説明

掘削流体中に含まれる複数の炭化水素を分析する方法、および、関連する装置

本方法は、分析される炭化水素と少なくとも1つの寄生性の化合物とを含む抽出されたガスのガス流れを得るための、泥水中に含まれるガスを抽出する工程を含む。本方法は、移送ライン54を介してガス流れを移送する工程と、分析される炭化水素を分離カラム121におけるそれらの溶出時間に応じて分離するためにガス流れを分離カラム121を通過させるように送る工程とを含む。寄生性の化合物の分離カラム121における溶出時間は、分析される最初の炭化水素の溶出時間と分析される最後の炭化水素の溶出時間との間にあると考えられる。本方法は、分析される炭化水素を保持することなく上記のまたは各々の寄生性の化合物を選択的に保持するために、ガス流れを寄生性の化合物との化学的および/または物理的相互作用面141の上を通過させるように送る工程を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は掘削流体中に含まれる複数の炭化水素を分析する方法に関し、この方法は、
−分析される炭化水素と分析される炭化水素よりも極性が高く水以外の少なくとも1つの妨害化合物とを含む抽出されたガスのガス流れを抽出器の出口のところで連続的に得るために、抽出器内の流体に含まれるガスを抽出する工程と;
−抽出器の出口に連結された移送ラインを通してガス流れを移送する工程と;
−分析される炭化水素を分離カラム内におけるそれらの溶出時間に従って分離するために、移送ラインに連結された分離カラム内へガス流れを送る工程と;
−分離カラムの出口のところに配置される検出器内で、分析される各炭化水素を連続的に検出および/または定量する工程と
を含むタイプの方法であり、
上記または各妨害化合物の分離カラム内での溶出時間が、分析される最初の炭化水素の分離カラム内での溶出時間と分析される最後の炭化水素の分離カラム内での溶出時間との間にあると考えられる。
【背景技術】
【0002】
油井または他の流出物(具体的には、ガス、蒸気、水)のための坑井を掘削するとき、抗井から出てくる掘削泥水中に含まれるガス状化合物の分析を行うことが知られている。この分析により、掘削作業中に通過する地層の地質学的な並びを再現することが可能となり、これは、遭遇する流体の鉱床を採鉱することの実現性を判断するのに役立つ。
【0003】
連続的に実施されるこの分析には2つの主要な段階がある。第1の段階は、掘削泥水が保持するガス(例えば、炭化水素、二酸化炭素、硫化水素、ヘリウムおよび窒素)を抽出する工程から構成される。第2の段階は、抽出されたガスを定性化(qualifying)および定量化する工程から構成される。第1の段階では、上で言及したタイプ(FR−A−2 799 790)の機械的に攪拌する脱ガス装置が使用されることが多い。掘削泥水から抽出されたガスは、エンクロージャ内に導入される搬送ガスと混合され、ガス抽出パイプを介して吸引されることにより分析装置まで運ばれ、分析装置では、抽出されたガスを定量することが可能である。
【0004】
この目的のために、分析装置は、連続的に分析される複数の炭化水素を分離カラム内でのそれらの溶出時間に従って分離するための分離カラムと、少なくとも1つの検出器と、分離カラムから連続的に抽出された分析される各炭化水素を定性化および/または定量化するのに適した計算手段とを有する。
【0005】
油井を掘削するとき、例えば、CからCの炭化水素を連続的に分析および定量することが知られている。場合によっては、分析装置により、CからCのいずれかの炭化水素の存在を測定することも可能である。
【0006】
このような分析は、特に合成油をベースに作られた掘削泥水が使用されるときは完全に満足できるものではない場合がある。
これらの掘削泥水は、分析される最初の炭化水素の溶出時間と分析される最後の炭化水素の溶出時間との間にある溶出時間を有する妨害化合物を含むと考えられる。これらの妨害化合物は、掘削泥水の構成成分の中に元々存在するものであるか、または、掘削泥水が油井の底部のところで遭遇する高い温度および高い圧力に露出されるときの掘削泥水の化合物間での化学反応により生成されるものである。
【0007】
この問題を克服することを目的として、炭化水素の分析を阻害する妨害化合物を抽出するために、抗井の出口で採取される掘削泥水の連続したサンプルを有機溶媒を用いて処理する分析方法が、記事“Impact of Modern Deepwater Drilling and Testing Fluids on the Geochemical Evaluations”、Organic Geochemistry、Volume 35(2004)、1527〜1536ページにより知られている。このような技術は実際に行うには冗長であり、オンラインで実施することができない。
【0008】
この記事で提案されている別の技術は、分離カラムの出口のところにある検出器によって得られる溶出スペクトル(elution spectrum)から妨害化合物によって作られるピーク値を取り去るようにこれらのスペクトルを数学的に処理することから構成される。しかし、このような技術はまだそれほど正確なものではなく、やはり妨害化合物の正確な識別および定量を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明の目的は、分析される炭化水素の正確な定性化および/または定量化を単純な形で行うことを可能にする、掘削流体中に含まれる複数の炭化水素を分析する方法を得ることであり、この分析はオンラインで実施され得るくらいに十分に迅速なものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的のために、本発明は上で言及した種類の方法に関し、この方法は、分離カラム内において、分析される最初の炭化水素の溶出時間と分析される最後の炭化水素の溶出時間との間で上記または各妨害化合物が溶出するのを防止するために、分析される炭化水素を保持することなく上記または各妨害化合物を選択的に保持できるように、抽出器の出口と分離カラムの入口との間でガスに接触するように配置される、妨害化合物との化学的および/または物理的相互作用面の上を通過するようにガス流れを送る工程を含むことを特徴とする。
【0011】
本発明による方法は、単独で得られるまたは何らかの可能性のある技術的な組み合わせ(複数可)により得られる以下の特徴のうちの1つまたは複数を有してよい:
−相互作用面が、分析される各炭化水素を保持することなく上記または各妨害化合物を選択的に保持するために、水素結合、双極性の引力(dipolar−attraction)またはイオン交換の作用を介して上記または各妨害化合物と相互作用するのに適すること;
−ガス流れが相互作用面の上を通過するとき、90モル%を超える、極性を有する各妨害化合物が相互作用面上に保持され、10モル%未満の分析される炭化水素が相互作用面上に保持されること;
−相互作用面が、未変性のシリカ、電子供与体基を用いて変性されたシリカ、マグネシウムでドープされたシリカ、アルミナまたはスチレン/ジビニルベンゼン重合体を含むこと;
−相互作用面が、抽出器の出口と分離カラムとの間の移送ライン上に取り付けられる取り外し可能なカートリッジ内に配置されること;
−相互作用面が分離カラムの上流に取り付けられるプレ分離カラム内に構成されること;
−相互作用面がポリエチレングリコールを含むこと;
−プレ分離カラムが、8より大きい、有利には20より大きいクロムパック(Chrompack)指数を有すること;
−分析される炭化水素にはCからCの炭化水素が含まれること(nは10以下、有利には8以下である);および、
−極性を有する上記または各妨害化合物が、酸素原子、窒素原子または硫黄原子を少なくとも含むこと。
【0012】
本発明は、さらに、掘削流体中に含まれる複数の炭化水素を分析するための装置に関し、この種類の装置は:
ガス抽出出口を有する、掘削流体中に含まれるガスのための抽出器であって、分析される炭化水素と分析される炭化水素よりも極性が高い、水以外の少なくとも1つの妨害化合物とを含む抽出されたガスのガス流れを、ガス抽出出口で連続的に得るようになされた抽出器と;
抽出器の出口に連結される、ガス流れのための移送ラインと;
分析装置とを有し、
分析装置は、
分析される炭化水素を分離カラム内におけるそれらの溶出時間に従って分離するための、移送ラインに連結される分離カラムと;
分析される各炭化水素を連続的に検出および/または定量するための、分離カラムの出口に配置される検出器とを有し、
分離カラム内における妨害化合物の溶出時間が、分析される最初の炭化水素の分離カラム内での溶出時間と分析される最後の炭化水素の分離カラム内での溶出時間との間にあると考えられ、
分析装置が、分離カラム内において、分析される最初の炭化水素の溶出時間と分析される最後の炭化水素の溶出時間との間で上記または各妨害化合物が溶出するのを防止するために、分析される炭化水素を保持することなく上記または各妨害化合物を選択的に保持できるように、抽出器の出口と分離カラムの入口との間でガスに接触するように配置される、妨害化合物との化学的および/または物理的相互作用面を有することを特徴とする。
【0013】
本発明による装置は、単独で得られるまたは何らかの可能性のある技術的な組み合わせ(複数可)により得られる以下の特徴のうちの1つまたは複数を有してよい:
この装置が、分離カラムの上流の移送ライン上に直列に取り付けられる、相互作用面を収容する取り外し可能なカートリッジを有すること;および
この装置が、分離カラムの上流において移送ライン上にまたは移送ラインの下流に直列に取り付けられる、相互作用面を収容するプレ分離カラムを有すること。
【0014】
本発明は、単に例として与えられる、添付図面を参照しながら書かれている以下の説明を読むことによりより良く理解される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明による第1の分析装置を備える掘削設備の垂直断面の概略図である。
【図2】本発明による分析装置の主要素の垂直断面の概略図である。
【図3】図2の分析装置内に配置される取り外し可能な精製カートリッジの斜視図である。
【図4】従来技術の方法を実施したときと比較した、本発明による方法を実施したときに測定されたCからCの炭化水素の連続した溶出クロマトグラムの図である。
【図5】図2と同様の、本発明による第2の分析装置の図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下のすべての「上流」および「下流」という用語は、パイプ内の流体の通常の循環方向を基準にしていることを理解されたい。
本発明による分析装置は例えば石油生産用の抗井(oil production well)のための掘削設備11内で使用される。
【0017】
図1に示すように、この掘削設備11は、回転掘削ツール15によってあけられる空洞14内に配置される掘削パイプ13と、地表設備17と、本発明による第1の分析装置19とを有する。
【0018】
掘削パイプ13は回転掘削ツール15によって下層21に形成される空洞14内に配置される。この掘削パイプ13は、地表22のところに、吐出パイプ25を備える抗口ヘッド(well head)23を有する。
【0019】
掘削ツール15は、掘削ヘッド27、ドリルストリング29および液体噴射ヘッド31を有する。
掘削ヘッド27は、下層21の岩を貫通して堀削するための手段33を有する。この手段33はドリルストリング29の下側部分に取り付けられ、掘削パイプ13の底部に位置される。
【0020】
ドリルストリング29は1組の中空掘削チューブを有する。これらのチューブは、液体を地表22から掘削ヘッド27まで運ぶのを可能にする内部空間35の境界を定める。この目的のため、液体噴射ヘッド31がドリルストリング29の上側部分にねじにより取り付けられる。
【0021】
地表設備17は、掘削ツール15を支持して回転駆動させるための手段41と、掘削液を噴射するための手段43と、シェールシェーカー45とを有する。
噴射手段43は、ドリルストリング29の内部空間35内に液体を導入して循環させるために噴射ヘッド31に水力学的に連結される。
【0022】
シェールシェーカー45は吐出パイプ25から出てくる掘削残留物(drilling residue)を含む液体を収集して、液体と固体の掘削残留物とを分離する。
図2に示すように、分析装置19は、吐出パイプ25内に入った、泥水を採取するための手段51と、ガス抽出器53と、抽出器に連結された、抽出されたガスを移送するためのライン54とを有する。分析装置19は、移送ライン54に通じている、抽出されたガスのための分析装置55と、抽出器53と分析装置55との間のライン54上に直列に取り付けられた、抽出されたガスを精製するための本発明による手段56とをさらに有する。
【0023】
採取手段51は、吐出パイプ25内に突出するように配置される液体採取ヘッド57と、連結チューブ59と、流量を調節することができる蠕動ポンプ61とを有する。
一変形形態では、採取手段51は、吐出パイプ25に通じている液体用の受け入れタンクに入り込んでいる。別の変形形態では、採取手段51は泥水噴射手段43のタンクに入り込んでいる。
【0024】
抽出器53は、エンクロージャ63と、泥水をエンクロージャ63に供給するためのパイプ65と、泥水をエンクロージャ63から排出するためのパイプ67と、搬送ガスをエンクロージャ63に導入するための入口69と、抽出されたガスをエンクロージャ63から抜き取るための出口71とを有する。
【0025】
エンクロージャ63は、内部容積が例えば0.4リットルと3リットルの間である密閉容器を有する。エンクロージャ63は、中で掘削泥水が循環している下側部分73と、アレージスペースを有する上側部分75とを有する。エンクロージャ63は、エンクロージャ63の上側部分75に取り付けられたモータ81によって回転駆動される、エンクロージャ63内に突出するように取り付けられた攪拌機79を有する攪拌手段77をさらに備える。攪拌機79は掘削泥水内に沈められる攪拌機構83を有する。
【0026】
泥水供給パイプ65は、蠕動ポンプ61の出口とエンクロージャ63の下側部分73または上側部分75に形成された入口開口部85との間を延在する。
泥水供給パイプ65は、掘削泥水の温度を25℃と150℃の間、好適には60℃と90℃の間にまで上げるための、掘削泥水を加熱する手段(図示せず)を備えてよい。
【0027】
排出パイプ67は、エンクロージャ63の上側部分75に形成されたオーバーフロー通路87と装置53から排出された掘削泥水を受け取るための滞留池89との間を延在する。
【0028】
一変形形態では、滞留池89は、図1に示すように、シェールシェーカー45から抜き取られた液体用の受け入れタンク90によって形成される。
この実施例では、排出パイプ67は、水平方向に対して約45°の角度で下方向に傾斜している上流部分91と、サイフォンを形成する角度付き部分93と、滞留池89に対向するように配置される、滞留池89内に収容される液体の水面より上にあるその下側端部97が開いている実質的に垂直の下流部分95とを連続して有する。
【0029】
滞留池89およびタンク90内に収集された掘削泥水は、泥水再循環パイプ98によって噴射手段43へと再利用される。
導入用入口69はエンクロージャ63の上側部分75に対して開いている。有利には、導入用入口69は窒素やヘリウムなどの搬送ガスの供給源(図示せず)に連結される。一変形形態では、導入用入口69はエンクロージャ63の周囲の大気に向かって開いている。
【0030】
抽出されたガスを排出するための出口71は、エンクロージャの上側部分の、攪拌機75の近傍で境界を画される。出口71は移送ライン54に連結するための取付具101を有する。
【0031】
移送ライン54は取付具101に取り付けられる。移送ライン54は、エンクロージャの上側部分75内にある掘削泥水から抽出されるガスの流れを連続的に採取してそのガスの流れを分析装置55まで運ぶことができる。
【0032】
以下で示すように、このガス流れは分析される炭化水素および水蒸気を含んでおり、精製手段56の上流では、分析される炭化水素の分析を阻害すると考えられる、分析される炭化水素より極性の高い、水以外の少なくとも1つの妨害化合物をさらに含む。本明細書で言及する極性を有するこれらの妨害化合物は以下でより正確に定義される。
【0033】
分析される炭化水素は例えばCからCの炭化水素である(nは10以下、有利には8以下である)。
以下でも示されるように、水以外の、極性を有するこれらの妨害化合物は、使用される掘削泥水の性質およびその掘削泥水がさらされる条件によって決定される。これらの化合物は、少なくとも1つのヘテロ原子、具体的には酸素原子、窒素原子または硫黄原子を含んでいる。
【0034】
詳細には、これらの妨害化合物は、CからC10の、とりわけCからCの炭化水素基をさらに含んでおり、この炭化水素基は、直線状、枝分かれ状または環状のいずれかであり、飽和でもあっても不飽和であってもよい。これらの妨害化合物は、例えば、−OH基、−NH基、−NH−R基、−NR基、−OR基、−SH基、−SR基、−RCOO(R)基のうちの1つまたは複数で置換されたCからC10のアルキル基またはアルケン基またはアルキン基を含む(ここでは、互いに独立しているRからRはCからC10のアルキル基を示す)。
【0035】
これらの妨害化合物は、具体的には、10未満のいくつかの炭素原子、とりわけ5未満のいくつかの炭素原子を含むアルコール類、エーテル類またはエステル類である。
この実施例では、移送ライン54は、爆発性領域(explosive zone)内にある、抗口ヘッド23の近傍に配置されるエンクロージャ63を、例えば加圧室内などの非爆発性領域内にある、抗口ヘッド23から離れたところに配置される分析装置55に連結させる。一変形形態では、移送ライン54は非常に短く、分析装置55は抗口ヘッドの近傍の爆発性領域内に配置される。
【0036】
移送ライン54は、好適には、掘削泥水から抽出されたガス状化合物に対して不活性である、鋼、ポリエチレン(PE)またはPTFEなどの材料をベースにして作られる。移送ライン54の長さは例えば10cmから500mまでと多様である。
【0037】
移送ライン54は、その上流から下流までにおいて、水トラップ103と、エンクロージャ63の近傍に配置される流量制御装置105と、抽出されたガスを運ぶための真空ポンプ107と、ポンプ107の上流に対して開いている分析装置105との連結のための分岐継手109とを備える。
【0038】
水トラップ103は、抽出されたガス中に存在する水蒸気を実質的に凝結させることによって除去するために少なくとも1つの冷水凝結面を有する。
流量制御装置105は、較正された断面のくびれ部分を有するチューブで形成される。この流量制御装置105により、移送ライン54内を循環する抽出されたガスフローの体積流量が設定される。流量は例えば300cm/分と2000cm/分の間であり、有利には500cm/分である。
【0039】
真空ポンプ107により、抽出されたガスを吸引することによってエンクロージャ63から分析装置55まで運ぶことが可能となる。真空ポンプ107は分析装置55の近傍に配置される。真空ポンプ107は、分岐継手109と並列に移送ライン54に連結される入口と、大気に開いている排出出口とを有する。
【0040】
分岐継手109はポンプ107に入る入口の上流に対して開いている。分岐継手109は、移送ライン54内を循環する抽出されたガスの体積流量の約10%を採取することができ、抽出されたガスフローの残りはポンプ107を通って循環して大気へと排出される。
【0041】
分析装置55は、分析される炭化水素のための分離カラム121と、分離カラム121で分離された炭化水素を連続的に検出するための検出器123と、検出器123によって検出された分析される炭化水素を定性化および/または定量化するための手段125とを有する。
【0042】
分離カラム121はガス・クロマトグラフィ分離カラムである。この分離カラムは例えばゲルの形態の固定相を用いて充填され、それにより、炭化水素を選択的に保持するために炭化水素を選択的にゲルに溶解させることが可能となる(ガス−液体クロマトグラフィ)。一変形形態では、分離カラムは、分析される炭化水素と相互作用することができる固体被覆物を有し、該被覆物は、分析される炭化水素との親和性に応じて分析される炭化水素を選択的に保持する(ガス−固体クロマトグラフィ)。
【0043】
分離カラムは、分析される炭化水素が有する原子の数(CからC)に応じてそれらの分析される炭化水素を連続的に溶出することができ、これは、所与の時点において、分析されるすべての炭化水素を含んでいる入口から噴射される流れから開始される。分析される炭化水素は10秒と100秒の間の個別の溶出時間で分離カラム121から出てくる。
【0044】
本発明の文脈では、以下のすべての「極性を有する妨害化合物」は、分析される炭化水素より高い極性を有しており、仮に分析される炭化水素と同時に分離カラム121内に噴射された場合の分離カラム21における溶出時間が分析される最初の炭化水素すなわちCの炭化水素の溶出時間と分析される最後の炭化水素すなわちCの炭化水素の溶出時間との間にあると考えられるような化合物を意味すると理解される。
【0045】
検出器123は、例えば、フレームイオン化検出器(flame ionisation detector(FID))または熱伝導度検出器(thermal conductivity detector(TCD))である。検出器は、ガスで必要となる分析によっては質量分析器であってもよい場合もある。
【0046】
定性化および/または定量化手段125は、ガス流れ中での炭化水素の存在を検出するためにCからC(nは10以下、有利には8以下)の炭化水素を定性化することができ、さらに、少なくともCからCの炭化水素の相対含有量を定量することができる。
【0047】
精製手段56は、分離カラム121における溶出時間が分析される最初の炭化水素の溶出時間と分析される最後の炭化水素の溶出時間との間にあると考えられる、ガス流れ中に存在する極性を有する妨害化合物を選択的に保持することができる。
【0048】
図2に示した実施例では、精製手段56は分岐継手109に直列に取り付けられるカートリッジ131を有しており、これは、真空ポンプ107との連結部の下流かつ分離カラム121との連結部の上流にある。
【0049】
図3に示すように、カートリッジ131は、各々が分岐継手109に直列に着脱自在に取り付けられ得る、軸X−X´を中心に分布された4つの軸方向コンパートメント133を有する。
【0050】
この目的のために、各軸方向コンパートメント133は、分岐継手109の2つの連続する区間に個々に連結されるための上流側取付具135と下流側取付具137とを有する。これらの取付具135、137は例えばルアー(Luer)タイプのまたはレグリ(Legri)の迅速作動連結具(quick−acting coupling)である。
【0051】
各軸方向コンパートメント133は粉末または顆粒の形態の固体を含んだ内部容積139を画定する。この固体は極性を有する妨害化合物との化学的および/または物理的相互作用面141の境界を画しており、この表面141は、ガス流れがそこを通過するようにするために、ガス流れに接触するように配置される。
【0052】
本発明によると、相互作用面141は、分析される炭化水素を保持することなく極性を有する妨害化合物を選択的に保持することができる。
したがって、分析される炭化水素および極性を有する妨害化合物を含むガス流れが、下流側取付具135を介して1つの軸方向コンパートメント133内に導入され、20cm/分と1000cm/分の間、具体的には50cm/分の流量で軸方向コンパートメント133を循環すると、90モル%を超える分析される炭化水素が出口取付具137から排出され、一方、内部容積内での滞留時間の2倍の時間後に、10%未満の極性を有する妨害化合物が出口取付具137から排出される。
【0053】
相互作用面141は極性を有する妨害化合物を選択的に保持するのに適した極性を有する。
相互作用面141は、例えば、シリカ、アルミナまたはスチレン/ジビニルベンゼン重合体(SDVB)をベースに作られる。シリカの場合、相互作用面141は、共有結合性のSi−OH結合を有するように天然のすなわち置換されていないシリカをベースに作られることが有利である。一変形形態では、相互作用面141は、SiOMgのタイプの、マグネシウムでドープされたシリカをベースに作られる(FLORISIL(登録商標)の名前で販売されている)。
【0054】
別の変形形態では、相互作用面141は、−C≡N、−OH、−NH、−シクロヘキシル、−NHR、−NR、−NH−R−NH、−NH−CB(OH)、−COOH、−SOまたは−C−SO(ここで、互いに独立しているRからRはCからCのアルキル類であり、RおよびRはHまたはNaのタイプの陽イオンである)の官能基のうちの少なくとも1つを有する基などの電子供与体基で変性されたシリカをベースとして作られる。相互作用面141は、−Si−(CからCのアルキル)−Rのタイプの基を有することが有利であり、ここでは、Rは、例えば、−C≡N(有利には保護されていない)、−OH、−NH、−O−CH−CH(OH)−CH(OH)、−NHR、−NR(具体的には、−N(CHCH)、−NH−R−NH(具体的には、−NH−(CH−NH)、−NH−CB(OH)、−COOH、−SO(具体的には、−SONa)、−C−SO(具体的には、−C−SO)の官能基である(ここでは、互いに独立しているRからRはCからCのアルキル類であり、RおよびRはHまたはNaのタイプの陽イオンである)。相互作用面141は、−Si−シクロヘキシルのタイプの基を有することが有利である場合もある。
【0055】
したがって、相互作用面141は、双極性の引力または水素結合のメカニズムを介して、極性を有する妨害化合物中に存在する酸素原子、窒素原子または硫黄原子と相互作用することができる。
【0056】
一変形形態では、極性を有する妨害化合物と相互作用するのにファンデルワールス力またはイオン相互作用の静電気力が使用される。
この相互作用は、液体溶媒またはガス状溶媒を使用することなく、ガス流れが固体の表面141に沿って単に循環することによって発生することに留意されたい。
【0057】
第1の軸方向コンパートメント133は、取付具135、137によって分岐継手109に直列に取り付けられる。したがって、相互作用面141は、ガス流れ中に存在する極性を有する妨害化合物を飽和状態になるまで保持することができる。この場合、第2の軸方向コンパートメント133が分岐継手109に連結される。カートリッジ131は取り外し可能であり、1つの同じカートリッジ131のすべての軸方向コンパートメント133が使用されたなら、単純に取り外すことによって交換され得る。
【0058】
一変形形態では、カートリッジ131は1つの軸方向コンパートメント133を有する。
次に、図1を参照しながら、一実施例として、抗井の掘削作業中に実施される本発明による分析方法を説明する。
【0059】
堀削処理を実施するために、堀削ツール15が地表設備41によって回転駆動される。掘削液が、噴射手段43によってドリルストリング29の内部空間35に導入される。掘削液が下方向に掘削ヘッド27まで移動し、掘削ヘッド27を介して掘削パイプ13内へと送られる。掘削液が掘削手段33を冷却および潤滑する。次いで、掘削液が、掘削処理で出た固体の切削屑を収集し、ドリルストリング29と掘削パイプ13の壁との間に画定された環状空間を通って上方向に戻って吐出パイプ25を介して排出される。このようにして、切削屑を含んだこの掘削液により、分析される掘削泥水が形成される。
【0060】
図2を参照すると、次いで、蠕動ポンプ61が、パイプ25内を循環する所定の画分の掘削泥水を連続的に採取するために起動される。
この画分の掘削泥水が供給パイプ65を介してエンクロージャ63まで運ばれてそのエンクロージャ内に導入される。
【0061】
供給パイプ65を介してエンクロージャ63に導入された掘削泥水がオーバーフロー通路87を介して排出パイプ67内へと越流することによって排出される。さらに、排出された掘削泥水の一部が排出パイプ67のサイフォン93に一時的に滞留し、ガスが排出パイプ67の下側端部97を通ってエンクロージャ63の上側部分75に入るのを防止する。このようにして、導入用入口のみを通過することによりガスがエンクロージャ63内に導入されるようになる。
【0062】
攪拌機79がモータ81によって回転駆動され、掘削泥水中に含まれるガスを連続的に抽出し、さらに、抽出されたガスと噴射通路99を介して導入された搬送ガスとを混合するために、エンクロージャ63の下側部分73内の掘削泥水を攪拌する。
【0063】
上で明記したように、抽出されたガスの流れが、ポンプ107による吸引の作用下で出口101のところで連続的に採取される。上で明記したように、抽出されたガスの流れは、分析装置55で分析されるCからCの炭化水素と、水蒸気と、アルコール類、エーテル類またはエステル類などの極性を有する妨害化合物とを含んでいる。これらの妨害化合物は、噴射手段43内に存在する掘削泥水の組成より得られるものであるか、または、掘削泥水が抗口の底部のところで循環するときの掘削泥水を構成する化合物間での化学反応により得られるものである。
【0064】
次に、ガス流れは、存在する水蒸気を凝結させることにより除去するために、水トラップ103を介して移動される。このガス流れは次に流量制御装置105を通って流れる。このとき、移送ライン54内を循環するガス流れの流量は300cm/分と2000cm/分の間に制御される。
【0065】
次いで、ガス流れの約10%が分岐継手109を介して採取され、ガス流れの約90%がポンプを介して大気中に送られる。
分岐継手109内に存在するガス流れは次いで精製手段56を通って循環する。次に、ガス流れは、固形物上に存在する相互作用面141に接触しながら循環するために取付具135内に導入されて内部容積に入る。
【0066】
相互作用面141との接触により、アルコール類、エーテル類またはエステル類などの極性を有する妨害化合物は双極相互作用により保持されるが、分析されるCからCの炭化水素は実質的に支障なく循環する。
【0067】
したがって、精製手段56の出口取付具137のところで連続的に回収されるガス流れは分析されるCからCの炭化水素を含むが、分離カラム121における溶出時間が分析される最初の炭化水素の溶出時間と分析される最後の炭化水素の溶出時間の間にあると考えられる極性を有する妨害化合物を含まない。
【0068】
その後、ガス流れは分離カラム121内に導入され、ここでは、CからCの炭化水素を分離カラム121におけるそれらの溶出時間に応じて選択的に分離することができる。
【0069】
図4に示すようにこれらの炭化水素が連続して存在することが検出器123によって検出される。図4は、溶出時間の関数として検出器によって記録される強度を示す。
図4の左側にある検出された第1のピーク値はCの炭化水素に対応しており、第2のピーク値はCの炭化水素、第3のピーク値はCの炭化水素、第4のピーク値はiCの炭化水素、第5のピーク値はnCの炭化水素、第6のピーク値はiCの炭化水素、第7のピーク値はnCの炭化水素に対応する。
【0070】
比較として、分岐継手109内の精製手段56より上流に存在するガス流れが精製手段56を通過することなく分離カラム121に直接に噴射される場合、通過前のガス流れ中に存在する極性を有する妨害化合物の溶出時間は、分析される最初の炭化水素すなわちCの炭化水素の溶出時間と分析される最後の炭化水素すなわちnCの炭化水素の溶出時間との間にある。その結果、図4において破線で示される2つの妨害ピーク151、152が形成される。これらのピーク値は、例えばiCおよびnCの炭化水素のそれぞれに対応するピーク値などの、分析される炭化水素の一部に対応するピーク値を隠してしまう。
【0071】
したがって、本発明による方法を実施することにより、アルコール、エーテルまたはエステルタイプの妨害化合物が存在することによる測定値のずれ(measurement skew)がない状態で、掘削泥水から抽出されたガス流れ中のCからCの炭化水素の存在を抽出器の出口のところでオンラインで測定することが可能となりさらに少なくともCからCの炭化水素を正確に定量することが可能となる。
【0072】
一変形形態では、プレ選択カラムが精製手段56と分離カラム121との間に挿置される。このプレ選択カラムは、分離カラム121内に噴射されないCの炭化水素(mは10より大きい)を選択的に保持することができる。
【0073】
図5に示した本発明による第2の分析装置159では、精製手段56は、分岐継手109と分離カラム121との間の分析装置55の入口のところに取り付けられたプレ分離カラム161によって形成される。
【0074】
プレ分離カラムは、C(mは8より大きい)の炭化水素を選択的に保持するたけではなく、分離カラム121における溶出時間が分析される最初の炭化水素の溶出時間と分析される最後の炭化水素の溶出時間との間にある極性を有する妨害化合物も選択的に保持するように選択される。
【0075】
この目的のため、プレ分離カラム161は、相互作用面141の境界を画する極性を有するゲルで満たされることが有利である。極性を有するゲルで満たされたプレ分離カラム161は、“Manuel de Chromatographie en Phase Gazeuse”、the editorship of Jean Tranchant at Masson、fourth edition、1995、366および373ページで定義されるように、8より大きい、有利には20より大きい“クロムパック(Chrompack)”指数を有する。
【0076】
このクロムパック指数は、ベンゼン、1−ブタノール、2−ペンタノン、ニトロプロパンおよびピリジンの5つのマクレイノルズ定数(McReynolds constant)の合計として定義される。マクレイノルズの分類体系は、一方はプレ分離カラム161で試験される相で、もう一方はスクアランで、等しい温度で測定される一連の10個の試験物質(このうちの最初の5個はChrompack指数を計算するために保持される)の異なる保持指数の測定値に基づく。5つの定数の合計により極性を表すクロムパック指数が与えられる。低いクロムパック指数は無極カラムを表し、高いクロムパック指数は極性を有するカラムを表す。
【0077】
このカラムは、炭化水素に対して相対的に、カラムを構成するゲル中の極性を有する妨害化合物を選択的に可溶化するように作用する。このカラムは、例えば、ポリエチレングリコールのゲルをベースに作られた固定相を有する。
【0078】
したがって、分析される炭化水素と極性を有する妨害化合物とを含むガス流れが、プレ分離カラム161に導入され、5cm/分と200cm/分の間の流量でプレ分離カラム161内を循環すると、90モル%を超える分析される炭化水素がプレカラム161から排出され、プレ分離カラム161内での滞留時間の2倍の時間後に、10%未満の極性を有する妨害化合物がプレ分離カラム161から排出される。
【0079】
プレ分離カラム161は、その出口のところで三方向バルブにより分離カラム121およびパージパイプ163に連結されており、所定の時間後に、プレ分離カラム161から出てくる化合物の一部を選択的にパージすることが可能である。
【0080】
本発明による第2の装置159で実施される分析方法は、分析される炭化水素と極性を有する妨害化合物とを含む掘削泥水から抽出されるガス流れがカラム121に入る前にプレ分離カラム161内を通過するという点で、第1の装置19で実施される分析方法と異なる。
【0081】
ガス流れが通過するとき、CからCの炭化水素(nは10以下、有利には8以下)の実質的にすべてが支障なく通過でき、Cmの実質的にすべての炭化水素(mは10より大きい)、および、分離カラム121における保持時間がCからCの炭化水素と同等であると考えられる極性を有する妨害化合物はプレ分離カラム161内で保持される。
【0082】
所定の時間後に、CからCのすべての炭化水素がプレ分離カラム161から排出されて分離カラム121内に導入されると、プレ分離カラム161の出口が、三方向バルブにより、プレ分離カラム161をパージし、最終的にはプレ分離カラム161に保持されない化合物を排出するために、パージパイプ163に連結される。
【0083】
一変形形態では、プレ分離カラム161は、水素結合または双極相互作用によって除去され得る極性を有する化合物と選択的に相互作用する固体被覆物を有する。
一変形形態では、プレ分離カラム161には、未変性のシリカ、上で定義したような電子供与体基を用いて変性されたシリカ、マグネシウムでドープされたシリカ、アルミナまたはスチレン/ジビニルベンゼン重合体から形成される固体の相互作用面141が装入される。
【0084】
一変形形態では、抽出器53は、掘削泥水に浸漬されて掘削泥水中に含まれるガスのための抽出膜(extraction membrane)を形成するような多孔壁を有する中空ステムで形成される。この中空ステムは長さの短いパイプによって分析装置55に連結される。
【0085】
この場合、上で説明した精製手段56は抽出膜と分析装置55の分離カラム121との間に配置される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
掘削流体中に含まれる複数の炭化水素を分析する方法であって、前記方法が、
−分析される炭化水素と前記分析される炭化水素よりも極性が高い、水以外の少なくとも1つの妨害化合物とを含む抽出されたガスのガス流れを抽出器(53)の出口(71)で連続的に得るために、前記抽出器(53)内の流体中に含まれるガスを抽出する工程と;
−前記抽出器(53)の前記出口(71)に連結された移送ライン(54)を通して前記ガス流れを移送する工程と;
−前記分析される炭化水素を分離カラム(121)における該分析される炭化水素の溶出時間に従って分離するために、前記移送ライン(54)に連結された前記分離カラム(121)内へ前記ガス流れを送る工程と;
−前記分離カラム(121)の出口に配置される検出器(123)内で、分析される各炭化水素を連続的に検出および/または定量する工程と
を含む種類の方法であり、
前記または各妨害化合物の前記分離カラム(121)内での溶出時間が、分析される最初の炭化水素の前記分離カラム(121)内での溶出時間と分析される最後の炭化水素の前記分離カラム(121)内での溶出時間との間にあると考えられる方法において、
前記方法が、前記分離カラム(121)内において、前記分析される最初の炭化水素の前記溶出時間と前記分析される最後の炭化水素の前記溶出時間との間で前記または各妨害化合物が溶出するのを防止するために、前記分析される炭化水素を保持することなく前記または各妨害化合物を選択的に保持できるように、前記抽出器(53)の出口と前記分離カラム(121)の入口との間でガスに接触するように配置される、前記妨害化合物との化学的および/または物理的相互作用面(141)の上を通過するように前記ガス流れを送る工程を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記相互作用面(141)が、分析される各炭化水素を保持することなく前記または各妨害化合物を選択的に保持するために、水素結合、双極性の引力またはイオン交換の作用を介して前記または各妨害化合物と相互作用するのに適する、ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ガス流れが前記相互作用面(141)の上を通過するとき、90モル%を超える、極性を有する各妨害化合物が前記相互作用面(141)上に保持され、10モル%未満の前記分析される炭化水素が前記相互作用面(141)上に保持される、ことを特徴とする、請求項1または2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項4】
前記相互作用面(141)が、未変性のシリカ、電子供与体基を用いて変性されたシリカ、マグネシウムでドープされたシリカ、アルミナまたはスチレン/ジビニルベンゼン重合体を含む、ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記相互作用面(141)が、前記抽出器(53)の前記出口(71)と前記分離カラム(121)との間の前記移送ライン(54)上に取り付けられる取り外し可能なカートリッジ(131)内に配置される、ことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記相互作用面(141)が前記分離カラム(121)の上流に取り付けられるプレ分離カラム(161)内に構成される、ことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記相互作用面(141)がポリエチレングリコールを含む、ことを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記プレ分離カラムが、8より大きい、有利には20より大きいクロムパック(Chrompack)指数を有する、ことを特徴とする、請求項6または7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記分析される炭化水素にはCからCの炭化水素が含まれる(nは10以下、有利には8以下である)、ことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
極性を有する前記または各妨害化合物が、少なくとも、酸素原子、窒素原子または硫黄原子を含む、ことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
掘削流体中に含まれる複数の炭化水素を分析するための装置(19;159)であって、
ガス抽出出口(71)を有する、前記掘削流体中に含まれるガスのための抽出器(53)であって、分析される炭化水素と前記分析される炭化水素よりも極性が高い、水以外の少なくとも1つの妨害化合物とを含む抽出されたガスのガス流れを、前記ガス抽出出口(71)で連続的に得るようになされた、前記抽出器(53)と;
前記抽出器(53)の前記出口(71)に連結される、前記ガス流れのための移送ライン(54)と;
分析器(55)とを有し、
前記分析器(55)が、
前記分析される炭化水素を、分離カラム(121)での該分析される炭化水素の溶出時間に従って分離するための、前記移送ライン(54)に連結される前記分離カラム(121)と;
分析される各炭化水素を連続的に検出および/または定量するための、前記分離カラム(121)の出口に配置される検出器(123)とを有し、
前記分離カラム(121)内における前記妨害化合物の溶出時間が、分析される最初の炭化水素の前記分離カラム(121)内での溶出時間と分析される最後の炭化水素の前記分離カラム(121)内での溶出時間との間にあると考えられ、
前記分析装置(19;159)が、前記分離カラム(121)において、前記分析される最初の炭化水素の前記溶出時間と前記分析される最後の炭化水素の前記溶出時間との間で前記または各妨害化合物が溶出するのを防止するために、前記分析される炭化水素を保持することなく前記または各妨害化合物を選択的に保持できるように、前記抽出器(53)の前記出口(71)と前記分離カラム(121)の入口との間でガスに接触するように配置される、前記妨害化合物との化学的および/または物理的相互作用面(141)を有することを特徴とする装置。
【請求項12】
前記装置(19)が、前記分離カラム(121)の上流の前記移送ライン(54)上に直列に取り付けられる、前記相互作用面(141)を収容する取り外し可能なカートリッジ(131)を有する、ことを特徴とする、請求項11に記載の装置(19)。
【請求項13】
前記装置(159)が、前記分離カラム(122)の上流において前記移送ライン(54)上にまたは前記移送ライン(54)の下流に直列に取り付けられる、前記相互作用面(141)を収容するプレ分離カラム(161)を有する、ことを特徴とする、請求項11に記載の装置(159)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2011−510284(P2011−510284A)
【公表日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−542658(P2010−542658)
【出願日】平成20年1月18日(2008.1.18)
【国際出願番号】PCT/FR2008/050079
【国際公開番号】WO2009/090351
【国際公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【出願人】(509020332)
【Fターム(参考)】