説明

掘削工具

【課題】掘削によって発生する掘削ずりを円滑に後端側に押し出すことができ、効率の良い掘削作業を行うことのできる掘削工具を提供する。
【解決手段】ケーシングパイプ11と、このケーシングパイプ11の内部に配置され軸線O方向に推力と打撃力及び回転力が伝達されるロッド13と、該ロッド13の先端部に取り付けられたデバイス14と、該デバイス14の先端に装着される掘削ビット15とを備えた掘削工具において、掘削ビット15がヘッド部15aとスカート部15bを有しており、ケーシングパイプ11の先端に、ケーシングパイプ11に対して軸線方向に移動可能で、かつ軸線周りに回転可能な円筒状のケーシングトップ12を掘削ビット15の外周部に外嵌されるように取り付け、前記ケーシングトップ12の内周部及び前記スカート部15bの外周部間には推力打撃力伝達部24を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、掘削工具に係り、略円筒状のケーシングパイプ内に、先端に掘削ビットが装着されたロッドを挿入した、いわゆる二重管ビット式の掘削工具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
アンカー工事や各種掘削工事、基礎杭工事、トンネル先受け工事、水抜きボーリング工事などの土木工事においては、地盤の掘削を行う場合、円筒状のケーシングパイプ内に挿入されたロッドの先端に掘削ビットを装着した二重管ビット式の掘削工具が多用されており、前記ロッドを介して掘削ビットに回転及び打撃力を与えて掘削を行い、こうして掘削された削孔にケーシングパイプを建て込んで削孔の崩落を防ぐようにしている。
【0003】
図6は特許文献1に示す従来の二重管ビット式の切削工具の一構成例を示している。符号1は略円筒状をなすケーシングパイプ1であって、その内周部にロッド2が挿入されており、このロッド2の先端には、多段円柱状のデバイス3がその先端をケーシングパイプ1から突出させた状態で取り付けられている。また、デバイス3の突出した先端に掘削ビット4が係脱可能に装着されている。さらに、ケーシングパイプ1の先端部には、概略円筒状であって掘削ビットのスカート部の外周を包囲するように張り出したケーシングトップ5が、ケーシングパイプ1の中心軸線と同軸にこの軸線周りに回転自在かつ該軸線方向に移動可能に取り付けられている。
【0004】
そして、ケーシングパイプ5の内周部及びデバイス4の外周部間には推力打撃力伝達機構6が設けられている。該推力打撃力伝達機構6は、ケーシングパイプ5の内周壁が縮径することにより一部が肉厚となって形成される段差部と、デバイス4の段差部とから構成される。
【0005】
また、ロッド2は、ケーシングパイプ1の内径より一回り小さな外径を有する厚肉の略円筒状に形成されていて、ケーシングパイプ1の軸線と同軸上に挿入されている。なお、外形が略正六角柱状の六角ロッドが使用されることもある。また、ロッド2の後端部には図示していないが、ロッドアダプタが連結され、そのロッドアダプタに削岩機などのような掘削装置の駆動軸が取り付けられている。さらに、ケーシングパイプ1の後端部にも図示しない筒状のフロントアダプタが連結され、このフロントアダプタが前記ロッドアダプタに取り付けられている。
【0006】
そして、駆動軸の駆動装置によってロッドアダプタに回転力が伝えられると共に、軸線の先端側に向けて推力及び打撃力が伝えられ、その回転力、推力及び打撃力がロッドアダプタを介してロッド2に伝わり、デバイス3を経て掘削ビット4が回転しかつ打撃を与えながら地盤を削孔する一方、ロッドアダプタからフロントアダプタを介しケーシングパイプ1の後端部に推力と打撃力が伝わる。さらに、推力打撃力伝達手段6が備えられていることにより、デバイス3に推力と打撃力が伝わる度にケーシングトップ5が前方に押し込まれ、ケーシングトップ5を削孔に的確に建て込んで、削孔壁の崩落を防止する。
【特許文献1】特開2003−172089号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、削孔時に生成された掘削ずりは、ケーシングトップ5と掘削ビット4との間の隙間から掘削ビット4及びデバイス3に設けられた溝に導入され、デバイス3及びロッド2とケーシングパイプ1との間を通して後端側に排出される。ところが、前記の従来の掘削工具にはケーシングトップ5の内周部及びデバイス4の外周部間に推力打撃力伝達機構6が設けられているためにケーシングトップ5の一部において内周壁が縮径して肉厚となっている。よって、発生する掘削ずりが多い場合には内周壁が縮径することにより肉厚となっている部分に掘削ずりが滞留しやすく、掘削ずりを円滑に後端側に排出することができなくなることがあった。従って、十分な推力と打撃力を有し掘削能力の高い掘削工具であっても、掘削ずりの排出が不十分となり、掘削速度を減速させる必要があり、掘削能力を十分に発揮することができないという問題があった。
【0008】
この発明は、このような課題を解決するために発明されたものであり、掘削によって発生する掘削ずりを円滑に後端側に排出して、効率の良い掘削作業を行うことのできる掘削工具の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するため、この発明は以下の手段を提案している。
即ち、本発明に係る掘削工具は、軸線方向に推力と打撃力が伝達されるケーシングパイプと、このケーシングパイプの内部に同芯上に配置されていて、軸線方向に推力と打撃力が伝達されると共に回転力が伝達されるロッドと、該ロッドの先端部に取り付けられたデバイスと、該デバイスの先端にこのデバイスに対する回転が拘束されて装着される掘削ビットとを備えた掘削工具において、前記掘削ビットは、先端側に備えられたヘッド部と、後端側に備えられ内部に前記デバイスが挿嵌されるスカート部とを有し、前記ケーシングパイプの先端には、前記ケーシングパイプに対して軸線方向に移動可能で、かつ軸線周りに回転可能な円筒状のケーシングトップが前記スカート部の外周部に外嵌されるように取り付けられ、前記ケーシングトップの内周部及び前記スカート部の外周部間には推力打撃力伝達部が形成され、掘削ビットがロッド及びデバイスを介して推力と打撃力によって前進する際にケーシングトップを牽引する構成とされていることを特徴としている。
【0010】
掘削ビットによる削孔時、ケーシングトップの内周部及び掘削ビットの外周部間に設けられた推力打撃力伝達部により、ロッド及びデバイスを介して伝達された推力及び打撃力によって掘削ビットが前進する際にケーシングトップを牽引するため、掘削ビットに推力と打撃力が伝達され前進移動する度に、ケーシングトップが追従していくように該ケーシングトップが前方に引き込まれていく。また、ケーシングトップは掘削ビットのスカート部の外周部に外嵌されるように取り付けられているため、デバイスを常に包囲した状態でケーシングトップを削孔に建て込むことができ、ケーシングトップと掘削ビットの間の隙間を小さくすることができる。よって、削孔壁が崩落しても崩落した土砂がこの隙間に入りこんで掘削ずりの取り込みが妨害されることがなくなる。
【0011】
さらに、このように取り込まれた掘削ずりは、デバイス及びロッドとケーシングパイプとの間を経ることにより後端側に排出されるが、本発明に係る掘削工具ではケーシングトップの内周部及びスカート部の外周部間に設けられた推力打撃力伝達部により、掘削ビットがケーシングトップを牽引するようにしてケーシングトップに推力と打撃力が伝えられるため、従来のようにケーシングトップを肉厚にする必要はなく、ケーシングトップとデバイスの間の空間を十分に確保することができ、この箇所に掘削ずりが滞留してしまうことはない。従って、取り込んだ掘削ずりを円滑に後端側に排出することができ、掘削ずりの量に応じて掘削速度を減速させる必要はない
【0012】
また、従来の掘削工具ではケーシングトップの肉厚の部分に推力と打撃力が伝達される構成となっていたため、その肉厚の部分は推力と打撃力に耐えうるべく軸線方向にある程度の長さを備える必要があり、その分だけケーシングトップの内部に位置するデバイスも軸線方向に延びた構造となっていた。本発明においては、ケーシングトップの内周部及びスカート部の外周部間に設けられた推力打撃力伝達部により、掘削ビットがケーシングトップを牽引するようにしてケーシングトップに推力と打撃力が伝達されるため、ケーシングトップ及びデバイスを軸線方向に長くする必要はない。また、前述のように、ケーシングトップの内周壁を縮径した部分を形成する必要はない。従って、掘削工具の軸線方向の長さを短縮することが可能となり、掘削工具のコンパクト化及び製作コストの低減を図ることができる。
【0013】
また、本発明に係る掘削工具において、前記推力打撃力伝達部は、前記スカート部の外周部に取り付けられ、前記軸線に対する径方向に拡縮径可能な弾性部材と、ケーシングトップの内周部に設けられ、該弾性部材を収容可能に、かつ弾性部材の前記ケーシングトップに対する軸線方向先端側への移動を阻止するように形成された収納凹部とから構成されていることを特徴としている。
【0014】
掘削ビットのスカート部の外周部に取り付けられた弾性部材がケーシングトップの内周部に形成された収納凹部に収容され、弾性部材のケーシングトップに対する軸線方向先端側への移動が阻止されることにより、掘削ビットのケーシングトップに対する軸線方向先端側への移動も阻止される。従って、掘削ビットが伝達された推力及び打撃力によって前進移動する際には、掘削ビットとケーシングトップは一体となって移動する。よって、掘削ビットがケーシングトップを牽引するようにしてケーシングトップに推力と打撃力が伝わり、ケーシングトップを削孔に的確に建て込むことが可能となる。
【0015】
また、本発明に係る掘削工具においては、前記ケーシングトップと前記スカート部とが、前記推力打撃力伝達部により接合されることによって一体化しているものであってもよい。
【0016】
ケーシングトップと掘削ビットのスカート部が、例えば溶接等により互いに動くことのないように接合されて一体化することによって、掘削ビットの推力と打撃力がケーシングトップに確実伝わり、ケーシングトップを削孔に的確に建て込むことが可能となる。さらに、推力と打撃力に加えて、掘削ビットの回転力もケーシングトップに直接的に伝達されるため、ケーシングトップも掘削ビットと同様に回転することになる。従って、その回転力によって、ケーシングトップを直線的に削孔に建て込む場合に比べて、より円滑に建て込んでいくことが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る掘削工具によれば、推力打撃力伝達部により掘削ビットがケーシングトップと一体となって前進するため、掘削ビットの推力と打撃力をケーシングトップに伝達することができ、ケーシングトップを削孔に的確に建て込ませることができるとともに、ケーシングトップとデバイスの間の空間が十分に確保されているため、掘削によって発生する掘削ずりを円滑に後端側に排出することができ、掘削速度を維持することが可能となり、掘削効率の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1ないし図4は、本発明の第1の実施形態を示すものである。図1に示すように第1の実施形態においては、削孔の深さ等に応じてネジまたはテーパソケット等により順次継ぎ足される円管状のケーシングパイプ11の先端に、概略円筒状のケーシングトップ12がケーシングパイプ11の中心軸線Oと同軸にこの軸線O回りに回転自在かつ該軸線O方向に移動可能に取り付けられるとともに、このケーシングパイプ11の内周には厚肉中空の多段六角柱状をなすロッド13が、やはり削孔の深さ等に応じてカップリングまたはネジ等により順次継ぎ足されて軸線Oと同軸に挿入され、このロッド13の先端にはデバイス14を介して掘削ビット15が、デバイス14に対して係脱可能に装着されている。
【0019】
ここで、上述のように順次継ぎ足されるロッド13のうち最後端に継ぎ足されたロッド13の後端には、図1に示すように外周部後端側が一段拡径させられて鍔部16aが形成された中空状のロッドアダプタ16の先端部がカップリング17を介して連結され、このロッドアダプタ16の後端には、掘削時に軸線O回りに回転方向Tに向けての回転力と軸線O方向先端側に向けての推力及び打撃力とを該ロッドアダプタ16を介してロッド13に与える掘削装置の駆動軸18が連結されている。
【0020】
また、最後端に継ぎ足されたケーシングパイプ11の後端にはジョイント部の保護のための保護キャップ11Aが取り付けられるとともに、この保護キャップ11Aの後端とロッドアダプタ16の鍔部16aとの間には、筒状のフロントアダプタ19が、最後端のロッド13の後端部とロッドアダプタ16の先端部およびカップリング17の外周を取り囲むように、鍔部16aとの間にリング状の緩衝材20を介して介装されており、保護キャップ11Aが後端に取り付けられたケーシングパイプ11にはこのフロントアダプタ19を介して、駆動軸18からロッドアダプタ16に与えられる回転力と推力及び打撃力のうち、軸線O方向先端側に向けての推力及び打撃力のみが伝達されるようになされている。
【0021】
また、ケーシングパイプ11のうち最先端のケーシングパイプ11はファーストケーシングパイプ11Bとされ、図2に示すようにその先端部外周は環状溝11aが形成されていて、この環状溝11aには、ケーシングトップ12をファーストケーシングパイプ11Bに係止するケーシング係止機構21の弾性部材として、その径方向に拡縮径可能な金属製のC字状の止め輪21Aが弾性的に縮径させられた状態で収容されている。一方、ケーシングトップ12は、軸線O方向後端に位置し、内径がファーストケーシングパイプ11Bの外形より僅かに大きくされた後端側内周部12aと、軸線O方向先端側に位置し、内径が後端側内周部12aよりも一回り小さくされ、後述する掘削ビット15のスカート部15bの外形より僅かに大きくされた先端側内周部12cとを有している。なお、ケーシングトップ12の外径はファーストケーシングパイプ12Bの外径よりも大径の一定外径とされている。
【0022】
このケーシングトップ12の後端側内周部12aは、ファーストケーシングパイプ11Bの先端部が嵌挿されて取り付けられており、この後端側内周部12aの後端寄りには、該後端側内周部12aに嵌挿されたファーストケーシングパイプ11Bの止め輪21Aよりも後端側に位置するように、ケーシング係止機構21の凹部21Bが環状に形成されている。
【0023】
この凹部21Bは、軸線Oに沿った断面において軸線Oに平行に延びる底面21aと、この底面21aの後端側に位置して軸線Oに略直交する後端側壁面21b、および底面21aの先端側に位置して先端側に向かうに従い内周側に向かうように傾斜させられた先端側壁面21cとを有している。そして、ケーシングトップ12がファーストケーシングパイプ11Bに対して先端側に移動すると、この凹部21Bが環状溝11aの位置に達して弾性的に縮径させられていた止め輪21Aが拡径し、その内周側部分が環状溝11a内に残ったまま外周側部分が凹部21B内に収容され、さらにケーシングトップ12が前進するとこの凹部21B内に収納された止め輪21Aの外周側部分が後端側壁面21bに当接して、それ以上の先端側への移動が制限されるようになされている。
【0024】
また、ケーシングトップ12の後端側内周部12aから小径とされた先端側内周部12cに至る後端側を向く段差部は、軸線Oに略直交する平坦面12bとされ、止め輪21Aが凹部21B内に収容された状態からケーシングトップ12がファーストケーシングパイプ11Bに対して後端側へ移動(後退)すると、止め輪21Aが凹部21Bの傾斜した先端側壁面21cに当たってその傾斜に案内されるように縮径しつつ、凹部21Bから外れて後端側内周部12aに乗り上げ、さらにケーシングトップ12が後退するとファーストケーシングパイプ11Bの先端が平坦面12bに当接したところで、それ以上の後端側への移動が制限されるようになされている。
【0025】
さらに、ケーシングトップ12の先端側内周部12cは、最先端部分が先端側に向かうに従い再び内径が拡径するようにされた拡径部23aとされるとともに、この拡径部23aの後端側には、第1の実施形態における推力打撃力伝達部24の収納凹部24Aが形成されており、この収納凹部24Aと拡径部23aを除いて先端側内周部12cの内径は一定とされている。なお、この推力打撃力伝達部24の収納凹部24Aは、軸線Oに沿った断面において、凹部21Bと同様に軸線Oに平行とされた該軸線O方向に延びる底面24aと、底面24aの先端側に位置して軸線Oに略垂直とされた先端側壁面24b、および底面24aの後端側に位置して後端側に向かうに従い内周側に向かうように傾斜させられた後端側壁面24cとを有している。
【0026】
また、デバイス14は、図2に示すように内外周とも後端側が先端側よりも一段拡径させられた概略多段円筒状をなし、その後端側内周部には、最先端のロッド13の先端部外周に形成される雄ねじ部13aに螺合する雌ねじ部14aが形成されていて、この雌ねじ部14aに雄ねじ部13aをねじ込んで、ロッド13の先端が、軸線Oに略直交する平坦面とされたデバイス14の後端側内周部の底部14bに当接したところで、デバイス14後端側に軸線Oを中心とする円の接線方向にピン25を打ち込んで係止することによって、この最先端のロッド13の先端に着脱可能に取り付けられる。また、このデバイス14の先端側外周部の外径と後端側外周部の外径は、後述する掘削ビット15のスカート部15bの内径とファーストケーシングパイプ11Bの内径よりもそれぞれ僅かに小さくされている。
【0027】
また、このデバイス14の外周には、図2、図3に示すようにその先端から後端に沿って軸線Oに平行に延びる掘削ずり溝26が、周方向に等間隔に複数(第1の実施形態では3つ)形成されている。この掘削ずり溝26は、その底面26aが、デバイス14の先端部では軸線Oを中心とした円筒面状とされる一方、これよりも後端側の中央部では円筒面に外接して軸線O方向に延びる平坦面とされ、さらにこれよりも後端側のデバイス14後端部では、デバイス14の後端側内周部が一段拡径するのに合わせて、中央部の平坦面から後端側に向かうに従い外周側に向かう傾斜面を介し、円筒面よりも径の大きな円筒面に外接して軸線O方向に延びるやはり平坦面とされている。さらに、デバイス14の小径とされた先端側内周部がなす中空部14cは、当該デバイス14が上述のように最先端のロッド13の先端に取り付けられた状態で、継ぎ足されたロッド13の中空部13cを介してロッドアダプタ16の中空部16bに連通させられ、掘削時に掘削装置の駆動軸18から削孔水または圧縮空気等の流体が供給可能とされている。そして、デバイス14のこの中空部14cから少なくとも1の掘削ずり溝26の底面26aに向けては、外周側(底面26a)側に向かうに従い後端側に向かうように傾斜したブロー穴14dが形成されている。
【0028】
さらに、こうしてデバイス14の外周に複数の掘削ずり溝26が形成されることにより、周方向に隣接する掘削ずり溝26の間には軸線O方向に延びる複数条(第1の実施形態では3つ)の突条部が画成されることとなる。そして、この突条部のうちデバイスの先端部に画成された突条部27は、その回転方向Tの前方側を向く部分が当該突条部27の先端部27aを残して軸線O方向に延びる凹部27bによって切り欠かれることにより、外周側からの側面視に先端部27aが回転方向T前方側に折れ曲がったL字型のフック状を呈するように形成され、従ってこの先端部27aは、図3(イ)に示すように凹部27bによって画成された突条部27の回転方向Tの前方を向く側壁27cからさらに回転方向T前方側に突出する凸部を構成することとなる。なお、こうして突出した先端部27aの後端側を向く側壁27dは、軸線Oに直交する略平坦面とされている。
【0029】
そして、掘削ビット15は、図4に示すように先端側のヘッド部15aの外径が後端側のスカート部15bの外径よりも一段大径とされた概略有底円筒状に形成されており、該ヘッド部15aの外径はケーシングトップ12の外径よりも若干大きくされるとともに、スカート部15bの外径はケーシングトップ12の先端側内周部12cに嵌挿可能な大きさとされている。従って、ケーシングトップ12の最大径部の外径は、この掘削ビット15のヘッド部15aにおける最大外径以下とされる。そして、スカート部15bの外周には環状溝15cが形成されていて、この環状溝15cには、第1の実施形態における推力打撃力伝達部24の弾性部材として、やはりその径方向に拡縮径可能な金属製のC字状の止め輪24Bが弾性的に縮径させられた状態で収容されており、こうして止め輪24Bが縮径させられたままスカート部15bが先端側内周部12cに嵌挿されることにより、止め輪24Bが推力打撃力伝達部24の収納凹部24Aに達したところで弾性的に縮径させられていたこの止め輪24Bが拡径し、その内周側部分が環状溝15c内に残ったまま外周側部分が収納凹部24A内に収容される。このとき、弾性部材としての止め輪24Bはケーシングトップ12に対する軸線O方向後端側には移動可能とされるように、また、ケーシングトップ12に対する軸線O方向先端側への移動は阻止されるように、図2に示すように止め輪24Bが収納凹部24Aの先端側側面24bに当接するように収容される。
【0030】
従って、この状態で掘削ビット15はケーシングトップ12の先端にヘッド部15aを突出させるとともに、ケーシングトップ12はスカート部15bの外周部に外嵌されるよう軸線Oと同軸かつ該軸線O回りに回転自在に取り付けられ、さらに推力打撃力伝達部24により、図2に示すように止め輪24Bが収納凹部24A内にある範囲では軸線O方向に移動可能とされ、かつこの図2に示す状態から掘削ビット15がケーシングトップ12に対して先端側に移動しようとすると、この収納凹部24A内に収納された止め輪24Bの外周側部分が該収納凹部24Aの先端側壁面24bに当接しているため、先端側への移動が阻止されることとなる。従って、掘削ビット15に推力と打撃力が伝達され前進移動する際には、ケーシングトップ12が掘削ビット15に牽引されるため、掘削ビット15に追従するように前進移動をする。なお、この掘削ビット15のケーシングトップ12に対する後端側への移動は、例えばケーシングトップ12の先端がヘッド部15aの後端面に当接したところで制限される。
【0031】
また、掘削ビット15後端側のスカート部15bには、デバイス14の先端部が挿入可能な孔部15dが形成されており、この孔部15dの内周には、デバイス14先端部外周の突条部27が回転方向T前方側に突出した先端部27aも含めて軸線Oに平行に挿通可能な凹溝部28が、突条部27と同数の複数(題1の実施形態では3つ)、軸線Oに平行に延びるように形成されている。さらに、孔部15dの孔底面15eは先端に向かってテーパ状の円錐面とされるとともに、この孔底面15e側の孔部15d内周には、それぞれの凹溝部28の孔底側(先端側)部分を連通するように環状の凹所28aが形成されており、この凹所28aは、図2に示すように孔部15dに挿入されたデバイス14の先端面14eを孔底面15eに当接させた状態で、突条部27の先端部27aを収容可能な内径及び軸線O方向の幅を有している。従って、まず上述のように凹溝部28に突条部27を挿通させて孔部15dにデバイス14の先端部を挿入し、このデバイス14の先端面14eが孔底面15eに当接したところでデバイス14を回転方向Tに回転させると、回転方向T前方側を向く突条部27の先端部27aが凹所28a内において周方向に隣接した凹溝部28間に画成される突条29の先端側の空間に入り込むとともに、突条部27の側壁27cが凹溝部28の回転方向T後方側を向く側壁28bに当接させられるので、ロッドアダプタ16からロッド13を介してデバイス14に与えられる掘削時の回転方向Tへの回転力が掘削ビット15に伝達可能となる。
【0032】
さらにこの状態のままデバイス14をロッド13およびロッドアダプタ16ごと後退させると、先端部27aの後端側を向く側壁27dが突条29の先端側を向く側壁、すなわち凹所28aの先端側を向く側壁28dに当接し、これにより、L字型のフック状に形成された先端部27aが突条29の先端に引っ掛けられるようにして凹所28aと互いに係合可能とされる。
【0033】
さらにまた、この掘削ビット15先端のヘッド部15aには、その先端面に、軸線Oから僅かに間隔をあけた位置から外周側に放射状に延びるように、デバイス14に形成された掘削ずり溝26と同数の複数(第1の実施形態では3つ)の掘削ずり溝30が周方向に等間隔に形成されており、これらの掘削ずり溝30は、ヘッド部15a先端面の外周端から掘削ビット15の外周面を軸線O方向後端側に向けて延びてスカート部15bの後端面すなわち当該掘削ビット15の後端面に開口させられている。なお、大径のヘッド部15aから小径のスカート部15bに至る部分では、この掘削ずり溝30は、図4(ロ)に示すように軸線Oに沿った断面においてその底面30aが、ヘッド部15a外周では軸線Oに略平行に延びるようにされた後、後端側に向けて内周側に向かうように傾斜させられ、さらに緩やかに凹曲しつつスカート部15bにおいて再び軸線Oに略平行に延びるようにされている。また、ヘッド部15aの先端面には、掘削ずり溝30を避けるように超硬合金等の硬質材料からなるチップ31が植設されて複数設けられている。さらに、孔部15dの孔底面15eには軸線Oに沿って先端側に凹む止まり孔15fが形成されてデバイス14の中空部14cに連通可能とされており、この止まり孔15fからは先端外周側に向けてブロー穴15gが穿設されて、ヘッド部15a先端面に形成された少なくとも1の掘削ずり溝30の内周端に開口させられている。
【0034】
さらにまた、これらの掘削ずり溝30は、上述のように、デバイス14から掘削ビット15に回転方向Tへの回転力が伝達可能とした状態で、デバイス14の掘削ずり溝26にそれぞれ連通するように配置されており、これによりこれらの掘削ずり溝30、26は、掘削ビット15とデバイス14の外周に、ケーシングトップ12の先端側の掘削ビット15外周側と、ロッド13とケーシングパイプ11の間の空間とを連通させるように、掘削ビット15からデバイス14の後端にかけて延設されることとなる。
【0035】
このように構成された掘削工具は、ロッドアダプタ16に対し駆動軸18の図示しない駆動装置によって回転力が伝えられると共に、先端側に向けて軸線Oに沿う打撃力と推力が伝えられると、その回転力及び推力と打撃力がロッドアダプタ16からカップリング17、ロッド13を介しデバイス14に伝わることにより、掘削ビット15が回転しかつ打撃を与えながら地盤を削孔する。その際、ロッドアダプタ16の鍔部16aから緩衝材20を介しフロントアダプタ19に軸線Oに沿う打撃力と推力が伝えられ、その打撃力と推力がフロントアダプタ19から保護キャップ11Aを介してケーシングパイプ11及びファーストケーシングパイプ11Bに伝わる。
【0036】
なお、削孔時には、駆動装置からロッドアダプタ16、ロッド13、デバイス14の中空部16b、13c、14cを介して掘削ビット15の止まり孔15fに削孔水または圧縮空気等の流体が供給されることにより、掘削ビット15先端面のブロー穴15gからこの削孔水または圧縮空気等の流体が排出される一方、掘削時に生成された掘削ずりは、ケーシングトップ12と掘削ビット15との間の隙間から掘削ずり溝30内に導入され、デバイス14の掘削ずり溝26を通ってデバイス14及びロッド13とファーストケーシングパイプ11B及びケーシングパイプ11との間を通ることにより後端側に排出され、フロントアダプタ19の窓部19aから掘削工具の外部に排出される。また、第1の実施形態の掘削工具では、掘削終了後は掘削ビット15とデバイス14との係合を解くことにより、掘削ビット15を始めケーシングトップ12およびファーストケーシングパイプ11Bを含めたケーシングパイプ11を削孔中に残したまま、デバイス14及びロッド13が引き抜かれて回収されるようになされている。
【0037】
また、掘削ビット15による削孔時、ケーシングトップ12の先端内周部12c及び掘削ビット15のスカート部15bの外周部間に設けられた推力打撃力伝達部24により、推力及び打撃力が伝達された掘削ビットが前進する際に、ケーシングトップ12が牽引されるため、掘削ビット15に推力と打撃力が伝達され掘削ビット15が前進移動する度に、ケーシングトップ12が前方に引き込まれる。また、ケーシングトップ12は掘削ビット15のスカート部15bの外周部に外嵌されるように取り付けられているため、デバイス14を常に包囲した状態でケーシングトップ12を削孔に建て込むことができ、ケーシングトップ12と掘削ビット15の間の隙間を小さくすることができるので、削孔壁が崩落しても崩落した土砂がこの隙間に入りこんで掘削ずりの取り込みが妨害されることはない。
【0038】
さらに、このように取り込まれた掘削ずりは、デバイス14及びロッド13とケーシングパイプ11との間を通ることで後端側に排出されるが、第1の実施形態に係る掘削工具ではケーシングトップ12の先端内周部12c及び掘削ビット15のスカート部15bの外周部間に設けられた推力打撃力伝達部24によって掘削ビット15がケーシングトップ12を牽引するようにしてケーシングトップ12に推力と打撃力が伝えられるため、従来のようにケーシングトップ12を肉厚にする必要はない。従って、ケーシングトップ12とデバイス14の間の空間を十分に確保することができるため、掘削ずりが滞留することはない。よって、取り込んだ掘削ずりを円滑に後端側に押し出すことが可能となり、掘削ずりの量に応じて掘削速度を低下させる必要はないため、掘削能力を十分に発揮することができ効率よく掘削を行うことができる。
【0039】
また、従来の掘削工具ではケーシングトップ12の肉厚の部分に推力と打撃力が伝達される構成となっていたため、その肉厚の部分は推力と打撃力に耐えうるべく軸線方向にある程度の長さを備える必要があり、その分だけケーシングトップ12の内部に位置するデバイス14も軸線O方向に延びた構造となっていた。本発明においては、ケーシングトップ12及びデバイス14を軸線O方向に長くする必要なく、ケーシングトップ12の内周壁を縮径した部分を形成する必要もないため、掘削工具の軸線O方向の長さを短縮することが可能となり、掘削工具のコンパクト化及び製作コストの低減を図ることができる。
【0040】
さらに、推力打撃力伝達部24を介して掘削ビット15の推力と打撃力もケーシングトップ12に伝達されるため、ケーシングトップ12に推力と打撃力を減衰させることなく確実に伝達することが可能となり、ケーシングトップ12を削孔に的確に建て込ませることができる。
【0041】
また推力打撃力伝達部24の掘削ビット15側の止め輪24Bは、ケーシングトップ12側の収納凹部24Aにケーシングトップ12に対する軸線O方向先端側への移動が阻止されるように、止め輪24Bが収納凹部24Aの先端側側面24bに当接して収容されているため、掘削ビット15のケーシングトップ12に対する軸線O方向先端側への移動が阻止される。従って、掘削ビット15に推力と打撃力が伝達されて軸線O方向先端側に移動する際には掘削ビット15とケーシングトップ12が一体となって移動する。よって、掘削ビット15がケーシングトップ12を牽引するようにしてケーシングトップ12に推力と打撃力を確実に伝えることができ、ケーシングトップ12を削孔に的確に立て込むことが可能となる。また、掘削ビット15はケーシングトップ12に対する軸線O方向後端側には移動可能とされているため、掘削ビット15が受ける掘削抵抗はケーシングトップには作用することはない。従って、ケーシングトップ12に確実に推力と打撃力を伝達する一方で、掘削抵抗を軽減させてケーシングトップ12の破損を防止することが可能となる。
【0042】
以上のように、第1の実施形態に係る掘削工具によれば、推力打撃力伝達部24により掘削ビット15がケーシングトップ12を牽引して一体となって前進移動するため、掘削ビット15の推力と打撃力をケーシングトップ12に確実に伝達することができ、ケーシングトップ12を削孔に的確に建て込ませることができる。さらに、ケーシングトップ12とデバイス14の間の空間が十分に確保されているため、掘削によって発生する掘削ずりを円滑に後端側に排出することができ、掘削能力に応じた掘削速度を維持することが可能となり、掘削効率の向上を図ることができる。
【0043】
さらに掘削ビット15が受ける掘削抵抗はケーシングトップ12に伝達されないため、ケーシングトップ12の破損を防止することができ長寿命化を図ることができる。また、従来のようにケーシングトップを肉厚にして軸線O方向に延びた構成とする必要がないため、掘削工具の軸線O方向の短縮化が可能となり、コンパクト化を図ることができるとともに製作コストを低減することができる。
【0044】
次に本発明に係る掘削工具の第2の実施形態について図5を用いて説明する。図5は本発明に係る掘削工具の第2の実施形態の先端側部分の側断面図である。図5においては、第1の実施形態に係る掘削工具の先端側部分の側断面図である図2と同じ構成部材には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。第2の実施形態に係る掘削工具は、掘削ビット15のヘッド部15aとスカート部15bとの間の段差部と、ケーシングトップ12の先端とが、推力打撃力伝達部40によって接合されて一体化している点で相違し、他は同様の構成となっている。
【0045】
図5に示すように、第2の実施形態の掘削工具においては、ケーシングトップ12の先端と、掘削ビット15のヘッド部15aとスカート部15bとの間の段差部とが、推力打撃伝達部40によって例えば溶接により互いに動くことのないように接合されて一体化されている。従って、第1の実施形態と同様に掘削ビット15の推力と打撃力をケーシングトップ12に直接的に確実伝えることが可能となり、ケーシングトップ12を削孔に的確に建て込むことが可能となる。さらに、第2の実施形態においては、推力と打撃力に加えて、掘削ビット15の回転力もケーシングトップ12に伝達されるため、ケーシングトップ12も掘削ビット15と同様に回転することになる。従って、その回転力によってケーシングトップ12は削孔の壁と回転方向に摺接しながら掘削ビット15と一体となって前進していくため、ケーシングトップ12を回転させずに直線的に削孔に建て込む場合に比べて、より円滑に建て込んでいくことが可能となる。
【0046】
以上、本発明である掘削工具の実施形態について詳細に説明したが、本発明の技術的思想を逸脱しない限り、これらに限定されることはなく、多少の設計変更等も可能である。例えば、変形例として、第2の実施形態で示す推力打撃力伝達部40が、ケーシングトップ12とスカート部15bとを、ネジによって互いに螺合可能とさせ、ケーシングトップ12をスカート部15bに固定させるものであってもよい。
【0047】
一方、第1及び第2の実施形態では、ケーシング係止機構21は弾性部材としての止め輪21Aと凹部21Bとから構成され、ファーストケーシングパイプ11Bとケーシングトップ12が係止される構成とされているが、例えばこれを、ファーストケーシングパイプ11Bとケーシングトップ12との一方の内周に他方を嵌挿して、ファーストケーシングパイプ11B先端にケーシングトップ12を取り付けた際に、互いにネジで螺合可能な構造として、ケーシングトップ12がファーストケーシングパイプ11Bに固定されるものであってもよい。
【0048】
また、本実施形態においてロッド13は六角柱状であるが、六角形以外の多角柱状や円柱状であってもよい。さらに、掘削ビット14の先端面に植設されたチップ31のサイズ、位置、個数についても本実施形態に限定されることはなく、掘削工具の外径や被掘削物等を考慮して適宜設定することが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明に係る掘削工具の第1の実施形態を示す即断面図である。
【図2】図1に示す第1の実施形態の先端側部分の側断面図である。
【図3】図1に示す第1の実施形態のデバイスを示す(イ)先端側から見た正面図、(ロ)後端側から背面図である。
【図4】図1に示す第1の実施形態の掘削ビット15を示す(イ)先端側から見た正面図、(ロ)側面図、(ハ)後端側から見た背面図(ただし止め輪24Bは図示略)である。
【図5】本発明に係る掘削工具の第2の実施形態の先端側部分の側断面図である。
【図6】従来の掘削工具の先端側部分の側断面図である。
【符号の説明】
【0050】
11 ケーシングパイプ
12 ケーシングトップ
13 ロッド
14 デバイス
15 掘削ビット
24 推力打撃力伝達部
24A 収納凹部
24B 止め輪(弾性部材)
40 推力打撃力伝達部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸線方向に推力と打撃力が伝達されるケーシングパイプと、このケーシングパイプの内部に同芯上に配置されていて、軸線方向に推力と打撃力が伝達されると共に回転力が伝達されるロッドと、該ロッドの先端部に取り付けられたデバイスと、該デバイスの先端にこのデバイスに対する回転が拘束されて装着される掘削ビットとを備えた掘削工具において、
前記掘削ビットは、先端側に備えられたヘッド部と、後端側に備えられ内部に前記デバイスが挿嵌されるスカート部とを有し、
前記ケーシングパイプの先端には、前記ケーシングパイプに対して軸線方向に移動可能で、かつ軸線周りに回転可能な円筒状のケーシングトップが前記スカート部の外周部に外嵌されるように取り付けられ、
前記ケーシングトップの内周部及び前記スカート部の外周部間には推力打撃力伝達部が形成され、
掘削ビットがロッド及びデバイスを介して推力と打撃力によって前進する際にケーシングトップを牽引する構成とされていることを特徴とする掘削工具。
【請求項2】
前記推力打撃力伝達部は、
前記スカート部の外周部に取り付けられ、径方向に拡縮径可能な弾性部材と、ケーシングトップの内周部に設けられ、該弾性部材を収容可能に、かつ弾性部材の前記ケーシングトップに対する軸線方向先端側への移動を阻止するように形成された収納凹部とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の掘削工具。
【請求項3】
前記ケーシングトップと前記スカート部とが、前記推力打撃力伝達部により接合されることによって一体化していることを特徴とする請求項1に記載の掘削工具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−280710(P2008−280710A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−124636(P2007−124636)
【出願日】平成19年5月9日(2007.5.9)
【出願人】(000006264)三菱マテリアル株式会社 (4,417)
【Fターム(参考)】