説明

排熱回収装置

【課題】タービンへ排気を導くための配管及びコンプレッサへ給気を導くための配管の長さを短くし、かつ、タービン及びコンプレッサにおいて流体性能的に最良ではない条件に合わせて運転する必要がない排熱回収装置を提供すること。
【解決手段】排気により駆動されるタービン1、気体を圧縮するコンプレッサ8とを備える排熱回収装置であって、タービン1の回転によって発電する発電機2と、コンプレッサ8を回転駆動する電動機7と、発電機2の発電出力を動力源として電動機7を駆動する制御装置を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱機関や熱サイクルを有する装置で用いられる排熱回収装置に関する。
【背景技術】
【0002】
熱機関や熱サイクルにおいて廃熱を有効に活用するため、排気に含まれる熱エネルギーをタービンで運動エネルギーに変換し、その運動エネルギーでコンプレッサを駆動して給気圧を高めることが行われている。そのための代表的な装置としてターボチャージャがあり、例えば、特許文献1に記載のものが既に知られている。
【0003】
特許文献1に記載の発明は、エンジン負荷信号に相当するアクセル踏込量や、エンジンに供給する燃料レバーの位置等、各部分が正しく操作しているかどうか、またはタービンの回転数が正常に得られているか等、システムの動作状況を検出するために、各部分に対する検出手段を設けた故障診断装置についての発明である。
【0004】
【特許文献1】特開平1−121514号公報、「回転電機付ターボチャージャの故障診断装置」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されているような従来のターボチャージャは、タービンとコンプレッサが機械的に軸で連結されて一体となって回転する構造であるものが一般的である。
しかし、通常ターボチャージャの回転数は高い(数万回転ないしそれ以上)ため、軸の振動を防止するために軸をできるだけ短くする必要がある。そのため、タービンへ排気を導くための配管、およびコンプレッサへ給気を導くための配管が長く、かつ曲がりくねったものになっている。そのため、配管における圧力損失が大きくなり、配管そのものも大きな場所を占めている。
また、配管には断熱材を巻くことも多いが、断熱材の必要量も多く、かつ曲がった配管では断熱材を巻く手間も大きいという問題点があった。
【0006】
さらに、タービンとコンプレッサが同じ回転数で回転するため、タービンもしくはコンプレッサの一方が流体性能的に最良ではない条件で運転され、効率低下する可能性があるといった問題点が存在した。
【0007】
本発明は、上述した問題点に鑑みて創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、タービンへ排気を導く配管及びコンプレッサへ給気を導く配管の長さを短くし、かつ、タービン及びコンプレッサにおいて流体性能的に最良ではない条件に合わせて運転する必要がない排熱回収装置を提供することにある。
【0008】
排気により駆動されるタービン、気体を圧縮するコンプレッサとを備える排熱回収装置であって、
前記タービンの回転によって発電する発電機と、
前記コンプレッサを回転駆動する電動機と、
前記発電機の発電出力を動力源として前記電動機を駆動する制御装置を備える、ことを特徴とする排熱回収装置が提供される。
【0009】
また、本発明によれば、前記制御装置は、前記発電機からの交流出力を整流して直流に変換する整流器と、
該整流器直後の直流電圧を平滑化する平滑化回路と、
電力を前記タービン側から前記コンプレッサ側へ送る直流バスと、
前記電動機を駆動するインバータと、
前記タービン及び前記発電機の回転数を検出する回転数検出器と、
前記電圧を検出する電圧検出器と、
前記回転数及び前記電圧に基づいて算出された前記電動機及び前記コンプレッサの回転数指令値を前記インバータに出力する回転数指令器と、を備える。
【0010】
また、別の実施例によれば、前記制御装置は、前記発電機からの交流出力を整流して直流に変換する整流器と、
該整流器直後の直流電圧を平滑化する平滑化回路と、
電力を前記タービン側から前記コンプレッサ側へ送る直流バスと、
前記電動機を駆動するインバータと、
前記タービン及び前記発電機の回転数を検出する回転数検出器と、
直流電源と、
前記タービン及び前記発電機からの発電電圧が前記インバータの動作可能な電圧に満たない場合に、前記直流電源からの電流を該インバータに供給するダイオードと、
前記回転数に基づいて算出された前記電動機及び前記コンプレッサの回転数指令値を前記インバータに出力する回転数指令器と、を備える。
【0011】
また、本発明によれば、1組の前記タービン及び前記発電機に対して、前記電動機及び前記コンプレッサを複数台設置している。
【発明の効果】
【0012】
上記本発明によれば、タービンとコンプレッサを機構的に二つに分けることによって、タービン及びコンプレッサを任意に配置することができるため、排気及び給気の配管を短く、かつ、直線的にすることができる。また、タービンとコンプレッサの回転数が異なっても良いので、タービン・コンプレッサの双方を流体性能的に最良な条件で運転することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明における実施例1のターボチャージャの図である。
【図2】本発明における実施例2のターボチャージャの図である。
【図3】本発明における実施例3のターボチャージャの図である。
【図4】本発明における実施例4のターボチャージャの図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好ましい実施例を、図面を参照して説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0015】
図1は本願発明における実施例1の図である。
この図において、1はタービン、1aは軸、2は発電機、3は整流器、4は平滑化回路、5は直流バス、6はインバータ、7は電動機、8はコンプレッサ、8aは軸、11は回転数検出器、12は電圧検出器、13は回転数指令器、14は回転数、15は電圧、16は回転数指令値である。
【0016】
発電機2は、熱機関(図示しない)からの排気によって回転されるタービン1と、軸1aで直結されており、タービン1と一体となって回転する。
例えば、三相交流で駆動される永久磁石同期モータを発電機として使用することが可能である。
【0017】
整流器3は、発電機2からの交流出力を整流して直流に変換する。
例えば、ダイオードブリッジなどで構成されている。
【0018】
平滑化回路4は、整流器直後の直流電圧には脈動があるので平滑化する。
例えば、リアクトルとコンデンサで構成されている。
【0019】
直流バス5は、電力をタービン1側からコンプレッサ8側へ送るものである。
例えば、ケーブルや、銅/アルミなどの導体のバスバーで構成されている。
【0020】
インバータ6は、回転数指令器13からの回転数指令値16にしたがって電動機7を可変速で駆動する。
例えば、IGBTやパワーMOS FETなどの電力制御素子をPWM変調し、電圧型ないし電流型インバータとする構成が好ましい。
或いは、電動機7を可変速で駆動する方法としては、センサレスベクトル制御でもよいし、電動機7の回転をエンコーダやレゾルバで検出してベクトル制御を行ってもよい。
【0021】
電動機7は、熱機関(図示せず)への給気を圧縮するコンプレッサ8に軸8aで直結されており、電動機7が回転するとコンプレッサ8もいっしょに回転する構成になっている。
例えば、3相交流で駆動される誘導モータや永久磁石同期モータで構成されている。
【0022】
回転数検出器11は、タービン1及び発電機2の回転数14を検出する。
例えば、タービン1及び発電機2の軸1aに設けたタコジェネやエンコーダが用いられる。
エンコーダの場合にはエンコーダで検出した回転角度を時間微分して回転数14に変換する。
【0023】
電圧検出器12は、直流バスのインバータに近い側の電圧15(プラスマイナス間の電圧)を検出する。
【0024】
回転数指令器13は、回転数検出器11で検出したタービン1及び発電機2の回転数14と、電圧検出器12で検出した直流バス5の電圧15にもとづいて、電動機7及びコンプレッサ8の回転数指令値16をインバータ6へ出力する。
回転数指令器は、例えば、マイクロプロセッサとメモリと演算プログラムで構成することが可能である。
【0025】
回転数指令器13は、以下のように回転数指令値16を生成するように構成する。
(1)「電圧検出器12で検出した電圧15」が「インバータ6が動作可能な最低電圧」より低い場合には、回転数指令値16を0にする。
(2)「電圧検出器12で検出した電圧15」が「インバータ6が動作可能な最低電圧」と同じか高い場合には、回転数指令値16を「回転数検出器11で検出した回転数14」×係数によって求めた値に設定する。
ここで係数は、例えば、流体性能的に、コンプレッサ8の回転数とタービン1の回転数14を等しくすると効率がよいのであれば、係数は1とし、例えば、流体性能的に、コンプレッサ8の回転数をタービン1の回転数14の2倍にすると効率がよいのであれば、係数は2とする。もしくは、例えば、流体性能的に、コンプレッサ8の回転数をタービン1の回転数14の0.8倍にすると効率がよいのであれば、係数は0.8とする。
すなわち、流体性能的に効率が最もよくなるコンプレッサ8の回転数とタービン1の回転数14の比を係数とする。
【0026】
上記構成によって、熱機関(図示しない)が動作していないときは、排気が無いのでタービン1は回転せず、タービン1と同軸の発電機2も回転しないので、直流バス5の電圧は0である。そこで、「電圧検出器12で検出した電圧15」は「インバータ6が動作可能な最低電圧」より低いので、回転数指令値16は0となり、電動機7は回転せず、電動機7と同軸のコンプレッサ8も回転しない。
【0027】
一方、熱機関(図示しない)が動作しているときは、排気が生じてタービン1が回転しタービン1と同軸の発電機2も回転し直流バス5の電圧が上昇する。「電圧検出器12で検出した電圧15」が「インバータ6が動作可能な最低電圧」を上回るようになると、回転数指令値16はゼロでなくなり、インバータ6におけるベクトル制御により電動機7が回転数指令値16にしたがった回転数で回転し、電動機7と同軸のコンプレッサ8も回転し、熱機関への給気が圧縮される。
回転数指令値16は回転数検出器11で検出した回転数14と比例しているので、タービン1が低速回転していればコンプレッサ8も低速で、タービン1が高速回転していればコンプレッサ8も高速で回転し、従来のタービンとコンプレッサが軸で直結されたターボチャージャと同様の動作となる。
さらに、回転数指令値16を「回転数検出器11で検出した回転数14」×係数としているので、流体性能的に、タービン1の回転数14とコンプレッサ8の回転数の比を、例えば、X倍にすることが望ましい場合、係数の値をXとしておくことにより、コンプレッサ8の回転数がタービン1の回転数14のX倍となるよう運転することができる。
【0028】
図2は、本発明における実施例2のターボチャージャの図である。
この図において、13aは回転数指令器、16aは回転数指令値、21は直流電源、22はダイオードである。実施例1と同一の構成要素に対しては、図1と同じ番号を付し説明を省略する。
【0029】
回転数指令器13aは、回転数検出器11で検出したタービン1及び発電機2の回転数14にもとづいて、電動機7及びコンプレッサ8の回転数の指令値16aをインバータ6へ出力する。
【0030】
直流電源21は、「インバータ6が動作可能な最低電圧」より大きい電圧を供給する。
例えば、二次電池や電気二重層キャパシタを使用してもよいし、商用交流電源を整流・平滑化・定電圧化する構成でもよい。
【0031】
ダイオード22は、タービン1及び発電機2による発電電圧が低い場合のみ直流電源から直流バス5に電流が供給され、タービン1及び発電機2により十分な発電電圧が得られる場合には、発電機2から直流バス5に電流が供給されるように自動的に切り換られる。
【0032】
直流電源21とダイオード22を図2に示すように接続するので、直流バス5には常に「インバータ6が動作可能な最低電圧」以上の電圧が加わっており、インバータ6は常に動作可能となる。
【0033】
回転数指令器13aは以下のように回転数指令値16aを生成するように構成する。
(1)「回転数検出器11で検出した回転数」が、定数R1より小さい場合には、回転数指令値16aを定数R2にする。
(2)「回転数検出器11で検出した回転数」が、定数R1と同じか高い場合には、回転数指令値16aを「回転数検出器11で検出した回転数」×係数に設定する。
ここで、定数R1は、熱機関(図示しない)がアイドル状態でタービン1と同軸の発電機2による発電がほとんど行われない状態に相当するタービン1の回転数14である。定数R2は、最低限の給気を行うために必要なコンプレッサ8の回転数である。
なお、上記係数は実施例1と同様にして求められる。
【0034】
上記構成によって、熱機関が動作していないとき、もしくは熱機関が動作しているがアイドル状態のときは、排気が少なくタービン1の回転数14が低いので、「「回転数検出器11で検出した回転数14」が、定数R1より小さい場合」に該当し、回転数指令値16aは定数R2となり、コンプレッサ8は最低限の給気のみ行う。タービン1と同軸の発電機2からの発電がほとんど行われないので、直流電源21からダイオード22を介して直流バス5に電流が流入しインバータ6が駆動される。
【0035】
一方、熱機関が動作して負荷運転しているときは、排気が多くタービン1の回転数14が高いので、「「回転数検出器11で検出した回転数14」が、定数R1と同じか高い場合」に該当するため、実施例1における「熱機関が動作しているとき」の場合と同じ動作となる。
【0036】
実施例2は、熱機関がアイドル運転もしくは停止される頻度が高い場合でも給気を最低限維持したい(コンプレッサを停止したくない)場合に特に適するものである。
【0037】
図3は、本発明における実施例3のターボチャージャの図である。
この図において、33は回転数指令器、36はインバータ、37は電動機、38はコンプレッサ、38aは軸である。実施例1と同一の構成要素に対しては、図1と同じ番号を付し説明を省略する。
【0038】
回転数指令器33は、回転数検出器11で検出したタービン1及び発電機2の回転数14と、電圧検出器12で検出した直流バス5の電圧に基づいて、電動機とコンプレッサとインバータの複数の組のそれぞれに対して、電動機及びコンプレッサの回転数の指令値をインバータへ出力する。すなわち、電動機7及びコンプレッサ8の回転数の指令値16をインバータ6へ出力し、電動機37及びコンプレッサ38の回転数の指令値46をインバータ36へ出力する。
回転数指令器は、例えば、マイクロプロセッサとメモリと演算プログラムで構成することが可能である。
【0039】
インバータ36及び、電動機37、コンプレッサ38、軸38aは、実施例1又は実施例2における、インバータ6及び、電動機7、コンプレッサ8、軸38aと同一機構のものである。寸法や形状や回転数は、異なっていてもよい。
【0040】
この実施例においては、1組のタービン1及び発電機2に対して、複数台又は複数の部分に分かれている熱機関や熱サイクル(図示しない)への吸気を圧縮する複数台のコンプレッサ8、38及び電動機7、37を用意し、発電機2で発電した電力を、複数台の電動機7、37へ電気接続を行う構成になっている。
【0041】
回転数指令器33は、以下のように回転数指令値16を生成するように構成する。
(1)「電圧検出器12で検出した電圧15」が「インバータ6が動作可能な最低電圧」より低い場合には、回転数指令値16を0にする。
(2)「電圧検出器12で検出した電圧15」が「インバータ6が動作可能な最低電圧」と同じか高い場合には、回転数指令値16を「回転数検出器11で検出した回転数14」×係数Aによって求めた値に設定する。
ここで係数Aは、例えば、流体性能的に、コンプレッサ8の回転数とタービン1の回転数14を等しくすると効率がよいのであれば、係数Aは1とし、例えば、流体性能的に、コンプレッサ8の回転数をタービン1の回転数14の2倍にすると効率がよいのであれば、係数Aは2とする。もしくは、例えば、流体性能的に、コンプレッサ8の回転数をタービン1の回転数14の0.8倍にすると効率がよいのであれば、係数Aは0.8とする。
すなわち、流体性能的に効率が最もよくなるコンプレッサ8の回転数とタービン1の回転数14の比を係数Aとする。
【0042】
さらに、回転数指令器33は、以下のように回転数指令値46を生成するように構成する。
(1)「電圧検出器12で検出した電圧15」が「インバータ36が動作可能な最低電圧」より低い場合には、回転数指令値46を0にする。
(2)「電圧検出器12で検出した電圧15」が「インバータ36が動作可能な最低電圧」と同じか高い場合には、回転数指令値46を「回転数検出器11で検出した回転数14」×係数Bによって求めた値に設定する。
ここで係数Bは、例えば、流体性能的に、コンプレッサ38の回転数とタービン1の回転数14を等しくすると効率がよいのであれば、係数Bは1とし、例えば、流体性能的に、コンプレッサ38の回転数をタービン1の回転数14の2倍にすると効率がよいのであれば、係数Bは2とする。もしくは、例えば、流体性能的に、コンプレッサ38の回転数をタービン1の回転数14の0.8倍にすると効率がよいのであれば、係数Bは0.8とする。
すなわち、流体性能的に効率が最もよくなるコンプレッサ38の回転数とタービン1の回転数14の比を係数Bとする。
【0043】
一方、図4は、本発明における実施例4のターボチャージャの図である。
この図において、33aは回転数指令器である。実施例2ないし実施例3と同一の構成要素に対しては、図2ないし図3と同じ番号を付し説明を省略する。
回転数指令器33aは、回転数検出器11で検出したタービン1及び発電機2の回転数14に基づいて、電動機とコンプレッサとインバータの複数の組のそれぞれに対して、電動機及びコンプレッサの回転数の指令値をインバータへ出力する。すなわち、電動機7及びコンプレッサ8の回転数の指令値16aをインバータ6へ出力し、電動機37及びコンプレッサ38の回転数の指令値46aをインバータ36へ出力する。
【0044】
回転数指令器33aは以下のように回転数指令値16aを生成するように構成する。
(1)「回転数検出器11で検出した回転数」が、定数R1より小さい場合には、回転数指令値16aを定数R2Aにする。
(2)「回転数検出器11で検出した回転数」が、定数R1と同じか高い場合には、回転数指令値16aを「回転数検出器11で検出した回転数」×係数Aに設定する。
ここで、定数R2Aは、最低限の給気を行うために必要なコンプレッサ8の回転数である。
【0045】
さらに、回転数指令器33aは以下のように回転数指令値46aを生成するように構成する。
(1)「回転数検出器11で検出した回転数」が、定数R1より小さい場合には、回転数指令値46aを定数R2Bにする。
(2)「回転数検出器11で検出した回転数」が、定数R1と同じか高い場合には、回転数指令値46aを「回転数検出器11で検出した回転数」×係数Bに設定する。
ここで、定数R2Bは、最低限の給気を行うために必要なコンプレッサ38の回転数である。
【0046】
なお、上記定数R1は実施例2と同様にして、係数A、係数Bは実施例3と同様にして求められる。
【0047】
上記実施例3及び実施例4において、常時、複数台又は複数の部分に分かれている熱機関や熱サイクルからの排気を合わせた排気がタービン1を駆動しており、排気のアンバランス対策のための連通管が不要になる。
また、例えば、環境規制に対応するために複数台又は複数の部分に分かれている熱機関や熱サイクルに対し共通の排ガス処理装置を設ける場合、タービン通過前の高圧の排気が配管を通過するので、配管が細くてすむという効果が得られる。
【0048】
なお、本発明において、タービン1とコンプレッサ8間の距離が長い場合、電線における電位降下を小さくするため、平滑化回路4の直後に昇圧型DC−DCコンバータを追加し、電圧を昇圧してもよい。
また、過電圧防止のため、直流バス5のプラスマイナス間にコンタクタを介して回生抵抗を追加し、直流バス5の電圧がインバータ6の入力許容電圧を越える場合にはコンタクタを閉じるように構成してもよい。
【0049】
タービン1及び発電機2の回転数検出を、発電機2の交流出力のゼロクロス点をカウントして行ってもよい。なお、この場合においては、外付けのタコジェネもしくはエンコーダは不要である。
【0050】
実施例3および実施例4においては、電動機とコンプレッサとインバータの組が2組ある例を示したが3組以上の場合にも同様の構成が可能である。
【0051】
なお、本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0052】
1 タービン、1a 軸、2 発電機、3 整流器、4 平滑化回路、
5 直流バス、6 インバータ、7 電動機、8 コンプレッサ、8a 軸、
11 回転数検出器、12 電圧検出器、13 回転数指令器、
13a 回転数指令器、14 回転数、15 電圧、16 回転数指令値、
16a 回転数指令値、21 直流電源、22 ダイオード、
33 回転数指令器、33a 回転数指令器、36 インバータ、
37 電動機、38 コンプレッサ、38a 軸、46 回転数指令値、46a 回転数指令値

【特許請求の範囲】
【請求項1】
排気により駆動されるタービン、気体を圧縮するコンプレッサとを備える排熱回収装置であって、
前記タービンの回転によって発電する発電機と、
前記コンプレッサを回転駆動する電動機と、
前記発電機の発電出力を動力源として前記電動機を駆動する制御装置を備える、ことを特徴とする排熱回収装置。
【請求項2】
前記制御装置は、前記発電機からの交流出力を整流して直流に変換する整流器と、
該整流器直後の直流電圧を平滑化する平滑化回路と、
電力を前記タービン側から前記コンプレッサ側へ送る直流バスと、
前記電動機を駆動するインバータと、
前記タービン及び前記発電機の回転数を検出する回転数検出器と、
前記電圧を検出する電圧検出器と、
前記回転数及び前記電圧に基づいて算出された前記電動機及び前記コンプレッサの回転数指令値を前記インバータに出力する回転数指令器と、を備える、ことを特徴とする請求項1に記載の排熱回収装置。
【請求項3】
前記制御装置は、前記発電機からの交流出力を整流して直流に変換する整流器と、
該整流器直後の直流電圧を平滑化する平滑化回路と、
電力を前記タービン側から前記コンプレッサ側へ送る直流バスと、
前記電動機を駆動するインバータと、
前記タービン及び前記発電機の回転数を検出する回転数検出器と、
直流電源と、
前記タービン及び前記発電機からの発電電圧が前記インバータの動作可能な電圧に満たない場合に、前記直流電源からの電流を該インバータに供給するダイオードと、
前記回転数に基づいて算出された前記電動機及び前記コンプレッサの回転数指令値を前記インバータに出力する回転数指令器と、を備える、ことを特徴とする請求項1に記載の排熱回収装置。
【請求項4】
1組の前記タービン及び前記発電機に対して、前記電動機及び前記コンプレッサを複数台設置している、ことを特徴とする請求項2乃至請求項3のいずれかに記載の排熱回収装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−17685(P2012−17685A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−155456(P2010−155456)
【出願日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】