説明

掘進管先端位置姿勢計測方法及び掘進管先端位置姿勢計測装置

【課題】地磁気が乱れていても、掘進管先端部の水平位置、深さ、傾斜角、回転角、及び方位角を精度よく測定する。
【解決手段】一辺が掘進計画線13と重なるように敷設された電流路22に交流電流を供給する電源21が接続されている。掘進管10先端部に3軸磁界検出器11及び3軸重力方向検出器12が設置されている。重力方向から掘進管先端部の傾斜角及び回転角を求める傾斜角・回転角検出部が設けられている。磁界の交流成分と電源からの同期信号から掘進管先端部の方位角を求める方位角検出部33が設けられている。磁界の交流成分から掘進管先端部の水平位置及び深さを求める水平位置・深さ計測部35が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非開削で配管を地中に敷設するための掘進工法における掘進管先端位置姿勢計測方法及び掘進管先端位置姿勢計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】非開削で配管を地中に敷設するための掘進工法においては、その施工中のドリル先端の位置及びその方向を検出することは、掘進方向を修正して管路軌跡を所定の管理範囲内に制御するために重要な情報である。
【0003】図13は、地磁気を利用した従来の掘進管先端位置姿勢計測装置の概略構成を示す図である。図13R>3に示すように、掘進管1381の先端に、掘進管1381に対する地磁気の方位角を求める地磁気検出器1383と、水平方向に対する掘進方向の傾斜角と、掘進方向を軸とする回転角を検出できる角度検出器1384と、演算器1385とから構成されている。
【0004】この装置では、検出される掘進管の方位角と傾斜角とから掘進距離に応じて変位量を計算し、積算することで先端位置を演算器1385で求める。なお、掘進方向の位置は、掘進中のドリルパイプの長さを管理することで求まる。従って、この方式では、掘進方向に対して、水平位置と深さを求めることとなる。
【0005】図14は、特開平9−72192号公報に記載されている人工技術を用いた装置の概略構成を示す図である。図14に示すように、掘進工事の掘進計画線上に、電源1497及び磁界発生コイル1492を設置し、地中の掘進管先端1491がコイル1492真下近傍に達したとき14コイル92に直流或いは矩形交番電流を通電し、地中に人工磁界を発生させ、3軸磁界検出器1493で磁界を測定する。コイル1492に通電したときの3軸磁界強度から通電しないときの3軸磁界強度を差し引いて求めた3軸磁界強度と、別途測定した先端の姿勢角から、演算により掘進管の先端部の水平位置と深さを求める。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】図13に示した従来装置では、地磁気を利用して掘進管の水平位置・深さを測定するが、特に都市部においては、測定場所近傍に存在する磁性体からなる自動車や構造物の影響を受け、地磁気が乱れていることが多い。そのため、方位角度は誤差を持つ。この誤差が小さくても、これを用いて求めた変位量を積算して得られる掘進管先端位置は、大きな誤差を持ち、都市部では実用にならない。
【0007】また、図14に示した従来装置では、人工磁界から先端位置を求める前に、別途先端部の姿勢角を計測しておく必要がある。そのためには、先端部に傾斜角とロール角とを求めるための重力加速度測定器と、方位角を求めるための地磁気方向検出器が必要になる。従って、地磁気が周辺の磁性体構造物により大きく乱れている場合には、最終的に求められる先端部の検出位置と検出方位角方向に大きな誤差が生じることになる。
【0008】また、地磁気の乱れが少ない場合、地磁気を用いて掘進管の先端部の方位角を求めることができた場合でも、人工地場を検出するためにコイル電流のON/OFF情報或いはコイル電流の同期信号を演算器に入力する必要があり、コイル電流の電源から演算処理機までの配線が必要になり、装置の全体構成が複雑になったり、この配線を使わない場合には手動によりコイル電流のON/OFF情報を入力したりする必要があり、測定時間が多くなると言う問題がある。特に、都市部の工事において、コイル設置場所が、演算処理装置から遠隔となる場合には、その配線作業が煩わしくなる。さらに、都市部の工事のように近傍からの電磁飛来ノイズが多い場所では、そのノイズが位置検出精度に悪影響を与える事が多い。本発明の目的は、地磁気が乱れていても、掘進管の先端部の水平位置、深さ、傾斜角、回転角、及び方位角を精度よく計測し得る掘進管先端位置姿勢計測方法を提供することにある。
【0009】また、本発明の別の目的は地磁気が乱れていない状態において、構成の簡易化を図り得る掘進管先端位置姿勢計測方法及び掘進管先端位置姿勢計測装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】[構成]本発明は、上記目的を達成するために以下のように構成されている。
【0011】(1)本発明(請求項1)に係わる掘進管先端位置姿勢計測方法は、中心線が掘進管の掘進計画線から離れた位置に敷設された電流路に対して交流波形の電流を供給するステップと、前記掘進管先端部における3軸方向の磁界強度を計測するステップと、前記各軸方向の磁界強度を交流成分と直流成分とに分けるステップと、前記掘進管先端部の姿勢に対する重力加速度方向を計測するステップと、前記掘進管先端部の姿勢に対する重力加速度方向から前記掘進管先端部の傾斜角と回転角とを求めるステップと、前記分離された各軸方向の磁界強度の交流成分と前記電流路に供給された交流波形の同期信号とから前記掘進管先端部の方位角を求めるステップと、前記各軸方向の磁界強度の交流成分から前記掘進管先端部の水平位置と深さとを求めるステップとを含むことを特徴とする。
【0012】(2) 本発明に係わる掘進管先端位置姿勢計測方法は、コイルに対して、供給時間が異なるハイレベルとローレベルとの2値の矩形波形の電流を供給するステップと、前記矩形波形の電流が前記コイルに供給された状態で、掘進管先端部における磁界の3軸方向の各成分の時間変位を計測するステップと、計測された磁界の各成分に対して、前記ハイレベルの電流供給時間に対応して一定のレベルを維持する第1の磁界の各成分と、前記ローレベルの電流供給時間に対応して一定のレベルを維持する第2の磁界強度の各成分とを求めるステップと、求められた第1及び第2の磁界の各成分から、前記コイルに矩形波形の電流が供給されて形成される人工磁界の各成分と、地磁気の各成分とを求めるステップと、前記掘進管先端部の姿勢に対する重力加速度方向を計測するステップと、前記掘進管先端部の姿勢に対する重力加速度方向から前記掘進管先端部の傾斜角と回転角とを求めるステップと、前記地磁気の各成分と前記掘進管先端部の姿勢に対する重力加速度方向とから前記掘進管先端部の方位角を求めるステップと、前記各軸方向の人工磁界から前記掘進管先端部の水平位置と深さとを求めるステップとを含むことを特徴とする。
【0013】(3)本発明に係わる掘進管先端位置姿勢計測装置は、コイルと、このコイルに、供給時間が異なるハイレベルとローレベルとの2値の矩形波形の電流を供給する電源と、前記掘進管の先端に設けられ、磁界の3軸方向の各成分をそれぞれ検出する磁界検出器と、この磁界検出器により計測された磁界の各成分から、ハイレベルの供給時間に対応して一定のレベルを維持する第1の磁界の各成分と、ローレベルの電流供給時間に対応して一定のレベルを保つ第2の磁界の各成分とを求める磁界強度検出部と、第1及び第2の磁界強度の各成分から、前記コイルに電流が供給されて形成される人工磁界の各成分と、地磁気の各成分とを求める人工磁界・地磁気算出部と、前記掘進管先端部に設けられ、該掘進管先端部の姿勢に対する重力加速度方向を検出する重力加速度方向検出器と、この重力加速度方向検出器により検出された重力加速度方向から前記掘進管先端部の傾斜角と回転角とを求める傾斜角・回転角検出部と、前記重力加速度方向検出器により検出された重力加速度方向と、地磁気の各成分とから前記掘進管先端部の方位角を求める方位角検出部と、前記人工磁界の各成分から前記掘進管先端部の水平位置と深さとを求める水平位置・深さ計測部とを具備してなることを特徴とする。
【0014】(4)本発明に係わる掘進管先端位置姿勢計測方法は、コイルに対して、擬似ランダム信号の電流を供給するステップと、前記擬似ランダム信号の電流が前記コイルに供給された状態で、掘進管先端部における磁界の3軸方向の各成分の時間変位を計測するステップと、計測された磁界の各成分と、前記擬似ランダム信号と同一パターンの参照用擬似ランダム信号との相関演算を行って、磁界の各成分を演算する人工磁界強度検出部と、前記掘進管先端部の姿勢に対する重力加速度方向を計測するステップと、前記掘進管先端部の姿勢に対する重力加速度方向から前記掘進管先端部の傾斜角と回転角とを求めるステップと、前記各軸方向の人工磁界から前記掘進管先端部の水平位置と深さとを求めるステップとを含むことを特徴とする。
【0015】(5)本発明に係わる掘進管先端位置姿勢計測装置は、コイルと、擬似ランダム信号波形の信号を発振する擬似ランダム信号発生器と、この擬似ランダム信号発振器から発振された擬似ランダム信号を増幅して、前記コイルに擬似ランダム信号波形の電流を供給する電源と、前記掘進管の先端に設けられ、磁界の3軸方向の各成分をそれぞれ検出する磁界検出器と、この磁界検出器により計測された磁界の各成分と、前記擬似ランダム信号波形と同様な参照信号との相関演算を行い、人工磁界の各成分を演算する人工磁界強度検出部と、前記掘進管先端部に設けられ、該掘進管先端部の姿勢に対する重力加速度方向を検出する重力加速度方向検出器と、この重力加速度方向検出器により検出された重力加速度方向から前記掘進管先端部の傾斜角と回転角とを求める傾斜角・回転角検出部と、前記人工磁界の各成分から前記掘進管先端部の水平位置と深さとを求める水平位置・深さ計測部とを具備してなることを特徴とする。
【0016】[作用]本発明は、上記構成によって以下の作用・効果を有する。
【0017】本発明によれば、中心線が掘進管の推進計画線に離れた位置に電流路を敷設すると共に、電流路に対して交流波形の電流を供給することによって、地磁気の乱れが大きくても、検出された磁界の交流成分(人工磁場)を利用して掘進管の先端部の水平位置、深さ、傾斜角、回転角、及び方位角を精度よく図ることができる。
【0018】また、中心線が掘進管の推進計画線に離れた位置に電流路を敷設すると共に、電流路に対して交流波形の電流を供給することによって、地磁気が乱れていない状態において、コイル電流のON/OFF情報或いはコイル電流の同期信号を演算器に入力する必要がなく、コイル電流の電源から演算処理部までの配線が不要となり、構成の簡易化を図ることができる。
【0019】本発明によれば、敷設されたコイルに対して、供給時間が異なるハイレベルとローレベルとの2値の矩形波形の電流を供給して、計測された磁場に対してハイレベルに対応した磁場とローレベルに対応した磁場との差をとることによって、電源の同期信号を用いることなく、コイルによる磁界と地磁気とをそれぞれ求めることができるので装置構成を簡易化することができる。
【0020】その結果、工事現場において便利で使いやすい簡単な装置構成で、掘進管の先端部の水平位置,深さ,傾斜角,回転角及び方位角を精度良く検出することができる。
【0021】コイルに対して擬似ランダム信号の波形を有する電流を供給することによって、磁気検出器に検出された信号と、同様の参照用擬似ランダム信号との相関演算を行うことによって、人工磁界のみを算出することができる。また、参照用擬似ランダム信号源として、擬似ランダム信号発生器と同一パターンの波形を生成する参照用擬似ランダム信号発生器を用いることによって、電源に接続された擬似ランダム信号と人工磁界強度検出部とを接続する必要が無く、配線作業が必要ない。また、擬似ランダム信号発生器から無線機を介して前記ランダム信号を人工磁界強度検出部に伝送することによって、配線作業が必要ない。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を以下に図面を参照して説明する。
【0023】[第1実施形態]図1は、本発明の一実施形態に係わる掘進管先端位置姿勢計測装置の概略構成を示す図である。本装置は、掘進計画線(Z軸)に対して垂直なXY平面にける掘進管の位置の測定を行う。図1に示すように、掘進管110の先端部に、3軸磁界検出器111及び3軸重力方向検出器112が設置されている。3軸磁界検出器111は、掘進方向(Z’軸)及び掘進方向に垂直な平面における水平方向(Y’軸)及び鉛直方向(X’軸)の3軸方向の磁界強度(Hx',Hy',Hz')を検出する。3軸磁界検出器111はフラックスゲート型のセンサで、直流磁界と交流磁界の両者を一つのセンサで検出することができる。また、3軸重力方向検出器112は、掘進方向(Z’軸)及び掘進方向に垂直な平面における水平方向(Y’軸)及び鉛直方向(X’軸)の3軸方向の重力加速度の大きさ(gx',gy',gz')を検出し、掘進管先端部の姿勢に対する重力加速度を計測する。3軸重力方向検出器112としては、サーボ方式の加速度センサが使用されている。
【0024】地表に電源121と、この電源121に接続された電流路122とからなる人工磁界発生器120が設置されている。電流路122は、一辺が掘進計画線113と重なるように敷設され、その中心線123が掘進管110の掘進計画線113に対して離されている。電源121は、幅2m,長さ90mの電流路122に対して電流100A,10Hzの矩形波を供給する。
【0025】3軸磁界検出器111からの磁界信号(Hx',Hy',Hz')S102が、検出された磁界から交流成分と直流成分とを分離する直流・交流分離器132に入力されている。3軸重力方向検出器112からの重力方向信号S102が、傾斜角・回転角検出部131に入力されている。
【0026】直流・交流分離器132で分離された一方の成分である方位角検出用信号S103、及び電源121から電流路に供給する交流波形の位相が0゜,180゜の時に発せられる同期信号S105が、方位角検出部133に入力されている。傾斜角・回転角検出部131で検出された傾斜角・回転角信号S106、方位角検出部133で検出された方位角信号S107、直流・交流分離器132で分離された交流成分である人工磁界信号(Hax',Hay',Haz')S108、が、人工磁界変換部134に入力されている。人工磁界変換部134から人工磁界信号S109が、水平位置・深さ計測部135に入力されている。水平位置・深さ計測部135から水平位置・深さ信号S110、傾斜角・回転角信号S106,及び方位角信号S107が、出力部136に入力されている。
【0027】傾斜角・回転角検出部131,直流・交流分離器132,方位角検出部133,人工磁界変換部134,及び水平位置・深さ計測部135の機能は、いわゆるマイコンである演算処理部130で処理される。
【0028】次に、本装置の動作について説明する。3軸重力方向検出器112は、掘進方向成分gz',掘進方向に対して垂直な平面における水平方向成分gy',垂直方向成分gx'を検出し、重力方向信号S102として演算処理部130の傾斜角・回転角検出部131に出力する。傾斜角・回転角検出部131は、重力加速度の掘進方向成分gZ'と垂直方向成分gx'とから、掘進計画線に対して直行する平面において、掘進計画線対する傾斜角を計測すると共に、垂直方向成分gx'と水平方向成分gy'とから掘進計画方向を軸とする回転角を計測する。
【0029】次いで、3軸磁界検出器111は、磁界の掘進方向成分Hx',掘進方向に対して垂直な平面における水平方向成分H'y,垂直方向成分Hz'を検出し、磁界信号(Hx',Hy',Hz')S101として直流・交流分離器132に出力する。人工磁界発生器120が発生する人工磁界は交流磁界なので、3軸磁界検出器111が検出する磁界は、地磁気に人工磁界が重畳された磁界となる。
【0030】なお、人工磁界を検出する際、地磁気の時間的変動成分はノイズすなわち誤差要因となる。調査により、日本の市街地における地磁気の変動成分は実測して、約0.1μT程度であることが分かった。掘進管先端部の位置検出精度を、実用上深さに対して5%以下とすると、人工磁界成分の強度は、上記地磁気の時間変動成分の20倍必要となる。従って、磁界検出器111近傍において、人工磁界の強度が2μT以上得られるような電流を電流路に供給する必要がある。
【0031】直流・交流分離器132は、磁界信号(Hx',Hy',Hz')S101を直流成分と交流成分とに分離する。直流・交流分離器132で分離された磁界信号S101の直流成分は地磁気(Hgx',Hgy',Hgz')であり、交流成分は人工磁界(Hax',Hay',Haz')である。
【0032】地磁気の乱れが少ない場合、地磁気(Hgx',Hgy',Hgz')を方位角検出用信号S103として方位角検出部133に出力する。方位角検出部133は、入力された地磁気(Hgx',Hgy',Hgz')から、地磁気に対する掘進管の方位角を求める。そして、予め求められている掘進計画線に対する地磁気の方位角から、掘進計画線に対する掘進管の方位角を求める。
【0033】地磁気が近傍の磁性体構造物により乱れが大きい場合、人工磁界(Hax',Hay',Haz')を方位角検出用信号S103として方位角検出部133に出力する。電流路122の中心線123が掘進管110の掘進計画線113から離れた位置に電流路122が敷設されているので、図2に示すように、人工磁界に水平成分が生じている。従って、人工磁界の水平方向成分が掘進管先端部の掘進方向に持つ成分を検出することで掘進管先端部の方位角を求めることができる。
【0034】従来、図2に示すように、掘進管先端位置が電流路中心線123の直下近傍の位置110bにあると、この近傍の磁界の方向は主に鉛直方向成分を向いているので、この磁界方向に垂直面内の角度を磁界の計測から求めることができない。
【0035】すなわち、掘進管先端部の方向が電流路と平行であれば、人工磁界の掘進方向(Z’)成分は現れない。掘進管先端部の方向が電流路の方向に対して角度を有する場合には、その角度に応じて人工磁界の掘進方向(Z’)成分が現れる。このときには、その方位角が左右に振れると、人工磁界の掘進方向成分はその磁界強度も変化するが符号も変化する。
【0036】従って、電流路122の交流電流に対して検出される交流の人工磁界の位相変化を検出するため、電流路の交流波形の同期信号が演算処理部に入力されている。このとき正確な位相情報を入力する必要はなく、電流路に供給される電流の位相が0゜と180゜のところで、信号を送ればよい。
【0037】直流・交流分離器132で分離された人工磁界信号(Hax',Hay',Haz')S104、傾斜角・回転角信号S106、及び方位角信号S107が、人工磁界変換部134に出力される。人工磁界信号(Hax',Hay',Haz')はXY平面に対して傾き、掘進線に対して垂直な平面における磁場成分である。従って、人工磁界変換部は、X’Y’平面における人工磁界(Hax',Hay',Haz')を、求められた傾斜角,回転角,及び方位角を用いて、XY平面における人工磁場(Hax,Hay)に変換する。なお、掘進方向の電流路122の長さを長くとっているので、掘進方向に対して直交する電流路122により生成される磁界を無視することができるので、人工磁界Hazは0とすることができる。
【0038】人工磁界変換部134は、変換された人工磁場信号(Hax,Hay)S109を水平位置・深さ計測部135に対して出力する。本装置においては、図2に示すように、電流路中心線123を掘進計画線113からずらした位置110aで使用する。掘進管先端が左右に振れた場合でも、水平方向の人工磁界成分は向きが変化せず、強度が変化するだけであり、人工磁界信号としては交流波形の振幅だけを計測すれば良く、装置構成が簡単化する。人工磁界の鉛直方向(X)成分は、コイル内であれば常に場所によらず一定方向であるから、同様に磁界信号としては交流成分の振幅だけを計測すればよい。
【0039】水平位置・深さ計測部135は、人工磁界(Hax,Hay)の振幅の計測値と、電流路の形状及び電流値から、例えば電流路からの発生磁界を表現するビオサバールの式に基づいた繰り返し計算により、掘進管先端部の水平位置と、深さを算出する。
【0040】以下に、繰り返し計算について説明する。初期値として、適当な位置Q1(X1,Y1)を設定して、深さX1を少しずつ変化させながら、ビオサバールの式にしたがって点Q1の磁界(Hax1,Hay1)を計算で求め、Hax1が磁界検出器により測定されたHaxに近くなるようなX1をX2とし、位置Q11(X2,Y1)を決める。
【0041】次に、水平位置Y1をすこしずつ変化させながらビオサバールの式にしたがって点Q11の磁界(Hax2,Hay1)を計算で求め、Hay1が磁界検出器により測定されたHayに近くなるような水平位置Y1をY2とし、位置Q2(X2,Y2)を決める。
【0042】次いで、位置Q1(X1,Y1)とQ2(X2,Y2)との距離を算出する。算出された距離が所定値以下で無ければ、位置Q2(X2,Y2)を新たな初期値として、上述した計算を順次行い、点Qi(i=1,2,3.…)を求め、それらの点が収束する点を磁界検出器の位置Pとする。
【0043】そして、求められた掘進管の先端部の位置、傾斜角、回転角及び方位角が出力部136に入力され、CRT等に表示される。
【0044】なお、本装置では、3軸磁界検出器111近傍では、約50×10-7T(50mG)の人工磁場が発生し、検出位置精度は2〜3%程度となり実用上十分な精度が得られた。
【0045】なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、磁場変動が小さい場合でも、磁場変動が大きい場合の検出方法用いることができる。
【0046】その他、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施することが可能である。
【0047】[第2の実施形態]図3は、本発明の一実施形態に係わる掘進管先端位置姿勢計測装置の概略構成を示す図である。本装置は、掘進計画線(Z軸)に対して垂直なXY平面にける掘進管の位置の測定を行う。図3R>3に示すように、掘進管210の先端部に、3軸磁界検出器211及び3軸重力加速度検出器212が設置されている。掘進管210の深さは2m、推進距離は70mである。3軸磁界検出器211は、掘進方向(Z’軸)及び掘進方向に垂直な平面における水平方向(Y’軸)及び鉛直方向(X’軸)の3軸方向の磁界強度(Hx',Hy',Hz')を検出する。3軸磁界検出器211はフラックスゲート型のセンサで、直流磁界と交流磁界の両者を一つのセンサで検出することができる。また、3軸加速度方向検出器212は、掘進方向(Z’軸)及び掘進方向に垂直な平面における水平方向(Y’軸)及び鉛直方向(X’軸)の3軸方向の重力加速度の大きさ(gx',gy',gz')を検出し、掘進管先端部の姿勢に対する重力加速度を計測する。3軸重力方向検出器212としては、サーボ方式の加速度センサが使用されている。
【0048】地表に電源221と、この電源221に接続されたコイル222とからなる人工磁界発生器220が設置されている。コイル222は、一辺が掘進計画線213と重なるように敷設され、その中心線223が掘進管210の掘進計画線213に対して離されている。電源222は、1辺1.5mの方形型コイルである。電源221はコイル222に対して、電流50A、1Hzの矩形波形の電流を供給する。コイル222に供給される矩形波形は、図4に示すように、正方向電流(ハイレベル)時間と負方向(ローレベル)電流時間の割合は30%と70%である。
【0049】3軸重力方向検出器212からの重力方向信号S202が、傾斜角・回転角検出部231に入力されている。3軸磁界検出器211からの磁界信号(Hx',Hy',Hz')S201が、所定のルールに従って各軸方向の磁界強度を検出する磁界強度検出部232に入力されている。磁界強度検出部232により検出された磁界信号S203が人工磁界・地磁気算出部233に入力されている。人工磁界・地磁気算出部233で算出された地磁気信号S204が方位角検出部234に入力されている。人工磁界・地磁気算出部233で算出された人工磁界信号S205が人工磁界変換部235に入力されている。
【0050】傾斜角・回転角検出部231で検出された傾斜角・回転角信号S206、方位角検出部234で検出された方位角信号S207、人工磁界・地磁気算出部で算出された人工磁界信号(Hcoilx',Hcoily',Hcoilz')S208、が、人工磁界変換部235に入力されている。人工磁界変換部235から人工磁界信号S208が、水平位置・深さ計測部236に入力されている。水平位置・深さ計測部236から水平位置・深さ信号S209、傾斜角・回転角信号S206,及び方位角信号S207が、出力部237に入力されている。
【0051】傾斜角・回転角検出部231,磁界強度検出部232,人工磁界・地磁気算出部233,方位角検出部234,人工磁界変換部235,及び水平位置・深さ計測部236の機能は、いわゆるマイコンである演算処理部230で処理される。
【0052】本装置においては、コイル222により発生される人工磁界Hcoil(Hcoilx',Hcoily',Hcoilz')を検出して、掘進管先端位置を求めるものである。しかし、検出される磁場は、人工磁場Hcoil(Hcoilx',Hcoily',Hcoilz')に地磁気Hearth(Hearthx',Hearthy',Hearthz')が重畳されたものである。従って、測定された磁場(Hx',Hy',Hz')を人工磁界Hcoil(Hcoilx',Hcoily',Hcoilz')と地磁気Hearth(Hearthx',Hearthy',Hearthz')とに分けなければならない。
【0053】ところで、図5に示すように、掘進管先端部が位置P1にある場合と位置P2とにある場合では、水平方向の人工磁場の大きさは同じ場合でも向きが異なる場合がある(磁界の符号が変化する)。このような状況においては、電流波形に対する検出される磁界波形の位相情報が必要となる。
【0054】そこで、本発明においては、コイルに通電する電流波形は、図4に示すように、矩形波であるが、正方向の電流供給時間と負方向の電流供給時間を異なるようにしておく。
【0055】図6(a)は位置P1における磁場の磁界変位を示す特性図、図6(b)は位置P2における磁場の時間変位を示す特性図である。この波形から、掘進管210が位置P1にある場合、短時間継続している磁界測定値H1から長時間継続している磁界測定値H2を差し引くことで、人工磁場の寄与分をその絶対値と符号として求めることが出来る。また、位置P2で検出される磁界を考えると、短時間継続している磁界測定値H1から長時間継続している磁界測定値H2を差し引くことで、人工磁場の寄与分を求めることが出来る。
【0056】これはちょうどコイル中心軸に対称な位置P1と位置P2とにおける水平方向の磁場は、絶対値は同じであるが符号が異なるので、位置P1と位置P2とは区別することができる。
【0057】すなわち、元のコイルの電流波形に対する磁界検出波形の位相情報を波形自身から検出できるので、交流磁界を使用しているにも関わらず、検出側にコイル電流波形の位相情報を別の配線などで送ることなく。磁界のベクトル方向が検出でき、検出される位置を一意的に決定できるようになる。
【0058】次に、本装置の動作について説明する。3軸重力加速度検出器212は、掘進方向成分gz',掘進方向に対して垂直な平面における水平方向成分gy',垂直方向成分gx'を検出し、重力方向信号S202として演算処理部230の傾斜角・回転角検出部231に出力する。傾斜角・回転角検出部231は、重力加速度の掘進方向成分gz'と垂直方向成分gx'とから、掘進計画線に対して直行する平面において、掘進計画線に対する傾斜角を計測すると共に、垂直方向成分gx'と水平方向成分gy'とから掘進計画方向を軸とする回転角を計測する。
【0059】次いで、3軸磁界検出器211は、磁界の掘進方向成分Hz',掘進方向に対して垂直な平面における水平方向成分H'y,垂直方向成分Hx'を検出し、磁界信号(Hx',Hy',Hz')S201として磁界強度検出部232に出力する。人工磁界発生器220が発生する人工磁界は交流磁界なので、3軸磁界検出器211が検出する磁界は、地磁気に人工磁界が重畳された磁界となる。
【0060】なお、人工磁界を検出する際、地磁気の時間的変動成分はノイズすなわち誤差要因となる。調査により、日本の市街地における地磁気の変動成分は実測して、約0.1μT程度であることが分かった。掘進管先端部の位置検出精度を、実用上深さに対して5%以下とすると、人工磁界成分の強度は、上記地磁気の時間変動成分の20倍必要となる。従って、磁界検出器211近傍において、人工磁界の強度が2μT以上得られるような電流をコイルに供給する必要がある。
【0061】次いで、磁界強度検出部232で、各軸方向において、正方向の電流供給時間に対応する一定の強度を維持する磁界(H1x',H1y',H1z')を検出する。また、磁界強度検出部232で、負方向の電流供給時間に対応する一定の強度を維持する磁界(H2x',H2y',H2z')を検出する。より具体的には、ある時間一定のレベルを維持する磁界を調べ、維持時間が短い磁界をH1(H1x',H1y',H1z')とし、維持時間が長い磁界を磁界H2(H2x',H2y',H2z')としても良い。そして、磁界強度(H1x',H1y',H1z')及び磁界(H2x',H2y',H2z')を磁界信号S203として、人工磁界・地磁気算出部233に出力する。
【0062】人工磁界・地磁気算出部233は、各軸方向においてH1α−H2α(αはx',y',z'のいずれか)を計算して人工磁界Hcoil(Hcoilx',Hcoily',Hcoilz')を求める。また、各軸方向において、(H1α+H2α)/2(αはx',y',z'のいずれか)を計算して、地磁気Hearth(Hearthx',Hearthy',Hearthz')を求める。
【0063】地磁気の乱れが少ない場合、地磁気信号(Hearthx',Hearthy',Hearthz')S204として方位角検出部234に出力する。方位角検出部234は、入力された地磁気(Hearthx',Hearthy',Hearthz')から、地磁気に対する掘進管の方位角を求める。そして、予め求められている掘進計画線に対する地磁気の方位角から、掘進計画線に対する掘進管の方位角を求める。
【0064】しかし、地磁気が近傍の磁性体構造物により乱れが大きい場合には、上記にように地磁気を利用することはできない。この場合には、方位角はほぼ計画線方向と仮定する。
【0065】人工磁界・地磁気算出部233で算出された人工磁界信号(Hcoilx',Hcoily',Hcoilz')S205、傾斜角・回転角信号S206、及び方位角信号S207が、人工磁界変換部235に出力される。人工磁界信号(Hcoilx',Hcoily',Hcoilz')はXY平面に対して傾き、掘進線に対して垂直な平面における磁場成分である。従って、人工磁界変換部は、X’Y’平面における人工磁界(Hcoilx',Hcoily',Hcoilz')を、求められた傾斜角,回転角,及び方位角を用いて、XY平面における人工磁場(Hcoilx,Hcoily,Hcoilz)に変換する。
【0066】人工磁界変換部235は、変換された人工磁場信号(Hcoilx,Hcoily,Hcoilz)S208を水平位置・深さ計測部236に対して出力する。
【0067】水平位置・深さ計測部236は、人工磁界(Hcoilx,Hcoily,Hcoilz)の振幅の計測値と、コイルの形状及び電流値Icoilから、例えばコイルからの発生磁界を表現するビオサバールの式に基づいた繰り返し計算により、掘進管先端部の水平位置と、深さを算出する。
【0068】以下に、繰り返し計算について説明する。先ず、磁界発生器221を動作させ、3軸磁界検出器231は3軸加速度計232により、その時、3軸磁界検出器231が位置する点Pにおける磁界Hx,Hy,HZを計測する。
【0069】初期値として、適当な位置Q1(X1,Y1,Z1)を設定して、深さX1を少しずつ変化させながら、ビオサバールの式にしたがって点Q1の磁界(Hcoilx1,Hcoily1,Hcoilz1)を計算で求め、Hcoilx1が磁界検出器により測定されたHcoilxに近くなるようなX1をX2とし、位置Q11(X2,Y1,Z1)を決める。
【0070】次に、水平位置Y1をすこしずつ変化させながらビオサバールの式にしたがって点Q11の磁界(Hcoilx2,Hcoily1,Hcoilz1)を計算で求め、Hcoily1が磁界検出器により測定されたHcoilyに近くなるような水平位置Y1をY2とし、位置Q12(X2,Y2,Z1)を決める。
【0071】次に、掘進方向位置Z1をすこしずつ変化させながらビオサバールの式にしたがって点Q12の磁界(Hcoilx2,Hcoily2,Hcoilz1)を計算で求め、Hcoilz1が磁界検出器により測定されたHcoilzに近くなるような水平位置Y1をY2とし、位置Q2(X2,Y2,Z2)を決める。
【0072】次いで、位置Q1(X1,Y1,Z1)とQ2(X2,Y2,Z2)との距離を算出する。算出された距離が所定値以下で無ければ、位置Q2(X2,Y2,Z2)を新たな初期値として、上述した計算を順次行い、点Qi(i=1,2,3.…)を求め、それらの点が収束する点を磁界検出器の位置Pとする。
【0073】そして、求められた掘進管の先端部の位置、傾斜角、回転角及び方位角が出力部237に入力され、CRT等に表示される。
【0074】なお、本装置では、3軸磁界検出器211近傍では、約30×10-7T(30mG)の人工磁場が発生し、検出位置精度は2〜3%程度となり実用上十分な精度が得られた。
【0075】なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、ハイレベルの供給時間が短く、ローレベルの供給時間が長かったが、ハイレベルの供給時間が長く、ローレベルの供給時間が短くても良い。この場合、維持時間が長い磁界H1(H1x',H1y',H1z')と、維持時間が短い磁界H2(H2x',H2y',H2z')とをそれぞれ求める。そして、H1α−H2α(αはx',y',z'のいずれか)を計算して人工磁界Hcoil(Hcoilx',Hcoily',Hcoilz')が求められる。また、(H1α+H2α)/2(αはx',y',z'のいずれか)を計算して、地磁気Hearth(Hearthx',Hearthy',Hearthz')が求められる。
【0076】また、磁場変動が小さい場合でも、磁場変動が大きい場合の検出方法用いることができる。また、コイルに流す電流波形は、図5に示すような、矩形波に限らず、図7(a)に示すように、ON/OFF波形でも適用できる。さらには、図7(b)に示すように、電流方向は同じで電流値の大きさを矩形波形的に変化させた波形でも適用できる。
【0077】その他、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施することが可能である。
【0078】[第3の実施形態]図8は、本発明の一実施形態に係わる掘進管先端位置姿勢計測装置の概略構成を示す図である。本装置は、掘進計画線(Z軸)に対して垂直なXY平面にける掘進管の位置の測定を行う。本実施形態では、掘進計画線に対して、掘進間がYZ平面内で傾いていない場合について説明する(方位角0度)。
【0079】図8に示すように、掘進管310の先端部に、3軸磁界検出器311及び3軸重力加速度検出器312が設置されている。掘進管310の直径は約100mm、長さは1mであり、その後ろに直径約80mmのロッド314が接続されている。
【0080】3軸磁界検出器311は、掘進方向(Z’軸)及び掘進方向に垂直な平面における水平方向(Y’軸)及び鉛直方向(X’軸)の3軸方向の磁界強度(Hx',Hy',Hz')を検出する。3軸磁界検出器311は磁気抵抗素子型のセンサで、直流磁界と交流磁界の両者を一つのセンサで検出することができる。また、3軸加速度方向検出器312は、掘進方向(Z’軸)及び掘進方向に垂直な平面における水平方向(Y’軸)及び鉛直方向(X’軸)の3軸方向の重力加速度の大きさ(gx',gy',gz')を検出し、掘進管先端部の姿勢に対する重力加速度を計測する。3軸重力方向検出器312としては、サーボ方式の加速度センサが使用されている。
【0081】地表に、直径1.5mの円形コイル322と、図9に示すような擬似ランダム信号S310を発生する擬似ランダム信号発生器322と、この擬似ランダム信号発生器322からの擬似ランダム信号発生器S310を増幅した電流信号波形を円形コイル322供給する電源321とが設置されている。コイルの起磁力は、100ATである。
【0082】擬似ランダム信号発生器322は、図10に示すように複数個のシフトレジスタ1001が直列に接続されると共に、適切な帰還回路1002が接続されて構成され、各シフトレジスタ1001に同期信号が入力されている。これらのシフトレジスタ1001に、クロック周波数0.1Hz〜30Hzの同期信号を入力することによって、出力側から擬似ランダム信号として矩形波形のM系列信号(Maxmal Length Sequence)が出力される。
【0083】この擬似ランダム信号、M系列信号(Maxmal Length Sequence)と呼ばれる。M系列信号は、その発生に使用されるシフトレジスタの段数nに対して、同期信号の時間間隔をΔtとすると、(2n −1)Δtの周期(T)を有する。
【0084】本実施形態では、5段のシフトレジスタを直列に接続すると共に適切な位置に帰還回路を接続すると共に、クロック周波数0.1Hz〜30Hzの同期信号を入力して、31×Δtの周期のM系列信号を生成した。
【0085】擬似ランダム信号波形の電流波形がコイルに供給されることにより、同様に擬似ランダム信号波形の人工磁場が形成される。
【0086】掘進管310内の3軸磁界検出器311及び3軸重力加速度検出器312は、3軸方向の磁気及び重力加速度成分をそれぞれ測定し、測定値を磁界信号S301及び重力方向信号S302として、いわゆるマイコンで構成された演算処理部330に出力する。
【0087】磁界信号S301は、相関演算器333に入力される。相関演算器333には、擬似ランダム信号発生器324と同じ回路で構成された参照信号発生器から、擬似ランダム信号S310と同じパターンの参照用擬似ランダム信号S303が入力されている。
【0088】相関演算器は、検出された3軸の磁界信号S301のそれぞれに対して、参照用擬似ランダム信号S303との相関演算を行いう。このとき、参照用擬似ランダム信号S303の時間軸をずらしながら、検出された磁界信号S301と参照用擬似ランダム信号S303との乗算および積分を繰り返しながら相関を演算し、相関が最大値または極小値となるように参照信号の時間軸を調整する。このようにして、求められた相関の最大値(同位相)または極小値(逆位相)をもって、人工磁界の測定値とし、人工磁界信号S305を人工磁界変換部335に出力する。
【0089】この相関演算について詳しく説明する。関数f(t)とその同じ波形を有する参照用信号f(t-τ)との自己相関Ψ(τ)は
【数1】


【0090】で求められる。図11に擬似ランダム信号の自己相関波形を示す。図11に示すように、前述した周期Tで非常に鋭いピークを持つ波形である。
【0091】擬似ランダム信号f(t)の電流波形で人工磁場発生コイルを駆動し、地中に磁場を発生させる。このとき、人工磁場の波形が明確な矩形波形となるようにするため、コイルは擬似ランダム信号の電流波形で駆動される。
【0092】この磁界を検出する磁界検出器として、ピックアップコイルのような電磁誘導型の検出器ではなく、ホール素子や磁気抵抗素子などの磁気検出器を用いれば、検出される信号成分は忠実にもとのコイルの電流波形f(t)の波形と同様な波形として検出できる。
【0093】都市部のように電磁気的な飛来ノイズが多い環境では、実際に検出される検出信号は、人工磁場信号f(t)にノイズ信号n(t)が重畳されたものである。ここで、磁界信号g(t)[S301]は次式のように表される。
【0094】g(t)=f(t)+n(t)相関演算器が、磁界信号g(t)と、参照用擬似ランダム信号f(t)[S303]との相互相関演算を施すと、その演算結果Ψ(τ)は、次のようになる。
【0095】
【数2】


【0096】磁界信号f(t)にはM系列信号(擬似ランダム信号)成分が含まれ、参照用擬似ランダム信号g(t)にもこれと同じパターンのM系列信号パターンであるので、相互相関演算は時間遅延をおこした自己相関演算と同じになる。
【0097】したがって、相関演算結果は、図11に示した波形と同様に、周期的なピーク値を有する。このピーク値を検出して磁界検出信号の代表値とする。相関演算器は、算出した代表値に基づいて、人工磁界として検出し、人工磁界信号S305として人工磁界変換部335に出力する自己相関演算結果では、ノイズn(t)の影響は消去され、f(t)の自己相関関数Φ(τ)だけの成分として求められている。これは、一般的にノイズ波形と擬似ランダム信号との間に相関がない性質を利用しているからである。すなわち、ノイズ信号が除去された、感度の高い人工磁場信号を検出することが可能となる。
【0098】また、検出される磁界信号が、コイルの波形の逆位相となる場合でも、g(τ)=−f(t)+n(t)となるので、Ψ(τ)=−Φ(τ)として得られ、検出によって異なる検出信号の位相、すなわち同位相と逆位相との区別ができるようになる。
【0099】本実施形態では、直接検出された磁界信号のS/Nに対して、擬似ランダム信号を利用した本発明により測定値のS/Nは約5倍も改善された。
【0100】一方、3軸重力方向検出器312からの重力方向信号S302が、傾斜角・回転角検出部331に入力されている。傾斜角・回転角検出部331は、重力方向信号S302から、掘進管310の回転角及び傾斜角を求め、傾斜角・回転角信号S306を人工磁界変換部335に対して出力する。
【0101】人工磁界信号(Hcoilx',Hcoily',Hcoilz')はXY平面に対して傾き、掘進線に対して垂直な平面における磁場成分である。従って、人工磁界変換部335は、X’Y’平面における人工磁界(Hcoilx',Hcoily',Hcoilz')を、求められた傾斜角及び回転角を用いて、XY平面における人工磁場(Hcoilx,Hcoily,Hcoilz)に変換する。
【0102】人工磁界変換部335は、変換された人工磁場信号(Hcoilx,Hcoily,Hcoilz)S308を水平位置・深さ計測部336に対して出力する。
【0103】水平位置・深さ計測部336は、人工磁界(Hcoilx,Hcoily,Hcoilz)の振幅の計測値と、コイルの形状及び電流値Icoilから、例えばコイルからの発生磁界を表現するビオサバールの式に基づいた繰り返し計算により、掘進管先端部の水平位置及び深さを算出する。
【0104】本実施形態では、直接検出された磁界信号のS/Nに対して、擬似ランダム信号を利用した本発明により測定値のS/Nは約5倍も改善された。
【0105】このとき、3軸磁界検出器311近傍では約60ミリガウスの人工磁場が発生され、検出位置精度は2〜3%程度となり実用上十分な精度が得られた。
【0106】[第4の実施形態]第3の実施形態では、信号処理装置内で相関演算を実施するときに、参照信号の時間軸をずらしながら繰り返し計算をするため、演算時間が長くなり現場作業上支障をきたす場合がある。
【0107】演算時間を短くする必要がある場合には、図12に示すように、擬似ランダム信号発生器324から擬似ランダム信号を電源321に入力すると共に、擬似ランダム信号発生器322から出力された擬似ランダム信号S310を参照信号送信機432aと参照信号受信機432bとからなる参照信号伝送器を介して演算処理部330に入力し、磁界信号と参照用擬似ランダム信号S403との相関演算(乗算および積分演算)をリアルタイムで行うことで、両者の信号の相互相関の極大値が少ない演算時間で直接的に求めることができる。なお、図12において、図8と同一な部位には同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0108】このようにして、3軸の磁界測定値が求まれば、前の実施形態と同様にして、掘進管の姿勢情報を考慮し、繰り返し演算により掘進管の水平および深さ位置をもとめることができる。
【0109】なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施することが可能である。
【0110】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、中心線が掘進管の推進計画線に離れた位置に電流路を敷設すると共に、電流路に対して交流波形の電流を供給することによって、地磁気の乱れが大きくても、検出された磁界の交流成分(人工磁場)を利用して掘進管の先端部の水平位置、深さ、傾斜角、回転角、及びを精度よく図ることができる。
【0111】また、中心線が掘進管の推進計画線に離れた位置に電流路を敷設すると共に、電流路に対して交流波形の電流を供給することによって、地磁気が乱れていない状態において、コイル電流のON/OFF情報或いはコイル電流の同期信号を演算器に入力する必要がなく、コイル電流の電源から演算処理部までの配線が不要となり、構成の簡易化を図ることができる。
【0112】以上説明したように本発明によれば、敷設されたコイルに対して、供給時間が異なるハイレベルとローレベルとの2値の矩形波形の電流を供給して、計測された磁場に対してハイレベルに対応した磁場とローレベルに対応した磁場との差をとることによって、電源の同期信号を用いることなく、コイルによる磁界と地磁気とをそれぞれ求めることができるので装置構成を簡易化することができる。
【0113】本発明によれば、都市部においてuましば遭遇する飛来ノイズが存在しても、高いS/Nが得られるようになる。また、人工磁場発生コイルに対する掘進管の位置によって、変化する検出磁界の位相(王位相と逆位相)の識別宅できる。実施例1の場合には、参照信号を演算処理装置ないで作成して相関演算を行うので、人工磁場発生コイル2と信号演算装置5の聞に伝送線路を必要とせず、現場の作業性老優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係わる掘進管先端位置姿勢計測装置の概略構成を示す構成図。
【図2】本発明の掘進管先端位置姿勢計測方法の説明に用いた図。
【図3】第2の実施形態に係わる掘進管先端位置姿勢計測装置の概略構成を示す構成図。
【図4】図3に示す掘進管先端位置姿勢計測装置の電源がコイルに供給する電流の矩形波形を示す図。
【図5】本発明の掘進管先端位置姿勢計測方法の説明に用いた図。
【図6】位置P1と位置P2とで計測される磁界の時間変化を示す特性図。
【図7】第2の実施形態の変形例を示す図。
【図8】第3の実施形態に係わる掘進管先端位置姿勢計測装置の概略構成を示す構成図。
【図9】擬似ランダム信号の波形の例を示す図。
【図10】擬似ランダム信号発生器の概略構成を示す図。
【図11】擬似ランダム信号の自己相関波形を示す図。
【図12】第4の実施形態に係わる掘進管先端位置姿勢計測装置の概略構成を示す構成図。
【図13】従来の掘進管先端位置姿勢計測装置の概略構成を示す構成図。
【図14】従来の掘進管先端位置姿勢計測装置の概略構成を示す構成図。
【符号の説明】
110…掘進管
111…3軸磁界検出器
112…軸重力方向検出器
113…掘進計画線
120…人工磁界発生器
121…電源
122…電流路
123…中心線
130…演算処理部
131…傾斜角・回転角検出部
132…直流・交流分離器
133…方位角検出部
134…人工磁界変換部
135…水平位置・深さ計測部
136…出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】中心線が掘進管の掘進計画線から離れた位置に敷設された電流路に対して交流波形の電流を供給するステップと、前記掘進管先端部における3軸方向の磁界強度を計測するステップと、前記各軸方向の磁界強度を交流成分と直流成分とに分けるステップと、前記掘進管先端部の姿勢に対する重力加速度方向を計測するステップと、前記掘進管先端部の姿勢に対する重力加速度方向から前記掘進管先端部の傾斜角と回転角とを求めるステップと、前記分離された各軸方向の磁界強度の交流成分と前記電流路に供給された交流波形の同期信号とから前記掘進管先端部の方位角を求めるステップと、前記各軸方向の磁界強度の交流成分から前記掘進管先端部の水平位置と深さとを求めるステップとを含むことを特徴とする掘進管先端位置姿勢計測方法。
【請求項2】中心線が掘進管の掘進計画線から離れた位置に敷設された電流路に対して交流波形の電流を供給するステップと、前記掘進管先端部における3軸方向の磁界強度を計測するステップと、前記各軸方向の磁界強度を交流成分と直流成分とに分けるステップと、前記掘進管先端部の姿勢に対する重力加速度方向を計測するステップと、前記掘進管先端部の姿勢に対する重力加速度方向から前記掘進管先端部の傾斜角と回転角とを求めるステップと、前記各軸方向の磁界強度の直流成分と前記掘進管先端部の姿勢に対する重力加速度方向とから前記掘進管先端部の方位角を求めるステップと、前記各軸方向の磁界強度の交流成分から前記掘進管先端部の水平位置と深さとを求めるステップとを含むことを特徴とする掘進管先端位置姿勢計測方法。
【請求項3】前記電流路に電流を供給して形成される人工磁場の大きさは、地中の掘進管の先端部において、2μT以上となるようにすることを特徴とする請求項1又は2に記載の掘進管先端位置姿勢計測方法。
【請求項4】中心線が該掘進管の掘進計画線から離れた位置に敷設された電流路と、この電流路に交流波形の電流を供給する電源と、前記掘進管の先端に設けられた3軸方向の磁界強度をそれぞれ検出する磁界検出器と、この磁界検出器により検出された各軸方向の磁界強度を交流成分と直流成分とに分ける直流・交流分離器と、前記掘進管先端部に設けられ、該掘進管先端部の姿勢に対する重力加速度方向を検出する重力加速度方向検出器と、この重力加速度方向検出器により検出された重力加速度方向から前記掘進管先端部の傾斜角と回転角とを求める傾斜角・回転角検出部と、前記直流・交流分離器により分離された各軸方向の磁界強度の交流成分と前記電流路に供給された交流波形の同期信号とから前記掘進管先端部の方位角を求める方位角検出部と、前記直流・交流分離器により分離された各軸方向の磁界強度の交流成分から前記掘進管先端部の水平位置と深さとを求める水平位置・深さ計測部とを具備してなることを特徴とする掘進管先端位置姿勢計測装置。
【請求項5】中心線が該掘進管の掘進計画線から離れた位置に敷設された電流路と、この電流路に交流波形の電流を供給する電源と、前記掘進管の先端に設けられた3軸方向の磁界強度をそれぞれ検出する磁界検出器と、この磁界検出器により検出された各軸方向の磁界強度を交流成分と直流成分とに分ける直流・交流分離器と、前記掘進管先端部に設けられ、該掘進管先端部の姿勢に対する重力加速度方向を検出する重力加速度方向検出器と、この重力加速度方向検出器により検出された重力加速度方向から前記掘進管先端部の傾斜角と回転角とを求める傾斜角・回転角検出部と、前記重力加速度方向検出器により検出された重力加速度方向と、前記直流・交流分離器により分離された各軸方向の磁界強度の直流成分とから前記掘進管先端部の方位角を求める方位角検出部と、前記直流・交流分離器により分離された各軸方向の磁界強度の交流成分から前記掘進管先端部の水平位置と深さとを求める水平位置・深さ計測部とを具備してなることを特徴とする掘進管先端位置姿勢計測装置。
【請求項6】コイルに対して、供給時間が異なるハイレベルとローレベルとの2値の矩形波形の電流を供給するステップと、前記矩形波形の電流が前記コイルに供給された状態で、掘進管先端部における磁界の3軸方向の各成分の時間変位を計測するステップと、計測された磁界の各成分に対して、前記ハイレベルの電流供給時間に対応して一定のレベルを維持する第1の磁界の各成分と、前記ローレベルの電流供給時間に対応して一定のレベルを維持する第2の磁界強度の各成分とを求めるステップと、求められた第1及び第2の磁界の各成分から、前記コイルに矩形波形の電流が供給されて形成される人工磁界の各成分と、地磁気の各成分とを求めるステップと、前記掘進管先端部の姿勢に対する重力加速度方向を計測するステップと、前記掘進管先端部の姿勢に対する重力加速度方向から前記掘進管先端部の傾斜角と回転角とを求めるステップと、前記地磁気の各成分と前記掘進管先端部の姿勢に対する重力加速度方向とから前記掘進管先端部の方位角を求めるステップと、前記各軸方向の人工磁界から前記掘進管先端部の水平位置と深さとを求めるステップとを含むことを特徴とする掘進管先端位置姿勢計測方法。
【請求項7】第1の磁界の各成分と第2の磁界の各成分との差から、人工磁界の各成分を求め、第1の磁界の各成分と第2の磁界の各成分との和の1/2から地磁気強度の各成分を求めることを特徴とする請求項6に記載の掘進管先端位置姿勢計測方法。
【請求項8】コイルと、このコイルに、供給時間が異なるハイレベルとローレベルとの2値の矩形波形の電流を供給する電源と、前記掘進管の先端に設けられ、磁界の3軸方向の各成分をそれぞれ検出する磁界検出器と、この磁界検出器により計測された磁界の各成分から、ハイレベルの供給時間に対応して一定のレベルを維持する第1の磁界の各成分と、ローレベルの電流供給時間に対応して一定のレベルを保つ第2の磁界の各成分とを求める磁界強度検出部と、第1及び第2の磁界強度の各成分から、前記コイルに電流が供給されて形成される人工磁界の各成分と、地磁気の各成分とを求める人工磁界・地磁気算出部と、前記掘進管先端部に設けられ、該掘進管先端部の姿勢に対する重力加速度方向を検出する重力加速度方向検出器と、この重力加速度方向検出器により検出された重力加速度方向から前記掘進管先端部の傾斜角と回転角とを求める傾斜角・回転角検出部と、前記重力加速度方向検出器により検出された重力加速度方向と、地磁気の各成分とから前記掘進管先端部の方位角を求める方位角検出部と、前記人工磁界の各成分から前記掘進管先端部の水平位置と深さとを求める水平位置・深さ計測部とを具備してなることを特徴とする掘進管先端位置姿勢計測装置。
【請求項9】コイルに対して、擬似ランダム信号の電流を供給するステップと、前記擬似ランダム信号の電流が前記コイルに供給された状態で、掘進管先端部における磁界の3軸方向の各成分の時間変位を計測するステップと、計測された磁界の各成分と、前記擬似ランダム信号と同一パターンの参照用擬似ランダム信号との相関演算を行って、磁界の各成分を演算する人工磁界強度検出部と、前記掘進管先端部の姿勢に対する重力加速度方向を計測するステップと、前記掘進管先端部の姿勢に対する重力加速度方向から前記掘進管先端部の傾斜角と回転角とを求めるステップと、前記各軸方向の人工磁界から前記掘進管先端部の水平位置と深さとを求めるステップとを含むことを特徴とする掘進管先端位置姿勢計測方法。
【請求項10】コイルと、擬似ランダム信号波形の信号を発振する擬似ランダム信号発生器と、この擬似ランダム信号発振器から発振された擬似ランダム信号を増幅して、前記コイルに擬似ランダム信号波形の電流を供給する電源と、前記掘進管の先端に設けられ、磁界の3軸方向の各成分をそれぞれ検出する磁界検出器と、この磁界検出器により計測された磁界の各成分と、前記擬似ランダム信号波形と同様な参照信号との相関演算を行い、人工磁界の各成分を演算する人工磁界強度検出部と、前記掘進管先端部に設けられ、該掘進管先端部の姿勢に対する重力加速度方向を検出する重力加速度方向検出器と、この重力加速度方向検出器により検出された重力加速度方向から前記掘進管先端部の傾斜角と回転角とを求める傾斜角・回転角検出部と、前記人工磁界の各成分から前記掘進管先端部の水平位置と深さとを求める水平位置・深さ計測部とを具備してなることを特徴とする掘進管先端位置姿勢計測装置。
【請求項11】前記参照信号は、擬似ランダム信号発生器と同一パターンの波形を生成する参照用擬似ランダム信号発生器から発振された信号であることを特徴とする請求項10に記載の掘進管先端位置姿勢計測装置。
【請求項12】前記参照信号は、擬似ランダム信号発生器から無線機を介して前記ランダム信号が伝送されたものであることを特徴とする請求項10に記載の掘進管先端位置姿勢計測装置。

【図4】
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【図9】
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【図1】
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【図2】
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【図5】
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【図6】
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【図10】
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【図11】
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【図3】
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【図7】
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【図13】
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【図14】
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【図8】
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【図12】
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【公開番号】特開2002−5663(P2002−5663A)
【公開日】平成14年1月9日(2002.1.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−401240(P2000−401240)
【出願日】平成12年12月28日(2000.12.28)
【出願人】(000004123)日本鋼管株式会社 (1,044)
【Fターム(参考)】