説明

排水設備構造

【課題】工期短縮及び各種コスト削減を図ることができ、しかも排水設備に集水した雨水が地盤土壌側に浸透しないようにするとともに、地盤土壌側からも排水設備側に水が流入しないようにした雨水の排水設備構造を提供する。
【解決手段】地盤10を掘削して排水路設置用の掘削溝1を形成し、該掘削溝1の底面及び両側面を覆うようにして遮水シート2を敷設し、該遮水シート2で囲われた空所20内の所定深さ位置に集水管3を設置し、前記空所20内の余剰空間に砕石等からなる透水層4を充填し、該透水層4の上部に通水機能を有する蓋5を設けていることにより、排水設備の工期を短縮でき且つ各種コストを削減できるとともに、排水設備に集水した雨水が地盤土壌側に浸透しない(地盤土壌側からも排水設備側に水が流入しない)ようにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、例えば道路や公園等において、雨水を集めて排水するための排水設備構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図3には、道路や公園等において使用されている一般的な雨水の排水設備を示しているが、この図3の排水設備には、コンクリート二次製品からなるU型側溝3Aを使用している。そして、この図3の排水設備は、地盤10を掘削して掘削溝1Aを形成し、該掘削溝1Aの底部に栗石11を敷き、該栗石11の上に生コンクリート12を打設し、該生コンクリート12が固化した後(基礎コンクリートとなる)に該基礎コンクリート12の上にU型側溝3Aを載せて順次接続し、掘削溝1A内の余剰空間に埋戻し土13を充填し、U型側溝3Aの開口部に集水口51A付きの蓋5Aを設置することで完成される。尚、図3において符号7は舗装面である。
【0003】
この図3の排水設備では、コンクリート二次製品のU型側溝3Aを使用しているので、蓋5Aの集水口51AからU型側溝3A内に流入した雨水は地盤10の土壌中に浸透(流出)することなく該U型側溝3A内を流れるようになっている。従って、この図3の排水設備では、地盤10の土壌が雨水で含水過剰になりにくいという機能がある。尚、地盤10の土壌が高含水状態になると、傾斜地では大雨時に斜面崩壊の危険が高まる一方、平坦地では大地震発生時に土壌の流動化現象が起こる危険が高まるが、雨水をU型側溝3A内に集めて流すと、その分、土壌への浸透水量が少なくなって含水率が高くなりにくい。
【0004】
他方、従来から図4に示すような地下浸透式の排水設備構造も施工されている。この図4の排水設備構造は、地盤10を掘削して掘削溝1を形成し、該掘削溝1の底部に所定高さだけ砕石41を敷設した後、その敷設砕石41の上に多数の通水孔32を設けた円筒型の集水管3を載せて順次接続し、掘削溝1内の余剰空間に透水層4となる砕石41を充填し、その透水層4の上に集水口51付きの蓋5を設置することで完成される。尚、集水管3の各通水孔32は、管本体31の上部側2/3程度の範囲に形成されており、管本体31の下部側が通水孔32のない排水路となる。又、図4において符号7は舗装面である。
【0005】
この図4の排水設備構造では、降雨時に蓋5の集水口51から雨水W0が流入し、その雨水W0は透水層4の隙間を通って流下する。そして、透水層4を流下する雨水の一部は符号W1で示すように各通水孔32から集水管3内に流入して該集水管3内の底部を流れる(符号W)が、集水口51から透水層4に流入したかなりの雨水は符号W2で示すように地盤10の土壌中に浸透するようになる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、図3に示すU型側溝3Aを使用した排水設備では、蓋の集水口51Aから流入した雨水の全量がU型側溝3A内を流れるので、該U型側溝3A内に流入した雨水で地盤10の土壌が含水過剰になりにくいという機能があるものの、掘削溝1A内にU型側溝3Aを設置するのに、掘削溝1Aの底部に栗石11を敷き詰め、その上に生コンクリート12を打設してその生コンクリート12が固化した後(2〜3日後)でなければU型側溝3Aを設置できず、排水設備工事に長期間を要するという問題があった。
【0007】
又、コンクリート成型品の側溝は、使用場所や用途等によって形状やサイズの異なるものが使用されるが、コンクリート製側溝の製造業者においては、多品種(例えば、U型側溝、落ち蓋式側溝、門型可変側溝、U型可変側溝、丸型管渠等)で多規格(サイズ)のものを用意しておく必要があり、それらの製造のための型枠投資や在庫品種確保等に多大のコストがかかっているのが現状である。
【0008】
他方、図4に示す地下浸透式の排水設備構造では、使用場所や用途によって集水管3の管径サイズは異なるものの1つの品種(円筒集水管)でよいので、型枠投資や在庫品種確保等のコストが比較的安価になり、しかも排水設備工事が比較的短期間(待ち時間なし)で完成できるという利点がある反面、蓋5の集水口51から流入した雨水W0のかなりの水量が透水層4から地盤10の土壌中に浸透し、大雨時には地盤10の土壌が高含水状態になり易い。そして、このように地盤10の土壌が高含水状態になると、傾斜地では大雨時に斜面崩壊の危険が高まる一方、平坦地では大地震発生時に土壌の流動化現象が起こる危険が高まるという問題がある。
【0009】
又、地盤10の土壌が高含水状態になると、該土壌に有害物質を含んでいる場合には、その有害物質成分が水に溶けて透水層4及び各通水孔32を通って集水管3内に流入することがあり、その場合には集水管3内を流れる汚染水がそのまま河川等に流出してしまい、河川等の水質汚染につながるという問題がある。
【0010】
そこで、本願発明は、図4のように工期を短縮でき且つ各種コストを削減できるとともに、図3のように排水設備に集水した雨水が地盤土壌側に浸透しないようにした雨水の排水設備構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願発明は、上記課題を解決するための手段として次の構成を有している。尚、本願発明は、道路や公園等に設置される雨水の排水設備構造を対象としている。
【0012】
[本願請求項1の発明]
本願請求項1の発明の排水設備構造は、地盤を掘削して排水路設置用の掘削溝を形成し、該掘削溝の底面及び両側面を覆うようにして遮水シートを敷設し、該遮水シートで囲われた空所内の所定深さ位置に集水管を設置し、前記空所内の余剰空間に砕石等からなる透水層を充填しているとともに、該透水層の上部に通水機能を有する蓋を設けて構成されている。
【0013】
本願請求項1の排水設備構造は、上記図4の従来例の排水設備構造において、掘削溝の底面及び両側面を遮水シートで覆うことにより、該遮水シートで集水管の周りに充填している透水層と地盤の土壌とを遮断したものである。そして、この請求項1の排水設備構造は、図4(従来例)の排水設備構造のものに、遮水シートの敷設作業を追加するだけで完成される。
【0014】
本願で使用される集水管は、使用場所によって管径サイズの異なるものを採用することがあるが、単一品種(円筒管)のものでよいので、製造メーカーでの在庫品種点数が少なくてよい。又、この集水管は、コンクリート管でもよいし、可撓性のある合成樹脂管(例えばポリエチレン管)でもよい。尚、この集水管は、1つの掘削溝に対して1本だけ収容したものでも、管径の小さい複数本を収容したものでもよい。
【0015】
遮水シートは、防水機能を有した一般的な合成樹脂シートが使用できる。尚、この遮水シートは、砕石に接触するので適度の強靭性を有するものが好ましい。
【0016】
透水層には、一般的な粒径(直径が20〜40mm)の砕石を使用し得るほか、それより小粒径(集水管の通水孔より大径)の玉石や粗砂等も使用できる。又、この透水層には、砕石等の骨材に活性炭や焼炭(水の浄化作用がある)を練り込んだ小塊物を混入させてもよい。
【0017】
蓋は、通水機能を有するものであればよく、例えば一部に雨水流入用の集水口を設けたものや、蓋全体を通水性のある材料で成形したもの(いわゆるポーラスコンクリート製)でもよい。
【0018】
この請求項1の排水設備構造の工事は、地盤土壌を掘削し、その掘削溝の底面及び両側面を被覆するように遮水シートを敷き、該遮水シート内の空所の所定深さ位置に集水管を設置し、遮水シート内の空所の余剰空間に透水層(砕石層)を充填し、該透水層の上に蓋を設置することで完了する。従って、本願の排水設備構造では、これらの一連の工事を順次時間待ちなしに行える。
【0019】
この請求項1の排水設備構造では、降雨時に雨水が蓋の集水口から透水層(砕石層)に流入するが、この流入雨水の一部は透水層の隙間を通って直ちに集水管の通水孔から該集水管内に流入する一方、残りの流入雨水は遮水シートで遮られて透水層(砕石層)内に底部付近から順次貯留されていく。そして、その貯留雨水が透水層に集水管の通水孔の高さまで貯留されると、該貯留雨水が通水孔を通って順次集水管内に流入するようになる。
【0020】
従って、この請求項1の排水設備構造では、透水層内に流入した雨水が遮水シートで遮られて排水設備近傍の地盤土壌側に浸透することがなく、しかも大雨時には遮水シートで囲われた透水層が一時的に雨水の貯留場所になる。
【0021】
[本願請求項2の発明]
本願請求項2の発明は、上記請求項1の排水設備構造において、蓋として所定広幅の鉄筋コンクリート板を使用していることを特徴としている。
【0022】
ところで、この種の排水設備上には、車輌の車輪が乗り上げることがあり、そのとき蓋及び透水層(砕石層)を介して集水管に荷重(上載荷重)がかかるが、該集水管の埋設深さが浅い場合には蓋及び透水層(砕石層)を介して該集水管に大きな荷重がかかり、その荷重で集水管が破損する虞れがある。尚、集水管の埋設深さを深くするほど、集水管に対する上記上載荷重の影響が軽減されるが、集水管の埋設深さを深くすると、地盤土壌の掘削量が多くなるとともに充填砕石の量も多くなって工事コストが高くなるとともに、工事がしにくくなる。
【0023】
そこで、この請求項2では、透水層(砕石層)の上に設置される蓋として所定広幅(例えば幅50cm〜100cm×長さ100cm程度)のものを使用していることにより、該蓋にかかる上載荷重を分散でき、集水管に加わる荷重を軽減できる。又、この蓋に鉄筋コンクリート板を使用すると、該蓋の強度が増し、大荷重が加わっても蓋が破損しにくくなる。
【発明の効果】
【0024】
[本願請求項1の発明の効果]
本願請求項1の発明の雨水の排水設備構造では、次のような効果がある。
【0025】
(1) 排水路となる集水管は、使用場所によって管径サイズの異なるものが使用されるが、単一品種(円筒管)のものでよいので、製造メーカーでの型枠投資や在庫品種確保等のコストを大幅に軽減できる。
【0026】
(2) 集水管及び透水層が収容される掘削溝の底面及び両側面を覆うようにして遮水シートを敷設しているので、該遮水シートで透水層と地盤の土壌とを遮断できる。従って、透水層に流入した雨水が地盤土壌側に浸透しなくなり(地盤土壌が過剰含水になりにくい)、且つ地盤土壌側に有害物質が混入している場合には該有害物質成分を含んだ水が集水管内に流入することがない(排水設備からの排水で河川等の水質が汚染されない)。
【0027】
(3) 遮水シートで囲われた透水層が一時的に雨水の貯留場所になり、大雨時にも蓋の集水口から流入した雨水が該集水口から吹き出す(溢れ出る)ことがなくなる。
【0028】
[本願請求項2の発明の効果]
本願請求項2の発明は、上記請求項1の排水設備構造において、蓋として所定広幅の鉄筋コンクリート板を使用しているので、蓋にかかる上載荷重(車輌の車輪が乗り上げたときの荷重)を分散できて集水管に加わる荷重を軽減でき、しかも鉄筋入りにしていることにより蓋の強度が増す。
【0029】
従って、この請求項2の排水設備構造では、上記請求項1の効果に加えて、集水管に対して上載荷重による破壊作用が小さくなることにより、集水管の埋設深さを比較的浅くすることが可能になるという効果がある。尚、集水管の埋設深さを浅くすると、排水設備全体の工事が簡単且つ安価に行える。又、蓋に鉄筋コンクリート板を使用すると、大荷重が加わっても蓋が破損しにくくなる。
【実施例】
【0030】
以下、図1及び図2を参照して本願の実施例を説明すると、図1には第1実施例の排水設備構造が示され、図2には第2実施例の排水設備構造が示されている。
【0031】
図1に示す第1実施例の排水設備構造は、地盤10を掘削して掘削溝1を形成し、該掘削溝1の底面1a及び両側面1b,1bを覆うようにして遮水シート2を敷設し、該遮水シート2で囲われた空所20内の所定深さ位置に集水管3を設置し、前記空所20内の余剰空間に砕石41からなる透水層4を充填し、該透水層4の上部に通水機能を有する蓋5を設けて構成されている。
【0032】
掘削溝1の大きさは、排水設備の設置場所によって所定の設計がなされるが、図1のものでは例えば幅及び深さがそれぞれ50〜60cm程度に設計されている。
【0033】
この掘削溝1の内面に敷設される遮水シート2は、防水機能を有した一般的な合成樹脂シートが使用できる。尚、この遮水シート2は、砕石41に接触するので適度の強靭性を有するものが好ましい。そして、この遮水シート2は、掘削溝1の底面1a及び両側面1b,1bに跨がる幅をもち、且つ掘削溝1の長さ方向に所定長さをもつ1枚もののシートを採用している。尚、この遮水シート2を接続するときには、その接続部を所定幅だけ重合させたり、該接続部を接着剤等で接着して、該接続部からの漏水を防止し得るようにすることが好ましい。
【0034】
集水管3は、使用場所や用途によって管径サイズの異なるものを採用することがあるが、この実施例では、管径が30cm程度のものを使用している。この集水管3には、管本体31の上部側2/3程度の範囲に多数の通水孔32が散点状態で形成されている。尚、管本体31の下部側は、通水孔32のない排水路となっている。
【0035】
この集水管3は、コンクリート管でもよいし、合成樹脂管(例えばポリエチレン管)でもよい。又、集水管3として可撓性のある合成樹脂管を使用したものでは、掘削溝1の形状がカーブしていても、その形状に沿って自由に設置できる。尚、この集水管3は、図示例では1つの掘削溝1に対して1本だけ収容しているが、他の実施例では管径の小さい複数本の集水管を収容してもよい。
【0036】
透水層4には、この実施例では一般的な粒径(例えば直径が20〜40mm程度)の砕石41を使用しているが、小粒径(集水管3の通水孔32より大径)の玉石や粗砂等も使用できる。又、この透水層4には、砕石41に活性炭や焼炭(水の浄化作用がある)を練り込んだ小塊物(例えば直径が20〜40mm程度)を混入させてもよい。さらに、該透水層4の骨材として、他の実施例では石炭ガラ(石炭を焼いた残りカス)を使用してもよい。
【0037】
蓋5は、この実施例では一部に雨水流入用の集水口51を設けたものを使用しているが、蓋全体を通水性のある材料で成形したもの(いわゆるポーラスコンクリート製)でもよい。この蓋5は、所定広幅(例えば幅50cm〜100cm×長さ100cm程度)の鉄筋コンクリート板が使用されている。尚、この蓋5は、大型車が乗り上げる場所では10cm程度の厚さのもの好ましい。
【0038】
そして、図1の第1実施例の排水設備構造は、次のようにして施工される。まず、排水設備が設置される地盤10の土壌を所定幅で所定深さ(例えば幅50〜60cm×深さ50〜60cm)の大きさで、必要長さだけ掘削・排土して掘削溝1を形成し、該掘削溝1の底面1a及び両側面1b,1bに跨がって遮水シート2を敷設する。次に、遮水シート2で囲われた空所20の底部に所定小高さ(例えば10cm程度)だけ砕石41を充填する。尚、この底部砕石41は、掘削溝1の長さ方向に所定の勾配をつけておく。次に、その底部砕石41上に集水管3を設置し、順次必要長さだけ集水管3を連続させる。この場合、集水管3の各通水孔32が上面に向く姿勢で設置する。次に、空所20内の余剰空間に砕石41を充填し(透水層4となる)、該透水層4を転圧する。尚、砕石41は転圧してもほとんど沈み込まない。そして、該透水層(砕石層)4の上に蓋5を載せ、該蓋5の側縁に舗装(符号7)を施せば工事が完了する。
【0039】
この第1実施例の排水設備構造では、降雨時に蓋5の集水口51から雨水W0が流入し、その流入雨水W0が透水層4の隙間を通って流下する。そして、その流下雨水の一部は、集水管3の表面に接触してその各通水孔32から符号W1で示すように集水管3内に流入して該集水管3内の底部を流れる(符号W)。又、集水管3に直接流入しなかった流入雨水W0は、透水層4の隙間を通って空所20の底部(遮水シート2上)まで達してそこで一時的に貯留される。尚、空所20の底部は、集水管3とともに勾配をもっており、該空所底部に達した雨水は徐々にではあるが透水層4の隙間を通って流下する。
【0040】
そして、この第1実施例の排水設備構造では、透水層4を遮水シート2で囲っているので、蓋5の集水口51から透水層4に流入した雨水W0が地盤10の土壌側に浸透しなくなり(地盤土壌が過剰含水しにくくなる)、且つ地盤土壌側からも水が透水層4側に流入することがない。
【0041】
又、蓋5の集水口51からの雨水流入量が多いと、空所20の底部に貯留される水嵩が増えるが、その貯留雨水の上面が集水管3の下端寄り通水孔32まで達すると、該通水孔32から集水管3内に流入するので、大雨時であっても空所20内には一定高さ(下端寄り通水孔32の高さ)までしか雨水が貯留されない(透水層4部分が雨水で満杯状態になりにくい)。従って、透水層4に流入した雨水が蓋5の集水口51から吹き出す(漏れ出す)ことはない。
【0042】
又、蓋5には所定広幅(例えば50cm×100cm)の鉄筋コンクリート板を使用しているので、蓋5上に大型車輌の車輪が乗り上げたとき(蓋5に大荷重がかかる)でも、該蓋5にかかる上載荷重を分散できて集水管3に加わる荷重を軽減できる。しかも、この蓋5は、鉄筋入りであるので強度が増し、蓋が割れることがない。このように蓋5として広幅で鉄筋コンクリート板を使用すると、集水管3に対して上載荷重による破壊作用が小さくなることにより、集水管3の埋設深さを比較的浅くすることが可能になる(排水設備全体の工事が簡単且つ安価に行える)。
【0043】
図2の第2実施例の排水設備構造は、上記第1実施例の変形例を示している。この第2実施例では、掘削溝1の底部に所定小高さだけ埋戻し土6を充填しているが、この埋戻し土6の上面が実質的に掘削溝1の底部1aとなる。尚、埋戻し土6における集水管3が設置される部分には、該集水管3の底部を収容するための凹部が形成される。そして、その埋戻し土6の上面と掘削溝1の両側面1a,1aに跨がって遮水シート2を敷設し、該遮水シート2の底部上に集水管3を設置し、その後、遮水シート2で囲われた空所20の余剰空間に砕石41からなる透水層4を充填するとともに、該透水層4の上に集水口51付きの蓋5を載置している。
【0044】
この図2の第2実施例では、遮水シート2で囲われた空所20の底部が集水管3の下部寄り通水孔32の付近まで嵩上げされており、該空所20内の底部付近まで流入した雨水W0のほとんどが速やかに通水孔32を通って集水管3内に流入するようになっている。
【0045】
尚、第2実施例におけるその他の構成及び機能は、上記第1実施例のものと同じであるので、第1実施例の説明を援用する。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本願第1実施例の排水設備構造の断面図である。
【図2】本願第2実施例の排水設備構造の断面図である。
【図3】従来例の排水設備構造の断面図である。
【図4】別の従来例の排水設備構造の断面図である。
【符号の説明】
【0047】
1は掘削溝、2は遮水シート、3は集水管、4は透水層、5は蓋、10は地盤、20は空所、31は管本体、32は通水孔、41は砕石、51は集水口である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地盤(10)を掘削して排水路設置用の掘削溝(1)を形成し、該掘削溝(1)の底面(1a)及び両側面(1b,1b)を覆うようにして遮水シート(2)を敷設し、該遮水シート(2)で囲われた空所(20)内の所定深さ位置に集水管(3)を設置し、前記空所(20)内の余剰空間に砕石等からなる透水層(4)を充填しているとともに、該透水層(4)の上部に通水機能を有する蓋(5)を設けていることを特徴とする排水設備構造。
【請求項2】
請求項1において、蓋(5)として所定広幅の鉄筋コンクリート板を使用していることを特徴とする排水設備構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−133110(P2009−133110A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−310244(P2007−310244)
【出願日】平成19年11月30日(2007.11.30)
【出願人】(502443105)有限会社アスラック (15)
【Fターム(参考)】