って打設される底部32と、隔壁部12とに囲まれた一定深さの貯留用凹部33が形成されている。尚、図中符号34は、逆L字型ブロック20の側壁板部35を立設させるための平坦部である。
逆L字型ブロック20は、貯水槽部コンクリート部8上にトンネル軸方向に連設され、貯水槽3の天井及び一方の側壁を構成する。
【0037】
この逆L字型ブロック20は、図7に示すように、プレキャストコンクリート製のブロックであって、天板部21と、側壁板部35とをもって逆L字型に形成されている。
天板部21は、平板状に形成され、その一方の側縁部より下向きに垂下した形状に側壁板部35が形成されている。
【0038】
この天板部21の側壁板部35とは反対側の端部には、天板部21の厚み方向に貫通したボルト挿通孔36,36...が形成され、天板部21の端部を台座用張り出し部19上に支持させた際に固定用ボルト22,22...がボルト挿通孔36,36...内に通され、固定用ボルト22の上端部にナットを螺合させ締結することにより門型ブロック7と逆L字型ブロック20とが互いに連結されるようになっている。
【0039】
また、天板部21には、前後方向に貫通したPC挿通孔16が形成され、側壁板部35には、その上部及び下部に前後方向に貫通したPC挿通孔16,16...が形成されている。
【0040】
各逆L字型ブロック20,20...には、図8に示すように、トンネル軸方向全長に亘ってPC緊張材17が挿通され、このPC緊張材17によりトンネル軸方向のプレストレスが導入されて各逆L字型ブロック20,20間が接合されるようになっている。
【0041】
PC緊張材17は、緊張した状態でコッター等の定着具18により逆L字型ブロック20に定着され、各定着具18,18間に配置された部分にプレストレスが導入され、前記定着具18の他端側にPC緊張材17が連結され、順次プレストレスを付与するととともに互いに連なる各逆L字型ブロック20,20同士を連結している。
【0042】
また、互いに隣り合う逆L字型ブロック20,20間には、門型ブロック7と同様に、互いに対向する端面間に止水材23,23が介在され、更に、接合部の内側縁部は、樹脂材からなるシーリング材24により止水されている。
【0043】
閉鎖壁25は、現場打ちコンクリートにより形成され、貯水槽3の両端を閉鎖するようになっている。
【0044】
排水装置4は、貯水部29,30内に配置された汲み上げポンプ38,38を備え、ポンプ38により汲み上げられた水は排水ポンプ40により通路2内に配置された排水管39を通してトンネル外に排出されるようになっている。
【0045】
尚、図中符号41は固定用コンクリートであって、通路2及び貯水槽3を構成する門型ブロック7又は逆L字型ブロック20の側壁板部の外側に現場打ちコンクリートにより形成され、門型ブロック7及び逆L字型ブロック20のトンネル幅方向の移動を規制するようになっている。
【0046】
このように構成された排水装置を有するトンネル底部構造1では、トンネル開口部から侵入した雨水等の侵入水が排水管等を通して貯水槽3内の集水部26に流れ込み、ゲートを通して沈砂部に移され、仕切り板3aをオーバーフローした水が貯水部29,30に移動する。
【0047】
このとき貯留槽3内に貯留された水は、隔壁部12により貯水槽底部コンクリート部8と通路底部コンクリート部6とが隔てられているので貯水槽3内の水が通路2側に流入しないようになっている。
【0048】
貯水部29,30に一定量の水が貯留されると、ポンプ38を作動させ、貯水部29,30内に貯留されていた水をトンネル外に排出する。このようにすることにより、雨水等の侵入水がトンネル内に停滞することがなく、冠水を防止することができる。
【0049】
また、このトンネル底部構造1では、貯水槽3が一方の側壁部を通路2と共用としたことにより省スペース化が図られている。
【0050】
次に、本発明方法について図9〜図10について説明する。
【0051】
まず、図9(a)に示すように、図示しない型枠を用いてトンネル底部に場所打ちによりコンクリートを打設し、インバートコンクリート10を成形する。
【0052】
次に、十分養生した後、図9(b)に示すように、図示しない型枠を設置し、場所打ちによりコンクリートを打設し、トンネル軸方向に連続した一定の長さの基礎コンクリート体9を成形する。
【0053】
十分に養生した後、基礎ブロック体9の通路底部コンクリート部6上に門型ブロック7,7...をトンネル軸方向に並べて設置する。尚、予め通路底部を場所打ちコンクリートにより形成しておくことで、門型ブロックを小型化することができ、トンネルA内を門型ブロック7が効率よく運搬されるようになっている。
【0054】
門型ブロックの設置に際しては、PC緊張材17を各門型ブロック7のPC挿通孔16に通し、PC緊張材17の一端を一番端に配置された門型ブロック端面に定着具18を用いて定着させ、図5に示すように、PC緊張材17を緊張させた状態でコッター等の定着具18を用いて門型ブロック7に定着させる。これによりプレストレスを導入し、門型ブロック7,7間を接合させる。
【0055】
そして、この作業を繰り返し、基礎コンクリート体9上に一定長さの通路2を形成する。
【0056】
通路2が一定長さ形成された後、逆L字型ブロック20,20...を天板部の端部を門型ブロック7の台座用張り出し部19に支持させ、側壁板部35を貯水槽底部コンクリート部8上に立設させるように設置し、これをトンネル軸方向に連設する。
【0057】
この場合、貯水槽底部を予め現場打ちコンクリートで成形しておくとともに、貯水槽の側壁の一部を通路と共用としたことにより、プレキャストコンクリート製の逆L字型ブロック20が小型化され、トンネルA内を効率良く運搬することができる。
【0058】
各逆L字型ブロック20,20...には、PC緊張材17をPC挿通孔16に通し、PC緊張材17の一端を一番端に配置された逆L字型ブロック端面に定着具を用いて定着させ、図5に示すように、PC緊張材17を緊張させた状態でコッター等の定着具18を用いて逆L字型ブロック7に定着させる。これによりプレストレスを導入し、逆L字型ブロック7,7間を接合させる。
【0059】
次に、図10(e)に示すように、現場打ちコンクリートにより固定用コンクリート41,41を打設する。このようにすることにより、トンネル幅方向の移動が規制されて通路2及び貯水槽3がトンネルAに対して固定される。
【0060】
そして、上記の図9(a)〜(c)及び図10(d)〜(e)の工程を繰り返し所定の長さの通路2及び貯水槽3を構築する。
【0061】
そして、現場打ちコンクリートにより仕切り板3a,26及び閉鎖壁25,25を形成し、十分養生させることにより貯水槽3が完成される。
【0062】
そして、通路2及び貯水槽3が完成した後、ポンプ38,39及び排水管40を設置し、排水設備4を構築する。
【0063】
最後に、トンネル底部構造1の周囲に土砂等で埋め、その上に道床部Bを形成して作業が完了する。
【0064】
尚、上述の実施例では、貯水槽内に貯留された雨水等をトンネル外に排出するための排水管39を通路2内に設置した例について説明したが、通路の外側に設置するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0065】
A トンネル
B 道床部
1 トンネル底部構造
2 通路
3 貯水槽
4 排水手段
5 一般通路
6 通路底部コンクリート部
7 門型ブロック
8 貯水槽底部コンクリート部
9 基礎コンクリート体
10 インバートコンクリート
11 平坦部
12 隔壁部
13 天板部
14 左側壁板部
15 右側壁板部
16 PC挿通孔
17 PC緊張材
18 定着具
19 台座用張り出し部
20 逆L字型ブロック
21 天板部
22 固定用ボルト
23 止水材
24 シーリング材
25 閉鎖壁
26 集水部
27 沈砂部
28 沈砂部
29 貯水部
30 貯水部
32 底部
33 貯留用凹部
34 平坦部
35 側壁板部
36 ボルト挿通孔
38 ポンプ
39 排水管
40 ポンプ
41 固定用コンクリート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トンネル軸方向に向けた筒状の通路と、該通路に隣接して設置された中空箱状の貯水槽と、該貯水槽に貯留された水をトンネル外に排出する排水手段とを備える排水設備を有するトンネル底部構造の構築方法において、
前記通路の底部を構成する通路底部コンクリート部と、前記貯水槽の底部を構成する貯水槽底部コンクリート部とを有する基礎コンクリート体を場所打ちコンクリートにより一体に形成しておき、
前記通路底部コンクリート上に複数のプレキャストコンクリート製の門型ブロックをトンネル軸方向に連設して前記通路を構築した後、
平板状の天板部と、該天板部の一方の側縁より下向きに垂下させた形状の側壁板部とからなる複数のプレキャストコンクリート製の逆L字型ブロックを、前記天板部の側壁板部とは反対側の端部を前記門型ブロックに支持させ、且つ前記側壁板部を前記貯水槽底部コンクリート部上に立設させた状態にトンネル軸方向に並べて連設し、しかる後、前記貯水槽の両端部を閉鎖壁で閉鎖することを特徴としてなる排水設備を有するトンネル底部構造の構築方法。
【請求項2】
前記基礎コンクリート体は、前記通路底部コンクリート部と前記貯水槽底部コンクリート部とに共用される隔壁部を備え、前記貯水槽底部コンクリート部には、前記隔壁部により前記通路底部コンクリート部と隔てられた貯留用凹部が形成される請求項1に記載の排水設備を有するトンネル底部構造の構築方法。
【請求項3】
前記門型ブロック及び逆L字型ブロックを設置した後、門型ブロック及び/又は逆L字型ブロックの外側側壁板部の外側下縁部に現場打ちコンクリートにより固定用コンクリートを打設する請求項1又は2に記載の排水設備を有するトンネル底部構造の構築方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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