説明

掘進機のカッタ前面荷重検知方法及び装置並びに掘進機

【課題】低コスト且つ省スペースでカッタ前面荷重を的確に検知可能なカッタ前面荷重検知方法及び装置並びに掘進機を提供する。
【解決手段】フレーム(1)に対するセンタシャフト(4)またはシャフト支持部材(6)のスラスト方向での第1の変位を検知する第1変位検知手段(20)と、シャフト支持部材(6)に対するセンタシャフト(4)のスラスト方向での第2の変位を検知する第2変位検知手段(22)とを備える。さらに、これら第1及び第2の変位に応じて推進手段(10)の推進速度を制御する制御手段(32)を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、掘進機のカッタ前面荷重検知方法及び装置並びに掘進機に係り、詳しくは、低コスト且つ省スペースで掘進機のカッタ前面荷重を検知する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
地中にトンネル等の坑を掘削するための掘進機には、センタシャフトによってカッタヘッドを回転可能に支持するセンタシャフト支持方式、隔壁に旋回環を備えてカッタヘッドを回転可能に支持する中間ビーム支持方式、外周ビームによってカッタヘッドを回転可能に支持する外周ビーム支持方式等の種々の方式のものがある。
例えば、センタシャフト支持方式を用いた掘進機の場合、カッタヘッドのセンタシャフトは、例えば外殻フレームの前端に設けられた隔壁の中心部を貫通し、スラスト軸受とラジアル軸受からなるカッタ軸受を介して隔壁と一体をなすシャフト支持部材に軸支されており、当該センタシャフトに固定されたカッタヘッドギヤがピニオンを介して駆動モータにより駆動されることで回転可能に構成されている。
【0003】
ところで、掘進機は、例えばシールド掘進機の場合には、カッタヘッドで土石を切削しながら後部に設けられたジャッキを伸長させて前進するように構成されており、この際、カッタヘッドは後方から土石に強く押圧されるため、反力としてカッタ前面荷重を受けることになる。このようにカッタヘッドがカッタ前面荷重を受けると、センタシャフト支持方式では当該カッタ前面荷重はセンタシャフトを介してカッタ軸受、シャフト支持部材ひいては隔壁に伝達されることになり、例えば硬い地質の場所では、非常に大きな力がカッタ軸受、シャフト支持部材ひいては隔壁に作用することになり、状況によってはシャフト支持部材や隔壁が後方に大きく撓んだり或いはカッタ軸受のスラスト軸受機能が損なわれたりして掘進機の故障を招くおそれがある。
【0004】
そこで、このような掘進機の故障を未然に防止すべく、カッタ前面荷重を検出する手法が種々考えられており、例えば、シャフト支持部材等に歪計を設置し、当該歪計の検出結果に基づき算出された応力値と予め荷重条件を設定し構造解析により求めておいた応力値とを比較してカッタ前面荷重を検出する手法が公知である(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−170477号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に開示される手法の場合、予め荷重条件を設定して構造解析を行っておかなければならず、カッタ前面荷重を検出するのに手間がかかるという問題がある。
また、当該手法では、歪計の検出結果を演算処理するための機材を掘進機に設置する必要があり、コストがかかるのみならず機材の設置スペースが必要となり、特にセンタシャフト支持方式が多用される小口径の小型掘進機においては、設置スペースが小さく当該手法を採用し難いという欠点がある。
【0006】
さらに、歪計を適正に配置することは容易でなく、専門業者に頼らざるを得ないという事情もある。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、低コスト且つ省スペースで掘進機のカッタ前面荷重を的確に検知可能な掘進機のカッタ前面荷重検知方法及び装置並びに掘進機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した目的を達成するために、請求項1の掘進機のカッタ前面荷重検知方法は、回転により土石を切削するカッタヘッドが旋回部材によって支持部材を介してフレームに回転可能に支持され、推進手段により前記フレームを推進させることで該フレーム、前記支持部材及び前記旋回部材とともに前記カッタヘッドを土石を切削しつつ前進させる掘進機のカッタ前面荷重検知方法であって、前記フレームに対する前記旋回部材または前記支持部材のスラスト方向での第1の変位を検知し、前記支持部材に対する前記旋回部材のスラスト方向での第2の変位を検知し、これら第1及び第2の変位の少なくともいずれか一方が各初期値より大きいときには前記カッタヘッドが該変位に応じたカッタ前面荷重を受けたとみなすことを特徴とする。
【0008】
請求項2の掘進機のカッタ前面荷重検知装置は、回転により土石を切削するカッタヘッドが旋回部材によって支持部材を介してフレームに回転可能に支持され、推進手段により前記フレームを推進させることで該フレーム、前記支持部材及び前記旋回部材とともに前記カッタヘッドを土石を切削しつつ前進させる掘進機のカッタ前面荷重検知装置であって、前記フレームに対する前記旋回部材または前記支持部材のスラスト方向での第1の変位を検知する第1変位検知手段と、前記支持部材に対する前記旋回部材のスラスト方向での第2の変位を検知する第2変位検知手段とを備え、これら第1及び第2の変位の少なくともいずれか一方が各初期値より大きいときには前記カッタヘッドが該変位に応じたカッタ前面荷重を受けたとみなすことを特徴とする。
【0009】
請求項3の掘進機のカッタ前面荷重検知装置では、請求項2において、前記第1変位検知手段及び前記第2変位検知手段はそれぞれ変位センサまたは測距センサで構成されることを特徴とする。
請求項4の掘進機は、回転により土石を切削するカッタヘッドが旋回部材によって支持部材を介してフレームに回転可能に支持され、推進手段により前記フレームを推進させることで該フレーム、前記支持部材及び前記旋回部材とともに前記カッタヘッドを土石を切削しつつ前進させる掘進機であって、前記フレームに対する前記旋回部材または前記支持部材のスラスト方向での第1の変位を検知する第1変位検知手段と、前記支持部材に対する前記旋回部材のスラスト方向での第2の変位を検知する第2変位検知手段と、これら第1及び第2の変位の少なくともいずれか一方が各初期値より大きいときには該変位に応じて前記推進手段の推進速度を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項5の掘進機では、請求項4において、前記制御手段は、前記第1変位検知手段により初期値より大きな第1の変位のみが検知されたときには、該第1の変位のみに応じて前記推進手段の推進速度を制限し、前記第2変位検知手段により初期値より大きな第2の変位が検知されたときには、該第2の変位に応じて前記推進手段の推進速度をより大きく制限することを特徴とする。
【0011】
請求項6の掘進機では、請求項5において、前記制御手段は、前記第2変位検知手段により所定値以上の第2の変位が検知されたときには、前記推進手段による推進を停止することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の掘進機のカッタ前面荷重検知方法によれば、第1の変位と第2の変位を検知し、これら第1及び第2の変位の少なくともいずれか一方が各初期値より大きいときにはカッタヘッドが該変位に応じたカッタ前面荷重を受けたとみなすので、第1の変位と第2の変位の2つの変位に基づき簡単にして低コスト且つ省スペースでカッタ前面荷重を的確に検知することができる。
【0013】
これより、小型掘進機であっても、簡単な構成にしてカッタ前面荷重を的確に検知することができる。
請求項2の掘進機のカッタ前面荷重検知装置によれば、第1変位検知手段と第2変位検知手段により第1の変位と第2の変位を検知し、これら第1及び第2の変位の少なくともいずれか一方が各初期値より大きいときにはカッタヘッドが該変位に応じたカッタ前面荷重を受けたとみなすので、第1変位検知手段と第2変位検知手段による第1の変位と第2の変位の2つの変位に基づき簡単にして低コスト且つ省スペースでカッタ前面荷重を的確に検知することができる。
【0014】
請求項3の掘進機のカッタ前面荷重検知装置によれば、第1変位検知手段と第2変位検知手段に変位センサまたは測距センサを用いることで簡単にして低コストでカッタ前面荷重を的確に検知することができる。
請求項4の掘進機によれば、第1変位検知手段と第2変位検知手段により第1の変位と第2の変位を検知し、これら第1及び第2の変位の少なくともいずれか一方が各初期値より大きいときには該変位に応じて推進手段の推進速度を制御するようにしたので、第1変位検知手段と第2変位検知手段による第1の変位と第2の変位の2つの変位に基づき簡単にして低コスト且つ省スペースでカッタ前面荷重を的確に検知しつつ推進手段の推進速度を適切に制限するようにでき、掘進機を十分に保護することができる。
【0015】
請求項5の掘進機によれば、初期値より大きな第1の変位のみが検知されたときには、該第1の変位のみに応じて推進手段の推進速度を制限し、初期値より大きな第2の変位が検知されたときには、該第2の変位に応じて推進手段の推進速度をより大きく制限するようにしたので、第1変位検知手段と第2変位検知手段による第1の変位と第2の変位の2つの変位に基づきカッタ前面荷重を的確に検知しつつ推進手段の推進速度を適切に制限するようにでき、掘進機を十分に保護することができる。
【0016】
請求項6の掘進機によれば、所定値以上の第2の変位が検知されたときには推進手段による推進を停止するので、掘進機を破損なく確実に保護することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
先ず、第1実施例について説明する。
図1は、本発明のカッタ前面荷重検知方法及び装置が適用される第1実施例に係る掘進機の縦断面図を示す(部材断面を示す斜線は省略、以下同様)。
当該第1実施例では、掘進機としてセンターシャフト支持方式のシールド掘進機が採用される。
【0018】
同図に示すように、本発明の第1実施例に係るシールド掘進機では、円筒状のシールドフレーム1の前端内部に隔壁2が径方向に一体に設けられており、当該隔壁2の中心部をカッタヘッド3に接合されたセンターシャフト(旋回部材)4が回転可能に貫通している。そして、センターシャフト4の後端部が、スラスト軸受5aとラジアル軸受5bからなるカッタ軸受5を介して隔壁2に一体に接合されたシャフト支持部材(支持部材)6に回転自在に軸支されている。
【0019】
センターシャフト4には、隔壁2とシャフト支持部材6間に位置してカッタヘッドギヤ7が外嵌されており、一方シャフト支持部材6には、カッタヘッドギヤ7と噛合するピニオン9を備えた回転駆動モータ8が固定されている。つまり、センターシャフト4は、回転駆動モータ8によりピニオン9、カッタヘッドギヤ7を介して駆動されてカッタヘッド3を高トルクで回転可能である。これにより、シールド掘進機は、カッタヘッド3を回転させながらカッタヘッド3前面に複数配設されたカッタビット(図示せず)により前方の土石を切削可能である。なお、図1においてカッタヘッド3、センターシャフト4及びカッタヘッドギヤ7等を斜線で示してあるが、当該斜線部分が回転駆動モータ8により回転する部分である。
【0020】
また、当該シールド掘進機には、シールドフレーム1の後端部に位置して油圧シリンダからなるシールドジャッキ(推進手段)10(簡易的にブロックで示す)が設けられている。これにより、シールド掘進機は、土石を切削しながら当該シールドジャッキ10を伸長させることで後方に設置したセグメント(図示せず)の反力を受けてシールド掘進機を前進可能である。
【0021】
シャフト支持部材6のボス部6aの後端には、カッタ軸受5、即ちセンターシャフト4とボス部6aとの間に充填した潤滑剤の外部への飛散を防止するため、環状のシール部材11が内周面をセンターシャフト4の外周面に当接させて複数のボルト12によって固定されている。詳しくは、センターシャフト4の外周面には、全周に亘り環状突起4aが形成されており、シール部材11は、当該環状突起4aの少なくともセンターシャフト4の先端側の面と当接するようにボス部6aの後端に固定されている。
【0022】
そして、シール部材11の外側の面11aのスラスト方向の変位を検知するようにして2個の第1変位センサ(第1変位検知手段)20、第2変位センサ(第2変位検知手段)22が設けられており、第1変位センサ20については腕部材24の先端に支持され、第2変位センサ22については腕部材26の先端に支持されている。なお、腕部材24、26は例えば十分な剛性を有した中空の角材で構成されている。
【0023】
図2に第2変位センサ22の固定部分を拡大して示すように、第2変位センサ22は、センサ先端部22aがシール部材11の外側の面11aに当接するよう金具23によって腕部材26の先端に固定されている。なお、図示しないものの、第1変位センサ20についても、第2変位センサ22と同様に、センサ先端部20aがシール部材11の外側の面11aに当接するようにして腕部材24の先端に固定されている。
【0024】
詳しくは、第1変位センサ20を支持する腕部材24は、その後端がシールドフレーム1の一部1aに固定されており、一方、第2変位センサ22を支持する腕部材26は、その後端がシャフト支持部材6に固定されている。これより、第1変位センサ20については、シールドフレーム1に対するセンターシャフト4またはシャフト支持部材6のスラスト方向の相対変位をシール部材11を介して検知可能であり、第2変位センサ22については、シャフト支持部材6に対するセンターシャフト4のスラスト方向の相対変位をシール部材11を介して検知可能である。
【0025】
操作盤30はシールド掘進機の各種操作及び制御を行うための装置であり、本発明に係るシールド掘進機では、操作盤30内にカッタ前面荷重検知部31とシールドジャッキ制御部(制御手段)32とを備えている。カッタ前面荷重検知部31の入力側には上記第1変位センサ20、第2変位センサ22が電気的に接続され、カッタ前面荷重検知部31はシールドジャッキ制御部32に内部接続され、シールドジャッキ制御部32の出力側には上記シールドジャッキ10の油圧制御部(図示せず)が電気的に接続されている。
【0026】
以下、上記のように構成されたセンターシャフト支持方式のシールド掘進機の本発明に係る作用を説明しつつ、併せて本発明に係るカッタ前面荷重検知方法、カッタ前面荷重検知装置の作用について説明する。
上述したように、シールド掘進機は、カッタヘッド3を回転させてカッタビットで土石を切削しながらシールドジャッキ10を伸長させることによりシールド掘進機を前進可能である。
【0027】
しかしながら、掘削する土質が硬い場所等では、カッタヘッド3を回転させてもカッタビットが土石を十分に切削できないことがあり得、このような場合、シールドジャッキ10を伸長させてもシールド掘進機を前進させることができず、カッタヘッド3は反力としてカッタ前面荷重を大きく受けることとなる。
このようにカッタヘッド3がカッタ前面荷重を大きく受けると、当該荷重は、センターシャフト4をスラスト方向後方に押圧し、主としてスラスト軸受5aを介してシャフト支持部材6ひいては隔壁2を撓ませるように作用する。シャフト支持部材6や隔壁2が撓ませられると、シールドフレーム1に対してシャフト支持部材6がスラスト方向で相対変位することになり、シール部材11を介してセンサ先端部20aが圧縮され、当該シールドフレーム1に対するセンターシャフト4またはシャフト支持部材6の相対変位が第1変位センサ20によって検知される。
【0028】
さらに、カッタ前面荷重が極めて大きいような場合には、当該荷重は、スラスト軸受5aの軸受能力を超えてセンターシャフト4をスラスト方向に押圧しようとし、この場合には、シャフト支持部材6に対してセンターシャフト4がスラスト方向で相対変位することになり、シール部材11が環状突起4aに押されて撓むことでセンサ先端部22aが圧縮され、当該シャフト支持部材6に対するセンターシャフト4の相対変位が第2変位センサ22によって検知される。
【0029】
このように第1変位センサ20、第2変位センサ22によって変位が検知されると、当該変位情報はカッタ前面荷重検知部31に入力する。
図3を参照すると、カッタ前面荷重検知部31及びシールドジャッキ制御部32が実行するシールドジャッキ制御の制御ルーチンがフローチャートで示されており、以下同フローチャートに基づき第1実施例に係るシールドジャッキ制御の制御内容を説明する。
【0030】
ステップS10では、第1変位センサ20の出力D1を読込み、ステップS12では、第2変位センサ22の出力D2を読込む。
ステップS14では、第2変位センサ22の出力D2が初期値より大きいか否か、即ちスラスト軸受5aの軸受能力を超えてセンターシャフト4が後退し、シャフト支持部材6に対してセンターシャフト4が相対変位したか否かを判別する。
【0031】
ここに、出力D2の初期値は例えば第2変位センサ22の初期設置時の値である。また、出力D2は当該出力D2が当該初期値以上の範囲においてはカッタ前面荷重F2と略比例していることから、これら出力D2の値とカッタ前面荷重F2とは実験等により予め関係付けられている。通常はステップS14の判別結果は偽(No)であって第2変位センサ22の出力D2に変化はなく初期値は維持され(出力変化無し)、この場合にはステップS16に進む。
【0032】
ステップS16では、第1変位センサ20の出力D1が初期値より大きいか否か、即ちカッタ前面荷重によりシャフト支持部材6や隔壁2が撓み、シールドフレーム1に対してセンターシャフト4またはシャフト支持部材6が相対変位したか否かを判別する。
ここに、出力D1の初期値は例えば第1変位センサ20の初期設置時の値である。また、出力D1は当該出力D1が当該初期値以上の範囲においてはカッタ前面荷重F1と略比例していることから、上記出力D2と同様にこれら出力D1の値とカッタ前面荷重F1とは実験等により予め関係付けられている。なお、上記カッタ前面荷重F2はシャフト支持部材6や隔壁2を撓ませるよりも大きな力、即ちスラスト軸受5aの軸受能力を超えてセンターシャフト4を後退させるほどの大きな力であることから、出力D1と出力D2とが同一の値では上記カッタ前面荷重F2の方がカッタ前面荷重F1よりも大きな値を採る。
【0033】
ステップS16の判別結果が偽(No)で初期値より大きな出力D1が検知されていない場合(出力変化無しの場合)には、カッタ前面荷重F1は構造部材の耐用範囲と判断でき、当該ルーチンを抜ける。一方、判別結果が真(Yes)で第1変位センサ20の出力D1が初期値より大きいような場合には、カッタヘッド3は当該出力D1に応じたカッタ前面荷重F1を受けたとみなすことができ、ステップS18に進む。
【0034】
ステップS18では、第1変位センサ20の出力D1に応じてシールドジャッキ速度を制御する。具体的には、当該出力D1が大きくなるほどシールドジャッキ速度が小さくなるよう、当該シールドジャッキ速度を例えばゲインG1で減速側に補正する。即ち、初期値より大きな出力D1のみが検知された場合には、出力D1のみに基づいてシールドジャッキ速度を制限する。なお、ゲインG1については実験等に基づき適宜設定される。
【0035】
一方、上記ステップS14の判別結果が真(Yes)で、第2変位センサ22の出力D2が初期値より大きいような場合には、カッタヘッド3は当該出力D2に応じたカッタ前面荷重F2を受けたとみなすことができ、ステップS20に進む。
ステップS20では、第2変位センサ22の出力D2が所定値以上であるか否かを判別する。即ち、出力D2に対応するカッタ前面荷重F2がスラスト軸受5aの破損を示す程の極めて大きな値に達しているか否かを判別する。判別結果が偽(No)で出力D2が所定値未満である場合には、ステップS22に進む。
【0036】
ステップS22では、出力D2に応じてシールドジャッキ速度を制御する。この場合、カッタヘッド3には上述した如く少なくともスラスト軸受5aの軸受能力を超えるほどの大きな力が作用していると判断できるため、具体的には、出力D2の増大に応じてシールドジャッキ速度が大幅に小さくなるよう、当該シールドジャッキ速度を上記ゲインG1よりも大きなゲインG2で減速側に補正する。即ち、初期値より大きく所定値未満の出力D2が検知された場合には、出力D2に基づいてシールドジャッキ速度をより大きく制限する。なお、ゲインG2については上記同様に実験等により適宜設定される。
【0037】
一方、上記ステップS20の判別結果が真(Yes)で、第2変位センサ22の出力D2が所定値以上と判定された場合には、カッタ前面荷重F2がスラスト軸受5aの破損を示す程の極めて大きな値にまで達していると判断でき、この場合にはステップS24に進み、シールドジャッキ10の作動を停止させる。
このように、本発明に係るカッタ前面荷重検知方法及び装置並びに掘進機では、センタシャフト支持方式の掘進機において、2個の第1変位センサ20と第2変位センサ22とを用い、第1変位センサ20によってシールドフレーム1に対するセンターシャフト4またはシャフト支持部材6の相対変位(出力D1)を検知し、第2変位センサ22によってシャフト支持部材6に対するセンターシャフト4の相対変位(出力D2)を検知し、これら検知情報に基づいてシールドジャッキ10を減速制御するようにしている。
【0038】
従って、当該カッタ前面荷重検知方法及び装置並びに掘進機によれば、センタシャフト支持方式の掘進機において、2個の変位センサを用い、これら2個の変位センサからの出力に基づいて、複雑な演算処理を必要としないことで演算処理のための機材を別途必要とせず操作盤30を有効に利用しつつ、簡単な構成にして全体として低コスト且つ省スペースを実現してカッタ前面荷重を的確に検知することができる。さらに、これら2個の変位センサからの出力に基づいて、シールドジャッキ10を適切に減速或いは停止するようにでき、掘進機を十分に保護することができる。特に、第2変位センサ22の出力D2が所定値以上であってカッタ前面荷重F2が極めて大きな値であるときには、シールドジャッキ10の作動を停止させるようにしているので、掘進機を破損なく確実に保護することができる。
【0039】
これより、センタシャフト支持方式は小口径の小型掘進機に多用される傾向にあるところ、このような小型掘進機であっても、本発明に係るカッタ前面荷重検知方法及び装置を適用することで、簡単な構成でありながらカッタ前面荷重を的確に検知して掘進機を確実に保護することができる。
図4を参照すると、第1実施例の変形例に係るシールドジャッキ制御の制御ルーチンがフローチャートで示されており、以下同フローチャートに基づき第1実施例の変形例に係るシールドジャッキ制御の制御内容を説明する。
【0040】
当該変形例では、先ず上記図3のステップS10、S12と同様に、ステップS30において第1変位センサ20の出力D1を読込み、ステップS32において第2変位センサ22の出力D2を読込む。
ステップS34では、出力D1をカッタ前面荷重F1に変換する。具体的には、出力D1の値とカッタ前面荷重F1とを実験等により予め関係付けてマップ化しておき、当該マップからカッタ前面荷重F1を求める。
【0041】
さらに、ステップS36では、出力D2をカッタ前面荷重F2に変換する。具体的には、カッタ前面荷重F1と同様、出力D2の値とカッタ前面荷重F2とを実験等により予め関係付けてマップ化しておき、当該マップからカッタ前面荷重F2を求める。なお、出力D1と出力D2とが同一の値ではカッタ前面荷重F2の方がカッタ前面荷重F1よりも大きな値を採ることは上述の通りである。
【0042】
ステップS38では、第2変位センサ22の出力D2に基づき上記出力D2の初期値に対応する初期荷重値より大きなカッタ前面荷重F2が検知されたか否か、即ちスラスト軸受5aの軸受能力を超えてセンターシャフト4が後退し、シャフト支持部材6に対してセンターシャフト4が相対変位して初期荷重値を超えるようなカッタ前面荷重F2が発生したか否かを判別する。通常であれば判別結果は偽(No)であって初期荷重値より大きなカッタ前面荷重F2は検知されておらず(出力変化無し)、ステップS40に進む。
【0043】
ステップS40では、第1変位センサ20の出力D1に基づき初期荷重値より大きなカッタ前面荷重F1が検知されたか否か、即ちカッタ前面荷重によりシャフト支持部材6や隔壁2が撓み、シールドフレーム1に対してセンターシャフト4またはシャフト支持部材6が相対変位して初期荷重値を超えるようなカッタ前面荷重F1が発生したか否かを判別する。判別結果が偽(No)で初期荷重値より大きなカッタ前面荷重F1が検知されていない場合(出力変化無しの場合)、即ちカッタ前面荷重F1やカッタ前面荷重F2がそれぞれ初期荷重値を超えるような出力D2も出力D1も検知されていない場合には、カッタ前面荷重は構造部材の耐用範囲と判断でき、当該ルーチンを抜ける。一方、判別結果が真(Yes)で第1変位センサ20の出力D1に基づき初期荷重値より大きなカッタ前面荷重F1が検知された場合には、ステップS42に進む。
【0044】
ステップS42では、上記同様にカッタ前面荷重F1のみに基づいてシールドジャッキ速度を制限する。
一方、上記ステップS38の判別結果が真(Yes)で、第2変位センサ22の出力D2に基づき初期荷重値より大きなカッタ前面荷重F2が検知された場合には、ステップS44に進む。
【0045】
ステップS44では、カッタ前面荷重F2が上記出力D2の所定値に対応する所定荷重値以上であるか否かを判別する。判別結果が偽(No)でカッタ前面荷重F2が所定荷重値未満である場合には、ステップS46に進む。
ステップS46では、上記同様カッタ前面荷重F2に応じてシールドジャッキ速度をより大きく制限する。
【0046】
一方、上記ステップS44の判別結果が真(Yes)で、カッタ前面荷重F2が所定荷重値以上と判定された場合には、ステップS48に進み、上記同様にシールドジャッキ10の作動を停止させる。
この変形例においても、2個の変位センサを用い、これら2個の変位センサからの出力に基づいて、複雑な演算処理を必要としないことで演算処理のための機材を別途必要とせず操作盤30を有効に利用しつつ、簡単な構成にして全体として低コスト且つ省スペースを実現してカッタ前面荷重を的確に検知することができる。さらに、これら2個の変位センサからの出力に基づいて、シールドジャッキ10を適切に減速或いは停止するようにでき、掘進機を十分に保護することができる。
【0047】
次に、第2実施例について説明する。
図5は、本発明のカッタ前面荷重検知方法及び装置が適用される第2実施例に係る掘進機の縦断面図を示す。
当該第2実施例では、掘進機として中間ビーム支持方式のシールド掘進機が採用される。
【0048】
同図に示すように、本発明の第2実施例に係るシールド掘進機では、円筒状のシールドフレーム101の前端内部に隔壁102が径方向に一体に設けられており、カッタヘッド103に複数のビーム104を介して接合された環状の旋回環(旋回部材)107が当該隔壁102を貫通して配設されている。そして、旋回環107は、スラストローラ105a、105cとラジアルローラ105bからなるカッタ支持ローラ105を介して隔壁102と半ば一体に接合された旋回環支持部材(支持部材)106に回転自在に支持されている。詳しくは、カッタ支持ローラ105はシールドフレーム101に沿うよう旋回環支持部材106に配設された環状の旋回レール106aに周方向で一定の間隔を有して複数箇所設けられており、旋回環107ひいてはカッタヘッド103は、当該旋回レール106aに沿って旋回自在である。
【0049】
旋回環107の内周面には、ギヤ歯が形成されており、ピニオン109を介して旋回環支持部材106に固定された回転駆動モータ108が複数連結されている。つまり、旋回環107は、回転駆動モータ108によりピニオン109を介して駆動され、カッタヘッド103を高トルクで回転可能である。これにより、シールド掘進機は、カッタヘッド103を回転させながらカッタヘッド103前面に複数配設されたカッタビット(図示せず)により前方の土石を切削可能である。
【0050】
また、当該シールド掘進機においても、シールドフレーム101の後端部に位置して油圧シリンダからなるシールドジャッキ(推進手段)10(簡易的にブロックで示す)が設けられている。これにより、シールド掘進機は、土石を切削しながら当該シールドジャッキ10を伸長させることで後方に設置したセグメント(図示せず)の反力を受けてシールド掘進機を前進可能である。
【0051】
そして、旋回環支持部材106の旋回レール106a近傍におけるスラスト方向の変位を検知するようにして第1測距センサ(第1変位検知手段)120が周方向で例えばカッタ支持ローラ105に対応して一定の間隔を有して複数設けられており、さらに、旋回環107のスラスト方向の変位を検知するようにして第2測距センサ(第2変位検知手段)122が第1測距センサ120に対応して複数設けられている。
【0052】
詳しくは、第1測距センサ120については、シールドフレーム101から延びる腕部材124の先端に支持されて旋回環支持部材106までの距離を測定可能に配設されており、第2測距センサ122については旋回環支持部材106に直接支持されて旋回環107までの距離を測定可能に配設されている。なお、腕部材124は例えば十分な剛性を有した中空の角材で構成されている。
【0053】
これより、第1測距センサ120については、シールドフレーム101に対する旋回環支持部材106ひいては旋回環107のスラスト方向の相対変位を検知可能であり、第2測距センサ122については、旋回環支持部材106に対する旋回環107のスラスト方向の相対変位を検知可能である。
そして、当該シールド掘進機においても、上記第1実施例の場合と同様に、カッタ前面荷重検知部31とシールドジャッキ制御部(制御手段)32とを備えた操作盤30が設けられており、カッタ前面荷重検知部31の入力側には上記第1測距センサ120、第2測距センサ122が電気的に接続され、シールドジャッキ制御部32の出力側には上記シールドジャッキ10の油圧制御部(図示せず)が電気的に接続されている。
【0054】
以下、このように構成された中間ビーム支持方式のシールド掘進機の本発明に係る作用を説明しつつ、併せて本発明に係るカッタ前面荷重検知方法、カッタ前面荷重検知装置の作用について説明する。なお、上記第1実施例及びその変形例と共通する事項については簡略化して説明する。
当該中間ビーム支持方式のシールド掘進機では、カッタヘッド103がカッタ前面荷重を大きく受けると、当該荷重は、複数のビーム104を介して旋回環107をスラスト方向後方に押圧し、主としてスラストローラ105cを介して旋回レール106a、即ち旋回環支持部材106ひいては隔壁102を撓ませるように作用する。旋回環支持部材106や隔壁102が撓ませられると、シールドフレーム101に対して旋回環支持部材106がスラスト方向で相対変位することになり、即ち旋回環支持部材106と第1測距センサ120間の距離が短くなり、当該シールドフレーム101に対する旋回環支持部材106の相対変位が第1測距センサ120によって検知される。
【0055】
さらに、カッタ前面荷重が極めて大きいような場合には、当該荷重は、スラストローラ105cの耐荷重を超えて旋回環107をスラスト方向に押圧しようとし、この場合には、旋回環支持部材106に対して旋回環107がスラスト方向で相対変位することになり、即ち旋回環107と第2測距センサ122間の距離が短くなり、当該旋回環支持部材106に対する旋回環107の相対変位が第2測距センサ122によって検知される。
【0056】
このように第1測距センサ120、第2測距センサ122によって変位が検知されると、当該変位情報はカッタ前面荷重検知部31に入力し、カッタ前面荷重検知部31及びシールドジャッキ制御部32において、上記図3の制御ルーチンに基づいて上記同様にシールドジャッキ制御が行われる。なお、シールドジャッキ制御については上記同様でありここでは説明を省略するが、当該第2実施例では、ステップS10、S30の第1変位センサ20を第1測距センサ120に読み替え、ステップS12、S32の第2変位センサ22を第2測距センサ122に読み替える。
【0057】
これより、中間ビーム支持方式のシールド掘進機においても、2種の第1測距センサ120と第2測距センサ122とを用い、これら2個の測距センサからの出力に基づいて、複雑な演算処理を必要としないことで演算処理のための機材を別途必要とせず操作盤30を有効に利用しつつ、簡単な構成にして全体として低コスト且つ省スペースを実現してカッタ前面荷重を的確に検知することができる。さらに、これら2個の測距センサからの出力に基づいて、シールドジャッキ10を適切に減速或いは停止するようにでき、掘進機を十分に保護することができる。特に、第2測距センサ122が所定値以上であってカッタ前面荷重F2が極めて大きな値であるときには、シールドジャッキ10の作動を停止させるようにしているので、掘進機を破損なく確実に保護することができる。
【0058】
これより、中間ビーム支持方式のシールド掘進機であっても、本発明に係るカッタ前面荷重検知方法及び装置を適用することで、簡単な構成でありながらカッタ前面荷重を的確に検知して掘進機を確実に保護することができる。
以上で本発明に係る実施形態の説明を終えるが、実施形態は上記に限られるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。
【0059】
例えば、上記実施形態では、第1実施例において、第1変位センサ20及び第2変位センサ22によりシール部材11の外側の面11aの変位を検知するようにしているが、第1変位センサ20は例えばボス部6aの後端またはセンターシャフト4の後端の変位を直接検知するようなものであってもよく、第2変位センサ22はセンターシャフト4の後端の変位を直接検知するようなものであってもよい。
【0060】
また、上記実施形態では、第2実施例において、第1測距センサ120により旋回環支持部材106の相対変位を検知するようにしているが、第1測距センサ120は例えば旋回環107の変位を直接検知するようなものであってもよい。
また、上記実施形態では、第1変位センサ20、第1測距センサ120及び第2変位センサ22、第2測距センサ122を用いるようにしたが、変位を検知できればこれら変位センサや測距センサに限られるものではなく、簡易型の歪センサ等を用いるようにしてもよい。
【0061】
また、上記実施形態では、カッタ前面荷重F1、F2に応じてシールドジャッキ10の速度を制限するようにしているが、カッタ前面荷重F1、F2に応じてカッタヘッド3の回転速度をも併せて制限するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、センターシャフト支持方式のシールド掘進機(第1実施例)、中間ビーム支持方式のシールド掘進機(第2実施例)について説明したが、本発明は外周ビーム支持方式にも適用可能である。
【0062】
また、上記実施形態では、シールド掘進機を例に説明したが、本発明は推進式の掘進機にも当然に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明のカッタ前面荷重検知方法及び装置が適用される第1実施例に係る掘進機の縦断面図である。
【図2】第2変位センサの固定部分を拡大して示す図である。
【図3】カッタ前面荷重検知部及びシールドジャッキ制御部が実行する第1実施例に係るシールドジャッキ制御の制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図4】カッタ前面荷重検知部及びシールドジャッキ制御部が実行する第1実施例の変形例に係るシールドジャッキ制御の制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図5】本発明のカッタ前面荷重検知方法及び装置が適用される第2実施例に係る掘進機の縦断面図である。
【符号の説明】
【0064】
1、101 シールドフレーム
2、102 隔壁
3、103 カッタヘッド
4 センターシャフト(旋回部材)
4a 環状突起
5 カッタ軸受
5a スラスト軸受
5b ラジアル軸受
6 シャフト支持部材(支持部材)
6a ボス部
10 シールドジャッキ(推進手段)
11 シール部材
20 第1変位センサ(第1変位検知手段)
22 第2変位センサ(第2変位検知手段)
24、124 腕部材
26 腕部材
30 操作盤
31 カッタ前面荷重検知部
32 シールドジャッキ制御部(制御手段)
105 カッタ支持ローラ
105a、105c スラストローラ
105b ラジアルローラ
106 旋回環支持部材(支持部材)
106a 旋回レール
107 旋回環(旋回部材)
120 第1測距センサ(第1変位検知手段)
122 第2測距センサ(第2変位検知手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転により土石を切削するカッタヘッドが旋回部材によって支持部材を介してフレームに回転可能に支持され、推進手段により前記フレームを推進させることで該フレーム、前記支持部材及び前記旋回部材とともに前記カッタヘッドを土石を切削しつつ前進させる掘進機のカッタ前面荷重検知方法であって、
前記フレームに対する前記旋回部材または前記支持部材のスラスト方向での第1の変位を検知し、
前記支持部材に対する前記旋回部材のスラスト方向での第2の変位を検知し、
これら第1及び第2の変位の少なくともいずれか一方が各初期値より大きいときには前記カッタヘッドが該変位に応じたカッタ前面荷重を受けたとみなすことを特徴とする掘進機のカッタ前面荷重検知方法。
【請求項2】
回転により土石を切削するカッタヘッドが旋回部材によって支持部材を介してフレームに回転可能に支持され、推進手段により前記フレームを推進させることで該フレーム、前記支持部材及び前記旋回部材とともに前記カッタヘッドを土石を切削しつつ前進させる掘進機のカッタ前面荷重検知装置であって、
前記フレームに対する前記旋回部材または前記支持部材のスラスト方向での第1の変位を検知する第1変位検知手段と、
前記支持部材に対する前記旋回部材のスラスト方向での第2の変位を検知する第2変位検知手段とを備え、
これら第1及び第2の変位の少なくともいずれか一方が各初期値より大きいときには前記カッタヘッドが該変位に応じたカッタ前面荷重を受けたとみなすことを特徴とする掘進機のカッタ前面荷重検知装置。
【請求項3】
前記第1変位検知手段及び前記第2変位検知手段はそれぞれ変位センサまたは測距センサで構成されることを特徴とする、請求項2記載の掘進機のカッタ前面荷重検知装置。
【請求項4】
回転により土石を切削するカッタヘッドが旋回部材によって支持部材を介してフレームに回転可能に支持され、推進手段により前記フレームを推進させることで該フレーム、前記支持部材及び前記旋回部材とともに前記カッタヘッドを土石を切削しつつ前進させる掘進機であって、
前記フレームに対する前記旋回部材または前記支持部材のスラスト方向での第1の変位を検知する第1変位検知手段と、
前記支持部材に対する前記旋回部材のスラスト方向での第2の変位を検知する第2変位検知手段と、
これら第1及び第2の変位の少なくともいずれか一方が各初期値より大きいときには該変位に応じて前記推進手段の推進速度を制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする掘進機。
【請求項5】
前記制御手段は、前記第1変位検知手段により初期値より大きな第1の変位のみが検知されたときには、該第1の変位のみに応じて前記推進手段の推進速度を制限し、前記第2変位検知手段により初期値より大きな第2の変位が検知されたときには、該第2の変位に応じて前記推進手段の推進速度をより大きく制限することを特徴とする、請求項4記載の掘進機。
【請求項6】
前記制御手段は、前記第2変位検知手段により所定値以上の第2の変位が検知されたときには、前記推進手段による推進を停止することを特徴とする、請求項5記載の掘進機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−127825(P2008−127825A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−312792(P2006−312792)
【出願日】平成18年11月20日(2006.11.20)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】