説明

掘削孔壁防護管のシール装置

【課題】孔壁と防護管との間に充填材を充填する掘削施工において、充填材が掘削孔内へ漏出するのを確実に防止する。
【解決手段】孔壁防護管20の下端部に取り付けられ、該下端部から掘削孔壁に沿って所定高さ範囲まで上方に延びる筒状のシール本体24と、シール本体24の内側に配置されて孔壁防護管20の下端部に取り付けられるシート25とを備え、シール本体24は、孔壁防護管20の下端部と孔壁との間の底部が充填材の荷重に対する剛性を有するとともに、少なくとも孔壁に沿う筒状部が周方向に複数に分割されて各々の分割部分27が独立して孔壁に密着できる弾性を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、掘削孔壁防護管のシール装置に関し、より詳細には例えば大口径の杭孔を掘削をする際に、孔壁を保護するために杭孔に建て込まれる防護管と孔壁との間に充填される充填材の漏出を防止するためのシール装置に関する。
【背景技術】
【0002】
大口径ボーリング工法の1つであるTBH工法(トップドライブリバース工法)は、場所打ち杭を築造するために広く適用されている。この工法では、地表近くに口元管を設置し、掘削孔に供給される泥水を逆循環させて孔壁を防護しながら地盤を掘削し、所定深度に達したら鉄筋を杭孔に沈設してコンクリートを打設し、杭施工を完了する。
【0003】
しかしながら、ある杭径(すなわち削孔径)を超え、しかも地下水位が高い条件下や、あるいは軌道に近接して列車振動を受ける条件下では、泥水による防護のみでは孔壁が崩壊するおそれがある。このような条件下に対応するため、口元管位置からの掘削施工に伴って、掘削孔にそれよりも幾分か小径の防護管を徐々に落とし込むことによって建て込み、孔壁と防護管との間隙には防護管を型枠としてモルタル等の充填材を充填する工法が提案されている(特許文献1参照)。このような工法において、充填材の削孔内への漏出を防止するためには、防護管の下端部にシール装置を取り付ける必要がある。
【0004】
充填材の漏出を防止するためのシール装置については、薄鋼板を用いたものがこの出願の出願人によって提案されている(特許文献2参照)。しかし、掘削孔壁は凹凸があるなどしてその周方向に関しても、また軸方向に関しても孔壁面が一様ではなく、さらには防護管は地上から吊り下げて落とし込まれるため径方向への動きが生じ、したがって防護管と孔壁との間の隙間の大きさが変化することから、単に鋼板を底付きの円筒形に加工しただけでは隙間の大きさ変化に追従することができない。
【0005】
シール装置に要求される性能は、いうまでもなく防護管下端部での充填材に対するシール性を確保することである。そのためには、流動性の高い充填材の自重に耐える剛性があること、防護管と孔壁との間の隙間の大きさ変化に追従できること等が要求される。この出願の出願人は、特許文献1記載のもの以外にも、いくつかの実証実験を行ってきたが、要求されるシール性を満足するものがこれまで確立されていなかった。
【0006】
例えば、ナイロン製ブラシで構成したシール装置を製作し、性能確認実験を試みたが、ナイロン製ブラシは剛性がないため、充填材の重量に耐えられず、反転してしまうという現象が発生する。またブラシは糸状の線材で構成されているため、それ自体では止水性を有しないことから、不織布等と組み合わせて全体装置とするのであるが、シール装置自体の変形が大きく、また充填材の重量に対抗する剛性がないため、防護管と孔壁との隙間においてめくり返される現象が発生してシール装置としての機能を果たさない状況となる。
【0007】
別の例として、ネット状のパッキン材の内側に充填材の漏れを防止するシートを施す構造のシール装置を試みた。この場合、パッキン材の上端を防護管に設けた糸材で吊り下げてパッキン形状を確保したが、ネット自体の引っ張り強さは強いものの、孔壁に接することのない底面すなわち自由面に対しての形状を保持する剛性が無いため、充填材が充満するとネットが変形してしまう。充填材はその液圧でネットに作用するため、孔壁に接する部分では強くネットが孔壁に押し付けられ、大きな摩擦力が発生する。また、ネットの防護管への取付け部分では反対面が自由面となっているため、ネットが風船状に膨らみ、孔壁の凹凸を通過する際の大きな抵抗となり、支障をきたす。すなわち、孔壁に押し付けられたネットには孔壁との間で大きな摩擦力が発生することから、このようなネットによるシール装置を取り付けた防護管を掘削に伴って落とし込むことが困難になる。その結果、ジャッキなどの手段を用いて強制的に防護管を沈設させることを余儀なくされ、シール全体の破損を招くことになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2010−90588号公報
【特許文献2】特開2010−248714号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
この発明は上記のような技術的背景に基づいてなされたものであって、次の目的を達成するものである。
この発明の目的は、掘削に伴って掘削孔に孔壁防護管を建て込み、孔壁と防護管との間に充填材を充填する掘削施工において、充填材が掘削孔内へ漏出するのを確実に防止することができるシール装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は上記課題を達成するために、次のような手段を採用している。
すなわち、この発明は、掘削の進行に伴って掘削孔に建て込まれる孔壁防護管と、掘削孔壁との間に充填される充填材が掘削孔内に漏出するのを防止するために、前記孔壁防護管の下端部に設けられるシール装置であって、
前記孔壁防護管の下端部に取り付けられ、該下端部から前記掘削孔壁に沿って所定高さ範囲まで上方に延びる筒状のシール本体と、このシール本体の内側に配置されて前記孔壁防護管の下端部に取り付けられるシートとを備え、
前記シール本体は、前記孔壁防護管の下端部と前記孔壁との間の底部が前記充填材の荷重に対する剛性を有するとともに、少なくとも前記孔壁に沿う筒状部が周方向に複数に分割されて各々の分割部分が独立して孔壁に密着できる弾性を有していることを特徴とする掘削孔壁防護管のシール装置にある。
【0011】
上記シール装置において、前記シール本体の底部は前記孔壁防護管の外周面に対し上方に向けて傾斜している構成を採用することができる。また、前記シール本体は周方向に分割された複数の分割シールプレートからなり、各分割シールプレートが前記孔壁防護管の下端部に取り付けられている構成を採用することができる。
【0012】
前記分割シールプレートは、内側分割シールプレートと、その継ぎ目を覆うように配置される外側分割シールプレートとの二重構造となっている構成を採用することもできる。前記シール本体の底部外面に、前記孔壁防護管の下端部に取り付けられて該底部に剛性を付加するための環状の補強プレートが配置されている構成を採用することもできる。さらに、前記補強プレートは前記孔壁防護管の周方向に分割された複数の分割補強プレートからなり、各分割補強プレートが前記孔壁防護管の下端部に取り付けられている構成を採用することもできる。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、シール本体は底部が充填材の荷重に耐えうる剛性を有しているので、充填材の荷重によって底部が膨らむというような変形を生じることがなく、また掘削孔壁に沿う筒状部が周方向に複数に分割されて各々の分割部分が独立して孔壁に密着できる弾性を有しているので、孔壁防護管と孔壁との間の隙間の大きさが変化しても、その変化に十分に追従することができる。これにより、充填材が掘削孔内に漏出するのを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】掘削装置の一例を示す図である。
【図2】孔壁防護管に取り付けた状態のシール装置を示す斜視図である。
【図3】シール装置の軸方向断面図であり、(a)は全体図、(b)はシール装置下部の拡大図である。
【図4】各分割シールプレートを孔壁防護管へ取り付けた状態の展開図である。
【図5】分割シールプレートを示す平面図であり、(a)は内側分割シールプレート(b)は外側分割シールプレートをそれぞれ示している。
【図6】分割シートを孔壁防護管へ取り付けた状態の展開図である。
【図7】分割シートを示す平面図である。
【図8】分割補強プレートを孔壁防護管へ取り付けた状態の展開図である。
【図9】分割補強プレートを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
この発明の実施形態を図面を参照しながら以下に説明する。図1は、TBH工法に適用される掘削装置の一例を示している。掘削装置は、門型の固定フレーム1を有している。固定フレーム1は1対の支柱2,2と、支柱2,2の上端間を連結するビーム3とからなっている。支柱2,2に沿ってガイドロッド4,4が設けられ、これらガイドロッド4,4に可動フレーム5の両端部に設けられた嵌合部5a,5aが嵌合している。可動フレーム5は、その両端嵌合部5a,5aが支柱2の内部に配置された油圧による作動シリンダ(図示せず)に連結され、ガイドロッド4,4に案内されて昇降する。
【0016】
可動フレーム5の中央部にはスイベルヘッド6が設けられ、このスイベルヘッド6は図示しない油圧による駆動モータにより回転する。スイベルヘッド6には、複数本の掘削ロッド7が連結され、これら掘削ロッド7は掘削の進行に伴って順次継ぎ足される。先端の掘削ロッド7にはビット8が連結されている。ビット8としてはウィングビットなどが用いられる。ビット8の各翼には削孔径を変えることができる補助ビット9が半径方向に移動自在に設けられている。
【0017】
図示の掘削装置は、掘削泥水の供給・排出に関してはリバースサーキュレーション式のものである。すなわち、図示しないタンクから掘削水が掘削孔10に供給され、掘削によって生じたズリをともなった排泥水はビット8の軸部11から吸い込まれ、掘削ロッド7及びスイベルヘッド6に接続された排泥水管12を通してタンクに戻される。
【0018】
固定フレーム1の各支柱2,2の下部にはウィンチ13が設けられている。ウィンチ13から上方に向けて繰り出されるワイヤロープ14は、固定フレーム1の上部でプーリ15により方向変換されて下方に延びている。このワイヤロープ14に掘削孔壁を保護するための孔壁防護管20が懸吊支持される。
【0019】
孔壁防護管20は例えば波形鋼板を湾曲加工してなる周知のライナープレトを用いて組み立てられる。具体的には、ライナープレートを周方向に接続して短尺の単位保護リング20aとし、この単位保護リング20aを掘削の進行に伴って継ぎ足し接続することにより孔壁防護管20が組み立てられる。ワイヤロープ14は孔壁防護管20の内方に配置され、先端部が最下段の単位保護リング21に固定されることにより、孔壁防護管20が懸吊支持される。
【0020】
掘削孔10の掘削に先立ち口元管15が設置され、その内方を掘削して先行ピットとし、この先行ピットからビット8による孔10の掘削が開始される。すなわち、駆動モータの回転により掘削ロッド7に回転力を与え、また可動フレーム5を下降させることによって掘削ロッド7に押込み力を与えて、孔10が掘削される。掘削の進行に伴って、ワイヤロープ14が繰り出されることによって、孔壁防護管20が掘削孔10内に落とし込まれる。孔壁防護管20は落とし込みが円滑になされるように掘削孔10の径よりも小さく作られ、したがって孔壁防護管20と掘削孔10の孔壁との間には隙間22が形成されるので、口元管15と孔壁防護管20との間の隙間を含めて隙間22にはモルタル等の充填材が充填される。この充填材が掘削孔10内に漏れ出すのを防止するために、孔壁防護管20の下端部にシール装置23が設けられている。
【0021】
図2以降の図面は、この発明によるシール装置23の詳細を示している。図2は孔壁防護管20の下端部、すなわち最下段の単位保護リング20aに取り付けた状態のシール装置23を示す斜視図である。図3はシール装置23の軸方向断面図であり、(a)は全体図、(b)はシール装置下部の拡大図である。シール装置23は筒状のシール本体24と、その内側に配置されるシート25とからなる。
【0022】
シール本体24は、この実施形態では内外2重構造となっていて、内側部分及び外側部分とも周方向に複数に分割された分割シールプレート26,27からなっている。分割シールプレート26,27は、充填材の重量に耐えることができる剛性を有し、しかも掘削孔10の孔壁28に密着する弾性を有し、さらには孔壁を形成する土との摩擦係数が0.1〜0.3と小さい材料、例えばポリオレフィン樹脂、超高分子量ポリエチレン、ばね鋼板などの材料で作られている。
【0023】
図4は各分割シールプレート26,27を孔壁防護管20へ取り付けた状態の展開図(割り付け図)、図5は分割プレートを示す平面図であり、(a)は内側分割シールプレート26、(b)は外側分割シールプレート27をそれぞれ示している。分割プレート26,27はいずれも孔壁防護管20への取付部29側の周縁が孔壁防護管20の曲率と同曲率を持った円弧状に形成され、その反対側の周縁(取付けの結果、上端周縁となる)も所定の曲率を持った円弧状に形成されている。分割シールプレート26,27は周方向長さ寸法(幅)が同じであるが、高さ寸法は内側分割シールプレート26よりも外側シールプレート27の方が大きくなっている。
【0024】
取付部29には孔壁防護管20に取り付けるためのボルト30を通すための複数の孔31が設けられている。分割シールプレート26,27は、孔壁防護管20の下端部外周縁に対応する位置で、孔壁防護管20の外周面に対し上方に傾斜するように所定角度(実施形態では45度の曲げ角度)で予め折り曲げ加工された、折り曲げ部32を有している(図3(b)参照)。さらに、分割シールプレート26,27は孔壁近くでも孔壁に沿うように折り曲げ加工された、折り曲げ部33を有している。これら折り曲げ部32と折り曲げ部33との間の部分34aがシール本体の底部34を構成し、折り曲げ部33から上端周縁にかけての部分35aがシール本体の孔壁に沿う筒状部35を構成している(図3(b)参照)。この筒状部35を構成する部分35aには、周方向中央部に軸方向に沿うスリット36が形成されている。
【0025】
内側分割シールプレート26は周方向に隣接するものの側面どうしを突き合わせ、取付部29においてその孔31に挿入されるボルト30により孔壁防護管20の下端部に固定される。固定する際に、ボルト30の周辺、突き合わせ部等からの充填材の漏出を防止するために、接着剤や防水シールなどを併用してもよい。外側シールプレート27も同様に、隣接するものの側面どうしを突き合わせ、取付部29においてその孔31に挿入されるボルト30により孔壁防護管20の下端部に固定される。ただし、この外側シールプレート27は、周方向に隣接する内側分割シールプレート26間に形成される継ぎ目を覆うように配置される。
【0026】
図6,図7に示すように、シート25も周方向に分割された複数の分割シート37からなっている。図6は分割シート37を孔壁防護管20へ取り付けた状態の展開図(割り付け図)、図7は分割シート37を示す平面図である。分割シート37は、可撓性を有するシート材料、例えば不織布などで作られている。分割シート37は孔壁防護管20への取付部38側の周縁が孔壁防護管20の曲率と同曲率を持った円弧状に形成され、上端周縁も所定の曲率を持った円弧状に形成されている。取付部38には孔壁防護管20に取り付けるためのボルト30を通すための複数の孔39が設けられている。
【0027】
分割シート37の両側部には周方向に隣接するものどうしを繋ぎ合わせるための接合部40,41が形成されている。接合部40としては面ファスナーなどが用いられる。これら分割シート37は、前述の内側分割シールプレート26の内側に配置され、取付部38においてその孔39に挿入されるボルト30により孔壁防護管20の下端部に固定される。符号42で示す線は、分割シールプレート26,27の折り曲げ部33に対応する位置を示し、分割シート37は可撓性を有することから、内側分割シールプレート26の内面に沿わせることにより、この線42の位置で折り曲げられる。
【0028】
図3に示すように、シール本体の底部34の外面には補強プレート43が設けられている。この補強プレート43も図8,図9に示すように、周方向に分割された複数の分割補強プレート44からなっている。図8は分割補強プレート44を孔壁防護管20へ取り付けた状態の展開図(割り付け図)、図9は分割補強プレート44を示す平面図である。分割補強プレート44は、所要の厚みを有する金属板、例えば鋼板で作られている。分割補強プレート44は孔壁防護管20への取付部45側の周縁が孔壁防護管20の曲率と同曲率を持った円弧状に形成され、反対側の周縁には全体として所定の曲率を持った円弧状をなすように複数の爪46が設けられている。これら爪46は基部において分割シールプレート26,27の折り曲げ部32と同角度で予め折り曲げ加工された、折り曲げ部47を有している。取付部45には孔壁防護管20に取り付けるためのボルト30を通すための複数の孔48が設けられている。
【0029】
これら分割補強プレート44は、前述の各外側分割シールプレート27の外側に配置され、取付部45においてその孔48に挿入されるボルト30により孔壁防護管20の下端部に固定される。これにより、シール本体24すなわち各分割シールプレート26,27は、その底部34が補強プレート43の爪46によって支えられることとなる。
【0030】
以上のようなシール装置によれば、シール本体24は底部34が充填材の荷重に耐えうる剛性を有しているので、充填材の荷重によって底部が膨らむというような変形を生じることがなく、また孔壁28に沿う筒状部35が周方向に複数に分割されて各々の分割部分35aが独立して孔壁に密着できる弾性を有しているので、孔壁防護管20と孔壁28との間の隙間の大きさが変化しても、その変化に十分に追従することができる。これにより、充填材が掘削孔内に漏出するのを確実に防止することができる。また、シール本体24の底部34は孔壁防護管20の外周面に対して上方に向けて傾斜しているので、底部34から筒状部35に連なる部分である折り曲げ部が鈍角的になり、孔壁防護管20の沈設時にはこの部分がガイド作用をなし、スムーズな沈設を行うことができる。
【0031】
さらに、シール本体24は孔壁28を形成する土との摩擦係数が小さい材料で作られているので、両者間に発生する摩擦力を最小限に抑えることができ、孔壁防護管20が自沈できなくなって、押込みジャッキなどの他の手段を必要としたり、直進性のコントロールが困難になるような事態の発生を防止することができる。
【0032】
上記実施形態は例示にすぎず、以下に記載するように、この発明は種々の態様を採ることができる。
(1) 上記実施形態ではシール本体を周方向に分割された複数の分割シールプレートで構成したが、シール本体の構造はこれに限られない。例えば、シール本体を孔壁防護管への取付部から底部までが一体となった環状のものとし、底部に連なる筒状部のみを周方向に分割した構造とすることもできる。
(2) 上記実施形態ではシール本体を二重構造としたが、充填材の荷重が小さい場合は一重構造としてもよい。この場合、分割シールプレートの周方向に隣接するものどうしを一部重ね合わせるようにしてもよい。
(3) 上記実施形態では分割シールプレートや、分割シート、分割補強プレートの各取付部の内周縁を孔壁防護管の曲率に一致させた円弧状に形成したが、円弧状とすることなく全体として短冊状となるように形成してもよい。
【符号の説明】
【0033】
20 孔壁防護管
20a 単位保護リング
23 シール装置
24 シール本体
25 シート
26 内側分割シールプレート
27 外側分割シールプレート
28 孔壁
33 折り曲げ部
34 底部
35 筒状部
37 分割シート
43 補強プレート
44 分割補強プレート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
掘削の進行に伴って掘削孔に建て込まれる孔壁防護管と、掘削孔壁との間に充填される充填材が掘削孔内に漏出するのを防止するために、前記孔壁防護管の下端部に設けられるシール装置であって、
前記孔壁防護管の下端部に取り付けられ、該下端部から前記掘削孔壁に沿って所定高さ範囲まで上方に延びる筒状のシール本体と、このシール本体の内側に配置されて前記孔壁防護管の下端部に取り付けられるシートとを備え、
前記シール本体は、前記孔壁防護管の下端部と前記孔壁との間の底部が前記充填材の荷重に対する剛性を有するとともに、少なくとも前記孔壁に沿う筒状部が周方向に複数に分割されて各々の分割部分が独立して孔壁に密着できる弾性を有していることを特徴とする掘削孔壁防護管のシール装置。
【請求項2】
前記シール本体の底部は前記孔壁防護管の外周面に対し上方に向けて傾斜していることを特徴とする請求項1記載の掘削孔壁防護管のシール装置。
【請求項3】
前記シール本体は周方向に分割された複数の分割シールプレートからなり、各分割シールプレートが前記孔壁防護管の下端部に取り付けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の掘削孔壁防護管のシール装置。
【請求項4】
前記分割シールプレートは、内側分割シールプレートと、その継ぎ目を覆うように配置される外側分割シールプレートとの二重構造となっていることを特徴とする請求項3記載の掘削孔壁防護管のシール装置。
【請求項5】
前記シール本体の底部外面に、前記孔壁防護管の下端部に取り付けられて該底部に剛性を付加するための環状の補強プレートが配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1記載の掘削孔壁防護管のシール装置。
【請求項6】
前記補強プレートは前記孔壁防護管の周方向に分割された複数の分割補強プレートからなり、各分割補強プレートが前記孔壁防護管の下端部に取り付けられていることを特徴とする請求項5記載の掘削孔壁防護管のシール装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−255289(P2012−255289A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−128599(P2011−128599)
【出願日】平成23年6月8日(2011.6.8)
【出願人】(000221616)東日本旅客鉄道株式会社 (833)
【出願人】(000216025)鉄建建設株式会社 (109)
【Fターム(参考)】