説明

掛け寝具用カバー

【課題】掛け寝具を身体上からずれ難くすることができ、併せて、身体が収納されている空間の保温性に優れる掛け寝具用カバーを提供する。
【解決手段】掛け寝具用カバー1を、掛け寝具5の上面を覆う上シート部4と、掛け寝具5の下面を覆う中央シート部3と、中央シート部3の下面に設けられた下シート部2とで構成し、下シート部2に使用者の肩、手、足を中央シート部3と下シート部2との間(身体収納部9)に収納し得る大きさの開口部2aを形成した。掛け寝具5をシート部3,4間に収納し、使用者の肩、手、足を身体収納部9に収納すると、使用者の肩、手、足が下シート部2で掛け寝具用カバー1に掛かり、使用者が寝返りをうつたびに掛け寝具用カバー1も掛け寝具5を伴いその寝返り方向に移動される。又、掛け寝具用カバー1の下シート部2が身体収納部9と外部とを遮断するので、身体収納部9は良好な保温状態になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、掛け布団、掛け毛布等の掛け寝具を収納する掛け寝具用カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、掛け布団、掛け毛布等の掛け寝具は、それが汚れないように、掛け寝具用カバーに収納して使用されている。この掛け寝具用カバーの上面或いは側面には、開口部が形成されており、この開口部から掛け寝具の出し入れが行われている。
これにより、掛け寝具用カバーが汚れた場合、掛け寝具用カバーを取外して、これを洗濯して、再使用することができる。
尚、上記のような掛け寝具用カバーは、一般的に普及されているものであり、適当な公知文献は発見できなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
使用者が、掛け寝具用カバーに収納した掛け寝具を掛けて就寝しているときに、寝返りをうつと、掛け寝具が掛け寝具用カバーとともに使用者の身体の上からずれてしまうことが度々ある。特に、ベッドを使用している場合には、掛け寝具がベッドからずれ落ちてしまうことがある。
又、二人の使用者が掛け寝具(ダブルサイズ)を使用して就寝しているときに、一方が寝返りをうつことにより、掛け寝具がずれてしまい、他方の身体に掛け寝具が掛かっていないことが度々ある。
【0004】
更に、掛け寝具用カバーと敷き布団との間には、外部から冷たい空気が侵入することがあり、反対に、掛け寝具用カバーと敷き布団との間の、体温で温められた空気が外部に出ることもあって、十分な保温効果が得られない場合がある。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、掛け寝具を身体上からずれ難くすることができ、併せて、身体が収納されている空間の保温性に優れる掛け寝具用カバーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の掛け寝具用カバーは、掛け布団等の掛け寝具の上面の少なくとも外周部を覆う上シート部と、前記掛け寝具の下面を覆う中央シート部と、前記中央シート部の下面に設けられた下シート部とを備え、前記下シート部には、使用者の肩、手、足を前記中央シート部との間に収納することが可能な大きさの開口部が形成されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の掛け寝具用カバーによれば、使用者の身体上に中央シート部を介して掛け寝具が掛けられた状態になるので、掛け寝具と使用者の身体とが接することはなく、掛け寝具の汚れを防止することができる。
そして、使用者の肩、手、足が、下シート部で掛け寝具用カバーに掛かるので、使用者が寝返りをうつたびに、掛け寝具用カバーも掛け寝具を伴いその寝返り方向に移動され、使用者の身体からずれることはない。
【0008】
使用者が二人の場合、夫々の片方の肩、夫々の片方の手、夫々の片方の足が、下シート部で掛け寝具用カバーに掛かるので、一方の使用者が寝返りをうてば、掛け寝具用カバーが引っ張られることに伴い、他方の使用者も引っ張られる。従って、掛け寝具を常に二人の使用者の身体上に掛けられた状態にすることができる。
【0009】
更に、下シート部は、使用者の身体を覆って身体の下に敷かれ、身体は中央シート部及び下シート部で包み込まれた状態になるので、掛け寝具用カバーが、身体を収納している空間と外部とを遮断し、身体が収納されている空間を良好な保温状態にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を、掛け布団や掛け毛布等の掛け寝具を収納する掛け寝具用カバーに適用して、いくつかの実施形態につき、図面を参照して説明する。
まず、本発明の第1の実施形態について図1乃至図10を参照して説明する。
【0011】
図1には、掛け寝具用カバー1を断面で示している。図2には、掛け寝具用カバー1を構成する、下シート部2と、中央シート部3と、上シート部4とを平面で示している。掛け寝具用カバー1は、これらのシート部2,3,4をその順に下から上に重ねて構成されている。
【0012】
中央シート部3は、掛け寝具5よりやや大きい大きさの矩形状のシートである。
下シート部2は、中央シート部3と同じ大きさのシートから成り、この下シート部2の中央には六角形の開口部2aが形成され、下シート部2の四隅は、夫々、斜めに切取られている。
上シート部4は、下シート部2と同じ形状である。即ち、上シート部4は、下シート部2と同じ大きさのシートであり、この上シート部4の中央には、開口部2aと同じ形状の開口部4aが形成され、上シート部4の四隅は、夫々、斜めに切取られている。
【0013】
図3には、掛け寝具用カバー1を平面で示し、図4には、掛け寝具用カバー1の外周縁及び開口部2a,4aを断面で拡大して示している。
開口部2a,4aの各周縁は、夫々、折返されて糸6(破線で概略的に示す)で縫い合わされている。又、下シート部2、中央シート部3及び上シート部4の外周縁は、夫々、折返されて、糸6で縫い合わされ、シート部2,3,4を一体にしている。ただし、図3に示すように、掛け寝具用カバー1の長手方向の辺の中央及び四隅は縫い合わされていない。この縫い合わされていない部分は、空気孔7として機能する。尚、図3及び図4以外の掛け寝具用カバー1を示す図では、縫目の表示は省略している。
【0014】
掛け寝具用カバー1を構成するシート部2,3,4を一体にすることにより、図1に示すように、掛け寝具用カバー1の下側に開口部2aが位置し、掛け寝具用カバー1の上側に開口部4aが位置し、中央シート部3と上シート部4との間に寝具収納部8が形成され、中央シート部3と下シート部2との間に身体収納部9が形成される。
【0015】
寝具収納部8には、掛け寝具5が開口部4aから収納され、収納されると、掛け寝具5は、上面の外周部が上シート部4の開口部4a以外の部分で覆われ、下面が中央シート部3で覆われる。尚、掛け寝具5を寝具収納部8に収納するとき、寝具収納部8からは空気が空気孔7を通じて抜けるので、掛け寝具5を容易に収納できる。
【0016】
ここで、開口部2aは、図5に示す使用者10の肩10a、手10b、足10cを下シート部2の開口部2aから、中央シート部3と下シート部2との間(身体収納部9)に収納することが可能な大きさに形成されている。尚、使用者10の身体の収納については、後に詳述する。
【0017】
次に、本実施形態の作用について説明する。
掛け寝具用カバー1に収納された掛け寝具5は、図5及び図6に示すように、敷き布団11に重ねて使用され、敷き布団11の頭部側には、枕12が置かれる。
【0018】
使用者10は、掛け寝具用カバー1に収納された掛け寝具5と、敷き布団11との間に入る。次に、図6、図7及び図10に示すように、足10cを下シート部2の開口部2aから身体収納部9に収納する。これにより、下シート部2の開口部2aの足側の周縁は、足10cの下に敷かれ、足10cが下シート部2で掛け寝具用カバー1に掛かる状態になる。
【0019】
上述の、足10cを身体収納部9に収納しただけの段階では、下シート部2の開口部2aの頭部側の周縁は、使用者10の胸の辺りに位置している。そこで次に、下シート部2の開口部2aの頭部側の周縁を首付近まで引き寄せて、図7、図8及び図9に示すように、手10bから肩10aを身体収納部9に収納する。これにより、下シート部2は、肩10a及び手10bの下に敷かれ、肩10a及び手10bが下シート部2で掛け寝具用カバー1に掛かる状態になる。尚、これらに伴い、肩10a、手10b、足10cは、掛け寝具5側からは中央シート部3によって覆われもする。
【0020】
次に、本実施形態の効果について説明する。
本実施形態の掛け寝具用カバー1によれば、使用者10の身体上に中央シート部3を介して掛け寝具5が掛けられるので、掛け寝具5と使用者10の身体とが接することはなく、掛け寝具5の汚れを防止することができる。
【0021】
そして、使用者10の肩10a、手10b、足10cが、下シート部2で掛け寝具用カバー1に掛かるので、使用者10が寝返りをうつたびに、掛け寝具用カバー1も掛け寝具5を伴いその寝返り方向に移動される。従って、使用者10の寝返りによりその方向に掛け寝具5が移動しても、使用者10が元に戻れば、それに連れて掛け寝具5も元に戻り、使用者10の身体からずれることはない。よって、掛け寝具5は、常に使用者10の身体上に掛けられた状態になる。又、この掛け寝具用カバー1をベッド用の掛け寝具5に適用した場合、掛け寝具5がベッドからずれ落ちてしまうことを防ぐことができる。
【0022】
使用者10が二人の場合、夫々の片方の肩10a,10a、夫々の片方の手10b,10b、夫々の片方の足10c,10cが、下シート部2で掛け寝具用カバー1に掛かる。そのため、一方の使用者10が寝返りをうてば、掛け寝具用カバー1が引っ張られることに伴い、他方の使用者10も引っ張られる。よって、掛け寝具5を常に二人の使用者10,10の身体上に掛けられた状態にすることができる。
【0023】
更に、下シート部2は、使用者10の身体を覆って身体の下に敷かれ、身体は中央シート部3及び下シート部2で包み込まれた状態になるので、掛け寝具用カバー1が、身体収納部9と外部とを遮断し、身体収納部9への冷たい外気の侵入を防止し、又、体温で暖められた空気が外部へ出てしまうことも防止する。従って、身体が身体収納部9を良好な保温状態にすることができる。
【0024】
以上に対して、図11及び図12は、本発明の第2及び第3の実施形態を示すもので、夫々、第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ述べる。
【0025】
図11に示す第2の実施形態の掛け寝具用カバー21は、上シート部22の側面に掛け寝具5を出し入れする開口部23が形成されている。これは、掛け寝具用カバー21の中央シート部3と上シート部22の外周縁のうちの例えば足側の一辺を縫い合わせずに、その部分を開口部23とする構成である。
かかる構成の掛け寝具用カバー21においても、第1の実施形態の掛け寝具用カバー1と同様の作用効果を得ることができる。
【0026】
図12に示す第3の実施形態の掛け寝具用カバー31は、中央シート部32が下シート部2及び上シート部4に縫い合わされておらず、下シート部2及び上シート部4だけが縫い合わされ、そのシート部2,4間に中央シート部32が挿入される構成である。中央シート部32は、上下2枚のシート部33,34を重ねて、これらの外周縁を縫い合わされて構成されており、そのうち上側のシート部34の中央には、開口部4aと同形状の開口部35が形成されている。
【0027】
中央シート部32には開口部35から掛け寝具5が収納され、そして、その収納された掛け寝具5が、開口部4aからシート部2,4間に収納されることにより、掛け寝具5の上面が中央シート部32のシート部34を介して上シート部4で覆われ、下面がシート部33で覆われる。使用者10の身体は、中央シート部32のシート部33と下シート部2との間に収納される。
かかる構成の掛け寝具用カバー31においても、第1の実施形態の掛け寝具用カバー1と同様の作用効果を得ることができる。
【0028】
尚、本発明は上記し且つ図面に示す実施形態に限定されず、次のような変形、拡張が可能である。
第1乃至第3の実施形態の掛け寝具用カバーの下シート部の開口部の形状は、六角形以外の多角形、或いは円形(中でも楕円形)に変更しても良い。
第1及び第3の実施形態の掛け寝具用カバーの上シート部の開口部は、下シート部の開口部の形状と異なっていても良い。又、第3の実施形態の掛け寝具用カバーの上シート部には開口部を形成しなくても良い。この場合、中央シート部に収納された掛け寝具は、下シート部の開口部から下シート部と上シート部との間に収納される。
【0029】
第1及び第2の実施形態の掛け寝具用カバーは、下シート部、中央シート部、上シート部のうちのいずれか2つのシート部を、一枚の大きなシートを二つ折りにして、それに残りのシート部を合わせて外周縁を縫い合わせることにより構成しても良い。一方、第3の実施形態の掛け寝具用カバーの下シート部と上シート部、並びに中央シート部も、そのうちの少なくとも一方を、一枚の大きなシートを二つ折りにして、折った辺以外の外周縁を縫い合わせることにより構成しても良い。
空気孔の数や位置は、適宜変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す掛け寝具用カバーの縦断面図
【図2】掛け寝具用カバーの分解図
【図3】掛け寝具用カバーの上面図
【図4】掛け寝具用カバーの外周縁の拡大断面図
【図5】使用状態を示す上面図
【図6】図5のA−A線に沿って切断して示す断面図
【図7】図6のB−B線に沿って切断して示す下面図
【図8】図5のC−C線に沿って切断して示す断面図
【図9】図5のD−D線に沿って切断して示す断面図
【図10】図5のE−E線に沿って切断して示す断面図
【図11】本発明の第2の実施形態を示す図1相当図
【図12】本発明の第3の実施形態を示す図1相当図
【符号の説明】
【0031】
図面中、1は掛け寝具用カバー、2は下シート部、2aは開口部、3は中央シート部、4は上シート部、5は掛け寝具、10は使用者、10aは肩、10bは手、10cは足、21は掛け寝具用カバー、22は上シート部、31は掛け寝具用カバー、32は中央シート部を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
掛け布団等の掛け寝具の上面の少なくとも外周部を覆う上シート部と、
前記掛け寝具の下面を覆う中央シート部と、
前記中央シート部の下面に設けられた下シート部とを備え、
前記下シート部には、使用者の肩、手、足を前記中央シート部との間に収納すること が可能な大きさの開口部が形成されていることを特徴とする掛け寝具用カバー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−252889(P2007−252889A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−31967(P2007−31967)
【出願日】平成19年2月13日(2007.2.13)
【出願人】(392034300)
【Fターム(参考)】