排泄検知システム
【課題】費用面に優れ、かつ、介護者又は育児者の負担がなく、さらに、被介護者又は乳幼児が不快になることがなく排泄検知できる非接触型の排泄検知システムを提供する。
【解決手段】
被介護者又は乳幼児が載置されるベッド用マットレス40は、載置される側に複数の孔41aを有する複数のガス経路41を形成して構成される。排泄物から発生するガスであって、各ガス経路41の端部に設けた吸引ポンプ42より吸引されたガスを検知してガス検知信号を出力する可搬型ガス検知手段44と、ガス検知信号に基づいてガスの出力の変化の有無を判定しガスの出力変化があった場合にガス出力変化検知信号を出力する手段と、ガス出力変化検知信号に基づいてガスの出力の変化が増加した場合に排泄があったと判定する手段と、排泄判定を報知する手段と、ガス出力変化検知信号の出力、又は、排泄判定、又は、報知手段による報知の少なくとも何れかを記録する手段を有する。
【解決手段】
被介護者又は乳幼児が載置されるベッド用マットレス40は、載置される側に複数の孔41aを有する複数のガス経路41を形成して構成される。排泄物から発生するガスであって、各ガス経路41の端部に設けた吸引ポンプ42より吸引されたガスを検知してガス検知信号を出力する可搬型ガス検知手段44と、ガス検知信号に基づいてガスの出力の変化の有無を判定しガスの出力変化があった場合にガス出力変化検知信号を出力する手段と、ガス出力変化検知信号に基づいてガスの出力の変化が増加した場合に排泄があったと判定する手段と、排泄判定を報知する手段と、ガス出力変化検知信号の出力、又は、排泄判定、又は、報知手段による報知の少なくとも何れかを記録する手段を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被介護者又は乳幼児の排泄を検知する排泄検知システムに関し、特に、繰り返し使用可能な非接触型の排泄検知システムに関する。
【背景技術】
【0002】
被介護者又は乳幼児等の尿失禁検知の手法として、濡れセンサを用いた尿失禁検知システム、ガスセンサを用いた尿失禁検知システムがある。濡れセンサを用いた尿失禁検知システムは、例えばおむつに直接センサを埋め込み、センサが直接尿に触れることによって生じる電位差に基づいて尿を検知している。ガスセンサを用いた尿失禁検知システムの場合、尿に含まれる尿素、アンモニア等の化学物質を検知し、尿を検知している。ガスセンサを用いた尿失禁検知システムの例を非特許文献1乃至4に示す。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】菊池正志、白鳥世明、“導電性高分子を用いたアンモニアガスセンサ”、電気情報通信学会、pp.55-99, 2001
【非特許文献2】加藤陽、向井利春、“人と接するロボットのための尿失禁検知ガスセンサ”、第六回システムインテグレ―テーション部門学術講演会(SI2005),pp.225-226, 2005
【非特許文献3】筒口善央、米澤保人、山田有河、“排便検知センサシステムの開発”、技術ふれあいミレニアム2000 発表会要旨集,2000 年
【非特許文献4】野方誠、小川和宏、河野正洋、“高齢者見守りロボット用高性能センサの開発”、日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会’04 講演論文集、2004
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、濡れセンサを用いた尿失禁検知システムの場合、濡れセンサを毎回使い捨てることが必須であり継続してコストがかかる。さらに、おむつ替えのたびにセンサの取付けを行わなければならず、手間もかかる。さらに、多様な利用者が集う介護施設、病院等では個々のサイズに合ったおむつを用意しなければならず、やはりコストがかかる。一方で、ガスセンサを用いた尿失禁検知システムの場合には、センサを毎回使い捨てるコストと手間はない。しかし、ガスを検知する際、空気を吸入するためにチューブを直接おむつ内に挿入しなければならないため、介護者の業務負担は依然として発生することとなる。さらに、被介護者もチューブがおむつ内に挿入されることで不快感を覚えるという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、このような問題等に鑑みて、費用面に優れ、かつ、介護者の負担がなく、さらに、被介護者又は乳幼児が不快になることがなく、排泄を検知することができる非接触型の排泄検知システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の排泄検知システムは、被介護者又は乳幼児の排泄を検知する排泄検知システムにおいて、前記被介護者又は前記乳幼児が載置される載置台は、前記被介護者又は前記乳幼児が載置される側に複数の孔を有する複数のガス経路を内部に形成して構成され、排泄物から発生するガスであって、各前記ガス経路の端部に設けた空気吸引ポンプより吸引されたガスを検知してガス検知信号を出力するガス検知手段と、前記ガス検知手段からのガス検知信号に基づいてガスの出力の変化の有無を判定し、ガスの出力の変化があった場合にガス出力変化検知信号を出力するガス検知出力変化検知手段と、前記ガス検知出力変化検知手段からのガス出力変化検知信号に基づいて、ガスの出力の変化が増加した場合に排泄があったと判定する排泄判定手段と、前記排泄判定手段が排泄を判定したことを報知する報知手段と、前記ガス検知出力変化検知手段によるガス出力変化検知信号の出力、又は、前記排泄判定手段による排泄判定、又は、前記報知手段による報知の少なくとも何れかを記録する記録手段と、を有することを特徴とする。
【0007】
前記ガス検知手段は前記載置台に取り外し可能に設けてもよい。
【0008】
本発明の排泄検知システムは、被介護者又は乳幼児の排泄を検知する排泄検知システムにおいて、排泄物から発生するガスを検知してガス検知信号を出力するガス検知手段と、前記ガス検知手段からのガス検知信号に基づいてガスの出力の変化の有無を判定し、ガスの出力の変化があった場合にガス出力変化検知信号を出力するガス検知出力変化検知手段と、前記ガス検知出力変化検知手段からのガス出力変化検知信号に基づいて、ガスの出力の変化が増加した場合に排泄があったと判定する排泄判定手段と、前記排泄判定手段が排泄を判定したことを報知する報知手段と、を有し、少なくとも前記ガス検知手段、前記ガス検知出力変化検知手段及び前記排泄判定手段が、前記被介護者又は前記乳幼児が載置される載置台に構成されることを特徴とする。
【0009】
本発明の排泄検知システムは、被介護者又は前記乳幼児の排泄を検知する排泄検知システムにおいて、湿度変化を検知する湿度検知手段と、前記湿度検知手段からの湿度検知信号に基づいて湿度の変化の有無を判定し、湿度の変化があった場合に湿度変化検知信号を出力する湿度検知出力変化検知手段と、前記湿度検知出力変化検知手段からの湿度変化検知信号に基づいて、湿度の出力の変化が増加した場合に排泄があったと判定する排泄判定手段と、前記排泄判定手段が排泄を判定したことを報知する報知手段と、を有し、少なくとも前記湿度検知手段、前記湿度検知出力変化検知手段及び前記排泄判定手段が、前記被介護者又は前記乳幼児が載置される載置台に構成されることを特徴とする。
【0010】
格子状その他の配置で平面状に敷き詰めて構成される複数の空気吸引ポンプを有し、前記複数の空気吸引ポンプは、前記排泄物から発生するガスを吸引し、ガス検知手段を有する場合には、前記ガス検知手段は、前記複数の空気吸引ポンプにより吸引された前記ガスを検知し、湿度検知手段を有する場合には、前記湿度検知手段は、前記複数の空気吸引ポンプにより吸引された前記ガスの湿度を検知し、前記複数の空気吸引ポンプは、前記被介護者又は前記乳幼児が載置される載置台に敷き詰めて構成してもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、費用面に優れ、かつ、介護者の負担がなく、さらに、被介護者又は乳幼児が不快になることがなく排泄を検知することができる非接触型の排泄検知システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施形態の排泄検知シートの構成を示すブロック図である。
【図2】(A)は、排泄検知シートの構成説明図である。(B)は図2(A)のA−A断面図である。
【図3】他の実施例1による排泄検知システムの概略構成図である。
【図4】他の実施例1の構成によるセンサ部24のガスセンサの出力と、湿度センサの出力を示すグラフである。
【図5】(A)は、他の実施例2の概略構成図である。(B)は図5(A)をA方向から見た平面図である。(C)は図5(B)のA−A断面図である。
【図6】他の実施例3の排泄検知システムに用いられるベッド用マットレスの斜視図である。
【図7】図6の要部A−A断面図である。
【図8】図6の要部B−B断面図である。
【図9】チューブ41cを備える場合の図6の要部A−A断面図である。
【図10】チューブ41cを備える場合の図6の要部B−B断面図である。
【図11】可搬型ガス検知手段の外観図である。
【図12】可搬型ガス検知手段の内部概略構成図である。
【図13】シートを用いた場合の平面図である。
【図14】他の実施例3の排泄検知システムの概略システム構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の排泄検知システムを被介護者用の排泄検知シートに適用した場合を例に説明する。
【0014】
図1は、本実施形態の排泄検知シートの構成を示すブロック図である。図2(A)は、排泄検知シートの構成説明図である。図2(B)は図2(A)のA−A断面図である。図2(A)及び図2(B)において被介護者を破線にて示す。排泄検知シート10の領域を示すエリア10a及び10Bを一点鎖線で示す。
【0015】
本実施形態の排泄検知シート10は、排泄物(排便、尿)から発生するガスを検知してガス検知信号を出力するガス検知手段としてのガスセンサ2Aを備えるセンサ部2と、ガスセンサ2Aからのガス検知信号に基づいてガスの出力の変化の有無を判定し、ガスの出力の変化があった場合にガス出力変化検知信号を出力するガス検知出力変化検知手段3Aaを含む変化検知手段3A、及びガス検知出力変化検知手段3Aaからのガス出力変化検知信号に基づいて、排泄の有無を判定する排泄判定手段3Bを備える情報処理部3と、情報処理部3の排泄判定手段3Bが排泄があったことを判定したことを報知する報知手段4を備える。排泄検知シート10は、被介護者が載置されるベッド又は布団又はベッド用マットレス等の載置台5に構成される。なお、本実施形態のガスセンサ2Aは、空気吸引手段1により吸引された排泄物から発生するガスを検知するよう構成したが、ガスセンサ2の精度が高い場合には空気吸引手段1は無くてもよい。
【0016】
空気吸引手段1は複数の空気吸引ポンプとしての超小型空気ポンプにより構成される。例えば、株式会社村田製作所製マイクロブロア(サイズ20 x 20 x 1.85mm)を用いる。格子状その他の配置で平面状に敷き詰めて構成される複数の超小型空気ポンプが排泄物から発生するガスを吸引する。
【0017】
センサ部2は、ガス検知手段としてのガスセンサ2Aと、圧力センサ2Bと、湿度検知手段としての湿度センサ2Cを備える。ガスセンサ2Aは、空気中の成分を検知する。具体的には、空気吸引手段1により吸引された排泄物から発生する尿素、アンモニア等の化学物質を検知する。ガスセンサ2Aは、例えば、フィガロ技研株式会社製TGS2602を用いる。圧力センサ2Bは、排泄検知シート10上に載置される被介護者の重さに起因する圧力を検知し、圧力検知信号を出力する。湿度センサ2Cは、尿失禁の際の空気の相対湿度変化を検知し、湿度検知信号を出力する。具体的には、空気吸引手段1により吸引された排泄物から発生するガスの湿度を検知する。湿度センサ2Cは、例えば、TDK株式会社製CHS−GSSを用いる。
【0018】
情報処理部3は、変化検知手段3A、排泄判定手段3B及び発作判定手段3Cを備える。具体的にはマイクロコンピュータ等により構成される。マイクロコンピュータとしては、例えば、ルネサンスエレクトロニクス株式会社製H8/3694Fを用いる。
【0019】
変化検知手段3Aは、ガス検知出力変化検知手段3Aa、圧力検知出力変化検知手段3Ab、湿度検知出力変化検知手段3Acより構成される。ガス検知出力変化検知手段3Aaは、ガスセンサ2Aからのガス検知信号に基づいてガスの出力の変化の有無を判定し、ガスの出力の変化があった場合にガス出力変化検知信号を排泄判定手段3Bに出力する。圧力検知出力変化検知手段3Abは、圧力センサ2Bからの圧力検知信号に基づいて圧力の変化の有無を判定し、圧力の変化があった場合に圧力変化検知信号を発作判定手段3Cに出力する。湿度検知出力変化検知手段3Acは、湿度センサ2Cからの湿度検知信号に基づいて湿度の変化の有無を判定し、湿度の変化があった場合に湿度変化検知信号を排泄判定手段3Bに出力する。
【0020】
排泄判定手段3Bは、変化検知手段3Aからガス出力変化検知信号又は湿度変化検知信号を受信すると、各信号に基づいて、排泄の有無を判定する。具体的には、変化検知手段3Aからのガス出力変化検知信号に基づくガス出力の変化が増加した場合、又は、ガスの出力が所定閾値レベル以上となった場合に、排泄があったと判定する。また、変化検知手段3Aからの湿度変化検知信号に基づく湿度の変化が増加した場合、又は、湿度が所定閾値レベル以上となった場合に、排泄があったと判定する。そして、排泄判定手段3Bは、排泄があったと判定した場合に、排泄報知信号を報知手段4に出力する。
【0021】
発作判定手段3Cは、変化検知手段3Aから圧力検知信号を受信すると、圧力検知信号に基づいて発作の有無を判定する。具体的には、変化検知手段3Aからの圧力検知信号に基づく圧力の変化が増加した場合、又は、所定閾値レベル以上となった場合に発作があったと判定する。また、圧力の変化が発作特有の圧力変化となった場合に、発作があったと判定してもよい。そして、発作判定手段3Cは、発作があったと判定した場合に、発作報知信号を報知手段4に出力する。
【0022】
報知手段4は、排泄があったこと又は発作があったことを知らせる警報装置と情報の授受が可能に構成された情報送受信部を備える。報知手段4が排泄判定手段3Bから排泄報知信号を受信すると、情報送受信部を介して無線又は有線によりブザー、ランプ、バイブレータ、表示部等からなる警報装置により、主として介護者に対して排泄報知する。また、報知手段4が発作判定手段3Cから発作報知信号を受信すると、情報送受信部を介して無線又は有線により警報装置により主に介護者に対して発作報知する。排泄報知と発作報知で異なる報知方法としてもよい。発作の場合は緊急を要するため、すべての警報装置を作動させ、又は、所定回線(例えば、ナースセンター等)に電話が繋がるよう構成してもよい。
【0023】
このような排泄検知シート10は、布団、ベッド又はベッド用マットレスなどの載置台5上に敷かれ、排泄検知シート10上に被介護者が載置されて使用される。
【0024】
排泄検知シート10のエリア10bには圧力センサ2Cが備えられる。エリア10aには、ガスセンサ2A、圧力センサ2B、湿度センサ2C、情報処理部3、報知手段4が備えられる。また、エリア10aには、空気吸引手段1を構成する複数の空気吸引ポンプが平面上に敷き詰めて構成される。さらに、エリア10aには、各センサ2A〜2C及び情報処理部3及び報知手段4に必要な電力を供給する電源回路(不図示)が備えられる。なお、本実施形態では、報知手段4もシート内に含むよう構成したが、外部に構成してもよい。この場合、情報処理部3からの信号がコード、バス、有線ケーブル、無線ケーブル等を介して外部に備えた報知手段4に出力される。
【0025】
なお、エリア10a及び10bは各種部材により被介護者が不快に感じることのないよう、上面を平滑に構成することが好ましい。例えば、排泄検知シート10内部に備えた各センサ2A〜2Cの感度を考慮して上面を布、不織布等で覆う。布、不織布等は、各センサ2A〜2Cのセンシングを妨げない程度の厚み、材質であることが好ましい。
【0026】
以上説明した排泄検知シート10によれば、ガスセンサ2A、湿度センサ2Cを用いて繰り返し使用可能に構成したので、費用面に優れた排泄検知シートを提供することができる。さらに、排泄検知シート10をシート状に構成し載置台5上に敷いて被介護者が載置されるように構成したので、介護者の負担がなく、また、被介護者が不快になることがなく、排泄を検知することが可能になる。
【0027】
なお、発作判定手段3Cは、発作に限らず、被介護者が正しい姿勢で横たわっているか否か、床ずれの危険がないか否かの判定に用いてもよい。例えば、被介護者が長時間同じ姿勢でいること、悪姿勢で横たわっていること等を圧力検知信号に基づいて検知してもよい。例えば、所定時間以上圧力検知信号の出力が変わらない場合に床ずれの危険があると判定し、報知手段4に対して報知信号を出力してもよい。このように、圧力センサ2B、圧力検知出力変化検知手段3Ab及び発作判定手段3Cを備えたので、発作報知、床ずれの防止にも対応できるため、総合的な介護支援シート(介護支援システム)を実現できる。
【0028】
次に、本発明の排泄検知システムの他の実施例1及び2及び3について説明する。
【0029】
図3は、他の実施例1による排泄検知システムの概略構成図である。他の実施例1は、吸引ポンプ、センサ部、データ処理部等を外部に設置し、布団、シート、ベッド又はベッド用マットレスなどの載置台内に組み込んだ空気吸引口からチューブを介して空気を吸引してガス出力変化、湿度変化を検知するよう構成した。
【0030】
空気吸引口21を布団、シート、ベッド又はベッド用マットレスなどの載置台22内に組み込んで構成する。そして、吸引ポンプ23とセンサ部24とデータ処理部25を載置台22の外部に設置する。吸引ポンプ23により、空気吸引口21からチューブ26を介して空気を吸引する。吸引された空気がセンサ部24にてチューブ26を介してセンサ部24にて検知される。なお、被介護者が不快に感じることのないよう、空気吸引口21を組み込んだ載置台22の上面は平滑に構成することが好ましい。例えば、上面を布、不織布等で覆う。布、不織布等は、空気吸引口21の吸引を妨げない程度の厚み、材質であることが好ましい。
【0031】
センサ部24は、ガスセンサ(不図示)、湿度センサ(不図示)を有する。データ処理部25は、変化検知手段(不図示)及び排泄判定手段(不図示)を有する。データ処理部25は、センサ部24からの信号に基づいて排泄を判定する。データ処理部25にて排泄が判定されると、報知手段(不図示)により排泄報知される。
【0032】
なお、他の実施例1に備えるガスセンサ、湿度センサの動作及び装置例は、上述したガスセンサ2A及び湿度センサ2Cの動作及び装置例と同様であるため説明を省略する。また、データ処理部25の動作は、上述した情報処理部3の動作及び装置例と同様であるため説明を省略する。具体的には、変化検知手段は、ガス検知出力変化検知手段(不図示)及び湿度検知出力変化検知手段(不図示)を有する。そして、ガス検知出力変化検知手段は、上述したガス検知出力変化検知手段3Aaと同様の動作を行う。また、湿度検知出力変化検知手段は、上述した湿度検知出力変化検知手段3Acと同様の動作を行う。また、排泄判定手段の動作は、上述した排泄判定手段3Bと同様であるため説明を省略する。さらに、報知手段(不図示)の動作は、上述した報知手段4の動作と同様であるため説明を省略する。
【0033】
図4は、他の実施例1の構成によるセンサ部24のガスセンサの出力と、湿度センサの出力を示すグラフである。実際の介護施設にて利用されているおむつを着用し、排尿を行った際の各センサの出力である。横軸は実時間軸(時刻)であり、30[sec]毎に補助線が引いてある。縦軸は、ルネサンスエレクトロニクス株式会社製H8/3694Fマイクロコンピュータを用いた10bitAD変換値である。太線で示す時刻Tは、排尿が行われた時間である。
【0034】
図4(A)は、図3において排泄地点X1から空気吸引口21の地点X2までの距離Lが0mmである場合のガスセンサのAD出力である。図4(B)は、図3において排泄地点X1から空気吸引口21の地点X2までの距離Lが0mmである場合の湿度センサのAD出力である。空気吸引口21の地点X2とは、下部に空気吸引口21が組み込まれている載置台22上の地点を指す。図4(A)及び図4(B)より、排泄後に、ガスセンサ、湿度センサ共にAD出力が増加し、排泄が検知されていることが分かる。
【0035】
一方、図4(C)は、排泄地点X1から空気吸引口21の地点X2までの距離Lが100mmである場合のガスセンサのAD出力である。図4(D)は、図3において排泄地点X1から空気吸引口21の地点X2までの距離Lが100mmである場合の湿度センサのAD出力である。図4(C)に示すように、距離Lが100mmとなった場合でも、ガスセンサは、排泄後にAD出力が増加し、排泄が検知されていることが分かる。しかし、図4(D)に示すように、距離Lが100mmとなると、湿度センサは排泄後でもAD出力の増加は見られず、排泄が検知されていない。以上より、被介護者の体格、体型、性別等を考慮して、空気吸引口21はガスセンサ及び湿度センサが排泄を検知できる位置を予め特定しておき、当該位置に空気吸引口21を設置することが好ましい。
【0036】
以上説明したように、他の実施例1による排泄検知システムによれば、ガスセンサ、湿度センサを用いて繰り返し使用可能に構成したので、費用面に優れた排泄検知システムを提供することができる。また、センサが使い捨てでないため、介護者の負担もない。さらに、被介護者に非接触な構成としたので、被介護者が不快になることがなく、排泄を検知することが可能になる。
【0037】
次に、他の実施例2及び他の実施例3について説明する。他の実施例2及び3は、本発明の排泄検知システムをベッド用マットレスに適用した場合の実施例である。
【0038】
図5(A)は、他の実施例2の概略構成図である。図5(B)は図5(A)をA方向から見た平面図であり、図5(C)は図5(B)のA−A断面図である。センシングプレート31は、ベッド用マットレス30のほぼ全面にわたって備えられる。センシングプレート31には、圧力センサ(不図示)、ガスセンサ(不図示)、湿度センサ(不図示)が備えられている。圧力センサ(不図示)はセンシングプレート31の略全面に備えられることが好ましい。ガスセンサ及び湿度センサは、被介護者がベッド用マットレス30に載置された場合に、下半身が載置される位置に備えられることが好ましい。具体的には、被介護者が仰向けに載置された場合に臀部の位置に備えられることが好ましい。図5(A)(B)の例では、センシングプレート31の下部に備えた情報処理部33上に備えることが好ましい。
【0039】
機器収納部32は、被介護者がベッド用マットレス30に載置された場合に、下半身が載置される位置に備えられることが好ましい。具体的には、被介護者が仰向けに載置された場合に臀部及び臀部周辺位置に備えられることが好ましい。
【0040】
機器収納部32は、内部に情報処理部33、電源回路34、報知手段35を備える。電源回路34は配線用差込接続器37及び電源用配線36を介して各センサ及び情報処理部33及び報知手段35に電力を供給するためのものである。
【0041】
なお、ガスセンサ(不図示)、圧力センサ(不図示)及び湿度センサ(不図示)の動作及び装置例は、上述したガスセンサ2A、圧力センサ2B及び湿度センサ2Cの動作及び装置例と同様であるため説明を省略する。情報処理部33の動作は、上述した情報処理部3の動作と同様であるため説明を省略する。報知手段35の動作は、上述した報知手段4の動作と同様であるため説明を省略する。
【0042】
以上説明したように、他の実施例2によるベッド用マットレス30によれば、ガスセンサ2A、湿度センサ3Cを用いて繰り返し使用可能に構成したので、費用面に優れた排泄検知システムを提供することができる。さらに、各センサ、情報処理部33等構成部材をベッド用マットレス30内に組み込んで構成し、介護者の負担がなく、また、被介護者が不快になることがなく、排泄を検知することが可能になる。
【0043】
なお、上述した他の実施例2では、本発明の排泄検知システムをベッド用マットレス30に適用したが、被介護者が載置される載置台であれば、ベッド用マットレスでなくともよい。例えば、敷布団、ベッド、シート、その他の載置台でも本発明を適用することができる。
【0044】
また、各実施例ではガスセンサと湿度センサを共に排泄検知用の検知器として用いたが、ガスセンサのみ、湿度センサのみを検知器として用いてもよい。
【0045】
さらに、ガスセンサと湿度センサを用いた場合に、排泄判定手段3Bは、ガス出力変化検知信号に基づいて排泄があったか否かを判定し、湿度変化検知信号に基づいて排泄があったか否かを判定するが、いずれか一方の信号に基づいて排泄があったと判定できる場合には、排泄があったものとして判定してもよく、ガス出力変化検知信号及び湿度変化検知信号共に排泄があったと判定できる場合にのみ、排泄があったものとして判定してもよい。ガスセンサ、湿度センサの感度等に応じて適宜判定条件を変えてもよい。
【0046】
図6は、他の実施例3の排泄検知システムに用いられるベッド用マットレスの斜視図である。図7は、図6の要部のA−A断面図であり、図8は図6の要部のB−B断面図である。ベッド用マットレス40は、載置台の一例であり、例えばウレタン等により構成される。ベッド用マットレス40は複数のガス経路41を備える。
【0047】
ガス経路41は、被介護者がベッド用マットレス40上に載置された場合に、下半身が載置される位置に備えられることが好ましい。具体的には、被介護者が仰向けに載置された場合に臀部の位置に備えられることが好ましい。ガス経路41は、チューブ状の空洞部41bから成り、当該空洞部41bの被介護者が載置される側には、複数の孔41aが形成されている。
各ガス経路41の端部には、空気吸引ポンプ42(以下、吸引ポンプと言う。)が備えられている。吸引ポンプ42は、例えば、株式会社村田製作所製マイクロブロア(サイズ20 x 20 x 1.85mm)を用いる。吸引ポンプ42は、コネクタ43に具備される電源供給部(不図示)からの電源供給を受けて起動する。
コネクタ43は、後述するガス検知手段等を備える。図6中コネクタ43は複数の吸引ポンプ42の下部に備えているが、吸引ポンプ42からのガスを検知できればよく、設置位置は限定されない。
【0048】
ベッド用マットレス40上に載置された被介護者の排泄物から発生するガスが、吸引ポンプ42により吸引されて、孔41aを介して空洞部41b内に取り込まれる。そして、空洞部41b中を経由してコネクタ43に備えるガス検知手段が当該ガスを検知する。
孔41aは、ガス経路41の方向に沿って配列されて設けられることが好ましい。図7は孔41aが形成されていない位置における図6の要部A−A断面を示しており、図8は孔41aが形成された位置における図6の要部B−B断面を示している。
【0049】
ガス経路41の空洞部41bにゴム材、樹脂材等から構成されるチューブ41cを備えてもよい。図9及び図10は空洞部41bにチューブ41cを備えた場合の要部断面図であり、図9は孔41aが形成されていない位置における図6の要部A−A断面図であり、図10は孔41aが形成された位置における図6の要部B−B断面図である。ベッド用マットレス40の孔41aが形成される箇所の肉厚は、例えば、数十mm程度である。そのため、例えば、ベッド用マットレス40のウレタン材料の硬度が小さく、被介護者が載置された際に、ガス経路41、すなわち孔41a又は空洞部41bが塞がってしまう場合等に、チューブ41cを介してガスの集気が可能になるため有用である。
【0050】
図11はコネクタ43に具備されるガス検知手段等を備える可搬型ガス検知手段44の外観図であり、図12は可搬型ガス検知手段44の内部概略構成図である。図11に示すように、可搬型ガス検知手段44は、筐体に窓部44aを備える。上述した吸引ポンプ42が吸引したガスが窓部44aを介して可搬型ガス検知手段44内部に取り込まれる。
可搬型ガス検知手段44は、ガス検知手段としてのガスセンサ45、吸引ポンプ42、各種の蓄電池又は各種市販電池(例えば、単三電池)から成る電源部46を備える。可搬型ガス検知手段44は、コネクタ43から取り外して持ち運びが可能に構成されている。
【0051】
可搬型ガス検知手段44がコネクタ43に設置される際には、各ガス経路41の端部に設けられる吸引ポンプ42からのガスをガスセンサ45が検知し、通信網(後述する)を介してガス検知信号を外部へ送信する。ガスセンサ45は、コネクタ43に具備される電源供給部(不図示)からの電源供給を受けて起動する。また、電源部46が例えばリチウムイオン電池等の蓄電池により構成される場合、コネクタ43に具備される電源供給部(不図示)からの電源供給を受けて電源部46が充電される。
例えば、被介護者又は乳幼児の外出時等、可搬型ガス検知手段44がコネクタ43から取り外され持ち出して使用される際には、可搬型ガス検知手段44に備える吸引ポンプ42及びガスセンサ45が電源部46からの電源供給を受けて起動する。可搬型ガス検知手段44に備える吸引ポンプ42が窓部44aを介して外部からのガスを吸引し、ガスセンサ45がガスを検知する。可搬型ガス検知手段44は、例えば被介護者又は乳幼児の臀部付近等に携帯する。
【0052】
図13は載置台の一例としてシート60を用いた場合の平面図である。シート60に複数のガス経路61を設ける。各ガス経路61の端部に吸引ポンプ62を夫々設ける。吸引ポンプ62にて吸引されたガスは、コネクタ63に備えた可搬型ガス検知手段64に備えるガスセンサ(不図示)にて検知される。ガス経路61のその他の構成はガス経路41と同様であり、吸引ポンプ62のその他の構成は吸引ポンプ42と同様であり、コネクタ63のその他の構成はコネクタ43と同様であり、可搬型ガス検知手段64のその他の構成は可搬型ガス検知手段44と同様であるため説明を省略する。
【0053】
図14は、他の実施例3の排泄検知システムの概略システム構成図である。ベッド用マットレス40のコネクタ43は、USB端子、ブルートゥースモジュール、TA(Terminal Adapter)端子及び充電などのためのDock端子などを含み、通信網50(例えば、インターネット通信、LANケーブル、Dockコネクタ、USBケーブル等の有線、又は、Bluetooth(登録商標)、無線LAN(IEEE802.11規格等のWi−Fi等)、赤外線(IrDA DATA1.0等)等の無線による通信)、ターミナル51、Wi−Fiアクセスポイント52を介して、システム管理者、介護者等のユーザ53が操作するスマートフォン54、クラウド55内のサーバ又はコンピュータ55a、ナースセンター等に設置されるローカルシステム56内のコンピュータ56aと、通信可能に構成する。
【0054】
スマートフォン54、クラウド55内のサーバ又はコンピュータ55a、ローカルシステム56内のコンピュータ56aは、各装置に備えたアプリケーションにより、ガス検知出力変化検知手段、排泄判定手段、報知手段、記録手段の何れかの手段又は全ての手段として機能する。具体的には、スマートフォン54、クラウド55内のサーバ又はコンピュータ55a、ローカルシステム56内のコンピュータ56aは、通信網50等を介してコネクタ43に備えるガスセンサ45によるガス検知信号を受信し、当該ガス検知信号に基づいて、ガスの出力の変化の有無を判定し、ガスの出力の変化があった場合にガス出力変化信号を出力する。そして、ガス出力変化検知信号に基づいて、ガスの出力の変化が増加した場合に、排泄があったと判定する。また、排泄を判定したことを報知する。さらに、ガス出力変化検知信号の出力、又は、排泄判定、又は、報知の少なくともいずれかを装置内部のハードディスク等の記録手段に記録する。なお、スマートフォン54、クラウド55内のサーバ又はコンピュータ55a、ローカルシステム56内のコンピュータ56aの全てがガス検知出力変化検知手段、排泄判定手段、報知手段、記録手段として機能する構成には限定されない。コネクタ43からの情報の授受が可能に接続されたスマートフォン54、クラウド55内のサーバ又はコンピュータ55a、ローカルシステム56内のコンピュータ56aの何れかが、ガス検知出力変化検知手段、排泄判定手段、報知手段、記録手段の何れかの手段として機能するよう構成する。例えば、ローカルシステム56内のコンピュータ56aのみがこれらの全ての手段として機能し、スマートフォン54、クラウド55内のサーバ又はコンピュータ55aは報知手段としてのみ機能してもよい。また、スマートフォン54がガス検知出力変化検知手段、排泄判定手段、報知手段として機能し、ローカルシステム56内のコンピュータ56aがスマートフォン54からの情報を受信して記録手段として機能してもよい。
【0055】
さらに、上述した実施例では、ガスセンサとガス検知出力変化検知手段により、ガス出力変化の有無により排尿判定するよう構成したが、湿度を検知してもよい。この場合、湿度検知手段としての湿度センサを可搬型ガス検知手段44内に設け、可搬型ガス検知手段44を湿度変化を検知する湿度検知手段としても機能させる。そして、スマートフォン54、クラウド55内のサーバ又はコンピュータ55a、ローカルシステム56内のコンピュータ56aの何れかが湿度検知出力変化検知手段として機能させればよい。そして、排泄判定手段は、湿度検知出力変化検知手段からの湿度変化検知信号、又は、ガス検知出力変化検知手段からのガス出力変化検知信号の何れか一方又は双方に基づいて、排泄があったと判定するよう構成する。
【0056】
上述した各実施例について、ガスセンサとしてアンモニアガスを検知するセンサと臭気ガスを検知するセンサの双方のセンサを使用し、排尿であるか排便であるかを判別可能に構成してもよい。また、ガスセンサ、湿度センサ、圧力センサに温度依存性があることから、温度補償を行うための温度センサをさらに設けてもよい。
【0057】
本発明の適用範囲は上記実施形態に限定されることはない。本発明は、被介護者又は乳幼児に非接触で排泄を検知することができる排泄検知システムに対し、広く適用することができる。
【符号の説明】
【0058】
10 排泄検知シート, 10a、10b エリア, 1 空気吸引手段(空気吸引ポンプ), 2 センサ部, 2A ガスセンサ, 2B 圧力センサ, 2C 湿度センサ, 3 情報処理部, 3A 変化検知手段, 3Aa ガス検知出力変化検知手段, 3Ab 圧力検知出力変化検知手段, 3Ac 湿度検知出力変化検知手段, 3B 排泄判定手段, 4 報知手段, 5、22 載置台, 21 空気吸引口, 23 吸引ポンプ, 24 センサ部, 25 データ処理部, 30、40 ベッド用マットレス, 31 センシングプレート, 33 情報処理部, 35 報知手段, 41、61 ガス経路, 41a 孔, 41b 空洞部, 41c チューブ, 42、62 吸引ポンプ, 43,63 コネクタ, 44,64 可搬型ガス検知手段, 44a 窓部 45 ガスセンサ, 46 電源部, 50 通信網, 51 ターミナル, 52 Wi−Fiアクセスポイント, 53 ユーザ, 54 スマートフォン, 55 クラウド, 56 ローカルシステム, 60 シート
【技術分野】
【0001】
本発明は、被介護者又は乳幼児の排泄を検知する排泄検知システムに関し、特に、繰り返し使用可能な非接触型の排泄検知システムに関する。
【背景技術】
【0002】
被介護者又は乳幼児等の尿失禁検知の手法として、濡れセンサを用いた尿失禁検知システム、ガスセンサを用いた尿失禁検知システムがある。濡れセンサを用いた尿失禁検知システムは、例えばおむつに直接センサを埋め込み、センサが直接尿に触れることによって生じる電位差に基づいて尿を検知している。ガスセンサを用いた尿失禁検知システムの場合、尿に含まれる尿素、アンモニア等の化学物質を検知し、尿を検知している。ガスセンサを用いた尿失禁検知システムの例を非特許文献1乃至4に示す。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】菊池正志、白鳥世明、“導電性高分子を用いたアンモニアガスセンサ”、電気情報通信学会、pp.55-99, 2001
【非特許文献2】加藤陽、向井利春、“人と接するロボットのための尿失禁検知ガスセンサ”、第六回システムインテグレ―テーション部門学術講演会(SI2005),pp.225-226, 2005
【非特許文献3】筒口善央、米澤保人、山田有河、“排便検知センサシステムの開発”、技術ふれあいミレニアム2000 発表会要旨集,2000 年
【非特許文献4】野方誠、小川和宏、河野正洋、“高齢者見守りロボット用高性能センサの開発”、日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会’04 講演論文集、2004
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、濡れセンサを用いた尿失禁検知システムの場合、濡れセンサを毎回使い捨てることが必須であり継続してコストがかかる。さらに、おむつ替えのたびにセンサの取付けを行わなければならず、手間もかかる。さらに、多様な利用者が集う介護施設、病院等では個々のサイズに合ったおむつを用意しなければならず、やはりコストがかかる。一方で、ガスセンサを用いた尿失禁検知システムの場合には、センサを毎回使い捨てるコストと手間はない。しかし、ガスを検知する際、空気を吸入するためにチューブを直接おむつ内に挿入しなければならないため、介護者の業務負担は依然として発生することとなる。さらに、被介護者もチューブがおむつ内に挿入されることで不快感を覚えるという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、このような問題等に鑑みて、費用面に優れ、かつ、介護者の負担がなく、さらに、被介護者又は乳幼児が不快になることがなく、排泄を検知することができる非接触型の排泄検知システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の排泄検知システムは、被介護者又は乳幼児の排泄を検知する排泄検知システムにおいて、前記被介護者又は前記乳幼児が載置される載置台は、前記被介護者又は前記乳幼児が載置される側に複数の孔を有する複数のガス経路を内部に形成して構成され、排泄物から発生するガスであって、各前記ガス経路の端部に設けた空気吸引ポンプより吸引されたガスを検知してガス検知信号を出力するガス検知手段と、前記ガス検知手段からのガス検知信号に基づいてガスの出力の変化の有無を判定し、ガスの出力の変化があった場合にガス出力変化検知信号を出力するガス検知出力変化検知手段と、前記ガス検知出力変化検知手段からのガス出力変化検知信号に基づいて、ガスの出力の変化が増加した場合に排泄があったと判定する排泄判定手段と、前記排泄判定手段が排泄を判定したことを報知する報知手段と、前記ガス検知出力変化検知手段によるガス出力変化検知信号の出力、又は、前記排泄判定手段による排泄判定、又は、前記報知手段による報知の少なくとも何れかを記録する記録手段と、を有することを特徴とする。
【0007】
前記ガス検知手段は前記載置台に取り外し可能に設けてもよい。
【0008】
本発明の排泄検知システムは、被介護者又は乳幼児の排泄を検知する排泄検知システムにおいて、排泄物から発生するガスを検知してガス検知信号を出力するガス検知手段と、前記ガス検知手段からのガス検知信号に基づいてガスの出力の変化の有無を判定し、ガスの出力の変化があった場合にガス出力変化検知信号を出力するガス検知出力変化検知手段と、前記ガス検知出力変化検知手段からのガス出力変化検知信号に基づいて、ガスの出力の変化が増加した場合に排泄があったと判定する排泄判定手段と、前記排泄判定手段が排泄を判定したことを報知する報知手段と、を有し、少なくとも前記ガス検知手段、前記ガス検知出力変化検知手段及び前記排泄判定手段が、前記被介護者又は前記乳幼児が載置される載置台に構成されることを特徴とする。
【0009】
本発明の排泄検知システムは、被介護者又は前記乳幼児の排泄を検知する排泄検知システムにおいて、湿度変化を検知する湿度検知手段と、前記湿度検知手段からの湿度検知信号に基づいて湿度の変化の有無を判定し、湿度の変化があった場合に湿度変化検知信号を出力する湿度検知出力変化検知手段と、前記湿度検知出力変化検知手段からの湿度変化検知信号に基づいて、湿度の出力の変化が増加した場合に排泄があったと判定する排泄判定手段と、前記排泄判定手段が排泄を判定したことを報知する報知手段と、を有し、少なくとも前記湿度検知手段、前記湿度検知出力変化検知手段及び前記排泄判定手段が、前記被介護者又は前記乳幼児が載置される載置台に構成されることを特徴とする。
【0010】
格子状その他の配置で平面状に敷き詰めて構成される複数の空気吸引ポンプを有し、前記複数の空気吸引ポンプは、前記排泄物から発生するガスを吸引し、ガス検知手段を有する場合には、前記ガス検知手段は、前記複数の空気吸引ポンプにより吸引された前記ガスを検知し、湿度検知手段を有する場合には、前記湿度検知手段は、前記複数の空気吸引ポンプにより吸引された前記ガスの湿度を検知し、前記複数の空気吸引ポンプは、前記被介護者又は前記乳幼児が載置される載置台に敷き詰めて構成してもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、費用面に優れ、かつ、介護者の負担がなく、さらに、被介護者又は乳幼児が不快になることがなく排泄を検知することができる非接触型の排泄検知システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施形態の排泄検知シートの構成を示すブロック図である。
【図2】(A)は、排泄検知シートの構成説明図である。(B)は図2(A)のA−A断面図である。
【図3】他の実施例1による排泄検知システムの概略構成図である。
【図4】他の実施例1の構成によるセンサ部24のガスセンサの出力と、湿度センサの出力を示すグラフである。
【図5】(A)は、他の実施例2の概略構成図である。(B)は図5(A)をA方向から見た平面図である。(C)は図5(B)のA−A断面図である。
【図6】他の実施例3の排泄検知システムに用いられるベッド用マットレスの斜視図である。
【図7】図6の要部A−A断面図である。
【図8】図6の要部B−B断面図である。
【図9】チューブ41cを備える場合の図6の要部A−A断面図である。
【図10】チューブ41cを備える場合の図6の要部B−B断面図である。
【図11】可搬型ガス検知手段の外観図である。
【図12】可搬型ガス検知手段の内部概略構成図である。
【図13】シートを用いた場合の平面図である。
【図14】他の実施例3の排泄検知システムの概略システム構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の排泄検知システムを被介護者用の排泄検知シートに適用した場合を例に説明する。
【0014】
図1は、本実施形態の排泄検知シートの構成を示すブロック図である。図2(A)は、排泄検知シートの構成説明図である。図2(B)は図2(A)のA−A断面図である。図2(A)及び図2(B)において被介護者を破線にて示す。排泄検知シート10の領域を示すエリア10a及び10Bを一点鎖線で示す。
【0015】
本実施形態の排泄検知シート10は、排泄物(排便、尿)から発生するガスを検知してガス検知信号を出力するガス検知手段としてのガスセンサ2Aを備えるセンサ部2と、ガスセンサ2Aからのガス検知信号に基づいてガスの出力の変化の有無を判定し、ガスの出力の変化があった場合にガス出力変化検知信号を出力するガス検知出力変化検知手段3Aaを含む変化検知手段3A、及びガス検知出力変化検知手段3Aaからのガス出力変化検知信号に基づいて、排泄の有無を判定する排泄判定手段3Bを備える情報処理部3と、情報処理部3の排泄判定手段3Bが排泄があったことを判定したことを報知する報知手段4を備える。排泄検知シート10は、被介護者が載置されるベッド又は布団又はベッド用マットレス等の載置台5に構成される。なお、本実施形態のガスセンサ2Aは、空気吸引手段1により吸引された排泄物から発生するガスを検知するよう構成したが、ガスセンサ2の精度が高い場合には空気吸引手段1は無くてもよい。
【0016】
空気吸引手段1は複数の空気吸引ポンプとしての超小型空気ポンプにより構成される。例えば、株式会社村田製作所製マイクロブロア(サイズ20 x 20 x 1.85mm)を用いる。格子状その他の配置で平面状に敷き詰めて構成される複数の超小型空気ポンプが排泄物から発生するガスを吸引する。
【0017】
センサ部2は、ガス検知手段としてのガスセンサ2Aと、圧力センサ2Bと、湿度検知手段としての湿度センサ2Cを備える。ガスセンサ2Aは、空気中の成分を検知する。具体的には、空気吸引手段1により吸引された排泄物から発生する尿素、アンモニア等の化学物質を検知する。ガスセンサ2Aは、例えば、フィガロ技研株式会社製TGS2602を用いる。圧力センサ2Bは、排泄検知シート10上に載置される被介護者の重さに起因する圧力を検知し、圧力検知信号を出力する。湿度センサ2Cは、尿失禁の際の空気の相対湿度変化を検知し、湿度検知信号を出力する。具体的には、空気吸引手段1により吸引された排泄物から発生するガスの湿度を検知する。湿度センサ2Cは、例えば、TDK株式会社製CHS−GSSを用いる。
【0018】
情報処理部3は、変化検知手段3A、排泄判定手段3B及び発作判定手段3Cを備える。具体的にはマイクロコンピュータ等により構成される。マイクロコンピュータとしては、例えば、ルネサンスエレクトロニクス株式会社製H8/3694Fを用いる。
【0019】
変化検知手段3Aは、ガス検知出力変化検知手段3Aa、圧力検知出力変化検知手段3Ab、湿度検知出力変化検知手段3Acより構成される。ガス検知出力変化検知手段3Aaは、ガスセンサ2Aからのガス検知信号に基づいてガスの出力の変化の有無を判定し、ガスの出力の変化があった場合にガス出力変化検知信号を排泄判定手段3Bに出力する。圧力検知出力変化検知手段3Abは、圧力センサ2Bからの圧力検知信号に基づいて圧力の変化の有無を判定し、圧力の変化があった場合に圧力変化検知信号を発作判定手段3Cに出力する。湿度検知出力変化検知手段3Acは、湿度センサ2Cからの湿度検知信号に基づいて湿度の変化の有無を判定し、湿度の変化があった場合に湿度変化検知信号を排泄判定手段3Bに出力する。
【0020】
排泄判定手段3Bは、変化検知手段3Aからガス出力変化検知信号又は湿度変化検知信号を受信すると、各信号に基づいて、排泄の有無を判定する。具体的には、変化検知手段3Aからのガス出力変化検知信号に基づくガス出力の変化が増加した場合、又は、ガスの出力が所定閾値レベル以上となった場合に、排泄があったと判定する。また、変化検知手段3Aからの湿度変化検知信号に基づく湿度の変化が増加した場合、又は、湿度が所定閾値レベル以上となった場合に、排泄があったと判定する。そして、排泄判定手段3Bは、排泄があったと判定した場合に、排泄報知信号を報知手段4に出力する。
【0021】
発作判定手段3Cは、変化検知手段3Aから圧力検知信号を受信すると、圧力検知信号に基づいて発作の有無を判定する。具体的には、変化検知手段3Aからの圧力検知信号に基づく圧力の変化が増加した場合、又は、所定閾値レベル以上となった場合に発作があったと判定する。また、圧力の変化が発作特有の圧力変化となった場合に、発作があったと判定してもよい。そして、発作判定手段3Cは、発作があったと判定した場合に、発作報知信号を報知手段4に出力する。
【0022】
報知手段4は、排泄があったこと又は発作があったことを知らせる警報装置と情報の授受が可能に構成された情報送受信部を備える。報知手段4が排泄判定手段3Bから排泄報知信号を受信すると、情報送受信部を介して無線又は有線によりブザー、ランプ、バイブレータ、表示部等からなる警報装置により、主として介護者に対して排泄報知する。また、報知手段4が発作判定手段3Cから発作報知信号を受信すると、情報送受信部を介して無線又は有線により警報装置により主に介護者に対して発作報知する。排泄報知と発作報知で異なる報知方法としてもよい。発作の場合は緊急を要するため、すべての警報装置を作動させ、又は、所定回線(例えば、ナースセンター等)に電話が繋がるよう構成してもよい。
【0023】
このような排泄検知シート10は、布団、ベッド又はベッド用マットレスなどの載置台5上に敷かれ、排泄検知シート10上に被介護者が載置されて使用される。
【0024】
排泄検知シート10のエリア10bには圧力センサ2Cが備えられる。エリア10aには、ガスセンサ2A、圧力センサ2B、湿度センサ2C、情報処理部3、報知手段4が備えられる。また、エリア10aには、空気吸引手段1を構成する複数の空気吸引ポンプが平面上に敷き詰めて構成される。さらに、エリア10aには、各センサ2A〜2C及び情報処理部3及び報知手段4に必要な電力を供給する電源回路(不図示)が備えられる。なお、本実施形態では、報知手段4もシート内に含むよう構成したが、外部に構成してもよい。この場合、情報処理部3からの信号がコード、バス、有線ケーブル、無線ケーブル等を介して外部に備えた報知手段4に出力される。
【0025】
なお、エリア10a及び10bは各種部材により被介護者が不快に感じることのないよう、上面を平滑に構成することが好ましい。例えば、排泄検知シート10内部に備えた各センサ2A〜2Cの感度を考慮して上面を布、不織布等で覆う。布、不織布等は、各センサ2A〜2Cのセンシングを妨げない程度の厚み、材質であることが好ましい。
【0026】
以上説明した排泄検知シート10によれば、ガスセンサ2A、湿度センサ2Cを用いて繰り返し使用可能に構成したので、費用面に優れた排泄検知シートを提供することができる。さらに、排泄検知シート10をシート状に構成し載置台5上に敷いて被介護者が載置されるように構成したので、介護者の負担がなく、また、被介護者が不快になることがなく、排泄を検知することが可能になる。
【0027】
なお、発作判定手段3Cは、発作に限らず、被介護者が正しい姿勢で横たわっているか否か、床ずれの危険がないか否かの判定に用いてもよい。例えば、被介護者が長時間同じ姿勢でいること、悪姿勢で横たわっていること等を圧力検知信号に基づいて検知してもよい。例えば、所定時間以上圧力検知信号の出力が変わらない場合に床ずれの危険があると判定し、報知手段4に対して報知信号を出力してもよい。このように、圧力センサ2B、圧力検知出力変化検知手段3Ab及び発作判定手段3Cを備えたので、発作報知、床ずれの防止にも対応できるため、総合的な介護支援シート(介護支援システム)を実現できる。
【0028】
次に、本発明の排泄検知システムの他の実施例1及び2及び3について説明する。
【0029】
図3は、他の実施例1による排泄検知システムの概略構成図である。他の実施例1は、吸引ポンプ、センサ部、データ処理部等を外部に設置し、布団、シート、ベッド又はベッド用マットレスなどの載置台内に組み込んだ空気吸引口からチューブを介して空気を吸引してガス出力変化、湿度変化を検知するよう構成した。
【0030】
空気吸引口21を布団、シート、ベッド又はベッド用マットレスなどの載置台22内に組み込んで構成する。そして、吸引ポンプ23とセンサ部24とデータ処理部25を載置台22の外部に設置する。吸引ポンプ23により、空気吸引口21からチューブ26を介して空気を吸引する。吸引された空気がセンサ部24にてチューブ26を介してセンサ部24にて検知される。なお、被介護者が不快に感じることのないよう、空気吸引口21を組み込んだ載置台22の上面は平滑に構成することが好ましい。例えば、上面を布、不織布等で覆う。布、不織布等は、空気吸引口21の吸引を妨げない程度の厚み、材質であることが好ましい。
【0031】
センサ部24は、ガスセンサ(不図示)、湿度センサ(不図示)を有する。データ処理部25は、変化検知手段(不図示)及び排泄判定手段(不図示)を有する。データ処理部25は、センサ部24からの信号に基づいて排泄を判定する。データ処理部25にて排泄が判定されると、報知手段(不図示)により排泄報知される。
【0032】
なお、他の実施例1に備えるガスセンサ、湿度センサの動作及び装置例は、上述したガスセンサ2A及び湿度センサ2Cの動作及び装置例と同様であるため説明を省略する。また、データ処理部25の動作は、上述した情報処理部3の動作及び装置例と同様であるため説明を省略する。具体的には、変化検知手段は、ガス検知出力変化検知手段(不図示)及び湿度検知出力変化検知手段(不図示)を有する。そして、ガス検知出力変化検知手段は、上述したガス検知出力変化検知手段3Aaと同様の動作を行う。また、湿度検知出力変化検知手段は、上述した湿度検知出力変化検知手段3Acと同様の動作を行う。また、排泄判定手段の動作は、上述した排泄判定手段3Bと同様であるため説明を省略する。さらに、報知手段(不図示)の動作は、上述した報知手段4の動作と同様であるため説明を省略する。
【0033】
図4は、他の実施例1の構成によるセンサ部24のガスセンサの出力と、湿度センサの出力を示すグラフである。実際の介護施設にて利用されているおむつを着用し、排尿を行った際の各センサの出力である。横軸は実時間軸(時刻)であり、30[sec]毎に補助線が引いてある。縦軸は、ルネサンスエレクトロニクス株式会社製H8/3694Fマイクロコンピュータを用いた10bitAD変換値である。太線で示す時刻Tは、排尿が行われた時間である。
【0034】
図4(A)は、図3において排泄地点X1から空気吸引口21の地点X2までの距離Lが0mmである場合のガスセンサのAD出力である。図4(B)は、図3において排泄地点X1から空気吸引口21の地点X2までの距離Lが0mmである場合の湿度センサのAD出力である。空気吸引口21の地点X2とは、下部に空気吸引口21が組み込まれている載置台22上の地点を指す。図4(A)及び図4(B)より、排泄後に、ガスセンサ、湿度センサ共にAD出力が増加し、排泄が検知されていることが分かる。
【0035】
一方、図4(C)は、排泄地点X1から空気吸引口21の地点X2までの距離Lが100mmである場合のガスセンサのAD出力である。図4(D)は、図3において排泄地点X1から空気吸引口21の地点X2までの距離Lが100mmである場合の湿度センサのAD出力である。図4(C)に示すように、距離Lが100mmとなった場合でも、ガスセンサは、排泄後にAD出力が増加し、排泄が検知されていることが分かる。しかし、図4(D)に示すように、距離Lが100mmとなると、湿度センサは排泄後でもAD出力の増加は見られず、排泄が検知されていない。以上より、被介護者の体格、体型、性別等を考慮して、空気吸引口21はガスセンサ及び湿度センサが排泄を検知できる位置を予め特定しておき、当該位置に空気吸引口21を設置することが好ましい。
【0036】
以上説明したように、他の実施例1による排泄検知システムによれば、ガスセンサ、湿度センサを用いて繰り返し使用可能に構成したので、費用面に優れた排泄検知システムを提供することができる。また、センサが使い捨てでないため、介護者の負担もない。さらに、被介護者に非接触な構成としたので、被介護者が不快になることがなく、排泄を検知することが可能になる。
【0037】
次に、他の実施例2及び他の実施例3について説明する。他の実施例2及び3は、本発明の排泄検知システムをベッド用マットレスに適用した場合の実施例である。
【0038】
図5(A)は、他の実施例2の概略構成図である。図5(B)は図5(A)をA方向から見た平面図であり、図5(C)は図5(B)のA−A断面図である。センシングプレート31は、ベッド用マットレス30のほぼ全面にわたって備えられる。センシングプレート31には、圧力センサ(不図示)、ガスセンサ(不図示)、湿度センサ(不図示)が備えられている。圧力センサ(不図示)はセンシングプレート31の略全面に備えられることが好ましい。ガスセンサ及び湿度センサは、被介護者がベッド用マットレス30に載置された場合に、下半身が載置される位置に備えられることが好ましい。具体的には、被介護者が仰向けに載置された場合に臀部の位置に備えられることが好ましい。図5(A)(B)の例では、センシングプレート31の下部に備えた情報処理部33上に備えることが好ましい。
【0039】
機器収納部32は、被介護者がベッド用マットレス30に載置された場合に、下半身が載置される位置に備えられることが好ましい。具体的には、被介護者が仰向けに載置された場合に臀部及び臀部周辺位置に備えられることが好ましい。
【0040】
機器収納部32は、内部に情報処理部33、電源回路34、報知手段35を備える。電源回路34は配線用差込接続器37及び電源用配線36を介して各センサ及び情報処理部33及び報知手段35に電力を供給するためのものである。
【0041】
なお、ガスセンサ(不図示)、圧力センサ(不図示)及び湿度センサ(不図示)の動作及び装置例は、上述したガスセンサ2A、圧力センサ2B及び湿度センサ2Cの動作及び装置例と同様であるため説明を省略する。情報処理部33の動作は、上述した情報処理部3の動作と同様であるため説明を省略する。報知手段35の動作は、上述した報知手段4の動作と同様であるため説明を省略する。
【0042】
以上説明したように、他の実施例2によるベッド用マットレス30によれば、ガスセンサ2A、湿度センサ3Cを用いて繰り返し使用可能に構成したので、費用面に優れた排泄検知システムを提供することができる。さらに、各センサ、情報処理部33等構成部材をベッド用マットレス30内に組み込んで構成し、介護者の負担がなく、また、被介護者が不快になることがなく、排泄を検知することが可能になる。
【0043】
なお、上述した他の実施例2では、本発明の排泄検知システムをベッド用マットレス30に適用したが、被介護者が載置される載置台であれば、ベッド用マットレスでなくともよい。例えば、敷布団、ベッド、シート、その他の載置台でも本発明を適用することができる。
【0044】
また、各実施例ではガスセンサと湿度センサを共に排泄検知用の検知器として用いたが、ガスセンサのみ、湿度センサのみを検知器として用いてもよい。
【0045】
さらに、ガスセンサと湿度センサを用いた場合に、排泄判定手段3Bは、ガス出力変化検知信号に基づいて排泄があったか否かを判定し、湿度変化検知信号に基づいて排泄があったか否かを判定するが、いずれか一方の信号に基づいて排泄があったと判定できる場合には、排泄があったものとして判定してもよく、ガス出力変化検知信号及び湿度変化検知信号共に排泄があったと判定できる場合にのみ、排泄があったものとして判定してもよい。ガスセンサ、湿度センサの感度等に応じて適宜判定条件を変えてもよい。
【0046】
図6は、他の実施例3の排泄検知システムに用いられるベッド用マットレスの斜視図である。図7は、図6の要部のA−A断面図であり、図8は図6の要部のB−B断面図である。ベッド用マットレス40は、載置台の一例であり、例えばウレタン等により構成される。ベッド用マットレス40は複数のガス経路41を備える。
【0047】
ガス経路41は、被介護者がベッド用マットレス40上に載置された場合に、下半身が載置される位置に備えられることが好ましい。具体的には、被介護者が仰向けに載置された場合に臀部の位置に備えられることが好ましい。ガス経路41は、チューブ状の空洞部41bから成り、当該空洞部41bの被介護者が載置される側には、複数の孔41aが形成されている。
各ガス経路41の端部には、空気吸引ポンプ42(以下、吸引ポンプと言う。)が備えられている。吸引ポンプ42は、例えば、株式会社村田製作所製マイクロブロア(サイズ20 x 20 x 1.85mm)を用いる。吸引ポンプ42は、コネクタ43に具備される電源供給部(不図示)からの電源供給を受けて起動する。
コネクタ43は、後述するガス検知手段等を備える。図6中コネクタ43は複数の吸引ポンプ42の下部に備えているが、吸引ポンプ42からのガスを検知できればよく、設置位置は限定されない。
【0048】
ベッド用マットレス40上に載置された被介護者の排泄物から発生するガスが、吸引ポンプ42により吸引されて、孔41aを介して空洞部41b内に取り込まれる。そして、空洞部41b中を経由してコネクタ43に備えるガス検知手段が当該ガスを検知する。
孔41aは、ガス経路41の方向に沿って配列されて設けられることが好ましい。図7は孔41aが形成されていない位置における図6の要部A−A断面を示しており、図8は孔41aが形成された位置における図6の要部B−B断面を示している。
【0049】
ガス経路41の空洞部41bにゴム材、樹脂材等から構成されるチューブ41cを備えてもよい。図9及び図10は空洞部41bにチューブ41cを備えた場合の要部断面図であり、図9は孔41aが形成されていない位置における図6の要部A−A断面図であり、図10は孔41aが形成された位置における図6の要部B−B断面図である。ベッド用マットレス40の孔41aが形成される箇所の肉厚は、例えば、数十mm程度である。そのため、例えば、ベッド用マットレス40のウレタン材料の硬度が小さく、被介護者が載置された際に、ガス経路41、すなわち孔41a又は空洞部41bが塞がってしまう場合等に、チューブ41cを介してガスの集気が可能になるため有用である。
【0050】
図11はコネクタ43に具備されるガス検知手段等を備える可搬型ガス検知手段44の外観図であり、図12は可搬型ガス検知手段44の内部概略構成図である。図11に示すように、可搬型ガス検知手段44は、筐体に窓部44aを備える。上述した吸引ポンプ42が吸引したガスが窓部44aを介して可搬型ガス検知手段44内部に取り込まれる。
可搬型ガス検知手段44は、ガス検知手段としてのガスセンサ45、吸引ポンプ42、各種の蓄電池又は各種市販電池(例えば、単三電池)から成る電源部46を備える。可搬型ガス検知手段44は、コネクタ43から取り外して持ち運びが可能に構成されている。
【0051】
可搬型ガス検知手段44がコネクタ43に設置される際には、各ガス経路41の端部に設けられる吸引ポンプ42からのガスをガスセンサ45が検知し、通信網(後述する)を介してガス検知信号を外部へ送信する。ガスセンサ45は、コネクタ43に具備される電源供給部(不図示)からの電源供給を受けて起動する。また、電源部46が例えばリチウムイオン電池等の蓄電池により構成される場合、コネクタ43に具備される電源供給部(不図示)からの電源供給を受けて電源部46が充電される。
例えば、被介護者又は乳幼児の外出時等、可搬型ガス検知手段44がコネクタ43から取り外され持ち出して使用される際には、可搬型ガス検知手段44に備える吸引ポンプ42及びガスセンサ45が電源部46からの電源供給を受けて起動する。可搬型ガス検知手段44に備える吸引ポンプ42が窓部44aを介して外部からのガスを吸引し、ガスセンサ45がガスを検知する。可搬型ガス検知手段44は、例えば被介護者又は乳幼児の臀部付近等に携帯する。
【0052】
図13は載置台の一例としてシート60を用いた場合の平面図である。シート60に複数のガス経路61を設ける。各ガス経路61の端部に吸引ポンプ62を夫々設ける。吸引ポンプ62にて吸引されたガスは、コネクタ63に備えた可搬型ガス検知手段64に備えるガスセンサ(不図示)にて検知される。ガス経路61のその他の構成はガス経路41と同様であり、吸引ポンプ62のその他の構成は吸引ポンプ42と同様であり、コネクタ63のその他の構成はコネクタ43と同様であり、可搬型ガス検知手段64のその他の構成は可搬型ガス検知手段44と同様であるため説明を省略する。
【0053】
図14は、他の実施例3の排泄検知システムの概略システム構成図である。ベッド用マットレス40のコネクタ43は、USB端子、ブルートゥースモジュール、TA(Terminal Adapter)端子及び充電などのためのDock端子などを含み、通信網50(例えば、インターネット通信、LANケーブル、Dockコネクタ、USBケーブル等の有線、又は、Bluetooth(登録商標)、無線LAN(IEEE802.11規格等のWi−Fi等)、赤外線(IrDA DATA1.0等)等の無線による通信)、ターミナル51、Wi−Fiアクセスポイント52を介して、システム管理者、介護者等のユーザ53が操作するスマートフォン54、クラウド55内のサーバ又はコンピュータ55a、ナースセンター等に設置されるローカルシステム56内のコンピュータ56aと、通信可能に構成する。
【0054】
スマートフォン54、クラウド55内のサーバ又はコンピュータ55a、ローカルシステム56内のコンピュータ56aは、各装置に備えたアプリケーションにより、ガス検知出力変化検知手段、排泄判定手段、報知手段、記録手段の何れかの手段又は全ての手段として機能する。具体的には、スマートフォン54、クラウド55内のサーバ又はコンピュータ55a、ローカルシステム56内のコンピュータ56aは、通信網50等を介してコネクタ43に備えるガスセンサ45によるガス検知信号を受信し、当該ガス検知信号に基づいて、ガスの出力の変化の有無を判定し、ガスの出力の変化があった場合にガス出力変化信号を出力する。そして、ガス出力変化検知信号に基づいて、ガスの出力の変化が増加した場合に、排泄があったと判定する。また、排泄を判定したことを報知する。さらに、ガス出力変化検知信号の出力、又は、排泄判定、又は、報知の少なくともいずれかを装置内部のハードディスク等の記録手段に記録する。なお、スマートフォン54、クラウド55内のサーバ又はコンピュータ55a、ローカルシステム56内のコンピュータ56aの全てがガス検知出力変化検知手段、排泄判定手段、報知手段、記録手段として機能する構成には限定されない。コネクタ43からの情報の授受が可能に接続されたスマートフォン54、クラウド55内のサーバ又はコンピュータ55a、ローカルシステム56内のコンピュータ56aの何れかが、ガス検知出力変化検知手段、排泄判定手段、報知手段、記録手段の何れかの手段として機能するよう構成する。例えば、ローカルシステム56内のコンピュータ56aのみがこれらの全ての手段として機能し、スマートフォン54、クラウド55内のサーバ又はコンピュータ55aは報知手段としてのみ機能してもよい。また、スマートフォン54がガス検知出力変化検知手段、排泄判定手段、報知手段として機能し、ローカルシステム56内のコンピュータ56aがスマートフォン54からの情報を受信して記録手段として機能してもよい。
【0055】
さらに、上述した実施例では、ガスセンサとガス検知出力変化検知手段により、ガス出力変化の有無により排尿判定するよう構成したが、湿度を検知してもよい。この場合、湿度検知手段としての湿度センサを可搬型ガス検知手段44内に設け、可搬型ガス検知手段44を湿度変化を検知する湿度検知手段としても機能させる。そして、スマートフォン54、クラウド55内のサーバ又はコンピュータ55a、ローカルシステム56内のコンピュータ56aの何れかが湿度検知出力変化検知手段として機能させればよい。そして、排泄判定手段は、湿度検知出力変化検知手段からの湿度変化検知信号、又は、ガス検知出力変化検知手段からのガス出力変化検知信号の何れか一方又は双方に基づいて、排泄があったと判定するよう構成する。
【0056】
上述した各実施例について、ガスセンサとしてアンモニアガスを検知するセンサと臭気ガスを検知するセンサの双方のセンサを使用し、排尿であるか排便であるかを判別可能に構成してもよい。また、ガスセンサ、湿度センサ、圧力センサに温度依存性があることから、温度補償を行うための温度センサをさらに設けてもよい。
【0057】
本発明の適用範囲は上記実施形態に限定されることはない。本発明は、被介護者又は乳幼児に非接触で排泄を検知することができる排泄検知システムに対し、広く適用することができる。
【符号の説明】
【0058】
10 排泄検知シート, 10a、10b エリア, 1 空気吸引手段(空気吸引ポンプ), 2 センサ部, 2A ガスセンサ, 2B 圧力センサ, 2C 湿度センサ, 3 情報処理部, 3A 変化検知手段, 3Aa ガス検知出力変化検知手段, 3Ab 圧力検知出力変化検知手段, 3Ac 湿度検知出力変化検知手段, 3B 排泄判定手段, 4 報知手段, 5、22 載置台, 21 空気吸引口, 23 吸引ポンプ, 24 センサ部, 25 データ処理部, 30、40 ベッド用マットレス, 31 センシングプレート, 33 情報処理部, 35 報知手段, 41、61 ガス経路, 41a 孔, 41b 空洞部, 41c チューブ, 42、62 吸引ポンプ, 43,63 コネクタ, 44,64 可搬型ガス検知手段, 44a 窓部 45 ガスセンサ, 46 電源部, 50 通信網, 51 ターミナル, 52 Wi−Fiアクセスポイント, 53 ユーザ, 54 スマートフォン, 55 クラウド, 56 ローカルシステム, 60 シート
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被介護者又は乳幼児の排泄を検知する排泄検知システムにおいて、
前記被介護者又は前記乳幼児が載置される載置台は、前記被介護者又は前記乳幼児が載置される側に複数の孔を有する複数のガス経路を内部に形成して構成され、
排泄物から発生するガスであって、各前記ガス経路の端部に設けた空気吸引ポンプより吸引されたガスを検知してガス検知信号を出力するガス検知手段と、
前記ガス検知手段からのガス検知信号に基づいてガスの出力の変化の有無を判定し、ガスの出力の変化があった場合にガス出力変化検知信号を出力するガス検知出力変化検知手段と、
前記ガス検知出力変化検知手段からのガス出力変化検知信号に基づいて、ガスの出力の変化が増加した場合に排泄があったと判定する排泄判定手段と、
前記排泄判定手段が排泄を判定したことを報知する報知手段と、
前記ガス検知出力変化検知手段によるガス出力変化検知信号の出力、又は、前記排泄判定手段による排泄判定、又は、前記報知手段による報知の少なくとも何れかを記録する記録手段と、
を有することを特徴とする排泄検知システム。
【請求項2】
前記ガス検知手段は前記載置台に取り外し可能に設けられることを特徴とする請求項1に記載の排泄検知システム。
【請求項3】
被介護者又は乳幼児の排泄を検知する排泄検知システムにおいて、
排泄物から発生するガスを検知してガス検知信号を出力するガス検知手段と、
前記ガス検知手段からのガス検知信号に基づいてガスの出力の変化の有無を判定し、ガスの出力の変化があった場合にガス出力変化検知信号を出力するガス検知出力変化検知手段と、
前記ガス検知出力変化検知手段からのガス出力変化検知信号に基づいて、ガスの出力の変化が増加した場合に排泄があったと判定する排泄判定手段と、
前記排泄判定手段が排泄を判定したことを報知する報知手段と、
を有し、
少なくとも前記ガス検知手段、前記ガス検知出力変化検知手段及び前記排泄判定手段が、前記被介護者又は前記乳幼児が載置される載置台に構成されることを特徴とする排泄検知システム。
【請求項4】
被介護者又は乳幼児の排泄を検知する排泄検知システムにおいて、
湿度変化を検知する湿度検知手段と、
前記湿度検知手段からの湿度検知信号に基づいて湿度の変化の有無を判定し、湿度の変化があった場合に湿度変化検知信号を出力する湿度検知出力変化検知手段と、
前記湿度検知出力変化検知手段からの湿度変化検知信号に基づいて、湿度の出力の変化が増加した場合に排泄があったと判定する排泄判定手段と、
前記排泄判定手段が排泄を判定したことを報知する報知手段と、
を有し、
少なくとも前記湿度検知手段、前記湿度検知出力変化検知手段及び前記排泄判定手段が、前記被介護者又は前記乳幼児が載置される載置台に構成されることを特徴とする排泄検知システム。
【請求項5】
格子状その他の配置で平面状に敷き詰めて構成される複数の空気吸引ポンプを有し、
前記複数の空気吸引ポンプは、前記排泄物から発生するガスを吸引し、
ガス検知手段を有する場合には、前記ガス検知手段は、前記複数の空気吸引ポンプにより吸引された前記ガスを検知し、
湿度検知手段を有する場合には、前記湿度検知手段は、前記複数の空気吸引ポンプにより吸引された前記ガスの湿度を検知し、
前記複数の空気吸引ポンプは、前記被介護者又は前記乳幼児が載置される載置台に敷き詰めて構成されることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の排泄検知システム。
【請求項1】
被介護者又は乳幼児の排泄を検知する排泄検知システムにおいて、
前記被介護者又は前記乳幼児が載置される載置台は、前記被介護者又は前記乳幼児が載置される側に複数の孔を有する複数のガス経路を内部に形成して構成され、
排泄物から発生するガスであって、各前記ガス経路の端部に設けた空気吸引ポンプより吸引されたガスを検知してガス検知信号を出力するガス検知手段と、
前記ガス検知手段からのガス検知信号に基づいてガスの出力の変化の有無を判定し、ガスの出力の変化があった場合にガス出力変化検知信号を出力するガス検知出力変化検知手段と、
前記ガス検知出力変化検知手段からのガス出力変化検知信号に基づいて、ガスの出力の変化が増加した場合に排泄があったと判定する排泄判定手段と、
前記排泄判定手段が排泄を判定したことを報知する報知手段と、
前記ガス検知出力変化検知手段によるガス出力変化検知信号の出力、又は、前記排泄判定手段による排泄判定、又は、前記報知手段による報知の少なくとも何れかを記録する記録手段と、
を有することを特徴とする排泄検知システム。
【請求項2】
前記ガス検知手段は前記載置台に取り外し可能に設けられることを特徴とする請求項1に記載の排泄検知システム。
【請求項3】
被介護者又は乳幼児の排泄を検知する排泄検知システムにおいて、
排泄物から発生するガスを検知してガス検知信号を出力するガス検知手段と、
前記ガス検知手段からのガス検知信号に基づいてガスの出力の変化の有無を判定し、ガスの出力の変化があった場合にガス出力変化検知信号を出力するガス検知出力変化検知手段と、
前記ガス検知出力変化検知手段からのガス出力変化検知信号に基づいて、ガスの出力の変化が増加した場合に排泄があったと判定する排泄判定手段と、
前記排泄判定手段が排泄を判定したことを報知する報知手段と、
を有し、
少なくとも前記ガス検知手段、前記ガス検知出力変化検知手段及び前記排泄判定手段が、前記被介護者又は前記乳幼児が載置される載置台に構成されることを特徴とする排泄検知システム。
【請求項4】
被介護者又は乳幼児の排泄を検知する排泄検知システムにおいて、
湿度変化を検知する湿度検知手段と、
前記湿度検知手段からの湿度検知信号に基づいて湿度の変化の有無を判定し、湿度の変化があった場合に湿度変化検知信号を出力する湿度検知出力変化検知手段と、
前記湿度検知出力変化検知手段からの湿度変化検知信号に基づいて、湿度の出力の変化が増加した場合に排泄があったと判定する排泄判定手段と、
前記排泄判定手段が排泄を判定したことを報知する報知手段と、
を有し、
少なくとも前記湿度検知手段、前記湿度検知出力変化検知手段及び前記排泄判定手段が、前記被介護者又は前記乳幼児が載置される載置台に構成されることを特徴とする排泄検知システム。
【請求項5】
格子状その他の配置で平面状に敷き詰めて構成される複数の空気吸引ポンプを有し、
前記複数の空気吸引ポンプは、前記排泄物から発生するガスを吸引し、
ガス検知手段を有する場合には、前記ガス検知手段は、前記複数の空気吸引ポンプにより吸引された前記ガスを検知し、
湿度検知手段を有する場合には、前記湿度検知手段は、前記複数の空気吸引ポンプにより吸引された前記ガスの湿度を検知し、
前記複数の空気吸引ポンプは、前記被介護者又は前記乳幼児が載置される載置台に敷き詰めて構成されることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の排泄検知システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−78566(P2013−78566A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−203421(P2012−203421)
【出願日】平成24年9月14日(2012.9.14)
【出願人】(511228182)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年9月14日(2012.9.14)
【出願人】(511228182)
【Fターム(参考)】
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